(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記底面よりも小さい面積により前記載置台と接触する接触部をさらに有し、前記係合部には、前記載置台と係合する凹面が設けられており、前記接触部は、前記底面の中心を通る線分を形成する一または複数の凸条と、前記中心を中心とした円を形成する一または複数の凸条である、請求項4に記載の遮蔽容器。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態の針刺装置を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
[概要]
本実施形態の針刺装置は、放射性の液体(以下、「液剤」とも記す)が封入された液体容器の蓋体に針体を穿刺する装置である。本実施形態の針刺装置によって針体が穿刺された液体容器内の液剤は、針体を介して例えばピストン等によって吸引されて液体容器から取り出される。液剤としては、例えば放射性薬剤、放射性薬剤を製造することに使用される核種等が考えられる。ただし、液剤は放射性を有するものに限定されず、どのようなものであってもよいが、この針刺装置は、特に少量の液剤を封入している液体容器に針体を穿刺することに好適である。
【0009】
針刺装置によって針体が穿刺される蓋体としては、針体を穿刺することが可能な部材であればよく、例えばゴムやプラスチック等の樹脂、金属膜及びコルク等が考えられる。針体は、液剤が流入する針穴を有し、蓋体を突き通す硬度及び強度を有するものであればよい。このような針体としては、例えば生体に穿刺される公知の注射針を使用することができる。また、本明細書でいう穿刺の文言は、針体を生体に刺すことに限定されるものでなく、対象物に針体が貫通するように刺すことをいう。
なお、本実施形態の針刺装置では、液剤飛散を防止のために液体容器の内部を陰圧にしながら液剤を吸引する。液体容器内部を陰圧にするため、本実施形態では、液体容器に図示しないエア針を穿刺して液体容器内の空気を吸引するものとする。
【0010】
[針刺装置及び針刺システム]
図1は、本実施形態の針刺装置1を説明するための斜視図である。なお、本実施形態では、
図1中に示した三次元座標において、z方向を「上」あるいは「上方」と示し、−z方向を「下」あるいは「下方」とする。なお、
図1にあっては、重力方向を下、その反対を上としているが、本実施形態はこのような例に限定されるものでなく、z軸、あるいは−z軸と完全に一致しない略z方向、略−z方向をそれぞれ上、または下としてもよい。さらに、本実施形態では、針刺装置1のy方向の面を針刺装置1の正面、−y方向の面を背面、x方向の面を右側面、−x方向の面を左側面と記す。
図2は、
図1に示した針刺装置1の正面図である。
図2に示した針刺装置1には、液体容器7が収容された遮蔽容器5がセットされている。
図3は、
図2に示した針刺装置1を矢線III−IIIの方向に見た縦断面の載置台12及び基台11を示した図である。
図4及び
図5は、本実施形態の針刺装置1と遮蔽容器5及び液体容器7とを組み合わせた針刺システムを示した図であって、いずれも針刺装置1に取り付けられた針体9が上下動することを示している。
図4は、針刺装置1おいて針体9が下降開始前の初期位置にある状態を示し、
図5は、針体9が液体容器7の側壁部72の内面72aに当接するまで下降した状態を示している。
【0011】
図1から
図5に示すように、針刺装置1は、遮蔽容器5に収容されている液体容器7(
図4、
図5)の蓋体に針体9を穿刺する針刺装置である。本実施形態では、針刺装置1を放射性薬剤が収容されたバイアル瓶等の液体容器に針体9を穿刺するものとしている。
針刺装置1は、
図4及び
図5に示すように、放射性の液体が封入された液体容器7を収容し液体からの放射線の漏洩を遮蔽する遮蔽容器が載置される載置台12と、載置台12の上方で針体9を上下動させるための針体移動部と、を備えている。そして、載置台12において遮蔽容器5が載置される斜面121が、遮蔽容器5の少なくとも底部66(
図9)と係り合う凹部または凸部を含む係合部14を有している。
載置台12は、載置台12よりも底面積が大きい基台11に支持されている。
図1に示した針刺装置1にあっては、ガイド板22、摺動部23、枠体24、ガイド部16及びハンドル25が針移動部を構成する。針体9は、基端部91と針本体92とを有している。
さらに、針刺装置1は、保持アーム17及び保持具18を備えている。保持アーム17及び保持具18は、針体9の針先92aが、載置台12に載置されている遮蔽容器5内の液体容器7の側壁部72の内面72a(
図6)に向かう位置に針体9を保持する。針移動部であるガイド板22、摺動部23、枠体24、ガイド部16及びハンドル25は、針本体92の針先92aを下方向に移動させ、針先92aが内面72aに当接した後さらに下方向に針体9を下降させる。
【0012】
上記の構成において、「針体9の針先92aが遮蔽容器5の側壁部72の内面72aに向かう」とは、針体9の軸と平行な直線が内面72aと交差することを指す。また、このような位置に針体9を保持するとは、針体9の軸と平行な直線が内面72aと交差するように針体9の位置を決めて保持することを指す。また、ここで「側壁部の内面」とは、液体容器7の全内面のうちの底部73の内面73aを除く部分を指す。
ただし、
図4、
図5等に示すように、載置台12の上面が傾いている場合、遮蔽容器5及びその内部にある液体容器7も傾いている。このとき、液体容器7で下降する針体92は、必然的に側壁部72の内面72aのうち、傾き方向側にある部分に向かうことになる。「傾き方向側」は、例えば、液体容器7の底部73の中心を通ってかつ傾き方向と直交する面を境にした傾き方向の側とすることができる。
【0013】
上記した構成の他、本実施形態の針刺装置1は、ガイド板22を支持する支持台19、支持台19の上面19aの法線方向に突出した支持軸20も先端に設けられた緩衝部材21(
図4)と、を有している。針移動部であるガイド板22、摺動部23、枠体24、ガイド部16及びハンドル25は、針体9を針体9が移動し得る最上位位置から最下位位置まで移動させる。支持軸20及び緩衝部材21は、針体9が最下位位置に達する前に針体9の移動速度を減速させる減速機構として機能する。支持台19及び支持軸20は、上下に移動する保持アーム17がとり得る最も下の位置である下死点に合わせた高さに設定されていて、支持台19はガイド板22と共に支持軸20をも支持している。
このような構成によれば、針先92aが例えば液体容器7の内面に接する直前に針体9の下降の速度を減速し、針先92aが液体容器7に与える衝撃を緩和することができる。
【0014】
緩衝部材21としては、枠体24が下死点に達した際に受ける衝撃に耐える強度と、衝撃を緩和する弾性を有する部材でればどのような部材であってもよい。第一実施形態の緩衝部材21では、支持軸20の一部を筒体とし、筒体の内部に支持軸20よりも小径の円柱体及びばねが挿入されている。このような緩衝部材21は、押圧力が加わらない状態では支持軸20から一部が露出していて、針体9と共に移動する枠体24によって押圧されるとばねが縮んで支持軸20内の筒体部分に収容される。また、緩衝部材21は、再び枠体24が上昇して押圧されなくなると、ばねが伸びて支持軸20から露出する。このような緩衝部材21は、ばねの弾性力によって枠体24の移動速度を減速することによって針先92aが液体容器7に与える衝撃を緩和している。
【0015】
ただし、緩衝部材21は、上記構成に限定されるものではない。緩衝部材21としては、例えば、ゴム、樹脂、コルク及び布等を支持軸20の先端に設けることが考えられる。支持軸20の枠体24と当接する先端に緩衝部材21を設けたことにより、本実施形態は、保持アーム17が下死点に達したとき枠体24が支持軸20に当たって衝撃を受け、この衝撃が保持アーム17を伝搬して針体9に伝わることを防ぎ、かつ、針体9が内面73aに接触する際の衝撃を緩和することができる。
【0016】
以下、上記各構成について順に説明する。
(載置台)
載置台12は、放射性の液体である放射性薬剤が封入された液体容器7を収容し放射性薬剤からの放射線の放射を遮蔽する遮蔽容器5が載置される台である。なお、液体容器7としては、例えば、数mLから数十mLの放射性薬液を封入した容器で、円筒状の胴部を有するガラス製、合成樹脂製等の容器(バイアル、プレフィルドシリンジ、アンプル等)を挙げることができる。
本実施形態の載置台12は、穿刺側の端面である針先面921(
図6)が斜面を有する針体9が取り付けられた場合、この斜面が向かう側に傾く斜面121を有している。なお、本実施形態では、針先面921全体が斜面になっているので、斜面121は針先面921が向かう側に傾いている。ここで、「針先面921に向かう側」とは、針先面921に対して正対する範囲を指す。
本実施形態では、斜面121が正面に向かって傾く面である。また、遮蔽容器5が載置される載置台12は、遮蔽容器5の少なくとも底部66(
図9)と係り合う凹部13または凸部15を含む係合部14を有している。本実施形態の載置台12は、凹部13の底面13a及び凸部15の上面15aが遮蔽容器5の底部66と接触する面(以下、底面13a及び上面15aを「載置面」とも記す)となる。
【0017】
本実施形態では、凸部15の上面15aを斜面121と仮想的な同一平面上に形成し、上面15a及び斜面121を面一にしている。凹部13には遮蔽容器5の側壁の一部と底部とが嵌入される。本実施形態では、凸部15及び凹部13の外縁を同心円とし、凸部15及び凹部13の中心が斜面121の中心と一致するようにしている。
上記構成により、本実施形態は、遮蔽容器5を凹部13の中央で保持することができる。このため、本実施形態は、例えば、遮蔽容器5を凹部13の外縁で保持する構成よりも遮蔽容器5と凹部13との位置ずれ量を小さくすることができる。
【0018】
つまり、凹部13の底面13a内に遮蔽容器5を載置する場合、凹部13の径は操作者が手動で簡易に遮蔽容器5を凹部13内に置くことができるように設計される。このことから、凹部13の径は遮蔽容器5の底部66の径よりもマージンを持って大きく設計され、凹部13の周壁面(外縁)と底部66の側周との間には隙間が生じることになる。このような構成において、例えば、特許文献1に記載の放射性薬剤吸引装置のように遮蔽容器5を収容する収納部トレイを傾斜させると、遮蔽容器5は凹部13の外縁で支持されるようになって凹部13と底部66との隙間が斜面121の高さの高い側に偏って生じることになる。しかし、本実施形態のように凹部13において中央付近で遮蔽容器5を支持すると、凹部13と底部66との隙間を斜面121の高さの高い側と低い側の両方に均等に生じさせることができる。このため、本実施形態は、凹部13の公差によらず底部66を凹部13の中央に正確に位置合わせすることができる。遮蔽容器5は遮蔽部材が組み込まれているために重量が大きく、歪が生じ易い部材であるが、このような本実施形態によれば歪が生じても遮蔽容器5の中心が移動することがない。このため、本実施形態は、針刺装置1を安定させることができる。
【0019】
また、本実施形態では、底面13a、上面15aの少なくとも一部が粗面化されているものであってもよい。粗面化は、例えば、サンドブラスト、ショットブラスト及びグリットブラスト等のブラスト処理によって実現することができる。また、粗面化は、載置台12を例えばステンレス等の金属で作製し、底面13aを削り出した際の研磨痕を敢えて平坦化処理することなく残すことによっても実現することができる。本実施形態では、載置面のうち、底面13aが粗面化されている。このような構成は、底面13aと底部66との間の摩擦力を高めて係合部14による遮蔽容器5の保持力を高めることができる。
【0020】
(針保持部)
上記したように、保持アーム17及び保持具18は、針刺装置1において針保持部を構成する。保持アーム17は、枠体24から正面に向かって張り出していて、係合部14の上方にあたる位置に針体9を挟み込む保持溝184を備えている。また、保持アーム17には保持具18がねじ182によって取り付けられていて、保持具18には保持溝181が形成されている。保持具18は保持溝184と保持溝181とが向かい合うように保持アーム17に取り付けられていて、針体9は保持溝184と保持溝181との間に挟み込まれて固定される。
【0021】
前記したように、載置台12において遮蔽容器5が載置される載置面(底面13a、上面15a)が一方向に傾いている斜面である。本実施形態の底面13a、上面15aは、針刺装置1の正面の側(y方向)に向かって傾いている。また、針本体92の先端は針本体92の軸方向と交差する斜面になっていて、本実施形態では、この斜面を以降「針先面」と記す。
図4に示すように、保持アーム17及び保持具18は、針先面が斜面、すなわち底面13a、上面15aの傾き方向に向かうように針体を保持している。
【0022】
図6(a)、
図6(b)及び
図6(c)は、針本体92の針先面921を説明するための模式図である。
図6(a)は針先面921の斜視図であって、
図6(b)は
図6(a)に示した針本体92の側面図である。
図6(c)は
図6(b)に示した針本体92が変形した(撓んだ)状態を示す図である。
図6(a)に示すように、針体9の針本体92は、針孔922と、針孔922と交差する針先面921とを有している。針本体92に傾斜した針先面921を設けるのは、主に、針先92aを先鋭化し、針本体92が蓋体71を穿刺するのにかかる力を小さくすることを目的としたものである。
図6(a)から
図6(c)に示した法線ベクトルVnは、針先面921の法線方向を示している。
図6(b)、
図6(c)によれば、針本体92は変形し得る部材であって、針先面921の向きは針本体92の変形によって変化することが分かる。
なお、上記記載において、「針先面921が底面13a、上面15aの傾き方向に向かう」とは、針本体92が下降することによって針先面921の少なくとも一部が内面72aと面接触する針先面921の向きをいう。つまり、本実施形態では、針本体92の向きが針先面921の全面が内面72aに接触するものに限定されず、一部が面接触しない状態も許容する。なお、このような針先面921の状態は、液体容器7の内面73aと針本体92とがなす角度と斜面121と針本体92とがなす角度とを等しくすることによって実現することができる。
【0023】
また、本実施形態は、針先面921が傾き方向に向かうように保持アーム17及び保持具18に針体9を保持するための保持案内部を設けてもよい。保持案内部としては、例えば、
図1に示すマーク183aを使用することができる。マーク183aは、例えば、操作者が手動で保持溝181と保持溝184との間に針体9を挟みこむ際に針先面921を向ける傾き方向を示す機能を有するものであればよい。また、マーク183aは、方向を示す記号と共に、針体の向きを指定する旨のテキスト情報等を含むものであってもよい。さらに、第一実施形態は、
図4、
図5に示すように、針体9の側にもマーク183bを形成し、操作者がマーク183bとマーク183aとを揃えるように針体9を針刺装置1にセットするようにしてもよい。
【0024】
また、本実施形態は、保持案内部にマークを用いることに限定されるものでない。例えば、保持案内部は、保持溝184が凹部または凸部を有し、針体9の側が保持溝184の凹凸に対応する凹部または凸部を有するものであってもよい。さらに、本実施形態は、針刺装置1に針体9を自動的にセットする機能を有する場合、針体9が針先面921を自動的に底面13a及び上面15aの傾き方向に向けてセットされるようにしてもよい。
【0025】
(針移動部)
上記したように、ガイド板22、摺動部23、枠体24、ガイド部16及びハンドル25は、針刺装置1において針移動部を構成する。ガイド板22は、全体が長方形の板状部材であり、長辺方向が上方に向かうように支持台19上に立設されている。ガイド板22の二つの長辺にはレール部221が形成されている。摺動部23は、ガイド板22と嵌合しながらガイド板22上を摺動する部材である。摺動部23は、ガイド板22のうちの正面(y方向)に向かう面と重なる板状部23aと、板状部22aのレール部221と嵌合するレール部231が形成された嵌合部23bと、を備え、レール部221に沿って摺動可能に構成されている。摺動部23は、枠体24の内周面のうちの正面の側の面に固定されている。また、枠体24には保持アーム17が固定されている。
ハンドル25は、操作者によって把持される部材であって、枠体24に固定されている。操作者がハンドル25を把持して上方に移動させると、ハンドル25と共に枠体24及び摺動部23が上昇する。枠体24に伴って保持アーム17が上昇し、ハンドル25がとり得る最も高い位置にあるとき、保持アーム17及び保持アーム17に保持された針体9が下降開始前の初期位置に達する。
【0026】
図4、
図5に示すように、本実施形態の遮蔽容器5は、斜面121に形成された底面13a及び上面15a上に載置されていて、遮蔽容器5及び液体容器7は斜面121の傾き方向に傾斜している。このような遮蔽容器5内の液体容器7に対し、本実施形態は、操作者が最も高い位置にあるハンドルを離す、あるいは把持力を弱めて枠体24及び保持アーム17等を鉛直方向に下降させる。このとき、針体9は、液体容器7の内面72aと交差する軸に沿って下降する。そして、針本体92が、ガイド部16のガイド溝161を通って液体容器7内部に挿入される。本実施形態のガイド部16は、金属板で構成されていて、弾性を有している。このようなガイド部16は、緩衝部材21が破損する等して保持アーム17が本来の下死点よりも低い位置に達したときに、保持アーム17が遮蔽容器5に衝突することを防ぐことができる。また、ガイド部16は、針体9が下降してくる位置を操作者に示すことができる。
【0027】
以下、本実施形態の針移動部の動作についてより詳細に説明する。
図7(a)、
図7(b)及び
図7(c)は、液体容器7内における針本体92の挙動を説明するための図である。ただし、
図7(c)は、説明を分かり易くするために誇張して表現されている。
図7(a)から
図7(c)のように、液体容器7は、側壁部72及び側壁部72に続く底部73を有している。側壁部72の内面を内面72a、底部73の内面を内面73aとして示す。液体容器7には放射性薬剤Lが入っていて、液体容器7内の放射性薬剤Lは、蓋体71によって液体容器7内に封入されている。
前記したように、保持アーム17及び保持具18は、針体9の基端部91を、針本体92の針先面921が内面72aの側を向くように保持している。針本体92は、このような状態で液体容器7内を下降する過程において、
図7(a)に示すように、側壁部72の内面72aに当接する。このとき、針本体92の針先面921は、内面72aと近接した状態になる。
【0028】
本実施形態の針刺装置1は、針先面921が内面72aに当接した後も移動方向を変えることなく下降するように枠体24の移動範囲が設定されている。ここでいう「移動方向」は、枠体24による針体9の移動方向である。針体9が引き続き下方に移動することにより、針本体92は、
図7(b)に示すように内面72aに接触しながら変形する。枠体24がさらに下降すると、底部73からの反力が加わることにより液体容器7内の針本体92にはより大きい力が加わるようになる。このため、針本体92は、
図7(c)に示すように、さらに変形して針先面921が内面73aに沿って移動するようになる。
このような本実施形態では、針本体92が内面72aに対して斜めに当たるので、針本体92によって液体容器7に加わる力が針体9の進入角度に応じた分力になる。このことにより、本実施形態は、液体容器7の底部73に対して鉛直方向に針先92aを当接する構成よりも液体容器7に与える衝撃を小さくし、針先92aが液体容器7に当接する際に液体容器7が損なわれる可能性を低くすることができる。
【0029】
図6(b)、
図6(c)に示したように、針先面921の法線ベクトルVnの向きは、針本体92の変形の状態に応じて変化する。本実施形態のように、針本体92が側壁部72の内面72aに当接した後、さらに底部73の内面73aに沿って変形する構成では、針先面921の法線ベクトルVnは、針本体92が側壁部72の内面72aに当接するまでは内面72aに向かい、内面72aに当接した後針体9がさらに下降することによって底部73の内面73aに向かう。
上記記載において、「針先面921の法線ベクトルVnが内面72aに向かう」とは、法線ベクトルVnが内面72aと交差する向きである状態をいう。また、「針先面921の法線ベクトルVnが内面73aに向かう」とは、法線ベクトルVnが内面73aと交差する向きである状態をいう。
【0030】
また、換言すれば、針本体92は、側壁部72の内面72aに押圧されて撓り、針移動部が針体9をさらに下降させることによって少なくとも一部が底部73の内面73aに接するようになる。ここで、「撓る」とは、弾性を有する部材が加えられた力の大きさ及び方向によって変形し、力から解放された後に力が加えられる以前の状態に略戻ることをいうものとする。ただし、針本体92は
図7(c)のように撓ることに限定されず、内面72aの当接点よりも上方から変形するものであってもよい。
【0031】
上記動作によれば、針本体92が液体容器7内において下降するにしたがって針先面921が底部73の内面73aに向かい、かつ、近づくようになる。また、本実施形態では液体容器7が一方向に傾いてセットされていて、液体容器7内における放射性薬剤Lの水深は傾き方向にある底部73の端部で最も深く、端部から離れるほどに浅くなる。本実施形態の構成によれば、針先面921が水深の深い端部から離れるほど低くなるから、液体容器7の底部73に残った少量の放射性薬剤Lを充分に吸引することが可能になる。また、本実施形態の針刺装置1は、針体9を下降させるだけで上記動作を実現できるので、遮蔽容器5に収容されて内部の状態が視認できない液体容器7において放射性薬剤の残存量を少なくすることに好適である。
【0032】
なお、本実施形態の針刺装置1は、以上説明した構成に限定されるものではない。つまり、本実施形態は、液体容器7を傾けて針体9を鉛直方向に下降させた例を示したが、本実施形態は、液体容器7を傾けずに針体9を側壁部72に向けて斜めに下降させるものであってもよい。このような構成においても、針本体92の針先面921の位置は公知の構成より低くなるので、放射性薬剤の抜取り後、液体容器7に残る残存量を低減することができる。さらに、本実施形態の針刺装置1は、針体9または液体容器7の一方を傾ける構成に限定されず、針体9の針先92aが液体容器7の側壁部72の内面72aに向かって移動し、側壁部72に当接した後もさらに力を加えるものであれば、どのような構成であってもよい。
【0033】
[遮蔽容器]
次に、本実施形態の遮蔽容器について説明する。
本実施形態の遮蔽容器5は、液体容器7を内部に収容し、液体容器7内の放射性薬剤から放射される放射線の漏洩量を低減する機能を有するものであれば、どのようなものであってもよい。ただし、内部に液体容器7を収容する以上、遮蔽容器5は蓋体と本体とを有し、本体の内部に液体容器7を収容するための収容部を備えている。収容部は、液体容器7を収容する、あるいは取り出す際の作業性及び液体容器7の破損防止の観点から液体容器7に密着せず、かつ、液体容器7を固定できるだけの容積を有することが望ましい。また、遮蔽容器5は、放射線の漏洩量低減の観点から、放射線を遮蔽する機能を有する部材(遮蔽部材)で収容部を覆う構成であることが望ましい。遮蔽部材の材料としては、例えば鉛(Pb)やタングステン(W)等が望ましい。
蓋体及び本体の形状は特に限定されないが、術者が取り扱い易く、また、輸送等において収容しやすい(複数の遮蔽容器5を隙間なく配置できる)形状であることが望ましい。本実施形態では、このような条件を満たす遮蔽容器として、以下の遮蔽容器5を例示する。
【0034】
図8は、本実施形態の遮蔽容器5の斜視図であって、容器蓋体51を容器本体56から取り外した状態を示している。
図9は、
図8に示した容器本体56の底部66を示した斜視図である。
図10は、遮蔽容器5の正面図であって、
図11は、遮蔽容器5の上面図、
図12は、遮蔽容器5の底面図である。
図13(a)は、
図12中の矢線XIII−XIIIが示す方向に遮蔽容器5を見た縦断面図である。
図13(b)は、
図13(a)に示した遮蔽容器5を載置台12上に載置した状態を説明するための縦断面図である。
図8から
図12中には、x、y、z座標が示されている。本実施形態でいう遮蔽容器5の正面図はy方向から遮蔽容器5を見た図であり、上面図はz方向から遮蔽容器5を見た図であり、底面図は−z方向から遮蔽容器5を見た図である。
【0035】
遮蔽容器5は、針刺装置1に取り付けられた針体9が挿通される放射性薬剤が封入された液体容器7を収容し針刺装置1の載置台12に載置される放射線の遮蔽容器である。
図8に示すように、遮蔽容器5は、容器本体56と、容器本体56のねじ蓋である容器蓋体51と、を有している。容器本体56は、
図8から
図11に示すように、液体容器7を収容するための収容部6と、収容部6の外周に配置されている壁部である容器側壁部57と、収容部6と容器側壁部57との間に配置される遮蔽部材101と、容器側壁部57の底部66と、を有している。そして、遮蔽容器5は、底部66において載置台に向かう底面68cが、載置台12と係合する係合部69を有する。また、遮蔽容器5の底面68cは、底面68cよりも小さい面積により載置台12と接触する接触部である凸条68a、68b及び係合部69を有している。なお、本実施形態では、細長形状で周囲よりも帯状に突出している部分を凸条と呼ぶ。
容器本体56は、放射性液体容器の収容部6を有する略有底円筒状の放射線遮蔽金属(鉛合金、タングステン合金等)製の遮蔽部材101にプラスチック製の外装容器570を施したものである。上記した容器側壁部57は、遮蔽部材101の側面に施された外装容器570の一部である。
【0036】
なお、本実施形態でいう「底面」は、底部66の下面であって、凸条68a、68b及び係合部69がない状態の仮想的な面である。
図9、
図12においては、便宜上、底部66の面のうちの凸条68a、68b及び係合部69のいずれもがない部位を底面68cとして示している。
【0037】
図8、
図13(a)に示すように、容器本体56は、遮蔽部材101にプラスチック製の外装容器570を施したものである。容器本体56の開口の外周には傾斜部55が形成されていて、液体容器7を容器本体56に当てることなく収容部6に収容しやすくなっている。また、外装容器570は、傾斜部55の外周に張出部54を備え、張出部54の外周面に容器蓋体51を固定するためのねじ溝541が形成されている。容器蓋体51の外装容器510は、ねじ溝541と係合するねじ溝531を内面に備えている。
【0038】
さらに、収容部6の周面には液体容器保持片70が液体容器7の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触するように形成されている。容器本体56の開口部には液体容器保持片70の係合部82が係合され、これにより収容部6内に液体容器保持片70が配置される。このような構成では、液体容器7と液体容器保持片70の上下方向(液体容器の軸方向)における接触距離が比較的長いので、液体容器保持片70の内側に液体容器7を固定したときに液体容器7がぐらつくことがなく、容器本体56内に液体容器7を安定に保持することができる。また、本実施形態では、液体容器保持片70をプラスチックにより形成したが、液体容器保持片の材質に限定はなく、ゴム、金属、紙等によって形成することもできる。
【0039】
なお、容器蓋体51は、容器本体56のねじ蓋に限定されるものではなく、液体容器保持片70は係合部82によって容器本体56の開口部と係合されることに限定されるものではない。このような手段に限定はなく、適宜手段を採用することができる。
【0040】
また、容器蓋体51は、遮蔽部材101と同様の放射線遮蔽金属製の遮蔽部材100にプラスチック製の外装容器510を施したものである。また、容器蓋体51にあっては、容器本体56に向かう内面にもプラスチック製の外装部81が形成されている。容器蓋体51は、所定の径を有する小径蓋部52、小径蓋部52よりも大きい径を有する大径蓋部53、小径蓋部52と大径蓋部53とを接続する傾斜蓋部52bを有している。
遮蔽容器5にあっては、放射線を充分に遮蔽するため、遮蔽部材101を充分に厚く構成する必要がある。遮蔽部材101の厚み寸法に対応するために容器蓋体51の径を大きくすると、操作者が容器蓋体51を掴み難くなって容器蓋体51が開け難くなる恐れがある。上記構成は、このような点を考慮してなされたものであり、遮蔽部材101に対応する径を有する大径蓋部53と把持しやすい小径蓋部52とにより容器蓋体51を構成している。また、本実施形態は、小径蓋部52と大径蓋部53との間に傾斜蓋部52bが形成されているので、容器蓋体51は操作者が容器蓋体51を上方から把持した場合に手に収まりやすい形状になっている。
さらに、小径蓋部52の周辺には操作者が小径蓋部52を把持しやすくする縦溝52aが複数形成されている。大径蓋部53の周辺には縦溝53aが複数形成されている。
【0041】
また、本実施形態の遮蔽容器5は、収容部6内に液体容器7が収容された上で封止されて提供される。
図10の正面図は、遮蔽容器5が封止された状態を示していて、大径蓋部53の下方に封止部53bが設けられている。封止部53bは、操作者がプルタブ53cを把持して大径蓋部53の周方向に力を加えることによって開封される。開封後、遮蔽容器5は、
図8に示すように容器蓋体51と容器本体56とに分離可能になる。
【0042】
係合部69は、
図9及び
図12に示すように、針刺装置1の凸部15と係合する凹部であり、その凹面69aは凸部15の上面15aと接触する接触面になっている。本実施形態は、このような接触面を設けることによって底面13a、上面15aが斜面であっても遮蔽容器5が斜面に固定することができる。本実施形態は、係合部69を底面68cの中心を含む中心位置に形成している。このため、遮蔽容器5は、
図13(b)に示すように、斜面の底面13a及び上面15a上において係合部69が凸部15と係合し、底面68cの中心を含む位置で保持されるようになる。
本実施形態の遮蔽容器5は、係合部69を底部66の中心に配置したことにより、針刺装置1の凹部13の中心に自然と載置されるようになる。また、このような構成は、底面13a、上面15aが斜面である場合に遮蔽容器5が斜面の傾き方向に変位したとしても、例えば、遮蔽容器5を外縁部のみにおいて保持する構成と比較して変位量を小さくすることができる。このような効果は、針刺装置1のように、針体9を下降させる方向や量を厳密に規定する構成において有効である。
【0043】
また、
図9、
図12に示すように、本実施形態の遮蔽容器5は、接触部である凸条68a及び68bを有している。凸条68aは、底面68cの中心(図示せず)を通る線分を形成する一または複数の凸条である。凸条68bは、底面68cの中心(図示せず)を中心とした円を形成する一または複数の凸条である。本実施形態は、凸条68a及び凸条68bを組み合わせることによってプラスチック製の網構造を形成している。網構造は、凸条68a、68bの幅が比較的狭い(細い)ことから柔軟であり、凸条68a、68bが交差していることから、底部66が径方向に変形することを抑制する剛性が付与される。このような網構造は、遮蔽容器5を硬い面に対して落とした、あるいは強い力で置いた場合にも遮蔽部材101の重さによって外装容器570が割れることを防ぐ緩衝材として機能する。
凸条68a、68bは、外装容器570を射出形成する工程で形成されるので、緩衝材を別途形成する工程を省いて遮蔽容器5の製造工数を抑えることができる。
【0044】
なお、上記緩衝材として機能する機構は、
図9、
図12に示した同心円と放射状の直線とを組み合わせた形状の凸条に限定されるものではない。底部66に形成される機構は、遮蔽部材101の重量に耐えて遮蔽容器5に与えられる衝撃を緩和するものであればどのような形状の凸条、あるいは凹溝であってもよい。凸条あるいは凹溝の幅、本数及び網構造の細かさは、想定される衝撃やプラスチックの硬度等を考慮して決定される。
【0045】
以上説明した本実施形態の針刺装置、遮蔽容器及び針刺システムでは、針刺装置1に術者が遮蔽容器5を載置するに際し、凹部13に合わせて遮蔽容器5を載置するようになる。このとき、遮蔽容器5係合部69が斜面121の凸部15と係り合い、遮蔽容器5を位置決めすることができる。このため、本実施形態によれば、針体と液体容器との位置ずれをなくして針体を液体容器の好適な位置に下降させることができる。
【実施例】
【0046】
次に、以上説明した針刺装置1を使って遮蔽容器5内に収容されている液体容器7から放射性薬剤フルデオキシグルコース(
18F)注射液(
18F−FDG)を抜取った例を挙げて本発明の効果を説明する。なお、保持具18の抜取りは、
18F−FDG飛散防止のためにバイアル瓶内を常圧にして行った。
【0047】
(実施例1)重量測定による残留率の確認
5mLバイアル瓶を10個用意し、それぞれ風袋を測定した(9.43374〜9.66846mg)。各5mLバイアル瓶に約2.2mLの
18F−FDGを封入し、
18F−FDGとバイアル瓶とを合わせた総重量を測定した。針先面921をバイアル瓶の内面のうちの傾き方向にある部分に向け(以下、「正方向」という。)、その後に下降して
18F−FDGを抜き取った後、バイアル瓶の重量を測定し、以下の式より残留量および残留率を求めた。
残留量(mL)=[抜き取り前の総重量(mg)−風袋(mg)]−[抜き取り前の総重量(mg)−抜き取り後のバイアル重量(mg)]
残留率(%)=[残留量(mL)/{抜き取り前の総重量(mg)−風袋(mg)}]×100
各5mLバイアル瓶について
18F−FDGの抜取りを行った結果、残留量の平均値は0.00870mL、最大値は0.01929mLであった。また、残留率の平均値は0.3980%、最大値は0.8826%であった。
【0048】
(実施例2)放射能測定による残留率の確認[1]
実施形態で説明した針体9の正方向の針先面921がバイアル瓶の側壁部72の内面72aに向うようにすることについての効果を放射能量(MBq)を用いて測定した。
具体的には、5mLバイアル瓶を9個用意し、それぞれの5mLバイアル瓶に約2.2mLの
18F−FDGを封入して、放射能量を測定し、基準とした5mLバイアル瓶の抜き取り前の時刻に減衰補正した(減衰補正後:364.6〜443.0MBq)。その後、
18F−FDGを抜取り、
18F−FDGを抜き取った後の5mLバイアル瓶の放射能をそれぞれ測定して、基準とした5mLバイアル瓶の抜き取り前の時刻に減衰補正し、残留量を求めた。また、以下の式から残留率を求めた。
残留率(%)=[残留量(MBq)/抜取り前の放射能量(MBq)]×100
その結果、残留量の平均値は4.2MBq、中央値は4.2MBq、最大値は5.4MBqであった。また、残留率の平均値は1.05%、最大値は1.37%であった。
【0049】
(実施例3)放射能測定による残留率の確認[1]
18F−FDGを封入した5mLバイアル瓶について測定した減衰補正後の放射能量が279.5MBq〜330.1MBqであり、針先面921をバイアル瓶の内面のうちの傾き方向にある部分と反対の側に向けて(以下、「逆方向」という。)下降させ、
18F−FDGを抜き取った以外は、実施例2と同様にして、残留量および残留率を求めた。
各5mLバイアル瓶について
18F−FDGの抜取りを行った結果、残留量の平均値は6.5MBq、中央値は5.0MBq、最大値は9.6MBqであった。また、残留率の平均値は2.15%、最大値は3.16%であった。
【0050】
実施例2、実施例3の残留率をt検定によって評価した結果、針先面921が正方向である場合の分散が0.88、針先面921が逆方向である場合の分散が4.67、両者のピアソン相関が0.88、t値は3.091、有意確率(p値)は0.0070であり、p値が0.01以下であることから、針先面921の方向による残留率の違いに統計的に有意な差があった。
【0051】
上記実施形態および実施例は以下の技術思想を包含するものである。
<1>放射性の液体が封入された液体容器の蓋体に針体を穿刺する針刺装置であって、前記液体容器を収容し前記液体からの放射線の漏洩を遮蔽する遮蔽容器が載置される載置台と、前記載置台の上方で前記針体を上下動させるための針体移動部と、を備え、前記載置台において前記遮蔽容器が載置される載置面が、前記遮蔽容器の少なくとも底部と係り合う凹部または凸部を含む係合部を有する、針刺装置。
<2>前記載置面は、前記針体が取り付けられた場合に前記針体の穿刺側の端面が向かう側に傾く斜面である、<1>の針刺装置。
<3>前記載置面の少なくとも一部が粗面化されている、<1>または<2>の針刺装置。
<4>針刺装置に取り付けられた針体が挿通される放射性の液体が封入された液体容器を収容し前記針刺装置の載置台に載置される放射線の遮蔽容器であって、前記液体容器を収容するための収容部と、前記収容部の外周に配置されている壁部と、前記収容部と前記壁部との間に配置される遮蔽部材と、前記壁部の底部と、を有し、前記底部において前記載置台に向かう底面は、前記載置台と係合する係合部を有する、遮蔽容器。
<5>前記底面よりも小さい面積により前記載置台と接触する接触部をさらに有し、前記接触部は、前記底面の中心を通る線分を形成する一または複数の凸条と、前記の中心を中心とした円を形成する一または複数の凸条である、<4>の遮蔽容器。
<6>放射性の液体が封入された液体容器の蓋体に針体を穿刺する針刺システムであって、前記液体容器を収容し前記液体容器から外部への放射線の漏洩を遮蔽する遮蔽容器と、前記液体容器内の前記液体を吸引する針体と、前記載置台の上方で前記針体を上下動させるための針体移動部と、を備え、前記載置台において前記遮蔽容器が載置される載置面が、前記遮蔽容器の少なくとも底部と係り合う凹部または凸部を含む係合部を有し、前記遮蔽容器の前記載置台に向かう底面は、当該底面よりも小さい面積により前記係合部と接触する接触部を有する、針刺システム。
【解決手段】 放射性の液体が封入された液体容器の蓋体に針体を穿刺する針刺装置を構成する。この針刺装置では、放射性の液体が封入された液体容器7を収容し液体からの放射線の漏洩を遮蔽する遮蔽容器5が載置される載置台12と、載置台12の上方で針体9を上下動させるための針体移動部であるガイド板22、摺動部23、枠体24、ガイド部16及びハンドル25と、を備え、載置台12において遮蔽容器5が載置される斜面121が、遮蔽容器5の少なくとも底部66と係り合う凹部13及び凸部15を含む係合部14を有するように針刺装置を構成する。