(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
結晶性化合物は、L−酒石酸 ジベンジル、L−酒石酸 ジフェネチル、L−酒石酸 ビス(3−フェニル−1−プロピル)、L−酒石酸 ビス(2−フェノキシエチル)、L−酒石酸 ジフェニル、L−酒石酸 ビス(4−メチルフェニル)、L−酒石酸 ビス(4−メトキシルフェニル)、L−酒石酸 ビス(4−メチルベンジル)、L−酒石酸 ビス(4−メトキシルベンジル)、およびこれらの立体異性対および混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の相変化インク組成物。
【発明を実施するための形態】
【0008】
相変化インク組成物および下式のアモルファスアミド化合物。
【化5】
〔式中、Rは、アルキル基が、直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、置換および非置換のアルキル基から選択されてもよく、ヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、リン)がアルキル基に存在していてもよい、1〜22個の炭素原子を含むアルキル基;非置換および置換のアリール基を含み、ヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン)がアリール基に存在していてもよい、3〜18個の炭素原子を含むアリール基;非置換および置換のアルキルアリール基を含み、アルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖、分岐、飽和、不飽和および/または環状であってもよく、ヘテロ原子が、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方に存在していてもよい、4〜18個の炭素原子を含むアルキルアリール基;非置換および置換のアリールアルキル基を含み、アリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖、分岐、飽和、不飽和および/または環状であってもよく、ヘテロ原子が、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方に存在していてもよい、4〜18個の炭素原子を含むアリールアルキル基であり;
Rは、1〜22個の炭素原子、または2〜18個の炭素原子、または5〜15個の炭素原子、または10〜12個の炭素原子を含むアルキル基である。〕
【0009】
さらに、下式のアモルファスアミド化合物も記載し、
【化6】
式中、R
1は、アルキレン基が、直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、置換および非置換のアルキル基から選択されてもよく、ヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、リン)がアルキレン基に存在していてもよい、1〜22個の炭素原子を含むアルキレン基;非置換および置換のアリーレン基を含み、ヘテロ原子がアリーレン基に存在していてもよい、3〜18個の炭素原子を含むアリーレン基;非置換および置換のアルキルアリーレン基を含み、アルキルアリーレン基のアルキル部分は、直鎖、分岐、飽和、不飽和および/または環状であってもよく、ヘテロ原子が、アルキルアリーレン基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方に存在していてもよい、4〜18個の炭素原子を含むアルキルアリーレン基;非置換および置換のアリールアルキレン基を含み、アリールアルキレン基のアルキル部分は、直鎖、分岐、飽和、不飽和および/または環状であってもよく、ヘテロ原子が、アリールアルキレン基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方に存在していてもよい、4〜18個の炭素原子を含むアリールアルキレン基であり;
R
1は、1〜22個の炭素原子、または2〜18個の炭素原子、または5〜15個の炭素原子、または10〜12個の炭素原子を含むアルキレン基である。
【0010】
本発明のアミンDアモルファスアミド化合物は、アミンDと、下式の酸
【化7】
〔式中、Rは、アルキル基が、直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、置換および非置換のアルキル基から選択されてもよく、ヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、リン)がアルキル基に存在していてもよい、1〜22個の炭素原子を含むアルキル基;非置換および置換のアリール基を含み、ヘテロ原子がアリール基に存在していてもよい、3〜18個の炭素原子を含むアリール基;非置換および置換のアルキルアリール基を含み、アルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖、分岐、飽和、不飽和および/または環状であってもよく、ヘテロ原子が、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方に存在していてもよい、4〜18個の炭素原子を含むアルキルアリール基;非置換および置換のアリールアルキル基を含み、アリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖、分岐、飽和、不飽和および/または環状であってもよく、ヘテロ原子が、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方に存在していてもよい、4〜18個の炭素原子を含むアリールアルキル基であり;
Rは、1〜22個の炭素原子、または2〜18個の炭素原子、または5〜15個の炭素原子、または10〜12個の炭素原子を含むアルキル基である〕
とを、混合しつつ、場合により、例えば、140℃〜190℃の温度まで加熱しつつ、任意成分の触媒を用い、場合により減圧下で反応させることによって調製され、以下の反応スキームにしたがって、モノアミド
【化8】
〔式中、モノアミド生成物のRは、酸について本明細書に記載されるとおりである〕
を製造する。
【0011】
アミンDアモルファスジアミド化合物は、アミンDと、下式の二酸
【化9】
〔式中、R
1は、アルキレン基が、直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、置換および非置換のアルキル基から選択されてもよく、ヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、リン)がアルキレン基に存在していてもよい、1〜22個の炭素原子を含むアルキレン基;非置換および置換のアリーレン基を含み、ヘテロ原子がアリーレン基に存在していてもよい、3〜18個の炭素原子を含むアリーレン基;非置換および置換のアルキルアリーレン基を含み、アルキルアリーレン基のアルキル部分は、直鎖、分岐、飽和、不飽和および/または環状であってもよく、ヘテロ原子が、アルキルアリーレン基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方に存在していてもよい、4〜18個の炭素原子を含むアルキルアリーレン基;非置換および置換のアリールアルキレン基を含み、アリールアルキレン基のアルキル部分は、直鎖、分岐、飽和、不飽和および/または環状であってもよく、ヘテロ原子が、アリールアルキレン基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方に存在していてもよい、4〜18個の炭素原子を含むアリールアルキレン基であり;
R
1は、1〜22個の炭素原子、または2〜18個の炭素原子、または5〜15個の炭素原子、または10〜12個の炭素原子を含むアルキレン基である。〕
とを、混合しつつ、場合により、例えば、140℃〜190℃の温度まで加熱しつつ、任意成分の触媒を用い、場合により減圧下で反応させることによって調製され、以下の反応スキームにしたがって、ジアミド
【化10】
〔式中、ジアミド生成物のR
1は、二酸について本明細書に記載されるとおりである〕
を製造する。
【0012】
下式
【化11】
〔式中、Rは、本明細書に記載するとおり、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される〕
のアモルファス化合物と、結晶性化合物と、任意成分の相乗剤と、任意成分の分散剤と、任意成分の着色剤とを含む、相変化インク組成物を提供する。
【0013】
いくつかの実施形態では、下式
【化12】
〔式中、R
1は、本明細書に記載するとおり、アルキレン基、アリーレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される〕
のアモルファス化合物と、結晶性化合物と、任意成分の相乗剤と、任意成分の分散剤と、任意成分の着色剤とを含む、相変化インク組成物を記載する。
【0014】
結晶性成分は、アミド、芳香族エステル、直鎖ジエステル、ウレタン、スルホン、芳香族基を含む酒石酸エステル誘導体、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。
【0015】
適切な結晶性成分としては、米国特許出願第13/457,221号に開示されるものが挙げられる。これらの結晶性材料は、以下の構造を含み、
【化13】
式中、R
8およびR
9は、同じであってもよく、または異なっていてもよく、R
8およびR
9は、それぞれ独立して、(i)直鎖または分岐、環状または非環状、置換または非置換、飽和または不飽和のアルキル基であってもよく、ヘテロ原子がアルキル基に存在していてもよく、1〜40個の炭素原子を含むアルキル基、(ii)置換または非置換のアリールアルキル基であってもよく、アリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖または分岐、環状または非環状、置換または非置換、飽和または不飽和であってもよく、ヘテロ原子が、アリールアルキル基のアリール部分またはアルキル部分のいずれかに存在していてもよく、4〜40個の炭素原子を含むアリールアルキル基、(iii)置換または非置換の芳香族基であってもよく、置換基が、直鎖、分岐、環状または非環状のアルキル基であってもよく、ヘテロ原子が芳香族基に存在していてもよく、3〜40個の炭素原子を含む芳香族基からなる群から選択される。
【0016】
適切な結晶性成分としては、米国特許出願第13/456,916号に開示されるものが挙げられる。これらの結晶性材料は、以下の構造を含み、
【化14】
式中、R
10およびR
11は、それぞれ独立して、(i)直鎖または分岐、環状または非環状、置換または非置換、飽和または不飽和のアルキル基であってもよく、ヘテロ原子がアルキル基に存在していてもよく、1〜40個の炭素原子を含むアルキル基、(ii)置換または非置換のアリールアルキル基であってもよく、アリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖または分岐、環状または非環状、置換または非置換、飽和または不飽和であってもよく、ヘテロ原子が、アリールアルキル基のアリール部分またはアルキル部分のいずれかに存在していてもよく、4〜40個の炭素原子を含むアリールアルキル基、(iii)置換または非置換の芳香族基であってもよく、置換基が、直鎖、分岐、環状または非環状のアルキル基であってもよく、ヘテロ原子が芳香族基に存在していてもよく、3〜40個の炭素原子を含む芳香族基からなる群から選択され、但し、R
10およびR
11のうち、少なくとも1つは芳香族基であり;pは、0または1である。
【0017】
結晶性芳香族エーテルの例としては、
【化15】
およびこれらの混合物が挙げられる。
【0018】
適切な結晶性成分としては、米国特許出願第13/095,555号に開示されるものが挙げられる。これらの結晶性材料は、以下の構造を有する脂肪族直鎖二酸のエステルを含み、
【化16】
式中、R
12は、置換または非置換のアルキル鎖であってもよく、−(CH
2)
1−〜−(CH
2)
12−からなる群から選択され、R
13およびR
14は、それぞれ他と独立して、置換または非置換の芳香族基またはヘテロ芳香族基からなる群から選択され、置換基はアルキル基を含み、アルキル部分は、直鎖、分枝鎖または環状であってもよい。
【0019】
適切な結晶性成分としては、米国特許出願第13/456,619号に開示されるものが挙げられる。これらの結晶性材料は、以下の構造を有するジウレタンを含み、
【化17】
式中、Qは、アルカンジイルであり;R
15およびR
16は、それぞれ独立して、1個以上のアルキルで場合により置換されたフェニルまたはシクロヘキシルであり;iは、0または1であり;jは、0または1であり;pは、1〜4であり;qは、1〜4である。いくつかの実施形態では、R
15およびR
16は、それぞれ独立して、1個以上のメチルまたはエチルで場合により置換されたフェニルまたはシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、R
15およびR
16は、フェニルである。いくつかの実施形態では、Qは、−(CH
2)
n−であり、nは、4〜8である。いくつかの実施形態では、nは6である。いくつかの実施形態では、R
15およびR
16は、それぞれ独立して、ベンジル、2−フェニルエチル、2−フェノキシエチル、C
6H
5(CH
2)
4−、シクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、3−フェニルプロパニル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−メチルシクロヘキシルメチル、3−メチルシクロヘキシルメチル、4−メチルシクロヘキシルメチルおよび4−エチルシクロヘキサニルから選択される。
【0020】
適切な結晶性成分としては、米国特許出願第13/457,323号に開示されるものが挙げられる。これらの結晶性成分は、以下の構造を有するスルホン化合物であり、
【化18】
式中、R
17およびR
18は、同じであってもよく、または異なっていてもよく、R
17およびR
18は、それぞれ他と独立して、(i)直鎖または分岐、環状または非環状、置換または非置換、飽和または不飽和のアルキル基であってもよく、ヘテロ原子がアルキル基に存在していてもよく、1〜40個の炭素原子を含むアルキル基、(ii)置換または非置換のアリールアルキル基であってもよく、アリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖または分岐、環状または非環状、置換または非置換、飽和または不飽和であってもよく、ヘテロ原子が、アリールアルキル基のアリール部分またはアルキル部分のいずれかに存在していてもよく、4〜40個の炭素原子を含むアリールアルキル基、(iii)置換または非置換の芳香族基であってもよく、置換基が、直鎖、分岐、環状または非環状のアルキル基であってもよく、ヘテロ原子が芳香族基に存在していてもよく、3〜40個の炭素原子を含む芳香族基、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0021】
いくつかの実施形態では、R
17およびR
18は、それぞれ独立して、1個以上のハロ、アミノ、ヒドロキシまたはシアノ基で場合により置換されたアルキルまたはアリール、およびこれらの組み合わせであるか、またはR
17とR
18が、これらが接続しているS原子と合わさってヘテロシクロ環を生成する。いくつかの実施形態では、R
17およびR
18は、それぞれ独立して、場合により置換されたアルキル、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチルまたはt−ブチルである。いくつかの実施形態では、R
17およびR
18は、それぞれ独立して、場合により置換されたアリール、例えば、フェニルまたはベンジルである。いくつかの実施形態では、R
17およびR
18は、それぞれ独立して、1つ以上のアミノ、クロロ、フルオロ、ヒドロキシ、シアノまたはこれらの組み合わせで置換されている。アリール基への置換は、フェニル基のオルト位、メタ位またはパラ位、およびこれらの組み合わせでなされてもよい。いくつかの実施形態では、R
17およびR
18は、それぞれ独立して、2−ヒドロキシエチルまたはシアノメチルである。
【0022】
いくつかの実施形態では、結晶性成分としては、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン、2−ヒドロキシフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホン、フェニル−4−クロロフェニルスルホン、フェニル−2−アミノフェニルスルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ジベンジルスルホン、メチルエチルスルホン、ジエチルスルホン、メチルイソプロピルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、ジ−n−ブチルスルホン、ジビニルスルホン、メチル−2−ヒドロキシメチルスルホン、メチルクロロメチルスルホン、スルホラン、3−スルホレンおよびこれらの混合物が挙げられるだろう。
【0023】
結晶性化合物は、以下の式の酒石酸エステルを含んでいてもよく、
【化19】
式中、R
19およびR
20は、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシル基またはこれらの組み合わせで場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであるか、または低級アルキルおよびアルコキシであり、各nは、独立して0〜3である。いくつかの実施形態では、R
19およびR
20は、それぞれ独立して、場合により置換されたアリール、例えば、フェニルである。いくつかの実施形態では、R
19およびR
20は、それぞれ独立して、置換されていないか、またはメチル、エチル、イソプロピル、メトキシまたはエトキシで置換されている。いくつかの実施形態では、R
19およびR
20は、それぞれ独立して、メチルまたはメトキシで場合により置換されたフェニルである。
【0024】
いくつかの実施形態では、R
19およびR
20は、それぞれ独立して、
【化20】
およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0025】
いくつかの実施形態では、酒石酸骨格は、L−(+)−酒石酸、D−(−)−酒石酸、DL−酒石酸、またはメソ酒石酸およびこれらの混合物から選択される。
【0026】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物は、L−酒石酸 ジベンジル、L−酒石酸 ジフェネチル、L−酒石酸 ビス(3−フェニル−1−プロピル)、L−酒石酸 ビス(2−フェノキシエチル)、L−酒石酸 ジフェニル、L−酒石酸 ビス(4−メチルフェニル)、L−酒石酸 ビス(4−メトキシルフェニル)、L−酒石酸 ビス(4−メチルベンジル)、L−酒石酸 ビス(4−メトキシルベンジル)、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0027】
結晶性材料を合成するために、芳香族アルコールをエステル化に使用してもよい。芳香族アルコールとしては、
【化21】
および任意の立体異性体、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0028】
2モル当量以上のアルコールをこの反応に使用し、酒石酸のジエステルを製造してもよい。1モル当量のアルコールを使用する場合、結果は、ほとんどがモノエステルである。
【0029】
相変化インク組成物は、任意の適切な量で、例えば、相変化インク組成物の合計重量を基準として、着色剤が合計で0.1〜50重量%存在する従来の染料、顔料、およびこれらの混合物およびこれらの組み合わせからなる群から選択される任意の適切な着色剤を含んでいてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、相変化インク組成物は、着色した相変化インク組成物である。いくつかの実施形態では、顔料は、金属フタロシアニン、金属を含まないフタロシアニン、およびこれらの混合物およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、相変化インク組成物は、シアン、グリーン、ブルー、ブラック、カーボンブラック、Pigment Blue、銅フタロシアニン、およびこれらの混合物およびこれらの組み合わせからなる群から選択される顔料を含む。具体的な実施形態では、顔料は、シアン顔料である。
【0031】
使用可能な顔料としては、PALIOGEN(登録商標)Violet 5100;PALIOGEN(登録商標)Violet 5890;HELIOGEN(登録商標)Green L8730;LITHOL(登録商標)Scarlet D3700;SUNFAST(登録商標)Blue 15:4;HOSTAPERM(登録商標)Blue B2G−D;HOSTAPERM(登録商標)Blue B4G;Permanent Red P−F7RK;HOSTAPERM(登録商標)Violet;LITHOL(登録商標)Scarlet 4440;Bon Red(登録商標)C;ORACET(登録商標)Pink;PALIOGEN(登録商標)Red 3871 K;SUNFAST(登録商標)Blue 15:3;PALIOGEN(登録商標)Red 3340;SUNFAST(登録商標)Carbazole Violet 23;LITHOL(登録商標)Fast Scarlet L4300;SUNBRITE(登録商標)Yellow 17;HELIOGEN(登録商標)Blue L6900、L7020;SUNBRITE(登録商標)Yellow 74;SPECTRA(登録商標)PAC C Orange 16;HELIOGEN(登録商標)Blue K6902、K6910;SUNFAST(登録商標)Magenta 122;HELIOGEN(登録商標)Blue D6840、D7080;Sudan Blue OS;NEOPEN(登録商標)Blue FF4012;PV Fast Blue B2GO1;IRGALITE(登録商標)Blue BCA;PALIOGEN(登録商標)Blue 6470;Sudan Orange G、Sudan Orange 220;PALIOGEN(登録商標)Orange 3040(BASF);PALIOGEN(登録商標)Yellow 152、1560;LITHOL(登録商標)Fast Yellow 0991 K;PALIOTOL(登録商標)Yellow 1840;NOVOPERM(登録商標)Yellow FGL;Ink Jet Yellow 4G VP2532;Toner Yellow HG;Lumogen(登録商標)Yellow D0790;Suco−Yellow L1250;Suco−Yellow D1355;Suco Fast Yellow D1 355、D1 351;HOSTAPERM(登録商標)Pink E 02;Hansa Brilliant Yellow 5GX03;Permanent Yellow GRL 02;Permanent Rubine L6B 05;FANAL(登録商標)Pink D4830;CINQUASIA(登録商標)Magenta;PALIOGEN(登録商標)Black L0084;Pigment Black K801;およびカーボンブラック、例えば、REGAL(登録商標)330、Nipex(登録商標)150 Carbon Black 5250およびCarbon Black 5750、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0032】
顔料は、任意の適切な量で、例えば、相変化インク組成物の合計重量を基準として顔料合計で0.1〜20%の量であってもよい。
【0033】
相変化インク組成物は、場合により、相乗剤、例えば、銅フタロシアニンを含む。
【0034】
相変化インク組成物は、分散剤、例えば、米国特許第7,973,186号に記載される分散剤を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、分散剤は、下式の化合物
【化22】
またはこれらの混合物であり、式中、RおよびR’は、同じであってもよく、または異なっていてもよく、RおよびR’は、独立して、37個〜47個の炭素原子を含む直鎖アルキル基から選択され;mは、1〜30である。
【0035】
分散剤は、場合により、Solsperse(商標登録)の名前で販売されるようなポリマー分散剤であってもよい。
【0036】
分散剤は、任意の適切な量で、相変化インク組成物中の顔料の合計重量を基準として、例えば、1〜500%の量で与えられてもよい。
【0037】
インクは、さらに、酸化防止剤、消泡剤、すべり剤およびレベリング剤、清澄剤、粘度調整剤、接着剤、可塑剤のような従来の添加剤を含んでいてもよい。
【0038】
インクは、酸化防止剤、例えば、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)(IRGANOX(登録商標)1098)を含んでいてもよい。酸化防止剤は、インクの0.25重量%〜10重量%で存在していてもよい。
【0039】
相変化インク組成物は、アモルファス化合物と、結晶性化合物と、任意成分の着色剤と、任意成分の相乗剤と、任意成分の分散剤とを合わせることによって調製し、相変化インク組成物を製造することができる。
【0040】
インク成分を混合した後、少なくとも100℃から140℃以下の温度まで加熱し、均質なインク組成物が得られるまで攪拌し、次いで、インクを周囲温度まで冷却してもよい。このインクは、周囲温度で固体である。この作成プロセス中、溶融状態のインクを型に注ぎ、次いで、冷却し、固化させてインクスティックを作成する。
【0041】
インクジェットプリンタスティックまたはペレットは、本明細書に記載するようなアモルファス化合物と、結晶性化合物と、任意成分の相乗剤と、任意成分の分散剤と、任意成分の着色剤とを含む相変化インク組成物を含む。
【0042】
このインクを、直接的に印刷するインクジェットプロセスのための装置および間接的な(オフセット)印刷インクジェット用途で使用することができる。別の実施形態は、インクジェット印刷装置に、本明細書に開示するようなインクを組み込むことと、このインクを溶融することと、溶融したインク液滴を画像状のパターンになるように記録基材に放出させることとを含むプロセスに関する。プロセスは、本明細書に開示するように調製されたインクをインクジェット印刷装置に組み込むことと、このインクを溶融することと、溶融したインク液滴を画像状のパターンになるように中間転写体に放出させることと、画像状のパターンのインクを中間転写体から最終的な記録基材に転写することとを含む。
【0043】
ある方法は、インクジェット印刷装置に、本明細書に記載するような相変化インク組成物を組み込むことと;インク組成物を溶融することと;溶融したインク液滴を画像状のパターンになるように基材に放出させることとを含む。
【0044】
インク組成物は、一般的に、吐出温度(50℃以上、140℃以下)での溶融粘度が30センチポイズ以下、2センチポイズ以上である。
【0045】
いくつかの実施形態では、インクを低温で、130℃未満の温度で、約40℃〜約130℃、50℃〜130℃、または60℃〜120℃で吐出する。
【0046】
Eastman Chemical Companyから入手可能なテルペノイド化合物アミンDは、骨格材料としてデヒドロアビエチン酸から誘導される。これらの材料は、多環であるという性質に起因して、アモルファス材料によく適しており、再生可能な資源であるマツから誘導されるため、もっと持続可能である。アミンDを2つの一酸および二酸と反応させ、以下に記載するモノアミドまたはジアミドを製造した。
【実施例】
【0047】
(実施例1)
アモルファスアミンDモノアミドの合成。以下の反応スキームにしたがって、アモルファスアミンDモノアミドを調製し、酸はヘキサン酸(R=C
5H
10)であり、ヘキサン酸は、酸価が4.1であった。
【化23】
【0048】
3ッ口の250ミリリットル丸底フラスコにディーンスタークトラップおよび凝集器、熱電対およびアルゴン注入口を取り付け、アミンD(42.27グラム、145mmol、Eastman Chemical Companyから入手可能)およびヘキサン酸(16.84グラム、145mmol、Sigma−Aldrich(登録商標)から入手可能)を加えた。この混合物をアルゴン下、160℃までゆっくりと加熱し、この間に、試薬は溶融/溶解した。温度を180℃まで上げた。反応混合物を180℃で一晩(約20時間)攪拌し、この間に、ディーンスタークトラップに2.6ミリリットルが集まった。10分、減圧状態(1〜2mm−Hg)にした。次いで、この混合物をアルゴン下、約140℃まで冷却し、アルミニウム皿に取り出し、室温まで冷却し、53.8グラム(収率95%)の生成物を粘着性の淡褐色固体として得た。
1H NMRは、以下の式の望ましい生成物が生成していることを示した。
【化24】
【0049】
(実施例2)
アモルファスアミンDモノアミドの合成。実施例1のアモルファスアミンDモノアミドの調製を2回繰り返し、再現性を確認した。
1H NMRは、以下の式の望ましい生成物が生成していることを示した。
【化25】
【0050】
(実施例3)
アモルファスアミンDモノアミドの合成。アモルファスアミンDモノアミドを、実施例1にしたがって調製したが、但し、酸は、R=C
8H
15の2−エチルヘキサン酸であった。
1H NMRは、以下の式の望ましい生成物が生成していることを示した。
【化26】
【0051】
(実施例4)
アモルファスアミンDモノアミドの合成。アモルファスアミンDモノアミドを、実施例1にしたがって調製したが、但し、酸は、R=C
17H
36のステアリン酸であった。
1H NMRは、以下の式の望ましい生成物が生成していることを示した。
【化27】
【0052】
表1は、実施例1〜4の物質の特性のまとめを与えたものである。実施例1および実施例2(同じ物質を2回調製したもの)では、唯一の差は、生成物の酸価であり、これは、生成物に残留する酸出発物質の測定値である。アモルファスモノアミドのガラス転移温度(Tg)および粘度は、酸価によって影響を受けない。
【表1】
【0053】
堅牢性の高い相変化インクは、高温のインク吐出温度で長い時間安定であるインク成分を含むことが望ましい。酸化防止剤(0.03重量% NAUGARD(登録商標)524(Chemtura Corporationから入手可能な酸化防止剤)存在下、実施例1の化合物を乾燥器内で、130℃で7日間熟成し、その安定性を試験した。
図1は、熟成したサンプルと新鮮なサンプルのレオロジーを示し、熟成しても顕著な粘度上昇を示さず、このことは、高温の吐出温度でこの材料が安定であることを示す。
【0054】
(実施例5)
アモルファスアミンDジアミドの合成。アモルファスアミンDジアミドを以下の反応スキームにしたがって調製し、酸はコハク酸であり、R
1=C
2H
4であった。
【化28】
【0055】
3ッ口の10ミリリットル丸底フラスコにディーンスタークトラップおよび凝集器、熱電対およびアルゴン注入口を取り付け、アミンD(10グラム、34.3mmol、Eastman Chemical Companyから入手可能)およびコハク酸(2.03グラム、17.15mmol、Sigma−Aldrich(登録商標)から入手可能)を加えた。この混合物をアルゴン下、160℃までゆっくりと加熱し、この間に、試薬は溶融/溶解した。温度を180℃まで上げ、反応混合物を180℃で一晩(20時間)攪拌し、この間に、ディーンスタークトラップに数滴の水が集まった。10分、減圧状態(1〜2mm−Hg)にした。次いで、この混合物をアルゴン下、140℃まで冷却し、アルミニウム皿に取り出し、室温まで冷却し、10.5グラム(収率92%)の生成物を淡褐色固体ガラス状物質として得た。
1H NMRは、以下の式の望ましい生成物が生成していることを示した。
【化29】
【0056】
(実施例6)
アモルファスアミンDジアミドの合成。アモルファスアミンDジアミドを実施例5にしたがって調製したが、但し、二酸は、R=C
7H
14のアゼライン酸であった。
1H NMRは、以下の式の望ましい生成物が生成していることを示した。
【化30】
【0057】
実施例5のアモルファスジアミドの粘度および熱分析を測定した。
図2は、実施例5のアモルファスジアミドについて、複素粘度(y軸、センチポイズ) 対 温度(x軸、℃)を示す。
図3は、実施例5のアモルファスジアミドについて、熱流量(y軸、W/g) 対 温度(x軸、℃)を示す。レオロジーの軌跡は、アモルファス化合物と一致しており、DSC(示差走査熱量測定)は、Tg(ガラス転移温度)が70.6℃であることを示した。
【0058】
これらのアモルファスモノアミドを含む3種類のインクを、以下の結晶性材料と組み合わせて調製した。
1.ジステアリルテレフタレート(DST、結晶性);
2.N−フェニルエチルベンズアミド(結晶性);および
3.N−ステアリルベンズアミド(結晶性)。
【0059】
(実施例7)
顔料濃縮物を以下のように調製した。
1.Solsperse(登録商標)、相乗剤および樹脂をビーカーに秤量して入れる。
2.加熱ブロック中、140℃で30分間攪拌する。
3.プラスチック皿に、化学天秤で顔料を秤量する。顔料が塊にならないように、混合物にゆっくり加える。
4.さらに2時間攪拌し、140℃で顔料を確実に適切に濡らし、次いで、攪拌棒を取り出す。
5.ホモジナイザーを用い13000RPMで20分間均質化する。
6.アトライタ:浴温130℃で24時間。
【0060】
実施例8、9および10のインクを、それぞれ表2、3および4に示す配合にしたがって調製した。それぞれの実施例について、実施例7の顔料濃縮物を、実施例8、9および10の成分に、攪拌し、加熱しつつ加え、濾過し、以下のように取り出した。30ミリリットルの褐色ガラス瓶に、磁気攪拌棒とともに結晶性成分およびアモルファス成分を加えた。この瓶を、攪拌能力を備えた加熱マントルに移し、130℃まで1時間かけて加熱しつつ混合した。結晶性成分およびアモルファス成分を溶融し、均質な混合物を作成したら、顔料分散物(結晶性またはアモルファス性の樹脂バインダー)を加え、混合物をさらに30分間攪拌した。最後に、瓶から磁石を取り出し、溶融したインク混合物を金属箔の皿に注ぎ、冷却し、固化させた。
【表2】
【表3】
【表4】
【0061】
実施例8、9および10のインクについて、インクレオロジーを測定した。
図4は、実施例2のアモルファスモノアミドを含む実施例8のインクについて、複素粘度(y軸、センチポイズ) 対 温度(x軸、℃)を示す。表5に示される粘度測定は、実施例のインク配合物が、吐出するための140℃で適切な粘度(10センチポイズ)を有することを示す。
【表5】
【0062】
(比較例11)
シアンインクを以下のように調製した。ColorWave(登録商標)300シアンインクとして市販されるシアンインクをOceから購入した。
【0063】
(比較例12)
Xerox(登録商標)Phaser(登録商標)4200プリンタで使用するのに適したXerox(登録商標)Phaser(登録商標)4200固体インクカートリッジをXerox(登録商標)から購入した。
【0064】
(比較例13)
表6に示す配合物を含むシアンインクを以下のように調製した。
【表6】
【0065】
顔料分散物を80℃の乾燥器に30分間入れた。顔料分散物を反応器に加え、冷却した。DMTおよび結晶性化合物を室温で加えた。次いで、混合物を140℃の乾燥器に1時間入れ、アルミニウム箔で密に覆った。次いで、混合物をジャケット付き加熱器中、140℃で30分間均質化し、次いで、加熱した濾過装置に注ぎ、濾過した。
【0066】
16オンスの瓶にマグネチックスターラーを入れ、120グラムのベンジルアルコール(MW=108、1.11mmol)および10滴のFascat(登録商標)4202触媒を入れた。この瓶を130℃の油浴に入れた。次いで、93.3グラムのHDI(MW=168、0.56mmol)を加えた。発熱が観察された。反応1時間後に赤外線スペクトルを決定し、イソシアネートのピークがないことを示した。反応内容物をスズ製の皿に注ぎ、冷却し、固化させた。
【化31】
【0067】
L−酒石酸 ジ−DL−メンチル(DMT)の合成。L−酒石酸(18.0グラム、120mmol)、DL−メントール(37.5グラム、240mmol)およびキシレン(240ミリリットル)を、ディーンスタークトラップを取り付けた500ミリリットルフラスコに加え、懸濁物を得た。p−トルエンスルホン酸一水和物(0.29グラム、1.5mmol)を加え、水を共沸によって除去しつつ、混合物を18時間環流させた。反応混合物を室温まで冷却し、10重量% KOH水溶液(1回)および塩水(2回)で洗浄し、次いで、MgSO
4で乾燥させた。濾過し、溶媒を除去した後、120℃で攪拌しつつ、残渣を減圧下で乾燥させ、34.9グラム(収率:68%)のアモルファス固体を得た。このサンプルを
1H NMRおよび酸価分析によって特性決定した(1.23mg KOH/g)。
【化32】
【0068】
表7に示す配合物を含む顔料濃縮物を調製した。
1.Solsperse(登録商標)、相乗剤およびDMTをビーカーに秤量して入れた。
2.加熱ブロック中、この材料を140℃で30分間攪拌した。
3.プラスチック皿に、化学天秤で顔料を秤量し、顔料が塊にならないように、混合物にゆっくり加えた。
4.この材料をさらに2時間攪拌し、140℃で顔料を確実に適切に濡らし、次いで、攪拌棒を取り出した。
5.Metrohm USAから入手可能なPolytron(登録商標)ホモジナイザーを用い、この材料を13000RPMで20分間均質化した。
6.次いで、この材料をSzegvari 01アトライタ(Union Process)で、110℃で24時間処理した。
【表7】
【0069】
(比較例14)
表8に示すような配合を含む比較例のインク14を以下のように調製した。比較例14は、1当量のイソホロンジアミンと2当量の一酸に由来するジアミドを使用する。本開示のインクは、モノアミン(アミンD)を使用し、1当量のアミンDおよび1当量の一酸、または2当量のアミンDおよび1当量の二酸にそれぞれ由来するモノアミドおよびジアミドを作成する。本開示は、アミンD材料が、イソホロンジアミン系材料の性能を上回ることを示す。
【表8】
【化33】
【0070】
(比較例15)
表9に示す配合を含む比較例のインク15を以下のように調製した。
【表9】
【化34】
【表10】
【0071】
(比較例16)
表11に示す配合を含む比較例のインク16を以下のように調製した。
【表11】
【化35】
【0072】
インク実施例8、9および10を、低圧にセットした加圧ロールで操作されるK−プルーファーグラビア印刷板を用い、Xerox(登録商標)Digital Color Elite Gloss 120gsm(DCEG)コーティング紙に印刷した。グラビア板の温度を142℃に設定したが、実際の板の温度は134℃であった。Kプルーファー装置(RK Print Coat Instrument Ltd.(Litlington、Royston、Heris、SG8 0OZ、U.K.)によって製造)は、小スケールで種々のインクをスクリーニングし、種々の基材への画質を評価するのに有用な印刷ツールである。このインクは、基材から簡単に剥がすことができない堅牢性の高い画像を与えた。528gの重りを適用し、垂直方向から15°の角度にある湾曲した先端を有する金属片を用い、約13mm/sの速度で画像の上を引っ掻いたとき、目で見て、インクは画像からはずれなかった。この金属片は、旋盤で先端を丸く切断した小片と似ており、曲率半径が約12mmである。
【0073】
インク実施例8、9、10および比較例11、12および14のKプルーフサンプルを、コーティング紙(DCEG:Xerox digital Color Elite Gloss、120gsm)上に作成した。インク表面が転写固定ドラムに面した状態で、ドラム温度および紙をあらかじめ加熱する温度を50℃とし、1インチ/秒でXerox Phaser(登録商標)8400プリンタまたはPhaser(登録商標)8860プリンタに各Kプルーフを供給することによって、Kプルーフを広げた。次いで、それぞれのインクの1回のKプルーフを、3本の丸い指状部を備えるXRCCシステムを用いて引っ掻き、別のKプルーフを、Duplo D−590書類挟みと面しているページでXerox Business 4200(75gsm)とともに折り曲げ、折り曲げたときの皺を評価した。スプレッダードラムの温度と、あらかじめ加熱する温度を上げた状態で、裏移りが明らかになるまで、第3のKプルーフを広げた(スプレッダーの裏移りは、特定の印刷処理工程を行うことができる温度を制限する因子であり得、温度が高い方がよい)。インク実施例8および比較例11、12、13および14のKプルーフサンプルの折り曲げたときの裏移り、折り曲げたときの皺、引っ掻き性および光沢の試験結果を表12に示す。
【0074】
50℃で広げたそれぞれのインクの2つのKプループについて、引っ掻き性および折り曲げたときの皺の面積について、目で見て評価した。折り曲げたときの裏移り、折り曲げたときの皺、引っ掻き性および広げたときの裏移りといった種々の堅牢性測定基準について、Kプルーフを目で見て評価した。順次を使用したとき、Kプルーフを並べて目で見て比較し、そのセットの中で、最も良いものから最も悪いものまで順位を付けた。表12は、インク実施例8のKプルーフ評価データを示す。
【表12】
【表13】
【0075】
固化速度の指標である結晶化速度について、実施例8のインクを試験した。結晶化速度を、米国特許出願第13/456,847号(その全体が本明細書に参考として組み込まれる)に記載したTROM手順によって測定した。このサンプルを、その融点から40℃まで急冷し、結晶化プロセスをPolarized Optical Microscopyで追った。表14は、インク実施例8のTROM結果をまとめたものである。
【表14】
【0076】
いくつかの実施形態では、アミンDに由来するアモルファスモノアミド化合物を与える。他の実施形態では、アミンDに由来するアモルファスジアミド化合物を与える。本発明の化合物が、特定の用途(例えば、相変化インクまたは固体インクの用途)で使用することが可能なアモルファス材料に適した粘度を有するアミド材料の最初の例を与えると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するアモルファスモノアミドおよびアモルファスジアミドは、以前の相変化インク材料よりも優れた堅牢性を示した。特定の実施形態では、本明細書のアモルファス化合物は、生物によって再生可能な原料から誘導される。