特許第6358420号(P6358420)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6358420減圧式縦型化学蒸着装置及び化学蒸着方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6358420
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】減圧式縦型化学蒸着装置及び化学蒸着方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
   C23C16/455
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-3251(P2014-3251)
(22)【出願日】2014年1月10日
(65)【公開番号】特開2015-131984(P2015-131984A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139240
【弁理士】
【氏名又は名称】影山 秀一
(74)【代理人】
【識別番号】100119921
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 正之
(74)【代理人】
【識別番号】100113826
【弁理士】
【氏名又は名称】倉地 保幸
(74)【代理人】
【識別番号】100076679
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和夫
(72)【発明者】
【氏名】龍岡 翔
(72)【発明者】
【氏名】山口 健志
【審査官】 若土 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/003437(WO,A1)
【文献】 特開昭59−072721(JP,A)
【文献】 特開平05−295548(JP,A)
【文献】 特表2011−528753(JP,A)
【文献】 特表2012−533876(JP,A)
【文献】 特開2013−089818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00−16/56
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/469
H01L 21/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被成膜物の表面に化学蒸着により皮膜を形成する減圧式縦型化学蒸着装置において、回転駆動装置(2)により回転駆動されるガス供給管(5)が前記減圧式縦型化学蒸着装置内部に設けられ、該ガス供給管(5)は、その内部が、ガス供給管(5)の回転軸中心(13)を含み、かつ、ガス供給管(5)の回転軸(22)方向に延びる面を境界壁面として、領域A(14)及び領域B(15)の2つの領域に分割され、かつ、領域A(14)及び領域B(15)には、ガス供給管(5)の回転軸方向に沿って、それぞれ、複数の噴出口A(16)及び複数の噴出口B(17)が設けられ、領域A(14)に設けられた複数の噴出口A(16)から噴出した原料ガス群Aと領域B(15)に設けられた複数の噴出口B(17)から噴出した原料ガス群Bが、ガス供給管(5)の外側の反応容器(6)内で混合され、
領域A(14)に設けられたそれぞれの噴出口A(16)の最近接の噴出口は、領域B(15) に設けられた複数の噴出口B(17)のうちの一つであり、
また、領域B(15) に設けられたそれぞれの噴出口B(17)の最近接の噴出口は、領域A(14)に設けられた複数の噴出口A(16)のうちの一つであり、
互いに最近接な噴出口となる噴出口A(16)と噴出口B(17)が対(24)となって存在し、かつ、上記ガス供給管(5)の回転軸(22)を法線とする平面(23)が、前記対(24)となる噴出口A(16)と噴出口B(17)の両方に交わるように、ガス供給管(5)に噴出口が設けられ
前記の互いに最近接な噴出口として対となる噴出口A(16)と噴出口B(17)において、噴出口A(16)の中心(18)とガス供給管(5)の回転軸中心(13)と噴出口B(17)の中心(19)のなす角度を回転軸と垂直な面に投影した角度(21)が、40°以下となるようにガス供給管(5)に噴出口が設けられていることを特徴とする化学蒸着装置。
【請求項2】
前記の互いに最近接な噴出口として、対となる噴出口A(16)の中心(18)と噴出口B(17)の中心(19)間の距離(20)が2〜30mmとなるようにガス供給管(5)に噴出口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の化学蒸着装置。
【請求項3】
前記の互いに最近接な噴出口として、対となる噴出口A(16)と噴出口B(17)について、ガス供給管(5)の回転方向に対して、噴出口A(16)が先行して回転する噴出口対と噴出口B(17)が先行して回転する噴出口対がそれぞれ一対以上ガス供給管(5)に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の化学蒸着装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の減圧式縦型化学蒸着装置により、被成膜物の表面に皮膜を形成することを特徴とする化学蒸着方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の減圧式縦型化学蒸着装置により、被成膜物の表面に皮膜を形成するに際し、ガス供給管(5)を回転速度10〜60回転/分で回転させることを特徴とする化学蒸着方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の減圧式縦型化学蒸着装置により、被成膜物の表面に皮膜を形成するに際し、原料ガス群Aとして、金属元素を含まない無機原料ガス及び有機原料ガスの内から選ばれる一種以上のガスとキャリアガスを用い、また、原料ガス群Bとして、無機原料ガス及び有機原料ガスの内から選ばれる一種以上のガスとキャリアガスを用い、前記原料ガス群Bには少なくとも一種の金属元素を含むことを特徴とする化学蒸着方法。
【請求項7】
請求項4または5に記載の化学蒸着方法において、原料ガス群Aとして、金属元素を含まない無機原料ガス及び有機原料ガスの内から選ばれる一種以上のガスとキャリアガスを用い、原料ガス群Bとして、無機原料ガス及び有機原料ガスの内から選ばれる一種以上のガスとキャリアガスを用い、前記原料ガス群Bには少なくとも一種の金属元素を含むことを特徴とする化学蒸着方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の化学蒸着方法において、前記原料ガス群Aは、少なくともアンモニアガスを含むことを特徴とする化学蒸着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減圧式縦型化学蒸着装置及びこの装置を用いた化学蒸着方法に関し、特に、炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金、炭窒化チタン(以下、TiCNで示す)基サーメット、窒化ケイ素(以下、Siで示す)基セラミックス、酸化アルミニウム(以下、Alで示す)基セラミックスあるいは立方晶窒化ホウ素(以下、cBNで示す)基超高圧焼結体を基体とし、その表面に硬質層を被覆した表面被覆切削工具を製造する際に好適な減圧式化学蒸着装置および化学蒸着方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、WC基超硬合金等を基体とし、その表面に単層または多重層で構成された硬質層を化学蒸着法により被覆した表面被覆切削工具は、優れた切削性能を備えた切削工具として広く一般に使用されている。
そして、切削工具基体の表面に硬質層を被覆処理するための装置としては、特許文献1〜3にも示されるように減圧式縦型化学蒸着装置が知られている。
【0003】
図1に、従来から知られている減圧式縦型化学蒸着装置の概略側面図を示し、また、図2には、減圧式縦型化学蒸着装置に使用されるベースプレート及びその周辺部の一例の概略側面図を示す。
【0004】
図1図2を用いて、従来の減圧式縦型化学蒸着装置の概略を説明する。
従来の減圧式縦型化学蒸着装置は、図1に示すように、べースプレート(1)とベル型の反応容器(6)で構成され、反応容器(6)内の空間に装入された治具に切削工具基体が装填され密閉される。この反応容器(6)の外壁に外熱式加熱ヒーター(7)をかぶせて反応容器(6)内を約700〜1050°Cに加熱し、図1図2に示すように、べースプレート(1)に設けたガス導入部(3)、ガス導入口(8)から各種の混合ガスを連続的に導入し、反応後のガスをガス排出部(4)、ガス排気口(9)より排気する操作を行うことによって、工具基体への被覆処理等の化学蒸着を行う。
この時、反応容器(6)内の圧力を減圧にするとともに減圧状態を維持するため反応容器(6)内から排気ガスを減圧ポンプを用いて強制的に排気する。
べースプレート(1)に、ガス導入部(3)、ガス導入口(8)と、ガス排出部(4)、ガス排気口(9)はそれぞれ1か所設けられているが、切削工具基体を反応容器(6)内に装填した後に容器(6)内の空気を取り除き真空にするため、真空引き用の排気口を別に設けて真空ポンプで排気する場合もある。
さらに、反応容器(6)内の温度を確認する必要があるときは熱電対等温度センサーを炉内に挿入するための貫通口をべースプレートに設けるときもある。
また、ガス導入部(3)、ガス導入口(8)へと導入された混合ガスは、被覆の均一性を高めるため、回転駆動装置(2)により回転駆動される回転式ガス導入部品(12)内に導入され、回転式ガス導入部品(12)に連結されたガス供給管(5)を通して、回転しているガス供給管(5)より、反応容器内に供給するようにしている。
【0005】
以上述べた図1図2に示される減圧式縦型化学蒸着装置を用いて、化学蒸着法により切削工具基体の表面に硬質層が被覆されるが、被覆に用いられる混合ガスとしては、例えば、TiC1、AlC1 の少なくとも1種の塩化物ガスとCH 、N 、H 、CHCN、CO、CO、HCl、HS等の1種以上のガスの混合ガスが用いられ、この混合ガスを反応性ガスとした化学蒸着を行うことにより、TiC、TiCN、TiN、Al等の硬質層を被覆できることが知られている。
【0006】
図1に示す減圧式縦型化学蒸着装置では、べースプレート(1)の中心部にガス導入部(3)が1か所形成されていたが、ガス導入口の閉塞による操業上のトラブルを回避し、安定的な化学蒸着を行うことを目的として、図2に示されるように、べースプレートの中心部に設けたガス導入部の側部に、2か所(又は2か所以上)にガス導入口(8)を、それぞれの上下方向高さ位置を変えて取り付けた減圧式縦型化学蒸着装置も提案されている。
【0007】
例えば、特許文献3には、べースプレートの中心部に設けたガス導入部の側部に、2か所又は2か所以上ガス導入口を、それぞれの上下方向高さ位置を変えて取り付けるとともに、べースプレートにガス排気口を2か所又は2か所以上設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−295548号公報
【特許文献2】特表2011−528753号公報
【特許文献3】特開平9−310179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来から、通常使用されている化学蒸着装置では、大面積の領域に均一に皮膜を蒸着形成させるために、回転しているガス供給管を反応容器内に設け、原料ガスを事前に予熱して被成膜物に到達させるようにしているため、原料ガス群として、互いに反応活性の高いガス種を用いて成膜する場合には、ガス供給管内で反応が進み、ガス供給管内部に厚く成膜され、ガス噴出口近傍にも沈着し、ガス供給管が閉塞してしまうという問題が生じやすく、また、回転機構に反応生成物が挟まり回転運動を困難にすることも起こることから、大面積の成膜領域に亘って均一な皮膜形成を行うという目的が十分に達成されないことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明者らは、前述の観点から、原料ガス群として互いに反応活性の高いガス種を用いて成膜する場合、それらのガス種をガス供給管内では混合させず、分離しておき、回転しているガス供給管から分離させたガスのそれぞれを独立して噴出させ、その後、反応容器内の空間であって、かつ、ガス供給管より外側の空間でガスを混合させるようにし、なおかつ、分離させたおのおののガスの噴出口の少なくとも一部が、回転しているガス供給管の回転軸を法線とする平面と交わるようにし(即ち、分離させたおのおののガスの噴出口は、ガス供給管の回転軸にほぼ直交する平面に形成する)、回転速度を適宜調整できるようにすることでガス混合の進行とガスの工具基体表面への到達時間を調整できる化学蒸着装置とすることにより、ガス供給管が閉塞してしまうことなく、また、ガス噴出口近傍に沈着物が形成されることもなく、大面積の成膜領域に亘って均一に成膜することができるという知見を得た。
【0011】
しかし、例え互いに反応活性の高いガス種をガス供給管内で混合させずに分離しておき、回転しているガス供給管からガスを噴出させた後にガスが混合するようにしても、工具基体表面へのガスの到達時間よりも、互いに反応活性の高いガス種の混合の進行が早ければ、ガス噴出口に近い被成膜物だけに厚く膜が堆積されて、所望の大面積領域に亘って均一な成膜を得る事が出来ない。一方で、工具基体表面へのガスの到達時間よりも、互いに反応活性の高いガス種の混合の進行が遅ければ、ガス噴出口に近い被成膜物には膜がほとんど堆積せず、この場合も所望の大面積領域に亘っての均一な成膜を得る事が出来ない。
【0012】
そこで、本発明者らは、回転しているガス供給管からガスが噴出した後にガスが混合する際の分離された2系統のガス群の噴出口の位置関係を詳細に調べた結果、ガスが噴出した後、拡散によって混合するに任せるだけでは、大面積に均一な皮膜を得る目的を達成する事が出来ず、ガス供給管の回転運動による旋回成分によって、分離された2系統のガス群のガスが噴出後、工具基体表面の近傍において混合するような化学蒸着装置とすることにより、大面積の成膜領域に亘って均一な皮膜を得る目的が達せられることを見出した。
【0013】
そして、前述のような構成の化学蒸着装置を用いて大面積に均一な皮膜を得る目的を達するために、噴出口間の位置関係を規定する距離、角度およびガス供給管の回転速度等の条件には、最適範囲が存在する事を見出した。
【0014】
本発明は、前記知見に基づいてなされたものであって、
「(a)被成膜物の表面に化学蒸着により皮膜を形成する減圧式縦型化学蒸着装置において、回転駆動装置(2)により回転駆動されるガス供給管(5)が前記減圧式縦型化学蒸着装置内部に設けられ、該ガス供給管(5)は、その内部が、ガス供給管(5)の回転軸中心(13)を含み、かつ、ガス供給管(5)の回転軸(22)方向に延びる面を境界壁面として、領域A(14)及び領域B(15)の2つの領域に分割され、かつ、領域A(14)及び領域B(15)には、ガス供給管(5)の回転軸方向に沿って、それぞれ、複数の噴出口A(16)及び複数の噴出口B(17)が設けられ、領域A(14)に設けられた複数の噴出口A(16)から噴出した原料ガス群Aと領域B(15)に設けられた複数の噴出口B(17)から噴出した原料ガス群Bが、ガス供給管(5)の外側の反応容器(6)内で混合され、
領域A(14)に設けられたそれぞれの噴出口A(16)の最近接の噴出口は、領域B(15) に設けられた複数の噴出口B(17)のうちの一つであり、
また、領域B(15) に設けられたそれぞれの噴出口B(17)の最近接の噴出口は、領域A(14)に設けられた複数の噴出口A(16)のうちの一つであり、
互いに最近接な噴出口となる噴出口A(16)と噴出口B(17)が対(24)となって存在し、かつ、上記ガス供給管(5)の回転軸(22)を法線とする平面(23)が、前記対(24)となる噴出口A(16)と噴出口B(17)の両方に交わるように、ガス供給管(5)に噴出口が設けられ
前記の互いに最近接な噴出口として対となる噴出口A(16)と噴出口B(17)において、噴出口A(16)の中心(18)とガス供給管(5)の回転軸中心(13)と噴出口B(17)の中心(19)のなす角度を回転軸と垂直な面に投影した角度(21)が、40°以下となるようにガス供給管(5)に噴出口が設けられていることを特徴とする化学蒸着装置。
(b)前記の互いに最近接な噴出口として、対となる噴出口A(16)の中心(18)と噴出口B(17)の中心(19)間の距離(20)が2〜30mmとなるようにガス供給管(5)に噴出口が設けられていることを特徴とする(a)に記載の化学蒸着装置。
)前記の互いに最近接な噴出口として、対となる噴出口A(16)と噴出口B(17)について、ガス供給管(5)の回転方向に対して、噴出口A(16)が先行して回転する噴出口対と噴出口B(17)が先行して回転する噴出口対がそれぞれ一対以上ガス供給管(5)に設けられていることを特徴とする(a)または(b)に記載の化学蒸着装置。
)(a)乃至()のいずれかに記載の減圧式縦型化学蒸着装置により、被成膜物の表面に皮膜を形成することを特徴とする化学蒸着方法。
)(a)乃至()のいずれかに記載の減圧式縦型化学蒸着装置により、被成膜物の表面に皮膜を形成するに際し、ガス供給管(5)を回転速度10〜60回転/分で回転させることを特徴とする化学蒸着方法。
)(a)乃至()のいずれかに記載の減圧式縦型化学蒸着装置により、被成膜物の表面に皮膜を形成するに際し、原料ガス群Aとして、金属元素を含まない無機原料ガス及び有機原料ガスの内から選ばれる一種以上のガスとキャリアガスを用い、また、原料ガス群Bとして、無機原料ガス及び有機原料ガスの内から選ばれる一種以上のガスとキャリアガスを用い、前記原料ガス群Bには少なくとも一種の金属元素を含むことを特徴とする化学蒸着方法。
(d)または(e)に記載の化学蒸着方法において、原料ガス群Aとして、金属元素を含まない無機原料ガス及び有機原料ガスの内から選ばれる一種以上のガスとキャリアガスを用い、原料ガス群Bとして、無機原料ガス及び有機原料ガスの内から選ばれる一種以上のガスとキャリアガスを用い、前記原料ガス群Bには少なくとも一種の金属元素を含むことを特徴とする化学蒸着方法。
(f)または(g)に記載の化学蒸着方法において、前記原料ガス群Aは、少なくともアンモニアガスを含むことを特徴とする化学蒸着方法。」
に特徴を有するものである。
【0015】
本発明の化学蒸着装置及び化学蒸着方法について、以下に、図面と共に詳細に説明する。
なお、各図面において、同一の装置構成部材については、同一の符号で示す。
【0016】
本発明は、WC基超硬合金、TiCN基サーメット、Si基セラミックス、Al基セラミックスあるいはcBN基超高圧焼結体を基体とし、その表面に硬質層を被覆した表面被覆切削工具等を製造するための減圧式化学蒸着装置および化学蒸着方法に適用することができる。
本発明の一つの実施の態様の減圧式化学蒸着装置(以下、単に「本発明装置」ともいう)は、基本的な装置構成として、図1に示すようなベースプレート(1)、ベル型の反応容器(6)及び外熱式加熱ヒーター(7)を備える。
本発明装置の反応容器(6)の内部には切削工具を装填する治具が装着される空間が形成される。
前記反応容器(6)の外壁には、反応容器(6)内を約700〜1050°Cに加熱するための外熱式加熱ヒーター(7)が取り付けられている。
本発明装置の一つの実施の態様において、ベースプレート(1)には、図7に示すような原料ガス群A導入口(27)と原料ガス群B導入口(28)とガス排気口(9)を設け、それぞれ原料ガス群A導入管(29)と原料ガス群B導入管(30)とガス排気管(11)に接続されている。
前記ベースプレート(1)の中心部下部には、導入ガスに回転運動を与えるための回転式ガス導入部品(12)と前記回転式ガス導入部品(12)を回転させるための回転駆動装置(2)がカップリングを介して連設されている。
【0017】
図7に示すように、本発明装置では、原料ガス群A導入口(27)と原料ガス群B導入口(28)は、ベースプレート(1)の中心部に下方に突き出して設けたガス導入部の側部に、前記原料ガス群A導入口(27)と原料ガス群B導入口(28)を上下方向に高さを変えて取り付けており、ガス導入部に挿入された回転式ガス導入部品(12)の側面に設けた孔から回転式ガス導入部品の中心部にガスが供給される。この際、原料ガス群A導入口(27)と原料ガス群B導入口(28)が上下方向に高さを変えて取り付けてあり、回転式ガス導入部品(12)内でも原料ガス群Aと原料ガス群Bは2つに分離された空間に導入され、それぞれ、原料ガス群A導入路(31)と原料ガス群B導入路(32)を通って、回転式ガス導入部品(12)に連結された、ガス供給管(5)に導入されるように構成されている。
そして、ガス供給管(5)は、図3A図3Bに示すように、分割された2つの領域、即ち、領域A(14)及び領域B(15)を有しており、原料ガス群Aは領域A(14)に供給され、原料ガス群Bは領域B(15)に供給される。
領域A(14)に設けられた噴出口A(16)から噴出した原料ガス群Aと、領域B(15) に設けられた噴出口B(17)から噴出した原料ガス群Bが、ガス供給管(5)の外側の反応容器(6)内で混合され、化学蒸着により、基体の表面に硬質層が成膜される。
また、図4A図4Bに示すように、領域A(14)に設けられた噴出口A(16)及び領域B(15) に設けられた噴出口B(17)は、ガス供給管(5)の回転軸(22)方向に沿って、縦方向に複数箇所形成される。
【0018】
本発明装置内部に設けられた回転機構を有するガス供給管(5)に設けられたガス噴出口:
本発明装置内部に設けられた回転機構を有するガス供給管(5)は、図3A図3Bに示すように、分割された2つの領域、即ち、領域A(14)及び領域B(15)を有している。
領域A(14)に設けられた噴出口A(16)から噴出した原料ガス群Aと、領域B(15) に設けられた噴出口B(17)から噴出した原料ガス群Bがガス供給管(5)の外の領域で混合するようにガス噴出口が設けられている。
領域A(14)に設けられたそれぞれの噴出口A(16)の最近接の噴出口は領域B(15) に設けられた噴出口B(17)のうちの一つであり、しかも、領域B(15) に設けられたそれぞれの噴出口B(17)の最近接の噴出口は領域A(14)に設けられた噴出口A(16) のうちの一つである。
そして、図4A図4Bに示すように、互いに最近接な噴出口となる噴出口A(16)と噴出口B(17)が対をなすように存在し、図5A図5Bに示すように、対となる噴出口A(16)と噴出口B(17)の両方(24)が、ガス供給管(5)の回転軸(22)を法線とする平面(23)に交わるように噴出口が設けられる。
【0019】
図5Bの(a)、(b)に示すような、噴出口A(16)、噴出口B(17)のこのような対(24)の配列により、反応活性の高いガス種を用いて成膜する場合においても、装置内の所望の大面積に均一な成膜を得る事が出来る。
噴出口A(16)と噴出口B(17)が対(24)となって設けられていない場合には、原料ガス群Aと原料ガス群Bが、反応容器(6)内部で滞留した後、混合し反応するため、気相での反応が促進され、それにより、気相で形成された核の堆積により成膜されるため、装置内の所望の大面積に均一な成膜を得る事が出来ない。
また、対(24)となっていても、図5B(c)に示すような噴出口A(16)、噴出口B(17)の配列の場合、即ち、分離させたおのおののガスの噴出口A(16)、噴出口B(17)の少なくとも一部が、回転しているガス供給管(5)の回転軸(22)を法線とする平面(23)と交わるように設けられていない場合、ガス供給管(5)の回転運動による旋回成分による原料ガス群Aと原料ガス群Bを混合させる効果が得にくく、装置内の所望の大面積に均一な成膜を得る事が出来ない。
【0020】
更に、図3A図3Bに示すように、本発明の上記の互いに最近接な噴出口として、対(24)となる噴出口A(16)と噴出口B(17)の距離(20)を2〜30mmであるように噴出口間隔を設けることが好ましく、より好ましくは、2〜15mm、更に好ましくは、3〜8mmとすることである。
それにより、装置内の所望の大面積に均一な成膜を得る事が出来る。
この噴出口の距離(20)は原料ガス群Aと原料ガス群Bの反応性の高さにも依存するが、距離(20)が近すぎると、ガス噴出口に近い被成膜物だけに厚く膜が堆積されて、噴出口から離れた箇所の被成膜物は膜厚が薄くなってしまう。
一方で、距離(20)が離れ過ぎると、ガス噴出口に近い被成膜物の膜厚が薄くなってしまう傾向がある。
【0021】
更に、図5B(a)、(b)中の符号(24)として示した本発明の上記の互いに最近接な噴出口として対(24)となる噴出口A(16)と噴出口B(17)において、図3A図3Bに示すように、噴出口A(16)の中心(18)とガス供給管(5)の回転軸中心(13)と噴出口B(17)の中心(19)のなす角度を回転軸と垂直な面に投影した角度(21)が、60°以下であるように噴出口が設けることが好ましく、より好ましくは、40°以下、更に好ましくは、20°以下とすることである。
それにより、炉内の所望の大面積に均一な成膜を得る事が出来る。
上記角度(21)は原料ガス群Aと原料ガス群Bの反応性の高さにも依存するが、上記角度(21)が大きすぎると、ガス噴出口の近くではガスの混合が進まずにガス噴出口に近い被成膜物の膜厚が薄くなってしまう傾向がある。
【0022】
上記の互いに最近接な噴出口として、図6B(a)に示すように、対(24)となる噴出口A(16)と噴出口B(17)について、ガス供給管(5)の回転方向に対して、噴出口A(16)が先行して回転する噴出口対(25)と、図6B(b)に示すように、噴出口B(17) が先行して回転する噴出口対(26)が設けられている場合、原料ガス群Aと原料ガス群Bのガス種や反応性の高さにも依存するが、先行する噴出口によって原料ガス群Aと原料ガス群Bの混合度合や反応度合が異なるという現象が生じる。
この現象を利用して、従来の化学蒸着装置では、困難であった、ナノレベルでの組織構造をもった皮膜が形成可能である。
噴出口A(16)が先行して回転する噴出口対(25)が生成に大きく寄与する前駆体と噴出口B(17)が先行して回転する噴出口対(26)が生成に大きく寄与する前駆体という質の異なる前駆体により成膜されるためである。これにより、例えば、ナノコンポジット構造の形成が可能となる。また、2種の前駆体が存在することにより、堆積時の被成膜物の表面においてエネルギー的に不安定な状態が生まれ、表面拡散による自己組織化を誘発することにより、より切削工具用皮膜としてより強靭な皮膜を形成することが可能である。
【0023】
ガス供給管(5)の回転速度:
本発明装置により、化学蒸着するに際し、ガス供給管(5)を回転速度10〜60回転/分で回転させることが好ましく、より好ましくは、20〜60回転/分、更に好ましくは、30〜60回転/分とすることである。これにより、炉内の所望の大面積に均一な成膜を得る事が出来る。これは、回転しているガス供給管(5)からガスが噴出した際、ガス供給管(5)の回転運動による旋回成分によって、原料ガス群Aと原料ガス群Bが均一に混合することによるものである。これは、原料ガス群Aと原料ガス群Bのガス種や反応性の高さにも依存する。
【0024】
原料ガス:
本発明装置により、化学蒸着するに際し、原料ガス群Aとしては、金属元素を含まない無機原料ガス及び有機原料ガスの内から選ばれる一種以上のガスとキャリアガスを用い、また、原料ガス群Bとしては、無機原料ガス及び有機原料ガスの内から選ばれる一種以上のガスとキャリアガスを用いることができ、前記原料ガス群Bには少なくとも一種の金属元素を含むものである。
例えば、本発明装置を用いて、切削工具基体の表面に硬質層を形成するに際し、原料ガス群Aとして、NHとキャリアガス(H)を選択し、また、原料ガス群Bとして、TiClとキャリアガス(H)を選択して化学蒸着することにより、大面積にわたり化学蒸着で形成されたTiN層の層厚均一性に優れた表面被覆切削工具(表1実施例1参照)を作製することができる。
また、例えば、原料ガス群Aとして、CHCNとN及びキャリアガス(H)を選択し、また、原料ガス群Bとして、TiClとN及びキャリアガス(H)を選択して化学蒸着することにより、大面積にわたり化学蒸着で形成されたTiCN層の層厚均一性に優れた表面被覆切削工具(表1実施例4参照)を作製することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の化学蒸着装置及び化学蒸着方法によれば、従来困難であった原料ガス群として互いに反応活性の高いガス種を用いて成膜する場合においても、ガス供給管の閉塞、ガス噴出口近傍での沈着物の生成を抑制し得るとともに、大面積の成膜領域に亘って、均一な皮膜形成をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来の減圧式縦型化学蒸着装置の概略側面図である。
図2】従来の減圧式縦型化学蒸着装置において、ガス導入口が2か所設けられているベースプレート(1)及びその周辺部の概略側面図である。
図3A】本発明に係る一つの実施態様におけるガス供給管(5)の回転軸(22)に垂直な断面の概略断面模式図である。
図3B】本発明に係る他の実施態様におけるガス供給管(5)の回転軸(22)に垂直な断面の概略断面模式図である。
図4A】本発明に係る一つの実施態様におけるガス供給管(5)の概略斜視図である。
図4B】本発明に係る他の実施態様におけるガス供給管(5)の概略斜視図である。
図5A】本発明に係る一つの実施態様におけるガス供給管(5)の回転軸(22)を法線とする平面(23)を示す概略模式図である。
図5B】(a)、(b)は、本発明に係る一つの実施態様のガス供給管(5)において、ガス供給管(5)の回転軸(22)を法線とする平面(23)が、対(24)となる噴出口A(16)と噴出口B(17)の両方に交わるように、噴出口が設けられている場合を示す概略模式図である。 (c)は、本発明の範囲外の噴出口の配置・配列であって、ガス供給管(5)の回転軸(22)を法線とする平面(23)が、対(24)となる噴出口A(16)と噴出口B(17)の両方には交わらない場合を示す概略模式図である。
図6A】本発明に係る一つの実施態様におけるガス供給管(5)の回転軸(22)に対して垂直な断面について、2つの方向から見た視野A及び視野Bの関係を表す概略模式図である。
図6B】(a)は、本発明に係る一つの実施態様におけるガス供給管(5)において、視野Aから見た場合のガス供給管(5)の概略斜視図であり、回転方向に対して、噴出口Aが先行して回転している噴出口対(25)が設けられていることを示す。(b)は、本発明に係る一つの実施態様におけるガス供給管(5)において、視野Bから見た場合のガス供給管(5)の概略斜視図であり、回転方向に対して、噴出口Bが先行して回転している噴出口対(26)が設けられていることを示す。
図7】ガス導入口(27)、(28)が2か所設けられているベースプレート(1)を用いて、ガス導入口(27)、(28)から、原料ガス群Aと原料ガス群Bを導入し、回転式ガス導入部品(12)内において原料ガス群Aと原料ガス群Bを混合せず、ガス供給管(5)の分割された領域A及び領域Bの2つの領域に、それぞれのガスを混合せずに供給するためのベースプレート(1)及びその周辺部の一例を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
つぎに、本発明の化学蒸着装置及び化学蒸着方法について、図面を参照しつつ、実施例により具体的に説明する。
【実施例】
【0028】
本発明の実施例においては、図1に示すベル型の反応容器(6)及び外熱式加熱ヒーター(7)を備える減圧式化学蒸着装置(以下、単に、「本実施例装置」という。)を使用した。
ここで、ベル型の反応容器(6)の径250mm、高さ750mmであり、外熱式加熱ヒーター(7)は、反応容器(6)内を約700〜1050°Cに加熱することができる。
また、本実施例装置は、少なくとも、図7に示すベースプレート(1),回転式ガス導入部品(12),原料ガス群A導入口(27),原料ガス群B導入口(28),原料ガス群A導入路(31),原料ガス群B導入路(32)を備え、さらに、図3A図4A図5A図5B(a)に示すガス供給管(5),領域A(14),領域B(15),噴出口A(16),噴出口B(17)を備える。
そして、本実施例装置においては、図3Aに示す対をなす噴出口Aの中心と噴出口Bの中心との距離(20)を2〜30mmの範囲内に設定し、さらに、同じく図3Aに示す噴出口Aの中心(18)とガス供給管(5)の回転軸中心(13)と噴出口Bの中心(19)とのなす角度を回転軸と垂直な面に投影した角度(21)を40°以下の範囲内に設定した。
【0029】
上記本実施例装置を用いて、ベル型の反応容器(6)内に、中心部にガス供給管(5)が貫通可能な直径65mmの中心孔が形成された外径220mmのドーナツ状の治具を配置し、この治具上に、被成膜物として、JIS規格CNMG120408の形状(厚さ:4.76mm×内接円直径:12.7mmの80°菱形)をもったWC基超硬合金基体を載置した。
なお、WC基超硬合金からなる被成膜物は、治具の径方向に沿って20〜30mmの間隔で載置し、また、治具の周方向に沿ってほぼ等間隔となるように載置した。
【0030】
上記本実施例装置を使用して、各種の原料ガス群Aを原料ガス群A導入口(27)から、また、各種の原料ガス群Bを原料ガス群B導入口(28)から、それぞれ、所定の回転速度で回転しているガス供給管(5)の領域A(14)及び領域B(15)へ、それぞれ所定の流量で導入し、噴出口A(16)及び噴出口B(17)から、原料ガス群A及び原料ガス群Bをそれぞれ噴出させて、WC基超硬合金基体からなる被成膜物表面に、化学蒸着により、実施例1〜の硬質皮膜を形成した。
表1に、化学蒸着に使用した原料ガス群A、原料ガス群Bの成分・組成を示す。
また、表2には、実施例1〜における化学蒸着の諸条件を示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
上記実施例1〜について、成膜された硬質皮膜の均一性を調べた。
まず、ドーナツ状治具の中心孔に近い内周側に載置した10箇所のWC基超硬合金基体について、その上に成膜された硬質皮膜の膜厚を、基体に垂直な方向の断面を、走査型電子顕微鏡(倍率5000倍)により測定し、これらの平均値を、「治具内周側の基体上に形成された平均膜厚T1」として求めた。
また、ドーナツ状治具の外周側に載置した10箇所のWC基超硬合金基体について、同様に、その上に成膜された硬質皮膜の膜厚を測定し、これらの平均値を、「治具外周側の基体上に形成された平均膜厚T2」として求めた。
次いで、「治具内周側の基体上に形成された平均膜厚T1」と、「治具外周側の基体上に形成された平均膜厚T2」との差を「内周側と外周側の平均膜厚差|T1−T2|」として求めるとともに、「内周側と外周側の平均膜厚差の割合(|T1−T2|)×100/T1」を求めた。
表3に、上記で求めた値を示す。
【0034】
【表3】
【0035】
表3に示す結果から、本発明の減圧式縦型化学蒸着装置を用いた化学蒸着方法によれば、原料ガスとして、互いに反応活性の高いガス種を含む場合であっても、「内周側と外周側の平均膜厚差の割合(|T1−T2|)×100/T1」が15%以下であって、平均膜厚差が非常に小さいことから、装置内に配置された治具のいずれの箇所に基体を載置するかという載置箇所に関わらず、均一性の高い皮膜が形成されたことが分かる。
特に、実施例1、3、5〜は、原料ガス群Aにアンモニアガス(NH)を含み、そして、アンモニアガスは原料ガス群Bの金属塩化物ガス(TiCl,AlCl等)と反応活性が高いにも関わらず、成膜膜種であるTiN皮膜、TiCN皮膜、AlTiN皮膜を炉内大面積に均一性高く成膜することが可能であった。
従来の化学蒸着装置及び化学蒸着方法においては、これらの原料ガスのような互いに反応活性の高いガス種を含む場合、ガス供給管内で反応が進み、ガス供給管内部に厚く成膜され、また、ガス噴出口近傍にも沈着が生じ、ガス供給管が閉塞してしまうという問題が生じていたが、本発明の化学蒸着装置及び化学蒸着方法によれば、このような問題が発生することは防止された。
また、原料ガスとして、互いに反応活性がそれほど高くない実施例2、4に示されるようなガス種を用いた成膜においても、本発明の減圧式縦型化学蒸着装置及び化学蒸着方法によれば、最適な成膜条件を設定することにより、炉内の大面積の成膜領域に亘って、より均一に成膜することが可能であった。
【産業上の利用可能性】
【0036】
前述のように、本発明の減圧式縦型化学蒸着装置及び化学蒸着方法は、従来困難を伴った原料ガス群に互いに反応活性の高いガス種を用いて成膜する場合においても、大面積を均一に皮膜形成することが可能であることから、省エネ化、さらに低コスト化の面において産業上利用に十分に満足に対応できるものである。
また、本発明の減圧式縦型化学蒸着装置および化学蒸着方法は、硬質層を被覆した表面被覆切削工具を製造において、大変有効であるばかりでなく、耐摩耗性を必要とするプレス金型や、摺動特性を必要とする機械部品への成膜等、蒸着形成する膜種によって各種の被成膜物で使用することも勿論可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 ベースプレート
2 回転駆動装置
3 ガス導入部
4 ガス排出部
5 ガス供給管
6 反応容器
7 外熱式加熱ヒーター
8 ガス導入口
9 ガス排気口
10 ガス導入管
11 ガス排気管
12 回転式ガス導入部品
13 ガス供給管の回転軸中心
14 領域A
15 領域B
16 噴出口A
17 噴出口B
18 噴出口Aの中心
19 噴出口Bの中心
20 対をなす噴出口Aの中心と噴出口Bの中心との距離
21 対をなす噴出口Aと噴出口Bにおいて、噴出口Aの中心とガス供給管の回転軸中心と噴出口Bの中心とのなす角度を回転軸と垂直な面に投影した角度
22 ガス供給管の回転軸
23 ガス供給管の回転軸を法線とする平面
24 対をなす噴出口Aと噴出口B
25 噴出口Aが先行して回転する噴出口対
26 噴出口Bが先行して回転する噴出口対
27 原料ガス群A導入口
28 原料ガス群B導入口
29 原料ガス群A導入管
30 原料ガス群B導入管
31 原料ガス群A導入路
32 原料ガス群B導入路


図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7