特許第6358742号(P6358742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6358742
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】マスカラ用アプリケータ
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
   A45D34/04 515Z
   A45D34/04 510A
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-148172(P2014-148172)
(22)【出願日】2014年7月18日
(65)【公開番号】特開2016-22157(P2016-22157A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000140915
【氏名又は名称】株式会社カツシカ
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(72)【発明者】
【氏名】垂水 博士
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 南
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−529534(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3188487(JP,U)
【文献】 特開2007−307311(JP,A)
【文献】 実開平05−088410(JP,U)
【文献】 特開2007−044524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状化粧料(A)を収容する容器本体(1)と、該容器本体(1)の口部(13)を密閉するキャップ(2)と、該キャップ(2)の天井面(22)に後端が連結された塗布棒(3)と、弾性を有し前記容器本体(1)の口部(13)に止着され液状化粧料(A)の付着量を適量に払拭するワイパー(5)とを備える液状化粧料容器に於いて、前記塗布棒(3)の先端に止着されるアプリケータ(4)であって、
該アプリケータ(4)は弾性を有し、複数の針状毛(44)を一体に設けた成形ブラシ部(42)を有し、
該成形ブラシ部(42)の針状毛(44)は、基部(43)の軸心(B)と略平行に列をなし、該列は複数列が基部(43)の周方向に連成して配置され、該列は成形ブラシ部(42)の軸方向の中央領域(C)において、毛足の短い短毛列群(45)と、該短毛列群(45)よりも毛足の長い長毛列群(46)を周方向に分けて配置し、該長毛列群(46)は、成形ブラシ部(42)の先端(61)の側において短毛である短毛部位(63)を構成し、更に長毛列群(46)中に中心列(49)を設定し、該中心列(49)に少なくとも隣接する1列を、前記短毛部位(63)に於いて中心列(49)方向に接近させて配置された収束列(40)を構成しているマスカラ用アプリケータ。
【請求項2】
前記中心列(49)は、針状毛(44)を有する少なくとも1列、若しくは針状毛(44)を有さない空白列のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のマスカラ用アプリケータ。
【請求項3】
前記収束列(40)は、前記短毛部位(63)に於いて、前記中心列(49)方向に湾曲した湾曲列であることを特徴とする請求項1若しくは2いずれかの項記載のマスカラ用アプリケータ。
【請求項4】
前記収束列(40)は、直線状の列であり、成形ブラシ部(42)の先端(61)に向かって中心列(49)方向に収束するよう角度をつけて配置したことを特徴とする請求項1若しくは2いずれかの項記載のマスカラ用アプリケータ。
【請求項5】
前記収束列(40)は、前記中心列(49)より離れた列ほど、湾曲率若しくは中心列(49)に対しての角度のいずれかを大きくしたことを特徴とする請求項3若しくは4いずれかの項記載のマスカラ用アプリケータ。
【請求項6】
前記成形ブラシ部(42)の周方向に対しての長毛列群(46)の広がり(E)は、短毛列群(45)の広がり(F)よりも狭い範囲に設けられていることを特徴とする請求項1〜5いずれかの項記載のマスカラ用アプリケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスカラなどの液状化粧料容器に関する。詳しくは、キャップの天井部分に後端が連結した塗布棒の先端に設けられる、マスカラ液を塗布するアプリケータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マスカラ用の液状化粧料を塗布する場合、マスカラ用アプリケータには、液状化粧料をまつ毛に塗布する機能、液状化粧料が付着したまつ毛をとかす機能、細部に塗布したり微調整したりする機能などが求められていた。そこで、アプリケータ先端部分の毛の密度を上げて微細塗布しやすくしたり(特許文献1参照)、部分的に毛足を長くしてまつ毛をとかしやすくしたり(特許文献2参照)していた。また近年では、アプリケータ全体をエラストマー樹脂のような弾性を有した樹脂で一体に成形した成形ブラシ(特許文献3参照)が主流になりつつある。この成形ブラシは、金型構造、金型コストの関係で、針状の毛が塗布部の軸線と略平行に並んだ構成が多く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−307311号公報
【特許文献2】実開平5−88410号公報
【特許文献3】特開2007−44524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、成形ブラシは、毛の1本1本を金型に彫り込んで成形するため、毛の配置、密度に機械加工上の制限があった。したがって、上記3種の機能を明確に付加するのは困難であった。特に細部に塗布したり微調整したりするためには、部分的に毛の密度を上げる必要があった。そのためには、列中の毛の間隔を狭くする方法、若しくは塗布部中の列の本数を増やして、列の間隔を狭くする方法しかなかった。現状でも毛の間隔や列の間隔は、金型作成上の限界に近いため、大幅に毛の密度を上げることはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
液状化粧料を収容する容器本体と、該容器本体の口部を密閉するキャップと、該キャップの天井面に後端が連結された塗布棒と、弾性を有し前記容器本体の口部に止着され液状化粧料の付着量を適量に払拭するワイパーとを備える液状化粧料容器に於いて、前記塗布棒の先端に止着されるアプリケータであって、該アプリケータは弾性を有し、複数の針状毛を一体に設けた成形ブラシ部を有し、該成形ブラシ部の針状毛は、基部の軸心と略平行に列をなし、該列は複数列が基部(43)の周方向に連成して配置され、該列は成形ブラシ部の軸方向の中央領域において、毛足の短い短毛列群と、該短毛列群よりも毛足の長い長毛列群を周方向に分けて配置し、該長毛列群は、成形ブラシ部の先端の側において短毛である短毛部位を構成し、更に長毛列群中に中心列を設定し、該中心列に少なくとも隣接する1列を、前記短毛部位に於いて中心列方向に接近させて配置された収束列を構成する。
【0006】
前記中心列は、針状毛を有する少なくとも1列、若しくは針状毛を有さない空白列とする。また、前記収束列は、前記短毛部位に於いて、中心列方向に湾曲した湾曲列、若しくは、直線状の列であり、成形ブラシ部の先端に向かって中心列方向に収束するよう角度をつけて配置する。また、収束列が複数列並んでいる場合には、前記中心列より離れた列ほど、湾曲率若しくは中心列に対しての角度のいずれかを大きくする。
【0007】
前記成形ブラシ部の長毛列群の周方向に対しての広がりは、短毛列群の周方向に対しての広がりよりも狭い範囲に設ける。
【発明の効果】
【0008】
本発明は以上のように、成形ブラシ部の針状毛は、基部の軸心と略平行に列をなし、該列は複数列が基部の周方向に連成して配置され、該列は成形ブラシ部の軸方向の中央領域において、毛足の短い短毛列群と、該短毛列群よりも毛足の長い長毛列群に分けて配置し、該長毛列群は、成形ブラシ部の先端の領域において短毛である短毛部位を構成し、更に長毛列群中に中心列を設定し、該中心列に少なくとも隣接する1列を前記短毛部位に於いて中心列方向に接近させて配置された収束列を構成している。そして、毛足の長さによって液状化粧料を塗布する塗布部(短毛列群)と、まつ毛をとかすコーム部(長毛列群の中央部)とを構成し、加えて長毛列群の短毛部位を微細塗布部として、3通りの塗布部分を構成している。しかも、収束列を湾曲、若しくは直線状の収束列を角度を変えて配置するため、先端に行くにつれて徐々に針状毛の密度が増えており、違和感なく使用できるようになっている。しかも、収束列の本数、収束列の湾曲の度合い、若しくは配置角度を変えることによって毛の密度を自由に設定できる。更に、針状毛の列の本数はどの位置でも同じなので、現行の金型構造の範囲で実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明実施例の液状化粧料容器の正面断面図である。
図2】本発明マスカラ用アプリケータの斜視図である。
図3】本発明マスカラ用アプリケータの側断面図である。
図4図3に於けるC矢視部断面図である。
図5図4に於けるD矢視部断面図である。
図6】本発明マスカラ用アプリケータの微細塗布部の針状毛配置説明図である。
図7】本発明マスカラ用アプリケータの他の実施例の断面図である。
図8】本発明マスカラ用アプリケータの他の実施例の微細塗布部の針状毛配置説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明マスカラ用アプリケータについて説明する。先ず、本発明のマスカラ用アプリケータを装着した液状化粧料容器について図1によって説明する。図1は、液状化粧料容器の正面断面図を表す。図において、液状化粧料容器は、マスカラ液などの液状化粧料Aを収容する筒状の容器本体1と、該容器本体1に螺合閉蓋するキャップ2より構成される。
【0011】
容器本体1は上部に首部11を設けている。この首部11の上端には、口部13が開口し、首部11の外周に雄ネジ12を螺設している。キャップ2は、容器本体1の首部11に嵌合するようになっている。このキャップ2の内側壁には、容器本体1の首部11の雄ネジ12と螺合して容器本体1を閉蓋する雌ネジ21を螺設している。このキャップ2の天井面22には、塗布棒3の後端が連結されている。
【0012】
この塗布棒3は、キャップ2を容器本体1に嵌合する時、容器本体1の口部13より容器本体1内に挿入される。この塗布棒3の先端には、アプリケータ4を止着している。
【0013】
このアプリケータ4は、基部43より針状毛44が立設した形状をしており、この基部43の外径は、塗布棒3の外径よりも若干小径になっている。このアプリケータ4は、熱可塑性の樹脂若しくは熱硬化性の樹脂により一体に成形されている。
【0014】
また、容器本体1の口部13には、ワイパー5を止着している。このワイパー5は、ゴム、エラストマー樹脂などの軟質素材より成形されている。このワイパー5には、前記塗布棒3及びアプリケータ4が貫通する払拭穴51を穿設している。この払拭穴51の内径は、塗布棒3の外径よりも若干小径で、アプリケータ3の基部43外径よりも若干大径になっており、キャップ2を抜脱した際、塗布棒3に付着した液状化粧料Aを払拭し、アプリケータ4に付着する液状化粧料Aを適量に調整するようになっている。また、ワイパー5の上端は、容器本体1の口部13上端より突出し、容器本体1にキャップ2を嵌合させた際、キャップ2の天井面22に当接し、容器本体1内を密閉するパッキン52になっている。
【0015】
次に、本発明実施例のマスカラ用アプリケータの詳細について図2乃至図6により説明する。図2は、本発明マスカラ用アプリケータの斜視図で、図3は側断面図である。アプリケータ4は、前述した基部43と針状毛44とから成る成形ブラシ部42と、塗布棒3に連結する連結部41とより成っており、エラストマー樹脂など、弾性を有した樹脂により一体に成形されている。
【0016】
この連結部41は、前記塗布棒3の先端に穿設した連結穴31に挿入、カシメ固定して、塗布棒3の先端にアプリケータ4を固定している。成形ブラシ部42の基部43は、前記連結部41と同軸で、塗布棒3の先端より突出している。この基部43より針状毛44が立設している。
【0017】
この針状毛44は、成形する金型の関係で、軸心Bと略平行に列を成している。この針状毛44の列は、基部43の周方向にわたって、かつ基部43の軸方向にわたって配置されている。この針状毛44の間隔(毛と毛の間の距離)Gは、0.05mm乃至1.0mmになっている(図3、6参照)。また、針状毛44の列数は、全体で4列乃至32列の範囲で設けている。
【0018】
この針状毛44の列は、図4の断面図に示したように、成形ブラシ部42の長手方向の中央領域(図3に於けるC矢視部)において、毛足の短い短毛列群45と、この短毛列群45よりも毛足の長い長毛列群46に分けて設けている。また、長毛列群46は横方向から見ると、図3のように、成形ブラシ部42の中央領域(C矢視部)の針状毛44の毛足が最も長く、その両側が短いアーチ状をしている。この長毛列群46の先端61側の短毛部位63(D矢視部)の基部43における長手方向の長さは、1.0mm乃至10.0mm程度である。そして短毛列群45は、液状化粧料Aをまつ毛に塗布する塗布部47となり、長毛列群46の中央領域(毛足の長い部分、C矢視部)は、液状化粧料Aが付着したまつ毛をとかすコーム部62となり、長毛列群46の短毛部位63は、まつ毛の細部に塗布する微細塗布部48となっている。
【0019】
図4にあるように、この長毛列群46の周方向に対しての広がりの角度(長毛列群46の両端の針状毛44の間の角度)Eは、短毛列群45の周方向に対しての広がりの角度(短毛列群45の両端の針状毛44の間の角度)Fよりも小さくなっている。更に、長毛列群46は、中央領域(C矢視部)がまつ毛をとかすコーム部62となるため、1列では充分なコーミング(まつ毛をとかす)効果を期待できず、その機能を発揮するには少なくとも2列が必要となる。しかも、針状毛44にまつ毛が絡む様、それぞれの列の針状毛44を千鳥状に配置する必要がある。
【0020】
次に、微細塗布部48について図によって説明する。図5は微細塗布部48(図3に於けるD矢視部)の断面図、図6は微細塗布部48の針状毛44及びその列の配置説明図である。微細塗布部48は、長毛列群46の中の特定の列(図に於いては中央の列)が中心列49となっており、この中心列49を中心として、先端61の微細塗布部48に於いて、両側の列がそれぞれ中心列49の方向に収束した収束列40となっている。その結果、微細塗布部48は他所と比較して針状毛44の密度が増大し、針状毛44が短くなっていることも合わせて、液状化粧料Aの保持量、微細塗布性が向上する。この中心列49の列の本数は、0(空白列)若しくは1列以上が可能である。また、収束列40の列の本数は合計で1列以上が可能である。
【実施例1】
【0021】
次に、本発明のマスカラ用アプリケータを実施する場合について説明する。まず、本発明のマスカラ用アプリケータの素材であるが、熱可塑性樹脂、熱硬化性エラストマー樹脂を用いることが望ましい。この熱可塑性樹脂としては、具体的に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセテートなどの樹脂、更には、エチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、アミド系などの熱可塑性エラストマー樹脂を用いることができる。また、熱可塑性エラストマーとしては、具体的に、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ニトリル系ゴム、クロロプレン系ゴム、ポリブタジエン系ゴムなどの合成ゴムを用いることができる。
【0022】
成形ブラシ部42の基部43に設けられた針状毛44の列は、4列乃至32列程度と述べたが、最適では図4に示したように16列程度である。この針状毛44の列は、基部43の軸心B方向に並んでいればよく、必ずしも直線状である必要も、軸心Bと平行である必要も、列同士が平行に並ぶ必要もない。
【0023】
また、列中の針状毛44の間隔(毛と毛の間の長さ)Gは、0.05mm乃至1.0mmと述べたが、最適では0.5mm程度である。更に、隣り合った列の針状毛44は、図6に示したように、千鳥状に交互に配置し、針状毛44が重ならないようにしている。そのため、必要に応じて列中の針状毛44の間隔を変えて対応する。
【0024】
また、針状毛44の列を周方向に16列設けた場合には、長毛列群46を5列、短毛列群45を残り11列にする。そして、図4に示したように、針状毛44の列(16列)を基部43周方向全周に均等に配設した場合には、針状毛44の列の周方向の角度間隔は22.5°となる。更に、全16列中の長毛列群46と短毛列群45の列数を、前述のようにそれぞれ5列及び11列にした場合には、長毛列群46の周方向に対しての広がりの角度Eは90°、短毛列群45の周方向に対しての広がりの角度Fは225°となる。
【0025】
また、針状毛44の列を基部43の全周に不均等に配置した一例を図7によって説明する。図7に於ける長毛列群46と短毛列群45の配置は、長毛列群46と短毛列群45の間に隙間64を設けたものである。具体的には、長毛列群46は5列、その周方向に対しての角度間隔が15°、その広がりが60°、短毛列群45は11列、その周方向に対しての角度間隔が22.5°、その広がりが225°、長毛列群46と短毛列群45との間の周方向に対しての角度隙間64がそれぞれ37.5°としている。
【0026】
針状毛44の長さであるが、短毛列群45中の針状毛44の長さは、0.5mm乃至3.0mm、最適では、1.0mm乃至2.2mm程度である。長毛列群46中の針状毛44の長さは、最も長い部位(図3に於けるC矢視部)で、1.0mm乃至5.0mm、最適では、2.0mm乃至4.0mm程度である。長毛列群46中の短毛部位63の針状毛44の長さは、0.5mm乃至4.0mm、最適では、1.0mm乃至3.0mm程度である。なお、長毛列群46中の短毛部位63の針状毛44の長さは、短毛列群45の針状毛44の長さに制約を受けず、短毛列群45の針状毛44の長さよりも短くても、長くても良い。
【0027】
なお、長毛列群46と短毛列群45中の針状毛44の長さは、図7に示したように明確に区別しても良く、逆に図4に示したように短毛列群45の、長毛列群46との接した部分の針状毛44の長さを徐々に長くし、短毛列群45と長毛列群46の間に段差を無くす事もできる。この場合、長毛列群46と短毛列群45の区別が不明瞭となるが、その境を明確する必要がなく、図4の断面図に示したように、成形ブラシ部のほぼ中央部分で、およそ毛の長さがモヒカン状になった部分が長毛列群46と考えればよい。
【0028】
次に微細塗布部48の実施例について説明する。微細塗布部48の基部43における長手方向の長さは、1.0mm乃至10.0mm程度であると述べたが、最適では3.0mm乃至7.0mm程度である。また、図6に於いては、5列ある長毛列群46の中央の1列が中心列49であり、両側のそれぞれ2列が収束列40となる。この収束列40は、コーム部62では中心列49と平行であるが、短毛部位63になると中心列49の方向に向かって湾曲している。また、4列ある収束列40のうち、中心列49に近い側の収束列40(内側の収束列40a)よりも外側の収束列40bの方が曲率(曲がる量)が大きく、微細塗布部48の先端61に近づくにつれ収束率が高くなり、針状毛44の密度が高くなる。
【0029】
更に、図8に示した微細塗布部48の他の実施例について説明する。中心列49の両側の収束列40は、直線状であり、コーム部62より中心列49の先端61方向に収束している。つまり、中心列49と収束列40は平行ではなく、先端61に行くほどその間隔が狭まるよう、角度を変えて配置している。したがって、内側の収束列40aよりも外側の収束列40bの方が中心列49に対しての傾きが大きく、先端部61に近づくにつれ、針状毛44の密度が高くなる。
【0030】
本発明に於いて中心列49は、長毛列群46の中央の列に設定したが、長毛列群46のどちらかに片寄って設けることも可能である。また、中心列49の列の本数も、0若しくは1本以上が可能であると述べたが、長毛列群46の列の本数によっては複数列でも良い。また、中心列49の本数が0とは、中心列49を針状毛44のない空白部分を中心列とすることある。更に、収束列40は、中心列49を挟んで同じ本数を設ける必要もなく、一方の本数を多くし、収束列40を偏在させても良い。
【0031】
微細塗布部48の最小構成は、中心列49が針状毛44の列の場合には、中心列49及び収束列40が各1列で、中心列49が針状毛44のない空白列の場合には、収束列40が2列でそれぞれ構成可能である。したがって、長毛列群46の全ての列を使用して微細塗布部48を構成する必要もなく、部分的に一部の列を利用して微細塗布部48を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 容器本体
2 キャップ
3 塗布棒
4 アプリケータ
5 ワイパー
11 首部
12 雄ネジ
13 口部
21 雌ネジ
22 天井面
31 連結穴
40 収束列
40a 内側の収束列
40b 外側の収束列
41 連結部
42 成形ブラシ部
43 基部
44 針状毛
45 短毛列群
46 長毛列群
47 塗布部
48 微細塗布部
49 中心列
51 払拭穴
52 パッキン
61 先端
62 コーム部
63 短毛部位
A 液状化粧料
B 軸心
C 成形ブラシ部の中央部
D 成形ブラシ部の先端部
E 長毛列群の広がりの角度
F 短毛列群の広がりの角度
G 針状毛の間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8