(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る対価決定装置、対価決定方法及び対価決定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る対価決定装置、対価決定方法及び対価決定プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.第1の実施形態〕
〔1−1.算出処理の一例〕
まず、
図1を用いて、第1の実施形態に係る算出処理の一例について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る算出処理の一例を示す図である。
図1では、本願に係る対価決定装置に対応する算出装置100によって、所定の対価が算出される一例を示す。
図1に示した算出装置100は、買い取りサービスを実施する買い取り店舗において管理される。算出装置100は、買い取り店舗側がユーザから商品を購入した場合に、当該商品に対応する権利であって、所定の対価を受け取る権利をユーザに付与する。そして、算出装置100は、ユーザから購入した商品が新たに市場で再販売された際に、再販売の売却額に基づいて、ユーザに付与した権利への対価を算出する。そして、算出装置100は、算出された結果に基づいて、権利への対価を決定する。すなわち、ユーザは、店舗による商品の買い取り額に加えて、商品の市場価値に応じた対価を得ることができる。このように、算出装置100は、商品が再販売された際の利益をユーザに還元することで、買い取りサービスへの集客効果を高め、買い取りサービスを促進させる。以下、算出装置100によって行われる算出処理の一例を流れに沿って説明する。
【0012】
図1に示す例では、ユーザU01は、自身が所有する商品AAAの買い取りを買い取り店舗に依頼する(ステップS11)。買い取り店舗及び算出装置100を管理する管理者20は、ユーザU01から商品AAAを買い取る。そして、管理者20は、ユーザU01と、買い取った商品AAAとを対応付けて算出装置100に登録する。このとき、算出装置100は、管理者20が買い取った商品AAAに対応する権利をユーザU01に付与する(ステップS12)。
【0013】
管理者20は、商品AAAの買い取り額をユーザU01に支払う(ステップS13)。このように、管理者20は、商品AAAの買い取りに際して、買い取り店舗としての買い取り額をユーザU01に支払うとともに、ユーザU01に対して商品AAAに対応する権利を発生させる。
【0014】
続いて、管理者20は、買い取った商品AAAを再販売する。例えば、管理者20は、商品AAAをオークションに出品する(ステップS14)。オークションサイトの管理に用いられるオークションサーバ30は、商品AAAの出品の登録を受け付ける。そして、オークションサーバ30は、商品AAAに関するオークションを開催する(ステップS15)。そして、オークションサーバ30は、商品AAAのオークション取引が成立した場合、管理者20が取得する落札額を算出する。そして、オークションサーバ30は、落札者から支払われた落札額を、買い取り店舗側に支払う(ステップS16)。
【0015】
管理者20は、商品AAAが落札されたこと、及び、商品AAAの落札額を算出装置100に登録する。なお、算出装置100は、管理者20によらず、ネットワークを介して、オークションサーバ30から商品AAAのオークションに関する情報の通知を受けてもよい。これにより、算出装置100は、ユーザU01から買い取った商品AAAの再販売に関連する情報を取得する。
【0016】
そして、算出装置100は、商品AAAの落札額に基づいて、商品AAAに対応する権利への対価を算出する(ステップS17)。
図1の例では、権利への対価は、買い取り店舗や買い取り店舗の関連企業間で現金と同様に扱われるサービスポイントである。例えば、算出装置100は、商品AAAに対応する権利への対価として、商品AAAの落札額の1割に相当する価値のサービスポイントを算出する。そして、算出装置100は、算出された結果に基づいて、権利への対価を決定する。
【0017】
そして、算出装置100は、算出した対価をユーザU01に分配する(ステップS18)。すなわち、ユーザU01は、商品AAAに対応して付与された権利と引き換えに、算出装置100によって算出されたサービスポイントを受け取ることができる。
【0018】
このように、第1の実施形態に係る算出装置100は、ユーザU01から購入した商品AAAに対応する権利をユーザU01に付与する。その後、算出装置100は、ユーザU01から購入した商品AAAの再販売に関連する情報を取得する。そして、算出装置100は、取得された再販売に関する情報に基づいて、ユーザU01に付与された権利への対価を算出し、決定する。
【0019】
すなわち、算出装置100は、買い取りサービスにおいて、商品の買い取り額に加え、商品が市場において再販売された場合の一定の利益を受け取ることのできる権利をユーザに付与する。言い換えれば、算出装置100は、ユーザに対して、商品の市場価値に基づいた適切な報酬をユーザに与えることができる。買い取りサービスにおいては、中古商品の価値の流動性が高いこと、また、買い取り店舗側が商品の価値を適切に算定することが難しいことから、ユーザは、満足のいく買い取り額の提示を受けることができない場合がある。一方、算出装置100によれば、買い取られた商品があらためて市場で販売された際の利益を含めた対価が算出されるので、ユーザは、買い取りサービスを積極的に利用することができる。このように、算出装置100は、商品の再販売に関する情報に基づいてユーザへの対価を算出することにより、ユーザにとって満足感のあるサービスを提供することができる。結果として、算出装置100は、買い取りサービスを促進させることができる。
【0020】
なお、
図1の例における算出装置100とユーザU01とのやり取りは、ユーザU01が操作するユーザ端末10(
図1での図示は省略する)を介して行われてもよい。例えば、算出装置100は、ステップS18において、ネットワークを介して、ユーザ端末10に対価を支払うことができる。具体的には、算出装置100は、ユーザ端末10に対応するユーザアカウントに対して、サービスポイントを使用する権利を付与すること等により、ユーザに対価を分配する。
【0021】
〔1−2.算出システムの構成〕
次に、
図2を用いて、第1の実施形態に係る算出システム1の構成について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る算出システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、算出システム1には、ユーザ端末10と、オークションサーバ30と、算出装置100とが含まれる。ユーザ端末10、オークションサーバ30、及び、算出装置100は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示した算出システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台のオークションサーバ30が含まれてもよい。
【0022】
ユーザ端末10は、ユーザによって利用される情報処理端末である。ユーザ端末10は、例えば、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、スマートフォン(Smartphone)や、タブレット型端末や、PDA(Personal Digital Assistant)や、ウェアラブル端末(Wearable Device)等である。ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従って、オークションサーバ30や算出装置100との情報の送受信等を行う。なお、以下では、ユーザ端末10をユーザと表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザをユーザ端末10と読み替えることもできる。
【0023】
オークションサーバ30は、オークションサイトの管理に用いられるサーバ装置である。オークションサーバ30は、例えば、オークションサイト運営者によって管理される。例えば、オークションサーバ30は、オークションへの商品の出品を受け付けたり、受け付けた商品のオークションを開催したりする。また、オークションサーバ30は、商品が落札された場合に、落札額をオークションの関係者に通知する。例えば、オークションサーバ30は、算出装置100を介してオークションへの商品の出品を受け付けていた場合、落札額を算出装置100に通知する。
【0024】
算出装置100は、管理者20によって管理されるサーバ装置である。
図1を用いて説明したように、算出装置100は、買い取りサービスで買い取られた商品に対応する権利をユーザに付与し、商品の再販売に関する情報に基づいて、付与した権利への対価を算出する。
【0025】
〔1−3.算出装置の構成〕
次に、
図3を用いて、第1の実施形態に係る算出装置100の構成について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る算出装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、算出装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、算出装置100は、算出装置100を利用する管理者20等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0026】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末10及びオークションサーバ30との間で情報の送受信を行う。
【0027】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、ユーザ情報記憶部121と、販売情報記憶部122とを有する。
【0028】
(ユーザ情報記憶部121について)
ユーザ情報記憶部121は、ユーザに関する情報を記憶する。ここで、
図4に、第1の実施形態に係るユーザ情報記憶部121の一例を示す。
図4は、第1の実施形態に係るユーザ情報記憶部121の一例を示す図である。
図4に示した例では、ユーザ情報記憶部121は、「ユーザID」、「取引ID」、「買い取り商品」、「権利」といった項目を有する。
【0029】
「ユーザID」は、ユーザ又はユーザと関連付けられるユーザ端末10を識別する識別情報を示す。なお、ユーザIDは、ユーザの参照符号と一致するものとする。すなわち、ユーザIDが「U01」であるユーザは、「ユーザU01」と表記される。
【0030】
「取引ID」は、買い取りサービスに係る取引を識別する識別情報を示す。「買い取り商品」は、買い取りサービスに係る取引において、買い取り店舗側に買い取られた商品を示す。なお、買い取り商品の項目で示される情報は、商品の参照符号として用いられる場合がある。すなわち、買い取り商品の項目が「AAA」で示される商品は、「商品AAA」と表記される場合がある。
【0031】
「権利」は、買い取りサービスに係る取引においてユーザに付与される権利を示す。権利は、買い取り商品に対応して付与される。第1の実施形態では、権利は、「買い取り商品」の項目で示される参照符号と一致するものとする。すなわち、算出装置100は、商品AAAを買い取った場合、ユーザU01に「権利AAA」を付与する。
【0032】
すなわち、
図4に示す一例では、算出装置100は、取引ID「M01」で識別される取引において、ユーザID「U01」によって識別されるユーザから商品「AAA」を買い取り、ユーザU01に対して権利「AAA」を付与したことを示している。
【0033】
(販売情報記憶部122について)
販売情報記憶部122は、買い取り商品の再販売に関する情報を記憶する。ここで、
図5に、第1の実施形態に係る販売情報記憶部122の一例を示す。
図5は、第1の実施形態に係る販売情報記憶部122の一例を示す図である。
図5に示した例では、販売情報記憶部122は、「オークションID」、「商品」、「落札額」、「有効となる権利」といった項目を有する。
【0034】
「オークションID」は、オークションサイトで行われるオークションの各取引を識別する識別情報を示す。「商品」は、オークションにおいて取引されている商品を識別する識別情報を示す。なお、「商品」は、
図4における「買い取り商品」に対応し、同一の参照符号により表される。
【0035】
「落札額」は、オークションにおいて取引されている商品が落札された際の価格を示す。なお、現時点において、オークションで取引が成立していない(落札が確定していない)商品に対応する落札額は、空欄(「−」)により示される。
【0036】
「有効となる権利」は、オークションにおける取引が成立したことにより、対価の受け取りが有効となる権利を示す。例えば、商品「AAA」に関する取引が成立した場合、算出装置100によって権利「AAA」への対価が算出される。これにより、権利「AAA」が付与されているユーザは、権利「AAA」に対応する対価の分配を受けることが可能となる。なお、「有効となる権利」は、
図4における「権利」に対応し、同一の参照符号により表される。また、現時点において、オークションで取引が成立していない商品に対応する「有効となる権利」は、空欄(「−」)により示される。
【0037】
すなわち、
図5に示す一例では、オークションID「G01」で識別されるオークションの取引において、商品「AAA」が落札額「8000」円で落札され、権利「AAA」が有効となっていることを示している。また、他の一例では、オークションID「G03」で識別されるオークションの取引において、商品「CCC」がいまだ落札されておらず、商品「CCC」に対応する権利が有効となっていないことを示している。
【0038】
(制御部130について)
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、算出装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(対価決定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0039】
図3に示すように、制御部130は、受付部131と、付与部132と、取得部133と、決定部134と、分配部135とを有し、以下に説明する機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば、他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0040】
(受付部131について)
受付部131は、各種情報を受け付ける。例えば、受付部131は、買い取りサービスに係る取引に関する情報を受け付ける。具体的には、受付部131は、買い取りサービスにおいて、買い取りサービスを利用したユーザや、買い取った商品に関する情報を受け付ける。なお、受付部131は、買い取りサービスに係る取引が行われた日時や、買い取り額に関する情報を受け付けてもよい。
【0041】
受付部131は、例えば管理者20からの手入力により、各種情報の登録を受け付ける。なお、受付部131は、ネットワークNを介して自動的に情報を受け付けることが可能な場合には、管理者20からの手入力を要しない。例えば、受付部131は、ユーザ端末10から買い取りの依頼を受け付けた場合、ユーザ端末10から送信されるユーザアカウント等の識別情報に基づいて、ユーザ端末10に関する情報を受け付けてもよい。
【0042】
受付部131は、受け付けた情報をユーザ情報記憶部121に格納する。また、受付部131は、受け付けた情報であって、算出装置100が実行する処理に用いられる情報を後述する各処理部に送ってもよい。
【0043】
(付与部132について)
付与部132は、ユーザから購入した商品に対応する権利を当該ユーザに付与する。例えば、付与部132は、買い取りサービスにおいて、管理者20がユーザU01から商品AAAを買い取った場合、対応する権利AAAをユーザU01に付与する。
【0044】
そして、付与部132は、権利を付与したユーザ、及び権利に対応する商品を対応付けた情報をユーザ情報記憶部121に格納する。
【0045】
(取得部133について)
取得部133は、各種情報を取得する。例えば、取得部133は、ユーザから購入した商品の再販売に関連する情報を取得する。具体的には、取得部133は、ユーザから購入した商品の再販売における売却額を取得する。
【0046】
再販売がオークションサイトを介して行われる場合、取得部133は、ユーザから購入した商品のオークション取引における情報を取得する。例えば、取得部133は、購入した商品が落札されたか否かといった情報や、購入した商品の落札額などの情報を取得する。なお、取得部133は、商品の取引が成立した日時や、商品を落札した落札者に関する情報などを取得してもよい。
【0047】
そして、取得部133は、取得した情報を販売情報記憶部122に格納する。なお、取得部133は、管理者20からの手入力により各種情報を取得してもよいし、ネットワークNを介して、ユーザ端末10や、オークションサーバ30から各種情報を取得してもよい。
【0048】
(決定部134について)
決定部134は、取得部133によって取得された情報に基づいて、付与部132によって付与された権利への対価を決定する。例えば、決定部134は、取得部133によってユーザから購入した商品の再販売における売却額が取得された場合には、当該商品の再販売における売却額に基づいて、当該商品に対応する権利への対価を算出することにより、対価を決定する。なお、以下の説明において、「決定部134が対価を算出する」という表記は、「決定部134が対価を算出し、算出された結果に基づいて対価を決定する」という意味を含む。
【0049】
決定部134は、商品の再販売における売却額に基づいて対価を算出する場合、例えば売却額に対する所定の割合(例えば、1割など)を対価として算出する。あるいは、決定部134は、商品の再販売における売却額から所定の経費を差し引いて算出される利益に基づいて、対価を算出してもよい。また、決定部134は、所定の固定額に基づいて、権利への対価を決定してもよい。例えば、決定部134は、商品の再販売が成立した際に、当該商品に対応する権利へ与えられる所定の固定額の設定を予め受け付けておく。そして、決定部134は、取得部133によって商品の再販売が成立した旨の情報が取得された際に、予め設定されていた固定額を対価として決定する。所定の固定額は、例えば、管理者20によって予め設定される。具体的には、管理者20は、ユーザから購入した商品の再販売が成立した場合に、当該商品に対応する権利に対して、「100ポイント」のバックが受けられることを予め算出装置100に設定する。このとき、決定部134は、ユーザから購入した商品の再販売が成立したという情報に基づいて、当該商品に対して付与された権利への対価として、「100ポイント」を算出し、対価として決定する。なお、所定の固定額は、管理者20によらず、過去の履歴等から算出される最適値などに基づいて、自動で設定されてもよい。
【0050】
また、決定部134は、権利への対価として、現金として支払う額を算出してもよいし、あるいは、現金として支払う額に相当する所定の報酬を算出してもよい。所定の報酬とは、例えば、買い取り店舗等で使用できるサービスポイントや、金券等である。
【0051】
また、決定部134は、算出した権利への対価に関する情報をユーザに通知してもよい。例えば、決定部134は、権利に対応する商品の再販売の取引が成立し、当該権利が有効となったことや、当該権利への対価の額などをユーザ端末10に通知する。
【0052】
(分配部135について)
分配部135は、決定部134によって算出された結果に基づいて、権利への対価を分配する。例えば、決定部134によって、権利への対価としてサービスポイントのポイント数が算出された場合には、分配部135は、当該権利が付与されたユーザ端末10に対して、算出されただけのポイント数を分配する。
【0053】
そして、分配部135は、対価の分配が成立した権利については、権利を消滅させる処理を行う。例えば、分配部135は、ユーザに付与された権利であって、対価が既に分配された権利については、分配が既に行われたことを示す識別情報を付与し、ユーザ情報記憶部121に記憶されている情報を更新する。
【0054】
〔1−4.算出処理手順〕
次に、
図6及び
図7を用いて、第1の実施形態に係る算出装置100による算出処理の手順について説明する。まず、
図6を用いて、算出装置100によってユーザに権利が付与される処理の流れについて説明する。
図6は、第1の実施形態に係る算出装置100による算出処理手順を示すフローチャート(1)である。
【0055】
図6に示すように、受付部131は、買い取り商品に関する情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。買い取り商品に関する情報を受け付けていない場合(ステップS101;No)、受付部131は、受け付けるまで待機する。
【0056】
一方、買い取り商品に関する情報を受け付けた場合(ステップS101;Yes)、受付部131は、受け付けた買い取り商品に関する情報を登録する(ステップS102)。
【0057】
そして、付与部132は、買い取った商品に対応する権利をユーザに付与する(ステップS103)。続いて、付与部132は、買い取りサービスを利用したユーザ、買い取った商品、付与された権利に関する情報を対応付けて、ユーザ情報記憶部121に格納する(ステップS104)。
【0058】
続いて、
図7を用いて、算出装置100によって権利への対価が算出される処理の流れについて説明する。
図7は、第1の実施形態に係る算出装置100による算出処理手順を示すフローチャート(2)である。
【0059】
図7に示すように、取得部133は、買い取った商品が再販売された際の販売情報を取得したか否かを判定する(ステップS201)。販売情報を取得していない場合(ステップS201;No)、取得部133は、取得するまで待機する。
【0060】
一方、販売情報を取得した場合(ステップS201;Yes)、決定部134は、販売に係る権利を特定する(ステップS202)。そして、決定部134は、再販売における取引が成立した際の売却額に基づいて、権利への対価を算出する(ステップS203)。そして、分配部135は、決定部134によって算出された対価をユーザに分配する(ステップS204)。
【0061】
〔1−5.効果〕
上述してきたように、第1の実施形態に係る算出装置100は、付与部132と、取得部133と、決定部134とを有する。付与部132は、ユーザから購入した商品に対応する権利を当該ユーザに付与する。取得部133は、ユーザから購入した商品の再販売に関連する情報を取得する。決定部134は、取得部133によって取得された情報に基づいて、付与部132によって付与された権利への対価を決定する。
【0062】
このように、第1の実施形態に係る算出装置100は、買い取りサービスにおいて、商品の買い取りに加えて、商品が市場において再販売された場合の一定の利益を受け取ることのできる権利をユーザに付与する。これにより、算出装置100は、ユーザに付加価値の高い買い取りサービスを提供することができるので、買い取りサービスを促進させることができる。
【0063】
また、取得部133は、ユーザから購入した商品の再販売における売却額を取得する。決定部134は、ユーザから購入した商品の再販売における売却額に基づいて、当該商品に対応する権利への対価を算出する。
【0064】
このように、第1の実施形態に係る算出装置100は、再販売における売却額という、商品の市場価値に基づいた適切な対価を算出するので、ユーザにとって満足感のある対価を算出することができる。
【0065】
〔1−6.変形例〕
上述してきた第1の実施形態は、異なる態様により実施されてもよい。例えば、第1の実施形態において、算出装置100が、ユーザから買い取った商品に対応する権利について、当該商品の売却額に基づいて対価を算出する例を示した。ここで、算出装置100は、商品一点ごとの売却額ではなく、所定の期間の売却額の総額に基づいて、対価を算出してもよい。以下、
図8及び
図9を用いて、第1の実施形態の変形例について説明する。
【0066】
図8は、第1の実施形態の変形例に係るユーザ情報記憶部123の一例を示す図である。
図8に示すように、第1の実施形態の変形例に係るユーザ情報記憶部123は、ユーザ情報記憶部121に加えて、「権利数」といった項目を有する。
【0067】
「権利数」は、ユーザに付与された権利の総数を示す。
図8に示す例では、ユーザU01は、権利DDDと、権利EEEと、権利FFFとを有するので、ユーザU01に対応する「権利数」には「3」が記憶される。
【0068】
図9は、第1の実施形態の変形例に係る販売情報記憶部124の一例を示す図である。
図9に示すように、第1の実施形態の変形例に係る販売情報記憶部124は、販売情報記憶部122に加えて、「成立日」といった項目を有する。
【0069】
「成立日」は、商品の取引が成立した日を示す。
図9に示す例では、オークションG04は、「2015年6月12日」に成立したことを示し、オークションG05は、「2015年6月20日」に成立したことを示し、オークションG06は、「2015年6月25日」に成立したことを示している。
【0070】
第1の実施形態の変形例において、取得部133は、ユーザU01から購入した商品の再販売における売却額を取得する。すなわち、
図8及び
図9に示す例では、取得部133は、ユーザU01から購入した商品DDD、商品EEE、商品FFFのオークションにおける各落札額を取得する。
【0071】
そして、決定部134は、ユーザU01から購入した商品DDD、商品EEE、商品FFFについて、オークションが成立した取引の落札額の総額に基づいて、ユーザU01に付与された権利への対価を算出する。
図8及び
図9に示す例では、決定部134は、ユーザU01に付与された権利への対価について、期間「2015年6月」における商品の落札額の総額(
図9の例では「6000円+9000円+3000円=18000円」)に基づいた算出を行う。例えば、決定部134は、ユーザU01に付与された権利数が「3」であり、権利への対価が落札額の1割に相当する場合、「1800/3=600」を算出する。すなわち、決定部134は、期間「2015年6月」において取引が成立した商品の落札総額を、ユーザU01に付与された権利数で除算することにより、1の権利への対価を算出する。
【0072】
このように、第1の実施形態の変形例では、取得部133は、所定のユーザから購入した商品の再販売における売却額を取得する。そして、決定部134は、所定のユーザから購入した複数の商品について、当該複数の商品のうち再販売が成立した商品の総売却額に基づいて、所定のユーザに付与された権利への対価を算出する。
【0073】
これにより、算出装置100は、商品に対応する権利に対して、商品の売却が成立する都度、対価を算出することを要しない。すなわち、算出装置100は、所定のユーザから商品を買い取った場合、商品に対応する権利を数に対応させ、再販売が成立した商品の総売却額に基づいて、再販売が成立した商品に対応する権利の1つに相当する対価を算出する。このため、算出装置100は、算出処理の処理負荷を軽減させることができる。また、算出装置100は、商品の総売却額に基づいて権利への対価を算出するため、権利に対応する1商品が厳密にいくらで売却されたかをユーザに知られることなく、ユーザに支払う対価を算出することができる。
【0074】
なお、第1の実施形態の変形例では、所定のユーザから購入した複数の商品の総売却額に基づいて、所定のユーザに付与された権利への対価を算出した。しかし、算出装置100は、売却額以外によって権利への対価を算出してもよい。例えば、算出装置100は、所定のユーザから購入した複数の商品のうち、再販売が成立した商品の売却点数に基づいて、所定のユーザに付与された権利への対価を算出してもよい。
【0075】
すなわち、取得部133は、所定のユーザから購入した商品の再販売における取引結果を取得する。決定部134は、所定のユーザから購入した商品について、当該商品のうち再販売が成立した商品の売却点数に基づいて、所定のユーザに付与された権利への対価を算出し、決定する。
【0076】
これにより、算出装置100は、上記のように、商品の売却が成立する都度、対価を算出することを要しないことに加えて、予め商品の点数に応じて設定された額を対価として算出するため、より処理負荷を軽減することができる。また、ユーザにとっては、再販売が成立した商品の点数に基づく報酬が得られるため、複雑な仕組み等を気にせず、気軽に算出装置100に係る買い取りサービスを利用することができる。結果として、算出装置100は、買い取りサービスを促進させることができる。
【0077】
〔2.第2の実施形態〕
上記第1の実施形態では、ユーザから買い取った商品に対応する権利について、当該商品の再販売に関する情報に基づいて、対価が算出される例を示した。ここで、本願発明は、ユーザから買い取った商品に対応する権利について、他のユーザから買い取った商品の再販売に関する情報も含めて、対価を算出してもよい。この点について、第2の実施形態として説明する。なお、第1の実施形態において説明した事項と同様の事項については、説明を省略する。
【0078】
〔2−1.算出処理の一例〕
まず、
図10を用いて、第2の実施形態に係る算出処理の一例について説明する。
図10は、第2の実施形態に係る算出処理の一例を示す図である。
図10に示した算出装置200は、複数のユーザから購入した商品の再販売に関連する総合的な情報を取得し、かかる情報に基づいて、個々のユーザに付与された権利への対価を算出する。すなわち、ユーザは、自身が買い取り店舗に売却した商品の市場価値のみならず、他のユーザが売却した商品の市場価値も含めて算出された対価を受け取る。以下、算出装置200によって行われる算出処理の一例を流れに沿って説明する。
【0079】
図10に示す例では、ユーザU11は、自身が所有する商品HHHの買い取りを買い取り店舗に依頼する(ステップS21)。同様に、ユーザU21は商品KKKの買い取りを、ユーザU31は商品NNNの買い取りを買い取り店舗に依頼する。
【0080】
ここで、算出装置200は、ユーザから購入した商品の価値、例えば、買い取った商品の買い取り額に対応する権利をユーザ毎に付与する。例えば、算出装置200は、所定の金額ごとに権利口数をユーザに付与する(ステップS22)。具体的には、算出装置200は、ユーザからの買い取り額が10000円を超えるごとに、一口の権利をユーザに付与する。
【0081】
管理者20は、各ユーザから購入した商品の買い取り額を各ユーザに支払う(ステップS23)。そして、管理者20は、各ユーザから購入した商品を再販売する。具体的には、管理者20は、各ユーザから購入した商品をオークションに出品する(ステップS24)。オークションサーバ30は、各商品のオークションを開催する(ステップS25)。そして、オークションサーバ30は、各商品のオークション取引が成立した場合、各商品の落札額を算出し、落札額を買い取り店舗側に支払う(ステップS26)。
【0082】
ここで、算出装置200は、落札額の総計に基づいて、権利一口への対価を算出する(ステップS27)。すなわち、算出装置200は、個々の商品ごとの落札額ではなく、所定期間(例えば、1カ月間)における各ユーザから購入した商品の落札額の総額に基づき、権利一口への対価を算出する。このとき、算出装置200は、算出した権利一口への対価の額を、各ユーザに提示してもよい。
【0083】
ここで、各ユーザは、付与された権利を行使するか否かを選択することができる。権利を行使する場合、ユーザは、算出装置200が算出した権利一口の額に基づいて、自身に付与された権利口数分の対価の分配を受けることができる。また、ユーザは、権利を行使しなくてもよい。すなわち、現時点で分配を必要としないユーザや、今回の期間における権利一口への対価の額に納得できないユーザなどは、権利を行使せず、次の期間において提示される対価を待って、権利を行使してもよい。
【0084】
そして、算出装置200は、権利を行使したユーザに対価を分配する(ステップS28)。例えば、ユーザU11が権利を行使した場合、ユーザU11は、商品HHHの買い取り額に応じて付与された権利口数に基づいて、算出装置200によって算出された対価の分配を受けることができる。
【0085】
このように、実施形態に係る算出装置200は、ユーザから購入した商品の価値に応じた権利を当該ユーザに付与する。その後、算出装置200は、複数のユーザから購入した商品の再販売に関連する総合的な情報を取得する。そして、算出装置200は、複数のユーザから購入した商品の再販売における総合的な利益に基づいて、個々のユーザに付与された権利への対価を算出する。
【0086】
すなわち、算出装置200は、個々のユーザから買い取った商品に対して付与される権利について、再販売の総合的な売り上げに基づいて、対価を算出する。これは、買い取りサービスを実施する買い取り店舗が、再販売において利益を上げるほど、商品を買い取ってもらったユーザに対価が分配されることを示している。このため、ユーザは、自身の個々の商品について再販売に価値が見出せなくとも、買い取り店舗に多くの商品を持ち込み、権利の付与を受けることにより、店舗全体の売上に応じた対価を得ることができる。また、算出装置200は、一定の買い取り額に応じて権利を一口付与すると設定することで、一定の買い取り額に至るまで商品を売却しようとするユーザの行動を促すことができる。結果として、算出装置200は、買い取りサービスを促進させることができる。
【0087】
また、算出装置200によれば、所定期間内の店舗全体の売上に基づいて対価を算出するため、店舗としては、突発的にユーザに対する大きな対価の支払いなどが発生することがなくなるため、リスクヘッジとなる。また、算出装置200によれば、ユーザから購入した個々の商品の再販売に係る具体的な価格をユーザに知られることなく、適切にユーザへの対価を算出することができる。
【0088】
〔2−2.算出装置の構成〕
次に、
図11を用いて、第2の実施形態に係る算出装置200の構成について説明する。
図11は、第2の実施形態に係る算出装置200の構成例を示す図である。
図11に示すように、算出装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。第1の実施形態と同様の処理については、説明を省略する。例えば、通信部110と通信部210とは同様の処理を行うため、説明を省略する。
【0089】
(ユーザ情報記憶部221について)
図12に、第2の実施形態に係るユーザ情報記憶部221の一例を示す。
図12は、第2の実施形態に係るユーザ情報記憶部221の一例を示す図である。
図12に示した例ではユーザ情報記憶部221は、第1の実施形態に係るユーザ情報記憶部121に加えて、「買い取り額」、「権利口数」といった項目を有する。
【0090】
「買い取り額」は、商品が買い取られた価格を示す。「権利口数」は、ユーザに付与された権利の口数を示す。
図12に示す例では、権利口数は、買い取り額「10000円」ごとに一口付与されるものとする。
【0091】
すなわち、
図12に示す一例では、算出装置200が、ユーザU11から商品HHHを「7000円」で買い取り、商品IIIを「9000円」で買い取り、商品JJJを「15000円」で買い取っており、買い取り額の合計が「31000円」であるため、「3」口の権利がユーザU11に付与されている例を示している。
【0092】
(販売情報記憶部222について)
図13に、第2の実施形態に係る販売情報記憶部222の一例を示す。
図13は、第2の実施形態に係る販売情報記憶部222の一例を示す図である。
図13に示した例では、販売情報記憶部222は、第1の実施形態に係る販売情報記憶部122に加えて、「集計期間」、「落札総額」といった項目を有する。
【0093】
「集計期間」は、落札額を総計する期間を示す。「落札総額」は、集計期間における落札額の総計を示す。
【0094】
すなわち、
図13に示す一例では、集計期間「2015年6月1日から2015年6月30日」において開催されたオークションの1つがオークションG11であり、オークションG11に係る商品HHHの落札額が「15000円」であり、集計期間「2015年6月1日から2015年6月30日」における商品の落札総額は「1500000円」であったことを示している。
【0095】
(受付部231について)
受付部231は、買い取りサービスに係る取引に関する情報を受け付ける。例えば、受付部231は、買い取りサービスに係る取引において、ユーザから購入した商品の買い取り額に関する情報を受け付ける。
【0096】
例えば、受付部231は、管理者20からの手入力により、商品の買い取り額に関する情報を受け付ける。なお、受付部231は、商品と買い取り額とが対応付けられた所定のデータベースを参照することにより、買い取り額に関する情報を受け付けてもよい。
【0097】
(付与部232について)
付与部232は、ユーザから購入した商品の価値に応じた権利を当該ユーザに付与する。具体的には、付与部232は、商品の価値として、受付部231が受け付けた買い取り額に基づいて、ユーザに権利を付与する。
【0098】
付与部232は、ユーザに付与する権利として、買い取り額に応じて算出される権利口数を算出する。例えば、付与部232は、ユーザごとの買い取り額が所定の金額(例えば、10000円)に達するごとに、一口の権利を付与する。
【0099】
なお、付与部232は、所定期間における買い取り額に基づいて、ユーザに権利を付与してもよい。例えば、付与部232は、1カ月間における買い取り額が所定の金額を超えたユーザに権利を一口付与し、1カ月ごとに買い取り額をリセットするようにしてもよい。これにより、付与部232は、1カ月間の買い取り額が所定の金額を超えるよう、商品の持ち込みをユーザに促すことができる。
【0100】
(取得部233について)
取得部233は、ユーザから購入した商品の再販売に関連する情報を取得する。また、取得部233は、複数のユーザから購入した商品の再販売における総合的な利益に関する情報を取得する。例えば、取得部233は、所定期間における商品の再販売の売却総額を取得する。
【0101】
また、取得部233は、付与部232によって付与された権利を対価と引き換える旨の情報をユーザから取得する。すなわち、ユーザは、付与部232によって付与された権利の口数ごとに、対価の分配を受け取るか否かを算出装置200側に表明することができる。例えば、所定期間内の総合的な売却額により対価が算出される場合、期間によっては、ユーザが満足する対価が算出されない場合がある。このような場合、ユーザは、対価に引き換える権利を行使せず、次の機会に持ち越すことができる。
【0102】
(決定部234について)
決定部234は、複数のユーザから購入した商品の再販売における総合的な利益に基づいて、個々のユーザに付与された権利への対価を算出し、決定する。具体的には、決定部234は、複数のユーザから購入した商品のうち、所定期間内に再販売が成立した商品の総売却額に基づいて、個々のユーザに付与された権利への対価を算出する。より具体的には、決定部234は、付与部232によってユーザに付与された権利一口に対する対価を算出する。
【0103】
また、決定部234は、算出に関する情報をユーザに提示してもよい。例えば、決定部234は、算出した権利一口への対価の額をユーザに提示する。ここで、決定部234によって行われる情報の提示の一例を
図14及び
図15に示す。
【0104】
図14は、第2の実施形態に係る提示処理を説明する図(1)である。
図14に示すように、決定部234は、ユーザ端末10に情報を送信し、表示部11に情報を提示させる。例えば、ユーザ端末10は、決定部234から送信された「今月の配当金は1口あたり、500円の予定です。」といったメッセージをユーザに提示する。なお、表示領域12における「500」という数字は、決定部234の算出結果に基づき変更される。また、「配当金」という記載は、「対価」や、「分配金」などに置き換えられてもよい。
【0105】
また、決定部234は、
図14で示した以外の情報をユーザ端末10に送信してもよい。
図15は、第2の実施形態に係る提示処理を説明する図(2)である。
図15に示すように、決定部234は、「現在、あなたの今月の買い取り額は、7500円です。あと2500円で、配当の権利を得ることができます。」といったメッセージを送信し、ユーザに提示させてもよい。表示領域13には、所定期間におけるユーザの買い取り額の総計が示される。また、表示領域14には、所定期間において残りいくらで権利一口が付与されるかを伝える情報が示される。なお、かかる提示は、決定部234ではなく、付与部232によって行われてもよい。このように、決定部234は、対価と引き換え可能な権利が付与されるために所定のユーザに課される条件(
図15の例では、権利一口が付与されるための、残りの買い取り額)を算出するとともに、算出された条件を当該所定のユーザに通知する。すなわち、決定部234は、対価と引き換え可能な権利が付与されるために要する商品の買い取り額などの条件をユーザに示す。これにより、決定部234は、対価と引き換えることのできる権利を得ようとするユーザに、さらに商品を買い取りサービスに持ち込もうとする誘因を与えることができるので、買い取りサービスの利用を促進させることができる。
【0106】
また、決定部234は、権利の行使をユーザから受け付ける。具体的には、決定部234は、取得部233によって取得された、ユーザが権利を行使するか否かの旨の情報を受け付ける。上述のように、ユーザは、付与された権利口数のうち、任意の口数分の権利の行使を申し込むことができる。このとき、決定部234は、申し込まれた権利の口数に応じて、権利一口への対価を算出してもよい。すなわち、決定部234額の高低を調整してもよい。決定部234は、ユーザから受け付けた権利の行使に関する情報を分配部235に送る。
【0107】
(分配部235について)
分配部235は、決定部234によって算出された結果に基づいて、権利への対価を分配する。具体的には、決定部234によって権利一口への対価が算出された場合、分配部235は、権利の口数に応じてユーザに対価を分配する。なお、分配部235は、決定部234によって受け付けられた権利の行使に応じて、対価を分配する。例えば、分配部235は、権利口数「2」を行使したユーザに対しては、権利口数「2」に対応する額の対価を分配する。
【0108】
〔2−3.算出処理手順〕
次に、
図16及び
図17を用いて、第2の実施形態に係る算出装置200による算出処理の手順について説明する。まず、
図16を用いて、算出装置200によってユーザに権利が付与される処理の流れについて説明する。
図16は、第2の実施形態に係る算出装置200による算出処理手順を示すフローチャート(1)である。
【0109】
図16に示すように、受付部231は、買い取り商品に関する情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS301)。買い取り商品に関する情報を受け付けていない場合(ステップS301;No)、受付部231は、受け付けるまで待機する。
【0110】
一方、買い取り商品に関する情報を受け付けた場合(ステップS301;Yes)、受付部231は、受け付けた買い取り商品に関する情報を登録する(ステップS302)。このとき、受付部231は、買い取り商品とあわせて買い取り額を登録する。
【0111】
そして、付与部232は、買い取り総額に応じた権利口数をユーザ毎に付与する(ステップS303)。続いて、付与部232は、買い取りサービスを利用したユーザ、買い取った商品、付与された権利口数に関する情報を対応付けて、ユーザ情報記憶部221に格納する(ステップS304)。
【0112】
続いて、
図17を用いて、算出装置200によって権利への対価が算出される処理の流れについて説明する。
図17は、第2の実施形態に係る算出装置200による算出処理手順を示すフローチャート(2)である。
【0113】
図17に示すように、取得部233は、買い取った商品が再販売された際の販売情報を取得したか否かを判定する(ステップS401)。販売情報を取得していない場合(ステップS401;No)、取得部233は、取得するまで待機する。
【0114】
一方、販売情報を取得した場合(ステップS401;Yes)、取得部233は、販売情報を集計することで、所定期間における販売総額を取得する(ステップS402)。そして、決定部234は、所定期間における販売総額に基づいて、権利一口への対価を算出する(ステップS403)。
【0115】
そして、決定部234は、ユーザから権利の行使を受け付けたか否かを判定する(ステップS404)。権利の行使を受け付けた場合(ステップS404;Yes)、分配部235は、受け付けた権利の口数に基づいて、ユーザに対価を分配する(ステップS405)。
【0116】
一方、権利の行使を受け付けていない場合(ステップS404;No)、分配部235は、ユーザに付与された権利を消滅させず、権利を次の機会に持ち越す(ステップS406)。
【0117】
〔2−4.効果〕
上述してきたように、第2の実施形態に係る算出装置200は、付与部232と、取得部233と、決定部234とを有する。付与部232は、ユーザから購入した商品の価値に応じた権利を当該ユーザに付与する。取得部233は、複数のユーザから購入した商品の再販売に関連する総合的な情報を取得する。決定部234は、複数のユーザから購入した商品の再販売における総合的な情報に基づいて、個々のユーザに付与された権利への対価を算出する。
【0118】
このように、第2の実施形態に係る算出装置200は、複数ユーザから買い取った商品の再販売の総合的な売り上げに基づいて対価を算出するので、権利に対して高い確率で対価を算出できる。すなわち、個々の商品に対価の算出が依存する場合、ユーザにとっては、自身が持ち込んだ商品の再販売が成立するまで、権利への対価が発生しない場合がある。この点において、算出装置200は、総合的な売り上げを基に対価を算出するため、ユーザに安心感を与えることができる。これにより、算出装置200は、買い取りサービスを促進させることができる。また、算出装置200は、個々の具体的な再販価格をユーザに知らせることなく対価を算出することができるため、店舗の経営に関する情報などを公にするリスクを抑えることができる。
【0119】
また、取得部233は、複数のユーザから購入した商品のうち、所定期間内に再販売が成立した商品の総売却額を取得する。決定部234は、複数のユーザから購入した商品のうち、所定期間内に再販売が成立した商品の総売却額に基づいて、個々のユーザに付与された権利への対価を算出する。
【0120】
このように、第2の実施形態に係る算出装置200は、商品の市場価値に基づいた適切な対価を算出するので、ユーザにとって満足感のある対価を算出することができる。また、算出装置200は、再販売が成立して売却額が確定した商品を対象として対価を算出するため、適切な対価の額を算出することができる。
【0121】
また、決定部234は、対価と引き換え可能な権利が付与されるために所定のユーザに課される条件を算出するとともに、算出された条件を当該所定のユーザに通知する。
【0122】
このように、第2の実施形態に係る算出装置200は、対価と引き換えることのできる1口の権利がユーザに付与されるまでの条件を提示することで、買い取りサービスの利用の促進を図ることができる。
【0123】
また、取得部233は、付与部232によって付与された権利を対価と引き換える旨の情報をユーザから取得する。決定部234は、対価と引き換える旨が表明された権利の数に基づいて、個々の権利への対価を算出する。
【0124】
このように、第2の実施形態に係る算出装置200によれば、ユーザは、権利を行使するか否かを任意に選択することができる。このため、ユーザは、自身の満足のいくタイミングで権利を行使するといった、利用価値の高いサービスを享受できる。これにより、算出装置200は、買い取りサービスを促進させることができる。
【0125】
〔2−5.変形例〕
上述してきた第2の実施形態は、異なる態様により実施されてもよい。例えば、第2の実施形態において、算出装置200が、ユーザから買い取った商品の買い取り額に応じて権利を付与する例を示した。ここで、算出装置200は、商品の買い取り額に応じた口数の権利ではなく、ユーザから買い取った商品の数に応じた口数の権利を付与してもよい。以下、
図18を用いて、第2の実施形態の変形例について説明する。
【0126】
図18は、第2の実施形態の変形例に係るユーザ情報記憶部223の一例を示す図である。
図18に示すように、第2の実施形態の変形例に係るユーザ情報記憶部223は、ユーザ情報記憶部221に加えて、「権利発生可否」といった項目を有する。
【0127】
「権利発生可否」は、買い取り商品に対して、権利が発生するか否かという情報を示す。
図18の例では、権利発生可否の項目が「1」である場合には権利が発生し、権利発生可否の項目が「0」である場合には権利が発生しないことを示す。
【0128】
すなわち、
図18に示す一例では、ユーザU11から買い取った商品のうち、商品QQQ、商品RRR、商品SSS、商品UUUには権利が発生し、商品TTTには権利が発生しなかったことを示しており、ユーザU11には、権利として「4」の口数が与えられたことを示している。
【0129】
ここで、付与部232は、商品の価値が所定の閾値を超えるか否かを判定することにより、権利発生可否を判定する。例えば、付与部232は、商品の買い取り額に対して、所定の閾値を設定する。閾値は、管理者20によって設定されてもよいし、買い取り額の平均値等から導出されてもよい。すなわち、付与部232は、商品をユーザから買い取った際の買い取り額が所定の閾値を超えていれば、当該商品を売却したユーザに対して、権利を一口付与する。一方、付与部232は、買い取り額が所定の閾値を超えていなければ、権利を付与しない。
【0130】
そして、決定部234は、ユーザから購入した商品のうち、所定期間内に再販売が成立した商品の総売却額に基づいて、商品の数に応じて付与された個々の権利への対価を算出する。すなわち、決定部234は、ユーザに付与された権利一口に対する対価を算出する。
【0131】
このように、付与部232は、所定の閾値を超えた買い取り額で買い取られた商品の数に応じて、権利の口数を付与する。そして、決定部234は、複数のユーザから購入した商品のうち、所定期間内に再販売が成立した商品の総売却額に基づいて、商品の数に応じて付与された個々の権利への対価を算出する。
【0132】
これにより、算出装置200は、商品の買い取り額の詳細にかかわらず、権利付与の処理を行うことができるため、処理負荷を軽減することができる。なお、算出装置200は、買い取り額に関して閾値を設けることで、買い取る価値がほとんどないと想定される商品については権利を付与せず、ある程度の再販売が見込める商品にのみ権利を付与することで、ユーザに対価を与えすぎるリスクを抑えることができる。また、算出装置200は、ユーザが持ち込んだ商品の点数に応じて権利を付与することで、持ち込む商品数をより多くする動機付けをユーザに与えることができるので、買い取りサービスを促進させることができる。
【0133】
〔3.その他の実施形態〕
上述してきた算出装置100(第2の実施形態に係る算出装置200も同様)は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、算出装置100の他の実施形態について説明する。
【0134】
〔3−1.再販売〕
算出装置100は、ユーザから購入した商品の再販売に関連する情報について、オークションサーバ30以外から取得してもよい。すなわち、管理者20が商品を再販売する手段はオークションに限られず、管理者20は、実店舗での再販売や、ショッピングサイト等で再販売を行ってもよい。この場合、算出装置100は、ユーザから購入した商品の再販売に関連する情報について、管理者20からの入力や、ショッピングサイトを管理する所定のウェブサーバ等から取得する。
【0135】
〔3−2.対価〕
上記実施形態では、算出装置100は、権利への対価として、所定の相手先に対して現金として充当可能なポイント、すなわち、買い取り店舗や関連企業間で使用可能なサービスポイントの額を算出する例を示した。ここで、算出装置100は、対価として、現金や、金券としての額を算出してもよい。
【0136】
また、算出装置100は、権利への対価として、所定の経済活動に関する額を算出してもよい。例えば、算出装置100は、所定の経済活動として、外部の寄付に対応する額を算出する。すなわち、算出装置100は、現金やサービスポイントとしてユーザに対価を分配するのみならず、外部への寄付として対価を分配することができる。これにより、ユーザは、買い取りサービスで得た権利に基づいて、社会貢献に寄与することができる。なお、算出装置100は、外部への寄付が一定以上蓄積された場合に、外部への寄付に加えて、ユーザに対価を分配する等、柔軟に対価のやり取りを調整することが可能である。
【0137】
このように、算出装置100に係る決定部134は、権利への対価として、現金、金券、所定の相手先に対して現金として充当可能なポイント、もしくは、外部への寄付の少なくとも一つに対応する額を算出する。
【0138】
すなわち、算出装置100は、対価として、現金やポイント、あるいは寄付などの経済活動といった、種々の付加価値をユーザに提供することができる。
【0139】
また、算出装置100は、例えば、過去の商品の再販売に係るログに基づいて、対価を算出してもよい。例えば、算出装置100は、再販売の取引が成立する可能性の高い商品カテゴリに属する商品(カメラや、特定のブランド品など)については、他の商品に対応する権利よりも高い対価を算出するようにしてもよい。
【0140】
〔3−3.権利〕
算出装置100は、権利が有効となるタイミングについて、任意に設定可能である。例えば、算出装置100は、買い取り額に応じて権利が付与される場合や、買い取り点数に応じて権利が付与される場合であっても、対価を受け取ることのできる権利としての有効性は、商品の再販売が成立した時点で有効となるように設定してもよい。これにより、算出装置100は、再販売される可能性が極めて低い商品群などに対して、対価を受け取ることのできる権利としての権利の発行を抑えることができるので、買い取りサービスにおけるリスクを軽減することができる。
【0141】
〔4.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に対応する対価決定装置は、例えば
図19に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、対価決定装置の一例として、算出装置100を例に挙げて説明する。
図19は、算出装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0142】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0143】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(ネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が作成したデータを、通信網500を介して他の機器へ送信する。
【0144】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して作成したデータを出力装置へ出力する。
【0145】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0146】
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態に係る算出装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0147】
〔5.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0148】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図3に示した取得部133と、決定部134とは統合されてもよい。また、例えば、記憶部120に記憶される情報は、ネットワークNを介して、外部に備えられた記憶装置に記憶されてもよい。また、例えば、決定部134は、算出部と読み替えられてもよい。
【0149】
また、例えば、上記実施形態では、算出装置100が、ユーザから購入した商品に対応する権利を付与する付与処理と、商品の販売に関する情報を取得する取得処理と、権利への対価を決定する対価決定処理とを行う例を示した。しかし、算出装置100は、付与装置と、取得装置と、対価決定装置とに分離されてもよい。この場合、説明してきた算出装置100による処理は、付与装置と、取得装置と、対価決定装置との各装置を有する算出システム1によって実現される。
【0150】
また、上述してきた各実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0151】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0152】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。