【文献】
"Information technology - MPEG systems technologies - Part 10: Carriage of Timed Metadata Metrics of Media in ISO Base Media File Format",ISO/IEC JTC 1/SC 29 N,2014年 7月18日,ISO/IEC DIS 23001-10,Pages 1-17
【文献】
"Information technology - Generic coding of moving pictures and associated audio information: Systems. Amendment 6. Carriage of Quality Metadata in MPEG-2 systems",[online], ISO/IEC JTC 1/SC 29,2015年 3月16日,N14871,Pages 1-7,[平成30年1月23日検索], インターネット,URL,https://www.itscj.ipsj.or.jp/sc29/open/29view/29n14871t.doc
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Moving Picture Experts Group(MPEG)−2ストリーミングビデオ品質情報を伝達するネットワーク要素であって、前記ネットワーク要素は1つ以上のプロセッサを備え、該プロセッサは、
メディアコンテンツ・ストリーム表現における1つ以上のメディア・アクセス・ユニットに関連付けられる品質アクセスユニットを生成し、前記品質アクセスユニットは、前記メディアコンテンツ・ストリーム表現における前記メディア・アクセス・ユニットに対して品質メタデータを指示し、
Moving Picture Experts Group(MPEG)−2トランスポートストリーム(TS)において前記品質アクセスユニットをカプセル化し、
前記品質アクセスユニットにおいて指示される前記品質メタデータを記述する品質拡張記述子を生成し、
定義された周期性に従って、前記品質拡張記述子を、ユーザ機器(UE)に伝達し、且つ、
前記メディアコンテンツ・ストリーム表現における前記メディア・アクセス・ユニットと共に、前記MPEG−2−TSにおける前記品質アクセスユニットを、前記UEに伝達し、ここで前記品質アクセスユニットは、前記品質拡張記述子に基づいて、前記UEにおいて解釈される、ネットワーク要素。
Moving Picture Experts Group(MPEG)−2ストリーミングビデオ品質情報をユーザ機器(UE)において受信するためのコンピュータプログラムであって、前記UEの少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、
前記UEの少なくとも1つのプロセッサを使用して、品質アクセスユニットにおける品質メタデータを記述する品質拡張記述子をネットワーク要素から受信することであって、前記品質アクセスユニットは、前記UEで受信されるべきメディアコンテンツ・ストリーム表現における1つ以上のメディア・アクセス・ユニットに関連付けられる、ことと、
前記メディアコンテンツ・ストリーム表現における前記メディア・アクセス・ユニットと共に、Moving Picture Experts Group(MPEG)−2トランスポートストリーム(TS)における前記品質アクセスユニットを、前記ネットワーク要素から、前記UEの少なくとも1つのプロセッサを使用して受信することと、
前記品質拡張記述子に基づいて、前記MPEG−2−TSにおける前記品質アクセスユニットから、前記品質メタデータを、前記UEの少なくとも1つのプロセッサを使用して抽出することであって、前記品質メタデータは、前記メディア・アクセス・ユニットの再生の間、前記UEにおいて使用される、ことと、
を前記少なくとも1つのプロセッサに実施させる、コンピュータプログラム。
請求項18に記載のコンピュータプログラムであって、前記UEの前記少なくとも1つのプロセッサによって実行された場合、前記メディア・アクセス・ユニットの前記再生を開始するために、前記メディア・アクセス・ユニット及び前記品質メタデータを、前記UEのメディアコンテンツ再生部に提供することであって、前記メディアコンテンツ再生部は、前記品質メタデータに基づいて、メディアコンテンツのビットレート、解像度、又はフレームレートの少なくとも1つを適合させる、ことを前記少なくとも1つのプロセッサに実施させる、コンピュータプログラム。
請求項18から20のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムであって、前記UEの前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、対応するメディア・アクセス・ユニットが、前記ネットワーク要素から取得される前に、前記UEにおいて品質アクセスユニットを復号することを、前記少なくとも1つのプロセッサに実施させる、コンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明が開示され、且つ説明される前に、次のことは理解されるべきである。即ち、この発明は、本明細書で開示される特別な構造、プロセスステップ、又は材料に限定されないが、しかし、関連技術における当業者によって認識されると思われるような、それらの等価物に拡張される、ということは理解されるべきである。更に理解されるべきことであるが、本明細書で使用される用語は、特別な例を説明する目的のためだけに使用され、且つ限定的でないことが意図されている。異なる図面における同じ参照符号は、同じ要素を表す。フローチャート及びプロセスにおいて提供される数字は、ステップ及び動作を示す上での明快さのために提供され、且つ必ずしも特別な順序又はシーケンスを指示するものではない。
【0018】
技術実施形態の最初の概要が以下に提供され、且つ、次に、特定の技術実施形態が、後で更に詳しく説明される。この最初の要約は、技術をより早く理解する上で読者を手助けすることを意図しており、且つ技術の主要な特徴又は必須の特徴を識別することを意図したものではない。また、この最初の要約は、請求される主題の範囲を限定することを意図したものでもない。
【0019】
Moving Picture Experts Group(MPEG)−2ストリーミングビデオ品質情報を伝達するための技術が説明される。ネットワーク要素は、メディアコンテンツ・ストリーム表現における1つ以上のメディア・アクセス・ユニットに関連付けられる品質アクセスユニットを生成することが可能である。メディア・アクセス・ユニットは、メディアコンテンツ・ストリーム表現におけるメディアコンテンツ・フレーム(例えば、ビデオフレーム)であり得る。品質アクセスユニットは、メディアコンテンツ・ストリーム表現におけるメディア・アクセス・ユニットに対して品質メタデータ(例えば、品質測定規準)を指示することが可能である。換言すれば、各品質アクセスユニットは、1つ以上のメディア・アクセス・ユニット(又はメディアコンテンツ・フレーム)に対して品質メタデータを指示することが可能である。ネットワークは、Moving Picture Experts Group(MPEG)−2トランスポートストリーム(TS)において品質アクセスユニットをカプセル化することが可能である。ネットワーク要素は、品質アクセスユニットにおいて指示される品質メタデータを記述する品質拡張記述子を生成することが可能である。ネットワーク要素は、定義された周期性に従って(例えば、おおよそ100ミリ秒ごとに)、プログラム・マップ・テーブル(PMT)における品質拡張記述子をユーザ機器(UE)へ伝達することが可能である。加えて、ネットワーク要素は、MPEG−TSにおける品質アクセスユニットをUEへ伝達することが可能である。品質アクセスユニットは、メディアコンテンツ・ストリーム表現におけるメディア・アクセス・ユニットと共に、UEへ伝達することが可能である。品質アクセスユニット(及び品質メタデータ)を引き出すために、UEは、品質拡張記述子を使用して、MPEG−TSを構文解析すると共に、復号することが可能である。UEは、UEにおいて実行しているメディアプレーヤを介して、メディア・アクセス・ユニットを提示することが可能であるが、これは、品質アクセスユニットに含まれる品質メタデータに基づいて行われる。換言すれば、UEは、メディアコンテンツ・ストリーム表現におけるメディア・アクセス・ユニットを知的な方法でストリームするために、MPEG−2−TSにおける品質メタデータを利用することが可能である。
【0020】
これまでに数多くのマルチメディア規格が存在するが、それらは、マルチメディアが、携帯コンピューティングデバイスから、又は携帯コンピューティングデバイス間で伝達されるのを可能とするために開発されてきた。例えば、ストリーミングビデオでは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)が技術仕様書(TS)26.234(例えば、公開11.0.0)を開発したが、この技術仕様書は、パケット交換ストリーミングサービス(PSS)を説明し、このサービスは、オンデマンドコンテンツ又はライブコンテンツのユニキャストストリーミングのための実時間ストリーミングプロトコル(RTSP)に基づくものである。加えて、進歩的なダウンロード及び、HTTPによる動的適応型ストリーミング(DASH)を含むハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)をベースとしたストリーミングサービスは、3GPP−TS26.247(例えば、公開11.0.0)において説明されている。3GPPをベースとしたマルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)仕様書TS26.346(例えば、公開11.0.0)は、マルチキャスト/放送コンテンツ配布のための、ストリーミング技術及びダウンロード技術を規定している。そのため、ユーザ機器(UE)のような、DASH/PSS/MBMSをベースとした携帯コンピューティングデバイスは、UEデバイスにおいて、ストリームされたビデオを復号すると共に表現する。3GPP−TS26.244(例えば、公開11.0.0)における3GPPファイルフォーマットに対するサポートは、ファイルダウンロード及び、HTTPをベースとしたストリーミング用途のケースをサポートするべく、これらの仕様書の全てにおいて権限が与えられている。
【0021】
ネットワーク条件における変動(即ち、ネットワーク変動性)がマルチメディアコンテンツに関連付けられる通信データレートを減少させる場合、高移動性環境におけるマルチメディアストリーミングは、困難なものであり得る。過剰負荷にあるネットワークが通信データレートを減少させる場合、エンドユーザ体感品質(QoE)も同様に減少し得る。例えば、携帯デバイスで受信されたマルチメディアコンテンツは、より低い解像度又は品質のものであり得る。且つ/又は、マルチメディアコンテンツは、過剰負荷にあるネットワーク上で提供される場合、周期的に壊れる、又は休止することがあり得る。
【0022】
ユーザ機器(UE)のようなクライアントへストリームされるマルチメディアコンテンツは、複数のマルチメディアコンテンツ・セグメントを含むことが可能である。マルチメディアコンテンツ・セグメントの各々は、マルチメディアコンテンツの異なる品質レベルを表す、異なる符号化バージョンを含むことが可能である。異なる符号化バージョンは、クライアントが、変化するネットワーク条件にシームレスに適合するのを許可することが可能である。例えば、ネットワーク条件が良好である場合(即ち、ネットワーク条件が、所定の閾値よりも上にある)、クライアントは、より高いビデオ品質となるマルチメディアコンテンツ・セグメントを要求することが可能である。ネットワーク条件が十分でない場合(即ち、ネットワーク条件が、所定の閾値よりも下にある場合)、クライアントは、より低いビデオ品質となるマルチメディアコンテンツ・セグメントを要求することが可能である。その結果、ネットワークの通信状態が劣悪であり、且つ適応型のメディア配信ストリームの受信が中断されてしまう可能性を減少させ得る場合には、クライアントは、依然として、(本来よりも低い品質ではあるが)マルチメディアコンテンツを構成するセグメントを受信できるかもしれない。
【0023】
DASHのような幾つかのメディアストリーミング技術では、時間指定されたメタデータを含むことが現在サポートされている。時間指定されたメタデータは、クライアントに提供されるメディアコンテンツ・ストリームの中に周期的に含めることが可能である。時間指定されたメタデータの例として、品質情報及び電力削減のための指標が含まれる。時間指定されたメタデータにおける品質情報によって、クライアントは、より円滑な品質のストリーミング及び低減された帯域幅消費を達成できることが可能となる。一実施例において、ストリーミング品質及び帯域幅消費を最大化することを目的として、クライアントは、メディアコンテンツの複数の符号化されたバージョンのうちの何れがクライアント側で受信されるべきであるかを知的な方法で選択するために、品質情報(又は品質メタデータ)を使用することが可能である。品質メタデータは、クライアントで受信されているメディアコンテンツ・セグメントに関連付けることが可能である。
【0024】
品質メタデータは、メディアコンテンツ・セグメントに対する品質レベルを動的に指示することが可能である。一実施例において、もしメディアコンテンツ・セグメントに対する品質レベルが比較的低い(例えば、ビデオの画質が粗い)ことを品質メタデータが表す場合、クライアントは、(より高いビットレートを要するが)品質レベルが向上したメディアコンテンツ・セグメントを要求することが可能である。別の実施例において、メディアコンテンツ・セグメントに対する品質レベルが比較的高いことを品質メタデータが表す場合、クライアントは、わずかに低い品質レベルでのメディアコンテンツ・セグメント(これは、低減されたビットレートをもたらし得る)を要求することが可能であり、その結果として、低減された品質レベルは、クライアントのユーザに対して、実質的に目立つものではない。換言すれば、もし品質の低減が、ユーザに対して目立つものでない場合、その時は、帯域幅を節約するために、低減された品質レベルでのメディアコンテンツ・セグメントを選択することが可能である。以前に述べたように、クライアントに提供される品質メタデータは、クライアントが、再生のためのメディアコンテンツ・セグメントを知的な方法で要求できることを可能にする。
【0025】
Moving Picture Experts Group(MPEG)−2トランスポートストリーム(TS)は、デジタルビデオ放送(DVB)及びAdvanced Television System Committee(ATSC)のような多くのシステム(例えば、放送システム)において配置されるメディアフォーマットである。以前のソリューションでは、MPEG2−TSフォーマットは、ビデオ品質測定規準及び関連するメタデータの運搬をサポートしていない。その結果、MPEG2−TSフォーマットに基づく伝統的なシステム(例えば、放送)は、品質駆動の適応型ストリーミングの利益を実現できない。加えて、コーディング変換処理動作の間、MPEG2−TSフォーマットにおけるサポートが欠如しているために、品質情報を変換することが、以前には不可能であった。コーディング変換処理動作の例として、国際標準化機構(ISO)の規格に準拠したメディア・ファイル・フォーマット(ISOBMFF)から、MPEG2−TSファイルフォーマットへの変換、又はその逆方向の変換であるコーディング変換処理が含まれる。
【0026】
本明細書で説明される技術は、MPEG2−TSメディア・ファイル・フォーマットにおけるビデオ品質メタデータの運搬に関する。その結果、品質駆動の適応型ストリーミングを、MPEG2−TSシステムに適用することが可能である。加えて、コーディング変換処理動作(例えば、ISOBMFFからMPEG2−TSへの、又はその逆の)の間の、品質情報の変換を、本技術を用いて可能にできる。
【0027】
図1は、代表的なMoving Picture Experts Group(MPEG)−2トランスポートストリーム(TS)フォーマットを示す。ビデオデータは、ビデオ符号器105に提供することが可能である。ビデオ符号器105は、符号化されたビデオデータを作り出すことが可能であり、この符号化されたビデオデータは、その後、第1パケタイザ115に提供される。第1パケタイザ115は、符号化されたビデオデータから、ビデオパケット化された基本ストリーム(PES)パケットを生成することが可能である。加えて、オーディオデータは、オーディオ符号器110に提供することが可能である。オーディオ符号器110は、符号化されたオーディオデータを作り出すことが可能であり、この符号化されたオーディオデータは、その後、第2パケタイザ120に提供される。第2パケタイザ120は、符号化されたオーディオデータから、オーディオパケット化された基本ストリーム(PES)パケットを生成することが可能である。一実施例において、ビデオPESパケット及びオーディオPESパケットは、プログラムストリーム(PS)マルチプレクサ125に提供することが可能であり、このマルチプレクサ125は、ビデオPESパケット及びオーディオPESパケットを含めるために、プログラムストリームを生成する。別の実施例において、ビデオPESパケット及びオーディオPESパケットは、トランスポートストリーム(TS)マルチプレクサ130に提供することが可能であり、このマルチプレクサ130は、ビデオPESパケット及びオーディオPESパケットを含めるために、トランスポートストリームを生成する。
【0028】
MPEG−2−TSは、オーディオ、ビデオ、及びプログラム、並びにシステム情報(PSIP)データの伝送及び格納のために使用される標準的なコンテナフォーマットである。コンテナフォーマット(又はラッパーフォーマット)は、異なるデータ及びメタデータの要素が、コンピュータファイルの中でいかにして共存するかを記述することが可能である。一実施例において、MPEG−2−TSは、オーディオ/ビデオを記述するメタデータ(例えば、品質メタデータ)を含むことが可能である。MPEG−2−TSは、DVB、ATSC、及びインターネット・プロトコル・テレビジョン(IPTV)のような、放送システムにおいて使用することが可能である。MPEG−2−TSは、MPEG−2 Part 1,Systems(公式には、ISO/IEC standard 13818−1又はITU−T Rec.H.222.0として知られる)において更に定義される。IECは、国際電気標準会議とも呼ばれる。MPEG−2−TSは、信号が劣化する場合に、伝送完全性を維持するためのストリーム同期化機能はもちろんのこと、パケット化された基本ストリームを(エラー訂正と共に)カプセル化するためのコンテナフォーマットを指定することが可能である。トランスポートストリームは、幾つかの方法において、プログラムストリームと異なることが可能である。プログラムストリームは、ディスク(例えば、DVD)のような適度に信頼性のあるメディアに対して設計され、これに対して、トランスポートストリームは、地上放送又は衛星放送のような、あまり信頼性のない伝送に対して設計される。加えて、トランスポートストリームは、複数のプログラムを運搬することが可能である。
【0029】
MPEG−2トランスポートストリームは、プログラム固有の情報(PSI)を含むことが可能であり、このプログラム固有の情報(PSI)は、あるプログラム(又はチャンネル)についてのメタデータである。PSIの一実施例は、プログラム・マップ・テーブル(PMT)である。PMTは、プログラムについての情報を含むことが可能である。例えば、デジタルテレビジョンで使用されるトランスポートストリームは、3つのテレビジョンチャンネルを表すために、3つのプログラムを含むかもしれないであろう。3つのプログラム(又はチャンネル)は、3つのPMTによって記述することが可能である。各チャンネルは、1つのビデオストリーム、1つ又は2つのオーディオストリーム、及びメタデータを含むことが可能である。PMTは、プログラム番号を含む、トランスポートストリームの中に存在する各プログラム上の情報を提供し、且つ、記述されたMPEG−2プログラムに含まれる基本的なストリームを列挙することが可能である。
【0030】
図2は、Moving Picture Experts Group(MPEG)−2ストリーミングビデオ品質情報を伝達するための、ネットワーク要素210とユーザ機器(UE)220との間での代表的な信号伝達を示す。ネットワーク要素210は、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)又はオペレータネットワークに位置することが可能である。ネットワーク要素210は、メディアコンテンツをUE220へストリームすることが可能である。本明細書で使用されるように、用語「メディアコンテンツ」は、オーディオ及び/又はビデオのことを指すことが可能である。ネットワーク要素210は、メディアコンテンツと一緒に、ビデオ品質情報をUE220へ送信することが可能である。ビデオ品質情報は、メディアコンテンツに含まれる1つ以上のメディアコンテンツ・フレームに対して、品質レベルを記述することが可能である。ビデオ品質情報(例えば、品質メタデータ)は、UE220が、ビデオ品質情報に基づいて、ネットワーク要素210から、メディアコンテンツ・フレームを知的な方法で要求するのを可能にすることができる。例えば、UE220は、ネットワーク要素210から受信されたビデオ品質情報に基づいて、メディアコンテンツ・ビットレート、解像度、及び/又はフレームレートを適合させることが可能である。その結果、MPEG−2規格に従ってメディアコンテンツを受信する場合、UE220は、品質を認識することが可能である。
【0031】
一実施例において、ネットワーク要素210は、メディアコンテンツ・ストリーム表現における1つ以上のメディア・アクセス・ユニット(又はビデオフレーム)に関連付けられる品質アクセスユニットを生成することが可能である。メディア・アクセス・ユニットは、メディアコンテンツ・ストリーム表現におけるメディアコンテンツ・フレーム(例えば、ビデオフレーム)であり得る。品質アクセスユニットは、メディアコンテンツ・ストリーム表現におけるメディア・アクセス・ユニットに対して、品質メタデータを指示することが可能である。品質メタデータは、メディア・アクセス・ユニットに対する品質測定規準を含むことが可能である。非制限的な実施例として、(品質メタデータを有する)特別な品質アクセスユニットは、一連の5つのメディア・アクセス・ユニット(又は5つのメディアコンテンツ・フレーム)に関連付けることが可能である。一般に、品質アクセスユニットは、メディア・アクセス・ユニットの品質レベルにおける変動を、タイムリーなやり方で反映する動的な情報であり得る。換言すれば、品質アクセスユニットは、各メディア・アクセス・ユニットに対して送信することが可能なので、品質レベルにおける変化は、その後の品質アクセスユニットにおいて変化するメタデータの中にすぐに反映され得る。
【0032】
一実施例において、品質アクセスユニットは、特別なメディアコンテンツ・ストリームに関連付けることが可能である。複数のメディアコンテンツ・ストリームは、ある与えられた時間にネットワーク要素210によって放送することが可能であり、それ故、UE220は、どのメディアコンテンツ・ストリームが品質アクセスユニットに対応するかを知るはずである。加えて、UE220は、どのメディア・アクセス・ユニット(又はメディアコンテンツ・フレーム)が特別な品質アクセスユニットによって記述されつつあるかを知るはずである。この情報は、品質アクセスフォーマットにおいて指示することが可能である。
【0033】
以前に説明したように、品質アクセスユニットは、品質メタデータを含むことが可能である。品質メタデータに含まれる品質測定規準は、メディアコンテンツ・フレームの品質レベルを判断するのに使用される、客観的基準又は主観的基準であり得る。一般に、メディアコンテンツ品質(又はビデオ品質)は、元々のメディアコンテンツと、それがメディアコンテンツ伝送又は処理システム(例えば、ビデオ符号器)を通過した後のメディアコンテンツとの間で、認められるメディアコンテンツ劣化の公式又は非公式な尺度のことを指す。換言すれば、品質測定規準は、一般に高品質であると考えられる元々のメディアコンテンツ信号(これは、元々のメディアコンテンツ信号が圧縮されていないためである)と、符号化された(又は、別な方法では、変換された)メディアコンテンツ信号との間の差異を測定することが可能である。一実施例において、品質メタデータに含まれる品質測定規準は、信号対雑音比(SNR)、ピーク信号対雑音比(PSNR)、構造的類似性インデックス(SSIM)、マルチスケール構造的類似性インデックス(MS−SSIM)、ビデオ品質測定規準(VQM)、ビデオ品質の知覚的評価(PEVQ)、平均オピニオン評点(MOS)、フレーム重要度(FSIG)、チェナコウスキー(Czenakowski)距離(CZD)などを含むことが可能である。
【0034】
一構成において、品質アクセスユニットは、ISO/IEC23001−10において定義されるような、動的な品質メタデータを含むアクセスユニットである。それ故に、動的な品質メタデータは、1つ以上のメディアコンテンツ・フレーム(例えば、ビデオフレーム)に関連付けられるアクセスユニットに格納することが可能である。これらのアクセスユニットは、MPEGセクションの中にカプセル化することが可能であり、これらのMPEGセクションは、0x2Cのストリーム型の値によって識別される。各品質アクセスユニットは、品質測定規準値の配列と同様に、構成及びタイミング情報を含むことが可能である。品質値は、品質測定規準に対して、一対一の対応を有することが可能である。各品質測定規準値は、必要なら、フィールド・サイズ・バイト・パラメータによって指示されるバイトの数まで、先行するゼロバイトによってパディングすることが可能である。品質アクセスユニットは、次の構文に従うことが可能である。
【表1】
【0035】
品質アクセスユニットの構文に関して、フィールド・サイズ・バイト(即ち、field_size_bytes)パラメータは、品質測定規準サンプルフィールドのサイズを指示することが可能である。測定規準カウント(即ち、metric_count)パラメータは、各品質アクセスユニットにおける品質測定規準値の数を指示することが可能である。測定規準符号(即ち、metric_code)パラメータは、品質アクセスユニットにおける品質測定規準値に対して、符号名を指示することが可能である。サンプルカウント(即ち、sample_count)パラメータは、品質測定規準値ごとの品質測定規準サンプルの数を指示することが可能である。復号タイムスタンプ(DTS)パラメータ(即ち、media_DTS)は、品質測定規準サンプルによって記述されるメディア・アクセス・ユニットのDTSを指示することが可能である。
【0036】
一実施例において、ネットワーク要素210は、Moving Picture Experts Group(MPEG)−2トランスポートストリーム(TS)において品質アクセスユニットをカプセル化することが可能である。MPEG−2−TSはオーディオ、ビデオ、及びメタデータの伝送のために使用される標準的なコンテナフォーマットである。換言すれば、品質アクセスユニットは、MPEGセクションにおいて運搬することが可能である。各品質アクセスユニットは、ランダムなアクセスポイントであり得る。加えて、各品質アクセスユニットは、単一のトランスポートストリーム(TS)パケットの中に含めることが可能である。
【0037】
一実施例において、ネットワーク要素210は、品質アクセスユニットの中で指示される品質メタデータを記述する品質拡張記述子を生成することが可能である。品質拡張記述子は、イベントにつき一回、又はプログラムにつき一回、UE220に送信することが可能である。品質拡張記述子は、プログラム・マップ・テーブル(PMT)における記述子を使用して、信号伝達することが可能である。PMTは、ネットワーク要素210からUE220へ周期的に送信されるエンティティである。PMTは、UE220に伝送されるべきメディアコンテンツをUE220に通知する、電子サービス案内である。この記述子は、パケット識別子(PID)の基本ストリームループの中で出現し得るが、このパケット識別子に対して、品質情報が提供される。品質拡張記述子は、各品質アクセスユニットに存在する品質測定規準を記述することが可能である。品質拡張記述子は、品質測定規準値に対して使用される一定のフィールドサイズを含むことが可能である。換言すれば、品質拡張記述子は、UE220が、品質アクセスユニットに含まれる品質メタデータを処理することを可能とし得る。UE220は、もし拡張記述子がネットワーク要素210から受信されない場合、品質メタデータをいかにして解釈するかが分からないかもしれず、且つ、その結果、UE220は、このシナリオ(即ち、UE220は、品質拡張記述子を受信しない場合)では品質メタデータを無視するかもしれないであろう。品質測定規準は、ISO/IEC23001−10において更に説明することが可能である。
【0038】
一実施例において、品質拡張記述子は、次の構文に従うことが可能である。
【表2】
【0039】
品質拡張記述子の構文に関して、記述子タグ(即ち、descriptor_tag)パラメータは、品質拡張記述子のタグを指示することが可能である。フィールド・サイズ・バイト(即ち、field_size_bytes)パラメータは、各品質アクセスユニットにおける品質測定規準値に対して、(バイトにおける)一定のサイズを指示することが可能である。測定規準カウント(即ち、metric_count)パラメータは、各品質アクセスユニットにおける品質測定規準値の数を指示することが可能である。測定規準符号(即ち、metric_code)パラメータは、品質アクセスユニットにおける品質測定規準値に対して、符号名を指示することが可能である。任意選択的に、品質拡張記述子の構文は、ストリーム識別子(即ち、stream_id)パラメータを含むことが可能であり、このストリーム識別子パラメータは、品質アクセスユニットによって記述されるメディアコンテンツ・ストリーム表現に対して、ストリーム識別子を指示する。これらの構文要素に対する意味規則は、ISO/IEC23001−10において指定される。
【0040】
一実施例において、ネットワーク要素210は、PMTにおける品質拡張記述子をUE220へ伝達することが可能である。ネットワーク要素210は、定義された周期性に従って、品質拡張記述子を送信することが可能である。一実施例において、ネットワーク要素210は、おおよそ100ミリ秒(ms)ごとに、品質拡張記述子を送信することが可能である。一般に、品質拡張記述子は、UE220へ送信される、より静的な情報であり得る。UE220は、品質拡張記述子に基づいて、メディア・アクセス・ユニット(例えば、100msの時間フレームの中で受信されるメディア・アクセス・ユニット)のグループを解釈することが可能である。UE220は、次に来る品質拡張記述子に基づいて、次に来るグループのアクセスユニットを解釈することが可能である。品質拡張記述子は、数百の品質アクセスユニットに潜在的に適用される、一般的な記述子であり得る。他方で、品質アクセスユニットはより動的であり得るが、その理由は、それらが、(例えば、ビデオの数十ミリ秒のオーダーでの)1つ又は幾つかのメディアコンテンツ・フレームに関連付けられるからである。
【0041】
ネットワーク要素210は、MPEG−TSにおける品質アクセスユニットを、UE220へ伝達することが可能である。加えて、ネットワーク要素210は、メディアコンテンツ・ストリーム表現におけるメディア・アクセス・ユニットを、UE220へ伝達することが可能である。換言すれば、メディア・アクセス・ユニットは、対応する品質アクセスユニットに関連して、伝達することが可能である。MPEG規格は、パケット化フォーマットを記述するが、このフォーマットは、メディア・アクセス・ユニット(又はビデオフレーム)及び品質アクセスユニットに適用される。メディア・アクセス・ユニット及び品質アクセスユニットは、帯域内でUE220に伝送される。他方で、品質拡張記述子(これはPMTに含まれる)は、帯域外の情報である。品質拡張記述子は、メディア・アクセス・ユニット及び品質アクセスユニットから、UE220へ別々に伝送することが可能である。
【0042】
一実施例において、UE220は、ネットワーク要素210から、品質拡張記述子、メディア・アクセス・ユニット、及び品質アクセスユニット(これは、MPEG−2−TSにおいてカプセル化される)を受信することが可能である。一実施例において、UE220は、単一のMPEG−2−TSにおける複数のメディアコンテンツ・ストリーム表現に対応する、複数の品質拡張記述子及び関連する品質アクセスユニットを受信することが可能である。UE220は、品質アクセスユニットを引き出すために、MPEG−TSを構文解析することが可能である。UE220は、品質アクセスユニットに含まれる品質メタデータを識別するために、品質アクセスユニットを復号することが可能である。一実施例において、UE220は、MPEG−2−TSを構文解析すると共に復号するために、品質拡張記述子を使用することが可能であるが、これは、品質アクセスユニットに含まれる品質メタデータと同様に、品質アクセスユニットを引き出すことを目的としている。換言すれば、ネットワーク要素210から品質拡張記述子を前もって伝送することによって、UE220は、品質メタデータにアクセスすることが可能となり得る。もし品質拡張記述子が、ネットワーク要素210から前もって受信されない場合、UE220は、品質メタデータにアクセスできなくてもよい。UE220が品質拡張記述子を有していない場合のシナリオにおいては、UE220は、MPEG−2−TSに含まれる品質メタデータを単に無視してもよい。下位互換性を維持するために、レガシUEは品質メタデータを無視してもよく、これに対して、品質を認識した新しいUEは、メディアコンテンツ再生の間、品質メタデータを利用してもよい。
【0043】
一実施例において、UE220は、MPEG−2−TSを処理するためのデマルチプレクサを含むことが可能である。MPEG−2−TSは、多重化されたフォーマットであるため、オーディオ、ビデオ、メタデータ(例えば、品質アクセスユニット)などは、一緒にパッケージ化することが可能である。換言すれば、オーディオ、ビデオ、及びメタデータは、メディア上で多重化され、パケット化され、且つネットワーク要素からUE220へ伝送される。デマルチプレクサは、オーディオ、ビデオ、及びメタデータを識別することが可能である。この時、メタデータから品質メタデータを引き出すために、UE220は、品質拡張記述子を使用して、メタデータ(例えば、品質アクセスユニットを含むメタデータ)を構文解析すると共に、復号することが可能である。
【0044】
UE220は、メディア・アクセス・ユニット及び品質メタデータを、UE220のメディアコンテンツ・プレーヤに提供することが可能である。メディアコンテンツ・プレーヤは、メディア・アクセス・ユニットの再生を開始するように構成することが可能である。品質メタデータは、メディアコンテンツ・プレーヤ(例えば、DASH−MPEG−2メディアプレーヤ)に提供することが可能である。メディアプレーヤは、どのメディアコンテンツ・フレームを前進させるように要求するか、及びいかにして前進するストリーミング・メディアコンテンツを適応させるかを決定する上で、品質メタデータを使用することが可能である。一実施例において、メディアプレーヤは、品質メタデータに基づいて、メディアコンテンツ・ビットレート、解像度、又はフレームレートを適合させることが可能である。
【0045】
一実施例において、UE220のメディアプレーヤは、増加した品質レベル(より高いビットレートではあるが)を有するメディアコンテンツ・フレームを要求することが可能である。別の実施例において、もし品質メタデータが、メディアコンテンツ・フレームに対する品質レベルが比較的高いことを表す場合、メディアプレーヤは、わずかに低い品質レベル(これは、ビットレートの低減をもたらし得る)にあるメディアコンテンツ・フレームを要求することが可能であり、その結果、低減された品質レベルは、UEのユーザに対しては、実質的に目立つものではない。換言すれば、もし品質の低減が、ユーザに対して目立つものでない場合、その時は、帯域幅を節約するために、低減された品質レベルにおけるメディアコンテンツ・フレームを選択することが可能である。それ故に、メディアプレーヤにおいて品質メタデータを使用することによって、UEは、再生のためのメディアコンテンツ・フレームを知的な方法で要求することが可能となり得る。
【0046】
一構成において、品質アクセスユニット及びメディア・アクセス・ユニットは、定義されたタイミング関係に従うことが可能である。品質メタデータは、関連するメディア・アクセス・ユニットと同じメディアタイムラインを共有することが可能である。品質メタデータは、1つ以上のビデオフレームに関連付けることが可能である。品質アクセスユニットは、復号することが可能であり、且つ対応するメディア・アクセス・ユニットがネットワーク要素210から取得される前に、復号された情報は、UE220に対して利用可能とすることが可能である。そのようなタイミング関係は、次のことを保証することが可能である。即ち、関連するメディア・アクセス・ユニットの要求時間及び表現タイムスタンプ(PTS)に対して、品質アクセスユニット内の品質メタデータが、十分なリードタイムを有しながら、UE220に対して利用可能となる、ということが保証される。メディア・アクセス・ユニットのPTS、及び品質アクセスユニットのPTSは同一であり得る。品質アクセスユニットは、十分なリードタイムを有しながら、トランスポートストリームの中で伝送することが可能であり、その結果、メディア特性(例えば、ビットレート、解像度、フレームレート)に対する適切な適応化を、関連するメディア・アクセス・ユニットの提示時間に先だって実施することが可能である。
【0047】
図3は、Moving Picture Experts Group(MPEG)−2トランスポートストリーム(TS)による品質メタデータの運搬を示したものである。
図3は、MPEG−2プログラム310を、関連するメタデータと共に示す。MPEG−2プログラム310は、オーディオ322及びビデオ324に関連付けることが可能である。MPEG−2プログラム310は、プログラム・マップ・テーブル(PMT)320によって記述することが可能であり、ここでプログラム・マップ・テーブル(PMT)320は、一意のパケット識別子(PID)を有する。MPEG−2プログラム310に関連付けられた基本ストリームは、PMT320において列挙されるPIDを有することが可能である。PMT320は、コンテンツラベル付け記述子322、及び品質メタデータポインタ記述子324を含むことが可能である。コンテンツラベル付け記述子322は、コンテンツラベル330を指すことが可能である。コンテンツラベル330は、メタデータサービス360によって参照することが可能である。品質メタデータポインタ記述子324は、品質メタデータ記述子326に向けることが可能である。PMT320における品質メタデータ記述子326はまた、品質拡張記述子と呼ぶことが可能である。品質メタデータ記述子326は、メタデータサービスID328を指すことが可能である。MPEG−2プログラム310は、メタデータストリーム355を含むことが可能である。メタデータストリーム355は、ビデオ340における1つ以上のフレームに対して、品質メタデータを含むことが可能である。それ故に、ビデオ340、オーディオ350、及びメタデータストリーム355(例えば、これは、品質メタデータを含む)は、MPEG−2プログラム310の中で多重化することが可能である。
【0048】
図4は、Moving Picture Experts Group(MPEG)−2トランスポートストリーム(TS)フォーマットにおける品質メタデータの配信を示す。MPEG−2−TSは、オーディオ及びビデオ(A/V)コンテンツ410を含むことが可能である。A/Vコンテンツ410は、ネットワーク要素からユーザ機器(UE)に提供することが可能である。A/Vコンテンツ410がUEに提供されている間、メタデータ(例えば、品質メタデータ)は、A/Vコンテンツ410と共に、周期的に送信することが可能である。一実施例において、A/Vコンテンツ410は、第1品質メタデータに関連付けられる第1パケットタイムスタンプ(PTS1)、第2品質メタデータに関連付けられる第2パケットタイムスタンプ(PTS2)、及び第3品質メタデータに関連付けられる第3パケットタイムスタンプ(PTS3)を含むことが可能である。換言すれば、パケットタイムスタンプは、対応する品質メタデータと実質的に同一であり得る。UEは、A/Vコンテンツ410に関連付けられる品質メタデータと同様に、A/Vコンテンツ410を受信することが可能であり、且つ品質メタデータに基づいて、A/Vコンテンツ410を適応的にストリームすることが可能である。例えば、UEは、MPEG−2−TSにおいて受信される品質メタデータに基づいて、増加したビットレート又は減少したビットレートを要求することが可能である。
【0049】
図5は、識別子(ID)割り当て値の代表的なテーブルである。MPEG2−TSフォーマットに対するID割り当て値は、ISO/IEC13818−1のテーブル2−31に含めることが可能である。一実施例において、テーブルは、0x0Aの値、及び「ISO/IEC23001−10(品質アクセスユニット)セクション」の関連した記述を含むことが可能である。
【0050】
一構成において、ISO/IEC13818−1のテーブル2−34(
図5には示されず)は、0x2Cの値、及び「セクションにおいて運搬される品質ストリーム・アクセス・ユニット」の関連記述を含むことが可能である。加えて、ISO/IEC13818−1標準化仕様書の表2−34は、0x2Dから0x7Eまでの値、及び「ITU−T Rec.H.222.0|ISO/IEC13818−1標準化仕様書」における予約値に関する関連記述を含むことが可能である。
【0051】
一構成において、ISO/IEC13818−1標準化仕様書の表T−1(
図5に示されず)は、「コーデック」パラメータ値を含むことが可能である。例として、0x2Cとして識別されたストリームの型は、「Vqme」として識別された要素に関連付けることが可能である。
【0052】
図6は、拡張記述子の代表的なテーブルである。拡張識別子は、ISO/IEC13818−1標準化仕様書の条項2.6.90における表2−103の2に含めることが可能である。テーブルは、Quality_extension_descriptor()、と記される品質拡張記述子を含むことが可能である。
【0053】
図7は、拡張記述子タグ値の代表的なテーブルである。拡張記述子タグ値は、ISO/IEC13818−1標準化仕様書の条項2.6.91における表2−103の3に含めることが可能である。テーブルは、品質拡張記述子を含むことが可能であり、この品質拡張記述子はまた、Quality_extension_descriptor()、と呼ばれる。品質拡張記述子は、9という拡張記述子タグ値に関連付けることが可能である。品質拡張記述子は、トランスポートストリーム(TS)に適用可能であり得るが、パケットストリーム(PS)には適用可能であり得ない。加えて、品質拡張記述子の構造は、ISO/IEC13818−1標準化仕様書の条項2.6.104及び条項2.6.105において定義することが可能である。
【0054】
図8は、代表的なコーディング変換部810を示し、このコーディング変換部810は、入力として国際標準化機構(ISO)の規格に準拠したメディア・ファイル・フォーマット(ISOBMFF)ファイル又はMPEG−2−TSファイルを受信すると共に、出力としてMPEG−2−TSに対する品質メタデータ又はISOBMFFファイルに対する品質メタデータを提供するように構成される。一実施例において、MPEG−2−TSに対する品質メタデータを生成するために、コーディング変換部810は、ISOBMFFファイルを受信し、ISOBMFFファイルを復号し、且つISOBMFFファイルにおける品質メタデータを変換することが可能である。換言すれば、ISOBMFFファイルから引き出された品質メタデータは、MPEG−2−TSに対して使用することが可能である。別の実施例において、ISOBMFFファイルを使用して伝達されるべき品質メタデータを生成するために、コーディング変換部810は、MPEG−2−TSファイルを受信し、MPEG−2−TSファイルを復号し、且つMPEG−2−TSファイルにおける品質メタデータを変換することが可能である。換言すれば、MPEG−2−TSファイルから引き出された品質メタデータは、ISOBMFFファイルに対して使用することが可能である。ISOBMFFファイルによって伝達されるべき品質メタデータは、MPEG−2−TSをベースとしたメディアコンテンツ・ストリーム表現に関連付けることが可能であり、ここで品質メタデータは、MPEG−2−TSをベースとしたメディアコンテンツ・ストリーム表現における1つ以上のメディアコンテンツ・フレームに対する品質測定規準値を含む。
【0055】
図9は、パイパーテキスト転送プロトコルによる動的適応型ストリーミング(DASH)メディア表現記述(MPD)ファイルの、代表的な抽象構文表記法(ASN)符号の例を示す。Moving Picture Experts Group(MPEG)−2トランスポートストリーム(TS)フォーマットに基づく品質情報の運搬は、DASH−MPDファイルにおけるコーデックパラメータ(即ち、codecs parameter)を介して、信号伝達することが可能である。コーデックパラメータは、「vqme.psnr」の値を指示することが可能である。この例では、ビデオ品質測定規準は、ピーク信号対雑音比(PSNR)に基づくことが可能である。異なるビデオ品質測定規準に対するコーデック名及び関連するメタデータの完全なセットを、ISO/IEC23001−10において見つけることが可能である。
【0056】
図10のフローチャートにおいて示されるように、別の実施例として、Moving Picture Experts Group(MPEG)−2ストリーミングビデオ品質情報を伝達することが実施可能なネットワーク要素の機能性1000が提供される。当該ネットワーク要素の機能性1000は、方法として実施することが可能であるか、又は機能性1000は、演算装置上での命令として実行することが可能であり、ここで命令は、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体、又は少なくとも1つの非一時的なマシン可読記憶媒体に含まれる。ブロック1010におけるように、ネットワーク要素は、1つ以上のプロセッサを備えることが可能であり、該プロセッサは、メディアコンテンツ・ストリーム表現における1つ以上のメディア・アクセス・ユニットに関連付けられる品質アクセスユニットを生成するように構成され、品質アクセスユニットは、メディアコンテンツ・ストリーム表現におけるメディア・アクセス・ユニットに対して、品質メタデータを指示する。ブロック1020におけるように、1つ以上のプロセッサは、Moving Picture Experts Group(MPEG)−2トランスポートストリーム(TS)において品質アクセスユニットをカプセル化するように構成することが可能である。ブロック1030におけるように、1つ以上のプロセッサは、品質アクセスユニットにおいて指示される品質メタデータを記述する品質拡張記述子を生成するように構成することが可能である。ブロック1040におけるように、1つ以上のプロセッサは、定義された周期性に従って、品質拡張記述子を、ユーザ機器(UE)に伝達するように構成することが可能である。ブロック1050におけるように、1つ以上のプロセッサは、メディアコンテンツ・ストリーム表現におけるメディア・アクセス・ユニットと共に、MPEG−TSにおける品質アクセスユニットを、UEに伝達するように構成することが可能であり、ここで品質アクセスユニットは、品質拡張記述子に基づいて、UEにおいて解釈される。
【0057】
一構成例において、第1プロセッサは、ブロック1010、1020、及び/又は1030における動作を実施することが可能である。第1プロセッサは、単一のプロセッサであり得るか、又は、代わりに、第1プロセッサは、1つ以上の別々のプロセッサから構成され得る。一構成例において、第2プロセッサは、ブロック1040及び/又は1050における動作を実施することが可能である。第2プロセッサの一実施例は、ベースバンドプロセッサである。
【0058】
一実施例において、MPEG−TS及びメディア・アクセス・ユニットにおける品質アクセスユニットは、UEに伝達され、その結果、UEは、品質拡張記述子を使用してMPEG−TSを構文解析することが可能となるが、それによって、UEは、品質アクセスユニットを引き出し、品質アクセスユニットを復号し、且つ品質アクセスユニットに基づいて、メディア・アクセス・ユニットを提示する。別の実施例において、品質メタデータは、次の品質測定規準値の少なくとも1つを含む。即ち、ピーク信号対雑音比(PSNR)、構造的類似性インデックス(SSIM)、マルチスケール構造的類似性インデックス(MS−SSIM)、ビデオ品質測定規準(VQM)、ビデオ品質の知覚的評価(PEVQ)、平均オピニオン評点(MOS)、又はフレーム重要度(FSIG)、の少なくとも1つを含む。
【0059】
一実施例において、品質拡張記述子は、次の少なくとも1つを含む。即ち、各品質アクセスユニットにおける品質測定規準値の数、各品質アクセスユニットにおける品質測定規準値に対する一定のサイズ、品質アクセスユニットにおける品質測定規準値に対する符号名、又は品質アクセスユニットによって記述されるメディアコンテンツ・ストリーム表現に対するストリーム識別子、の少なくとも1つを含む。別の実施例において、1つ以上のプロセッサは、単一のMPEG−2−TSを使用して、複数のメディアコンテンツ・ストリーム表現に対応する、複数の品質拡張記述子及び関連する品質アクセスユニットを送信するように更に構成される。
【0060】
一実施例において、各品質アクセスユニットは、品質測定規準値の数、品質測定規準サンプルフィールドのサイズ、品質測定規準値に対する符号名、品質測定規準値ごとの品質測定規準サンプルの数、又は品質測定規準サンプルによって記述されるメディア・アクセス・ユニットの復号タイムスタンプ(DTS)、の少なくとも1つを含む。別の実施例において、MPEG−2−TSに対する品質メタデータを生成するために、1つ以上のプロセッサは、国際標準化機構(ISO)ベースのメディア・ファイル・フォーマット(ISOBMFF)ファイルを構文解析し、ISOBMFFファイルを復号し、且つISOBMFFファイルにおける品質メタデータを変換するためのコーディング変換部を使用するように更に構成される。
【0061】
一実施例において、国際標準化機構(ISO)の規格に準拠したメディア・ファイル・フォーマット(ISOBMFF)ファイルによってネットワーク要素から伝達されるべき品質メタデータを生成するために、1つ以上のプロセッサは、MPEG−2−TSファイルを構文解析し、MPEG−2−TSファイルを復号し、且つMPEG−2−TSファイルにおける品質メタデータを変換するためのコーディング変換部を使用するように更に構成される。別の実施例において、ISOBMFFファイルによって伝達されるべき品質メタデータは、MPEG−2−TSをベースとしたメディアコンテンツ・ストリーム表現に関連付けられ、ここで品質メタデータは、MPEG−2−TSをベースとしたメディアコンテンツ・ストリーム表現における1つ以上のメディアコンテンツ・フレームに対して品質測定規準値を含む。
【0062】
一実施例において、品質拡張記述子は、プログラム・マップ・テーブル(PMT)に含まれ、且つおおよそ100ミリ秒(ms)ごとに、UEに伝達される。別の実施例において、メディア・アクセス・ユニットは、メディアコンテンツ・ストリーム表現におけるメディアコンテンツ・フレーム(例えば、メディアコンテンツ・フレーム)である。更に別の実施例において、品質アクセスユニットの表現タイムスタンプは、メディア・アクセス・ユニットの表現タイムスタンプと実質的に同一である。
【0063】
図11のフローチャートで示されるように、別の実施例は、メディアコンテンツ品質情報を使用して、メディアコンテンツ再生を実施することが可能なユーザ機器(UE)の機能性1100を提供する。機能性は、方法として履行することが可能であるか、又は機能性は、マシン上の命令として実行することが可能であり、ここで命令は、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体上に、又は少なくとも1つの非一時的なマシン可読記憶媒体上に含まれる。ブロック1110におけるように、UEは1つ以上のプロセッサを備えることが可能であり、ここで該プロセッサは、品質アクセスユニットにおける品質メタデータを記述する品質拡張記述子を、UEにおいて、ネットワーク要素から受信するように構成され、品質アクセスユニットは、UEにおいて受信されるべきメディアコンテンツ・ストリーム表現における1つ以上のメディア・アクセス・ユニットに関連付けられる。ブロック1120におけるように、1つ以上のプロセッサは、メディアコンテンツ・ストリーム表現におけるメディア・アクセス・ユニットと共に、Moving Picture Experts Group(MPEG)−2トランスポートストリーム(TS)における品質アクセスユニットを、ネットワーク要素から受信するように構成することが可能である。ブロック1130におけるように、1つ以上のプロセッサは、品質拡張記述子に基づいて、MPEG−2−TSにおける品質アクセスユニットに由来する品質メタデータを、UEにおいて識別するように構成することが可能である。ブロック1140におけるように、1つ以上のプロセッサは、メディアコンテンツ再生を開始するために、メディア・アクセス・ユニット及び品質メタデータを、UEのメディアコンテンツ再生部に提供するように構成することが可能であり、ここでメディアコンテンツ再生部は、品質メタデータに基づいて、メディアコンテンツ・ビットレート、解像度、又はフレームレートの、少なくとも1つを適合させるように構成される。
【0064】
一構成において、第1プロセッサは、ブロック1110及び/又は1120における動作を実施することが可能である。第1プロセッサの一実施例は、ベースバンドプロセッサである。一構成において、第2プロセッサは、ブロック1130及び/又は1140における動作を実施することが可能である。第2プロセッサは、単一のプロセッサであり得るか、又は、代わりに、第2プロセッサは、1つ以上の別々のプロセッサから構成され得る。
【0065】
一実施例において、品質メタデータは、次の品質測定規準値の少なくとも1つを含む。即ち、ピーク信号対雑音比(PSNR)、構造的類似性インデックス(SSIM)、マルチスケール構造的類似性インデックス(MS−SSIM)、ビデオ品質測定規準(VQM)、ビデオ品質の知覚的評価(PEVQ)、平均オピニオン評点(MOS)、又はフレーム重要度(FSIG)の、少なくとも1つを含む。別の実施例において、品質拡張記述子は、各品質アクセスユニットにおける品質測定規準値の数、各品質アクセスユニットにおける品質測定規準値に対する一定のサイズ、品質アクセスユニットにおける品質測定規準値に対する符号名、又は品質アクセスユニットによって記述されるメディアコンテンツ・ストリーム表現に対するストリーム識別子、の少なくとも1つを含む。
【0066】
一実施例において、1つ以上のプロセッサは、単一のMPEG−2−TSにおける複数のメディアコンテンツ・ストリーム表現に対応する、複数の品質拡張記述子及び関連する品質アクセスユニットを受信するように更に構成される。別の実施例において、各品質アクセスユニットは、品質測定規準値の数、品質測定規準サンプルフィールドのサイズ、品質測定規準値に対する符号名、品質測定規準値ごとの品質測定規準サンプルの数、又は品質測定規準サンプルによって記述されるメディア・アクセス・ユニットの復号タイムスタンプ(DTS)、の少なくとも1つを含む。
【0067】
図12のフローチャートで示されるように、別の実施例は、ユーザ機器(UE)において、Moving Picture Experts Group(MPEG)−2ストリーミングビデオ品質情報を受信するための、自身の上に具現化された命令を有する、少なくとも1つの非一時的なマシン可読記憶媒体の機能性1200を提供する。ブロック1210におけるように、命令は、これが実行された場合、品質アクセスユニットにおける品質メタデータを記述する品質拡張記述子を、ネットワーク要素から、UEの少なくとも1つのプロセッサを使用して受信することを、UEに実施させることが可能であり、ここで品質アクセスユニットは、UEで受信されるべきメディアコンテンツ・ストリーム表現における、1つ以上のメディア・アクセス・ユニットに関連付けられる。ブロック1220におけるように、命令は、これが実行された場合、メディアコンテンツ・ストリーム表現におけるメディア・アクセス・ユニットと共に、Moving Picture Experts Group(MPEG)−2トランスポートストリーム(TS)における品質アクセスユニットを、ネットワーク要素から、UEの少なくとも1つのプロセッサを使用して受信することを、UEに実施させることが可能である。ブロック1230におけるように、命令は、これが実行された場合、品質拡張記述子に基づいて、MPEG−2−TSにおける品質アクセスユニットから、品質メタデータを、UEの少なくとも1つのプロセッサを使用して引き出すことを、UEに実施させることが可能であり、ここで品質メタデータは、メディア・アクセス・ユニットの再生の間、UEで使用される。
【0068】
一実施例において、少なくとも1つの非一時的なマシン可読記憶媒体は、命令を更に備えることが可能であり、該命令は、これがUEの少なくとも1つのプロセッサによって実行された場合、次のことをUEに実施させる。即ち、メディア・アクセス・ユニットの再生を開始するために、メディア・アクセス・ユニット及び品質メタデータを、UEのメディアコンテンツ再生部に提供することをUEに実施させ、ここでメディアコンテンツ再生部は、品質メタデータに基づいて、メディアコンテンツ・ビットレート、解像度、又はフレームレートの、少なくとも1つを適合させるように構成される。
【0069】
一実施例において、品質拡張記述子は、UEにおいて、ネットワークから、おおよそ100ミリ秒(ms)ごとに受信され、ここで品質拡張記述子は、プログラム・マップ・テーブル(PMT)に含まれる。別の実施例において、少なくとも1つの非一時的なマシン可読記憶媒体は、命令を更に備えることが可能であり、該命令は、これがUEの少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、次のことをUEに実行させることが可能である。即ち、該命令は、対応するメディア・アクセス・ユニットがネットワーク要素から取得される前に、品質アクセスユニットをUEにおいて復号することを、UEに実行させる。
【0070】
図13は、ユーザ機器(UE)、移動局(MS)、携帯ワイヤレスデバイス、携帯通信デバイス、タブレット、ハンドセット、又は他の型のワイヤレスデバイスのような、ワイヤレスデバイスの図解例を提供する。ワイヤレスデバイスは、ノード又は伝送局と通信するように構成された1つ以上のアンテナを含むことが可能であり、ここでノード又は伝送局は、基地局(BS)、進化型ノードB(eNB)、ベースバンドユニット(BBU)、遠隔無線ヘッド(RRH),遠隔無線機器(RRE)、リレー基地(RS)、無線機器(RE)、遠隔無線ユニット(RRU)、中央処理モジュール(CPM)、又は他の型の無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)アクセスポイントのようなものである。ワイヤレスデバイスは、3GPP−LTE、WiMAX、高速パケットアクセス(HSPA)、ブルートゥース(登録商標)、及びWiFiを含む、少なくとも1つのワイヤレス通信規格を使用して、通信するように構成することが可能である。ワイヤレスデバイスは、各ワイヤレス通信規格に対する別々のアンテナを使用して、又は複数のワイヤレス通信規格に対する共有のアンテナを使用して、通信することが可能である。ワイヤレスデバイスは、ワイヤレス・ローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレス・パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、及び/又はWWANにおいて通信することが可能である。
【0071】
図13はまた、マイクロフォン及び1つ以上のスピーカの図解を提供するが、これらは、ワイヤレスデバイスからのオーディオ入力及びオーディオ出力に対して使用することが可能である。ディスプレイスクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)スクリーン、又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイのような、他の型のディスプレイスクリーンであり得る。ディスプレイスクリーンは、タッチスクリーンとして構成することが可能である。タッチスクリーンは、容量性の、抵抗性の、又は別の型のタッチスクリーン技術を使用することが可能である。アプリケーションプロセッサ及びグラフィックプロセッサは、処理能力及び表示能力を提供するために、内部メモリと結合させることが可能である。不揮発性メモリポートもまた、データ入力/データ出力の選択肢をユーザに提供するために使用することが可能である。不揮発性メモリポートはまた、ワイヤレスデバイスのメモリ能力を拡大するために使用することが可能である。キーボードは、付加的なユーザ入力を提供するために、ワイヤレスデバイス内部に一体的に組み込まれるか、又はワイヤレスデバイスに無線通信で結合することが可能である。仮想キーボードもまた、タッチスクリーンを使用して提供することが可能である。
【0072】
様々な技術、又はそれらのある態様若しくはある部分は、有形の媒体において具現化されたプログラムコード(即ち、命令)の形態を取ってもよく、ここで有形の媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、ハードドライブ、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、又は他の任意のマシン可読記憶媒体のようなものであり、ここでプログラムコードがコンピュータのようなマシンにロードされ、且つこのマシンによって実行される場合、マシンは様々な技術を実践するための装置となる。回路構成は、ハードウェア、ファームウェア、プログラムコード、実行可能な符号、コンピュータ命令、及び/又はソフトウェアを含むことが可能である。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、信号を含まないコンピュータ可読記憶媒体であり得る。プログラム可能なコンピュータ上のプログラムコード実行の場合には、コンピューティングデバイスは、プロセッサ、プロセッサによって可読な記憶媒体(揮発性メモリ及び不揮発性メモリ、並びに/又は記憶素子を含む)、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスを含んでもよい。揮発性メモリ及び不揮発性メモリ、並びに/又は記憶素子は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、フラッシュドライブ、光ドライブ、磁気ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、又は電子データを格納するための他の媒体であり得る。ノード及びワイヤレスデバイスはまた、トランシーバモジュール(即ち、トランシーバ)、計数器モジュール(即ち、計数器)、処理モジュール(即ち、プロセッサ)、及び/又はクロックモジュール(即ち、クロック)又は時計モジュール(即ち、時計)を含むことが可能である。本明細書で説明される様々な技術を履行し得る、又は利用し得る、1つ以上のプログラムは、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)、再利用可能な制御部などを使用してもよい。そのようなプログラムは、コンピュータシステムと通信するための、高水準手順のプログラミング言語、又はオブジェクト指向のプログラミング言語において実装することが可能である。しかしながら、プログラム(複数可)は、必要ならば、アセンブリ又はマシン言語において実装することが可能である。いずれの場合も、言語は、コンパイル言語又はインタプリタ言語であり得、且つハードウェアによる実装と結合され得る。
【0073】
本明細書で使用されるように、プロセッサという用語は、汎用目的のプロセッサ、VLSI、FPGA、又は他の型の特殊プロセッサのような特殊プロセッサを含むのに加えて、ワイヤレス通信を送信し、受信し、且つ処理するためのトランシーバにおいて使用されるベースバンドプロセッサを含むことが可能である。
【0074】
理解されるべきことであるが、この明細書で説明される機能的ユニットの多くは、モジュールと呼ばれてきたが、これは、それらの個別の実装形態からの独立性を特に強調するためである。例えば、モジュールは、ハードウェア回路として実装することが可能であり、ここでハードウェア回路は、特注の超大規模集積(VLSI)回路又はゲートアレイ、ロジックチップのような既製の半導体、トランジスタ、又は他のディスクリート回路素子を備える。モジュールはまた、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ、プログラマブル・アレイ・ロジック、プログラマブル・ロジック・デバイスなどのような、プログラマブル・ハードウェア・デバイスにおいて実装することが可能である。
【0075】
一実施例において、複数のハードウェア回路は、この明細書で説明される機能的ユニットを履行するために使用することが可能である。例えば、第1ハードウェア回路は、処理動作を実施するために使用することが可能であり、且つ第2ハードウェア回路(例えば、トランシーバ)は、他の実在物と通信するために使用することが可能である。第1ハードウェア回路及び第2ハードウェア回路は、単一のハードウェア回路に統合することが可能であるか、又は、代わりに、第1ハードウェア回路及び第2ハードウェア回路は、別々のハードウェア回路であり得る。
【0076】
モジュールはまた、様々な型のプロセッサにより実行可能なソフトウェアとして実装することが可能である。実行可能な符号の識別されたモジュールは、例えば、1つ以上の物理的又は論理的なブロックのコンピュータ命令を備え、これらは、例えば、オブジェクト、手続き、又は機能として組織化することが可能である。にもかかわらず、識別されたモジュールの実行可能なものは、物理的に一緒に位置する必要はなく、しかし異なる場所に格納された異種の命令を備えることが可能であり、これらの命令は、論理的に一緒に結合される場合、モジュールを備え、且つモジュールに対して決められた目的を達成する。
【0077】
実際に、実行可能な符号のモジュールは、単一の命令又は多くの命令であり得、且つ幾つかの異なる符号セグメントにわたって、異なるプログラムの間に、及び幾つかのメモリデバイスにまたがって、分布することさえあり得る。同様に、動作的データは、モジュール内で識別すると共にモジュール内に例示することが可能であり、且つ任意の適切な形で具現化し、且つ任意の適切な型のデータ構造の中で組織化することが可能である。動作的データは、単一のデータセットとして収集することが可能であり、又は異なる記憶デバイスにわたることを含めて、異なる場所にわたって分布させることが可能であり、且つ少なくとも部分的には、システム上又はネットワーク上の電子信号としてのみ存在することが可能である。モジュールは、望ましい機能を実施できるエージェントを含めて、受動的又は能動的であり得る。
【0078】
この明細書を通して「実施例」又は「代表的な」を参照することは、次のことを意味する。即ち、実施例に関連して説明される特別な特徴、構造、又は特性は、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれる、ということである。従って、この明細書を通して様々な箇所で、「実施例において」という句、又は「代表的な」という単語が現れるが、これは、必ずしも同じ実施形態を全て参照するということではない。
【0079】
本明細書で使用されるように、複数の項目、構造的要素、組成的要素、及び/又は材料は、便宜上、共通のリストで提示してもよい。しかしながら、これらのリストは、あたかもリストの各要素が、個々には別々の要素、しかも一意的な要素として識別されると解釈されるべきである。従って、そのようなリストの個々の要素は、反対の指示無しに、共通グループの中でのそれらの提示に基づくだけで、同じリストの他の任意の要素の事実上の等価物として解釈されるべきではない。加えて、本発明の様々な実施形態及び実施例は、これらの様々な構成要素に対する代替物と共に、ここに参照することが可能である。理解されることであるが、そのような実施形態、実施例、及び代替例は、お互いの事実上の等価物と解釈されるべきではなく、本発明の別々の表現、しかも自律した表現と考えられるべきである。
【0080】
更に、説明された特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切なやり方で組み合わせることが可能である。以下の説明では、本発明の実施形態を完全に理解するために、配置、距離、ネットワーク例などの実施例のような、数多くの特定の詳細が提供されている。しかしながら、関連技術における当業者は、1つ以上の特定の詳細がなくても、又は他の方法、構成要素、配置などを用いることで、本発明が実施され得ることを認識するであろう。他の事例において、良く知られた構造、材料、又は動作は、図示されない又は詳細に説明されないが、これは、本発明の不明瞭な側面を避けるためである。
【0081】
前述の実施例は、1つ以上の特別な応用において本発明の原理を例示している一方で、創意ある才能を行使することなく、また本発明の原理及び概念から外れることなく、形態、用途、及び履行の詳細において数多くの変更例が創作され得ることは、当業者にとって明らかであろう。よって、本発明は、以下に明記される請求項による内容以外には、制限されないことを意図している。