(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記軸が少なくとも部分的に前記凹部を横切って延びており、前記ローターが静止しているときに前記輸送台が少なくとも部分的に該凹部内にある、請求項1〜9のいずれか一項に記載の遠心デバイス。
前記軸が少なくとも部分的に前記凹部を横切って延びており、前記ローターが静止しているときに前記輸送台が少なくとも部分的に該凹部内にある、請求項11〜19のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
例示的な態様において、装置は、3つの直交方向への動きをアームに与える平行移動デバイス、ならびに、ピペットチップを受け入れかつピペットチップ内に入るおよびピペットチップから出る流体の動きを促進するよう作動可能なシリンジポンプを含む。加えて、当該装置は、ピペットチップを受け入れるためのトレイ、管を受け入れるための入れ物、エマルジョンを形成させるための装置、ポリヌクレオチドの複製物を含む粒子を形成させるためのデバイス、粒子を濃縮するためのデバイス、およびセンサーアレイを含むチップ(chip)などのシークエンシングデバイス上にそのような粒子をロードするための装置を含み得る。装置はさらに、試薬溶液の容器を保持するための入れ物を含み得る。任意で、平行移動デバイスは、ピペット受け入れアームに加えて把持アームを含み得る。一例において、エマルジョン形成デバイスは、IKA Turraxデバイスなどの混合機を含むか、またはエマルジョンを形成させることができるピペット機能部を含む。別の例において、アレイへのローディングを促進するデバイスは、遠心機を含む。加えて、そのような遠心機は、エマルジョンを破壊し、他の溶液を分離するのに有用であり得る。
【0018】
例示的な方法において、装置は、1つまたは複数の標的ポリヌクレオチドを含むサンプル、粒子を含む溶液、および他の試薬を受け入れる。サンプルおよび粒子は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が起こることができる、水相を含むエマルジョンに組み込まれる。エマルジョンは、熱サイクル用デバイスに移されて、規定された一連の熱サイクルを受けることができる。エマルジョンは、化学的破壊、機械的破壊またはそれらの組合せを利用して破壊され得る。具体的には、エマルジョンは、遠心機およびエマルジョン破壊用溶液の組合せを使用して破壊され得る。任意で、その溶液は、標的ポリヌクレオチドの複製物を含まない粒子を除去するように濃縮され得る。その溶液は、例えば、遠心機を使用すること、および粒子をアレイ上にピペットで移すことで、センサーアレイ上にロードされ得る。
【0019】
図1は、外部ケーシング102および扉104を含む例示的な装置100を示す図を含む。ケーシング102の内部には、ピペットアームを有するxyzロボットなどの平行移動デバイス110、ポリヌクレオチド増大粒子を濃縮または増幅するための一組のトレイおよび装置106、ならびにセンサーのアレイを備えたチップ(chip)などのシークエンシングデバイスに増大された粒子をロードするのに有用な遠心機108などのデバイスがある。具体的には、平行移動デバイスは、ピペットアームを3つの直交方向に動かすことができる。任意で、アームは、把持部を含むこともできる。
【0020】
そのようなデバイスは、作業台の上に置くように寸法付けられることができる。装置はまた、平行移動デバイスおよびピペット操作システムを操作するのに有用な制御回路およびポンプを含み得る。装置はまた、タッチスクリーン・ユーザー・インターフェースを含み得る。さらなる例において、装置は、サンプルが、固有の識別番号を示すバーコードを有する特定のチップ(chip)と関連付けられることができるように、バーコード読取り機を含み得る。
【0021】
さらなる例において、装置は、ランの後に囲い102を衛生化するためのUV源を含み得る。別の例では、装置は、ヒュームスクラバーを含み得る。さらなる例では、平行移動デバイスは、第二ピペット操作システム、把持部または両方を含み得る第二アームを含み得る。扉104は、構成要素106および108を含むデッキ全体への容易なアクセスのために垂直方向にスライドする扉であり得る。別の例では、装置は、空気の流入のためのHEPAフィルターおよび装置から出る空気のための木炭ろ過などの空気ろ過システムを含み得る。装置は、囲い102内部の温度および湿度を制御するために環境制御装置を含み得る。1つまたは複数のブロックまたはトレイ106は温度制御され得、例えば、ポリメラーゼおよび他の酵素を冷やすか、またはPCRのために熱サイクルを提供し得る。
【0022】
図2は、一組のデバイス106を示す図を含む。一例では、装置は、ピペットチップラック202、試薬ボトルラック204、15mL試薬ボトルラック208などのより大容量の試薬ボトルラック、濃縮ステーション210、熱サイクル用デバイス212、廃棄容器ラック214、およびIKA Turraxデバイスなどのエマルジョン生成用ステーション216を含む。一例では、シリンジポンプを含むロボットアームは、チップラック(tip rack)202からピペットチップを選択し、ラック204および208上の1つまたは複数の位置から試薬を吸い取り、エマルジョン生成器216を使用してエマルジョンを形成させることができる。エマルジョンは、熱サイクル用デバイス212上に配置されたプレートに分配され得る。熱サイクル後、任意でエマルジョンを遠心機108上の容器内へピペットで移し、さらに任意で試薬ラック204および208上の1つまたは複数の位置から追加の試薬を供給することによって、エマルジョンを破壊し得る。ひとたびエマルジョンが破壊されたら、エマルジョンからサンプルを分離し、濃縮システム210内の管にアプライし得る。濃縮後、濃縮された粒子を、遠心機のトレイ上に配置されたセンサーアレイ基板などのシークエンシングデバイスにアプライし得る。
【0023】
例えば、
図3は、遠心機108を示す図を含む。遠心機108は、液体サンプルを受け入れるための管302を含む。具体的には、そのような管302は、溶液を分離し、エマルジョンを破壊するのに有用である。加えて、そのような遠心機108は、センサーのアレイを含むチップ(chip)または基板を受け入れるためにトレイ304を含む。
【0024】
代替例では、
図4に図示されているデッキ400は、遠心機402、使用済みピペットチップを受け入れるための入れ物404、ピペットチップおよび管を保持するためのカートリッジ408、管(特に試薬を保存する管)を受け入れるためのさらなるトレイ410、および熱サイクル用プレート412を含む。使用済みピペットチップを受け入れるための入れ物404は、小穴406を含み得る。使用済みピペットに取り付けられたアームは、ピペットチップを小穴406のより大きい開口部内に挿入し、小穴406のより小さい側の下にピペットチップをスライドして上方に移動し、それにより使用済みチップ(tip)を取り外すことができる。具体的には、小穴406のより大きい開口部は、ピペットチップのより大きい端部よりも幅が広く、小穴406のより小さい開口部は、ピペットチップのより大きい端部よりも小さい。取り外されたピペットチップは、
図15に図示されている入れ物などの入れ物内に落ちることができる。
【0025】
図5に図示されているように、遠心機402は、種々の寸法の管を収容し得るインサートを受け入れるためのバケット502を含み、センサーアレイを含む基板またはチップ(chip)などのシークエンシングデバイスを受け入れるためのトレイ504を含む。例えば、
図6に図示されているように、トレイ504は、チップ(chip)602を受け入れることができ、そのチップ(chip)上にはセンサーのアレイが配置される。任意で、アダプター604が、チップ(chip)を覆うように置かれ得る。そのようなアダプター604は、チップ(chip)をトレイ504に固定するのに有用であり得る。別の例では、アダプター604は、ローディングプロセスの間に使用され得る。特定の例では、アダプター604は、平行移動デバイスのピペット操作アームによるあまり高くない精度を考慮に入れて、流体をチップ(chip)602の入口ポートへ導くために漏斗構造を含み得る。
【0026】
図7に図示されている別の例では、インサート702は、遠心機バケット502内に嵌り込むように構成されており、異なるサイズの管を受け入れるための種々のサイズを有する入れ物704または706を含み得る。インサート702は、プロセスの開始前に、遠心機バケット502内に置かれ得る。あるいは、1つまたは複数のインサート702は、システムのトレイおよびデバイス404、408、410または412により近接して配置され得、そのようなインサート702は、インサート702内に管が挿入された後で把持され、遠心機402内に置かれ得る。
【0027】
図8は、例示的なシステムデッキを示すさらなる図を含む。システムデッキは、小穴406を含むピペット除去ステーション、ピペットおよび管受け入れステーション408、試薬受け入れステーション410、およびサーマルサイクラー412を含む。受け入れステーション408は、ピペットチップを受け入れるための開口部814を含み得、管816のトレイを受け入れることができる。試薬受け入れステーション410は、種々の容器サイズの種々の試薬を受け入れることができる。図示されているように、サーマルサイクラー412は、96個のPCR管、96ウェルプレート、または両方を受け入れるように構成され得る。
【0028】
図9に図示されている特定の例において、試薬管保持器410は、5mL管などの、より大きい試薬の管を受け入れるためにより大きい開口部902を含み得る。試薬管保持器410はまた、1.5mL〜2mLの範囲内の容量を有する管など、より小さい管を受け入れるための開口部904を含み得る。
図9に例示されている開口部は、円形として図示されている。別の例では、そのような開口部は、正方形であることができ、または開口部の組合せが含まれることもできる。例えば、
図10は、例示的な試薬保持器1002を示す図である。試薬保持器1002は、より大きい開口部1004およびより小さい開口部1006を含み得る。加えて、ピペットチップを受け入れるための開口部1008が、試薬管保持器1002内に形成されている。
【0029】
特定の例において、標的ポリヌクレオチドの複数の複製物を有する増幅された粒子を濃縮して、ポリヌクレオチドを欠く粒子を溶液から除去し得る。一例では、そのような粒子は、磁性粒子と結合され得、該磁性粒子をウェル内に固定プロセスを使用して取り出すことができ、一方、標的ポリヌクレオチドを含まない粒子は溶液から洗い流される。一例では、そのような方法は、隣接したウェル内の磁石を利用して磁性粒子を固定する。特定の例では、上記システムは、磁石を利用するように適合され得る。例えば、
図11は、磁石1104が試薬管保持器1002の開口部の1つの内部に嵌るように構成されていることを示す図を含む。一例では、磁石1104は、より大きい開口部1004の1つの内部に嵌るように構成されている。濃縮技術は、隣接したより小さい開口部内で実施され得る。
【0030】
図12に図示されているように、磁石1104は、永久磁性物質1206および永久磁性材料上に配置されたキャップ1208を含み得る。キャップ1208は、把持部が磁石を試薬管保持器1002へおよび試薬管保持器1002から移すことができるように周縁部1210を含み得る。
【0031】
あるいは、可動磁石の代わりに固定磁石またはソレノイド磁石が使用され得る。例えば、管保持器の下方にソレノイド磁石が置かれ得、濃縮プロセスの間、磁性粒子を固定および解放するように起動および停止させることができる。
【0032】
加えて、システムはサーマルサイクラーを含む。
図13は、電源およびコントローラーインターフェースを含み、かつ正および負の両方の熱負荷を含む、例示的な熱サイクル用ユニット1302を示す図である。例えば、正の熱負荷は、サンプルを加熱するための抵抗加熱器を含む。例示的な負の負荷は例えば、送風機1304と、熱サイクルの間に抵抗加熱器を冷却するための給気口または冷却フィン1306とを含み得る。
【0033】
ピペットチップを受け入れるための開口部1402およびPCR管などの管のトレイを受け入れるための開口部1404を含む例示的な管およびピペット保持器408が、
図14に例示されている。任意で、保持器408はまた、酵素などの特定の試薬のために低温を維持するために冷蔵構成要素などの温度制御装置を含み得る。
【0034】
図15に例示されている追加例では、入れ物404は、使用済みピペットチップを受け入れ、使用済みピペットチップの処分を容易にするための、入れ物1502などの取り外し可能な入れ物を含み得る。
【0035】
例示的な方法において、一組の標的ポリヌクレオチドを含むサンプル溶液が提供される。加えて、試薬溶液は、粒子の分散液を含む溶液、および、水溶液とは非混和性の溶液を含み得る。例示的な非混和性溶液は油を含む。加えて、この系は、酵素、ヌクレオチドおよび種々の化学物質を含む試薬溶液、ならびにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはリコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)に有用な補助因子を含み得る。あるいは、そのような酵素および他の成分は、粒子を含む溶液に組み入れられ得る。
【0036】
粒子溶液、サンプル溶液、任意の成分溶液および非混和性溶液は、エマルジョン生成用デバイスに提供され得る。一例では、エマルジョン生成用デバイスは、IKA Turraxなどの機械的エマルジョン生成用デバイスである。別の例では、エマルジョン生成用デバイスは、膜および一組のチャネルガスケットを含み、チャネルガスケットのチャネルを通して混合物を流し、膜を介して往復させることによってエマルジョンを生成する。別の例では、エマルジョンは、水性エマルジョン液滴を非混和性連続相内に生成するために、ピペットチップを通して非混和性溶液を往復させて振動させるピペット操作システムによって生成され得る。
【0037】
エマルジョンを生成するためにピペット操作を使用する場合、粒子、標的ポリヌクレオチドおよび他のPCR成分を含む水溶液は、油などの水性不混和流体などの非混和性相と共に、管内に置かれる。溶液がピペット内に吸い取られることとピペットの外に出されることとが迅速に連続して行われ、水相が連続油相内に不連続領域を形成するエマルジョンが生成される。例えば、溶液は、10Hz〜10,000Hzの速度、例えば、100Hz〜6000Hzの速度、500Hz〜4000Hzの速度、またはさらに500Hz〜2500Hzの速度で循環させられ得る。溶液は、ピペットチップを通して3〜1000サイクル、例えば、5〜750サイクル、5〜600サイクル、5〜400サイクル、5〜200サイクル、5〜100サイクル、またはさらに5〜50サイクルで循環させられ得る。ピペットチップは、20ゲージ〜26ゲージの開口部、例えば、20ゲージ〜24ゲージの開口部、またはさらには20ゲージ〜22ゲージの開口部を有し得る。得られるエマルジョンは、5μm〜15μmの主要ピーク、例えば5μm〜12μmまたはさらには5μm〜10μmの主要ピークを有する水相液滴を含み得る。主要ピークは、多モード分布内にある最高ピークである。
【0038】
一例では、エマルジョンは、熱サイクル用デバイス上の管またはウェルの間で分配され得る。エマルジョンの温度は、PCRを促進するために循環させられてもよいし、またはRPAのために一定温度に保持されてもよい。結果として、エマルジョン液滴内の粒子は、標的ポリヌクレオチドの複製物と結合され得る。
【0039】
エマルジョンは、エマルジョン破壊用試薬をエマルジョンにアプライすることによって破壊され得る。エマルジョンはさらに、遠心装置を使用して破壊され得る。一例では、エマルジョン破壊用溶液は、水溶液中の界面活性剤を含む。別の例では、エマルジョン破壊用溶液は、相分離を促進するよう作動可能なポリマー種を含み得る。そのような相分離はさらに、遠心によって容易となり得る。ひとたびエマルジョンが破壊されたら、油相が水相から分離され得る。水相は、標的ポリヌクレオチドの複数の複製物を含む、増幅された粒子を含む。
【0040】
任意で、粒子溶液はさらに、濃縮されて、標的ポリヌクレオチドの複製物を含まない粒子を除去し得る。一例では、ポリヌクレオチドの複製物を含む粒子は、磁性粒子と結合し得る。磁性粒子に結合した粒子を含む溶液は、磁石に隣接する位置に動かされ得る。磁性粒子に結合したそれらの粒子は、磁石に隣接する管内で固定され得、一方で、磁性粒子に固定されない他の粒子は、洗浄用試薬溶液を使用して管から洗い流されるか、又は洗浄され得る。洗浄後、磁石が動かされ得るか、または隣接した磁石から管が動かされ得、それにより磁性粒子が解放される。磁性粒子に結合した粒子は、化学的方法を使用して磁性粒子との接触から引き離され得る。標的ポリヌクレオチドの複製物を有する粒子とは結合していない磁性粒子は、磁石が用いて固定され得る。標的ポリヌクレオチドの複製物を有する粒子を含む溶液を取り出して、センサーのアレイを含むチップ(chip)などのシークエンシングデバイス上にロードし得る。
【0041】
一例では、標的ポリヌクレオチドの複製物に結合した粒子を含む溶液は、アレイ上にアプライされ得る。溶液は、単一アリコートでアプライされてもよいし、または部分的アリコートでアプライされてもよく、その後、遠心されてもよい。一例では、アレイは、遠心機上のトレイ内に置かれる基板から形成され得る。標的ポリヌクレオチドの複製物を有する粒子を含む溶液のアリコートがそれぞれアプライされた後に、アレイ上への粒子の堆積を促進するために基板が遠心機にかけられ得る。結果として、ロードされたセンサーアレイが、ヒト接触の介入なしに、一組の標的ポリヌクレオチドを含むサンプルから提供される。
【0042】
別の態様において、
図16、
図17および
図18は、サンプル調製およびシークエンシングデバイス搭載のための例示的なシステムを図示している。
図40は、代替構造を図示している。システム1600は、シリンジポンプ1604を3つの直交軸の範囲にわたって動かすよう作動可能なxyzロボット1602などの平行移動デバイスを含む。システム1600はさらに、シリンジポンプ1604が使用可能なピペットチップを保存するためのチップラック1606を含む。システム1600はまた、空の管を保存してもよいし、または試薬ストリップ1608などの試薬管のストリップを保存してもよい、管ラック1616を含み得る。さらなる例では、システム1600は、酵素などの温度感受性試薬を保存するために冷却型ブロック1610を含み得る。システム1600はさらに、サーマルサイクラー1612、1つまたは複数のエマルジョン破壊用遠心機1614、およびモーター1630を備えたビーズローディング用遠心機1618を含み得る。システム1600はさらに、光学センサー1722またはチップ除去デバイス(tip removal device)1720を含み得る。
【0043】
作動中、平行移動デバイス1602は、チップ(tip)をチップラック1606から取り出し、システム1600の種々の機能を実施するためにシリンジポンプ1604の位置を操作する。例えば、シリンジポンプ1604は、試薬ラック1616の試薬と共に利用されて、酵素と、不連続水相が非混和性連続相によって包囲されたサンプルとを含むエマルジョンを形成させることができる。例えば、サンプルおよび酵素の溶液は、冷却型試薬ブロック1610内に保存され得る。エマルジョンは、試薬ラック1616内の管の内部で形成され得る。具体的には、エマルジョンは、素早いピペット操作によって生成され得る。別の例では、エマルジョンは、制限部を介したピペット操作によって生成され得る。
【0044】
エマルジョンの形成に続いて、エマルジョンは、平行移動デバイス1602およびシリンジポンプ1604を使用して、サーマルサイクラー1612上のサーマルサイクラープレートへ移され得る。サーマルサイクラープレート1612は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはリコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)を実施するように利用され得る。PCR反応が完了すると、エマルジョンは、サーマルサイクラー1612からエマルジョン破壊用遠心機1614の1つに移され得る。エマルジョンは、界面活性剤溶液を有する管を含むエマルジョン破壊用遠心機1614内へ注入され得る。遠心機が回転するにつれ、エマルジョンが遠心機内に注入される。エマルジョンが遠心機1614の管の内部で界面活性剤溶液と接触すると、水相構成成分が溶液中へ追いやられ、その一方で、油相構成成分が管から除去される。
【0045】
PCRまたはRPAプロセスは、多数の標的ポリヌクレオチドを含む、増幅されたビーズを生成し得る。そのような増幅されたビーズは、洗浄され、濃縮システムを使用して他の水溶液構成成分から分離され得る。具体的には、試薬ラック1616は、増幅されたビーズに結合する磁性粒子を使用して濃縮を可能にするための磁石システムを用いて改変され得る。
【0046】
濃縮に続いて、ビーズが、ローディング遠心機1618を使用して、シークエンシングデバイス(例えば、シークエンシング副生物を検出するように構成されたチップ(chip))上に移されてロードされ得る。例えば、増幅されたビーズを含む溶液のアリコートは、ローディング遠心機1618内のラック上に配置されたシークエンシングデバイス上のポート内に注入され得る。遠心機1618は、ローディングを促進するために回転され得る。プロセスは、ローディング密度を改善するために1回または複数回繰り返され得る。結果として、ヒトによる最小限の干渉で、サンプルからの増幅された標的ヌクレオチドを組み込んだ、増幅された粒子がロードされたシークエンシングデバイスが提供される。
【0047】
プロセスの間中、シリンジポンプ1614は、ピペットチップラック1606から得られる種々のピペットチップを利用し得る。さらに、磁石の動き、エマルジョン破壊用遠心機1614内の管の搭載、または他の機能を助けるチップ(tip)が提供され得る。シリンジポンプ1604からのチップ(tip)の除去を助けるために、チップ除去デバイス1720が提供され得る。チップ(tip)は、チップ除去デバイス1720のより大きい直径の開口部内に挿入され、より小さい直径の開口部の下にスライドされ得る。平行移動デバイス1602によってシリンジポンプが垂直方向に動かされると、シリンジポンプ1604からチップ(tip)が取り外され得る。あるいは、自動または内蔵のチップ除去デバイスを有するシリンジポンプ1604が選択され得る。
【0048】
さらに、システム1600は、ピペットチップの獲得および除去の繰り返し、ならびに種々の機能を実施するために信頼できるピペットチップ配置に応じて、自動的に作動する。システム1600は、光学センサー1722を含み得る。光学センサー1722は、ピペットチップがシリンジポンプ1604に固定されたかどうか、またはピペットチップがシリンジポンプ1604から成功裏に除去されたかどうかを決定するのを助けることができる。別の例では、光学センサー1722は、平行移動デバイス1602によるシリンジポンプ1604の動きを較正するために利用され得る。
【0049】
エマルジョン破壊用遠心機1614はさらに、ひとたびエマルジョンが破壊されたら油相を収集するための真空システムを利用し得る。
図18に図示されているように、システム1600はさらに、真空収集システム1824を含み得る。
【0050】
図19は、冷却型試薬ラック1610などの例示的な冷却型試薬ラック1900を図示している。試薬ラック1900は、冷却型本体1902を含み得、その冷却型本体1902内には、穴1904が、試薬の管を受け入れるために提供されている。加えて、システムは、異なる直径の管を受け入れるための1つまたは複数の穴1906を含み得る。冷却型ブロック1902は、氷冷流体などの流体を使用して冷却され得る。別の例では、冷却型ブロック1902は、ペルチェ冷却器を使用して冷却され得る。具体的には、冷却型試薬ラック1900は、シークエンシングポリメラーゼ、試薬、サンプル、エマルジョンまたはそれらの組合せを保存するために使用され得る。
【0051】
図20に図示されているように、例示的なサーマルサイクラー2000は、熱プレート2002およびヒートシンク2004を含む。特定の例では、熱プレート2002は、熱サイクルアルゴリズムを使用して温度を循環させる種々の制御電子機器によって作動される、電動熱冷却装置を利用し得る。熱サイクルプレート2006は、熱サイクルプレート2006の温度を循環させ、廃熱をヒートシンク2004に放散させる熱プレート2002を、上方に適用され得る。任意で、サーマルサイクラー2000は、熱サイクルプレート2006の上方の所定の位置に動かされる機械化された蓋を含み得る。機械化された蓋は、熱プレート2002に対して熱サイクルプレート2006を保持するために利用されて、熱サイクルプレート2006と熱プレート2002の間の熱接触を改善し得る。別の例では、機械化された蓋は、PCRまたはRPAの間にサンプルを単離するために利用され得る。
【0052】
ひとたびPCRまたはRPAが熱サイクルシステムを利用して実施されると、エマルジョンは、エマルジョン破壊用遠心機を使用して破壊され得る。
図21〜33は、例示的なエマルジョン破壊用遠心機を示す図を含む。例示的な遠心機2100は、モーター2104に連結されたローター2102を含む。ローター2102は、ローター2102の回転に基づいて位置を変える管2106および2108を保持するように構成されている。具体的には、ローター2102は、動いているときは2106によって図示されているような位置に管を振り動かし、ローター2102が静止しているとき、管が2108によって図示されているような位置に鉛直に垂れ下がることを可能とする。ローター2102が回転しており、かつ管が2106によって図示されているような位置にあるとき、エマルジョンは、ピペット2116を使用するなどして、システムに適用され得る。エマルジョンは、界面活性剤溶液を含む管内に落ち、エマルジョンを破壊し、管の長さ方向に水性構成成分を追いやる。油相構成成分は、管から放出され、唇状部2110によって捕捉され得る。放出された油は、管2112を介してアクセス可能な真空システムによって捕捉され得る。
【0053】
任意で、遠心機2100は蓋2114を含み得る。蓋2114は、自動化されて、所定位置に下がり得るか、または永久的に配置された蓋2114であり得る。蓋2114は、ピペットチップがローター2102にアクセスするのを可能にするための中心アクセス2118を含む。
【0054】
一例では、ピペットチップ2116は、
図23に図示されているようなスリンガー2318へエマルジョンを提供し得る。スリンガー2318は、エマルジョンを管の一方または両方に分配する。
図24に図示されているように、スリンガーはアーム2420を含む。ローター2102が動いていないとき、管2108は、鉛直位置にぶら下がっており、スリンガー2318のアーム2420を通り過ぎてアクセスされ得る。しかしながら、
図25に図示されているように、管が回転中に振り上がると、アーム2420は管内に延び、それによって、シリンダー2318内にアプライされるいかなる流体も、角度のついた管2106内に流れることができる。具体的には、アーム2420は、
図26に図示されているように、流出ポート2622を含み得る。エマルジョンがスリンガー2318にアプライされると、エマルジョンは、ローター2102の回転中、流出ポート2622を通ってスリンガー2318から出て、角度のついた位置にある管内に入る。
【0055】
特定の例では、蓋2114は、作動の間中ずっとシステムに固定される永久的に適用された蓋である。
図26、
図28、
図29、
図30、
図31、
図32および
図33において図示されているように、管は、適合されたピペットチップを使用して、遠心機2100およびローター2102に挿入され得かつそれらから取り出され得る。例えば、適合されたピペットチップ2730は、ローター2102内への挿入のために管2728を固定し得る。蓋2114は開口部2724を含み得、該開口部は、該開口部がローター2102と位置が合ったときに管を挿入するためのものである。一例では、ローター2102内の開口部2726は、蓋2114内の開口部2724を通して管2728を受け入れることができる。開口部2724は、管を受け入れるためのより大きい部分を含み、かつ、管2728を捕捉するための制限部分2732であって、その一方で、適合されたピペットチップ2730が除去されて管2728がローター2102の開口部2726内に残ることを可能にする制限部分を含む。
【0056】
図30に図示されているように、蓋2114内の開口部2724のより大きい部分を通じて開口部2726がアクセス可能なようにローター2102が位置付けられると、管2728が開口部2726を通して適用される。ローター2102およびそれに関する開口部2726は、蓋2114内の開口部2724の制限部分2732に隣接した位置に動かされ得る。
図32および
図33にさらに図示されているように、ピペットチップ2730が引き抜かれ、管2728をローター2102内に残すことができる。
図33は、管を固定するための例示的な適合されたピペットチップ3334をさらに図示している。図示されているように、適合されたピペットチップ3334は、管をシステムから取り出すか、または管をシステム内へ適用するために、管の円錐部分の内部に押し込まれることができる球状部分を含む。あるいは、遠心機2110へのおよび遠心機2110からの運搬中に管を固定するための他の設計が利用され得る。
【0057】
遠心機システムはさらに、エマルジョン破壊に続いて、油などの非混和性相を受け入れるための真空システムに取り付けられる。
図34および
図35に図示されているように、真空システムは、管3406を用いて遠心機3402に連結され得る。管3406は、遠心機3402の上唇状部から油を流し出す部分を含み得る。加えて、管は、ローターを取り囲む椀状部から油を流し出す部分を含み得る。管3406内に受け入れられた油は、入れ物3408内へ流れる。真空チャンバー3410は、入れ物3408の上方に配置される。具体的には、アダプター3514が、管3406を介して油を受け入れ、油を受容器3408内へ堆積させ、アダプター3514を通してチャンバー3410内へ真空吸引する。チャンバーは、管を真空ポンプに受け入れるためのポート3512を含む。
【0058】
システムは、エマルジョンの生成または濃縮などのプロセスにおいて使用される管を保持するための試薬保存用ラックをさらに含み得る。例えば、
図36に図示されているように、ラック3602は、管ストリップ3606を受け入れるように構成された開口部3604を含む。一例では、管ストリップ3606は試薬を保存し得る。別の例では、管ストリップ3606は、洗浄または濃縮などの種々の機能を実施するために空の管を含み得る。
【0059】
濃縮システムで使用されるとき、試薬管保持器3602は、磁性粒子を利用する濃縮プロセスの一部として有用な磁気システムをさらに含み得る。例えば、磁気システムは、レールシステム3612に固定され、ねじデバイス3610を介してレールシステム3612に沿って往復式に可動である、可動磁性プレート3608を含み得る。ねじデバイス3610が図示されているが、空気式デバイス、バネ対応デバイスまたは他の機構などの他のシステムが、磁性プレート3608を試薬保持器3602へと動かし、試薬保持器3602から離すように動かすために利用され得る。磁性プレートは管の側面に磁石を適用するように示されているが、代わりに管の底部に磁石が適用され得る。
【0060】
任意で、試薬管保持器3602は、加熱器を含むような熱制御型試薬管保持器であり得る。特に、加熱型試薬管保持器は、溶融および他の機能を助けることができる。
【0061】
システムはまた、ローディング遠心機を含み得る。例えば、
図37および
図38に図示されているように、バケット3704は、シークエンシングチップ(chip)などのシークエンシングデバイス3706を保持するように構成され得、ビーズローディング遠心機のローター3702に固定される。
図38に図示されているように、チップ(chip)3810の開口部の方向付けは、バケット3808の配置を変えることによって操作され得る。あるいは、バケットは、幾つかの異なるチップ(chip)配置を保持するように構成され得る。ローター上の特徴部は、バケットおよびシークエンシングデバイスが内側に振れることを防ぐことができる。あるいは、ローター上の特徴部は、バケットの外側への振れが、鉛直から鉛直未満まで角度を変化させることを可能にし得る。
【0062】
任意で、システムはさらに、試薬カートリッジを利用することによって簡略化され得る。試薬カートリッジは試薬保持器内に嵌るように構成され得る。一例では、カートリッジは、エマルジョンを形成させるために提供され得るか、または洗浄溶液を含み得る。別の例では、カートリッジは、濃縮機能を実施するように構成され得る。さらに、エマルジョン破壊用遠心機にアプライするための界面活性剤溶液を保存するカートリッジが含まれ得る。任意で、そのようなカートリッジは、予め充填され、ホイル密封され得、したがってそのようなカートリッジは、使用者とのさらなる干渉がほとんどなく、デバイス内に投入し得る。特定の例では、
図39に図示されているカートリッジはストリップ3902を含み、そのストリップ3902内に管3904が形成されている。ストリップは、ストリップ延長部3908によって一組の管3904から分離されたさらなる管3906を含み得る。
【0063】
実際には、ワークフローは、マスター混合物を調製することを含み得る。例えば、水、増幅混合物、酵素、ライブラリーおよび結合粒子が、管に移されて混合される。そのような試薬は、
図17に図示されているように、試薬ラック1616上または冷却型試薬ラック1610上のいずれかに保存され得る。
【0064】
エマルジョンが形成され得る。例えば、油などの非混和性液体が乳化管に移され得る。マスター混合物も乳化管に移され得、混合物を繰り返し吸引および堆積することによってエマルジョンが形成され得る。ひとたび形成されたら、エマルジョンは、サーマルサイクラー1612上に配置されるPCRプレートに移され得る。任意で、乳化およびプレーティングは、2回以上実施され得る。
【0065】
プロセスはさらに、結合粒子上にサンプルライブラリーを増幅するための増幅を含み得る。例えば、エマルジョンが配置されるPCRプレートの各ウェル上に油がアプライされ得る。任意で、物理的な蓋がPCRプレート上に適用され得る。サーマルサイクラー1612は、PCRを実施するために熱サイクルを行うことができる。PCR後、各ウェルの上部から油が吸引され得る。
【0066】
プロセスはさらに、エマルジョンを破壊する工程、および洗浄する工程を含み得る。例えば、システムは、界面活性剤溶液などの回収溶液でローター管を充填し得る。ローター管は、エマルジョン破壊用遠心機の内部に収容される。遠心機が、回転させられ得、追加の回収溶液が、ローターの上部においてスリンガーにアプライされ得る。ひとたび遠心機が所望の回転速度に達したら、回収溶液をスリンガーにアプライすることによって、管が回収溶液で満たされ得る。
【0067】
増幅されたエマルジョンは、PCRプレートのウェルから吸い取られてスリンガー内に分注され得る。エマルジョンがPCRプレートのウェルの各々から取り出され、遠心機にアプライされると、増幅された粒子は、ローター管の底部でペレットを形成し得る。追加の回収溶液がスリンガーにアプライされ得る。加えて、洗浄溶液がスリンガーにアプライされ得る。遠心機は停止され得る。任意で、回収溶液の幾らかが除去され得、ビーズが再懸濁され得る。ひとたび増幅された粒子が再懸濁されたら、粒子は、遠心機から除去され得る。
【0068】
さらに、増幅された粒子は濃縮され得る。例えば、管に磁石を磁性ビーズに接近して適用し、管の壁に磁性ビーズを固定することによって、磁性ビーズが洗浄され得る。エマルジョン破壊用遠心機から導かれた増幅された粒子は、磁性ビーズに適用され得る。磁石はシステムから離れるように動かされ得、増幅された粒子が磁性ビーズと混合されて、増幅された粒子が磁性ビーズ上に捕捉され得る。磁性ビーズに取り付けられた増幅された粒子は、磁石を使用して捕捉され得、溶液は洗浄溶液で洗浄され得る。磁石が除去され得、管に洗浄溶液が補充される。プロセスは、増幅されなかった粒子を洗浄し、システムから他の混入物を除去するために、数回繰り返され得る。増幅された粒子から磁性粒子を分離するために、変性剤が加えられ得る。磁性粒子は磁石を用いて捕捉され得、増幅された粒子は異なる管へ移され得る。
【0069】
任意で、増幅された粒子はさらに、粒子をエマルジョン破壊用遠心管内にアプライし、増幅された粒子を回転させ、洗浄溶液を注意深く除去することによって、洗浄され得る。濃縮された増幅された粒子は、再懸濁され得る。
【0070】
シークエンシングのための調製において、粒子にプライマーが加えられ得る。粒子はヒートブロックに移され得、増幅された粒子上で標的ポリヌクレオチドとプライマーがハイブリダイズし得る。ポリメラーゼも加えられ得る。
【0071】
ローディング遠心機1616上に配置されるシークエンシングデバイスは、湿潤剤で洗い流され得る。余分な湿潤剤は、シークエンシングデバイスから収集され得る。シークエンシングデバイスはさらに、アニーリング緩衝液で洗い流され得、過剰なアニーリング緩衝液は収集されて廃棄され得る。シークエンシングのために調製される増幅された粒子のアリコートは、アリコートを移すこと、過剰アリコートを除去すること、および遠心することの種々の組合せを使用して、シークエンシングデバイスに移され得る。
【0072】
一態様において、システムは、ピペットチップに連結するためのシリンジポンプ、ピペットチップを動かすための平行移動デバイス、濃縮デバイス、および遠心デバイスを含む。濃縮デバイスは、混合管および混合管に対して可動である磁気デバイスを含む。遠心デバイスは、ローターと、シークエンシングデバイスを固定するためのバケットとを含む。平行移動デバイスは、ピペットチップを混合管の近位かつシークエンシングデバイスの近位に位置付けることができる。
【0073】
別の態様において、装置は、モーターと、ローターと、ローターに取り付けられかつシークエンシングデバイスを受け入れるように構成されたバケットとを含む。一例では、
図41、
図42および
図43は、ビーズをシークエンシングデバイス上にロードするために遠心機モーターに取り付けられた例示的なローター4100を図示している。ローター4100は、ローター4100の回転平面と平行な水平位置から、ローター4100の回転平面に対してほぼ垂直な位置まで、またはさらに、上下逆さまの位置およびローター4100の回転平面に対して平行に近い位置まで動かされ得る、少なくとも2つのバケット4102を含む。
【0074】
図示されている例において、上プレート4104が下プレート4106に対して動かされるとき、レバーアーム4112がバケット4102の位置を操作する。例えば、上プレート4104は、外側に取り付けられたアクチュエーター4108によって動かされ得る。アクチュエーターは、線形アクチュエーター、ねじアクチュエーターまたはそれらの任意の組合せであり得る。具体的には、下アーム4110は、下プレート4106に枢動可能に連結されており、下アーム4110が下プレート4106に連結されている端部とは反対側の端部で、レバーアーム4112または上アーム4114に枢動可能に連結されている。上アーム4114は、上アームの下アーム4110への取り付け部とは反対側の場所で、上プレート4104に枢動可能に連結されている。レバーアーム4112は、バケット4102に連結されている端部とは反対側の端部で、上プレート4104に枢動可能に連結されている。下アーム4110は、上プレート4104での連結部とバケット4102での連結部との間の位置でレバーアーム4112に連結され得る。
【0075】
上プレート4104が下プレート4106から離れるように動かされるとき、下アーム4110はローター4100の回転軸に向かって内側に引き込まれる。結果として、レバーアーム4112はより垂直な位置に動かされ、バケット4102は水平位置に動かされる。上プレート4104が下プレート4106に向かって動かされるとき、下アーム4110はローター4100の回転軸から離れるよう外側に誘導され、それによりレバーアーム4112をより水平な位置に動かし、バケット4102を水平から離れるような角度付けた位置に上げる。
図41、
図42および
図43の図示されている例は、2つのバケットシステムを示すが、システムは、4つのバケット、6つのバケット、またはそれより多くのバケットを含むように適合され得る。
【0076】
使用の際、フローセルを有するシークエンシングチップ(chip)などのシークエンシングデバイスが、ローターバケット4102の中に置かれ得る。増幅されたビーズを含む溶液のアリコートが、シークエンシングデバイスのフローセル内に置かれ得る。ローター4100が回転させられ、上プレート4104は、バケット4102、したがってシークエンシングデバイスを、水平またはシークエンシングデバイスのウェル内でビーズをロードするのを促進するような別の位置に位置付けるように操作され得る。一例では、バケット4102は、ほぼ水平位置を取ることができるか、またはプロセスの一部として90°未満または90°を超える位置の間で往復するように動かされて、ビーズを含む溶液をシークエンシングデバイスの表面を横切って往復するように動かすことができる。
【0077】
代替例において、チップ(chip)バケットおよびチップ(chip)が遠心中に保持される角度は、重みが加えられたバケットおよび方向に基づく停止装置を使用することによって操作され得る。例えば、
図44、
図45および
図46は、軸4408によってバケットまたは輸送台4404に接続されたロータープレート4402を含む例示的なローター4400を図示している。軸4408は、ロータープレート4402内の凹部を横切って延びてもよいし、または凹部を部分的に横切って延びてもよい。さらなる例では、軸4408が、ロータープレート4402から凹部内へ延びる2つの円柱形延長部によって形成される。バケットまたは輸送台4404は、軸4408にスライド可能に取り付けられ、ローター4402の動きの方向に依存して、軸4408に沿ってスライドし得る。加えて、輸送台またはバケット4404は、軸4408の周りを回転し得る。具体的には、バケットまたは輸送台4404は、ロータープレート4402が使用されているとき、バケットまたは輸送台4404が、ロータープレート4402の回転平面に垂直である位置に向かって軸4408の周りを回転するように、重みが加えられている。
【0078】
バケットまたは輸送台4404は、シークエンシングデバイスなどの電子デバイス4416を受容するように構成され得る。電子デバイス4416は任意で、クリップ4406によって輸送台またはバケット4404内に固定され得る。輸送台またはバケット4404はさらに、位置タブまたは停止装置4410および4412を含み得る。位置タブ4410および4412は、ロータープレート4402の回転の方向に応じて、軸4408の周りの回転の量を制限するように働く。例えば、
図45に図示されているように、ロータープレート4402が、時計回りに回転すると、バケットまたは輸送台4404は、反時計回り方向に、軸4408に沿ってスライドする。タブ4410は、ロータープレート4402に係合して、バケットまたは輸送台4404の位置を定め、回転平面に対して軸4408の周りのその回転を制限し得る。位置タブ4412は、バケットまたは輸送台4404が軸4408に沿って反時計回り方向にスライドするとき、位置タブ4412がロータープレート4402に係合しないように、構成されている。
【0079】
図46に図示されている別の例において、ローター4402は、反時計回り方向に回転する。輸送台またはバケット4404は、軸4408に沿って時計回り方向にスライドする。位置タブ4412は、ロータープレート4402に係合し、軸4408の周りのバケットまたは輸送台4404の回転の量を制限する。位置タブ4410は、自由に回転し、ロータープレート4402に係合しない。こうして、遠心中にチップ(chip)または電子デバイスがバケット内に位置する角度は、位置タブ4410および4412の位置ならびにロータープレート4402の方向回転によって定められる。
【0080】
一例では、輸送台4404は、ローターが第一方向に回転する場合には第一角度に、ローターが第二方向に回転する場合には第二角度に回転する。第一角度は、ローターが回転する平面に対して70°〜110°の範囲内にあることができる。例えば、第一角度は、平面に対して80°〜95°の範囲内にある。さらなる例では、第二角度は、平面に対して20°〜65°の範囲内にある。例えば、第二角度は、平面に対して35°〜50°の範囲内にある。
【0081】
図47は、例示的な輸送台またはバケット4702を示す図を含む。輸送台またはバケット4702は、4710で軸に係合し得る。加えて、バケットまたは輸送台4702は、シークエンシングデバイスなどの電子デバイス4704を受け入れるように構成され得る。電子デバイス4704は、流体ポート4712または4714を含み得る。クリップ4706は、電子デバイス4704を輸送台4702に固定するために、電子デバイス4704に係合し得る。具体的には、クリップ4706は、電子デバイス4704の流体ポート4712または4714に係合するための部分を含み得る。バケットまたは輸送台4702は、遠心機の回転平面に対するバケットまたは輸送台4702の回転を回転方向に基づいて制限する、タブ4708などの位置タブを含む。
【0082】
さらなる例示的な態様では、
図48は、システム4800における使用のための構成要素の例示的な配列を図示している。例えば、システム4800は、清潔なチップラック4802、冷却装置ブロック4804、および試薬ブロック4806を含み得る。任意で、冷却装置ブロック4804および試薬ブロック4806は、温度制御され得る。
【0083】
加えて、システムは、サーマルサイクラー4810を含み得る。サーマルサイクラー4810は、エマルジョンまたは溶液の温度を循環させ得る。あるいは、サーマルサイクラー4810は、ある期間の間、一定温度で保持され得る。サーマルサイクラーは、作動中にサーマルサイクラーを覆ってクランプ固定し得る蓋4818を含み得る。
【0084】
加えて、システム4800は、ローターと、電子デバイスを受け入れるためのバケットとを含むチップ(chip)ローディング遠心機4808を含む。システム4800はまた、1つまたは複数の遠心機4814を含み得る。具体的には、遠心機4814は、エマルジョンを破壊し、溶液を洗浄するために有用であり得る。任意で、遠心機4808または4814は、作動中に遠心機を覆うように置かれる蓋を含み得る。
【0085】
システム4800はまた、濃縮モジュール4812を含み得る。具体的には、濃縮モジュール4812は、磁性粒子を使用した濃縮を促進するために磁気デバイスを含む。システム4800はまた、使用済みチップラック4816を含み得る。
【0086】
図49は、例示的なサーマルサイクラー4900を示す図を含む。サーマルサイクラー4900はトレイ4906を含み、そのトレイ4906上には、マルチウェルプレート、一組の管または別の熱プレートが存在し得る。温度は、ペルチェデバイスを使用して駆動され得る。サーマルサイクラーはまた、ヒートシンク4902および送風機4904を含み得る。
【0087】
図50は、例示的な濃縮モジュール5000を示す図を含む。濃縮モジュール5000は、自動機構5004によってスタンド5006内の管に対する所定位置に動かされ得る磁性プレート5002を含み得る。所定位置にあるとき、磁場は、3個〜8個の管を介して確立され得る。加えて、濃縮モジュール5000は加熱器5008を含み得る。実際には、溶液は、スタンド内またはスタンド5006内の管内に置かれ得る。熱は、加熱器5008を使用して加えられることができるか、または磁場は、機構5004を使用して管に隣接して位置付けられ得る。
【0088】
図51は、サーマルサイクラーと共に使用するための代替的プレートを示す図を含む。例えば、プレート5102は、シークエンシングデバイスなどの電子デバイス5104を受け入れるように構成され得る。一例では、プレートは、サーマルサイクラーとの接触を改善するために管を模倣するパターン化された表面5106を含む。溶液を、ピペット操作システムを使用してアプライし、電子デバイス5104から吸い取ることができる。電子デバイス5104の温度は制御され得、任意でサーマルサイクラー装置を使用して循環させられ得る。そのようなプレートは、オンチップのPCRまたはRPAのために使用され得る。そのような例において、上記増幅溶液が、シークエンシングデバイスに直接、任意でビーズを用いずにアプライされる。シークエンシングデバイスの温度は、PCRまたはRPAを促進するように制御される。次に、シークエンシングデバイスは、シークエンシングシステムにおいて使用するために洗浄され、準備され得る。
【0089】
図52において例示されているように、軌道システム5202は、指図されたとおりに溶液を吸引し、堆積する、ピペット操作システム5206の端部を位置付けるための三次元の動きを提供する。当該システムはさらに、システムの機能を実施する際に使用するためのチップ(tip)、管および試薬を保存するための取付台およびデバイスを有するデッキ5204を含む。加えて、カメラシステム5208が、ピペット操作システム5206に隣接して据え付けられ得る。カメラ5208は、軌道システム5202の動きを較正し、かつ制御するために有用な視覚システムの一部を形成し、デッキ5204上に配置される消耗品の搭載チェックを実施し、チップ(tip)のピペット操作システム5206への適切な取り付けまたは脱離をチェックし得る。
【0090】
一例では、システムは、システムの作動中、消耗品が使用のために適切に搭載されていることをチェックするために、カメラ5208を使用し得る。例えば、カメラ5208は、ラックまたはデバイスを撮像し得る。システムは画像を分析することができ、例えば画像内の特徴部(例えば、管またはチップ(tip)の円形の特徴部)を識別し得る。一例では、画像はフィルター処理され、フィルター処理された画像内の特徴部が分析され得る。具体的には、管またはチップ(tip)の存在または非存在を示す一連のブール値が、アドレスのアレイに基づいて順序正しく提供され得る。その一連のブール値はプロセッサーに提供され得、プロセッサーは、消耗品がラックトレイ内に適切に搭載されているかどうかを決定し得る。使用者は、エラーが見つかった場合に警告を受けることができる。
【0091】
別の例では、システムは、使用済み消耗品がシステム清掃の前に除去されたかどうかを決定するための取り出しチェックを実施し得る。例えば、システムは、除去されているべき消耗品が存在するかどうかを検出するために、ラックまたはデバイスの画像を撮影するためのカメラ5208を利用し得る。特定の例では、システムは、使用済み消耗品がシステムデッキから除去されなかった場合に自動システム清浄が起こるのを防ぐことができる。
【0092】
図53に図示されている別の例では、システムは、ピペットチップのピペットシステムへの適切な取り付けを決定するためにチップ(tip)チェックを実施し得る。例えば、カメラ5304は、チップ(tip)5302の画像を撮影し得る。特定の例では、カメラ5304は、チップ(tip)5302の斜視図を得るために角度を付けられ得る。当該角度は、垂直方向に対して1°〜20°、例えば1°〜10°、またはさらには2°〜7°であり得る。チップ(tip)5302の斜視図を使用して、カメラおよびシステムは、チップ(tip)がピペットシステムを通過する軸に対して所定の角度で配置されているかどうかを決定するためか、またはどのサイズのチップ(tip)が取り付けられたかを決定するために、チップ(tip)の端部の幅およびチップ(tip)の長さを測定し得る。
【0093】
加えて、視覚システムは、軌道システムの3方向での位置を決定するために較正され得る。例えば、
図54に図示されているように、システムは、較正ウェル5402を含み得る。ピペットシステムの端部は、較正ウェル内に位置付けられることができ、ピペット端部が較正ウェル5402内にあるとき、システムの画像が撮影され得る。追加の画像は、ピペットシステムが、xおよびy方向を一定(水平)に保ちながら、z方向(垂直)に上方に動かされるにつれて撮影され得る。
【0094】
例えば、
図55に図示されているように、方法5500は、5502に図示されているようにピペット器具を較正ウェルに方向付ける工程を含む。ピペット器具は、手動でまたは電子的に較正ウェルに方向付けられ得る。較正ウェルはz方向でのゼロ高さを表す。5504に図示されているようにピペットがz方向に動かされるにつれて、5506に図示されているように較正ウェルの画像が撮影される。対応する画像およびz位置が、5508に図示されているようにシステムの垂直方向の位置付けを較正するために使用されて、視覚システムを使用して軌道システムの垂直方向の動きを制御する。
【0095】
図54に戻ると、さらなる較正プレート5404は、較正マーク5406を含み得る。
図54に図示されているように、較正マーク5406は黒点である。十字型、線、バーコードまたは格子などの他の較正マークが、使用され得る。
【0096】
図56に図示されているように、較正するための方法5600は、5602に図示されているように較正プレートを撮像する工程を含む。カメラの角度に基づいて、較正プレートの画像は、水平方向に遠ざかるにつれてゆがみを示し得る。
【0097】
較正プレートの画像は、5604に図示されているように距離測位(distance positioning)を較正するために使用され得る。例えば、カメラから離れた管またはトレイは、ゆがんでいるように見えることがある。較正を使用して、カメラは、管またはトレイまでの距離を決定し得る。例えば、あるウェルへと移動する場合、システムは、5606に図示されているように当該ウェルを撮像し、当該ウェルの画像を処理するのを助けるために前記の較正された距離測位を使用して、5608に図示されているように当該ウェルまでの距離を決定する。次に、システムは、決定された距離を使用して当該ウェルへと移動することができる。
【0098】
さらなる例では、システムは、遠心機ローターの位置付けを較正するために画像を使用し得る。例えば、遠心機は、ホームインデックスへと向けられ得る。システムは、ローターの画像を撮影し、所望の位置からの角度のずれを決定し得る。角度のずれは、システムをホームインデックスから所望の位置に動かすための回転カウントを決定するために使用され得る。これらのカウントは、遠心機のエンコーダー内に保存され得る。そのような方法で、遠心機は、ホームインデックスに向けられ、それから所望の位置へ動かされ得る。
【0099】
加えてまたは代替的に、z軸較正は、ピペットチップがピペットシステムに固定されているときに行われ得る。例えば、ピペットチップの端部は、ピペットチップが較正表面に接触するまで軌道システムの高さを調節することによって、決定され得る。特定の例では、システムは、ピペットシステムを使用した圧力変化の試験によって、ピペットチップが較正表面に接触するのを検出し得る。
【0100】
例えば、システムがピペットチップラックへと動いてもよく、ピペットシステムがピペットチップに取り付けら得る。画像システムは、正しいチップ(tip)が取り付けられたことを決定し、チップ(tip)がある垂直方向の位置で取り付けられているかどうかを評価し得る。次に、システムは、ピペットチップを較正点まで動かすことができる。
図57に図示されているように、方法5700は、5702に図示されているようにピペットチップを通る流体の流れを開始させる工程を含む。例えば、ピペットシステムは、ピペットチップを通して気体を吸い取るかまたは排出し得る。次に、システムは、5704に図示されているようにチップ(tip)を接触パッドまでz方向に動かすことができる。
【0101】
5706に図示されているように、ピペットシステムが圧力の変化を検出すると、システムはz方向への動きを停止し得る。具体的には、チップ(tip)が較正表面に近づいて接触するとき、チップ(tip)を通る流体の流れは圧力の変化を引き起こす。例えば、ピペットシステムがチップ(tip)を通して気体を排出している場合、チップ(tip)が較正表面に接触すると、システムは圧力の上昇を体験する。別の例では、ピペットシステムがピペットチップを通して空気を吸い取っている場合、チップ(tip)が較正表面に接触すると、システムは圧力の低下を体験し得る。
【0102】
圧力の変化が検出されると、システムは、軌道システムの位置を使用して、5708に図示されているようにピペットチップの端部のz位置を較正し得る。一例では、較正表面は平面であり得る。当該表面は、硬表面であってもよいし、またはエラストマー表面であってもよい。別の例では、当該表面は、管またはウェルの底部であり得る。
【0103】
さらなる態様では、シークエンシングデバイスを準備するための方法は、シリンジポンプに連結された平行移動デバイスを使用して、増幅された粒子を含む水分散液を濃縮管に移す工程、増幅された粒子を濃縮する工程、濃縮された増幅された粒子を遠心デバイスのトレイ上に配置されたシークエンシングデバイスに移す工程、およびシークエンシングデバイスを遠心する工程を含む。
【0104】
開示するシステムおよび方法は、増幅、濃縮、およびローディング手順の範囲内で低減された変動性を含む技術的利点を提供する。そのような変動性の低減は、シークエンシング性能に関連するパラメーターに有意な効果を有する。具体的には、そのようなデバイスおよび関連する方法は、所与のセンサーアレイからの、改善された数のAQ17読取値を提供する。
【0105】
第一の局面において、システムを較正する方法は、平行移動デバイスに連結されたシリンジポンプにピペットチップを取り付ける工程、ピペットチップを通る流体の流れを開始させる工程、平行移動デバイスを用いてピペットチップを接触表面に向けて動かす工程、およびシリンジポンプが圧力の変化を検出するときに平行移動デバイスの位置に基づいてシステムを較正する工程を含む。
【0106】
第一の局面の例において、平行移動デバイスは、3つの直交方向にシリンジポンプを動かすことができる。
【0107】
第一の局面の別の例および上記例において、流体の流れを開始させる工程は、シリンジポンプを用いてピペットチップを通して空気を引き抜く工程を含む。例えば、圧力の変化は圧力の低下を含み、方法は、圧力の低下が検出されると、ピペットチップを接触表面に向けて動かす工程を停止する工程をさらに含む。
【0108】
第一の局面のさらなる例および上記例において、流体の流れを開始させる工程は、シリンジポンプを用いて、ピペットチップを通して流体を排出する工程を含む。例えば、圧力の変化は圧力の上昇を含み、方法は、圧力の上昇が検出されると、ピペットチップを接触表面に向けて動かす工程を停止する工程をさらに含む。
【0109】
第一の局面の追加の例および上記例において、ピペットチップをシリンジポンプに取り付ける工程は、平行移動デバイスを使用してシリンジポンプの遠位端をピペットチップ内に下ろす工程を含む。
【0110】
第一の局面の別の例および上記例において、接触表面はエラストマー表面である。
【0111】
第一の局面のさらなる例および上記例において、接触表面は管内またはウェル内にある。
【0112】
第二の局面において、遠心デバイスは、第一方向および第一方向とは反対の第二方向に回転するよう作動可能なモーター、およびモーターに連結されたローターを含む。ローターは、モーターに応じて平面内で第一方向または第二方向に回転することができる。ローターは、凹部と、該凹部の側面から突き出ている軸を有する。遠心デバイスは、スライド可能かつ枢動可能に当該軸に連結された輸送台をさらに含む。輸送台は、第一側面上の第一タブおよび第二側面上の第二タブを含む。輸送台は、ローターが第一方向に回転するのに応答して軸に沿ってスライドしかつ前記平面から離れて軸の周りを回転して第一タブでローターと第一角度で係合することができる。輸送台は、ローターが第二方向に回転するのに応答して軸に沿ってスライドしかつ前記平面から離れて軸の周りを回転して第二タブでローターと第二角度で係合することができる。
【0113】
第二の局面の例において、輸送台は、2つの流体ポートを含むシークエンシング部材を受け入れるように構成されている。例えば、2つの流体ポートは、ローターの回転軸の方に向かって内側に向くことができる。別の例では、遠心デバイスは、シークエンシング部材を輸送台に固定するための締め具をさらに含む。一例では、締め具は、シークエンシング部材の2つの流体ポートに係合するための要素を含む。
【0114】
第二の局面の別の例および上記例において、第一角度は、平面に対して70°〜110°の範囲内にある。例えば、第一角度は、平面に対して80°〜95°の範囲内にある。
【0115】
第二の局面のさらなる例および上記例において、第二角度は、平面に対して20°〜65°の範囲内にある。例えば、第二角度は、平面に対して35°〜50°の範囲内にある。
【0116】
第二の局面の追加の例および上記例において、軸は少なくとも部分的に凹部を横切って延びており、ローターが静止しているときに輸送台は少なくとも部分的に凹部内にある。
【0117】
第三の局面において、方法は、ローターを平面内で第一方向に回転させる工程を含む。輸送台は、軸によってローターに連結されている。輸送台は、ローターが第一方向に回転するのに応答して軸に沿ってスライドしかつ軸の周りを回転して第一タブでローターと第一角度で係合する。方法はさらに、ローターを平面内で第二方向に回転させる工程を含む。輸送台は、ローターが第二方向に回転するのに応答して軸に沿ってスライドしかつ軸の周りを回転して第二タブでローターと第二角度で係合する。第一角度は第二角度よりも大きい。
【0118】
第三の局面の例において、輸送台は、2つの流体ポートを含むシークエンシング部材を受け入れるように構成されている。例えば、2つの流体ポートは、ローターの回転軸の方に向かって内側に向くことができる。別の例では、方法は、シークエンシング部材を輸送台に固定するための締め具を係合させる工程をさらに含む。例えば、締め具は、シークエンシング部材の2つの流体ポートに係合するための要素を含む。追加の例において、方法は、回転の前に、ポリヌクレオチドビーズを含む溶液をシークエンシング部材内に入れる工程をさらに含む。特定の例では、溶液の一部は、第二角度で回転するとき、2つの流体ポートの少なくとも一方から出る。
【0119】
第三の局面の別の例および上記例において、第一角度は、平面に対して70°〜110°の範囲内にある。例えば、第一角度は、平面に対して80°〜95°の範囲内にある。
【0120】
第三の局面のさらなる例および上記例において、第二角度は、平面に対して20°〜65°の範囲内にある。例えば、第二角度は、平面に対して35°〜50°の範囲内にある。
【0121】
第三の局面の追加の例および上記例において、軸は少なくとも部分的に凹部を横切って延びており、ローターが静止しているときに輸送台は少なくとも部分的に凹部内にある。
【0122】
第四の局面において、遠心機は、平面内で回転するためのローター、輸送台、上プレート、および第一端部で上プレートに枢動可能に連結された第一アームを含む。第一アームの第二端部は、輸送台に枢動可能に連結されている。遠心機は、第一端部でローターに枢動可能に連結された第二アームをさらに含む。第二アームの第二端部は、第一アーム上の、第一アームの第一端部と第二端部の間の位置で、第一アームに枢動可能に連結されている。平面に対する輸送台の角度は、上プレートの位置に応じて変わる。
【0123】
第四の局面の例において、方法は、上プレートを平面に垂直な方向に動かすために上プレートに連結されたアクチュエーターをさらに含む。
【0124】
第四の局面の別の例および上記例において、輸送台は、2つの流体ポートを含むシークエンシング部材を受け入れるように構成されている。例えば、2つの流体ポートは、ローターの回転軸の方に向かって内側に向くことができる。別の例では、遠心機は、シークエンシング部材を輸送台に固定するための締め具をさらに含む。例えば、締め具は、シークエンシング部材の2つの流体ポートに係合するための要素を含む。
【0125】
第四の局面のさらなる例および上記例において、遠心機は、第三アームおよび第四アームをさらに含む。第三アームは、第三アームの第一端部で上プレートに枢動可能に連結されている。第三アームの第二端部は、第四アームの第一端部に枢動可能に連結されている。第四アームの第二端部は、ローターに枢動可能に連結されている。
【0126】
第五の局面において、遠心機は、平面内で回転するためのローター、ローターの中心軸を覆うように位置付けられかつ受入ポートおよび該受入ポートと流体連通している遠位開口部を含むアームを含むスリンガー、ならびにローターに枢動可能に連結されておりかつ管のための入れ物を含む輸送台ブロックを含む。輸送台ブロックは、ローターが静止しているときは管をほぼ鉛直位置に位置付けるように偏り、ローターの回転に応答して、管を、管の開口部がスリンガーの遠位開口部に向く角度に位置付けるように偏る。
【0127】
一例では、遠心機は蓋をさらに含む。例えば、蓋は、開口部、管を受け入れるように寸法付けられた開口部の第一縁部、および管の唇状部よりも小さく寸法付けられた開口部の第二縁部を含む。
【0128】
第六の局面において、方法は、トレイ内のピペットチップに係合するためにピペットシステムの遠位端を下ろす工程、遠位端を持ち上げる工程、遠位端をカメラで撮像する工程、および画像から導き出される特徴を予想されるチップ(tip)特徴と比較する工程を含む。
【0129】
一例では、前記特徴は、ピペットチップの端部での幅である。別の例では、前記特徴は、ピペットチップの長さを示す。他の例では、前記特徴は、シリンジポンプに対するピペットチップの角度を示す。
【0130】
別の例では、カメラは、垂直方向に対して1°〜10°の範囲内の角度で撮像するように位置付けられる。
【0131】
第七の局面において、システムは、ピペットチップに連結するためのシリンジポンプ、ピペットチップを動かすための平行移動デバイス、濃縮システム、および遠心デバイスを含む。濃縮システムは、混合管および混合管に対して可動な磁気デバイスを含む。遠心デバイスは、ローター、およびシークエンシングデバイスを固定するためのバケットを含む。平行移動デバイスは、ピペットチップを混合管の近位およびシークエンシングデバイスの近位に位置付けることができる。
【0132】
第八の局面において、シークエンシングデバイスを準備するための方法は、シリンジポンプに連結された平行移動デバイスを使用して、増幅された粒子を含む水分散液を濃縮管に移す工程、増幅された粒子を濃縮する工程、濃縮された増幅された粒子を遠心デバイスのトレイ上に配置されたシークエンシングデバイスに移す工程、およびシークエンシングデバイスを遠心する工程を含む。
【0133】
概要または実施例において上述された行為のすべてが必要なわけではないこと、特定の行為の一部が必要とされ得ること、および、上記行為に加えて一つまたは複数のさらなる行為が実施され得ることに留意されたい。なおさらに、行為が列挙されている順序は、必ずしもそれらが実施される順序ではない。
【0134】
前記明細書においては、特定の態様に関して概念を説明した。しかし、当業者は、以下の特許請求の範囲に述べられる発明の範囲を逸脱することなく、様々な修飾および変更を加えることができることを理解する。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味とみなされるべきであり、すべてのそのような修飾が本発明の範囲に含まれるものとされる。
【0135】
本明細書において使用されるように、語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」またはそれらの任意の他の変形は、非排他的包含をカバーするものと意図される。たとえば、列挙された特徴を含むプロセス、方法、物品または装置は、必ずしもそのような特徴だけに限定されず、明示的に挙げられていない、またはそのような工程、方法、物品または装置に固有である他の特徴を含み得る。さらに、別段明示的に述べられない限り、「または」とは、非排他的な「または」を指し、排他的な「または」を指さない。たとえば、条件AまたはBは、Aが真であり(または存在し)かつBが偽である(または存在しない)場合、Aが偽であり(または存在せず)かつBが真である(または存在する)場合およびAおよびB両方が真である(または存在する)場合の任意の一つによって満たされる。
【0136】
また、単数形の使用が、本明細書に記載される要素および構成要素を説明するために用いられる。これは、本発明の範囲の一般的理解を与えるために単に便宜的に実施されている。この記載は、一つまたは少なくとも一つを含むものと読まれるべきであり、単数形は、別段意図されることが明白でない限り、複数形をも含む。
【0137】
恩典、他の利点および課題に対する解決手段が特定の態様に関して上述された。しかし、恩典、利点、課題に対する解決手段および任意の恩典、利点または解決手段を生じさせ得る、またはより顕著にし得る任意の特徴が、いずれかまたはすべての請求項の決定的、不可欠または本質的な特徴と解釈されてはならない。
【0138】
本明細書を読んだ後、当業者は、明確に示すために本明細書においては別々の態様として記載されている特定の特徴が一つの態様に組み合わされて提供され得るということを理解するであろう。逆に、簡潔に示すために一つの態様として記載されているいくつかの態様が、別々にまたは任意の部分的組み合わせで提供され得る。さらに、範囲として述べられている数値の言及は、その範囲内のあらゆる数値を含む。