(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの前記近接センサが、一対の収束赤外エミッタセンサ素子、ソナーセンサ、超音波センサ、3次元点群ボリュームイメージングデバイス、及び接触センサのうちの少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の移動式ロボット。
前記第1のセンサ配列が、前記ロボットを支持する前記床面に対して前記バンパーフレーム上において前記第2のセンサ配列よりも上に垂直に配置される、請求項5に記載の移動式ロボット。
前記近接センサの配列の各々は、前記補助回路基板に接続された少なくとも1つのワイヤコレクタにおいて集められた少なくとも2つのワイヤを有する、請求項7に記載の移動式ロボット。
閉鎖リムに沿って嵌合し且つ前記近接センサの配列及び前記補助回路基板を内包するように前記閉鎖リムに沿ってシールされた2つ又はそれ以上の嵌合凹状受け部を含む統合容器を更に備え、この統合容器はアパーチャを形成し、前記通信ラインはシールされた配置にて前記アパーチャを通って延びる、請求項10に記載の移動式ロボット。
前記主回路基板は、前記ロボットの本体上に配置され、前記補助回路基板は、前記本体に移動可能に接続された前記バンパー上に配置される、請求項11に記載の移動式ロボット。
【発明の概要】
【0007】
本開示の1つの態様は、前方駆動方向を有するロボット本体と、床面の上にロボット本体を支持し、床面にわたってロボットを操縦するための駆動システムと、駆動システムと通信する主回路基板と、を含む移動式ロボットを提供する。ロボットはまた、ロボット本体の前方周囲と相補的な形状を定め、ロボット本体によって支持されるバンパーフレームを含む。バンパーフレーム上に配置された障害物センサシステムは、バンパーフレームによって支持される多重化補助回路基板を含む。補助回路基板は、コンピュータプロセッサとメモリとを含む。コンピュータプロセッサは、メモリ上に格納される命令を実行することができる。障害物センサシステムは、バンパーフレームに沿って分配された近接センサのアレイを含む。各近接センサは、補助回路基板に接続された少なくとも1つのワイヤコレクタにおいて集められる少なくとも2つのワイヤを有する。障害物センサシステムはまた、補助回路基板を主回路基板に接続し、近接センサのアレイを補助回路基板に接続するワイヤの半分未満の数のシリアル通信ラインを含む。
【0008】
本開示の実施構成は、以下の特徴の1又はそれ以上を含むことができる。一部の実施構成において、少なくとも1つの近接センサは、収束赤外線エミッタセンサ素子、ソナーセンサ、超音波センサ、3次元点群ボリュームイメージングデバイス、又は接触センサのペアを含む。一部の実施例において、各近接センサは、放射場を有する赤外線エミッタと、検出場を有する赤外線検出器と、を含む。赤外線エミッタ及び赤外線検出器は、放射場が検出場と重なり合うように配列される。
【0009】
一部の実施構成において、近接センサのアレイは、バンパーフレームの前方周囲に沿って均一に配置された壁近接センサのアレイを含む。各壁近接センサは、床面に平行に外向きに配向される。
【0010】
障害物センサシステムは、バンパーフレームに沿って分配され且つ駆動システムのホイールの前方に配置されたクリフ近接センサ(cliff proximity sensors)のアレイを含むことができる。各クリフ近接センサは、床面の下降縁部を検出するために床面にて下向きに配向される。その上、各クリフ近接センサは、補助回路基板に接続された少なくとも1つのワイヤコレクタに集められた少なくとも2つのワイヤを有する。
【0011】
一部の実施構成において、障害物センサシステムは、バンパーフレーム上に配置され、45度〜270度の間の水平視野を有する少なくとも1つの光閉じ込めセンサを含む。光閉じ込めセンサは、補助回路基板に接続された少なくとも1つのワイヤコレクタに集められた少なくとも2つのワイヤを有する。
【0012】
近接センサのアレイは、少なくとも4つの別個の近接センサのアレイを含む。一部の実施例において、近接センサのアレイは、第1のセンサタイプの3又はそれ以上の近接センサを有する第1のセンサアレイと、第1のセンサタイプとは異なる第2のセンサタイプの3又はそれ以上のセンサを有する第2のセンサアレイと、を含む。一部の実施例において、センサアレイは、近接センサのアレイとして記載されているが、第1のセンサタイプ及び該第1のセンサタイプと異なる第2のセンサタイプは、近接センサ以外の本明細書で記載される何れかの様々なセンサとすることができる。第1のセンサアレイは、床面に対してバンパーフレーム上で第2のセンサアレイの上方に垂直に配置することができる。センサアレイのうちの1つは、バンパーフレームの前方周囲に沿って均一に配置された壁近接センサのアレイを含むことができる。各壁近接センサは、床面に実質的に平行に外向きに配向される。他のセンサアレイは、バンパーフレームに沿って分配され且つ駆動システムのホイールの前方に配置されたクリフ近接センサのアレイを含むことができる。各クリフ近接センサは、床面の下降縁部を検出するために床面にて下向きに配向される。その上、各クリフ近接センサは、補助回路基板に接続された少なくとも1つのワイヤコレクタに集められた少なくとも2つのワイヤを有する。
【0013】
一部の実施構成において、補助回路基板は、近接センサのアレイからセンサ信号を受け取り、受け取ったセンサ信号に対してセンサデータ処理を実行し、処理されたセンサ信号を主回路基板により認識可能なデータパケットにパッケージ化する。センサデータ処理は、アナログ−デジタル変換、信号フィルタリング、又は信号調整のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0014】
一部の実施例において、バンパー本体は、流体浸透に対してバンパーフレーム及び障害物センサシステムを収容し且つシールする。バンパー本体は、シリアル通信ラインを受けるようなサイズにされたオリフィスを定めることができ、オリフィスは、1平方センチメートルよりも小さい面積を定めることができる。一部の実施例において、オリフィスは、バンパー本体の表面積の100分の1よりも小さい面積を定めることができる。シリアル通信ラインは、オリフィスとシール嵌合を有する。
【0015】
本開示の別の態様は、移動式ロボットを提供する。移動式ロボットは、バンパーフレームに沿って分配された近接センサのアレイを含み、各近接センサは、放射場を有する赤外線エミッタと、検出場を有する赤外線検出器と、を含む。各近接センサは、赤外線エミッタと赤外線検出器との間に定められるセンサ長を有する。アレイ状の各近接センサは、動式ロボットの前方周囲に沿った所定の近接センサ位置に対応し、アレイ状の近接センサの少なくとも一部が、移動式ロボットの前方周囲に沿って互いに重なり合っている。
【0016】
一部の実施例において、アレイ状の個々のセンサ長の累計は、移動式ロボットの前方周囲に沿ったアレイの長さよりも大きい。
【0017】
一部の実施例において、各近接センサは、補助回路基板に接続された少なくとも1つのワイヤコレクタに集められた少なくとも2つのワイヤを有する。シリアル通信ラインは、補助回路基板を主回路基板に接続し、該通信ラインは、近接センサのアレイを補助回路基板に接続するワイヤの半分未満の数を有する。バンパーはまた、バンパーフレーム及び障害物センサシステムを収容するバンパー本体を含む。バンパー本体は、シリアル通信ラインを受けるようなサイズにされたオリフィスを定める。
【0018】
一部の実施構成において、バンパー本体は、流体浸透に対してバンパーフレーム及び障害物センサシステムをシールする。シリアル通信ラインは、オリフィスとシール嵌合を有する。
【0019】
少なくとも1つの近接センサは、収束赤外エミッタセンサ素子、ソナーセンサ、超音波センサ、3次元点群ボリュームイメージングデバイス、又は接触センサのペアを含む。赤外線エミッタ及び赤外線検出器を有する一部の実施例において、赤外線エミッタ及び赤外線検出器は、放射場が検出場と重なり合うように配列される。
【0020】
一部の実施構成において、近接センサのアレイは、バンパーフレームの前方周囲に沿って均一に配置された壁近接センサのアレイを含む。各壁近接センサは、床面に実質的に平行に外向きに配向される。
【0021】
障害物センサシステムは、バンパーフレームに沿って分配され且つ駆動システムのホイールの前方に配置されたクリフ近接センサのアレイを含むことができる。各クリフ近接センサは、床面の下降縁部を検出するために床面にて下向きに配向される。その上、各クリフ近接センサは、補助回路基板に接続された少なくとも1つのワイヤコレクタに集められた少なくとも2つのワイヤを有する。
【0022】
一部の実施構成において、障害物センサシステムは、バンパーフレーム上に配置され、45度〜270度の間の水平視野を有する少なくとも1つの光閉じ込めセンサを含む。光閉じ込めセンサは、補助回路基板に接続された少なくとも1つのワイヤコレクタに集められた少なくとも2つのワイヤを有する。
【0023】
近接センサのアレイは、少なくとも4つの別個の近接センサのアレイを含む。一部の実施例において、近接センサのアレイは、第1のセンサタイプの3又はそれ以上の近接センサを有する第1のセンサアレイと、第1のセンサタイプとは異なる第2のセンサタイプの3又はそれ以上のセンサを有する第2のセンサアレイと、を含む。第1及び第2のセンサアレイのタイプは、本明細書で検討されたセンサタイプの少なくとも何れかとすることができる。第1のセンサアレイは、床面に対してバンパーフレーム上で第2のセンサアレイの上方に垂直に配置することができる。センサアレイのうちの1つは、バンパーフレームの前方周囲に沿って均一に配置された壁近接センサのアレイを含むことができる。各壁近接センサは、床面に実質的に平行に外向きに配向される。他のセンサアレイは、バンパーフレームに沿って分配され且つ駆動システムのホイールの前方に配置されたクリフ近接センサのアレイを含むことができる。各クリフ近接センサは、床面の下降縁部を検出するために床面にて下向きに配向される。その上、各クリフ近接センサは、補助回路基板に接続された少なくとも1つのワイヤコレクタに集められた少なくとも2つのワイヤを有する。
【0024】
一部の実施構成において、補助回路基板は、近接センサのアレイからセンサ信号を受け取り、受け取ったセンサ信号に対してセンサデータ処理を実行し、処理されたセンサ信号を主回路基板により認識可能なデータパケットにパッケージ化する。センサデータ処理は、アナログ−デジタル変換、信号フィルタリング、又は信号調整のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0025】
本開示の別の態様は、移動式ロボットを提供する。移動式ロボットは、バンパーフレームに沿って分配された近接センサのアレイを含み、各近接センサは、放射場を有する赤外線エミッタと、検出場を有する赤外線検出器と、を含む。各近接センサは、補助回路基板に接続された少なくとも1つのワイヤコレクタに集められた少なくとも2つのワイヤを有する。通信ラインは、補助回路基板を主回路基板に接続する。一部の実施例においてはモノコック構造の筐体である統合容器は、2又はそれ以上の嵌合凹状受け部を有する。2又はそれ以上の嵌合凹状受け部は、閉鎖リムに沿って嵌合し、当該リムに沿ってシールされる。統合容器は、近接センサのアレイ及び補助回路基板を内包する。統合容器は、通信ラインが出る単一のシールされたアパーチャを含む。
【0026】
一部の実施例において、通信ラインは、近接センサのアレイを補助回路基板に接続するワイヤの半分未満の数の通信ラインを有するシリアル通信ラインである。
【0027】
一部の実施例において、単一のシールされたアパーチャは、嵌合凹状受け部により定められる統合容器の表面積の100分の1よりも小さい面積を定める。上記の実施例の何れかにおいて、単一のシールされたアパーチャは、1平方センチメートルよりも小さい面積を定めるオリフィスである。上記に記載した実施例の何れかにおいて、請求項に記載の移動式ロボットでは、嵌合凹状受け部により定められる統合容器は、3又はそれ以上の日本工業規格(JIS)の防水等級を有する。上記の実施例の何れかにおいて、請求項に記載の移動式ロボットでは、統合容器は、赤外線透過及び可視光遮断性のプラスチックから作られる。
【0028】
本開示の更に別の態様において、バンパーを有する移動式ロボットを作動させる方法は、バンパー上に配置された1又はそれ以上のセンサからのセンサ信号をバンパー上に配置された補助回路基板にて受け取るステップと、受け取ったセンサ信号をバンパーコントローラ上で処理するステップと、処理されたセンサ信号に基づくセンサ事象をロボットのロボットコントローラに通信するステップと、を含む。
【0029】
一部の実施構成において、本方法は、バンパー上に配置された接触センサ、バンパー上に配置された近接センサ、又はバンパー上に配置されたカメラのうちの少なくとも1つからセンサ信号を受け取るステップを含む。受け取ったセンサ信号の処理は、アナログ−デジタル変換、信号フィルタリング、又は信号調整のうちの少なくとも1つを含むことができる。本方法は、流体浸透に対してシールすることができる単一の通信経路を介して補助回路基板からロボットコントローラにセンサ事象を通信するステップを含むことができる。
【0030】
本方法は、ロボットの周りの環境に関する局所的センサ感知を決定するため補助回路基板から受け取ったセンサ事象に応答して、ロボットコントローラ上でマッピングルーチンを実行するステップを含むことができる。その上、本方法は、実行したマッピングルーチンの結果に基づいて、駆動コマンドをロボットコントローラから駆動システムに送出するステップを含むことができる。
【0031】
一部の実施例において、本方法は、ロボットコントローラ上で制御システムを実行するステップを含む。制御システムは、互いに通信状態にある制御調停システム及び挙動システムを含む。挙動システムは、バンパーコントローラから受け取ったセンサ事象に基づいた制御調停システムによるコマンドの実行に影響を及ぼす少なくとも1つの挙動部を実行する。少なくとも1つの挙動部は、ロボットセンサシステムから受け取ったセンサ信号に基づいた制御調停システムによるコマンドの実行に影響を及ぼすことができる。
【0032】
本開示の1又はそれ以上の実施構成の詳細は、添付図面及び以下の説明において記載される。他の態様、特徴、及び利点は、本明細書及び図面並びに請求項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0034】
種々の図面における同じ参照符号は同じ要素を示している。
【0035】
自律式移動ロボットは、表面を横断しながら清掃することができる。ロボットは、デブリを攪拌することにより表面から湿潤デブリを除去することができ、及び/又は表面に清掃液を塗布し、表面上で清掃液を広げて(例えば、塗りつける、磨き洗浄する)、表面から廃液(例えば、清掃液とその中に混合したデブリの実質的に全て)を集めることにより表面を湿式清掃することができる。
【0036】
図1〜4を参照すると、一部の実施構成において、ロボット100は、駆動システム120により支持される本体110を含む。ロボット本体110は、前方部分112と後方部分114とを有する。駆動システム120は、右及び左被駆動ホイールモジュール120a、120bを含む。ホイールモジュール120a、120bは、本体110によって定められる横軸線Xに沿って実質的に対向し、それぞれのホイール124a、124bを駆動する駆動モータ122a、122bをそれぞれ含む。駆動モータ122a、122bは、本体110(例えば、ファスナー又は工具不要接続を介して)に解除可能に接続することができ、駆動モータ122a、122bは、任意選択的に、実質的にそれぞれのホイール124a、124bの上に位置付けられる。ホイールモジュール120a、120bは、本体110に解除可能に取り付けられ、それぞれのバネによって清掃面10と係合するよう押し付けることができる。ロボット100は、ロボット本体110の前方部分112を支持するよう配置されたキャスターホイール126を含むことができる。
【0037】
ロボット100は、本体110によって定められる互いに直交する3つの軸線、すなわち、横軸線X、前後軸線Y、及び中心垂直軸線Zに対する移動の種々の組み合わせにより清掃面10にわたって移動することができる。前後軸線Yに沿った前方への駆動方向は、F(以下「前方」と呼ばれる場合もある)で示され、前後軸線Yに沿った後方への駆動方向は、A(以下「後方」と呼ばれる場合もある)で示される。横軸線Xは、ホイールモジュール120a、120bの中心点によって定められる軸線に実質的に沿ってロボット100の右側Rと左側Lとの間に延びる。
【0038】
ロボット100は、流体アプリケータ170を有する湿式清掃システム160を含むことができ、該流体アプリケータ170は、横軸線Xに沿って延びて、湿潤真空スクイージー180bの後方で湿潤真空掃除中に表面10上に清掃液を分配し、分配した流体を清掃面10上に存在できるようにする。ロボット100が清掃面10の周りを操縦すると、湿潤真空スクイージー180bが、予め分配された液体及びそこに浮遊するデブリを吸い上げる。
【0039】
ロボット100は、ローラブラシ192(例えば、ブリストル及び/又は叩きフラップを備えた)を有する乾式清掃システム190を含むことができ、該ローラブラシ192は、横軸線Xに平行に延びて、ロボット本体110により回転可能に支持されて、乾式真空スクイージー180aの後方で且つ湿潤真空スクイージー180bの前方で床面10に接触する。
【0040】
図1〜7を参照すると、一部の実施構成において、本体110の前方部分112は、バンパー130を保持し、該バンパーは、例えば、ホイールモジュール120a、120bが清掃ルーチン中に清掃面10にわたってロボット100を推進させるときに、ロボット100の駆動経路における1又はそれ以上の事象を(例えば、1又はそれ以上のセンサを介して)検出する。ロボット100は、事象に応答してロボット100を操縦(例えば、障害物から離れて)するようホイールモジュール120a、120bを制御することにより、バンパー130によって検出された事象(例えば、障害物、段差、壁)に応答することができる。本明細書では一部のセンサがバンパー130上に配置されて記載されているが、これらのセンサは、これに加えて又は代替として、ロボット100上の様々な異なる位置の何れかに配置することができる。
【0041】
一部の実施構成において、バンパー130は、ロボット本体110によって支持されて、ロボット本体110の前方周囲と相補的な形状を定めるバンパーフレーム131を含む。バンパーフレーム131上に配置される障害物センサシステム400は、コンピュータプロセッサ452(例えば、マイクロコントローラ)と、非一時的メモリのようなメモリ454とを含む、バンパーコントローラ450(例えば、多重化及びシリアル化補助回路基板)を含む。コンピュータプロセッサ452は、メモリ454に格納された命令を実行することができる。補助回路基板450は、バンパー130上(例えば、バンパーフレーム131又はバンパーハウジング133上)に配置されたバンパーセンサ410からのセンサ信号を受け取り、本体110によって保持されたロボットコントローラ150(例えば、主回路基板)と(例えば、シリアル通信を介して)通信する。例えば、補助回路基板450は、バンパーセンサ410からのセンサ信号を受け取り、センサデータを処理して、データパケット455(
図10)をセンサ状態と共にロボットコントローラ150(すなわち、主回路基板)に通信する。第1及び第2の部分133a、133b(例えば、共に接続することができる)を有するバンパーハウジング133は、フレーム131及び障害物センサシステム400を収容することができる。バンパーハウジング133は、流体浸透により生じる可能性がある電気的な短絡及び損傷を避けるために、障害物センサシステム400を(例えば、気密的に)シールすることができる。
【0042】
図5及び7に示すように、一部の実施構成において、バンパーハウジング133は、2又はそれ以上の嵌合凹状受け部(例えば、第1及び第2の部分133a、133b)を含む統合容器である。2又はそれ以上の嵌合凹状受け部133a、133bは、閉鎖リム1133に沿って嵌合し、該閉鎖リム1133は、当該リム113に沿ってガスケット(図示せず)のようなシールを含み、フレーム131及びそこに配置される全ての要素を内包する。リム1133は、第1の嵌合凹状受け部133aの第1のリム部分1133aと、第2の嵌合凹状受け部133bの第2のリム部分1133bとの間の連結部である。一部の実施例において、バンパーハウジング133は、フレーム131と、センサ410のアレイ及びバンパーコントローラ450(遠隔又は補助回路基板とも呼ばれる)などのそこに配置された全ての要素とのためのモノコック構造の筐体である。バンパーハウジング133は、近接センサ410のアレイなどのバンパーセンサ410及び補助回路基板450をシールする。バンパーハウジング133は、ロボット100の主回路基板と嵌合するために、補助回路基板450から通信ライン480が出る単一のシールされたアパーチャ485を含む。一部の実施例において、バンパーハウジング133は、赤外線(IR)を透過し及び可視光を遮断するプラスチックから作られる。
【0043】
一部の実施構成において、単一のシールされたアパーチャ485は、嵌合凹状受け部133a、133bにより定められるバンパーハウジング133の表面積の100分の1よりも小さい面積を定める。単一のシールされたアパーチャ485は、1平方センチメートルよりも小さい面積を定めるオリフィスとすることができる。
【0044】
バンパーハウジング133は、3又はそれ以上の日本工業規格(JIS)の防水等級を有する。製品防水に関するJIS等級は、「0」から「8」までの製品内に蓄積される浸水の保護レベルを定めた等級である。様々なJISクラスは、以下の定義に従って定められる。
【0046】
JIS「1」 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形)
【0047】
JIS「2」 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形)
【0048】
JIS「3」 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形)
【0049】
JIS「4」 あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない(防沫形)
【0050】
JIS「5」 あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
【0051】
JIS「6」 あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形)
【0052】
JIS「7」 一定の条件下で水没したときに筐体内部への浸水がない(防浸形)
【0053】
JIS「8」 指定圧力下で連続して水没しても機器が使用可能である(水中形)
【0054】
図8A〜8Dを再度参照すると、障害物センサシステム400は、近隣の障害物を検出するためバンパー130上に配置された1又はそれ以上の近接センサ410(例えば、バンパーフレーム131に沿って分散された近接センサ410のアレイ)を含むことができる。一部の実施構成において、近接センサ410のアレイは、少なくとも4つの近接センサを含む。近接センサ410は、物体又は障害物がロボット100の所与の範囲内にあるときに補助回路基板450に信号を提供する、収束赤外(IR)エミッタセンサ素子、ソナーセンサ、超音波センサ、及び/又はイメージングセンサとすることができる。一部の実施構成において、各近接センサ410は、ロボット100から離れて対面し、収束放射場415と検出場417とをそれぞれ有するよう互いに向かって角度が付けられた光エミッタ414及び光子検出器416を共に保持するハウジング412を含む。一部の実施例において、エミッタ414及び検出器416は、これらの間に40〜60度(例えば、50度)の角度βを有し、対応する放射場及び検出場415、417が収束又は重なり合うように配列される。
図8Cに示す実施例において、ハウジング412は、放射場及び検出場415、417の両方が、一方の側(例えば、外側部分上)で中心から10度外れて広がり、他方の側(例えば、内側部分上)で中心から25〜30度外れて広がるように、放射場及び検出場415、417を形成するよう構成される。その上、各近接センサ410は、補助回路基板450に接続された少なくとも1つのワイヤコレクタ401に集められる少なくとも2つのワイヤ413を有することができる。一部の実施構成において、ワイヤコレクタ401は、ワイヤハーネス、可撓性回路基板、又はリボンケーブルである。
図8Aに示す実施例において、ワイヤコレクタ401は、コネクタ402にて補助回路基板450に接続されたワイヤハーネスである。障害物センサシステム400はまた、補助回路基板450を主回路基板150に接続するシリアル通信ライン480を含む。通信ライン480は、近接センサ410のアレイを補助回路基板450に接続するワイヤ413の半分未満の数量、又は計数を含む。
【0055】
図1〜7を再度参照すると、図示の実施例において、障害物センサシステム400は、バンパー130の前方周囲に沿ってバンパーフレーム131に均等に配列され、近隣の壁を検出するために床面10と実質的に平行に外向きに配向された壁近接センサ410aのアレイ(例えば、10個の壁近接センサ410a)を含む。障害物センサシステム400はまた、ロボット100が一連の階段に遭遇したときなど、ロボット100が床10の下降縁部に遭遇した時点を検出するよう構成されたクリフ近接センサ410b又はそのアレイ(例えば、4個のクリフ近接センサ410b)を含むことができる。1又は複数のクリフ近接センサ410bは、下向きにされて、バンパー130の前縁136付近のバンパー130の下側部分132上及び/又は駆動ホイール124a、124bの一方の正面に配置することができる。光エミッタ414は、床面10に向けて光学信号を発生させる。光学信号は、床面10から光子検出器416に向かって反射し、該光子検出器416により検出される。バンパーフレーム131又はバンパーハウジング133は、特定の向き(例えば、床に向かって下向きに、又は壁を検出するために外向きに近接センサを配向する)で近接センサハウジング412を受けて保持することができる。一部の実施構成において、バンパーハウジング133は、一体部材として近接センサハウジング412を定める。
【0056】
一部の事例において、段差及び/又は壁検知は、赤外線(IR)近接又は実距離検知を用いて、すなわち、互いに向かって角度が付けられた赤外線エミッタ414と赤外線検出器416とを使用して、床であることが予想される位置にて重なり合う放射場及び検出場、従って検出ゾーンを有するように実施される。IR近接検知は、比較的狭い視野を有する可能性があり、信頼性が表面アルベドに依存する場合があり、表面間で変化する距離精度を有する可能性がある。結果として、複数の別個のクリフ近接センサ410bをロボット100の外周部の周りに配置し、ロボット100上の複数の点から段差を適切に検出することができる。
【0057】
各近接センサ410、410a〜bは、数キロヘルツの周波数で光エミッタ414を変調し、光子検出器416を用いて当該周波数に同調された何れかの信号を検出することができる。光子検出器416が検出信号を出力できない場合、予想される標的表面が存在せず、重なりは検出されない。これに応答して、補助回路基板450は、壁又は段差の検出を示すデータパケット455をロボット制御装置150に送信することができ、該ロボット制御装置は、回避アルゴリズムを実行し、ロボット100が検出された壁又は段差を回避するようにさせることができる。反射した光学信号が検出された場合には、処理を継続する。
【0058】
一部の実施構成において、クリフ近接センサ410bは、ロボット100の静止状態を検出する。例えば、ロボットコントローラ150は、ロボット100に床面10に沿ってくねり運動で前後に移動させるコマンドを実行することができる。ロボット100の他の構成要素と実質的に干渉することなく、各クリフ近接センサ410bは、ロボット100が移動する(例えば、直線運動、転回運動、くねり運動で)ときの床面10の変動に相当する反射光学信号の小変動を検出することができる。補助回路基板450及び/又はロボットコントローラ150は、床面10からの反射光学信号の変動がないことを検出したときに、静止又は立ち往生状態を判定することができる。
【0059】
バンパー130上に配置され、右及び左駆動ホイール124a、124bそれぞれの実質的に前方に配列されて実質的に整列された右及び左クリフ近接センサ410br、410blは、ロボット100に対して段差事象を検出して検出した段差事象に成功裏に応答する(例えば、前方運動量の力に打ち勝って、1又はそれ以上のホイール124a、124bが段差に乗り上げる前に停止する)のに十分な時間を許容しながら、比較的高速の前進速度(例えば、約200mm/s〜約400mm/s)でロボット100が進むのを可能にすることができる。
【0060】
近接センサ410は、単独で機能することができ、或いは、代替として、冗長性のため1又はそれ以上の接触センサ420(例えば、隆起スイッチ)と組み合わせて機能することができる。例えば、ロボット本体110上の1又はそれ以上の接触又は隆起センサ420は、ロボット100が障害物に物理的に遭遇したか否かを検出することができる。このような接触センサ420は、障害物に遭遇した時点を判定するために、ロボット100内の静電容量又は物理的変位などの物理的特性を用いることができる。図示の実施例において、接触センサ420は、ロボット本体110に対するバンパー130の移動を検出する。一部の実施例において、接触センサ420は、バンパー130に回転可能に装着され、バンパー130が物体に接触することにより生じる移動を検出するためにホール効果センサを含む。
【0061】
図7を参照すると、バンパー130は、隆起/障害物との接触を検知するため、及び駆動方向Fに対する入射角及び/又は障害物に対するロボット100の向きを決定するために、バンパー130の右及び左部分130r、130lそれぞれ上に配置された右及び左接触センサ420r、420lを含むことができる。例えば、右接触センサ420が隆起を検出し、左接触センサ420lが検出しなかった場合には、ロボットコントローラ150は、ロボット100が右側の障害物に向かって移動したと判定することができ、逆もまた同様である。接触センサ420r、420lの両方が、ロボットコントローラ150又は主回路基板に隆起信号を提供する場合には、補助回路基板450は、ロボット100が前方駆動方向Fに沿って障害物に向かって移動したと判定することができる。2つの接触センサ420r、420lが図示されているが、あらゆる数の隆起センサ420を用いることができる。
【0062】
一部の実施構成において、接触センサ420r、420lは、補助回路基板450と通信し、補助回路基板450は、バンパー通信ライン480及びコネクタ486を介してロボットコントローラ150と通信する。通信コネクタ486は、バンパーハウジング133上又はロボットコントローラ150上に配置されて、これらと気密シールすることができる。補助回路基板450は、接触センサ420r、420lの何れかからのセンサ信号の受信に応答して、ロケーション、前方駆動方向に対する方向、及び/又は他の隆起パラメータを決定する隆起アルゴリズムを実行することができる。
【0063】
図4〜7、9A及び9Bを参照すると、障害物センサシステム400は、バンパー130上に配置された1又はそれ以上の閉じ込めセンサ430を含むことができる。閉じ込めセンサ430は、光学系により配向される水平視野432(例えば、45°〜270°の間)を有する光学(例えば、赤外線)センサとすることができる。コントローラ150は、1つのセンサをシミュレートするために複数の閉じ込めセンサ430からセンサ信号を受け取ることができる。その上、コントローラ150は、複数の閉じ込めセンサ430を用いて検出した赤外線ビームの指向性を決定することができる。
【0064】
図9Aに示す実施例において、バンパー130は、バンパー130の上側部分134上に配置された単一の閉じ込めセンサ430を含む。閉じ込めセンサ430は、該閉じ込めセンサ430の配置に基づいて、又はセンサの動作パラメータに起因して、30〜360度の間の視野432を有する(例えば、視野432は、ロボット本体110の一部により遮られる)ことができる。360度未満の視野432では、閉じ込めセンサ430は、ロボット100の直ぐ後方に盲点領域434を有するように配列される場合がある。
【0065】
図9Bに示す実施例において、バンパー130は、該バンパー130の上側部分134上に配置された第1、第2、及び第3の閉じ込めセンサ430a〜cを含む。第1の閉じ込めセンサ430aは、前方駆動方向Fに沿って前方に照準が定められ、第2の閉じ込めセンサ430bは、右方向Rに沿って照準が定められ、第3の閉じ込めセンサ430cは、左方向Lに沿って照準が定められる。結果として、第1、第2、及び第3の閉じ込めセンサ430a〜cの視野432a〜cは重なり合い、冗長的検知を提供することができる。図示の実施例において、第1、第2、及び第3の閉じ込めセンサ430a〜cの視野432a〜cは、前方駆動方向Fに沿って重なり合って当該方向で冗長的検知を提供し、物体/障害物との偶発的衝突又は段差縁部からの落下のあらゆる可能性を低減するようにする。一部の実施例において、第1の閉じ込めセンサ430aの第1の視野432aは、前方駆動方向F上の中心にあり、第2及び第3の閉じ込めセンサ430b〜cの第2及び第3の視野432b〜cが、前方駆動方向Fに沿って第1の視野432a上で10°〜60°の間の角度θだけ重なり合っている。第2及び第3の閉じ込めセンサ430b〜cの第2及び第3の視野432b〜cは、ロボット100の後方(すなわち、前方駆動方向Fの反対側)を見るように構成することができるが、任意選択的に、ロボット100の直ぐ後方の盲点領域434を対象範囲としない。少なくとも1つの視野432a〜cを後方を見るように構成することにより、仮想壁を示す放射ビーム又はドッキングステーションによって放射される接近ビームを狭い角度で超えない範囲でロボット100を操縦することが可能になる。
【0066】
ロボット本体110の中心部分113に対してバンパー130上(例えば、ロボット本体110の外周115に沿って)に閉じ込めセンサ430、430a〜cを配置することにより、ロボット100が、転回中にロボット本体110の外周115に近接した垂直壁赤外線ビーム(ビーコンにより放射された)を検出できるようになる。ロボット本体110の中心部分113に閉じ込めセンサ430を配置するには、外周115に対して当該センサ430を上昇させることが必要となり、その結果、閉じ込めセンサ430は、ロボット本体の外周115に近接した赤外線ビームを検出することができるようになる。従って、バンパー130上(例えば、ロボット本体110の外周115に沿って)に閉じ込めセンサ430、430a〜cを配置すると、ロボット100の全高を比較的低くすることができ、ロボット本体110の何れかの突出部と障害物が干渉する可能性が低くなる。
【0067】
補助回路基板450は、バンパーセンサ410、410a、410b、420をポーリングして、それぞれのセンサ信号を受け取り、アナログデジタル変換のようなセンサデータ処理、フィルタリング、並びに変換及び/又は調整されたセンサ信号からロボットコントローラ150が認識可能なデータパケットへのパッケージングを実行することができる。バンパーセンサ410、410a、410b、420とロボットコントローラ150との間に多数のワイヤが延びるのではなく、補助回路基板450は、ロボットコントローラ150に対して障害物センサシステム400用に単一の通信ライン480(例えば、シリアルライン)を設ける。通信ライン480は、浸水を防ぐため、補助回路基板450(例えば、プリント回路基板)との接続部をシールする第1のシール482と、バンパーハウジング133から単一のオリフィス485を通る出口をシールする第2のシール484とを有することができる。一部の実施構成において、バンパー130は、浸水を防ぐために、オリフィス485を通って挿入され、バンパーフレーム131又はバンパーハウジング133と気密シールされるコネクタ486を含む。
【0068】
図4及び6を参照すると、通信コネクタ486と嵌合した通信ライン480により、バンパー130とロボット100との間に延びるワイヤの数を低減することでロボット100のワイヤ実装密度が低減される。この構成は、バンパー130とロボット100との間の多くのワイヤの移動を排除し、従って、これらのワイヤの疲労の可能性が低減される。この構成は更に、専用の補助回路基板450によって使用可能となる。補助回路基板450は、比較的大量のセンサ信号データを処理して、データパケット455をセンサ状態とと共にロボットコントローラ150に返送する。この追加の処理能力により、バンパー130内のセンサ410及び対応するワイヤとロボットコントローラ150との間の接続の数が低減され、更に、他のタスクに対するロボットコントローラ150の処理能力が軽減される。バンパー130内に装着された補助回路基板450による追加の処理能力に起因して、専用の補助回路基板450は、ロボット100の再構成又はロボットコントローラ150の処理能力に過大な負荷をかけることなく、バンパー130の機能向上で追加のセンサ410を組み込むことを可能にする。障害物センサシステム400は、プラグ&プレイコンポーネントとしてロボットコントローラ150と通信する単独モジュール式のセンサシステムとして機能することができる。
【0069】
図8A〜8F、及び10A〜10Cを参照すると、一部の実施構成において、バンパー130は、ロボット本体110の前方外周の相補的な形状を定めたバンパーフレーム131と、該バンパーフレーム131に沿って分配された近接センサ410のアレイとを含む。各近接センサ410は、対応する収束放射場及び検出場415、417を有するよう離間して配置されて構成された、赤外線エミッタ414及び赤外線検出器416を有する。その上、各近接センサ410は、赤外線エミッタ414及び赤外線検出器416間に定められるセンサ長Sを有する。アレイ状の個々のセンサ長Sの累計は、バンパーフレーム131の移動式ロボットの前方外周に沿って見た近接センサ410のアレイの長さAL(
図8Dに破線で示される)よりも大きい。アレイ状の各近接センサ410は、移動式ロボット100の前方外周に沿った所定の近接センサ位置に対応する。このような近接センサ410がバンパーフレーム131上でスタック状又は垂直に重なり合った構成で配列されるので、このような近接センサ410は、スタックの層間で敷設レンガのように互い違いにされる。一部の実施例において、センサ長Sは、20〜50mm(例えば、36mm)の間である。一部の実施構成において、アレイ状の近接センサ410の少なくとも一部は、移動式ロボット100の前方外周に沿って互いに重なり合っている。
【0070】
一部の実施構成において、各近接センサ410の赤外線エミッタ414及び赤外線検出器416は、別の近接センサ410の赤外線エミッタ414及び赤外線検出器416の間でロボット100を支持する床面10に対して垂直に位置付けられる。一部の実施例において、バンパーフレーム131は、中心点Cを有する円弧を定め、近接センサ410は、隣接する近接センサ410のセンサ長Sの中点の間に5〜20度の間隔αを有するように配列される。近接センサ410は、隣接する近接センサ410のセンサ長Sの中点Mの間に12度の間隔を有するように配列することができる。その上、近接センサ410は、隣接する近接センサ410のセンサ長Sの中点Mの間でバンパーフレーム131に沿って等間隔で又は不均一に離間して配置することができる。
【0071】
近接センサ410のアレイは、近接センサ410の第1のセンサアレイ4102と、ロボット100を支持する床面10に対してバンパーフレーム131上で第1のセンサアレイ4102の下方に垂直に配置された近接センサの第2のセンサアレイ4104とを含むことができる。第1のセンサアレイ4102における近接センサ410の赤外線エミッタ414及び赤外線検出器416のうちの一方は、床面に対して、第2のセンサアレイ4104における近接センサ410の赤外線エミッタ414及び赤外線検出器416のうちの一方と垂直方向に整列することができる。図示の実施例において、第1及び第2のセンサアレイ4102、4104は、水平方向に均等にオフセットしたスタック構成で配列されるが、バンパーフレーム131に沿った様々なロケーションで局所的集合を有する不均一な分配など、他の配列も実施可能である。第1及び第2のセンサアレイ4102、4104の近接センサ410は、バンパーフレーム131の前方周囲に沿って均一に配置された壁近接センサ410とすることができる。各壁近接センサ410は、床面10に実質的に平行に外向きに配向されている。補助回路基板450は、時限的間隔でエミッタ414をトリガし、第1のセンサアレイ4102のエミッタ414が第2のセンサアレイ4104のエミッタ414とは異なる時間間隔で赤外光を放射するようにする。その上、補助回路基板450は、それぞれのセンサアレイ4102、4104のエミッタと協働して光放射を検知するよう検出器416をトリガすることができる。これにより、あるセンサアレイ4102、4104の光放射が、別のセンサアレイ4102、4104の光放射の検出と干渉するのが防止される。一部の実施例において、第1のセンサアレイ4102の近接センサ410は、第2のセンサアレイ4104の近接センサ410とは異なる(例えば、位相、波長、又は周波数の点で)ように変調される。
【0072】
一部の実施構成において、第1のセンサアレイ4102は、第1のセンサタイプの3又はそれ以上の近接センサ410を含み、第2のセンサアレイ4104は、第1のセンサタイプとは異なる第2のセンサタイプの3又はそれ以上のセンサを含む。第1のセンサアレイ4102は、バンパーフレーム131上で第2のセンサアレイ4104の上方に垂直に配置することができる。第1及び第2のセンサタイプは、例えば、限定ではないが、接触センサ、近接センサ、クリフセンサ、レーザ、ソナー、及びカメラとすることができる。
【0073】
障害物センサシステムは、第1及び第2のセンサアレイ4102、4104の下方に垂直に配列された近接センサ410の第3のセンサアレイ4106を含むことができる。第3のセンサアレイ4106の近接センサ410は、バンパーフレーム131に沿って分配され、駆動システム120のホイール124a、124bの前方に配置されたクリフ近接センサ410bとすることができる。各クリフ近接センサ410bは、床面10の下降縁部を検出するため床面10に対して下向きに配向される。その上、各クリフ近接センサ410bは、少なくとも1つのワイヤコレクタ401に集められる少なくとも2つのワイヤ413を有し、該ワイヤコレクタ401は、コネクタ402にて補助回路基板450に接続される。
【0074】
各センサアレイ4102、4104、4106の各近接センサ410は、例えば、1又はそれ以上のワイヤコレクタ401を介して補助回路基板450に接続される少なくとも2つのワイヤ413を有することができる。補助回路基板450は、バンパー130上のセンサ410の全て又はほとんどからのセンサ信号を受け取ることによる多重化機能を提供し、受け取った信号を処理し、1又はそれ以上の出力信号(例えば、シリアル信号)を単一の通信ライン480を通じてロボットコントローラ150(主回路基板)に送ることができる。通信ライン480は、近接センサ410のアレイを補助回路基板450に接続するワイヤ413の半分未満の数を含むことができる。通信ライン480は、
図10Bに示すように、バンパー130上の補助回路基板450とロボットコントローラ150との間の単一の通信経路を提供することができる。これは、ロボット100の組み立てを簡素化し、バンパー130とロボット本体110との間の移動に起因するワイヤ疲労を生じる可能性があるワイヤ413の数を低減する。
【0075】
図11A及び11Bは、バンパーフレーム131に沿った近接センサ410の非スタック配列を有するバンパー130の構成を例示している。障害物センサシステム400は、バンパーフレーム131の前方周囲に沿って均一に配置され、床面10に実質的に平行に外向きに配向された壁近接センサ410aのアレイとすることができる。各近接センサ410は、少なくとも1つのワイヤコレクタ401に集められた少なくとも2つのワイヤ413を有し、該ワイヤコレクタ401は、コネクタ402にて補助回路基板450に接続されたワイヤハーネスである。一部の実施例において、ワイヤコレクタ401は、ワイヤハーネス、可撓性回路基板、又はリボンケーブルである。低背型バンパーフレーム131は、比較的小さいバンパー130を可能にする。バンパーフレーム131は、バンパーフレーム131及び任意選択的にバンパーハウジング133(図示せず)上に配置されたセンサ410からのセンサ信号を受け取る補助回路基板450を支持する。バンパーフレーム131は、その上に配置されるセンサ410のワイヤ413を保持又は固定し、ワイヤ413を補助回路基板450に配線するよう構成され、該補助回路基板450は、接続されたセンサ410から受け取ったセンサ信号を処理する。単一の通信ライン480は、補助回路基板450をロボットコントローラ150に接続する。
【0076】
図8D〜8Fは、円形椅子脚部及び方形椅子脚部それぞれの周りのバンパー130上の近接センサ410のエミッタ414の放射場415を示している。互い違いの第1及び第2のセンサアレイ4102、4104(例えば、垂直方向に重なり合う)は、
図11A及び11Bに示すように、単一の非互い違いのセンサアレイよりも比較的高密度のカバレッジを提供する。単一のセンサアレイ4102は、バンパーフレーム131に沿って横並びに分配された5又は6個の近接センサ410のみを含むことができる。重なり合わないセンサ配列は、椅子脚部に対する不成功につながり、ロボット100が椅子脚部を検出せずに衝突を生じる可能性がある。互い違いの近接センサアレイ4102、4104(例えば、
図10A〜10Cに示すような)のより高密度の放射場415は、センサ検出場のピークと谷の間のギャップを埋めることによってこの問題を解決する。第1及び第2のセンサアレイ4102、4104は、約12度の近接センサ間隔αを有するように配列することができる。
【0077】
図1及び4を参照すると、本体110の上部分に配置されたユーザインタフェース140は、1又はそれ以上のユーザコマンドを受け取り、及び/又はロボット100のステータスを表示する。ユーザインタフェース140は、ロボット100によって保持されたロボットコントローラ150と通信し、ユーザインタフェース140によって受け取られる1又はそれ以上のコマンドが、ロボット100による清掃ルーチンの実行を開始できるようにする。
【0078】
ロボットコントローラ150(制御システムを実行する)は、壁に追従するような操縦、床を磨き洗浄するような操縦、又は障害物が検出されたときに(例えば、障害物センサシステム400により)移動方向を変える、などの動作をロボット100にさせる挙動部を実行することができる。ロボットコントローラ150は、各ホイールモジュール120a、120bの回転速度及び方向を独立して制御することによって、清掃面10上のあらゆる方向でロボット100を操縦することができる。例えば、ロボットコントローラ150は、ロボット100を前方F、反転(後方)A、右R、及び左L方向で操縦することができる。ロボット100が実質的に前後軸線Yに沿って移動すると、ロボット100は、左右の転回を交互に繰り返して、中心垂直軸線Zの周りで前後に回転(以下、くねり運動と呼ばれる))するようにする。くねり運動により、ロボット100は、清掃動作中にスクラバーとして作動することが可能となる。その上、くねり運動は、ロボットコントローラ150がロボットの静止を検出するのに用いることができる。これに加えて、又は代替として、ロボットコントローラ150は、例えば、ロボット100がコーナー部から抜け出すか、又は障害物から離れて操縦できるように、実質的に所定位置で回転するようロボット100を操縦することができる。ロボットコントローラ150は、清掃面10を横断している間に実質的にランダムな(例えば、擬似ランダムな)経路上でロボット100を配向することができる。ロボットコントローラ150は、ロボット100の周りに配置された1又はそれ以上のセンサ(例えば、衝突センサ、近接センサ、壁センサ、静止センサ、及びクリフセンサ)に対して応答することができる。ロボットコントローラ150は、センサから受け取った信号に応答してホイールモジュール120a、120bの向きを変え、ロボット100が清掃面10を処理している間に障害物及び散乱物を避けるようにすることができる。使用中にロボット100が立ち往生するか又は動けなくなった場合には、ロボットコントローラ150は、一連の脱出挙動を通じて、ロボット100が脱出して通常の清掃動作に戻ることができるようにホイールモジュール120a、120bを配向することができる。
【0079】
図4、12及び13を参照すると、信頼性があり堅牢な自律移動を達成するために、ロボット100は、複数の異なるタイプのセンサを有するセンサシステム500を含むことができ、これらセンサは、互いに連動して用いて、ロボット100がロボットの環境において行うべき措置に関してインテリジェントに決定することができるほどに十分なロボットの環境の感知をもたらすことができる。センサシステム500は、ロボット本体110によって支持される1又はそれ以上のタイプのセンサを含むことができ、これらセンサは、障害物検出障害物回避(ODOA)センサ、通信センサ、ナビゲーションセンサ、その他を含むことができる。例えば、これらのセンサは、限定ではないが、近接センサ、接触センサ、カメラ(例えば、点群ボリュームイメージング、3次元(3D)イメージング、又は深度図センサ、可視光カメラ及び/又は赤外線カメラ)、ソナー、レーダー、LIDAR(ライダー;光検出及び側距、散乱光の特性を測定して遠隔ターゲットの距離及び/又は他の情報を求める光学的補助検知を必要とする可能性がある)、LADAR(レーザ検出及び側距)、その他を含むことができる。一部の実施構成において、センサシステム500は、側距ソナーセンサ、近接クリフ検出器、接触センサ、レーザスキャナ、及び/又はイメージングソナーを含む。
【0080】
ロボットプラットフォーム上にセンサを配置することに伴う幾つかの問題がある。第1に、センサは、ロボット100の周りに最大カバレッジ(有効範囲)の関心領域を有するように配置する必要がある。第2に、センサは、ロボット100自体がセンサに対して絶対最小値のオクルージョン(occlusion)を生じるように配置されることが必要となる場合があり、本質的には、センサは、ロボット自体によって「見えなくなる」ように配置することはできない。第3に、センサの配置及び装着は、プラットフォームの工業的設計の残りの部分に対して邪魔にならないようにすべきである。審美的観点から、センサが目立たないように装着されたロボットは、そうでないものに比べてより「魅力的」と見なすことができる。実用上の観点から、センサは、通常のロボット動作を妨げない(障害物と干渉するなど)ように装着されるべきである。
【0081】
一部の実施構成において、センサシステム500は、障害物センサシステム400を含み、該障害物センサシステム400は、何らかの近隣の又は入り込んでくる障害物を検出するために、ロボットコントローラ150と通信状態にあり且つロボット100の1又はそれ以上のゾーン又は部分(例えば、ロボット本体110の外周付近に配置された)において配列された1又はそれ以上の近接センサ410及び衝突又は接触センサ420を有することができる。近接センサ410は、物体又は障害物がロボット100の所与の範囲内にあるときにコントローラ150に信号を提供する、収束赤外(IR)エミッタセンサ素子、ソナーセンサ、超音波センサ、及び/又はイメージングセンサ(例えば、3D深度図イメージングセンサ)とすることができる。その上、近接センサ410の1又はそれ以上は、ロボット100が一連の階段に遭遇したときなど、ロボット100が床の下降縁部に遭遇した時点を検出するよう構成することができる。例えば、クリフ近接センサ410bは、ロボット本体110の前端及び後端又はその近傍に配置することができる。ロボットコントローラ150(制御システムを実行する)は、縁部が検出されたときに移動方向を変えるなどの動作をロボット100にさせる挙動部を実行することができる。
【0082】
センサシステム500は、ロボット本体110の前方部分上に装着され(例えば、前方駆動方向Fに沿った視野を有する)、ロボットコントローラ150と通信するレーザスキャナ460(
図12)を含むことができる。
図4及び6に示す実施例において、レーザスキャナ460は、障害物センサシステム400の一部としてバンパー130上に装着される。シュラウドの後方でバンパー130上にレーザスキャナ460を有することにより、ロボット100の上部の外部装着と比べて、障害物との干渉を低減しながら前方視野を可能にする。レーザスキャナ460は、ロボット100の周りの区域をスキャンすることができ、ロボットコントローラ150は、レーザスキャナ460から受け取った信号を用いて、スキャンした区域の環境マップ又は物体マップを作成することができる。ロボットコントローラ150は、ナビゲーション、障害物検出、及び障害物回避のため物体マップを用いることができる。その上、ロボットコントローラ150は、物体マップの作成のため、及び/又はナビゲーションのためにセンサシステム500の他のセンサからの感知入力を用いることができる。
【0083】
一部の実施例において、レーザスキャナ460は、走査型LIDARであり、これは、「主」スキャン線として一次元である領域を迅速にスキャンするレーザと、深度をこのラインで生じた各ピクセルに割り当てる(スキャン平面内の二次元深度ラインに戻る)ために位相差又はこれに類似した技術を用いる飛行時間型イメージング要素とを使用することができる。三次元マップを作成するため、LIDARは、第2の方向に「補助」スキャンを実施することができる(例えば、スキャナを「縦に振る」ことによって)。この機械的スキャン技術は、補足されない場合には、例えば「フラッシュ」LIDAR/LADAR及び「Swiss Ranger」型焦点面イメージング要素センサのような技術、すなわち、各ピクセルでの1つの深度又は各ピクセルでの一連の深度を提供するよう(エンコードイルミネータ又は照明レーザを用いて)ピクセルの完全2−Dマトリックスにおける飛行時間計算を可能にするよう半導体スタックを用いた技術によって完全なものとなることができる。
【0084】
センサシステム500は、ロボット本体110又はバンパー130上に装着され、ロボットコントローラ150と通信する1又はそれ以上の3次元(3D)イメージセンサ470(例えば、点群ボリュームイメージングデバイス)を含むことができる。
図6及び9に示す実施例において、3−Dイメージセンサは、前方視野を有してバンパー130上に装着される。3−Dイメージセンサ470が限定的な視野を有する場合には、ロボットコントローラ150又はセンサシステム500は、一部の実施構成において、左右方向のスキャン方式で3−Dイメージセンサを作動させ、堅牢なODOAを実施するために比較的広い視野を生成することができる。
【0085】
一部の実施構成において、センサシステム500は、ロボット100の慣性モーメントを測定及び監視するためにコントローラ200と通信状態にある慣性計測ユニット(IMU)510(
図4)を含む。ロボットコントローラ150は、正常な妨げのない動作に対応する閾値信号からのIMU510によるフィードバックのあらゆる偏差を監視することができる。例えば、ロボット100が、段差につまずいて転び始めているか、床10から離昇されているか、或いはその他の妨げを受けている場合には、ロボットコントローラ150は、ロボット100の安全な動作を確保するために、緊急措置(限定ではないが、回避操縦、再較正、及び/又は音声/視覚的ワーニングの送出)をとる必要があると判定することができる。
【0086】
図13及び14を参照すると、一部の実施構成において、ロボット100は、ロボット100が表面上に清掃液を堆積させ、その後複数回の通過により表面から清掃液を収集するために戻ることができるように構成されたナビゲーションシステム600を含む。単一通過の構成と比べて、複数回通過構成は、ロボット100が高速度で移動しながら、清掃液を長い時間期間にわたり表面上に残すことが可能となる。ナビゲーションシステムにより、ロボット100は、清掃流体が表面上に堆積されているが未だ収集されていない位置に戻ることが可能となる。ナビゲーションシステムは、清掃流体が残されている床面10の部分にロボット100が戻ることができるように、床面10にわたって擬似ランダムパターンでロボット100を操縦することができる。
【0087】
ナビゲーションシステム600は、ロボットコントローラ150上に格納及び/又は実行される挙動ベースのシステムとすることができる。ナビゲーションシステム600は、センサシステム500と通信して、駆動システム120に対して駆動コマンドを決定し送出することができる。
【0088】
図14を参照すると、一部の実施構成において、コントローラ150(例えば、1つ又は複数のコンピュータプロセッサ上で実行可能な命令を記憶することができるメモリと通信状態にある1又はそれ以上のコンピュータプロセッサを有するデバイス)は、互いに通信状態にある挙動システム210aと制御調停システム210bとを含む制御システム210を実行する。制御調停システム210bは、ロボットアプリケーション220を制御システム210に対して動的に追加及び削除することを可能にし、各アプリケーション220が他の何れかのアプリケーション220について知る必要もなくロボット100を制御できるようにする。換言すると、制御調停システム210bは、アプリケーション220とロボット100のリソース240との間の簡単な優先制御機構を提供する。
【0089】
アプリケーション220は、ロボット100のメモリ内に格納され、又はロボット100と通信して、(例えば、プロセッサ上で)並行して実行し、ロボット100を同時に制御することができる。アプリケーション220は、挙動システム210aの挙動部300にアクセスすることができる。独立して配備されたアプリケーション220は、ランタイム時に動的に組み合わされ、ロボットリソース240(例えば、駆動システム120及び/又は清掃システム160、190)を共有する。ランタイム時のアプリケーション220間でのロボットリソース240を動的に共有するための低レベルポリシーが実装される。このポリシーは、どのアプリケーション220が当該アプリケーション220により必要とされるロボットリソース240を制御するかを決定する(例えば、アプリケーション220間の優先順位階層)。アプリケーション220は、動的に開始及び停止し、互いに完全に独立して実行することができる。制御システム210はまた、共に組み合わせて互いに支援することができる複合挙動部300を可能にする。
【0090】
制御調停システム210bは、制御アービター260と通信する1又はそれ以上のアプリケーション220を含むことができる。制御調停システム210bは、アプリケーション220のための制御調停システム210bに対するインタフェースを提供するコンポーネントを含むことができる。このようなコンポーネントは、認証、分散リソース制御アービター、コマンドバッファリングの複雑さを解消して抽象化及びカプセル化し、アプリケーション220の優先順位付けの協調などを行うことができる。制御アービター260は、あらゆるアプリケーション220からコマンドを受け取り、アプリケーションの優先順位に基づいて単一のコマンドを生成し、これを関連のリソース240に公開する。制御アービター260は、その関連のリソース240から状態フィードバックを受け取り、これをアプリケーション220に送り返すことができる。ロボットリソース240は、1又はそれ以上のハードウェアコントローラを備えた機能モジュール(例えば、アクチュエータ、駆動システム、及びこれらのグループ)のネットワークとすることができる。制御アービター260のコマンドは、特定の動作を実施するリソース240に固有のものである。コントローラ150上で実行可能なダイナミックスモデル230は、現在のロボットの状態を評価するために、ロボット100の種々の部分の重心(CG)、慣性モーメント、及び慣性の外積を計算するよう構成される。
【0091】
一部の実施構成において、挙動部300は、センサシステム500のような複数のソースからの感知フィードバックを先験的限界及び情報を有してロボット100の許容動作に関する評価フィードバックに結合する階層的状態完全評価機能を提供するプラグインコンポーネントである。挙動部300は、アプリケーション220にプラグ着脱可能である(例えば、アプリケーション220の内部又は外部にある)ので、アプリケーション220又は制御システム210の他の何れかの部分を修正することなく削除及び追加することができる。各挙動部300は、独立したポリシーである。挙動部300をより強力にするために、複数の挙動部300の出力を別の挙動部の入力に取り付けて、複雑な組み合わせ機能を有することができるようにすることができる。挙動部300は、ロボット100の全体的認識の管理可能部分を実施することを目的としている。
【0092】
図示の実施例において、挙動システム210aは、センサによって感知された障害物に基づいて、ロボット応答動作(例えば、転回、Uターン、障害物前での停止、その他)を決定するための障害物検出/障害物回避(ODOA)挙動部300aを含む。別の挙動部300は、検出した壁に隣接して(例えば、壁に向かって及び壁から離れて駆動するくねりパターンで)駆動するための壁追従挙動部300bを含むことができる。別の挙動部300は、隣接する部屋の間の出入り口を検出し、2つの部屋の間の移動を検出するための出入り口横断挙動部300を含むことができる。スポット清掃挙動部300cは、汚れ、流体、又はデブリの閾レベルを有するよう検出されたロケーションの周りを螺旋運動パターンでロボット100を駆動させるようにすることができる。
【0093】
図15は、バンパー130を有する移動式ロボット100を作動させる方法150の例示的な工程構成を示す。本方法は、バンパー130上に配置された1又はそれ以上のセンサ410、420、430からのセンサ信号をバンパーコントローラ450又は補助回路基板にて受け取るステップ1502と、受け取ったセンサ信号を補助回路基板450上で処理するステップ1504と、処理されたセンサ信号に基づくセンサ事象を補助回路基板450からロボットコントローラ150に通信するステップ1506と、を含む。
【0094】
一部の実施構成において、本方法は、バンパー130上に配置された接触センサ420、バンパー130上に配置された近接センサ410、又はバンパー130上に配置されたカメラ470のうちの少なくとも1つからセンサ信号を受け取るステップを含む。受け取ったセンサ信号の処理は、アナログ−デジタル変換、信号フィルタリング、又は信号調整のうちの少なくとも1つを含むことができる。本方法は、流体浸透に対してシールすることができる単一の通信経路480、486を介して補助回路基板450からロボットコントローラ150にセンサ事象を通信するステップを含むことができる。一部の実施例において、通信経路480は、バンパー130の単一のマルチチャンネルライン480及び/又はコネクタ486である。
【0095】
本方法は、ロボット100の周りの環境に関する局所的センサ感知を決定するため補助回路基板450から受け取ったセンサ事象に応答して、コントローラ150上でマッピングルーチンを実行するステップを含むことができる。マッピングルーチンは、局所的な知覚空間を3つのカテゴリー、すなわち、障害物、未知域、及び既知の自由域に分類することができる。障害物は、ロボット100の高さより低い地面の上にある観測(すなわち、検知)点、及び地面より低い観測点(例えば、孔、下り段、その他)とすることができる。既知の自由域は、センサシステム500が地面を識別できる領域に相当する。センサシステム500における全てのセンサからのデータは、離散化3−Dボクセルグリッドに結合することができる。次いで、3−Dグリッドを解析して、3つの局所知覚空間分類で2−Dグリッドに変換することができる。3−Dボクセルグリッドにおける情報は、持続性を有するが、補強されない場合には経時的に劣化する。ロボット100が移動しているときには、持続性のため移動するより多くの既知の自由領域を有する。本方法は、実行したマッピングルーチンの結果に基づいて、駆動コマンドをロボットコントローラ150から駆動システム120に送出するステップを含むことができる。
【0096】
一部の実施例において、本方法は、ロボットコントローラ150上で制御システム210を実行するステップを含む。制御システム210は、互いに通信状態にある制御調停システム210b及び挙動システム210aを含む。挙動システム210aは、補助回路基板450から受け取ったセンサ事象に基づいた制御調停システム210bによるコマンドの実行に影響を及ぼす少なくとも1つの挙動部300を実行する。その上、少なくとも1つの挙動部300は、ロボットセンサシステム500から受け取ったセンサ信号に基づいた制御調停システム210bによるコマンドの実行に影響を及ぼすことができる。
【0097】
幾つかの実施構成を説明してきた。それでも尚、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができる点は、理解されるであろう。従って、他の実施構成は、添付の請求項の範囲内にある。