特許第6358797号(P6358797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6358797癌を処置するためのウミロリムスおよびその誘導体の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6358797
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】癌を処置するためのウミロリムスおよびその誘導体の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/436 20060101AFI20180709BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20180709BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20180709BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20180709BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180709BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   A61K31/436
   A61K9/107
   A61K47/34
   A61K47/10
   A61P35/00
   A61P35/02
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-250414(P2013-250414)
(22)【出願日】2013年12月3日
(65)【公開番号】特開2014-111596(P2014-111596A)
(43)【公開日】2014年6月19日
【審査請求日】2016年9月8日
(31)【優先権主張番号】61/732,629
(32)【優先日】2012年12月3日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513055252
【氏名又は名称】マンリ インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】特許業務法人 小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティン−ビン ユ
(72)【発明者】
【氏名】シー−ホン ス
【審査官】 馬場 亮人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/081430(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/082367(WO,A1)
【文献】 特開2009−240954(JP,A)
【文献】 特表2007−533647(JP,A)
【文献】 特表2003−532688(JP,A)
【文献】 特開平09−208494(JP,A)
【文献】 特表2010−536554(JP,A)
【文献】 特開平06−107565(JP,A)
【文献】 Muhammad Abdur Rouf et al.,Development and characterization of liposomal formulations for rapamycin delivery and investigation of their antiproliferative effect on MCF7 cells,Journal of Liposome Research,2009年,19(4),322-331
【文献】 YingJing Wang et al.,Preparation of Tacrolimus loaded micelles based on poly(epsilon-caprolactone)-poly(ethylene glycol)-poly(epsilon-caprolactone),International Journal of Pharmaceutics,2011年,407,184-189
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/436
A61K 9/107
A61K 47/10
A61K 47/34
A61P 35/00
A61P 35/02
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーミセル中にカプセル化されたウミロリムス、薬学的に受容可能な賦形剤、キャリアまたは希釈剤を含み、前記ポリマーミセルが、ポリエチレングリコール−ポリラクチド(PEG−PLA)により形成され、かつ、10〜200nmの粒径を有し、前記ウミロリムスが前記ポリマーミセルの5〜40重量%で存在する、薬学的製剤。
【請求項2】
前記製剤が癌を処置するための製剤である、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記癌は、胃癌、膵臓癌、骨髄腫、肺癌、卵巣癌、肝臓癌、慢性骨髄性白血病、結腸直腸癌および乳癌からなる群より選択される、請求項2に記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌を処置するためのウミロリムスおよびその誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍は、時間とともに化学療法剤に対する耐性を生じる傾向がある。このような薬剤耐性に打ち勝つために、医師は、処置の異なるステージで、通常異なる化学療法剤を処方する。従って、新規な抗癌剤の数が増加するにつれて、癌患者が、自身の特定の癌を克服する確率がより高くなる。
【0003】
シロリムス、別名ラパマイシンは、当初は移植患者のための免疫抑制剤としての用途で開発された親油性マクロライド抗生物質である。シロリムスは、その後、冠状動脈ステント用の薬剤コーティングに用いられ、平滑筋細胞の増殖を抑制することによって血管形成術後の再狭窄を低減するように機能する。シロリムスは、抗腫瘍活性も有する。米国特許4,885,171を参照。
【0004】
シロリムスの誘導体も、特定の癌を処置するのに有効であると分かっている。例えば、シロリムス誘導体であるエベロリムスは、進行性腎臓癌および手術不能な進行性又は転移性膵臓神経内分泌腫瘍を処置するための承認薬である。
【0005】
シロリムスの高親油性誘導体であるウミロリムス(40−アルコキシアルキルラパマイシンすなわちバイオリムスA9)は、シロリムスおよびエベロリムス等の他の「リムス(limus)」ファミリー化合物と比較して、10倍親油性が高い。J. Med. Chem. 2000, 43:2922−2928を参照。この特性によって、ウミロリムスは、脂質に富む細胞膜に対してより高い親和性を有する。しかしながら、このような高親油性によって、ウミロリムスは、典型的な医薬品に溶解しにくくなる。従って、ウミロリムスの特別な製剤が、効果的にウミロリムスを腫瘍の部位に送達するために必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
水溶液に可溶性でかつ安定であり、投与後の循環が延長され、腫瘍ターゲッティング能を有するウミロリムス製剤を含む新規な化学療法剤の開発が求められている。
【0007】
本発明の主な目的は、癌を処置するためのウミロリムス製剤を提供することである。よって、本発明の主な態様は、ビヒクルにカプセル化されたウミロリムスまたはウミロリムス結合体に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
リポソームまたはポリマーミセル中にカプセル化されたウミロリムスを、薬学的に受容可能な賦形剤、キャリアまたは希釈剤と共に含む薬学的製剤が提供される。
【0009】
また、リポソームまたはポリマーミセル中にカプセル化されたウミロリムスを含む上記薬学的製剤を有効量で被験体に投与することによって癌を処置する方法が、提供される。
【0010】
別の実施形態では、ポリマーに結合したウミロリムスを、薬学的に受容可能な賦形剤、キャリアまたは希釈剤と共に含む薬学的製剤が、提供される。
【0011】
さらに別の実施形態では、ポリマーに結合したウミロリムスを含む上記薬学的製剤を有効量で被験体に投与することによって癌を処置する方法が、提供される。
【0012】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が、図面および下記の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的および利点は、その説明から、そして、請求項から明らかである。本願明細書において引用される全ての文献は、それらの全体において参照することにより本願明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、様々な典型的なヒトの癌細胞株に試験される3つの「リムス(limus)」薬剤の50%阻害濃度(IC50)値のプロットである。
図2A図2Aは、ウミロリムス、あるいは、カプセル化ウミロリムスの時間に対する残存割合のプロットである。
図2B図2Bは、時間に対する、ポリマーミセルから放出されたウミロリムスの割合のプロットである。
図3図3は、カプセル化ウミロリムスの注射後の実験動物における腫瘍増殖の減少を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の主な態様は、癌を処置するためのビヒクルにカプセル化されたウミロリムス製剤およびウミロリムス結合体製剤に関する。
【0015】
1つの実施形態では、リポソーム中にカプセル化されたウミロリムスを含む薬学的製剤が、提供される。リポソームは、ポリエチレングリコール(PEG)が結合したリン脂質(ペグ化リン脂質)とホスファチジルコリン(PC)とを含む。PEGは、10〜3000個の単量体単位の長さを有する。好ましい実施形態では、PEGは、40〜150個の単量体単位の長さを有する。ウミロリムスは、ペグ化リン脂質およびPCの量に基づいた0.1〜10%のモル比で存在する。
【0016】
リン脂質は、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)またはジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)であり得るが、これらには限定されない。PCは、水素化大豆PC(HSPC)、卵PCまたは大豆PCであり得るが、これらには限定されない。
【0017】
好ましい実施形態では、リン脂質は、DSPEであり、PCは、HSPCであり、ウミロリムスと、ペグ化リン脂質と、PCとのモル比は、10:60:30である。
【0018】
付加的な実施形態では、上述の製剤は、コレステロールも含む。例えば、製剤は、コレステロールと、ペグ化DSPEと、HSPCと、0.1〜2%のモル比でウミロリムスとを含み得て、ペグ化DSPEと、HSPCと、コレステロールとのモル比は、55〜65:2〜10:20〜40である。
【0019】
また、ポリマーミセル中にカプセル化されたウミロリムスを含む薬学的製剤が提供される。ウミロリムスは、ポリマーミセルの5〜40重量%で存在し得る。ポリマーは、三腕ブロック共重合体またはブロック共重合体であり得る。
【0020】
三腕ブロック共重合体は、2つの疎水性ポリマーに結合した親水性ポリマーを含み得る。例えば、親水性ポリマーは、PEGであり得て、2つの疎水性ポリマーはいずれもポリラクチド(PLA)であり得て、すなわち、PEG(PLA)であり得る。別の実施形態では、親水性ポリマーは、PEGであり、疎水性ポリマーはいずれもポリカプロラクトン(PCL)であり、すなわち、PEG(PCL)である。
【0021】
三腕ブロック共重合体は、2つの疎水性ポリマーに結合した親水性ペプチドも含み得る。例えば、親水性ペプチドは、ポリAsp、ポリGln、ポリAsnまたはポリGluであり得る。2つの疎水性ポリマーはいずれもPLAまたはPCLであり得る。疎水性ポリマーの分子量は、1000〜5000Daであり得る。好ましい実施形態では、疎水性ポリマーはPCLである。親水性ペプチドは、長さが20〜50個のアミノ酸であり得る。
【0022】
別の実施形態では、三腕ブロック共重合体は、2つの疎水性ペプチドに結合した親水性ペプチドを含む。親水性ペプチドは、ポリAsp、ポリGln、ポリAsnまたはポリGluであり得る。疎水性ペプチドは、ポリTyr、ポリLeu、ポリPhe、ポリAlaまたはポリIleであり得る。親水性ペプチドは、長さが20〜50個のアミノ酸であり得て、疎水性ペプチドは、長さが5〜40個のアミノ酸であり得る。好ましい実施例では、疎水性ペプチドは、ポリIleまたはポリLeuである。
【0023】
上述のように、ウミロリムスは、そのポリマーがブロック共重合体であるポリマーミセル中にカプセル化され得る。ウミロリムスは、ポリマーミセルの5〜40重量%で存在し得る。
【0024】
ブロック共重合体は、疎水性ポリマーに結合した親水性ポリマーを含み得る。例えば、親水性ポリマーはPEGであり得て、疎水ポリマーはPLAであり得て、すなわちPEG−PLAであり得る。別の実施形態では、親水性ポリマーはPEGであり、疎水ポリマーはPCLであり、すなわちPEG−PCLである。PEGは、10〜3000個の単量体単位の長さを有し得る。疎水ポリマーPLAおよびPCLの分子量は、1000〜10000Daであり得る。
【0025】
代替的に、ブロック共重合体は、疎水性ペプチドに結合した親水性ペプチドまたは親水性ポリマーに結合した疎水性ペプチドを含み得る。
【0026】
例えば、ブロック共重合体は、親水性ペプチドポリAsp、ポリGln、ポリAsnまたはポリGluを含み得る。疎水性ペプチドは、ポリAla、ポリLeu、ポリIle、ポリVal、ポリPhe、ポリTyrまたはポリTrpであり得る。疎水性ペプチドは、長さが10〜40個のアミノ酸であり得て、一方、親水性ペプチドは、長さが40〜300個のアミノ酸であり得る。
【0027】
疎水性および親水性ペプチドを構成する上記のアミノ酸残基のいずれも、Lアミノ酸またはDアミノ酸であり得る。他の実施形態では、上述のアミノ酸のラセミ混合物(rac)が、用いられ得る。ある実施形態では、ブロック共重合体は、親水性ペプチドポリ−rac−Aspと疎水性ペプチドポリ−rac−Pheとを含む。別の実施形態では、疎水性ペプチドは、長さが10〜40個のアミノ酸であり、親水性ペプチドは、長さが40〜300個のアミノ酸である。
【0028】
さらに別の実施形態では、ウミロリムスは、親水性ポリマーに結合した疎水性ペプチドを含むブロック共重合体を含むポリマーミセル中にカプセル化される。疎水性ペプチドは、長さが5〜40個のアミノ酸であり得て、親水性ポリマーは、2,000〜100,000Dalの分子量を有し得る。
【0029】
疎水性ペプチドは、例えば、ポリTyr、ポリLeu、ポリPhe、ポリAla、ポリIle、ポリValまたはポリPheであり得る。好ましい実施形態では、疎水性ペプチドは、ポリLeuまたはポリIleである。親水性ポリマーは、PEGであり得る。
【0030】
また、ポリマーに結合したウミロリムスを含む薬学的製剤が提供される。ウミロリムスは、ポリマー結合体の10〜50重量%で存在し得る。ポリマーの分子量は、20,000Dal〜100,000Dalの範囲である。ポリマーは、ポリGlu、ポリAsp、ポリLys、ポリTyrおよびPEGであり得るが、これらには限定されない。付加的な実施形態では、PEGは、四腕または八腕分岐ポリマーである。好ましい実施形態では、PEGは、四腕分岐ポリマーである。
【0031】
別の実施形態では、ウミロリムスは、疎水性ポリマーおよび親水性ポリマーを含むブロック共重合体に結合され得て、当該ウミロリムスは、疎水性ポリマーに結合している。疎水性ポリマーは、PLA、PCLまたは疎水性ペプチドであり得る。親水性ポリマーは、PEGであり得る。
【0032】
疎水性ポリマーが疎水性ペプチドである実施形態では、当該疎水性ペプチドは、ポリAla、ポリLeu、ポリIle、ポリVal、ポリPhe、ポリTyrまたはポリTrpであり得る。
【0033】
上述のウミロリムス含有製剤のいずれも、癌を処置するための薬剤を製造するために用いられ得る。
【0034】
本発明は、カプセル化されたウミロリムスまたはウミロリムス結合体を含む上述の薬学的製剤を有効量で被験体に投与することによって、癌を処置する方法を提供する。
【0035】
例えば、リポソーム中にカプセル化されたウミロリムスを含む薬学的製剤が、任意の従来の方法で癌患者に投与され得て、当該任意の従来の方法は、腹腔内注射、静脈注射、腫瘍への直接の注射、腫瘍上流の動脈循環への注射および鼻腔吸入が挙げられるが、これらに限定されない。上述の薬学的製剤は、また、錠剤またはカプセルで経口投与され得る。
【0036】
理論に制約されなければ、(i)脂質可溶性の薬物であるウミロリムスは、リポソームの脂質二重層中で安定化され、(ii)リポソームに挿入されたウミロリムスは、投与後、ゆっくりとかつ継続的に放出され、(iii)カプセル化によって、純ウミロリムスと比較してより高い水可溶性および安定性が、ウミロリムスに付与されると、考えられる。
【0037】
別の実施形態では、ポリマーミセル中にカプセル化されたウミロリムスを含む薬学的製剤が、上述の方法で癌患者に投与され得て、当該上述の方法は、腹腔内注射、静脈注射、腫瘍への直接の注射、腫瘍上流の動脈循環への注射および鼻腔吸入が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
リポソームおよびミセルにカプセル化されたいずれの薬剤の送達も、有利に、受動的な疾患部位ターゲティングを呈する。カプセル化された形態で送達されるウミロリムスは、腫瘍、感染または炎症の部位で蓄積する傾向があり、これらの部位は通常の多孔質微小血管構造より大きい。
【0039】
さらに別の実施形態では、ポリマーに結合したウミロリムスを含む上述の薬学的製剤を有効量で被験体に投与することによって、癌を処置する方法が、提供される。
【0040】
結合ウミロリムスを含む製剤は、上述のカプセル化ウミロリムス製剤と同様に、従来の手段で被験体に投与され得て、当該従来の手段は、腹腔内注射、静脈注射、腫瘍への直接の注射、腫瘍上流の動脈循環への注射および鼻腔吸入が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
結合ウミロリムスは、プロドラッグとして作用するであろう。より具体的には、ウミロリムスは、ウミロリムス/ポリマー結合体の投与後、体組織中での加水分解によって、当該結合体から放出されるであろう。
【0042】
ウミロリムス−ポリマー結合体は、純ウミロリムスと比較して、水溶性が高くなり、薬安定性が増し、血液中での薬剤循環時間が長くなり、腫瘍ターゲティング(EPR効果)に関する腫瘍脈管透過性が高くなり、薬物動態が改善すると予想される。
【0043】
上記の製剤を投与することによって処置され得る癌の種類は、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:急性リンパ球性白血病、急性脊髄性白血病、副腎癌、成人軟部組織肉腫、肛門癌、再生不良性貧血、基底および扁平上皮細胞皮膚癌、胆管癌、膀胱ガン、骨癌、脳/CNS腫瘍、乳癌、男性の乳癌、小児癌、原因不明の癌、キャッスルマン病、子宮頸癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、結腸直腸癌、子宮体癌、食道癌、ユーイングファミリ腫瘍、眼癌、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド、消化管間質腫瘍、妊娠性絨毛疾患、ホジキン病、カポージ肉腫、腎臓癌、喉頭および下咽頭癌、小児白血病、肝癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺カルチノイド腫瘍、悪性中皮腫、黒色腫皮膚癌、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔および副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、口腔および口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺ガン、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚リンパ腫、小腸癌、胃癌、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、子宮肉腫、膣癌、外陰部癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症およびウィルムス腫瘍。
【0044】
更なる説明なしで、当業者が、上述の説明に基づいて、最大限に本発明を利用することができると思われる。下記の具体例は、単なる例示に過ぎず、いかなる方法においても開示の残りの部分を限定するものでないと解釈されるべきである。
【0045】
実施例1:ウミロリムスは、癌細胞の増殖を抑制する
ウミロリムスを、9種類のヒト癌に由来する培養細胞株に加えた。72時間のインビトロでの培養後、細胞増殖に対するウミロリムスの50%の阻害濃度(IC50)を、CellTiter−Glo発光細胞生存率アッセイを用いて測定した。
【0046】
【表1】
【0047】
この結果は、9種類のヒト癌に由来する11種の細胞株が、10μM未満のIC50でウミロリムスに感受性があることを示した。
【0048】
実施例2:シロリムスおよびエベロリムスと比べたときのウミロリムスによる癌細胞増殖の抑制
10種のヒト癌細胞株の増殖を抑制する3つの「リムス」薬剤のIC50を、実施例1で記載されたCellTiter−Glo発光細胞生存率アッセイを用いて測定した。テストした10種の代表的なヒト癌細胞株は、SK−MES−1(肺癌)、BxPC−3(膵臓癌)、AZ−521(胃癌)、SNU−16(胃癌)、SK−HEP−1(肝臓癌)、A2780(卵巣癌)、MDA−MB−231(乳癌)、DLD−1(結腸直腸癌)、DU−145(前立腺癌)および786−O(腎臓癌)であった。この結果が、図1に示されている。
【0049】
ウミロリムスのIC50は、テストした10種の癌細胞株のうち8種に対して、シロリムスおよびエベロリムスのIC50より予想外に優れていた。より具体的には、ウミロリムスは、以下の細胞株の増殖の抑制に優れていた:A2780、SK−HEP−1、DLD−1、SNU−16、BxPC−3、786−O、SK−MES−1およびAZ−521。
【0050】
実施例3:ウミロリムス含有リポソーム
ウミロリムス(0.1〜2mMのウミロリムス/100mM全脂質)、ペグ化ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(mPEG−DSPE;ポリエチレングリコールモノマー鎖長が2,000)、水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)およびコレステロール(DSPE/HSPC/コレステロール比:55〜65/2〜10/20〜40)を、エタノール(リポソームの総容積の10〜30%)に溶解させる。そして、この混合物を、常に撹拌しながら、10mLの蒸留水に注入する。このようにして作成したリポソーム溶液を、0.5μmポリカーボネートフィルタに10回押し通し、そして、0.22μmポリカーボネートフィルタに10回押し通し、粒径を100〜200nmに小さくする。
【0051】
実施例4:コレステロールを有さないウミロリムス含有リポソーム
ウミロリムス、mPEG−DSPE(ポリエチレングリコールモノマー鎖長が2,000)およびHSPC(ウミロリムス/DSPE/HSPC比:10〜30/60〜80/10〜20)を、エタノール(リポソームの総容積の10〜30%)に溶解させる。そして、この混合物を、常に撹拌しながら、10mLの蒸留水に注入する。このようにして作成したリポソーム溶液を、0.5μmポリカーボネートフィルタに10回押し通し、そして、0.22μmポリカーボネートフィルタに10回押し通し、粒径を100〜200nmに小さくする。
【0052】
実施例5:ウミロリムス含有三腕ブロック共重合体ミセル
まず、メチルPEG−OHを、4−(クロロメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソランと反応させて、ケタール誘導体を形成させる。酸性溶液中でケタール基を除去後、得られるジオールをラクチド重合に用いて、PEG(PLA)三腕ブロック共重合体を得る。
【0053】
このPEG(PLA)三腕ブロック共重合体50mgおよびウミロリムス5〜20mgを、2.0mLのアセトニトリルに溶解させる。そして、アセトニトリルを、ロータリーエバポレーターを用いて除去する。得られるポリマーフィルムを、2.0mLの水で水和させて、ミセルを形成させる。ウミロリムス含有PEG(PLA)ミセルの溶液を、0.22μmフィルタに通して濾過して、使用する前に滅菌する。
【0054】
実施例6:ウミロリムス含有ペプチド系三腕ブロック共重合体ミセル
まず、標準Fmoc/t−ブチル保護アミノ酸およびO−7アザベンゾトリアゾ−ルテトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU))活性エステルに基づくカップリングを用い、自動ペプチドシンセサイザを用いた固相ペプチド合成(SPPS)によって、リンクアミドメチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂上に、長さが5〜40個のアミノ酸の疎水性ペプチドを合成する。合成したペプチドは、ポリTyr、ポリLeu、ポリPhe、ポリAla、ポリIle、ポリValまたはポリPheであり得る。
【0055】
次に、上記のような固相ペプチド合成によって、長さが20〜50個のアミノ酸で末端がリジン残基の親水性ペプチドも合成する。合成したペプチドは、ポリAsp、ポリGln、ポリAsnまたはポリGluであり得る。末端リジン中の2つの活性アミン基を、カップリング試薬としてHATUを利用して上述の疎水性ポリペプチドに結合するために、それぞれ用いる。ペプチド側鎖上の保護基を、95%のトリフルオロ酢酸(TFA)で処理することによって、除去し、そして、メタノール沈殿によってペプチド系三腕ブロック共重合体を得る。
【0056】
このペプチド系三腕ブロック共重合体50mgおよびウミロリムス5〜20mgを、2.0mLのアセトニトリルに溶解させる。そして、アセトニトリルを、ロータリーエバポレーターを用いて除去する。得られるフィルムを、2.0mLの水で水和させて、ミセルを形成させる。ウミロリムス含有ミセルの溶液を、0.22μmフィルタに通して濾過して、使用する前に滅菌する。
【0057】
実施例7:ウミロリムス含有ペプチド/ポリマー系三腕ブロック共重合体ミセル
実施例5で上述したような固相ペプチド合成によって、長さが20〜50個のアミノ酸で末端がリジン残基の親水性ペプチドを合成する。合成したペプチドは、ポリAsp、ポリGln、ポリAsnまたはポリGluであり得る。末端リジン中の2つの活性アミン基を、実施例4で上述したようなポリラクチド(PLA)合成のために、それぞれ用いる。ポリカプロラクトン(PCL)も、ポリラクチドの代わりに、合成できる。
【0058】
ペプチド側鎖上の保護基を、95%のトリフルオロ酢酸(TFA)で処理することによって、除去し、そして、メタノール沈殿によってペプチド−(PLA)またはペプチド−(PCL)三腕ブロック共重合体を得る。
【0059】
ペプチド/ポリマー三腕ブロック共重合体50mgおよびウミロリムス5−20mgを、2.0mLのアセトニトリルに溶解させる。そして、アセトニトリルを、ロータリーエバポレーターを用いて除去する。得られるフィルムを、2.0mLの水で水和させて、ミセルを形成させる。ウミロリムス含有ペプチド/ポリマーミセルの溶液を、0.22μmフィルタに通して濾過して、使用する前に滅菌する。
【0060】
実施例8:ウミロリムス含有ペプチド/ポリマー系ブロック共重合体ミセル
標準Fmoc/t−ブチル保護アミノ酸およびHATU活性エステルに基づくカップリングを用い、自動ペプチドシンセサイザを用いたSPPSによって、リンクアミドメチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂上に、疎水性アミノ酸を含む長さが5〜40残基のペプチドを合成する。疎水性ペプチドは、ポリAla、ポリIle、ポリValまたはポリTrpであり得る。左旋性アミノ酸とラセミアミノ酸の両方を、用いることができる。
【0061】
ペプチド/ポリマーブロック共重合体を形成するために、疎水性ペプチドを、液相縮合によってα−メチル−ω−プロピオン酸−ポリ(酸化エチレン)(PEO−OCHCH−COOH)に結合させる。PEOの分子量は、2,000〜100,000Dalの範囲である。
【0062】
ペプチド/ポリマーブロック共重合体50mgおよびウミロリムス5〜20mgを、2.0mLのアセトニトリルに溶解させる。そして、アセトニトリルを、ロータリーエバポレーターを用いて除去する。得られるフィルムを、2.0mLの水で水和させて、ミセルを形成させる。ウミロリムス含有ペプチド/ポリマーミセルの溶液を、0.22μmフィルタに通して濾過して、使用する前に滅菌する。
【0063】
実施例9:親水性および疎水性ペプチド領域を含むウミロリムス含有ペプチドミセル
疎水性ペプチドを、購入するかまたはN−カルボキシ無水物(NCA)重合によって合成して、高分子開始剤(macroinitiator)として用いる。そして、所望のアミノ酸−NCA結合体を含むジクロロメタンの溶液に高分子開始剤を添加することによって、親水性ペプチドをアセンブルする。この反応を、Ar雰囲気下で、40℃、24時間行う。反応混合物を冷メタノールに注入して、白色の固体生成物を沈殿させる。この生成物を、NMRおよびゲル透過クロマトグラフィによって同定する。アミノ酸側鎖保護基の除去を、この生成物を水中の95%TFAで処理することによって、行う。脱保護反応混合物を、冷ジエチルエーテルに注入して、白色の固体ポリマーを沈殿させる。得られる親水性−疎水性ペプチドブロックポリマーを真空乾燥し、そして、NMRで同定する。
【0064】
親水性−疎水性ペプチドブロック共重合体50mgおよびウミロリムス5〜20mgを、2.0mLのアセトニトリルに溶解させる。そして、アセトニトリルを、ロータリーエバポレーターを用いて除去する。得られるペプチドフィルムを、2.0mLの水で水和させて、ミセルを形成させる。ウミロリムス含有ペプチドミセルの溶液を、0.22μmフィルタに通して濾過して、使用する前に滅菌する。
【0065】
実施例10:ウミロリムス−ポリマーミセルプロドラッグ結合体
mPEG−PLA−COOH共重合体を、開環重合によって、合成する。手短に言えば、ラクチドおよび2モル%α−メチル−ω−プロピオン酸−PEO(PEO−OCHCH−COOH)を、窒素下、160℃で溶解させる。0.2%錫含有2−ヘキサノン酸エチルを添加し、そして、反応を140℃の温度で90分間、真空下で行った。そして、このように形成した共重合体を、ジクロロメタンに溶解させて、冷エーテル中に沈殿させる。
【0066】
mPEG−PLA共重合体(1000g)およびウミロリムス(50mg)を、無水DCMに溶解させる。そして、20mgの4−ジメチルアミノピリジン、70mgのブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩および50μLのジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を添加する。この反応を室温で24時間撹拌し、続いて、ロータリーエバポレーションによって溶媒を完全に除去する。得られる共重合体/薬剤結合体を、過剰のエタノールで洗浄して、未反応のウミロリムスおよび触媒を除去する。プロドラッグの構造および結合度を、重水素化ジメチルスルホキシドに結合体ポリマーを溶解させてそれをHおよび13C NMRで分析することによって、決定する。
【0067】
実施例11:親水性ポリペプチドに結合したウミロリムス
3.5mLの乾燥ジメチルホルムアミド中の100mgのポリグルタミン酸(MW>50,000)と、50mgのウミロリムスと、20μLのDIPEAとの混合物を、0℃まで冷却した。30mgのジシクロヘキシルカルボジイミドを添加し、そして、この反応を、室温で一晩、インキュベートした。混合物をクロロホルムに注入して、反応を止めて、ウミロリムス/ペプチド結合体を沈殿させた。得られた沈殿物を、さらにクロロホルムで数回洗浄し、白色粉体を得た。
【0068】
実施例12:PEG−PLAブロック共重合体中にカプセル化されたウミロリムス
23.42mgのPEG−PLAブロック共重合体の混合物を、2.23mgのウミロリムスと共に0.5mLのジクロロメタンに溶解させた。ジクロロメタンを、室温で、層流フード内で蒸発させた。このように形成したポリマーフィルムを、2.2mLのHPLCグレードのH0中で再水和した。得られた溶液を、0.22μmの孔径を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜に通して濾過した。
【0069】
実施例13:PEG−PCLブロック共重合体にカプセル化されたウミロリムス
33.24mgのPEG−PCLブロック共重合体の混合物を、3.17mgのウミロリムスと共に0.5mLのジクロロメタンに溶解させた。ジクロロメタンを、室温で、層流フード内で蒸発させた。このように形成したポリマーフィルムを、4.0mLのHPLCグレードのH0中で再水和した。得られた溶液を、0.22μmの孔径を有するPTFE膜に通して濾過した。
【0070】
実施例14:ブロック共重合体ポリマーカプセル化ウミロリムスの物性
溶解度
Oへのウミロリムスの溶解度を測定し、それぞれ、実施例12および実施例13で上述したPEG−PLAおよびPEG−PCL中にカプセル化されたウミロリムスのHOへ溶解度と比較した。HPLCを、薬剤またはカプセル化薬剤を溶解させた後のウミロリムス濃度を測定するために用いた。この結果が、下記の表2に示されている。純ウミロリムスは、水に対して0.11μg/mLの溶解度を有した。ウミロリムスの溶解度は、文献において報告されたシロリムスの溶解度(2.6μg/mL)より低かった。PEG−PCLおよびPEG−PLA中にカプセル化されたウミロリムスは、それぞれ、55.6g/mLおよび739.1g/mLの溶解度を有した。
【0071】
【表2】
【0072】
安定性
ウミロリムスの安定性を、実施例12にて上述したようなPEG−PLAブロック共重合体ミセル中にカプセル化されたウミロリムスの安定性と比較した。90%PBS、10%MeOH中のウミロリムス(50μg/mL)およびカプセル化ウミロリムス(157.4μg/mL)の溶液を37℃の水浴に入れた。ウミロリムスの安定性を、様々なインキュベーション時間での薬剤含有量を測定することによって、測定した。この結果が、図2Aに示されている。PEG−PLAブロック共重合体ミセル中にカプセル化されたウミロリムスは、カプセル化されていない薬剤よりかなり安定していた。
【0073】
ウミロリムスの半減期を、以下の式に基づいて算出した。
半減期=(t*ln(2))/(LN(C/Ct0))
式中、tは終了時点であり、Cは終了時点での濃度であり、Ct0は初期濃度である。この結果は、ウミロリムスの半減期が21hであり、一方、PEG−PLAブロック共重合体ミセル中にカプセル化されたウミロリムスの半減期は148hであり、7倍の増加を表すことを示した。
【0074】
放出特性
PEG−PLAブロック共重合体ミセル中にカプセル化されたウミロリムスの累積的な薬剤放出特性を、測定した。ポリマーミセル(380μg)を、5mLの90%PBS/10%メタノール溶液中に懸濁させた。懸濁液を、37℃の水浴中でインキュベートした。各時点で、0.2mLの懸濁液を、微量遠心分離機管へ移した。この管内のポリマーミセルを、5℃、15分間、15,000×gでの遠心分離によって集めた。上澄みを除去した後、得られたペレットを、0.2mLの未使用のメタノール中で超音波処理することによって、再懸濁した。得られた溶液を、HPLCによって分析して、ポリマーミセル中に残存するウミロリムスの量を測定した。この結果が、図2Bに示されている。ウミロリムスのほぼ80%は、8日間のインキュベーションのうちに放出される。
【0075】
実施例15:インビボでの抑制有効性研究
BALB/cヌードマウスのSNU−16ヒト胃癌異種移植モデルを、カプセル化ウミロリムスの抑制有効性を評価するために使用した。
【0076】
SNU−16腫瘍細胞を、5%CO中37℃で、熱失活した10%ウシ胎児血清を追加したRPMI−1640培養液中に浮遊状態で培養した。細胞を、毎週二回、ルーチン的に継代培養した。指数成長期の細胞を収集し、Nu/nuマウスに接種して腫瘍を形成させる前に、カウントした。
【0077】
0.1mLのPBS中の1×10個のSNU−16細胞を、腫瘍の成長をサポートするためのマトリゲル(1:1)と共に各々のマウスの背中の右上部に皮下接種した。平均腫瘍サイズがほぼ150mmに達した注射後8日目に、薬剤またはビヒクル処理を開始した。各々の動物に、8日目から連続して5日間、腹膜内注射した。投与した製剤および各々の研究群の動物の数が、下記の表3に示されている。
【0078】
【表3】
【0079】
腫瘍細胞接種後、罹患率および死亡率について、動物を毎日チェックした。日常のモニタリング時に、例えば可動性、食物および水の消費の目測、体重の増加/減少、目のつやの喪失(eye matting)等の通常の挙動に対する腫瘍負荷および処理のいかなる影響および他のいかなる異常な効果について、動物をチェックした。死亡および観察した臨床徴候を、各々の動物毎に記録した。
【0080】
腫瘍体積を、カリパスを用いて2次元で毎週二回測定し、V=0.5a×bの式を用いて体積を算出した。式中、a、bは、それぞれ、腫瘍の長径、短径である。
【0081】
この結果が、図3に示される。PEG−PLAブロック共重合体ミセル中にカプセル化されたウミロリムスは、実験的な腫瘍の増殖を遅らせるのに効果的であった。
【0082】
他の実施形態
本明細書に開示される特徴の全ては、いかなる組合せにも組み込まれることができる。本明細書に開示される各々の特徴は、同一、等価または類似の目的を果たす代わりの特徴と置き換えることができる。よって、特に明記しない限り、開示される各々の特徴は、一般的な一連の等価または類似の特徴の一例に過ぎない。
【0083】
上記説明から、当業者は、本発明の基本的特徴を容易に確認することができ、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変更と改変を行い、本発明を様々な使用および状況に適応させることができる。よって、他の実施例は、また、以下の請求項の範囲内である。
図1
図2A
図2B
図3