(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記配車要求判定部は、前記画像データに基づいて、前記利用者の動作を検出するとともに、当該動作が予め定められた前記配車を要求するための配車要求特定挙動であるとき、当該利用者が前記配車を要求していると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の配車システム。
前記配車要求判定部は、前記画像データに基づいて、前記利用者の位置を検出するとともに、当該位置が予め定められた前記配車を要求するための特定の位置であるとき、当該利用者が前記配車を要求していると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の配車システム。
前記配車要求判定部は、さらに、前記変更要求判定部によって前記利用者が前記変更を要求していると判定された時から所定の時間内に、前記画像データに基づいて、他の利用者が前記配車を要求しているか否かを判定し、
前記利用者特徴データ抽出部は、さらに、前記他の利用者の前記利用者特徴データを抽出し、
前記適格者認証部は、さらに、前記配車要求判定部によって前記他の利用者が前記配車を要求していると判定されたとき、前記利用者特徴データと前記適格者特徴データとを照合することによって前記他の利用者が前記適格者であるか否かを判定し、
前記指令部は、さらに、前記適格者認証部によって前記他の利用者が前記適格者であると判定されたとき、前記第1の有人無人兼用車に前記他の利用者に対応する前記適格者の前記識別情報の少なくとも一部を送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の配車システム。
前記指令部は、さらに、前記所定の時間内に、前記配車要求判定部によって前記他の利用者が前記配車を要求していると判定されなかったとき、前記第1の有人無人兼用車に前記配車の取り止めを指示するための取り止め信号を送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の配車システム。
前記指令部は、さらに、前記所定の時間内に、前記配車要求判定部によって前記他の利用者が前記配車の要求をしていると判定され、かつ、前記適格者認証部によって前記他の利用者が前記適格者でないと判定されたとき、前記第1の有人無人兼用車に前記配車の取り止めを指示するための取り止め信号を送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の配車システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の方法では、利用者が携帯端末を操作しなければならないため、配車を要求するのに非常に手間がかかる。また、上記従来の方法では、利用者は、携帯端末を紛失すると、配車を要求することができない。また、上記従来の方法では、利用者は、配車を要求する際に行う本人認証においても携帯端末を操作しなければならず、手間がかかる。
【0006】
したがって、本発明の課題は、利用者が簡単に配車を要求することができ、しかも、簡単に本人認証を行うことができる配車システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る配車システムは、有人運転モードと無人運転モードとを切り替え可能な複数の有人無人兼用車と、所定の配車要求場所の画像データを生成するカメラと、前記有人無人兼用車のそれぞれと相互に通信可能な管理装置と、を備え、前記管理装置は、前記有人無人兼用車を前記有人運転モードで利用する権限を有する適格者の外観上の特徴に関する適格者特徴データを含む識別情報を予め記憶している記憶部と、前記画像データに基づいて、利用者が前記有人無人兼用車の配車を要求しているか否かを判定する配車要求判定部と、前記画像データから前記利用者の外観上の特徴に関する利用者特徴データを抽出する利用者特徴データ抽出部と、前記配車要求判定部によって前記利用者が前記配車を要求していると判定されたとき、前記利用者特徴データと前記適格者特徴データとを照合することによって前記利用者が前記適格者であるか否かを判定する適格者認証部と、前記適格者認証部によって前記利用者が前記適格者であると判定されたとき、前記複数の有人無人兼用車のうちの1台である第1の有人無人兼用車に、当該利用者に対応する前記適格者の前記識別情報の少なくとも一部と前記配車要求場所に向かうことを指示するための配車信号とを送信する指令部と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記配車システムの前記配車要求判定部の具体的な構成としては、例えば、前記画像データに基づいて、前記利用者の動作を検出するとともに、当該動作が予め定められた前記配車を要求するための配車要求特定挙動であるとき、当該利用者が前記配車を要求していると判定する、との構成が考えられる。また、上記配車システムの前記配車要求判定部の別の具体的な構成としては、例えば、前記画像データに基づいて、前記利用者の位置を検出するとともに、当該位置が予め定められた前記配車を要求するための特定の位置であるとき、当該利用者が前記配車を要求していると判定する、との構成が考えられる。
【0009】
上記配車システムの好ましい構成としては、例えば、前記管理装置が、前記配車後に生成された前記画像データに基づいて、前記利用者が前記第1の有人無人兼用車から別の前記有人無人兼用車への変更を要求しているか否かを判定する変更要求判定部をさらに有し、前記指令部が、さらに、前記変更要求判定部によって前記利用者が前記変更を要求していると判定されたとき、前記第1の有人無人兼用車を除く前記複数の有人無人兼用車のうちの1台である第2の有人無人兼用車に、前記利用者に対応する前記適格者の前記識別情報の少なくとも一部と前記配車信号とを送信する、との構成が考えられる。
【0010】
上記配車システムの別の好ましい構成としては、例えば、前記配車要求判定部が、さらに、前記変更要求判定部によって前記利用者が前記変更を要求していると判定された時から所定の時間内に、前記画像データに基づいて、他の利用者が前記配車を要求しているか否かを判定し、前記利用者特徴データ抽出部が、さらに、前記他の利用者の前記利用者特徴データを抽出し、前記適格者認証部が、さらに、前記配車要求判定部によって前記他の利用者が前記配車を要求していると判定されたとき、前記利用者特徴データと前記適格者特徴データとを照合することによって前記他の利用者が前記適格者であるか否かを判定し、前記指令部が、さらに、前記適格者認証部によって前記他の利用者が前記適格者であると判定されたとき、前記第1の有人無人兼用車に前記他の利用者に対応する前記適格者の前記識別情報の少なくとも一部を送信する、との構成が考えられる。
【0011】
上記配車システムの前記指令部のさらに別の好ましい構成としては、例えば、前記所定の時間内に、前記配車要求判定部によって前記他の利用者が前記配車を要求していると判定されなかったとき、前記第1の有人無人兼用車に前記配車の取り止めを指示するための取り止め信号を送信する、との構成が考えられる。また、上記配車システムの前記指令部のさらに別の好ましい構成としては、例えば、前記所定の時間内に、前記配車要求判定部によって前記他の利用者が前記配車の要求をしていると判定され、かつ、前記適格者認証部によって前記他の利用者が前記適格者でないと判定されたとき、前記第1の有人無人兼用車に前記配車の取り止めを指示するための取り止め信号を送信する、との構成が考えられる。
【0012】
上記配車システムのさらに別の好ましい構成としては、例えば、前記管理装置が、前記複数の有人無人兼用車が荷物の搬送中であるか否かの情報を含む車情報を記憶している車情報記憶部をさらに有し、前記指令部が、前記車情報に基づいて、前記第1および第2の有人無人兼用車を選択する、との構成が考えられる。
【0013】
上記配車システムの前記有人無人兼用車の好ましい構成としては、例えば、前記指令部から送信された前記識別情報を記憶する識別情報記憶部と、前記識別情報記憶部に記憶された前記識別情報に基づいて、搭乗しようとする前記利用者が前記適格者であるか否かを判定する利用者認証部とを有する、との構成が考えられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用者が簡単に配車を要求することができ、しかも、簡単に本人認証を行うことができる配車システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る配車システムSの概要図である。本実施形態に係る配車システムSは、複数のフォークリフト1と、配車要求場所Pと、カメラ2と、管理装置3と、無線通信装置4と、報知装置5とを備えている。
【0018】
後で詳細に説明するように、配車システムSは、以下の(1)〜(4)の動作を行うよう構成されている。
(1)配車要求場所Pに存在する利用者H1からの配車の要求に応じて、利用者H1にフォークリフト11(複数のフォークリフト1のうちの1台)を配車する。
(2)配車を要求した利用者H1からの配車の変更の要求に応じて、利用者H1に代替のフォークリフト12(フォークリフト11を除く複数のフォークリフト1のうちの1台)を配車する。
(3)利用者H1による配車の変更の要求があった時から所定時間内の、配車要求場所Pに存在する他の利用者H2からの配車の要求に応じて、利用者H1に配車されていたフォークリフト11を利用者H2に配車する。
(4)利用者H1による配車の変更の要求があった時から所定時間内に、利用者H2から配車の要求がなかった場合に、フォークリフト11の配車を取り止める。
【0019】
配車要求場所Pは、利用者H1、H2がカメラ2に向けて配車の要求を行うための位置と、フォークリフト1が停車するための停車位置Qとを含んでいる。
【0020】
フォークリフト1は、搭乗者(例えば、フォークリフト1に搭乗している利用者H1)の手動操作により動作する有人運転モードと、手動操作によらずに自律して動作する無人運転モードとを切り替え可能な有人無人兼用車である。
【0021】
カメラ2は、配車要求場所Pを撮影するように建屋の天井に設けられており、配車要求場所Pを撮影して画像データを生成する。配車要求場所Pに利用者H1、H2が存在する場合、カメラ2は、利用者H1、H2の画像データを生成することになる。
【0022】
管理装置3は、カメラ2によって生成された画像データに基づいて、利用者H1、H2を検知するとともに利用者H1、H2の動作が予め定められた複数の特定挙動のいずれかであるか否かを判定することにより、利用者H1、H2の要求(例えば、配車の要求)を受け付ける。さらに、管理装置3は、利用者H1、H2の要求に対応する動作(例えば、停車位置Qへの移動)を行うようフォークリフト1に指令する。
【0023】
図2に示すように、管理装置3は、配車要求判定部31、利用者特徴データ抽出部32、記憶部33、適格者認証部34、車情報記憶部35、指令部36、および変更要求判定部37を有している。
【0024】
続いて、前述の動作(1)〜(4)における管理装置3の各部の動作について説明する。なお、記憶部33には、フォークリフト1に搭乗する権限を有する適格者(以下、単に「適格者」という)の外観上の特徴に関する適格者特徴データを含む識別情報(本実施形態では、各適格者の顔の特徴に関する第1の適格者特徴データ、および各適格者の指紋の特徴に関する第2の適格者特徴データ)が予め記憶されているものとする。また、車情報記憶部35には、各フォークリフト1が荷物Nの搬送中であるか否かの情報、および各フォークリフト1から停車位置Qまでの距離に係る情報を含む車情報が記憶されているものとする。なお、車情報記憶部35に記憶された車情報は、所定の時間が経過する度(例えば、数秒ごと)に最新の情報に更新されていく。
【0025】
[動作(1)]
配車要求判定部31は、カメラ2で生成された画像データに基づいて、利用者H1が配車を要求しているか否かを判定する。
【0026】
本実施形態では、配車要求判定部31は、カメラ2で生成された画像データに基づいて、利用者H1を検知するとともに利用者H1の動作を検出し、検出した動作が予め定められた配車を要求するための特定の挙動(以下、「配車要求特定挙動」という)であるとき、利用者H1が配車を要求していると判定する。配車要求判定部31は、カメラ2によって生成された画像データに基づいて、利用者H1の身体上の関節点(首、肩、肘、および手首の関節点)の2次元座標をデータ化するとともに身体の各部位または身体全体がどのように動作しているのかを数値的に分析することによって、利用者H1の動作を検出する。なお、本発明において利用者H1の動作を検出する方法は、特に限定されない。
【0027】
本実施形態では、配車要求判定部31は、検出した動作が手または腕を継続して頭よりも高く挙げる挙手動作であるとき、配車要求特定挙動であると判定する。
【0028】
利用者特徴データ抽出部32は、カメラ2で生成された画像データに基づいて、利用者H1の外観上の特徴(顔の特徴)に関する利用者特徴データを抽出する。
【0029】
適格者認証部34は、配車要求判定部31によって利用者H1が配車を要求していると判定されたとき、利用者特徴データ抽出部32で抽出された利用者特徴データと記憶部33に記憶されている第1の適格者特徴データとを照合して両データの一致度を算出し、当該一致度が予め定められた閾値よりも高ければ、利用者H1が適格者であると判定する。
【0030】
指令部36は、適格者認証部34によって利用者H1が適格者であると判定されたとき、車情報記憶部35に記憶されている最新の車情報に基づいて、複数のフォークリフト1から停車位置Qへ速やかに移動させることが可能なフォークリフト1(以下、「特定車」という)を選択する。
【0031】
本実施形態では、指令部36は、荷物Nを搬送していないフォークリフト1のうち、停車位置Qに最も近いものを特定車として選択する。なお、全てフォークリフト1が荷物Nを搬送していれば、全てフォークリフト1のうち、停車位置Qに最も近いものを特定車として選択する。
【0032】
指令部36は、記憶部33を参照し、選択した特定車(フォークリフト11)に利用者H1に対応する識別情報の少なくとも一部と、配車要求場所Pに向かうことを指示するための配車信号(以下、単に「配車信号」という)とを特定車(フォークリフト11)に送信する。本実施形態では、識別情報の一部として、利用者H1に対応する適格者の指紋の特徴に関する第2の適格者特徴データが送信される。
【0033】
[動作(2)]
変更要求判定部37は、配車がなされた後(すなわち、配車信号が送信された後)に、カメラ2によって生成された画像データに基づいて、利用者H1を検知するとともに、配車要求判定部31が利用者H1の動作を検出する手法と同様の手法で利用者H1の動作を検出し、検出した動作が配車の変更を要求するための予め定められた特定の挙動(以下、「変更要求特定挙動」という)であるか否かを判定する。
【0034】
本実施形態では、変更要求判定部37は、検出した利用者H1の動作が両手を頭上で交差させて×(バツ)の文字を表現する動作であるとき、変更要求特定挙動であると判定する。
【0035】
指令部36は、変更要求判定部37によって利用者H1の動作が変更要求特定挙動であると判定されたとき、特定車を除く複数のフォークリフト1から利用者H1に対して配車すべき代替特定車を選択する。
【0036】
指令部36は、記憶部33を参照し、選択した代替特定車(フォークリフト12)に利用者H1に対応する識別情報の少なくとも一部(特定車に送信した識別情報と同様の識別情報)と配車信号とを送信する。
【0037】
利用者H1は、希望どおりのフォークリフト1が配車されるまで何度も配車の変更を要求することができる。管理装置3は、配車の変更が要求される度に代替特定車を選択し、利用者H1に対して代替特定車を配車する。
【0038】
[動作(3)]
配車要求判定部31は、変更要求判定部37によって利用者H1が配車の変更を要求していると判定された時から所定の時間内に生成された画像データに基づいて、他の利用者H2が配車を要求しているか否かを判定する。なお、変更要求受け付け後の所定の時間は、例えば、3分であるが、これには限定されない。
【0039】
本実施形態では、配車要求判定部31は、利用者H1が配車を要求しているか否かを判定したときと同様の手法で、利用者H2が配車を要求しているか否かを判定する。
【0040】
利用者特徴データ抽出部32は、利用者H1の顔の特徴に関する利用者特徴データを抽出したときと同様の手法で、利用者H2の顔の特徴に関する利用者特徴データを抽出する。
【0041】
適格者認証部34は、配車要求判定部31によって利用者H2が配車を要求していると判定されたとき、利用者H1が適格者であるか否かを判定したときと同様の手法で、利用者H2が適格者であるか否かを判定する。
【0042】
指令部36は、適格者認証部34によって利用者H2が適格者であると判定されたとき、利用者H1に配車された(すなわち、停車位置Qに向かっているか、停車位置Qに停車している)フォークリフト11に利用者H2に対応する適格者の識別情報の少なくとも一部(本実施形態では、第2の適格者特徴データ)を送信する。つまり、利用者H1に割り当てていたフォークリフト11を利用者H2に割り当てる。
【0043】
[動作(4)]
指令部36は、変更要求を受け付けた時から所定の時間内に、利用者H2から配車の要求がなかった場合に、フォークリフト11に配車の取り止めを指令するための取り止め信号(以下、単に「取り止め信号」という)を送信する。
【0044】
ここで、所定の時間内に、利用者H2から配車の要求がなかった場合には、以下の(a)〜(c)の場合がある。
(a)所定の時間内に、配車要求判定部31が利用者H2を検知できなかったとき(すなわち、利用者H2が配車要求場所Pに存在していなかったとき)。
(b)所定の時間内に、配車要求判定部31によって利用者H2が検知されたが、配車要求判定部31によって利用者H2が配車の要求をしていると判定されなかったとき(すなわち、所定の時間内に、利用者H2が配車の要求を行わなかったとき)。
(c)所定の時間内に、配車要求判定部31によって利用者H2が配車の要求をしていると判定されたが、適格者認証部34によって利用者H2が適格者ではないと判定されたとき。
【0045】
再び
図1を参照して、無人のフォークリフト1は、管理装置3(無線通信装置4)が送信した配車信号を受信すると、停車位置Qに向かって移動する。配車信号を受信したフォークリフト1は、荷役作業中でなければ直ちに停車位置Qへ向かって移動を開始し、荷役作業中であれば当該作業完了後に移動を開始する。また、停車位置Qへ移動している最中のフォークリフト1は、管理装置3(無線通信装置4)が送信した取り止め信号を受信すると、当該移動を直ちに停止する。
【0046】
図2に示すとおり、フォークリフト1は、識別情報記憶部101、利用者認証部102、および運転モード切り替え部103を有している。
【0047】
識別情報記憶部101は、指令部36によって送信された識別情報(すなわち、利用者H1、H2に対応する識別情報の少なくとも一部。本実施形態では、第2の適格者特徴データ)を記憶する。識別情報記憶部101は、指令部36によって新たな識別情報が送信されると、それまでに記憶していた識別情報を破棄し、当該新たな識別情報を記憶する。
【0048】
利用者認証部102は、フォークリフト1が停車位置Qに停車した後、搭乗しようとする利用者H1、H2が識別情報記憶部101に記憶された識別情報に対応する適格者であるか否かを判定する。言い換えると、利用者認証部102は、このフォークリフト1を割り当てられた利用者H1、H2(以下、「特定利用者」という)であるか否かを判定する。
【0049】
本実施形態では、利用者認証部102は、利用者H1、H2の指紋を読み取る指紋センサーを含む。利用者認証部102は、指紋センサーによって読み取った指紋と識別情報記憶部101に記憶された識別情報(利用者H1、H2に対応する第2の適格者特徴データ)とを照合して両データの一致度を算出し、当該一致度が予め定められた閾値よりも高ければ、利用者H1、H2が特定利用者であると判定する。
【0050】
本実施形態では、運転モード切り替え部103は、有人運転モードと無人運転モードとを切り替えるためのスイッチまたはレバーである。本実施形態では、運転モード切り替え部103は、一旦、有人運転モードから無人運転モードへの切り替えがなされると、無人運転モードから有人運転モードへの切り替えができないように利用者認証部102によってロックがなされる。
【0051】
利用者認証部102は、利用者H1、H2が特定利用者であると判定したとき、運転モード切り替え部103のロックを解除する。
【0052】
再び
図1を参照して、無線通信装置4は、フォークリフト1と無線通信可能な場所に設けられており、管理装置3とフォークリフト1との通信を中継することによって、管理装置3から送信された配車信号、識別情報、および取り止め信号を、特定車または代替特定車に無線で送信する。
【0053】
報知装置5は、配車要求場所Pの近傍に設けられている。報知装置5は、管理装置3が利用者H1、H2の配車要求または配車の変更の要求を受け付けたことを視覚的または聴覚的方法により利用者H1、H2に報知する。本発明では、報知方法は特に限定されない。
【0054】
以上のように構成された配車システムSによれば、以下の効果が得られる。
【0055】
(1)利用者H1、H2の動作が、手または腕を挙げる配車要求特定挙動であると判定され、かつ、利用者H1、H2が適格者であると判定されると、利用者H1、H2に対してフォークリフト1が配車される。このため、利用者H1、H2は、携帯端末等を操作することなく、配車要求場所Pで手または腕を挙げるだけで配車を要求することができる。
【0056】
(2)利用者H1、H2が配車を要求する際、およびフォークリフト1に搭乗しようとする際に本人認証が行われる。このため、搭乗する権限のない者への配車、および搭乗する権限のない者の搭乗を防止することができる。
【0057】
(3)配車がなされた後の利用者H1の動作が、変更要求特定挙動であると判定されると、利用者H1に対して代替特定車が配車される。このため、希望に沿わないフォークリフト1が配車された場合であっても、利用者H1は、簡単に配車の変更を要求して希望に沿ったフォークリフト1を利用することができる。
【0058】
(4)変更要求受け付け後の所定の時間内に、他の利用者H2による配車の要求があれば、利用者H1の元の特定車(フォークリフト11)が利用者H2に配車される。このため、フォークリフト11の停車位置Qへの移動が無駄にならない。しかも、利用者H2が浪費するフォークリフト1の待ち時間が短縮される。
【0059】
(5)変更要求受け付け後の所定の時間内に、他の利用者H2が適格者であると判定されなかったときは、配車が取り止められる。このため、利用者H1に利用されないフォークリフト1は、すぐに次の荷役作業を行うことができる。
【0060】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記構成を適宜変更することもできる。例えば、上記実施形態に、以下の変更を適用してもよいし、以下の変更を組み合わせて適用してもよい。
【0061】
[変形例1]
配車要求判定部31は、配車要求場所Pに設けた特定位置Rに利用者H1、H2が存在する場合に、利用者H1、H2が配車を要求していると判定してもよい。
【0062】
この場合、
図3に示すように、特定位置Rは、例えば、配車要求場所Pの地面に印された所定の径を有するリング形状の印Mに取り囲まれた円形状を有する。特定位置Rは、少なくとも大人2人が同時に立つことができる広さを備えていることが好ましい。
【0063】
また、この場合、配車要求判定部31は、例えば、カメラ2によって生成された画像データに基づいて、利用者H1、H2を検知するとともに利用者H1、H2の位置と印Mの位置(すなわち、特定位置Rの位置)とを検出し、検出した利用者H1、H2の位置と印Mの位置との比較を行って、利用者H1、H2の位置が特定位置Rであるか否かを判定する。そして、配車要求判定部31は、利用者H1、H2の位置が特定位置Rであるとき、利用者H1、H2が配車を要求していると判定する。配車要求判定部31は、利用者H1、H2の位置と印Mの位置との重なりの程度に基づいて、利用者H1、H2の位置が特定位置Rであるか否かを判定してもよい。
【0064】
この変形例によれば、利用者H1、H2は、携帯端末等を操作することなく、特定位置Rに立つだけで配車を要求することができる。
【0065】
[変形例2]
変形例1における特定位置Rは、1つまたは複数の様々な形状の印Mによって構成されていてもよい。
【0066】
[変形例3]
配車要求特定挙動として判定される動作は、手または腕を挙げる動作に限定されない。例えば、配車要求判定部31は、利用者H1、H2が手を叩く動作や、利用者H1、H2が手または腕を振る動作を配車要求特定挙動として判定してもよい。
【0067】
[変形例4]
変更要求特定挙動として判定される動作は、両手を頭上で交差させて×(バツ)の文字を表現する動作に限定されない。例えば、変更要求判定部37は、(i)後ろに下がる、(ii)両手を胸の前で交差させる、(iii)手を横に振る、(iv)首を振る、等といった動作の少なくとも1つ、または、これらの動作の組み合わせを変更要求特定挙動として判定してもよい。
【0068】
[変形例5]
車情報記憶部35には、さらに、各フォークリフト1の車種、各フォークリフト1の年式、および各フォークリフト1の適格者ごとの使用頻度等が車情報として記憶されていてもよい。指令部36は、特定車または代替特定車を選択する際に、これらの情報を参照してもよい。
【0069】
[変形例6]
カメラ2は、配車要求場所Pを異なる角度から撮影する複数のカメラで構成されていてもよい。この場合、配車要求判定部31は、各カメラによって生成された複数の画像データに基づいて、利用者H1、H2の身体上の関節点(首、肩、肘、手首、腰、膝、足首の少なくとも1つを含む関節点)の3次元座標をデータ化するとともに身体の各部位または身体全体がどのように動作しているのかを数値的に分析することによって、利用者H1、H2の動作をより正確に検知することができる。
【0070】
[変形例7]
利用者H1、H2がフォークリフト1に搭乗しようとする際に行う本人認証は、例えば、利用者H1、H2の指紋以外の他の身体的特徴に関する生体認証、利用者H1、H2が有する知識に関する知識認証、または利用者H1、H2の所有物に関する所有物認証といった認証方式を利用してもよいし、これらの認証方式を組み合わせて利用してもよい。
【0071】
生体認証を利用した本人認証を行う場合は、記憶部33に、適格者の身体的特徴(例えば、静脈パターン、虹彩、声紋、および網膜の特徴)に関する適格者特徴データを予め記憶しておくとともに、各フォークリフト1の利用者認証部102に、当該身体的特徴に対応する取得手段(例えば、近赤外線照射用LED、カメラ、マイク)を含めておけばよい。
【0072】
また、知識認証を利用した本人認証を行う場合は、記憶部33に、適格者が有する知識(例えば、ID、パスワード、および合い言葉)に関するデータを識別情報として予め記憶しておくとともに、各フォークリフト1の利用者認証部102に、当該データに対応する取得手段(例えば、テンキー、キーボード、およびタッチパネル)を含めておけばよい。
【0073】
また、所有物認証を利用した本人認証を行う場合は、記憶部33に、適格者の所有物(例えば、ICカード、USBキー、およびUSBトークン)に関するデータを識別情報として予め記憶しておくとともに、各フォークリフト1の利用者認証部102に、当該データに対応する取得手段(例えば、カードリーダー、およびUSBリーダー)を含めておけばよい。
【0074】
[変形例8]
図4に示すように、配車システムSは、複数の配車要求場所Pおよび各配車要求場所Pを撮影するように設けられた複数のカメラ2を備えていてもよい。
図4に示す構成においては、配車要求場所P1を撮影するカメラ21で生成された画像データに基づいて、利用者H1の動作を配車要求特定挙動であると判定し、かつ、利用者H1が適格者であると判定したとき、管理装置3は、配車要求場所P1に対応する停車位置Q1にフォークリフト1を配車する。報知装置51は、配車を受け付けたことを利用者H1に報知する。同様に、配車要求場所P2を撮影するカメラ22で生成された画像データに基づいて、利用者H1の動作を配車要求特定挙動であると判定し、かつ、利用者H1を適格者であると判定したとき、管理装置3は、配車要求場所P2に対応する停車位置Q2にフォークリフト1を配車する。報知装置52は、配車を受け付けたことを利用者H1に報知する。この場合、特定車に送信される配車信号には、配車先の位置情報(すなわち停車位置Q1または停車位置Q2の位置情報)が含まれ、配車信号を受信したフォークリフト1は、配車先の位置情報に基づいて、停車位置Q1または停車位置Q2へ移動する。
【0075】
[変形例9]
利用者H1、H2に対して配車すべきフォークリフト1を選択する際に、フォークリフト1が荷物Nの搬送中であるか否かの車情報を参照しなくてもよい。また、利用者H1、H2に対して配車すべきフォークリフト1が予め設定されていてもよい(例えば、利用者H1に対してはフォークリフト11が必ず配車され、利用者H2に対してはフォークリフト12が必ず配車され、・・・)。
【0076】
[変形例10]
配車される有人無人兼用車は、フォークリフト1に限定されない。
【解決手段】配車システムSは、複数の有人無人兼用車であるフォークリフト1と、カメラ2と、各フォークリフト1と相互に通信可能な管理装置3とを備えている。管理装置3は、カメラ2が生成した画像データに基づいて、利用者H1が配車を要求しているか否かを判定し、利用者H1が配車を要求していれば、利用者H1が適格者であるか否かを判定する。管理装置3は、利用者H1が適格者であれば、複数のフォークリフト1のうちの1台に利用者H1に対応する適格者の識別情報と配車要求場所Pに向かうことを指示するための配車信号とを送信する。