(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムでは、ビデオパッケージと、表示装置と、ビデオパッケージのプログラム内容と関連する文字、写真、グラフ等の印刷媒体であるリーフレットとを具備して、移動体にユーザ(乗客)が乗車するとビデオパッケージの映像の放映を開始するようにしている。
【0005】
しかしながら、このシステムでは、一方的で固定的な内容で広告がなされる。また、放映される映像について、ビデオパッケージや文字放送による広告内容の選択ができるにとどまり、ユーザ自ら進んで広告を見ようとする気持ちを抱かせることは困難である。さらに、ユーザの嗜好に合わせるための工夫がされておらず、広告が有効に活用されていないのが実情である。そこで、個々のユーザに合わせて選択的に広告を配信することができれば有用である。
【0006】
本発明は、個々のユーザに合わせて選択的に広告を配信することができる情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、移動体にて使用される車載端末に対して広告情報を配信する情報処理装置であって、前記移動体に乗車したユーザが立ち寄る地点の情報を地点情報として取得する地点情報取得部と、取得された地点情報に基づいて広告情報を取得して、該取得した広告情報を前記車載端末に対して配信する広告配信部と、を備える情報処理装置に関する。
【0008】
また、情報処理装置は、前記地点情報取得部により取得された地点情報を含むエリアを特定するエリア特定部を更に備え、前記広告配信部は、前記特定されたエリアに関連する広告情報を取得するのが好ましい。
【0009】
また、前記地点情報取得部は、前記移動体に乗車したユーザが所持するユーザ端末と前記車載端末とを紐づける端末紐付部と、前記車載端末に紐づけた前記ユーザ端末の情報に基づいて、地点情報を特定する地点情報特定部と、を備え、前記広告配信部は、前記ユーザ端末に紐づけた前記車載端末に広告情報を配信するのが好ましい。
【0010】
また、前記端末紐付部は、前記車載端末から車載端末識別情報を取得するとともに、前記ユーザ端末から地点情報及びユーザ端末識別情報を取得することで、前記車載端末と前記ユーザ端末とを紐づけ、前記地点情報特定部は、取得した地点情報をそのまま地点情報として特定するのが好ましい。
【0011】
また、前記端末紐付部は、前記ユーザ端末及び前記車載端末の間の通信により前記ユーザ端末から取得した情報に基づいて前記ユーザ端末と前記車載端末とを紐づけるのが好ましい。
【0012】
また、前記端末紐付部は、前記車載端末と前記ユーザ端末との間の決済によって得られる前記ユーザ端末を識別するユーザ端末識別情報に基づいて前記ユーザ端末と前記車載端末とを紐づけるのが好ましい。
【0013】
また、前記端末紐付部は、前記車載端末の位置情報と任意の複数のユーザ端末の位置情報とを取得し、前記車載端末の位置にリンクして移動するユーザ端末を前記車載端末に紐づけるのが好ましい。
【0014】
また、前記端末紐付部は、前記車載端末に紐づけられるユーザ端末が無い場合に、前記車載端末にユーザ端末の紐づけを実行しないのが好ましい。
【0015】
また、前記地点情報特定部は、前記ユーザ端末から地点情報を取得して、地点情報として特定するのが好ましい。
【0016】
また、前記地点情報特定部は、地点情報を推定可能な推定情報を前記ユーザ端末から取得し、前記推定情報に基づいて地点情報を特定するのが好ましい。
【0017】
また、前記地点情報特定部は、前記ユーザ端末から前記ユーザ端末を識別するユーザ端末識別情報を取得し、取得したユーザ端末識別情報とユーザの過去の乗車履歴とに基づいて地点情報を特定するのが好ましい。
【0018】
また、前記地点情報特定部は、前記車載端末の位置とリンクして移動するユーザ端末を識別するユーザ端末識別情報とユーザの過去の乗車履歴とに基づいて地点情報を特定するのが好ましい。
【0019】
また、前記地点情報特定部は、前記車載端末から送信された前記移動体に乗車したユーザ、乗務員あるいは同乗者の音声を含む音声情報に基づいて地点情報を特定するのが好ましい。
【0020】
また、本発明は、移動体にて使用される車載端末に対して広告情報を配信する情報処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記プログラムは、前記移動体に乗車したユーザが立ち寄る地点の情報を地点情報として取得する地点情報取得部、取得された地点情報に基づいて広告情報を取得して、該取得した広告情報を前記車載端末に対して配信する広告配信部、としてコンピュータを機能させるプログラムに関する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、個々のユーザに合わせて選択的に広告を配信することができる情報処理装置及びプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理装置及びプログラムについて、図面を参照して説明する。
まず、本実施形態の情報処理装置が用いられる情報処理システム1について、
図1を参照して説明する。
【0024】
情報処理システム1は、
図1に示すように、移動体100(例えば、タクシー)に設置されている車載端末20に対して、経由地や目的地等のユーザ(例えば、タクシーの乗客)の立ち寄る場所に基づいた広告を表示するシステムである。情報処理システム1は、ユーザ端末10と、車載端末20と、情報処理装置30と、を備える。
【0025】
ユーザ端末10は、例えば、ユーザが所持するスマートフォン等の携帯端末である。ユーザ端末10は、車載端末20との間で通信可能に構成される。また、ユーザ端末10は、移動体100を手配するためのアプリケーション(以下、「配車アプリ」という)を実行可能に構成される。ユーザ端末10に配車アプリがインストールされている場合、ユーザ端末10は、少なくとも、ユーザ端末10を識別するユーザ端末識別情報を後述する車載端末20に送信可能に構成される。ここで、ユーザ端末識別情報とは、ユーザ端末10のそれぞれを識別するための情報であり、例えばユーザ端末10の製造番号や、ユーザ端末10に割り当てられたMACアドレス等のユニークな情報により実現される。
【0026】
また、ユーザ端末10は、後述する二次元バーコード(例えばQRコード(登録商標))を用いた決済の際に、ユーザ端末識別情報を車載端末20に送信可能に構成される。また、ユーザ端末10は、通信(ブルートゥース(登録商標)に準拠した通信や、ブルートゥース(登録商標)に準拠したビーコンの検知や、例えばFeliCa(登録商標)等の規格に準拠したNFC(近距離無線通信))を可能とする設定がなされている場合に、ユーザ端末識別情報を車載端末20に送信可能に構成される。
【0027】
車載端末20は、移動体100内で利用される車載端末であり、例えば、タブレット型の端末により実現される。車載端末20には、ユーザ、乗務員あるいは同乗者の音声を音声情報として取得可能な音声取得部21(例えば、マイク)が設けられている。また、車載端末20には、広告を表示可能な表示部22(例えば、ディスプレイ)が設けられている。更に、車載端末20にはユーザの画像を画像情報として取得可能な撮像部23(例えば、カメラ)が設けられている。車載端末20は、移動体100に乗車中のユーザが、表示部22に表示される広告を閲覧可能な場所に配置される。
【0028】
以上の車載端末20は、移動体100に乗車したユーザが所持するユーザ端末10と通信可能に構成される。車載端末20は、例えば、ブルートゥース(登録商標)に準拠した通信や、ブルートゥース(登録商標)に準拠したビーコンの検知等によりユーザ端末10と通信可能に構成される。車載端末20は、ユーザ端末10との通信により得られた情報(上述のユーザ端末識別情報等)を後述する情報処理装置30に送信可能に構成される。また、車載端末20は、自身を識別する車載端末識別情報を後述する情報処理装置30に送信可能に構成される。ここで、車載端末識別情報とは、車載端末20のそれぞれを識別するための情報であり、ユーザ端末識別情報と同様に、例えば車載端末20の製造番号や、車載端末20に割り当てられたMACアドレス等のユニークな情報により実現される。
【0029】
情報処理装置30は、例えばクラウドサーバであり、車載端末20とネットワークNを介して通信可能に構成される。情報処理装置30は、例えば、広告(広告情報)を移動体100に設けられた車載端末20に配信可能に構成される。
【0030】
次に、情報処理装置30の構成について、
図2〜
図4を参照して説明する。
情報処理装置30は、
図2に示すように、履歴情報データベース31と、地点情報取得部32と、エリア情報データベース33と、エリア特定部34と、広告情報データベース35と、広告配信部36と、を備える。
【0031】
履歴情報データベース31は、過去に移動体100に乗車したユーザの乗車履歴を格納する。具体的には、履歴情報データベース31は、
図3に示すように、ユーザ端末10を識別するユーザ識別情報と、過去に移動体100に乗車した履歴とを履歴情報として格納する。履歴情報データベース31は、ユーザが過去に乗車した乗車履歴として、日時、出発地、及び目的地等を格納する。履歴情報データベース31は、ユーザが過去に乗車した乗車履歴について、外部のサーバ(例えば、移動体100を運営する会社のサーバ、図示せず)から得て蓄積することができる。また、履歴情報データベース31は、ユーザ端末10内にインストールされている配車アプリの利用履歴を得て履歴情報として蓄積してもよい。
【0032】
地点情報取得部32は、移動体100に乗車したユーザが立ち寄る地点(経由地又は目的地)の情報を地点情報として取得する。また、地点情報取得部32は、車載端末20及びユーザ端末10の間の紐づけを実施する。この地点情報取得部32は、
図4に示すように、端末紐付部320と、地点情報特定部330と、を備える。
【0033】
端末紐付部320は、移動体100に乗車したユーザと、乗車した移動体100にて使用される車載端末20とを紐づける。即ち、端末紐付部320は、移動体100に乗車したユーザが所持するユーザ端末10と、この移動体100にて使用される車載端末20とを紐づける。具体的には、端末紐付部320は、ユーザ端末10及び車載端末20の間の通信により端末から取得した情報に基づいてユーザ端末10と車載端末20とを紐づける。
【0034】
例えば、端末紐付部320は、車載端末20を識別する車載端末識別情報と、ユーザ端末10を識別するユーザ端末識別情報とを車載端末20から取得して紐づける。端末紐付部320は、ユーザ端末が配車アプリを用いている場合や、後述する二次元バーコード(QRコード(登録商標))を用いた決済の場合や、通信設定が可能になっている場合に、車載端末20から車載端末識別情報とユーザ端末識別情報とを車載端末20から取得して紐づける。
【0035】
また、端末紐付部320は、ユーザ端末10側の通信不可設定により車載端末20がユーザ端末10と通信できない場合には、車載端末の位置情報と任意の複数のユーザ端末の位置情報とを取得し、車載端末20の位置にリンクして移動するユーザ端末10を車載端末20に紐づける。複数のユーザ端末10の位置情報は、他のアプリケーション(例えば、地図案内のアプリケーション)を提供している事業者のサーバ(図示せず)等が収集している場合に、ユーザの許諾を受けた上で、この事業者のサーバから取得するようにするとよい。
【0036】
また、端末紐付部320は、ユーザ端末10の電源がオフの状態であったり、ユーザ端末10自体が所持されておらず、車載端末20がユーザ端末10と通信できない場合、車載端末20にユーザ端末の紐づけを実行しない。端末紐付部320による紐付については、後に詳述する。
【0037】
地点情報特定部330は、紐づけられたユーザ端末10から得られたユーザ端末識別情報に基づいて、地点情報を特定する。地点情報特定部330による特定については、後に詳述する。
【0038】
エリア情報データベース33は、地点情報に含まれる経由地や目的地等が含まれるエリアを示すエリア情報を格納する。エリア情報データベース33は、例えば、地点情報によって示される経由地や目的地等を含む広域のエリアを示すエリア情報を格納する。
【0039】
エリア特定部34は、地点情報取得部32によって取得された地点情報を含むエリアを特定する。具体的には、エリア特定部34は、エリア情報データベース33を参照して、地点情報によって示される経由地や目的地等が含まれるエリアをエリア情報から特定する。
【0040】
広告情報データベース35は、車載端末20に配信する広告の情報を広告情報として格納する。また、広告情報データベース35は、広告情報として、エリアに紐づけられた広告ファイルを格納する。
【0041】
広告配信部36は、エリア特定部34によって特定されたエリアに紐づけられた広告情報を取得して、取得した広告情報を車載端末識別情報によって識別される車載端末20に配信する。具体的には、広告配信部36は、広告情報データベース35を参照して、エリア特定部34によって特定されたエリアに紐づけられた広告ファイルを広告情報として取得する。広告配信部36は、取得した広告情報を車載端末識別情報によって識別された車載端末20に配信する。なお、広告配信部36は、地点情報取得部32によって地点情報が取得できなかった場合、任意の広告情報を広告情報データベース35から取得して、取得した広告情報を車載端末識別情報によって識別された車載端末20に配信する。
【0042】
次に、端末紐付部320及び地点情報特定部330について詳述する。
端末紐付部320及び地点情報特定部330は、車載端末20から取得可能なユーザ端末10の情報に応じて、以下の(状態1)から(状態4)の何れの状態であるのかを判定する。そして、各状態に対応した方法で紐づけを行う。なお、どのような場合にどの状態と判定するのかについては、
図6を参照して後述する。
【0043】
(状態1)
ユーザ端末10から配車アプリを用いて移動体100を配車している場合であって、地点情報を示す経由地や目的地の指定も行われている場合を状態1とする。即ち、車載端末20がユーザ端末10との間で通信することにより、ユーザ端末識別情報及び地点情報を得られる場合を状態1とする。この場合、端末紐付部320は、車載端末20から車載端末識別情報、ユーザ端末識別情報、及び地点情報を取得して、車載端末識別情報及びユーザ端末識別情報を紐づける。
地点情報特定部330は、端末紐付部320によって取得された地点をそのまま地点情報として特定する。
【0044】
(状態2)
ユーザ端末10から配車アプリを用いて移動体100を配車しており、地点情報を示す経由地や目的地の指定が行われていない場合であって、端末紐付部320がユーザ端末10内から地点情報を推定する推定情報を得られる場合を状態2とする。即ち、車載端末20がユーザ端末10との間で決済やブルートゥース(登録商標)、ビーコン、又はNFC(近距離無線通信)を用いて通信可能であるものの、地点情報を直接的に得られない場合を状態2とする。また、ユーザ端末10が配車アプリを用いて移動体100を配車していない場合(例えば、手を上げて移動体100に乗車した場合)であって、端末紐付部320がユーザ端末10内から地点情報を推定する推定情報を得られる場合を状態2とする。
【0045】
この場合、端末紐付部320は、車載端末20から車載端末識別情報及びユーザ端末識別情報を取得して、車載端末識別情報及びユーザ端末識別情報を紐づける。また、端末紐付部320は、車載端末20を介して、推定情報を取得する。
【0046】
地点情報特定部330は、推定情報に基づいて地点情報を特定する。地点情報特定部330は、例えば、推定情報としてカレンダーの情報を取得して、配車の日時における予定に含まれる経由地や目的地を地点情報として特定する。また、他の例として、地点情報特定部330は、配車の時間帯におけるGPSのログや、ウェブにおける表示ページや、経由地又は目的地の検索履歴を推定情報として、推定情報から地点情報を特定する。
【0047】
(状態3)
ユーザ端末10が配車アプリを用いて移動体100を配車していない場合(例えば、手を上げて移動体100に乗車した場合)であって、端末紐付部320が車載端末20からユーザ端末識別情報を取得できる場合を状態3とする。この場合、端末紐付部320は、車載端末20から車載端末識別情報及びユーザ端末識別情報を取得して、車載端末識別情報及びユーザ端末識別情報を紐づける。
【0048】
地点情報特定部330は、車載端末20に紐づけされたユーザ端末10のユーザ端末識別情報に関連する過去の乗車履歴から地点情報を特定する。具体的には、地点情報特定部330は、ユーザ端末識別情報に紐づけされた履歴情報に含まれる経由地又は目的地を履歴情報データベース31から読み出して、地点情報として特定する。
【0049】
(状態4)
ユーザ端末10が配車アプリを用いて移動体100を配車していない場合(例えば、手を上げて移動体100に乗車した場合)であって、端末紐付部320が車載端末20からユーザ端末識別情報を取得できない場合を状態4とする。この場合、端末紐付部320は、車載端末20から車載端末識別情報及び音声情報を取得する。また、車載端末20がユーザ端末10と通信できない場合であって、移動体100の位置とリンクして移動するユーザ端末10を識別できる場合を状態4とする。この場合、端末紐付部320は、移動体100の位置情報と任意の複数のユーザ端末の位置情報とを取得し、移動体100の位置にリンクして移動するユーザ端末10を特定する。端末紐付部320は、特定したユーザ端末10のユーザ端末識別情報と、移動体100の車載端末識別情報とを紐づける。
【0050】
地点情報特定部330は、音声情報を解析して、地点情報を特定する。地点情報特定部330は、例えば、音声情報のうち、経由地や目的地を示す音声である可能性が高い乗車直後の音声を解析して地点情報を特定する。
【0051】
次に、本実施形態に係る情報処理装置30の流れを
図5及び
図6を参照して説明する。
【0052】
まず、ステップS1において、地点情報取得部32は、移動体100に対して利用者(ユーザ)がいるか否かを判断する。具体的に、地点情報取得部32は、車載端末20から車載端末識別情報が送信されたか否かを判断する。地点情報取得部32が車載端末20から車載端末識別情報を取得した場合、ステップS2に進む。一方、地点情報取得部32が車載端末20から車載端末識別情報を取得しない場合、ステップS1を繰り返す。
【0053】
次いで、ステップS2において、地点情報取得部32は、車載端末20から受信した情報に基づいて、地点情報を特定する。地点情報を特定する地点情報特定処理については後に詳述する。地点情報取得部32が地点情報を特定した後、ステップS3に進む。
【0054】
ステップS3において、エリア特定部34は、地点情報に示される経由地又は目的地等を含むエリアを特定する。エリア特定部34は、特定したエリアを広告配信部36に送信して、ステップS4に進む。
【0055】
ステップS4において、広告配信部36は、エリア情報に基づいて広告情報を取得して、ステップS5に進む。
ステップS5において、広告配信部36は、取得した広告情報を車載端末20に配信する。
これにより、情報処理装置30の動作は終了する。
【0056】
次に、ステップS2における地点情報特定処理について
図6を参照して説明する。
まず、ステップS21において、端末紐付部320は、配車アプリを用いた配車か否かを判断する。配車アプリを用いた配車である場合、ステップS22に進む。一方、配車アプリを用いた配車でない場合、ステップS24に進む。
【0057】
ステップS22において、配車アプリ用いた配車であって経由地又は目的地等(地点情報)の指定が有る場合(状態1の場合)、端末紐付部320は、車載端末識別情報、ユーザ端末識別情報、及び地点情報を取得する。端末紐付部320は、取得した車載端末識別情報及びユーザ端末識別情報を紐づける。端末紐付部320は、取得した情報を地点情報特定部330に送り、ステップS23へ進む。一方、配車アプリ用いた配車であって経由地又は目的地(地点情報)の指定がない場合(状態2の場合)、ステップS24へ進む。
【0058】
ステップS23において、地点情報特定部330は、端末紐付部320から送られた地点情報に含まれる経由地又は目的地をそのまま地点情報として特定する。地点情報特定部330は、車載端末識別情報、ユーザ端末識別情報、及び地点情報をエリア特定部34に送り、地点情報特定処理が終了する。
【0059】
ステップS24において、端末紐付部320は、ユーザ端末10との間で通信可能か否かを判断する。即ち、端末紐付部320は、状態2又は3の場合であるか否かを判断する。また、端末紐付部320は、状態4のうち、ユーザ端末10を識別可能であるか否かを判断する。状態2又は3の場合や、状態4のうち、ユーザ端末10を識別可能であれば、端末紐付部320は、車載端末識別情報とユーザ端末識別情報とを紐づけて、ステップS25へ進む。一方、そうでなければ(状態4のうち、ユーザ端末10を識別できない場合であれば)、端末紐付部320は、車載端末識別情報と音声情報とを地点情報特定部330に送信して、ステップS30へ進む。
【0060】
ステップS25において、端末紐付部320は、ユーザ端末10内の情報を参照可能か否か判断する。端末紐付部320がユーザ端末10内の情報を参照可能であれば(状態2の場合であれば)、端末紐付部320は、ユーザ端末10を参照するとともに推定情報を取得する。また、端末紐付部320は、車載端末識別情報とユーザ端末識別情報とをユーザ端末10から取得して、車載端末識別情報、ユーザ端末識別情報、及び推定情報を地点情報特定部330に送信し、ステップS26に進む。一方、端末紐付部320がユーザ端末10内の情報を参照可能でなければ(状態3や状態4のうち、ユーザ端末10を識別可能の場合であれば)、端末紐付部320は、車載端末識別情報とユーザ端末識別情報とをユーザ端末10から取得して地点情報特定部330に送信し、ステップS28に進む。
【0061】
ステップS26において、地点情報特定部330は、推定情報から地点情報を特定可能か判断する。地点情報特定部330が推定情報から地点情報を取得可能である場合、ステップS27に進む。一方、地点情報特定部330が推定情報から地点情報を取得できない場合、ステップS28に進む。
【0062】
ステップS27において、地点情報特定部330は、推定情報から地点情報を特定する。これにより、地点特定処理は終了する。
【0063】
ステップS28において、地点情報特定部330は、ユーザ端末識別情報を用いて、ユーザの過去の乗車履歴を参照する。地点情報特定部330がユーザの過去の乗車履歴に基づいて地点情報を特定可能である場合、ステップS29に進む。一方、地点情報特定部330がユーザの過去の乗車履歴に基づいて地点情報を特定できない場合、ステップS30に進む。
【0064】
ステップS29において、地点情報特定部330は、ユーザの過去の乗車履歴から地点情報を特定する。これにより、地点特定処理は終了する。
【0065】
ステップS30において、状態3で地点情報を特定できなかった場合、及び状態4の場合、端末紐付部320は、車載端末識別情報と音声情報とを紐づけて、地点情報特定部330に送信する。地点情報特定部330は、音声情報を解析して地点情報を取得可能か否か判断する。地点情報特定部330が音声情報を解析して地点情報を取得可能である場合、ステップS31に進む。一方、地点情報特定部330は、音声情報を解析して地点情報を取得できる場合、ステップS32に進む。
【0066】
ステップS31において、地点情報特定部330は、音声情報の解析により地点情報を特定する。これにより、地点情報特定処理は終了する。
【0067】
ステップS32において、地点情報特定部330は、地点情報なしとして地点情報を特定する。これにより地点情報特定処理は終了する。
【0068】
本発明に含まれる情報処理装置の全部又は一部は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合せにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。ハードウェアで構成する場合、サーバの一部又は全部を、例えば、LSI(Large Scale Integrated circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ゲートアレイ、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路(IC)で構成することができる。
【0069】
本発明に含まれる情報処理装置の備える機能の全部又は一部をソフトウェアで構成する場合、本発明に含まれる情報処理装置の動作の全部又は一部を記述したプログラムを記憶した、ハードディスク、ROM等の記憶部、演算に必要なデータを記憶するDRAM、CPU、及び各部を接続するバスで構成されたコンピュータにおいて、演算に必要な情報をDRAMに記憶し、CPUで当該プログラムを動作させることで実現することができる。
【0070】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
【0071】
以上の情報処理装置30及びプログラムによれば、以下の効果を奏する。
【0072】
(1)情報処理装置30を、移動体100に乗車したユーザが立ち寄る地点の情報を地点情報として取得する地点情報取得部32と、取得された地点情報に基づいて広告情報を取得して、車載端末20に広告情報を配信する広告配信部36と、を含んで構成した。これにより、個々のユーザに合わせて選択的に広告を配信することができるので、よりユーザライクな広告を提供することができる。
【0073】
(2)情報処理装置30を更に、取得された地点情報を含むエリアを特定するエリア特定部34を含んで構成し、広告配信部36が、特定されたエリアに関連する広告情報を取得するようにした。これにより、地点情報によって示される場所に対応する広告が無い場合であっても、近いエリアの広告を表示することができるので、広告効果を見込むことができる。
【0074】
(3)地点情報取得部32を、移動体100に乗車したユーザが所持するユーザ端末10と車載端末20とを紐づける端末紐付部320と、紐づけられたユーザ端末10から得られたユーザ端末識別情報に基づいて、地点情報を特定する地点情報特定部330と、を含んで構成した。また、広告配信部36が、ユーザ端末10に紐づけた車載端末20に広告情報を配信するようにした。これにより、ユーザごとに適切な広告を配信することができ、広告効果の増大を期待できる。
【0075】
(4)端末紐付部320が、ユーザ端末10及び車載端末20の間の通信によりユーザ端末10から取得した情報に基づいてユーザ端末10と車載端末20とを紐づけるようにした。これにより、適切な車載端末20に広告を配信することができる。
【0076】
(5)端末紐付部320が、車載端末20とユーザ端末10との間の決済によって得られるユーザ端末10を識別するユーザ端末識別情報に基づいてユーザ端末10と車載端末20とを紐づけるようにした。これにより、車載端末20がユーザ端末10を識別する情報を容易に得ることができ、車載端末20とユーザ端末10との紐付を容易に実施することができる。
【0077】
(6)端末紐付部320が、車載端末20の位置情報と任意の複数のユーザ端末の位置情報とを取得し、車載端末20の位置にリンクして移動するユーザ端末10を車載端末20に紐づけるようにした。これにより、ユーザ端末10からユーザ端末識別情報を得られない場合であっても、車載端末20とユーザ端末10とを紐づけて適切な広告を配信できる。従って、広告効果の増大を期待できる。
【0078】
(7)端末紐付部320が、車載端末20に紐づけられるユーザ端末が無い場合に、車載端末20にユーザ端末の紐づけを実行しないようにした。これにより、誤ったユーザ端末を車載端末に紐づけることを抑制でき、不要な広告の配信を抑制することができる。
【0079】
(8)地点情報特定部330が、ユーザ端末10から地点情報を取得して、地点情報として特定するようにした。これにより、容易に地点情報を特定することができるとともに、適切な地点情報を特定することができるので、ユーザに対して適切な広告を提供することができる。
【0080】
(9)地点情報特定部330が、地点情報を推定可能な推定情報をユーザ端末10から取得し、推定情報に基づいて地点情報を特定するようにした。これにより、地点情報を直接取得できない場合であっても、推定情報を用いて地点情報を特定することができる。従って、ユーザにまったく関係のない広告の配信を抑制できるとともに、広告効果の増大を期待できる。
【0081】
(10)地点情報特定部330が、ユーザ端末10からユーザ端末10を識別するユーザ端末識別情報を取得し、取得したユーザ端末識別情報とユーザの過去の乗車履歴とに基づいて地点情報を特定するようにした。これにより、地点情報を直接取得できない場合であっても、ユーザが立ち寄る場所を推定して地点情報を特定できる。従って、ユーザにまったく関係のない広告の配信を抑制できるとともに、広告効果の増大を期待できる。
【0082】
(11)地点情報特定部330が、車載端末20の位置とリンクして移動するユーザ端末10を識別するユーザ端末識別情報とユーザの過去の乗車履歴とに基づいて地点情報を特定するようにした。これにより、ユーザ端末10を識別する情報が車載端末20から得られない場合であっても、車載端末20とユーザ端末10とを紐づけることができる。従って、ユーザにまったく関係のない広告の配信を抑制できるとともに、広告効果の増大を期待できる。
【0083】
(12)地点情報特定部330が、車載端末20から送信された移動体100に乗車したユーザ乗務員あるいは同乗者の音声を含む音声情報に基づいて地点情報を特定するようにした。これにより、ユーザ端末10を識別する情報を得られない場合であっても、ユーザが立ち寄る場所を予測して適切な広告を配信することができる。
【0084】
以上、本発明の情報処理装置及びプログラムの好ましい一実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0085】
例えば、上記実施形態において、情報処理装置30を1つのサーバとして記載したが、1つのサーバに制限されず、複数のサーバで構成されてもよい。
【0086】
また、上記実施形態において、経由地又は目的地が入力された配車アプリが用いられる場合、車載端末20がユーザ端末10からユーザ端末識別情報と地点情報とを取得する例を示したが、これに制限されない。例えば、配車アプリで配車が行われることにより、ユーザ端末識別情報と目的地を示す地点情報とが移動体を運営する会社のサーバ(図示せず)に送信されてもよい。この場合、移動体100を運営する会社のサーバは、配車した移動体100の車載端末20にユーザ端末識別情報及び地点情報を送信し、当該車載端末20は、車載端末識別情報、ユーザ端末識別情報、及び地点情報を情報処理装置30に送信してもよい。なお、移動体を運営する会社のサーバがこのような機能を有しない場合、情報処理装置30は、上記状態2として処理を実行してもよい。
【0087】
また、上記実施形態において、端末紐付部320が、ユーザ端末10内の情報を参照可能か否か判断した後に、地点情報特定部330が、ユーザの過去の乗車履歴から地点情報を特定したが、これに制限されない。即ち、地点情報特定部330が、ユーザの過去の乗車履歴から地点情報を特定できない場合に、端末紐付部320が、ユーザ端末10内の情報を参照して推定情報を取得するようにしてもよい。
【0088】
また、上記実施形態において、地点情報の候補となる経由地又は目的地が複数ある場合、地点情報として特定する優先順位は、任意に決定されてよい。例えば、地点情報特定部330がユーザの過去の乗車履歴から地点情報を特定する場合、地点情報特定部330は、乗車時刻や、頻度、より最近の乗車履歴等により経由地又は目的地に優先順位を付けて地点情報を特定してもよい。また、端末紐付部320は、より最近の推定情報をより優先的に取得してもよい。
【0089】
また、上記実施形態において、車載端末20に設けられた撮像部23(例えば、カメラ)を用いてユーザの顔を撮像し、端末紐付部320は、車載端末20からユーザの顔を含む画像を撮像画像として取得してもよい。広告配信部36は、撮像画像に含まれるユーザの顔に基づいて、性別や年齢を推定して配信する広告情報を更に特定して取得してもよい。この場合、広告情報データベースは、エリアに加え、年齢や性別に紐づけられた広告ファイルを広告情報として格納する。また、2人以上のユーザが移動体100に乗車して2以上のユーザ端末識別情報が取得された場合には、端末紐付部320は、撮像画像から性別や年齢を推定して、車載端末20の前にいるユーザにあった広告情報を配信してもよい。
【0090】
また、上記実施形態において、エリア特定部34が地点情報を含むエリアを特定したが、これに制限されない。例えば、エリア特定部34及びエリア情報データベース33を設けずに、地点情報取得部32が、地点情報を直接広告配信部36に送信してもよい。広告配信部36は、地点情報に基づいて配信する広告情報を広告情報データベース35から取得して、取得した広告情報を車載端末20に配信してもよい。
【0091】
また、上記実施形態において、音声情報を解析して地点情報を特定できない場合、地点情報特定部は、地点情報なしと特定するとしたが、これに制限されない。この場合、地点情報特定部は、例えば、移動体の進行方向や時間帯(統計的に多くのユーザが時間帯や進行方向から経由地や目的地として指定する場所)、車載端末のカメラで取得した情報(ユーザの顔画像が予め履歴情報として登録されている場合に、カメラで取得した画像に含まれる顔画像と登録されている顔画像との一致度)等から経由地や目的地を推定して、地点情報を特定してもよい。
【0092】
また、この場合でも地点情報が特定できない場合、地点情報特定部は、カーナビゲーションシステムのような乗務員端末に登録された目的地や、車載端末において選択的に経由地や目的地を表示した上で、選択された経由地や目的地や、車載端末に直接入力された経由地や目的地を地点情報として特定してもよい。
【0093】
また、上記実施形態において、移動体に乗車したユーザが別のユーザが滞在する場所を経由地や目的地とした場合、地点情報特定部は、他のユーザの位置情報によって示される場所を地点情報として特定してもよい。他のユーザの位置情報は、例えば、他のアプリケーション(例えば、地図案内のアプリケーション)を提供している事業者のサーバ(図示せず)等が収集している場合に、ユーザの許諾を受けた上で、この事業者のサーバから取得するようにするとよい。あるいは、他のユーザの所有している通信端末と通信するための情報(例えば、通信を行うためのアプリケーションのアドレス情報)をユーザ端末10から取得し、この他のユーザの所有している通信端末と通信を行うことにより、他のユーザの位置情報を取得するようにしてもよい。