特許第6359076号(P6359076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6359076
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】測温プローブ
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/02 20060101AFI20180709BHJP
   G01K 1/08 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   G01K7/02 C
   G01K1/08 P
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-239484(P2016-239484)
(22)【出願日】2016年12月9日
(65)【公開番号】特開2018-96749(P2018-96749A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2017年5月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220767
【氏名又は名称】東京窯業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】高井 雅充
(72)【発明者】
【氏名】古川 克清
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−027428(JP,U)
【文献】 実開昭60−056239(JP,U)
【文献】 実開昭60−108769(JP,U)
【文献】 特開平08−136352(JP,A)
【文献】 特開平09−072789(JP,A)
【文献】 特開平10−260085(JP,A)
【文献】 特開2001−304978(JP,A)
【文献】 特開平01−169329(JP,A)
【文献】 特開2017−003423(JP,A)
【文献】 特許第6268270(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 7/02
G01K 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端を金属溶湯に浸漬して該金属溶湯の温度を測定する測温プローブであって、
該測温プローブの先端で温度を測定する測温手段と、
該測温プローブの外周面の少なくとも一部を形成し、該測温手段を内部に収容したセラミックスよりなる外部保護管と、
該外部保護管と当接し、該金属溶湯の温度を測定するときに該金属溶湯に対して該外部保護管を位置決めするフランジと、
を有し、
該外部保護管は、周方向での少なくとも一部において拡径してなる拡径部を有し、該拡径部の基端側の表面が該フランジの先端側の表面に当接した状態で、該フランジの該表面とともに該拡径部を外部から固定するように設けた接合材により該フランジに直接接合されていることを特徴とする測温プローブ。
【請求項2】
先端を金属溶湯に浸漬して該金属溶湯の温度を測定する測温プローブであって、
該測温プローブの先端で温度を測定する測温手段と、
該測温プローブの外周面の少なくとも一部を形成し、該測温手段を内部に収容したセラミックスよりなる外部保護管と、
該外部保護管と当接し、該金属溶湯の温度を測定するときに該金属溶湯に対して該外部保護管を位置決めするフランジと、
を有し、
該フランジは、軸方向に垂直な方向に広がる板状の本体部と、該本体部の先端側の表面から先端側に向かって立設した筒状の立設部と、を有し、
該外部保護管は、その外周面が該フランジに当接した状態で該フランジに開口した貫通孔を貫通し、
該フランジの該立設部の内部に充填された接合材が、該外部保護管を該フランジに接合固定していることを特徴とする測温プローブ。
【請求項3】
前記外部保護管は、外径の少なくとも一部が拡径してなる拡径部を有し、該拡径部の表面が前記フランジと当接する請求項2に記載の測温プローブ。
【請求項4】
前記フランジは、先端側の表面から突出した係止突起を有し、
前記接合材は、該係止突起を囲包する請求項1〜3のいずれか1項に記載の測温プローブ。
【請求項5】
前記測温手段は、先端が閉塞した内部保護管に収容されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の測温プローブ。
【請求項6】
前記内部保護管は、前記フランジに固定されている請求項5記載の測温プローブ。
【請求項7】
前記内部保護管は、先端が揺動可能な状態で前記フランジに支持されている請求項5記載の測温プローブ。
【請求項8】
前記金属溶湯が貯留する容器に開口した孔に先端を挿入して該金属溶湯に浸漬する請求項1〜7のいずれか1項に記載の測温プローブ。
【請求項9】
前記接合材は、耐熱性を有する接合材である請求項1〜8のいずれか1項に記載の測温プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属溶湯の温度を測定する測温プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
製鋼工場では、精錬の最終工程として連続鋳造機で溶融状態の鋼(溶鋼)を鋼板や棒鋼に加工する。連続鋳造法では、取鍋の溶鋼をタンディシュに溜め、連続鋳造機に流し込む。このため、タンディシュでの溶鋼温度は製品の品質ばかりでなく、鋳造機の操業条件にも影響を及ぼす。つまり、操業条件の決定を行うために、溶鋼の温度の測定が行われている。溶鋼温度の測定には、例えば、特許文献1に記載の測温プローブが用いられる。
【0003】
特許文献1に記載の測温プローブは、熱電対,熱電対を収容する耐熱管(内部保護管),耐熱管を収容するスリーブ(外部保護管)を有している。また、スリーブは、取付金具によりフランジ及び支持部材に固定されている。この測温プローブは、先端を金属溶湯に浸漬することで温度を測定する。
【0004】
従来の測温プローブは、金属溶湯を貯留する容器(取鍋やタンディッシュ)の開口した孔に挿入して先端を金属溶湯に浸漬される。このとき、スリーブを固定する取付金具は、容器内で露出した状態となる。容器内で露出した金属製の取付金具は、金属溶湯からの高熱に曝され、酸化・溶融が生じるおそれがあった。取付金具に酸化・溶融が生じると、劣化により取付金具自身の形状を保てなくなり、スリーブを保持する能力が低下するようになる。取付金具がスリーブを保持できなくなると、金属溶湯への落下が生じるという問題があった。
【0005】
さらに、測温プローブを温度の測定のために先端を金属溶湯に浸漬すると、金属溶湯自身の流速に起因する力が測温プローブの先端部に加わる。この先端部に加わる力は、スリーブが曲がる方向に加わる。力が加わったスリーブは、力の加わる方向にそって変形しようとするが、基端側の端部が取付金具で固定されている。この結果、スリーブに加わった力は、スリーブが取付金具に固定される部分(スリーブの取付金具との接点)に集中する。取付金具を形成する金属と、スリーブを形成するセラミックスとでは強度に大きな差があり、部分的に集中した力は、スリーブ側により多く集中する。この力が、スリーブの折損等の測温プローブの破損を生じさせるという問題があった。
【0006】
図10にその構成を示した従来の測温プローブ1では、その先端部に力が加わると、スリーブ4の取付金具9との接点,及び耐熱管3の取付金具9との接点にも同様に力が集中し、損傷の起点となるという問題があった。なお、図10は、特に言及しない構成(参照符号)については、後述の実施例と同様である。また、図10中、フランジ5の下面には熱損傷を抑えるためにセラミックス等の断熱材よりなる耐熱板8が設けてある。
【0007】
また、金属溶湯の流れに起因する力がスリーブ4に加わると、耐熱管3がスリーブ4に固定される固定部にも負荷が集中し、耐熱管3が脱落するという問題があった。
【0008】
すなわち、従来の測温プローブは、金属溶湯の測温時に、金属溶湯の流れに起因する負荷の集中による破損や、取付金具の劣化を生じやすいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−304978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、損傷が抑えられた測温プローブを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、測温プローブの構造について検討を重ねた結果、本発明をなすに至った。
【0012】
本発明の第1の測温プローブは、先端を金属溶湯に浸漬して金属溶湯の温度を測定する測温プローブであって、測温プローブの先端で温度を測定する測温手段と、測温プローブの外周面の少なくとも一部を形成し、測温手段を内部に収容したセラミックスよりなる外部保護管と、外部保護管と当接し、金属溶湯の温度を測定するときに金属溶湯に対して外部保護管を位置決めするフランジと、を有し、外部保護管は、周方向での少なくとも一部において拡径してなる拡径部を有し、拡径部の基端側の表面がフランジの先端側の表面に当接した状態で、フランジの表面とともに拡径部を外部から固定するように設けた接合材によりフランジに直接接合されていることを特徴とする。
本発明の第2の測温プローブは、先端を金属溶湯に浸漬して金属溶湯の温度を測定する測温プローブであって、測温プローブの先端で温度を測定する測温手段と、測温プローブの外周面の少なくとも一部を形成し、測温手段を内部に収容したセラミックスよりなる外部保護管と、外部保護管と当接し、金属溶湯の温度を測定するときに金属溶湯に対して外部保護管を位置決めするフランジと、を有し、フランジは、軸方向に垂直な方向に広がる板状の本体部と、本体部の基端側の表面から基端側に向かって立設した筒状の立設部と、を有し、外部保護管は、その外周面がフランジに当接した状態でフランジに開口した貫通孔を貫通し、フランジの立設部の内部に充填された接合材が、外部保護管をフランジに接合固定していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の測温プローブは、外部保護管がフランジに当接した状態で直接接合されている。つまり、取付金具を用いることなく外部保護管をフランジに直接係止・固定する構成となっている。この結果、本発明の測温プローブは、従来のように外部保護管の固定に取付金具を用いていないため、取付金具が測温プローブの損傷の起点となることが抑えられている。
【0014】
さらに、本発明の測温プローブは、従来のように取付金具が測温プローブ(及び外部保護管)の変形を規制することが起こらないため、測温プローブが変形により折損することが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第一実施形態例の測温プローブの構成を示した図である。
図2】第一実施形態例の測温プローブの構成を示した図である。
図3】第一実施形態例の測温プローブの外部保護管の固定構造を示した図である。
図4】第一実施形態例の変形形態1の測温プローブの外部保護管の構成を示した図である。
図5】第一実施形態例の変形形態2の測温プローブの外部保護管の構成を示した図である。
図6】第二実施形態例の測温プローブの構成を示した図である。
図7】第三実施形態例の測温プローブの構成を示した図である。
図8】第三実施形態例の測温プローブの内部保護管の係止構造を示した図である。
図9】第三実施形態例の測温プローブの外部保護管と内部保護管の構成を示した図である。
図10】従来の測温プローブの構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の測温プローブは、先端を金属溶湯に浸漬して金属溶湯の温度を測定する。本発明の測温プローブは、金属溶湯の温度を測定するものであり、測定される金属溶湯の種類については、何ら限定されるものではない。本発明の測温プローブは、タンディッシュに溶鋼を溜め、この溶鋼をタンディッシュから鋳型へ注湯することで連続鋳造を行うに際し、タンディッシュ内の溶鋼に先端を浸漬させて溶鋼の温度を測定するためのものとすることができる。
【0017】
測温手段は、測温プローブの先端で温度を測定する手段である。測温手段は、温度を測定することができるものであればよく、具体的な構成が限定されるものではない。測温手段は、熱電対とすることができる。
【0018】
熱電対は、実際に温度を測定する部材であり、本発明では金属溶湯の温度域での温度の測定に用いることができる熱電対を適宜選択する。熱電対としては、白金ロジウム型,タングステンレニウム型,イリジウムロジウム型,アルメルクロメル型,ニッケルモリブデン型,ナイクロシル型等の熱電対をあげることができる。
【0019】
本発明の測温プローブにおいて、溶鋼の温度の測定には、白金ロジウム型の熱電対を用いることが好ましい。白金ロジウム型の熱電対とは、熱電対の+側が白金ロジウム合金であり、−側が白金ロジウム合金又は白金である熱電対を示す。白金ロジウム型の熱電対の具体的な組成は、従来公知の組成とすることができる。
【0020】
外部保護管は、測温プローブの外周面の少なくとも一部を形成し、測温手段を内部に収容したセラミックスよりなる部材である。外部保護管は、測温プローブの先端が金属溶湯に浸漬したときに、金属溶湯が当接する部材である。そして、その内部に収容される測温手段等の損耗等を抑えて保護する。
【0021】
外部保護管は、測温手段を内部に収容する。測温手段を内部に収容することで、測温手段が露出することを抑えることができ、測温手段の損耗等を押さえることができる。
【0022】
外部保護管は、その形状が限定されるものではなく、測温手段を内部に配した状態で先端側の端部が閉じた形状等の形状で形成することができる。また、測温手段が内部保護管に収容されている場合には、内部保護管を内部に配する(囲包する)筒状としてもよい。
【0023】
外部保護管は、セラミックスよりなる。外部保護管を形成するセラミックスの具体的な種類は限定されるものではなく、従来の測温プローブに用いられる耐熱性セラミックスを用いることができる。このセラミックスとしては、アルミナ系、アルミナ−カーボン系、マグネシア系、マグネシア−カーボン系、シリカ系、ジルコニア系、ジルコニア−カーボン系、炭化珪素系、炭化珪素−カーボン系などの少なくとも1種をあげることができる。
【0024】
フランジは、外部保護管と当接し、外部保護管を位置決めする部材である。フランジは、測温プローブで金属溶湯の温度を測定するときに、タンディッシュ等に組み付けるための部材である。すなわち、フランジを介して外部保護管が所定の位置に固定される。その結果、フランジは、本発明の測温プローブ自体の位置決めも行う。
【0025】
フランジは、その材質は限定されるものではなく、従来公知の材質とすることができる。この材質としては、外部保護管を位置決めでき、かつ金属溶湯の温度を測定する時に周囲の高熱による影響を受けにくい材質であればよく、耐熱性金属をあげることができる。この耐熱性金属としては、ステンレス鋼をあげることができる。
【0026】
そして、本発明の測温プローブは、外部保護管が、フランジに当接した状態で接合されている。すなわち、本発明の測温プローブは、外部保護管がフランジに直接接合されている。この構成では、従来の測温プローブのように取付金具を用いることなく外部保護管を接合している。つまり、本発明の測温プローブは、取付金具を用いることなく接合することで、取付金具に起因する外部保護管の損傷が生じなくなっている。具体的には、測温プローブの先端部を金属溶湯に浸漬して金属溶湯の流れに伴って外部保護管が変形(湾曲)したときに、外部保護管の変形が過度に規制されなくなり、外部保護管に加わる応力の集中が抑えられる。また、従来のように取付金具が測温プローブ(及び外部保護管)の変形を規制することが起こらないため、測温プローブが変形により折損することが抑えられる。
【0027】
さらに、本発明の測温プローブは、取付金具を用いなくなることで、測温プローブが測温を行う金属溶湯の測温系(金属溶湯が貯留する容器を含む系)から取付金具に由来する金属が排除されている。つまり、取付金具が酸化・溶融を生じて取付金具自身が損傷することが抑えられる。
【0028】
本発明の測温プローブは、外部保護管が、基端側に向いた表面の少なくとも一部がフランジに当接した状態で接合されていることが好ましい。すなわち、フランジに当接する外部保護管の基端側に向いた表面の少なくとも一部が当接面となる。この結果、本発明においては、フランジと外部保護管との当接が面接触となる。面接触は点接触の場合よりも、応力の集中を抑えることができる。すなわち、外部保護管がフランジと広い面積で当接し、この状態で接合されることで、測温プローブ及び外部保護管の損傷が抑えられる。
【0029】
本発明の測温プローブにおいて、外部保護管の基端側に向いた表面とは、外部保護管の基端側の端部を軸方向に、基端側から見たときに確認できる表面を示す。つまり、この基端側の表面(及び当接面)は、軸方向に垂直な方向に広がる面以外に、軸方向に交差する方向に広がる面をも含む。
【0030】
そして、当接面は、外部保護管の基端側に向いた表面の少なくとも一部であって、連続した一つの表面部であっても、途切れた複数の表面部であっても、いずれでもよい。
【0031】
本発明の測温プローブにおいて、外部保護管は、外径の少なくとも一部が拡径してなる拡径部を有し、拡径部の表面がフランジと当接することが好ましい。外部保護管が拡径部を有することで、拡径部がない場合と比較して、基端側に向いた表面をより広い面積とすることができる。すなわち、外部保護管とフランジの当接面をより広くすることが可能となる。つまり、外部保護管がフランジとより広い面積で当接することができるようになり、測温プローブ及び外部保護管の損傷がより抑えられるようになる。
【0032】
本発明において、拡径部の形状については、外径の少なくとも一部が拡径してなる形状であれば、限定されるものではない。また、拡径部の拡径量についても限定されるものではなく、外部保護管の周方向,軸方向で一定の拡径量であっても、周方向,軸方向で異なる拡径量を有していても良い。
【0033】
本発明において、拡径部は、その先端側と基端側の軸方向での端部の間に、最も径の大きな部分を一つ有し、その最も径の大きな部分から先端側及び基端側にかけて、少なくともどちらか一方に徐々に径が縮径する形状であることが好ましい。この構成となることで、軸方向で、二つの径の大きな部分の間に、径の大きな二つの部分のいずれの径よりも小さな径の部分(特に、径の変化による角部)が形成されなくなり、外部保護管の基端側の任意の一点で応力が集中しなくなる。仮に、軸方向で、二つの径の大きな部分の間に小さな径の部分(角部)が形成されると、この部分に、負荷が集中し、破壊の起点となる。
【0034】
本発明において、拡径部は、基端側の表面が軸方向に垂直な平面を形成する形態や、基端側の表面の外径が軸方向の基端から先端に進むにつれて徐々に縮径する形態、であることが好ましい。
【0035】
基端側の表面が軸方向に垂直な平面を形成する形態であることがより好ましい。本形態は、外部保護管の当接面及びフランジの被当接面のいずれの表面も、平面とすることができ、両部材をその全面で密着させることができる。すなわち、より広い面積で両部材を当接させることで、部分的な力(負荷)の集中が生じなくなり、測温プローブ及び外部保護管の損傷が抑えられる。
【0036】
なお、本形態においては、平面をなす基端側の表面は、外部保護管の軸方向の基端側の端部と、軸方向の位置が同じであっても異なっていても、いずれでもよい。平面をなす基端側の表面が、外部保護管の軸方向の基端側の端部と軸方向の位置が同じである、すなわち、平面をなす基端側の表面が、外部保護官の基端側の端面を形成することが好ましい。
【0037】
すなわち、外部保護管がフランジと当接する当接面は、外部保護管の基端側の端面であることが好ましい。この構造では、拡径部の基端側の表面だけでなく、外部保護管の内部保護管等が挿入される孔が開口する開口部を区画する部分(上記の拡径部が形成されていない他の部分の外径に相当する部分)も、当接面となる。つまり、外部保護管とフランジの当接面をより広くすることができ、その結果、測温プローブ及び外部保護管の損傷が抑えられる。
【0038】
基端側の表面の外径が軸方向の基端から先端に進むにつれて徐々に拡径する形態であることも好ましい。この形態は、基端側の表面が軸方向に垂直な方向だけでなく軸方向にも広がっているため、基端側の表面が軸方向に垂直な平面の場合に比べて、表面積をより広くすることができる。このため、より広い面積で外部保護管とフランジを当接させることができ、部分的な力(負荷)の集中が生じなくなり、測温プローブ及び外部保護管の損傷が抑えられる。
【0039】
本形態では、外部保護管の拡径部と当接するフランジの被当接面は、拡径部の基端側の表面と略一致する形状であることが好ましい。被当接面を、拡径部の基端側の表面と略一致する形状とすることで、当接面積をより広くすることができる。
【0040】
ここで、本形態において、基端側の表面の外径が軸方向の基端から先端に進むにつれて徐々に拡径する拡径部の形状とは、軸方向の位置が異なる二点において、先端側に位置する点での外径が、基端側に位置する点での外径よりも大きくなっている形状を示す。すなわち、軸方向で基端側から先端側に進んだときの拡径の度合い(形状)については限定されるものではなく、径の変化が階段状をなす変化であっても、なめらかな傾斜をなす変化であっても、これらを組み合わせた変化であっても、いずれでもよい。
【0041】
本形態では、拡径部が基端側から先端側にかけて先太の形状となる。この先太の形状によると、外部保護管とフランジとを組み付けるときに、この形状がガイドの役割も発揮する。つまり、簡単に組み付けを行うことができる。
【0042】
本形態では、拡径部の基端側の表面の径の変化は、なめらかな変化であることがより好ましい。すなわち、拡径部の基端側は、円錐台形状をなすことが好ましい。この形状となると、外径の変化が滑らかとなり、当接面に角部が存在しなくなる。このため、部分的な力(負荷)の集中をより抑えることができるようになる。
【0043】
本発明の測温プローブにおいて、外部保護管は、フランジに付勢されていることが好ましい。外部保護管がフランジに対して付勢されることで、外部保護管がフランジにより密着するとともに、相対的な位置のズレを抑えることができる。すなわち、本発明の測温プローブで温度を測定するときに、測温プローブ(外部保護管)に軸方向に垂直な方向(たとえば、径方向)の力が加わっても、外部保護管がフランジに付勢されたことで、外部保護管とフランジの当接面にズレを生じなくなる。
【0044】
本発明の測温プローブにおいて、外部保護管は、接合材でフランジに接合されることが好ましい。接合材で接合することで、取付金具を配することなく、外部保護管をフランジに接合することができる。
【0045】
本発明の測温プローブにおいて、接合材は、外部保護管のフランジとの当接面を有する拡径部を囲包した状態で配されることが好ましい。すなわち、接合材が外部保護管のフランジとの当接面を有する拡径部を囲包した状態で配されることで、拡径部を覆った状態で接合材で外部保護管のフランジと接合される。すなわち、両者が強固に接合される。さらに、両者の界面が接合材で覆われることとなり、破損の起点となることが抑えられる。
【0046】
なお、ここでの接合材とは、外部保護管とフランジを接合する接合材が硬化してなる硬化物を示す。すなわち、本発明において、接合材は、外部保護管とフランジを接合していない状態の接合材だけでなく、外部保護管とフランジを接合している状態の接合材の硬化物を含む。
【0047】
本発明の測温プローブにおいて、接合材は、フランジから突出した係止突起を内部に有することが好ましい。接合材が係止突起を内部に有することで、接合材は拡径部だけでなく係止突起も囲包する。これにより、接合材がフランジから剥離することが抑えられる。この結果、外部保護管のフランジを、より強固に接合できる。
【0048】
ここで、係止突起は、接合材をフランジに接合できる形態のものであれば、その具体的な形態は限定されるものではない。たとえば、フランジの先端側の表面に溶着された、Y字,V字等の先が広がった形状の線材よりなるスタッドや、C字状,円形,らせん状に成形してなるスタッドを、あげることができる。
【0049】
本発明において、測温手段は、先端が閉塞した内部保護管に収容されていることが好ましい。内部保護管が測温手段を収容した構成となることで、測温手段が内部保護管の外部からの反応性物質との反応が抑えられ、測温手段の長寿命化の効果が得られる。内部保護管は、測温手段を保護できる形状であればその形状が限定されるものではなく、従来公知の形状を適用することができる。
【0050】
内部保護管は、その材質は限定されるものではなく、従来公知の材質とすることができる。この材質としては、内部保護管に要求される硬度,温度即答性を有する金属−セラミックス複合体(サーメット)をあげることができる。
【0051】
また、内部保護管は、その内部に別の保護管(例えば、絶縁管)を配していても良い。この絶縁管を形成する材質は、絶縁管の外部からの反応性物質が測温手段と反応することを抑えることができる材質であればよく、炭素を含まない材質であることが好ましい。絶縁管が炭素を含まない材質よりなることで、絶縁管の外部からの炭素の浸入を防止することができる。絶縁管を形成する材質は、アルミナ,マグネシア、ムライト等のセラミックスをあげることができ、アルミナであることがより好ましい。
【0052】
本発明の測温プローブは、内部保護管の固定については特に限定されるものではない。つまり、内部保護管がフランジに対する位置が固定されていても、内部保護管がフランジに対する位置が変位可能な状態で支持されていてもいずれでも良い。
内部保護管は、フランジに対する位置が固定されていることが好ましい。内部保護管の位置が固定されることで、内部保護管の変位も抑えられ、測温プローブの変形(湾曲)がより抑えられる。また、内部保護管が外部保護管を損傷させることが抑えられる。
【0053】
内部保護管は、揺動可能な状態でフランジに支持されていることが好ましい。内部保護管が揺動可能な状態で支持されることで、測温プローブが変形(湾曲)しようとしたときに、内部保護管が揺動することで加わった力を逃がすことができ、内部保護管の損傷が抑えられる。
【0054】
なお、内部保護管の揺動とは、内部保護管の先端部が、軸方向,径方向,周方向の少なくとも一つの方向への変位をする動作を示す。また、フランジに支持とは、内部保護管の揺動中心の位置が、フランジに対する位置で決定できる状態を示すものであり、フランジに直接支持されていない状態であってもよい。
【0055】
本発明の測温プローブは、その製造方法が限定されるものではないが、スタッドが形成されたフランジの先端側の表面に、外部保護管の基端側に向いた表面の少なくとも一部(外部保護管の軸方向の端面,拡径部の表面)を付勢した状態で、当接部をスタッドと共に接合材で囲包するように接合することで、製造することができる。
なお、内部保護管等のその他の部材は、外部保護管の組付けの前後のいずれに組み付けても良い。
【実施例】
【0056】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各形態は、本発明を実施するための具体的な例であり、本発明が以下の各形態のみに限定されるものではない。
【0057】
[第一実施形態]
本形態は、図1〜3にその構成を示した測温プローブである。図1は、本形態の測温プローブの構成を示した部分断面図である。図2は、図1中のII−II断面を示した断面図である。図3は、外部保護管4の拡径部近傍の構成を示した拡大断面図である。なお、図1では、下方が先端になるように示した(他も同様)。
【0058】
本形態の測温プローブ1は、先端部に測温部を有する白金ロジウム型の熱電対2(測温手段に相当)と、熱電対2を収容するために先端部3a(先端側)が閉塞された筒形状の金属−セラミックス複合体(サーメット)よりなる内部保護管3と、内部保護管3を囲包するセラミックスよりなる外部保護管4と、外部保護管4を支持するステンレス鋼よりなるフランジ5と、外部保護管4とフランジとを接合する接合材6と、を備えている。
【0059】
熱電対2は、白金ロジウム型の熱電対であり、その測温部が内部保護管3の先端部3aの内面に近接又は当接して組み付けられている。熱電対2の基端部は、プローブ頭部(ターミナルヘッド)25を介して指示計(図示せず)に接続されている。熱電対2は、図2に示したように、互いに独立して並走する一対の通孔22,22を有する絶縁管21の通孔22,22に挿入され、先端の測温部が絶縁管21の端面から突出した状態で組み付けられている。
【0060】
内部保護管3は、先端が閉じた円筒状の部材である。そして、本形態では、先端部3aが滑らかな湾曲形状をなしている断面円形の有底筒状の部材である。内部保護管3は、内部に熱電対2を収容したときに、内面に熱電対2が先端部以外が近接した状態でもうけられている。また、内部保護管3は、熱電対2が絶縁管21を貫通した状態で収容した状態で、その内部に収容する。
熱電対2及び内部保護管3は、基端部が図示されない手段により固定されている。
【0061】
外部保護管4は、両端が開口した断面円形の筒状の部材(すなわち、円筒状の部材)である。外部保護管4は、内部(軸芯の中空部)に内部保護管3を収容したときに、その内面が内部保護管3の外周面と当接(外周面の全面が当接)するように設けられている。本形態では、外部保護管4と内部保護管3はすき間を形成することなく密着している。
【0062】
外部保護管4は、基端部4bに、その外径が拡径した拡径部40を備えている。拡径部40は、その基端側の表面(拡径部40の裏面40b)が、外部保護管4の基端側の端面をなすように形成されている。拡径部40は、先端4a側から基端4b側に進むにつれて徐々に径が拡径して形成されている。すなわち、拡径部40は、先細の略円錐台形状の外形を有している。拡径部40の裏面40bは、基端側に向いた表面に相当する。
【0063】
フランジ5は、軸方向に垂直な方向に広がる略円盤状の本体部50と、略円盤状の本体部50の基端側の表面(すなわち、裏面50b)に立設した略円筒状の立設部55を有する。フランジ5は、本体部50と立設部55が一体をなすように接合(固定)されている。
フランジ5の本体部50は、貫通孔51が開口した略円盤状を有する。フランジ5は、略円盤状の先端側の表面50aに、外部保護管4の基端側の端面(すなわち、拡径部40の基端側の表面である裏面40b)が当接する。このとき、フランジ5の略円盤状の本体部50の軸心部には、外部保護管4に収容される内部保護管3が挿通可能な貫通孔51が開口している。
フランジ5の貫通孔51は、内部保護管3の外周形状と略一致する形状(円形状)をなすように形成されている。
【0064】
フランジ5の本体部50は、その外縁部52が先端側方向に突出するように成形されている。すなわち、フランジ5の本体部50は、軸方向に沿った断面において、本体部50と外縁部52とが、基端側が閉じた略コ字状の形状をなすように、すなわち基端側が閉じた円筒状の外形を有している。
【0065】
フランジ5の本体部50の先端側の表面50aには、スタッド53がもうけられている。スタッド53は、その形状が限定されるものではなく、本例では先端側が開いたY字状をなしている。
【0066】
フランジ5の立設部55は、本体部50の基端側の表面(すなわち、裏面50b)に立設してもうけられた略円筒状を有する。立設部55は、本体部50の裏面50bに沿って広がる板状の立設基部56と、立設基部56から基端側方向に突出した略円筒状の立設筒部57とを有する。本例では、立設部55は、立設基部56が本体部50にねじ止めで接合されることで、立設部55が本体部50に接合(固定)している。立設部55の本体部50への接合は、溶接等の他の接合方法でも良い。
【0067】
立設基部56は、本体部50の裏面50bに沿って広がる(すなわち、軸方向に垂直な方向に沿って広がる)板状を有する。立設基部56は、本体部50の裏面50bに立設部55を配置したときに、すき間無く密着可能となるように形成されている。立設基部56は、略円筒状の立設筒部57の径方向外方に広がる。
略円筒状の立設筒部57は、その軸心部に内部保護管3が挿入され、内部保護管3を接合・固定する。略円筒状の立設筒部57は、その内周面が内部保護管3の外周面に対応した形状をなすように形成されている。略円筒状の立設筒部57の軸心部は、本体部50の貫通孔51と連通する。
【0068】
接合材6は、外部保護管4の基端側の端面(拡径部40の裏面40b)がフランジ5の表面50aに密着した状態(外部保護管4の端面(拡径部40の裏面40b)がフランジ5に押しつけられた状態)で、両者を接合する。接合材6は、外部保護管4の拡径部40及びフランジ5のスタッド53も内部に配した状態で、フランジ5の先端側の表面側に配される。本実施例において接合材6は、フランジ5の略コ字状の本体部50の内部に充填されたセメント(耐熱性セメント)を固化して形成され、拡径部40がフランジ5に当接した状態で拡径部40を囲包して形成されている。
【0069】
本形態の測温プローブ1は、取付金具を用いることなく外部保護管4をフランジ5に直接接合している。すなわち、従来のように取付金具を用いていないため、取付金具が測温プローブ1の損傷の起点となることが抑えられている。
【0070】
また、本形態の測温プローブ1は、金属溶湯の温度を測定するときに金属溶湯の流れに基づく力が測温プローブ1(及び外部保護管4)に加わって変形を生じても、従来のように取付金具が測温プローブ1(及び外部保護管4)の変形を規制することが起こらないため、測温プローブ1自身が変形により折損することが抑えられている。
【0071】
本形態の測温プローブ1では、外部保護管4がフランジ5に密着した状態(付勢される状態)で接合材6で接合されたことで、外部保護管4がフランジ5により密着するとともに、相対的な位置のズレを抑えることができている。すなわち、測温プローブ1(外部保護管4)に軸方向に垂直な方向(たとえば、径方向)の力が加わっても、外部保護管4とフランジ5の当接面にズレを生じなくなる。
【0072】
さらに、本形態の測温プローブ1は、外部保護管4が拡径してなる拡径部40の裏面40bがフランジ5との当接面となっている。拡径部40は、拡径部40が形成されていない部分に比べて大きな外形(あるいは、外径)を有している。すなわち、拡径部40は、外径の少なくとも一部が拡径している。そして、この拡径部40の裏面40bにより区画される当接面は、拡径部40が形成されていない場合よりも広い面積となっている。すなわち、より広い当接面積で外部保護管4とフランジ5とが密着して接合されている。結果として、本実施形態の測温プローブ1は、外部保護管4とフランジ5との当接面積が広くなっており、部分的な力(負荷)の集中が生じなくなっている。この結果、本形態の測温プローブ1は、金属溶湯の温度を測定するときに、部分的な力(負荷)の集中に起因する測温プローブ1及び外部保護管4の損傷が抑えられる。
【0073】
本形態の測温プローブ1において、接合材6がフランジ5の本体部50から突出したスタッド53を内部に有する構成となっていることから、接合材6がフランジ5の本体部50から剥離することが抑えられ、外部保護管4とフランジ5とを、より強固に接合できている。
【0074】
(第一実施形態の変形形態)
上記の第一実施形態は、外部保護管4の拡径部40が外部保護管4の裏面40bを軸方向に垂直な面に沿った平面としているが、拡径部40の裏面40bがフランジ5と当接する当接面となる形態は、この形態に限定されない。例えば、以下の形態をあげることができる。以下に示す本変形形態の測温プローブ1は、特に言及しない構成については第一実施形態と同様な構成である。
【0075】
(第一実施形態の変形形態1)
本形態は、外部保護管4において、外部保護管4の基端側の端面と、拡径部40の裏面40bと、が一致しないこと以外は、第一実施形態と同様な構成である。本形態は、外部保護管4の拡径部40近傍の構成を図4に拡大断面図で示した。
【0076】
本形態の測温プローブ1は、外部保護管4の基端側の端面(基端部4b)が、フランジ5の本体部50の裏面50bと同一平面をなすように形成されている。また、拡径部40の裏面40bが、フランジ5の本体部50の表面50aと同一平面をなすように形成されている。
具体的には、本形態では、フランジ5の本体部50に開口した貫通孔51が、第一実施形態よりも大きな径で開口している。貫通孔51は、外部保護管4の拡径部40が形成されていない部分と同じ径で開口している。
【0077】
外部保護管4は、拡径部40の裏面40bがフランジ5の本体部50の表面50aと同一平面をなすように形成されている。外部保護管4の基端部4bは、拡径部40の裏面40bから突出して形成されている。拡径部40の裏面40bからの突出高さは、フランジ5の本体部50の厚さと同じである。さらに、外部保護管4の基端部4bは、貫通孔51に挿入(嵌入)可能に形成されている。
【0078】
本形態の測温プローブ1は、外部保護管4の基端部4bが、フランジ5の本体部50の貫通孔51を貫通可能に、拡径部40の裏面40bから突出した断面階段状をなすように形成されている。本形態では外部保護管4の突出した基端部4bが貫通孔51の内周面と当接した状態で形成されているが、基端部4bの外周面と貫通孔51の内周面との間にすき間があっても良い。
【0079】
本形態の測温プローブ1は、外部保護管4がフランジ5に接合された構成を備えており、第一実施形態と同様な効果を発揮する。
本形態の測温プローブ1は、外部保護管4の基端側の端部が、フランジ5の貫通孔51を貫通して形成されている。この形状の外部保護管4の基端部4bは、内部保護管3を囲包して形成されており、外部保護管4(内部保護管3)をフランジ5に組み付けるとき(貫通孔51に挿入して組み付けるとき)に、外部保護管4の位置決めを簡単に行うことができる効果を発揮する。
【0080】
(第一実施形態の変形形態2)
本形態は、外部保護管4において、外部保護管4の拡径部40の裏面40bが、なめらかな略円錐状に形成されていること以外は、第一実施形態と同様な構成である。外部保護管4の拡径部40近傍の構成を図5に拡大断面図で示した。
【0081】
本形態の測温プローブ1は、外部保護管4の基端側の端面(拡径部40の裏面40b)が、先端側から基端側に進むにつれて外形が徐々になめらかに縮径した傾斜面をなしている。また、フランジ5の先端側の表面は、この拡径部40が当接する部分は、拡径部40の裏面40bに一致する略漏斗状の形状に形成されている。
【0082】
本形態の測温プローブ1は、外部保護管4がフランジ5に接合された構成を備えており、第一実施形態と同様な効果を発揮する。
本形態の測温プローブ1においても、上記の変形形態1の時と同様に、外部保護管4(内部保護管3)を組み付けるときの位置決めを簡単に行うことができる効果を発揮する。
【0083】
[第二実施形態]
本形態は、外部保護管4が拡径部40を持たないこと、接合材6が部分的に圧肉に形成されたこと以外は、第一実施形態の変形形態2と同様な構成である。外部保護管4がフランジ5に接合される部分の近傍の構成を図6に拡大断面図で示した。
【0084】
外部保護管4は、先端4aからの基端4bにかけて、径の変化がない円筒状に形成されている。
フランジ5は、第一実施形態と同様な本体部50、外縁部52及び貫通孔51が形成されている。さらに、フランジ5の本体部50は、貫通孔51を区画する開口から基端側に向けて突出した略円筒状の内縁部54を有する。内縁部54は、外部保護管4の外周面と略一致する内周面を有する。内縁部54は、その軸心部に外部保護管4及び内部保護管3が挿入され、外部保護管4を接合・固定する。本形態のフランジ5は、第一実施形態のフランジ5において本体部50と立設部55とが一体化した構成を有する。内縁部54は、第1実施形態の立設部55の立設筒部57と同様に機能する。
【0085】
接合材6は、第一実施形態と同様に、スタッド53を内部に配した状態で、フランジ5の略コ字状の本体部50の内部に充填されたセメント(耐熱性セメント)を固化して形成されている。接合材6は、外部保護管4とフランジ5とを接合する。
接合材6は、図6に示したように、外部保護管4と当接する軸心側に、厚肉部60を有する。厚肉部60は、外部保護管4を囲包するように、先端方向に形成されている。
【0086】
本形態の測温プローブ1は、外部保護管4がフランジ5に接合された構成を備えており、第一実施形態と同様な効果を発揮する。
本形態の測温プローブ1は、外部保護管4が拡径部40を持たない構成でも、厚肉部60を接合材6が備えた構成となっている。厚肉部60を持つことで、接合材6と外部保護管4との接合面積が増大している。外部保護管4がフランジ5に十分な接合力で接合する。この結果、本形態は、第一実施形態と同様な効果を発揮する。
【0087】
[第三実施形態]
本形態は、図7図9にその構成を示した測温プローブである。本形態の測温プローブ1は、内部保護管3の係止構造が異なること以外は第一実施形態と同様の構成の測温プローブである。図7は、本形態の測温プローブ1の構成を示した図である。図8は、図7中のVIII−VIII線での断面を示した図であり、軸方向に垂直な断面での内部保護管3の係止構造を示した図である。図8においては、軸心部に配されている熱電対2は図示を省略した。図9は、内部保護管3を支持ピン7が支持した構造を模式的に示した図であり、図8中のIX−IX線での構成を示した図である。なお、本形態の測温プローブ1において、それぞれの構成要素の特に言及しない構成については、上記の第一実施形態〜第二実施形態と同様である。
【0088】
内部保護管3は、基端3b側の端部の近傍に周方向の全周にわたって断面凹字状の溝条30が形成されている。溝条30の断面形状は、溝条30ののびる方向に垂直な断面での形状を示す。
外部保護管4は、断面円形の筒状の部材(略円筒状の部材)である。外部保護管4は、内部(あるいは、軸心部)に内部保護管3を収容(あるいは挿入)したときに、その内周面と内部保護管3の外周面との間に小間隔を隔てるように設けられている。すなわち、外部保護管4は、その内径が内部保護管3の外径よりも大きな略円筒状をなしている。
【0089】
フランジ5は、軸方向に垂直な方向に広がる略円盤状の本体部50と、略円盤状の本体部50の裏面50bに立設した略円筒状の立設部55と、を有する。
【0090】
立設部55は、本体部50の裏面50bに沿って広がる板状の立設基部56と、立設基部56から基端側方向に突出した略円筒状の立設筒部57とを有する。
立設筒部57は、その軸心部に内部保護管3が挿入され、内部保護管3を揺動可能な状態で支持する。略円筒状の立設筒部57は、その内周面が内部保護管3の外周面との間にすき間を有する円筒形状に形成されている。
立設部55(立設筒部57)における内部保護管3の支持は、筒状の立設部55(立設筒部57)を貫通した支持ピン7の先端を内部保護管3の溝条30に挿入することで行われる。
【0091】
具体的には、図9に示したように、立設部55(立設筒部57)は、その軸心部に内部保護管3が挿通した状態で、径方向内方に向かって3本の支持ピン7が貫通した状態で固定される。立設部55(立設筒部57)を貫通した支持ピン7の先端は、内部保護管3の溝条30に挿入され、溝条30の基端3b側の側壁面3dと当接し、先端3a側の側壁面3cとの間にはすき間が存在する。すなわち、溝条30の開口の幅(一対の側壁面3c,3d間の距離)が支持ピン7の溝条30に挿入される先端の太さよりも広く形成されている。
【0092】
溝条30の内部に挿入された支持ピン7の先端は、溝条30の底面3eと当接する。本形態においては、支持ピン7はボルトよりなり、その先端が溝条30の底面3eに圧接して径方向内方に付勢力を付与する。本形態においては、支持ピン7を溝条30に挿入した状態で、支持ピン7と溝条30の側壁面3dとが当接しない状態(小間隔で隔てられた状態)であり、内部保護管3の揺動を許容する構成となっている。
なお、本形態では、支持ピン7がボルトにより形成されているが、立設部55(立設筒部57)を貫通した状態で先端の溝条30への挿入量を調節できる構成であれば、ボルト以外の部材であっても良い。
【0093】
本形態の測温プローブ1は、取付金具を用いることなく外部保護管4及び内部保護管3をフランジ5に接合又は支持している。すなわち、従来のように取付金具を用いていないため、取付金具が測温プローブ1の損傷の起点となることが抑えられている。
【0094】
また、本形態の測温プローブ1は、金属溶湯の温度を測定するときに金属溶湯の流れに基づく力が測温プローブ1(及び内部保護管3)に加わって変形を生じても、従来のように取付金具が測温プローブ1(及び内部保護管3)の変形を規制することが起こらないため、測温プローブ1自身が変形により折損することが抑えられている。
【0095】
本形態の測温プローブ1では、内部保護管3がフランジ5に対して揺動可能な状態で支持されている。この構成では、内部保護管3がフランジ5に対する相対的な位置のズレを生じることが許容された構造となっている。この結果、金属溶湯の温度を測定するときに金属溶湯の流れに基づく力が測温プローブ1(の内部保護管3)に加わっても、内部保護管3が揺動することで内部保護管3に力が集中しなくなり、内部保護管3が破損することが抑えられる。
【0096】
さらに、本形態の測温プローブ1では、外部保護管4のみが固定され、内部保護管3は固定されていない。このため、金属溶湯の流れに基づく力が測温プローブ1に加わって、外部保護管4が湾曲(弾性変形)しても、内部保護管3がその湾曲を規制しない。すなわち、内部保護管3による外部保護管4の損傷が抑えられ、測温プローブ1が折損することが抑えられている。
【0097】
[各実施形態の変形形態]
上記した各形態では、フランジ5の本体部50にスタッド53をもうけているが、外縁部52にスタッド53を形成する形態でもよい。この場合、外縁部52のみにスタッド53を形成する形態でもよいが、本体部50と外縁部52に同時にスタッド53を形成することがより好ましい。
【符号の説明】
【0098】
1:測温プローブ
2:熱電対
3:内部保護管
4:外部保護管
5:フランジ
6:接合材
7:支持ピン
8:耐熱板
9:取付金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10