【実施例】
【0035】
本発明のコイルユニットの実施例を、図面に基づいて説明する。尚、以降の図では、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0036】
<第1実施例>
本発明のコイルユニットの第1実施例を、
図1乃至
図3を参照して説明する。
図1は、第1実施例に係るコイルユニットの平面図である。
図2は、
図1におけるA−A´線断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。
図3は、第1実施例に係る磁性体コアの斜視図である。
【0037】
図1及び
図2において、コイルユニット10は、磁性体コア11と、該磁性体コア11をその周囲から覆うコアケース(ボビン)12と、該コアケース12の周囲に巻回された導電線により形成されたコイル13と、を備えて構成されている。本実施例に係る「コアケース12」は、本発明に係る「保護部」の一例である。
【0038】
磁性体コア11は、典型的には、フェライトを含んで形成されている。このため、磁性体コア11は、
図3に示すように、複数のフェライトブロックが、例えば接着剤により互いに接着されることで形成される、或いは、例えば絶縁薄膜シート上に複数のフェライトブロックが配列されることで形成される。尚、磁性体コア11は、フェライトに限らず、各種磁性体により形成されてよい。
【0039】
コアケース12は、絶縁樹脂材により形成されている。絶縁樹脂材として、当該コイルユニット10の動作時における磁性体コア11に生じる熱を放散する観点から、熱伝導絶縁樹脂材が用いられることが望ましい。コアケース12は、特に、磁性体コア11から離れる方向に凸の曲面を有している(
図2参照)。また、コアケース12内に磁性体コア11を固定するために、例えば絶縁性の接着剤やシリコン等が用いられてよい。
【0040】
コイル13を形成する導電線は、典型的には、被膜又は被覆材により覆われているが、被覆されてなくてもよい。
【0041】
ここで仮に、コアケース12がなければ、磁性体コア11のY方向(本発明に係る“一の方向”に相当)に延びる角部領域(
図3参照)と、コイル13を形成し、X方向(本発明に係る“他の方向”に相当)に延びるように巻回された導電線(
図1参照)とが接触することとなる。すると、例えば外部から衝撃が加わった場合、導電線の角部領域に接している部分に力が集中して加わりやすい。このため、導電線がダメージを受けコイルユニット10に不具合が生じる可能性がある。
【0042】
また、コイルユニット10の薄型化、軽量化を図る場合、磁性体コア11の厚みが少なくなるため、磁性体コア11の端部近傍において導電線の曲率が大きくなる。従って、磁性体コア11の厚みの減少に伴い、導電線に加わる負荷が大きくなる。
【0043】
しかるに本実施例では、コアケース12により、磁性体コア11の角部領域と導電線との接触が回避されている。加えて、コアケース12が曲面を有しているため、磁性体コア11の端部近傍における導電線の曲率の増加が抑制され、該導電線に加わる負荷が軽減されると共に、比較的容易に磁性体コア11の薄型化を実現することができる。
【0044】
尚、例えば
図2では、コイル13を形成する導電線は、1段しか巻回されていないが、2段以上巻回されてよい。
【0045】
(変形例)
次に、第1実施例に係るコイルユニット10の変形例について、
図4を参照して説明する。
図4は、第1実施例の変形例に係るコアケースの斜視図である。
【0046】
本変形例では、コアケース12aの曲面が形成された端部近傍に、複数のリブ121が形成されている。
【0047】
このように構成すれば、コイル13を形成する際に、導電線を等間隔に配設することができる。加えて、導電線が2段以上巻回される場合、リブ121により下段の導電線のずれが防止され、実用上非常に有利である。
【0048】
特に、例えば車両に搭載されたバッテリの非接触充電システムに用いられるような比較的大型のコイルユニットでは、手作業により導電線が巻回されることが多い。このため、リブ121が設けられていることにより導電線が等間隔に配設されれば、コイルユニット10の品質向上を図ることができる。
【0049】
尚、リブ121の高さ及び幅は、コイルユニット10の仕様に応じて適宜設定されてよい。
【0050】
<第2実施例>
本発明のコイルユニットに係る第2実施例について、
図5乃至
図7を参照して説明する。第2実施例では、コアケースに代えてコアガイドが設けられている以外は、上述した第1実施例と同様である。よって、第2実施例について、第1実施例と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、
図5乃至
図7を参照して説明する。
【0051】
図5は、第2実施例に係るコイルユニットの平面図である。
図6は、
図5におけるB−B´線断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。
図7は、第2実施例に係る磁性体コアとコアガイドとの関係を示す概念図である。
【0052】
図5及び
図6において、コイルユニット20は、磁性体コア11と、該磁性体コア11のY方向に延びる角部領域を覆うコアガイド21と、磁性体コア11及びコアガイド21の周囲に巻回された導電線により形成されたコイル13と、を備えて構成されている。本実施例に係る「コアガイド21」は、本発明に係る「保護部」の他の例である。
【0053】
コアガイド21は、コの字型の断面形状を有する棒状の部材である(
図7参照)。磁性体コア11は、コアガイド21の溝部に単純に嵌め込まれていてもよいし、例えば接着剤やシリコン等により固定されていてもよい。コアガイド21は、特に、磁性体コア11から離れる方向に凸の曲面を有している(
図6参照)。
【0054】
コアガイド21は、絶縁樹脂材により形成されている。ここで、絶縁樹脂材は不透明であることが多い。このため、磁性体コア11の角部領域のみを覆うコアガイド21を用いることによって、例えば当該コイルユニット20の組み立て工程において、磁性体コア11を目視することができ、作業者が磁性体コア11の割れやひび等を比較的容易に発見することができ、実用上非常に有利である。
【0055】
加えて、コアガイド21は、上述したコアケース12に比べて、小さくまた軽量である。従って、コアガイド21を用いることにより、比較的容易にコイルユニット20の軽量化を図ることができると共に、材料コストを抑制することができる。
【0056】
尚、コアガイド21は、磁性体コア11のY方向に延びる角部領域のうち、コイル13を形成する導電線が配設される部分のみを覆うように構成されてよい。
【0057】
(変形例)
次に、第2実施例に係るコイルユニット20の変形例について、
図8を参照して説明する。
図8は、第2実施例の変形例に係るコアガイドの斜視図である。
【0058】
本変形例では、コアガイド21aの曲面が形成された端部近傍に、複数のリブ211が形成されている。
【0059】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うコイルユニットもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。