(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る基板処理装置1を示す断面図である。基板処理装置1は、略円板状の半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)に処理液を供給して基板9を1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。
図1では、基板処理装置1の一部の構成の断面には、平行斜線の付与を省略している(他の断面図においても同様)。
【0016】
基板処理装置1は、チャンバ12と、トッププレート123と、チャンバ開閉機構131と、基板支持部141と、基板回転機構15と、液受け部16と、カバー17とを備える。カバー17は、チャンバ12の上方および側方を覆う。
【0017】
チャンバ12は、チャンバ本体121と、チャンバ蓋部122とを備える。チャンバ12は、上下方向を向く中心軸J1を中心とする略円筒状である。チャンバ本体121は、チャンバ底部210と、チャンバ側壁部214とを備える。チャンバ底部210は、略円板状の底中央部211と、底中央部211の外縁部から下方へと拡がる略円筒状の底内側壁部212と、底内側壁部212の下端から径方向外方へと拡がる略円環板状の環状底部213と、環状底部213の外縁部から上方へと拡がる略円筒状の底外側壁部215と、底外側壁部215の上端部から径方向外方へと拡がる略円環板状のベース部216とを備える。
【0018】
チャンバ側壁部214は、中心軸J1を中心とする略円筒状である。チャンバ側壁部214は、ベース部216の内縁部から上方へと突出する。チャンバ側壁部214を形成する部材は、後述するように、液受け部16の一部を兼ねる。以下の説明では、チャンバ側壁部214と底外側壁部215と環状底部213と底内側壁部212と底中央部211の外縁部とに囲まれた空間を下部環状空間217という。下部環状空間217の底部には、チャンバ12内のガスおよび液体を排出する排出ポート218が設けられる。
【0019】
基板支持部141に基板9が支持された場合、基板9の下面92は、チャンバ底部210の底中央部211の上面と対向する。以下の説明では、チャンバ底部210の底中央部211を「下面対向部211」と呼ぶ。
【0020】
チャンバ蓋部122は中心軸J1に垂直な略有蓋円筒状であり、チャンバ12の上部を含む。チャンバ蓋部122は、略円板状の天蓋部227と、天蓋部227の外縁部から下方に拡がる略円筒状の蓋下筒部228とを備える。チャンバ蓋部122は、チャンバ本体121の上部開口を閉塞する。
図1では、チャンバ蓋部122がチャンバ本体121から上方に離間した状態を示す。
図2に示すように、チャンバ蓋部122がチャンバ本体121の上部開口を閉塞する際には、蓋下筒部228の下端部がチャンバ側壁部214の上部と接する。
【0021】
図1に示すチャンバ開閉機構131は、チャンバ12の可動部であるチャンバ蓋部122を、チャンバ12の他の部位であるチャンバ本体121に対して上下方向に相対的に移動する。チャンバ開閉機構131は、チャンバ蓋部122を昇降する蓋部昇降機構である。チャンバ開閉機構131によりチャンバ蓋部122が上下方向に移動する際には、トッププレート123もチャンバ蓋部122と共に上下方向に移動する。基板処理装置1では、
図2に示すように、チャンバ蓋部122がチャンバ本体121と接して上部開口を閉塞し、さらに、チャンバ蓋部122がチャンバ本体121に向かって押圧されることにより、チャンバ12の内部空間であるチャンバ空間120が密閉される。
【0022】
図3は、基板支持部141を示す平面図である。
図3では、基板9を二点鎖線にて併せて示す。
図1および
図3に示すように、基板支持部141は、中心軸J1を中心とする略円環状の部材である。基板支持部141は、チャンバ蓋部122とチャンバ本体121との間の空間であるチャンバ空間120に配置され、基板9の外周縁部(すなわち、外周縁を含む外周縁近傍の部位)を水平状態で下側から支持する。すなわち、基板9は、上面91を中心軸J1に垂直に上側を向く状態で基板支持部141により支持される。基板支持部141の径方向内側には、上述の下面対向部211が配置される。
【0023】
基板支持部141は、支持部ベース413と、複数の第1接触部411と、複数の第1係合部241とを備える。支持部ベース413は、中心軸J1を中心とする略円環板状の部材である。複数の第1接触部411は、中心軸J1を中心として周方向に配置される。各第1接触部411は、支持部ベース413の上面から上向きに突出する略円柱状の部材(すなわち、支持ピン)である。複数の第1接触部411は、基板9の外縁部を下側から支持する複数の基板支持要素である。
【0024】
複数の第1係合部241は、基板9の外周縁よりも径方向外側にて、中心軸J1を中心として周方向に配置される。各第1係合部241は、支持部ベース413の上面から上向きに突出する略円柱状の部材(すなわち、係合ピン)である。複数の第1係合部241は、後述するように、トッププレート123と基板支持部141との連結に利用される。複数の第1係合部241は、トッププレート123と基板支持部141とを連結する複数の連結要素である。
図1では、図示の都合上、第1係合部241と第1接触部411とを同一断面上に描いているが、
図3に示す例では、第1係合部241と第1接触部411とは同一断面上には位置していない。複数の第1係合部241は、複数の第1接触部411と周方向において異なる位置に配置される。
図3に示す例では、6個の第1接触部411と、3個の第1係合部241とが支持部ベース413上に設けられる。
【0025】
図4は、トッププレート123を示す底面図である。
図4では、基板9を二点鎖線にて併せて示す。
図1、
図2および
図4に示すように、トッププレート123は、中心軸J1に垂直な略円環板状である。トッププレート123は、密閉空間であるチャンバ空間120に収容され、チャンバ蓋部122の下方、かつ、基板支持部141の上方に配置される。トッププレート123は中央に開口を有する。
図2に示すように、基板支持部141に支持された基板9の上面91は、チャンバ空間120において、中心軸J1に垂直なトッププレート123の下面312と対向する。トッププレート123は、基板9の上方を遮蔽する遮蔽板である。トッププレート123の直径は、基板9の直径よりも大きく、トッププレート123の外周縁は、基板9の外周縁よりも全周に亘って径方向外側に位置する。
【0026】
図5は、トッププレート123の一部を拡大して示す断面図である。
図1、
図4および
図5に示すように、トッププレート123は、遮蔽板本体部231と、遮蔽板補強部232と、基板押さえ部142と、連結部233と、被保持部237とを備える。遮蔽板本体部231は、略円環板状の部材であり、基板9の上面91の上方を覆う上述の下面312を有する。遮蔽板本体部231は、例えば、比較的高い耐薬品性を有する樹脂により形成される。遮蔽板本体部231は、例えば、テフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂により形成される。遮蔽板補強部232は、略板状の部材であり、遮蔽板本体部231の内部に固定されて遮蔽板本体部231を支持する。
図5に示す例では、遮蔽板補強部232の全体が遮蔽板本体部231により被覆される。遮蔽板補強部232は、例えば、比較的高い強度および耐熱性を有する金属により形成される。具体的には、遮蔽板補強部232はチタン(Ti)やステンレス鋼により形成される。遮蔽板補強部232は、遮蔽板本体部231よりも高い強度を有し、遮蔽板本体部231が自重等により変形することを抑制する。
【0027】
基板押さえ部142は、
図2に示すように、基板9の外周縁部(すなわち、外周縁を含む外周縁近傍の部位)にて基板9を上側から押さえる。
図1、
図2および
図4に示すように、基板押さえ部142は、複数の第2接触部421を備える。複数の第2接触部421は、中心軸J1を中心として周方向に配置される。各第2接触部421は、遮蔽板本体部231の下面312から下向きに突出する略円柱状の部材(すなわち、押さえピン)である。複数の第2接触部421は、基板9の外周縁部を上側から押さえる複数の基板押さえ要素である。
図1および
図2では、図示の都合上、第2接触部421と第1接触部411とを同一断面上に描いているが、実際には、複数の第2接触部421は、複数の第1接触部411と周方向において異なる位置に配置される。以下の説明では、基板支持部141と基板押さえ部142とを合わせて「基板保持部」とも呼ぶ。
【0028】
連結部233は、
図2に示すように、基板9の外周縁よりも径方向外側にて基板支持部141に連結される。これにより、トッププレート123が基板支持部141に連結される。
図1、
図2および
図4に示すように、連結部233は、複数の連結要素である第2係合部242を備える。複数の第2係合部242は、基板9の外周縁よりも径方向外側にて、中心軸J1を中心として周方向に配置される。各第2係合部242は、遮蔽板本体部231の下面312から下向きに突出する略円柱状の部材(すなわち、係合ピン)である。各第2係合部242の下端面には、上方に向かって窪む凹部が設けられる。
図2に示すように、第2係合部242の当該凹部に第1係合部241の上端部が嵌合することにより、トッププレート123が基板支持部141に連結される。複数の第2係合部242は、複数の第2接触部421と周方向において異なる位置に配置される。
図4に示す例では、12個の第2接触部421と、第2接触部421よりも少ない3個の第2係合部242とがトッププレート123に設けられる。
【0029】
図6は、遮蔽板補強部232を示す底面図である。
図6では、遮蔽板補強部232の周囲の遮蔽板本体部231の輪郭を二点鎖線にて示す(
図11および
図12においても同様)。遮蔽板補強部232は、中央部321と、複数の周辺部322とを備える。中央部321は、中心軸J1を中心とする略円環板状である。複数の周辺部322は、中央部321から基板9の外周縁部まで径方向外方へとそれぞれ拡がる略帯状の部材である。各周辺部322は、径方向外方へと略直線状に延びる。複数の周辺部322は、互いに中心軸J1を中心とする周方向に離間する。各周辺部322の径方向外側の端部は、遮蔽板本体部231の外周部(すなわち、外周縁近傍の部位)に位置する。中央部321と複数の周辺部322とは一繋がりの部材である。
図6に示す例では、15本の周辺部322が、中央部321から基板9の外周縁よりも径方向外側まで放射状に拡がっている。
【0030】
連結部233および基板押さえ部142は、複数の周辺部322の径方向外側の端部に配置される。詳細には、連結部233の複数の第2係合部242、および、基板押さえ部142の複数の第2接触部421が、複数の周辺部322の径方向外側の端部に配置される。各第2係合部242および各第2接触部421は、
図5に示すように、遮蔽板本体部231および周辺部322を上下方向に貫通する貫通孔に下側から挿入され、周辺部322の上側においてナット等にて固定されることにより、周辺部322に接続(すなわち、締結)される。
【0031】
図6に示すように、複数の周辺部322では、好ましくは、各第2係合部242が配置される周辺部322、および、各第2接触部421が配置される周辺部322がそれぞれ異なる。換言すれば、各第2係合部242が配置される周辺部322には、第2接触部421および他の第2係合部242は配置されない。また、各第2接触部421が配置される周辺部322には、第2係合部242および他の第2接触部421は配置されない。
図6に示す例では、15本の周辺部322のそれぞれの端部に、第2係合部242または第2接触部421が1つのみ配置される。
【0032】
図1に示すように、被保持部237は、遮蔽板本体部231の上面311から上向きに突出する。
図1に示す状態では、トッププレート123は、被保持部237がチャンバ蓋部122により吊り下げられることにより支持される。チャンバ蓋部122は、中央部に略環状のプレート保持部222を有する。プレート保持部222は、中心軸J1を中心とする略円筒状の筒部223と、中心軸J1を中心とする略円環板状のフランジ部224とを備える。フランジ部224は、筒部223の下端から径方向内方へと拡がる。
【0033】
被保持部237は、複数の被保持要素237aを備える。複数の被保持要素237aは、中心軸J1を中心とする周方向に略等角度間隔にて配置される。各被保持要素237aは、遮蔽板本体部231から上側に延びる支柱部238と、支柱部238の上端から径方向外方に延びるフランジ部239とを備える。支柱部238は、プレート保持部222の筒部223の径方向内側に位置する。フランジ部239は、プレート保持部222のフランジ部224の上方に位置し、フランジ部224と上下方向に対向する。被保持部237のフランジ部239の下面が、プレート保持部222のフランジ部224の上面に接することにより、トッププレート123が、チャンバ蓋部122から吊り下がるようにチャンバ蓋部122に取り付けられる。
【0034】
基板回転機構15は、いわゆる中空モータである。基板回転機構15は、中心軸J1を中心とする環状のステータ部151と、環状のロータ部152とを備える。ロータ部152は、略円環状の永久磁石を含む。永久磁石の表面は、例えば、PTFE樹脂にてモールドされる。ロータ部152は、チャンバ12のチャンバ空間120において下部環状空間217内に配置される。ロータ部152の上部には、接続部材を介して基板支持部141の支持部ベース413が取り付けられる。支持部ベース413は、ロータ部152の上方に配置される。
【0035】
ステータ部151は、チャンバ12外においてロータ部152の周囲に配置される。換言すれば、ステータ部151は、チャンバ空間120の外側においてロータ部152の径方向外側に配置される。本実施の形態では、ステータ部151は、チャンバ底部210の底外側壁部215およびベース部216に固定され、液受け部16の下方に位置する。ステータ部151は、中心軸J1を中心とする周方向に配列された複数のコイルを含む。
【0036】
ステータ部151に電流が供給されることにより、ステータ部151とロータ部152との間に、中心軸J1を中心とする回転力が発生する。これにより、ロータ部152が、中心軸J1を中心として水平状態で回転する。ステータ部151とロータ部152との間に働く磁力により、ロータ部152は、チャンバ12内において直接的にも間接的にもチャンバ12に接触することなく浮遊し、中心軸J1を中心として基板9を基板支持部141と共に浮遊状態にて回転する。
図2に示すように、トッププレート123が基板支持部141に連結されている状態では、基板回転機構15により、基板9が基板支持部141およびトッププレート123と共に中心軸J1を中心として回転する。
【0037】
図1に示すように、液受け部16は、カップ部161と、カップ部移動機構162と、カップ対向部163と、外側壁部164とを備える。カップ部161は中心軸J1を中心とする環状であり、チャンバ12の径方向外側に全周に亘って位置する。カップ部移動機構162はカップ部161を上下方向に移動する。換言すれば、カップ部移動機構162は、カップ部161をチャンバ本体121に対して上下方向に相対的に移動する。カップ部移動機構162は、カップ部161の径方向外側に配置される。カップ部移動機構162は、上述のチャンバ開閉機構131と周方向に異なる位置に配置される。カップ対向部163は、カップ部161の下方に位置し、カップ部161と上下方向に対向する。カップ対向部163は、チャンバ側壁部214を形成する部材の一部である。カップ対向部163は、チャンバ側壁部214の径方向外側に位置する環状の液受け凹部165を有する。液受け凹部165の底部には、液受け部16のカップ部161等にて受けられた処理液を回収する回収ポート166が設けられる。上述の排出ポート218は、当該回収ポート166とは独立して設けられる。
【0038】
カップ部161は、カップ側壁部611と、カップ上面部612とを備える。カップ側壁部611は、中心軸J1を中心とする略円筒状である。カップ上面部612は、中心軸J1を中心とする略円環板状であり、カップ側壁部611の上端部から径方向内方および径方向外方へと拡がる。
図1に示す状態では、カップ側壁部611の下部は、カップ対向部163の液受け凹部165内に位置する。
【0039】
外側壁部164は、中心軸J1を中心とする略円筒状であり、上下方向に伸縮可能である。
図1に示す例では、外側壁部164は、それぞれが周状の複数の山折り線とそれぞれが周状の複数の谷折り線とが上下方向に交互に並ぶベローズである。以下の説明では、外側壁部164を「ベローズ164」と呼ぶ。ベローズ164は、チャンバ側壁部214およびカップ側壁部611の径方向外側に位置し、チャンバ側壁部214およびカップ側壁部611の周囲に全周に亘って設けられる。ベローズ164は、気体や液体を通過させない材料にて形成される。
【0040】
ベローズ164の上端部は、カップ部161のカップ上面部612の外縁部下面に全周に亘って接続される。換言すれば、ベローズ164の上端部は、カップ上面部612を介してカップ側壁部611に間接的に接続される。ベローズ164とカップ上面部612との接続部はシールされており、気体や液体の通過が防止される。ベローズ164の下端部は、カップ対向部163を介してチャンバ本体121に間接的に接続される。ベローズ164の下端部とカップ対向部163との接続部でも、気体や液体の通過が防止される。ベローズ164は、カップ部移動機構162によるカップ部161の移動(すなわち、カップ部161のチャンバ本体121に対する相対移動)に追随して変形し、上下方向の高さが変更される。
【0041】
チャンバ蓋部122の中央には、中心軸J1を中心とする略円柱状の上部ノズル181が取り付けられる。上部ノズル181は、基板9の上面91の中央部に対向してチャンバ蓋部122に固定される。上部ノズル181は、トッププレート123の中央の開口に挿入可能である。チャンバ底部210の下面対向部211の中央には、下部ノズル182が取り付けられる。下部ノズル182は、中央に液吐出口を有し、基板9の下面92の中央部と対向する。
【0042】
下面対向部211には、複数の加熱ノズル180がさらに取り付けられる。複数の加熱ノズル180は、例えば、中心軸J1を中心とする周方向におよそ等角度間隔にて配置される。複数の加熱ノズル180は、基板9に向けて基板9よりも高温の流体を供給する流体供給部であり、基板9を加熱する加熱部でもある。
図1に示す例では、加熱ノズル180から基板9に向けて加熱されたガス(以下、「加熱ガス」という。)が供給される。換言すれば、加熱ノズル180は、基板9を加熱する加熱ガスを供給する加熱ガス供給部である。加熱ノズル180からは、例えば、加熱された液体、または、加熱されたガスと液体との混合流体が供給されてもよい。
【0043】
図7は、気液供給部18および気液排出部19を示すブロック図である。気液供給部18は、上述の上部ノズル181、下部ノズル182および加熱ノズル180に加えて、薬液供給源183と、純水供給源184と、IPA供給源185と、第1ガス供給源188と、第2ガス供給源187とを備える。これらの供給源は、基板処理装置1に設けられてもよく、基板処理装置1の外部に設けられてもよい。
【0044】
薬液供給源183は、弁を介して上部ノズル181に接続される。純水供給源184およびIPA供給源185も、それぞれ弁を介して上部ノズル181に接続される。第1ガス供給源188も、弁を介して上部ノズル181に接続される。下部ノズル182は、弁を介して純水供給源184に接続される。複数の加熱ノズル180は、弁を介して第2ガス供給源187に接続される。
【0045】
液受け部16の液受け凹部165に設けられた回収ポート166には第1排出路191が接続され、第1排出路191は気液分離部193に接続される。気液分離部193は、外側排気部194、薬液回収部195および排液部196にそれぞれ弁を介して接続される。チャンバ本体121に設けられた排出ポート218には第2排出路192が接続され、第2排出路192は気液分離部197に接続される。気液分離部197は、内側排気部198および排液部199にそれぞれ弁を介して接続される。気液供給部18および気液排出部19の各構成は、制御部10により制御される。チャンバ開閉機構131、基板回転機構15およびカップ部移動機構162(
図1参照)も制御部10により制御される。
【0046】
薬液供給源183から上部ノズル181に供給された薬液は、上部ノズル181の先端の吐出口から基板9の上面91の中央部に向けて吐出される。薬液供給源183から上部ノズル181を介して基板9に供給される薬液は、例えば、化学反応を利用して基板を処理する処理液であり、ポリマー除去液、あるいは、フッ酸や水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等のエッチング液である。
【0047】
純水供給源184は、上部ノズル181および下部ノズル182を介して基板9に純水(DIW:deionized water)を供給する。純水供給源184から上部ノズル181に供給された純水は、上部ノズル181の先端の吐出口から、基板9の上面91の中央部に向けて吐出される。純水供給源184から下部ノズル182に供給された純水は、下部ノズル182の先端の吐出口から基板9の下面92の中央部に向けて吐出される。IPA供給源185から上部ノズル181に供給されたイソプロピルアルコール(IPA)は、上部ノズル181の先端の吐出口から基板9の上面91の中央部に向けて吐出される。
【0048】
上述の薬液、純水およびIPAをまとめて処理液と呼ぶと、薬液供給源813、純水供給源814、IPA供給源815および上部ノズル181は、基板9の上面91に処理液を供給する処理液供給部に含まれる。基板処理装置1では、上記薬液、純水およびIPA以外の処理液を供給する他の供給源が、当該処理液供給部に含まれてもよい。
【0049】
第2ガス供給源187は、複数の加熱ノズル180を介して基板9の下面92に加熱ガスを供給する。
図7に示す例では、例えば、窒素(N
2)ガスのような高温の不活性ガスが加熱ノズル180から供給される。なお、加熱ノズル180から加熱された不活性ガスを供給する場合、基板処理装置1における防爆対策は簡素化可能または不要である。第1ガス供給源188は、上部ノズル181を介して基板9の上面91にガスを供給する。
図7に示す例では、例えば、窒素(N
2)ガスのような不活性ガスが、上部ノズル181の先端の噴出口から供給される。当該噴出口は、例えば、上述の上部ノズル181の吐出口の周囲に配置される。
【0050】
図8は、基板処理装置1における基板9の処理の流れを示す図である。基板処理装置1では、
図1に示すように、チャンバ蓋部122がチャンバ本体121から離間して上方に位置し、カップ部161がチャンバ蓋部122から離間して下方に位置する状態にて、基板9が外部の搬送機構によりチャンバ12内に搬入され、基板支持部141により下側から支持される(ステップS11)。以下、
図1に示すチャンバ12およびカップ部161の状態を「オープン状態」と呼ぶ。チャンバ蓋部122とチャンバ側壁部214との間の開口は、中心軸J1を中心とする環状であり、以下、「環状開口81」という。基板処理装置1では、チャンバ蓋部122がチャンバ本体121から離間することにより、基板9の周囲(すなわち、径方向外側)に環状開口81が形成される。ステップS11では、基板9は環状開口81を介して搬入される。
【0051】
基板9が搬入されると、カップ部161が、
図1に示す位置から
図9に示す位置まで上昇し、環状開口81の径方向外側に全周に亘って位置する。以下の説明では、
図9に示すチャンバ12およびカップ部161の状態を「第1密閉状態」という。また、
図9に示すカップ部161の位置を「液受け位置」といい、
図1に示すカップ部161の位置を「退避位置」という。カップ部移動機構162は、カップ部161を、環状開口81の径方向外側の液受け位置と、液受け位置よりも下方の退避位置との間で上下方向に移動する。
図9に示すように、液受け位置では、液受け部16のカップ部161は、基板9および基板支持部141の周囲に全周に亘って配置される。
【0052】
液受け位置に位置するカップ部161では、カップ側壁部611が、環状開口81と径方向に対向する。また、カップ上面部612の内縁部の上面が、チャンバ蓋部122の外縁部下端のリップシール252に全周に亘って接する。チャンバ蓋部122とカップ部161のカップ上面部612との間には、気体や液体の通過を防止するシール部が形成される。これにより、チャンバ本体121、チャンバ蓋部122および液受け部16(具体的には、カップ部161、ベローズ164およびカップ対向部163)により囲まれる密閉された空間(以下、「拡大密閉空間100」という。)が形成される。拡大密閉空間100は、チャンバ蓋部122とチャンバ本体121との間のチャンバ空間120と、カップ部161とカップ対向部163との間の側方空間160とが、環状開口81を介して連通することにより形成された1つの空間である。
【0053】
第1密閉状態では、基板押さえ部142の複数の第2接触部421が基板9の外縁部に接触する。トッププレート123の下面312、および、基板支持部141の支持部ベース413上には、上下方向にて対向する複数対の磁石(図示省略)が設けられる。以下、各対の磁石を「磁石対」ともいう。基板処理装置1では、複数の磁石対が、周方向において第1接触部411、第2接触部421、第1係合部241および第2係合部242とは異なる位置に、等角度間隔にて配置される。基板押さえ部142が基板9に接触している状態では、磁石対の間に働く磁力(引力)により、トッププレート123に下向きの力が働く。これにより、基板押さえ部142が基板9を基板支持部141へと押圧する。
【0054】
基板処理装置1では、基板押さえ部142が、トッププレート123の自重、および、磁石対の磁力により基板9を基板支持部141へと押圧することにより、基板9を基板押さえ部142と基板支持部141とで上下から挟んで強固に保持することができる。基板9を強固に保持できるのであれば、上記磁石対は省略されてもよい。
【0055】
第1密閉状態では、被保持部237のフランジ部239が、プレート保持部222のフランジ部224の上方に離間しており、プレート保持部222と被保持部237とは接触しない。換言すれば、プレート保持部222によるトッププレート123の保持が解除されている。このため、トッププレート123は、チャンバ蓋部122から独立して、基板保持部(すなわち、基板支持部141および基板押さえ部142)に保持された基板9および基板保持部と共に、基板回転機構15により回転する。
【0056】
また、第1密閉状態では、第2係合部242の下端部の凹部に第1係合部241の上端部が嵌合する。これにより、トッププレート123は、中心軸J1を中心とする周方向において基板支持部141の支持部ベース413と係合する。換言すれば、第1係合部241および第2係合部242は、トッププレート123の基板支持部141に対する回転方向における相対位置を規制する(すなわち、周方向における相対位置を固定する)位置規制部材である。チャンバ蓋部122が下降する際には、第1係合部241と第2係合部242とが嵌合するように、基板回転機構15により支持部ベース413の回転位置が制御される。
【0057】
続いて、基板回転機構15により一定の回転数(比較的低い回転数であり、以下、「定常回転数」という。)での基板9の回転が開始される。次に、回転する基板9の下面92に向けて、複数の加熱ノズル180から加熱ガスが噴出される。これにより、基板9が加熱される。また、外側排気部194および内側排気部198(
図7参照)により、回収ポート166および排出ポート218を介して、拡大密閉空間100内のガスの排出が開始される。そして、回転する基板9の上面91の中央部に向けて上部ノズル181から薬液の供給が開始される(ステップS12)。基板9の上面91への薬液吐出は、基板9の中央部にのみ行われ、中央部以外の部位には行われない。上部ノズル181からの薬液は、回転する基板9の上面91に、例えば連続的に供給される。上面91上の薬液は、基板9の回転により基板9の外周部へと拡がり、上面91全体が薬液により被覆される。
【0058】
上部ノズル181からの薬液の供給中は、加熱ノズル180からの加熱ガスの噴出が継続される。これにより、基板9をおよそ所望の温度に加熱しつつ、薬液による上面91に対する薬液処理(例えば、ポリマー除去処理やエッチング処理)が行われる。その結果、基板9に対する薬液処理の均一性を向上することができる。トッププレート123の下面312は基板9の上面91に近接しているため、基板9に対する薬液処理は、トッププレート123の下面312と基板9の上面91との間の極めて狭い空間において行われる。当該空間には、上部ノズル181から不活性ガスが供給されている。このため、基板9に対する薬液処理を低酸素雰囲気にて行うことができる。
【0059】
拡大密閉空間100では、回転する基板9の上面91から径方向外方に飛散する薬液が、環状開口81を介してカップ部161の内周面にて受けられ、液受け凹部165へと導かれる。液受け凹部165へと導かれた薬液は、回収ポート166により回収されて気液分離部193(
図7参照)に流入する。気液分離部193に流入した薬液は、薬液回収部195により回収され、フィルタ等を介して不純物等が除去された後、再利用される。
【0060】
上部ノズル181からの薬液の供給開始から所定時間(例えば、60〜120秒)経過すると、上部ノズル181からの薬液の供給、および、加熱ノズル180からの加熱ガスの供給が停止される。そして、基板回転機構15により、所定時間(例えば、1〜3秒)だけ基板9の回転数が定常回転数よりも高くされ、基板9から薬液が除去される。
【0061】
続いて、チャンバ蓋部122およびカップ部161が同期して下方へと移動する。そして、
図2に示すように、チャンバ蓋部122の外縁部下端のリップシール251が、チャンバ側壁部214の上部と接することにより、環状開口81が閉じられ、チャンバ空間120が、側方空間160と隔絶された状態で密閉される。カップ部161は、
図1と同様に、退避位置に位置する。以下、
図2に示すチャンバ12およびカップ部161の状態を「第2密閉状態」という。第2密閉状態では、基板9は、チャンバ12の内壁と直接対向し、これらの間に他の液受け部は存在しない。
【0062】
第2密閉状態でも、第1密閉状態と同様に、基板押さえ部142が基板9を基板支持部141へと押圧することにより、基板9が、基板押さえ部142と基板支持部141とで上下から挟まれて強固に保持される。また、プレート保持部222によるトッププレート123の保持が解除されており、トッププレート123は、チャンバ蓋部122から独立して基板支持部141に連結され、基板支持部141および基板9と共に回転する。
【0063】
チャンバ空間120が密閉されると、外側排気部194(
図7参照)によるガスの排出が停止され、排出ポート218を介した内側排気部198によるチャンバ空間120内のガスの排出は維持される。そして、純水供給源184から基板9への純水の供給が開始される(ステップS13)。
【0064】
純水供給源184からの純水は、上部ノズル181から基板9の上面91の中央部に連続的に供給される。また、純水供給源184からの純水は、下部ノズル182から基板9の下面92の中央部にも連続的に供給される。上部ノズル181および下部ノズル182から吐出される純水は、洗浄液として基板9に供給される。
【0065】
純水は、基板9の回転により上面91および下面92の外周部へと拡がり、基板9の外周縁から径方向外方へと飛散する。基板9から飛散する純水は、チャンバ12の内壁(すなわち、チャンバ蓋部122およびチャンバ側壁部214の内壁)にて受けられ、排出ポート218、第2排出路192、気液分離部197および排液部199(
図7参照)を介して廃棄される(後述する基板9の乾燥処理においても同様)。これにより、チャンバ空間120において、純水による基板9に対する洗浄処理と共に、チャンバ12内の洗浄も実質的に行われる。
【0066】
純水の供給開始から所定時間経過すると、純水供給源184からの純水の供給が停止される。そして、複数の加熱ノズル180から、基板9の下面92に向けて、加熱ガスが噴出される。これにより、基板9が加熱される。
【0067】
続いて、上部ノズル181から基板9の上面91上にIPAが供給され、上面91上において純水がIPAに置換される(ステップS14)。IPAの供給開始から所定時間経過すると、IPA供給源185からのIPAの供給が停止される。その後、加熱ノズル180からの加熱ガスの噴出が継続された状態で、基板9の回転数が定常回転数よりも十分に高くされる。これにより、IPAが基板9上から除去され、基板9の乾燥処理が行われる(ステップS15)。基板9の乾燥開始から所定時間経過すると、基板9の回転が停止される。基板9の乾燥処理は、内側排気部198によりチャンバ空間120が減圧され、大気圧よりも低い減圧雰囲気にて行われてもよい。
【0068】
その後、チャンバ蓋部122とトッププレート123が上昇して、
図1に示すように、チャンバ12がオープン状態となる。ステップS15では、トッププレート123が基板支持部141と共に回転するため、トッププレート123の下面312に液体はほとんど残存しない。このため、チャンバ蓋部122の上昇時にトッププレート123から液体が基板9上に落下することはない。基板9は外部の搬送機構によりチャンバ12から搬出される(ステップS16)。
【0069】
以上に説明したように、基板処理装置1では、トッププレート123が、遮蔽板本体部231と、遮蔽板補強部232と、連結部233と、基板押さえ部142とを備える。遮蔽板本体部231は、基板9の上面91の上方を覆う下面312を有する板状の部材であり、遮蔽板補強部232は、遮蔽板本体部231の内部に設けられる。連結部233は、基板9の外周縁よりも径方向外側にて基板支持部141に連結され、基板押さえ部142は、基板9の外周縁近傍にて基板9を上側から押さえる。遮蔽板補強部232は、中央部321と、複数の周辺部322とを備える。複数の周辺部322は、中央部321から基板9の外周縁近傍まで径方向外方へとそれぞれ拡がるとともに互いに周方向に離間する。連結部233および基板押さえ部142は、複数の周辺部322の径方向外側の端部に配置される。
【0070】
このように、遮蔽板補強部232により遮蔽板本体部231を支持することにより、遮蔽板本体部231が自重等により変形することを抑制することができる。また、複数の周辺部322が周方向において互いに離間することにより、トッププレート123の温度変化により遮蔽板補強部232が熱変形した場合であっても、各周辺部322の熱変形(特に、周方向への熱変形)を抑制することができ、遮蔽板補強部232および遮蔽板本体部231が上下方向に反ることを抑制することができる。換言すれば、遮蔽板補強部232および遮蔽板本体部231が熱変形して外周部が上下方向に移動することを抑制することができる。これにより、複数の周辺部322の径方向外側の端部に配置される連結部233と基板押さえ部142との相対位置が変化することを抑制することができる。その結果、トッププレート123の温度が変化した場合であっても、トッププレート123と基板支持部141との連結を維持しつつ、基板押さえ部142により基板9を強固に押さえ、基板支持部141との間で基板9を強固に保持することができる。
【0071】
上述のように、複数の周辺部322において、連結部233の各第2係合部242が配置される周辺部322、および、基板押さえ部142の各第2接触部421が配置される周辺部322はそれぞれ異なる。これにより、各周辺部322の周方向の幅を小さくすることができる。換言すれば、各周辺部322を細くすることができる。このため、周辺部322の熱変形(特に、周方向への熱変形)をさらに抑制することができる。その結果、遮蔽板本体部231および遮蔽板補強部232が熱変形して上下方向に反ることを、より一層抑制することができる。また、複数の周辺部322を細くすることにより、遮蔽板補強部232およびトッププレート123の軽量化を実現することができる。その結果、基板回転機構15の出力の増大を抑制することができる。
【0072】
基板処理装置1では、遮蔽板補強部232の全体が、遮蔽板本体部231により被覆される。これにより、遮蔽板補強部232が薬液等と接して遮蔽板補強部232の材料が溶出することを防止することができる。このため、遮蔽板補強部232の材料選択の自由度を向上することができる。当該トッププレート123の構造は、遮蔽板補強部232が、薬液との接触により比較的溶出しやすい金属または半金属を含む場合に特に適している。遮蔽板補強部232が金属または半金属を含むことにより、比較的高い強度を有する遮蔽板補強部232を比較的低コストにて製造することができる。遮蔽板補強部232が半金属を含む場合として、例えば、遮蔽板補強部232が炭化ケイ素(SiC)により形成される場合が考えられる。
【0073】
上述のように、基板処理装置1では、トッププレート123の温度が変化した場合であっても、トッププレート123と基板支持部141との連結を維持しつつ基板9を強固に保持することができる。このため、基板処理装置1の構造は、基板9よりも高温の流体を基板9に供給する流体供給部が設けられる基板処理装置に特に適している。
図1に示す例では、流体供給部として、基板9の下面92に対向する複数の加熱ノズル180が設けられるが、他の様々な流体供給部が設けられてもよい。例えば、基板処理装置1では、基板9の上面91に加熱されたガスを供給する流体供給部が設けられてもよい。
【0074】
基板処理装置1のトッププレート123では、遮蔽板補強部232は必ずしも遮蔽板本体部231の内部に固定される必要はない。
図10は、他の好ましいトッププレート123aの一部を拡大して示す断面図である。トッププレート123aでは、
図6に示すものと略同形状の遮蔽板補強部232が、略円環板状の遮蔽板本体部231の上部に設けられる。遮蔽板補強部232は、例えば、グラッシカーボンやC/Cコンポジット材料のような炭素材料により形成される。
【0075】
トッププレート123aでは、上記と同様に、遮蔽板補強部232により遮蔽板本体部231を支持することにより、遮蔽板本体部231が自重等により変形することを抑制することができる。また、トッププレート123aの温度変化により遮蔽板補強部232が熱変形した場合であっても、各周辺部322の熱変形(特に、周方向への熱変形)を抑制することができ、遮蔽板補強部232および遮蔽板本体部231が上下方向に反ることを抑制することができる。これにより、複数の周辺部322の径方向外側の端部に配置される連結部233(
図6参照)と基板押さえ部142との相対位置が変化することを抑制することができる。その結果、トッププレート123aの温度が変化した場合であっても、トッププレート123aと基板支持部141(
図2参照)との連結を維持しつつ、基板押さえ部142により基板9を強固に押さえ、基板支持部141との間で基板9を強固に保持することができる。
【0076】
トッププレート123aでは、遮蔽板補強部232がグラッシカーボン等のような比較的高い耐薬品性を有する材料により形成されるため、遮蔽板本体部231の上面311に固定された遮蔽板補強部232に、仮に薬液が付着した場合であっても、遮蔽板補強部232の材料の溶出は生じない。また、遮蔽板補強部232の全体を遮蔽板本体部231により被覆する必要がないため、遮蔽板本体部231を薄型化することができる。その結果、トッププレート123aを軽量化することができ、基板回転機構15(
図2参照)の出力の増大を抑制することができる。
【0077】
上述の基板処理装置1では、様々な変更が可能である。
【0078】
例えば、基板支持部141の第1接触部411、および、基板押さえ部142の第2接触部421の数は適宜変更されてよい。第1接触部411の数と第2接触部421の数とは異なっていてもよく、同じであってもよい。第1係合部241および第2係合部242の数も適宜変更されてよい。第1係合部241および第2係合部242はそれぞれ、複数設けられることが好ましい。
【0079】
遮蔽板補強部232では、例えば、
図11に示すように、1つの略帯状の周辺部322の径方向外側の端部に、1つの第2係合部242と1つの第2接触部421とが配置されてもよい。あるいは、1つの周辺部322に複数の第2係合部242が設けられてもよく、複数の第2接触部421が設けられてもよい。遮蔽板補強部232では、第2係合部242および第2接触部421が配置されない周辺部322が設けられてもよい。
【0080】
遮蔽板補強部232は、遮蔽板本体部231を支持することができるのであれば、様々な材料により形成されてよい。各周辺部322は、中央部321から径方向外方に向かって必ずしも略直線状に延びる必要はなく、湾曲しつつ延びていてもよい。各周辺部322の形状は、略帯状には限定されない。例えば、
図12に示す遮蔽板補強部232aのように、それぞれが略扇形の複数の周辺部322aが中央部321から径方向外方へと拡がっていてもよい。遮蔽板補強部232aでは、中央部321から遮蔽板補強部232aの外縁へと延びる複数の帯状のスリット323が設けられ、複数のスリット323の間の部位が上述の周辺部322aである、と捉えることもできる。
【0081】
トッププレート123は略円板状であってもよく、この場合、遮蔽板補強部232の中央部321も略円板状であってもよい。
【0082】
基板処理装置1では、基板9を加熱する加熱部として、複数の加熱ノズル180以外の様々な構成が設けられてもよい。例えば、基板9に光を照射して基板9を加熱する機構が、当該加熱部として設けられてもよい。
【0083】
チャンバ開閉機構131は、必ずしもチャンバ蓋部122を上下方向に移動する必要はなく、チャンバ蓋部122が固定された状態で、チャンバ本体121を上下方向に移動してもよい。チャンバ12は、必ずしも略円筒状には限定されず、様々な形状であってよい。また、基板処理装置1では、チャンバ12は必ずしも設けられる必要はない。
【0084】
基板回転機構15のステータ部151およびロータ部152の形状および構造は、様々に変更されてよい。ロータ部152は、必ずしも浮遊状態にて回転する必要はなく、チャンバ12内にロータ部152を機械的に支持するガイド等の構造が設けられ、当該ガイドに沿ってロータ部152が回転してもよい。基板回転機構15は、必ずしも中空モータである必要はなく、軸回転型のモータが基板回転機構として利用されてもよい。
【0085】
基板処理装置1では、薬液供給源183から供給される薬液により、上述のポリマー除去処理やエッチング処理以外の様々な処理、例えば、基板上の酸化膜の除去や現像液による現像等が行われてよい。また、基板9に対する薬液処理は、第2密閉状態において行われてもよい。
【0086】
基板処理装置1では、半導体基板以外に、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、FED(field emission display)等の表示装置に使用されるガラス基板の処理に利用されてもよい。あるいは、基板処理装置1は、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板および太陽電池用基板等の処理に利用されてもよい。
【0087】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。