特許第6359143号(P6359143)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6359143
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】タッチスクリーンパネル用配線電極
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20180709BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   G06F3/041 430
   H05K1/02 J
【請求項の数】2
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-75744(P2017-75744)
(22)【出願日】2017年4月6日
(62)【分割の表示】特願2014-515757(P2014-515757)の分割
【原出願日】2012年6月15日
(65)【公開番号】特開2017-142837(P2017-142837A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2017年4月7日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0057992
(32)【優先日】2011年6月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513313370
【氏名又は名称】ミレ ナノ テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】ジャン キュン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヒュン ベ
(72)【発明者】
【氏名】リュ スン ジン
(72)【発明者】
【氏名】パク キ ウォン
【審査官】 円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−182137(JP,A)
【文献】 特開2010−034538(JP,A)
【文献】 特開2009−124098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ信号を感知する信号感知パターンを含むタッチスクリーンパネルであって、
基材と、
前記基材上の樹脂層であって、前記樹脂層は陰刻領域を有し、前記陰刻領域の内部で前記樹脂層の一部が突出して複数個の微小突起を形成する、樹脂層と、
前記樹脂層の前記陰刻領域を充填する伝導性材料を含む配線電極と、を備え、
前記複数個の微小突起の高さは、前記配線電極の高さと同一である又は前記配線電極の高さよりも高く、
前記配線電極は、
前記信号感知パターンと電気的に接続される接触部と、
外部駆動回路と電気的に接続されるボンディング部と、
前記接触部と前記ボンディング部とを連結する信号伝送部と、を備え、
前記複数個の微小突起は、
前記ボンディング部に対応する第1の微小突起と、
前記信号伝送部に対応する第2の微小突起と、を備え、
前記ボンディング部の線幅は、前記信号伝送部の線幅よりも広く、
前記第2の微小突起の各々は、前記信号伝送部の長手方向に伸長する水平断面を有する、
ことを特徴とする、タッチスクリーンパネル。
【請求項2】
前記第1の微小突起の各々の水平断面の面積は、前記第2の微小突起の各々の水平断面の面積よりも広いことを特徴とする、請求項に記載のタッチスクリーンパネル用配線電極。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーンパネル用配線電極に関する。より詳細には、本発明は、タッチスクリーンパネルの信号感知パターンで感知される使用者のタッチ信号を外部の駆動回路に伝送する配線電極に係り、湾曲領域を含んだり、微小突起を含む配線電極に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、タッチスクリーンパネルは、映像表示装置などの画面に表示された指示内容を人の手または物体で選択して、使用者の命令を入力できるようにした入力装置である。
【0003】
そのために、タッチスクリーンパネルは、映像表示装置の前面(front face)に備えられて、人の手または物体に直接接触された接触位置を電気的信号に変換する。これによって、接触位置で選択された指示内容が入力信号として受け取られる。
【0004】
このようなタッチスクリーンパネルは、キーボード及びマウスのように映像表示装置に接続されて動作する別途の入力装置を代替することができるので、その利用範囲が次第に広がっている趨勢である。
【0005】
タッチスクリーンパネルを具現する方式は、抵抗膜方式(resistive type)、静電容量型(capacitive type)、電磁気誘導型(electro−magnetic type)などに区分される。その中で代表的な二つの方式は、抵抗膜方式と静電容量方式である。
【0006】
抵抗膜方式は、透明電極がコーティングされた2枚の基板で構成され、指やペンを通じて圧力を加えると、その部位の基板が互いにくっつくことによって位置を認識する方式である。しかし、抵抗膜方式は、操作の不便さ及び位置認識の不正確性のため、次第に使用が減少している趨勢である。
【0007】
静電容量方式は、人の手または物体が接触される時、信号感知パターンが周辺の他の信号感知パターンまたは接地電極などと形成する静電容量の変化を感知することによって、接触位置を電気的信号に変換するもので、人体で発生する静電気を感知する原理を利用するものである。静電容量方式のタッチスクリーンパネルは耐久性に優れ、透過性がよく、反応時間が速いという長所があるので、現在、タッチスクリーンパネルの主をなしている。
【0008】
静電容量方式のタッチスクリーンパネルでは、使用者の指などの接触位置を感知するための信号感知パターンがスクリーンの大部分を占めるようになり、信号感知パターンによるタッチ信号を、タッチスクリーンパネルが装着された電子機器を駆動する外部駆動回路に伝達するための配線電極が、スクリーンの縁部に位置するようになる。
【0009】
しかし、従来のタッチスクリーンパネルに備えられる配線電極は、図1図1は、従来のタッチスクリーンパネルの配線電極を説明するための図である)を通じて説明される次のような問題点を有する。
【0010】
図1に示すように、従来のタッチスクリーンパネルは、使用者のタッチ信号を感知するための信号感知パターン1,2が基材100の中央部に備えられ、信号感知パターン1,2で感知されたタッチ信号を外部駆動回路(図示せず)に伝送する配線電極10,30,50を備える。配線電極は、具体的に、前記信号感知パターン1,2と接触する接触部10と、外部駆動回路と電気的に接続されるボンディング部50と、前記接触部10とボンディング部50とを連結する信号伝送部30とで構成される。このような配線電極は、基材100に陰刻領域を形成し、陰刻領域に伝導性材料を充填して電気的信号の伝送が可能なように形成される。
【0011】
このとき、基材100に陰刻領域を形成するために、陰刻領域に対応する陽刻のモールドを使用して離型を実施する。従来の配線電極の信号伝送部30は、折曲領域11が形成されることが一般的であり、離型のためのモールドにも折曲領域11に対応する陽刻が備えられるため、離型中に陽刻が折れる現象が発生するという問題点がある。
【0012】
また、陰刻領域には単純に陰刻の溝が形成され、ここに伝導性材料が充填されることによって配線電極が形成されるため、充填された伝導性材料がタッチスクリーンパネルの製造工程中に容易に離脱してしまい、信号感知パターン1,2で感知されたタッチ信号が正確に外部駆動回路に伝送されないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した問題点を解決するための観点から、本発明は、タッチスクリーンパネルの基材に積層形成される樹脂層に陰刻領域の配線電極を形成するために使用される陽刻のモールドが離型中に折れることを防止し、前記陰刻領域にドクターブレードを用いて伝導性材料(paste)を充填する場合、充填安定性を確保するためのタッチスクリーンパネル用配線電極を提供することを第1の技術的課題とする。
【0014】
また、本発明は、タッチスクリーンパネルの配線電極の形成のための基材の陰刻領域から伝導性材料が離脱することを防止するために、複数個の微小突起を含む配線電極を提供することを第2の技術的課題とする。
【0015】
しかし、本発明の技術的課題は、上記で言及した事項に制限されず、言及していない更に他の目的は、下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の技術的課題を達成するために、本発明の一実施例に係るタッチスクリーンパネル用配線電極は、タッチスクリーンパネルの信号感知パターンで感知されるタッチ信号を外部駆動回路に伝送する配線電極であって、基材の一面に形成され、少なくとも一つの湾曲領域を含む。
【0017】
ここで、前記配線電極は、前記基材の一面に積層される樹脂層に陰刻領域を形成し、前記陰刻領域に伝導性材料を充填して形成することができる。
【0018】
また、前記配線電極は、前記伝導性材料が陰刻領域から離脱することを防止するために、前記陰刻領域の内部に複数個の微小突起を含むことが好ましい。
【0019】
そして、前記微小突起は、前記陰刻領域の内部で前記樹脂層の一部が突出して形成されてもよい。
【0020】
好ましくは、前記タッチスクリーンパネル用配線電極は、前記信号感知パターンと電気的に接続される接触部と、前記外部駆動回路と電気的に接続されるボンディング部と、前記接触部と前記ボンディング部とを連結し、前記湾曲領域が形成された信号伝送部とを含む。
【0021】
ここで、前記ボンディング部の線幅は、前記信号伝送部の線幅よりも広いことがより好ましい。
【0022】
また、好ましくは、前記接触部、ボンディング部及び信号伝送部は、前記基材の一面に積層される樹脂層に陰刻領域を形成し、前記陰刻領域に伝導性材料を充填して形成することができる。
【0023】
そして、前記ボンディング部、接触部及び信号伝送部の陰刻領域のうち少なくともいずれか一つには、前記伝導性材料が前記陰刻領域から離脱することを防止するために、前記陰刻領域の内部に複数個の微小突起を含んでもよい。
【0024】
また、前記微小突起は、前記陰刻領域の内部で前記樹脂層の一部が突出して形成されることも好ましい。
【0025】
また、前記ボンディング部を形成する陰刻領域の内部の微小突起の水平断面の面積は、前記信号伝送部を形成する陰刻領域の内部の微小突起の水平断面の面積よりも広いことがより好ましい。
【0026】
一方、上記の技術的課題を達成するために、本発明の他の実施例に係るタッチスクリーンパネル用配線電極は、タッチスクリーンパネルの信号感知パターンで感知されるタッチ信号を外部駆動回路に伝送する配線電極であって、基材の一面に積層される樹脂層に陰刻領域を形成し、前記陰刻領域に伝導性材料を充填して形成され、前記伝導性材料が前記陰刻領域から離脱することを防止するために、前記陰刻領域の内部に複数個の微小突起を含む。
【0027】
ここで、前記微小突起は、前記陰刻領域の内部で前記樹脂層の一部が突出して形成されてもよい。
【0028】
また、前記タッチスクリーンパネル用配線電極は、前記信号感知パターンと電気的に接続される接触部と、前記外部駆動回路と電気的に接続され、前記微小突起を含むボンディング部と、前記接触部と前記ボンディング部とを連結し、前記微小突起を含む信号伝送部とを含むことができる。
【0029】
そして、前記ボンディング部の線幅は前記信号伝送部の線幅よりも広く、前記ボンディング部の微小突起の水平断面の面積は、前記信号伝送部の微小突起の水平断面の面積よりも広いことが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本明細書の記載内容から把握される本発明によれば、タッチスクリーンパネル用配線電極に少なくとも一つの湾曲領域を形成して、配線電極に折曲領域が形成されないようにするので、タッチスクリーンパネルの基材に積層形成される樹脂層に陰刻領域の配線電極を形成するために使用される陽刻のモールドが離型中に折れることを防止することができ、前記陰刻領域にドクターブレードを用いて伝導性材料(paste)を充填する場合、直線状の折曲部が存在しなくなるので、伝導性材料の充填安定性を確保することができる。
【0031】
また、本発明によれば、タッチスクリーンパネルの配線電極に複数個の微小突起が含まれるようにして、配線電極の形成のための基材の陰刻領域から伝導性材料が離脱することを防止することができる。したがって、タッチスクリーンパネルで感知された信号を、タッチスクリーンパッドが適用される電子機器の外部駆動回路に正確に伝達されるようにする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】従来のタッチスクリーンパネルの配線電極を説明するための図である。
図2】本発明の一実施例に係るタッチスクリーンパネル用配線電極を説明するための図である。
図3】本発明の一実施例に係るタッチスクリーンパネル用配線電極を説明するための図である。
図4】本発明の一実施例に係るタッチスクリーンパネル用配線電極を説明するための図である。
図5A】本発明の一実施例に係るタッチスクリーンパネル用配線電極を説明するための図である。
図5B】本発明の一実施例に係るタッチスクリーンパネル用配線電極を説明するための図である。
図6】本発明の他の実施例に係るタッチスクリーンパネル用配線電極を説明するための図である。
図7図6に示された配線電極の配置例を説明するための図である。
図8A】配線電極に充填される伝導性材料の充填状態を説明するための図である。
図8B】配線電極に充填される伝導性材料の充填状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、本発明の好適な実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。実施例の説明において、ある構成要素が他の構成要素に連結されると記述される場合、それは、他の構成要素に直接連結されることもあり、それらの間に第3の構成要素が介在することもあることを意味する。まず、各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたって、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、可能なかぎり同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。このとき、図面に図示され、また、これによって説明される本発明の構成及び作用は、少なくとも一つの実施例として説明されるものであり、これによって本発明の技術的思想とその核心構成及び作用が制限されることはない。
【0034】
まず、本発明の一実施例について説明する。
【0035】
図2乃至図5は、本発明の一実施例に係るタッチスクリーンパネル用配線電極を説明するための図である。
【0036】
図2に示すように、一実施例に係るタッチスクリーンパネル用配線電極は基材100の一面に形成される。ここでの基材は基板と同一の意味であり、基材は、透明フィルム、ガラス基板、プラスチック基板など、素材の制限なしに使用可能である。
【0037】
配線電極は、信号感知パターン1と電気的に接続される接触部10と、外部駆動回路(図示せず)に信号感知パターン1で感知されたタッチ信号を伝送するためのボンディング部50と、前記接触部10とボンディング部50とを連結する信号伝送部30とを含む。
【0038】
接触部10は、信号感知パターン1の一端に接触されるパッドであって、電気的信号の伝送が可能な伝導性材料で形成される。
【0039】
ボンディング部50は、外部駆動回路(図示せず)に電気的信号を伝達するために、基材100の端部に形成される。また、ボンディング部50の線幅は、信号伝送部30の線幅よりも広く形成することができる。ボンディング部50の線幅を信号伝送部30の線幅よりも広く形成する理由は、ボンディング部50に接続される接続装置(図示せず)がより安定的にボンディング部50に接続可能なようにするためである。すなわち、接続装置には、ボンディング部50に対応する伝導性連結ラインが形成され、このような伝導性連結ライン及びボンディング部50が信号伝送部30のように微細な線幅を有する場合よりは、多少広い線幅を有する場合においてより安定した電気的接続が可能であるからである。
【0040】
信号伝送部30は、上述した接触部10とボンディング部50とを連結するライン(line)であって、接触部10とボンディング部50との間で電気的信号の伝送が可能なように伝導性材料で形成される。信号伝送部30には少なくとも一つの湾曲領域12が含まれる。湾曲領域12は、信号伝送部30を緩やかに屈曲して形成される領域である。湾曲領域12において信号伝送部30の屈曲度合いを自由に変更できることは勿論である。
【0041】
ここで、図3及び図4を参照して、信号伝送部30に湾曲領域12を形成する理由について説明する。接触部10、信号伝送部30及びボンディング部50を含む配線電極は、基材100の一面に樹脂層90を積層し、該樹脂層90に陰刻領域92を形成して伝導性材料93を充填することによって形成される。したがって、基材100の樹脂層90に配線電極を形成する陰刻領域92を加工し、陰刻領域92を形成するために、陰刻領域に対応する陽刻のモールド80を使用して離型を実施するようになる。このとき、微細なラインの信号伝送部30が形成される陰刻領域92を樹脂層90に形成するためには、微細なラインの陽刻のモールドを使用しなければならない。ところが、従来は、このような信号伝送部30に直角に折れている折曲領域(図1の11参照)が形成されているため、離型中に陽刻のモールド80の陽刻部分が折れやすかった。これを防止するために、本発明の一実施例に係る配線電極には、信号伝送部30に折曲領域が形成されないように、少なくとも一つの湾曲領域12が含まれる。
【0042】
また、信号伝送部30に湾曲領域12を形成する他の理由について、図5を参照して説明する。
【0043】
図5の(A)は、配線電極が直線状に折り曲げられた形態である場合において、伝導性材料が陰刻に充填された状態を示す図で、(B)は、配線電極に湾曲領域が含まれる場合において、伝導性材料が充填された状態を示す図である。
【0044】
図5の(A)の場合、信号伝送部30には伝導性材料が充填される。しかし、信号伝送部30が直線状に折れているため、信号伝送部30の一部領域では伝導性材料の未充填領域32が発生する。したがって、(A)の場合には、伝導性材料の充填安定性が低下するという問題がある。
【0045】
反面、本発明で採択した構造である配線電極に湾曲領域を含む場合を示した図5の(B)でのように、配線電極に折曲部がないので、伝導性材料が信号伝送部30に完全に充填され、未充填領域が発生しないので、安定した信号伝送を可能にする。
【0046】
以下では、本発明の他の実施例について説明する。
【0047】
図6は、本発明の他の実施例に係るタッチスクリーンパネル用配線電極を説明するための図であり、図7は、図6に示した配線電極の配置例を説明するための図である。
【0048】
図6及び図7を参照すると、他の実施例に係るタッチスクリーンパネル用配線電極は、微小突起32,52を含む。具体的に、配線電極の信号伝送部30及びボンディング部50にはそれぞれ複数個の微小突起32,52が含まれる。微小突起32,52は、上述した配線電極の形成のための陰刻領域の内部に形成されるもので、基材に積層された樹脂層(図3の90参照)の一部が陰刻領域の内部で突出するようにして形成される。このとき、前記微小突起32,52は、上述したモールドを用いて形成し、モールドの陽刻によって樹脂層に形成される陰刻領域と同時に形成されることが望ましい。すなわち、モールドの陽刻部に前記微小突起32,52の形成のための陰刻の溝を形成することで、最終的に樹脂層に陰刻領域、及び前記陰刻領域の内部に突出した形態の微小突起32,52を形成できるようにする。
【0049】
ここで、微小突起32,52を形成する理由について説明する。本発明の一実施例で詳述したように、配線電極を形成するためには、基材100の樹脂層(図3の90参照)に陰刻領域を形成し、形成された陰刻領域に伝導性材料を充填する。このとき、充填される伝導性材料は、ペースト状態で陰刻領域に充填され、硬化過程を経て配線電極として機能するようになる。ところが、配線電極の信号伝送部30及びボンディング部50の線幅は、信号感知パターンを形成するグリッド(grid)の線幅よりもその線幅が広いため、充填された伝導性材料が容易に離脱し得る。
【0050】
すなわち、タッチスクリーンパネルを製造するための工程を行う中に、基材100の洗浄またはドクターブレードを使用するスクイージング過程などを含むが、このような過程で、基材の樹脂層(図3参照)の陰刻領域に充填された伝導性材料が陰刻領域から離脱する現象が発生し得る。
【0051】
したがって、本発明の他の実施例では、配線電極の信号伝送部30及びボンディング部50に複数個の微小突起32,52を形成することで、伝導性材料の離脱を防止する。すなわち、配線電極部の陰刻領域の内部に複数個の微小突起32,52を形成するようになると、信号感知パターンのグリッドよりも広い線幅を有するためタッチスクリーンパネルの製造工程中に発生する伝導性材料の離脱現象を防止することができる。これは、複数個の微小突起32,52によって、信号伝送部30及びボンディング部50の線幅が縮小される効果と、伝導性材料が微小突起32,52の表面に接触するようになる効果によって伝導性材料が離脱しにくくなるからである。
【0052】
ここで、陰刻に充填される伝導性材料の厚さについての説明を、図5を用いて開示する。
【0053】
図8の(A)は、配線電極の微細突起及び陰刻に充填される伝導性材料の充填状態を説明するための平面図であり、図8の(B)は、それに対する斜視図である。
【0054】
図8の(A)及び(B)に示すように、微小突起52の高さと、陰刻に伝導性材料が充填されて形成された電極とはその高さが同一であってもよく、または微小突起52の高さよりも電極の高さが低いように伝導性材料を充填してもよい。したがって、ボンディング部50に充填される伝導性材料は、微小突起52と緊密に接触することによって、電極の充填安定性の確保及び伝導性材料がボンディング部50から離脱する現象が防止される。図8は、図7において特にボンディング部に形成された微小突起52に対して説明しているが、これは、図7の信号伝送部30、及び信号伝送部に形成された微小突起32に対しても共通に適用される説明であることに留意しなければならない。
【0055】
一方、微小突起32,52は、様々な形状を有することができ、例えば、微小突起32,52の断面形状を円形、三角形、四角形、半楕円形、半円形、楕円形などに形成することができる。これを通じて、電極材料である伝導性材料が接触する接触面積を向上させて、充填安定性を確保し、伝導性材料の離脱を防止することができる。前記微小突起は、形状の具現が容易な円柱または楕円柱の形状に形成することが好ましい。
【0056】
また、信号伝送部30に備えられる複数個の微小突起32は、信号伝送部30に沿って配列することができる。ボンディング部50に備えられる複数個の微小突起52も、信号伝送部30に備えられる微小突起32と同様に、その形状及び配列方法を多様にすることができることは勿論である。
【0057】
但し、ボンディング部50の線幅が信号伝送部30の線幅よりも広く形成されるので、ボンディング部50に形成される微小突起52が、信号伝送部32の微小突起32よりもさらに広い水平断面積を有するように形成することが好ましい。ここで使用された水平断面積とは、微小突起を樹脂層と平行な方向に切断したときに現れる微小突起の水平切断面積を意味することに留意しなければならない。
【0058】
以下では、本発明の更に他の実施例について説明する。
【0059】
本発明の更に他の実施例において、タッチスクリーンパネル用配線電極は、少なくとも一つの湾曲領域及び複数個の微小突起を含む。具体的に、湾曲領域12は、配線電極の信号伝送部30に形成され、微小突起32,52は、信号伝送部30及びボンディング部50にそれぞれ形成される。
【0060】
すなわち、更に他の実施例は、上述した一実施例と他の実施例で説明したタッチスクリーンパネル用配線電極の特徴を組み合わせたもので、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、これを容易に理解し、実施可能であるので、ここでは、これについての別途の詳細な説明を省略する。
【0061】
以上のように、本発明は、たとえ限定された実施例と図面によって説明されたが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、このような記載から様々な変形及び修正が可能である。したがって、本発明の思想は、下記に記載された特許請求の範囲によってのみ把握されなければならず、これの均等物または等価的変形はいずれも本発明の思想的範疇に属する。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B