特許第6359311号(P6359311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6359311
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】コイルユニット
(51)【国際特許分類】
   H01F 38/14 20060101AFI20180709BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20180709BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20180709BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20180709BHJP
   H01F 27/30 20060101ALI20180709BHJP
   H01F 27/32 20060101ALI20180709BHJP
   H01F 5/02 20060101ALI20180709BHJP
   H01F 27/24 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   H01F38/14
   H02J50/10
   B60L11/18 C
   H01F27/28 K
   H01F27/30
   H01F27/32 150
   H01F5/02 J
   H01F27/24 M
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-66600(P2014-66600)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-191951(P2015-191951A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2017年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】西村 賢二
【審査官】 右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−099847(JP,A)
【文献】 特開平10−094104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 38/14
B60L 11/18
H01F 5/02
H01F 27/24
H01F 27/28
H01F 27/30
H01F 27/32
H02J 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触の電力伝送に用いられるコイルユニットであって、
磁性体を含んで形成され、一の方向に沿って延びる角部領域を有するコアと、
前記角部領域の少なくとも一部を覆い、前記コアから離れる方向に凸の曲面を有する保護部と、
前記一の方向に交わる他の方向に沿って延びるように、前記コア及び前記保護部の周囲に巻き回された導電線により形成されたコイルと、
を備え、
前記保護部上において、前記導電線は、前記曲面に沿って配設されており、
前記保護部は、前記コアの端部に相当する第1位置の厚さよりも、前記第1位置から前記コアの外側方向へ所定距離だけ離れた第2位置の厚さが大きい
ことを特徴とするコイルユニット。
【請求項2】
前記コアは、上面と、前記上面とは反対側の下面と、前記一の方向に沿って延びる側面と、を有し、
前記角部領域は、前記上面及び前記側面で形成された第1角部、前記下面及び前記側面で形成された第2角部、前記側面、前記上面のうち前記第1角部近傍の領域、並びに、前記下面のうち前記第2角部近傍の領域を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のコイルユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば非接触の電力伝送を実施可能な装置に用いられるコイルの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコイルとして、例えば、円盤状の磁性体コアの片側に円盤状のコイルが配置された所謂片側巻きコイルが提案されている(特許文献1参照)。或いは、角型の磁性体コアの周囲に導電線が巻回された所謂両側巻きコイルが提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
この種のコイルが非接触の電力伝送に用いられる場合、送電側のコイルと、受電側のコイルとが所定のギャップを介して対向配置される。電送効率の観点からは、送電側のコイルと受電側のコイルとが、コイルの上方から平面的に見て、一致するように配置されることが望ましい。しかしながら、実用上は、ある程度の位置ずれを許容する必要がある。
【0004】
ここで、水平方向の位置ずれの許容範囲は、コイルの周囲に発生する磁界の形状により決定される。そして、同程度のサイズであれば、中心磁界のある所謂片側巻きコイルよりも、所謂両側巻きコイルのほうが、位置ずれに対する許容範囲が大きい。
【0005】
他方で、所謂両側巻きコイルでは、磁性体コアに導電線が巻回されるため、導電線のうち、磁性体コアの角部に接する部分に比較的大きな負担がかかるという技術的問題点がある。
【0006】
この技術的問題点に対し、例えば断面が扁平状又は楕円状の磁性体コアを有する所謂両側巻きコイルが提案されている(特許文献3[図23]及び[図24]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−87733号公報
【特許文献2】特開2011−50127号公報
【特許文献3】特開2013−106477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献3に記載の技術では、例えば磁性体コアの製造・加工コストが比較的高くなるという技術的問題点がある。
【0009】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、コイルを形成する導電線にかかる負荷を抑制すると共に製造コストを抑制することができるコイルユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のコイルユニットは、上記課題を解決するために、非接触の電力伝送に用いられるコイルユニットであって、磁性体を含んで形成され、一の方向に沿って延びる角部領域を有するコアと、前記角部領域の少なくとも一部を覆い、前記コアから離れる方向に凸の曲面を有する保護部と、前記一の方向に交わる他の方向に沿って延びるように、前記コア及び前記保護部の周囲に巻き回された導電線により形成されたコイルと、を備え、前記保護部上において、前記導電線は、前記曲面に沿って配設されており、前記保護部は、前記コアの端部に相当する第1位置の厚さよりも、前記第1位置から前記コアの外側方向へ所定距離だけ離れた第2位置の厚さが大きい。
【0011】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施例に係るコイルユニットの平面図である。
図2図1におけるA−A´線断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。
図3】第1実施例に係る磁性体コアの斜視図である。
図4】第1実施例の変形例に係るコアケースの斜視図である。
図5】第2実施例に係るコイルユニットの平面図である。
図6図5におけるB−B´線断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。
図7】第2実施例に係る磁性体コアとコアガイドとの関係を示す概念図である。
図8】第2実施例の変形例に係るコアガイドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のコイルユニットに係る実施形態を説明する。
【0014】
実施形態に係るコイルユニットは、非接触の電力伝送に用いられるコイルユニットである。当該コイルユニットは、コア、保護部及びコイルを備えて構成されている。
【0015】
コアは、例えばフェライト等の磁性体を含んで形成されている。コアの端部には、一の方向に沿って延びる角部領域が形成されている。尚、「一の方向に沿う」とは、一の方向に並行という意味に限定されず、一の方向に沿っていると実線上みなせる範囲であれば、一の方向から大なり小なりずれた方向も含む概念である。後述の「他の方向に沿う」も同様の概念である。
【0016】
保護部は、コアの角部領域の少なくとも一部を覆っており、コアから離れる方向に凸の曲面を有している。
【0017】
コイルは、一の方向に交わる他の方向に沿って延びるように、コア及び保護部の周囲に巻回された導電線により形成されている。つまり、コイルを構成する導電線は、コアの角部領域と交差するように巻回されている。ここで特に、導電線は、保護部上において、該保護部の曲面に沿って配設されている。
【0018】
本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、例えば電気自動車等の車両に搭載されたバッテリの充電に非接触の電力伝送を適用する場合、車両に搭載される受電側のコイルユニットの正確な位置合わせは困難であると考えられる。そこで、コイルユニットの位置ずれに対する許容範囲は大きいことが望ましい。加えて、例えば車両に係る燃費や居住性等の観点から、受電側のコイルユニットには、薄型化、軽量化が求められる。
【0019】
位置ずれに対する許容範囲については、上述の如く、所謂両側巻きコイルが優れている。コイルユニットの薄型化を図るためには、コアも薄型化する必要がある。所謂両側巻きコイルでは、コアの周囲に導電線が巻回されるため、コアの厚みが少なくなると、コア端部における導電線の曲率が大きくなる。
【0020】
ここで、車両に搭載されたバッテリの非接触充電に用いられるコイルユニットは屋外で使用されると共に、該コイルユニットには比較的大電流が流れる。このため、コイルを形成する導電線の太さや、該導電線を覆う被覆材には制約がある。特に、被覆材には比較的柔らかい材料が用いられることが多い。従って、導電線の曲率が大きくなると、導電線にかかる負荷が大きくなる。加えて、コアの角部領域と導電線との接点に力が集中して加わりやすく、コイルユニットに外部から衝撃が加わることにより、導電線がダメージを受けコイルユニットに不具合が生じる可能性がある。
【0021】
また、車両に搭載されたバッテリの充電に用いられるコイルユニットには、比較的高い周波数の電流が流れる。このため、コアに用いられる磁性体としては、損失の比較的少なく、比較的安価な、フェライトが用いられることが多い。
【0022】
上記コアの角部領域と導電線との接点をなくすために、例えば研磨等の加工によりコア端部を曲面とすることも可能ではあるが、加工コストが比較的高くなってしまう。特に、フェライトは、セラミック材料であり比較的脆いため、例えば数センチメートル角のタイル状のブロックが複数個組み合わされることにより、コアが形成されることが多い。すると例えば、コアの端部に該当するブロックと、コアの中央部分に該当するブロックとで、異なる成形金型を用いなければならない。加えて、寸法精度を向上させるために焼結後のブロックに研磨が施されるが、コアの端部に該当するブロックと、コアの中央部分に該当するブロックとで、例えば研磨装置の設定を変更しなければならない可能性がある。
【0023】
そこで、本実施形態に係るコイルユニットは、コアの角部領域の少なくとも一部を覆う保護部を備えている。そして、保護部は、コアから離れる方向に凸の曲面を有している。このため、コアの端部を曲面に加工する必要はなく、従来通りの方法でコアを製造することができる。保護部は、典型的には、樹脂材料により形成されるので、成形加工が比較的容易であり、製造コストの増加を抑制することができる。
【0024】
加えて、コイルを形成する導電線は、保護部の曲面に沿って配設されるので、コアの角部領域と導電線との接点に力が集中して加わることを防止することができる。保護部の曲面の曲率を導電線の特性に応じて変更すれば、導電線にかかる負荷を低減することができる。
【0025】
以上の結果、本実施形態に係るコイルユニットによれば、コイルを形成する導電線に加わる負荷を抑制することができる。加えて、当該コイルユニットの製造コストを抑制することができる。更に、当該コイルユニットは、所謂両側巻きコイルであるので、位置ずれに対する許容範囲が比較的大きく、例えば、車両に搭載されたバッテリの非接触充電に用いられるコイルユニットとして好適である。
【0026】
実施形態に係るコイルユニットの一態様では、保護部の表面に、他の方向に沿って延びるリブが形成されている。
【0027】
この態様によれば、導電線が、コア及び保護部の周囲に巻回される際に、該導電線を等間隔に配設することができる。特に、例えば車両に搭載されたバッテリの非接触充電に用いられるような比較的大型のコイルユニットでは、手作業により導電線が巻回されることが多いので、リブにより導電線が等間隔に配設されれば、品質の向上にもつながり、実用上非常に有利である。
【0028】
更に、コア及び保護部の周囲に既に巻回された導電線の上に、導電線が巻回される場合、リブにより下段の導電線のずれが抑制されるので、上段の導電線を適切に配設することができ、実用上非常に有利である。
【0029】
実施形態に係るコイルユニットの他の態様では、保護部は角部領域のみを覆っている。
【0030】
この態様によれば、当該コイルユニットの動作時に、熱損失に起因するコアの熱が放散されやすく、実用上非常に有利である。また、コアを目視することができるので、例えば製造時においてコアの割れやひび等を比較的容易に発見することができる。
【0031】
或いは、実施形態に係るコイルユニットの他の態様では、保護部は、コア全体を覆っている。
【0032】
この態様によれば、保護部によりコアを補強することができるので、実用上非常に有利である。また、保護部を、例えば熱伝導絶縁樹脂により形成すれば、当該コイルユニットの動作時に、コアの熱を適切に放散することができ、実用上非常に有利である。
【0033】
実施形態に係るコイルユニットの他の態様では、コアは、平板状である。
【0034】
この態様によれば、比較的容易に、当該コイルユニットの薄型化、軽量化を図ることができ、実用上非常に有利である。
【実施例】
【0035】
本発明のコイルユニットの実施例を、図面に基づいて説明する。尚、以降の図では、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0036】
<第1実施例>
本発明のコイルユニットの第1実施例を、図1乃至図3を参照して説明する。図1は、第1実施例に係るコイルユニットの平面図である。図2は、図1におけるA−A´線断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。図3は、第1実施例に係る磁性体コアの斜視図である。
【0037】
図1及び図2において、コイルユニット10は、磁性体コア11と、該磁性体コア11をその周囲から覆うコアケース(ボビン)12と、該コアケース12の周囲に巻回された導電線により形成されたコイル13と、を備えて構成されている。本実施例に係る「コアケース12」は、本発明に係る「保護部」の一例である。
【0038】
磁性体コア11は、典型的には、フェライトを含んで形成されている。このため、磁性体コア11は、図3に示すように、複数のフェライトブロックが、例えば接着剤により互いに接着されることで形成される、或いは、例えば絶縁薄膜シート上に複数のフェライトブロックが配列されることで形成される。尚、磁性体コア11は、フェライトに限らず、各種磁性体により形成されてよい。
【0039】
コアケース12は、絶縁樹脂材により形成されている。絶縁樹脂材として、当該コイルユニット10の動作時における磁性体コア11に生じる熱を放散する観点から、熱伝導絶縁樹脂材が用いられることが望ましい。コアケース12は、特に、磁性体コア11から離れる方向に凸の曲面を有している(図2参照)。また、コアケース12内に磁性体コア11を固定するために、例えば絶縁性の接着剤やシリコン等が用いられてよい。
【0040】
コイル13を形成する導電線は、典型的には、被膜又は被覆材により覆われているが、被覆されてなくてもよい。
【0041】
ここで仮に、コアケース12がなければ、磁性体コア11のY方向(本発明に係る“一の方向”に相当)に延びる角部領域(図3参照)と、コイル13を形成し、X方向(本発明に係る“他の方向”に相当)に延びるように巻回された導電線(図1参照)とが接触することとなる。すると、例えば外部から衝撃が加わった場合、導電線の角部領域に接している部分に力が集中して加わりやすい。このため、導電線がダメージを受けコイルユニット10に不具合が生じる可能性がある。
【0042】
また、コイルユニット10の薄型化、軽量化を図る場合、磁性体コア11の厚みが少なくなるため、磁性体コア11の端部近傍において導電線の曲率が大きくなる。従って、磁性体コア11の厚みの減少に伴い、導電線に加わる負荷が大きくなる。
【0043】
しかるに本実施例では、コアケース12により、磁性体コア11の角部領域と導電線との接触が回避されている。加えて、コアケース12が曲面を有しているため、磁性体コア11の端部近傍における導電線の曲率の増加が抑制され、該導電線に加わる負荷が軽減されると共に、比較的容易に磁性体コア11の薄型化を実現することができる。
【0044】
尚、例えば図2では、コイル13を形成する導電線は、1段しか巻回されていないが、2段以上巻回されてよい。
【0045】
(変形例)
次に、第1実施例に係るコイルユニット10の変形例について、図4を参照して説明する。図4は、第1実施例の変形例に係るコアケースの斜視図である。
【0046】
本変形例では、コアケース12aの曲面が形成された端部近傍に、複数のリブ121が形成されている。
【0047】
このように構成すれば、コイル13を形成する際に、導電線を等間隔に配設することができる。加えて、導電線が2段以上巻回される場合、リブ121により下段の導電線のずれが防止され、実用上非常に有利である。
【0048】
特に、例えば車両に搭載されたバッテリの非接触充電システムに用いられるような比較的大型のコイルユニットでは、手作業により導電線が巻回されることが多い。このため、リブ121が設けられていることにより導電線が等間隔に配設されれば、コイルユニット10の品質向上を図ることができる。
【0049】
尚、リブ121の高さ及び幅は、コイルユニット10の仕様に応じて適宜設定されてよい。
【0050】
<第2実施例>
本発明のコイルユニットに係る第2実施例について、図5乃至図7を参照して説明する。第2実施例では、コアケースに代えてコアガイドが設けられている以外は、上述した第1実施例と同様である。よって、第2実施例について、第1実施例と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図5乃至図7を参照して説明する。
【0051】
図5は、第2実施例に係るコイルユニットの平面図である。図6は、図5におけるB−B´線断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。図7は、第2実施例に係る磁性体コアとコアガイドとの関係を示す概念図である。
【0052】
図5及び図6において、コイルユニット20は、磁性体コア11と、該磁性体コア11のY方向に延びる角部領域を覆うコアガイド21と、磁性体コア11及びコアガイド21の周囲に巻回された導電線により形成されたコイル13と、を備えて構成されている。本実施例に係る「コアガイド21」は、本発明に係る「保護部」の他の例である。
【0053】
コアガイド21は、コの字型の断面形状を有する棒状の部材である(図7参照)。磁性体コア11は、コアガイド21の溝部に単純に嵌め込まれていてもよいし、例えば接着剤やシリコン等により固定されていてもよい。コアガイド21は、特に、磁性体コア11から離れる方向に凸の曲面を有している(図6参照)。
【0054】
コアガイド21は、絶縁樹脂材により形成されている。ここで、絶縁樹脂材は不透明であることが多い。このため、磁性体コア11の角部領域のみを覆うコアガイド21を用いることによって、例えば当該コイルユニット20の組み立て工程において、磁性体コア11を目視することができ、作業者が磁性体コア11の割れやひび等を比較的容易に発見することができ、実用上非常に有利である。
【0055】
加えて、コアガイド21は、上述したコアケース12に比べて、小さくまた軽量である。従って、コアガイド21を用いることにより、比較的容易にコイルユニット20の軽量化を図ることができると共に、材料コストを抑制することができる。
【0056】
尚、コアガイド21は、磁性体コア11のY方向に延びる角部領域のうち、コイル13を形成する導電線が配設される部分のみを覆うように構成されてよい。
【0057】
(変形例)
次に、第2実施例に係るコイルユニット20の変形例について、図8を参照して説明する。図8は、第2実施例の変形例に係るコアガイドの斜視図である。
【0058】
本変形例では、コアガイド21aの曲面が形成された端部近傍に、複数のリブ211が形成されている。
【0059】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うコイルユニットもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0060】
10、20…コイルユニット、11…磁性体コア、12、12a…コアケース、13…コイル、21、21a…コアガイド、121、211…リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8