(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のRFID信号が、前記ユーザーが前記ウェアラブルRFID装置の少なくとも一部と接触した後、前記ウェアラブルRFID装置から送信される、請求項4に記載の方法。
前記少なくとも1つのタスクを実行するための少なくとも1つの命令を、前記タスクと関連付けられたネットワーク化された構成要素に提供することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
前記少なくとも1つのコンピューティング装置と通信している複数のネットワーク化された構成要素を識別することであって、前記ネットワーク化された構成要素のそれぞれが、複数のタスクの少なくとも1つと関連付けられている、前記識別することと、
前記第1のRFID信号に基づき、前記複数のネットワーク化された構成要素の少なくとも1つを選択することと、をさらに含み、
前記少なくとも1つのタスクを実行するための前記少なくとも1つの命令は、前記複数のネットワーク化された構成要素の前記選択された1つに提供される、請求項7に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下においてさらに詳細に記載されるように、本開示は、1つまたは複数のシステム、構成要素、機器または他の同様の機械の遠隔操作のためのウェアラブル無線自動識別(radio frequency identification)(すなわち、「RFID」)装置を使用することを対象とする。具体的には、本明細書に開示されるシステム及び方法は、物品(例えば、衣料品)を提供することを対象とする。この物品は、1つまたは複数の手動作動式RFIDタグ(例えば、送信機または他の送信装置)を備え、ユーザーによって着用されても良い。本明細書に開示される一部の装置は、ユーザーの手、手首、腕、脚、頭部、または別の身体部位若しくは伸長部分の周りに着用されても良く、接触の際にRFIDリーダにRFID信号を送信させ得る1つまたは複数の手動作動式RFID装置を備えても良い。ウェアラブルRFID装置によって送信されたRFID信号をRFIDリーダが一旦取得すると、それに応答して、RFIDリーダは、本開示に従い、RFID信号または当該ウェアラブルRFID装置に関する情報を外部サーバまたは他のコンピュータ装置に送信することなどにより、1つまたは複数の関連する動作またはステップを行わせても良い。
【0009】
さらに、RFIDリーダは、付近にあり得る非手動作動式RFIDタグによって送信された他のRFID信号を、例えば、ウェアラブルRFID装置と関連付けられた手動作動式RFIDタグによって送信されたRFID信号と同時に、またはほぼ同時に取得するように構成されても良い。非手動作動式RFIDタグは、ウェアラブルRFID装置のユーザー、及びウェアラブルRFID装置が関連付けられたシステム、構成要素、機器または別の同様の機械を含むが、これらに限定されることはない任意の対象物、人間、機械または構造物と関連付けられても良い。このように、本開示に従って、RFIDリーダは、ウェアラブルRFID装置に内蔵され、これに装着され、またはこれと関連付けられた1つまたは複数の手動作動式RFIDタグから送信されたRFID信号を含むRFID信号の集合、またはRFID信号若しくはRFID信号の集合の系列を受信して認識するように構成されても良い。集合、または信号若しくは集合の系列を受信して認識すると、RFIDリーダは、外部サーバまたは他のコンピュータ装置に信号、集合及び/または系列に関する情報を提供しても良い。これにより、1つまたは複数の関連動作を実行しても良く、またはかかる動作をこれによって実行させても良い。
【0010】
図1A、1B及び1Cを参照すると、本開示に係るウェアラブルRFID装置152を着用している作業者150を含むシステム100が示されている。システム100は、サーバ132、RFIDリーダ140、撮像装置144及び貯蔵設備164(すなわち、収納箱)を含む。この貯蔵設備は、これに装着されたパッシブRFID装置166を備える。作業者150は、貯蔵設備164に品物162を置く用意をしており、ウェアラブルRFID装置152を手または手首の周りに着用している。手動作動式RFIDタグ154は、記述的な、または関連するテキストが表面に記載された保護層153の下に設けられており、ウェアラブルRFID装置152の後部または背面側に配置されている。
【0011】
図1Aに示すように、RFIDリーダ140は、その付近にある任意の種類または形のRFID装置、タグまたは送信機から1つまたは複数のRFID信号を受信するように構成される。例えば、
図1Aに示すように、RFIDリーダ140は、貯蔵設備164に装着されたパッシブRFID装置166からRFID信号を受信するように構成される。同様に、撮像装置144は、1つまたは複数の画像(例えば、品物162の各側面及び当該品物の表面にある任意の関連標識または他の識別子の画像)を取得し、かかる画像、かかる標識またはかかる識別子に関する情報146Aをサーバ132に転送するように構成される。例えば、
図1Aに示すように、情報146Aは、撮像装置144によって取得された撮像データの分析を通じて決定される、サーバ132への品物162の識別を含む。
【0012】
本開示に従って、ウェアラブルRFID装置の1つまたは複数のタグ、送信機または他の構成要素によって送信されたRFID信号は、RFIDリーダにて受信されても良く、それにより、RFID信号に関する情報が、例えば、システム100のRFIDリーダ140から、外部サーバに提供されても良い。
図1Bを参照すると、
図1Aのシステム100は、手動作動式RFIDタグ154の付近にあるウェアラブルRFID装置152の上の保護層153に作業者150が指151を用いて接触している状態で示されている。
図1Cを参照すると、ウェアラブルRFID装置152には、英数字または辞書式の標識またはテキストベースの識別子(すなわち、「STOW」)が、手動作動式RFIDタグ154と関連付けられた保護層153によって定義された接触検知ボタンの表面に記載されている。作業者150が保護層153と接触したとき、RFID信号が、手動作動式RFIDタグ154からRFIDリーダ140に送信される。これにより、RFID信号、作業者150、ウェアラブルRFID装置152または品物162に関する情報146Bが、さらにサーバ132に送信され得る。RFIDリーダ140からサーバ132に送信される情報146Bは、作業者150によって行われた動作(すなわち、貯蔵設備164に品物162を置くこと)を識別しても良いか、または関連する他の任意の情報若しくはデータを含んでも良い。
【0013】
したがって、
図1A、1B及び1Cに示すように、本開示のシステム及び方法は、1つまたは複数の手動作動式RFIDタグを備えたウェアラブルRFID装置の1人または複数のユーザーによって行われた動作を識別し、確認し、認識し得る。本明細書に開示されるシステム及び方法は、かかるウェアラブルRFID装置からの、かつ/またはその付近にある他の任意のRFIDタグ、送信機若しくは装置からの1つまたは複数のRFIDリーダにて受信された信号に基づいて機能しても良く、かかる信号、またはかかる信号を送信した装置若しくはかかる装置のユーザーに関する情報を取得し、1つまたは複数のデータ記憶装置に記憶しても良い。本開示のウェアラブルRFID装置は、自分の手、手首または腕の一部を含むが、これらに限定されることはないユーザーの身体の任意の部分または面の周りに着用されても良い。かかる装置によって送信されたRFID信号、またはかかる信号と関連付けられた情報は、例えば、かかる信号を受信したときにサーバまたは他のコンピュータ装置によってネットワーク化された構成要素に対してコマンドが発行されたことに応答して、1つまたは複数の具体的な動作を行うために、または任意の対象物、人間、機械若しくは構造物に関係する1つまたは複数の物理的及び仮想的な処理を観察し、記録し、若しくは監査するために使用されても良い。
【0014】
RFIDは、無線周波数の電磁場を介してデータを転送するための無線式の非接触システムを指す。RFIDシステムでは、データ転送は、様々な通信用の部品、論理回路または回路を備え得るRFIDタグ(またはRFID装置)と、アンテナまたは他の同様の装置を備え得るRFIDリーダとの間で送信される被変調信号の形で行われる。RFIDタグと関連付けられたマイクロチップまたは他の記憶装置の中に記憶されたデータは、RFIDリーダに送信されても良い。これにより、RFID信号において受信されたデータのみならず、RFID信号の強度または周波数、及びRFID信号が送出された方向、RFID信号が移動する範囲、またはRFID信号に含まれる情報若しくはデータの少なくとも一部などの、RFID信号の他の関連する情報または属性もが解釈され得る。RFIDリーダによって送出された電界または磁界がRFIDタグによって検出されたとき、RFID信号の転送が開始される。これにより、1つまたは複数のマイクロチップまたは他の記憶装置にRFIDタグと関連付けて記憶され得る情報またはデータが送信される。
【0015】
RFIDシステムは、情報またはデータの短距離転送に対し、同様のシステムに勝る多くの利点を提供する。まず、RFIDタグは、非常に小さく、コンパクトな形状及びサイズを有する構成要素によって形成され得るため、1枚の紙と同程度に薄いか、または1粒の米よりも小さいタグがごく当たり前である。加えて、バーコード(例えば、一次元のバーコードまたは二次元の「QR」コード)とは異なり、データを正常に送信するためにRFIDリーダの見通し線内にRFIDタグを設ける必要がない。したがって、人間または他の動物のみならず、任意のサイズまたは形状を有する多くの異なる種類の対象物内にRFIDタグを隠すか、または埋め込んでも良い。次に、RFIDタグは、理論的にはRFIDリーダに無限回送信され得る「読み取り専用(read−only)」データの決まったセットまたはパケットによってプログラムされるか、または、必要に応じて、RFIDタグを設けた用途に基づき、書き込み及び再書き込みが行われ得るデータの変更可能なセットによって再プログラムされても良い。さらに、おそらく最も重要なのは、アクティブRFIDタグは、電池などの局所的な電源を備えてそれを利用する一方、パッシブRFIDタグは、データのセットまたはパケットを正常にRFIDリーダに送信するためにいかなる電源も必要とせず、したがって、電源が利用できない場合、またはRFIDタグへの電力供給を実行することができない環境においても、かかるデータを送信することができる。
【0016】
RFID信号は、多くの異なる形式で、かつ多くの異なる周波数レベルにて、RFIDタグからRFIDリーダに送信されても良い。長波(low frequency:LF)、中波(medium frequency:MF)または短波(high frequency:HF)のレベル(例えば、約3キロヘルツ〜30メガヘルツ、すなわち3kHz〜30MHz)の範囲内で信号を送信するRFIDタグは、比較的小規模なデータのセットまたはパケットを短距離(例えば、10センチメートル〜100センチメートル、すなわち10〜100cm)にわたって転送し得る。他のRFIDタグは、極超短波(ultrahigh frequency:UHF)またはマイクロ波レベル(例えば、約300メガヘルツ〜300ギガヘルツ、すなわち300MHz〜300GHz)などのより高い周波数レベルにて、より大きなデータのセットまたはパケットを含む信号を1メートル(1m)以上の範囲で送信し得る。
【0017】
RFIDタグからRFIDリーダへの信号送信は、多くの方法で実現されても良い。誘導結合RFIDタグは、RFIDリーダによって発生された磁界から得られたエネルギーによって駆動されるRFIDタグであり、このエネルギーを用いてRFIDリーダに結合されても良い。この点に関して、RFIDリーダは、電流が通過し得る1つまたは複数のコイルを備えても良く、それにより、アンペアの法則(Ampere’s Law)に従ってRFIDリーダによって磁界を発生させる。同様に、誘導結合RFIDタグはまた、1つまたは複数のコイルを備えても良い。RFIDタグがRFIDリーダの特定範囲内を通過するときに、RFIDタグのコイル内に電流が発生する。それにより、コイルの各組を通過する磁束に基づいてRFIDリーダとRFIDタグとが結合する。次いで、RFIDタグのコイルを通過する電流により、RFIDタグ内の内部回路を駆動しても良く、それに応じてRFIDタグからRFIDリーダにRFID信号を送信させても良い。したがって、誘導結合RFIDタグは、信号を送信するためのパッシブシステムが必要とされ得る無電源環境において一般に使用される。
【0018】
加えて、RFIDタグは、任意の数の他のモードによって結合されても良い。例えば、容量結合RFIDタグは、RFIDリーダのプレートに対応するように設計されている結合プレートを備える。RFIDタグがRFIDリーダと十分近い距離に置かれたとき、それにより、RFIDタグとRFIDリーダの対応する各結合プレートを、互いに、かつ短距離内で並列に整列させ、RFIDタグからRFIDリーダへのデータ転送が行われる。RFIDリーダによって発生される磁界によって駆動される誘導結合RFIDタグとは異なり、容量結合RFIDタグは、RFIDリーダによって発生される交流電界によって駆動される。このため、容量結合RFIDタグは、一般に誘導結合RFIDタグよりも限られた動作範囲を有し、通常は近傍通信環境において使用される。同様に、後方散乱結合RFIDタグは、RFIDリーダのアンテナから放射された電力を受信する。RFIDリーダからの放射の一部は、RFIDタグの対応するアンテナによって受信され、必要に応じて、RFIDタグからRFIDリーダへのデータの転送を発生させるためにフィルタに通されるか、または整流されても良い。アクティブRFIDタグ、半アクティブRFIDタグ(例えば、一時的に、若しくは限られた目的のために電力が供給される)またはパッシブRFIDタグとRFIDリーダとの間の任意の種類またはモードの結合が、本開示に従って利用されても良い。
【0019】
RFIDリーダに自動的に結合されるRFIDタグに加えて、本開示のシステム及び方法は、RFIDタグから1つまたは複数のRFIDリーダにデータ信号を送信させるために、パッシブRFIDタグなどの、例えば、手動動作に応じて結合される、人間または機械によって手動で作動され得るRFIDタグをさらに含んでも良い。手動作動式RFIDタグは、物理的または仮想的なスイッチを備えても良い。このスイッチにより、RFIDタグ内の回路を閉路しても良く、それにより、電界または磁界の存在下でRFIDタグがデータ送信機として機能することが可能となる。例えば、手動作動式RFIDタグは、RFIDタグ内のコンデンサを定義する容量素子を備えても良く、かかる素子がユーザーからの生体電気を検知したときにRFID内の回路を効果的に閉路し得る。「生体電気」という用語は一般に、正負に帯電した様々なイオン(例えば、ナトリウム、塩化物及び他のもの)を有する血液及び他の物質を含む人体などの生体内に蓄積され得る電荷または電界勾配を指す。体内の生体電気は、身体の存在によって生じる電界の乱れにより、身体(例えば、指または親指などの指)と接触する位置付近でこうした素子の容量を変化させ得るが、それにより、さらに、RFIDタグの時定数を変化させ、容量素子の抵抗の関数として定義され得る量のコンデンサを放電させる。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、かかる容量素子は、層状に積み重ねたものに形成されるか、または実質的に直線状若しくは平面状の隙間若しくは切れ目を含んでも良く、かつ1種または複数種のプラスチック若しくはゴム(例えば、アクリル、ビニル、ポリウレタンなど)または他の同様の材料から形成された可撓性保護層で被覆されても良い。保護層は、RFID回路の1つまたは複数の容量素子に付着されても良い。このRFID回路は、空隙によって隔てられたアルミニウム、銅、シリコンまたはインジウムスズ酸化物などの導電性材料から形成された素子を備えても良い。生体電気の導体である指でユーザーがRFIDタグの保護層に触れたとき、当該保護層との1つまたは複数の接触点の付近で、コンデンサでもある素子間の実効容量に(ほぼ1ピコファラッドのオーダーで)変化が生じる。かかる接触により、導電性ブリッジが素子間に形成される。それにより、1つまたは複数の素子の付近で電界の乱れを生じさせ、RFIDタグ回路を流れる内部電流をさらに生じさせる。
【0021】
容量素子に加えて、RFIDタグの回路は、人間または機械によってその手動操作を可能にするための他の構成要素を備えても良い。この構成要素には、空隙によって隔てられ得る1つまたは複数の実質的に平面状の導電性素子が含まれる。導電性素子間のかかる空隙により、RFIDタグの回路内に開放型スイッチが定義される。このスイッチは、1種または複数種のプラスチック、ゴムまたは他の同様の材料から形成され得る可撓性保護層で被覆されても良い。ユーザーが空隙に対応するRFIDタグの外面(例えば、空隙の上の可撓性保護層)に接触したとき、導電性素子の少なくとも2つが互いに接触して配置され、それにより、導電性素子間の空隙が架橋されて開放型スイッチが閉じられる。その後、RFIDタグ回路を流れる内部電流が有効となる。空隙を架橋すること及び開放型スイッチを閉じることは、電気接点を手動で駆動することによって示されるため、実質的に平面状の導電性素子を備えた手動作動式RFIDタグは、適切に作動するために生体電気を必要とせず、ユーザーは、自分の指または手(この手には、手袋をはめていても良く、または手袋をはめていなくても良い)のみならず、スタイラス、ポインタまたは別の同様の物体を用いてRFIDタグと相互作用しても良い。
【0022】
本開示のシステム及び方法は、1つまたは複数のRFID信号を該当範囲内のRFIDリーダに送信させるために手動で作動され得る1つまたは複数のRFIDタグ、送信機または他の装置を備えたウェアラブル装置を対象とする。具体的には、本開示のシステム及び方法は、ウェアラブルRFID装置の接触検知ボタンまたは他の同様の素子との接触に応答して手動作動式RFIDタグによって送信される少なくとも1つのRFID信号を含む1つまたは複数のRFID信号を受信するように、かつかかる信号に応答して1つまたは複数の関連動作を行うように構成されても良い。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるウェアラブルRFID装置は、1つまたは複数の手袋状またはブレスレット状の衣料品の形をとっても良い。この衣料品は、内部に埋め込まれたまたはさもなければ組み込まれた1つまたは複数の手動作動式RFIDタグを備えても良い。
【0023】
したがって、本開示は、例えば、交流(alternating current:AC)電源または直流(direct current:DC)電源からの、いかなる形態の外部電源も必要とせずに様々な機能の実行を制御するために、多種多様な用途に使用できるようにユーザーによって制御され得るウェアラブルRFID信号送信機について説明する。RFIDタグが固有のデータ信号をRFIDリーダに送信するように構成されても良く、かつその固有のデータ信号が送信され得る同一の電界または磁界から電力が供給されても良いため、本明細書に開示されるウェアラブルRFID装置は、無電源環境で、かつ送信機と受信機との間に交信がない場合でも、かかるデータ信号を送信する任意の数の用途に使用され得る。さらに、RFIDタグ、送信機または他の装置は、限られたサイズの構成要素から形成され得るため、かかるタグ、送信機または装置を衣料品に組み込んでも良く、人体に着用させても良い。
【0024】
本開示のウェアラブルRFID装置は、ユーザーによって操作されて、任意の関連機能を実行するために固有のRFID信号を送信しても良い。ユーザーは、例えば、接触検知ボタンなどの、ウェアラブルRFID装置の一部に接触することにより、ウェアラブルRFID装置を操作して、所与のタスクを自分が実行したことを確認しても良く、これにより、固有のRFID信号が、内部に埋め込まれた手動作動式RFIDタグからRFIDリーダに送信されることになる。加えて、本開示のウェアラブルRFID装置によって送信されたRFID信号は、RFIDリーダの付近にある他の手動作動式RFIDタグ及び非手動作動式RFIDタグによって送信されたRFID信号と合わせて考察されても良い。したがって、その結果、かかる信号の集合を受信し、所与のタスクの実行と関連付けても良い。そのため、ウェアラブルRFID装置からRFID信号を、単独で、または、1つまたは複数の他のRFID装置からのRFID信号と合わせて受信するRFIDリーダは、かかる信号に関する情報を、指定された機能をかかる情報に基づいて実行し得る外部サーバまたは他のネットワーク化された構成要素若しくはコンピュータ装置に送信しても良い。
【0025】
例えば、本開示のシステム及び方法を利用して、ドアを解錠すること、または安全な施設に入ることを試みている人を、その人と関連付けられた非手動作動式RFIDタグから受信した信号に基づいて識別して認証しても良く、その人によって操作されたウェアラブルRFID装置に含まれる手動作動式RFIDタグから信号を受信したときにその人がドアを解錠するか、または施設に入ることができるようにしても良い。同様に、本開示のシステム及び方法は、任意の手段によって(例えば、作業者によるコンピュータシステムに対するログイン及び認証、顔認識アルゴリズム若しくは顔認識技術による作業者の1つまたは複数の画像の分析、またはその人と関連付けられた非手動起動式RFIDタグ(例えば、識別バッジ若しくは同様の装置)から受信したRFID信号に基づいて)当該作業者を認識することができ、かつ本開示のウェアラブルRFID装置の中に埋め込まれるかまたはこれと関連付けられた手動起動式RFIDタグから受信したRFID信号に応答して、当該作業者と関連付けられた処理を登録しても良い。
【0026】
さらに、様々なシステム、構成要素、機器または他の同様の機械は、本明細書に開示されるウェアラブルRFID装置によって送信された固有のRFID信号を異なる方法で解釈するように個別に構成されても良い。その結果、本開示に従って、1つまたは複数の別々の手動作動式RFIDタグを備えた同一のウェアラブルRFID装置は、1つまたは複数のRFIDリーダに同一のRFID信号を送信するようにユーザーによって操作されても良く、かかる信号は、1つまたは複数の独立した機能を実行するために、異なるシステム、構成要素、アプリケーションまたは機械によって解釈されても良い。
【0027】
例えば、ウェアラブルRFID装置に設けられた手動作動式RFIDタグによって送信される支援の要請と関連付けられたRFID信号は、例えば、ウェアラブルRFID装置が、手動作動式RFIDタグと関連付けられた接触検知ボタンを備えており、かつ「HELP」を読み取った場合、デパート、病院または駐車場にあるRFIDリーダによってRFID信号が受信されたときに異なる応答を発動させても良い。同様に、装置の電源をオンにすることと関連付けられたRFID信号は、例えば、ウェアラブルRFID装置が、手動作動式RFIDタグと関連付けられた接触検知ボタンを備えており、かつ「ON」を読み取った場合、コンピュータ、オーブントースターまたは電灯をオンにさせても良い。加えて、ウェアラブルRFID装置が、方向矢印(例えば、上、下、左及び/または右へ)または他の同様の動作に対応する1つまたは複数の接触検知ボタンを備えている場合、かかる接触検知ボタンとの接触に応答して手動作動式RFIDタグからRFIDリーダによって受信されたRFID信号は、コンピュータディスプレイのカーソル、ガレージドアまたは回転式タイラックをそれに応じて平行移動させても良い。
【0028】
図2を参照すると、手動作動式RFIDタグ254を備えたウェアラブルRFID装置252を含む1つのシステム200のブロック図が示されている。システム200は、インターネットなどのネットワーク280を通じて互いに接続されたマーケットプレイス210、ベンダー220、フルフィルメントセンター230及び顧客270を含む。
【0029】
マーケットプレイス210は、様々な供給源からの品物が、ウェブサイト216をホスティングするための1つまたは複数の物理的なコンピュータサーバ212及びデータベース(または他のデータ記憶装置)214を含む、ネットワーク化されたコンピュータ基盤を用いて顧客がダウンロードし、購入し、賃借し、賃貸し、または借用することに利用可能となることを所望する任意のエンティティまたは個人であって良い。マーケットプレイス210は、フルフィルメントセンター230などの1つまたは複数の記憶装置または配送設備と物理的または仮想的に関連付けられても良い。ウェブサイト216は、1つまたは複数のサーバ212を用いて実装されても良い。このサーバは、線218によって示すように、デジタルデータの送受信を通じて1つまたは複数のデータベース214及びネットワーク280と接続し、または通信する。さらに、データベース214は、マーケットプレイス210を通じた販売のために利用可能となったか、または顧客によってマーケットプレイス210から注文された品物に関する任意の種類の情報を含んでも良い。
【0030】
ベンダー220は、1つまたは複数の品物がマーケットプレイス210を経由して顧客270などの顧客にとって利用可能となることを所望する任意のエンティティまたは個人であって良い。ベンダー220は、ラップトップコンピュータ222などのコンピューティング装置及び/またはウェブブラウザ226などのソフトウェアアプリケーションを用いて、1つまたは複数の注文処理システム及び/または通信システムを操作しても良い。このシステムは、線228によって示すように、デジタルデータ若しくはアナログデータの形で、マーケットプレイス210で利用可能となる1つまたは複数の品物に関する情報を送信または受信するために、または他の任意の目的のために、ネットワーク280に接続され得る1つまたは複数のコンピューティングマシンを介して実装されても良い。
【0031】
ベンダー220は、フルフィルメントセンター230などの、マーケットプレイス210によって、またはそれに代わって管理される1つまたは複数の指定された施設に1つまたは複数の品物を送付しても良い。加えて、ベンダー220は、他のベンダー、製造業者または販売業者(図示せず)から1つまたは複数の品物を受け取っても良く、フルフィルメント及び顧客への配送のために、フルフィルメントセンター230などの、マーケットプレイス210によって指定された場所にかかる品物の1つまたは複数を送付しても良い。さらに、ベンダー220は、複数の機能を実行しても良い。例えば、ベンダー220は、1つまたは複数の他の品物の製造業者及び/または販売業者であっても良く、マーケットプレイス210以外の場(図示せず)で顧客が購入できるように品物を提供しても良い。加えて、マーケットプレイス210で利用可能となったか、または顧客がそこから注文された品物は、ベンダー220以外の1人または複数の第三者の供給元(図示せず)によって製造され、若しくはそこから取得されるか、または他の任意の供給元(図示せず)から取得されても良い。さらに、マーケットプレイス210自体が、ベンダー、販売業者または製造業者であっても良い。
【0032】
フルフィルメントセンター230は、品物の受領、保管、処理及び/または配送を行うのに適した任意の施設であって良い。
図2に示すように、フルフィルメントセンター230は、1つまたは複数の物理的なコンピュータサーバ232、データベース(または他のデータ記憶装置)234及び処理装置236などの、かかる品物の受領、保管、処理及び配送と関連付けられた各種のコンピュータ関連機能を実行するためのネットワーク化されたコンピュータ基盤を備える。フルフィルメントセンター230はまた、1つまたは複数の受け入れステーション、保管場所及び配送ステーションなどの、品物を受領し、保管し、顧客に配送するためのステーションを備えても良い。フルフィルメントセンター230は、アンテナ242を備えた少なくとも1つのRFIDリーダ240をさらに備える。
【0033】
RFIDリーダ240は、1つまたは複数のアクティブRFIDタグまたはパッシブRFIDタグから送信された信号に関連して使用するために提供され得る任意の種類のセンサまたは呼掛器である。RFIDリーダ240は、アンテナ242などの、信号を送信または受信するための1つまたは複数の構成要素、ならびにRFIDリーダ240の操作の処理及び制御を行うための様々な回路要素を備えても良い。加えて、RFIDリーダ240は、当業者にとって既知であり得る任意の結合モードまたは結合方方法よってRFIDタグと通信しても良い。例えば、RFIDタグは、当該RFIDタグに記憶されたデータの1つまたは複数の要素を変調しても良く、RFIDリーダ240と関連付けられた受信回路に、変調されたデータ信号を送信しても良い。その後、RFIDリーダ240は、次いでデータ信号を復調しても良く、そのデータ信号から得られた処理済みのデータのセットを、さらなる処理を行うためのサーバ232または別のコンピュータ装置に提供しても良い。
【0034】
さらに、RFIDリーダ240は、1つまたは複数のRFIDタグから受信した信号に関する任意の利用可能な情報を取得する、評価する、送信する、または記憶するように構成されても良い。このような情報には、検出された信号の強さまたは強度、かかる信号をRFIDタグから受信したときの当該RFIDタグに対する角度方向または角度範囲、当該信号に含まれる2つ以上の信号または情報若しくはデータと関連付けられた強さ、強度、角度方向または角度範囲の間の任意の差などを含むが、これらに限定されることはない当該信号に関する任意の属性に関する情報が含まれる。
図2のフルフィルメントセンター230は1つのRFIDリーダ240を備えるものの、当業者は、任意の数のRFIDリーダ240を、本開示に従って、任意の数の指定されたステーションまたは場所において、かつフルフィルメントセンターの環境全体にわたって設けても良いことを認めるであろう。
【0035】
図2にも示すように、フルフィルメントセンター230は、ウェアラブルRFID装置252を操作している少なくとも1人の作業者250も含む。このRFID装置は、当該RFID装置と関連付けられた少なくとも1つの手動作動式RFIDタグ254を備える。作業者250は、フルフィルメントセンター230内で1つまたは複数のタスクを実行する任務を負う任意の指定された人員であって良く、かかるタスクの実行中、ウェアラブルRFID装置252を着用しても良い。作業者250は、フルフィルメントセンター230内で品物(例えば、任意の種類または形態の商品、製品、媒体または他の有形の消費者物品)を取り扱うか、または搬送しても良く、1つまたは複数の設備をその場で操作しても良い(図示せず)。作業者250はまた、フルフィルメントセンター230内での品物の受領、取り出し、搬送または保管を登録するための1つまたは複数の特定のコンピューティング装置若しくは機械、またはパーソナルデジタルアシスタント、デジタルメディアプレーヤ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ若しくはラップトップコンピュータ(図示せず)などの汎用装置を操作しても良い。このような汎用装置には、スキャナ、リーダ、キーボード、キーパッド、タッチスクリーンまたは同様の装置などの任意の形態の入力周辺機器及び/または出力周辺機器が含まれても良い。
【0036】
手動作動式RFIDタグ254は、任意の種類または形態のRFIDタグであって良い。このRFIDタグは、ウェアラブルRFID装置252の中に埋め込まれるか、またはこれに適用されても良く、かつ当該タグとの手動による接触の際にRFIDリーダ240などのRFIDリーダと結合されても良い。例えば、手動作動式RFIDタグ254は、ラベルの形態でウェアラブルRFID装置252に適用されて良く、ウェアラブルRFID装置252の生地若しくは他の材料の中に編み込まれても良く、若しくはこれに結び付けられても良く、または、ウェアラブルRFID装置252の1つまたは複数の層若しくは構成要素の中に埋め込まれても良く、若しくはこれから形成されても良い。前述したように、手動作動式RFIDタグ254は、フルフィルメントセンター230内のウェアラブルRFID装置252、作業者250または任意の関連する対象物、人間、機械若しくは構造物に関する任意の関連する情報またはデータによってプログラムされても良く、RFIDリーダと接続したときに、かかる情報またはデータを送信するように構成されても良い。
【0037】
フルフィルメントセンター230は、デジタルデータ若しくはアナログデータの形で情報を送信若しくは受信するために、または他の任意の目的のために、サーバ232、データベース234及び/または処理装置236の1つまたは複数と通信するコンピュータ装置を用いて、または、線238によって示すように、ネットワーク280に接続され得る1つまたは複数の他のコンピューティング装置または機械を通じて、1つまたは複数の注文処理システム及び/または通信システムを作動させても良い。かかるコンピュータ装置はまた、ワークフローの実施に関する情報またはデータを受信または表示するための1つまたは複数の報告システムを作動させるか、またはそのシステムへのアクセスを提供しても良く、かかる情報またはデータに応答して1人または複数のオペレータ、ユーザーまたは作業者から命令(例えば、テキスト、数字入力または選択)を受信するための1つまたは複数のインターフェースを提供しても良い。かかるコンピュータ装置は、汎用の装置若しくは機械であって良く、またはスキャナ、リーダ、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン若しくは同様の装置などの任意の形態の入力周辺機器及び/若しくは出力周辺機器を備えた専用の装置若しくは機械であって良く、さらに、ワークフローの実施に関する情報若しくはデータ、または1人以上のオペレータ、ユーザー若しくは作業者から受信した相互作用を分析するための1つまたは複数のエンジンを作動させるか、またはそのエンジンへのアクセスを提供しても良い。
【0038】
加えて、前述したように、フルフィルメントセンター230は、1つまたは複数の供給元から、かつ/または1つまたは複数の経路を通じて、フルフィルメントセンター230にて品物の発送品を受領するために必要とされ得る、任意の装置を備えた1つまたは複数の受け入れステーションを備えても良い。このような受け入れステーションには、車、トラック、トレーラ、貨車、コンテナ船または貨物輸送機(例えば、有人航空機若しくはドローンなどの無人航空機)などの輸送機械から品物及び/または品物の発送品を取得するための、かつ保管または顧客への配送のためにかかる品物を準備するためのドック、リフト、クレーン、ジャッキ、ベルトまたは他のコンベア装置が含まれるが、これらに限定されることはない。フルフィルメントセンター230は、
図1A及び1Bの貯蔵設備164などの、通路、列、区画、棚、溝、ごみ箱、ラック、段、カウンター、フック、引き出し若しくは他の同様の保管手段、または他の任意の適切な区域若しくはステーションといった、品物及び/またはかかる品物のコンテナを収容ための設備を含む1つまたは複数の所定の2次元または3次元の保管場所を備えても良い。フルフィルメントセンター230は、1つまたは複数の配送ステーションをさらに備えても良い。配送ステーションでは、指定の保管場所から回収された品物が、フルフィルメントセンター230から顧客によって指定された住所、場所または目的地に、車、トラック、トレーラ、貨車、コンテナ船または貨物輸送機(例えば、有人航空機若しくはドローンなどの無人航空機)などの輸送機械を経由しても配達するために、検査され、用意され、包装されても良い。
【0039】
それに加えて、フルフィルメントセンター230は、フルフィルメントセンター230にて操作を実施するための命令を生成し得る1つまたは複数の制御システムをさらに備えても良く、フルフィルメントセンター230のRFIDリーダ240、作業者250または様々な保管設備及び他の構成要素と通信しても良い。かかる制御システムは、1つまたは複数の他のコンピューティング装置または機械と関連付けられても良く、線238によって示すように、デジタルデータの送受信を通じて、ネットワーク280を介してマーケットプレイス210、ベンダー220または顧客270と通信しても良い。
【0040】
顧客270は、品物(例えば、任意の種類または形態の商品、製品、サービスまたは情報)をマーケットプレイス210からダウンロードし、購入し、賃借し、賃貸し、借用し、またはさもなければ取得することを所望する任意のエンティティまたは個人であって良い。顧客270は、ウェブブラウザ(図示せず)若しくは買い物アプリケーション274などの1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを操作し得るか、またはそれにアクセスし得る、スマートフォン272若しくは他の任意の同様の機械などの1つまたは複数のコンピューティング装置を利用しても良く、かつ線278によって示すように、デジタルデータの送受信により、ネットワーク280を通じて、マーケットプレイス210、ベンダー220若しくはフルフィルメントセンター230と接続されても良いか、または通信しても良い。さらに、顧客270は、フルフィルメントセンター230などの、マーケットプレイス210によって管理されか、若しくはこれに代わる施設から、またはベンダー220から、1つまたは複数の品物の配達物または発送品を受領しても良い。
【0041】
本明細書に記載されたコンピュータ、サーバ、装置などは、必要な電子回路、ソフトウェア、メモリ、記憶装置、データベース、ファームウェア、論理/ステートマシン、マイクロプロセッサ、通信リンク、ディスプレイまたは他の視覚若しくは音声によるユーザーインターフェース、印刷装置、及び任意の他の入力/出力インターフェースを備えて、本明細書に記載された機能若しくはサービスのいずれかを提供する、かつ/または本明細書に記載された結果を実現する。また、当業者は、かかるコンピュータ、サーバ、装置などのユーザーが、キーボード、キーパッド、マウス、スタイラス、タッチスクリーン、または他の装置(図示せず)若しくは手段を操作して、コンピュータ、サーバ、装置などと相互作用するか、または品物、リンク、ノード、ハブ若しくは本開示の他の任意の態様を「選択」しても良いことを認めるであろう。
【0042】
当業者は、「マーケットプレイス」、「ベンダー」、「フルフィルメントセンター」、「作業者」若しくは「顧客」、または同様の用語によって実行されるものとして本明細書に記載されたプロセスのステップが、それらの各コンピュータシステムによって実行されるか、または1つまたは複数の汎用コンピュータによって実行されるソフトウェアモジュール(若しくはコンピュータプログラム)内で実施される自動化されたステップであって良いことを理解するであろう。さらに、「マーケットプレイス」、「ベンダー」、「フルフィルメントセンター」、「作業者」または「顧客」によって実行されるものと記載されたプロセスのステップは、通常、人間のオペレータによって実行されても良いが、その代わりに、自動化されたエージェントによって実行することも可能である。
【0043】
マーケットプレイス210、ベンダー220、フルフィルメントセンター230、作業者250及び/または顧客270は、任意のウェブ対応の、若しくはインターネットのアプリケーション若しくは機能、または、電子メール(すなわち、Eメール)若しくは他のメッセージ送信技術を含む他の任意のクライアント・サーバアプリケーション若しくはクライアント・サーバ機能を使用して、ショートメッセージングサービスまたはマルチメディアメッセージングサービス(SMSまたはMMS)のテキストメッセージを介するなどして、ネットワーク280に接続するか、または互いに通信しても良い。例えば、サーバ232は、フルフィルメントセンター230からサーバ212、ラップトップコンピュータ222、デスクトップコンピュータ、スマートフォン272または他の任意のコンピュータ装置に、リアルタイムで、若しくはほぼリアルタイムで、または1つまたは複数のオフラインプロセスで、ネットワーク280を経由して、情報またはデータを同期メッセージまたは非同期メッセージの形で送信するように適合されても良い。当業者は、マーケットプレイス210、ベンダー220、フルフィルメントセンター230、作業者250または顧客270が、ネットワーク280を介して通信可能な多くのコンピューティング装置のいずれかを作動させても良いことを認めるであろう。このようなコンピューティング装置には、セットトップボックス、パーソナルデジタルアシスタント、デジタルメディアプレーヤ、ウェブパッド、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、電子ブックリーダなどが含まれるが、これらに限定されることはない。かかる装置間の通信を提供するためのプロトコル及び構成要素は、コンピュータ通信の当業者にとって公知であり、本明細書においてより詳細に記載される必要はない。
【0044】
本明細書に記載されたデータ及び/またはコンピュータ実行可能な命令、プログラム、ファームウェア、ソフトウェアなど(本明細書では、「コンピュータ実行可能な」構成要素とも称される)は、コンピュータ可読媒体に記憶されても良い。このコンピュータ可読媒体は、マーケットプレイス210、ベンダー220、フルフィルメントセンター230、作業者250または顧客270によって利用されるサーバ212、ラップトップコンピュータ222、サーバ232若しくはスマートフォン272などのコンピュータ若しくはコンピュータ構成要素、または他の任意のコンピュータ若しくは制御システムの内部にあるか、またはそれによってアクセス可能であり、処理装置(例えば、中央演算処理装置、すなわち「CPU」)によって実行されるときに、本明細書に記載された機能、サービス及び/または方法の全体または一部を当該処理装置に実行させる一連の命令を保持する。上記のコンピュータ実行可能な命令、プログラム、ソフトウェアなどは、フロッピードライブ、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブなどのコンピュータ可読媒体と連動するドライブ機構、ネットワークインターフェースなどを用いて、または外部接続を経由して、1つまたは複数のコンピュータのメモリにロードされても良い。
【0045】
本開示のシステム及び方法のいくつかの実施形態はまた、コンピュータ(または他の電子装置)をプログラムして本明細書に記載されたプロセス及び方法を実行するために使用され得る命令を(圧縮形式または非圧縮形式で)記憶した非一過性の機械可読な記憶媒体を含むコンピュータ実行可能なプログラム製品として提供されても良い。機械可読な記憶媒体には、ハードディスク、フロッピーディスケット、光ディスク、CD−ROM、DVD、ROM、RAM、消去可能プログラマブルROM(「EPROM」)、電気的消去可能プログラマブルROM(「EEPROM」)、フラッシュメモリ、磁気カード若しくは光学カード、ソリッドステート記憶装置、または電子命令を記憶するのに適し得る他の種類の媒体/機械可読媒体が含まれ得るが、これらに限定されることはない。さらに、実施形態は、一過性の機械可読信号を(圧縮形式または非圧縮形式で)含むコンピュータ実行可能なプログラム製品として提供されても良い。機械可読信号の例には、搬送波を用いて変調されているか否かによらず、コンピュータプログラムをホスティング若しくは実行するコンピュータシステム若しくは機械がアクセスするように構成可能な信号、またはインターネット若しくは他のネットワークを通じてダウンロードされ得る信号が含まれ得るが、これらに限定されることはない。
【0046】
本明細書に開示される実施形態のいくつかは、フルフィルメントセンターの環境において1つまたは複数の手動作動式RFIDタグを備えたウェアラブルRFID装置を使用すること、及びフルフィルメントセンターの環境内で、品物に装着され、または設備(例えば、品物の輸送機械若しくは保管設備)と関連付けられた他のRFIDタグを使用することを参照しているものの、システム及び方法がそのように限定されることはない。むしろ、本明細書に開示されるシステム及び方法は、複数の別々の行為者またはエンティティに関係する物理的な処理に関する情報が、取得される、評価される、若しくは記憶される必要がある任意の環境において利用されても良く、特に、比較的迅速に、かつ高精度で、かかる情報が取得され、評価され、若しくは記憶される必要がある環境において有用である。このような環境には、従来の電源が信頼できないか、またはそのような電源に容易にアクセスし得ない環境が含まれるが、これらに限定されることはない。
【0047】
前述したように、本開示のシステム及び方法は、1つまたは複数の手動作動式RFIDタグを備えたウェアラブルRFID装置、及び1つまたは複数のタスクの実行中にかかるウェアラブルRFID装置を使用することを対象とする。具体的には、本明細書に開示されるシステム及び方法のいくつかの実施形態は、ウェアラブルRFID装置から、単独で、または他のRFIDタグ、送信機若しくは装置から、例えば、同時に、若しくは互いの所定の時間間隔内に、または既定の順序若しくはシーケンスで受信した1つまたは複数の他のRFID信号と合わせてRFIDリーダによって受信された信号に基づいて機能しても良いし、当該情報に応答して、かかる信号に関する情報を取得して記憶しても良く、または自動的に1つまたは複数の動作を実行しても良い。例えば、かかる信号、信号の集合、または信号若しくは集合の系列を受信したとき、処理が定義されても良く、処理に関する情報が取得されて少なくとも1つのデータ記憶装置に記憶されても良く、コンピュータベースのタスクが、かかる情報に基づいて実行されても良い。
【0048】
図3を参照すると、本開示の実施形態に係るウェアラブルRFID装置を含むシステムを操作するためのプロセスの一実施形態を表すフローチャート300が示されている。枠310では、非手動作動式RFIDタグを運び、手動作動式RFIDタグを備えたRFID装置を着用している作業者が、RFIDリーダの所定の範囲内に入る。例えば、
図1Aを参照すると、作業者150は、ウェアラブルRFID装置152を着用しつつ、当該RFID装置と関連付けられた1つまたは複数のパッシブRFIDタグを備えた識別バッジを自分の身体に付けてRFIDリーダ140に接近し得る。
【0049】
枠320では、RFIDリーダは、作業者によって運ばれた非手動作動式RFIDタグからRFID信号を受信する。例えば、パッシブRFIDタグは、RFIDリーダの所定の範囲内に入ったとき、作業者または作業者によって実行されているタスクを識別するRFID信号を送信するように構成されても良い。枠330では、RFIDリーダは、非手動作動式RFIDタグから受信したRFID信号に関する情報を外部サーバに送信し、枠340では、外部サーバは、そのRFID信号に基づいて作業者を認証することを試みる。例えば、非手動作動式RFIDタグによって送信されたRFID信号が作業者の固有の識別名を含む場合、外部サーバまたは別のネットワーク化された構成要素は、RFIDリーダからの情報(すなわち、固有の識別名)を受信したとき、作業者を識別することを試みても良いだけでなく、アクセスすることが作業者に許容され得る情報、または実行の権限が作業者に付与され得るタスクの許可または認証のレベルを決定することを試みても良い。
【0050】
枠350では、システムは、RFID信号に基づいて作業者が認証されているかどうかを判定する。作業者が認証されていない場合、プロセスが終了する。しかしながら、作業者が認証されている場合、プロセスは枠360に進み、ここで作業者が、ウェアラブルRFID装置に接触し、当該RFID装置と関連付けられた手動作動式RFIDタグを作動させる。さらに、プロセスは枠370に進み、ここでRFID信号がRFIDリーダに送信される。例えば、作業者は、ウェアラブルRFID装置に設けられた接触検知ボタンに接触し、手動作動式RFID内の容量素子または導電性素子に回路を閉路させ、所定のデータ信号をRFIDリーダに送信させても良い。所定のデータ信号は、ウェアラブルRFID装置がRFIDリーダの範囲内にある限り、かつ接触が排除されるまで、持続的に送信されても良い。
【0051】
枠380では、RFIDリーダは、手動作動式RFIDタグから受信したRFID信号に関する情報を外部サーバまたは別のネットワーク化された構成要素に送信する。送信される情報には、RFID信号に含まれる情報またはデータ、及びRFID信号の任意の属性が含まれ得るが、これらに限定されることはない。このような属性には、検出された信号の強さ若しくは強度、またはウェアラブルRFID装置に対する角度方向若しくは角度範囲が含まれるが、これらに限定されることはない。例えば、この情報は、ウェアラブルRFID装置の交信及び手動作動式RFIDタグからRFIDリーダへのRFID信号の送信の開始に基づき、作業者によって行われた積極的な動作、またはその作業者によって提供された命令を識別しても良い。かかる情報は、少なくとも1つのデータ記憶装置に記憶されるか、またはさもなければ、作業者若しくはRFIDリーダ、若しくは作業者若しくはRFIDリーダの付近の1つまたは複数の他の対象物、人間、機械若しくは構造物と関連付けられても良い。
【0052】
枠390では、手動作動式RFIDタグから受信したRFID信号と関連付けられたタスクを外部サーバが実行し、プロセスが終了する。外部サーバは、RFIDリーダの付近の作業者による積極的な動作または命令を必要とする関連タスクを識別しても良く、RFIDリーダから受信した情報を識別したときに関連タスクを実行しても良い。例えば、このタスクは、
図1A及び1Bの貯蔵設備164などの貯蔵設備内に品物を収容すること、若しくはその中の品物を取り出すこと、ならびに、施錠されたドア若しくは保管室を空けること、機密情報若しくは他の保護情報にアクセスすること、または作業者の認証と作業者からの積極的な動作若しくは命令との両方を必要とし得る他の任意のタスクを実行することに関係しても良い。
【0053】
したがって、本開示のシステム及び方法は、ユーザーと関連付けられた送信機と受信機との間の物理的接触を必要とせずに、ユーザーによって提供された動作または命令に関する情報を伝達する無電源のウェアラブル装置を提供しても良く、ユーザーを識別して動作または命令に関する情報を受信したときに、1つまたは複数のタスクを実行させても良い。
図3のフローチャート300に表されたプロセスは、非手動作動式RFIDタグから受信したRFID信号に少なくとも部分的に基づいて作業者を識別するか、または認証することを企図しているものの、当業者は、本明細書に開示されるシステム及び方法がそのように限定されないこと、及び作業者を識別するか、または認証する他の任意のシステムまたは方式を本開示に従って利用しても良いことを認めるであろう。
【0054】
本開示のシステム及び方法は、ユーザーからの直接の動作または命令を必要とする任意のタスクを実行するために、ウェアラブルRFID装置を利用しても良い。
図4A及び4Bを参照すると、本開示の実施形態に係るウェアラブルRFID装置452を含むシステム400が示されている。
図4Aに示すように、システム400Aは、サーバ432、RFIDリーダ440、作業者450、ならびに錠462及び電子ディスプレイスクリーン464で保護された出入口460を含む。作業者450は、自分の右の手首にウェアラブルRFID装置452を着用しているだけでなく、パッシブRFIDタグを一体的に備えた識別バッジ456を着用している。
図4Aに示したウェアラブルRFID装置452は、ブレスレットの形であり、内部に埋め込まれるか、またはさもなければこれと関連付けられ得る手動作動式RFIDタグ454を備える。電子ディスプレイスクリーン464は、作業者450が出入口460を通るためには証明書を提示する必要があることを示す。
【0055】
図4Aに示すように、作業者450は、識別バッジ456からRFIDリーダ440に送信されたRFID信号を含むが、これに限定されることはない任意の根拠によって識別されても良い。RFID信号を受信したとき、RFIDリーダ440は、作業者450を識別する情報446Aを、サーバ432に、または別のネットワーク化された構成要素(図示せず)に送信しても良い。
【0056】
前述したように、本開示のシステム及び方法は、
図4Aの作業者450などの、RFIDリーダの付近にいるウェアラブルRFID装置のユーザーによって行われた直接の動作またはそのユーザーによって提供された直接の命令に関する情報を受信するために使用されても良い。
図4Bを参照すると、システム400Bは、ウェアラブルRFID装置452及び/または手動作動式RFIDタグ454に設けられた接触検知ボタンに作業者450が接触している状態で示されている。ウェアラブルRFID装置452との接触により、手動作動式RFIDタグ454からRFIDリーダ440にRFID信号が送信され、これにより、作業者450に関する情報446Bが、出入口460を開けるように命令する形でサーバ432に送信される。情報446Bを受信したとき、サーバ432は、錠462を開放させて出入口460を開けさせる。加えて、サーバ432はさらに、出入口460に入る権限が作業者450に与えられたことを電子ディスプレイスクリーン464に表示させるようにしても良い。
【0057】
したがって、本開示のシステム及び方法は、ユーザーを識別し、ユーザーから命令を受信し、その命令に応答してタスクに関する1つまたは複数の動作を行うために使用されても良い。ユーザーを識別しても良く、ユーザーによって着用されたウェアラブルRFID装置から命令を受信しても良い。これにより、従来の電源との接続を必要とせずに、迅速かつ効率的に命令がRFIDリーダに確実に送信され得る。
【0058】
当業者は、本開示のウェアラブルRFID装置の用途、及びウェアラブルRFID装置が着用され得る人体の面または伸長部分が限定されることはないと認めるであろう。例えば、いくつかの実施形態によれば、ウェアラブルRFID装置は、ブラウザまたは他のコンピュータベースのアプリケーション内でポインティング装置を操作するために使用されても良い。
図5を参照すると、本開示の実施形態に係るウェアラブルRFID装置552を含むシステム500が示されている。システム500は、リストバンドの形をとったウェアラブルRFID装置552を着用している作業者550、RFIDリーダ540及びコンピュータ560を含む。ウェアラブルRFID装置552は、複数の接触検知ボタン554A、554B、554C、554D、554E、554Fを備える。接触検知ボタン554A、554B、554C、554Dには、方向(例えば、上、下、左及び/または右へ)に対応する標識が、その表面に記載されている。それに対し、接触検知ボタン554Eには積極的な動作(すなわち、「チェック」)に対応する標識が、接触検知ボタン554Fには消極的な動作(すなわち、「X」)に対応する標識が、それぞれ記載されている。
【0059】
図5に示すように、作業者550が接触検知ボタン554Aに対応するウェアラブルRFID装置552の一部に接触したとき、RFID信号がウェアラブルRFID装置552からRFIDリーダ540に送信される。これにより、当該信号に関する情報546(すなわち、接触検知ボタン554Aと関連付けられた方向)が、コンピュータ560に、または別のネットワーク化された構成要素(図示せず)に送信される。その後、コンピュータ560のディスプレイ上のポインタ562が、ウェアラブルRFID装置552に設けられた接触検知ボタン554Aとの接触に基づいて上方に移動させられる。したがって、電源がない場合でも、さらには、コンピュータ560との物理的、電気的または機能的な接触がないことを考慮しても、ウェアラブルRFID装置552により、作業者550がポインタ562を介してコンピュータ560を操作することが可能となる。例えば、作業者550は、接触検知ボタン554A、554B、554C、554Dに接触し続けて、コンピュータ560のディスプレイ全体にわたる1つまたは複数の様々な位置にポインタ562を移動させても良く、接触検知ボタン554Eに接触して、ポインタ562の位置に基づいた動作を行っても良く、または接触感知ボタン554Fに接触して、かかる動作をキャンセルしても良い。
【0060】
同様に、
図6を参照すると、本開示の実施形態に係るウェアラブルRFID装置652を含むシステム600が示されている。システム600は、ウェアラブルRFID装置652(すなわち、アームバンド)及びこれと関連付けられたRFIDリーダ640を備えた一対のRFID対応ヘッドホン660を着用しているジョギングをする人650を含む。ウェアラブルRFID装置652は、ヘッドホン660の媒体の再生を制御するための一対の手動作動式RFIDタグ654A、654Bを備える。
図6に示すように、ジョギングをする人650が、ヘッドホン660の媒体の再生を休止するように構成された手動作動式RFIDタグ654Bに対応するウェアラブルRFID装置652の接触検知ボタンに接触したとき、RFID信号646がヘッドホン660のRFIDリーダ640に送信され、それに応じてヘッドホン660の媒体の再生が休止される。したがって、ジョギングをする人650は、任意の形の独立電源(例えば、電池)も必要としない、かつヘッドホン660に直接接続されていない装置を用いて、ヘッドホン660の操作を制御することができる。それにより、ジョギングする人650の行動範囲に対するあらゆる制約が運動中に制限される。
【0061】
図7を参照すると、本開示の実施形態に係るウェアラブルRFID装置752を含むシステム700が示されている。システム700は、ウェアラブルRFID装置752(すなわち、消防ヘルメット)を着用している第1の応答者750(すなわち、消防士)を含む。このRFID装置は、支援を要求するために設けられた手動作動式RFIDタグ754に対応する接触検知ボタンを備える。第1の応答者750が手動作動式RFIDタグ754に対応する接触検知ボタンに接触したとき、RFID信号がRFIDリーダ740に送信され、それにより、スピーカ760から信号746が再生される。したがって、第1の応答者750は、RFIDリーダ740などのRFIDリーダの付近にいる場合、単に自分のヘルメット752に設けられた手動作動式RFIDタグ754と関連付けられた接触検知ボタンに接触することにより、援助を必要としているという信号を送信し得る。これにより、第1の応答者750とスピーカ760の間にいかなる電源接続も機能的な接続も必要とせずに、援助を求める可聴音の呼び出しが発せられ得る。
【0062】
以上にも述べられているように、本開示のウェアラブルRFID装置は、1つまたは複数の手動作動式RFIDタグとの接触に基づいて作業者による動作または命令に関する情報を送信するように、またはさもなければ提供するように個別的かつ自動的に構成されても良い。例えば、手動作動式RFIDタグは、固有のRFID信号を送信するように構成され得るものの、特定のタスクまたは機能と関連付けられているRFIDリーダは、当該RFIDリーダが関連付けられ得る目的または機能に合わせて調整されるように、そのRFIDリーダから受信した固有のRFID信号を解釈しても良い。したがって、「オフ」コマンドと関連付けられたウェアラブルRFID装置の接触検知ボタンに接触する作業者は、無電源方式で、機械の操作を停止しても良く、バルブを通る流れを分離しても良く、または電気装置への電力を確保しても良いが、これは、上記の機械、バルブまたは電気装置が、ウェアラブルRFID装置からRFID信号を受信するように、かつこれらの各操作に関する1つまたは複数の命令を送信するように構成されている1つまたは複数のRFIDリーダと関連付けられている場合に限られる。
【0063】
図8を参照すると、本開示の実施形態に係るウェアラブルRFID装置を含むシステムを操作するためのプロセスの一実施形態を表すフローチャート800が示されている。枠810では、接触の際に別々のRFID信号を送信するように構成された複数の手動作動式RFIDタグを備えたRFID装置を着用している作業者が、RFIDリーダの範囲内に入る。例えば、RFID装置は、本開示に係る、
図1A、1B及び1Cの「STOW」の手動作動式RFIDタグ154、
図5の方向制御または操作制御に連動させるための手動作動式RFIDタグ554A、554B、554C、554D、554E、554F、
図6のヘッドホン660を操作するための手動作動式RFIDタグ654A、654B、若しくは
図7の支援を要求するための手動作動式RFIDタグ754、または特定のRFID信号を送信するように構成された他の任意の手動作動式RFIDタグの1つまたは複数を備えても良い。枠820では、作業者は、RFID装置に設けられた一連の手動作動式RFIDタグに接触し、枠830では、RFIDリーダは、作業者によって接触された手動作動式RFIDタグから信号の系列を受信する。
【0064】
枠840では、RFIDリーダは、枠830で受信した信号の系列に関する情報を、外部サーバに、または別のネットワーク化された構成要素に送信する。例えば、RFIDリーダが、同時に、若しくはほぼ同時に2つ以上のRFID信号の集合を受信するか、またはRFID信号若しくはかかる信号の集合の系列を受信した場合、かかる信号、集合または系列に関する情報(例えば、RFID信号の強度または周波数、及びかかる信号を受信した時刻、またはかかる信号自体の内容)を分析用のサーバに送信しても良い。枠850では、外部サーバは、作業者の付近にあるプログラマブルシステムを識別する。例えば、外部サーバは、RFIDリーダの位置を識別しても良く、どのプログラマブルシステムがRFIDリーダの近くに位置しているかを決定しても良い。
【0065】
枠860では、外部サーバは、信号の系列に関する情報に基づいた命令をプログラマブルシステムに送信する。例えば、手動作動式RFID装置と接触したときに送信されたRFID信号が、方向コマンド(例えば、上、下、左及び/若しくは右へ)または操作コマンド(例えば、オンにする、オフにする、収容する、取り出す)と関連付けられている場合、外部サーバは、枠850で識別されたプログラマブルシステムと関連付けられた方向コマンドまたは操作コマンドの意味を定義しても良く、その方向コマンドまたは操作コマンドと合致する1つまたは複数の命令を、枠860で識別されたプログラマブルシステムに送信しても良い。枠870では、その命令に応答してプログラマブルシステムが1つまたは複数の動作を行い、プロセスが終了する。
【0066】
複数のプログラマブルシステムと共に使用される本開示のウェアラブルRFID装置の相互運用性が、
図9に関して示され得る。
図9を参照すると、本開示の実施形態に係るウェアラブルRFID装置952を含むシステム900が示されている。システム900は、サーバ932、RFIDリーダ940及びウェアラブルRFID装置952を着用しているユーザー950を含む。サーバ932は、3つの別々のサブシステム960A、960B、960C(すなわち、パワーウィンドウシステム、電子サーモスタット、フラットパネルテレビジョン)と通信する。ウェアラブルRFID装置952は、手動作動式RFIDタグ954A、954Bと関連付けられた2つの接触検知ボタンを備えており、方向コマンド(例えば、上下へ)と合致するRFID信号を送信できるようになっている。
【0067】
図9に示すように、ユーザーは、ウェアラブルRFID装置952を利用して、各サブシステム960A、960B、960Cの操作を個別に制御しても良い。例えば、ユーザー950が、手動作動式RFIDタグ954Bと関連付けられた接触検知ボタンに指951で接触し、それにより、サーバ932に下方への方向コマンドと関連付けられたRFID信号が送信されたとき、サーバ932は、サブシステム960A、960B、960Cの1つを任意の根拠によって選択しても良く、サブシステム960A、960B、960Cの選択された1つに、対応する命令を送信しても良い。例えば、サーバ932が、かかる命令をサブシステム960A(すなわち、パワーウィンドウシステム)に送った場合、その命令に応答してブラインド962Aを下ろしても良い。サーバ932が、かかる命令をサブシステム960B(すなわち、電子サーモスタット)に送った場合、温度設定962Bを下げても良い。サーバ932が、かかる命令をサブシステム960C(すなわち、フラットパネルテレビジョン)に送った場合、チャンネル962Cを、それよりもすぐ下の番号のチャンネルに変えても良い。
【0068】
したがって、本開示のウェアラブルRFID装置のいくつかの実施形態は、RFID装置と従来の電源またはかかる命令を受信するように構成されたRFIDリーダとの間の物理的な有線接続を必要とせずに1つまたは複数のネットワーク化されたシステムまたは構成要素に命令を送信するための多目的の構成要素である。ウェアラブルRFID装置は、固有のRFID信号を1つまたは複数のRFIDリーダに送信するように構成される。このRFIDリーダは、かかる信号に関する情報を外部サーバまたは他のコンピュータ装置に提供しても良い。この外部サーバまたはコンピュータ装置は、ウェアラブルRFID装置の付近にあるプログラマブルシステムを識別しても良く、1つまたは複数のRFIDリーダによって受信されたRFID信号と合致するプログラマブルシステムに命令を送信しても良い。
【0069】
本開示を実現するための例示的な技術、構成要素及び/若しくはプロセスを用いて当該開示を本明細書で説明してきたが、他の技術、構成要素及び/若しくはプロセス、または、本明細書に記載された同一の機能(単数若しくは複数)及び/若しくは結果(単数若しくは複数)を実現し、かつ本開示の範囲内に含まれる、本明細書に記載された技術、構成要素及び/若しくはプロセスの他の組み合わせ及び順序を使用する、または実行しても良いことが当業者によって理解されるべきである。例えば、本開示の実施形態のいくつかは、フルフィルメントセンターの環境内で利用されるもの(例えば、フルフィルメントセンターにて作業者によって着用されたウェアラブルRFID装置)として、または、フルフィルメントセンター内の対象物、機械若しくは構造物内で利用されるものとして示されているが、本明細書に開示されるシステム及び方法は、そのように限定されず、任意の環境内の対象物、人間、機械または構造物に関連して提供されても良い。
【0070】
本明細書において明示的に、または暗黙的に示されない限り、本明細書の特定の実施形態に関して記載された特徴、特性、代替例または変更例はいずれも、本明細書に記載された他の任意の実施形態に適用されても良く、使用されても良く、またはそのような実施形態と組み合わされても良いこと、ならびに、本開示の図面及び詳細な説明は、添付された特許請求の範囲によって定められる様々な実施形態に対するすべての変更例、均等物及び代替例を含むように意図していることを理解すべきである。さらに、
図3及び8に示したフローチャートを含むが、これらに限定されない本明細書に記載された本開示の1つまたは複数の方法またはプロセスに関して、本方法またはプロセスの枠またはステップが列挙された順番は、特許請求された本発明を限定するものとして解釈されることを意図しておらず、任意の数の枠またはステップを、本明細書に記載された方法またはプロセスを実施するために、任意の順番で、かつ/または並列に組み合わせても良い。また、本明細書の図面は、縮尺に合わせて描かれたものではない。
【0071】
特に「can」、「could」、「might」または「may」などの条件付きの文言は、別段の定めのない限り、または使用された文脈で解釈される限り、一般に、特定の実施形態が、特定の特徴、要素及び/または枠若しくはステップを含み得るか、または含む可能性があるが、それを必須とするものでもなく、要求するものでもないことを許容的に表すことを意図している。同様に、「include」、「including」及び「includes」などの用語は、一般に、「including,but not limited to」を意味することを意図している。したがって、このような条件付き文言は、一般に、特徴、要素及び/または枠若しくはステップが1つまたは複数の実施形態に何らかの方法で必要とされることを示すように意図しているものでもなく、これらの特徴、要素及び/若しくは枠若しくはステップが含まれているかどうか、または任意の特定の実施形態において実行されるものであるかどうかについて、ユーザーの入力または指示の有無に関わらず決定する論理を1つまたは複数の実施形態が必ず含むことを示すように意図しているものでもない。
【0072】
本発明をその例示的な実施形態に関して説明して図示してきたが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、前述した、かつ各種の他の追加及び省略を、かかる実施形態中に施しても良く、かかる実施形態に対して施しても良い。
【0073】
条項1
RFIDリーダと、
ユーザーによって操作されるウェアラブルRFID装置であって、少なくとも1つの手動作動式RFIDタグを備える前記ウェアラブルRFID装置と、
少なくとも前記RFIDリーダと通信するコンピューティング装置と、を備え、
前記コンピューティング装置は、1つまたは複数のサービスを実施するように構成され、
前記1つまたは複数のサービスが、
前記ユーザーを識別し、
前記RFIDリーダにて、第1のRFID信号であって、前記ユーザーが最初に前記手動作動式RFIDタグと接触したときに送信される前記第1のRFID信号を前記手動作動式RFIDタグから受信し、
前記手動作動式RFIDタグから前記第1のRFID信号を受信した後、前記ユーザーまたは前記ユーザーと関連付けられたタスクの少なくとも一方に関する情報を少なくとも1つのデータ記憶装置に記憶し、
前記情報に少なくとも部分的に基づき、前記ユーザーと関連付けられた前記タスクを実行するための命令を生成し、かつ
前記タスクを実行するための前記命令を少なくとも1つのネットワーク化された構成要素に送信するように構成される、コンピュータシステム。
【0074】
条項2
前記1つまたは複数のサービスが、
前記RFIDリーダにて、前記ユーザーと関連付けられた少なくとも1つの非手動作動式RFIDタグから第2のRFID信号を受信するようにさらに構成され、
前記ユーザーが、前記第2のRFID信号に少なくとも部分的に基づいて識別される、条項1に記載のコンピュータシステム。
【0075】
条項3
前記タスクが、
品物に関する情報を少なくとも1つの登録部に記録すること、
前記品物の状態を確認すること、
前記ユーザーを認証すること、
前記品物、前記タスク若しくは前記ユーザーの少なくとも1つと関連付けられた設定を有効にすること、または
前記品物、前記タスク若しくは前記ユーザーの前記少なくとも1つと関連付けられた前記設定を無効にすることの少なくとも1つを含む、条項1に記載のコンピュータシステム。
【0076】
条項4
前記ウェアラブルRFID装置が、
手袋状の装置、
ブレスレット状の装置、または
前記ユーザーの腕、脚若しくは頭部の少なくとも一部の周りに着用される衣料品の少なくとも1つに設けられる、条項1に記載のコンピュータシステム。
【0077】
条項5
RFIDリーダにて、少なくとも1つの手動作動式RFIDタグを備えたウェアラブルRFID装置から送信された第1のRFID信号を受信することと、
前記ウェアラブルRFID装置のユーザーまたは前記ウェアラブルRFID装置の付近にある対象物の少なくとも一方を識別することと、
少なくとも1つのコンピューティング装置により、前記第1のRFID信号及び前記ユーザーまたは前記対象物の少なくとも一方に関する情報を記憶することと、
前記情報に少なくとも部分的に基づき、前記ウェアラブルRFID装置の前記ユーザーまたは前記ウェアラブルRFID装置の前記付近にある前記対象物の前記少なくとも一方と関連付けられた少なくとも1つのタスクを識別することと、を含む方法。
【0078】
条項6
前記少なくとも1つのタスクが、前記ユーザーによる貯蔵設備への前記対象物の配置を含み、
前記情報が、前記ユーザーによる前記貯蔵設備への前記対象物の前記配置の承認を含む、条項5に記載の方法。
【0079】
条項7
前記第1のRFID信号が、前記ユーザーが前記ウェアラブルRFID装置の少なくとも一部と接触した後、前記ウェアラブルRFID装置から送信される、条項5に記載の方法。
【0080】
条項8
前記少なくとも1つのタスクを実行するための少なくとも1つの命令を、前記タスクと関連付けられたネットワーク化された構成要素に提供することをさらに含む、条項5に記載の方法。
【0081】
条項9
前記少なくとも1つのコンピューティング装置と通信している複数のネットワーク化された構成要素を識別することであって、前記ネットワーク化された構成要素のそれぞれが、複数のタスクの少なくとも1つと関連付けられている、前記識別することと、
前記第1のRFID信号に少なくとも部分的に基づき、前記複数のネットワーク化された構成要素の少なくとも1つを選択することと、をさらに含み、
前記少なくとも1つのタスクを実行するための前記少なくとも1つの命令は、前記複数のネットワーク化された構成要素の前記選択された1つに提供される、条項8に記載の方法。
【0082】
条項10
前記ウェアラブルRFID装置の前記ユーザーまたは前記ウェアラブルRFID装置の前記付近にある前記対象物の前記少なくとも一方を識別することが、
前記RFIDリーダにて、少なくとも1つのRFIDタグを備えた第1のRFID装置から送信された第2のRFID信号を受信することと、
前記第2のRFID信号と、前記ウェアラブルRFID装置の前記ユーザーまたは前記ウェアラブルRFID装置の前記付近にある前記対象物の前記少なくとも一方とを関連付けることと、を含む、条項5に記載の方法。
【0083】
条項11
前記第1のRFID信号または前記第2のRFID信号に少なくとも部分的に基づいて前記ユーザーを認証することをさらに含み、
前記第1のRFID信号及び前記ユーザーまたは前記対象物の少なくとも一方に関する前記情報は、前記ユーザーの認証を含む、条項10に記載の方法。
【0084】
条項12
前記第1のRFID信号または前記第2のRFID信号に少なくとも部分的に基づいて前記対象物の位置を決定することをさらに含み、
前記第1のRFID信号及び前記ユーザーまたは前記対象物の少なくとも一方に関する前記情報は、前記対象物の前記位置を含む、条項10に記載の方法。
【0085】
条項13
前記ウェアラブルRFID装置が、前記ユーザーの手、手首、腕、脚、腰または頭部の少なくとも1つの周りに着用されるように構成される、条項5に記載の方法。
【0086】
条項14
前記ウェアラブルRFID装置が、複数の手動作動式RFIDタグを備え、
前記複数の手動作動式RFIDタグのそれぞれが、前記ユーザーが前記ウェアラブルRFID装置の少なくとも一部と接触した後、少なくとも1つの固有のRFID信号を送信するように構成される、条項5に記載の方法。
【0087】
条項15
前記手動作動式RFIDタグの少なくとも1つが、接触検知ボタンを備え、
前記ウェアラブルRFID装置は、前記ユーザーが前記接触検知ボタンと接触したときに前記少なくとも1つの固有のRFID信号を送信するように構成される、条項5に記載の方法。
【0088】
条項16
前記接触検知ボタンが、前記ユーザーの手の背面側に対応する前記ウェアラブルRFID装置の一部に置かれる、条項15に記載の方法。
【0089】
条項17
少なくとも1つの手動作動式RFIDタグを備えたウェアラブル装置であって、
前記少なくとも1つの手動作動式RFIDタグが、前記ウェアラブル装置のユーザーが接触したときにRFIDリーダにRFID信号を送信するように構成され、
前記RFID信号が、前記ウェアラブル装置の前記ユーザーまたは前記ウェアラブル装置の付近にある対象物の少なくとも一方と関連付けられた少なくとも1つのタスクを実行するための少なくとも1つの命令と関連付けられた情報を含む、前記ウェアラブル装置。
【0090】
条項18
前記ユーザーの手の周りに着用されるように構成された手袋の少なくとも一部分さらに備え、
前記少なくとも1つの手動作動式RFIDタグが、前記手袋の背面部に設けられている、条項17に記載のウェアラブル装置。
【0091】
条項19
前記ユーザーの手首の周りに着用されるように構成されたブレスレットの少なくとも一部分をさらに備え、
前記少なくとも1つの手動作動式RFIDタグが、前記ブレスレットの後部に設けられている、条項17に記載のウェアラブル装置。
【0092】
条項20
前記ウェアラブル装置が、少なくとも2つの手動作動式RFIDタグを備え、
前記手動作動式RFIDタグのそれぞれが、前記ウェアラブル装置の前記ユーザーが接触したときに固有のRFID信号を送信するように構成される、条項17に記載のウェアラブル装置。