(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取り付けフランジの周囲において互いに略等距離の間隔を空けて、当該取り付けフランジの第1の軸方向面に取り付けられた少なくとも3つの第1の軸方向アクチュエータと、
前記取り付けフランジの周囲において互いに略等距離の間隔を空けて、当該取り付けフランジの第2の軸方向面に取り付けられた少なくとも3つの第2の軸方向アクチュエータと、
を備えている、請求項4に記載の装置。
前記少なくとも1つの第1の永久磁石および前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記回転部の軸方向に正味の力を及ぼすことはないが、前記ブラケットならびに当該ブラケットに取り付けられ、前記回転部および第1のフランジの軸方向外側に配設された任意の機器の重量に起因する傾転力のバランスまたはオフセットを取る正味のトルクまたはモーメントを当該回転部に及ぼす、請求項6に記載の装置。
前記少なくとも1つの第1の永久磁石が、前記固定ハウジングの垂直方向において、前記少なくとも1つの第2の永久磁石よりも高い位置に配設されている、請求項8に記載の装置。
前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが滑り軸受または滑り軸受パッドである、請求項11に記載の装置。
前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが摩耗性グラファイト材料を含む、請求項12に記載の装置。
前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが、前記取り付けフランジに取り付けられたその他任意の機器の軸方向の外側面よりも当該取り付けフランジから更に離れた軸方向の外側面を有する、請求項11に記載の装置。
回転部に間隔をおいて結合されるとともに、当該回転部から半径方向外側に延在する第1および第2のフランジを有する当該回転部であって、当該回転部および第1ならびに第2のフランジのそれぞれが少なくとも部分的に透磁性の材料を含み、回転軸周りに回転自在な回転部と、
前記第1のフランジに取り付けられ、前記回転部および第1のフランジの軸方向外側に延在する少なくとも1つのブラケットと、
前記回転部を囲み、前記第1および第2のフランジ間の空間内へ半径方向内側に延在する取り付けフランジを有する固定ハウジングと、
前記取り付けフランジの第1の軸方向面に取り付けられた少なくとも1つの第1の永久磁石と、
前記取り付けフランジの第1の軸方向面とは反対側の第2の軸方向面に取り付けられた少なくとも1つの第2の永久磁石と、
を備えている、装置。
前記少なくとも1つのブラケットが、前記第1のフランジおよび前記回転部の軸方向外側に配設され、当該回転部によって回転される少なくとも1つの機器に取り付けられ、
前記少なくとも1つの第1の永久磁石および前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記回転部の軸方向に正味の力を及ぼすことはないが、前記ブラケットならびに当該ブラケットに取り付けられた前記少なくとも1つの機器の重量に起因する傾転力のバランスまたはオフセットを取る正味のトルクまたはモーメントを当該回転部に及ぼしている、請求項16に記載の装置。
前記少なくとも1つの第1の永久磁石が、前記固定ハウジングの垂直方向において、前記少なくとも1つの第2の永久磁石よりも高い位置に配設されている、請求項17に記載の装置。
前記第1のフランジに近接するように前記取り付けフランジの第1の軸方向面に取り付けられ、軸方向において、前記少なくとも1つの第1の永久磁石よりも大きな幅を有する少なくとも1つの第1のランディングパッドと、
前記第2のフランジに近接するように前記取り付けフランジの第2の軸方向面に取り付けられ、軸方向において、前記少なくとも1つの第2の永久磁石よりも大きな幅を有する少なくとも1つの第2のランディングパッドと、
をさらに備えている、請求項18に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本開示は、改良されたコンピュータ断層撮像システム等の改良された診断用スキャン装置を提供することを目的とする。
【0014】
前記の追加または代替として、本開示は、磁気軸受システムまたは構成を用いて環状回転部を回転自在に支持する改良された設計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様においては、持ち上げおよび/または回転自在な支持によって回転部が摩擦なく回転できるようにする磁気浮上の考え方を用いた回転部の磁気軸受構成が開示される。回転部は、その半径方向が垂直な面内または実質的に垂直な面内となるように、実質的に水平な軸周りに回転するように設計されているのが好ましい。ただし、このようなシステムは、たとえば±30°以上の回転軸の傾斜が可能なように設計することもできる。
【0016】
本発明の別の態様において、回転部は、垂直な軸または実質的に垂直な軸周りに回転するものであってもよく、この場合も、たとえば±30°以上傾斜可能であってもよい。
【0017】
本発明の別の態様において、装置は、回転軸周りに回転する回転部を備えているのが好ましい。磁気軸受システムは、3次元空間における環状回転部の位置に影響を及ぼし、好ましくは、環状回転部を垂直方向に持ち上げる力を生成する少なくとも1つのアクチュエータ、環状回転部の半径方向における当該回転部の位置に影響を及ぼすとともに、少なくとも1つの非磁気軸受と環状回転部間の半径方向における環状ギャップの維持を動作中に少なくとも支援する少なくとも1つのアクチュエータ、および環状回転部の軸方向における当該回転部の位置に影響を及ぼす少なくとも1つのアクチュエータといった少なくとも3つのアクチュエータを備えていてもよい。持ち上げアクチュエータは、半径方向アクチュエータおよび/または軸方向アクチュエータの一方と組み合わせて、たとえば半径方向アクチュエータによる回転部持ち上げ機能および/または軸方向アクチュエータによる回転部持ち上げ機能を実行するようにしてもよい。
【0018】
前記のような装置は、回転部に搭載された少なくとも1つの放射源をさらに備え、スキャンおよび/または撮像用として構成するようにしてもよい。
【0019】
前記の追加または代替として、この装置は、回転部に間隔をおいて結合されるとともに、当該回転部から半径方向外側に延在する第1および第2のフランジであって、両者間に収容部または中空空間を画成するフランジを備えているのが好ましい。すなわち、回転部および第1ならびに第2のフランジは、前記収容部または中空空間を画成するU字状軸方向断面を構成しているのが好ましい。この収容部または中空空間には、環状回転部の軸方向における当該回転部の位置に影響を及ぼすアクチュエータが少なくとも固定的に配設されているが、すべてのアクチュエータがこの収容部または中空空間に配設されているのが好ましい。
【0020】
前記の追加または代替として、この装置は、好ましくは第1および第2のフランジによって画成された収容部または空間内へ半径方向内側に延在する取り付けフランジ(または固定部)を有する固定ハウジングまたはフレームを備えていてもよい。取り付けフランジには、動作中に環状回転部の位置を能動的に調整または制御するように設計された前記アクチュエータのうちの1または複数のアクチュエータ、環状回転部を受動的に持ち上げるように設計された1または複数の永久磁石、回転部および/または前記フランジの1つに取り付けられた任意の機器(放射源および/または検出器等)の重量に起因する傾転力またはモーメントをオフセットするように設計された1または複数の永久磁石、取り付けフランジに取り付けられた機器の保護および/または電源喪失等の故障時における回転部の軸方向支持のための1または複数の軸方向ランディングパッド等の1または複数の機器が取り付けられていてもよい。
【0021】
前記の追加または代替として、回転部および/またはそのフランジに取り付けられた任意の機器(放射源および/または検出器等)の重量に起因する傾転力またはモーメントをオフセットするように設計された1または複数の永久磁石は、フランジを有さない回転部、半径方向に延在したフランジを1つ有する回転部、または半径方向に延在したフランジを少なくとも2つ有する回転部とともに使用するようにしてもよい。フランジを用いないか、または半径方向に延在したフランジを1つ用いる実施形態においては、回転部および/または半径方向に延在したフランジの1つの軸方向面に少なくとも1つの第1の永久磁石が配設され、回転部および/または半径方向に延在したフランジの反対側の軸方向面に少なくとも1つの第2の永久磁石が配設されているのが好ましい。たとえば、第1および第2の永久磁石は、固定ハウジングから半径方向内側に延在する2つの取り付けフランジにそれぞれ取り付けられていてもよい。前記少なくとも1つの第1の永久磁石は、固定ハウジングまたは回転部の垂直方向において、前記少なくとも1つの第2の永久磁石よりも高い位置に配設されているのが好ましい。さらに、前記少なくとも1つの第1の永久磁石は、回転部に取り付けられて傾転力またはモーメントの原因となる機器(たとえば放射源および/または検出器)の軸方向反対側にある回転部および/または半径方向に延在した単一のフランジの軸方向面に配設されているのが好ましい。下方に配設される少なくとも1つの第2の永久磁石は、傾転の原因となる機器と同じ側の回転部および/または半径方向に延在した単一のフランジの軸方向面に配設されているのが好ましい。
【0022】
前記の追加または代替として、取り付けフランジに取り付けられた機器の保護および/または電源喪失等の故障時における回転部の軸方向支持のための1または複数の軸方向ランディングパッドは、フランジを有さない回転部、半径方向に延在したフランジを1つ有する回転部、または半径方向に延在したフランジを少なくとも2つ有する回転部とともに使用するようにしてもよい。フランジを用いないか、または半径方向に延在したフランジを1つ用いる実施形態においては、回転部および/または半径方向に延在した単一のフランジの1つの軸方向面に少なくとも1つの第1の軸方向ランディングパッドが配設され、回転部および/または半径方向に延在した単一のフランジの反対側の軸方向面に少なくとも1つの第2の軸方向ランディングパッドが配設されているのが好ましい。たとえば、第1および第2の軸方向ランディングパッドは、固定ハウジングから半径方向内側に延在する2つの取り付けフランジにそれぞれ取り付けられていてもよい。また、第1および第2の軸方向ランディングパッドは、任意選択として、回転部(またはそのフランジ)の周囲において対で配設されていてもよいし、周方向に互いにオフセットして配設されていてもよい。
【0023】
本発明のさらに別の態様においては、以下の実施形態が開示される。ただし、これらに限定されるものではない。
【0024】
1.回転軸周りに回転自在であって、中空内部を有し、少なくとも部分的に透磁性の材料を含む回転部(たとえば環状回転部)と、
前記回転部に間隔をおいて結合されるとともに、当該回転部から半径方向外側に延在し、それぞれが少なくとも部分的に透磁性の材料を含む第1および第2のフランジと、
可変磁界を生成するように構成され、前記第1のフランジに隣接して固定的に配設されるとともに、前記回転部の第1の軸方向に当該第1のフランジ(ひいては当該回転部)を磁気的に引っ張るように構成された第1の軸方向アクチュエータと、
可変磁界を生成するように構成され、前記第2のフランジに隣接して固定的に配設されるとともに、前記回転部の第1の軸方向とは反対側の第2の軸方向に当該第2のフランジ(ひいては当該回転部)を磁気的に引っ張るように構成された第2の軸方向アクチュエータと、
を備え、
前記第1および第2の軸方向アクチュエータの両者が、前記第1および第2のフランジ間に配設されている、装置。
【0025】
2.前記第1のフランジが前記回転部と継ぎ目なく一体的に形成されており、前記第2のフランジが当該回転部に着脱自在に取り付けられている、実施形態1に記載の装置。
【0026】
3.前記第1および第2のフランジが環状であり、
前記第1および第2の環状フランジが、少なくとも実質的に互いに平行に延在しており、
前記回転部および前記第1ならびに第2の環状フランジが、少なくとも実質的にU字状断面を有する回転部アセンブリを構成する、実施形態1または2に記載の装置。
【0027】
4.前記回転部および前記第1ならびに第2の環状フランジの隣接表面によって収容部または中空空間が画成された、実施形態3に記載の装置。
【0028】
5.前記第1および第2の各軸方向アクチュエータが、少なくとも1つのステータコアに巻回された少なくとも1つのコイルを備えている、実施形態1〜4のいずれかに記載の装置。
【0029】
6.前記第1および第2の各軸方向アクチュエータが、第1および第2の脚部を規定する実質的にU字状のステータコアを備え、
前記ステータコアの第1および第2の脚部に第1および第2のコイルがそれぞれ巻回された、実施形態1〜5のいずれかに記載の装置。
【0030】
7.前記第1および第2の(環状)フランジ間の(前記)収容部または中空空間内へ半径方向内側に延在する取り付けフランジ(たとえば環状取り付けフランジ)を有する固定ハウジング
をさらに備え、
前記第1の軸方向アクチュエータが、前記第1の(環状)フランジに最も近い前記(環状)取り付けフランジの第1の軸方向面に取り付けられており、
前記第2の軸方向アクチュエータが、前記第2の(環状)フランジに最も近く、前記(環状)取り付けフランジの第1の軸方向面とは反対側の第2の軸方向面に取り付けられている、実施形態1〜6のいずれかに記載の装置。
【0031】
8.前記(環状)取り付けフランジの周囲において、好ましくは互いに略等距離の間隔を空けて、当該(環状)取り付けフランジの第1の軸方向面に取り付けられた少なくとも3つの第1の軸方向アクチュエータと、
前記(環状)取り付けフランジの周囲において、好ましくは互いに略等距離の間隔を空けて、当該(環状)取り付けフランジの第2の軸方向面に取り付けられた少なくとも3つの第2の軸方向アクチュエータと、
を備えている、実施形態7に記載の装置。
【0032】
9.前記回転部および/または第1の(環状)フランジに取り付けられ、当該回転部および第1の(環状)フランジの軸方向外側に延在する少なくとも1つのブラケットと、
前記(環状)取り付けフランジの第1の軸方向面に取り付けられた少なくとも1つの第1の永久磁石と、
前記(環状)取り付けフランジの第2の軸方向面に取り付けられた少なくとも1つの第2の永久磁石と、
をさらに備えている、実施形態7または8に記載の装置。
【0033】
10.前記少なくとも1つのブラケットが放射源または放射線検出器に取り付けられている、実施形態9に記載の装置。
【0034】
11.前記少なくとも1つの第1の永久磁石および前記少なくとも1つの第2の永久磁石は、前記回転部の軸方向に正味の力を及ぼすことはないが、前記ブラケットならびに当該ブラケットに取り付けられ、前記回転部および第1の(環状)フランジの軸方向外側に配設された放射源または放射線検出器等の任意の機器の重量によって生じた傾転力(荷重)またはモーメントのバランスまたはオフセットを取る正味のトルクまたはモーメントを当該回転部に及ぼす、実施形態9または10に記載の装置。
【0035】
12.前記少なくとも1つの第1の永久磁石が、前記固定ハウジングの垂直方向において、前記少なくとも1つの第2の永久磁石よりも高い位置に配設されている、実施形態9〜11のいずれかに記載の装置。
【0036】
13.前記少なくとも1つの第1の永久磁石が、前記(環状)取り付けフランジの垂直方向における大略最上位置またはそれに近接して配設され、前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記(環状)取り付けフランジの垂直方向における大略最下位置またはそれに近接して配設されている、実施形態9〜12のいずれかに記載の装置。
【0037】
14.前記少なくとも1つの第1の永久磁石および/または前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記回転部の回転軸を通って延在する当該回転部の垂直軸に対して鏡面対称的に間隔を空けた少なくとも2つの別個の異なる永久磁石で構成された、実施形態9〜13のいずれかに記載の装置。
【0038】
15.各永久磁石に取り付けられたチャネリング鋼板または部材をさらに備えている、実施形態9〜14のいずれかに記載の装置。
【0039】
16.前記第1の(環状)フランジに近接するように前記(環状)取り付けフランジの第1の軸方向面に取り付けられた少なくとも1つの第1のランディングパッドと、
前記第2の(環状)フランジに近接するように前記(環状)取り付けフランジの第2の軸方向面に取り付けられた少なくとも1つの第2のランディングパッドと、
をさらに備えている、実施形態9〜15のいずれかに記載の装置。
【0040】
17.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが滑り軸受または滑り軸受パッドである、実施形態16に記載の装置。
【0041】
18.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが摩耗性グラファイト材料等の摩耗性材料を含む、実施形態16または17に記載の装置。
【0042】
19.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが、前記(環状)取り付けフランジに取り付けられたその他任意の機器よりも当該(環状)取り付けフランジから更に離れた軸方向の外表面を有する、実施形態16〜18のいずれかに記載の装置。
【0043】
20.好ましくは(環状)取り付けフランジの周囲においてそれぞれ等間隔に配設された2つ以上の第1のランディングパッドおよび/または2つ以上の第2のランディングパッドをさらに備えている、実施形態16〜19のいずれかに記載の装置。
【0044】
21.任意選択でフランジを有さないか、半径方向外側に延在する第1のフランジを1つ有するか、または回転部に間隔をおいて結合されるとともに、当該回転部から半径方向外側に延在する少なくとも第1および第2の(たとえば環状の)フランジを有する当該回転部であって、当該回転部および任意選択の第1および/または第2の(環状)フランジのそれぞれが少なくとも部分的に透磁性の材料を含み、回転軸周りに回転自在な回転部と、
前記回転部または任意選択の第1の(環状)フランジに取り付けられ、第1の軸方向において、前記回転部および任意選択の第1の(環状)フランジの軸方向外側に延在する少なくとも1つのブラケットまたはドラムと、
前記第1の軸方向に前記回転部および/または任意選択の(両)フランジを磁気的に引っ張るように構成された少なくとも1つの第1の永久磁石と、
前記第1の軸方向とは(直線的に)反対側の第2の軸方向に前記回転部および/または任意選択の(両)フランジを磁気的に引っ張るように構成された少なくとも1つの第2の永久磁石と、
を備えている、装置。
【0045】
22.前記少なくとも1つのブラケットが、前記回転部によって回転される放射源および/または放射線検出器等の少なくとも1つの機器に取り付けられている、実施形態21に記載の装置。
【0046】
23.前記ドラムが、前記回転部によって回転される放射源および/または放射線検出器等の少なくとも1つの機器を含み、任意選択で少なくとも1つのブラケットを介して当該回転部および/または任意選択の(両)フランジに取り付けられている、実施形態21または22に記載の装置。
【0047】
24.前記少なくとも1つの第1の永久磁石および前記少なくとも1つの第2の永久磁石は、前記回転部の軸方向に正味の力を及ぼすことはないが、前記ブラケットならびに当該ブラケットに取り付けられた放射源および/または放射線検出器等の前記機器の重量によって生じる傾転力(荷重)またはモーメントのバランスまたはオフセットを取る正味のトルクまたはモーメントを当該回転部に及ぼす、実施形態21〜23のいずれかに記載の装置。
【0048】
25.前記少なくとも1つの第1の永久磁石が、前記回転部の垂直方向において、前記少なくとも1つの第2の永久磁石よりも低い位置に配設されている、実施形態21〜24のいずれかに記載の装置。
【0049】
26.前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記回転部または任意選択の(環状の)(両)フランジの垂直方向における大略最上位置またはそれに近接して配設され、前記少なくとも1つの第1の永久磁石が、前記回転部または任意選択の(環状の)(両)フランジの垂直方向における大略最下位置またはそれに近接して配設されている、実施形態21〜25のいずれかに記載の装置。
【0050】
27.前記少なくとも1つの第1の永久磁石および/または前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記回転部の回転軸を通って延在する当該回転部の垂直軸に対して鏡面対称的に間隔を空けた少なくとも2つの別個の異なる永久磁石で構成されている、実施形態21〜26のいずれかに記載の装置。
【0051】
28.各永久磁石に取り付けられたチャネリング鋼板または部材をさらに備えている、実施形態21〜27のいずれかに記載の装置。
【0052】
29.たとえば(i)前記回転部の半径方向延在面に隣接するか、(ii)前記任意選択の単一(環状)フランジの半径方向延在面に隣接するか、または(iii)前記任意選択の第1および第2の(環状)フランジ間の空間内へ半径方向内側に延在する少なくとも1つの(たとえば環状の)取り付けフランジを有する固定ハウジングをさらに備え、
前記少なくとも1つの第1の永久磁石が、前記少なくとも1つの(環状)取り付けフランジの第1の軸方向面に取り付けられ、
前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記少なくとも1つの(環状)取り付けフランジの第1の軸方向面とは反対側の第2の軸方向面に取り付けられている、実施形態21〜28のいずれかに記載の装置。
【0053】
30.前記回転部または任意選択の(環状の)(両)フランジの第1の軸方向面に近接して取り付けられた少なくとも1つの第1のランディングパッドと、
前記回転部または任意選択の(環状の)(両)取り付けフランジの第2の軸方向面に近接して取り付けられた少なくとも1つの第2のランディングパッドと、
をさらに備えている、実施形態21〜29のいずれかに記載の装置。
【0054】
31.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが滑り軸受または滑り軸受パッドである、実施形態30に記載の装置。
【0055】
32.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが摩耗性グラファイト材料等の摩耗性材料を含む、実施形態30または31に記載の装置。
【0056】
33.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが、軸方向において、前記回転部および/または任意選択の(環状の)(両)フランジに軸方向に隣接して取り付けられた軸方向アクチュエータ等の任意の機器の軸方向幅よりも大きな幅を有する、実施形態30〜32のいずれかに記載の装置。
【0057】
34.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが、前記少なくとも1つの(環状)取り付けフランジに取り付けられたその他任意の機器よりも当該少なくとも1つの(環状)取り付けフランジから更に離れた軸方向の外表面を有する、実施形態33に記載の装置。
【0058】
35.好ましくは前記少なくとも1つの(環状)取り付けフランジの周囲においてそれぞれ等間隔に配設された2つ以上の第1のランディングパッドおよび/または2つ以上の第2のランディングパッドをさらに備えている、実施形態30〜34のいずれかに記載の装置。
【0059】
36.任意選択でフランジを有さないか、半径方向外側に延在する第1のフランジを1つ有するか、または回転部に間隔をおいて結合されるとともに、当該回転部から半径方向外側に延在する少なくとも第1および第2の(たとえば環状の)フランジを有する当該回転部であって、当該回転部および任意選択の第1ならびに/または第2の(環状)フランジのそれぞれが少なくとも部分的に透磁性の材料を含み、回転軸周りに回転自在な回転部と、
前記回転部および/または(環状の)(両)フランジの第1の軸方向面に近接して取り付けられた少なくとも1つの第1のランディングパッドと、
前記回転部および/または(環状の)(両)フランジの第1の軸方向面とは反対側の第2の軸方向面に近接して取り付けられた少なくとも1つの第2のランディングパッドと、
を備えている、装置。
【0060】
37.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが滑り軸受または滑り軸受パッドである、実施形態36に記載の装置。
【0061】
38.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが摩耗性グラファイト材料等の摩耗性材料を含む、実施形態36または37に記載の装置。
【0062】
39.たとえば(i)前記回転部の半径方向延在面に隣接するか、(ii)前記任意選択の単一(環状)フランジの半径方向延在面に隣接するか、または(iii)前記任意選択の第1および第2の(環状)フランジ間の空間内へ半径方向内側に延在する少なくとも1つの(たとえば環状の)取り付けフランジを有する固定ハウジングをさらに備え、
前記少なくとも1つの第1のランディングパッドが、前記少なくとも1つの(環状)取り付けフランジの第1の軸方向面に取り付けられ、
前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが、前記少なくとも1つの(環状)取り付けフランジの第1の軸方向面とは反対側の第2の軸方向面に取り付けられている、実施形態36〜38のいずれかに記載の装置。
【0063】
40.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが、軸方向において、前記回転部および/または任意選択の(環状の)(両)フランジに軸方向に隣接して取り付けられた軸方向アクチュエータ等の任意の機器の軸方向幅よりも大きな幅を有する、実施形態36〜39のいずれかに記載の装置。
【0064】
41.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが、前記少なくとも1つの(環状)取り付けフランジに取り付けられたその他任意の機器よりも当該(環状)取り付けフランジから更に離れた軸方向の外表面を有する、実施形態40に記載の装置。
【0065】
42.好ましくは前記(環状)取り付けフランジの周囲においてそれぞれ等間隔に配設された2つ以上の第1のランディングパッドおよび/または2つ以上の第2のランディングパッドをさらに備えている、実施形態36〜41のいずれかに記載の装置。
【0066】
43.前記回転部の回転軸が実質的に水平方向に延在しており、任意選択で±30°傾転可能である、実施形態1〜42のいずれかに記載の装置。
【0067】
44.前記回転部を(前記)垂直方向に持ち上げる力を生成するように構成され、前記第1および第2の(環状)フランジ間に配設された少なくとも1つの持ち上げアクチュエータをさらに備えている、実施形態1〜43のいずれかに記載の装置。
【0068】
45.前記少なくとも1つの持ち上げアクチュエータが、前記回転部、前記第1ならびに第2のフランジ、およびこれらに取り付けられたその他任意の機器の重量の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも95%を持ち上げるように構成された少なくとも1つの永久磁石を備えている、実施形態44に記載の装置。
【0069】
46.前記少なくとも1つの持ち上げアクチュエータが、可変磁界を生成するように構成された電磁石を備えている、実施形態44または45に記載の装置。
【0070】
47.前記少なくとも1つの持ち上げアクチュエータが、受動単極アクチュエータ、能動単極アクチュエータ、受動多極アクチュエータ、および/または能動多極アクチュエータのうちの少なくとも1つを備えている、実施形態44〜46のいずれかに記載の装置。
【0071】
48.前記回転部の半径方向における当該回転部の位置に影響を及ぼすように構成され、当該回転部と少なくとも1つの非磁気軸受間の当該回転部の半径方向における(環状)ギャップの維持を回転部の回転中に少なくとも支援するように構成された少なくとも1つの半径方向アクチュエータであって、前記固定ハウジングの(環状)取り付けフランジに取り付けられるとともに前記回転部の第1および第2のフランジ間に配設された少なくとも1つ半径方向アクチュエータをさらに備えている、実施形態1〜47のいずれかに記載の装置。
【0072】
49.前記回転部の周囲に配設され、前記固定ハウジングの(環状)取り付けフランジに取り付けられた少なくとも第1および第2の半径方向アクチュエータ対を備え、当該第1および第2の各半径方向アクチュエータ対の2つの半径方向アクチュエータが、任意選択で、垂直軸からたとえば45°の角度で鏡面対称的に当該垂直軸から等しく隔てられている、実施形態48に記載の装置。
【0073】
50.前記各半径方向および/または軸方向アクチュエータのそれぞれが、能動多極アクチュエータおよび/または能動単極アクチュエータを備えている、実施形態48または49に記載の装置。
【0074】
51.前記回転部の半径方向外側に隣接して配設され、少なくとも一時的に当該回転部を回転自在に支持可能な少なくとも1つの非磁気軸受をさらに備え、前記回転部の外周が、好ましくは前記非磁気軸受の半径方向内側対向表面の直径よりもわずかに小さな直径を有している、実施形態1〜50のいずれかに記載の装置。
【0075】
52.前記少なくとも1つの非磁気軸受が、滑り軸受および転がり軸受から選択される、実施形態51に記載の装置。
【0076】
53.前記回転部が、その長手方向の長さよりも大きな外径を有する、実施形態1〜52のいずれかに記載の装置。
【0077】
54.前記回転部が、患者を受け入れるように寸法設定された中空内部を有する、実施形態1〜53のいずれかに記載の装置。
【0078】
55.前記装置が診断用スキャン装置であり、たとえば(前記)ブラケットを介して一体回転するように前記回転部に搭載された(前記)放射源をさらに備えている、実施形態1〜54のいずれかに記載の装置。
【0079】
56.前記回転部が積層された透磁性の材料を含み、(前記)半径方向アクチュエータが多極アクチュエータを備え、磁束線と平行に延在する積層を備え、および/または前記軸方向アクチュエータが単極である、実施形態1〜55のいずれかに記載の装置。
【0080】
57.前記回転部が、その長手方向の長さよりも大きな外径を有し、当該回転部の外径が、好ましくは長手方向の長さの少なくとも2倍、より好ましくは長手方向の長さの少なくとも5倍、さらに好ましくは長手方向の長さの少なくとも8倍、なお好ましくは長手方向の長さの少なくとも10倍である、実施形態1〜56のいずれかに記載の装置。
【0081】
58.(前記)少なくとも1つの半径方向アクチュエータが、前記回転部の半径方向に当該回転部を回転自在に支持するように構成された非磁気軸受と置き換えられ、当該非磁気軸受が、任意選択でたとえば滑り軸受または転がり軸受である、実施形態1〜57のいずれかに記載の装置。
【0082】
59.(前記)少なくとも1つの軸方向アクチュエータが、前記回転部の軸方向に当該回転部を案内するように構成された非磁気軸受と置き換えられ、当該非磁気軸受が、任意選択でたとえば滑り軸受または転がり軸受である、実施形態1〜58のいずれかに記載の装置。
【0083】
60.前記回転部の半径方向および/または軸方向における位置を検出するように構成された少なくとも1つの位置センサーをさらに備えている、実施形態1〜59のいずれかに記載の装置。
【0084】
61.前記固定ハウジングに搭載され、たとえば少なくとも前記環状回転部の非回転時における当該環状回転部の支持および/またはたとえば磁気軸受システムの障害または故障中における少なくとも一時的な当該環状回転部の回転自在な支持を行うように構成された少なくとも1つの補助的な非磁気軸受をさらに備えている、実施形態1〜60のいずれかに記載の装置。
【0085】
62.患者または対象のスキャン、撮像、または治療を行う方法において、
実施形態1〜61のいずれかに記載の前記装置の前記回転部を回転させるステップと、
前記回転部に取り付けられた(前記)回転放射源を駆動して前記患者または対象に放射を行うステップと、
を含む方法。
【0086】
63.スキャンまたは撮像する前記患者または対象の透過後または散乱後の減衰した放射線信号を検出するステップをさらに含む、実施形態62に記載の方法。
【0087】
前記特定の1または複数の実施形態または本明細書に開示するその他の実施形態の構造および/または構成によって、以下のような一定の効果が得られる。ただし、これらに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0088】
(i)信頼性の向上および/または保守の削減によって、機械の運転時間を長くすることができ、生産性が向上する。
【0089】
(ii)ノイズおよび/または振動の低減によって、オペレータまたは患者に対する機械の威圧感を抑えることができ、信頼性および耐用年数のさらなる向上が可能となる。
【0090】
(iii)磁気軸受システムが1または複数のアクチュエータで生成される磁力を調整することによって動作中にアンバランスを補償することができるため、回転系のアンバランスの公差が大きく、バランスを取るために必要な製造公差を抑えることができ、製造コストおよび/またはバランスを再度取るための補修コストが削減可能となる。
【0091】
(iv)製造公差を狭くしてしまう隙間遊びの設定を必要とする転がり軸受固有の問題が回避されるか、または少なくなる。
【0092】
(v)回転部/ガントリおよび/またはガントリ/回転部を支持する機械軸受の機械的な調整ではなく電子制御により、システムの非動作時にリアルタイムでガントリ/回転部の3次元空間における位置を自動調整可能である。
【0093】
(vi)潤滑を削減または不要とすることで、たとえば病院またはその他の医療施設等の無菌環境において、グリースの所要量が最小限に抑えられるか、または不要となる。
【0094】
(vii)回転速度が大きくなることによって、必要なスキャン画像の収集に要する時間の短縮による患者または対象の放射源への曝露の抑制および/または心臓の鼓動をスキャンする場合等のフリーズモーション(すなわち、被写体ブレが極小または皆無の画像の生成)のための高速画像の取得が可能となる。および/または、
【0095】
(viii)たとえば回転部と支持軸受間において物理的接触がないことからシステムの主要な回転要素の摩耗が抑制または回避されるため、システムの保守の必要がさらに抑えられ、耐用期間が長くなる。
【0096】
(ix)周囲環境の汚染物質に対する過敏性が抑制または除去される。
【0097】
(x)磁気軸受要素の電子制御によって、システム状態のオンライン/遠隔モニタリングが可能となる。
【0098】
(xi)動作中のトルク損失が少なくなる。
【0099】
(xii)磁気軸受要素による自動位置調整/修正によって、衝撃に対する過敏性が抑制される。および/または、
【0100】
(xiii)たとえば回転部および取り付けられた構成要素に関して、製造公差が緩和される。
【0101】
当然のことながら、特許付与された請求の範囲は、前記特定または下記の効果を奏さなくてもよいし、そのうちの1または複数を奏するものであってもよいし、および/または本明細書に明記していない1または複数の効果を奏するものであってもよい。
【0102】
本発明のその他の実施形態、効果、特徴、および詳細については、図面を参照することにより以下の例示的な実施形態の説明から導き出せる。
【発明を実施するための形態】
【0104】
以下に開示する付加的な特徴および教示はそれぞれ、その他の特徴および教示と別個または同時に用いることによって、環状回転部の改良された軸受、および/または軸受アセンブリ、および/または診断用スキャンシステムのほか、その設計、構築、および使用方法を提供するようにしてもよい。本発明の代表的な実施例は、これら付加的な特徴ならびに教示の多くを別個および組み合わせとして利用するものであり、添付の図面を参照しつつ以下にさらに詳述する。この詳細な説明は、本発明の好適な態様を実施するためのさらなる詳細を当業者に教示することを意図したに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。したがって、以下の詳細な説明に開示する特徴およびステップの組み合わせは、本発明をその最も広い意味において実施するのには必要でない場合もあり、本発明の代表的な実施例を具体的に説明するために教示するに過ぎない。
【0105】
さらに、前記「発明の概要」項の様々な特徴、代表的な実施例、および従属請求項は、厳密かつ明確に列挙しない方法によって、本発明の有用な実施形態を別途提供するように組み合わせてもよい。また、本明細書および/または請求の範囲に開示するすべての特徴は、本来の内容を開示することと、実施形態および/または請求の範囲における特徴の構成から独立して請求の主題を制限することを目的として、別個に独立して開示することを意図したものであることは明らかである。また、事象群の値の範囲または目安はすべて、本来の内容を開示することと、請求の主題を制限することを目的として、考え得るすべての中間値または中間事象を開示していることは明らかである。
【0106】
図1は、たとえばコンピュータ断層撮影(CT)機1において使用可能なリング状回転部の第1の代表的な軸受構成の側面図である。図中右側の方向矢印が示すように、同図の紙面がXY平面を表しており、紙面と垂直すなわちXY平面と垂直にZ軸が延びている。
【0107】
一般的に、コンピュータ断層撮影機1は、Z軸に沿って延在する中央ボアを有する固定ガントリハウジング(図示せず)を備えていてもよい。また、このボアに患者テーブルを挿入し、Z軸に沿って移動させることにより、テーブル上に横たわる患者等の対象をスキャンするようにしてもよい。好適なCT用途において、ボアは、少なくとも1mの直径を有するのが好ましい。ただし、ボアの直径は、本発明の具体的な用途によって決まるため、様々なボア直径が可能である。また、後述の通り、本明細書に開示する磁気軸受構成は、診断用スキャン装置に限らず、その他の回転用途に使用してもよい。CT機1は、本発明の具体的な態様をさらに詳述するための適当な実施形態に過ぎない。
【0108】
固定ガントリハウジングには、回転部または環状ガントリ6が回転自在に配設されている。回転部6は、3次元的に見て実質的に管状の形状を有するのが好ましい。すなわち、中空内部4を有するのが好ましい。中空内部4は、ガントリハウジングのボアと同心であるため、撮像動作中にスキャンする患者等の対象を回転部6の中空内部4に受け入れ可能である。
【0109】
回転部6の半径方向は実質的に、撮像面である垂直なXY平面にある。回転部6の軸方向は、Z方向に延びている。動作中、回転部6は、水平方向すなわちZ方向に延在する回転軸8の周りに回転するため、XY平面内で回転する。すなわち、回転部6の半径方向は、実質的に垂直な平面内にある。ただし、回転部6の回転面は、好ましくは垂直面から最大およそ±30°外れた平面で回転部6が回転できるように、垂直面から傾斜可能であるのが好ましい。ただし、本発明では、さらに大きな傾斜も考慮している。
【0110】
以下に詳述するように、磁気軸受システムの影響または案内の下で回転部6が回転している場合には、1または複数の非磁気的または補助的な軸受28と回転部6との間に環状のギャップまたは隙間5が存在するため、回転部6の摩擦なしの軸受が可能である。
【0111】
回転部6は、動作中におよそ0.25〜1.5mmの範囲の環状ギャップ5が存在することで全体の磁気ギャップがおよそ0.5〜3.0mmとなるように、好ましくは回転部6の周りに配設された非磁気軸受28の内径よりもわずかに小さな直径の外周11を有する。ただし、回転部6の回転中、環状ギャップ5は、可能な限り小さいのが好ましい。当然のことながら、環状ギャップ5が小さくても、それは本発明の範囲内である。原理上、環状ギャップ5のサイズは、回転部6の製造公差によって決まり、十分に大きく寸法設定することによって、正常動作(回転)中はハウジングまたは軸受28の如何なる固定部とも回転部6が接触しないようにするのが好適または一般的である。
【0112】
一実施形態においては、たとえばギア機構または回転部6に巻き付けられたベルトを介して、モーターにより回転部6を回転自在に駆動するようにしてもよい。他の実施形態においては、直接駆動型モーターにより回転部6を回転自在に駆動するようにしてもよい。この場合、直接駆動型モーターのローターは、CT機1の回転部6と同一または実質的に同一のサイズ/直径を有し、CT機1の回転部6に直接結合または接続されている。
【0113】
本発明の好適なCT用途において、回転部6は、コンピュータ断層画像の生成に必要な1または複数の構成要素を支持する。たとえば、回転部6には、以下の機器のうちの1または複数が一体回転するように搭載されていてもよい。すなわち、X線管(より一般的には放射源2)ならびにそのコリメーション機構、X線検出器(より一般的には放射線検出器3)、データ取得システム、電源、および冷却システムであるが、これらは当技術分野において周知であり、本明細書で詳細に説明する必要のないものである。一般的に、これらの構成要素は、回転部6が正常な回転速度で回転する際に、質量および重心の静的および動的なバランスが実質的に取られるように、回転部6上に配置される。通常は、構成要素においても回転部6上への載置においても、所望の製造公差水準では、動的および静的なバランスを正確に取ることはできない。本発明の任意選択的な一態様においては、回転部6の周りに配設された1または複数種のアクチュエータ10、12、14の磁界を調整することにより、動的なアンバランスを動作中にリアルタイムで修正するようにしてもよい。
【0114】
放射源2は、
図1の回転部6と一体回転するように、当該回転部6に搭載されていてもよい。放射線検出器または検出器アレイ3は、中空内部4に配置された対象(たとえば患者)を通過後の減衰した放射線を検知または検出するように構成されており、回転部6の反対側に搭載されていてもよい。あるいは、検出器アレイが回転部6と一体回転しないように、固定ガントリハウジングの上または周囲に固定検出器アレイが搭載されていてもよい。上述の通り、通常は回転部6にその他様々な種類の構成要素が搭載されることになるが、そのような他の構成要素の詳細は、本発明とは特に関係がない。
【0115】
回転する回転部6に搭載された前記様々な構成要素は、たとえばデータおよび電力の交換を可能とする1または複数のスリップリングを介して、固定CT制御装置(図示せず)と接続していてもよい。この追加または代替として、回転部6に搭載された構成要素とCT制御装置との間は、無線で接続していてもよい。また、CT制御装置は、任意選択でモーターおよび/または磁気軸受(すなわち、少なくとも半径方向および軸方向アクチュエータ12、14)を制御するようにしてもよいし、別個の磁気軸受制御装置を設けるようにしてもよい。CT制御装置は、撮像要素からの信号を処理し、当技術分野において周知の方法でユーザー向けのCT画像を生成する。
【0116】
図1〜
図4を参照して以下にさらに詳述する第1の代表的な実施形態において、回転部6は、本明細書においてアクチュエータと称する3種類の磁気軸受によって、半径方向および軸方向に案内される。磁気軸受によれば、非接触の回転が可能となるため、保守を最小限に抑えられるとともに、潤滑剤が不要となる。
【0117】
より具体的に、ガントリハウジング(またはガントリハウジングに取り付けられた別の構成要素)には、回転自在な回転部6に対して固定の位置で、少なくとも1つの持ち上げアクチュエータ10、少なくとも1つの半径方向アクチュエータ12、および少なくとも1つの軸方向アクチュエータ14が搭載されている。当然のことながら、アクチュエータ10、12、14は、3次元空間(X、Y、およびZ方向)における回転部6の位置に影響を及ぼす磁界を生成可能である。したがって、回転部6は、鉄鋼材等の透磁性の材料(すなわち、磁界に引き付けられる材料)を少なくとも部分的に含む。ただし、材料は鉄鋼材に限定されない。少なくとも半径方向および軸方向アクチュエータ12、14は、可変磁界を生成可能であるのが好ましい。また、持ち上げアクチュエータ10についても、任意選択で可変磁界を生成するように構成されていてもよい。これについては、第2の代表的な実施形態において後述する。
【0118】
前記少なくとも1つの持ち上げアクチュエータ10は、たとえばXY平面の最上部等、回転部6の垂直方向最上部またはその隣接部に配設されているのが好ましい。
図2を参照して、持ち上げアクチュエータ10は、ステータコア16および少なくとも1つの永久磁石18を備えているのが好ましい。本実施形態において、持ち上げアクチュエータ10には半径方向アクチュエータ12と異なる符号を付しているが、当然のことながら、持ち上げアクチュエータ10は単に半径方向アクチュエータ12を変更したものであってもよいし、および/または特定の実施形態においては、半径方向アクチュエータ12で置き換えたものであってもよい。これについては、以下に詳述する。
【0119】
本発明のCT用途において、回転部6とそのすべての搭載構成要素とを合わせた重量は、およそ1000kg等の比較的大重量であってもよい。したがって、このような用途においては、少なくとも1つの永久磁石18を用いて、動作中に回転部6を持ち上げる仕事の大半または大部分を行うことにより、回転部6と補助軸受28間の環状ギャップを維持するようにすれば費用効率が高くなる。このように、永久磁石18を用いて、半径方向すなわちXY平面における回転部6の位置に影響を及ぼすアクチュエータ10、12の電磁石部に対する負荷要求を低減することにより、システム全体の効率を向上するようにしてもよい。
【0120】
たとえば、特に好適な実施形態においては、回転部6の重量の少なくともおよそ90%を持ち上げられるように、永久磁石18の寸法設定および選択を行ってもよい。より一般的には、回転部6の重量のおよそ50〜150%、好ましくは70〜130%、より好ましくは80〜120%を持ち上げられるように、永久磁石18の寸法設定および選択を行ってもよい。持ち上げアクチュエータ10が回転部6の重量の100%以上を持ち上げられる場合、半径方向アクチュエータ12の一部が、動作中に回転部6を持ち上げアクチュエータ10から引き離すように動作して、回転部6と持ち上げアクチュエータ10に隣接して配設された非磁気軸受28との間の環状ギャップ5を維持する。この追加または代替として、持ち上げアクチュエータ10は、永久磁石18が生成する磁束の一部を相殺またはオフセットすることによって、持ち上げアクチュエータ10の動作中の全体的な持ち上げ能力を低減させる可変磁界を生成するように構成された電磁石を備えていてもよい。
【0121】
図2には示していないが、持ち上げアクチュエータ10の磁束線は、大略YZ平面において延び、ステータコア16の様々な部分および永久磁石18を通過し、回転部6とステータコア16間の隙間またはギャップを横切って、回転部6の隣接部を通過する、たとえば実質的に円形の閉路である。
【0122】
当然のことながら、持ち上げアクチュエータ10は永久磁石を含む必要がなく、たとえば後述する半径方向アクチュエータ12のうちの1つに係る電磁石等、1または複数の電磁石によって回転部6を持ち上げる仕事の全体を実行するようにしてもよい。さらに、特定の実施形態においては、持ち上げアクチュエータ10を完全に省略して、2つ以上の半径方向アクチュエータ12で置き換えることも可能であり、これら各半径方向アクチュエータは永久磁石を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
【0123】
あるいは、持ち上げアクチュエータ10は、受動的および能動的のいずれであってもよい。すなわち、少なくとも1つの永久磁石および少なくとも1つのコイルを備えて、電磁石として構成してもよい。これについては、
図6の実施形態に関して後述する。
【0124】
すべての方向性アクチュエータ10、12、14に関して、これらアクチュエータの機能を分割することにより、一部のアクチュエータを永久磁石(すなわち、コイルなし)としてのみ構成し、一部のアクチュエータを電磁石(たとえばコイル/ステータコア構成のみ)としてのみ構成することも可能である。たとえば、永久磁石および電磁石の両者を有するものとして本明細書に開示する単一のアクチュエータを2つの別個のアクチュエータに分割して、受動的および能動的な磁気機能をそれぞれ実行するようにしてもよい。
【0125】
再び
図1を参照して、ガントリハウジングには、4つの半径方向アクチュエータ12が搭載され、回転部6の外周に配設されていてもよい。以下に詳述する通り、半径方向アクチュエータ12の数は、本発明に従って変更可能であり、4つより多くても少なくてもよい。ただし、一般的に、半径方向アクチュエータ12は、2〜5つが特に好ましい。
【0126】
図3は、第1の実施形態に係る代表的な半径方向アクチュエータ12をさらに詳しく示した図である。この半径方向アクチュエータ12は、少なくとも1つのステータコア20およびコア20に巻回された少なくとも1つのコイル22を有する電磁石を備えている。本実施形態の半径方向アクチュエータ12は永久磁石を備えていないが、そのような設計変更も可能である。さらに、
図3の断面図は1つのコア20および1つのコイル22しか示していないが、各半径方向アクチュエータ12は、
図1に示すように、1または複数のコア20に巻回された1または複数のコイル22を備えていてもよい。
【0127】
半径方向アクチュエータ12は、非磁気的または補助的な軸受28に対して、XY平面すなわち回転部6の半径方向における当該回転部6の位置を動作中に調整するように設計されている。したがって、半径方向アクチュエータ12は、回転部6の回転中に環状ギャップ5が適当な距離または半径方向長さとなるように動作または制御が行われるため、回転部6は補助軸受28と接触しない。これにより、回転部6は、動作中に摩擦なく回転することになる。
【0128】
たとえば、
図1を参照して、ガントリハウジングの中心ボアに理想的な回転軸8’を設定してもよく、この回転軸は、Z軸方向に延びているのが好ましい。この理想的な回転軸8’は、動作中に回転部6と補助軸受28間の環状ギャップ5の最適または理想的な間隔を提供する。各半径方向アクチュエータ12は、個別に制御するのが好ましい(持ち上げアクチュエータ10が任意選択に電磁石を含む場合も同様)。この場合は、回転部6の実際の回転軸8と理想的な回転軸8’とが動作中に整合または実質的に整合するように、各半径方向アクチュエータ12が生成する磁界の強度を可変的に調整する(持ち上げアクチュエータ10が任意選択で電磁石を含む場合も同様)。すなわち、XY平面における実際の回転軸8と理想的な回転軸8’とのずれは、半径方向アクチュエータ12(10)を介して回転部6に異なる強度の磁界を印加し、ずれが除去または少なくとも実質的に低減されるように回転部6を適当な方向に引っ張ることによって、修正または最小化可能である。
【0129】
本実施形態の持ち上げアクチュエータ10は、受動的な磁気源(すなわち、永久磁石18)しか備えていないため、能動的な制御は行われない。ただし、XY平面における回転部6の位置は、持ち上げアクチュエータ10および半径方向アクチュエータ12が生成する各磁力によって制御または決定される。上述の通り、持ち上げアクチュエータ10がコイルを備える場合は、回転部6のXY位置の制御に能動的に関与可能である。たとえば、コイルは、回転部6の正常動作および/または初期浮上において、連続的または一時的なバイアス電流またはオフセット力を提供可能である。
【0130】
当然のことながら、
図1に示す理想的な回転軸8’と実際の回転軸8間の距離は、説明のために誇張したものであって、正確な縮尺ではない。実際のところ、2つの軸8、8’間の距離は、およそ1mm以下であるのが好ましい。
【0131】
持ち上げアクチュエータおよび半径方向アクチュエータ12に隣接する回転部6の周囲部の少なくとも一部には、透磁性の材料が含まれる。さらに、
図1に示すように、回転部6の左上および右上に配設された2つの半径方向アクチュエータ12は、動作中に回転部を持ち上げる仕事の一部を担うことも可能であるため、下側の2つの半径方向アクチュエータ12よりも大きな磁界を生成するように構成されていてもよい。たとえば、
図1に示す上側の2つの半径方向アクチュエータ12は、任意選択で回転部6を受動的に持ち上げる永久磁石を備えていてもよい。ただし、他の実施形態において、半径方向アクチュエータ12はすべて、同一または実質的に同一に構成されていてもよい。
【0132】
別の実施形態において、たとえば持ち上げアクチュエータ10が回転部6の重量を超えた持ち上げを行うように設計されている場合、下側の2つの半径方向アクチュエータ12は、持ち上げアクチュエータ10から回転部6を引き離せるように、より大きなものであってもよい。
【0133】
半径方向アクチュエータ12は、回転部6の周囲において等間隔もしくは実質的に等間隔または別の構成で、ガントリハウジングに搭載されていてもよい。
図1に示す実施形態において、4つの半径方向アクチュエータ12は、上側の対および下側の対として配設されており、各対の2つの半径方向アクチュエータ12は、回転部6の周囲において互いに90°離間している。すなわち、中心軸8を通って延在する垂直軸から45°離間している。当業者であれば、本発明の特定の用途に応じてその他様々な半径方向アクチュエータ12の構成が可能であり、半径方向アクチュエータ12を互いに反対の位置に配設する必要がないことが分かるであろう。
【0134】
図3には示していないが、磁束線は、たとえば大略XY平面において(すなわち、
図3の紙面に垂直に)延在する実質的に円形の閉路状に延び、ステータコア20を通過して、ステータコア20と回転部6間の隙間を横切り、回転部6の隣接部を通過する。半径方向アクチュエータ12のコアは、回転部6の周方向すなわち磁束線と平行に、互いに隣接して配設された複数の積層を備えているのが好ましい。この積層構成には、渦電流を低減でき、動的制御(dF/dt)を改善できるという効果がある。
【0135】
また、
図1〜
図4の実施形態は、ガントリハウジングに搭載された3つの軸方向アクチュエータ対14を備えている。上側の2つの軸方向アクチュエータ対14は、理想的な回転軸8’を含むYZ平面に関して鏡面対称に配設されているのが好ましい。3つ目の軸方向アクチュエータ14は、回転部6の底部もしくはその近傍または垂直方向最下部に配設されている。ただし、当然のことながら、軸方向アクチュエータ14が対で配設される必要はなく、および/または上側の軸方向アクチュエータ対14が鏡面対称に配設される必要もない。さらに、本発明の特定の実施形態においては、使用する軸方向アクチュエータ14が3つより多くても少なくてもよい。
【0136】
図4を参照して、代表的な軸方向アクチュエータ14は、それぞれコイル26が巻回された一対のステータコア24を備えている。この2組のコア24およびコイル26は、間隔を空けて実質的に平行に配設されており、好ましくは、この半径方向に延在する間隔の少なくとも一部において回転部6の環状フランジ7が半径方向に延在するように、ガントリハウジングに搭載されている。
【0137】
軸方向アクチュエータ対14は、Z軸方向すなわち回転する回転部6の軸方向において、当該回転部6の位置を可変的に調整するように構成されている。すなわち、軸方向アクチュエータ14は、個別に制御するのが好ましく、ステータコア24およびコイル26の各組が生成する磁界の強度を変化させることによって、実質的にコア24とコイル26の対間の間隔の中ほどに環状フランジ7を維持する。たとえば、環状フランジ7(ひいては回転部6)が
図4において右方向に大きく横滑りした場合(
図1においては、紙面の手前から奥に向かって回転部6が移動することに相当)、
図4の左側への力が右側よりも大きくなるように軸方向アクチュエータ対14の制御が行われ、
図4の左側に環状フランジ7(ひいては回転部6)が引っ張られる。
【0138】
当然のことながら、軸方向アクチュエータ14の設計は、本発明の範囲から逸脱することなく変更してもよい。たとえば、2組の対向するコア24およびコイル26間において半径方向に延在する間隔が形成されるように、コア24およびコイル26を互いに直接向かい合わせて配設する必要はない。その代わり、直接対向するコア24およびコイル26を用いずに、1つのコア24およびコイル26の各組を回転部6の周囲に配設するようにしてもよい。さらに、Z軸方向において、環状フランジ7の両側に同数のコア24およびコイル26を配設する必要もない。ただし、一般的には、Z軸方向に見て環状フランジ7の各面に少なくとも1組のコア24およびコイル26を配設することにより、少なくとも1つのアクチュエータ14によって、Z軸に沿った両方向に回転部6が引っ張られるようにするのが好ましい。さらに、単極の軸方向アクチュエータ14を図示しているが、多極の軸方向アクチュエータを使用することも可能である。
【0139】
図4には示していないが、磁束線は、たとえば大略YZ平面において延在する実質的に楕円形の閉路状に延び、ステータコア24の様々な部分を通過して、ステータコア24と環状フランジ7間の隙間25を横切り、環状フランジ7の隣接部を通過する。
【0140】
また、回転部6の外周11と軸方向アクチュエータ対14のステータコア24間のギャップは、必ずしも正確な縮尺で示しておらず、相対的に大きなものであってもよい。この場合は、回転部6とコア24間のより大きなギャップに対応するように、軸方向アクチュエータ対14を半径方向外側に移動させるとともに環状フランジ7を半径方向にさらに延在させるようにしてもよい。
【0141】
再び
図1を参照して、回転部6の外周のガントリハウジング上には、少なくとも1つの位置センサー9が配設されているのが好ましい。本実施形態においては、実質的に等間隔の4つの位置センサー9を使用している。
【0142】
各位置センサー9は、XY(垂直)平面(半径方向)および/またはZ軸方向(軸方向)の回転部6の位置を検知または検出するように構成されているのが好ましい。これら位置センサー9としては、回転部6の軸方向および半径方向の両方の移動を検知するように対で配置された非接触式誘導型位置センサーが好ましい。また、位置センサー9が生成する信号は、磁気軸受制御装置に送信され、信号処理され、少なくとも半径方向および軸方向アクチュエータ12、14の各磁界の調整により、理想的な回転軸8’および/または理想的な軸(Z軸)方向位置からの回転部6の位置ずれを修正するのが好ましい。
【0143】
また、たとえばシステム障害または停電の場合のフェイルセーフとして、ガントリハウジングには、回転部6を回転自在に支持する1または複数の補助的な非磁気軸受28を搭載するのが好ましい。さらに任意選択の実施形態においては、前記補助軸受28のうちの1または複数によって、動作中に回転部6を回転自在に支持する機能の一部を担うようにしてもよい。ただし、回転部6が摩擦なく回転するように、動作中に回転部を支持するすべての仕事をアクチュエータ10、12、14によって担うのが好ましい。
【0144】
補助軸受28は、たとえばスリーブ、ブッシング、またはジャーナル等、1または複数の滑り軸受として具現化してもよいし、玉軸受、アンギュラコンタクト軸受、または円筒ころ軸受等、1または複数の転がり軸受であってもよい。また、補助軸受28は、回転部6の周囲全体にわたって連続的に延在していてもよく、たとえば、回転部6全体を完全に囲んで回転自在に支持する単一の大型軸受として具現化してもよい。あるいは、補助軸受28は、
図1に示すような離間した玉軸受28または滑り軸受の不連続部位等、1または複数の個別要素を備えていてもよい。また、補助軸受は、任意選択で1または複数のラジアル空気軸受を備えていてもよい。
【0145】
図1に示すように、補助軸受28は、任意選択でガントリハウジングに搭載された深溝玉軸受28として具現化してもよく、理想的な回転軸8’を含むYZ平面に関して鏡面対称に配設されていてもよい。ただし、当然のことながら、補助軸受28は、回転部6周りで等間隔に配設されていてもよいし、
図1に示すように、上側および下側の補助軸受28が相対的に互いに近接して配設されていてもよい。
【0146】
また、補助軸受28は、半径方向内側対向軸受表面を有し、その内径が、補助軸受28の当該半径方向内側対向軸受表面に隣接して配設された回転部6の半径方向最外部の外径よりもわずかに大きいのが好ましい。したがって、正常動作中は、この直径のわずかな差によって、回転部6のいずれの部分も、回転部6の回転中に補助軸受28と接することはない。ただし、たとえばアクチュエータ10、12、14のうちの1または複数が故障した場合等には、回転部6の外側部が安全に補助軸受28と接触する場合があり、補助軸受28は、たとえば回転部6の減速中等、少なくとも一時的に回転部6の回転を支持する。
【0147】
なお、本明細書において、回転部6の外周11と固定ガントリハウジングに搭載された補助軸受28間の半径方向の環状ギャップの幅は、回転部6の外周11と固定ガントリハウジングに搭載された持ち上げアクチュエータ10、半径方向アクチュエータ12、および/または位置センサー9間の半径方向の環状ギャップの幅よりも小さいのが好ましい。この場合、持ち上げアクチュエータ10、半径方向アクチュエータ12、および/または位置センサー9は、回転部6との接触が防止され、たとえばシステム故障の場合等にこれらの構成要素が保護される。好適な実施形態において、補助軸受28における環状ギャップの幅は、たとえば持ち上げアクチュエータ10、半径方向アクチュエータ12、および/または位置センサー9に対する環状ギャップの幅のおよそ半分であってもよい。
【0148】
前記の追加または代替として、環状フランジ7の各軸方向面および/または回転部6の本体の各軸方向面に1または複数の補助軸受を載置し、この補助軸受によって、軸方向すなわちZ方向における回転部6の移動範囲を固定または限定するのが適当な場合もある。本実施形態においても、補助軸受と環状フランジ7および/または回転部6の本体間の軸方向のギャップまたは間隔の幅は、軸方向アクチュエータ対14の各面と環状フランジ7間のギャップ25の幅よりも小さいのが好ましく、ギャップ25の幅のおよそ半分であるのがより好ましい。この場合には、軸方向アクチュエータ14(特に、ステータコア24)は、回転部6との接触が防止される。このような補助軸受は、たとえば滑り軸受または転がり軸受等、本明細書に記載の補助軸受のいずれかより選択してもよい。以下に詳述する好適な実施形態においては、ガントリハウジングまたは回転部6の一方に取り付けられた直線状または曲線状の軸受が、たとえばガントリハウジングまたは回転部6の他方に取り付けられたリングシャフトと一体的に機能するようにして、軸方向すなわちZ方向における回転部6の移動を少なくとも部分的に限定または固定するようにしてもよい。
【0149】
好適な実施形態において、持ち上げアクチュエータ10は、およそ5〜15kN(キロニュートン)、より好ましくはおよそ7〜12kNの定格出力を有する受動単極半径方向アクチュエータである。半径方向アクチュエータは、およそ1.5〜5.5kN、より好ましくはおよそ1.5〜4.5kN、たとえばおよそ1.8kNの定格出力を有する能動多極アクチュエータである。軸方向アクチュエータは、およそ0.5〜6.0kN、より好ましくはおよそ1.0〜5.0kN、たとえばおよそ1.08kNの定格出力を有する能動多極アクチュエータ対である。このような仕様であれば、直径がおよそ1m、重量がおよそ1000kgの回転部6に適当である。当然のことながら、これらの仕様を変更して、本発明が他の用途に適応するようにしてもよい。
【0150】
図5〜
図7を参照して、第2の代表的なコンピュータ断層撮影機1’を説明する。以下では、第1の代表的な実施形態との差異のみを詳述することによって、これら2つの実施形態に同一の要素または特徴の説明を省略する。さらに、
図5には放射源2および放射線検出器3を示していないが、当然のことながら、第2の代表的な実施形態の回転部6にも一方または両方の機器2、3が搭載されていてもよい。
【0151】
図5は、XY平面におけるコンピュータ断層撮影機1’を示した図である。ここでも当然のことながら、Z軸は、同図の紙面と垂直に延びている。第2の代表的な実施形態は、アクチュエータ10、12、14の配置に関して、2つの半径方向アクチュエータ12’のみが回転部6の下側半分に設けられており、
図1に示す上側の2つの半径方向アクチュエータ12が省略されている点が第1の代表的な実施形態と異なる。さらに、第2の代表的な実施形態では、位置センサー9が4つではなく3つしか用いられておらず、上側および下側の補助軸受28が
図1よりもわずかに大きく間隔を空けている。
【0152】
図6は、前記実施形態のいずれかにおいて使用可能な変形例としての持ち上げアクチュエータ10’を示した図である。この持ち上げアクチュエータ10’は、ステータコア16に巻き付けられたコイル30を含む点で
図2と異なる。したがって、持ち上げアクチュエータ10’は能動的なアクチュエータであり、永久磁石18が生成する受動的な永久磁界に加えて可変磁界も生成可能である。
【0153】
このような実施形態において、電磁石(コイル30およびコア16)は、動作中に回転部を持ち上げる仕事の一部を担うことにより、永久磁石18が生成する回転部持ち上げ力を補うようにしてもよい。ただし、別の実施形態において、この電磁石は、永久磁石18が生成する磁束の一部を相殺する磁界を生成するものであってもよい。
【0154】
図6の持ち上げアクチュエータ10’の磁束線は、
図2の持ち上げアクチュエータ10の磁束線と実質的に同様に延びている。
【0155】
図7は、同じく前記実施形態のいずれかにおいて使用可能な変形例としての半径方向アクチュエータ12’を示した図である。
図7では、XY平面においてステータコア32にコイル34が巻き付けられている。
【0156】
図7の半径方向アクチュエータ12’において、磁束線は、たとえば大略YZ平面において延在する実質的に円形の閉路状に延び、ステータコア32の様々な部分を通過して、ステータコア32と回転部6間のギャップを横切り、回転部6の隣接部を通過する。
【0157】
第2の代表的な実施形態においては、
図4の軸方向アクチュエータ14を変更せずに用いてもよい。あるいは、軸方向アクチュエータ14は、多極であってもよい。
【0158】
以下の説明は、第1ならびに第2の代表的な実施形態の両者、およびそれらの変形例に適用可能である。
【0159】
回転部6の中空内部4の内径は、およそ1mが好ましい。ただし、本発明の特定の用途に応じて、より大きな直径またはより小さな直径が適当な場合もある。さらに、システム1、1’は、およそ300回転/分の回転速度が可能なように設計されているのが好ましい。ただし、本発明には、より高い速度またはより低い速度も含まれる。たとえば、本発明の特定の実施形態においては、最大およそ1200回転/分、さらには最大2000回転/分の回転速度まで考慮する。
【0160】
種々アクチュエータのステータコアは、積層単極コアが好ましいが、固体コア(ソリッドコア)および/または多極コアについても考慮している。
図1〜
図4の第1の代表的な実施形態では、単極アクチュエータと多極アクチュエータとが混在しているのが好ましい。一方、
図5〜
図7の第2の代表的な実施形態では、すべて単極アクチュエータであってもよい。当然のことながら、一般的には、固体のコアおよびローターの製造コストが低いものの、積層のコアおよびローターの方が性能的に有利である。当業者は、本発明の特定の用途に基づいて、最適なアクチュエータを自由に選択可能である。
【0161】
回転部6についても、固体でもよいし積層でもよい。一実施形態においては、多極半径方向アクチュエータとともに積層の回転部6を用いてもよく、この場合は、高い動的制御が可能となる。
【0162】
アクチュエータ10、12、14は、一般的には10個のアクチュエータに対して10個の増幅器を設ける当技術分野において公知の標準的な磁気軸受制御装置を用いて制御するようにしてもよい。たとえば、アクチュエータ制御は、SKF社から入手できる型式番号MB4160の磁気軸受制御装置によって行うようにしてもよい。
【0163】
代表的な制御プロセスでは、位置センサー9を用いて半径方向および軸方向両方の回転部位置を測定することから始めるようにしてもよい。センサー9からの信号は、磁気軸受制御装置に送信され、半径方向および軸方向における回転部6の理想的な位置を表す1または複数の値と比較される。この理想的な位置は、機械の起動もしくは初期化中、または機械の動作中に動的にプログラミングしてもよいし、制御装置に入力するようにしてもよい。実際の位置と理想的な位置との間に差異があれば、回転部を理想的な位置に引き戻すのに必要な電流または力の変化が計算される。この計算は、各アクチュエータのコイルにそれぞれ接続された電力増幅器へのコマンドに変換される。このコマンドは、好ましくは各コイルのうちの1または複数に対する電流を増加または減少させる命令を含んでいてもよい。特定のコイルへの電流が増加となった場合、当該アクチュエータおよび回転部の隣接部を通る磁束線が増加するため、回転する構成要素および固定された構成要素間の力も大きくなる。その結果、回転部は、制御の軸に沿って、当該特定のアクチュエータへと移動することになる。様々な磁束線を回転部6に印加すると、様々な方向において、そのベクトルに対応して回転部6に移動方向が与えられる。
【0164】
前記2つの代表的な実施形態では単一の持ち上げアクチュエータ10、10’を示しているが、当然のことながら、持ち上げアクチュエータの機能は、2つ以上の持ち上げアクチュエータ10、10’に分割することも可能である。たとえば、ガントリハウジングの上側半分に対して、理想的な回転軸8’を含むYZ平面に関して鏡面対称に2つの持ち上げアクチュエータ10、10’を搭載することも可能である。その結果として2つの持ち上げアクチュエータ10、10’が生成する持ち上げベクトルは、垂直方向または実質的に垂直方向であるのが好ましい。
【0165】
参考として、代表的なCT機1の様々な要素についての代表的な寸法を示す。ただし、これらに限定されるものではない。たとえば、回転部6は、好ましくは半径方向の幅がおよそ25mm、Z軸方向の深さがおよそ81mmであってもよい。軸方向アクチュエータ14のステータコア24は、半径方向の幅がおよそ50mm、Z軸方向の深さがおよそ30mmであってもよい。ステータコア24と環状フランジ7間のギャップ25(
図4参照)は、Z軸方向における環状フランジ7の各面において、動作中はおよそ1mmに維持するのが好適または理想的である。持ち上げおよび/または半径方向アクチュエータ10、12は、好ましくは半径方向の幅がおよそ57mm、Z軸方向の深さがおよそ60mmであってもよい。
【0166】
アクチュエータ10、10’、12、12’は、回転部6に対向する側において、回転部6の外面形状に相応して湾曲しているのが好ましい。すなわち、回転部対向面が半円形であるのが好ましい。これは、磁石および/またはステータコアの回転部対向面が半円形であるのが好ましいことを意味する。また、軸方向アクチュエータ14は、直線状であるのが好ましい。ただし、曲線状の構成も可能である。
【0167】
回転部6上の軸受およびセンサー表面は、積層および/または固体であってもよい。また、回転部6は、単一の一体的構成要素(すなわち、1つの構造物)として構成されていてもよいし、それぞれが磁気材料および/または非磁気材料で構成された、複数の部品のアセンブリであってもよい。
【0168】
第1および第2の代表的な実施形態は、5軸の能動制御を提供する。あるいは、これら軸のうちの1または複数を受動的に浮上させてもよいし(すなわち、能動制御なし)、永久係合の転動体、摺動、空気/流体軸受、またはその他任意の種類の軸受によって機械的に制御するようにしてもよい。
【0169】
少なくとも半径方向および軸方向アクチュエータ12、14は(ならびに、電磁石を有する場合は持ち上げアクチュエータ10も)、位置センサー9からの信号を用いた閉ループフィードバックにより制御することによって、ガントリ/回転部位置を調整するのが好ましい。一例として、この制御は、独立した軸制御(単入力単出力:SISO−Single Input,Single Output)または組み合わせ軸制御(多入力多出力:MIMO−Multiple Input,Multiple Output)に基づいていてもよい。
【0170】
アクチュエータ10、12、14、センサー9、および補助軸受28はすべて、大略1つのXY平面に存在するものとして示しているが、当然のことながら、これら様々な構成要素は、軸方向のある距離だけ離隔した2つ以上のXY平面に配置されていてもよい。複数の垂直面に配置された構成要素を用いる場合、各垂直面は、その他任意の平面と同数、それよりも少ない、または多い構成要素(たとえば軸受、センサー等)を有していてもよい。
【0171】
システム1は、統合回転モーターを備え、回転部6と固定構成要素間の電気接点(たとえばブラシ)を有していても有していなくてもよい。
【0172】
また、無停電電源を用いて、システムの堅牢性を向上させてもよい。
【0173】
また、本発明は、垂直または実質的に垂直な回転軸周りに回転する、すなわち回転面が水平または実質的に水平である環状回転部6として容易に変更することができる。この場合、環状回転部の上方には少なくとも1つの持ち上げアクチュエータが配設され、少なくとも環状回転部の回転中は、環状回転部を垂直方向に持ち上げる。たとえば、環状回転部6または環状フランジ7の周囲において、2つ以上の持ち上げアクチュエータを互いに実質的に等距離の間隔を空けて配設してもよい。持ち上げアクチュエータは、回転部6の軸方向の位置に影響を及ぼす(すなわち、回転部6の軸方向が垂直方向に延びている)ため、好ましくは前記軸方向アクチュエータ14の機能の少なくとも一部を担ってもよく、
図3の軸方向アクチュエータ14と実質的に同様に構成してもよい。ただし、回転部6の垂直方向上側に少なくとも1つの永久磁石を設けることによって、受動的な持ち上げ能力を付与するのが好ましい。このようにすれば、システム全体の効率が向上する。
【0174】
以上から、持ち上げアクチュエータを軸方向アクチュエータと組み合わせることにより、環状回転部6の周囲において好ましくは等間隔に1または複数対のアクチュエータを設けるようにしてもよい。その結果、このような実施形態の持ち上げ/軸方向アクチュエータは、垂直方向上下に回転部6を引っ張ることができる。
【0175】
このような実施形態においては、回転部6の半径方向における当該回転部6の位置に対して、少なくとも1つの半径方向アクチュエータが影響を及ぼす。ここでも、回転部6の周囲には、少なくとも3つの半径方向アクチュエータを配設するのが好ましく、このような半径方向アクチュエータは、
図3および
図7の半径方向アクチュエータ12、12’と同様に構成してもよい。
【0176】
本発明の別の変形例においては、磁気アクチュエータ10、10’、12、12’、14のうちの1または複数を非磁気軸受で置き換えてもよい。たとえば、回転部6の軸方向の位置を制御する磁気軸受を使用しつつ、半径方向においては、非磁気軸受(たとえばブッシングまたは転がり軸受)によって、回転部6の外周表面を回転自在に支持することも可能である。この追加または代替として、回転部6は、1または複数の非磁気軸受によって軸方向に支持または案内してもよい。また、磁気軸受を用いて、動作中に回転部6を半径方向に回転自在に支持するようにしてもよい。このように、特定の実施形態においては、持ち上げアクチュエータ、半径方向アクチュエータ、および/または軸方向アクチュエータ(軸方向アクチュエータ対)のうちの1または複数を本明細書中(前記または下記)に開示の非磁気軸受のうちの任意の1または複数で置き換えてもよい。簡素化を目的として、当然のことながら、本明細書に記載の非磁気軸受はいずれも、持ち上げ、半径方向、および/または軸方向アクチュエータ(磁気軸受)の置き換えとして適しており、磁気軸受および非磁気軸受の各組み合わせをすべて本明細書中に開示する。
【0177】
本発明は、CT機に特に限定されず、好ましくは任意の回転部用途において利用可能である。この場合、回転部6の回転軸は、実質的に水平または垂直面内にある。ただし、これらの面からの様々な傾斜についても考慮している。回転部6は、固体または実質的に固体であってもよい。あるいは、回転部6は管状であってもよく、たとえば、少なくとも部分的に中空内部を有していてもよい。
【0178】
コンピュータ断層撮像システムの好適な放射源はX線源であるが、他の放射源および対応する検出器を用いることによって、たとえば陽電子放出断層撮影、電子ビーム断層撮影、または単一光子放出コンピュータ断層撮影を実現するようにしてもよい。さらに、その他の用途として、たとえばレーザーを含むイオン化放射源または非イオン化放射源等の放射源を回転部に取り付けてもよい。本発明は、高速回転部を用いて、目標対象物との相対回転中に非接触で動作する機器を支持する任意の用途に広く適用可能である。
【0179】
上述の通り、システム障害または停電時の「バックアップ」として多様な非磁気的補助軸受28を利用可能であるが、SKF社から入手できる型式番号LBBR25の直動玉軸受等の直動軸受も考えられる。原理上、補助軸受28の機能は、回転部6がガントリハウジングに直接接触するのを防止するとともに、回転する回転部6が動作中に予期せず軸受28に接触した場合またはシステムの非動作時(たとえば電源オフ)において、少なくとも一時的に回転部6の回転を支持することである。たとえば、磁気アクチュエータ10、10’、12、12’、14のうちの1または複数が動作中に正しく機能しなくなった場合でも、補助軸受28が少なくとも一時的に回転部6を回転自在に支持するため、運動する回転部6と固定ハウジングとの接触による回転部6の損傷は発生しない。
【0180】
直動玉軸受は一般的に、ブッシング等の管状ハウジング構造を備えており、この構造は、内側表面に形成または規定されるか、またはブッシング内に配設された保持器に形成された再循環球軌道等の複数の閉ループ溝を有する。各閉ループ溝は、直動軸受の長手方向に延在する一対の平行溝または軌道を有する。これら直線状の溝または軌道は、湾曲軌道等の曲線状(たとえば半円形)の溝または軌道によって各端部で接続されている。球は、各閉ループ溝において回転自在および移動自在に配設されており、管状構造を通って延在する円筒シャフトを支持する。この円筒シャフトが管状構造に対して直動軸受の長手方向に移動すると、球が各閉ループ溝または軌道を循環する。閉ループ溝の長手方向の一方側における球は、円筒シャフトの線形移動を支持するとともに、荷重受球として作用する。閉ループ溝の長手方向の他方側における球は、荷重を支持せず(すなわち、無負荷球であって)、円筒シャフトの移動方向と反対の方向に移動する。したがって、閉ループ溝の長手方向の非支持側の深さは、長手方向の荷重受側よりも深い。非荷重受側に配設された球は、管状面の内側表面に露出している必要はなく、たとえば、金属板構造で覆われていてもよい。
【0181】
また、閉ループ溝の荷重受側は、球と管状ハウジング構造間に配設された金属板構造等の荷重または軌道板で補強されていてもよい。さらに、管状ハウジング構造は、硬化プラスチックまたは金属、好ましくは現行の好適な用途における鋼材等の金属であってもよい。
【0182】
代表的な直動玉軸受に関するその他の教示は、米国特許第6,168,313号に見受けられる。同特許は、本明細書中に参考として援用する。
【0183】
本開示のさらに別の実施形態においては、回転部6またはガントリハウジングの一方にトーラス状またはトロイダル構造、好ましくはリングトーラスが搭載されている。回転部6およびガントリハウジングの他方には、直動玉軸受が搭載されていてもよい。トーラス状構造は、直動玉軸受を通って延在しており、金属で構成されているのが好ましい。このトーラス状構造は、硬化ワイヤ構造であってもよい。
【0184】
直動玉軸受は、回転部6に搭載されて、一体回転するのが好ましい。この場合、トーラス構造のシャフトは、ガントリハウジングに固定的に搭載されるか、または取り付けられており、直動玉軸受の内径よりもわずかに小さな外径を有する。このトーラス構造のシャフトの外径は、シャフトと直動軸受の長手方向各端部間の環状ギャップまたは隙間が回転部と磁気軸受/アクチュエータ間のギャップ(すなわち、磁気軸受が回転部6を浮上させて回転自在に支持している場合)よりも小さくなるように選択するのが好ましい。トーラス状構造は、正常動作中、直動玉軸受と接触せずに、回転部6が摩擦なく回転できるようにするのが好ましい。
【0185】
直動玉軸受の球は、鋼材等の金属であってもよいが、たとえば軸受等級の窒化ケイ素等のセラミック材料を含むか、または実質的にそのようなセラミック材料から成るのが好ましい。また、直動玉軸受の球再循環機構は、トーラス状構造が直動玉軸受に接触すなわち降着する一方、回転部6がたとえばおよそ300回転/分の最高速度(ただし、その他の最高回転速度も考慮)で回転している場合に、ゼロから10mへの瞬時的な加速ができる程度に補強されているのが好ましい。
【0186】
前記直動玉軸受に関する実施形態の変形例において、球を支持する管状ハウジング構造42は、曲線状とすることによって、
図8〜
図10に示すような曲線状の管状玉軸受41を形成するようにしてもよい。この曲線状の管状ハウジング構造42は、内部に移動自在に配設された大略トーラス状のシャフト40と同一または実質的に同一の曲率を有するのが好ましい。さらに、シャフト40は、前記磁気軸受システムの案内の下での回転部6の回転中、当該シャフト40と曲線状軸受41の内側表面43間に環状隙間48が存在するように、保持器46の内径よりもわずかに小さな外径を有するのが好ましい。この環状隙間48は、正常動作中、各曲線状軸受41の長さ全体および内部に配設されたシャフト40の部分に沿って、少なくとも実質的に一定であるのが好ましい。
【0187】
回転部6には、複数の曲線状軸受41(たとえば
図8Bに示すように12個)が等間隔で取り付けられていてもよい。シャフト40は、これら曲線状軸受41によって移動自在に支持されており、環状接続フランジ44を介して固定ガントリハウジングに取り付けられている(
図9および
図10参照)。フランジ44ひいてはシャフト40の固定ガントリハウジングへの接続については、簡素化と明瞭化のため図示していない。
【0188】
ただし、当然のことながら、この軸受/シャフト構成は、シャフト40が回転部6に取り付けられて一体回転するとともに曲線状軸受41が固定ガントリハウジングに取り付けられる、というように逆にしてもよい。
【0189】
前記直動玉軸受の別の変形例において、曲線状軸受41の保持器46の溝または軌道は、無負荷球経路がシャフト40の外周で曲線状となる代わりに荷重受経路の半径方向外側に配設されるように設計してもよい。たとえば、荷重受球と無負荷球間には、荷重受球を支持可能な金属荷重板が配設されていてもよい。この場合、荷重を支持(すなわち、リングシャフト40に接触)した後、球は、荷重受経路から半径方向外側に向かう第1の曲線状経路に沿って循環または移動した後、(荷重受経路の半径方向外側に直接配設された)無負荷経路に沿って循環または移動し、最終的には、半径方向内側に延在する曲線状経路に沿って循環または移動して、荷重受経路に再度到達する。このように、球は、直動玉軸受において一般的なコーナーまたは曲線状経路周りの移動の代わりに、斜面を上方に移動して再度リングシャフト40に接触する。本実施形態において、荷重受経路および無負荷経路は、両者ともに曲線状であって、2つの曲線が同心であるのが好ましい。また、この2つの曲線は、回転部6の半径方向に延びる同一の平面に配設されている。
【0190】
無負荷経路は、前記管状構造内に規定された曲線状管として実質的に構成されていてもよい。繰り返しになるが、この管状構造は、鋼材等の金属材料で構成されているのが好ましい。
【0191】
このような実施形態において、転動体は任意選択で円筒状であってもよい。
【0192】
前記直動玉軸受または曲線状玉軸受の別の変形例において、直動玉軸受または曲線状玉軸受は、円周方向に囲まれている必要はない。むしろ、
図10に最も分かり易く示すように、たとえば90〜120°で、およそ100°の開口が回転部6の軸方向すなわちZ軸方向に向かって、たとえば側面開口等、曲線状または直動軸受の長手方向の一側面に沿って延在していてもよい。このような開口であれば、リングシャフト40を回転部6の軸方向すなわちZ軸方向に移動させることによって、曲線状または直動軸受に対する当該シャフト40の取り付けおよび取り外しが容易となる。たとえば、この開口は、リングシャフト40の曲線状または直動軸受への取り付け時に、リングシャフト40が、当該軸受の側面の開口を通してスナップ嵌合するように寸法設定されていてもよい。したがって、曲線状または直動軸受の周方向における開口のサイズは、リングシャフト40の外径よりもわずかに小さいのが好ましい。
【0193】
曲線状軸受41にこのような側面開口が設けられている場合は、保持器46に5つの閉ループ球循環経路を設けて、リングシャフト40と接触する5つの荷重受球軌道が存在するようにするのが好ましい。このような曲線状軸受41は、前記CT用途の場合、およそ1500ニュートンの静的荷重負担能力を有するのが好ましい。さらに別の実施形態においては、各軸受点において2つの曲線状玉軸受41を用いるとともに、各軸受点がおよそ15°の間隔を空けていてもよい。これにより、回転部6の周囲に12個の軸受点が設けられる。各軸受カートリッジ41は、およそ15〜30cm、好ましくは20〜25cmの長さを有していてもよい。ただし、具体的な長さは、用途ごとのパラメータによって決まる。
【0194】
ここで
図11を参照して、前記回転部および軸方向アクチュエータ対の変形例を以下に説明する。この変形例は、本明細書に開示の前記または以下の実施形態のいずれかとともに用いるのが有利である。
【0195】
図11は、半径方向内側に延在する少なくとも1つの環状取り付けフランジ51を有する固定ハウジング(フレーム)50の一部を通る断面を示した図である。
【0196】
さらに、
図11は、YZ断面において実質的にU字形状を有する変形例としての回転部106を示している。すなわち、回転部106は、互いに間隔を空けるとともに少なくとも実質的に平行な状態で半径方向外側に延在する一対の環状フランジ107を備えている。したがって、これら2つの環状フランジ107間には、軸(Z軸)方向に中空の空間または収容部が画成されている。
【0197】
前記実施形態と同様に、各環状フランジ107は、環状回転部106の外周上または外周に近接して配設された透磁性の材料を少なくとも部分的に含む。
【0198】
環状フランジ107は、Z軸方向(長手方向)における回転部106の長手方向両縁部に配設されたものとして示しているが、当然のことながら、環状フランジ107は回転部106の長手方向各縁部の内側に配設してもよい。また、環状フランジ107は、互いに全体が平行なものとして示しているが、各フランジ107に取り付けられるか、または各フランジ107から延在する他の非平行構造に変更してもよい。ただし、フランジ107は、当該フランジ107間でY軸方向に延びる垂直軸に関して鏡面対称的に構成することによって、Z軸方向にバランスの取れた構造を提供するのが好ましい。
【0199】
回転部106およびフランジ107は、たとえば、回転部106およびフランジ107の一方が一体形成される(すなわち、両者間に継ぎ目なし)とともに、他方のフランジ107が回転部106に着脱自在に取り付け可能な着脱式プレート(リング)として形成されるようにするのが好ましい。ただし、両フランジ107を回転部106と一体形成したり、両フランジ107を着脱式プレート(リング)として形成したり、といったことも可能である。
【0200】
また、前記実施形態と同様に、少なくとも1つの軸方向アクチュエータ対を設け、少なくとも1つのコイル126がそれぞれ巻回された一対のステータコア124を備えている。ただし、本実施形態では、固定ハウジング50の環状取り付けフランジ51の軸方向両側において、2つのステータコア124が固定的に搭載されている。すなわち、コイル126が回転部106の2つの各環状フランジ107と関係するように、すなわち各環状フランジ107に近接して配設されるように、2組のコア124およびコイル126が実質的に平行に間隔を空けて配設されるとともに、環状取り付けフランジ51に搭載されている。前記実施形態と同様に、各ステータコア124/コイル126の軸方向最外部と隣接するフランジ107との間には、微小なギャップが設けられているため、特に回転部106が高速回転している場合にこれら部品間の接触は起こらない。
【0201】
図11に示す実施形態においては、第1のコイル126が生成する磁束への追加として第2のコイル127が設けられており、コイル126がその関連するステータコア124のアームにN(またはS)極を形成し、コイル127がその関連するステータコア124のアームにS(またはN)極を形成することで、コイル126、127が反対極性の磁石を形成する。このようにすることで、コイル126、127は、対として作用することにより、フランジ107とコア124間のギャップに、より強い磁界を生成する。
【0202】
前記実施形態と同様に、
図11の2つの軸方向アクチュエータは、Z軸方向すなわち回転する回転部106の軸方向に沿った当該回転部106の位置を可変的に調整するように構成されている。すなわち、軸方向アクチュエータの両側にそれぞれギャップを確保して、一対の回転部環状フランジ107間の間隔の実質的に中ほどに環状取り付けフランジ51が維持されるように、各ステータコア124上のコイル126、127を制御するのが好ましい。すなわち、各ステータコア124およびコイル126、127が生成する磁界の強度を変更するのが好ましい。
【0203】
たとえば、環状フランジ107(ひいては回転部106)が
図11において右方向に大きく横滑りまたは移動した場合(
図1においては、紙面の手前から奥に向かって回転部106が移動することに相当)、右側のコイル126、127が左側のコイル126、127よりも強く引っ張るようにコイル126、127の制御が行われ、
図11の左側に環状フランジ107(ひいては回転部106)が移動する。なお、持ち上げアクチュエータ10、10’および半径方向アクチュエータ12、12’についても、環状取り付けフランジ51に固定的に搭載されるのが好ましく、このように、U字状回転部106および環状フランジ107によって画成された収容部内に配設される。
【0204】
図11の実施形態は、前記実施形態との比較により、以下のような効果を奏する。
【0205】
第1に、回転部106の軸方向長さの範囲内に一対の軸方向アクチュエータ(すなわち、コイル126(127)およびステータコア124の両者)が配設されているため、CT機の軸方向すなわち長手(Z軸)方向において、回転部およびハウジングの設計をよりコンパクトにできる。すなわち、
図4の右側に見られるような一方のステータコア24およびコイル26の軸方向の張り出しが存在しない。
【0206】
第2に、2つの環状フランジ107を用いることにより、回転部アセンブリの全体的な剛性を向上させる補強部材としてこれら2つの環状フランジ107が作用するため、高速回転時の回転部106の反りを低減可能である。
【0207】
第3に、コイル126、127およびステータコア124を囲む2つの環状フランジ107を用いることによって、より優れた磁気遮蔽が得られる。周囲の構造すなわちハウジング50、回転部106、およびフランジ107によって、軸方向アクチュエータ対(ならびに持ち上げアクチュエータ10、10’および半径方向アクチュエータ12、12’)が生成する磁界が封じ込められるためである。したがって、CT機近傍のその他任意の機器に漏れ磁束が干渉する可能性は低い。
【0208】
図12は、本明細書に開示の前記または以下の実施形態のいずれかとともに用いるのが有利な本発明の別の変形例を示した図である。
【0209】
図11に示す実施形態と同様に、ここでも、2つの環状フランジ107を備えた実質的にU字形状の回転部106が設けられている。固定ハウジング50の環状取り付けフランジ51は、これら環状フランジ107間に配設されており、
図12においては説明のため幅広に示している。すなわち、環状取り付けフランジ51は、本明細書に開示の各実施形態と同じ幅であってもよい。
【0210】
回転部106の直径方向両側には、たとえばブラケット72を介して第1および第2のドラム(コンテナ)70、71が固定的に搭載されている。第1のドラム70がたとえばX線管等の放射源2を保持し、第2のドラム71がたとえば放射線検出器3を保持していてもよい。
【0211】
第1および第2のドラム70、71は、回転部106の長手方向(軸方向)の一方の縁部に搭載されているため、
図12の右方向または時計回り方向に作用する傾転力またはモーメントを生じる。この傾転力(モーメント)を打ち消すには、前記軸方向アクチュエータ対を用いることも可能であるが、1組の永久磁石61、62を設けること、つまり、環状取り付けフランジ51の軸方向(長手方向)の一方の面に少なくとも一方の永久磁石61、62を配設し、環状取り付けフランジ51の軸方向(長手方向)の反対側の面に少なくとも一方の永久磁石61、62を配設することがむしろ好ましい。
【0212】
前記の追加または代替として、環状フランジ107には、回転軸周り360°にわたって延在する単一のドラムを固定的に搭載することも可能である。この場合は、
図12の別個のドラム70、71で表される位置において、両側に機器を搭載する。
【0213】
永久磁石の各組は、2つのS極61および1つのN極62を備えていてもよいし、その逆であってもよい。磁石61、62は、取り付けブラケット60を介して環状取り付けフランジ51に固定的に搭載されている。また、磁石61、62の取り付けブラケット60とは反対側の軸方向面には、チャネリング鋼板(磁束誘導部材)63を取り付けて、磁界若しくは磁束を、隣接する環状フランジ107へと導くようにしてもよい。ここでも、各環状フランジ107は、環状回転部106の外周上または外周に近接して配設された透磁性の材料を少なくとも部分的に含む。したがって、永久磁石61、62の各組は、各環状フランジ107を引き寄せることによって、時計回り方向の傾転力またはモーメントを少なくとも部分的にオフセットする。この追加または代替として、2個、3個(
図12に示す)、または4個以上の極を有する永久磁石アセンブリを採用することも可能である。
【0214】
より具体的に、
図12の上側に示す(すなわち、ドラム70に近接した)磁石61、62の組は、右側の環状フランジ107を
図12の左方に引っ張る。一方、
図12の下側に示す(すなわち、ドラム71に近接した)磁石の組は、左側の環状フランジ107を
図12の右方に引っ張る。
【0215】
これら2組の磁石による引っ張りは、反対方向の同じ力であるのが好ましい。したがって、軸(長手)方向には正味の力が作用しない。ただし、回転部106には、ドラム70、71が生成するモーメントまたは傾転力のバランスまたはオフセットを効果的に取る正味のトルクまたはモーメントが働く。
【0216】
永久磁石61、62を用いることにより、軸方向アクチュエータ対(コイルおよびステータコア)の荷重が低減されるため、軸方向アクチュエータ対の設計を小型化および/または低消費エネルギー化可能である。さらに、CT機の電源オフ時であっても、永久磁石61、62が回転部106に及ぼす正味のトルクまたはモーメントは継続するため、回転部106が部分的に好適な直立位置に維持されることで、CT機の停止状態または故障時に固定補助軸受要素に対して軸方向に及ぼす力が最小限に抑えられるか、または不要となる。したがって、少なくとも2組の永久磁石61、62が環状フランジ107に及ぼす磁力は、ドラム70、71が生成する傾転力またはモーメントと全く同等または実質的に同等となるように選択するのが好ましい。
【0217】
図12においては、2組の永久磁石61、62を示しており、それぞれ回転部106に対して垂直方向の最上位置および垂直方向の最下位置に配設している。すなわち、永久磁石61、62は、回転部106をZ軸に沿って見た場合の12時の位置および6時の位置に配設している。
【0218】
ただし、3組以上の永久磁石61、62を用いて、ドラム70、71の傾転力またはモーメントをオフセットするようにしてもよい。たとえば、3組の永久磁石61、62を用いて、1組をたとえば垂直方向の最上位置(たとえばおよそ12時の位置)に配設し、その他の2組をハウジング50の下側部分に沿って、垂直軸(すなわち、Y軸方向に延在)に対して鏡面対称に、たとえば5時の位置と7時の位置または4時の位置と8時の位置等のように配設することも可能である。この場合、最上位置の組の永久磁石61、62は、ドラム70、71に最も近い軸方向面において環状取り付けフランジ51に取り付けられており、最下位置の2組の永久磁石61、62は、ドラム70、71から最も遠い軸方向面において環状取り付けフランジ51に取り付けられている。
【0219】
当然のことながら、永久磁石のその他様々な構成が考えられる。たとえば、永久磁石61、62は、軸方向アクチュエータ対24、26(124、126、127)とは別個に配設してもよいし、軸方向アクチュエータ対のうちの1または複数と一体化してもよい。この追加または代替として、ドラム70、71に最も近い環状取り付けフランジ51の軸方向面に2組以上の永久磁石61、62を配設してもよい。
【0220】
さらに、永久磁石61、62はそれぞれ、複数のより小さな磁石で構成されていてもよい。
【0221】
図13は、本明細書に開示の前記または以下の実施形態のいずれかとともに用いるのが有利な本発明のさらに別の変形例を示した図である。
【0222】
図13においては、環状取り付けフランジ51の軸方向両側にそれぞれランディングパッドホルダー76を介して、一対のランディングパッド(当接パッド)75が固定的に取り付けられている。ランディングパッド75は、滑り軸受または滑り軸受パッドと称してもよく、摩耗性グラファイト化合物で構成するのが好ましい。ただし、グラファイトの代わりに別の材料を用いてもよい。
【0223】
ランディングパッド75は、電源喪失等の故障時に回転部106を軸方向に支持するように設計されている。このようにしなければ、環状取り付けフランジ51(もしくは持ち上げアクチュエータ10、10’、半径方向アクチュエータ12、12’、軸方向アクチュエータ24、26(124、126、127)、位置センサー9、または回転部106および2つの環状フランジ107によって画成された収容部内に配設されたその他任意の繊細または脆弱な機器のいずれか)に対して環状フランジ107のうちの1つが衝突してしまう。すなわち、回転部106が左右いずれか(すなわち、軸方向)に大きく横滑りした場合は、回転部アセンブリ、電子機器(たとえばアクチュエータ)、またはハウジング50に悪影響を及ぼすことなく(すなわち、悪影響を最小限に抑えつつ)、環状フランジ107のうちの1つが、隣接するランディングパッド75と接触可能である。
【0224】
したがって、ランディングパッド75は、軸(長手)方向すなわちZ軸方向において、環状取り付けフランジ51に搭載されたその他の機器(たとえばアクチュエータ)のいずれよりも長くなるよう設計するのが好ましい。この場合は、環状フランジ107が隣接するランディングパッド75と接触するため、さらに軸方向に移動して環状取り付けフランジ51に搭載された繊細または脆弱な機器のいずれかを圧壊あるいは損壊してしまうことが阻止または防止される。
【0225】
図13には一対のランディングパッド75しか示していないが、当然のことながら、環状取り付けフランジ51の周囲には、複数対のランディングパッド75を配設してもよい。たとえば、環状取り付けフランジ51の周囲には、たとえば等間隔に、二対、三対、四対、五対、または六対以上のランディングパッド75を配設してもよい。さらに、ランディングパッド75は、任意選択として、対で配設してもよいし(すなわち、軸方向に互いに反対)、回転部106および/またはフランジ107の周方向に互いにオフセットして配設してもよい。
【0226】
本発明のさらに別の態様は、以下の通りである。ただし、これらに限定されるものではない。
【0227】
1.回転軸周りに回転するように構成され、(i)患者を受け入れるように寸法設定された中空内部と、(ii)直径よりも小さな長手方向の長さと、(iii)外周上または外周に近接して配設された透磁性の材料とを有する環状回転部と、
前記回転部と一体回転するように取り付けられた放射源と、
前記回転部の外周に配設された少なくとも1つの任意選択の非磁気軸受と、
3次元空間における前記回転部の位置に影響を及ぼすように構成され、好ましくは当該回転部の透磁性の材料と相互作用する磁界を生成するように構成された少なくとも3つのアクチュエータを備えた磁気軸受システムと、
を備え、
少なくとも1つの任意選択の持ち上げアクチュエータが、前記回転部を垂直方向に持ち上げる力を生成し、
少なくとも1つの任意選択の半径方向アクチュエータが、前記回転部の半径方向における当該回転部の位置に影響を及ぼすとともに、当該回転部と前記少なくとも1つの任意選択の非磁気軸受間の当該回転部半径方向における環状ギャップの維持を前記磁気軸受システムの制御下での当該回転部の回転中に少なくとも支援し、
少なくとも1つの軸方向アクチュエータが、たとえば前記回転部(および/またはその少なくとも1つの半径方向延在フランジ)と前記少なくとも1つの任意選択の非磁気軸受(たとえば軸方向ランディングパッド)間の当該回転部軸方向における環状ギャップを前記磁気軸受システムの制御下での当該回転部の回転中に維持することによって、当該回転部の軸方向における当該回転部の位置に影響を及ぼす、装置。
【0228】
2.前記回転部が、少なくとも部分的に透磁性の材料を含む少なくとも1つの環状フランジを備え、前記少なくとも1つの軸方向アクチュエータが当該環状フランジに近接して配設されている、態様1に記載の装置。
【0229】
3.前記少なくとも1つの軸方向アクチュエータは、互いに独立して可変磁界を生成するように構成した一対の軸方向アクチュエータを備え、前記環状フランジが、任意選択で当該一対の軸方向アクチュエータ間に画成された半径方向延在ギャップ内に配設されている、態様2に記載の装置。
【0230】
4.前記回転部の周りに固定的に配設され、互いに略等距離の間隔を空けた少なくとも3つの軸方向アクチュエータを備えている、態様1〜3のいずれかに記載の装置。
【0231】
5.前記少なくとも1つの持ち上げアクチュエータが、前記回転部の重量の少なくとも50%を持ち上げるように構成された少なくとも1つの永久磁石を備えている、態様1〜4のいずれかに記載の装置。
【0232】
6.前記少なくとも1つの持ち上げアクチュエータが、可変磁界を生成するように構成された電磁石を備えている、態様1〜5のいずれかに記載の装置。
【0233】
7.前記回転軸が実質的に水平方向に延びている、態様1〜6のいずれかに記載の装置。
【0234】
8.前記少なくとも1つの非磁気軸受が、滑り軸受および転がり軸受から選択される、態様1〜7のいずれかに記載の装置。
【0235】
9.少なくとも1つの環状フランジを有し、環状回転部および当該環状フランジの外周上または外周に近接して配設されている透磁性の材料を少なくとも部分的に含み、回転軸周りに回転自在な当該環状回転部と、
前記環状回転部に隣接して配設され、少なくとも一時的に当該環状回転部を回転自在に支持可能な少なくとも1つの任意選択の非磁気軸受であって、当該環状回転部の外周が、当該非磁気軸受の半径方向内側対向表面の直径よりもわずかに小さな直径を有する当該非磁気軸受と、
前記環状回転部の外周に隣接して配設された磁気軸受システムであって、
磁界を生成するとともに前記環状回転部の垂直方向上側部分に隣接して固定的に配設され、少なくとも前記回転軸周りにおける当該環状回転部の回転中に当該環状回転部を垂直方向に持ち上げる力を生成するように構成された少なくとも1つの任意選択の持ち上げアクチュエータと、
可変磁界を生成するとともに前記環状回転部の外周に隣接して固定的に配設され、当該環状回転部の回転中に当該環状回転部の半径方向における当該環状回転部の位置に影響を及ぼすことによって、前記少なくとも1つの非磁気軸受の半径方向内側対向表面と環状回転部の外周間の環状隙間を維持するように構成された少なくとも1つの任意選択の半径方向アクチュエータと、
可変磁界を生成するとともに前記少なくとも1つの環状フランジに隣接して固定的に配設され、前記環状回転部の軸方向における当該回転部の位置に影響を及ぼすことによって、好ましくは当該環状回転部および/または当該少なくとも1つの環状フランジと1または複数の軸方向ランディングパッド等の軸方向に隣接した任意選択の非磁気軸受間の所定の環状ギャップを維持するように構成された少なくとも1つの軸方向アクチュエータと、
を備えた磁気軸受システムと、
を備えている、装置。
【0236】
10.前記少なくとも1つの軸方向アクチュエータが、互いに独立して可変磁界を生成するように構成された一対の軸方向アクチュエータを備え、前記環状フランジが、任意選択で当該一対の軸方向アクチュエータ間に画成された半径方向延在ギャップ内に配設されている、態様9に記載の装置。
【0237】
11.前記回転部の周りに固定的に配設され、互いに略等距離の間隔を空けた少なくとも3つの軸方向アクチュエータを備えている、態様9または10に記載の装置。
【0238】
12.前記回転軸が実質的に水平方向に延びている、態様9〜11のいずれかに記載の装置。
【0239】
13.前記少なくとも1つの持ち上げアクチュエータが、前記環状回転部の重量の少なくとも50%を持ち上げるように構成された少なくとも1つの永久磁石を備えている、態様9〜12のいずれかに記載の装置。
【0240】
14.前記少なくとも1つの持ち上げアクチュエータが、可変磁界を生成するように構成された電磁石をさらに備えている、態様9〜13のいずれかに記載の装置。
【0241】
15.前記環状回転部の周囲に配設された少なくとも3つの半径方向アクチュエータを備えている、態様9〜14のいずれかに記載の装置。
【0242】
16.前記少なくとも1つの非磁気軸受が、滑り軸受および転がり軸受から選択される、態様9〜15のいずれかに記載の装置。
【0243】
17.前記回転部が、その長手方向の長さよりも大きな外径を有する、態様9〜17のいずれかに記載の装置。
【0244】
18.前記回転部が、患者を受け入れるように寸法設定された中空内部を有する、態様9〜17のいずれかに記載の装置。
【0245】
19.診断用スキャン装置であって、一体回転するように前記環状回転部に搭載された放射源をさらに備えている、態様9〜18のいずれかに記載の装置。
【0246】
20.前記回転軸が実質的に水平方向に延び、
前記少なくとも1つの持ち上げアクチュエータが、前記環状回転部の重量の少なくとも50%を持ち上げるように構成された少なくとも1つの永久磁石と、可変磁界を生成するように構成された電磁石とを備え、
前記少なくとも1つの非磁気軸受が、滑り軸受および転がり軸受から選択され、
当該装置が、
前記環状回転部の周りに固定的に配設された少なくとも3つの軸方向アクチュエータと、当該軸方向アクチュエータのそれぞれに設定された間隔をおいて配設された前記環状フランジと、
前記回転部の周囲に配設された少なくとも3つの半径方向アクチュエータと、
を備えている、態様19に記載の装置。
【0247】
21.前記放射源の大略反対で前記環状回転部に搭載された放射線検出器をさらに備えている、態様9〜20のいずれかに記載の装置。
【0248】
22.半径方向に延在する少なくとも1つの環状フランジを有し、少なくとも1つの周表面上または周表面に隣接して透磁性の材料を少なくとも部分的に含み、回転軸周りに回転自在な環状回転部と、
前記環状回転部の周囲に隣接して配設された少なくとも1つの任意選択の非磁気軸受と、
前記環状回転部の周囲部に隣接して配設され、前記少なくとも1つの非磁気軸受と当該環状回転部間の環状ギャップを維持するように、当該環状回転部の回転中、回転軸に垂直な平面において当該環状回転部の位置に影響を及ぼすように制御可能な少なくとも1つの任意選択の半径方向アクチュエータと、
互いに間隔をおいて前記環状回転部の周囲に配設された少なくとも3つの軸方向アクチュエータであって、前記少なくとも1つの環状フランジが任意選択として、当該軸方向アクチュエータのそれぞれに設定された間隔をおいて配設されており、各軸方向アクチュエータが、前記少なくとも1つの環状回転部の軸方向における当該環状回転部の位置に影響を及ぼすことによって、好ましくは当該環状回転部および/または当該少なくとも1つの環状フランジと1または複数の軸方向ランディングパッド等の軸方向に隣接した任意選択の非磁気軸受間の所定の環状ギャップを維持するように制御可能な電磁石を備えた当該軸方向アクチュエータと、
を備えている、装置。
【0249】
23.互いに間隔をおいて前記環状回転部の外周部に隣接して配設された少なくとも3つの半径方向アクチュエータを備え、当該半径方向アクチュエータのうちの少なくとも1つが、当該環状回転部の重量の少なくとも50%を垂直方向に持ち上げるように構成された少なくとも1つの永久磁石を備えている、態様22に記載の装置。
【0250】
24.前記環状回転部が、その長手方向の長さよりも大きな外径を有する、態様22または23に記載の装置。
【0251】
25.診断用スキャン装置であって、一体回転するように前記環状回転部に搭載された放射源をさらに備えている、態様22〜24のいずれかに記載の装置。
【0252】
26.前記アクチュエータのうちの少なくとも1つが積層コアを備えている、態様1〜25のいずれかに記載の装置。
【0253】
27.第1および第2の(たとえば環状の)フランジが、好ましくは平行に間隔をおいて前記回転部から半径方向外側に延在し、当該第1および第2の各フランジが少なくとも部分的に透磁性の材料を含む、態様1〜26のいずれかに記載の装置。
【0254】
28.前記第1のフランジが前記回転部と継ぎ目なく一体的に形成されており、前記第2のフランジが当該回転部に着脱自在に取り付けられている、態様27に記載の装置。
【0255】
29.前記回転部および前記フランジが、少なくとも実質的にU字状断面を有する回転部アセンブリを構成する、態様27または28に記載の装置。
【0256】
30.前記回転部およびフランジの隣接表面によって収容部が画成された、態様27〜29のいずれかに記載の装置。
【0257】
31.第1および第2の軸方向アクチュエータが前記収容部内に配設され、当該第1の軸方向アクチュエータが前記第1のフランジに作用するように構成され、当該第2の軸方向アクチュエータが前記第2のフランジに作用するように構成されている、態様30に記載の装置。
【0258】
32.前記第1および第2の各軸方向アクチュエータが、少なくとも1つのステータコアに巻回された少なくとも1つのコイルを備えている、態様31に記載の装置。
【0259】
33.前記第1および第2の各軸方向アクチュエータが、実質的にU字状のステータコアと、当該ステータコアの2つの脚部にそれぞれ巻回された2つのコイルとを備えている、態様30または31に記載の装置。
【0260】
34.前記第1および第2の環状フランジ間の空間内へ半径方向内側に延在する(たとえば環状の)取り付けフランジを有する固定ハウジングまたはフレームをさらに備え、前記第1および第2の軸方向アクチュエータが当該取り付けフランジに取り付けられている、態様31〜33のいずれかに記載の装置。
【0261】
35.好ましくは平行に間隔をおいて前記回転部から延在し、少なくとも部分的に透磁性の材料を含む(前記)第1および第2のフランジ間の空間内へ半径方向内側に延在する(前記)取り付けフランジを有する(前記)固定ハウジングまたはフレームと、
前記回転部に取り付けられるとともに放射源および/または放射線検出器を含む1または複数のドラムに最も近い軸方向面において前記取り付けフランジに取り付けられ、前記第1のフランジに近接した少なくとも1つの第1の永久磁石と、
前記回転部に取り付けられるとともに前記放射源および/または前記放射線検出器を含む前記1または複数のドラムから最も遠い軸方向面において前記取り付けフランジに取り付けられ、前記第2のフランジに近接した少なくとも1つの第2の永久磁石と、
をさらに備えている、態様1〜34のいずれかに記載の装置。
【0262】
36.前記少なくとも1つの第1の永久磁石および前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記回転部の軸方向に正味の力を及ぼすことはないが、前記ドラムの重量に起因する傾転力(荷重)またはモーメントのバランスまたはオフセットを取る正味のトルクまたはモーメントを当該回転部に及ぼす、態様35に記載の装置。
【0263】
37.前記少なくとも1つの第1の永久磁石が、垂直方向において、前記少なくとも1つの第2の永久磁石よりも高い位置に配設されている、態様35または36に記載の装置。
【0264】
38.前記少なくとも1つの第1の永久磁石が、前記取り付けフランジの垂直方向における大略最上位置に配設され、前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記取り付けフランジの垂直方向における大略最下位置に配設されている、態様35〜37のいずれかに記載の装置。
【0265】
39.前記少なくとも1つの第1の永久磁石および/または前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記回転部の垂直軸に対して鏡面対称に間隔を空けた少なくとも2つの別個の異なる永久磁石で構成されている、態様35〜38のいずれかに記載の装置。
【0266】
40.各永久磁石に取り付けられた少なくとも1つのチャネリング鋼部材または板をさらに備えている、態様35〜39のいずれかに記載の装置。
【0267】
41.好ましくは平行に間隔をおいて前記回転部から延在する(前記)第1および第2のフランジ間の空間内へ半径方向内側に延在する(前記)取り付けフランジを有する(前記)固定ハウジングまたはフレームと、
前記第1のフランジに近接するように一方の軸方向面において前記取り付けフランジに取り付けられた少なくとも1つの第1のランディングパッドと、
前記第2のフランジに近接するように反対側の軸方向面において前記取り付けフランジに取り付けられた少なくとも1つの第2のランディングパッドと、
をさらに備えている、態様1〜40のいずれかに記載の装置。
【0268】
42.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが滑り軸受または滑り軸受パッドである、態様41に記載の装置。
【0269】
43.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが摩耗性グラファイト材料等の摩耗性材料を含む、態様41または42に記載の装置。
【0270】
44.前記少なくとも1つの第1のランディングパッドおよび/または前記少なくとも1つの第2のランディングパッドが、前記取り付けフランジに取り付けられたその他任意の機器の軸方向の外側面よりも当該取り付けフランジから更に離れた軸方向の外表面を有する、態様41〜43のいずれかに記載の装置。
【0271】
45.前記取り付けフランジの周囲においてたとえば等間隔に配設された2つ以上の第1のランディングパッドおよび/または2つ以上の第2のランディングパッドをさらに備えている、態様41〜44のいずれかに記載の装置。