(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザのプロファイル情報、嗜好情報、行動履歴情報の少なくとも1つから成るユーザ関連情報を記憶するユーザ関連情報記憶部と、複数のお勧め情報を記憶するお勧め情報記憶部と、上記お勧め情報と当該お勧め情報を用いた情報処理を行うことを指示する際に用いる音声認識の発話例を表した発話例情報とを関連付けて記憶する発話例記憶部と、上記ユーザ関連情報から上記ユーザの興味・関心情報を推定し、当該推定した興味・関心情報に基づいて、上記複数のお勧め情報の中から何れかを選択して提供するお勧め情報提供部とを備えたサーバ装置において、上記お勧め情報を提供する推薦情報提供方法であって、
上記サーバ装置のランク分け部が、上記ユーザ関連情報から上記ユーザの興味・関心情報を推定し、当該推定した興味・関心情報に基づいて、上記複数のお勧め情報に関するお勧め度を算出し、算出したお勧め度に応じて上記複数のお勧め情報をランク分けする第1のステップと、
上記サーバ装置のプッシュ型情報提供部が、上記ランク分け部により設定されたランクが最も高いお勧め情報をプッシュ型にて随時提供する第2のステップと、
上記サーバ装置のプル型情報提供部が、上記ランク分け部により設定されたランクが2番目に高いお勧め情報に関連付けて上記発話例記憶部に記憶されている発話例情報を、上記ユーザによる要求操作に応じて提供する第3のステップとを有していることを特徴とする推薦情報提供方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る推薦情報提供システム10の機能構成例を示すブロック図である。
図1に示す推薦情報提供システム10は、サーバ装置100と車載装置200とを備えて構成されている。サーバ装置100は、ユーザの嗜好、行動履歴、評価履歴に応じたお勧め情報を車載装置200に対して提供することが可能な装置である。
【0022】
車載装置200は、特許請求の範囲に記載の情報処理装置の一例であって、自動車等の車両に搭載されている装置である。車載装置200は、インターネットにアクセス可能な通信機能を備えている。これにより、車載装置200は、インターネットを介してサーバ装置100にアクセスして、サーバ装置100からお勧め情報の提供を受けることができるようになっている。
図1では、車載装置200を1台だけ図示しているが、実際には、サーバ装置100には、複数の車載装置200からアクセス可能である。なお、サーバ装置100からお勧め情報の提供を受ける情報処理装置は、車載装置に限定されず、車載装置以外の他の装置(例えば、携帯用のナビゲーション装置、スマートフォン等の携帯端末等)であってもよい。
【0023】
図1に示すように、サーバ装置100は、お勧め情報記憶部101、発話例記憶部102、ユーザ関連情報記憶部103および興味・関心情報記憶部104を備えている。また、サーバ装置100は、その機能構成として、お勧め情報提供部110を備えている。
【0024】
一方、車載装置200は、ディスプレイ201、スピーカ202、タッチパネル203、マイク204を備えている。また、車載装置200は、その機能構成として、通信部211、音声入力受付部212、音声認識部213およびユーザ関連情報送信部214を備えている。
【0025】
車載装置200は、経路案内装置220をさらに備えている。経路案内装置220は、地図データ記憶部221および位置検出装置222を備えている。また、経路案内装置220は、その機能構成として、経路探索部223および経路案内部224を備えている。
【0026】
上記各機能ブロック110、211〜214、223〜224は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック110、211〜214、223〜224は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0027】
サーバ装置100のお勧め情報記憶部101は、複数のお勧め情報を記憶する。例えば、
図4は、本発明の一実施形態に係るお勧め情報記憶部101に記憶されているお勧め情報の一例を示す図である。
図4に示す例では、お勧め情報記憶部101には、複数の食事施設に関するお勧め情報が記憶されている。各お勧め情報は、ID、ジャンル、施設名、価格帯、評価点、キーワード、位置情報(緯度および経度)を含んで構成されている。評価点には、例えば、実際にその施設を訪れた複数のユーザからの評価の平均点が設定される。キーワードには、その施設の特徴を表すキーワードが設定される。例えば、キーワードは、ユーザが好きな食べ物または嫌いな食べ物に関連する施設であるか否かを特定する際に用いられる。
【0028】
サーバ装置100の発話例記憶部102は、お勧め情報記憶部101に記憶されているお勧め情報に関連付けて、当該お勧め情報を用いた情報処理を行うことを指示する際に用いる音声認識の発話例を表した発話例情報を記憶する。例えば、
図5は、本発明の一実施形態に係る発話例記憶部102に記憶されている発話例情報の一例を示す図である。
図5に示す例では、
図4に示す各お勧め情報のIDに対して、複数の発話例が設定されている。例えば、IDが「0001」(施設名「ラーメン○○」)であるお勧め情報に対して、3つ以上の発話例(「おすすめとんこつラーメン」、「おいしいとんこつラーメン」、「近くのラーメン○○」等)が設定されている。
【0029】
サーバ装置100のユーザ関連情報記憶部103は、ユーザの嗜好情報および行動履歴情報から成るユーザ関連情報を記憶する。例えば、
図6は、本発明の一実施形態に係るユーザ関連情報記憶部103に記憶されているユーザ関連情報の一例を示す図である。
【0030】
図6(a)は、ユーザの嗜好情報を示す。
図6(a)に示す例では、嗜好情報は、好きな食べ物、嫌いな食べ物、趣味を含んで構成されている。
図6(b)は、ユーザの行動履歴情報を示す。
図6(b)に示す例では、行動履歴情報は、日付、時刻、施設名、評価内容を含んで構成されている。
【0031】
例えば、嗜好情報は、車載装置200においてユーザによるタッチパネル203の操作によって入力される。そして、ユーザ関連情報送信部214により、サーバ装置100へ送信されて、ユーザ関連情報記憶部103に記憶される。また、ユーザが施設を訪れる毎に、車載装置200によって行動履歴情報として日付、時刻、施設名がメモリ等に記録される。さらに、ユーザがタッチパネル203の操作によって施設の評価値を入力すると、行動履歴情報にその評価値が追加される。そして、車載装置200のユーザ関連情報送信部214により、記録された行動履歴情報が、サーバ装置100へ送信されて、ユーザ関連情報記憶部103に記憶される。
【0032】
このように本実施形態では、ユーザ関連情報として、ユーザの嗜好情報および行動履歴情報をユーザ関連情報記憶部103に記憶させるようにしているが、本発明はこれに限らない。すなわち、ユーザ関連情報として、ユーザの嗜好情報、行動履歴情報の少なくとも1つをユーザ関連情報記憶部103に記憶させるようにすればよい。
【0033】
サーバ装置100のお勧め情報提供部110は、ユーザ関連情報記憶部103に記憶されているユーザ関連情報からユーザの興味・関心情報を推定し、当該推定した興味・関心情報に基づいて、お勧め情報記憶部101に記憶されている複数のお勧め情報の中から何れかを選択して提供する。お勧め情報提供部110は、ランク分け部111、プッシュ型情報提供部112、プル型情報提供部113および通信部114を含んで構成されている。
【0034】
ランク分け部111は、ユーザ関連情報記憶部103に記憶されている行動履歴情報及びお勧め情報記憶部101に記憶されているお勧め情報からユーザの興味・関心情報を推定する。そして、ランク分け部111は、推定した興味・関心情報及びユーザ関連情報に基づいて、お勧め情報記憶部101に記憶されている複数のお勧め情報に関するお勧め度を算出し、算出したお勧め度に応じて、お勧め情報記憶部101に記憶されている複数のお勧め情報をランク分けする。なお、お勧め度の算出方法の詳細は、後述する。
【0035】
本実施形態では、ランク分け部111は、ユーザの興味・関心情報を予め推定しておき、予め推定しておいたユーザの興味・関心情報をサーバ装置100の興味・関心情報記憶部104に記憶させておく。例えば、
図7は、本発明の一実施形態に係るランク分け部111によって、
図6(b)に示す行動履歴情報及び
図4に示すお勧め情報から推定されたユーザの興味・関心情報の一例を示す図である。
図7に示す例では、「平日(ランチ)」と「休日(夕食)」の各々について、ユーザの興味・関心情報が推定された例を示している。「平日(ランチ)」のユーザの興味・関心情報は、
図6(b)に示す行動履歴情報のうち、平日の昼食時間帯の行動履歴情報から推定されたものである。一方、「休日(夕食)」のユーザの興味・関心情報は、
図6(b)に示す行動履歴情報のうち、休日の夕食時間帯の行動履歴から推定されたものである。各ユーザの興味・関心情報は、評価項目として、「ジャンル」、「価格帯」、「評価点」を含んで構成されている。
【0036】
まず、ランク分け部111は、
図4に示すお勧め情報に基づいて、
図6(b)に示す行動履歴情報に示されている各施設の、ジャンル、価格帯、評価点を特定する。そして、ランク分け部111は、
図4に示すお勧め情報に示されている複数のジャンルのうち、ユーザの行動履歴情報において出現頻度がより高いジャンルを、ユーザの興味・関心情報の評価項目「ジャンル」に設定する。また、ランク分け部111は、
図4に示すお勧め情報に示されている複数の価格帯のうち、ユーザの行動履歴情報において出現頻度がより高い価格帯を、ユーザの興味・関心情報の評価項目「価格帯」に設定する。また、ランク分け部111は、
図4に示すお勧め情報に示されている複数の評価点のうち、ユーザの行動履歴情報において出現頻度がより高い複数の評価点を包含する評価点の範囲を、ユーザの興味・関心情報の評価項目「評価点」に設定する。
【0037】
例えば、
図7に示す例では、「休日(夕食)」のユーザの興味・関心情報において、評価項目「ジャンル」に、評価値として「イタリア料理(40%)、焼肉(30%)、寿司(20%)」が設定されている。これは、休日の夕食の時間帯に、ユーザがイタリア料理,焼肉,寿司の施設に訪れた割合が、それぞれ、40%,30%,20%であることが、ユーザの行動履歴情報に示されているからである。
【0038】
本実施形態では、ランク分け部111は、複数のお勧め情報を3つのランク(ランクA〜C)にランク分けする。ランクAが最も高いランクであり、ランクBは2番目に高いランクであり、ランクCは最も低いランクである。具体的には、ランク分け部111は、所定の閾値よりもお勧め度が高いお勧め情報のうち、最もお勧め度が高いお勧め情報にランクAを設定し、それ以外のお勧め情報にランクBを設定する。また、ランク分け部111は、所定の閾値よりもお勧め度が低いお勧め情報にランクCを設定する。但し、ランクの設定方法はこれに限らない。例えば、お勧め度が高い順に、まず所定数(例えば1件)のお勧め情報にランクAを設定し、次に所定数(例えば3件)のお勧め情報にランクBを設定し、最後に残りのお勧め情報にランクCを設定するようにしてもよい。なお、お勧め情報提供部110によるお勧め情報のランク分けの具体例については、
図8を用いて後述する。
【0039】
プッシュ型情報提供部112は、ランク分け部111によりランクA(最も高いランク)が設定されたお勧め情報(以下、「お勧め情報(ランクA)」と呼ぶ)をプッシュ型にて提供する。プッシュ型情報提供部112によって提供されたお勧め情報(ランクA)は、通信部114を介して車載装置200へ送信され、車載装置200の通信部211(受信部)によって受信された後、ディスプレイ201に表示されるとともに、スピーカ202から音声出力される。
【0040】
プル型情報提供部113は、ランク分け部111によりランクB(2番目に高いランク)が設定されたお勧め情報(以下、「お勧め情報(ランクB)」と呼ぶ)を、ユーザによる要求操作に応じて車載装置200へ提供する。
【0041】
本実施形態では、プル型情報提供部113は、プッシュ型情報提供部112よりお勧め情報(ランクA)が提供された後、お勧め情報(ランクB)に代えて、当該お勧め情報(ランクB)に関連付けて発話例記憶部102に記憶されている発話例情報を提供する。特に、
図5に示すように、発話例記憶部102が1つのお勧め情報に対して複数種類の発話例情報を関連付けて記憶している場合、プル型情報提供部113は、お勧め情報(ランクB)に関連付けて記憶されている複数種類の発話例情報の中から何れかを選択して提供する。プル型情報提供部113によって提供された発話例情報は、通信部114を介して車載装置200へ送信され、車載装置200の通信部211(受信部)によって受信された後、ディスプレイ201に表示される。
【0042】
その後、車載装置200において音声入力がなされると、車載装置200の音声認識部213が、入力された音声に対する音声認識処理を行い、その結果得られた発話内容とともに、お勧め情報(ランクB)の取得要求をサーバ装置100へ送信する。プル型情報提供部113は、車載装置200から送信された発話内容及び取得要求を受け取ると、その発話内容に合致するお勧め情報(ランクB)を提供する。プル型情報提供部113によって提供されたお勧め情報(ランクB)は、通信部114を介して車載装置200へ送信され、車載装置200の通信部211(受信部)によって受信された後、ディスプレイ201に表示される。
【0043】
なお、本実施形態では、お勧め情報提供部110は、車両の現在位置を示す現在位置情報を車載装置200の位置検出装置222から通信部211を介して取得する。そして、お勧め情報提供部110は、取得した現在位置情報に基づいて、お勧め情報記憶部101に記憶されている複数のお勧め情報の中から、車両の現在位置周辺(例えば、車両の現在位置から所定の距離範囲内)の複数の施設のお勧め情報を、ユーザに提示するお勧め情報の候補として抽出するようにしている。
【0044】
車載装置200のディスプレイ201は、特許請求の範囲に記載の表示部の一例であって、各種情報(例えば、お勧め情報、音声認識開始ボタン、発話例情報等)を表示する。ディスプレイ201には、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が用いられる。スピーカ202は、各種音声(例えば、お勧め情報の音声等)を出力する。タッチパネル203は、特許請求の範囲に記載の操作部の一例であって、各種操作(例えば、ユーザ関連情報の入力操作、音声認識開始ボタンの選択操作等)を行うための入力デバイスの一例である。タッチパネル203は、ディスプレイ201の表面に重ねて設けられている。マイク204は、ユーザから発せられた音声を入力する。
【0045】
車載装置200の音声入力受付部212は、お勧め情報(ランクA)が提供された後に、車載装置200においてタッチパネル203による音声認識開始ボタンの選択操作がなされると、その選択操作がなされたことを、通信部211を介してサーバ装置100へ通知する。この通知に応じて、サーバ装置100のプル型情報提供部113が、お勧め情報(ランクB)に関連付けられている発話例情報を、通信部114を介して車載装置200へ提供する。そして、車載装置200において、提供された発話例情報がディスプレイ201に表示されることとなる。
【0046】
また、車載装置200の音声入力受付部212は、発話例情報の表示がなされた後に、マイク204による音声入力がなされると、入力された音声を音声認識部213に供給する。これに応じて、音声認識部213は、入力された音声に対する音声認識処理を行い、その結果得られた発話内容とともに、お勧め情報(ランクB)の取得要求をサーバ装置100へ送信する。サーバ装置100では、プル型情報提供部113が、認識された発話内容に合致するお勧め情報(ランクB)を、通信部114を介して車載装置200へ提供する。そして、車載装置200において、提供されたお勧め情報(ランクB)がディスプレイ201に表示されることとなる。
【0047】
経路案内装置220の地図データ記憶部221は、地図データを記憶する。当該地図データには、ノード情報、道路リンク情報、施設データ、地名データ等が含まれている。経路案内装置220の位置検出装置222は、車両の現在位置を検出する。位置検出装置222は、例えば、GPS(Global Positioning System)と自律航法ユニットとを備えて構成されている。
【0048】
経路案内装置220の経路探索部223は、地図データ記憶部221に記憶されている地図データに基づいて、位置検出装置222によって検出された車両の現在位置から、ユーザがタッチパネル203の操作により任意に設定した目的地までの誘導経路を探索する。
【0049】
サーバ装置100から提供されたお勧め情報がディスプレイ201表示されているときに、ユーザが所定の操作(例えば、
図9および
図11に示すように、「ここに行く」と示された目的地設定ボタンの選択操作)を行うと、経路探索部223は、そのお勧め情報にて推奨されている施設を目的地として、車両の現在位置からの誘導経路を探索することができる。
【0050】
経路案内装置220の経路案内部224は、経路探索部223によって探索された誘導経路と、地図データ記憶部221に記憶されている地図データと、位置検出装置222によって検出された車両の現在位置とに基づいて、目的地まで車両を誘導する。経路案内部224による車両の誘導は、誘導経路や交差点案内画面等のディスプレイ201への表示、および、誘導経路の案内音声等のスピーカ202からの出力を伴う。
【0051】
〔ユーザの興味・関心情報の推定処理の一例〕
図2は、本発明の一実施形態に係るランク分け部111によるユーザの興味・関心情報の推定処理の一例を示すフローチャートである。
図2に示す処理は、少なくとも
図3に示す処理が実行される前に実行される。例えば、定期的にまたは不定期にバッチ処理として実行される。
【0052】
まず、ランク分け部111は、ユーザ関連情報記憶部103に記憶されている行動履歴情報及びお勧め情報記憶部101に記憶されているお勧め情報を取得する(ステップS202)。次に、ランク分け部111は、取得した行動履歴情報及びお勧め情報に基づいて、ユーザの興味・関心情報を推定する(ステップS204)。ここでユーザの興味・関心情報として推定されるのは、例えば
図7に示すように、ユーザが高い頻度で訪れる施設のジャンル、価格帯、評価点等である。そして、ランク分け部111は、推定したユーザの興味・関心情報を、興味・関心情報記憶部104に記憶させる。
【0053】
〔推薦情報提供処理の一例〕
図3は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置100による推薦情報提供処理の一例を示すフローチャートである。
図3に示す処理は、例えば、サーバ装置100において、お勧め情報を提供する所定のタイミングが到来したとき(例えば、曜日、日時、場所をトリガとして)、または、ランダムなタイミングで実行される。
【0054】
まず、お勧め情報提供部110が、ユーザ関連情報記憶部103に記憶されているユーザ関連情報(嗜好情報及び行動履歴情報)を取得する(ステップS302)。また、お勧め情報提供部110が車両の現在位置を示す現在位置情報を、車載装置200から取得する(ステップS304)。また、お勧め情報提供部110が、興味・関心情報記憶部104に記憶されているユーザの興味・関心情報(
図2の処理によって推定されたもの)を取得する(ステップS306)。
【0055】
次に、お勧め情報提供部110が、お勧め情報記憶部101に記憶されている複数のお勧め情報の中から、ステップS304で取得した現在位置情報によって特定される車両の現在位置周辺の複数の施設のお勧め情報を抽出する(ステップS308)。そして、ランク分け部111が、ステップS302で取得したユーザ関連情報及びステップS306で取得したユーザの興味・関心情報に基づいて、ステップS308で抽出された複数のお勧め情報に関するお勧め度を算出する(ステップS310)。さらに、ランク分け部111が、ステップS310で算出されたお勧め度に応じて、ステップS308で抽出された複数のお勧め情報をランク分けする(ステップS312)。
【0056】
そして、プッシュ型情報提供部112が、ステップS312にてランクA(最も高いランク)が設定されたお勧め情報を、プッシュ型にて車載装置200へ提供する(ステップS314)。
【0057】
その後、プル型情報提供部113が、車載装置200にて音声認識開始ボタンが選択されたか否かを判定する(ステップS316)。ここで、音声認識開始ボタンが選択されていないと判定した場合(ステップS316:No)、サーバ装置100は、ステップS324へ処理を進める。
【0058】
一方、音声認識開始ボタンが選択されたと判定した場合(ステップS316:Yes)、プル型情報提供部113が、ステップS312にてランクB(2番目に高いランク)が設定されたお勧め情報に関連付けて発話例記憶部102に記憶されている発話例情報を車載装置200へ提供する(ステップS318)。
【0059】
さらに、プル型情報提供部113が、車載装置200にて音声入力がなされたか否か(すなわち、サーバ装置200から送信された発話内容及びお勧め情報(ランクB)の取得要求を受け取ったか否か)を判定する(ステップS320)。ここで、音声入力がなされていないと判定した場合(ステップS320:No)、プル型情報提供部113は、音声入力がなされたか否かの判定処理を再度実行する(ステップS320)。
【0060】
一方、音声入力がなされたと判定した場合(ステップS320:Yes)、プル型情報提供部113が、音声認識部213によって音声認識された発話内容に合致するお勧め情報を特定し、特定したお勧め情報を車載装置200へ提供する(ステップS322)。そして、サーバ装置100は、ステップS324へ処理を進める。
【0061】
ステップS324では、お勧め情報提供部110が、車載装置200にて目的地設定ボタン(
図9及び
図11参照)が選択されたか否かを判定する。ここで、目的地設定ボタンが選択されたと判定した場合(ステップS324:Yes)、お勧め情報提供部110が、選択された目的地設定ボタンに対応するお勧め情報にて推奨されている施設が、車載装置200にて目的地として設定されるようにし(ステップS326)、サーバ装置100は、
図3に示す一連の処理を終了する。一方、目的地設定ボタンが選択されずに所定時間が経過した場合(ステップS324:No)、サーバ装置100は、
図3に示す一連の処理を終了する。
【0062】
〔ランク分けの具体例〕
以下、
図8を参照して、ランク分け部111によるお勧め情報のランク分けの具体例について説明する。
図8は、本発明の一実施形態に係るランク分け部111によるランク分けの一例を示す図である。ランク分け部111は、例えば以下の手順A〜Fにより、お勧め情報のランク分けを行う。
【0063】
(手順A)まず、ランク分け部111は、車両の現在位置を示す現在位置情報を車載装置200の位置検出装置222から取得し、お勧め情報記憶部101に記憶されている複数のお勧め情報の中から、取得した現在位置情報によって特定される車両の現在位置周辺(例えば、車両の現在位置から所定の距離範囲内)の複数の施設のお勧め情報を、ユーザに提示するお勧め情報の候補として抽出する。例えば、
図8では、ランク分け部111により、お勧め情報記憶部101に記憶されている複数のお勧め情報(
図4参照)の中から、車両の現在位置から所定の距離範囲内に存在する10件の施設のお勧め情報(ID0001〜ID0010)が抽出された例を示している。
【0064】
(手順B)次に、ランク分け部111は、手順Aにて抽出されたお勧め情報の候補のうち、嗜好情報に設定されているユーザの嫌いな食べ物に関連する施設のお勧め情報を、ランク付けの対象から除外する。例えば、
図8では、
図6(a)に示す嗜好情報に設定されているユーザの嫌いな食べ物(すなわち、鴨肉、辛い物、パクチー)に基づいて、これらユーザの嫌いな食べ物がキーワードに設定されている3件のお勧め情報(ID0008〜ID0010)が、ランク付けの対象から除外された例を示している。
【0065】
(手順C)次に、ランク分け部111は、ユーザにとっての平日および休日を判断する。例えば、ランク分け部111は、車両の現在位置と日時の履歴から、ユーザにとっての平日および休日を判断する。例えば、ランク分け部111は、ユーザが職場に自動車通勤をするのであれば、地図データ記憶部221に記憶されている地図データから特定した職場にいることが多い曜日を平日と判断し、地図データ記憶部221に記憶されている地図データから特定した自宅または外出先にいることが多い曜日を休日と判断する。これ以外にも、例えば、予めユーザがプロファイル情報に休日および平日の少なくとも一方を設定しておき、このプロファイル情報に基づいて、ユーザにとっての平日および休日を判断してもよい。
【0066】
(手順D)次に、ランク分け部111が、複数のお勧め情報について、興味・関心情報記憶部104に記憶されているユーザの興味・関心情報との類似度を算出する。
【0067】
例えば、ユーザの興味・関心情報にジャンルが設定されている場合、そのジャンルに属する施設のお勧め情報については、類似度が高くなるようにする。また、ユーザの興味・関心情報に価格帯が設定されている場合、その価格帯内の金額が設定されているお勧め情報については、類似度が高くなるようにする。また、ユーザの興味・関心情報に評価点の範囲が設定されている場合、その範囲内の評価点が設定されているお勧め情報については、類似度が高くなるようにする。
【0068】
図8に示す例では、
図7に示す「休日(夕食)」のユーザの興味・関心情報との類似度が最も高いお勧め情報(ID0006)の類似度に「100」が設定されている。また、類似度が2番目以降のお勧め情報の類似度には、順に「5」ずつ減算した値が類似度に設定されている。
【0069】
(手順E)次に、ランク分け部111が、ユーザ関連情報記憶部103に記憶されているユーザ関連情報に基づいて、手順Dにて算出された各類似度を補正する。例えば、以下の手順E1〜E3のように、ユーザとの関連性を考慮して類似度の補正を行うことにより、補正が行われた後の類似度をお勧め度として設定する。
【0070】
(手順E1)ユーザの嗜好情報に基づいて、ユーザが好きな食べ物に関連する施設についてお勧め度を高める。例えば、以下のように、お勧め度を高める。
最も好きな食べ物に関連する施設 :+30
2番目に好きな食べ物に関連する施設:+20
3番目に好きな食べ物に関連する施設:+10
【0071】
例えば、
図6(a)に示す嗜好情報には、ユーザの好きな食べ物として、「1位:寿司、2位:うなぎ、3位:ピザ」が設定されている。この場合、ランク分け部111は、
図8に示すお勧め情報のうち、ジャンルに「寿司」が設定されているお勧め情報(ID0004)のお勧め度に「30」を加算する。また、ランク分け部111は、ジャンルに「うなぎ」が設定されているお勧め情報(ID0005)のお勧め度に「20」を加算する。また、ランク分け部111は、ジャンルに「イタリア料理」が設定されているお勧め情報(ID0006)のお勧め度に「10」を加算する。
【0072】
(手順E2)ユーザの行動履歴情報に基づいて、ユーザが直近に訪れた施設と同じジャンルの施設についてお勧め度を低める。例えば、以下のように、お勧め度を低める。
最も直近に訪れた施設 :−50
2番目に直近に訪れた施設:−45
3番目に直近に訪れた施設:−40
【0073】
例えば、
図6(b)に示す行動履歴情報には、最も直近の休日である「5月18日(日)」の夕食の時間帯に、「○○イタリア料理店」に訪れたことが示されている。また、2番目に直近の休日である「5月11日(日)」の夕食の時間帯に、「○○焼肉店」に訪れたことが示されている。また、3番目に直近の休日である「5月4(日)」の夕食の時間帯に、「○○寿司店」に訪れたことが示されている。この場合、ランク分け部111は、
図8に示すお勧め情報のうち、ジャンルに「イタリア料理」が設定されているお勧め情報(ID0006)のお勧め度から「50」を減算する。また、ランク分け部111は、ジャンルに「焼肉」が設定されているお勧め情報(ID0003)のお勧め度から「45」を減算する。また、ランク分け部111は、ジャンルに「寿司」が設定されているお勧め情報(ID0004)のお勧め度から「40」を減算する。
【0074】
(手順E3)ユーザの行動履歴情報に基づいて、ユーザが直近に評価した施設と同じジャンルの施設についてお勧め度を低める。例えば、以下のように、お勧め度を低める。
最も直近に評価した施設 :−50
2番目に直近に評価した施設:−45
3番目に直近に評価した施設:−40
【0075】
例えば、
図6(b)に示す行動履歴情報には、最も直近の休日である「5月18日(日)」の夕食の時間帯に、「○○イタリア料理店」を評価したことが示されている。また、2番目に直近の休日である「5月11日(日)」の夕食の時間帯に、「○○焼肉店」を評価したことが示されている。また、3番目に直近の休日である「5月4(日)」の夕食の時間帯に、「○○寿司店」を評価したことが示されている。この場合、ランク分け部111は、
図8に示すお勧め情報のうち、ジャンルに「イタリア料理」が設定されているお勧め情報(ID0006)のお勧め度から「50」を減算する。また、ランク分け部111は、ジャンルに「焼肉」が設定されているお勧め情報(ID0003)のお勧め度から「45」を減算する。また、ランク分け部111は、ジャンルに「寿司」が設定されているお勧め情報(ID0004)のお勧め度から「40」を減算する。
【0076】
(手順F)最後に、ランク分け部111が、手順Eにて求められたお勧め度に基づいて、各お勧め情報のランクを決定する。例えば、お勧め対象とするお勧め情報のお勧め度を「70」以上とする場合、ランク分け部111は、
図8に示すお勧め情報のうち、お勧め度に最も高い「105」が設定されているIDが「ID0005」のお勧め情報に「ランクA」を設定する。また、ランク分け部111は、お勧め度が「70」以上であるその他のお勧め情報(ID0001、ID0002、ID0007)に「ランクB」を設定する。そして、ランク分け部111は、お勧め度が「70」未満であるその他のお勧め情報(ID0003、ID0004、ID0006)に「ランクC」を設定する。
【0077】
〔お勧め情報(Aランク)の表示例〕
図9は、本発明の一実施形態に係る推薦情報提供システム10によるお勧め情報(Aランク)の表示例を示す図である。
図9に示す表示画面900は、お勧め情報(Aランク)をユーザに提示する画面の一例である。この表示画面900は、ユーザの操作によらずに、サーバ装置100からプッシュ型でお勧め情報(Aランク)が提供されたことに応じて、車載装置200のディスプレイ201に表示される。
【0078】
図9の例では、表示画面900には、お勧め情報901が表示されている。お勧め情報901は、ランク分け部111によってランクAが設定された施設「うなぎ○○」のお勧め情報(
図8参照)である。お勧め情報901には、施設「うなぎ○○」のお勧めするための文字列「うなぎ○○はいかがですか?」が示されている。
【0079】
また、表示画面900において、お勧め情報901の下には、「ここに行く」と示された目的地設定ボタン902が表示されている。ユーザがタッチパネル203の操作により目的地設定ボタン902を選択すると、経路探索部223が、お勧め情報901にて推奨されている施設の施設名「うなぎ○○」をお勧め情報記憶部101(
図4参照)から取得して、この施設「うなぎ○○」を目的地とする車両の現在位置からの誘導経路を探索する。そして、経路案内部224が、探索された誘導経路に基づいて、目的地である施設「うなぎ○○」まで車両を誘導する。
【0080】
〔発話例情報の表示例〕
図10は、本発明の一実施形態に係る推薦情報提供システム10による発話例情報の表示例を示す図である。
図10に示す表示画面1000は、発話例情報をユーザに提示する画面の一例である。この表示画面1000は、お勧め情報(Aランク)を提示した後に、ユーザが、音声入力(
図10の例では、目的地を検索するための音声入力)を行うために、車載装置200の音声入力開始ボタン(図示省略)を選択した際に、サーバ装置100から発話例情報が提供されたことに応じて、車載装置200のディスプレイ201に表示される。
【0081】
図10の例では、表示画面1000には、3つの発話例情報1001〜1003が表示されている。発話例情報1001は、ランク分け部111によってランクBが設定された施設「フレンチ○○」のお勧め情報(
図8参照)に対応付けられている複数の発話例情報(
図5参照)の中からランダムに選択された一の発話例情報である。発話例情報1001には、ユーザにとって音声入力の参考となる発話例として「おすすめフレンチ」が示されている。
【0082】
発話例情報1002は、ランク分け部111によってランクBが設定された施設「○○カレー」のお勧め情報(
図8参照)に対応付けられている複数の発話例情報(
図5参照)の中からランダムに選択された一の発話例情報である。発話例情報1002には、ユーザにとって音声入力の参考となる発話例として「おいしいカレー」が示されている。
【0083】
発話例情報1003は、ランク分け部111によってランクBが設定された施設「ラーメン○○」のお勧め情報(
図8参照)に対応付けられている複数の発話例情報(
図5参照)の中からランダムに選択された一の発話例情報である。発話例情報1002には、ユーザにとって音声入力の参考となる発話例として「近くのラーメン○○」が示されている。
【0084】
この表示画面1000がディスプレイ201に表示されているとき、車載装置200は、マイク204による音声入力が可能な状態となっている。この状態で、ユーザが発話例情報1001〜1003を参考にして、いずれかの発話例と同じ発話内容の音声入力を行うと、音声認識部213が、入力された音声に対する音声認識処理を行い、その結果得られた発話内容とともに、お勧め情報(ランクB)の取得要求をサーバ装置100へ送信する。そして、サーバ装置100においてその発話内容に合致するお勧め情報(Bランク)が特定される。そして、特定されたお勧め情報(Bランク)が、サーバ装置100から車載装置200へ提供されることとなる。
【0085】
〔お勧め情報(Bランク)の表示例〕
図11は、本発明の一実施形態に係る推薦情報提供システム10によるお勧め情報(Bランク)の表示例を示す図である。
図11に示す表示画面1100は、お勧め情報(Bランク)をユーザに提示する画面の一例である。この表示画面1100は、ユーザが発話例情報(
図10参照)を参考にして、マイク204により音声入力を行ったことにより、その発話内容に合致するお勧め情報(Bランク)がサーバ装置100から提供されたことに応じて、車載装置200のディスプレイ201に表示される。
【0086】
図11に示す例では、表示画面1100には、お勧め情報1101が表示されている。お勧め情報1101は、ランク分け部111によってランクBが設定された施設「フレンチ○○」のお勧め情報(
図8参照)である。このお勧め情報1101は、例えば、ユーザが
図10に示す発話例情報1001を参考にして、「おすすめフレンチ」と音声入力したことに応じて、その発話内容に合致するお勧め情報(ランクB)として、サーバ装置100から提供される。お勧め情報1101には、一例として、施設名「フレンチ○○」と、車両の現在位置から施設「フレンチ○○」までの距離「2.7km」とが示されている。
【0087】
また、表示画面1000において、お勧め情報1101の横には、「ここに行く」と示された目的地設定ボタン1102が表示されている。ユーザがタッチパネル203の操作により目的地設定ボタン1102を選択すると、経路探索部223が、お勧め情報1101にて推奨されている施設の施設名「フレンチ○○」をお勧め情報記憶部101(
図4参照)から取得して、この施設「フレンチ○○」を目的地とする車両の現在位置からの誘導経路を探索する。そして、経路案内部224が、探索された誘導経路に基づいて、目的地である施設「フレンチ○○」まで車両を誘導する。
【0088】
以上説明したとおり、本発明の一実施形態によれば、お勧め情報(ランクA)が、ユーザの要求操作なく自動的に提供される。お勧め情報(ランクA)は、ユーザの興味・関心に合致する可能性が非常に高いお勧め情報である。また、お勧め情報(ランクA)は、一般的により少数(実施形態では1件のみ)である。このため、本実施形態によれば、不要な情報(ユーザの興味・関心に合致しない情報)で煩わしさを与えないように、より少ない情報で、ユーザの興味・関心に合致する可能性が非常に高い情報を提供することができる。
【0089】
なお、お勧め情報(ランクA)の提供だけでは、ユーザの興味・関心に合致する情報が提供されない場合もある。この場合、本発明の一実施形態によれば、ユーザの希望により、ユーザの興味・関心に合致する可能性が次に高いお勧め情報(ランクB)が提供されるので、ユーザの興味・関心に合致する情報が提供される可能性を高めることができる。お勧め情報(ランクB)は、より多数ではあるものの、ユーザの要求操作なく自動的に提供されることはないため、ユーザに煩わしさを与えることはない。
【0090】
また、本発明の一実施形態によれば、ユーザが音声入力開始操作をおこなったときに、お勧め情報(ランクB)に関連付けられている発話例情報を提供するため、ユーザの興味・関心に合致する可能性が比較的高い内容の発話例を提供することができる。そして、提供された発話例を参考にしてユーザが音声入力を行うことにより、ユーザの興味・関心に合致する可能性が比較的高いお勧め情報(ランクB)を、その音声入力による音声認識の処理結果として提供することができる。
【0091】
このように、発話例情報を提示した後にお勧め情報(ランクB)を提示することで、どのように発話をすればよいかの発話例を、ユーザの興味・関心のある可能性が高い内容に絞り込んで、ユーザに提示することができる。また、お勧め情報(ランクB)の数に応じて適切な数の発話例情報が提示されるので、ユーザに特別な操作(例えば、画面のスクロール操作等)を行うことなく、ユーザがいずれかの発話例情報を参考にして発話することにより、複数のお勧め情報(ランクB)の中から、実際にユーザの興味・関心のある内容のお勧め情報(ランクB)を特定して、ユーザに提示することができる。
【0092】
〔ランク分けの変形例〕
以下、
図12を参照して、ランク分け部111によるお勧め情報のランク分けの変形例について説明する。
図12は、本発明の一実施形態に係るランク分け部111によるランク分けの一例(変形例)を示す図である。上記実施形態で説明した方法では、ユーザの興味・関心情報との関連性に着目して、お勧め情報のランク分けを行うようにしているが、この変形例では、ユーザの興味・関心情報との意外性に着目して、お勧め情報のランク分けを行うようにしている。この変形例では、お勧め情報提供部110は、例えば以下の手順A’〜F’により、お勧め情報のランク分けを行う。
【0093】
(手順A’〜D’)手順A〜Dと同じであるため、説明を省略する。
【0094】
(手順E’)ランク分け部111が、ユーザ関連情報記憶部103に記憶されているユーザ関連情報に基づいて、手順D’にて算出された各類似度を補正する。例えば、以下の手順E1’〜E4’のように、ユーザにとっての意外性を考慮して類似度の補正を行うことにより、補正が行われた後の類似度をお勧め度として設定する。
【0095】
(手順E1’)ユーザの嗜好情報に基づいて、ユーザが好きな食べ物に関連する施設についてお勧め度を低める。例えば、以下のように、お勧め度を低める。
最も好きな食べ物に関連する施設 :−30
2番目に好きな食べ物に関連する施設:−20
3番目に好きな食べ物に関連する施設:−10
【0096】
例えば、
図6(a)に示す嗜好情報には、ユーザの好きな食べ物として、「1位:寿司、2位:うなぎ、3位:ピザ」が設定されている。この場合、ランク分け部111は、
図12に示すお勧め情報のうち、ジャンルに「寿司」が設定されているお勧め情報(ID0004)のお勧め度から「30」を減算する。また、ランク分け部111は、ジャンルに「うなぎ」が設定されているお勧め情報(ID0005)のお勧め度から「20」を減算する。また、ランク分け部111は、ジャンルに「イタリア料理」が設定されているお勧め情報(ID0006)のお勧め度から「10」を減算する。
【0097】
(手順E2’)ユーザの興味・関心情報に基づいて、ユーザが平日によく訪れる施設と同じジャンルの施設についてお勧め度を低める。例えば、以下のように、お勧め度を低める。
ユーザが平日によく訪れる施設:−30
【0098】
例えば、
図7に示すユーザの興味・関心情報には、ジャンルが「ラーメン」または「カレー」である施設に、ユーザが平日に高い頻度で訪れることが示されている。この場合、ランク分け部111は、
図12に示すお勧め情報のうち、ジャンルに「ラーメン」または「カレー」が設定されているお勧め情報(ID0001、ID0002)のお勧め度から「30」を減算する。
【0099】
(手順E3’)手順E2と同様に、ユーザの行動履歴情報に基づいて、ユーザが直近に訪れた施設と同じジャンルの施設についてお勧め度を低める。例えば、以下のように、お勧め度を低める。
最も直近に訪れた施設 :−50
2番目に直近に訪れた施設:−45
3番目に直近に訪れた施設:−40
【0100】
(手順E4’)手順E3と同様に、ユーザの行動履歴情報に基づいて、ユーザが直近に評価した施設と同じジャンルの施設についてお勧め度を低める。例えば、以下のように、お勧め度を低める。
最も直近に評価した施設 :−50
2番目に直近に評価した施設:−45
3番目に直近に評価した施設:−40
【0101】
(手順F’)最後に、ランク分け部111が、手順E’にて求められたお勧め度に基づいて、各お勧め情報のランクを決定する。例えば、お勧め対象とするお勧め情報のお勧め度を「60」以上とする場合、ランク分け部111は、
図12に示すお勧め情報のうち、お勧め度に最も高い「80」が設定されているIDが「ID0007」のお勧め情報に「ランクA」を設定する。また、ランク分け部111は、お勧め度が「60」以上であるその他のお勧め情報(ID0005)に「ランクB」を設定する。そして、ランク分け部111は、お勧め度が「60」未満であるその他のお勧め情報(ID0001〜ID0004、ID0006)に「ランクC」を設定する。
【0102】
なお、上記実施形態では、プル型情報提供部113は、ユーザが音声入力開始ボタンを選択したタイミングでお勧め情報(ランクB)に代えて発話例情報を提供し、その後、入力された音声の発話内容に合致するお勧め情報(ランクB)を提供するようにしているが、本発明はこれに限らない。例えば、プル型情報提供部113は、発話例情報を提供することなく、お勧め情報(ランクB)を提供するようにしてもよい。この場合、お勧め情報(ランクB)を提供するタイミングは、ユーザが音声入力開始ボタンを選択したタイミングに限らない。例えば、お勧め情報(ランクA)とともに、お勧め情報(ランクB)を要求するためのボタンをディスプレイ201に表示させるようにし、ユーザがタッチパネル203の操作によってこのボタンを選択したタイミングで、お勧め情報(ランクB)を提供するようにしてもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、食事施設のお勧め情報を提供するようにしているが、本発明はこれに限らない。すなわち、食事施設以外の他の施設(例えば、商業施設、観光施設等)のお勧め情報を提供するようにしてもよい。また、施設情報以外の他の情報(例えば、ニューストピック等)を推奨するお勧め情報を提供するようにしてもよい。
【0104】
また、上記実施形態において、
図8および
図12を参照してお勧め情報のランク分けについて詳細に説明したが、本発明はこれに限らない。すなわち、お勧め情報のランク分けは、上記実施形態で説明した方法以外の他の方法(例えば、従来知られている方法)によって行うようにしてもよい。
【0105】
また、上記実施形態において、サーバ装置100が備える機能の一部を、車載装置200に設けるようにしてもよい。例えば、ユーザ関連情報記憶部103に記憶されているユーザ関連情報(嗜好情報、行動履歴情報)の少なくともいずれか一つを、車載装置200の記憶部に記憶させておき、ランク分け部111がユーザの興味・関心情報の推定処理を行う際、及び、ランク分け部111がランク分けを行う際に、車載装置200の記憶部から読み出すようにしてもよい。
【0106】
また、上記実施形態において、サーバ装置100が備える機能の全部を、車載装置200に設けるようにしてもよい。すなわち、車載装置200単体で、実施形態の推薦情報提供システム10の機能を実現するようにしてもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、ユーザの行動履歴情報に基づいてユーザの興味・関心情報を推定するようにしているが、本発明はこれに限らない。例えば、ユーザの嗜好情報に基づいてユーザの興味・関心情報を推定するようにしてもよい。例えば、ユーザの嗜好情報に好きな食べ物(例えば、「ピザ」)が設定されている場合、
図4に示すお勧め情報に示されている複数のジャンルのうち、その食べ物に関連する施設が属するジャンル(例えば、「イタリア料理」)を、ユーザの興味・関心情報の評価項目「ジャンル」に設定するようにしてもよい。
【0108】
また、例えば、ユーザ関連情報にユーザのプロファイル情報(年齢、性別等)を含めるようにし、このプロファイル情報に基づいて、ユーザの興味・関心情報を推定するようにしてもよい。例えば、ユーザの年齢および性別から、その年齢および性別の多くのユーザに共通する嗜好(例えば、趣味、食事、観光地等)を、ユーザの興味・関心情報として推定するようにしてもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、ランク分け部111が、算出した類似度を補正して、補正後の類似度をお勧め度として用いているが、本発明はこれに限らない。例えば、算出した類似度をそのままお勧め度として用いるようにしてもよい。また、お勧め度の算出方法として、従来知られている方法を用いるようにしてもよい。
【0110】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。