特許第6358724号(P6358724)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6358724正確な使用を確保するための簡易着脱式薬瓶アダプタを有するデュアルバイアルアダプタアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6358724
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】正確な使用を確保するための簡易着脱式薬瓶アダプタを有するデュアルバイアルアダプタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
   A61J1/20 314B
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-534927(P2017-534927)
(86)(22)【出願日】2016年1月3日
(65)【公表番号】特表2018-500132(P2018-500132A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】IL2016050002
(87)【国際公開番号】WO2016110838
(87)【国際公開日】20160714
【審査請求日】2017年8月31日
(31)【優先権主張番号】236586
(32)【優先日】2015年1月5日
(33)【優先権主張国】IL
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506361719
【氏名又は名称】ウエスト・ファーマ.サービシーズ・イスラエル,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100167243
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 充
(72)【発明者】
【氏名】ダビデ,ウリ
(72)【発明者】
【氏名】ブクマン,モルデカイ
【審査官】 小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0020793(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/156994(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0087141(US,A1)
【文献】 特表2013−520272(JP,A)
【文献】 特開2013−066748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬瓶と液瓶とともに使用するためのデュアルバイアルアダプタアセンブリであって、
前記薬瓶は、薬瓶ボトルと、前記薬瓶ボトルをシールする薬瓶ストッパと、を有し、
前記薬瓶は、薬剤を収容し、
前記液瓶は、液瓶ボトルと、前記液瓶ボトルをシールする液瓶ストッパと、を有し、
前記液瓶は、前記薬瓶内の前記薬剤から液剤を形成するための液体内容物を収容し、
前記デュアルバイアルアダプタアセンブリは、
(a)長手方向薬瓶アダプタ中心線を有する薬瓶アダプタを備え、
前記薬瓶アダプタは、直立雌コネクタを有する交差方向薬瓶アダプタ頂部壁と、反対側の垂下する薬瓶アダプタスカートと、を備え、
前記薬瓶アダプタスカートは、スナップ装着用柔軟部材の対を有し、
前記スナップ装着用柔軟部材の対は、
前記交差方向薬瓶アダプタ頂部壁のところで弾性的に撓むことができ、
前記薬瓶に入れ子式にスナップ嵌め取り付けするための内向きの突出部の対を有し、
前記デュアルバイアルアダプタアセンブリは、
(b)前記薬瓶アダプタと取り外し可能に相互シール係合する際に前記長手方向薬瓶アダプタ中心線と同軸になる長手方向液瓶アダプタ中心線を有する液瓶アダプタを備え、
前記液瓶アダプタは、交差方向液瓶アダプタ頂部壁と、前記液瓶に入れ子式に取り付けるための液瓶アダプタスカートと、前記液瓶アダプタを前記液瓶に前記入れ子式取り付けする際に前記液瓶ストッパを穿刺するための液瓶ストッパ穿刺カニューレと、を備え、
前記デュアルバイアルアダプタアセンブリは、
(c)前記薬瓶アダプタを前記薬瓶に前記入れ子式スナップ嵌め取り付けする際に前記薬瓶ストッパを穿刺するための薬瓶ストッパ穿刺カニューレを備え、
前記薬瓶ストッパ穿刺カニューレは、前記液瓶アダプタと前記薬瓶アダプタとの取り外し可能な相互シール係合において、前記液瓶ストッパ穿刺カニューレに流れ連通し、
前記薬瓶アダプタは、さらに、簡易着脱構造を備え
前記簡易着脱構造は、前記スナップ装着用柔軟部材の対から向かい合って前記交差方向薬瓶アダプタ頂部壁を超えて延在する直立フィンガーグリップ延長部の対であって、前記薬瓶アダプタスカートを前記薬瓶から解放し、それによって、前記薬瓶ストッパを露出させることを容易にするために、前記交差方向薬瓶アダプタ頂部壁のところで前記スナップ装着用柔軟部材の対を選択的に枢動させることで、前記内向きの突出部の対を前記長手方向薬瓶アダプタ中心線から離れる方向に外側に向けて移動させるために手動操作によって互いに向けて内向きに押圧されるように構成された直立フィンガーグリップ延長部の対を備え、
前記直立フィンガーグリップ延長部の対は、
記液瓶アダプタと前記薬瓶アダプタとの取り外し可能な相互シール係合において前記液瓶アダプタスカートと対面し、
前記液瓶アダプタスカートが、前記直立フィンガーグリップ延長部の対を手動操作によって互いに向けて内向きに押圧して前記薬瓶アダプタを前記薬瓶から解放することを防止するように、前記液瓶アダプタスカートに対して十分に近くなる
デュアルバイアルアダプタアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記液瓶アダプタは、前記液瓶ストッパ穿刺カニューレと前記薬瓶ストッパ穿刺カニューレとを有するデュアル端部デュアル内腔スパイクを備える
アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記液瓶アダプタは、一体型液瓶ストッパ穿刺カニューレを備え、
前記薬瓶アダプタは、一体型薬瓶ストッパ穿刺カニューレを備える
アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤を収容する薬瓶と、薬瓶内の薬剤から液剤を形成するための液体内容物を収容する液瓶と、ともに使用するためのデュアルバイアルアダプタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
Zingerらに付与され、本願出願人が所有する、流体移送デバイスとの表題の米国特許第6,558,365号は、薬剤を収容する薬瓶と、薬瓶内の薬剤から液剤を形成するための液体内容物を収容する液瓶と、ともに使用するためのデュアルバイアルアダプタアセンブリ(以下、Zingerのアセンブリと呼ぶ)を開示している。液体内容物は、希釈剤のみであってもよいし、活性成分を含んでいてもよい。Zingerのアセンブリは、米国ExtonのWest Pharmaceutical Services, Inc.から登録商標MIX2VIALのもとで市販されている。Zingerのアセンブリは、薬瓶に入れ子式に取り付けるための薬瓶アダプタと、液瓶に入れ子式に取り付けるための液瓶アダプタと、を備えている。薬瓶アダプタは、薬瓶ストッパを穿刺するための一体型薬瓶ストッパ穿刺カニューレと、それと流れ連通する雌コネクタと、を有している。液瓶アダプタは、一体型液瓶ストッパ穿刺カニューレと、それと流れ連通する雄コネクタと、を有している。雌コネクタは、好ましくは、ルアー雌コネクタであり、雄コネクタは、好ましくは、最初はシールされて取り外し可能にルアー雌コネクタに相互係合させるためのルアーロックコネクタである。
【0003】
Zingerのアセンブリは、薬瓶アダプタと液瓶アダプタとが最初はシールされ相互係合した状態において液瓶から液体内容物を引くために、負圧下で薬瓶とともに使用するために採用されるように設計されている。したがって、Zingerのアセンブリは、必ず、最初に液瓶に入れ子式に取り付けられ、逆さまにして、次いで、負圧の薬瓶に入れ子式に取り付けられる。薬瓶内での液剤の形成、および、液瓶アダプタの薬瓶アダプタからの取り外しにしたがって、液剤内容物の全体が、投与目的で、典型的には、最初は空のニードルレス注射器内に完全に吸引される。
【0004】
Denenburgらに付与され、本願出願人が所有する、液剤移送アセンブリとの表題の米国特許第8,752,598号は、デュアルバイアルアダプタアセンブリ(以下、Denenburgのアセンブリと呼ぶ)を開示している。Denenburgのアセンブリは、構成および動作がZingerのアセンブリと同様であるが、より大きな液剤容積のために使用されるように設計されている。米国特許第8,752,598号の図7図9は、液瓶ストッパ穿刺カニューレと、その液瓶ストッパ穿刺カニューレと反対に向けられた薬瓶ストッパ穿刺カニューレと、を有する一体型デュアル内腔デュアル端部スパイクを備える液瓶アダプタを備えるDenenburgのアセンブリを示している。また、薬瓶アダプタは、雌コネクタと、それと流れ連通し、反対に向けられた薬瓶アダプタスリーブと、を備えている。Denenburgのアセンブリは、液瓶から薬瓶までの重力による流れを採用しており、したがって、最初に薬瓶に入れ子式に取り付け、次いで、液瓶に入れ子式に取り付けて、液瓶からのこぼれを避けることが必要である。米国特許第8,752,598号の図10A図10Gは、患者への交互の投与のためのいくつかの液剤用量を吸引するために十分な液剤内容物を形成するためのDenenburgのアセンブリの使用方法を示している。
【0005】
Zingerのアセンブリ、および、特にDenenburgのアセンブリの両方は、より大きな液剤容積を形成するためのその意図される用途のために、患者への以下に示す投与手順のためにオプション的に採用され得る。すなわち、まず、即座に患者に投与するために、いくらかの液剤内容物が薬瓶から最初は空のニードルレス注射器へ最初に吸引され、それによって、薬瓶内に液剤の残りが残される。そして、第2に、薬瓶アダプタを薬瓶から取り外してその薬瓶ストッパを露出させ、長期にわたる重力による患者への点滴流れのために点滴セットのIVスパイクを、薬瓶ストッパを貫通するように強制挿入することによって、液剤の残りが続いて投与される。しかしながら、薬瓶アダプタを薬瓶から取り外すことは、特に、薬瓶アダプタが薬瓶に入れ子式にスナップ嵌め取り付けされ、ヘルスケア提供者が典型的に手袋をはめている場合には、器用さの点で困難である。しかも、ヘルスケア提供者は、投与手順とは対照的に、いくらかの液剤内容物の最初の吸引の前に不注意によって液瓶アダプタを薬瓶アダプタから取り外す恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、これまでに説明したZingerのアセンブリおよびDenenburgのアセンブリに類似するデュアルバイアルアダプタアセンブリを対象としており、請求項1に定義されるデュアルバイアルアダプタアセンブリを提供する。このデュアルバイアルアダプタアセンブリは、薬瓶に入れ子式にスナップ嵌め取り付けするためのスナップ装着用柔軟部材の対と、簡易着脱式薬瓶アダプタを薬瓶から解放するためにそれらのスナップ装着用柔軟部材の対を外側に向けて曲げるために手動操作によって内向きに互いに向けて押圧するための、それらのスナップ装着用柔軟部材の対まで反対側に延在する直立フィンガーグリップ延長部の対と、を有する簡易着脱式薬瓶アダプタを備えている。直立フィンガーグリップ延長部の対を内向きに曲げることは、液瓶アダプタと簡易着脱式薬瓶アダプタとの最初はシールされる相互係合において不可能にされ、その結果、ヘルスケア提供者は、薬瓶アダプタを薬瓶から取り外すことができず、それは、液瓶アダプタが取り外されるまで、そこに入れ子式にスナップ嵌め取り付けされる。したがって、簡易着脱式薬瓶アダプタは、その中に液剤内容物を形成した後に薬瓶アダプタを薬瓶から即座に取り外すことを防止することによって、デュアルバイアルアダプタアセンブリの正確な使用方法を確保する。それによって、ヘルスケア提供者が、患者への即座の投与のためにいくらかの液剤を最初に吸引し、液剤の残りを患者への後続の点滴のために残すことが必要な投与手順に従うことが補助される。
【0007】
本発明のデュアルバイアルアダプタアセンブリは、次のようにして実施され得る。すなわち、まず、これまでに説明したDenenburgらに付与された米国特許第8,752,598号と同様である。第2に、Zingerらに付与された米国特許第6,558,365号と同様である。そして、第3に、Zingerらに付与された米国特許第6,558,365号と類似するが、一体型デュアル内腔薬瓶ストッパ穿刺カニューレを有する薬瓶アダプタと、液体内容物を液瓶から薬瓶へ最初に重力によって流すことを可能にするために一体型デュアル内腔薬瓶ストッパ穿刺カニューレと最初に流れ連通する一体型デュアル内腔液瓶ストッパ穿刺カニューレを有する液瓶アダプタと、を備えている。
【0008】
本発明を理解し、それが実際にどのように実施され得るのかを理解するために、次に、好ましい実施形態について、同様の部分に同様の番号を付した添付図面を参照して、単なる非限定的な例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ニードルレス注射器と、薬瓶と、液瓶と、点滴セットと、本発明にしたがったデュアルバイアルアダプタアセンブリの第1の実施形態と、を備える投与セットの絵画図である。
図2】簡易着脱式薬瓶アダプタを備える図1のデュアルバイアルアダプタアセンブリの斜視図である。
図3図1のデュアルバイアルアダプタアセンブリの斜視図である。
図4図1のデュアルバイアルアダプタアセンブリの、図2の線4−4に沿った縦断面図である。
図5図2の簡易着脱式薬瓶アダプタの手動操作を示す斜視図である。
図6A】薬瓶内に収容された液剤を投与するための図1のデュアルバイアルアダプタアセンブリの使用方法を示している。
図6B】薬瓶内に収容された液剤を投与するための図1のデュアルバイアルアダプタアセンブリの使用方法を示している。
図6C】薬瓶内に収容された液剤を投与するための図1のデュアルバイアルアダプタアセンブリの使用方法を示している。
図7】本発明にしたがった簡易着脱式薬瓶アダプタを備えるデュアルバイアルアダプタアセンブリの第2の実施形態の斜視図である。
図8図7のデュアルバイアルアダプタアセンブリの、図7の線8−8に沿った縦断面図である。
図9図7のデュアルバイアルアダプタアセンブリの分解図である。
図10】本発明にしたがった簡易着脱式薬瓶アダプタを備えるデュアルバイアルアダプタアセンブリの第3の実施形態の斜視図である。
図11図10のデュアルバイアルアダプタアセンブリの、図10の線11−11に沿った縦断面図である。
図12図10のデュアルバイアルアダプタアセンブリの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、最初は空のニードルレス注射器10と、薬瓶20と、液瓶30と、点滴セット40と、デュアルバイアルアダプタアセンブリ100と、を備える投与セット10を示している。ニードルレス注射器10は、プランジャ12を有するバレル11と、雄ルアーロックコネクタ13と、を備えている。注射器10は、他のタイプの雄コネクタを使用して形成されてもよい。薬瓶20は、長手方向薬瓶軸線20Aを備えており、また、頂部が開口した薬瓶ボトル21を備えている。薬瓶ボトル21は、薬瓶リム22と、狭い直径の薬瓶ネック部23と、を有している。薬瓶20は、薬瓶ストッパ24によってシールされる。薬瓶ストッパ24は、典型的には、アルミニウムシール26によってキャップされる。薬瓶20は、粉末、固体または液体の形態の薬剤27を備えている。液瓶30は、長手方向液瓶軸線30Aを有しており、また、頂部が開口した液瓶ボトル31を備えている。液瓶ボトル31は、液瓶リム32と、狭い直径の液瓶ネック部33と、を有している。液瓶30は、液瓶ストッパ34によってシールされる。液瓶ストッパ34は、典型的には、アルミニウムシール36によってキャップされる。液瓶30は、希釈剤のみ、または、活性成分の形態の液体内容物37を備えている。点滴セット40は、IVスパイク41と、第1のチューブ42と、クランプ43と、ドリップ室44と、第2のチューブ46と、ローラクランプ47と、雄ルアーコネクタ48と、ルアーシールド49と、を備えている。
【0011】
デュアルバイアルアダプタアセンブリ100は、簡易着脱式薬瓶アダプタ110と、最初はシールされ取り外し可能に相互係合される液瓶アダプタ130と、を備えている。薬瓶アダプタ110は、長手方向薬瓶アダプタ中心線111と、交差方向薬瓶アダプタ頂部壁112と、を備えている。交差方向薬瓶アダプタ頂部壁112は、直立雌コネクタ113と、薬瓶20に入れ子式にスナップ嵌め取り付けするための反対側の垂下する薬瓶アダプタスカート114と、を有している。直立雌コネクタ113は、雌ルアーロックコネクタなどであってもよい。下方に垂下する薬瓶アダプタスカート114は、対向するスナップ嵌め柔軟部材の対116を備えている。スナップ嵌め柔軟部材の対116は、薬瓶アダプタ頂部壁112とのそれらの連結点のところで弾性的に枢動する。スナップ嵌め柔軟部材の対116は、薬瓶アダプタ110を薬瓶20に入れ子式にスナップ嵌め取り付けする際に薬瓶リム22の下にスナップ嵌めするための内向きの突出部の対117を有して形成される。下方に垂下する薬瓶アダプタスカート114は、追加的な対向する柔軟部材の対118を備えている。柔軟部材の対118は、入れ子式のスナップ嵌め取り付け中の案内目的で主に採用され、したがって、小さい内向きの突出部を有して、あるいは、内向きの突出部を有することなく形成される。
【0012】
薬瓶アダプタ110は、下方に垂下するスリーブ119を有している。スリーブ119は、直立雌コネクタ113に流れ連通し、それと反対側に向けられている。薬瓶アダプタ110は、薬瓶アダプタスカート114を薬瓶20から選択的に解放し、それによって、薬瓶ストッパ24を露出させるために、手動操作可能な簡易着脱構造121を有している。
【0013】
液瓶アダプタ130は、最初はシールされて薬瓶アダプタ110と取り外し可能に相互係合する際に長手方向薬瓶アダプタ中心線111と同軸になる長手方向液瓶アダプタ中心線131を有している。液瓶アダプタ130は、交差方向液瓶アダプタ頂部壁133と、液瓶30に入れ子式にスナップ嵌め取り付けするための液瓶アダプタスカート134と、を備えている。液瓶アダプタスカート134は、オプションとして、スナップ嵌めすることなく、液瓶30に入れ子式に取り付けられてもよい。
【0014】
液瓶アダプタ130は、デュアル端部デュアル内腔スパイク136を備えている。デュアル端部デュアル内腔スパイク136は、液瓶アダプタ130を液瓶30に入れ子式にスナップ取り付けした際に液瓶ストッパ34を穿刺するための液瓶ストッパ穿刺カニューレ137と、長手方向液瓶アダプタ中心線131に沿って液瓶ストッパ穿刺カニューレ137と反対方向に向けられ、デュアルバイアルアダプタアセンブリ100の組み立てられた状態において薬瓶アダプタ110を薬瓶20に取り付ける際に薬瓶ストッパ24を穿刺するための薬瓶ストッパ穿刺カニューレ138と、を備えている。薬瓶ストッパ穿刺カニューレ138は、薬瓶アダプタ110と液瓶アダプタ130との最初はシールされる取り外し可能な相互係合において、下方に垂下するスリーブ119によって取り囲まれる。液瓶アダプタ130は、雌コネクタ113と取り外し可能に係合するための雄ロックコネクタ139を備えている。雄ロックコネクタ139は、好ましくは、雄ルアーロックである。デュアル端部デュアル内腔スパイク136は、液体移送用内腔141と、空気移送用内腔142と、を備えている。
【0015】
簡易着脱構造121は、薬瓶アダプタ頂部面112に対して反対方向にスナップ嵌め柔軟部材の対116まで延在する一対の対向する直立フィンガーグリップ延長部122によって構成される。フィンガーグリップ延長部122は、逆U字状のフレーム123の形態である。フレーム123の各々は、一対の対向する直立レッグ部材124と、それらの間を延在する横断部材126と、を備えている。U字状のフレーム123は、フィンガーグリップ延長部122を互いに向けて内向きに押圧するために加えることが必要な手動力を低減する。デュアルバイアルアダプタアセンブリ100の分解状態では、フィンガーグリップ延長部122の互いに向けた手動操作による内向きの押圧は、矢印Aで示されるように、薬瓶アダプタ頂部面112とのそれらの連結点のところでスナップ嵌め柔軟部材の対116を枢動させて、矢印Bで示されるように、それらの内向きの突出部の対117を外側に向けて長手方向薬瓶アダプタ中心線111から離れる方向に押圧する。そのような外側に向けた押圧は、薬瓶20を薬瓶アダプタスカート114から解放するために、最大でも僅かな力のみを必要とするのに十分である。好ましくは、外側に向けた押圧は、薬瓶20を薬瓶アダプタスカート114から解放するのに十分である。デュアルバイアルアダプタアセンブリ100の組み立てられた状態において、横断部材126は、液瓶アダプタスカート134に対面する。また、横断部材126は、液瓶アダプタスカート134がフィンガーグリップ延長部122を手動操作によって互いに向けて内向きに押圧してスナップ嵌め柔軟部材の対116を枢動させることが防止されるように、液瓶アダプタスカート134に対して十分に近くなる。
【0016】
デュアルバイアルアダプタアセンブリ100の使用方法は、薬瓶20内に液剤内容物を用意し、液瓶アダプタ130を薬瓶アダプタ110から取り外し、投与目的でいくらかの液剤を吸引して、液剤の残りを薬瓶内に残すためにニードルレス注射器10を取り付ける(図6A参照)ための上述した米国特許第8,752,598号の図10A〜10Gと同一である。デュアルバイアルアダプタアセンブリ100の使用方法は、さらに、簡易着脱構造121を手動操作して、薬瓶アダプタ110を薬瓶20から取り外して、その薬瓶ストッパ24を露出しやすくする(図6B参照)とともに、液剤の残りを重力によって患者に点滴するために薬瓶ストッパ24を通って点滴セットのIVスパイク41を挿入しやすくする(図6C参照)工程を備えている。
【0017】
図7図9は、これまでに説明したZingerらに付与された米国特許第6,558,365号と構造および動作が類似するデュアルバイアルアダプタアセンブリ200を示している。したがって、デュアルバイアルアダプタアセンブリ200は、一体型単一内腔液瓶ストッパ穿刺カニューレ202を有する液瓶アダプタ201と、液瓶ストッパ穿刺カニューレ202に流れ連通する一体型単一内腔薬瓶ストッパ穿刺カニューレ204を有する簡易着脱式薬瓶アダプタ203と、を備えている。
【0018】
図10図12は、これまでに説明したZingerらに付与された米国特許第6,558,365号と構造および動作が類似するデュアルバイアルアダプタアセンブリ300を示している。デュアルバイアルアダプタアセンブリ300は、一体型デュアル内腔液瓶ストッパ穿刺カニューレ302を有する液瓶アダプタ301と、一体型デュアル内腔薬瓶ストッパ穿刺カニューレ304を有する簡易着脱式薬瓶アダプタ303と、を備えている。薬瓶ストッパ穿刺カニューレ304は、液瓶ストッパ穿刺カニューレ302に整合流れ連通して、空気移送用内腔307と、並行的な液体移送用内腔306と、を形成する。
【0019】
本発明の特定の実施形態が例示され説明されたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および修正を行うことができることが当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0020】
10…ニードルレス注射器
20…薬瓶
30…液瓶
40…点滴セット
100,200,300…デュアルバイアルアダプタアセンブリ
110…薬瓶アダプタ
111…長手方向薬瓶アダプタ中心線
112…薬瓶アダプタ頂部壁
113…直立雌コネクタ
114…薬瓶アダプタスカート
116…スナップ嵌め柔軟部材の対
117…突出部の対
118…柔軟部材の対
119…スリーブ
121…簡易着脱構造
122…直立フィンガーグリップ延長部
123…フレーム
124…直立レッグ部材
126…横断部材
130…液瓶アダプタ
131…長手方向液瓶アダプタ中心線
133…交差方向液瓶アダプタ頂部壁
134…液瓶アダプタスカート
136…デュアル端部デュアル内腔スパイク
137…液瓶ストッパ穿刺カニューレ
138…薬瓶ストッパ穿刺カニューレ
139…雄ロックコネクタ
141…液体移送用内腔
142…空気移送用内腔
201…液瓶アダプタ
202…一体型単一内腔液瓶ストッパ穿刺カニューレ
202…液瓶ストッパ穿刺カニューレ
203…簡易着脱式薬瓶アダプタ
204…一体型単一内腔薬瓶ストッパ穿刺カニューレ
20A…長手方向薬瓶軸線
301…液瓶アダプタ
302…一体型デュアル内腔液瓶ストッパ穿刺カニューレ
303…簡易着脱式薬瓶アダプタ
304…一体型デュアル内腔薬瓶ストッパ穿刺カニューレ
30A…長手方向液瓶軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
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図12