特許第6358701号(P6358701)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6358701建築物工程管理サーバ及び建築物工程管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6358701
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】建築物工程管理サーバ及び建築物工程管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20180709BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20180709BHJP
   G06Q 10/10 20120101ALI20180709BHJP
【FI】
   G06Q50/08
   G06Q10/06
   G06Q10/10 342
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-199273(P2014-199273)
(22)【出願日】2014年9月29日
(65)【公開番号】特開2016-71553(P2016-71553A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】506045705
【氏名又は名称】ギアヌーヴ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 宏憲
【審査官】 山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−037710(JP,A)
【文献】 特開2005−326965(JP,A)
【文献】 特開2012−084110(JP,A)
【文献】 特開2014−157596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築現場の現場作業者の労務データ、及び建築現場の撮影データを取得する端末から送信された前記労務データ及び前記撮影データを受信する受信手段と、
建築現場の工程データを記憶する記憶手段と、
前記工程データと、前記受信手段で受信した前記労務データ及び前記撮影データを対応付けた工程管理表を作成する制御手段と、
前記工程管理表を表示し、前記工程管理表において工程及び日付が指定された場合に、指定された工程及び日付に対応する前記労務データ及び前記撮影データを表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする建築物工程管理サーバ。
【請求項2】
請求項1記載の建築物工程管理サーバにおいて、
前記表示手段は、
前記工程データとして、工程と日付を規定した表を表示するとともに、前記労務データ及び前記撮影データが存在する工程及び日付をハイライト表示し、ユーザからの操作に応じて前記労務データ及び前記撮影データを表示する
ことを特徴とする建築物工程管理サーバ。
【請求項3】
建築現場に設置され、建築現場の現場作業者の労務データ、及び建築現場の撮影データを取得して送信する端末と、
前記端末から送信された前記労務データ及び前記撮影データを受信する建築物工程管理サーバと、
を備え、
前記建築物工程管理サーバは、
前記建築現場の工程データを記憶する記憶手段と、
前記工程データと、前記端末から受信した前記労務データ及び前記撮影データを対応付けた工程管理表を作成する制御手段と、
前記工程管理表を表示し、前記工程管理表において工程及び日付が指定された場合に、指定された工程及び日付に対応する前記労務データ及び前記撮影データを表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする建築物工程管理システム。
【請求項4】
請求項3記載の建築物工程管理システムにおいて、
前記表示手段は、
前記工程データとして、工程と日付を規定した表を表示するとともに、前記労務データ及び前記撮影データが存在する工程及び日付をハイライト表示し、ユーザからの操作に応じて前記労務データ及び前記撮影データを表示する
ことを特徴とする建築物工程管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の工程を管理するサーバ及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、住宅やビル等の建築物の施行状況を管理するシステムが提案されている。
【0003】
特許文献1には、建築工事における施工業者のミスや手抜きを防止することを目的としたシステムが記載されている。複数の工程からなる建築工事における各工程が終了したときに、該終了した工程を識別する情報と、該終了時における建築工事現場を撮影した画像データとを施工業者担当者端末から管理サーバに送信し、管理サーバでこれらのデータを受信して記録する。
【0004】
特許文献2には、施主、監理者及び施工業者を含めた総合的な建築物の施工管理システムを提供することを目的としたシステムが記載されている。システム管理サーバは、情報を処理するためのコンピュータ部と、情報を記録するためのサーバ部とを備え、サーバ部は、施工工事に関する情報を登録する記録データベースと、施工工事の承認情報を登録する承認記録データベースとを有し、施工工事段階において、施主側端末装置、監理者側端末装置及び施工業者側端末装置からの個別承認信号を受信すると、承認判定手段は、施主、監理者及び施工業者の三者が承認したと判定して合意承認信号を生成し、記録データベースの承認された施工工事情報が承認記録データベースに登録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−275982号公報
【特許文献2】特開2009−134685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、建築物の工程管理には、単に、建築物の施工状況のみならず、建築現場で作業する現場作業者の労務管理も必要である。現場作業者の労務管理とは、今建築現場に誰がいるのか、その現場作業者は何時からそこにいるのか、現場作業者が何時間休憩をとったか、現場作業者がいつ帰ったか等を管理者が正確に把握し、問題があればそれを是正することであるが、1人の管理者が複数の建築現場を担当している場合、担当する建築現場全てに管理者が直接行って管理することは現実的に不可能である。建築現場における現場作業者の労務管理を正しく把握できないことは、現場作業者の勤務時間の算出等が正確に行えないだけでなく、不適切な労務状況を招く一因ともなり得る。従って、施工状況のみならず、現場作業者の労務管理も同時に管理することができるシステムが望まれている。
【0007】
本発明の目的は、建築物の施工状況を管理すると同時に、簡易かつ確実に現場作業者の労務管理も行うことができるサーバ及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、建築現場の現場作業者の労務データ、及び建築現場の撮影データを取得する端末から送信された前記労務データ及び前記撮影データを受信する受信手段と、建築現場の工程データを記憶する記憶手段と、前記工程データと、前記受信手段で受信した前記労務データ及び前記撮影データを対応付けた工程管理表を作成する制御手段と、前記工程管理表を表示し、前記工程管理表において工程及び日付が指定された場合に、指定された工程及び日付に対応する前記労務データ及び前記撮影データを表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の1つの実施形態では、前記表示手段は、前記工程データとして、工程と日付を規定した表を表示するとともに、前記労務データ及び前記撮影データが存在する工程及び日付をハイライト表示し、ユーザからの操作に応じて前記労務データ及び前記撮影データを表示する。
【0010】
また、本発明は、建築現場に設置され、建築現場の現場作業者の労務データ、及び建築現場の撮影データを取得して送信する端末と、前記端末から送信された前記労務データ及び前記撮影データを受信する建築物工程管理サーバとを備え、前記建築物工程管理サーバは、前記建築現場の工程データを記憶する記憶手段と、前記工程データと、前記端末から受信した前記労務データ及び前記撮影データを対応付けた工程管理表データを作成する制御手段と、前記工程管理表データを表示し、前記工程管理表において工程及び日付が指定された場合に、指定された工程及び日付に対応する前記労務データ及び前記撮影データを表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、前記表示手段は、前記工程データとして、工程と日付を規定した表を表示するとともに、前記労務データ及び前記撮影データが存在する工程及び日付をハイライト表示し、ユーザからの操作に応じて前記労務データ及び前記撮影データを表示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、建築物の施工状況を管理すると同時に、簡易かつ確実に現場作業者の労務管理も行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態のシステム構成図である。
図2】実施形態の工程表の一例を示す説明図である。
図3】実施形態の処理フローチャートである。
図4】実施形態の工程管理表の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る建築物工程管理システムの構成図である。建築物工程管理システムは、住宅あるいは集合住宅、商業・工業施設等の建築現場に配置される携帯端末としてのタブレット端末12および管理サーバ(建築物工程管理サーバ)14を含んで構成される。タブレット端末12および管理サーバ14は、インターネット16を介して通信可能に接続される。
【0016】
タブレット端末12は、現場作業者の出勤状態を取得する。出勤状態とは、例えば建築現場に入場中(出勤中)、休憩中、あるいは建築現場から退場した状態(帰宅)等を含み、現場作業者が取り得る出退勤に関する各状態を意味する。また、タブレット端末12は、現場の施工状況を示す撮影データ(現場写真)を取得する。
【0017】
タブレット端末12は、一般的なタブレット端末同様に、近傍に存在するWi−Fiルータあるいは3GやLTE等の携帯電話回線を介してインターネット16に接続するための通信部22、液晶パネルなどの表示部24、表示部24上のタッチパネルあるいはタブレット端末12上に設けられるスイッチやボタンなどを含む入力部26、音声を出力するスピーカ28、写真を撮影して画像データを得るデジタルカメラ機能部30、RAMあるいはROMなどで構成されタブレット端末12で動作するプログラムあるいはタブレット端末12内で処理されるデータなどを記憶する記憶部32、およびタブレット端末12全体の制御を行うCPU34を含んで構成される。
【0018】
記憶部32には、入退場管理アプリケーション36が予めインストールされている。本実施形態では、現場作業者は、タブレット端末12上において入退場管理アプリケーション36を実行することで自己の出勤状態をタブレット端末12に入力する。建築現場に入場してきた現場作業者は、まずタブレット端末12の電源を入れ、入退場管理アプリケーション36を実行する。そして、表示部24に表示される入退場管理アプリケーション36の画面に従って、自己を特定する名前タグを入場前の状態に初期表示させる。記憶部32には、管理サーバ14から送信された、現場作業者データベースに記憶された現場作業者データが記憶されており、入退場管理アプリケーション36は、ユーザの入力操作に応じて記憶部32から現場作業者データを読み出し、現場作業者を特定するデータとして名前タグを作成し、これを入場前の状態に表示する。そして、ユーザは、工事現場に入場して工事を開始する際に、入退場管理アプリケーション36上における自己の出勤状態を「入場前」から「入場中」に変更する。入退場管理アプリケーション36上において出勤状態が変更されると、出勤状態を入力した現場作業者、変更後の状態(「入場中」)を示す出勤状態データ、および出勤状態が変更された時刻を示す時刻データが対応付けられ、記憶部32に記憶されるとともに管理サーバ14へ送信される。記憶部32は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであることが望ましいが、これに限定されない。
【0019】
タブレット端末12において入退場管理アプリケーション36が実行されると、表示部24には複数のエリアが表示される。各エリアは、現場作業者が取り得る各出勤状態に対応するものである。例えば、表示画面には、第1エリアとして入場前(出勤前)を示す入場前エリア、第2エリアとして入場中(勤務中)を示す入場中エリア、第3エリアとして休憩中を示す休憩中エリア、第4エリアとして退場(帰宅)を示す退場エリアの4つのエリアが表示される。また、各エリアには、それぞれの状態を示すアイコンが表示される。すなわち、入場前エリアには特定のアイコンは表示されないが、入場中エリアには工事中であることを示すアイコンが表示され、休憩中エリアには椅子に座っているアイコンが表示され、退場エリアには乗車しているアイコンが表示される。勿論、これらのアイコンは任意に変更可能である。
【0020】
また、表示画面の上部には、一覧呼び出しボタンが表示される。ユーザがこの一覧呼び出しボタンを操作すると、CPU34は、この操作に応じて記憶部32にアクセスし、記憶部32に記憶されている現場作業者の所属する会社の一覧データを取得し、会社名のリストをプルダウンメニューで表示する。そして、ユーザがプルダウンメニューからいずれかの会社を選択すると、CPU34は、その会社に属する現場作業者データを取得し、現場作業者の名前が記載された名前タグの一覧を入場前エリアに表示する。例えば、一覧呼び出しボタンを操作して複数の会社から特定の会社CAを選択すると、当該会社CAに属する現場作業者a,b,c,d,e,fの名前タグが入場前エリアに一覧表示される。より具体的には、現場作業者データに現場作業者の名前「特許一郎」が含まれている場合、CPU34は、「特許一郎」と記載された矩形状の名前タグの画像データを作成して入場前エリアに表示する。
【0021】
入場前エリアに名前タグが表示された現場作業者がその出勤状態を入場前から入場中に変更したい場合は、入場前エリア内に表示されている自己の名前タグを画面上において指や特定のペンでドラッグし、入場中エリアに移動させる。CPU34は、このドラッグ操作を検出し、名前タグを入場前エリアから入場中エリアに移動させる。また、この際、CPU34は、名前タグが入場中エリアに移動したときの時刻を取得し、当該名前タグに名前と併せて表示される。「特許一郎 9:00」の如くである。CPU34は、出勤状態が変更されると、出勤状態が変更された現場作業者を示す現場作業者データ、変更後の出勤状態を示す状態データ、及び出勤状態が変更された時刻(入場開始時刻又は工事開始時刻)を示す時刻データを互いに対応付けて記憶部32に記憶する。また、CPU34は、記憶部32に記憶されたこれらのデータを労務データとして管理サーバ14に送信する。
【0022】
入場中エリアに名前タグが表示された現場作業者がその出勤状態を入場中から休憩中に変更したい場合は、同様に、入場中エリア内に表示されている自己の名前タグを画面上において指や特定のペンでドラッグし、休憩中エリアに移動させる。CPU34は、このドラッグ操作を検出し、名前タグを入場中エリアから休憩中エリアに移動させる。また、この際、CPU34は、名前タグが休憩中エリアに移動したときの時刻を取得し、当該名前タグに名前と併せて表示される。「特許一郎 12:00」の如くである。CPU34は、出勤状態が変更されると、出勤状態が変更された現場作業者を示す現場作業者データ、変更後の出勤状態を示す状態データ、及び出勤状態が変更された時刻を示す時刻データ(休憩開始時刻)を互いに対応付けて記憶部32に記憶する。また、CPU34は、記憶部32に記憶されたこれらのデータを労務データとして管理サーバ14に送信する。
【0023】
休憩が終わると、現場作業者は、休憩中エリアに表示されている自己の名前タグを画面上において指でドラッグし、入場中エリアに再び移動させる。すると、CPU34は、このドラック操作を検出して、名前タグを入場中エリアに表示するとともに、名前タグが移動された時の時刻を当該名前タグに併せて表示する。また、出勤状態が変更された現場作業者を示す現場作業者データ、変更後の出勤状態を示す状態データ、及び出勤状態が変更された時刻(休憩終了時刻)を示す時刻データを互いに対応付けて記憶部32に記憶し、これらのデータを労務データとして管理サーバ14に送信する。
【0024】
入場中エリアに名前タグが表示された現場作業者が退場する場合、入場中エリアに表示されている自己の名前タグを画面上においてドラッグし、退場エリアに移動させる。すると、名前タグは退場エリアに表示され、名前タグが移動された時の時刻が当該名前タグに表示される。CPU34は、出勤状態が変更された現場作業者を示す現場作業者データ、変更後の出勤状態を示す状態データ、及び出勤状態が変更された時刻を示す時刻データ(退場時刻又は工事終了時刻)を互いに対応付けて記憶部32に記憶する。また、CPU34は、記憶部32に記憶されたこれらのデータを労務データとして管理サーバ14に送信する。
【0025】
なお、時刻データの取得は、タブレット端末12に設定された時間情報に基づいて取得するようにしてもよいが、時刻の改ざんを防止するため管理サーバ14において管理されている時間情報に基づいて取得してもよい。出勤状態が変更された現場作業者を示すデータ、変更後の出勤状態を示す状態データ、および出勤状態が変更された時刻を示す時刻データからなる労務データは、管理サーバ14の出勤状態データベース46に記憶される。CPU34は、記憶部32に記憶された、出勤状態が変更された現場作業者を示す現場作業者データ、変更後の出勤状態を示す状態データ、及び出勤状態が変更された時刻を示す時刻データを管理サーバ14に送信するが、その送信タイミングは、その都度の他、1日の作業の終わりの所定の時刻タイミング(例えば19:00)にまとめて送信してもよい。
【0026】
1日の作業が全て終わり、全ての現場作業者の名前タグが退場エリア88に表示された場合、その直後、あるいは所定の時刻タイミングでCPU34は表示画面をクリアする。
以上のようにして、入場時刻、休憩時刻及び休憩時間、退場時刻が自動的に管理サーバ14に送信され収集されることで、現場作業者の労務データが作成される。例えば、所定日の所定工程において、
現場作業者a:
入場時刻 8:25
休憩時刻 12:00
休憩時間 60分
退場時刻 17:25
現場作業者b:
入場時刻 9:00
休憩時刻 11:45
休憩時間 45分
退場時刻 17:30
等の労務データが作成される。
【0027】
既述したように、工程毎に担当すべき現場作業者は変更し得るから、タブレット端末12のCPU34は、工程毎に現場作業者データを管理し、ある工程が終了した場合には当該工程に関わる現場作業者データを自動的に消去することが望ましい。具体的には、工程Pa及び工程Pbが存在し、工程Paに関わる現場作業者がa,b,cであり、次の工程Pbに関わる現場作業者がu,v,wである場合、工程Paが終了するまでは、CPU34は、現場作業者a,b,cの名前タグを毎日繰り返し入場前エリアに表示するが、工程paが完了して工程pbに移行する当日には、現場作業者a,b,cのデータを記憶部32から消去し、工程pbが完了するまでは現場作業者u,v,wの名前タグを毎日繰り返し入場前エリアに表示する。管理サーバ14で建築現場の各工程管理を実行している場合、工程Paが完了したタイミングでタブレット端末12に工程paの完了信号を送信し、CPU34はこの完了信号を受信すると、これをトリガとして工程Paに関わる現場作業者のデータを記憶部32から消去すればよい。
【0028】
タブレット端末12は、現場作業者を認証する認証部をさらに有していてもよい。認証方法は、顔面認証、指紋認証、声紋認証、静脈認証等である。
【0029】
また、タブレット端末12のデジタルカメラ機能部30は、現場の撮影データを取得して管理サーバ14に送信する。撮影データには、データ名と日付データがメタデータとして付加される。さらに、撮影に係る工程を特定するデータを付加してもよい。撮影タイミングは、現場作業者が自己で判断する他、管理サーバ14からの指示に基づいて決定してもよい。
【0030】
タブレット端末12は、取得した労務データ及び撮影データを管理サーバ14に送信するが、これらのデータの送信タイミングは非同期でよい。例えば、撮影データの送信は撮影直後とし、労務データの送信も労務データの取得直後とする等である。勿論、労務データ及び撮影データをともに記憶部32に記憶しておき、1日の終わりの所定時刻タイミングでこれらのデータを同時に管理サーバ14に送信してもよい。
【0031】
他方、管理サーバ14は、建築現場で作業を行う現場作業者を管理する管理会社内あるいはクラウド上など、建築現場から離れた場所に設置される。管理サーバ14は、インターネット16を介しタブレット端末12と通信を行うための通信部40、ハードディスクやRAMあるいはROMなどで構成され、出勤状態データベース46、工程データベース48、現場作業者データベース、および管理サーバ14内で処理されるデータ等が記憶される記憶部42、並びに管理サーバ14全体の制御を行うCPU44を含んで構成される。本実施形態では、管理サーバ14は、1つの建築現場における現場作業者の勤務状況を管理しているが、複数の建築現場における現場作業者の勤務状況を管理するようにしてもよい。
【0032】
出勤状態データベース46には、タブレット端末12から送信された、建築現場における現場作業者の勤務状況を示すデータ、すなわち労務データが記憶される。当該データは、現場作業者を示すユーザデータ、当該現場作業者の出勤状態を示す状態データ、および当該出勤状態に変更された時刻を示す時刻データを含む。管理サーバ14は、タブレット端末12からこれらのデータが送信される度に、出勤状態データベース46の新レコードとして追加する。
【0033】
工程データベース48は、建築現場における工程データと、各工程においてタブレット端末12から送信された撮影データが記憶される。工程データは、各工程とその工程が実行されるべき日付(期間)から構成される。
【0034】
現場作業者データベース50は、現場作業者を特定するデータと、当該データが示す現場作業者が有する資格、および当該データが示す現場作業者を識別する認証データが記憶される。これらのデータは、管理者等によって予め作成されて現場作業者データベース50に記憶される。現場作業者を特定するデータ、すなわち現場作業者データは、所定のタイミングでタブレット端末12に送信され、上記のように名前タグを生成し表示するために用いられる。
【0035】
現場作業者は、工事の工程毎に異なるのが通常である。例えば、基礎工事の工程における現場作業者と、建方の工程における現場作業者と、内装の工程における現場作業者は互いに異なる。従って、記憶部42は、現場作業者データを工程毎に分類して記憶する。また、現場作業者は、通常はいずれかの会社に所属しているため、現場作業者を会社毎に分類して記憶してもよい。例えば、以下の如くである。
基礎工程
A工務店
作業者a、作業者b、作業者c
B工務店
作業者o、作業者p、作業者q
建方工程
C工務店
作業者s、作業者t、作業者u
内装工程
D工務店
作業者x、作業者y、作業者z
【0036】
なお、実際の建築現場では、複数の工程をこなし、かつ、特定の会社に属しない現場作業者も存在し得る(一人親方)。このような現場作業者には、管理者が特定のIDを割り振り、記憶部42はIDと対応づけて当該現場作業者を記憶する。
【0037】
CPU44は、現場作業者データベース50に記憶されている現場作業者データを通信部40、インターネット16を介してタブレット端末12に送信し、タブレット端末12から受信した、現場作業者の労務データを出勤状態データベース46に記憶するとともに、撮影データを工程データベース48に記憶する。CPU44は、さらに、工程データベース48及び出勤状態データベース46にアクセスし、工程データベース48に記憶されている工程データと撮影データ、及び出勤状態データベース46に記憶されている労務データを互いに対応付けて工程管理表を作成する。工程管理表は、工程と当該工程における現場作業者の労務データと当該工程において取得された撮影データを互いに対応付けて規定される表であり、望ましくは階層構造で作成される。すなわち、第1階層では工程とその日付(期間)との関係が表形式(工程表)で規定され、第1階層の下の第2階層では工程とその日付に対応付けて労務データと撮影データが規定される。労務データと撮影データは、互いに別階層で規定されていてもよいが、同じ階層として同時に表示されるのが望ましい。
【0038】
表示部52は、管理サーバ14の操作者の操作に応じ、CPU44により作成された工程管理表を表示する。
【0039】
図2は、工程データベース48に記憶される工程表の一例である。建築物毎に、各工程の日時や期間を規定したものである。例えば、建築物Aは、4月上旬に基礎工事が開始され、4月下旬に基礎工事が完了する。その後、5月下旬まで建方工事が行われ、5月下旬から6月中旬まで内装工事、6月下旬から7月下旬まで外観工事が行われる。また、建築物Cは、4月上旬から5月上旬まで造成工事、5月下旬から6月中旬まで基礎工事、6月下旬から7月下旬まで建方工事が行われる。造成工事や基礎工事、建方工事、内装工事、外観工事等の各工程は、それぞれ複数の作業から構成され、例えば基礎工事では配筋、外周基礎、間仕切り基礎、鉄筋施工、基礎断熱施工等から構成される。各作業時の所定タイミング、例えば各作業の開始時及び終了時に、現場作業者はタブレット端末12のデジタルカメラ機能部30を用いて施工部分を撮影し、撮影データを管理サーバ14に送信する。管理サーバ14のCPU44は、受信した撮影データを、工程表の各工程に対応付けて工程データベース48に記憶する。対応付けは、撮影データにメタデータとして付加されている日時データを用いてもよく、あるいは作業を特定する特定データが付加されていればこの特定データを用いてもよい。管理サーバ14がタブレット端末12に対して撮影を指示する場合には、その指示に応じてタブレット端末12から送信された撮影データを当該指示に係る作業に対応付ければよい。
【0040】
図3は、管理サーバ14の処理フローチャートである。
【0041】
管理サーバ14のCPU44は、タブレット端末12から労務データを受信したか否かを判定する(S101)。タブレット端末12から労務データを受信すると、受信した労務データを出勤状態データベース46に記憶する(S102)。また、労務データを受信していない場合には、次に撮影データを受信したか否かを判定する(S103)。タブレット端末12から撮影データを受信すると、受信した撮影データを工程データベース48の工程に対応付けて記憶する(S104)。以上の処理を繰り返すことで、労務データと撮影データが順次蓄積される。
【0042】
次に、CPU44は、ユーザからの指示に応じ、あるいは所定タイミングに出勤状態データベース46及び工程データベース48にアクセスし、記憶されている労務データと撮影データを読み出して、これらのデータを工程に対応付けて工程データベース48に記憶する。すなわち、工程データベースの工程をキーとして、工程と撮影データと労務データとが互いに対応付けて工程データベース48に記憶される(S105)。
【0043】
例えば、基礎工事の配筋工事に現場作業者a及び現場作業者bが従事し、現場作業者aは9:00に入場し17:00に退場し、現場作業者bは9:30に入場し16:30に退場したものとする。また、作業開始時に建築現場の所定部位を撮影して撮影データとして写真P1を管理サーバ14に送信し、作業終了時に同じ部位を撮影して撮影データとして写真P2を管理サーバ14に送信したものとする。この場合、工程データベース48には、
「基礎工事の配筋工事」のデータ

「現場作業者a:入場9:00 退場17:00
現場作業者b:入場9:30 退場16:30」のデータ

「写真P1、写真P2」のデータ
が互いに対応付けて記憶される。言い換えれば、基礎工事の配筋工事のメタデータとして、現場作業者の労務データと現場作業者により撮影されたその工程の撮影データが付加されて記憶されるといえる。
【0044】
次に、CPU44は、ユーザからの指示に応じ、工程データベース48にアクセスして、互いに対応付けされた工程と労務データと撮影データを読み出し、これらの対応付けデータを用いて工程管理表を作成し(S106)、表示部52に表示する(S107)。
【0045】
図4は、CPU44により作成され表示部52に表示される工程管理表の一例を示す。列には基礎工事の各工程が表示され、行には日付が表示される。労務データ及び撮影データが存在する日はハイライト表示され、このハイライト表示によりユーザはその工程のその日の労務データ及び撮影データが対応付けて存在していることを容易に視認できる。
【0046】
ハイライト表示された工程及び日をマウスでクリック、あるいは表示部52がタッチパネルで構成されている場合に工程及び日をタッチ操作すると、CPU44はこの操作を検知し、その工程のその日に対応付けされている労務データ及び撮影データを工程データベース48から読み出して表上に重畳表示する。図では、「配属 スリーブの配筋補強」工程の4日がハイライト表示されているためユーザがこれをクリックした場合に、当該工程の当該日に対応付けされている労務データとして現場作業者2名の入場時刻と退場時刻がそれぞれ表示され、かつ、その上に、当該工程の当該日に撮影された3枚の写真が表示されている。3枚の写真のそれぞれには、そのデータ名と撮影日時が表示される。ユーザは、これらを視認することで、労務状況と施工状況を同時に確認することができる。
【0047】
労務データと撮影データを対応付けて同時に表示する利点は以下の通りである。すなわち、例えば労務データ上では現場作業者が2名作業を行っているはずであるが、撮影データ(写真)にはそれより多い人数が撮影されている場合には、問題が生じていることがわかる。また、労務データ上では17:00に退場しているはずであるが、撮影データ(写真)の時刻が17:00以降となっている場合には、やはり問題が生じていることがわかる。さらに、労務データ上は規定の時間だけ作業に従事しているはずであるが、本来得られるであろう撮影データよりも極端に撮影データの数が少ない場合にも、やはり問題が生じていることがわかる。本実施形態における、工程と労務データと撮影データの対応付けの効果は明らかであろう。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の変形が可能である。
【0049】
例えば、本実施形態では、現場作業者の労務データを出勤状態データベース46に記憶しているが、これに代えて工程データベース48に記憶してもよい。労務データを工程データベース48に記憶する際には、工程に対応付けて記憶すればよい。
【符号の説明】
【0050】
12 タブレット端末(携帯端末)、14 管理サーバ、16 インターネット、22 通信部、24 表示部、26 入力部、28 スピーカ、30 デジタルカメラ機能部、32 記憶部、36 入退場管理アプリケーション、40 通信部、42 記憶部、44 CPU、46 出勤状態データベース、48 工程データベース、50 現場作業者データベース、52 表示部。
図1
図2
図3
図4