特許第6358791号(P6358791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 ミックウェアの特許一覧

<>
  • 特許6358791-飛行体制御システム 図000002
  • 特許6358791-飛行体制御システム 図000003
  • 特許6358791-飛行体制御システム 図000004
  • 特許6358791-飛行体制御システム 図000005
  • 特許6358791-飛行体制御システム 図000006
  • 特許6358791-飛行体制御システム 図000007
  • 特許6358791-飛行体制御システム 図000008
  • 特許6358791-飛行体制御システム 図000009
  • 特許6358791-飛行体制御システム 図000010
  • 特許6358791-飛行体制御システム 図000011
  • 特許6358791-飛行体制御システム 図000012
  • 特許6358791-飛行体制御システム 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6358791
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】飛行体制御システム
(51)【国際特許分類】
   B64C 13/20 20060101AFI20180709BHJP
   G05D 1/00 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   B64C13/20 Z
   G05D1/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-210196(P2013-210196)
(22)【出願日】2013年10月7日
(65)【公開番号】特開2015-74277(P2015-74277A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年9月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 誠
【審査官】 諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0167599(US,A1)
【文献】 特開2013−010499(JP,A)
【文献】 特開2013−18480(JP,A)
【文献】 特開平7−69299(JP,A)
【文献】 特開2010−214979(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02555072(EP,A2)
【文献】 特開2007−237873(JP,A)
【文献】 特開2009−223407(JP,A)
【文献】 特開2004−175209(JP,A)
【文献】 特開2013−177120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64B 1/00 − B64G 99/00
G05D 1/00 − G05D 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
末装置と、飛行体とを備える飛行体制御システムであって、
記端末装置は、
図上の位置を示す地図位置情報を有する情報であり、地図を示す地図情報が格納される地図情報格納部と、
記飛行体の3次元の位置を示す飛行体位置情報を、前記飛行体から受信する受信部と、
記地図情報と、前記受信部が受信した前記飛行体位置情報とを用いて、当該飛行体位置情報が示す前記飛行体の位置を基点とした前記飛行体の飛行可能な範囲の条件である飛行範囲条件を満たす2以上の位置情報からなる飛行経路を示す飛行情報を取得する飛行情報取得部と、
記飛行情報取得部が取得した前記飛行情報を、前記飛行体に送信する送信部とを備え、
記飛行体は、
前記飛行体位置情報を取得する飛行体位置情報取得部と、
記飛行体位置情報取得部が取得した前記飛行体位置情報を、前記端末装置に送信する飛行体送信部と、
前記飛行情報を前記端末装置から受信する飛行体受信部と、
記飛行体受信部が受信した前記飛行情報が示す前記飛行経路に従い飛行するように前記飛行体を制御する飛行体制御部とを備え、
前記飛行情報取得部は、前記飛行範囲条件を満たす2以上の位置情報および当該2以上の位置間のコストを有する飛行可能グラフを作成し、前記飛行体の位置情報を当該飛行可能グラフに適用して前記飛行情報を取得する飛行体制御システム。
【請求項2】
前記飛行情報取得部は、前記地図情報と、前記受信部が受信した前記飛行体位置情報とを用いて、当該飛行体位置情報が示す出発位置から、予め決められた条件を満たす上空の到着位置までの前記飛行経路を探索し、当該飛行経路を示す前記飛行情報を取得し、
前記飛行体制御部は、前記飛行体受信部が受信した前記飛行情報が示す前記飛行経路に従い飛行するように前記飛行体を制御する請求項1記載の飛行体制御システム。
【請求項3】
記飛行情報取得部は、前記地図情報と、前記受信部が受信した前記飛行体位置情報とを用いて、当該飛行体位置情報が示す出発位置から、予め決められた条件を満たす地上の着陸位置までの前記飛行経路を探索し、当該飛行経路を示す前記飛行情報を取得し、
記飛行体制御部は、前記飛行体受信部が受信した前記飛行情報が示す前記飛行経路に従い飛行し、当該飛行情報が示す前記着陸位置に着陸するように前記飛行体を制御する請求項1または請求項2記載の飛行体制御システム。
【請求項4】
前記飛行体は、前記端末装置との通信が可能であるか否かを判断する飛行体判断部をさらに備え、
前記飛行体制御部は、前記飛行体受信部による前記飛行情報の受信後に、前記飛行体判断部が、前記端末装置との通信が可能でないと判断した場合、前記飛行体受信部が受信した前記飛行情報が示す前記飛行経路または前記着陸位置に従い飛行または着陸するように前記飛行体を制御する請求項3記載の飛行体制御システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置と飛行体とを備える飛行体制御システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、飛行型のラジコン模型が開発されている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“EP キャリバー 450V”、[online]、京商株式会社、[2013年9月12日検索]、インターネット[URL;http://www.kyosho.com/jpn/products/rc/detail.html?product_id=102194]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、飛行体の位置を基点とする飛行経路または着陸位置を飛行体に送信し、当該飛行経路または着陸位置に従い飛行または着陸することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の開示の飛行体制御システムは、端末装置と、飛行体とを備える飛行体制御システムであって、端末装置は、地図上の位置を示す情報である1以上の地図位置情報を有する情報であり、地図を示す情報である地図情報が格納される地図情報格納部と、飛行体の3次元の位置を示す情報である飛行体位置情報を、飛行体から受信する受信部と、地図情報と、受信部が受信した飛行体位置情報とを用いて、飛行体位置情報が示す飛行体の位置を基点とする飛行経路または着陸位置を示す情報である飛行情報を取得する飛行情報取得部と、飛行情報取得部が取得した飛行情報を、飛行体に送信する送信部とを備え、飛行体は、飛行体位置情報を取得する飛行体位置情報取得部と、飛行体位置情報取得部が取得した飛行体位置情報を、端末装置に送信する飛行体送信部と、飛行情報を端末装置から受信する飛行体受信部と、飛行体受信部が受信した飛行情報が示す飛行経路または着陸位置に従い飛行または着陸するように飛行体を制御する飛行体制御部とを備える飛行体制御システムである。
【0006】
このような構成により、飛行体の位置を基点とする飛行経路または着陸位置を飛行体に送信し、当該飛行経路または着陸位置に従い飛行または着陸することができる。
【0007】
また、本第二の開示の飛行体制御システムは、第一の開示に対して、飛行情報取得部は、地図情報と、受信部が受信した飛行体位置情報とを用いて、飛行体位置情報が示す位置である出発位置から、予め決められた条件を満たす上空の位置である到着位置までの飛行経路を探索し、飛行経路を示す飛行情報を取得し、飛行体制御部は、飛行体受信部が受信した飛行情報が示す飛行経路に従い飛行するように飛行体を制御する飛行体制御システムである。
【0008】
このような構成により、飛行体の位置を基点とする飛行経路を飛行体に送信し、当該飛行経路に従い飛行することができる。
【0009】
また、本第三の開示の飛行体制御システムは、第一の開示に対して、飛行情報取得部は、地図情報と、受信部が受信した飛行体位置情報とを用いて、飛行体位置情報が示す位置である出発位置から、予め決められた条件を満たす地上の位置である着陸位置までの飛行経路を探索し、飛行経路を示す飛行情報を取得し、飛行体制御部は、飛行体受信部が受信した飛行情報が示す飛行経路に従い飛行し、飛行情報が示す着陸位置に着陸するように飛行体を制御する飛行体制御システムである。
【0010】
このような構成により、飛行体の位置を基点とする着陸位置までの飛行経路を飛行体に送信し、当該飛行経路に従い飛行および着陸することができる。
【0011】
また、本第四の開示の飛行体制御システムは、第三の開示に対して、飛行情報取得部は、地図情報と、受信部が受信した飛行体位置情報とを用いて、予め決められた条件を満たす地上の位置である着陸位置を示す飛行情報を取得し、飛行体制御部は、飛行体受信部が受信した飛行情報が示す着陸位置に着陸するように飛行体を制御する飛行体制御システムである。
【0012】
このような構成により、飛行体の位置を基点とする着陸位置を飛行体に送信し、当該着陸位置に従い着陸することができる。
【0013】
また、本第五の開示の飛行体制御システムは、第三または第四の開示に対して、飛行体は、端末装置との通信が可能であるか否かを判断する飛行体判断部をさらに備え、飛行体制御部は、飛行体受信部による飛行情報の受信後に、飛行体判断部が、端末装置との通信が可能でないと判断した場合に、飛行体受信部が受信した飛行情報が示す飛行経路または着陸位置に従い飛行または着陸するように飛行体を制御する飛行体制御システムである。
【0014】
このような構成により、端末装置との通信が可能でない場合に、飛行体の位置を基点とする飛行経路または着陸位置に従い飛行または着陸することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明による飛行体制御システム等によれば、飛行体の位置を基点とする飛行経路または着陸位置を飛行体に送信し、当該飛行経路または着陸位置に従い飛行または着陸することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態1における飛行体制御システム1の概念図
図2】同端末装置11および飛行体12のブロック図
図3】同端末装置11の全体動作について説明するフローチャート
図4】同飛行情報の取得処理について説明するフローチャート
図5】同着陸位置情報の取得処理について説明するフローチャート
図6】同飛行体12の全体動作について説明するフローチャート
図7】同飛行範囲条件を満たす位置情報の例を示す図
図8】同飛行可能グラフの例を示す図
図9】同上空飛行経路情報の例を示す図
図10】同着陸飛行経路情報の例を示す図
図11】上記実施の形態におけるコンピュータシステムの概観図
図12】上記実施の形態におけるコンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による飛行体制御システム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。また、本実施の形態において説明する各情報の形式、内容などは、あくまで例示であり、各情報の持つ意味を示すことができれば、形式、内容などは問わない。
【0018】
(実施の形態1)
本実施の形態において、端末装置11と、飛行体12とを備える飛行体制御システム1について説明する。端末装置11は、飛行体12から受信した位置情報に基づいて、飛行体12の飛行または着陸に要する情報である飛行情報を取得し、飛行体12に送信する。また、飛行体12は、飛行体12の位置を示す位置情報を取得し、端末装置11に送信する。そして、飛行体12は、端末装置11から受信した飛行情報に従い、飛行または着陸する。
【0019】
図1は、本実施の形態における飛行体制御システム1の概念図である。図1において、端末装置11と飛行体12とは、通信手段13を介して通信が可能な状態にある。端末装置11は、通常、飛行体12を操作するコントローラであるが、そうでなくてもよい。当該コントローラは、例えば、飛行体12を操作する専用の装置や、飛行体12を操作するためのアプリがインストールされた携帯電話(スマートフォン)などである。また、飛行体12は、通常、いわゆるラジコン飛行機やラジコンヘリなどの飛行型の模型であるが、そうでなくてもよい。また、飛行体12は、通常、端末装置11からの指示に従い飛行する物体(いわゆる遠隔操作により飛行することができる物体)であるが、そうでなくてもよい。また、通信手段13は、通常、無線であるが、有線であってもよい。また、通信手段13は、例えば、いわゆるラジオ(ラジオコントロール)や、無線LAN(アドホック通信)などである。
【0020】
図2は、本実施の形態における端末装置11および飛行体12のブロック図である。
端末装置11は、地図情報格納部111、受付部112、受信部113、飛行情報取得部114、送信部115を備える。また、飛行体12は、飛行体位置情報取得部121、飛行体送信部122、飛行体受信部123、飛行体判断部124、飛行体制御部125、飛行体進行方向情報取得部126を備える。
【0021】
地図情報格納部111には、地図を示す情報である地図情報が格納される。当該「地図」は、例えば、地形図や、地勢図、地質図、土地利用図、住宅地図、路線図、道路地図、ガイドマップ、いわゆる略地図、航空写真、衛星写真、当該写真に記号や文字等が記入されたものなどである。また、「地図」は、例えば、鳥瞰図や、立体的な地図(3次元の地図)、平面的な地図(2次元の地図)などである。
【0022】
また、地図情報は、例えば、地図の画像である。画像は、例えば、ラスタデータや、ベクタデータである。画像がラスタデータである場合、地図情報は、複数の縮尺に対応した画像を有していてもよい。複数の縮尺に対応した画像とは、例えば、同一地域について、縮尺が大きい画像や、縮尺が中程度の画像、縮尺が小さい画像などである。また、地図情報は、地図をタイル状に分割したものであってもよい。また、地図情報は、カーナビゲーションで用いられるKIWIフォーマットのものであってもよい。
【0023】
また、地図情報は、通常、1以上の位置情報を有する。「位置情報」とは、位置を示す情報である。また、当該「位置」は、通常、地図上の地点の位置である。「地点」とは、例えば、地図上の道路やビル、駅などの建造物や、山や池、森などの自然物などである。また、当該「位置」は、通常、緯度および経度および高度(高さ)である。つまり、「位置情報」が示す位置は、通常、3次元である。つまり、地図情報は、通常、ビル、駅などの建造物、山などの自然物を含むオブジェクトの高さの情報も含む。また、当該「位置」は、例えば、地図上の座標であってもよい。
【0024】
また、緯度および経度および高度を示す3次元の位置情報を、以下、適宜、3次元位置情報とする。また、経度および経度を示す2次元の位置情報を、以下、適宜、2次元位置情報とする。
【0025】
また、地図情報は、例えば、1以上の3次元位置情報の集合であってもよい。通常、当該1以上の位置情報により、地図上の地形や建物などの形状が示される。また、地図情報が有する位置情報を、以下、適宜、地図位置情報とする。
【0026】
また、地図情報格納部111は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。また、地図情報格納部111などに所定の情報が記憶される過程は、問わない。例えば、当該所定の情報は、記録媒体や、通信回線、入力デバイスなどを介して地図情報格納部111などに記憶されてもよい。
【0027】
受付部112は、指示を受け付ける。当該指示は、例えば、操作指示である。「操作指示」とは、飛行体12を操作する指示である。また、「操作指示」は、例えば、飛行体12を制御する制御信号であると考えてもよい。また、「操作指示」は、例えば、飛行を開始する指示や、左に旋回する指示、右に旋回する指示、上昇する指示、下降する指示、飛行を終了する指示などである。
【0028】
また、受付部112は、例えば、電源ONの指示や、電源OFFの指示などを受け付けてもよい。なお、受付部112がこれらの指示を受け付けた場合、端末装置11は、通常、当該受け付けた指示に応じた処理する。
【0029】
また、受け付けとは、タッチパネルや、操作用のレバーなどの入力デバイスから入力された情報の取得、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体に格納されている情報の取得、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信などを含む概念である。
【0030】
また、受付部112における情報や指示などの入力手段は、メニュー画面によるものや、タッチパネルなど、何でもよい。受付部112は、メニュー画面の制御ソフトウェアや、タッチパネル等の入力手段のデバイスドライバなどで実現され得る。
【0031】
受信部113は、飛行体12の位置を示す位置情報(以下、適宜、飛行体位置情報とする)を、飛行体12から受信する。「飛行体位置情報」は、通常、飛行体12の現在位置を示す。また、「飛行体位置情報」は、3次元位置情報である。
【0032】
飛行情報取得部114は、飛行情報を取得する。「飛行情報」とは、飛行体位置情報が示す飛行体12の位置を基点とする飛行経路または着陸位置を示す情報である。具体的に、「飛行情報」とは、例えば、以下の1種類以上の情報である。
(A)上空飛行経路情報
(B)着陸飛行経路情報
(C)着陸位置情報
【0033】
(A)上空飛行経路情報:「上空飛行経路情報」とは、上空飛行経路を示す情報である。「上空飛行経路」とは、飛行体の現在位置から、予め決められた条件(以下、適宜、到着位置条件とする)を満たす上空の位置までの飛行経路である。当該「到着位置条件」を満たす上空の位置および当該上空の位置を示す情報を、それぞれ、以下、適宜、到着位置および到着位置情報とする。
【0034】
「飛行体の現在位置」は、受信部113が受信した飛行体位置情報により示される位置である。また、「到着位置条件」は、到着位置がどのような位置であるかに関する条件である。具体的に、「到着位置条件」は、例えば、飛行体の現在位置と到着位置との距離に関する条件や、飛行体の現在位置に対する到着位置の方向に関する条件、到着位置の種類に関する条件などである。
【0035】
「飛行体の現在位置と到着位置との距離に関する条件」は、具体的には、到着位置が、飛行体の現在位置との距離が予め決められた条件を満たす距離にある位置であることである。また、「飛行体の現在位置に対する到着位置の方向に関する条件」は、具体的には、到着位置が、飛行体の現在位置を基点とする方向にある位置であることである。また、「到着位置の種類に関する条件」は、具体的には、到着位置が、上空の位置であることである。また、「到着位置条件」は、例えば、これらの条件の組み合わせであってもよい。当該組み合わせは、通常、論理積(AND)であるが、論理和(OR)であってもよい。
【0036】
また、「飛行体の現在位置に対する到着位置の方向」は、通常、受信部113が受信した2以上の飛行体位置情報により示される飛行体の進行方向である。つまり、「飛行体の現在位置に対する到着位置の方向に関する条件」は、当該2以上の飛行体位置情報を用いて算出される飛行体の進行方向を示す情報(以下、適宜、飛行体進行方向情報とする)により構成される条件である。なお、「飛行体進行方向情報」は、いわゆる方向を示す情報である。「方向」とは、方位や、方角などである。「飛行体進行方向情報」は、方向を示すことができればよく、その内容や形式などは、問わない。
【0037】
以上より、「上空飛行経路」は、飛行体位置情報が示す位置である出発位置から、到着位置条件を満たす上空の位置である到着位置までの飛行経路であると言える。
【0038】
また、「上空飛行経路情報」は、通常、1以上の位置情報を有する。当該位置情報は、通常、3次元位置情報である。また、当該位置情報は、出発する位置や、経由する位置、到着する位置などを示す。また、当該1以上の各位置情報は、通常、順序を有する。当該「順序を有する」とは、例えば、当該1以上の各位置情報に、順序を示す情報が対応付いていることであってもよい。つまり、当該1以上の位置情報により、上空飛行経路が示される。
【0039】
(B)着陸飛行経路情報:「着陸飛行経路情報」とは、着陸飛行経路を示す情報である。「着陸飛行経路」とは、飛行体の現在位置から、予め決められた条件(以下、適宜、着陸位置条件とする)を満たす地上の位置までの飛行経路である。当該「着陸位置条件」を満たす地上の位置および当該地上の位置を示す情報を、それぞれ、以下、適宜、着陸位置および着陸位置情報とする。
【0040】
「飛行体の現在位置」は、受信部113が受信した飛行体位置情報により示される位置である。また、「着陸位置条件」は、着陸位置がどのような位置であるかに関する条件である。具体的に、「着陸位置条件」は、例えば、飛行体の現在位置と着陸位置との距離に関する条件や、飛行体の現在位置に対する着陸位置の方向に関する条件、着陸位置と周囲の地点との距離に関する条件、着陸位置の種類に関する条件などである。
【0041】
「飛行体の現在位置と着陸位置との距離に関する条件」および「飛行体の現在位置に対する着陸位置の方向に関する条件」については、それぞれ、「飛行体の現在位置と到着位置との距離に関する条件」および「飛行体の現在位置に対する到着位置の方向に関する条件」と同様であるので、詳細な説明を省略する。また、「着陸位置と周囲の地点との距離に関する条件」は、具体的には、着陸位置が、周囲の地点との距離が予め決められた条件を満たす距離にある位置であることである。言い換えると、「着陸位置と周囲の地点との距離に関する条件」は、具体的には、着陸位置が、いわゆる周囲に障害物のない位置であることである。また、「着陸位置の種類に関する条件」とは、具体的には、着陸位置が、地上の位置であることである。また、「着陸位置条件」は、例えば、これらの条件の組み合わせであってもよい。当該組み合わせは、通常、論理積(AND)であるが、論理和(OR)であってもよい。
【0042】
以上より、「着陸飛行経路」は、飛行体位置情報が示す位置である出発位置から、着陸位置条件を満たす地上の位置である着陸位置までの飛行経路であると言える。
【0043】
なお、着陸飛行経路情報が有する情報などは、上空飛行経路情報が有する情報などと同様であるので、説明を省略する。ただし、着陸飛行経路情報と上空飛行経路情報とは、着陸飛行経路情報は着陸位置を示す位置情報を有し、上空飛行経路情報は到着位置を示す位置情報を有する点で異なる。
【0044】
(C)着陸位置情報:「着陸位置情報」については、前述のとおりであるので、説明を省略する。
【0045】
なお、上記「飛行体の現在位置に対する到着位置との距離に関する条件」および「飛行体の現在位置と着陸位置との距離に関する条件」を、以下、適宜、距離条件とする。また、上記「飛行体の現在位置に対する到着位置の方向に関する条件」および「飛行体の現在位置に対する着陸位置の方向に関する条件」を、以下、適宜、方向条件とする。また、上記「到着位置の種類に関する条件」および「着陸位置の種類に関する条件」を、以下、適宜、種類条件とする。また、上記「着陸位置と周囲の地点との距離に関する条件」を、以下、適宜、周囲条件とする。
【0046】
また、飛行情報取得部114は、通常、地図情報と飛行体位置情報とを用いて、飛行情報を取得する。
【0047】
例えば、上記(A)の「上空飛行経路情報」を取得する場合、飛行情報取得部114は、通常、地図情報と飛行体位置情報とを用いて、当該飛行体位置情報が示す出発位置から、到着位置条件を満たす到着位置までの飛行経路である上空飛行経路を探索する。そして、飛行情報取得部114は、当該上空飛行経路を示す上空飛行経路情報を取得する。当該上空飛行経路情報を取得する具体的な手順は、例えば、以下のとおりである。
(1)飛行可能グラフを作成する。「飛行可能グラフ」とは、飛行体12が飛行可能な2以上の位置を示す位置情報、および、当該2以上の位置間のコストを有する情報である。「飛行可能な位置」は、到達可能な位置や、経由可能な位置、通過可能な位置、着陸可能な位置などを含み、広く解する。また、「飛行可能な位置を示す位置情報」は、通常、3次元位置情報であるが、2次元位置情報であってもよい。また、「コスト」は、いわゆる経路探索におけるノード間のコストである。また、飛行可能グラフを作成する手順については、後述する。
(2)(1)で作成した飛行可能グラフが有する2以上の位置情報の中から、到着位置条件を満たす位置情報である到着位置情報を取得する。
(3)飛行体位置情報と(2)で取得した到着位置情報とを、(1)で作成した飛行可能グラフに適用する。「飛行体位置情報を地図情報に適用する」とは、当該飛行体位置情報により示される上空の位置を、出発位置とすることである。また、「到着位置情報を飛行可能グラフに適用する」とは、当該到着位置情報により示される上空の位置を、到着位置とすることである。
(4)飛行可能グラフに適用した飛行体位置情報が示す出発位置から、飛行可能グラフに適用した到着位置情報が示す到着位置までの飛行経路を探索する。これにより、上空飛行経路情報が取得される。
【0048】
なお、上記「飛行可能グラフ」を作成する手順は、例えば、以下のとおりである。
(1)飛行体位置情報を用いて、予め決められた条件(以下、適宜、飛行範囲条件とする)を満たす2以上の位置情報を取得する。当該「取得」は、通常、「算出」である。
(2)(1)で取得した1以上の位置情報の中から、不要な位置情報を削除する。当該「不要な位置情報」とは、例えば、地図情報が有する地図位置情報と同一の位置情報や、当該地図位置情報により示される空間内の位置を示す位置情報などである。当該「空間」は、例えば、建造物や、自然物などである。
(3)(2)の削除後の2以上の位置情報について、当該位置情報が示す位置が隣接する2つの位置情報ごとに、当該2つの位置情報と、予め決められた算出式(以下、適宜、コスト算出式とする)とを用いて、当該位置情報が示す位置間のコストを算出する。当該「隣接」とは、通常、前後、左右、上下である。また、当該「隣接」は、例えば、前後、左右、上下に加え、右前、左後ろ、右上、左上など、いわゆる斜めの方向を含んでもよい。
【0049】
なお、上記(1)において、「飛行範囲条件」とは、飛行体が飛行する位置の範囲に関する条件である。言い換えると、「飛行範囲条件」とは、飛行可能グラフを作成する際に取得する2以上の位置情報に関する条件である。具体的に、「飛行範囲条件」は、例えば、飛行体の現在位置からの距離や、取得する位置情報が示す位置間の距離(間隔)などに関する条件である。例えば、飛行範囲条件が、「(距離≦50m)&(間隔=1m)」であるとする。当該飛行範囲条件は、飛行体の現在位置からの距離が50m以内であり、位置間の距離が1mであることを意味する。この様な場合、飛行情報取得部114は、例えば、飛行体の現在位置から半径50m以内の位置であり、飛行体の現在位置から1m間隔ごとの位置を示す2以上の位置情報を取得する。
【0050】
また、上記(2)において、例えば、地図位置情報が「(N35.XX14,E135.XX14,H21)」であるとする。この様な場合、飛行情報取得部114は、(1)で取得した1以上の位置情報の中から、当該地図位置情報を削除する。
【0051】
また、上記(2)において、1以上の地図位置情報により、建物の形状が示されているとする。この様な場合、飛行情報取得部114は、(1)で取得した1以上の位置情報の中から、当該建物内の位置を示す位置情報を削除する。
【0052】
また、上記(3)において、「コスト算出式」は、例えば、2つの位置情報を代入するための変数を有する。また、「コスト算出式」は、例えば、いわゆる関数(プログラム)であってもよい。また、「コスト算出式」は、通常、代入される2つの位置情報が示す位置間の距離に対する増加関数であることが好適である。また、飛行情報取得部114は、通常、コスト算出式を予め保持している。
【0053】
また、例えば、上記(B)の「着陸飛行経路情報」を取得する場合、飛行情報取得部114は、通常、地図情報と飛行体位置情報とを用いて、当該飛行体位置情報が示す出発位置から、着陸位置条件を満たす着陸位置までの飛行経路である着陸飛行経路を探索する。そして、飛行情報取得部114は、当該着陸飛行経路を示す着陸飛行経路情報を取得する。当該着陸飛行経路情報を取得する具体的な手順は、例えば、以下のとおりである。
(1)飛行可能グラフを作成する。当該飛行可能グラフは、地図情報が有する地図位置情報と同一の位置情報を有する。
(2)(1)で作成した飛行可能グラフが有する1以上の位置情報の中から、着陸位置条件を満たす位置情報である着陸位置情報を取得する。
(3)飛行体位置情報と(2)で取得した着陸位置情報とを、(1)で作成した飛行可能グラフに適用する。「着陸位置情報を飛行可能グラフに適用する」とは、当該到着位置情報により示される地上の位置を、着陸位置とすることである。
(4)飛行可能グラフに適用した飛行体位置情報が示す出発位置から、飛行可能グラフに適用した着陸位置情報が示す着陸位置までの経路を探索する。これにより、着陸飛行経路情報が取得される。
【0054】
また、上記「上空飛行経路」および「着陸飛行経路」の探索には、通常、最短経路問題の解法(アルゴリズム)を用いる。「最短経路問題の解法」は、例えば、ダイクストラ法や、A*アルゴリズムなどである。これらの解法は、公知であるので、詳細な説明を省略する。また、上空飛行経路情報および着陸飛行経路情報を取得する方法や手順などは、公知であるので、詳細な説明を省略する。
【0055】
また、例えば、上記(C)の「着陸位置情報」を取得する場合、飛行情報取得部114は、通常、地図情報と飛行体位置情報とを用いて、着陸位置条件を満たす着陸位置情報を取得する。当該着陸位置情報を取得する具体的な手順は、例えば、以下のとおりである。
(1)地図情報が有する1以上の地図位置情報の中から、着陸位置条件を満たす位置情報である着陸位置情報を取得する。
【0056】
なお、飛行情報取得部114は、通常、到着位置条件を構成する。当該構成する到着位置条件は、通常、方向条件である。飛行情報取得部114は、例えば、受信部113が受信した2以上の飛行体位置情報を用いて、飛行体の進行方向を示す飛行体進行方向情報を算出する。そして、飛行情報取得部114は、当該算出した飛行体進行方向情報を用いて、到着位置条件である方向条件を構成する。例えば、飛行体進行方向情報が「北」である場合、飛行情報取得部114は、例えば、方向条件「方向=北」を構成する。なお、受信部113が受信した2以上の飛行体位置情報を用いて飛行体進行方向情報を算出する方法や手順などは、公知であるので、詳細な説明を省略する。
【0057】
また、到着位置条件を予め保持している場合、飛行情報取得部114は、通常、当該予め保持している到着位置条件と、上記構成した到着位置条件とを組み合わせ、新たな到着位置条件を構成する。当該予め保持している到着位置条件は、通常、距離条件である。例えば、距離条件「100m≦距離<150m」を予め保持しているとする。また、構成した方向条件が「方向=北」であるとする。この様な場合、飛行情報取得部114は、例えば、到着位置条件「(100m≦距離<150m)&(方向=北)」を構成する。
【0058】
また、飛行情報取得部114は、例えば、着陸位置条件を構成してもよい。当該着陸位置条件を構成する手順は、到着位置条件を構成する手順と同様である。
【0059】
また、到着位置条件または着陸位置条件を構成する場合、飛行情報取得部114は、通常、予め保持している到着位置条件または着陸位置条件と、構成した到着位置条件または着陸位置条件とを組み合わせ、新たな到着位置条件または着陸位置条件を構成する。
【0060】
また、飛行情報は、例えば、1以上の操作指示を有する情報であってもよい。例えば、上記の様にして取得した上空飛行経路または着陸飛行経路が、飛行体の現在位置に対して右に旋回する飛行経路である場合、飛行情報取得部114は、右に旋回する指示である飛行情報を取得する。また、例えば、上記の様にして取得した上空飛行経路または着陸飛行経路が、飛行体の現在位置に対して上昇する飛行経路である場合、飛行情報取得部114は、上昇する指示である飛行情報を取得する。なお、上空飛行経路または着陸飛行経路に応じて取得する操作指示は、通常、予め決められた記憶領域に格納されている。
【0061】
送信部115は、飛行情報を飛行体12に送信する。当該飛行情報は、飛行情報取得部114が取得した飛行情報である。また、送信部115は、操作指示を飛行体12に送信する。当該操作指示は、受付部112が受け付けた操作指示である。
【0062】
飛行体12を構成する飛行体位置情報取得部121は、飛行体位置情報を取得する。飛行体位置情報取得部121は、通常、定期的に飛行体位置情報を取得する。また、飛行体位置情報取得部121は、通常、衛星航法システム(GPS受信機など)や、移動体通信用の基地局から位置情報を受信する装置などから、飛行体位置情報を取得する。この場合、飛行体位置情報取得部121は、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。また、飛行体位置情報取得部121の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0063】
飛行体送信部122は、飛行体位置情報を端末装置11に送信する。当該飛行体位置情報は、飛行体位置情報取得部121が取得した飛行体位置情報である。
【0064】
飛行体受信部123は、飛行情報を端末装置11から受信する。飛行体受信部123は、通常、飛行体送信部122による飛行体位置情報の送信に応じて、飛行情報を受信する。また、飛行体受信部123は、操作指示を端末装置11から受信する。また、飛行体受信部123は、通常、飛行情報と操作指示とを、別々に受信する。また、飛行体受信部123は、例えば、飛行情報と操作指示とを、共に受信してもよい。
【0065】
飛行体判断部124は、端末装置11との通信が可能であるか否かを判断する。飛行体判断部124は、例えば、予め決められた条件を満たすほど長い時間、飛行体受信部123が端末装置11から飛行情報や操作指示などの情報または指示を受信していない場合に、端末装置11との通信が可能でない(不可である)と判断する。また、飛行体判断部124は、例えば、飛行体送信部122が飛行体位置情報を端末装置11に送信することができない場合に、端末装置11との通信が可能でないと判断する。
【0066】
また、飛行体判断部124は、例えば、飛行体送信部122が、通信が可能であることを確認するための信号(以下、適宜、確認信号とする)を端末装置11に送信し、当該送信に応じて、飛行体受信部123が、当該確認信号を受信したことを示す信号(以下、適宜、応答信号とする)を端末装置11から受信した場合に、端末装置11との通信が可能であると判断する。また、飛行体判断部124は、例えば、飛行体送信部122が確認信号を端末装置11に送信し、当該送信に応じて、飛行体受信部123が応答信号を受信しなかった場合に、端末装置11との通信が可能でないと判断する。
【0067】
なお、相互に通信する2つの装置において、通信が可能であるか否かを判断する方法や手順などは、公知であるので、詳細な説明を省略する。
【0068】
飛行体制御部125は、飛行体受信部123が受信した操作指示または飛行情報に応じて、飛行体12を制御する。当該「制御する」とは、操作指示または飛行情報に従い飛行または着陸するように制御することである。
【0069】
例えば、飛行体受信部123が上空飛行経路情報である飛行情報を受信した場合、飛行体制御部125は、当該飛行情報が示す上空飛行経路に従い飛行するように飛行体12を制御する。また、例えば、飛行体受信部123が着陸飛行経路情報である飛行情報を受信した場合、飛行体制御部125は、当該飛行情報が示す飛行経路に従い飛行し、当該飛行情報が示す着陸位置に着陸するように飛行体12を制御する。また、例えば、飛行体受信部123が着陸位置情報である飛行情報を受信した場合、飛行体制御部125は、当該飛行情報が示す着陸位置に着陸するように飛行体12を制御する。
【0070】
なお、飛行情報が着陸位置情報である場合、飛行体制御部125は、通常、飛行体位置情報と着陸位置情報とを用いて、着陸飛行経路情報を取得する。当該着陸飛行経路情報を取得する方法や手順などは、前述のとおりであるので、説明を省略する。そして、飛行体制御部125は、当該取得した着陸飛行経路情報が示す飛行経路に従い飛行し、当該着陸飛行経路情報が示す着陸位置に着陸するように飛行体12を制御する。
【0071】
また、飛行体制御部125は、例えば、飛行体判断部124が端末装置11との通信が可能でないと判断した場合に、当該飛行情報が示す飛行経路または着陸位置に従い飛行または着陸するように飛行体12を制御してもよい。なお、当該制御は、通常、飛行体受信部123による飛行情報の受信後に行う。つまり、飛行体制御部125は、例えば、飛行体受信部123が飛行情報を受信後に、飛行体判断部124が端末装置11との通信が可能でないと判断した場合に、当該受信した飛行情報が示す飛行経路または着陸位置に従い飛行または着陸するように飛行体12を制御する。
【0072】
なお、操作指示に従い飛行するように飛行体12を制御する方法や手順、飛行情報が示す飛行経路に従い飛行するように飛行体12を制御する方法や手順、飛行情報が示す着陸位置に着陸するように飛行体12を制御する方法や手順などは、公知であるので、詳細な説明を省略する。当該制御は、いわゆるオートパイロットや、自動操縦などと呼ばれる機能と同様である。
【0073】
なお、受信部113、飛行体受信部123は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。
【0074】
また、飛行情報取得部114、飛行体判断部124、飛行体制御部125は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。また、飛行情報取得部114などの処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。なお、飛行情報取得部114などは、ハードウェア(専用回路)で実現されてもよい。
【0075】
また、送信部115、飛行体送信部122は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されてもよい。
【0076】
次に、飛行体制御システム1の全体動作について、フローチャートを用いて説明する。なお、所定の情報におけるi番目の情報は、「情報[i]」と記載するものとする。まず、端末装置11の全体動作について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0077】
(ステップS301)端末装置11は、受付部112が電源ONの指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS302に進み、そうでない場合は、ステップS301に戻る。
【0078】
(ステップS302)端末装置11は、電源ONの処理を行う。
【0079】
(ステップS303)送信部115は、受付部112が操作指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS304に進み、そうでない場合は、ステップS305に進む。
【0080】
(ステップS304)送信部115は、ステップS303で受け付けた操作指示を、飛行体12に送信する。
【0081】
(ステップS305)飛行情報取得部114は、受信部113が飛行体位置情報を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS306に進み、そうでない場合は、ステップS308に進む。
【0082】
(ステップS306)飛行情報取得部114は、飛行情報を取得する。この処理の詳細は、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0083】
(ステップS307)送信部115は、ステップS306で取得した飛行情報を、飛行体12に送信する。
【0084】
(ステップS308)端末装置11は、受付部112が電源OFFの指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS309に進み、そうでない場合は、ステップS303に戻る。
【0085】
(ステップS309)端末装置11は、電源OFFの処理を行う。そして、ステップS301に戻る。
【0086】
なお、図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理を終了してもよい。
【0087】
図4は、図3のフローチャートのステップS307の飛行情報の取得処理を示すフローチャートである。
【0088】
(ステップS401)飛行情報取得部114は、取得する飛行情報の種類が、上空飛行経路情報、着陸飛行経路情報、着陸位置情報のいずれであるかを判断する。当該判断は、例えば、取得する飛行情報の種類を示す情報が予め決められた記憶領域に格納されており、当該情報を用いて行う。そして、上空飛行経路情報を取得する場合は、ステップS402に進み、着陸飛行経路情報を取得する場合は、ステップS409に進み、着陸位置情報を取得する場合は、ステップS416に進む。
【0089】
(ステップS402)飛行情報取得部114は、飛行可能グラフを作成する。ここで、当該飛行可能グラフは、m個の位置情報を有するものとする。
【0090】
(ステップS403)飛行情報取得部114は、受信部113が受信した2以上の飛行体位置情報を用いて、飛行体進行方向情報を算出する。そして、飛行情報取得部114は、当該算出した飛行体進行方向情報を用いて、方向条件を構成する。そして、飛行情報取得部114は、予め保持している距離条件と、構成した方向条件とを組み合わせ、到着位置条件を構成する。
【0091】
(ステップS404)飛行情報取得部114は、カウンタiに1をセットする。
【0092】
(ステップS405)飛行情報取得部114は、飛行可能グラフが有するi番目の位置情報である飛行可能位置情報[i]が到着可能条件を満たすか否かを判断する。満たす場合は、ステップS406に進み、そうでない場合は、ステップS407に進む。
【0093】
(ステップS406)飛行情報取得部114は、飛行可能位置情報[i]を取得する。当該位置情報は、到着位置情報である。
【0094】
(ステップS407)飛行情報取得部114は、地図情報と、飛行体位置情報と、ステップS406で取得した到着位置情報とを用いて、上空飛行経路を探索し、当該上空飛行経路を示す上空飛行経路情報を取得する。そして、上位処理にリターンする。
【0095】
(ステップS408)飛行情報取得部114は、iがmであるか否かを判断する。mである場合は、上位処理にリターンし、そうでない場合は、ステップS409に進む。
【0096】
(ステップS409)飛行情報取得部114は、iを1インクリメントする。そして、ステップS405に戻る。
【0097】
(ステップS410)飛行情報取得部114は、飛行可能グラフを作成する。ここで、当該飛行可能グラフは、m個の位置情報を有するものとする。
【0098】
(ステップS411)飛行情報取得部114は、カウンタiに1をセットする。
【0099】
(ステップS412)飛行情報取得部114は、飛行可能グラフが有するi番目の位置情報である飛行可能位置情報[i]が予め保持している到着位置条件を満たすか否かを判断する。満たす場合は、ステップS413に進み、そうでない場合は、ステップS415に進む。
【0100】
(ステップS413)飛行情報取得部114は、飛行可能位置情報[i]を取得する。当該位置情報は、着陸位置情報である。
【0101】
(ステップS414)飛行情報取得部114は、飛行情報取得部114は、地図情報と、飛行体位置情報と、ステップS413で取得した着陸位置情報とを用いて、着陸飛行経路を探索し、当該着陸飛行経路を示す着陸飛行経路情報を取得する。そして、上位処理にリターンする。
【0102】
(ステップS415)飛行情報取得部114は、iがmであるか否かを判断する。mである場合は、上位処理にリターンし、そうでない場合は、ステップS416に進む。
【0103】
(ステップS416)飛行情報取得部114は、iを1インクリメントする。そして、ステップS412に戻る。
【0104】
(ステップS417)飛行情報取得部114は、着陸位置情報を取得する。この処理の詳細は、図5のフローチャートを用いて説明する。そして、上位処理にリターンする。
【0105】
図5は、図4のフローチャートのステップS417の着陸位置情報の取得処理を示すフローチャートである。
【0106】
(ステップS501)飛行情報取得部114は、地図情報が有する地図位置情報を取得する。ここで、m個の地図位置情報を取得したものとする。
【0107】
(ステップS502)飛行情報取得部114は、カウンタiに1をセットする。
【0108】
(ステップS503)飛行情報取得部114は、地図位置情報[i]が予め保持している着陸位置条件を満たすか否かを判断する。満たす場合は、ステップS504に進み、そうでない場合は、ステップS505に進む。
【0109】
(ステップS504)飛行情報取得部114は、地図位置情報[i]を取得する。当該位置情報は、着陸位置情報である。そして、上位処理にリターンする。
【0110】
(ステップS505)飛行情報取得部114は、iがmであるか否かを判断する。mである場合は、上位処理にリターンし、そうでない場合は、ステップS506に進む。
【0111】
(ステップS506)飛行情報取得部114は、iを1インクリメントする。そして、ステップS603に戻る。
【0112】
次に、飛行体12の全体動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0113】
(ステップS601)飛行体12は、図示しない飛行体受付部が電源ONの指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS602に進み、そうでない場合は、ステップS601に戻る。
【0114】
(ステップS602)飛行体12は、電源ONの処理を行う。
【0115】
(ステップS603)飛行体位置情報取得部121は、飛行体位置情報の取得を開始する。以降、飛行体位置情報取得部121は、通常、飛行体12の電源がOFFになるまで、飛行体位置情報を定期的に取得し続ける。
【0116】
(ステップS604)飛行体制御部125は、飛行体受信部123が操作指示を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS605に進み、そうでない場合は、ステップS606に進む。
【0117】
(ステップS605)飛行体制御部125は、ステップS604で受信した飛行指示に従い飛行するように、飛行体12を制御する。
【0118】
(ステップS606)飛行体送信部122は、飛行体位置情報取得部121が飛行体位置情報を取得したか否かを判断する。取得した場合は、ステップS607に進み、そうでない場合は、ステップS608に進む。
【0119】
(ステップS607)飛行体送信部122は、飛行体位置情報取得部121が取得した飛行体位置情報を、端末装置11に送信する。
【0120】
(ステップS608)飛行体制御部125は、飛行体受信部123が上空飛行経路情報を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS609に進み、そうでない場合は、ステップS610に進む。
【0121】
(ステップS609)飛行体制御部125は、ステップS608で受信した上空飛行経路情報が示す上空飛行経路に従い飛行するように、飛行体12を制御する。
【0122】
(ステップS610)飛行体制御部125は、飛行体受信部123が着陸飛行経路情報を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS611に進み、そうでない場合は、ステップS612に進む。
【0123】
(ステップS611)飛行体制御部125は、ステップS610で受信した着陸飛行経路情報が示す飛行経路に従い飛行し、当該着陸飛行経路情報が示す着陸位置に着陸するように、飛行体12を制御する。
【0124】
(ステップS612)飛行体制御部125は、飛行体受信部123が着陸位置情報を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS613に進み、そうでない場合は、ステップS614に進む。
【0125】
(ステップS613)飛行体制御部125は、ステップS612で受信した着陸位置情報が示す着陸位置に着陸するように、飛行体12を制御する。
【0126】
(ステップS614)飛行体12は、図示しない飛行体受付部が電源OFFの指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS615に進み、そうでない場合は、ステップS604に戻る。
【0127】
(ステップS615)飛行体12は、電源OFFの処理を行う。そして、ステップS601に戻る。
【0128】
なお、図6のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理を終了してもよい。
【0129】
(具体例)
次に、飛行体制御システム1の動作の具体例について説明する。なお、本具体例において、飛行体12は、ヘリコプター型のラジコン模型(以下、ラジコンヘリ)であるものとする。また、端末装置11は、当該ラジコンヘリのコントローラであるものとする。また、コントローラは、いわゆるタッチパネルを備えているものとする。また、ラジコンヘリが備える飛行体位置情報取得部121は、定期的に、飛行体位置情報を取得しているものとする。また、経度を示す情報を、以下、適宜、経度情報とする。また、緯度を示す情報を、以下、適宜、緯度情報とする。また、高度を示す情報を、以下、適宜、高度情報とする。
【0130】
(例1)
本例において、上空飛行経路情報を取得する例について説明する。
【0131】
まず、ユーザがコントローラを操作し、ラジコンヘリの操作を開始したとする。このとき、コントローラが備える受付部112は、ユーザがコントローラを操作するたびに、操作指示を受け付ける。また、送信部115は、受付部112が操作指示を受け付けるたびに、当該受け付けた操作指示を、ラジコンヘリに送信する。また、このとき、ラジコンヘリが備える飛行体受信部123は、コントローラから送信された操作指示を受信する。また、ラジコンヘリは、飛行体受信部123が送信指示を受信するたびに、当該受信した操作指示に従い飛行を行う。
【0132】
次に、ラジコンヘリが備える飛行体位置情報取得部121が、飛行体位置情報を取得したとする。当該飛行体位置情報は、経度情報と、緯度情報と、高度情報とを有するものとする。すると、飛行体送信部122は、当該取得した飛行体位置情報をコントローラに送信する。以降、飛行体送信部122は、飛行体位置情報取得部121が飛行体位置情報を取得するたびに、当該飛行体位置情報をコントローラに送信する。
【0133】
次に、コントローラが備える受信部113は、ラジコンヘリから送信された飛行体位置情報を受信する。以降、受信部113は、ラジコンヘリから飛行体位置情報が送信されるたびに、当該飛行体位置情報を受信する。
【0134】
次に、飛行情報取得部114は、飛行可能グラフを作成する。ここで、飛行範囲条件が「(距離≦100m)&(間隔=5m)」であるものとする。当該飛行範囲条件は、飛行体の現在位置からの距離が100m以内であり、位置間の距離が5mであることを意味する。
【0135】
まず、飛行情報取得部114は、飛行範囲条件「(距離≦100m)&(間隔=5m)」を満たす1以上の位置情報を取得する。当該取得した1以上の位置情報は、例えば、図7であるものとする。図7において、1以上の各位置情報には、位置情報(レコード)を特定するためのIDが対応付いている。また、図7において、「H」は、高度を表し、当該高度の単位は、「m(メートル)」であるものとする。例えば、「H20」は、高度が20mであることを意味する。
【0136】
次に、飛行情報取得部114は、図7の1以上の位置情報の中から、地図情報が有する地図位置情報と同一の位置情報、および、当該地図位置情報により示される空間内の位置を示す位置情報を削除する。そして、飛行情報取得部114は、当該削除後の1以上の位置情報について、当該位置情報が示す位置が隣接する2つの位置情報ごとに、当該2つの位置情報と、コスト算出式とを用いて、当該位置情報が示す位置間のコストを算出する。これにより、飛行可能グラフが作成される。当該飛行可能グラフは、例えば、図8である。当該飛行可能グラフは、2つの位置情報(項目名:位置1、位置2)と、当該2つの位置情報が示す位置間のコストと、レコードを一意に特定するためのIDを有する。
【0137】
次に、飛行情報取得部114は、受信部113が受信した2以上の飛行体位置情報を用いて、飛行体進行方向情報を算出する。当該算出した飛行体進行方向情報は、「北」であるものとする。
【0138】
次に、飛行情報取得部114は、到着位置条件を構成する。ここで、予め保持している到着位置条件が、距離条件「距離=100m」と、種類条件「種類=上空」であるとする。すると、飛行情報取得部114は、まず、算出した飛行体進行方向情報「北」を用いて、方向条件「方向=北」を構成する。そして、飛行情報取得部114は、予め保持している距離条件「距離=100m」と、種類条件「種類=上空」と、構成した方向条件「方向=北」とを組み合わせ、新たな到着位置条件「(距離=100m)&(種類=上空)&(方向=北)」を構成する。
【0139】
次に、飛行情報取得部114は、図8の飛行可能グラフが有する1以上の位置情報から、到着位置条件「(距離=100m)&(種類=上空)&(方向=北)」を満たす位置情報である到着位置情報を取得する。当該到着位置情報は、「(N35.XX23,E135.XX25,H20)」であるものとする。
【0140】
次に、飛行情報取得部114は、受信した飛行体位置情報と、取得した到着位置情報と、図8の飛行可能グラフとを用いて、当該飛行体位置情報が示す位置から、当該到着位置情報が示す位置までの飛行経路である上空飛行経路を探索する。そして、飛行情報取得部114は、当該上空飛行経路を示す情報である上空飛行経路情報を取得する。当該上空飛行経路情報は、例えば、図9である。当該上空飛行経路情報は、1以上の位置情報を有する。また、当該1以上の位置情報は、対応付いているIDにより、飛行体が経由する順序が示される。
【0141】
次に、送信部115は、図9の上空飛行経路情報を、ラジコンヘリに送信する。
【0142】
次に、ラジコンヘリが備える飛行体受信部123は、図9の上空飛行経路情報を受信する。
【0143】
次に、飛行体制御部125は、図9の1以上の各位置情報が示す位置について、当該位置情報に対応付いているIDの順に経由しながら飛行するように、ラジコンヘリを制御する。
【0144】
(例2)
本例において、着陸飛行経路情報を取得する例について説明する。
【0145】
まず、例1と同様に、コントローラが備える受信部113が、ラジコンヘリから送信された飛行体位置情報を受信したとする。
【0146】
次に、飛行情報取得部114は、例1と同様に、飛行可能グラフを作成する。このとき、飛行情報取得部114は、飛行範囲条件を満たす図7の1以上の位置情報から、地図情報が有する地図位置情報と同一の位置情報を削除しない。そして、飛行情報取得部114は、図8と同様の飛行可能グラフを作成する。
【0147】
次に、飛行情報取得部114は、飛行可能グラフが有する1以上の位置情報の中から、着陸位置条件を満たす位置情報を取得する。ここで、予め保持している着陸位置条件が、「(距離≦100m)&(種類=地上)」であるとする。すると、飛行情報取得部114は、飛行可能グラフが有する1以上の位置情報から、当該着陸位置条件「(距離≦100m)&(種類=地上)」を満たす位置情報である着陸位置情報を取得する。当該着陸位置情報は、「(N35.XX23,E135.XX25,H5)」であるものとする。
【0148】
次に、飛行情報取得部114は、受信した飛行体位置情報と、取得した着陸位置情報と、飛行可能グラフとを用いて、当該飛行体位置情報が示す位置から、当該着陸位置情報が示す位置までの飛行経路である着陸飛行経路を探索する。そして、飛行情報取得部114は、当該着陸飛行経路を示す情報である着陸飛行経路情報を取得する。当該着陸飛行経路情報は、例えば、図10である。当該着陸飛行経路情報は、1以上の位置情報を有する。また、当該1以上の位置情報は、対応付いているIDにより、飛行体が経由する順序が示される。
【0149】
次に、送信部115は、図10の上空飛行経路情報を、ラジコンヘリに送信する。
【0150】
次に、ラジコンヘリが備える飛行体受信部123は、図10の上空飛行経路情報を受信する。
【0151】
次に、飛行体制御部125は、図10の1以上の各位置情報が示す位置について、当該位置情報に対応付いているIDの順に経由しながら飛行し、図10の「ID=020」の着陸位置情報「(N35.XX23,E135.XX25,H5)」が示す位置に着陸するように、ラジコンヘリを制御する。
【0152】
(例3)
本例において、着陸位置情報を取得する例について説明する。
【0153】
まず、例1と同様に、コントローラが備える受信部113が、ラジコンヘリから送信された飛行体位置情報を受信したとする。
【0154】
次に、飛行情報取得部114は、地図情報格納部111に格納されている地図情報から、1以上の地図位置情報を取得する。このとき、飛行情報取得部114は、例えば、地図情報が有するすべての地図位置情報を取得してもよい。また、このとき、飛行情報取得部114は、例えば、受信した飛行体位置情報が示す位置からの距離が予め決められた条件を満たす距離にある位置を示す1以上の地図位置情報を取得してもよい。
【0155】
次に、飛行情報取得部114は、取得した1以上の地図位置情報の中から、着陸位置条件を満たす位置情報を取得する。ここで、予め保持している着陸位置条件が、「(距離≦100m)&(種類=地上)」であるとする。すると、飛行情報取得部114は、飛行可能グラフが有する1以上の位置情報から、当該着陸位置条件「(距離≦100m)&(種類=地上)」を満たす位置情報である着陸位置情報を取得する。当該着陸位置情報は、「(N35.XX23,E135.XX25,H5)」であるものとする。
【0156】
次に、送信部115は、着陸位置情報「(N35.XX23,E135.XX25,H5)」を、ラジコンヘリに送信する。
【0157】
次に、ラジコンヘリが備える飛行体受信部123は、着陸位置情報「(N35.XX23,E135.XX25,H5)」を受信する。
【0158】
次に、飛行体制御部125は、受信した着陸位置情報「(N35.XX23,E135.XX25,H5)」が示す位置に着陸するように、ラジコンヘリを制御する。
【0159】
以上、本実施の形態による飛行体制御システム1によれば、飛行体の位置を基点とする飛行経路または着陸位置を飛行体に送信し、当該飛行経路または着陸位置に従い飛行または着陸することができる。
【0160】
なお、本実施の形態において、飛行体12は、飛行体進行方向情報を取得する飛行体進行方向情報取得部126を備えていてもよい。飛行体進行方向情報取得部126は、通常、定期的に飛行体進行方向情報を取得する。また、この場合、飛行体判断部124は、飛行体進行方向情報取得部126が飛行体進行方向情報を取得するたびに、当該飛行体進行方向情報を端末装置11に送信する。また、端末装置11が備える受信部113は、当該飛行体から送信された飛行体進行方向情報を受信する。また、飛行情報取得部114は、例えば、受信部113が受信した飛行体進行方向情報を用いて、到着位置条件または着陸位置条件を構成する。
【0161】
なお、飛行体進行方向情報取得部126は、例えば、ジャイロスコープや、地磁気センサ、方位センサ、磁気コンパスなどの装置から、飛行体進行方向情報を取得する。この場合、飛行体進行方向情報取得部126は、例えば、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。また、飛行体進行方向情報取得部126の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0162】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
【0163】
また、上記各実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよいし、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0164】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよいし、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0165】
また、上記各実施の形態における端末装置11を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、地図上の位置を示す情報である1以上の地図位置情報を有する情報であり、地図を示す情報である地図情報が格納される地図情報格納部にアクセス可能なコンピュータを、飛行体の3次元の位置を示す情報である飛行体位置情報を、飛行体から受信する受信部と、前記地図情報と、前記受信部が受信した飛行体位置情報とを用いて、当該飛行体位置情報が示す飛行体の位置を基点とする飛行経路または着陸位置を示す情報である飛行情報を取得する飛行情報取得部と、前記飛行情報取得部が取得した飛行情報を、飛行体に送信する送信部として機能させるためのプログラムである。
【0166】
また、上記各実施の形態における飛行体12を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、飛行体位置情報を取得する飛行体位置情報取得部と、前記飛行体位置情報取得部が取得した飛行体位置情報を、端末装置に送信する飛行体送信部と、飛行情報を端末装置から受信する飛行体受信部と、前記飛行体受信部が受信した飛行情報が示す飛行経路または着陸位置に従い飛行または着陸するように飛行体を制御する飛行体制御部として機能させるためのプログラムである。
【0167】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。
【0168】
また、上記プログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよいし、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0169】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよいし、複数であってもよい。つまり、集中処理を行ってもよいし、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0170】
また、図11は、前述のプログラムを実行して、前述の実施の形態の飛行体制御システム等を実現するコンピュータシステム9の概観図である。前述の実施の形態は、コンピュータハードウェア、およびその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
【0171】
図11において、コンピュータシステム9は、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0172】
図12は、コンピュータシステム9のブロック図である。図12において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012に加えて、MPU9013と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM9014と、MPU9013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM9015と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、およびデータを記憶するためのハードディスク9016と、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012、MPU9013等を相互に接続するバス9017とを備える。ここでは図示しないが、コンピュータ901は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを備えていてもよい。
【0173】
コンピュータシステム9に、前述の実施の形態の飛行体制御システム等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM9101、またはFD9102に記憶されて、CD−ROMドライブ9011またはFDドライブ9012に挿入され、さらにハードディスク9016に転送されてもよい。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク9016に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM9015にロードされる。プログラムは、CD−ROM9101、FD9102またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0174】
プログラムは、コンピュータ901に、前述の実施の形態の飛行体制御システム等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいればよい。コンピュータシステム9がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0175】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0176】
以上のように、本発明にかかる飛行体制御システムは、飛行体の位置を基点とする飛行経路または着陸位置を飛行体に送信し、当該飛行経路または着陸位置に従い飛行または着陸することができるという効果を有し、いわゆるラジコン模型等として有用である。
【符号の説明】
【0177】
1 飛行体制御システム
11 端末装置
12 飛行体
111 地図情報格納部
112 受付部
113 受信部
114 飛行情報取得部
115 送信部
121 飛行体位置情報取得部
122 飛行体送信部
123 飛行体受信部
124 飛行体判断部
125 飛行体制御部
126 飛行体進行方向情報取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12