【文献】
東レ・ダウコーニング株式会社,FRAGRANCE JOURNAL,2009年,臨時増刊 No.21,pp.96-97
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る油中水型乳化化粧料は、油相と水相とを含み、油相に、疎水化処理された金属酸化物粉体を少なくとも含有し、水相に、特定の水分散性シリコーンワックスを少なくとも含有する。疎水化された金属酸化物粉体は、油中水型乳化化粧料の総量に対して1.5質量%以上含有される。油中水型乳化化粧料は、油相を構成する油成分、水相を構成する水成分、油相と水相とを乳化する乳化剤をさらに含有することができる。
【0018】
(A)疎水化処理された金属酸化物粉体
疎水化処理された金属酸化物粉体は、化粧料に一般的に配合されるものであれば特に制限されず、通常、白色顔料や有色顔料、紫外線散乱剤や赤外線散乱剤として使用されるものを用いることができる。金属酸化物粉体として、例えば、酸化チタン、酸化鉄(黄酸化鉄(オキシ水酸化鉄・水酸化第二鉄)、赤酸化鉄(三二酸化鉄)、黒酸化鉄(四三酸化鉄)を含む)、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、及び酸化アルミニウムが挙げられる。金属酸化物は、顔料級及び微粒子のいずれの粒子径のものであってもよい。金属酸化物粉体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
金属酸化物粉体は、公知の方法で表面を疎水化処理したものを用いることができる。疎水化処理の方法としては、メチルポリシロキサン等のシリコーン処理、パーフルオロアルキルリン酸エステル等によるフッ素処理、N−アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理、その他、レシチン処理、金属石鹸処理、脂肪酸処理、及びアルキルリン酸エステル処理等が挙げられる。
【0020】
疎水化処理された金属酸化物粉体の平均一次粒子径は、好ましくは10nm〜1.0μmである。ここで、平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡による観察によって測定した一次粒子径の数平均粒子経、及びレーザー回折法によって測定した粒度分布における積算値50%に対応する粒子径として求めることができ、これらのいずれかが上記範囲に入ればよい。
【0021】
疎水化処理された金属酸化物は、油中水型乳化化粧料の油相に、油中水型乳化化粧料の総量に対して1.5%以上含有される。疎水化処理された金属酸化物粉体の含有量の合計は、油中水型乳化化粧料の総量中に、好ましくは1.5〜40.0質量%であり、より好ましくは3.0〜30.0質量%、さらに好ましくは5.0〜25.0質量%である。含有量が1.5質量%未満では、化粧料の使用感においてきしみ感を生じさせず、本発明によってきしみ感を抑制する必要がないためである。一般的な化粧料の処方では、疎水化された金属酸化物の含有量が1.5質量%以上、特に5.0質量%以上であると、使用感においてきしみ感を生じさせるため、本発明の油中水型乳化化粧料の処方が有効である。また、含有量が40質量%を超えると、含有量の増大に見合う効果が得られず、また製剤化が困難になる場合がある。
【0022】
(B)水分散性シリコーンワックス
水分散性シリコーンワックスは、下記式(I):
【化3】
(m及びnは、独立して10〜24の整数を示す。)
で表される化合物である。
水分散性シリコーンワックスは、上記式(I)を満足する化合物を1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。式(I)で表される水分散性シリコーンワックスは、例えば、INCI名「ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン」として、東レ・ダウコーニング社から「2501 Cosmetic Wax(製)」の商品名で市販されている。この商品は、式(I)において、m及びnがそれぞれ平均18である構造を有する化合物である。
【0023】
式(I)の水分散性シリコーンワックスは、室温でペースト状から固形状であり、水との親和性が高く、水分散性に優れるポリエーテル変性シリコーンワックスである。これまで、式(I)の水分散性シリコーンワックスは、主にエモリエント効果を目的として化粧料に使用されていた。これに対し、本発明者らは、式(I)の水分散性シリコーンワックスを油中水型化粧料の水相に含有させることにより、金属酸化物を高配合しても化粧料の使用感が低下しないことを初めて見出した。
【0024】
式(I)の水分散性シリコーンワックスは、水相中に、溶解せずに、分散して存在している。式(I)の水分散性シリコーンワックスは、従来のシリコーンオイルとは異なり油相に配合することなくシリコーンの感触を得ることができるため、油っぽさやべたつきを抑えながら、のびが良くしっとりした感触を得ることができる。しかし、連続相が油分である油中水型乳化化粧料では、油相に配合した油分の感触を強く感じるため、水相に配合する成分で、のびを良くざらつきを低減することはこれまで困難であったが、式(I)の水分散性シリコーンワックスを水相に配合することで、油っぽさやべたつきを抑えながら、のびが良くざらつきを低減することができることが判明した。これは、油中水型乳化化粧料を塗布した後に、油中水型乳化化粧料中の水分と揮発性油剤が蒸発したときに、式(I)の水分散性シリコーンワックスと金属酸化物が初めて合わさることで金属酸化物のきしみ感を感じることなく、シリコーンワックス特有のなめらかさが発揮されるためと考えられる。このような式(I)の水分散性シリコーンワックスを水相に配合することにより、金属酸化物を高配合しながら使用時のきしみ感を抑え、べたつきがなく使用時の伸展性や感触に優れたものとすることができる。さらに、式(I)の水分散性シリコーンワックスを水相中に配合することにより、油中水型化粧料の乳化安定性を向上することができる。これは、水相中に分散した式(I)の水分散性シリコーンワックスが、界面活性剤とともに、水相と油相との界面に何らかの作用を及ぼしているためだと推測される。
【0025】
式(I)の水分散性シリコーンワックスの含有量は、油中水型乳化化粧料の総量中に、好ましくは1.0〜10.0質量%、より好ましくは2.0〜8.0質量%である。含有量が1.0質量%未満では、式(I)の水分散性シリコーンワックスによる伸展性の向上やきしみ感の抑制の効果が十分に得られない場合がある。また、10.0質量%を超えて配合すると、使用時にべたつきを生じてしまう場合がある。
【0026】
(C)油成分
油成分は、通常化粧料に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類;オリーブ油、ホホバ油、アボカド油、ダイズ油、メドウホーム油、ラノリン等の天然動植物油脂;2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸ステアリル等の脂肪酸エステル類;トリ(カプリル・カプリル酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等のトリグリセライド、及び多価アルコール脂肪酸エステル油類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン油、デカメチルシクロペンタンシロキサン等の環状シリコーン油、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンゲル、シリコーンパウダー等の液体又は固体のシリコーン油等が挙げられる。これら油成分を、1種単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0027】
油成分の含有量は、油中水型乳化化粧料の総量中に好ましくは5.0〜90.0質量%、より好ましくは10.0〜70.0質量%とすることできる。
【0028】
(D)水成分
水成分としては、蒸留水、精製水、天然水、温泉水、海水等を用いることができる。水成分の含有量は、油中水型乳化化粧料の総量中に好ましくは0.1〜70.0質量%、より好ましくは5.0〜60.0質量%とすることできる。
【0029】
(E)乳化剤
乳化剤は、本発明の効果を損なわない限り、化粧料に一般的に使用されるものを使用することができる。乳化剤は、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等である。乳化剤は、疎水基に着目すると、シリコーン系界面活性剤であることが好ましく、シリコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーンやポリグリセリン変性シリコーンを用いることができる。乳化剤の含有量は、油中水型乳化化粧料の総量中に0.1〜10.0質量%とすることが好ましい。
【0030】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びこれらの誘導体;モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;モノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリグリセリル、モノミリスチン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、トリステアリン酸ポリグリセリル、トリオレイン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0031】
ポリエーテル変性シリコーンとしては、PEG−3ジメチコン、PEG−9メチルエーテルジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−10メチルエーテルジメチコン、PEG−12ジメチコン、PEG−32メチルエーテルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG/PPG−19/19ジメチコン、ポリシリコーン−13、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG−10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコンなどが挙げられる。ポリグリセリン変性シリコーンとしてはポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコン、ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなどを挙げることができる。
【0032】
(F)その他の成分
油中水型乳化化粧料には、上記成分(A)〜(E)の他に、用途に応じて、多価アルコール、保湿剤、糖類、防腐剤、抗菌剤、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子のような高分子増粘剤、低級アルコール、皮膜形成剤、中和剤、pH調整剤、粉体成分、紫外線吸収剤等を含有させることができる。また、ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、抗炎症剤、美白剤等の他の化粧成分や薬効成分、生理活性成分、香料、及び色素等の成分を含有させることができる。これらの成分の含有量は、油中水型乳化化粧料の使用感及び乳化安定性を損なわない範囲で、当業者が適宜調整することができる。
【0033】
多価アルコールとしては、特に限定されず、化粧料組成物として一般に使用されているものを使用することができる。例えば1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,2−ペンタンジオール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、メチルグルコシド、ソルビトール、ジグリセリン等が挙げられる。
【0034】
保湿剤として、例えば、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、乳酸ナトリウム、シクロデキストリン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、天然及び合成のセラミド類等が挙げられる。
【0035】
防腐剤及び抗菌剤としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0036】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩を挙げることができる。
【0037】
水溶性高分子あるいは増粘剤としては、例えば、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デキストラン、デキストリン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ベントナイト等を挙げることができる。
【0038】
低級アルコールとしては、通常化粧料に配合されるものであれば特に制限されないが、例えばエタノールが挙げられる。
【0039】
皮膜形成剤としては、例えば、ポリアクリル酸アルキル、エイコセン・ビニルピロリドン重合体、エステルガム等が挙げられる。中和剤としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等が挙げられる。pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0040】
粉体成分としては、例えば、タルク、マイカ、カオリン、シリカ、セリサイト、ゼオライト、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、セルロース粉末、ナイロンパウダー、ラウロイルリジン、ポリメチルメタクリレートパウダー、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、無機白色顔料、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム等の界面活性剤金属塩粉体、酸化チタンコーティングマイカ、酸化チタンコーティングタルク、着色酸化チタンコーティングマイカ等のパール顔料、赤色201号、赤色202号等の有機顔料を挙げることができ、さらにこれらをシリコーン、フッ素化合物等で処理したものが好ましい。
【0041】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル、パラメトキシケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンジフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]安息香酸エチル、2−(4―ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル等の安息香酸エステル系紫外線吸収剤、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン系紫外線吸収剤、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、オクトクリレン、アントラニル酸メンチル、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等を用いることができる。
【0042】
薬効成分としては、例えば、コエンザイムQ10、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB
2類、ピリドキシン塩酸塩等のB
6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD
2、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類を挙げることができる。アルブチン、エラグ酸、トラネキサム酸、プラセンタエキス、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、ブナノキエキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン、アライトイン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類等を挙げることができる。さらに、セイヨウトチノキ種子エキス、カミツレ花エキス、ソウハクヒエキス、ボタンエキス、パセリエキス、ブナノキエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、ケイヒエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス、オウゴンエキス、オトギリソウエキス、セイヨウサンザシエキス、ツボクサエキス、クズ根粒エキス、アーティチョーク葉エキス、エイジツエキス、エーデルワイスエキス等の各種抽出物を挙げることができる。香料及び色素は、通常化粧料に用いられているものを使用することができる。
【0043】
以下に、本発明に係る油中水型乳化化粧料の製造方法について説明する。本発明に係る油中水型乳化化粧料の製造方法は、疎水化処理された金属酸化物粉体を分散させた油相と、式(I)で表される水分散性シリコーンワックスを含有する水相とを乳化する工程を含む。
【0044】
油相は、疎水化された金属酸化物粉体を油成分に均一に混合して分散させることにより調製することができる。油相には、疎水化された金属酸化物粉体を分散させる前に、必要に応じて、皮膜形成剤、親油性の紫外線吸収剤、親油性の薬効成分、疎水化処理した粉体成分等のその他の親油性成分を任意に混合してもよい。また、必要に応じて、その他の成分である粉体を、疎水化された金属酸化物粉体とともに油成分に分散させてもよい。水相は、式(I)で表される水分散性シリコーンワックスを水成分中に公知の方法により分散させることにより調製することができる。水相には、必要に応じて、多価アルコール、保湿剤、糖類、防腐剤、抗菌剤、金属イオン封鎖剤、高分子増粘剤、低級アルコール、中和剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、親水性の薬効成分等のその他の親水性成分を任意に含有させてもよい。油相と水相との乳化は、公知の方法により行うことができる。油相及び水相の乳化時の温度は、20.0〜90.0℃としておくことが好ましい。各成分の含有量は、油中水型乳化化粧料中における終濃度が、上記した好ましい範囲とする。
【0045】
本発明に係る油中水型乳化化粧料の好適な用途は、皮膚に適用される化粧料であり、例えば、乳液、クリーム、美容液、サンスクリーン、リップクリーム等のスキンケア化粧料、ファンデーション、化粧下地、ほほ紅、アイシャドウ、口紅等のメークアップ化粧料などである。
【実施例】
【0046】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明に係る油中水型乳化化粧料はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0047】
[実施例1〜5、比較例1〜5: 日焼け止めクリーム]
表1に示す組成の日焼け止めクリーム(油中水型乳化化粧料)を、次の方法で調製した。
成分(1)〜(13)を室温で、ディスパーで攪拌(3000回転、10分)をして均一に混合して油相とした。次に、成分(14)〜(19)を加熱溶解(70℃)後、室温まで冷却をして調製した水相を、油相に撹拌下でゆっくり添加した。次に、ホモミキサーを用いて高速攪拌(7000rpm、5分)で乳化混合して、脱気後、容器に充填をして油中水型乳化化粧料である日焼け止めクリームを得た。
【0048】
実施例1〜5及び比較例1〜5の日焼け止めクリームを、以下の方法により、使用感(きしみ感のなさ、肌へのなじみ、べたつきのなさ)と乳化安定性を以下に示す方法により評価した。
【0049】
[使用感]
女性被験者(30〜50歳)10名に、化粧料を前腕に塗布して、その時の使用感を官能評価した。3項目(きしみ感のなさ、肌へのなじみ、べたつきのなさ)について、アンケートの結果から次の基準で評価した。
(評価基準)
◎:10名全員が、良好と回答した。
○:10名中、7〜9名が良好と回答した。
△:10名中、3〜6名が良好と回答した。
×:10名中、2名未満が良好と回答した。
【0050】
[乳化安定性]
日焼け止めクリームを80mlガラス瓶に室温で50gを充填し、50℃で1週間経過後の状態について肉眼で観察し、以下の評価基準に基づいて乳化安定性を評価した。
(評価基準)
◎:分離が見られない。
○:日焼け止めクリームの液面に水滴が僅かにみられる。
△:日焼け止めクリームの液面に水滴が明らかにみられる。
×:明らかに2層に分離している。
【0051】
【表1】
【0052】
表1の結果から、実施例1〜5は、比較例1〜3と比べて、きしみ感のなさ、肌なじみ、べたつきのなさのいずれの使用感も優れていた。また、実施例1〜5の日焼け止めクリームは、いずれも高い乳化安定性を有していた。特に、実施例5の日焼け止めクリームは、疎水化処理微粒子酸化亜鉛を40質量%も含有するにもかかわらず、優れた使用感及び乳化安定性を有していた。また、実施例2〜4の日焼け止めクリームは、実施例1と比較してクリーム自体の粘度は変化させていないにもかかわらず、分離が全く観察されず、乳化安定性が向上していた。このことから、式(I)の水分散性シリコーンであるビスPEG−18メチルエーテルジメチルシランによって界面が強化されていると考えられる。
一方、式(I)の水分散性シリコーンであるビスPEG−18メチルエーテルジメチルシランを使用していない比較例1〜3は、きしみ感のなさ、肌なじみ、ベタつきのなさの全てを兼ね備えるものはなかった。また、比較例1〜3は、乳化安定性も低く、液面に油浮きが生じているのが観察された。比較例4は、きしみ感が抑えられ、高い乳化安定性の効果は得られたが、ベタつきが生じてしまっていた。疎水化処理していない金属酸化物を含有させた比較例5は、きしみ感が生じてしまい、乳化安定性も悪い結果であった。
【0053】
[実施例6:日焼け止め乳液]
以下に示す組成の日焼け止め乳液を、次の方法で調製した。
(組成) (質量%)
(1) デカメチルシクロペンタシロキサン 25.0
(2) ジメチコン 7.0
(3) ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 3.0
(4) PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0
(5) セスキイソステアリン酸ソルビタン 1.0
(6) トリメチルシロキシケイ酸 3.0
(7) 架橋型メチルポリシロキサン(*6) 2.0
(8) オリーブ油 0.3
(9) ポリメタクリル酸メチル 5.0
(10)紫外線吸収剤複合微粒子酸化チタン(*8) 15.0
(11)精製水 残余
(12)ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン(*7) 2.0
(13)DPG 3.0
(14)グリセリン 1.0
(15)塩化ナトリウム 1.0
(16)メチルパラベン 0.3
(17)ローズマリーエキス 0.1
*8:HXMT-10EXA(テイカ社製 t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、水酸化アルミニウム、イソステアリン酸処理、平均粒子径10nm酸化チタン)
(製法)
成分(1)〜(10)を均一に混合して油相とし、次に成分(11)〜(17)を70℃で均一に溶解後、室温まで冷却をした水相を油相に添加して乳化混合することにより調製し、容器に充填し、油中水型乳化化粧料である日焼け止め乳液を得た。
(評価)
得られた日焼け止め乳液について、実施例1〜5と同様の評価を行ったところ、全ての使用性と安定性に優れたもの(評価:◎)であった。
【0054】
[実施例7:化粧下地]
以下に示す組成の化粧下地を、次の方法で調製した。
(組成) (質量%)
(1) デカメチルシクロペンタシロキサン 25.0
(2) ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 6.0
(3) ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 2.0
(4) PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0
(5) ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(*9) 1.5
(6) イソステアリン酸 1.0
(7) 架橋型メチルポリシロキサン(*6) 3.0
(8) オリーブ油 1.0
(9) コエンザイムQ10 0.3
(10)微粒子酸化チタン(*1) 3.0
(11)微粒子酸化亜鉛(*2) 10.0
(12)シリコーン処理黄酸化鉄 0.5
(13)シリコーン処理ベンガラ 0.2
(14)(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー 2.0
(15)精製水 残余
(16)ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン(*7) 3.0
(17)グリセリン 5.0
(18)1,3−ブチレングリコール 3.0
(19)硫酸マグネシウム 1.0
(20)フェノキシエタノール 0.3
*9:KF−6104(信越化学工業社製)
(製法)
成分(1)〜(9)を75℃で均一に混合して油相とし、次に成分(10)〜(14)をヘンシェルミキサーで別に混合して、油相に加え75℃で均一混合をし、次に成分(15)〜(20)を75℃で加熱溶解をして水相とし、油相にゆっくり添加して乳化混合することにより調製し、容器に充填をして油中水型乳化化粧料である化粧下地を得た。
(評価)
得られた化粧下地について、実施例1〜5と同様の評価を行ったところ、全ての使用性と安定性に優れたもの(評価:◎)であった。
【0055】
[実施例8:リキッドファンデーション]
以下に示す組成のリキッドファンデーションを、次の方法で調製した。
(組成) (質量%)
(1) シリコーン処理酸化チタン(*10) 7.5
(2) シリコーン処理ベンガラ 1.5
(3) シリコーン処理黄酸化鉄 2.5
(4) シリコーン処理黒酸化鉄 0.3
(5) シリコーン処理タルク 1.2
(6) ポリメタクリル酸メチル 3.0
(7) デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
(8) イソドデカン 10.0
(9) スクワラン 5.0
(10)ポリヒドロキシステアリン酸 1.0
(11)ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0
(12)イソステアリン酸ソルビタン 2.0
(13)ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1.0
(14)精製水 残余 (15)ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン(*7) 5.0
(16)グリセリン 5.0
(17)1,3−ブチレングリコール 3.0
(18)硫酸マグネシウム 0.7
(19)メチルパラベン 0.3
*10:SA-チタンCR-50(100%)(三好化成社製 水酸化アルミニウム ジメチコン処理、平均粒子径250nm酸化チタン)
(製法)
成分(7)〜(13)を75℃で均一に混合して油相とし、次に成分(1)〜(6)をヘンシェルミキサーで別に混合して、油相に加え75℃で均一混合をし、次に成分(14)〜(19)を75℃で加熱溶解をして水相とし、油相にゆっくり添加して乳化混合することにより調製し、容器に充填をして油中水型乳化化粧料であるリキッドファンデーションを得た。
【0056】
(評価)
得られたリキッドファンデーションについて、実施例1〜5と同様の評価を行ったところ、全ての使用性と安定性に優れたもの(評価:◎)であった。