【実施例】
【0102】
実施例1
前部眼瞼炎:ポリプロピレングリコールおよびヒドロキシメチルセルロースを含む30%USPグレードDMSO中の1.0%PVP−Iで処置
この患者は、前部眼瞼炎を患っていた。この一般的な種類の眼瞼炎において、前部眼瞼縁は、睫毛脱落、睫毛襟状付着物、ふけ、睫毛堆積物および細菌異常増殖を示す。眼瞼縁はさらに結膜に沿って紅斑を有し得、涙液破壊時間の減少が存在する。この患者において、この状態は、7年以上持続しており、慢性経過をとっていた。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、眼瞼スクラブ、オメガ3脂肪酸、および抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。ポリプロピレングリコールおよびヒドロキシメチルセルロースを含む30%DMSO中の1.0%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼瞼および結膜に1日2回局所適用することにより患者を処置した。1週間以内に、眼瞼内および眼瞼周囲で改善が示された。2週間後、結膜紅斑が収まり、涙液破壊時間およびドライアイ症状が正常化したので、状態は急速に改善した。前部眼瞼の眼瞼縁の精密な検査により、結合した堆積物も細菌異常増殖もない、健康な睫毛が明らかになった。
【0103】
実施例2
後部眼瞼炎;ヒドロキシエチルセルロースを含む35%%USPグレードDMSO中の0.2%PVP−Iで処置
この患者は、後部眼瞼炎を患っていた。この最も一般的な種類の眼瞼炎において、後部眼瞼縁は、マイボーム腺肥厚、角質化、脂肪鹸化、および拡張した毛細血管拡張性(telangectatic)眼瞼血管を示す。眼瞼縁はさらに結膜に沿って紅斑を有し得、涙液破壊時間の減少が顕著である。この患者において、この状態は、7年以上持続しており、慢性経過をとっていた。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、眼瞼スクラブ、オメガ3脂肪酸および抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。ヒドロキシエチルセルロースを含む35%%DMSO中の0.2%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼瞼および結膜に1日2回局所適用することにより患者を処置した。1週間以内に、眼瞼内および眼瞼周囲で改善が示された。2週間後、結膜紅斑が収まり、涙液破壊時間およびドライアイ症状が正常化したので、状態は急速に改善した。後部眼瞼の眼瞼縁の綿密な検査により、健康なマイボーム腺分泌物、後部眼瞼血管の細化および無紅斑が明らかになった。
【0104】
実施例3
A.しゅさ性眼瞼炎;ヒドロキシエチルセルロースを含む38%USPグレードDMSO中の0.5%PVP−Iで処置
この患者は、しゅさ性眼瞼炎を患っていた。この種類の眼瞼炎において、後部眼瞼縁は、マイボーム腺肥厚、角質化、脂肪鹸化、および拡張した毛細血管拡張性(telangectatic)眼瞼血管を示す。前部眼瞼縁もまた、ふけおよび細菌異常増殖を示し得る。眼瞼縁はさらに結膜に沿って紅斑を有し得、涙液破壊時間の減少が存在する。この患者において、この状態は、7年以上持続しており、慢性経過をとっていた。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、眼瞼スクラブ、オメガ3脂肪酸および抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。
【0105】
ヒドロキシエチルセルロースを含む38%DMSO中の0.5%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼瞼および結膜に1日2回局所適用することにより患者を処置した。1週間以内に、眼瞼内および眼瞼周囲で改善が示された。2週間後、結膜紅斑が収まり、涙液破壊時間およびドライアイ症状が正常化したので、状態は急速に改善した。拡張した蛇行性の後部眼瞼縁血管は著しく細化し、マイボーム腺分泌物は健全になった。前部眼瞼の眼瞼縁の精密な検査により、結合した堆積物も細菌異常増殖もない、健康な睫毛が明らかになった。
【0106】
B.しゅさ性眼瞼炎(Blepahritis);水中4%のヒドロキシエチルセルロースを含む44%USPグレードDMSO中の1%PVP−Iで処置
緑内障の眼の既往歴および偽水晶体眼を有する78歳の男性は、長年にわたる眼球乾燥、ざらざら感、眼周囲紅斑および眼瞼硬皮生成を訴えた。顔面検査時に、潮紅を伴う鼻および顔面の毛細血管拡張が顕著であった。彼の局所薬剤レジメンは、ラタノプロスト1滴(就寝時、両眼)、ブリモニジン1滴(1日2回、両眼)、およびドルゾラミド/チモロール1滴(1日2回、両眼)を含んだ。患者は、この状態を減じるための様々な医薬品および処置の利用を承認したが、しかしながら、それらはほとんど有益でなかった。失敗した治療には、局所ステロイド、抗生物質(アジスロマイシン、複合医薬品、およびシクロスポリンを含む)が含まれた。経口医薬品(ドキシサイクリンおよびDHA/ALA/EPAを含む)もまた無効であった。
【0107】
細隙灯生体顕微鏡検査により、両側の前部眼瞼縁の紅斑、硬皮形成および肥厚が明らかになった。睫毛検査により、ふけ様の付着物と共にいくらかの切断が明らかになった。後部眼瞼の検査により、上部を覆う混濁した分泌物を伴う濃厚化したマイボーム腺が明らかになった。さらに後部瞼板領域に向かうと、拡張した、充血した毛細血管拡張性血管が存在した。眼瞼辺縁紅斑は、瞼板だけでなく、下眼球結膜にも拡張していた。涙液破壊時間は顕著に減少し、角膜は、下方両側の点状上皮びらんを示していた。しゅさ性眼瞼結膜炎の診断を行った。
【0108】
認可された調剤薬局からの調製されたジメチルスルホキシド(DMSO)ビヒクル中の1%PVP−Iの局所ゲルを患者に与えた。治療薬を、1日2回投与し、ゲルを睫毛の列および眼瞼に擦り込むことにより送達した。1週間後の最初の追跡来院時に、著しい改善が示された。最も顕著には、結膜炎、前部眼瞼の紅斑および肥厚が大方後退した。ゲルを1日1回に減らすが、合計1ヵ月の間処置を続けるように患者に指示した。この2回目の追跡来院時には、初期の改善が維持されていただけでなく、後部眼瞼縁血管および毛細血管拡張も細化および退行し始めていた。さらに、マイボーム腺の上部の覆いはもはや存在せず、分泌物の粘性は低くなっていた。患者は、適用部位における時々の軽い刺痛以外に他の副作用を報告しなかった。
【0109】
実施例4
ニキビダニ属眼瞼炎;ペトロラタムを含む40%USPグレードDMSO中の1.0%PVP−Iで処置
この患者は、前部ニキビダニ属眼瞼炎を患っていた。この種類の眼瞼炎において、前部眼瞼縁は、睫毛脱落、円筒形態状の睫毛襟状付着物および睫毛堆積物を示す。涙液破壊時間の減少も顕著である。後部眼瞼縁もまた紅斑を有し得、マイボーム腺の濃厚化、脂肪鹸化、および細菌異常増殖を示し得る。この患者において、この状態は、7年以上持続しており、慢性経過をとっていた。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、テイーツリー油、眼瞼スクラブオメガ3脂肪酸および抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。睫毛を抜き、顕微鏡下で検査し、ニキビダニを陽性と同定した。ペトロラタムを含む40%DMSO中の1.0%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼瞼および結膜に1日2回局所適用することにより患者を処置した。1週間以内に、眼瞼内および眼瞼周囲で改善が示された。2週間後、結膜紅斑が収まり、涙液破壊時間およびドライアイ症状が正常化したので、状態は急速に改善した。後部眼瞼縁は、正常なマイボーム腺分泌物を示した。睫毛の顕微鏡評価は、ニキビダニ属ダニについて陰性であった。
【0110】
実施例5
眼瞼結膜炎;グリセリンを含む33%USPグレードDMSO中の0.3%PVP−Iで
処置
この患者は、眼瞼結膜炎を患っていた。この種類の眼の炎症において、前部眼瞼縁は、睫毛脱落、睫毛襟状付着物、ふけ、睫毛堆積物および細菌異常増殖を示す。後部眼瞼縁もまた紅斑を有し得、マイボーム腺の濃厚化、上部の覆いおよび角質化を示す。この過程の特徴は、前部および後部眼瞼炎症に副次的なおびただしい結膜充血である。この患者において、この状態は、1週間以上持続しており、急性経過をとっていた。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、眼瞼スクラブ、オメガ3脂肪酸、および抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。グリセリンを含む33%DMSO中の0.3%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼瞼および結膜に1日2回局所適用することにより患者を処置した。1週間以内に、眼瞼内および眼瞼周囲で改善が示された。2週間後、涙液破壊時間およびドライアイ症状が正常化したので、状態は急速に改善した。前部眼瞼の眼瞼縁の精密な検査により、結合した堆積物も細菌異常増殖もない、健康な睫毛が明らかになった。後部眼瞼縁検査により、健康なマイボーム腺分泌物および眼瞼紅斑の減少が明らかになった。結膜検査により、炎症のない、穏やかかつ健康な組織が明らかになった。
【0111】
実施例6
アデノウイルス性結膜炎;ポリビニルピロリドンを含む44%USPグレードDMSO中の0.15%PVP−Iで処置
この患者は、アデノウイルス性結膜炎を患っていた。この一般的な種類の結膜炎は、最近のウイルス性上気道感染または別の感染者との接触の結果として起こる。耳前腺症が多くの場合に存在する。この患者において、結膜は、結膜浮腫を伴うびまん性充血を示していた。頻繁な眼の透明分泌物が存在した。眼瞼外転により、少数の散在する点状出血を伴う3+の濾胞反応が明らかになった。RPS Adenodetectorサンプリングにより、原因因子がアデノウイルス血清型であると同定された。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、眼瞼スクラブおよび抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。ポリビニルピロリドンを含む48%DMSO中の0.15%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼瞼および結膜に1日3回局所適用することにより患者を処置した。1週間以内に、結膜浮腫および眼瞼浮腫の減少から明らかな改善が眼瞼内および眼瞼周囲で示された。2週間の時点で、結膜紅斑、分泌物および濾胞はもはや存在しておらず、状態は消散した。角膜浸潤物または偽膜の発生はなかった。
【0112】
実施例7
流行性アデノウイルス性結膜炎;ヒドロキシエチルセルロースを含む41.5%%USPグレードDMSO中の0.5%PVP−Iで処置
この患者は、流行性アデノウイルス性結膜炎を患っていた。この種類の結膜炎は、最近のウイルス性上気道感染または別の感染者との接触の結果として起こる。耳前腺症が多くの場合に存在する。この患者において、結膜は、偽膜形成に加えて結膜浮腫を伴うびまん性充血を示していた。頻繁な眼の透明分泌物が存在した。眼瞼外転により、少数の散在する点状出血を伴う3+の濾胞反応が明らかになった。角膜検査により、多発性上皮下浸潤物が示された。RPS Adenodetectorサンプリングにより、原因因子がアデノウイルス血清型であると同定された。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、眼瞼スクラブおよび抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。ヒドロキシエチルセルロースを含む41.5%DMSO中の0.5%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼瞼および結膜に1日3回局所適用することにより患者を処置した。1週間以内に、眼瞼内および眼瞼周囲で改善が示された。2週間の時点で、結膜紅斑、分泌物、濾胞および偽膜はもはや存在しておらず、状態は消散した。角膜浸潤物も消散してしまっており、角膜は透明でかつ引き締まっていた。
【0113】
実施例8
細菌性結膜炎;ポリプロピレングリコールを含む31.5%USPグレードDMSO中の0.7%PVP−Iで処置
この患者は、細菌性結膜炎を患っていた。この種類の結膜炎においては、多くの場合、細菌異常増殖および結膜上皮層の浸潤が存在する。この患者において、結膜はまた、炎症性膜形成に加えて結膜浮腫を伴うびまん性充血も示していた。頻繁な眼の化膿性分泌物が存在した。眼瞼外転により、少数の点状出血を伴う3+の眼瞼結膜の炎症が明らかになった。結膜培養により、原因因子をスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus Aureus)と同定した。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、眼瞼スクラブおよび抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。ポリプロピレングリコールを含む31.5%DMSO中の0.7%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼瞼および結膜に1日3回局所適用することにより患者を処置した。3日以内に、眼瞼内および眼瞼周囲で改善が示された。1週間の時点で、結膜紅斑、分泌物、濾胞および炎症性膜はもはや存在しておらず、状態は消散した。
【0114】
実施例9
単純ヘルペスウイルス上皮角膜炎;グリセリンを含む49%USPグレードDMSO中の2.0%PVP−Iで処置
この患者は、単純ヘルペスウイルス上皮角膜炎を患っていた。この種類の角膜炎においては、多くの場合、活性な複製性ウイルスが上皮の樹枝状病変内に存在する。免疫系が弱まると、ウイルスが知覚神経節中で再活性化し、下行して、角膜に感染する。これは、多くの場合、再発性疾患として現れ得る。この患者において、結膜は、びまん性充血を示し、角膜は、末端膨大部を伴う蛇状または樹枝状形態の染色性の上皮潰瘍を見せていた。Millipore検査により、単純ヘルペスウイルスが原因因子として明らかになる。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、経口用および局所用の抗ウイルス薬ならびに抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。グリセリンを含む49%DMSO中の2.0%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日3回局所適用することにより患者を処置した。3日以内に、眼内および眼周囲で改善が示された。樹枝状病変は再上皮化し始め、活発なウイルス複製は停止した。1週間の時点で、状態は消散し、先の角膜病変の形跡はなかった。結膜は白色かつ穏やかであった。
【0115】
実施例10
単純ヘルペスウイルス間質性角膜炎;ヒドロキシエチルセルロースを含む44%USPグレードDMSO中の0.15%PVP−Iで処置
この患者は、単純ヘルペスウイルス間質性角膜炎を患っていた。この種類の角膜炎においては、多くの場合、間質性角膜腫脹を引き起こす分子相同性に比べると二次的な宿主の免疫活性化が存在する。活性な複製性ウイルスは、存在することもあるし、存在しないこともある。これは、多くの場合、再発性疾患として現れ得る。この患者において、結膜は、びまん性充血を示し、角膜は、不透明化を伴うびまん性角膜腫脹を見せていた。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、経口用および局所用の抗ウイルス薬ならびに抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。ヒドロキシエチルセルロースを含む44%DMSO中の0.15%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日3回局所適用することにより患者を処置した。3日以内に、眼内および眼周囲で改善が示された。間質性浮腫が消え始め、患者は染色性の樹枝状病変を何ら有していなかった。1週間の時点で、状態は消散し、先の角膜病変、瘢痕形成、または新生血管形成の形跡はなかった。結膜は白色かつ穏やかであった。
【0116】
実施例11
単純ヘルペスウイルス内皮角膜炎;ヒドロキシエチルセルロースを含む38%USPグレードDMSO中の1.4%PVP−Iで処置
この患者は、単純ヘルペスウイルス内皮角膜炎を患っていた。この種類の角膜炎におい
ては、多くの場合、内皮細胞に向けられる分子相同性に比べると二次的な宿主の免疫活性化が存在する。活性な複製性ウイルスは、存在することもあるし、存在しないこともある。これは、多くの場合、再発性疾患として現れ得る。この患者において、結膜は、びまん性充血を示し、角膜は、角膜後面沈着物を伴う円板状内皮炎症を見せていた。いくらかの間質性角膜浮腫も存在した。前房は、まばらな炎症細胞および軽度の線維柱帯炎を示していた。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、経口用および局所用の抗ウイルス薬ならびに抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。ヒドロキシエチルセルロースを含む38%DMSO中の1.4%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日3回局所適用することにより患者を処置した。3日以内に、眼内および眼周囲で改善が示された。間質性浮腫が消え始め、角膜後面沈着物は減少した。前房細胞および発赤はもはや存在しなかった。1週間の時点で、状態は消散し、先の角膜腫脹の形跡はなかった。残存する角膜瘢痕形成も、新生血管形成もなかった。結膜は白色かつ穏やかであった。
【0117】
実施例12
眼部帯状疱疹(Hepres Zoster Ophthalmicus);ペトロラタムを含む40%USPグレードDMSO中の1.8%PVP−Iで処置
この患者は、帯状疱疹ウイルス上皮角膜炎を患っていた。この種類の角膜炎においては、多くの場合、皮節分布における紅斑性班および表皮剥離に加えて眼内のウイルス感染が存在する。免疫系が弱まると、三叉神経の眼神経内で、帯状疱疹ウイルスが再活性化される。この患者において、結膜は、びまん性充血を示し、角膜は、末端膨大部を伴わない、ローズベンガル染色性の上皮に「付着した」樹枝状病変を見せていた。下にある角膜支質は、角膜後面沈着物を伴わない中央の浮腫を示した。眼底検査は、脈管炎について陰性であった。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、経口用および局所用の抗ウイルス薬ならびに抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。ペトロラタムを含む40%DMSO中の1.8%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日3回局所適用することにより患者を処置した。3日以内に、眼内および眼周囲で改善が示された。樹枝状病変は再上皮化し始め、活発なウイルス複製は停止した。1週間の時点で、状態は消散し、先の角膜病変の形跡はなかった。結膜は白色かつ穏やかであり、角膜は透明でかつ引き締まっていた。
【0118】
実施例13
グラム陽性細菌性角膜潰瘍;ペトロラタムを含む45%USPグレードDMSO中の0.35%PVP−Iで処置
この患者は、細菌性角膜潰瘍を患っていた。この種類の感染において、多くの場合にコンタクトレンズの使用歴が存在するが、しかしながら、これは必要条件ではない。細菌は、上皮における小さな破損を介して眼に導入され、下にある構造物への足掛かりを得る。この患者において、結膜は、化膿性分泌物を伴うびまん性充血を示していた。角膜は、上に重なる中央上皮の欠陥を伴う中央の3ミリメートルの円形浸潤物を示していた。この浸潤物は支質溶解を誘発しており、その結果、角膜はおよそ30パーセント薄くなっていた。前房に1ミリメートルの層状の前房蓄膿が存在した。角膜培養を行い、コアグラーゼ陰性連鎖球菌種を同定した。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、経口用および局所用の抗ウイルス薬ならびに抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。ペトロラタムを含む45%DMSO中の0.35%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日6回局所適用することにより患者を処置した。3日以内に、眼内および眼周囲で改善が示された。角膜溶解は停止し、再上皮化が起こっていた。1週間の時点で、前房蓄膿は消散し、結膜は透明になり、小さな中央の浸潤物が残存していた。2週目までに、患者は回復し、活発な細菌感染は残存していなかった。中央角膜の瘢痕が、先の活性な浸潤物の領域において顕著であった。
【0119】
実施例14
グラム陰性細菌性角膜潰瘍;ポリビニルピロリドンを含む36%USPグレードDMSO中の0.2%PVP−Iで処置
この患者は、細菌性角膜潰瘍を患っていた。この種類の感染において、多くの場合にコンタクトレンズの使用歴が存在するが、しかしながら、これは必要条件ではない。細菌は、上皮における小さな破損を介して眼に導入され、下にある構造物への足掛かりを得る。この患者において、結膜は、化膿性分泌物を伴うびまん性充血を示していた。角膜は、上に重なる中央上皮の欠陥を伴う中央の5ミリメートルの円形浸潤物を示していた。この浸潤物はおびただしい支質溶解を誘発しており、その結果、角膜はおよそ75パーセント薄くなっていた。前房に2ミリメートルの層状の前房蓄膿が存在した。角膜培養を行い、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)種を同定した。患者は、数多くの抗生物質、ステロイド、経口用および局所用の抗ウイルス薬ならびに抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。ポリビニルピロリドンを含む36%DMSO中の0.2%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日6回局所適用することにより患者を処置した。3日以内に、眼内および眼周囲で改善が示された。角膜溶解は停止し、再上皮化が起こっていた。1週間の時点で、前房蓄膿は消散し、結膜は透明になり、小さな中央の浸潤物が残存していた。2週目までに、患者は回復し、活発な細菌感染は残存していなかった。中央角膜の瘢痕が、先の活性な浸潤物の領域において顕著であった。
【0120】
実施例15
真菌性角膜潰瘍;グリセリンを含む45%USPグレードDMSO中の1.2%PVP−Iで処置
この患者は、真菌性角膜潰瘍を患っていた。この種類の感染において、多くの場合にコンタクトレンズの使用歴が存在するが、しかしながら、これは必要条件ではない。真菌は、上皮における小さな破損を介して眼に導入され、下にある構造物への足掛かりを得る。この患者において、結膜は、化膿性分泌物を伴うびまん性充血を示していた。角膜は、上に重なる中央上皮の欠陥を伴う多発性の羽毛様浸潤物を含有していた。この浸潤物はほとんど支質溶解を誘発しておらず、その結果、角膜は薄くなっていなかった。前房蓄膿はなかったが、しかしながら、細胞および発赤は存在した。角膜培養を行い、フザリウム属種を同定した。患者は、数多くの抗真菌薬、抗生物質、ステロイド、経口用および局所用の抗ウイルス薬ならびに抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。グリセリンを含む45%DMSO中の1.2%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日6回局所適用することにより患者を処置した。1週間以内に、眼内および眼周囲で改善が示された。角膜は、再上皮化の過程を開始していた。2週間の時点で、角膜浸潤物は消散し、結膜は透明になり、前房は穏やかであった。中央角膜の瘢痕が、先の活性な浸潤物の領域において顕著であった。
【0121】
実施例16
アカントアメーバ角膜潰瘍;ヒドロキシエチルセルロースを含む39%USPグレードDMSO中の0.4%PVP−Iで処置
この患者は、アカントアメーバ角膜潰瘍を患っていた。この種類の感染において、多くの場合にコンタクトレンズの使用歴および自家製のコンタクトレンズ液が存在するが、しかしながら、これは必要条件ではない。アカントアメーバ寄生虫は、多くの場合、上皮における小さな破損を介して眼に導入され、下にある構造物への足掛かりを得る。患者は、検査に対して過大な疼痛を認める。この患者において、結膜は、びまん性充血を示していた。角膜は、角膜神経の肥大を伴う複数の水疱性病変を含有していた。上に重なる上皮の欠陥およびかすかな輪状浸潤物が存在した。この浸潤物はほとんど支質溶解を誘発しておらず、その結果、角膜は薄くなっていなかった。前房蓄膿はなかったが、しかしながら、細胞および発赤は存在した。角膜培養を行い、エスケリキア・コリ(E.coli)で覆
った無栄養寒天上でアカントアメーバ属種を同定した。患者は、数多くの抗アメーバ薬(クロルヘキシジン、プロパミジンを含む)、抗真菌薬、抗生物質、ステロイド、経口用および局所用の抗ウイルス薬ならびに抗炎症薬を試してきたが、有益ではなかった。ヒドロキシエチルセルロースを含む39%DMSO中の0.4%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日6回局所適用することにより患者を処置した。1週間以内に、眼内および眼周囲で改善が示された。角膜は、再上皮化の過程を開始しており、輪状潰瘍は、度合いが小さくなり始めた。2週間の時点で、角膜浸潤物は消散し、結膜は透明になり、神経周囲痛は収まった。中央角膜の瘢痕が、先の活性な浸潤物の領域において顕著であった。
【0122】
実施例17
結膜上皮内腫瘍;ポリプロピレングリコールを含む47%USPグレードDMSO中の1.1%PVP−Iで処置
この患者は、結膜上皮内腫瘍を患っていた。この種類の異形成において、細胞は、上皮内で不規則に増殖するが、基底膜を突破しない。これは、多くの場合、紫外線曝露、喫煙、またはヒト乳頭腫ウイルスに関連する。この患者において、結膜は、白斑を伴う肉質の辺縁塊の増殖を示していた。隆起した栄養血管が存在した。不規則領域は、ローズベンガルに陽性に染まった。結膜生検を行い、病理学報告により診断を確定した。患者は、数多くの局所化学療法剤(例えば、マイトマイシンおよびインターフェロン)を試してきた。最終的な寒冷療法による切除が行われたが、しかしながら、病変は再発した。ポリプロピレングリコールを含む47%DMSO中の1.1%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日4回局所適用することにより患者を処置した。1ヵ月以内に、眼内で改善が示された。結膜病変は退行し始め、表面積が小さくなり始めていた。2ヵ月の時点で、病変の完全な退行があり、結膜は健康であるように見えた。罹患領域における処置後生検は陰性であった。
【0123】
実施例18
結膜扁平上皮癌;ポリビニルピロリドンを含む32%%USPグレードDMSO中の1.5%PVP−Iで処置
この患者は、結膜扁平上皮癌を患っていた。この種類の異形成において、細胞は、上皮内で不規則に増殖し、基底膜を突破して結膜支質に入る。これは、多くの場合、紫外線曝露、喫煙、またはヒト乳頭腫ウイルスに関連する。この患者において、結膜は、白斑を伴う肉質の辺縁塊を示していた。隆起した栄養血管が存在した。不規則領域は、ローズベンガルに陽性に染まった。結膜生検を行い、病理学報告により診断を確定した。患者は、数多くの局所化学療法剤(例えば、マイトマイシンおよびインターフェロン)を試してきた。最終的な寒冷療法による切除が行われたが、しかしながら、病変は再発した。ポリビニルピロリドンを含む32%DMSO中の1.5%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日4回局所適用することにより患者を処置した。1ヵ月以内に、眼内で改善が示された。結膜病変は退行し始め、表面積が小さくなり始めていた。2ヵ月の時点で、病変の完全な退行があり、結膜は健康であるように見えた。罹患領域における処置後生検は陰性であった。
【0124】
実施例19
角膜上皮内腫瘍;ポリビニルピロリドンを含む33%USPグレードDMSO中の0.6%PVP−Iで処置
この患者は、角膜上皮内腫瘍を患っていた。この種類の異形成において、細胞は、結膜上皮内で不規則に増殖するが、基底膜を突破しない。これは、多くの場合、紫外線曝露、喫煙、またはヒト乳頭腫ウイルスに関連する。この患者において、角膜は、白斑を伴うびまん性の半透明の灰色の腫瘍を示していた。不規則領域は、ローズベンガルに陽性に染まった。角膜生検を行い、病理学報告により診断を確定した。患者は、数多くの局所化学療
法剤(例えば、マイトマイシンおよびインターフェロン)を試してきた。最終的な寒冷療法による切除が行われたが、しかしながら、病変は再発した。ポリビニルピロリドンを含む33%DMSO中の0.6%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日4回局所適用することにより患者を処置した。1ヵ月以内に、眼内で改善が示された。角膜病変は退行し始め、表面積が減少し始めていた。2ヵ月の時点で、病変の完全な退行があり、角膜は健康であるように見えた。罹患領域における処置後生検は陰性であった。
【0125】
実施例20
角膜扁平上皮癌;ヒドロキシエチルセルロースを含む30.5%USPグレードDMSO中の0.1%PVP−Iで処置
この患者は、角膜扁平上皮癌を患っていた。この種類の異形成において、細胞は、角膜上皮内で不規則に増殖し、基底膜を突破してより深い構造物に侵入する。これは、多くの場合、紫外線曝露、喫煙、またはヒト乳頭腫ウイルスに関連する。この患者において、角膜は、白斑を伴うびまん性の半透明の灰色の腫瘍を示していた。不規則領域は、ローズベンガルに陽性に染まった。角膜生検を行い、病理学報告により診断を確定した。患者は、数多くの局所化学療法剤(例えば、マイトマイシンおよびインターフェロン)を試してきた。最終的な寒冷療法による切除が行われたが、しかしながら、病変は再発した。ヒドロキシエチルセルロースを含む30.5%DMSO中の0.1%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日4回局所適用することにより患者を処置した。1ヵ月以内に、眼内で改善が示された。角膜病変は退行し始め、表面積が減少し始めていた。2ヵ月の時点で、病変の完全な退行があり、角膜は健康であるように見えた。罹患領域における処置後生検は陰性であった。
【0126】
実施例21
結膜扁平上皮乳頭腫;ペトロラタムを含む46%USPグレードDMSO中の1.9%PVP−Iで処置
この患者は、結膜乳頭腫を患っていた。この種類の異形成において、結膜細胞は、外長性またはカリフラワー様の形態を示す。それらはまた、指様形態で増殖し得、多くの場合、血管芯を備えて小葉に分かれる。その過程は、多くの場合、紫外線曝露、喫煙、またはヒト乳頭腫ウイルスに関連する。この患者において、結膜は、有茎基部、葉様増殖および血管芯を有する外長性塊を示していた。結膜生検を行い、病理学報告により診断を確定した。患者は、数多くの局所化学療法剤(例えば、マイトマイシンおよびインターフェロン)を試してきた。局所抗炎症薬も投与された。最終的な寒冷療法による切除が行われたが、しかしながら、病変は再発した。ペトロラタムを含む46%DMSO中の1.9%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日4回局所適用することにより患者を処置した。1ヵ月以内に、眼内で改善が示された。結膜病変は退行し始め、表面積を減らし始めていた。2ヵ月の時点で、病変の完全な退行があり、下にある結膜は健康であるように見えた。罹患領域における処置後生検は陰性であった。
【0127】
実施例22
角膜扁平上皮乳頭腫;ポリビニルピロリドンを含む43%USPグレードDMSO中の0.8%PVP−Iで処置
この患者は、角膜扁平上皮乳頭腫を患っていた。この種類の異形成において、角膜細胞は、外長性またはカリフラワー様の形態を示す。それはまた、指様形態で増殖し得、多くの場合、血管芯を備えて小葉に分かれる。その過程は、多くの場合、紫外線曝露、喫煙、またはヒト乳頭腫ウイルスに関連する。この患者において、角膜は、有茎基部、葉様増殖および血管芯を有する外長性塊を示していた。角膜生検を行い、病理学報告により診断を確定した。患者は、数多くの局所化学療法剤(例えば、マイトマイシンおよびインターフェロン)を試してきた。局所抗炎症薬も投与された。最終的な寒冷療法による切除が行わ
れたが、しかしながら、病変は再発した。ポリビニルピロリドンを含む43%DMSO中の0.8%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日4回局所適用することにより患者を処置した。1ヵ月以内に、眼内で改善が示された。角膜病変は退行し始め、表面積が減少し始めていた。2ヵ月の時点で、病変の完全な退行があり、角膜組織は健康であるように見えた。罹患領域における処置後生検は陰性であった。
【0128】
実施例23
眼瞼扁平上皮乳頭腫;ヒドロキシエチルセルロースを含む47%USPグレードDMSO中の1.7%PVP−Iで処置
この患者は、眼瞼扁平上皮乳頭腫を患っていた。この種類の異形成において、細胞は、外長性またはカリフラワー様の形態を示す。それらはまた、指様形態で増殖し得、多くの場合、血管芯を備えて小葉に分かれる。その過程は、多くの場合、紫外線曝露、喫煙、またはヒト乳頭腫ウイルスに関連する。この患者において、眼瞼薄層は、有茎基部、葉様増殖および血管芯を有する外長性塊を示していた。眼瞼生検を行い、病理学報告により診断を確定した。患者は、数多くの局所化学療法剤(例えば、マイトマイシンおよびインターフェロン)を試してきた。局所抗炎症薬も投与された。最終的な寒冷療法による切除が行われたが、しかしながら、病変は再発した。ヒドロキシエチルセルロースを含む47%DMSO中の1.7%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼に1日4回局所適用することにより患者を処置した。1ヵ月以内に改善が示された。眼瞼病変は退行し始め、表面積が減少し始めていた。2ヵ月の時点で、病変の完全な退行があり、眼瞼組織および構造物は健康であるように見えた。
【0129】
実施例24
眼瞼疣贅;ポリプロピレングリコールを含む43%USPグレードDMSO中の0.1%PVP−Iで処置
この患者は、眼瞼疣贅を患っていた。この種類の眼瞼増殖は、通常、灰色または黄褐色の丘疹で始まり、これが乳頭腫性表面を有する角質増殖性病変に進行する。その過程は、多くの場合、上皮層のヒト乳頭腫ウイルス感染に関連する。この患者において、上眼瞼は、乳頭腫性表面を有する充実性の白色増殖物を示していた。眼瞼生検を行い、病理学報告により診断を確定した。患者は、数多くの局所用薬剤を試してきたが、有益ではなかった。最終的に寒冷療法が行われたが、しかしながら、病変は再発した。ポリプロピレングリコールを含む43%DMSO中の0.1%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼瞼構造物に1日4回局所適用することにより患者を処置した。2週間以内に改善が示された。病変は退行し始め、表面積が減少し始めていた。1ヵ月の時点で、病変の完全な退行があり、眼瞼組織および皮膚は健康であるように見えた。
【0130】
実施例25
眼瞼伝染性軟属腫;ヒドロキシエチルセルロースを含む39%USPグレードDMSO中の0.9%PVP−Iで処置
この患者は、眼瞼関連伝染性軟属腫を患っていた。この種類の眼瞼感染は、通常、くぼみのある中央を有する、肌色の、半球形の、真珠様の丘疹を示す。その過程は、多くの場合、上皮層のポックスウイルス感染に関連する。この患者において、上眼瞼および眼瞼縁は、くぼみのある中央を有する、複数の肌色の丘疹を示していた。患者は、数多くの局所用薬剤(サリチル酸およびイミキモッドを含む)を試してきたが、有益ではなかった。切除を伴う寒冷療法が最終的に行われたが、しかしながら、病変は再発した。ヒドロキシエチルセルロースを含む39%DMSO中の0.9%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を眼瞼および辺縁構造物に1日4回局所適用することにより患者を処置した。2週間以内に改善が示された。病変は退行し始め、表面積が減少し始めていた。1ヵ月の時点で、病変の完全な退行があり、眼瞼の組織および薄層は健康
であるように見えた。
【0131】
実施例26
白内障手術前の眼瞼消毒;ヒドロキシエチルセルロースを含む44%USPグレードDMSO中の0.2%PVP−Iで処置
この患者は、白内障手術の前に前部および後部眼瞼炎を患っていた。数多くの眼の研究が、眼瞼および結膜に住みついている細菌を、術後感染性眼内炎を招くものとして関係づけている。したがって、前記手順を開始する前にこれらの表面の殺菌を試みることが慣例である。この患者において、後部眼瞼縁は、マイボーム腺肥厚、角質化、脂肪鹸化、および拡張した毛細血管拡張性(telangectatic)眼瞼血管を示していた。前部眼瞼縁もまた、ふけおよび細菌異常増殖を示していた。患者は、眼球表面を殺菌するための数多くの局所用薬剤(局所抗生物質および消毒薬を含む)を試してきたが、有益ではなかった。ヒドロキシエチルセルロースを含む44%DMSO中の0.2%PVP−Iを用いた本明細書に開示されるような組成物を調製した。溶液を、手順の3日前から開始して、眼および眼瞼に1日3回局所適用することにより患者を処置した。手順の当日に結膜培養を行い、増殖物のないことが示された。患者は、成功裏の手順を受け、順調な術後経過をとった。
【0132】
実施例27
硝子体内注射前の眼瞼消毒;グリセリンを含む32%USPグレードDMSO中の1.4
%PVP−Iで処置
この患者は、硝子体内注射の前に前部および後部眼瞼炎を患っていた。数多くの眼の研
究が、眼瞼および結膜に住みついている細菌を、注射後感染性眼内炎を招くものとして関
係づけている。したがって、前記手順を開始する前にこれらの表面の殺菌を試みることが
慣例である。この患者において、後部眼瞼縁は、マイボーム腺肥厚、角質化、脂肪鹸化、
および拡張した毛細血管拡張性(telangectatic)眼瞼血管を示していた。
前部眼瞼縁もまた、ふけおよび細菌異常増殖を示していた。患者は、眼球表面を殺菌する
ための数多くの局所用薬剤(局所抗生物質および消毒薬を含む)を試してきたが、有益で
はなかった。グリセリンを含む32%DMSO中の1.4%PVP−Iを用いた本明細書
に開示されるような組成物を調製した。溶液を、手順の3日前から開始して、眼および眼
瞼に1日3回局所適用することにより患者を処置した。手順の当日に結膜培養を行い、増
殖物のないことが示された。患者は、成功裏の注射を受け、順調な術後経過をとった。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
約0.1%〜約10%のポビドン−ヨウ素(PVP−I)と、
約30%〜約99%のジメチルスルホキシド(DMSO)と、
約1%〜約10%のゲル化剤と
を含む局所ゲル組成物において、前記局所ゲル組成物は、ゲル化剤を実質的に含まない約
0.1%〜約10%のポビドン−ヨウ素と約30%〜約99%のDMSOとを含む液体組
成物に比べて、皮膚感染を処置することにおいてより大きな有効性を示すことを特徴とす
る局所ゲル組成物。
[請求項2]
請求項1に記載の組成物において、約1%〜約5%のPVP−Iを含むことを特徴とす
る組成物。
[請求項3]
請求項1に記載の組成物において、約1%のPVP−Iを含むことを特徴とする組成物
。
[請求項4]
請求項1に記載の組成物において、約2%のPVP−Iを含むことを特徴とする組成物
。
[請求項5]
請求項1に記載の組成物において、約30%〜約70%のDMSOを含むことを特徴と
する組成物。
[請求項6]
請求項1に記載の組成物において、約40%〜約49%のDMSOを含むことを特徴と
する組成物。
[請求項7]
請求項1に記載の組成物において、約44%のDMSOを含むことを特徴とする組成物
。
[請求項8]
請求項1に記載の組成物において、約2%〜約5%のゲル化剤を含むことを特徴とする
組成物。
[請求項9]
請求項1に記載の組成物において、約4%のゲル化剤を含むことを特徴とする組成物。
[請求項10]
請求項1に記載の組成物において、
2%のPVP−Iと、
44%のDMSOと、
4%のヒドロキシエチルセルロースと、
50%の水性溶媒と
を含むことを特徴とする組成物。
[請求項11]
請求項10に記載の組成物において、前記水性溶媒が、水または等張緩衝液であること
を特徴とする組成物。
[請求項12]
請求項1に記載の組成物において、前記ゲル化剤が、ゴム、寒天、ペトロラタム、及び
セルロースポリマーからなる群から選択されることを特徴とする組成物。
[請求項13]
請求項1に記載の組成物において、前記ゲル化剤が、ヒドロキシエチルセルロースであ
ることを特徴とする組成物。
[請求項14]
請求項1に記載の組成物において、前記ゲル化剤が、ヒドロキシメチルセルロースであ
ることを特徴とする組成物。
[請求項15]
生殖器の皮膚を含む皮膚の感染を処置する方法において、前記方法は、
前記感染を軽減または排除するために必要に応じて有効量の請求項1に記載の局所ゲル組
成物を前記感染の部位に適用するステップ
を含むことを特徴とする方法。
[請求項16]
請求項15に記載の方法において、前記感染が、細菌、ニキビダニ属、真菌または酵母
、およびウイルスからなる群から選択される1つ以上の感染因子に起因するまたは関連す
ることを特徴とする方法。
[請求項17]
請求項16に記載の方法において、前記ウイルス感染因子が、ヒト乳頭腫ウイルス(H
PV)または伝染性軟属腫ウイルス(MCV)であることを特徴とする方法。
[請求項18]
請求項15に記載の方法において、前記皮膚感染が、ウイルス性いぼであることを特徴
とする方法。
[請求項19]
請求項15に記載の方法において、前記皮膚感染が、伝染性軟属腫であることを特徴と
する方法。
[請求項20]
請求項15に記載の方法において、前記皮膚感染が、顔または生殖器の前記皮膚上にあ
ることを特徴とする方法。
[請求項21]
約0.1%〜約10%のポビドン−ヨウ素(PVP−I)と、
約30%〜約99%のジメチルスルホキシド(DMSO)と、
約1%〜約10%のゲル化剤と
を含む安定な局所眼科用ゲル組成物において、
前記組成物中の各成分は、眼科的に受容可能であり、かつ
前記眼科用ゲル組成物は、ゲル化剤を実質的に含まない約0.1%〜約10%のポビドン
−ヨウ素と30%〜約99%のDMSOとを含む液体組成物に比べて、眼または眼瞼の感
染状態を処置することにおいてより大きな有効性を示すことを特徴とする
安定な局所眼科用ゲル組成物。
[請求項22]
請求項21に記載の組成物において、約0.1%〜約5%のPVP−Iを含むことを特
徴とする組成物。
[請求項23]
請求項21に記載の組成物において、約1%〜約3%のPVP−Iを含むことを特徴と
する組成物。
[請求項24]
請求項21に記載の組成物において、約1%のPVP−Iを含むことを特徴とする組成
物。
[請求項25]
請求項21に記載の組成物において、約0.10%〜約3.0%のPVP−Iを含むこ
とを特徴とする組成物。
[請求項26]
請求項21に記載の組成物において、約0.15%を含むことを特徴とする組成物。
[請求項27]
請求項21に記載の組成物において、約0.25%のPVP−Iを含むことを特徴とす
る組成物。
[請求項28]
請求項21に記載の組成物において、約30%〜約70%のDMSOを含むことを特徴
とする組成物。
[請求項29]
請求項21に記載の組成物において、約40%〜約49%のDMSOを含むことを特徴
とする組成物。
[請求項30]
請求項21に記載の組成物において、約44%のDMSOを含むことを特徴とする組成
物。
[請求項31]
請求項21に記載の組成物において、約3%〜約5%のゲル化剤を含むことを特徴とす
る組成物。
[請求項32]
請求項21に記載の組成物において、約4%のゲル化剤を含むことを特徴とする組成物
。
[請求項33]
請求項21に記載の組成物において、
1%のPVP−Iと、
44%のDMSOと、
4%のヒドロキシエチルセルロースと、
51%の水性溶媒と
を含むことを特徴とする組成物。
[請求項34]
請求項33に記載の組成物において、前記水性溶媒が、水または等張緩衝液であること
を特徴とする組成物。
[請求項35]
請求項21に記載の組成物において、前記ゲル化剤が、ゴム、寒天、ペトロラタム、お
よびセルロースポリマーからなる群から選択されることを特徴とする組成物。
[請求項36]
請求項21に記載の組成物において、前記ゲル化剤が、ヒドロキシエチルセルロースで
あることを特徴とする組成物。
[請求項37]
請求項21に記載の組成物において、前記ゲル化剤が、ヒドロキシメチルセルロースで
あることを特徴とする組成物。
[請求項38]
眼または眼瞼の感染状態を処置する方法において、前記方法は、
前記感染を軽減または排除するために必要に応じて有効量の請求項1に記載の安定な局所
眼科用ゲル組成物を前記感染の部位に適用するステップ
を含むことを特徴とする方法。
[請求項39]
請求項38に記載の方法において、前記感染状態が、眼瞼炎、結膜炎、角膜潰瘍、HS
V角膜炎、結膜腫瘍、前眼房炎症、術後眼内炎、および硝子体内または眼房内注射後の眼
内炎からなる群から選択されることを特徴とする方法。
[請求項40]
請求項39に記載の方法において、前記感染状態が、細菌、ニキビダニ属、真菌または
酵母、およびウイルスからなる群から選択される1つ以上の感染因子に起因するまたは関
連することを特徴とする方法。
[請求項41]
請求項38に記載の方法において、前記状態が、眼瞼炎であることを特徴とする方法。
[請求項42]
請求項38に記載の方法において、前記感染因子が、ウイルスであることを特徴とする
方法。
[請求項43]
請求項38に記載の方法において、前記感染因子が、ニキビダニ属であることを特徴と
する方法。