(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
気相反応器では、球状シリカを、触媒担体として使用することができる。例えば、直径の平均がおよそ25ミクロン(μm)の球状シリカ粒子を使用することができる。ハフニウムベースのメタロセン触媒、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル(本明細中で「HfP」と称される)を使用して、この粒径の担体は、平均粒径(APS)が約580μmの樹脂を生成する。過去の研究では、単体のより大きな粒径を使用して、より大きな粒子を生成しただけでなく、より大きな担体はより低い生産性をもたらすことを示した。
【0011】
HfPのための代替のシリカ触媒担体ならびに他の触媒担体が評価された。この研究は、生産性を低下させることなく、より大きな樹脂の粒径を実現することが可能か否かを判定するために、開始された。検査された、いくつかの担体、例えば、Grace Davisonの2408及び955、ならびに、PQ corporationのES70等は、より大きな平均粒径を有し、より大きな平均粒径のポリマーを生成した。しかしながら、本明細書中に記載されるように、検査されたそれらの担体の多くは、より低い生産性かつより不十分なメルトフロー反応で、ポリマーを生成した。
【0012】
対照的に、検出された担体の1つである、PQ CorporationのES70は、PQ Corporationのより小さな担体であるES757上に担持される対照触媒に類似する生産性及メルトフロー応答で、ポリマーを生成した。さらに、ES70上に担持される触媒は、より大きな比率の流動化かさ密度対安定かさ密度比を有した。これは、この担体の触媒がより広範囲の機能窓を有し、反応器床内での流動化を確実に向上させるであろうことを示す。
【0013】
様々な触媒系及び成分を使用して、開示されたポリマー及び分子量成分を生成することができる。これらは以下のセクションで開示されている。第1のセクションでは、実施形態で使用することができる、特にメタロセン触媒を含む触媒化合物について考察される。第2のセクションでは、記載された技術を実行するために使用することができる触媒スラリーの生成について考察される。第3のセクションでは、使用可能な担体について考察される。第4のセクションでは、使用可能な触媒活性剤について考察される。気相重合は、静電制御または連続剤を使用することができ、これらについては、第5のセクションで考察される。第6のセクションでは、気相重合反応器について考察される。第6のセクションでは、触媒組成物を使用して生成物特性を制御することについて考察され、第7のセクションでは、例示的な重合プロセスについて考察される。第8のセクションには、考察された工程実行の例が組み込まれる。
【0014】
触媒化合物
メタロセン触媒化合物
一般に、メタロセン触媒化合物について、例えば、1及び2メタロセンベースのポリオレフィン(John Scheirs&W.Kaminsky eds.,John Wiley&Sons,Ltd.2000)、G.G.Hlatky in 181 COORDINATION CHEM.REV.243−296(1999)に記載され、特に、使用については、1メタロセンベースのポリオレフィンS261−377におけるポリエチレンの合成(2000)に記載される。メタロセン触媒化合物は、少なくとも3〜12族の金属原子のうちの1つに結合する1つ以上のCp配位子(シクロペンタジエニル及びシクロペンタジエニルへの配位子アイソローバル)、及び、少なくとも1つの金属原子に結合する1つ以上の脱離器を有する「ハーフサンドイッチ」及び/または「フルサンドイッチ」化合物を含むことができる。本明細書中で使用するように、周期表(周期表(Periodic Table of the Elements))及びその族への全参照は、HAWLEY’S CONDENSED CHEMICAL DICTIONARYの第13版(IUPACの許可の下再版された)、John Wiley & Sons,Inc.,(1997)で発表された、新たな表記法(NEW NOTATION)に対するものであるが、これは、参照が、ローマ数字で記載される以前のIUPAC形式(またはその形式内に表記されるもの)に対して行われない場合、または、別途指示されない場合に限る。
【0015】
Cp配位子は1つ以上の環または環系であり、少なくともその一部が、π結合系、例えば、シクロアルカジエニル配位子及び複素環類似体等を含む。環または環系は一般に、13〜16族の原子からなる群から選択された原子を含み、特に、例示的な実施形態では、Cp配位子を構成する原子は、炭素、窒素、酸素、シリコン、硫黄、リン、ゲルマニウム、ホウ素、アルミニウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、炭素は50%の環員を構成する。より詳細な例示的な実施形態では、Cp配位子は、置換及び非置換シクロペンタジエニル配位子、及びシクロペンタジエニルへの配位子アイソローバルからなる群から選択され、その非限定実施例は、シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、及び他の構造を含む。そのような配位子のさらなる非限定実施例は、シクロペンタジエニル、シクロペンタフェナントレネイル、インデニル、ベンジンデニル、フルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、シクロオクタテトラエニル、シクロペンタシクロドデセン、フェナントリンデニル、3,4−ベンゾフルオレニル、9−フェニルフルオレニル、8−H−シクロペント[a]アセナフチレニル、7−H−ジベンゾフルオレニル、インデノ[1,2−9]アントレン、チオフェノインデニル、チオフェノフルオレニル、それらの水素化したバージョン(例えば、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル、または、「H
4 Ind」)、それらの置換バージョン(以下でより詳細に考察及び記載される)、及びそれらの複素環式バージョンを含む。
【0016】
メタロセン触媒化合物の金属原子「M」を、一例示的な実施形態の3〜12族の原子及びランタニド族の原子からなる群から選択することができ、より詳細で例示的な実施形態の3〜10族の原子からなる群から選択することができ、より詳細で例示的なさらなる実施形態の、Sc、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、及びNiからなる群から選択することができ、より詳細で例示的なさらなる実施例形態の4、5、及び6族の原子と、より詳細で例示的なさらなる実施例形態のTi、Zr、Hf原子と、より詳細で例示的なさらなる実施例形態のHfと、からなる群から選択することができる。一例示的な実施形態で、金属原子「M」の参加状態は、0〜+7まで変動し得、より詳細で例示的な実施形態では、+1、+2、+3、+4、または+5となり得、より詳細で例示的なさらなる実施形態では、+2、+3、または+4となり得る。その結果、金属原子「M」に結合する基は、別途示されない限り、以下の式内に記載する化合物であり、構造は電気的に中性である。Cp配位子は、金属原子Mとの少なくとも1つの化学結合を形成し、「メタロセン触媒化合物」を形成する。このCp配位子は、置換/引き抜き反応の影響をそれほど受けない点において、触媒化合物に結合する脱離器とは異なる。
【0017】
1つ以上のメタロセン触媒化合物を式(I)で示すことができる。
Cp
ACp
BMX
n (I)
式(I)中、Mは上記の通りであり、各XはMに化学的に結合し、各Cp基はMに化学的に結合し、nは0または1〜4の整数である。いくつかの実施形態では、nは1または2であってよい。式(I)中Cp
A及びCp
Bによって示される配位子は、同じまたは異なるシクロペンタジエニル配位子、またはシクロペンタジエニルへの配位子アイソローバルであってよく、それらのいずれかまたはいずれもがヘテロ原子を含み得て、それらのいずれかまたはいずれもがR族によって置換され得る。少なくとも1つの特定の実施形態において、Cp
A及びCp
Bは、シクロペンタジエニル、インデニル、テトラヒドロインデニル、フルオレニル、及びそれぞれの置換誘導体からなる群から独立して選択される。
【0018】
式(I)のCp
A及びCp
Bはそれぞれ独立して、非置換であり得る、または、置換基Rのうちの任意の1つまたはそれらの組み合わせと置換し得る。以下で考察及び記載される、構造(I)で使用する置換基R、ならびに、構造Va−dの環置換基の非限定実施例は、水素ラジカル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アシル、アロイル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオール、ジアルキルアミン、アルキルアミド、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボモイル、アルキル−及びジアルキル−カルボモイル、アシルオキシ、アシルアミノ、アロイルアミノ、及びこれらの組み合わせからなる基から選択された群を含む。式(I)〜(Va−d)と関連するアルキル置換群Rより詳細な非限定実施例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、メチルフェニル、及び全てのイソマー、例えば、ターシャリー−ブチル、イソプロピル等を含むテルト−ブチルフェニル基等を含む。他の可能なラジカルは、置換アルキル及びアリール、例えば、フルオロメチルと、フルオロエチルと、ジフルオロエチルと、ヨードプロピルと、ブロモヘキシルと、クロロベンジル、及びトリメチルシリルと、トリメチルゲルミルと、メチルジエチルシリル等とを含むヒドロカルビル置換オルガノメタロイドラジカル、ならびに、トリス(トリフルオロメチル)シリルと、メチルビス(ジフルオロメチル)シリルと、ブロモメチルジメチルゲルミル等を含むハロカルビル置換オルガノメタロイドラジカルと、かつ、例えば、ジメチルボロンを含む2基置換のホウ素ラジカルと、及び、ジメチルアミンと、ジメチルホスフィンと、ジフェニルアミンと、メチルフェニルホスフィンとを含む2基置換の15族のラジカルと、ならびに、メトキシと、エトキシと、プロポキシと、フェノキシと、メチル硫化物及びエチル硫化物とを含む16族のラジカルと、を含む。他の置換基Rは、例えば、3−ブテニル、2−プロペニル、5−ヘキセニル等のビニル末端配位子を含むオレフィン性不飽和置換基等のオレフィンを含むが、それらに限定されない。一例示的な実施形態では、少なくとも2つの群(特定の例示的な実施形態の2つの隣接するR群)は結合し、炭素、窒素、酸素、リン、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム、ホウ素、及びそれらの組み合わせからなる群から選択された3〜30の原子を有する環構成を形成する。また、1−ブタニル等の置換基Rは、元素Mへの結合会合を形成することができる。
【0019】
上記の式(I)及び式/以下の構成(II)〜(Va−d)の各Xは、一例示的な実施形態では、任意の脱離基、ハロゲンイオン、水素化物、C
1〜C
12アルキルと、C
2〜C
12アルケニルと、C
6〜C
12アリールと、C
7〜C
20アルキルアリールと、C
1〜C
12アルコキシと、C
6〜C
16アリールオキシと、C
7〜C
8アルキルアリールオキシと、C
1〜C
12フルオロアルキルと、C
6〜C
12フルオロアリールと、及び、炭化水素ならびにそれらの置換誘導体を含むC
1〜C
12ヘテロ原子と、からなる群から、独立して選択され、より詳細で例示的な実施形態では、水素化物と、ハロゲンイオンと、C
1〜C
6アルキルと、C
2〜C
6アルケニルと、C
7〜C
18アルキルアリールと、C
1〜C
6アルコキシと、C
6〜C
14アリールオキシと、C
7〜C
16アルキルアリールオキシと、C
1〜C
6アルキルカルボキシルと、C
1〜C
6フッ素化アルキルカルボン酸塩と、C
6〜C
12アリールカルボン酸塩と、C
7〜C
18アルキルアリールカルボン酸塩と、C
1〜C
6フルオロアルキルと、C
2〜C
6フルオロアルケニルと、C
7〜C
18フルオロアルキルアリールと、からなる群から独立して選択され、より詳細で例示的なさらなる実施形態では、水素化物と、塩化物と、フッ化物と、メチルと、フェニルと、フェノキシと、ベンジルオキシと、トシルと、フルオロメチルと、フルオロフェニルと、からなる群から独立して選択され、より詳細で例示的なさらなる実施形態では、C
1〜C
12アルキルと、C
2〜C
12アルケニルと、C
6〜C
12アリールと、C
7〜C
20アルキルアリーと、置換C
1〜C
12アルキルと、置換C
6〜C
12アリールと、置換C
7〜C
20アルキルアリールと、アルキルを含むC
1〜C
12ヘテロ原子と、アリールを含むC
1〜C
12ヘテロ原子と、アルキルアリールを含むC
1〜C
12ヘテロ原子とからなる群から独立して選択され、より詳細で例示的なさらなる実施形態では、塩化物と、フッ化物と、C
1〜C
6アルキルと、C
2〜C
6アルケニルと、C
7〜C
18アルキルアリールと、ハロゲン化C
1〜C
6アルキルと、ハロゲン化C
2〜C
6アルケニルと、ハロゲン化C
7〜C
18アルキルアリールと、からなる群から独立して選択され、より詳細で例示的なさらなる実施形態では、フッ化物と、メチルと、エチルと、プロピルと、フェニルと、メチルフェニルと、ジメチルフェニルと、トリメチルフェニルと、フルオロメチル(モノ−、ジ−、及びトリフルオロメチル)と、フルオロフェニル(モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、及びペンタフルオロフェニル)と、からなる群から独立的に選択され、より詳細で例示的なさらなる実施形態では、フッ化物からなる群から独立的に選択される。
【0020】
X族の他の非限定実施例は、アミンと、ホスフィンと、エーテルと、カルボン酸塩と、ジエンと、1〜20炭素原子を有する炭化水素ラジカルと、フッ素化炭化水素ラジカル(例えば、−C
6F
5(ペンタフルオロフェニル))と、フッ素化アルキルカルボン酸塩(例えば、CF
3C(O)O
−)と、水素化物と、ハロゲンイオンと、これらの組み合わせと、を含む。X配位子の他の実施例は、シクロブチルと、シクロヘキシルと、メチルと、ヘプチルと、トリルと、トリフルオロメチルと、テトラメチレンと、ペンタメチレンと、メチリデンと、メチオキシと、エチオキシと、プロポキシと、フェノキシと、ビス(N−メチルアニリド)と、ジメチルアミドと、ジメチルホスフィドラジカル等のアルキル基と、を含む。一例示的な実施形態では、2つ以上のXが縮合環または環系の一部を形成する。少なくとも1つの特定の実施形態では、Xは、フッ化物イオンと、塩化物イオンと、臭化物イオンと、C
1〜C
10アルキル及びC
2〜C
12アルケニルと、カルボン酸塩と、アセチルアセトネートと、アルコキシドと、からなる群から選択される脱離基であり得る。
【0021】
メタロセン触媒化合物は、式(I)のものを含み、式中、Cp
A及びCp
Bは、少なくとも1つの架橋基である(A)によって互いに架橋され、それによって構成は式(II)に示すようなものになる。
Cp
A(A)Cp
BMX
n (II)
【0022】
式(II)に示す架橋化合物は、「メタロセン」として周知されている。構造(II)の元素、Cp
A、Cp
B、M、X及びnは、式(I)で定義されるようなものであり、式中、各Cp配位子はMに化学的に結合し、(A)は各Cpに化学的に結合する。架橋基(A)は、例えば、炭素と、酸素と、窒素と、シリコンと、アルミニウムと、ホウ素と、ゲルマニウムと、スズ原子と、それらの組み合わせのうちの少なくとも1つと、を含むがそれらに限定されない、少なくとも1つの13〜16族の原子を含む二価の炭素水素基を含んでもよく、式中、ヘテロ原子はまた、中性価数を満たすために置換されたC
1〜C
12アルキルまたはアリールであってもよい。少なくとも1つの特定の実施形態では、架橋基(A)はまた、ハロゲンラジカル及び鉄を含む、上に(式(I)で)定義したような置換基Rを含んでもよい。少なくとも1つの特定の実施形態では、架橋基(A)を、C
1〜C
6アルキレン、置換C
1〜C
6アルキレン、酸素、硫黄、R’
2C=、R’
2Si=、=Si(R’)
2Si(R’
2)=、R’
2Ge=、及びR’P=によって示すことができ、式中、「=」は、2つの化学結合を示し、R’は、水素化物と、ヒドロカルビルと、置換ヒドロカルビルと、ハロカルビルと、置換ハロカルビルと、ヒドロカルビル−置換オルガノメタロイドと、ハロカルビル−置換オルガノメタロイドと、2基置換ホウ素と、2基置換の15族の原子と、置換群16の原子と、ハロゲンラジカルと、からなる群から独立して選択され、式中、2つ以上のR’が結合して環または環系を形成することができる。少なくとも1つの特定の実施形態では、式(II)の架橋メタロセン触媒化合物は、2つ以上の架橋基(A)を含む。1つ以上の実施形態では、(A)は、二価のC
1〜C
20ヒドロカルビル及びヒドロカルビルを含むC
1〜C
20ヘテロ原子からなる群から選択され、Cp
A及びCp
Bのいずれにも結合する二価の架橋基であってよく、式中、ヒドロカルビルを含むヘテロ原子は、1〜3つのヘテロ原子を含む。
【0023】
架橋基(A)は、メチレンと、エチレンと、エチリデンと、プロピリデンと、イソプロピリデンと、ジフェニルメチレンと、1,2−ジメチルエチレンと、1,2−ジフェニルエチレンと、1,1,2,2−テトラメチルエチレンと、ジメチルシリルと、ジエチルシリルと、メチル−エチルシリルと、トリフルオロメチルブチルシリルと、ビス(トリフルオロメチル)シリルと、ジ(n−ブチル)シリルと、ジ(n−プロピル)シリルと、ジ(i−プロピル)シリルと、ジ(n−ヘキシル)シリルと、ジシクロヘキシルシリルと、ジフェニルシリルと、シクロヘキシルフェニルシリルと、t−ブチルシクロヘキシルシリルと、ジ(t−ブチルフェニル)シリルと、ジ(p−トリル)シリルと、Si原子がGeまたはC原子によって置換される対応する部分、ならびに、ジメチルシリルと、ジエチルシリルと、ジメチルゲルミと、ジエチルゲルミルと、を含むことができる。
【0024】
架橋基(A)はまた循環性であり、例えば、4〜10環員を有し、より詳細で例示的な実施形態では、5〜7環員を有する。循環を、上述の元素から選択することができ、より詳細実施形態では、1つ以上のB、C、Si、N、及びOから選択することができる。架橋部分またはその一部として示すことができる環状構造の非限定実施例は、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、シクロオクチリデン、及び対応する環であり、ここで1つまたは2つの炭素原子が、Si、Ge、N、及びOのうちの少なくとも1によって置換される。1つ以上の実施形態では、1つまたは2つの炭素原子を、Si及びGeのうちの少なくとも1つで置換することができる。環とCp基との間の結合配列は、cis−、trans−、またはそれらの組み合わせであってよい。
【0025】
環式架橋基(A)は、飽和または不飽和であってよく、及び/または1つ以上の置換基を有してよく、及び/または1つ以上の環状構造に融合してよい。1つ以上の置換基は、存在する場合、少なくとも1つの特定の実施形態において、ヒドロカルビル(例えば、メチル等のアルキル)及びハロゲン(例えば、F、Cl)からなる群から選択され得る。上述の環式架橋部分が選択的に融合することができる1つ以上のCp基は、飽和または不飽和であってよく、4〜10、より詳細には、5、6、または7環員(特定の例示的な実施形態において、C、N、O、及びSからなる群から選択された)、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びフェニル等を有するそれらからなる群から選択される。さらに、これらの環状構造は、例えばナフチル基の場合、それら自体で融合する。環状構造は、1つ以上の置換基を有することができる。これらの置換基の例示的な非限定実施例は、ヒドロカルビル(特にアルキル)基及びハロゲン原子である。式(I)及び(II)の配位子Cp
A及びCp
Bは、互いに異なってもよい。式(I)及び(II)の配位子Cp
A及びCp
Bは同じであってもよい。
【0026】
メタロセン触媒化合物は、架橋モノ配位子メタロセン化合物(例えば、モノシクロペンタジエニル触媒成分)を含んでもよい。例示的なメタロセン触媒化合物は、米国特許第6,943,134号にさらに記載される。
【0027】
上で考察され、記載されたメタロセン触媒成分は、それらの構造的または光学または鏡像異性体(ラセミ混合物)を含み得、一例示的な実施形態では、純エナンチオマーであり得ることが企図される。本明細書中で使用されるように、ラセミ及び/またはメソ異性体を含む、非対称に置換された単一の架橋メタロセン触媒化合物は、それ自体で、少なくとも2つの異なる架橋メタロセン触媒成分を構成しない。
【0028】
触媒系における1つ以上のメタロセン触媒化合物の遷移金属成分の量は、触媒系の総量に基づいて、約0.2重量%、約3重量%、約0.5重量%、または約0.7重量%の低い値から、約1重量%、約2重量%、約2.5重量%、約3重量%、約3.5重量%、または約4重量%の高い値まで、変動し得る。
【0029】
メタロセン触媒化合物は、本明細書中で考察及び記載された任意の実施形態の任意の組み合わせを含むことができる。例えば、メタロセン触媒化合物は、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウム(CH
3)
2と、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムF
2と、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムCl
2と、ビス(n−ブチル、メチルシクロ ペンタジエニル)ジルコニウムCl
2、または、[(2,3,4,5,6Me
5C
6N)CH
2CH
2]
2NHZrBn
2を含むことができるが、それらに限定されず、ここでBnはベンジル基またはそれらの任意の組み合わせである。
【0030】
上で考察及び記載されたメタロセン触媒化合物に加え、他の好適なメタロセン触媒化合物は、米国特許第7,741,417号、同第7,179,876号、同第7,169,864号、同第7,157,531号、同第7,129,302号、同第6,995,109号、同第6,958,306号、同第6,884,748号、同第6,689,847号、及び特許公開第WO 97/22635号、同第WO 00/699/22号、同第WO 01/30860号、同第WO 01/30861号、同第WO 02/46246号、同第WO 02/50088号、同第WO 04/026921号、及び同第WO 06/019494号で考察及び記載されたメタロセンを含むことができるが、それらに限定されない。
【0031】
他の使用可能なメタロセン触媒化合物は、(a)イオン結合型錯体と、(b)遷移金属化合物と、(c)有機金属化合物と、(d)担体物質と、を含む担持型幾何拘束型触媒(sCGC)である。そのようなsCGC触媒は、特許公開第WO2011/017092号に記載されている。いくつかの実施形態では、sCGC触媒はホウ酸イオンを含むことができる。ホウ酸アニオンは、式[BQ
4−z’(G
q(T−−H)
r)
z’]
d−、によって示され、式中、Bは原子価状態3のホウ酸であり、Qは水素化物、ジヒドロカルビルアミド、ハロゲン化合物、ヒドロカルビルオキシド、ヒドロカルビル、及び置換−ヒドロカルビルラジカルからなる群から選択され、z’は1〜4の範囲の整数であり、Gは、M’及びr基(T−−H)に結合したr+1の価数を有する多価の炭化水素ラジカルであり、qは整数0または1であり、基(T−−H)は、TがO、S、NR、またはPRを含み、そのO、S、N、またはP原子が水素原子Hと結合し、Rがヒドロカルビルラジカル、トリヒドロカルビルシリルラジカル、トリヒドロカルビルゲルミルラジカル、または水素であるラジカルであり、rは1〜3の整数であり、dが1である。代替として、式[BQ
4−z’(G
q(T−−M
oR
Cx−1X
ay)
r)
z’]
d−、でホウ酸イオンを示すことができ、式中、Bは原子価状態3のホウ酸であり、Qは水素化物、ジヒドロカルビルアミド、ハロゲン化合物、ヒドロカルビルオキシド、ヒドロカルビル、及び置換−ヒドロカルビルラジカルからなる群から選択され、z’は1〜4の範囲の整数であり、Gは、B及びr基(T−−M
oR
Cx−1X
ay)に結合したr+1の価数を有する多価の炭化水素ラジカルであり、qは整数0または1であり、基(T−−M
oR
Cx−1X
ay)は、TがO、S、NR、またはPRを含み、そのO、S、N、またはP原子がM
oに結合し、ここで、Rがヒドロカルビルラジカル、トリヒドロカルビルシリルラジカル、トリヒドロカルビルゲルミルラジカル、または水素であるラジカルであり、M
oは周期表の1〜14族から選択された金属または半金属であり、R
Cの各発生は独立して、水素、または1〜80の非水素原子、例えば、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル、またはヒドロカルビルシリルヒドロカルビルを有する族であり、X
aは、ハロ置換されたヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ置換されたヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換されたヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビルオキシ、またはハロゲン化合物である1〜100の非水素原子を有する非干渉基であり、xは、1〜M
oの価数に等しい整数に変動し得る0以外の整数であり、yは、1〜M
oの価数に未満の整数に変動し得る0または0以外の整数であり、x+yはM
oの価数に等しく、rは1〜3の整数であり、dは1である。いくつかの実施形態では、ホウ酸イオンは、z’が1または2であり、qが1であり、rが1である上記式の性質を有する。
【0032】
触媒系は、他の単一サイトの触媒、例えば、15族を含む触媒、を含むことができる。触媒系は、例えば、クロムベースの触媒、チーグラーナッタ触媒、メタロセンまたは15族を含む触媒等の1つ以上の付加的単一サイトの触媒、二金属触媒、及び混合触媒等の単一サイトの触媒化合物に加え、1つ以上の第2の触媒を含むことができる。また、触媒系は、AlCl
3、コバルト、鉄、パラジウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0033】
使用可能なメタロセン触媒化合物の例示的であるが非限定の実施形態は、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジメチルと、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルと、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチルと、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニルと、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチルまたはジフェニルと、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチルと、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ−ネオペンチルと、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ−ネオペンチルと、ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル(ラセミ及びメス)と、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジベンジルと、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジルと、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムジメチルと、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムメチルクロライドと、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1−メチルインデニル)ジルコニウムジメチルと、(テトラメチルシクロペンタジエニル)(1,3−ジメチルインデニル)ジルコニウムジメチルと、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムエチルクロライドと、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフェニルクロライドと、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロライドと、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエチルクロライドと、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロライドと、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムメチルブロマイドと、シクロペンタジエニルチタニウムトリメチルと、シクロペンタジエニルジルコニウムトリフェニルと、シクロペンタジエニルジルコニウムトリネオペンチルと、シクロペンタジエニルジルコニウムトリメチルと、シクロペンタジエニルハフニウムトリフェニルと、シクロペンタジエニルハフニウムトリネオペンチルと、シクロペンタジエニルハフニウムトリメチルと、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライドと、ペンタエチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライドと、ビス(インデニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライドと、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジハロゲン化合物と、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライドと、ビス(1,2−ジエチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライドと、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライドと、ジメチルシリルジシクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジクロライドと、メチルホスフィンジシクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジクロライドと、メチレンジシクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジクロライドと、イソプロピル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドと、イソプロピル(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライドと、ジイソプロピルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドと、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドと、ジタートブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドと、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドと、ジイソプロピルメチレン(2,5−ジメチシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドと、イソプロピル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロライドと、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロライドと、ジイソプロピルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロライドと、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロライドと、ジタートブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロライドと、シクロヘキシルインデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロライドと、ジイソプロピルメチレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロライドと、イソプロピル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロライドと、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロライドと、ジイソプロピルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロライドと、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロライドと、ジタートブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロライドと、シクロヘキシルインデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロライドと、ジイソプロピルメチレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニルフルオレニル)チタニウムジクロライドと、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウム(W)ジクロライドと、ラセミ−エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−ジメチルシリルビス(1−インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−1,1,2,2−テトラメチルシラニレンビス(1−インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−1,1,2,2−テトラメチルシラニレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロライドと、エチリデン(1−インデニルテトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−ジメチルシリルビス(2−メチル−4−t−ブチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ハフニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ハフニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−ジメチルシリルビス(1−インデニル)ハフニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ハフニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−1,1,2,2−テトラメチルシラニレンビス(1−インデニル)ハフニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−1,1,2,2−テトラメチルシラニレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ハフニウム(IV)ジクロライドと、エチリデン(1−インデニル−2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)チタニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)チタニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−ジメチルシリルビス(1−インデニル)チタニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)チタニウム(IV)ジクロライドと、ラセミ−1,1,2,2−テトラメチルシラニレンビス(1−インデニル)チタニウム(IV)ジクロライドラセミ−1,1,2,2−テトラメチルシラニレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)チタニウム(IV)ジクロライドと、及びエチリデン(1−インデニル−2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)チタニウム(IV)ジクロライドと、を含む。
【0034】
本実施形態で使用可能な他のメタロセン触媒化合物は、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ラセミ−ジメチルシリルビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロライド、ラセミ−ジメチルシリルビス(2−メチル−4−(1−ナフチル−1−インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロライド、及びラセミ−ジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロライドである。さらに、メタロセン触媒化合物は、インデニルジルコニウムトリス(ジエチルカルバマート)と、インデニルジルコニウムトリス(ピバレート)と、インデニルジルコニウムトリス(p−トルアート)と、インデニルジルコニウムトリス(ベンゾエート)と、(1−メチルインデニル)ジルコニウムトリス(ピバレート)と、(2−メチルインデニル)ジルコニウムトリス(ジエチルカルバマート)と、(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリス(ピバレート)と、シクロペンタジエニルトリス(ピバレート)と、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリス(ベンゾエート)と、を含む。
【0035】
本実施形態で使用可能なメタロン化合物の構造の実施例は、式(II)として示されるハフニウム化合物と、式(IV−A−C)として示されるジルコニウム化合物と、式(V−A−B)として示される架橋ジルコニウム化合物と、を含む。
【化1】
【0036】
これらの化合物は、中心金属に結合するメチル−及びクロロ−基を用いて示されるが、これらの基は異なり、関連する触媒を変化させることがないと理解することができる。例えば、これらの各置換基は独立して、メチル基(Me)、クロロ基(Cl)、フルオロ基(F)、または、有機基またはヘテロ原子基を含む任意の数の他の基ある。さらに、これらの置換基は、プレ触媒が反応用の活性触媒に変換されるため、反応中に変化するであろう。
【0037】
15族の原子及び金属を含む触媒化合物
触媒系は、1つ以上の15族の金属を含む触媒化合物を含むことができる。15族の金属を含む触媒化合物は一般に、3〜14族の金属原子と、3〜7族または4〜6族の金属原子と、を含む。多くの実施形態では、15族の金属を含む化合物は、少なくとも1つの脱離基及び少なくとも2つの15族の原子にも結合し、それらのうちの少なくとも1つが、別の基を介して15または16族の原子にも結合する、4族の金属原子を含む。
【0038】
1つ以上の実施形態では、少なくとも1つの15族の原子が、15または16族の原子にも結合するが、これは、C
1〜C
20炭化水素基、ヘテロ原子含有基、シリコン、ゲルマニウム、スズ、鉛、またはリンであり得る別の基を介して行われ、15〜16族の原子はまた、水素、基含有の14族の原子、ハロゲン、またはヘテロ原子含有基に結合し得、2つの15族の原子のそれぞれはまたは、環式基に結合し、水素、ハロゲン、ヘテロ原子、またはヒドロカルビル基、またはヘテロ原子含有基に選択的に結合することができる。
【0039】
15族の金属含有化合物を、式(VI)または(VII)を用いて、より詳細に記載することができる。
【化2】
式(VI)及び(VII)では、Mは3〜12群の遷移金属または13もしくは14族の主族金属、4、5、または6群の金属である。多くの実施形態では、Mは4族の金属、例えば、ジルコニウム、チタニウム、またはハフニウムである。各Xは独立して、脱離基、例えば、アニオン性の脱離基である。この脱離基は、水素、ヒドロカルビル基、ヘテロ原子、ハロゲン、または、アルキルを含むことができ、yは0または1である(yが0族の場合、L’は存在しない)。用語「n」は、Mの酸化状態である。様々な実施形態では、nは+3、+4、または+5である。多くの実施形態では、nは+4である。用語「m」は、YZLまたはYZL配位子の形式電荷を示し、様々な実施形態では、0、−1、−2または−3である。多くの実施形態では、mは−2である。Lは15または16族の元素、例えば、窒素であり、Lは15または16族の元素、または、炭素、シリコン、もしくはゲルマニウム等の14族含有基である。Yは15族の元素、例えば、窒素またはリンである。多くの実施形態では、Yは窒素である。Zは15族の元素、例えば、窒素またはリンである。多くの実施形態ではZは窒素である。R
1及びR
2は独立して、C
1〜C
20炭化水素基、最大20の炭素原子を有するヘテロ原子含有基、シリコン、ゲルマニウム、スズ、鉛、またはリンである。多くの実施形態では、R
1及びR
2は、例えば、直鎖、分岐、または環式C
2〜C
20アルキル基、またはC
2〜C
6炭化水素基等の、C
2〜C
20アルキル、アリール、またはアラルキル基である。R
1及びR
2は互いに相互結合する。R
3は存在しない、または炭化水素基、水素、ハロゲン、ヘテロ原子含有基であり得る。多くの実施形態では、R
3は存在しない、または、水素、もしくは1〜20の炭素原子を有する直鎖、循環性または分岐アルキル基である。R
4及びR
5は独立して、アルキル基、アリール基、置換アリール基、環式アルキル基、環式置換アルキル基、環式アラルキル基、環式置換アラルキル基、または、最大20の炭素原子を有することが多い複数の環系である。多くの実施形態では、R
4及びR
5は、3〜10の炭素原子を有する、C
1〜C
20炭化水素原子、C
1〜C
20アリール基、またC
1〜C
20アラルキル基、もしくはヘテロ原子含有基である。R
4及びR
5は互いに相互結合し得る。R
6及びR
7は独立して存在しない水素、アルキル基、ハロゲン、ヘテロ原子、または、例えば、1〜20の炭素原子を有する、直鎖、循環性、または分岐アルキル基等のヒドロカルビル基である。多くの実施形態では、R
6及びR
7は存在しない。R
*は存在しない可能性がある、または、水素、14族の原子含有基、ハロゲン、または、ヘテロ原子含有基であり得る。
【0040】
YZLまたはYZL’配位子の「形式電荷」により、全配位子の電荷によって、金属及び脱離基のXが存在しないことを意味する。「R
1及びR
2もまた相互結合し得る」ことにより、R
1及びR
2が互いに直接結合し得る、または、他の基を介して互いに結合し得ることを意味する。「R
4及びR
5もまた相互結合し得る」ことにより、R
4及びR
5が互いに直接結合し得る、または、他の基を介して互いに結合し得ることを意味する。アルキル基は、直鎖、分岐アルキルラジカル、アルケニルラジカル、アルキニルラジカル、シクロアルキルラジカル、アリールラジカル、アシルラジカル、アロイルラジカル、アルコキシラジカル、アリールオキシラジカル、アルキルチオラジカル、ジアルキルアミノラジカル、アルコキシカルボニルラジカル、アリールオキシカルボニルラジカル、カルボモイルラジカル、アルキル−またはジアルキル−カルボモイルラジカル、アシルオキシラジカル、アシルアミノラジカル、アロイルアミノラジカル、直鎖、分岐または環式アルキレンラジカル、またはそれらの組み合わせであってよい。アラルキル基は、置換アリール基であると定義される。
【0041】
1つ以上の実施形態では、R
4及びR
5は独立して、以下の式(VIII)に示す基である。
【化3】
R
4及びR
5が式VIIに示す通りである場合、R
8〜R
12は独立して、水素、C
1〜C
40アルキル基、ハロゲン化合物、ヘテロ原子、最大40の炭素原子を含むヘテロ原子含有基である。多くの実施形態では、R
8〜R
12は、例えば、メチル、エチル、プロピル、またはブチル基等のC
1〜C
20直鎖または分岐アルキル基である。任意の2つのR群は、環式基及び/または複素環式基を形成することができる。この環式基は芳香族であり得る。一実施形態では、R
9、R
10及びR
12は独立して、メチル、エチル、プロピル、またはブチル基(全異性体を含む)である。別の実施形態では、R
9、R
10及びR
12は、メチル基であり、R
8及びR
11は水素である。
【0042】
1つ以上の実施形態ではR
4及びR
5はいずれも、以下の式(IX)によって示される基である。
【化4】
R
4及びR
5が以下の式IXに示す通りである場合、Mは、例えば、ジルコニウム、チタニウム、またはハフニウム等の4族の金属である。多くの実施形態では、Mはジルコニウムである。L、Y、及びZのそれぞれは窒素であり得る。R
1及びR
2は、−CH
2−CH
2−であり得る。R
3は水素であり得、R
6及R
7は存在しない可能性がある。
【0043】
以下の式(X)を用いて、15族の金属含有触媒化合物を示すことができる。
【化5】
式Xで、Prはフェニルを示す。15典型族含有金属化合物及びその調製は、米国特許第5,318,935号、同第5,889,128号、同第6,333,389号、同第6,271,325号、及び同第6,689,847号、特許公開第WO 99/01460号、同第WO 98/46651号、同第WO 2009/064404号、同第WO 2009/064452号、及び同第WO 2009/064482号、ならびに欧州特許第0 893 454号及び欧州特許第0 894 005号で議論及び記載され得る。
【0044】
担体
本明細書中で使用されるように、担体という用語は、タルク、無機酸化物、及び無機塩化物等の多孔性担体物質を示す。触媒原料使用される触媒化合物は、活性剤とともに同じ担体上に担持され得る、または活性剤を非担持形態で使用することができる、あるいは活性剤を単一サイトの触媒化合物、またはそれらの組み合わせとは異なる担体に堆積させることができる。これを当該業界で一般的に使用される任意の技術によって実現することができる。当該業界には、単一サイトの触媒化合物を担持するための他の様々な方法が存在する。例えば、単一サイトの触媒化合物は、例えば、米国特許第5,473,202号及び同第5,770,755号に記載のポリマー結合配位子を含むことができる。単一サイトの触媒化合物は、例えば、米国特許第5,648,310号に記載のように、噴霧乾燥体であってよい。単一サイトの触媒化合物と使用する担体は、欧州特許第0 802 203号に記載されるように、官能性であってよい、または米国特許第5,688,880号に記載のように、少なくとも1つの置換基または脱離基が選択される。
【0045】
担体は、例えば、2、3、4、5、13、または14族の元素の1つ以上の無機酸化物である、またはそれらの1つ以上を含むことができる。無機酸化物は、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ボリア、酸化亜鉛、マグネシア、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。無機酸化物の例示的な組み合わせは、アルミナ−シリカ、シリカ−チタニア、アルミナ−シリカ−チタニア、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタニア等を含むことができるが、それらに限定されない。担体は、アルミナ、シリカ、またはそれらの組み合わせであってよい、またはそれらを含むことができる。本明細書中に記載される一実施形態では、担体はシリカである。
【0046】
一般的に使用される担体である、ES757に加え、商業的に入手可能で好適なシリカ担体は、PQ Corporation から入手可能なES70及びES70Wと、Grace Chemical Co.のthe Grace−Davison部門から入手可能なDavison955及びDavison2408と、を含むことができるが、それらに限定されない。商業的に入手可能で好適なシリカ−アルミナ担体は、SASOL(登録商標)から入手可能な、SIRAL(登録商標)20と、SIRAL(登録商標)28Mと、SIRAL(登録商標)30と、及びSIRAL(登録商標)40と、を含むことができるが、それらに限定されない。一般に、例えば、メチルアルミノキサン(MAOs)等の活性剤を含んだシリカゲルを含む触媒担体が記載されたトリム系で使用されるのは、これらの担体が共担持溶液担持触媒に対してよりよく機能するためである。本明細書中に記載の実施形態では、担体はES70である。
【0047】
好適な触媒担体は、Hlatky,Chem.Rev.(2000)、100,13471376、及びFinketal.,Chem.Rev.(2000),100,1377 1390、米国特許第4,701,432号、同第4,808,561号、同第4,912,075号、同第4,925,821号、同第4,937,217号、同第5,008,228号、同第5,238,892号、同第5,240,894号、同第5,332,706号、同第5,346,925号、同第5,422,325号、同第5,466,649号、同第5,466,766号、同第5,468,702号、同第5,529,965号、同第5,554,704号、同第5,629,253号、同第5,639,835号、同第5,625,015号、同第5,643,847号、同第5,665,665号、同第5,698,487号、同第5,714,424号、同第5,723,400号、同第5,723,402号、同第5,731,261号、同第5,759,940号、同第5,767,032号、及び同第5,770,664号、ならびに特許公開第WO95/32995号、同第WO95/14044号、同第WO96/06187号、及び同第WO97/02297号で考察及び記載される。
【0048】
活性剤
本明細書中で使用されるように、用語「活性剤」は、単一サイトの触媒化合物または成分を、例えば、触媒成分のカチオン種を生成することすることによって活性化することができる、担持されたまたは非担持の任意の化合物または化合物の組み合わせを示す。例えば、これには、少なくとも1つの脱離基(本明細書中に記載の単一サイトの触媒化合物の「X」族)の、単一サイトの触媒化合物/成分の金属中心からの引き抜きが含まれ得る。また、活性剤は、「共触媒」として示され得る。
【0049】
例えば、活性剤は、ルイス酸、または非配位性のイオン性活性剤、あるいはイオン化活性剤と、もしくは、ルイス塩基と、アルミニウムと、アルキル及び/または従来のタイプの共触媒と、を含む他の化合物と、を含むことができる。メチルアルミノキサン(「MAO」)及び変性メチルアルミノキサン(「MMAO」)に加え、例示的な活性剤は、アルミノキサンまたは変性されたアルミノキサン、及び/または、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリスペルフルオロフェニルボロン半金属前駆体、トリスペルフルオロナフチルボロン半金属前駆体等の中性またはイオン性のイオン化化合物、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。
【0050】
アルミノキサンを、−Al(R)−O−サブユニットを含むオリゴマーアルミニウム化合物として記載することができ、式中、Rはアルキル基である。アルミノキサンの実施例は、メチルアルミノキサン(「MAO」)、変性メチルアルミノキサン(「MMAO」)、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。各トリアルキルアルミニウム化合物を加水分解することによって、アルミノキサンを生成することができる。トリメチルアルミニウム、及び、トリイソブチルアルミニウム等のより高いアルキルアルミニウムを加水分解することによって、MMAOを生成することができる。MMAOは一般に、脂肪族溶剤においてより可溶性であり、保管中はより安定している。アルミノキサン及び変性アルミノキサンを調製する様々な方法が存在し、非限定実施例は、米国特許第4,665,208号、同第4,952,540号、同第5,091,352号、同第5,206,19号9、同第5,204,419号、同第4,874,734号、同第4,924,018号、同第4,908,463号、同第4,968,827号、同第5,308,815号、同第5,329,032号、同第5,248,801号、同第5,235,081号、同第5,157,137号、同第5,103,031号、同第5,391,793号、同第5,391,529号、同第5,693,838号、同第5,731,253号、同第5,731,451号、同第5,744,656号、同第5,847,177号、同第5,854,166号、同第5,856,256号、及び同第5,939,346号、ならびに欧州特許第0 561 476号、欧州特許第0 279 586号、欧州特許第0 594−218号、及び欧州特許第0 586 665号、かつ特許公開第WO 94/10180号及び同第WO 99/15534号で考察及び記載される通りである。
【0051】
1つ以上の実施形態では、視覚的に明瞭なMAOを使用することができる。例えば、混濁したまたはゲル状のアルミノキサンを濾過して、明瞭なアルミノキサンを生成することができる、または、明瞭なアルミノキサンを混濁したアルミノキサン溶液からデカントすることができる。別の実施形態では、混濁した及び/またはゲル状のアルミノキサンを使用することができる。別のアルミノキサンは、変性されたメチルアルミノキサン(「MMAO」)タイプ3A(米国特許第5,041,584号で考察及び記載された、Modified Methylaluminoxane type 3Aという商標名の、Akzo Chemicals,Inc.から商業的に入手可能な)を含むことができる。MAOの好適な原料は、例えば、約1重量%〜約50重量%のMAOを有する溶液であってよい。商業的に入手可能なMAO溶液は、Baton Rouge,La.のAlbemarle Corporationから入手可能な、10重量%及び30重量%のMAO溶液を含むことができる。
【0052】
上述のように、例えば、アルミノキサンと合わせて、1つ以上のアルキルアルミニウム化合物等の1つ以上の有機アルミニウム化合物を使用することができる。例えば、使用可能なアルミノキサンアルミニウム種は、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウム塩化物、及び/またはブチルアルミニウム水素化物である。トリアルキルアルミニウム化合物の実施例は、トリメチルアルミニウム、triエチルアルミニウム(「TEAL」)、トリイソブチルアルミニウム(「TiBAl」)、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、等を含むが、それらに限定されない。
【0053】
連続添加剤/静電制御剤
本明細書中に開示された気相ポリエチレン生成プロセスでは、1つ以上の静電制御剤を付加的に使用し、反応器内の静水位を調節することが望ましい。本明細書中で使用されるように、静電制御剤は、流動反応器内に流入された際に、流動床で静電荷(負に、正に、)に影響を及ぼし得る、または、または0まで)それを駆動し得る化学成分である。使用される特定の静電制御剤は、正電荷の特質によって決定し得、生成されるポリマー及び使用される単一サイトの触媒化合物によって、選択される静電制御剤が異なり得る。例えば、静電制御剤の使用は欧州特許第0229368号、及び米国特許第4,803,251号、同第4,555,370号、及び同第5,283,278号、ならびにそれらで引用される参照に開示されている。
【0054】
アルミニウムステアレート等の制御剤を採用することができる。使用される静電制御剤は、生産性に悪影響を及ぼすことなく、流動床で静電荷を受容するその能力のために選択され得る。また、他の好適な静電制御剤は、アルミニウムジステアレート、エトキシル化アミン、及び、例えば、OCTASTATという商標名でInnospec Inc.によって提供される帯電防止組成物、を含むことができる。例えば、OCTASTATは、ポリスルホンコポリマー、高分子ポリアミン、及び油溶性のスルホン酸の混合物である。
【0055】
上述の制御剤のいずれか、ならびに、例えば、特許公開第WO 01/44322号に記載に記載される、Carboxylate Metal Saltの項目化に列挙され、それらの化学薬品及び組成物を含み、帯電防止剤として列挙されるものを、単体でまたは組み合わせて、制御剤として採用することができる。例えば、カルボン酸塩金属塩を、制御剤を含むアミンと組み合わせることができる(例えば、カルボン酸塩金属塩を、KEMAMINE(登録商標)(Crompton Corporationから入手可能)またはATMER(登録商標)(ICI Americas Inc.から入手可能)製品群に属する任意のファミリーメンバーと組み合わせることができる)。
【0056】
実施形態で役立つ、本明細書中で開示されたエチレンイミン添加剤を含む他の有用な連続添加剤は、以下の一般式を有するポリエチレンイミンを含んでもよい:
-(CH
2-CH
2-NH)
n-
式中、nは約10〜約10,000であってよい。ポリエチレンイミンは、直鎖、分岐、または超分岐(例えば、樹状または樹枝状ポリマー構造を形成する)であってよい。それらは、エチレンイミンのホモポリマーまたはコポリマー、もしくはそれらの混合(以下、ポリエチレンイミンと称される)であってよい。化学式−−[CH
2−CH
2−NH]-によって示される直鎖ポリマーを、ポリエチレンイミンとして使用することができ、また、第1、第2、及び第3分岐を使用することもできる。
【0057】
商業用ポリエチレンイミンは、エチレンイミンポリマーの分岐を有する化合物であってよい。好適なポリエチレンイミンは、Lupasolという商標名で、BASF Corporationから商業的に入手可能である。これらの化合物を、広範な分子量成分及び生成活性として調製することができる。BASFによって販売され、本発明での使用に好適な商業用ポリエチレンイミンの実施例は、Lupasol及びLupasol WFを含むが、それらに限定されない。別の有用な添加剤は、アルミニウムジステアレート及びエトキシル化アミンタイプの化合物、例えば、Huntsman(元Ciba Specialty Chemicals)から入手可能なIRGASTAT AS−990の混合物を含むことができる。アルミニウムジステアレート及びエトキシル化アミンタイプの化合物の混合物を、鉱油、例えば、Hydrobrite 380でスラリーすることができる。例えば、アルミニウムジステアレート及びエトキシル化アミンタイプの化合物の混合物を鉱油でスラリーされ、約5重量%〜約50重量%、または約10重量%〜約40重量%、もしくは約15重量%〜約30重量%まで変動する総スラリー濃度を有することができる。他の有用な静電制御剤及び添加剤は、米国特許出願公開第2008/0045663号で開示される。
【0058】
エチレン流量またはポリマー生成率に基づいて、連続添加剤または静電制御剤を、0.05〜200ppmで変動する量で、反応器に付加することができる。いくつかの実施形態では、連続添加剤を、2〜100ppmで変動する量で、または4〜50ppmで変動する量で、付加することができる。
【0059】
重合プロセス
本明細書中に記載される触媒系を使用して1つ以上のオレフィンを重合させ、それらから1つ以上のポリマー生成物を生成することができる。気相、スラリー、高圧力、及び/または、溶液重合プロセスを含むがそれらに限定されない、任意の好適な重合プロセスを使用することができる。様々な実施形態では、流動床反応器を利用し、ポリオレフィンポリマーを気相重合プロセスで生成する。
【0060】
流動床反応器は反応域及び減速域を含むことができる。減速域は、成長するポリマー粒子と、形成されたポリマー粒子と、反応域中の熱を排除するために、気体モノマーの連続流及び希釈剤によって流動化された少量の触媒粒子と、を含む、床を含むことができる。乾燥触媒供給装置またはスラリー触媒供給装置を使用して、触媒を反応域に供給することができる。
【0061】
選択的に、還流気体の一部を冷却及び圧縮して液体を形成し、その液体によって、循環気流が反応域に採収容された際にその熱排除能力を向上させることができる。気流の好適な割合を実験によって容易に決定することができる。気体モノマーの生成対気流は、粒子ポリマー生成物及びそれに関連するモノマーを反応器から抽出した割合に等しい割合であり、反応器を通過する気体組成物を調整して、本質的に定常状態の気体組成物を反応域内に維持することができる。反応域を離れた気体を減速域に送ることができ、そこで同伴粒子を、例えば、減速させ、反応域まで後退させることによって、除去する。所望の場合、より微細な同伴粒子及び粉塵を、サイクロン及び/または微粒子フィルター等の分離系で除去することができる。気体は熱交換器を通過することができ、そこで、重合の熱の少なくとも一部を除去することができる。次いで、気体を圧縮器で圧縮し、反応域まで戻すことができる。付加的な反応器の詳細及び反応器を動作させる手段は、例えば、米国特許第3,709,853、4,003,712、4,011,382、4,302,566、4,543,399、4,882,400、5,352,749及び5,541,270号、ならびに、欧州特許第0802202号、かつベルギー特許第839,380号に記載されている。
【0062】
用語「ポリエチレン」及び「ポリエチレンコポリマー」は、少なくとも50重量%のエチレン由来のユニットを有するポリマーを示す。様々な実施形態では、ポリエチレンは少なくとも70重量%のエチレン由来のユニット、少なくとも80重量%のエチレン由来のユニット、少なくとも90重量%のエチレン由来のユニット、少なくとも95重量%のエチレン由来のユニット、または少なくとも100%のエチレン由来のユニットを有することができる。したがって、ポリエチレンは、1つ以上の他の単量体単位を有するターポリマーを含むホモポリマーまたはコポリマーであってよい。本明細書中に記載するように、ポリエチレンは、例えば、少なくとも1つ以上の他のオレフィンまたはコモノマーを含むことができる。好適なコモノマーは、3〜16の炭素原子、3〜12の炭素原子、4〜10の炭素原子、及び4〜8の炭素原子を含むことができる。コモノマーの実施例は、プロピレンと、1−ブテンと、1−ペンテンと、1−ヘキセンと、1−ヘプテンと、1−オクテンと、4−メチルペンタ−1−エンと、1−デセンと、1−ドデセンと、1−ヘキサデセン等と、を含むが、それらに限定されない。
【0063】
流動床プロセスの反応器の温度は、約30℃、約40℃、約50℃、約90℃、約100℃、または約110℃を超え得る。一般に、反応器の能力を維持するために、反応器内のポリマー生成物の焼結温度を考慮し、反応器の温度は実現可能な最高温度で動作する。したがって、一実施形態での温度上限は、反応器内で生成されたポリエチレンコポリマーの溶融温度である。しかしながら、より高い温度によって、より低いメルトフロー比(MFR)によって反映されたMWD及び組成分布の範囲が限定されてしまう。反応温度を低くすることで、これを改善することができるが、これは反応器の全生成量を低下させる。例示的な触媒系の組成分布の制御について詳述するさらなる情報を、米国特許第8,084,560号で確認することができる。
【0064】
気相反応器は、1時間あたり約10kg((25lbs/時間)〜約90,900kg(200,000lbs/時間)、またはそれ以上のポリマー生成することができる、あるいは、1時間あたり約455kg(1,000lbs/時間)を超える、1時間あたり約4,540kg(10,000lbs/時間)を超える、1時間あたり約11,300kg(25,000lbs/時間)を超える、1時間あたり約15,900kgを超える(35,000lbs/時間)、1時間あたり約22,700kg(50,000lbs/時間)を超えるポリマーを生成することができる、もしくは、1時間あたり約29,000kg(65,000lbs/時間)〜約45,500(100,000lbs/時間)のポリマーを生成することができる。
【0065】
また、上述のように、スラリー重合プロセスを実施形態で使用することができる。スラリー重合プロセスは一般に、約101kPa(1気圧)〜約5,070kPa(50気圧)の範囲のまたはそれ以上の圧力と、約0℃〜約120℃の範囲の温度、より詳細には、約30℃〜約100℃温度と、を使用する。スラリー重合において、固体懸濁液、微粒子ポリマーを、液体重合希釈溶媒内で形成することができ、この溶媒に、エチレン、コモノマー、及び水素を触媒とともに付加することができる。希釈剤を含む懸濁液を、断続的または連続的に、反応器から排除することができ、反応器では、揮発性成分がポリマーから分離され、任意に蒸留後、反応器に再循環する。重合溶媒で使用される液体希釈剤は、3〜7の炭素原子、を含むアルカン、例えば、分岐アルカン等であってよい。使用される溶媒は、重合及び比較的不活性であるという条件の下で、液体でなければならない。プロパン溶媒を使用する場合、反応稀釈剤の臨界温度及び臨界圧力を超えて、プロセスを動作させなければならない。一実施形態では、ヘキサン、イソペンタン、またはイソブタン溶媒を使用することができる。スラリーを連続ループ系内で循環させることができる。
【0066】
オレフィン重合で水素ガスを使用して、例えば、「Polypropylene Handbook」(Hanser Publishers、1996)の76〜78頁の記載されるようなポリオレフィンの最終特性を制御することができる。水素の濃度(分圧)を上昇させる特定の触媒系を使用することによって、発生するポリエチレンコポリマーのフローインデックス(FI)を上昇させることができる。したがって、フローインデックスは、水素濃度の影響を受け得る。重合での水素の量を、全重合性モノマー、例えば、エチレンまたはエチレン混合、及びヘキセンまたはプロピレンに対するモル比として示すことができる。
【0067】
重合プロセスで使用する水素の量を調整して、最終ポリオレフィン樹脂の望ましいメルトインデックスを実現することができる。例えば、水素対全モノマー(H
2:モノマー)のモル比は、約0.0001、約0.0005、または約0.001を超え得る。さらに、水素対全モノマー(H
2:モノマー)のモル比は、約10未満、約5未満、約3未満、及び約0.10未満であり得る。水素対モノマーのモル比の望ましい範囲は、本明細書中に記載のモル比の任意の上限とモル比の任意の下限との任意の組み合わせを含むことができる。言い換えると、いかなる場合でも、反応器内の水素の量は、最大約5,000ppmまで、別の実施形態では最大約4,000ppmまで、最大約3,000ppmまで、または約50ppm〜5,000ppmで、あるいは他の実施形態では約50ppm〜2,000ppmで変動し得る。反応器内の水素の量は、最低約1ppmから、約50ppmwから、または約100ppmから、最高約400ppmまで、約800ppmまで、約1,000ppmまで、約1,500ppmまで、または約2,000ppmまで変動し得る。さらに、水素対全モノマー(H
2:モノマー)比は、約0.00001:1〜約2:1、約0.005:1〜約1.5:1、または約0.0001:1〜約1:1であり得る。気相プロセス(単一のステージまたは2つ以上のステージのいずれか)における1つ以上の反応器圧力は、690kPa(100psig)〜3,448kPa(500psig)、1,379kPa(200psig)〜2,759kPa(400psig)の範囲で、または1,724kPa(250psig)〜2,414kPa(350psig)の範囲で変動し得る。
【0068】
メルトフロー比(MFR)、メルトインデックス、密度、触媒によって生成されたポリマーの相対量、及び生成されたポリマーの他の特性を、プロセスパラメータを操作して変更することができる。重合系における水素またはコモノマー濃度を含む任意の数のプロセスパラメータを、調整することができる。反応器内の反応物質の濃度により、プロセスから取り出されたまたは除去された液体または気体の量を調整することで、これら反応物質の反応器への流量を調整することができ、これによって、重合プロセスに戻された回収液体及び/または回収気体の量及び/または組成物を変更するが、この場合、回収液体または回収気体は、重合プロセスから排出されたポリマーから回収可能である。さらに、調整可能なプロセスパラメータは、重合温度を変更すること、重合プロセスでのエチレン分圧を変更すること、重合プロセスでのエチレン対コモノマー比を変更すること、活性化配列における活性剤対遷移金属比を変更することを含む。
【0069】
一実施形態では、ポリマーの生成物特性をオフライン及び/インラインで測定され、それに応じて、水素またはコモノマー対モノマー比が変更される。測定される生成物特性には、ポリマー生成物のフローインデックス、メルトインデックス、密度、MWD、コモノマー含有量、組成分布、及びそれらの組み合わせを含むことができる。別の実施形態では、水素またはコモノマー対モノマー比が変更されたとき、触媒組成物の反応器または他のプロセスパラメータへの導入率は、望ましい生成率を維持するために変更される。
【0070】
生成ポリエチレンは、約5〜約300、または約10〜約150未満、あるいは多くの実施形態では約15〜約50で変更するメルトフロー比(MFRまたはI
21/I
2)を有することができる。フローインデックス(STM D1238(190℃、21.6kg)に従って、FI、HLMI、またはI
21を測定することができる)。STM D1238(190℃で2.16kg重量)に従って、メルトインデックス(MI、I
2)を測定することができる。
【0071】
ASTM D−792に従って、密度を決定することができる。密度は、別途示されない限り、グラム毎立方センチメートル(g/cm
3)で示される。ポリエチレンは、最低約0.89g/cm
3、約0.90g/cm
3、または約0.91g/cm
3〜最高約0.95g/cm
3、約0.96g/cm
3、または約0.97g/cm
3で変動する密度を有することができる。
【0072】
安定かさ密度(SBD)は、単位体積あたりの材料の重量であり、ポンド立方フィートで示されることが多い。SBDは、適量の樹脂を注入して、400立方センチメートルのシリンダをあふれさせることによって、計算される。シリンダ上部の余分な樹脂は、直線端を取ってシリンダの上部を横切らせて滑らせることによって、直ちに除去される。満杯状態のシリンダの重量を量り、樹脂の重量がグラムで計算される。樹脂の重量は、シリンダの重量で除算され、SBDの結果は、ポンド立方フィート(樹脂)に変換される。
【0073】
流動化かさ密度は(FBD)は、所定の空塔速度における流動床の所定の単位面積あたりの固体重量として定義される。通常、所定の空塔速度において、樹脂で占有された床の体積で除算された樹脂の総量を決定することによって、FBD値を得る。これはEqn.1内の式を使用して行うことができる:
FBD=(ΔP*S)/(S1*H) 式1
Eqn.1で、ΔPは、下部と中間タップとの間の圧力降下(lbs/in
2)を示し、Sは反応器のD断面積(in
2)を示し、S1は反応器の断面積(ft
2)を示し、Hは、下部と中間タップとの間の距離(ft)を示し、この方程式によって計算されたFBD値は、反応器の圧力、温度、及び気体密度に基づいて実測値に修正される。
【0074】
ポリエチレンは、約0.25g/cm
3〜約0.5g/cm
3の安定かさ密度(SBD)を有することができる。例えば、ポリエチレンの安定かさ密度は、最低約0.30g/cm
3、約0.32g/cm
3、または約0.33g/cm
3〜最高約0.40g/cm
3、約0.44g/cm
3、または約0.48g/cm
3で変動し得る。ポリエチレンは、約0.25g/cm
3〜約0.5g/cm
3の流動化かさ密度(FBD)を有することができる。例えば、その流動化かさ密度は、最低約0.25g/cm
3、約0.27g/cm
3、または約0.29g/cm
3〜最高約0.34g/cm
3、約0.36g/cm
3、または約0.38g/cm
3で変動し得る。
【0075】
ポリエチレンは、少なくとも約0.570、少なくとも約0.571、少なくとも約0.572、少なくとも約0.573、または少なくとも約0.574の平均流動化かさ密度対安定かさ密度比(FBD/SBD)を有することができる。例えば、FBD/SBDは、最低約0.570、0.571、0.572、0.573、または0.574〜最高約0.577、0.578、0.579、0.580、0.581、または0.582で変動し得る。
【0076】
ポリエチレンは、例えば、フィルム、繊維、不織及び/または織布、押出成形品及び/または成形品等の品物に好適であり得る。膜の実施例は、共押出または、食品接触及び食品非接触用途、農業用フィルム及びシートにおいて、収縮性フィルムと、食品包装用フィルム(cling film)と、延伸フィルムと、シール性フィルムと、配向フィルムと、スナック包装と、頑丈なバッグと、買い物袋と、焼いた食品の及び冷凍した食品の包装と、医薬品包装と、産業用ライナーと、薄膜等として役立つ積層によって形成されたインフレーションフィルム(blown film)またはキャストフィルムと、を含む。繊維の実施例は、溶解紡糸と、フィルターを作製するための織形態または不織形態で使用する溶液紡糸及びメルトブローファイバー作業と、おむつ布と、生理用品と、医療用衣服と、ジオテキスタイル等と、を含む。押出成形品の実施例は、チューブと、医療用チューブと、ワイヤと、ケーブルコーティングと、パイプと、ジオメンブレンと、池の中敷きと、を含む。成形品の実施例は、ボトル形態における単一及び多層構造と、タンクと、大型中空部材と、硬質の食品容器と、玩具等と、を含む。
【実施例】
【0077】
前述の考察をよりよく理解するために、以下の非限定実施例を提供する。全ての樹脂、比率、割合は、別途示されない限り、重量によるものである。
【0078】
触媒用の代替のシリカ担体を評価するため、パイロットプラントキャンペーンが行われた。キャンペーンは、ハフニウムベースの触媒、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル(HfP)を使用し、より大きなポリマー粒径をもたらす担体は実現可能であるか否かを判定するに至った。HfPは、活性剤MAOとともに、シリカ粒子に共担持する。本明細書中に記載のいくつかの実施形態では、機能窓をより広範にするために、より大きな粒径を使用して、流動化かさ密度対安定かさ密度比を上昇させ、それによって、流動床反応器における流動化の質を確実に向上させ、ラブルの形成を減少させる。
【0079】
現在、商業用シリカ等級、ES757が、商業用HfPシリカ触媒担体として使用されている。ES757は、Malvern,PAのPQ Corporationから入手可能である。ES757シリカ上で触媒を用いて作製されたポリマーは、約0.023インチ(約584.2μm)の平均粒径(APS)を有する。しかしながら、以前の研究では、より大きな触媒担体によって、触媒の生産性が低下することが示された。
【0080】
研究は、標準ES757シリカを含む各4つの異なるシリカ担体上に担持される触媒を評価した。全担体は商業的に入手可能である。検査された複数のシリカ担体は、PQ Corporationから入手可能なES70、及びW.R.Grace & Co.から入手可能なDavison 955ならびにDavison 2408であった。これらの複数のシリカ担体のそれぞれはパイロット規模で脱水され、触媒がパイロット規模で調製された。標準ES757における触媒の3つの変化は研究に含まれた。触媒参照#2652は、商業的に脱水されたES757シリカ上で商業的に調製された触媒であった。触媒A及びBは、商業的に脱水されたES757シリカ上においてパイロット規模で調製された触媒であった。触媒Hは、商業的に脱水されたES757シリカ上においてパイロット規模で調製された触媒であった。各担持触媒を用いて評価するために、2つの異なる等級の樹脂が生成された。第1の等級である1270は、0.912の密度及び0.7MIを有し、第2の等級である1810は、0.918の密度及び1.0MIを有した。キャンペーンの結果、ES70シリカ上に担持される触媒が、ポリマーAPSを、約39%増大させて、約0.032インチまで増大させ、その上触媒の生産性には影響を与えずに、最良の結果をもたらしたことが示された。さらに、ES70シリカ上に担持されるポリマーは、最高流動化かさ密度対安定かさ密度比をもたらした。
【0081】
実験工程
パイロットプラントのためにES70シリカを用いてHfPを形成するための工程は混合タンクに及ぶ
EP70シリカ上でHfP触媒を形成するために使用される材料には、およそビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル(HfP)、875℃で脱水されたES70シリカ、及びトルエン中のメチルアルミノキサン(MAO)が10%である溶液が含まれた。Al:Hfモル比は、約80:1〜130:1であった。触媒組成物を調製するための方法は、例えば、米国特許第6,242,545号に開示されている。担持工程で使用される混合タンクは、動作前に、浄化され、乾燥され、圧力検査される。混合タンクは、二重らせん性のリボン翼を用いて撹拌される。
【0082】
混合タンクをおよそ室温で、例えば、約27℃〜30℃で浄化するために、MAOが充填された。反応器は低速で撹拌された。HfPは100mlのトルエンに溶解し、混合タンクに移動させられた。ボトルは50〜100mlの乾燥トルエンで洗浄され、洗浄は混合タンクに移行した。撹拌速度は130rpmまで上昇し、混合タンクは、約27℃〜30℃の室温で、30分間撹拌された。次いで、シリカが混合タンクに充填された。これによって生じたスラリーは、室温でさらに1時間混合された。次いで、乾燥工程が開始された。浴温を75℃まで上昇させることにより、及び圧力を完全真空に達するまで徐々に低減することにより、乾燥が実行された。自由液体の存在がなくなった時点で、撹拌速度を減速して、スラリーが羽根に伸びるのを防止した。材料が泥状態を過ぎると、撹拌速度は130rpmに上昇させた。
【0083】
固体キャリーオーバーが発生し始めたとき、真空は少なくとも60分間で約27インチHg(0.1atm)まで低下して、スパッタリング及びキャリーオーバーを低下させた。材料の温度が62℃まで上昇したとき、真空は低速ステップにおいて完全状態まで上昇して、強力な噴出を最小限に抑えた。それ以上の噴出が存在しなくなると、窒素スイープが開始されて、乾燥を継続した。材料は、2時間、材料温度が安定するまで乾燥され、3%未満の残留トルエン濃度をもたらした。触媒は冷却され、清浄な容器に排出され、最終触媒試料が取り出された。このバッチの予測収率は1045gであり、各触媒の実際の収率が表2に示される。
【0084】
触媒試料は以下の提出された:Al、Hf、Siの含有量を判定するためのICP分析、トルエン残渣のためのGC分析、粒径及び触媒生産性のためのMalvern。表1及び2に列挙される他の触媒を、単に異なるシリカ担体を代用しただけのきわめて類似する工程を用いて、発生させた。触媒試料の検査結果は表2に列挙される。
【0085】
以下の実施例に記載する重合反応は、内径0.35メートル及び床の高さが2.3メートルの連続パイロット規模気相流動床反応器内で実施された。流動床は、ポリマー顆粒で構成された。エチレン及び水素の気体供給流は、液体コモノマーとともに、反応器床下で、再循環ガスライン内に流入される。ヘキセンはコモノマーとして使用された。エチレン、水素、及びコモノマーの個別の流率は、固定された組成目標を維持するために、制御された。エチレンの濃度は、一定のエチレン分圧を維持するために、制御された。水素は、一定の水素対エチレンのモル比を維持するために、制御された。比較的一定な組成物を再循環気流内に確実にもたらすために、全気体の濃度は、オンラインのガスクロマトグラフによって測定された。
【0086】
乾燥触媒は、精製窒素をキャリアとして用いて、流動床内に直接注入された。その割合は、一定の生成率を維持するために、調整された。これらの実施例で使用される対照触媒は、Univation Technologieによって、XCAT
tm VP−100という商標名で、商業規模で生成されるHfPベースの触媒であった。成長するポリマー粒子の反応床は、反応域を通過する補給流及び再循環気体の連続流によって、流動状態で維持された。これを実現するために、毎秒0.6〜0.9メートルの空塔速度が用いられた。反応器は、2240kPaの総圧力で動作した。反応器は、望ましい生成物に応じて、一定の反応温度で動作した。
【0087】
連続添加剤であるUT−CA−300は、撹拌スラリー供給容器に充填された。UT−CA−300は、アルミニウムジステアレート及びエトキシル化アミンタイプの化合物の混合である。添加スラリーは、ポリマー生成率に基づき、床内で望ましい濃度を維持する割合で、反応器まで測定された。イソペンタン等の不活性炭化水素は、キャリア溶媒として使用された。
【0088】
流動床は、微粒子生成物を形成する割合と同じ割合で、床の一部を取り除くことによって、一定の高さで維持された。生成物形成の割合(ポリマー生成率)は、1時間あたり15〜25kgの範囲内であった。生成物は、定量室内への一連のバルブによって、半連続的に取り除かれた。この生成物は、同伴する炭化水素を取り除くために浄化され、微量の任意の残留触媒を非活性化するために加湿窒素の小流を用いて処理された。
【0089】
樹脂の生産の完了
表1は、生産中に調製された15の樹脂試料のリストを有する。対照触媒が含まれていない、ES757用に作製された3つの触媒バッチ、Davison 955用に作製された2つのバッチ、PQ ES70用に作製された2つのバッチであり、及びDavison 2408の1つのバッチが存在した。これらの全触媒バッチは、同じ触媒形成(HfPベース)を有するが、使用する担体のタイプのみが異なる。これらの触媒バッチの評価は、エチレン流量に基づいて、200psiaのエチレン分圧、およそ2時間の滞留時間、2〜3モル%のイソペンタンレベル、及び30ppmwの連続添加剤のレベルで実行された。
【表1】
【0090】
パイロットプラントの特性によって、このキャンペーン中に使用する触媒が生成され、担体の粒径分布が表2に示される。表2で使用するように、Malvernは、光学レーザー光散乱技術によって粒径を測定する、粒子測定装置である。Malvernの結果の下の各列の数字は、示される数未満の大きさの粒子の割合を示す、すなわち、D10列は10%の粒子がそこの値以下の大きさを有することを示し、一方、D90列は90%の粒子がそこの値以下の大きさを有することを示している。Span列の値は、計算された比率((D90)−(D10))/D50を示し、これによって分布幅が示される
【0091】
表3A及び3Bは、パイロットプラントの条件及びそれらの樹脂のそれぞれの結果を示す。2つの生成物等級1810及び1270は、生成物評価用の触媒のそれぞれのバッチのために作製された。これら2つの生成物等級は、ポリマー特性において異なる。1810等級の目標特性は、1MI、0.918の密度、及び28MFRであった。1270等級の目標特性は、0.7MI、0.912の密度、及び26MFRであった。H2/C2比、C6/C2比、及び反応器の温度を調整することによって、各等級の樹脂特性は実現された。1810等級の結果は表3Aに示され、1270等級の結果は表3Bに示される。
【表2】
【0092】
作製された樹脂の比較結果がグラフを用いて
図1〜12に示され、これによって、調製された各触媒の生産性、MFR応答、平均粒径、粒径分布、ヘキセン応答、及び水素応答が示される。
【0093】
図1は、金属濃度の誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析によって決定される複数の球状シリカ担体上の触媒生産性を示す棒グラフである。y軸102は、触媒1グラムにつき生成されるポリマーのグラムにおける触媒の生産性を示す。PQ ES757シリカ上に担持される様々な触媒が、参照番号104により示される。ES757担持触媒の生産性は、検査されたバッチ間での優れた併行精度を示す。実験室で調製されたES757バッチの平均生産性は、およそ7500kg/kgであった。
【0094】
Davison 2408シリカ上に担持される触媒の生産性は、参照番号106によって示される。2つのバッチ間の生産性は、5800kg/kgの平均生産性と一致した。Davison 2408の担持触媒は、標準よりおよそ22%少ない生産性を有した。
【0095】
Davison 955シリカ上に担持される触媒の生産性は、参照番号108によって示される。バッチ間の生産性の変動は30%であったが、これが懸念事項ではなかったのは、生成された955上に担持される触媒の最良の生産性が5400kg/kgであった際、これでもまだ標準の30%未満であったためである。
【0096】
PQ ES70シリカ上に担持される触媒の生産性は、参照番号110によって示される。バッチ間の生産性の変動は30%であった。しかしながら、ES70によって算出されたより高い生産性に基づいて、それは標準と同等の7600kg/kgであった。ES70の追加のバッチが作製され、より高い生産性が確認された。第2のパイロットプラントで検査された新規のバッチの結果、より高い生産性は正確な生産性であり、ES70シリカ上に担持される触媒は、標準ES757上に担持される触媒に実質的に等しい生産性をもたらすことが確認された。
【0097】
図2は、等級1270材料用の各触媒のメルトフロー応答(MFR)を示す棒グラフである。同様に番号を付された項目は、
図1に対して記載した通りである。MFRに到達させるために使用した図示の温度は、各棒内の別箇のデータ点として示される。y軸202に示されるMFRは、高荷重メルトインデックス(HLMI)対メルトインデックス(MI)の比率として、本明細書中に記載の工程を用いて、計算される。若干低いT、例えば、約1〜約1.5℃を必要とする、わずかな差異が存在し得るが、ES70担持触媒は、標準触媒と比較可能である。しかしながら、955及び2408担持触媒は、同等のMFRを発生させるために、反応器の温度において2.5〜4℃の低下を必要とする、より低いMFR応答を有する。
【0098】
図3は、等級1810材料用の各触媒のメルトフロー応答(MFR)を示す棒グラフである。同様に番号を付された項目は、
図1及び2に対して記載した通りである。MFRに到達させるために使用した図示の温度は、各棒内の別箇のデータ点として示される。この等級では、
図2に対して記載された等級1270材料と類似する結果が確認された。
【表3A】
【表3B】
【0099】
図4は、検査された触媒の平均粒径(APS)結果を示す棒グラフである。y軸402は粒径をインチで示す。同様に番号を付された項目は、
図1に対して記載した通りである。MFRに到達させるために使用した図示の温度は、各棒内の別箇のデータ点として示される。全ての新規実験的担持触媒が、粒径の増大をもたらした。APSにおいて、ES70ではおよそ30%増大し、次いで、2408では40%増大し、955では50%増大した。粒径の変化には、
図5及び6に対して記載したように、生成されたポリマーを篩過した後に、18メッシュ及び60メッシュのスクリーンに残留した材料の量が顕著に反映された。
【0100】
図5は、18メッシュ篩(約1mmの穴)上に残留する材料の量を示す棒グラフである。y軸502は、全材料の割合として残存する材料の量を示す。同様に番号を付された項目は、
図1に対して記載した通りである。
【0101】
図6は、60メッシュ篩(約0.25mmの穴)上に残留する材料の量を示す棒グラフである。同様に番号を付された項目は、
図1及び5に対して記載した通りである。ES−70、 Davison 955、及びDavison 2408触媒担体では、重量%は、60メッシュのスクリーン上でおよそ40〜50%減少し、18メッシュのスクリーン上では、標準PQ ES757上に担持される触媒のおよそ8〜12倍であった。10メッシュ(約1.7mmの穴)上、35メッシュ(約0.400mmの穴)上、及び微粒子スクリーン(<120メッシュ、<0.125mm)上に保持された量は、比較的変化しなかった。
【0102】
図7は、1270等級のヘキセン応答の棒グラフである。y軸702は、生成されたポリマーの密度を示す。同様に番号を付された項目は、
図1に対して記載した通りである。可読性のために100で乗算されたヘキセン対モノマー比は、各棒内で点として示される。データは、955シリカ上及び2408シリカ上に担持される触媒は、標準と同じ密度を発生させるために、より低いC6/C2比が必要であるということを示す傾向がある。PQ ES757上に担持される標準触媒とES70上に担持される触媒を比較することができる。
【0103】
図8は、1810等級のヘキセン応答の棒グラフである。同様に番号を付された項目は、
図1及び7に対して記載した通りである。可読性のために100で乗算されたヘキセン対モノマー比は、各棒内で点として示される。第1の2つの標準生産である、表3A内の項目1E及び3では、分析器を約15%減少させることを決定した。したがって、これら2つの樹脂のC6/C2比は、0.0131比に代わり、0.0150により近い。ES70及びPQ ES757上に担持される触媒のC6/C2比は、比較可能である。さらに、955及2408上に担持される触媒は、
図7に対して決定したように、標準と同じ密度を発生させるために、より低いC6/C2比を必要とする。
【0104】
図9は、1270等級の水素応答の棒グラフである。y軸902は、生成された樹脂のメルトインデックス(MI)を示す。同様に番号を付された項目は、
図1に対して記載した通りである。各生産で使用する水素対モノマー比は、その生産のために、棒内の点として示される。
【0105】
図10は、1810等級の水素応答の棒グラフである。同様に番号を付された項目は、
図1及び9に対して記載した通りである。各生産で使用する水素対モノマー比は、その生産のための棒内の点として示される。両等級からのデータによって、水素応答、すなわち、ES70シリカ及び標準757シリカに担持される触媒のための、メルトインデックスの応答対H2/C2比は等しいということが確認される。しかしながら、955シリカ及び2408シリカを用いて担持される触媒は、同じMIを発生させるために、それほど水素を必要としない。
【0106】
図11は、1270等級の流動化かさ密度対安定かさ密度比の棒グラフである。y軸1102は比率を示す。同様に番号を付された項目は、
図1に対して記載した通りである。
【0107】
図12は、1810等級の流動化かさ密度対安定かさ密度比の棒グラフである。y軸1102は比率を示す。同様に番号を付された項目は、
図1及び11に対して記載した通りである。このデータから、ES70シリカに担持される触媒では、両等級のFBD/SBD比が改善されていることが示された。このFBD/SBD比は、流動床反応器の性能に関連し、より高い比率によって、より優れた動作性をもたらされる。
【表4】
【0108】
パイロットプラント製造から取得したデータのさらなる分析によって、代替の担体のFBD/SBD比の差異が確認された。この結果は表4に示され、
図13にプロットされる。
【0109】
図13は、複数の球状シリカ担体上に担持される触媒を使用して作製されたポリマーの流動化かさ密度対安定かさ密度比応答の変動を示す棒グラフである。
図13で確認できるように、FBD/SBD応答は、PQ ES70シリカ上に担持される触媒では、測定可能な程度により高い。
【0110】
上述のデータに示すように、標準PQ ES757シリカ上に担持される触媒と比較して、PQ ES70シリカ上に担持される触媒では、生産性が同等であり、H2/C2及びC6/C2応答がもたらされ、APSが30%増大し、FBD/SBDが4%上昇した。さらに、ES70シリカ上に担持される触媒では、ES757に担持される触媒と比較可能なMFRを有するポリマーが、それに類似する反応器の温度で、作製された。
【0111】
比較すると、Davison 2408シリカ上に担持される触媒は、標準PQ ES757シリカ上に担持される触媒より約20%少ない生産性を有した。APSは約40%大きかったが、MFR応答は、2.5℃〜4℃低い反応器の温度を必要とした。この温度低下は、反応器からの全体の生成率に影響を及ぼし得る。さらに、C6/C2及びH2/C2応答は、同じ密度及びMI目標を実現するために、10〜15%低い比率を必要とした。
【0112】
Davison 955シリカ上に担持される触媒は、標準PQ ES757シリカ上に担持される触媒より30〜50%少ない生産性を有した。MFR応答は、同じ応答を実現するために2.5℃〜4℃低い反応器の温度を必要とするDavison 2408シリカと、同じ問題点を有した。APSは、少なくとも約0.0358インチで、約50%大きかった。さらに、Davison 2408シリカでは、同じ密度及びMI目標を実現するために、C6/C2及びH2/C2応答は10〜15%低い比率を必要とした。
【0113】
上述は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の他の及びさらなる実施形態を、その基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は以下に続く特許請求の範囲により決定される。
本出願に係る例示の発明として、以下のものが挙げられる。
[1] 担持重合触媒を作製するための方法であって、
ハウニウムを含む触媒化合物を形成することと、
前記触媒を活性剤と混合して触媒錯体を形成することと、
前記触媒錯体をシリカ担体と合わせて、担持触媒を形成することと、
前記担持触媒を乾燥させて、前記触媒錯体を前記シリカ担体に結合させることと、を含み、前記担持触媒が、約0.660mm(0.0260in)を超える平均粒径と、約7000gの樹脂/g(触媒)を超える平均生産性と、を有し、約20%の樹脂粒子が、約1mmより大きい粒径を有する樹脂粒径の分布を形成するポリマーを生成する、前記方法。
[2] 前記担持重合触媒が、重合が実質的に同じ反応器条件で行われたときに、他のシリカ担体上に担持される前記触媒化合物から形成された樹脂粒子の流動化かさ密度対安定かさ密度比(FBD/SBD)の平均より、少なくとも約4%高い、平均流動化かさ密度対安定かさ密度比(FBD/SBD)を有する樹脂粒子を形成する[1]に記載の前記方法。
[3] 実質的に同じ反応器条件において、前記担持触媒が、約25μmの平均粒径を有する触媒のメルトフロー比応答の3ユニット内であるメルトフロー比応答で、ポリマーを形成する、[1]に記載の前記方法。
[4] ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウム(CH3)2、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムF2、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムCl2、またはそれらの任意の組み合わせを含む触媒化合物を形成することを含む、[1]に記載の前記方法。
[5] 前記触媒をメチルアルミノキサン(MAO)活性剤と混合することを含む、[1]に記載の前記方法。
[6] 担持重合触媒を作製するための方法であって、
ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウム(CH3)2を含む触媒を形成することと、
前記触媒をメチルアルミノキサンと混合して、触媒錯体を形成することと、
前記触媒錯体をシリカ担体と合わせて、担持触媒を形成することと、
前記担持触媒を乾燥させて、前記触媒錯体を前記シリカ担体と結合させることと、を含み、前記担持触媒が、約0.762mm(0.03in)を超える平均粒径と、約7000gの樹脂/g(触媒)を超える平均生産性と、を有し、約20%が、約1mmより大きい粒径を有する樹脂粒子の分布を形成するポリマーを生成する、前記方法。
[7] 前記担持重合触媒が、少なくとも約0.570の平均流動化かさ密度対安定かさ密度比(FBD/SBD)を有する樹脂粒子を形成する、[6]に記載の前記方法。
[8] ポリマーを形成するための方法であって、
1gの触媒につき少なくとも約7000gのポリマーの生産性を有する担持ハフニウム触媒を形成することと、
前記担持触媒を流動床反応器内で少なくともエチレンと反応させて、樹脂粒子を形成することと、を含み、前記樹脂粒子が、
少なくとも約0.762mm(0.0300in)の平均ポリマー粒径と、
直径1mmを少なくとも約20%超える粒径分布と、
約0.570を超える流動化かさ密度対安定かさ密度比(FBD/SBD)と、を有する、前記方法。
[9] 実質的に同じ反応器条件において、前記担持触媒が、約25μmの平均粒径を有する触媒のメルトフロー比応答の3ユニット内であるメルトフロー比応答で、ポリマーを形成する、[8]に記載の前記方法。
[10] 前記担持触媒形成することが、
ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウム(CH3)2をメチルアルミノキサンと混合して、触媒錯体を形成することと、
前記触媒錯体をシリカ担体と合わせて、担持触媒を形成することと、
前記担持触媒を乾燥させて、前記触媒錯体を前記シリカ担体に結合させることと、を含む、[8]に記載の前記方法。
[11] コモノマーを前記流動床反応器に添加し、前記樹脂粒子の密度を制御することを含む、[8]に記載の前記方法。
[12] 前記担持触媒が、少なくとも約77℃の温度で、約0.7dg/分のMI、約0.912g/cm3の密度、及び約26のMFRを有するポリマーを、流動床反応器内で形成する、[8]に記載の前記方法。
[13] 前記担持触媒が、少なくとも約75℃の温度で、約1dg/分のMI、約0.918g/cm3の密度、及び約28のMFRを有するポリマーを、流動床反応器内で形成する、[8]に記載の前記方法。
[14] 水素を前記流動床反応器に添加し、前記樹脂粒子のメルトインデックスを制御することを含む、[8]に記載の前記方法。
[15] 流動床気相反応器内で前記担持触媒からポリマーを形成することを含む、[8]に記載の前記方法。
[16] スラリーループ反応器内で、前記担持触媒からポリマーを形成することを含む、[1]に記載の前記方法。
[17] 樹脂粒子のサンプルを測定し、初期生成物特性を得ることと、
前記初期生成物特性に少なくとも部分的に基づいて、プロセスパラメータを変更して、第2の生成物を得ることと、を含む、[8]に記載の前記方法。
[18] 試料を測定することが、プラスチック試料の物理的特性を判定することを含む、[17]に記載の前記方法。
[19] 試料を測定することが、フローインデックス、メルトインデックス、密度、分子量分布、コモノマー含有量、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを判定することを含む、[17]に記載の前記方法。
[20] 重合反応器内でコモノマー対エチレンの比率を調整して、ポリエチレンの組成分布、前記分子量分布、及び前記メルトインデックス(I2)のうちの少なくとも1つを制御することを含む、[17]に記載の前記方法。
[21] 重合反応器内で水素対エチレンの比率を調整して、ポリエチレンの組成分布、前記分子量分布、及び前記メルトインデックス(I2)のうちの少なくとも1つを制御することを含む、[17]に記載の前記方法。
[22] ポリエチレンコポリマーを形成するための重合触媒であって、
複数のシリカ粒子と、
前記複数のシリカ粒子上に担持されるメタロセン触媒と、
前記複数のシリカ粒子上に担持される活性剤と、を含み、
前記重合触媒が、前記粒子の約10%が約17〜約23マイクロメートル未満の粒径を有し、前記粒子の約50%が約40〜約45マイクロメートル未満の粒径を有し、前記粒子の約90%が約72〜約77マイクロメートル未満の粒径を有する粒径分布を有し、
前記重合触媒が、約77℃での約26のメルトフロー比応答と、
前記重合触媒が、約75℃での約28のメルトフロー比応答と、を有する、前記重合触媒。
[23] 前記活性剤がメチルアルミノキサンを含む、[22]に記載の前記触媒。
[24] 触媒担体に含浸した前記触媒が、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウム(CH3)2、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムF2、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムCl2、またはそれらの任意の組み合わせを含む、[22]に記載の前記触媒。
[25] 前記担体に含浸した触媒が、式
CpACpBMXn、または、CpA(A)CpBMXn、
を有し、
式中、Mは、第4、5、または6族の原子であり、CpA及びCpBはそれぞれMに結合し、シクロペンタジエニル配位子、置換シクロペンタジエニル配位子、シクロペンタジエニルへの配位子アイソローバル、及びシクロペンタジエニルへの置換配位子アイソローバルからなる群から独立して選択され、(A)は、CpA及びCpBのいずれにも結合し、二価のC1〜C20のヒドロカルビル、及び、ヒドロカルビルを含むC1〜C20のヘテロ原子からなる群から選択される二価の架橋基であり、ヒドロカルビルを含む前記ヘテロ原子は1〜3のヘテロ原子を含み、Xは、塩化物イオン、臭化物イオン、C1〜C10のアルキル及びC2〜C12のアルケニル、カルボン酸塩、アセチルアセトネート及びアルコキシドからなる群から選択される脱離基であり、nは1〜3の整数である、[22]に記載の前記触媒。
[26] 前記重合触媒が、約0.570を超える流動化かさ密度対安定かさ密度(FBD/SBD)の比率を有するポリマーを形成する、[22]に記載の前記触媒。
[27] ポリエチレンコポリマーを形成するための重合触媒であって、
複数のシリカ粒子と、
前記複数のシリカ粒子上に担持されるハフニウム触媒と、
前記複数のシリカ粒子上に担持される活性剤と、
を含み、約10%の前記粒子が約17〜約23マイクロメートル未満の粒径を有し、約50%の前記粒子が約40〜約45マイクロメートル未満の粒径を有し、約90%の前記粒子が約72〜約77マイクロメートル未満の粒径を有する粒径分布を有し、約0.570を超える流動化かさ密度対安定かさ密度(FBD/SBD)の比率を有するポリマー床を形成する、前記重合触媒。
[28] 前記重合触媒が少なくとも約77℃の温度で、0.7dg/分のMI、0.912g/cm3の密度、及び26のMFRを有するポリマーを流動床反応器内で形成するメルトフロー応答と、前記触媒が少なくとも約75℃の温度で、1dg/分のMI、0.918g/cm3の密度、及び28のMFRを有するポリマーを流動床反応器内で形成するメルトフロー応答と、を有する、[27]に記載の前記重合触媒。
[29] 前記触媒担体に含浸する前記触媒が、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウム(CH3)2、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムF2、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムCl2、またはそれらの任意の組み合わせである、[27]に記載の前記システム。