特許第6358666号(P6358666)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6358666無線ネットワーク装置及びその制御方法、並びに無線ネットワークシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6358666
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】無線ネットワーク装置及びその制御方法、並びに無線ネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/04 20090101AFI20180709BHJP
   H04W 52/28 20090101ALI20180709BHJP
   H04W 76/30 20180101ALI20180709BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20180709BHJP
【FI】
   H04W48/04
   H04W52/28
   H04W76/30
   H04W84/12
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-68023(P2016-68023)
(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公開番号】特開2017-184004(P2017-184004A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2017年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】大石 昌城
【審査官】 ▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−211613(JP,A)
【文献】 特開2015−201676(JP,A)
【文献】 特開2015−231158(JP,A)
【文献】 特開2007−199967(JP,A)
【文献】 特開2014−176031(JP,A)
【文献】 特開2016−178385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサから検知情報を取得する情報取得部と、
クライアント端末との間で無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部を介してクライアント端末から帰属要求を受信し、前記クライアント端末を帰属させる帰属処理を実施する帰属処理部であって、前記検知情報に基づいて前記クライアント端末の帰属の可否を決定する帰属処理部と、
前記検知情報に基づいて、前記無線通信部の送信出力を制御する送信出力制御部とを備える無線ネットワーク装置。
【請求項2】
前記検知情報は、前記クライアント端末の移動方向及び移動状態の少なくとも一方を含む請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項3】
前記帰属処理部は、前記帰属処理を行った後、前記検知情報に基づいて前記クライアント端末の帰属先を変更させるか否を決定する請求項1又は2に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項4】
前記無線通信部は、帰属済みのクライアント端末に対して第1の送信出力で無線信号を送信し、
前記送信出力制御部は、前記検知情報に基づいて、前記帰属要求を送信したクライアント端末に送信される無線信号の送信出力を、前記第1の送信出力よりも低い第2の送信出力に制御する請求項3に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項5】
前記送信出力制御部は、前記帰属処理部が前記クライアント端末の帰属先を変更させると決定すると、当該クライアント端末に送信する無線信号の送信出力を、前記第1の送信出力よりも低い第3の送信出力に制御する請求項4に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項6】
前記送信出力制御部は、前記帰属処理部が前記クライアント端末の帰属先を変更させると決定すると、当該クライアント端末と前記無線通信部との間の通信を切断させる請求項3又は4に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項7】
前記送信出力制御部は、前記クライアント端末が前記無線通信部との間でデータ通信中であるか否かを調べ、データ通信中でない場合に前記通信を切断させる請求項6に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項8】
センサと、
それぞれが、帰属したクライアントと端末との間で無線信号の送受信を行う無線通信部を有する第1の無線ネットワーク装置及び第2の無線ネットワーク装置とを備え、
前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の一方は、前記センサから取得された検知情報に基づいてクライアント端末を自装置に帰属させると決定し、かつ前記無線通信部から前記クライアント端末に送信される無線信号の送信出力を前記検知情報に基づいて制御する無線ネットワークシステム。
【請求項9】
前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の一方は、前記クライアント端末を帰属させた後、前記検知情報に基づいて前記クライアント端末の帰属先を前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の他方に変更させるか否を決定する請求項8に記載の無線ネットワークシステム。
【請求項10】
センサから検知情報を取得するステップと、
クライアント端末との間で無線通信を行う無線通信部を介してクライアント端末から帰属要求を受信するステップと、
前記検知情報に基づいて前記クライアント端末の帰属の可否を決定するステップと、
前記クライアント端末を帰属させると決定した場合に、前記検知情報に基づいて、前記無線通信部から前記クライアント端末に送信される無線信号の送信出力を制御するステップとを有する無線ネットワーク装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワーク装置及びその制御方法に関し、更に詳しくはクライアント端末と無線通信を行う無線ネットワーク装置、及びそのような無線ネットワーク装置の制御方法に関する。また、本発明は、複数の無線ネットワーク装置を含む無線ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ホテル、カフェ、又は飲食店などでは、サービスの一環としてインターネットへの接続サービスが提供されている。例えばカフェなどの店舗には無線LAN(local area network)アクセスポイント装置が設置されており、その店舗を利用する客(ユーザ)は、無料でネットワークに接続できるサービスを利用することができる。店舗は、そのようなサービスの提供を通じて、ユーザに対して付加価値サービスを提供することができ、店舗への集客効果が期待できる。
【0003】
無線LANアクセスポイント装置に関して、特許文献1は、人感センサを有する無線LANアクセスポイント装置を開示する。特許文献1に記載の無線LANアクセスポイント装置は、人感センサに反応がない場合、つまり人が存在しない場合はスリープ状態に設定される。また、無線LANアクセスポイント装置は、人感センサに反応がある場合、つまり人が存在する場合は、スリープ状態が解除される。人が存在しない場合にスリープ状態に設定されることで、望まれない第三者が無線LANアクセスポイント装置に接続することを抑止でき、セキュリティが向上できる。また、無線LANアクセスポイント装置はスリープ状態に設定されている間は低消費電力で動作するため、省電力化も実現できる。
【0004】
また、無線LANアクセスポイント装置に関して、特許文献2は、セキュリティを向上した無線LANアクセスポイント装置を開示する。特許文献2に記載の無線LANアクセスポイント装置は、ネットワークと無線LAN端末(無線LANクライアント)との間のデータを中継する。この無線LANアクセスポイント装置は、無線LAN端末から帰属処理に関わるコマンドを含むパケットを受信する。
【0005】
特許文献2では、無線LANアクセスポイント装置は、そのパケットの受信電波強度があらかじめ定められた受信強度以上の場合、無線LAN端末への応答パケットを送信する。このとき、無線LANアクセスポイント装置は、応答パケットの送信を通常よりも低い電波出力(送信出力)で実施する。このようにすることで、暗号鍵や電子証明書などのセキュリティ情報が低い送信出力で伝達されることになる。また、無線LAN端末が無線LANアクセスポイント装置に接近しない限りセキュリティ情報が送出されないため、セキュリティ性の高い無線LANアクセスが実現可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−176031号公報
【特許文献2】特開2008−103817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の無線LANアクセスポイント装置は、人が存在しない場合はスリープ状態に設定され、人が存在する場合はスリープ状態が解除されるだけである。特許文献1では、人の存在の有無に応じて帰属の可否が判断されているわけではなく、スリープ状態が解除されていれば、無線信号の届く範囲内において不特定多数の無線LAN端末が無線LANアクセスポイント装置に接続可能である。
【0008】
特許文献2の無線LANアクセスポイント装置は、無線LAN端末から送信される無線信号の強度が一定以上の場合に、応答パケットを通常よりも低い送信出力で送信して帰属処理を開始する。このようにすることで、無線LANアクセスポイント装置は、その設置場所を中心として、そこから一定の距離以内に存在する無線LAN端末に対して接続を許可することができる。
【0009】
しかしながら、特許文献2では、単に無線LANアクセスポイント装置と無線LAN端末との距離に応じて送信出力が制御されるだけである。例えば、無線LAN端末は移動し続ける場合もあり、特許文献2に記載の無線LANアクセスポイント装置は、そのような場合に、無線LAN端末の状況に合わせて送信出力を制御することはできない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、センサから取得された情報に基づいてクライアント端末の帰属、及びクライアント端末の帰属が可能な範囲を制御可能な無線ネットワーク装置及びその制御方法、並びに無線ネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、センサから検知情報を取得する情報取得部と、クライアント端末との間で無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部を介してクライアント端末から帰属要求を受信し、前記クライアント端末を帰属させる帰属処理を実施する帰属処理部であって、前記検知情報に基づいて前記クライアント端末の帰属の可否を決定する帰属処理部と、前記検知情報に基づいて、前記無線通信部の送信出力を制御する送信出力制御部とを備える無線ネットワーク装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、センサと、それぞれが、帰属したクライアントと端末との間で無線信号の送受信を行う無線通信部を有する第1の無線ネットワーク装置及び第2の無線ネットワーク装置とを備え、前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の一方は、前記センサから取得された検知情報に基づいてクライアント端末を自装置に帰属させると決定し、かつ前記無線通信部から前記クライアント端末に送信される無線信号の送信出力を前記検知情報に基づいて制御する無線ネットワークシステムを提供する。
【0013】
本発明は、更に、センサから検知情報を取得するステップと、クライアント端末との間で無線通信を行う無線通信部を介してクライアント端末から帰属要求を受信するステップと、前記検知情報に基づいて前記帰属の可否を決定するステップと、前記クライアント端末を帰属させると決定した場合に、前記検知情報に基づいて、前記無線通信部から前記クライアント端末に送信される無線信号の送信出力を制御するステップとを有する無線ネットワーク装置の制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の無線ネットワーク装置及びその制御方法、並びに無線ネットワークシステムは、センサから取得された情報に基づいてクライアント端末の帰属を制御することができる。また、本発明の無線ネットワーク装置及びその制御方法、並びに無線ネットワークシステムは、センサから取得された検知情報に基づいて、クライアント端末が無線ネットワーク装置に帰属可能な範囲を制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の無線ネットワーク装置を示すブロック図。
図2】本発明の第1実施形態に係る無線ネットワーク装置を示すブロック図。
図3】CPUが提供する機能の一部を示す。
図4】複数の無線LANアクセスポイント装置が設置された建物を示す図。
図5】帰属を許可する無線LANアクセスポイント装置を決定するまでの動作手順を示すフローチャート。
図6】クライアント端末帰属時の動作手順を示すフローチャート。
図7】本発明の第2実施形態における帰属処理後の動作手順を示すフローチャート。
図8】第2実施形態に係る無線ネットワーク装置が設置された建物を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態の説明に先立って、本発明の概要について説明する。図1は、本発明の概要を説明するためのブロック図である。無線ネットワーク装置10は、情報取得部11、無線通信部12、帰属処理部13、及び送信出力制御部14を備える。情報取得部11は、センサ15から検知情報を取得する。センサ15は、例えば人の存在を検知するセンサである。センサ15は、複数のセンサを含んで構成されていてもよい。
【0017】
無線通信部12は、クライアント端末16との間で無線通信を行う。クライアント端末16は、ユーザが所持するネットワーク端末である。クライアント端末16は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット、或いはノート型PC(personal computer)などとして構成される。
【0018】
帰属処理部13は、無線通信部12を介してクライアント端末16から帰属要求を受信する。帰属要求とは、例えば無線ネットワーク装置10に対して接続の確立を要求する要求である。帰属処理部13は、帰属要求を送信したクライアント端末を無線ネットワーク装置10に帰属させる帰属処理を実施する。本発明では、帰属処理部13は、情報取得部11が取得した検知情報に基づいてクライアント端末16の帰属の可否を決定する。クライアント端末16は、帰属処理の完了後、無線ネットワーク装置10を利用した通信を実施できる。
【0019】
送信出力制御部14は、無線通信部12からクライアント端末16に送信される無線信号の送信出力(送信電波強度)を制御する。本発明では、送信出力制御部14は、情報取得部11が取得した検知情報に基づいて無線通信部12の送信出力を制御する。
【0020】
本発明の無線ネットワーク装置では、センサから取得された検知情報に基づいて、クライアント端末16の帰属の可否が決定される。このようにすることで、無線ネットワーク装置10は、検知情報に基づいて、クライアント端末16の無線ネットワーク装置10に対する帰属を制御できる。また、本発明では、無線通信部12の送信出力は、検知情報に基づいて制御される。このようにすることで、無線ネットワーク装置10は、クライアント端末16が無線ネットワーク装置10に帰属できる範囲を検知情報に応じて制御できる。
【0021】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳細に説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る無線ネットワーク装置を示す。本実施形態に係る無線ネットワーク装置は、無線LANアクセスポイント装置として構成される。無線LANアクセスポイント装置100は、CPU101、メモリ102、不揮発性メモリ103、外部ネットワークポート104、無線通信部105、及びセンサ106を有する。無線LANアクセスポイント装置100は、例えばルータ装置又は中継装置として機能する。
【0022】
無線通信部105は、図2では図示を省略するクライアント端末との間で無線通信を行う。無線通信部105は、典型的には、低ノイズアンプ、フィルター、パワーアンプ、及びアンテナを含む。なお、図2では、無線通信部105が1つ図示されているが、無線通信部105の数は任意であり、特に限定されない。無線LANアクセスポイント装置100は、無線通信部105を複数有していてもよい。無線通信部105は、図1の無線通信部12に対応する。
【0023】
センサ106は、例えば人に反応して人の存在を検知するセンサである。センサ106は、例えば人に反応しているか否かを示すセンサ反応信号を出力する。センサ106は、例えば無線LANアクセスポイント装置100の装置本体が設置された場所の入り口に相当する部分に配置される。センサ106は、例えば赤外線センサ、温度センサ、又は超音波センサなどのセンサを含む。センサ106は人に反応するものであればよく、センサのタイプは特に限定されない。センサ106と無線LANアクセスポイント装置100とは、例えば有線LAN、赤外線通信手段、或いは無線通信手段などを介して接続されていてもよい。センサ106は、図1のセンサ15に対応する。
【0024】
CPU101は、プログラムに従って処理を実行することにより、各種の機能を提供する。CPU101は、例えば無線LANコントローラ111、メモリコントローラ112、及びL2SW(レイヤ2スイッチ)113の機能を提供する。メモリコントローラ112は、メモリ102及び不揮発性メモリ103を制御する。メモリ102は、例えばDDR(Double-Data-Rate)メモリなどの揮発性メモリである。不揮発性メモリ103は、例えばフラッシュメモリなどで構成される。L2SW113は、外部ネットワークポート104に接続される。外部ネットワークポート104は、例えばバックボーンネットワークであるWAN(wide area network)又はLAN(local area network)に接続されるネットワークポートとして構成される。
【0025】
図3は、CPU101が提供する機能の一部を示す。CPU101は、上記した無線LANコントローラ111、メモリコントローラ112、及びL2SW113の機能に加えて、情報取得部114及び帰属処理部115の機能も提供する。なお、図3においては、メモリコントローラ112は図示を省略している。また、図3に示されるクライアント端末107は、図1のクライアント端末16に対応する。
【0026】
情報取得部114は、センサ106からセンサ反応信号を取得する。情報取得部114は、例えば複数のセンサ106からセンサ反応信号を受信し、受信したセンサ反応信号に基づいて検知情報を取得する。検知情報は、例えばクライアント端末16を所持するユーザの移動方向及び移動状態の少なくとも一方を含む。複数のセンサを用いてユーザの移動方向及び移動状態の少なくとも一方を検知情報として取得するのに代えて、それらを取得可能なセンサを1つ用いることとしてもよい。情報取得部114は、取得した検知情報を無線LANコントローラ111と帰属処理部115とに送信する。情報取得部114は、図1の情報取得部11に対応する。
【0027】
無線通信部105は、クライアント端末107との間で無線信号の送受信を行う。クライアント端末107から無線通信部105に送信される無線信号は、無線LANアクセスポイント装置への帰属要求を含む。無線通信部105は、クライアント端末107から帰属要求を受信すると、受信した帰属要求を無線LANコントローラ111に送信する。無線LANコントローラ111は、受信した帰属要求を帰属処理部115に送信する。
【0028】
帰属処理部115は、情報取得部114から受信した検知情報に基づいて、帰属の可否、つまり帰属要求に対して応答するか否かを決定する。帰属処理部115は、例えば情報取得部114が取得した検知情報が、無線通信部105の無線通信範囲に人が近づいてきている旨を示す場合は、帰属要求に対して応答すると決定する。帰属処理部115は、そうでない場合は、帰属要求に対して応答しないと決定する。帰属処理部115は、帰属要求に対して応答すると決定した場合、無線LANコントローラ111及び無線通信部105を通じて、クライアント端末107に応答(応答パケット)を送信する。
【0029】
無線LANコントローラ111は、図1の送信出力制御部14としても機能する。無線LANコントローラ111は、情報取得部114が取得した検知情報に基づいて、無線通信部105の送信出力を制御する。無線LANコントローラ111は、例えば検知情報に基づいて、帰属要求を送信したクライアント端末107に送信される無線信号の送信出力を、帰属済みのクライアント端末107との通信で用いられる通常の送信出力(第1の送信出力)よりも低い送信出力(第2の送信出力)に制御する。このような制御がなされた場合、無線通信部105は、通常よりも低い送信出力で、帰属要求を送信したクライアント端末107に、帰属要求に対する応答を送信する。クライアント端末107が帰属要求に対する応答を受信することで、無線LANアクセスポイント装置100とクライアント端末107との間の帰属処理が開始される。クライアント端末107が応答を受信できない場合は、帰属要求がタイムアウトする。
【0030】
クライアント端末107は、帰属処理の完了後、無線LANアクセスポイント装置100を利用した通信を実施できる。クライアント端末107が送信した信号は、無線通信部105から無線LANコントローラ111を経てL2SW113に入力され、外部ネットワークポート104から外部のネットワークに送信される。外部のネットワークからクライアント端末107に向けて送信される信号は、外部ネットワークポート104からL2SW113を通じて無線LANコントローラ111に入力され、無線通信部105からクライアント端末107に無線送信される。このとき無線通信部105は、通常の送信出力でクライアント端末107に無線信号を送信する。
【0031】
本実施形態では、センサ106と無線LANアクセスポイント装置100の機能とを連動させる。無線LANアクセスポイント装置100は、センサ106から取得された検知情報に基づいてクライアント端末107の帰属を許可し、帰属処理を通常よりも低い送信出力で実施する。センサ106から取得される検知情報と帰属処理とを連動させることで、常時クライアント端末107が帰属できるわけではなく、帰属できるクライアント端末107の範囲を制限することができる。
【0032】
また、本実施形態では、帰属処理が通常よりも低い送信出力で実施される。このようにすることで、無線LANアクセスポイント装置100の送信範囲を狭めることができ、帰属可能なクライアント端末107の範囲を意図的に狭くすることができる。送信出力を下げることで、無線信号送信時の電力を削減することができ、省電力化を図ることもできる。また、帰属可能な範囲を制限することができるため、セキュリティを確保することができる。さらに、クライアント端末107を所持するユーザを店舗内の任意の範囲に誘導することで、付加価値の提供及び集客効果を得ることができる。
【0033】
以下、本実施形態に係る無線LANアクセスポイント装置100を複数有する無線ネットワークシステムを、その利用シーンと共に説明する。図4は、無線ネットワークシステムが設置された建物を示す。建物200は、例えばホテルの客室、又は、カフェ若しくは飲食店などの店舗である。建物200を利用する客(ユーザ)は、例えばスマートフォンなどのクライアント端末107を所持しており、建物200の入り口250から建物200の中に入る。
【0034】
図4の例では、無線ネットワークシステムは、無線LANアクセスポイント装置201と無線LANアクセスポイント装置202とを有する。無線LANアクセスポイント装置201及び無線LANアクセスポイント装置202は、それぞれ図2及び図3を用いて説明した無線LANアクセスポイント装置100と同様な構成を有する。無線LANアクセスポイント装置201は建物200内にあるフロアA対応して配置され、無線LANアクセスポイント装置202は、建物200内にあるフロアBに対応して配置される。
【0035】
センサ203は、図2及び図3に示されるセンサ106に対応する。センサ203は、建物200の入り口250の正面に配置される。センサ203は、例えばフロアAとフロアBとの接続部分に配置される。図4の例では、センサ203は、2つの人検知センサ204及び205を含む。人検知センサ204は、センサ反応範囲210内に人が存在した場合に、人がセンサに反応した旨を示すセンサ反応信号を出力する。人検知センサ205は、センサ反応範囲220に人が存在する場合に、人がセンサに反応した旨を示すセンサ反応信号を出力する。センサ反応範囲210とセンサ反応範囲220とは、互いに重複しないものとする。例えば、人検知センサ204と人検知センサ205とは、センサ反応範囲が異なるように、設置角度を変えて配置される。あるいは、人検知センサ204及び人検知センサ205に互いに反応範囲の指向性が異なるセンサを用いてもよい。
【0036】
無線LANアクセスポイント装置201及び無線LANアクセスポイント装置202は、それぞれセンサ203に含まれる人検知センサ204及び人検知センサ205からセンサ反応信号を受信する。無線LANアクセスポイント装置201及び無線LANアクセスポイント装置202は、例えば優先LAN、赤外線通信手段、又は無線LANなどを介して人検知センサ204及び人検知センサ205と接続される。上記に代えて、無線LANアクセスポイント装置201が人検知センサ204に接続され、無線LANアクセスポイント装置202が人検知センサ205に接続される構成としてもよい。
【0037】
入り口250から建物200の内部に入ったユーザは、例えば矢印251に示す経路に沿って、フロアAとフロアBとの接続部分(分岐部分)まで移動する。ユーザが矢印252に示す方向に移動すると、ユーザは、センサ203に含まれる一方の人検知センサ204のセンサ反応範囲210を横切る。その場合、人検知センサ204は、人に反応した旨を示すセンサ反応信号を無線LANアクセスポイント装置201と無線LANアクセスポイント装置202とに送信する。このとき、センサ203に含まれる他方の人検知センサ205は反応せず、人検知センサ205は、人に反応しない旨を示すセンサ反応信号を無線LANアクセスポイント装置201及び無線LANアクセスポイント装置202に送信する。
【0038】
無線LANアクセスポイント装置201及び無線LANアクセスポイント装置202は、センサ203から、人検知センサ204が人に反応し、人検知センサ205が人に反応していない旨を示す検知情報を取得する。この検知情報から、ユーザがフロアAに移動したことがわかる。フロアAに対応して設置された無線LANアクセスポイント装置201は、そのような検知情報に基づいて、ユーザが所持するクライアント端末107の帰属を許可することを決定する。別の言い方をすれば、無線LANアクセスポイント装置201は、クライアント端末107から帰属要求が送信された場合に、その帰属要求に対して応答することを決定する。
【0039】
フロアAへと移動するユーザが所持するクライアント端末107は、フロアAに対応して設置された無線LANアクセスポイント装置201が送信するビーコンを受信し、無線LANアクセスポイント装置201に接続要求(帰属要求)を送信する。この帰属要求は、無線LANアクセスポイント装置201の帰属処理部115(図3を参照)に送信される。無線LANアクセスポイント装置201は、帰属要求に対して応答し、クライアント端末107の帰属処理を開始する。
【0040】
一方、フロアBに対応して設置された無線LANアクセスポイント装置202は、検知情報がユーザがフロアAに移動した旨を示す場合、ユーザが所持するクライアント端末107の帰属を許可しないことを決定する。無線LANアクセスポイント装置202は、クライアント端末107が無線LANアクセスポイント装置202に帰属要求を送信したとしても、その帰属要求に対して応答しない。
【0041】
無線LANアクセスポイント装置201の無線LANコントローラ111(図3などを参照)は、無線通信部105から帰属要求を送信したクライアント端末107へ送信する無線信号の送信出力を、通常の送信出力よりも低い送信出力にする。無線LANアクセスポイント装置201は、例えばフロアAがカバーされる限度において、送信出力を低下させる。図4の例では、無線LANアクセスポイント装置201は、送信出力を低下させることで、帰属時の送信出力範囲、すなわちクライアント端末107が無線LANアクセスポイント装置201から送信された無線信号を受信可能な範囲を、範囲230まで狭める。
【0042】
ここで、帰属処理時の無線LANアクセスポイント装置201の無線通信が可能な範囲がフロアAの外部にも存在する場合、フロアAの外部に存在する不特定多数のクライアント端末が無線LANアクセスポイント装置201に接続可能であり、セキュリティ面のリスクが大きくなる。図4の例では、センサ203から取得された検知情報がユーザがフロアAに移動している旨を示す場合にクライアント端末107の無線LANアクセスポイント装置201に対する接続が許可され、そうでない場合は無線LANアクセスポイント装置201への接続が許可されない。このようにすることで、フロアAの外部から不特定多数のクライアント端末が無線LANアクセスポイント装置201に接続することを防ぐことができ、セキュリティの向上が可能である。
【0043】
また、店舗への集客効果を目的に、無線LANアクセスポイント装置201への接続を無料で提供する場合に、フロアAの外部から無線LANアクセスポイント装置201への接続が可能であるとすると、本来の目的である集客効果が損なわれることになる。ユーザを店舗の中に誘導できなければ、無線LANアクセスポイント装置201への接続サービスを提供するサービス提供者側にとってメリットが少ない。図4の例では、ユーザは、所持するクライアント端末107を無線LANアクセスポイント装置201へ接続させるためには、いったんフロアAに移動する必要がある。このようにすることで、無線LANアクセスポイント装置201への接続サービスを通じて、多くのユーザを店内(フロア)に誘導する効果が期待できる。
【0044】
帰属処理が完了すると、無線LANアクセスポイント装置201とクライアント端末107との間に論理的なリンク(回線)が確立される。リンクの確立後、無線LANアクセスポイント装置201は、通常の送信出力で、クライアント端末107との間で通信を実施する。無線LANアクセスポイント装置201は、帰属処理時は無線信号の送信出力を低くし、受信範囲に制限をかける一方、帰属処理の完了後は通常の送信出力で無線信号の送信を行い、受信範囲を制限しない。このようにすることで、帰属完了したクライアント端末107は、例えばカフェや飲食店などの店舗内の任意の位置において、無線LANアクセスポイント装置201への接続サービスを利用できる。
【0045】
入り口250から建物200の内部に入ったユーザがフロアAとフロアBとの接続部分から矢印253に示す方向に移動した場合、ユーザは、センサ203に含まれる人検知センサ205のセンサ反応範囲220を横切る。その場合、人検知センサ205は、人に反応した旨を示すセンサ反応信号を無線LANアクセスポイント装置201と無線LANアクセスポイント装置202とに送信する。このとき、センサ203に含まれる人検知センサ204は反応せず、人検知センサ204は、人に反応しない旨を示すセンサ反応信号を無線LANアクセスポイント装置201及び無線LANアクセスポイント装置202に送信する。
【0046】
無線LANアクセスポイント装置201及び無線LANアクセスポイント装置202は、センサ203から、人検知センサ205が人に反応し、人検知センサ204が人に反応していない旨を示す検知情報をとして取得する。この検知情報から、ユーザがフロアBに移動したことがわかる。フロアBに対応して設置された無線LANアクセスポイント装置202は、そのような検知情報に基づいて、ユーザが所持するクライアント端末107の帰属を許可することを決定する。別の言い方をすれば、無線LANアクセスポイント装置202は、クライアント端末107から帰属要求が送信された場合に、その帰属要求に対して応答することを決定する。
【0047】
フロアBへと移動するユーザが所持するクライアント端末107は、フロアBに対応して設置された無線LANアクセスポイント装置202が送信するビーコンを受信し、無線LANアクセスポイント装置202に接続要求(帰属要求)を送信する。この帰属要求は、無線LANアクセスポイント装置202の帰属処理部115(図3を参照)に送信される。無線LANアクセスポイント装置202は、帰属要求に対して応答し、クライアント端末107の帰属処理を開始する。
【0048】
一方、フロアAに対応して設置された無線LANアクセスポイント装置201は、検知情報がユーザがフロアBに移動した旨を示す場合、ユーザが所持するクライアント端末107の帰属を許可しないことを決定する。無線LANアクセスポイント装置201は、クライアント端末107が無線LANアクセスポイント装置201に帰属要求を送信したとしても、その帰属要求に対して応答しない。
【0049】
無線LANアクセスポイント装置202の無線LANコントローラ111(図3などを参照)は、無線通信部105から帰属要求を送信したクライアント端末107へ送信する無線信号の送信出力を、通常の送信出力よりも低い送信出力にする。無線LANアクセスポイント装置202は、例えばフロアBがカバーされる限度において、送信出力を低下させる。図4の例では、無線LANアクセスポイント装置202は、送信出力を低下させることで、帰属時の送信出力範囲、すなわちクライアント端末107が無線LANアクセスポイント装置202から送信された無線信号を受信可能な範囲を、範囲240まで狭める。
【0050】
帰属処理が完了すると、無線LANアクセスポイント装置202とクライアント端末107との間に論理的なリンク(回線)が確立される。リンクの確立後、無線LANアクセスポイント装置202は、通常の送信出力で、クライアント端末107との間で通信を実施する。無線LANアクセスポイント装置202は、帰属処理時は無線信号の送信出力を低くし、受信範囲に制限をかける一方、帰属処理の完了後は通常の送信出力で無線信号の送信を行い、受信範囲を制限しない。このようにすることで、帰属完了したクライアント端末107は、例えばカフェや飲食店などの店舗内の任意の位置において、無線LANアクセスポイント装置202への接続サービスを利用できる。
【0051】
なお、図4では、センサ203が2つの人検知センサ204及び205を含み、そのようなセンサ203を用いて2つの無線LANアクセスポイント装置201及び202が制御される例を示しているが、これには限定されない。センサ203が3以上の人検知センサを含んでいてもよく、無線LANアクセスポイント装置は、3以上の人検知センサの反応の有無、或いは3以上の人検知センサ反応した順序に応じてユーザの移動方向を細かく判断し、帰属の可否を決定してもよい。ユーザの移動方向を判断することで、ユーザの移動先に設置された無線LANアクセスポイント装置のみが、クライアント端末から送信された帰属要求に対して帰属を許可するという制御が実現できる。
【0052】
続いて、動作手順を説明する。図5は、帰属を許可する無線LANアクセスポイント装置を決定するまでの動作手順を示す。センサ203(図4を参照)は、人検知センサ204及び205が出力するセンサ反応信号を、フロアAに対応して設置された無線LANアクセスポイント装置201とフロアBに対応して設置された無線LANアクセスポイント装置202とに送信する(ステップA1)。無線LANアクセスポイント装置201は、センサ203から受信したセンサ反応信号から検知情報を取得する(ステップA2)。
【0053】
無線LANアクセスポイント装置201は、検知情報が、ユーザがフロアAに向けて移動している旨を示すか否かを判断する(ステップA3)。無線LANアクセスポイント装置201は、ステップA3では、例えば人検知センサ204が人に反応している旨を示すセンサ反応信号を出力し、かつ人検知センサ205が人に反応していない旨を示すセンサ反応信号を出力している場合に、ユーザがフロアAに向けて移動していると判断する。
【0054】
無線LANアクセスポイント装置201は、ステップA3でユーザがフロアAに向けて移動していると判断すると、クライアント端末107の接続を許可する(ステップA4)。別の言い方をすると、無線LANアクセスポイント装置201は、クライアント端末107から帰属要求(接続要求)が送信された場合に、その接続要求に対して応答すると決定する。無線LANアクセスポイント装置201は、ステップA3でユーザがフロアAに向けて移動していないと判断した場合は、クライアント端末107の接続を許可しない(ステップA5)。つまり、無線LANアクセスポイント装置201は、クライアント端末107から接続要求が送信された場合でも、その接続要求に対して応答しないことを決定する。
【0055】
一方、無線LANアクセスポイント装置202は、ステップA1でセンサ203から送信されたセンサ反応信号から検知情報を取得する(ステップA6)。無線LANアクセスポイント装置202は、検知情報が、ユーザがフロアBに向けて移動している旨を示すか否かを判断する(ステップA7)。無線LANアクセスポイント装置202は、ステップA7では、例えば人検知センサ205が人に反応している旨を示すセンサ反応信号を出力し、かつ人検知センサ204が人に反応していない旨を示すセンサ反応信号を出力している場合に、ユーザがフロアBに向けて移動していると判断する。
【0056】
無線LANアクセスポイント装置202は、ステップA7でユーザがフロアBに向けて移動していると判断すると、クライアント端末107の接続を許可する(ステップA8)。別の言い方をすると、無線LANアクセスポイント装置202は、クライアント端末107から接続要求が送信された場合に、その接続要求に対して応答すると決定する。無線LANアクセスポイント装置202は、ステップA7でユーザがフロアAに向けて移動していないと判断した場合は、クライアント端末107の接続を許可しない(ステップA9)。つまり、無線LANアクセスポイント装置202は、クライアント端末107から接続要求が送信された場合でも、その接続要求に対して応答しないことを決定する。
【0057】
図6は、クライアント端末帰属時の動作手順を示す。ここでは、クライアント端末107がフロアAに向けて移動し、無線LANアクセスポイント装置201がクライアント端末107の接続を許可すると決定した場合について説明する。クライアント端末107は、無線LANアクセスポイント装置201と通信可能になると、無線LANアクセスポイント装置201に接続要求を送信する(ステップB1)。クライアント端末107は、無線LANアクセスポイント装置201と通信可能になると自動的に接続要求を送信してもよいし、ユーザ操作に応じて手動で接続要求を送信してもよい。
【0058】
無線LANアクセスポイント装置201は、接続要求を受信する(ステップB2)。無線LANアクセスポイント装置201は、クライアント端末107の接続を許可しているか否かを判断する(ステップB3)。無線LANアクセスポイント装置201は、図5に示す処理のステップA5で接続を許可しないと決定している場合は、接続要求を送信したクライアント端末107に応答しないと決定し(ステップB4)、処理を終了する。
【0059】
無線LANアクセスポイント装置201は、図5に示す処理のステップA4で接続を許可すると決定している場合は、ステップB1で接続要求を送信したクライアント端末107に送信する無線信号の送信出力を通常の送信出力よりも低くする(ステップB5)。無線LANアクセスポイント装置201は、送信出力を低くすることで、接続要求を送信したクライアント端末107に送信する無線信号の通信可能範囲を通常の通信可能範囲よりも狭める。無線LANアクセスポイント装置201は、送信出力を低くした状態で、クライアント端末107に接続要求に対する応答を送信する(ステップB6)。このようにすることで、クライアント端末107の帰属処理は、通常よりも低い送信出力に制御された状態で実施される。
【0060】
無線LANアクセスポイント装置201は、ステップB5では、例えば自装置が対応するフロアAがカバーできる程度の範囲において、クライアント端末107が送信された無線信号を受信可能となる送信出力まで、送信出力を低下させることが好ましい。その場合、フロアAに存在するクライアント端末107のみが、無線LANアクセスポイント装置201から送信された無線信号を受信することができ、フロアAの外部のクライアント端末は接続要求に対する応答を受信することができない。このようにすることで、例えばカフェや飲食店などの店舗内の限定された範囲でのみクライアント端末107の帰属処理を完了できる。
【0061】
なお、無線LANアクセスポイント装置201は、ステップB5では、ステップB1で接続要求を送信したクライアント端末107に送信する無線信号のみ送信出力を低くすることが好ましい。無線LANアクセスポイント装置201は、その他のクライアント端末に送信する無線信号の送信出力は低くしない。その場合、帰属中のクライアント端末については、通信可能範囲は狭まらない。
【0062】
クライアント端末107は、無線LANアクセスポイント装置201から、ステップB1で送信した接続要求に対する応答を受信する(ステップB7)クライアント端末107は、応答を受信すると、帰属処理を開始する(ステップB8)。無線LANアクセスポイント装置201は、ステップB6で応答を送信した後、帰属処理を開始する(ステップB9)。帰属処理は、クライアント端末107と無線LANアクセスポイント装置201との間で無線信号の送受信を行うことを含む。
【0063】
無線LANアクセスポイント装置201は、帰属処理の終了後、クライアント端末107に送信する無線信号の送信出力を通常の送信出力に戻す(ステップB10)。無線LANアクセスポイント装置201は、図5のステップA4で接続を許可すると決定してから所定時間の経過後に送信出力を通常の送信出力に戻してもよい。その場合、所定時間は、例えば帰属処理の開始から完了までに要する標準的な時間に応じて設定される。所定時間は必ずしも一定の固定時間である必要はない。
【0064】
帰属処理が完了すると、無線LANアクセスポイント装置201はクライアント端末107との間の通信を確立し(ステップB11)、クライアント端末107は無線LANアクセスポイント装置201との間の通信を確立する(ステップB12)。無線LANアクセスポイント装置201とクライアント端末107との間で確立した通信は、クライアント端末107が無線LANアクセスポイント装置201の無線通信可能範囲の外に出ると、自動的に切断される。ユーザは、印意のタイミングで切断の操作を行い、無線LANアクセスポイント装置201とクライアント端末107との通信を手動で切断してもよい。
【0065】
本実施形態では、無線LANアクセスポイント装置100(図2及び図3を参照)は、センサ106から取得した検知情報に基づいてクライアント端末の帰属の可否を決定する。例えば検知情報に基づいてユーザの移動先を判断し、移動先に設置された無線LANアクセスポイント装置100のみがクライアント端末107の帰属を許可することが実現できる。また、本実施形態では、無線LANアクセスポイント装置100は、検知情報に基づいて、無線通信部105の送信出力を制御する。例えば、クライアント端末107の帰属時に無線通信部105の送信出力を低下させることで、限られた範囲においてクライアント端末107を帰属させることができる。
【0066】
続いて、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態に係る無線LANアクセスポイント装置の構成は、図2及び図3に示す第1実施形態に係る無線LANアクセスポイント装置100の構成と同様である。本実施形態に係る無線LANアクセスポイント装置100におけるクライアント端末107の帰属時の処理は、第1実施形態で説明したものと同様である。本実施形態では、無線LANアクセスポイント装置100の帰属処理部115(図3を参照)は、帰属処理を行った後、センサ106から取得した検知情報に基づいて、クライアント端末107の帰属先を変更させるか否かを決定する。帰属処理部115は、例えばクライアント端末107が自装置の位置から離れていき、他の装置に引き継ぐことが適切と判断した場合は、帰属先を変更させると決定する。
【0067】
無線LANコントローラ111は、帰属処理部115がクライアント端末107の帰属先を変更させると決定すると、無線通信部105が送信する無線信号の送信出力を、通常の送信出力よりも低い送信出力(第3の送信出力)に低下させる。第3の送信出力は、帰属処理時に低下させた送信出力(第2の送信出力)よりも低いことが好ましい。無線LANコントローラ111は、無線通信部105が送信する無線信号の送信出力が指向性を有する場合は、帰属先を変更させるクライアント端末107が存在する方向のみ送信出力を低下させてもよい。その場合、帰属中の他のクライアント端末の通信への影響を最小限に抑えることができる。
【0068】
次いで、動作手順を説明する。図7は、帰属処理後の動作手順を示す。無線LANアクセスポイント装置100は、センサ106からセンサ反応信号を受信し、検知情報を取得する(ステップC1)。帰属処理部115は、ステップC1で取得された検知情報に基づいてクライアント端末107の帰属先を変更させるか否かを判断する(ステップC1)。帰属処理部115が帰属先を変更しないと判断した場合、処理はステップC1に戻り、新たな検知情報が取得される。
【0069】
帰属処理部115が帰属先を変更させると判断した場合、無線LANコントローラ111は、無線通信部105が送信する無線信号の送信出力を低下させる(ステップC3)。無線LANアクセスポイント装置100は、ステップC3では、送信出力を低下させることで、例えば自装置から遠ざかっていくクライアント端末107に対して通信の切断を促す。無線LANアクセスポイント装置100が送信出力を下げると、クライアント端末107は帰属中の無線LANアクセスポイント装置100との間で通信を維持することが困難となり、通信を切断する(ステップC4)。
【0070】
クライアント端末107は、通信を切断した後、再接続を試みる。クライアント端末107は、移動先に設置された別の無線LANアクセスポイント装置に対して帰属要求を送信する。その無線LANアクセスポイント装置が帰属要求に対して応答した後、クライアント端末107は無線LANアクセスポイント装置に接続する(ステップC5)。再接続する無線LANアクセスポイント装置は、本実施形態で用いられる無線LANアクセスポイント装置100には限定されず、通常の無線LANアクセスポイント装置であってもよい。
【0071】
以下、本実施形態に係る無線LANアクセスポイント装置100を複数有する無線ネットワークシステムを、その利用シーンと共に説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る無線ネットワークシステムが設置された建物を示す。本実施形態において、無線ネットワークシステムは、無線LANアクセスポイント装置261と無線LANアクセスポイント装置262と、中継装置263とを有する。無線LANアクセスポイント装置261及び262は、ルータ装置として機能する。
【0072】
無線LANアクセスポイント装置261及び無線LANアクセスポイント装置262は、それぞれ図2及び図3を用いて説明した無線LANアクセスポイント装置100と同様な構成を有する。中継装置263は、無線LANアクセスポイント装置261とクライアント端末107との中継を行う装置である。中継装置263の構成は、ルータ装置としての機能を有していない点を除けば、無線LANアクセスポイント装置261と同様である。あるいは、中継装置263は通常の中継装置であってもよい。無線LANアクセスポイント装置261及び中継装置263は建物200内にあるフロアA対応して配置され、無線LANアクセスポイント装置262は、建物200内にあるフロアBに対応して配置される。
【0073】
図8に示すセンサ264は、図2及び図3に示されるセンサ106に対応する。センサ264は、建物200の入り口250の正面に配置される。センサ264は、例えばフロアAとフロアBとの接続部分に配置される。センサ264は、ユーザの移動方向を既知の技術を使用して検知可能なセンサである。図4を用いて説明したものと同様に、センサ264が複数のセンサを含む構成であってもよい。
【0074】
本実施携帯において、無線LANアクセスポイント装置261及び262が、センサ264から取得した検知情報に基づいてクライアント端末107の帰属の可否、及び帰属時の送信出力の制御を行う点は、第1実施形態で説明したものと同様である。中継装置263も、無線LANアクセスポイント装置261と同様に、センサ264から検知情報を取得し、取得した検知情報に基づいて帰属の可否、及び帰属時の送信出力の制御を行う。
【0075】
例えば、無線LANアクセスポイント装置261がクライアント端末107の帰属を許可し、クライアント端末107と接続したとする。無線LANアクセスポイント装置261は、帰属処理後も、センサ264から検知情報を取得する。無線LANアクセスポイント装置261は、取得した検知情報に基づいて、帰属先を変更させるか否かを判断する。無線LANアクセスポイント装置261は、この判断では、例えば帰属させたクライアント端末107が自装置と直接通信可能であるか、又は中継装置263に引き継ぐことが好ましいかを判断する。無線LANアクセスポイント装置261は、自装置と直接通信可能と判断した場合は、クライアント端末107の帰属を継続させる。
【0076】
無線LANアクセスポイント装置261は、検知情報に基づいて、例えばクライアント端末107が自装置から離れて中継装置263の方向へ移動していくと判断した場合に、中継装置263に引き継ぐことが好ましいと判断する。無線LANアクセスポイント装置261は、中継装置263に引き継ぐことが好ましいと判断した場合、無線通信部105(図2及び図3などを参照)から送信される無線信号の送信出力を、帰属処理時の送信出力よりも低い送信出力に制御する。
【0077】
無線LANアクセスポイント装置261が送信出力を低下させると、クライアント端末107は無線LANアクセスポイント装置261との通信を維持することが困難となり、通信を切断する。通信の切断後、クライアント端末107は再接続を試みる。再接続において、クライアント端末107は、移動先の中継装置263が送信するビーコンを受信し、中継装置263に対して帰属を要求する。クライアント端末107と中継装置263との間の通信が確立すると、クライアント端末107は、中継装置263を通じて通信を継続することが可能である。無線LANアクセスポイント装置261は、クライアント端末107が中継装置263を介してクライアント端末107から通信接続完了を検知し、送信出力を通常の送信出力に戻す。
【0078】
なお、無線LANアクセスポイント装置261は、中継装置263に引き継ぐことが好ましいと判断した場合に送信出力を低下させる例を説明したが、これに代えて、又は加えて、クライアント端末107との接続を強制的に切断してもよい。無線LANアクセスポイント装置261は、例えばクライアント端末107が通信中か否かを判断する。無線LANアクセスポイント装置261は、クライアント端末107が通信中である場合は、無線信号の送信出力を低くする。無線LANアクセスポイント装置261は、クライアント端末107が通信中ではないことを確認した上で、クライアント端末107との接続を強制切断する。
【0079】
図8においては、無線LANアクセスポイント装置261とクライアント端末107との通信を中継する中継装置は中継装置263のみである例を説明したが、無線ネットワークシステムは複数の中継装置を有していてもよい。その場合、クライアント端末107の移動方向において最適となる中継装置に再接続させることも可能である。無線LANアクセスポイント装置261は、中継装置263に引き継ぐことが好ましいか否かを判断するだけでなく、他の無線LANアクセスポイント装置262に引き継ぐことが好ましいか否かを判断してもよい。また、無線ネットワークシステムは、無線LANアクセスポイント装置262とクライアント端末107との通信を中継する中継装置を更に有していてもよい。
【0080】
本実施形態では、無線LANアクセスポイント装置100(図2及び図3を参照)は、検知情報に基づいて、帰属しているクライアント端末107の帰属先を変更させるか否かを判断する。帰属先を変更させると決定した場合、無線LANアクセスポイント装置100は、例えば送信出力を下げるなどしてクライアント端末107との通信を切断させる。切断されたクライアント端末107は、再接続する際に、通信環境が最もよい装置に接続することができる。本実施形態では、例えば無線LANアクセスポイント装置100とクライアント端末107との間を中継する中継装置が存在する場合、無線LANアクセスポイント装置100はクライアント端末107の帰属先を中継装置に変更させることが可能である。このようにすることで、クライアント端末107は、最適な通信環境の提供を受けることが可能となる。
【0081】
なお、上記各実施形態では、センサ106は無線LANアクセスポイント装置100から離れた位置に設置される例を説明したが、これには限定されない。センサ106は、無線LANアクセスポイント装置100の装置本体に一体化されていてもよい。あるいは、複数のセンサ106が用いられる場合に、複数のセンサが、無線LANアクセスポイント装置100から離れた位置に設置されるセンサと、装置本体に一体化されたセンサとを含むこととしてもよい。
【0082】
例えば、図4において、無線LANアクセスポイント装置201は、前面に設けられた人感センサ(人検知センサ)を更に有していてもよい。無線LANアクセスポイント装置201は、センサ203からセンサ反応信号を受信することに加えて、自装置の前面に設けられ人感センサからセンサ反応信号を取得する。その場合、無線LANアクセスポイント装置201は、図5のステップA4で接続が許可されていることに加えて、前面に設けられた人感センサが反応している場合に図6のステップB5以降の処理を行い、クライアント端末107を帰属させてもよい。ステップA4で接続が許可されている場合であっても、前面に設けられた人感センサが反応していない場合には、ステップB4に進み、接続要求に対して応答しないこととしてもよい。
【0083】
また、無線LANアクセスポイント装置100が前面に設けられた人感センサ(人検知センサ)を有する場合、無線LANアクセスポイント装置100は、その人感センサのセンサ反応信号を用いて、帰属したクライアント端末107に対するデータ通信を制御してもよい。例えば、無線LANコントローラ111(図2及び図3を参照)は、帰属処理の完了後、人感センサが人に反応していない旨を示すセンサ反応信号を出力する場合は、無線通信部105を制御して、クライアント端末107と無線通信部105との間のデータフレームの送受信を制限する。データフレームの送受信が制限されている間、クライアント端末107の帰属状態は維持され、クライアント端末107と無線通信部105との間では、データフレーム以外の送受信、例えば制御フレーム及び管理フレームの送受信が許可される。このようにすることで、クライアント端末107がデータ通信可能な範囲を、人感センサが反応する範囲に制限することができる。
【0084】
上記各実施形態では、センサ106は、人に反応している旨を示すセンサ反応信号と、人に反応していない旨を示すセンサ反応信号とを出力することとして説明したが、何れか一方のセンサ反応信号は省略してもよい。例えば、センサ106は、センサが反応する範囲に人が存在する場合に人に反応している旨を示すセンサ反応信号を出力し、人が存在しない場合にはセンサ反応信号を出力しないこととしてもよい。その場合、センサ反応信号が出力されていないことは、人に反応していない旨を示すセンサ反応信号が出力されているとみなすことができる。逆に、センサ106は、センサが反応する範囲に人が存在しない場合に人に反応していない旨を示すセンサ反応信号を出力し、人が存在する場合にはセンサ反応信号を出力しないこととしてもよい。その場合、センサ反応信号が出力されていないことは、人に反応している旨を示すセンサ反応信号が出力されているとみなすことができる。
【0085】
本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0086】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0087】
[付記1]
センサから検知情報を取得する情報取得部と、
クライアント端末との間で無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部を介してクライアント端末から帰属要求を受信し、前記クライアント端末を帰属させる帰属処理を実施する帰属処理部であって、前記検知情報に基づいて前記クライアント端末の帰属の可否を決定する帰属処理部と、
前記検知情報に基づいて、前記無線通信部の送信出力を制御する送信出力制御部とを備える無線ネットワーク装置。
【0088】
[付記2]
前記検知情報は、前記クライアント端末の移動方向及び移動状態の少なくとも一方を含む付記1に記載の無線ネットワーク装置。
【0089】
[付記3]
前記無線通信部は、帰属済みのクライアント端末に対して第1の送信出力で無線信号を送信し、
前記送信出力制御部は、前記検知情報に基づいて、前記帰属要求を送信したクライアント端末に送信される無線信号の送信出力を、前記第1の送信出力よりも低い第2の送信出力に制御する付記1又は2に記載の無線ネットワーク装置。
【0090】
[付記4]
前記帰属処理部は、前記帰属処理を行った後、前記検知情報に基づいて前記クライアント端末の帰属先を変更させるか否を決定する付記1又は2に記載の無線ネットワーク装置。
【0091】
[付記5]
前記無線通信部は、帰属済みのクライアント端末に対して第1の送信出力で無線信号を送信し、
前記送信出力制御部は、前記検知情報に基づいて、前記帰属要求を送信したクライアント端末に送信される無線信号の送信出力を、前記第1の送信出力よりも低い第2の送信出力に制御する付記4に記載の無線ネットワーク装置。
【0092】
[付記6]
前記送信出力制御部は、前記帰属処理部が前記クライアント端末の帰属先を変更させると決定すると、当該クライアント端末に送信する無線信号の送信出力を、前記第1の送信出力よりも低い第3の送信出力に制御する付記5に記載の無線ネットワーク装置。
【0093】
[付記7]
前記第3の送信出力は、前記第2の送信出力よりも低い付記6に記載の無線ネットワーク装置。
【0094】
[付記8]
前記送信出力制御部は、前記帰属処理部が前記クライアント端末の帰属先を変更させると決定すると、当該クライアント端末と前記無線通信部との間の通信を切断させる付記4又は5に記載の無線ネットワーク装置。
【0095】
[付記9]
前記送信出力制御部は、前記クライアント端末が前記無線通信部との間でデータ通信中であるか否かを調べ、データ通信中でない場合に前記通信を切断させる付記8に記載の無線ネットワーク装置。
【0096】
[付記10]
センサと、
それぞれが、帰属したクライアントと端末との間で無線信号の送受信を行う無線通信部を有する第1の無線ネットワーク装置及び第2の無線ネットワーク装置とを備え、
前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の一方は、前記センサから取得された検知情報に基づいてクライアント端末を自装置に帰属させると決定し、かつ前記無線通信部から前記クライアント端末に送信される無線信号の送信出力を前記検知情報に基づいて制御する無線ネットワークシステム。
【0097】
[付記11]
前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の一方は、前記クライアント端末を帰属させた後、前記検知情報に基づいて前記クライアント端末の帰属先を前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の他方に変更させるか否を決定する付記10に記載の無線ネットワークシステム。
【0098】
[付記12]
前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の一方は、帰属させるクライアント端末に送信される無線信号の送信出力を、帰属済みのクライアント端末に送信される無線信号の送信出力である第1の送信出力よりも低い第2の送信出力に制御する付記11に記載の無線ネットワークシステム。
【0099】
[付記13]
前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の一方は、前記クライアント端末の帰属先を前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の他方に変更させると決定すると、当該クライアント端末に送信する無線信号の送信出力を、前記第1の送信出力よりも低い第3の送信出力に制御する付記12に記載の無線ネットワークシステム。
【0100】
[付記14]
前記第3の送信出力は、前記第2の送信出力よりも低い付記13に記載の無線ネットワークシステム。
【0101】
[付記15]
前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の一方は、前記クライアント端末の帰属先を前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の他方に変更させると決定すると、当該クライアント端末と前記無線通信部との間の通信を切断させる付記11又は12に記載の無線ネットワークシステム。
【0102】
[付記16]
前記第1の無線ネットワーク装置又は前記第2の無線ネットワーク装置の一方は、前記クライアント端末が前記無線通信部との間でデータ通信中であるか否かを調べ、データ通信中でない場合に前記通信を切断させる付記15に記載の無線ネットワークシステム。
【0103】
[付記17]
センサから検知情報を取得するステップと、
クライアント端末との間で無線通信を行う無線通信部を介してクライアント端末から帰属要求を受信するステップと、
前記検知情報に基づいて前記帰属の可否を決定するステップと、
前記クライアント端末を帰属させると決定した場合に、前記検知情報に基づいて、前記無線通信部から前記クライアント端末に送信される無線信号の送信出力を制御するステップとを有する無線ネットワーク装置の制御方法。
【0104】
[付記18]
無線ネットワーク装置を制御するためのプログラムであって、コンピュータに、
センサから検知情報を取得するステップと、
クライアント端末との間で無線通信を行う無線通信部を介してクライアント端末から帰属要求を受信するステップと、
前記検知情報に基づいて前記帰属の可否を決定するステップと、
前記クライアント端末を帰属させると決定した場合に、前記検知情報に基づいて、前記無線通信部から前記クライアント端末に送信される無線信号の送信出力を制御するステップとを実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0105】
10:無線ネットワーク装置
11:情報取得部
12:無線通信部
13:帰属処理部
14:送信出力制御部
15:センサ
16:クライアント端末
100:無線LANアクセスポイント装置
102:メモリ
103:不揮発性メモリ
104:外部ネットワークポート
105:無線通信部
106:センサ
107:クライアント端末
111:無線LANコントローラ
112:メモリコントローラ
113:レイヤ2スイッチ(L2SW)
114:情報取得部
115:帰属処理部
200:建物
201、202:無線LANアクセスポイント装置
203:センサ
204、205:人検知センサ
205:人検知センサ
210、220:センサ反応範囲
230、240:範囲
250:入り口
261、262:無線LANアクセスポイント装置
263:中継装置
264:センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8