特許第6358426号(P6358426)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6358426
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】車両のブレーキ構造
(51)【国際特許分類】
   B60T 7/06 20060101AFI20180709BHJP
   F16J 15/06 20060101ALI20180709BHJP
   B60R 13/08 20060101ALI20180709BHJP
   B62D 25/08 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   B60T7/06 A
   F16J15/06 L
   F16J15/06 C
   B60R13/08
   B62D25/08 J
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-115897(P2014-115897)
(22)【出願日】2014年6月4日
(65)【公開番号】特開2015-229404(P2015-229404A)
(43)【公開日】2015年12月21日
【審査請求日】2017年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174366
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 史郎
(72)【発明者】
【氏名】竹谷 昌之
【審査官】 杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−123462(JP,U)
【文献】 特開2014−004906(JP,A)
【文献】 特開平06−219327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 7/00 − 7/10
B60R 13/08
B62D 25/08
F16J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内外を仕切るダッシュパネルの車室外側の側面に設けられたブレーキブースタを有し、当該ブレーキブースタに形成されたペダル踏力入力部が前記ダッシュパネルの通孔を通じ車室内へ突き出る車両のブレーキ構造であって、
前記ダッシュパネルの車室内側の側面には、前記ペダル踏力入力部を覆い、前記通孔と前記ペダル踏力入力部との間の間隙を遮るカバー部材を有し、
前記ブレーキ倍力装置のペダル踏力入力部は、車室内に張り出る筒形部と、前記筒形部を通じて車室内に突き出るロッド部材とを有し、
前記カバー部材は、前記ダッシュパネルの前記通孔周りの車室内側の側面に固定される第1フランジ部と、前記第1フランジ部から延びて前記筒形部から前記ロッド部材の先端側までを覆う第1カバー部とを有する
ことを特徴とする車両のブレーキ構造。
【請求項2】
車室内外を仕切るダッシュパネルの車室外側の側面に設けられたブレーキブースタを有し、当該ブレーキブースタに形成されたペダル踏力入力部が前記ダッシュパネルの通孔を通じ車室内へ突き出る車両のブレーキ構造であって、
前記ダッシュパネルの車室内側の側面には、前記ペダル踏力入力部を覆い、前記通孔と前記ペダル踏力入力部との間の間隙を遮るカバー部材を有し、
前記ブレーキ倍力装置のペダル踏力入力部は、車室内に張り出る筒形部と、前記筒形部を通じて車室内に突き出るロッド部材とを有し、
前記カバー部材は、前記ダッシュパネルの前記通孔周りの車室内側の側面に固定される第2フランジ部と、前記第2フランジ部から延びて前記筒形部を覆う第2カバー部とを有し、
前記筒形部と前記第2カバー部材との間の間隙は、シール部材を有する
ことを特徴とする車両のブレーキ構造。
【請求項3】
前記ダッシュパネルは、前記ペダル踏力入力部を挟んだ車室内側の側面に、ブレーキペダルを支持する一対のペダル支持壁が配置され、
前記カバー部材は、前記一対のペダル支持壁間に配置される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両のブレーキ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダッシュパネルにブレーキブースタが取り付けられる車両のブレーキ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車(車両)の多くは、ブレーキ操作力の低減を図るために、エンジンの運転で得らえる吸気負圧や負圧ポンプで得られる負圧で作動するブレーキブースタが装備されている。ブレーキブースタは、外形が大きいため、多くはエンジンルームと車室内といった車室内外を仕切るダッシュパネルの側面(車室外側)に取付けられる。
こうしたブレーキブースタには、通常、ペダル踏力を入力するためのペダル踏力入力部が設けられている。ペダル踏力入力部は、ブースタ外側へ張り出る筒形部と、同筒形部を通じて、外側へ突き出るロッド部材とを有している。ロッド部材は、筒形部に内蔵されている真空弁や大気弁など各種弁を操作する部材である。そして、このロッド部材端にブレーキペダルが接続されることにより、ブレーキペダルの踏力にてブレーキブースタが作動する。
【0003】
このため、ブレーキブースタをダッシュパネルの車室外側の側面に取り付けるときは、特許文献1や特許文献2などで開示されているように、ダッシュパネルに設けた通孔からロッド部材や筒形部を車室内へ差し込み、ブレーキブースタの座面をダッシュパネルの車室外の側面に重ね合わせ、筒形部やロッド部材を車室内へ突き出す。さらに述べると、ブレーキブースタは、ブレーキブースタの座面から突き出ているボルト部材をダッシュパネルに貫通させ、ボルト部材の貫通端に先端部にナット部材をねじ込むことにより、筒形部やロッド部材が車室内へ突き出る姿勢で、ダッシュパネルの車室外側の側面に固定される。そして、このブレーキブースタのロッド部材(ペダル踏力入力部)の先端部にブレーキペダルが接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平 6−219327号公報
【特許文献2】特開2014− 4906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、エンジンルーム内では、エンジンの運転音など騒音が生じており、このエンジンルームの騒音が、ペダル踏力入力部と同ペダル踏力入力部を貫通させるダッシュパネルの通孔との間の間隙を通じて、車室内へ侵入することがある。この騒音の侵入は、車室内の静粛性を損なわせる。
そこで、車室内の静粛性の確保のために、重なり合うブレーキブースタの座面とダッシュパネルの側面との間に、シール部材を挟み込む手段が講じられつつある。
【0006】
ところが、同構造は、遮音は行えるものの、挟み込まれるシール部材には柔軟性に富む部材が用いられるため、ブレーキブースタのダッシュパネルに対する支持剛性が低下しやすく、ブレーキペダルのフィーリング(ブレーキ操作時)に影響を与えやすい難点がある。
そこで、本発明の目的は、ペダルフィーリングに影響を与えずに、騒音がブレーキブースタのペダル踏力入力部とダッシュパネルの通孔との間から車室内へ侵入するのを防げる車両のブレーキ構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、車室内外を仕切るダッシュパネルの車室外側の側面に設けられたブレーキブースタを有し、当該ブレーキブースタに形成されたペダル踏力入力部がダッシュパネルの通孔を通じ車室内へ突き出る車両のブレーキ構造であって、ダッシュパネルの車室内側の側面には、ペダル踏力入力部を覆い、通孔とペダル踏力入力部との間の間隙を遮るカバー部材を有し、ブレーキ倍力装置のペダル踏力入力部は、車室内に張り出る筒形部と、筒形部を通じて車室内に突き出るロッド部材とを有し、カバー部材は、ダッシュパネルの通孔周りの車室内側の側面に固定される第1フランジ部と、第1フランジ部から延びて筒形部からロッド部材の先端側までを覆う第1カバー部とを有するものとした(請求項1)。
【0008】
また本発明の態様は、車室内外を仕切るダッシュパネルの車室外側の側面に設けられたブレーキブースタを有し、当該ブレーキブースタに形成されたペダル踏力入力部がダッシュパネルの通孔を通じ車室内へ突き出る車両のブレーキ構造であって、ダッシュパネルの車室内側の側面には、ペダル踏力入力部を覆い、通孔とペダル踏力入力部との間の間隙を遮るカバー部材を有し、ブレーキ倍力装置のペダル踏力入力部は、車室内に張り出る筒形部と、筒形部を通じて車室内に突き出るロッド部材とを有し、カバー部材は、ダッシュパネルの通孔周りの車室内側の側面に固定される第2フランジ部と、第2フランジ部から延びて筒形部を覆う第2カバー部とを有し、筒形部と第2カバー部材との間の間隙は、シール部材を有するを有するものとした(請求項2)。
好ましくは、ダッシュパネルは、ペダル踏力入力部を挟んだ車室内側の側面に、ブレーキペダルを支持する一対のペダル支持壁が配置され、カバー部材は、一対のペダル支持壁間に配置されるものとした(請求項3)。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ダッシュパネルの車室内側の側面に取り付けられるカバー部材により、ペダル踏力入力部と通孔間に生じる騒音の侵入経路は遮られる。しかも、カバー部材は、ブレーキブースタの支持剛性を低下させずにすむので、ブレーキペダルのペダルフィーリングを低下させることはない。
それ故、ペダルフィーリングに影響を与えずに、騒音がブレーキブースタのペダル踏力入力部とダッシュパネルの通孔との間から車室内へ侵入するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係る態様となる車両のブレーキ構造を示す断面図。
図2】同じくブレーキ構造を分解した断面図。
図3】同じくブレーキ構造を分解した斜視図。
図4】本発明の第2の実施形態に係る態様となるブレーキ構造の要部を示す断面図。
図5】本発明の第3の実施形態に係る態様となるブレーキ構造の要部を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を図1から図3に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1は本発明を適用した車両(例えば自動車)のブレーキ構造の断面図、図2および図3は同ブレーキ構造を分解した図をそれぞれ示している。
図中1は、例えば車体の中央部に形成された車室、3は、例えば車体の前部に形成されたエンジンルーム、5は、車室内外である車室1とエンジンルーム3との間を仕切るダッシュパネルである。ちなみに、ダッシュパネル5の車室内側の側面には、ダッシュパッド7(吸音材)が添えられている。
【0013】
ダッシュパネル5の車室外側の側面には、ブレーキブースタであるところの、例えばエンジンの吸気負圧を用いたバキューム式のブレーキブースタ9が設けられている。またブレーキブースタ9と反対側のダッシュパネル5の側面(車室内側の側面)には、ブレーキペダル31付のペダルブラケット33が設けられている。
具体的にはブレーキブースタ9は、エンジンの吸気負圧を受けるダイヤフラム室(ダイヤフラムで区画された室:図示しない)を内蔵する円盤状のブースタ本体11と、同ブースタ本体11の一側部に組み付けられたマスタシリンダ部13と、ブースタ本体11の他側面に設けられた円形状の取付座15(図2)、取付座15の外周部から突き出た複数本のボルト部材17(図2)、取付座15の中央部から外部へ突き出るペダル踏力入力部19(ペダル踏力を入力する部分;図2)とを有している。
【0014】
さらに述べればペダル踏力入力部19は、図2および図3にも示されるようにブースタ本体11の軸心部沿いに取付座15の中央部から外部へ突き出るオペレーティングロッド21(本願のロッド部材に相当)と、オペレーティングロッド21の根本側となる取付座15の中央部に設けた筒形部23とを有している。筒形部23は、オペレーティングロッド21を覆いながら筒形に張り出ている。この筒形部23の内部には、各種弁、例えばロッド変位にしたがい吸気通路と大気通路を切り換える真空弁や大気弁が内蔵されている。むろん、各種シール構造も内蔵されている。ちなみに。オペレーティングロッド21は、ブースタ本体11に内蔵されたダイヤフラム(図示しない)から外部へ突き出ている。そして、筒形部23から突き出たオペレーティングロッド21の先端部にクレビス25が設けられる。
【0015】
なお、筒形部23端からクレビス25近傍までのオペレーティングロッド部分は、蛇腹形のブーツ部材27で覆ってある。ちなみに、ブレーキブースタ9は、エンジン負圧式でなく、負圧ポンプで得られる負圧式でも同様な構造である。
このブレーキブースタ9の取付座15は、ダッシュパネル5の車室外側(エンジンルーム側)の側面で形成される座面6a(図2)と重なる。取付座15の中央部から突き出た筒形部23およびオペレーティングロッド21(いずれもペダル踏力入力部)は、ダッシュパネル5に設けた通孔5a(図2)を貫通して車室内側へ突出する。取付座15の外周部から突き出たボルト部材17は、ダッシュパネル5に設けたボルト孔5b(図2)から車室内側へ突き出る。ちなみに、取付座15と反対側のダッシュパネル5の車室内側は、ダッシュパッド7が取り除かれている。そして、露出するダッシュパネル5の側面(車室内側)にて、ペダルブラケット据付用の座面6bを形成している。
【0016】
ペダルブラケット33は、例えば、図2および図3にも示されるように上下方向に延びる壁部で形成されるブラケット取付用の座面部35と、座面部35の一側面から突き出る一対のペダル支持壁37とを有している。座面部35は、ペダルブラケット据付用の座面6bに応じた外形をなし、中央部にはブレーキブースタ9の筒形部23が挿通可能な通孔36aが設けられ、外周部にはボルト孔5bと対応した位置にボルト孔36bが設けられる。ちなみに座面部35の外周縁部は、L形に段差していて、座面6b周囲のダッシュパッド7端の挟み込みが可能な端縁としている。
【0017】
一対のペダル支持壁37は、通孔36a(オペレーティングロッド21)を挟んで車幅方向に並ぶ壁部で形成される。この一対のペダル支持壁37間に、ブレーキペダル31が回動可能に組み付けられている。ちなみに、図1中38は、ブレーキペダル端をペダル支持壁37に回動可能に支持するピン部材を示す。
このペダルブラケット33の座面部35は、ダッシュパネル5の車室内側の座面6bと重なり、外周縁部で座面6b周りのダッシュパッド端を挟み込む。座面部35の通孔36aからは、ブレーキブースタ9の筒形部23やオペレーティングロッド21が貫通し、車室内側へ突き出る。また座面部35のボルト孔36bからは、ブレーキブースタ9のボルト部材17が突き出る。ボルト部材17端には、ナット部材39がねじ込まれ、ブレーキブースタ9、ペダルブラケット33をダッシュパネル5に固定する。そして、オペレーティングロッド21の端部は、クレビス25を介して、ブレーキペダル31の中間部に接続され、ブレーキペダル31の踏力で、オペレーティングロッド21が操作されると、ブレーキブースタ9のアシスト機能が発揮される構造としている。
【0018】
こうしたブレーキ構造は、ペダル踏力入力部19と通孔5a,36aとの間の間隙から、外部騒音であるエンジンルーム3内の騒音が車室1に侵入することがある。そこで、ダッシュパネル5の車室内側には、この騒音の侵入を抑える手立てが講じられている。これには、ダッシュパネル5の車室内側の側面にカバー部材45を設ける構造が用いられる。
具体的には、図1図3に示されるようにカバー部材45は、通孔36aの開口縁部をなす座面部35部分に沿って環状に配置されるフランジ部47(本願の第1フランジ部に相当)と、フランジ部47の内周部から軸方向に延びる筒形のカバー部49(本願の第1カバー部に相当)とを有している。フランジ部47は、ボルト孔36b(ペダルブラケット33)と対応した位置にボルト孔48が設けられている。
【0019】
またカバー部49は、通孔36a(ペダルブラケット33)から突き出る筒形部23を外側から覆い、さらに筒形部23から突き出るオペレーティングロッド21の先端側、例えばオペレーティングロッド21が最も縮んだときのクレビス25近くの外周面(ロッドの先端部近傍)までを覆う筒形をなしている。ちなみにカバー部49端は、内方へ絞られる形状、例えば逆L形に形成され、この逆L形に絞られた絞り部50にて、オペレーティングロッド21の外周面近くまでを覆っている。
【0020】
すなわち、カバー部材45のフランジ部47は、通孔36a周りの座面部35と重なるように配置される。カバー部49は、車室外側から車室内側へ突き出た筒形部23の外側、ブーツ部材27の外側、オペレーティングロッド21の先端側の外周面までを覆う。フランジ部47のボルト孔48からは、ブレーキブースタ9のボルト部材17が突き出る。このボルト部材17端には、ナット部材39がねじ込まれる。これにより、カバー部材45は、ブレーキブースタ9およびペダルブラケット33と共にダッシュパネル5に共締される。と共に一対のペダル支持壁37間に収まる構造としている。
【0021】
つまり、カバー部材45は、デッドスペースとなる一対のペダル支持壁37間に収められながら、ペダル踏力入力部19(筒形部23とオペレーティングロッド21)と通孔5a,36aとの間の間隙を遮る。
したがって、ダッシュパネル5の車室内側に設けたカバー部材45により、エンジンルーム3の騒音が車室1へ侵入する侵入経路(筒形部23,オペレーティングロッド21と通孔5a,36a間)は遮られる(遮音)。この遮音構造は、ブレーキブースタ9の支持剛性の低下をもたらすことはないので、ブレーキペダル31のペダルフィーリングを低下させることはない。
【0022】
よって、ペダルフィーリングに影響を与えずに、外部騒音が車室1内へ侵入するのを防ぐことができる。特にカバー部材45は、フランジ部47と、筒形部23からオペレーティングロッド21までを覆う筒形のカバー部49とを組み合わせた構造なので、簡単な構造ですむ。しかも、カバー部材45には、ブレーキブースタ9のボルト部材17を用いて、ペダルブラケット33、ブレーキブースタ9と共締して固定されるとしたので、固定も簡単な構造ですむ。もちろん、同固定は他の構造でも構わない。
【0023】
そのうえ、カバー部材45は、ブレーキペダル31を支持する一対のペダル支持壁37間のデットスペースとなる空間に配置する構造としたことにより、カバー部材45はコンパクトにダッシュパネル5に据え付けることができる。
図4は、本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、第1の実施形態の変形例で、筒形部23までを覆うカバー部材55を用いて遮音したものである。
【0024】
具体的には、カバー部材55は、通孔36aの開口縁部となる座面部35に配置される環状のフランジ部57(本願の第2フランジ部に相当)と、フランジ部57の内周部から軸方向に延びるカバー部59(本願の第2カバー部に相当)とを有している。フランジ部47は、第1の実施形態と同様な構造で、ダッシュパネル5に固定される。カバー部59は、通孔36a(ペダルブラケット33)から突き出る筒形部23、ここでは筒形部23の先端部外周までを覆う筒形の構造が用いられている。
【0025】
このように、筒形部23をダッシュパネル5から先端部までを覆い、騒音の侵入経路となる、筒形部23と通孔5a,36a間を遮るようにしても、第1の実施形態と同様の効果を奏する。この場合、両者は非移動物なので、カバー部59の内面と筒形部23の外周面との間に、当該貫通部の間隙を埋めるようシール部材61を充填することにより、十分なる遮音が行える。
【0026】
図5は、本発明の第3の実施形態を示す。
本発明は、第1、2の実施形態の変形例で、ペダルブラケット33、ここでは座面部35に、カバー部材45,55を一体に形成したものである。こうしたカバー部材45,55の構造でも、第1,2と同様の効果を奏する。
但し、図4および図5において、第1の実施形態と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略した。
【0027】
なお、上述した実施形態における各構成およびそれの組合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であることはいうまでもない。また本発明は、実施形態によって限定されることはなく、「特許請求の範囲」によってのみ限定されることはいうまでもない。例えば上述した実施形態では、筒形のカバー部材を用いたが、それ以外の形状のカバー部材を用いても構わない。
【符号の説明】
【0028】
5 ダッシュパネル
9 ブレーキブースタ
19 ペダル踏力入力部
21 オペレーティングロッド(ロッド部材)
23 筒形部
45,55 カバー部材
47 フランジ部(第1フランジ部)
49 カバー部(第1カバー部)
57 フランジ部(第2フランジ部)
59 カバー部(第2カバー部)
61 シール部材
図1
図2
図3
図4
図5