特許第6358749号(P6358749)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6358749集水桝へ設置される兼用型ゴミキャッチ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6358749
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】集水桝へ設置される兼用型ゴミキャッチ装置
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/14 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
   E03F5/14
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-255767(P2014-255767)
(22)【出願日】2014年12月18日
(65)【公開番号】特開2016-113865(P2016-113865A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】391013416
【氏名又は名称】ゴトウコンクリート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082658
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 儀一郎
(72)【発明者】
【氏名】松林 秀佳
【審査官】 佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3033913(JP,U)
【文献】 実開平06−023422(JP,U)
【文献】 特開2014−058804(JP,A)
【文献】 特開2008−259479(JP,A)
【文献】 特開平10−280331(JP,A)
【文献】 特開平09−137549(JP,A)
【文献】 実開平06−035387(JP,U)
【文献】 特開平10−230288(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/036569(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0166279(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0134081(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 1/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側溝と集水桝が連結されて水路が形成され、前記連結された側溝の底面から集水桝底面までの長さが異なる各種集水桝へ設置される兼用型ゴミキャッチ装置であり、
略方形状に形成した枠体と、リング状をなす凹部が外周面を囲んで長手方向に向かい複数個連続形成された棒状基体により形成された脚部構成部材と、を備え、
前記枠体を構成する一対の平行する枠体構成部に、脚部構成部材の基部を添設して固着し、4本の脚つき収集枠体を構成し、
前記4本の脚には、各々、パイプ状の長さ調整部材を被嵌し、脚の長さを、連結された側溝の底面から集水桝底面までの長さに調整し、該長さ調整部材の外側から締め付けて前記リング状をなす凹部内に前記長さ調整部材を折り曲げて係止させ、該収集枠体内に収集ネットを装着して、集水桝内へ設置した、
ことを特徴とする集水桝へ設置される兼用型ゴミキャッチ装置。
【請求項2】
側溝と集水桝が連結されて水路が形成され、前記連結された側溝の底面から集水桝底面までの長さが異なる各種集水桝へ設置される兼用型ゴミキャッチ装置であり、
略方形状に形成した枠体と、リング状をなす凹部が外周面を囲んで長手方向に向かい複数個連続形成された棒状基体を逆凹状に折り曲げ、一対の脚部と、該脚部を連結する基部と、を有して構成された脚部構成部材と、を備え、
前記枠体を構成する一対の平行する枠体構成部に、脚部構成部材の前記基部を添設して固着し、4本の脚つき収集枠体を構成し、
前記4本の脚には、各々、パイプ状の長さ調整部材を被嵌し、脚の長さを、連結された側溝の底面から集水桝底面までの長さに調整し、該長さ調整部材の外側から締め付けて前記リング状をなす凹部内に前記長さ調整部材を折り曲げて係止させ、該収集枠体内に収集ネットを装着して、集水桝内へ設置した、
ことを特徴とする集水桝へ設置される兼用型ゴミキャッチ装置。
【請求項3】
前記枠体と脚部構成部材は、異形鉄筋で構成した、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の集水桝へ設置される兼用型ゴミキャッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集水桝と連結された側溝の底面から集水桝底面までの長さが異なる各種集水桝へ設置される兼用型ゴミキャッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、側溝には土砂などを集める集水桝が連結されており、該集水桝には泥溜め部があって、該泥溜め部に溜まった泥を定期的にスコップなどで取り除き、側溝部に土砂が堆積しないようにしていた。
尚、従来では例えば、特開平10−159165号公開公報の様に、側溝から会所(桝)へボールやゴミ等が落ちないよう、また側溝へボールや落ち葉等が落ちても簡単に拾えるよう会所(桝)の入り口手前に設置するためのゴミキャッチネットの提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−159165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ひとつひとつの集水桝の清掃をすべて行うのは大変な重労働であり、時間と手間がかかる。特に法面部の小段にある集水桝(図7参照)や高速道路脇の桝では、清掃時に危険も伴うとの課題があった。
また、集水桝と連結された側溝の底面から集水桝底面までの長さが異なる各種集水桝、すなわち、集水桝の深さが異なる各種の集水桝が存在しており、これら深さの異なる集水桝については、深さの異なるゴミキャッチ装置を設置しなければならないとの課題があった。
【0005】
かくして、本発明は前記従来の課題に対処すべく創案されたものであって、集水桝への設置が簡単で、また、堆積した土砂やゴミ等の処分も簡単かつ安全に処分することができ、よって集水桝内の掃除のコストを下げることができ、さらには、深さの異なる集水桝についても、深さの異なるゴミキャッチ装置を設置することなく、一種類のゴミキャッチ装置で兼用できる集水桝のゴミキャッチ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
側溝と集水桝が連結されて水路が形成され、前記連結された側溝の底面から集水桝底面までの長さが異なる各種集水桝へ設置される兼用型ゴミキャッチ装置であり、
略方形状に形成した枠体と、リング状をなす凹部が外周面を囲んで長手方向に向かい複数個連続形成された棒状基体により形成された脚部構成部材と、を備え、
前記枠体を構成する一対の平行する枠体構成部に、脚部構成部材の基部を添設して固着し、4本の脚つき収集枠体を構成し、
前記4本の脚には、各々、パイプ状の長さ調整部材を被嵌し、脚の長さを、連結された側溝の底面から集水桝底面までの長さに調整し、該長さ調整部材の外側から締め付けて前記リング状をなす凹部内に前記長さ調整部材を折り曲げて係止させ、該収集枠体内に収集ネットを装着して、集水桝内へ設置した、
ことを特徴とし、
または、
側溝と集水桝が連結されて水路が形成され、前記連結された側溝の底面から集水桝底面までの長さが異なる各種集水桝へ設置される兼用型ゴミキャッチ装置であり、
略方形状に形成した枠体と、リング状をなす凹部が外周面を囲んで長手方向に向かい複数個連続形成された棒状基体を逆凹状に折り曲げ、一対の脚部と、該脚部を連結する基部と、を有して構成された脚部構成部材と、を備え、
前記枠体を構成する一対の平行する枠体構成部に、脚部構成部材の前記基部を添設して固着し、4本の脚つき収集枠体を構成し、
前記4本の脚には、各々、パイプ状の長さ調整部材を被嵌し、脚の長さを、連結された側溝の底面から集水桝底面までの長さに調整し、該長さ調整部材の外側から締め付けて前記リング状をなす凹部内に前記長さ調整部材を折り曲げて係止させ、該収集枠体内に収集ネットを装着して、集水桝内へ設置した、
ことを特徴とし、
または、
前記枠体と脚部構成部材は、異形鉄筋で構成した、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明であれば、集水桝への設置が簡単で、また、堆積した土砂やゴミ等の処分も簡単かつ安全に処分することができ、よって集水桝内の掃除のコストを下げることができ、さらには、深さの異なる集水桝についても、深さの異なるゴミキャッチ装置を設置することなく、一種類のゴミキャッチ装置で兼用できるとの優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1に本発明による集水桝のゴミキャッチ装置1の構成を示す。
本発明において、側溝と集水桝とが接続されて排水路が構成されている。ここで、本発明による集水桝のゴミキャッチ装置1は、連結された側溝2の底面3から集水桝底面4までの長さが異なる各種集水桝へ設置される兼用型ゴミキャッチ装置1として構成される。
【0010】
この兼用型ゴミキャッチ装置1は、略方形状に折曲して形成した枠体5と、リング状をなす凹部6が外周面を囲んで長手方向に向かい複数個連続形成された棒状基体7により構成された脚部構成部材10とを備えて構成される。
そして、前記枠体5を構成する一対の平行する枠体構成部11の両端部(枠体5の隅角部)に、脚部構成部材10の基端部17を添設して固着し、もって4本の脚つき収集枠体12を構成してある(図1参照)。
【0011】
ところで、前述したように、集水桝と連結された側溝2の底面3から集水桝底面4までの長さが異なる集水桝はきわめて多く存在している。
その理由は、現場での施工において、若干の施工誤差が生じた場合や現場の設置環境により意識的に集水桝と連結された側溝2の底面3から集水桝底面4までの長さを一定の基準長さより変更せざるを得なかった場合などが考えられる。
【0012】
しかしながら、いずれにしても本発明のゴミキャッチ装置の高さは、側溝底面3と略面一状態にすることが好ましい。すなわち、側溝底面3よりゴミキャッチ装置の高さが高い場合には、側溝2から流れてきたゴミが前記ゴミキャッチ装置に邪魔されて集水桝内に流れ込まず、また、側溝底面3よりゴミキャッチ装置の高さが低い場合には、集水桝の容量に見合った、すなわち集水桝容量いっぱいのゴミ収集が出来ないからである。
【0013】
よって、それぞれの集水桝と連結された側溝2の底面3から集水桝底面4までの長さに合わせた脚部8の長さを有するゴミキャッチ装置を複数種類用意すべきであるが、それはきわめて不経済である。
【0014】
しかして、本発明は、前記4本の脚部8に、各々、パイプ状の長さ調整部材13を被嵌し、ゴミキャッチ装置の脚部8の長さが自由に調整できるものとした。
すなわち、前記長さ調整部材13を用いて脚部8の長さを連結された側溝2の底面3から集水桝底面4までの長さに調整するのである。
【0015】
その方法は、前記脚部8に長さ調整部材13を被せ、脚部8の長さにつき長さ調整部材13を使って所定の長さにする。そして、所定の長さに決定した後、長さ調整部材13の外側から脚部8側に締め付ける。
すなわち、脚部8の外周面に設けられたリング状をなす凹部6内に係止するよう前記長さ調整部材13を折り曲げ締め付けるのである。そして、この作業は4本の脚部8についてそれぞれ行う。
【0016】
これによって、脚部8の長さを、連結された側溝2の底面3から集水桝底面4までの長さに簡単に調整できる。
次いで、脚部8の長さが調整された収集枠体12内に収集ネット14を装着して、各々の集水桝内へ設置すればよい。
尚、リング状をなす凹部6が外周面を囲んで長手方向に向かい複数個連続形成された棒状基体7については、異形鉄筋を使用することが考えられる。
【0017】
符号14はゴミ収集ネットであり、該ゴミ収集ネット14は、ネット15と紐16とを有して構成されている。
ネット15は、前記収集枠体12を覆うように設置され、土砂やゴミを収集する。また、紐16は、前記ネット15の開口部を縛って収集枠体12に固定する構成とされている。
【0018】
尚、図を参照すると理解できるとおり、脚部8を方形状の枠体5の少し内側に位置させて添着してあることで、枠体5の下側に窪みができる形になる。これにより、ネット15が取り付けやすく、また外れにくくなる。
すなわち、前記ネット15を取り付ける際、ネット15が前記枠体5をすっぽりと覆うことができ、該ネット15上部を枠体5に沿って裏返して前記紐16を縛れば、前記窪みに該紐16がくい込んでネット15を枠体5にしっかりと固定することができる。
【0019】
なお、収集枠体12は鉄などの重さのあるもので構成させることが好ましい。鉄などの重さのある収集枠体12に前記ネット15を取り付けて集水桝に設置すると、収集枠体12の重さでネット15が水に流されることはない。
【0020】
しかして、集水桝に設置された前記ゴミキャッチ装置1は、流れ込んでくる土砂やゴミを収集する。
そして、堆積した土砂やゴミは、前記ネット15ごと取りだし、そのまま紐16を縛ってネット開口部を閉じることで、当該ネットごと処分することができる。このように、土砂やゴミを簡単に収集、かつ処分できることがポイントである。
【0021】
従来のようにスコップを用いて土砂等を取り除く手間を省くことができると共に、特に、法面部の小段にある集水桝や高速道路脇の桝など作業が危険な場所での処分を簡単かつ短時間で行うことができるのである。
前記の通り集水桝の掃除を簡単に行うことができるため、作業の安全性を増すことができるだけでなく、メンテナンスコストを下げることもできる。
また、このゴミキャッチ装置は、深さの異なる集水桝についても、深さの異なるゴミキャッチ装置を製作して対応することなく、一種類のゴミキャッチ装置で兼用できるものとなる。
【0022】
次に、図2に本発明による集水桝のゴミキャッチ装置1の第2実施例の構成を示す。
【0023】
本実施例においても、側溝と集水桝とが接続されて排水路が構成されている。そして、本実施例による集水桝のゴミキャッチ装置1についても、連結された側溝2の底面3から集水桝底面4までの長さが異なる各種集水桝へ設置される兼用型ゴミキャッチ装置1として構成される。
【0024】
この兼用型ゴミキャッチ装置1は、略方形状に折曲して形成した枠体5と、リング状をなす凹部6が外周面を囲んで長手方向に向かい複数個連続形成された棒状基体7を逆凹状に折り曲げ、形成された一対の脚部8と、該脚部8を上部で略直角方向に連結する基部9と、を有して構成された脚部構成部材10とを備えて構成されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による集水桝のゴミキャッチ装置の構成を説明する構成説明図(その1)である。
図2】本発明による集水桝のゴミキャッチ装置の構成を説明する構成説明図(その2)である。
図3】本発明による集水桝のゴミキャッチ装置の構成を説明する構成説明図(その3)である。
図4】本発明による集水桝のゴミキャッチ装置の構成を説明する構成説明図(その4)である。
図5】本発明による集水桝のゴミキャッチ装置の使用状態を説明する説明図(その1)である。
図6】本発明による集水桝のゴミキャッチ装置の構成を説明する構成説明図(その5)である。
図7】本発明による集水桝のゴミキャッチ装置の使用状態を説明する説明図(その2)である。
【符号の説明】
【0026】
1 ゴミキャッチ装置
2 側溝
3 側溝底面
4 集水桝底面
5 枠体
6 凹部
7 棒状基体
8 脚部
9 基部
10 脚部構成部材
11 枠体構成部
12 収集枠体
13 長さ調整部材
14 ゴミ収集ネット
15 ネット
16 紐
17 基端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7