(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0004】
有機材料を利用する光電子デバイスは、いくつもの理由から、次第に望ましいものとなりつつある。そのようなデバイスを作製するために使用される材料の多くは比較的安価であるため、有機光電子デバイスは無機デバイスを上回るコスト優位性の可能性を有する。加えて、柔軟性等の有機材料の固有の特性により、該材料は、フレキシブル基板上での製作等の特定用途によく適したものとなり得る。有機光電子デバイスの例は、有機発光デバイス(OLED)、有機光トランジスタ、有機光電池及び有機光検出器を含む。OLEDについて、有機材料は従来の材料を上回る性能の利点を有し得る。例えば、有機発光層が光を放出する波長は、概して、適切なドーパントで容易に調整され得る。
【0005】
OLEDはデバイス全体に電圧が印加されると光を放出する薄い有機膜を利用する。OLEDは、フラットパネルディスプレイ、照明及びバックライティング等の用途において使用するためのますます興味深い技術となりつつある。数種のOLED材料及び構成は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、特許文献1、特許文献2及び特許文献3において記述されている。
【0006】
リン光性発光分子の1つの用途は、フルカラーディスプレイである。そのようなディスプレイの業界標準は、「飽和(saturated)」色と称される特定の色を放出するように適合された画素を必要とする。特に、これらの標準は、飽和した赤色、緑色及び青色画素を必要とする。色は、当技術分野において周知のCIE座標を使用して測定することができる。
【0007】
緑色発光分子の一例は、下記の構造:
【化1】
を有する、Ir(ppy)
3と表示されるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムである。
【0008】
この図面及び本明細書における後出の図面中で、本発明者らは、窒素から金属(ここではIr)への配位結合を直線として描写する。
【0009】
本明細書において使用される場合、用語「有機」は、有機光電子デバイスを製作するために使用され得るポリマー材料及び小分子有機材料を含む。「小分子」は、ポリマーでない任意の有機材料を指し、且つ「小分子」は実際にはかなり大型であってよい。小分子は、いくつかの状況において繰り返し単位を含み得る。例えば、長鎖アルキル基を置換基として使用することは、「小分子」クラスから分子を排除しない。小分子は、例えばポリマー骨格上のペンダント基として、又は該骨格の一部として、ポリマーに組み込まれてもよい。小分子は、コア部分上に構築された一連の化学的シェルからなるデンドリマーのコア部分として役立つこともできる。デンドリマーのコア部分は、蛍光性又はリン光性小分子発光体であってよい。デンドリマーは「小分子」であってよく、OLEDの分野において現在使用されているデンドリマーはすべて小分子であると考えられている。
【0010】
本明細書において使用される場合、「頂部」は基板から最遠部を意味するのに対し、「底部」は基板の最近部を意味する。第一層が第二層「の上に配置されている」と記述される場合、第一層のほうが基板から遠くに配置されている。第一層が第二層「と接触している」ことが指定されているのでない限り、第一層と第二層との間に他の層があってもよい。例えば、間に種々の有機層があるとしても、カソードはアノード「の上に配置されている」と記述され得る。
【0011】
本明細書において使用される場合、「溶液プロセス可能な」は、溶液又は懸濁液形態のいずれかの液体媒質に溶解、分散若しくは輸送することができ、且つ/又は該媒質から堆積することができるという意味である。
【0012】
配位子は、該配位子が発光材料の光活性特性に直接寄与していると考えられる場合、「光活性」と称され得る。配位子は、該配位子が発光材料の光活性特性に寄与していないと考えられる場合には「補助」と称され得るが、補助配位子は、光活性配位子の特性を変化させることができる。
【0013】
本明細書において使用される場合、当業者には概して理解されるであろう通り、第一の「最高被占分子軌道」(HOMO)又は「最低空分子軌道」(LUMO)エネルギー準位は、第一のエネルギー準位が真空エネルギー準位に近ければ、第二のHOMO又はLUMOエネルギー準位「よりも大きい」又は「よりも高い」。イオン化ポテンシャル(IP)は、真空準位と比べて負のエネルギーとして測定されるため、より高いHOMOエネルギー準位は、より小さい絶対値を有するIP(あまり負でないIP)に相当する。同様に、より高いLUMOエネルギー準位は、より小さい絶対値を有する電子親和力(EA)(あまり負でないEA)に相当する。頂部に真空準位がある従来のエネルギー準位図において、材料のLUMOエネルギー準位は、同じ材料のHOMOエネルギー準位よりも高い。「より高い」HOMO又はLUMOエネルギー準位は、「より低い」HOMO又はLUMOエネルギー準位よりもそのような図の頂部に近いように思われる。
【0014】
本明細書において使用される場合、当業者には概して理解されるであろう通り、第一の仕事関数がより高い絶対値を有するならば、第一の仕事関数は第二の仕事関数「よりも大きい」又は「よりも高い」。仕事関数は概して真空準位と比べて負数として測定されるため、これは「より高い」仕事関数が更に負であることを意味する。頂部に真空準位がある従来のエネルギー準位図において、「より高い」仕事関数は、真空準位から下向きの方向に遠く離れているものとして例証される。故に、HOMO及びLUMOエネルギー準位の定義は、仕事関数とは異なる慣例に準ずる。
【0015】
OLEDについての更なる詳細及び上述した定義は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献4において見ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
概して、OLEDは、アノード及びカソードの間に配置され、それらと電気的に接続された少なくとも1つの有機層を含む。電流が印加されると、アノードが正孔を注入し、カソードが電子を有機層(複数可)に注入する。注入された正孔及び電子は、逆帯電した電極にそれぞれ移動する。電子及び正孔が同じ分子上に局在する場合、励起エネルギー状態を有する局在電子正孔対である「励起子」が形成される。光は、励起子が緩和した際に、光電子放出機構を介して放出される。いくつかの事例において、励起子はエキシマー又はエキサイプレックス上に局在し得る。熱緩和等の無輻射機構が発生する場合もあるが、概して望ましくないとみなされている。
【0025】
初期のOLEDは、例えば、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第4,769,292号において開示されている通り、その一重項状態から光を放出する発光分子(「蛍光」)を使用していた。蛍光発光は、概して、10ナノ秒未満の時間枠で発生する。
【0026】
ごく最近では、三重項状態から光を放出する発光材料(「リン光」)を有するOLEDが実証されている。参照によりその全体が組み込まれる、Baldoら、「Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices」、395巻、151〜154、1998;(「Baldo−I」)及びBaldoら、「Very high−efficiency green organic light emitting devices based on electrophosphorescence」、Appl.Phys.Lett.、75巻、3号、4〜6(1999)(「Baldo−II」)。リン光については、参照により組み込まれる米国特許第7,279,704号5〜6段において更に詳細に記述されている。
【0027】
図1は、有機発光デバイス100を示す。図は必ずしも一定の縮尺ではない。デバイス100は、基板110、アノード115、正孔注入層120、正孔輸送層125、電子ブロッキング層130、発光層135、正孔ブロッキング層140、電子輸送層145、電子注入層150、保護層155、カソード160、及びバリア層170を含み得る。カソード160は、第一の導電層162及び第二の導電層164を有する複合カソードである。デバイス100は、記述されている層を順に堆積させることによって製作され得る。これらの種々の層の特性及び機能並びに材料例は、参照により組み込まれるUS7,279,704、6〜10段において更に詳細に記述されている。
【0028】
これらの層のそれぞれについて、更なる例が利用可能である。例えば、フレキシブル及び透明基板−アノードの組合せは、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第5、844、363号において開示されている。p−ドープされた正孔輸送層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号において開示されている通りの、50:1のモル比でm−MTDATAにF
4−TCNQをドープしたものである。発光材料及びホスト材料の例は、参照によりその全体が組み込まれるThompsonらの米国特許第6,303,238号において開示されている。n−ドープされた電子輸送層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号において開示されている通りの、1:1のモル比でBPhenにLiをドープしたものである。参照によりその全体が組み込まれる米国特許第5,703,436号及び同第5,707,745号は、上を覆う透明の、導電性の、スパッタリング蒸着したITO層を持つMg:Ag等の金属の薄層を有する複合カソードを含むカソードの例を開示している。ブロッキング層の理論及び使用は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,097,147号及び米国特許出願公開第2003/0230980号において更に詳細に記述されている。注入層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2004/0174116号において提供されている。保護層についての記述は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2004/0174116号において見ることができる。
【0029】
図2は、反転させたOLED200を示す。デバイスは、基板210、カソード215、発光層220、正孔輸送層225、及びアノード230を含む。デバイス200は、記述されている層を順に堆積させることによって製作され得る。最も一般的なOLED構成はアノードの上に配置されたカソードを有し、デバイス200はアノード230の下に配置されたカソード215を有するため、デバイス200は「反転させた」OLEDと称されることがある。デバイス100に関して記述されたものと同様の材料を、デバイス200の対応する層において使用してよい。
図2は、いくつかの層が如何にしてデバイス100の構造から省略され得るかの一例を提供するものである。
【0030】
図1及び2において例証されている単純な層構造は、非限定的な例として提供されるものであり、本発明の実施形態は多種多様な他の構造に関連して使用され得ることが理解される。記述されている特定の材料及び構造は、事実上例示的なものであり、他の材料及び構造を使用してよい。機能的なOLEDは、記述されている種々の層を様々な手法で組み合わせることによって実現され得るか、又は層は、設計、性能及びコスト要因に基づき、全面的に省略され得る。具体的には記述されていない他の層も含まれ得る。具体的に記述されているもの以外の材料を使用してよい。本明細書において提供されている例の多くは、単一材料を含むものとして種々の層を記述しているが、ホスト及びドーパントの混合物等の材料の組合せ、又はより一般的には混合物を使用してよいことが理解される。また、層は種々の副層を有してもよい。本明細書における種々の層に与えられている名称は、厳しく限定することを意図するものではない。例えば、デバイス200において、正孔輸送層225は正孔を輸送し、正孔を発光層220に注入し、正孔輸送層又は正孔注入層として記述され得る。一実施形態において、OLEDは、カソード及びアノードの間に配置された「有機層」を有するものとして記述され得る。有機層は単層を含んでいてよく、又は、例えば
図1及び2に関して記述されている通りの異なる有機材料の多層を更に含んでいてよい。
【0031】
参照によりその全体が組み込まれるFriendらの米国特許第5,247,190号において開示されているもののようなポリマー材料で構成されるOLED(PLED)等、具体的には記述されていない構造及び材料を使用してもよい。更なる例として、単一の有機層を有するOLEDが使用され得る。OLEDは、例えば、参照によりその全体が組み込まれるForrestらの米国特許第5,707,745号において記述されている通り、積み重ねられてよい。OLED構造は、
図1及び2において例証されている単純な層構造から逸脱してよい。例えば、基板は、参照によりその全体が組み込まれる、Forrestらの米国特許第6,091,195号において記述されている通りのメサ構造及び/又はBulovicらの米国特許第5,834,893号において記述されている通りのくぼみ構造等、アウトカップリングを改良するための角度のついた反射面を含み得る。
【0032】
別段の規定がない限り、種々の実施形態の層のいずれも、任意の適切な方法によって堆積され得る。有機層について、好ましい方法は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,013,982号及び同第6,087,196号において記述されているもの等の熱蒸着、インクジェット、参照によりその全体が組み込まれるForrestらの米国特許第6,337,102号において記述されているもの等の有機気相堆積(OVPD)、並びに参照によりその全体が組み込まれる米国特許第7,431,968号において記述されているもの等の有機気相ジェットプリンティング(OVJP)による堆積を含む。他の適切な堆積法は、スピンコーティング及び他の溶液ベースのプロセスを含む。溶液ベースのプロセスは、好ましくは、窒素又は不活性雰囲気中で行われる。他の層について、好ましい方法は熱蒸着を含む。好ましいパターニング法は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,294,398号及び同第6,468,819号において記述されているもの等のマスク、冷間圧接を経由する堆積、並びにインクジェット及びOVJD等の堆積法のいくつかに関連するパターニングを含む。他の方法を使用してもよい。堆積する材料は、特定の堆積法と適合するように修正され得る。例えば、分枝鎖状又は非分枝鎖状であり、且つ好ましくは少なくとも3個の炭素を含有するアルキル及びアリール基等の置換基は、溶液プロセシングを受ける能力を増強するために、小分子において使用され得る。20個以上の炭素を有する置換基を使用してよく、3〜20個の炭素が好ましい範囲である。非対称構造を持つ材料は、対称構造を有するものよりも良好な溶液プロセス性を有し得、これは、非対称材料のほうが再結晶する傾向が低くなり得るからである。溶液プロセシングを受ける小分子の能力を増強するために、デンドリマー置換基が使用され得る。
【0033】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、バリア層を更に含んでいてよい。バリア層の1つの目的は、電極及び有機層を、水分、蒸気及び/又はガス等を含む環境における有害な種への損傷性暴露から保護することである。バリア層は、基板、電極の上、下若しくは隣に、又はエッジを含むデバイスの任意の他の部分の上に堆積し得る。バリア層は、単層又は多層を含んでいてよい。バリア層は、種々の公知の化学気相堆積技術によって形成され得、単相を有する組成物及び多相を有する組成物を含み得る。任意の適切な材料又は材料の組合せをバリア層に使用してよい。バリア層は、無機若しくは有機化合物又は両方を組み込み得る。好ましいバリア層は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,968,146号、PCT特許出願第PCT/US2007/023098号及び同第PCT/US2009/042829号において記述されている通りの、ポリマー材料及び非ポリマー材料の混合物を含む。「混合物」とみなされるためには、バリア層を構成する前記のポリマー及び非ポリマー材料は、同じ反応条件下で及び/又は同時に堆積されるべきである。ポリマー材料対非ポリマー材料の重量比は、95:5から5:95の範囲内となり得る。ポリマー材料及び非ポリマー材料は、同じ前駆体材料から作成され得る。一例において、ポリマー材料及び非ポリマー材料の混合物は、ポリマーケイ素及び無機ケイ素から本質的になる。
【0034】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニター、テレビ、掲示板、屋内若しくは屋外照明及び/又は信号送信用のライト、ヘッドアップディスプレイ、完全透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザープリンター、電話、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダー、ファインダー、マイクロディスプレイ、3−Dディスプレイ、車、大面積壁、劇場又はスタジアムのスクリーン、或いは看板を含む多種多様な消費者製品に組み込まれ得る。パッシブマトリックス及びアクティブマトリックスを含む種々の制御機構を使用して、本発明に従って製作されたデバイスを制御することができる。デバイスの多くは、摂氏18度から摂氏30度、より好ましくは室温(摂氏20〜25度)等、ヒトに快適な温度範囲内での使用が意図されているが、この温度範囲外、例えば、摂氏−40度〜+80度で用いることもできる。
【0035】
本明細書において記述されている材料及び構造は、OLED以外のデバイスにおける用途を有し得る。例えば、有機太陽電池及び有機光検出器等の他の光電子デバイスが、該材料及び構造を用い得る。より一般的には、有機トランジスタ等の有機デバイスが、該材料及び構造を用い得る。
【0036】
本明細書において、「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。
【0037】
本明細書において、「アルキル」という用語は、直鎖及び分岐鎖アルキル基のいずれをも意味する。好ましいアルキル基としては、1〜15個の炭素原子を含むアルキル基であり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルなどを含む。更に、前記アルキル基は、置換されていてもよい。
【0038】
本明細書において、「シクロアルキル」という用語は、環状アルキル基を意味する。好ましいシクロアルキル基としては、3〜7個の炭素原子を含むシクロアルキル基であり、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。更に、前記シクロアルキル基は置換されていてもよい。
【0039】
本明細書において、「アルケニル」という用語は、直鎖及び分岐鎖アルケニル基のいずれをも意味する。好ましいアルケニル基としては、2〜15個の炭素原子を含むアルケニル基である。更に、前記アルケニル基は、置換されていてもよい。
【0040】
本明細書において、「アルキニル」という用語は、直鎖及び分岐鎖アルキン基のいずれをも意味する。好ましいアルキニル基は、2〜15個の炭素原子を含むアルキニル基である。更に、前記アルキニル基は置換されていてもよい。
【0041】
本明細書において、「アラルキル」又は「アリールアルキル」という用語は、相互交換可能に使用され、置換基として芳香族基を有するアルキル基を意味する。更に、前記アラルキル基は、置換されていてもよい。
【0042】
本明細書において、「ヘテロ環基」という用語は、芳香族環基及び非芳香族環基を意味する。ヘテロ芳香族環基は、ヘテロアリールも意味する。好ましいヘテロ非芳香族環基は、3又は7個の環原子を含む少なくとも1つのヘテロ原子であり、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノなどの環状アミンを含み、及びテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの環状エーテルを含む。更に、前記ヘテロ環基は、置換されていてもよい。
【0043】
本明細書において、「アリール」又は「芳香族基」は、単環及び多環系を意味する。多環とは、2つの隣接する環(前記環は、「縮合」している)により2つの炭素が共有されている2つ以上の環を有することができ、前記環の少なくとも1つは、芳香族であり、例えば、他の環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環、及び/又はヘテロアリールである。更に、前記アリール基は、置換されていてもよい。
【0044】
本明細書において、「ヘテロアリール」は、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、及びピリミジンなど、1〜3個のヘテロ原子を含む単環の複素芳香族基を意味する。ヘテロアリールという用語も、2つの隣接する環(前記環は、「縮合」している)により2つの原子が共されている2つ以上の環を有する多環のヘテロ芳香族系を含み、前記環の少なくとも1つは、ヘテロアリールであり、例えば、他の環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環、及び/又はヘテロアリールであることができる。更に、前記ヘテロアリールは、置換されていてもよい。
【0045】
前記アルキル、前記シクロアルキル、前記アルケニル、前記アルキニル、前記アラルキル、前記ヘテロ環、前記アリール、及び前記ヘテロアリールは、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、環状アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エーテル、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組合せから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0046】
本明細書において、「置換(された)」は、H以外の置換基が炭素等の関連している位置に結合していることを示す。したがって、例えば、R
1が一置換である場合、R
1はH以外でなくてはならない。同様に、R
1が二置換である場合、R
1のうちの2つは、H以外でなくてはならない。同様に、R
1が無置換である場合、R
1は全ての置換位置において水素である。
【0047】
本明細書において記述されるフラグメント、例えば、アザ−ジベンゾフラン、アザ−ジベンゾチオフェン等の中の「アザ」という名称は、各フラグメント中のC−H基の1つ以上が窒素原子に置き換わることができることを意味し、例えば、何ら限定するものではないが、アザトリフェニレンは、ジベンゾ[f,h]キノキサリンとジベンゾ[f,h]キノリンのいずれをも包含する。当業者であれば、上述のアザ誘導体の他の窒素アナログを容易に想像することができ、このようなアナログ全てが本明細書に記載の前記用語によって包含されることが意図される。
【0048】
分子フラグメントが置換基として記述される、又は他の部分に結合されているものとして記述される場合、その名称は、フラグメント(例えば、フェニル、フェニレン、ナフチル、ジベンゾフリル)又は分子全体(ベンゼン、ナフタレン、ジベンゾフラン)であるように記載されることがあることを理解されたい。本明細書においては、置換基又は結合フラグメントの表示の仕方が異なっていても、これらは、等価であると考える。
【0049】
1つの実施形態によれば、下記の式(I):
【化3】
の構造を有する化合物が記載される。式(I)の構造において、
Cuは、一価の銅原子であり;
*Cは、カルベン炭素であり;
X
1及びX
2は、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリールアルキル、アリールオキシ、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、及びこれらの組合せからなる群から選択され;
X
1及びX
2は、独立して、C、N、O、S、及びPからなる群から選択される原子によって
*Cと結合され;
X
1及びX
2は、結合して環を形成してもよく;
Yは、ハライド、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、ホスフィン、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリールアルキル、アリールオキシ、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0050】
幾つかの実施形態においては、前記化合物は、発光ドーパントであることができる。幾つかの実施形態においては、リン光、蛍光、熱活性化遅延蛍光、即ちTADF(E型遅延蛍光とも呼ばれる)、三重項−三重項消滅、又はこれらの過程の組合せを介して発光を示す。
【0051】
幾つかの実施形態においては、Yは、カルベン炭素を含み、前記カルベン炭素は、Cu原子と配位している。他の実施形態においては、Yは、カルベン炭素ではない原子によって、Cu原子と配位している。
【0052】
幾つかの実施形態においては、X
1及びX
2は、結合しない。幾つかの実施形態においては、X
1及びX
2は、結合して環Aを形成する。幾つかの実施形態においては、環Aは、5又は6員環である。
【0053】
幾つかの実施形態においては、環Aは、複素環又は炭素環でよい多環式環系の一部である。幾つかの実施形態においては、環Aは非アリールである。幾つかの実施形態においては、環Aは、複素環であることができ、他の実施形態においては、環Aは、炭素環であることができる。幾つかの実施形態においては、環Aは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリールアルキル、アリールオキシ、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されることができる。
【0054】
幾つかの実施形態においては、Yは、アミノであり、Cu−Yは、下記からなる群から選択される構造であるか、又は該構造を含む。
【化4】
式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリールアルキル、アリールオキシ、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0055】
幾つかの実施形態においては、Cu−Yは、下記からなる群から選択される構造であるか、又は該構造を含む。
【化5】
式中、R
1、R
2、及びR
3は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリールアルキル、アリールオキシ、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール,及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0056】
幾つかの実施形態において、式(I)の下記のカルベン構造:
【化6】
は、下記からなる群から選択される構造であるか、又は該構造を含む。
【化7】
【化8】
式中、各nは、独立して、1又は2であり;
zは、1、2,又は3であり;
Y
1は、C、O、S、及びNからなる群から選択される原子であり;
R、R
1、R
2、及びR
3は、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリールアルキル、アリールオキシ、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0057】
幾つかの実施形態においては、式(I)中のYは、下記からなる群から選択される構造であるか、又は該構造を含む。
【化9】
【化10】
式中、各nは、独立して、1又は2であり;
zは、1、2、又は3であり;
Y
2は、C、O、S、及びNからなる群から選択される原子であり;
R、R
1、R
2、及びR
3は、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリールアルキル、アリールオキシ、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0058】
幾つかの実施形態においては、前記化合物は、下記からなる群から選択される。
【化11】
【0059】
本開示の他の態様によれば、第1のデバイスも提供される。前記第1の有機発光デバイスは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された有機層とを含むことができる第1の有機発光デバイスを含むことができる。前記有機層は、ホスト及びリン光ドーパントを含んでいてもよい。前記有機層は、式(I)の化合物及び本明細書に記載されるその具体化合物を含むことができる発光層であることができる。
【0060】
前記第1のデバイスは、1つ以上の消費者製品、有機発光デバイス、及び照明パネルであることができる。前記有機層は、発光層であることができ、幾つかの実施形態においては、前記化合物は、発光ドーパントであることができ、他の実施形態においては、前記化合物は、非発光ドーパントであることができる。
【0061】
前記有機層は、ホストも含むことができる。幾つかの実施形態において、前記ホストは、金属錯体を含むことができる。前記ホストは、ベンゾ縮合チオフェン又はベンゾ縮合フランを含むトリフェニレンであることができる。前記ホスト中のいずれの置換基は、独立して、C
nH
2n+1、OC
nH
2n+1、OAr
1、N(C
nH
2n+1)
2、N(Ar
1)(Ar
2)、CH=CH−C
nH
2n+1、C≡C−C
nH
2n+1、Ar
1、Ar
1−Ar
2、及びC
nH
2n−Ar
1からなる群から選択される非縮合置換基であるか、又は無置換であることができる。前述の置換基において、nは1〜10までの範囲であることができ;Ar
1及びAr
2は、独立して、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、トリフェニレン、カルバゾール、及びこれらの複素芳香族類似物からなる群から選択される。
【0062】
前記ホストは、トリフェニレン、カルバゾール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、アザカルバゾール、アザ−ジベンゾチオフェン、アザ−ジベンゾフラン、及びアザ−ジベンゾセレノフェンからなる群から選択される少なくとも1つの化学基を含む化合物であることができる。前記ホストは、金属錯体を含むことができる。前記ホストは、下記からなる群から選択される具体的化合物であることができる。
【化12】
【0063】
本開示の更に他の態様において、式(I)の化合物及び本明細書に記載されるその具体化合物を含む組成物が開示される。前記組成物は、本明細書中に開示されている溶媒、ホスト、ホール注入材料、ホール輸送材料、及び電子輸送層材料からなる群から選択される1つ以上の成分を含むことができる。
他の材料との組合せ
【0064】
有機発光デバイス中の特定の層に有用として本明細書において記述されている材料は、デバイス中に存在する多種多様な他の材料と組み合わせて使用され得る。例えば、本明細書において開示されている発光性ドーパントは、多種多様なホスト、輸送層、ブロッキング層、注入層、電極、及び存在し得る他の層と併せて使用され得る。以下で記述又は参照される材料は、本明細書において開示されている化合物と組み合わせて有用となり得る材料の非限定的な例であり、当業者であれば、組み合わせて有用となり得る他の材料を特定するための文献を容易に閲覧することができる。
HIL/HTL:
【0065】
本発明の実施形態において使用される正孔注入/輸送材料は特に限定されず、その化合物が正孔注入/輸送材料として典型的に使用されるものである限り、任意の化合物を使用してよい。材料の例は、フタロシアニン又はポルフィリン誘導体;芳香族アミン誘導体;インドロカルバゾール誘導体;フッ化炭化水素を含有するポリマー;伝導性ドーパントを持つポリマー;PEDOT/PSS等の導電性ポリマー;ホスホン酸及びシラン誘導体等の化合物に由来する自己集合モノマー;MoO
x等の金属酸化物誘導体;1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル等のp型半導体有機化合物;金属錯体、並びに架橋性化合物を含むがこれらに限定されない。
【0066】
HIL又はHTL中に使用される芳香族アミン誘導体の例は、下記の一般構造:
【化13】
を含むがこれらに限定されない。
【0067】
Ar
1からAr
9のそれぞれは、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレン等の芳香族炭化水素環式化合物からなる群;ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジン及びセレノフェノジピリジン等の芳香族複素環式化合物からなる群;並びに芳香族炭化水素環式基及び芳香族複素環式基から選択される同じ種類又は異なる種類の基である2から10個の環式構造単位からなる群から選択され、且つ、直接的に、又は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位及び脂肪族環式基の少なくとも1つを介して、互いに結合している。ここで、各Arは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される置換基によって更に置換されている。
【0068】
一態様において、Ar
1からAr
9は、
【化14】
からなる群から独立に選択される。
式中、kは1から20までの整数であり;X
101からX
108はC(CHを含む)又はNであり;Z
101はNAr
1、O、又はSであり;Ar
1は、上記で定義したものと同じ基を有する。
【0069】
HIL又はHTL中に使用される金属錯体の例は、下記の一般式:
【化15】
を含むがこれに限定されない。
式中、Metは、40より大きい原子量を有し得る金属であり;(Y
101−Y
102)は二座配位子であり、Y
101及びY
102は、C、N、O、P及びSから独立に選択され;L
101は補助配位子であり;k’は、1から金属に付着し得る配位子の最大数までの整数値であり;且つ、k’+k’’は、金属に付着し得る配位子の最大数である。
【0070】
一態様において、(Y
101−Y
102)は2−フェニルピリジン誘導体である。別の態様において、(Y
101−Y
102)はカルベン配位子である。別の態様において、Metは、Ir、Pt、Os及びZnから選択される。更なる態様において、金属錯体は、Fc
+/Fcカップルに対して、溶液中で約0.6V未満の最小酸化電位を有する。
ホスト:
【0071】
本発明の有機ELデバイスの発光層は、発光材料として少なくとも金属錯体を含むことが好ましく、前記金属錯体をドーパント材料として用いるホスト材料を含んでいてもよい。前記ホスト材料の例は、特に限定されず、ホストの三重項エネルギーがドーパントのものより大きい限り、任意の金属錯体又は有機化合物を使用してよい。下記の表において、各色を発光するデバイスに好ましいホスト材料が分類されているが、三重項の基準が満たされれば、いずれのホスト材料もいずれのドーパントと共に用いてもよい。
【0072】
ホスト材料として使用される金属錯体の例は、下記の一般式を有することが好ましい。
【化16】
式中、Metは金属であり;(Y
103−Y
104)は二座配位子であり、Y
103及びY
104は、C、N、O、P及びSから独立に選択され;L
101は他の配位子であり;k’は、1から金属に付着し得る配位子の最大数までの整数値であり;且つ、k’+k’’は、金属に付着し得る配位子の最大数である。
【0073】
一態様において、金属錯体は、下記の錯体である。
【化17】
式中、(O−N)は、原子O及びNに配位された金属を有する二座配位子である。
【0074】
別の態様において、Metは、Ir及びPtから選択される。更なる態様において、(Y
103−Y
104)はカルベン配位子である。
【0075】
ホスト材料として使用される有機化合物の例は、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレン等の芳香族炭化水素環式化合物からなる群;ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジン及びセレノフェノジピリジン等の芳香族複素環式化合物からなる群;並びに芳香族炭化水素環式基及び芳香族複素環式基から選択される同じ種類又は異なる種類の基であり、且つ、直接的に、又は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位及び脂肪族環式基の少なくとも1つを介して互いに結合している2から10個の環式構造単位からなる群から選択される。各基は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される置換基によって更に置換されている。
【0076】
一態様において、ホスト化合物は、分子中に下記の群の少なくとも1つを含有する。
【化18】
式中、R
101からR
107は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、それがアリール又はヘテロアリールである場合、上記で言及したArのものと同様の定義を有する。kは0から20又は1から20までの整数であり;k’’’は、0から20までの整数である。X
101からX
108はC(CHを含む)又はNから選択される。Z
101及びZ
102はNR
101、O、又はSである。
HBL:
【0077】
正孔ブロッキング層(HBL)を使用して、発光層から出る正孔及び/又は励起子の数を低減させることができる。デバイスにおけるそのようなブロッキング層の存在は、ブロッキング層を欠く同様のデバイスと比較して大幅に高い効率をもたらし得る。また、ブロッキング層を使用して、発光をOLEDの所望の領域に制限することもできる。
【0078】
一態様において、前記HBL中に使用される前記化合物は、上述したホストとして使用されるものと同じ分子を含有する。
【0079】
別の態様において、前記HBL中に使用される前記化合物は、分子中に下記の群の少なくとも1つを含有する。
【化19】
式中、kは1から20までの整数であり;L
101は他の配位子であり、k’は1から3までの整数である。
ETL:
【0080】
電子輸送層(ETL)は、電子を輸送することができる材料を含み得る。電子輸送層は、真性である(ドープされていない)か、又はドープされていてよい。ドーピングを使用して、伝導性を増強することができる。ETL材料の例は特に限定されず、電子を輸送するために典型的に使用されるものである限り、任意の金属錯体又は有機化合物を使用してよい。
【0081】
一態様において、前記ETL中に使用される前記化合物は、分子中に下記の群の少なくとも1つを含有する。
【化20】
式中、R
101は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、それがアリール又はヘテロアリールである場合、上記で言及したArのものと同様の定義を有する。Ar
1からAr
3は、上記で言及したArのものと同様の定義を有する。kは1から20までの整数である。X
101からX
108はC(CHを含む)又はNから選択される。
【0082】
別の態様において、前記ETL中に使用される金属錯体は、下記の一般式を含有するがこれらに限定されない。
【化21】
式中、(O−N)又は(N−N)は、原子O、N又はN、Nに配位された金属を有する二座配位子であり;L
101は他の配位子であり;k’は、1から金属に付着し得る配位子の最大数までの整数値である。
【0083】
OLEDデバイスの各層中に使用される任意の上記で言及した化合物において、水素原子は、部分的に又は完全に重水素化されていてよい。故に、メチル、フェニル、ピリジル等であるがこれらに限定されない任意の具体的に挙げられている置換基は、それらの重水素化されていない、部分的に重水素化された、及び完全に重水素化されたバージョンを包含する。同様に、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール等であるがこれらに限定されない置換基のクラスは、それらの重水素化されていない、部分的に重水素化された、及び完全に重水素化されたバージョンも包含する。
【0084】
本明細書において開示されている材料に加えて且つ/又はそれらと組み合わせて、多くの正孔注入材料、正孔輸送材料、ホスト材料、ドーパント材料、励起子/正孔ブロッキング層材料、電子輸送及び電子注入材料がOLEDにおいて使用され得る。OLED中で本明細書において開示されている材料と組み合わせて使用され得る材料の非限定的な例を、以下の表Aに収載する。表Aは、材料の非限定的なクラス、各クラスについての化合物の非限定的な例、及び該材料を開示している参考文献を収載する。
【表A-1】
【表A-2】
【表A-3】
【表A-4】
【表A-5】
【表A-6】
【表A-7】
【表A-8】
【表A-9】
【表A-10】
【表A-11】
【表A-12】
【表A-13】
【表A-14】
【表A-15】
【表A-16】
【表A-17】
【表A-18】
【表A-19】
【表A-20】
【表A-21】
【表A-22】
【実施例】
【0085】
化合物1の合成
工程1:1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−3−イウムクロライドの合成
【0086】
1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−3−イウムクロライドを以下の公開された手順(Chianese等、Organometallics、2009、28(2)、465−472)で合成した。
【0087】
工程2:1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−3−イウムテトラフルオロボレートの合成
【化22】
【0088】
1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−3−イウムクロライド(440mg、1.21mmol)を30mLの水中、テトラフルオロホウ酸アンモニウム(127mg、1.21mmol)と混合し、室温で6時間撹拌した。白色の生成物を濾過により回収し、水で洗浄し、真空乾燥した(325mg、65%)。NMRの結果により、1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−3−イウムテトラフルオロボレートの存在が確認された:
1H NMR(500MHz,アセトン−d
6,δ)2.48(s,12H),7.42(s,2H),7.62(s,4H),7.85(m,2H),8.04(m,2H),10.15(s,1H).
19F NMR(470MHz,アセトン−d
6,δ)−151.55。
【0089】
工程3:化合物1:(BzI−3,5Me)2Cu+の合成
【化23】
【0090】
50mlのフラスコ中で、工程2で得た1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−3−イウムテトラフルオロボレート(282mg、0.68mmol)、NaOtBu(84.9mg、0.884mmol)、[Cu(CH
3CN)
4]PF
6(126.7mg、0.34mmol)、及び15mlの無水テトラヒドロフラン(THF)を窒素下で混合し、室温で一晩撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)に通して濾過した。ペンタンの添加後、生成物を暗黄色の溶液から析出し、濾過によりオフホワイトの固体を回収した。生成物を更にTHF/ペンタン混合物(114mg)からの再結晶化により精製した。NMRの結果により、化合物1の存在が確認された:
1H NMR(500MHz,アセトン−d
6,δ)2.35(s,24H),7.17(s,4H),7.34(s,8H),7.54(m,4H),7.68(m,4H).
19F NMR(470MHz,アセトン−d
6,δ)−73.44,−71.94.
31P NMR(202MHz,アセトン−d
6,δ)−144.25。
化合物2の合成
【0091】
工程1:N2,N3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)ピラジン−2,3−ジアミンの合成
【化24】
【0092】
2,3−ジクロロピラジン(5.58g、0.037mol)及び3,5−ジメチルアニリン(11.21g、0.0925mol)を140℃で一晩、窒素雰囲気下でしっかり加熱した。得られた固体を200mlの水で懸濁し、混合物を25重量%のNaOH水溶液で強アルカリ(pH=14)にした。混合物を75mlのCH
2Cl
2で3回、75mlの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、揮発性物質を回転蒸発により除去し、茶色の油状残渣を得た。ペンタンの添加でオフホワイトの固体を得て、濾過し、ペンタンで洗浄し、乾燥して所望の生成物を得た(7.145g、60%)。NMRの結果により、N
2,N
3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)ピラジン−2,3−ジアミンの存在が確認された:
1H NMR(400MHz,CDCl
3,δ)2.29(s,12H),6.18(brs,2H),6.70(s,2H),6.88(s,4H),7.77(s,2H)。
【0093】
工程2:1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−2−エトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジンの合成
【化25】
【0094】
工程1で得たN
2,N
3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)ピラジン−2,3−ジアミン(750mg、2.35mmol)を10mlのオルトギ酸トリエチルと混合し、その後0.193mlの濃HClを添加した。混合物を110℃で、密封容器中で一晩撹拌した。0℃まで冷却し、ペンタンを添加し、生成物を暗黄色の溶液から析出した。ベージュの固体を濾過により回収し、ペンタンですすぎ、乾燥し、所望の化合物を得た(610mg,69%)。NMRの結果により、1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−2−エトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジンの存在が確認された:
1H NMR(400MHz,CDCl
3,δ)1.09(t,3H),2.38(s,12H),3.33(q,2H),6.83(s,2H),7.18(s,1H),7.51(s,2H),7.62(s,4H)。
【0095】
化合物2:[(PzI−3,5Me)2Cu]PF6の合成
【化26】
【0096】
N
2雰囲気下、50mlのフラスコ中で、工程2で得た1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−2−エトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン(400mg、1.07mmol)を[Cu(CH
3CN)
4]PF
6(199.4mg、0.535mmol)及び30mlの無水THFと混合し、一晩還流した。得られた明るい黄色の懸濁液を濾過し、固体を回収し、THFですすぎ、真空乾燥し、化合物2を得た(384mg、83%)。NMRの結果により、化合物2の存在が確認された:
1H NMR(400MHz,アセトン−d
6,δ)2.42(s,24H),7.27(s,4H),7.54(s,8H),8.65(s,4H)。
化合物3の合成
【0097】
工程1:ヒドロキシ[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅(I)(IPr)CuOHの合成
【0098】
以下の公開された手順(Fortman等、Organometallics、2010、29、3966−3972)で合成した。
【0099】
工程2:化合物3:(IPr)Cu(BzI−3,5Me)BF4の合成
【化27】
【0100】
工程1で得た1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−3−イウムテトラフルオロボレート(106mg、0.26mmol)及び(IPr)CuOH(120mg、0.26mmol)を20mlの乾燥THF中で混合し、60℃、窒素雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物を室温(約22℃)まで冷却し、回転蒸発によって約2mlまで濃縮した。エチルエーテル(169mg、76%)を添加し、生成物を白色固体として析出した。NMRの結果により、化合物3の存在が確認された:
1H NMR(400MHz,CDCl
3,δ)0.95(d,12H),1.14(d,12H),2.35−2.42(m,16H),6.68(s,4H),6.95(m,2H),7.12−7.17(m,8H),7.27(m,2H),7.42(t,2H)。
化合物4の合成
【0101】
化合物4:(BzI−3,5Me)CuClの合成
【化28】
【0102】
1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−3−イウムクロライド(500mg、1.38mmol)、CuCl(164mg、1.66mmol)、及びNaOtBu(132.5mg、1.38mmol)を40mlのTHFと混合し、室温で一晩撹拌した。その後、反応混合物を不活性雰囲気下でセライト(登録商標)のプラグを通して濾過し、溶媒を真空蒸発させた。得られた固体を空気にさらし、ペンタン(50ml)で洗浄した。生成物を空気安定性の白色固体として得た(466mg、79%)。NMRの結果により、化合物4の存在が確認された:
1H NMR(500MHz,アセトン−d
6,δ)2.45(s,12H),7.27(s,2H),7.48(s,4H),7.50−7.52(m,2H),7.61−7.63(m,2H)。
化合物5の合成
【0103】
化合物5:(BzICy)CuClの合成
【化29】
【0104】
1,3−ジシクロヘキシル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−3−イウムクロライド(239.2mg、0.75mmol)、CuCl(74.2mg、0.75mmol)、及びNaOtBu(72.1mg、0.75mmol)を10mlのTHFと混合し、窒素雰囲気下で一晩、室温で撹拌した。その後、反応混合物をセライト(登録商標)のプラグに通して、不活性雰囲気下で濾過し、溶媒を回転蒸発により除去した。生成物を白色固体として得た(190mg、66%)。NMRの結果により、化合物5の存在が確認された:
1H NMR(400MHz,CDCl
3,δ)1.38−1.57(m,6H),1.81(d,2H),2.00(d,4H),2.09(d,4H),2.43(qd,4H),4.50(tt,2H),7.33−7.36(m,2H),7.55−7.57(m,2H)。
化合物6の合成
【0105】
化合物6(PzI−3,5Me)CuClの合成
【化30】
【0106】
1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−2−エトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン(300mg、0.8mmol)及びCuCl(72.3mg、0.73mmol)を20mlの無水THF中で、一晩N
2雰囲気下で還流した。得られた明るい黄色の懸濁液を濾過し、固体を回収し、THFですすぎ、真空乾燥した(273mg、87%)。NMRの結果により、化合物6の存在が確認された:
1H NMR(500MHz,CDCl
3,δ)2.46(s,12H),7.21(s,2H),7.45(s,4H),8.55(s,2H)。
化合物7の合成
【0107】
化合物7:(PzI−3,5Me)CuBrの合成
【化31】
【0108】
1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−2−エトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン(500mg、1.335mmol)及びCuBr(174mg、1.213mmol)をN
2雰囲気下で一晩、30mlの無水THF中で還流した。得られた明るい黄色の懸濁液を濾過し、固体を回収し、THFですすぎ、真空乾燥した(407mg、71%)。NMRの結果により、化合物7の存在が確認された:
1H NMR(400MHz,CDCl
3,δ)2.46(s,12H),7.20(s,2H),7.49(s,4H),8.56(s,2H)。
化合物8の合成
【0109】
化合物8:(PzI−3,5Me)CuIの合成
【化32】
【0110】
1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−2−エトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン(500mg、1.335mmol)及びCuI(231mg、1.213mmol)をN
2雰囲気下で一晩、30mlの無水THF中で還流した。得られた明るい黄色の懸濁液を濾過し、固体を回収し、THFですすぎ、真空乾燥した。その後、固体を120mlのCH
2Cl
2中で再溶解し、不溶性残渣を濾過し、透明な黄色溶液を得て、回転蒸発で約30mlまで濃縮した。ジエチルエーテル(40mg、6%)の添加後、黄色生成物を一晩で析出した。NMRデータにより、化合物8の存在が確認された:
1H NMR(400MHz,CDCl
3,δ)2.46(s,12H),7.19(s,2H),7.55(s,4H),8.56(s,2H)。
化合物9の合成
【0111】
化合物9:(IPr)Cu(Cbz)の合成
【化33】
【0112】
カルバゾール(83.6mg、0.5mmol)及びNaH(12mg、0.5mmol)を15mlのTHFと混合し、室温、窒素雰囲気下でバブリングが止まるまで(15分)撹拌した。クロロ[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅(I)((IPr)CuCl)(243.8mg、0.5mmol)を添加し、反応混合物を1時間撹拌した。その後、混合物を不活性雰囲気下でセライト(登録商標)のプラグを通して濾過し、溶媒を回転蒸発により除去した。生成物を白色固体として得た(170mg、55%)。NMRの結果により、化合物9の存在が確認された:
1H NMR(400MHz,アセトン−d
6,δ)1.31(d,24H),2.82(sept,4H),6.34(d,2H),6.75(t,2H),6.87(t,2H),7.55(d,4H),7.73(t,2H),7.80(d,2H),7.87(s,2H)。
化合物10の合成
【0113】
化合物10:(BzICy)Cu(Cbz)の合成
【化34】
【0114】
クロロ[1,3−ジシクロヘキシルベンゾイミダゾール−2−イリデン]銅(I)(60mg、0.16mmol)及びカルバゾールナトリウム(30.3mg、0.16mmol)を15mlのTHF中で1時間、室温で窒素雰囲気下で撹拌した。反応混合物を不活性雰囲気下でセライト(登録商標)のプラグに通して濾過し、溶媒を回転蒸発により除去した。生成物を明るい黄色の固体として得た(45mg、51%)。NMRの結果により、化合物10の存在が確認された:
1H NMR(400MHz,アセトン−d
6,δ)1.35−1.46(m,2H),1.60−1.81(m,6H),2.00(d,4H),2.30(d,4H),2.65−2.80(m,4H),4.95(tt,2H),6.96(t,2H),7.25(t,2H),7.45−7.48(m,2H),7.67(d,2H),7.93−7.95(m,2H),8.04(d,2H)。
化合物データ
【0115】
化合物1〜10の光物理的性質を固体状態で評価した。化合物1〜10の最大波長、寿命、及び量子収率を下記の表1にまとめた。
【表1】
固体状態における光物理的特性
【0116】
図4は、化合物1、4〜7の波長データに対する規格化された強度(A.U.)を示し、
図5は、化合物9及び10の波長データに対する規格化された強度(A.U.)を示す。
【0117】
本明細書において記述されている種々の実施形態は、単なる一例としてのものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解される。例えば、本明細書において記述されている材料及び構造の多くは、本発明の趣旨から逸脱することなく他の材料及び構造に置き換えることができる。したがって、特許請求されている通りの本発明は、当業者には明らかとなるように、本明細書において記述されている特定の例及び好ましい実施形態からの変形形態を含み得る。なぜ本発明が作用するのかについての種々の理論は限定を意図するものではないことが理解される。