(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1順方向リンク又は前記第2順方向リンクの少なくとも一つを選択することが、前記コンテンツが含まれるデータストリームのサイズにさらに基づいて該第1順方向リンク又は該第2順方向リンクの少なくとも一つを選択することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
前記第1順方向リンク又は前記第2順方向リンクの少なくとも一つを選択することが、前記第1部分の配信のための時間要件又は前記第2部分の配信のための時間要件の少なくとも一つにさらに基づいて該第1順方向リンク又は該第2順方向リンクの少なくとも一つを選択することを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
前記コンテンツの第1部分を前記他のコンテンツと共に多重化することが、アプリケーションレベル、パケットレベル、ストリームレベル、地理的位置に基づくレベル又は前記デバイスのユーザに対応するレベルの少なくとも一つで該コンテンツの第1部分及び他のコンテンツを多重化することを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
前記コンピュータ実行可能命令は、前記1以上のプロセッサによって実行されるときに、前記ハイブリッド通信ディストリビュータに、前記コンテンツの第1部分又は該コンテンツの第2部分から除外される所定のタイプのデータに基づいて前記第1順方向リンク又は前記第2順方向リンクの少なくとも一つをさらに選択させる、請求項11に記載のシステム。
特定のタイプのデータと特定の順方向リンクとの間の1以上の関連付けを予め決定し、前記第1順方向リンク又は前記第2順方向リンクの少なくとも一つの選択が該1以上の関連付けにさらに基づく、請求項12に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好ましい実施形態の詳細な説明
次の記載は、多数の異なる実施形態の詳細な説明を示すが、この説明の法的範囲は、本願の特許請求の範囲の用語及び均等によって定義されることを理解すべきである。詳細な説明は、単なる例示として解釈されるべきであり、全ての可能な実施形態を説明するのは現実的でないためあらゆる可能な実施形態を記載するものではない。多数の別の実施形態は、現在の技術又は依然として特許請求の範囲内にあるであろう本特許出願日後に開発された技術のいずれかを使用して実施できるであろう。
【0012】
また、ある用語が「ここで使用するときに、用語「______」とは、...を意味する」という文又は同様の文を使用して本明細書において明示的に定義されない限り、その用語の意味を明示的に又は含意によりその明白な又は通常の意味の範囲外に限定する意図はなく、このような用語は、本発明の任意の節でなされた任意の記述に基づいて範囲が限定されると解釈すべきではない(特許請求の範囲の記載以外)と理解すべきである。本願の特許請求の範囲に記載された任意の用語が、読者を混乱させないように明確にするためのみに行われる単一の意味と一致した方法で本明細書において言及されている限り、そのような請求項は、含意によって又はそうでなければその単一の意味に限定されるものではない。請求項の要素が用語「手段」及び所定の機能を任意の構造の記載なしに記載することによって定義されていない限り、任意の請求項の要素の範囲を35U.S.C.112条第6段落の規定に基づいて解釈することを意図するものではない。
【0013】
さらに、本開示の内容のいずれか又は全ては、「VEHICLE DATA DISTRIBUTION SYSTEM AND METHOD」という名称の同時係属米国特許出願第13/675200号の開示内容のいずれか又は全てと共に機能することができる。その内容は、本明細書にその全体が参考として援用される。さらに、本開示の内容のいずれか又は全ては、「COMMUNICATIONS SYSTEM AND METHOD FOR NODES ASSOCIATED WITH A VEHICLE」という名称の同時係属米国特許出願第13/675194号の開示内容のいずれか又は全てと共に機能することができ(その内容は、本明細書においてその全体が参考として援用される)、及び本開示内容のいずれか又は全ては、「GROUND SYSTEM FOR VEHICLE DATA DISTRIBUTION」という名称の同時係属米国特許出願第13/675190号の開示内容のいずれか又は全てと共に機能することができる(その内容は、本明細書においてその全体が参考として援用される)。
【0014】
さらに、本開示の内容のいずれか又は全ては、「OPTIMIZING USAGE OF MODEMS FOR DATA DELIVERY TO DEVICES ON VEHICLES」という名称の同時係属米国特許出願(代理人整理番号32045/48012A)及び「HYBRID COMMUNICATIONS FOR DEVICES ON VEHICLES」という名称の同時係属米国特許出願(代理人整理番号32045/48011A)の開示内容のいずれか又は全てと共に機能することができる。それらの内容は、本明細書においてその全体が参考として援用される。
【0015】
図1は、輸送機関102によって輸送されているデバイスに又はデバイスから情報又はデータを通信するための一例のハイブリッド通信システム100を示すブロック図である。このシステム100は、輸送機関102の一つに搭載される特定のデバイス(例えば、輸送機関102xに搭載されるデバイス118)にデータセンタ105から又はデータセンタ105に含まれるハイブリッド通信ディストリビュータ104からデータ又は情報を配信するように構成される。いくつかの実施態様では、ハイブリッド通信システム100は、輸送機関102xからデータセンタ105又はハイブリッド通信ディストリビュータ104にフィードバック情報を配信するように構成され、データセンタ105又はハイブリッド通信ディストリビュータ104は、このフィードバック情報を使用してオンボードデバイス118又は他のオンボードデバイスへの後のデータ配信を通知する。所定の実施形態では、ハイブリッド通信ディストリビュータ104及びデータセンタ105は、1以上の輸送機関データ配信ネットワーク106、1以上の順方向リンク108及び1以上の逆方向リンク110を介して輸送機関102に通信接続されている。
【0016】
輸送機関102の1つ以上は、特定の個人が所有及び/又は操作できる。場合によっては、輸送機関102の1つ以上は、会社、組織又は政府機関が所有及び/又は操作できる。例えば、輸送機関102は、輸送機関の機団を含むことができ、該機団は、該機団の輸送機関の一つについて代金を支払い又はそうでなければ通過を許可された乗客を輸送するために使用される。輸送機関102は、状況によっては従業員及び彼らの客を輸送するための組織によって使用される1機以上の輸送機関を備えることができる。輸送機関102の1機以上を使用して、生物又は無生物貨物、小荷物、郵便及び/又は他の種類の貨物を輸送することができる。
図1は、輸送機関102を飛行機として示しているが、ここで記載された技術及び原理は、他の種類の輸送機関、例えば、トラック、自動車、バス、列車、ボート、船、はしけ、地下鉄車両、ヘリコプター又は他の種類の航空機、救急車又は他の緊急車両、軍用車両、他の空中輸送機関、水上輸送機関又は陸上輸送機関及び宇宙旅行に適した輸送機関にも同様に当てはまる。
【0017】
輸送機関102のそれぞれは、1以上の順方向無線通信リンク108及び1以上の逆方向無線通信リンク110を介してデータセンタ105に通信可能に接続できる。リンク108、110は、集合的に、多様な無線周波数(RF)帯域によってサポートできる。典型的には、リンク108、110をサポートする特定の周波数帯域又はRFスペクトルの部分は、衛星通信、ハム無線通信、地上セルラ通信、近距離無線通信などの特定のタイプの無線通信のために割り当てられる(例えば、政府又は規制機関によって)。いくつかの割り当てられた周波数帯域において、無線通信は、規格協会及び/又は政府や他の規制機関によって定義され、指定され又はそうでなければ示されるそれぞれの無線通信プロトコルを使用して順方向リンク及び対応する逆方向リンクを介して送信できる。特定の周波数帯域は、例えば、ポイント・ツー・ポイント無線プロトコルをサポートすることができ、及び/又は広帯域無線プロトコルをサポートすることができる。
【0018】
各周波数帯域は、1以上のチャネルを含むことができる。チャネルは、周波数分割、時分割、符号分割、いくつかの他の適切なチャネル分割、又は分割のある種の組み合わせによって形成され、定義され又は割り当てられてもよい。チャネル上で伝えられる信号は多重化されていても多重化されていなくてもよい。周波数帯域に含まれる任意の1以上のチャネルは、無線通信のための順方向リンク及び/又は逆方向リンクをサポートできる(又はサポートするように指定できる)。また、周波数帯域に含まれるチャネルのいずれか1つ以上を使用して、シグナリング、データペイロード又はシグナリングとデータペイロードとの組み合わせを配信することができる。例えば、特定の周波数帯域は、シグナリング及びペイロードが帯域内の同じチャネルで送信される帯域内プロトコルをサポートすることができ、及び/又は特定の周波数帯域は、シグナリング及びペイロードが帯域内の異なるチャネルでそれぞれ送信される帯域外プロトコルをサポートすることができる。
【0019】
輸送機関102xに固定接続されるトランシーバ又はモデムは、特定の周波数帯域に同調できるため、それぞれのアンテナと共に、データが輸送機関102xで受信され及び/又は該輸送機関から送信できる通信リンクの一方の端部として機能することができる。同様に、輸送機関102xの外部にある構造体112に固定接続されているトランシーバ又はモデムは、特定の周波数帯域に同調できるため、それぞれのアンテナと共に、データが輸送機関102xで受信され及び/又は該輸送機関から送信される通信リンクの他方の端部として機能することができる。通信リンクの非輸送機関端部をサポートする構造体112は、例えば、完全静止地上構造体、例えば地上の建物や塔、比較的静止の地上構造体、例えば海上でのはしけ、又は非地上構造体、例えば衛星その他の空間内の構造体とすることができる。
図1では、構造体112の表示は、順方向リンク108及び逆方向リンク110をより明確に例示するために重複しているが、実際には、各構造体112は、それぞれの順方向リンク108及びそれぞれの逆方向リンク110の両方に必要な機能を提供する単一の物理的トランシーバ又はモデムがそこに搭載された一体構造であることができる。例えば、テレポート112bは、衛星通信のために割り当てられた特定の周波数帯域の衛星順方向リンク108b及び衛星逆方向リンク110bの両方に必要な機能を提供するトランシーバを備えることができる。いくつかの例では、単一の構造体112は、複数のトランシーバ又はモデムを備えることができ、これらのそれぞれは異なる周波数帯域に同調できる。
【0020】
さらに構造体112に関して、輸送車両102xに対して特定の通信リンク108、110の一方の端部をサポートするトランシーバ又はモデムを有することの他に、各構造体112は、別のインターフェースを備えることができ、これを介して、データセンタ105でのハイブリッド通信ディストリビュータ104への通信路115を通信可能に接続することができる。通信経路115に対するインターフェースは、有線又は無線通信インターフェースとすることができる。
【0021】
輸送機関102xは、1以上の周波数帯域にわたって1以上の通信リンク108、110をサポートするために1以上の固定接続されたモデム又はトランシーバを備えることができ、輸送機関102xは、これらのモデム又はトランシーバを利用して輸送機関102xにデータを受信し及び/又は輸送機関102xからデータを送信することができる。例えば、輸送機関102xは、その上に、輸送機関102と地上局との間の直接通信のために割り当てられる又は直接空対地(ATG)通信リンクがサポートされる周波数帯域(例えば、849〜851MHz及び894〜896MHz)に同調されたトランシーバ又はモデムを備えることができる。このようなATG通信リンクは、
図1において、順方向リンク108a及び逆方向リンク110aによって示されている。さらに又はあるいは、輸送機関102xは、その上に、衛星通信用に割り当てられる周波数帯域、例えば、L帯域(例えば、40〜60GHz又は1〜2GHz)、K
u帯域(例えば、12〜18GHz)、K
a帯域(例えば、26.5〜40GHz)及び/又は衛星通信用に割り当てられる他のスペクトルに同調したトランシーバ又はモデムを備えることができる(
図1において順方向リンク108b及び逆方向リンク110bによって示される)。
【0022】
輸送機関102xで確立できる通信リンクの他の例は、地上モバイル又はセルラ通信リンク(
図1において符合108c/110cで示される)、例えば、TDMA(時分割多元接続)、GSM(登録商標)(移動通信用グローバルシステム)、CDMA(符号分割多元接続)、Wi−MAX(ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス)、LTE(ロングタームエボリューション)及び/又は他の地上移動通信技術をサポートする通信リンクを含む。輸送機関102xで確立できる通信リンクの種類のさらに別の例は、Wi−Fi割り当て周波数帯域(例えば、2.4及び/又は5GHz)でサポートされ、かつ、IEEE(電気電子技術者協会)802.11規格に対応するプロトコルを使用する無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)又はWi−Fi(商標)リンクであり、
図1において、Wi−Fi順方向リンクについては符合108c及びWi−Fi逆方向リンクについては符合110cで示されている。輸送機関102xで確立できる無線通信リンクのさらに他の種類の例としては、赤外線、マイクロ波又は他の光学系若しくはラインオブサイト無線通信リンクが挙げられる。しかし、順方向及び/又は逆方向リンクを含めた任意の好適な無線通信リンクがデータセンタ105又はハイブリッド通信ディストリビュータ104と輸送機関102xとの間の通信をサポートすることができることは明らかである。
【0023】
実施形態では、輸送機関102xに固定接続されたトランシーバ又はモデムの1つ以上は、一方向モードで動作することができる一方で、輸送機関102xに固定接続された1つ以上の他のトランシーバ又はモデムは、双方向モードで動作することができる。例えば、衛星通信スペクトルに同調される輸送機関102x上のトランシーバ又はモデムは、受信専用モードで利用できる一方で、ATG通信スペクトルに同調される輸送機関102x上の別のトランシーバ又はモデムは、受信モードと送信モードの両方で利用できる。
【0024】
ここで、システム100のデータセンタ105に含まれるハイブリッド通信ディストリビュータ104を参照すると、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、実施形態では、1以上の非一時的有形コンピュータ読み取り可能記憶媒体(例えば、1以上のメモリ又はデータ記憶エンティティ)に記憶され、かつ、データセンタ105の1以上のプロセッサによって実行可能なコンピュータ実行可能命令のセットを含むことができる(データセンタ105は、一般に、プロセッサを有する1以上のコンピューティングデバイスを含み、本開示の後の節でより詳細に説明する。)。ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、輸送機関102xによって輸送されているデバイス118に及びそれからデータ又は情報配信を、例えばリンク108及び110にわたって管理することができる。
【0025】
デバイス118は、輸送機関102xに固定接続されるデバイスとすることができ(例えば、航空機の列線交換ユニット(LRU)に含まれるコンピューティングデバイス)、又はデバイスは、モバイルデバイス、例えば、輸送機関によって一時的に輸送されているスマートフォン、タブレット又はラップトップ、例えば、輸送機関内の乗客に属するモバイルコンピューティングデバイスとすることができる。実施形態では、デバイス118は、少なくとも1個のメモリ及び少なくとも1個のプロセッサ、並びに任意に少なくとも1個のユーザインターフェース及び少なくとも1個の無線ネットワークインターフェースを備えるコンピューティングデバイスである。ここで使用するときに、用語「ターゲットデバイス」、「受信デバイス」及び「デバイス」は、輸送機関内にある又は輸送機関によって輸送され、かつ、該輸送機関の外部にあるデータを電子的に配信すべきデバイス118をいうために区別なく使用される。
【0026】
デバイス118に配信されるべきデータは、任意のタイプのデータを含むことができる。例えば、データは、テキストメッセージ、ウェブページ、メディアファイル、ストリーミングデータ及び/又はデバイス118のユーザインターフェースで受信した前の要求に対する応答などのユーザ消費コンテンツデータを含むことができる。場合によっては、デバイス118に配信されるデータは、デバイス118のユーザインターフェースに提示されるデータを含む。いくつかのシナリオでは、デバイス118に配信されるデータは、アプリケーション、設定、更新又はデバイス118のユーザがダウンロードするように要求したソフトウェアとすることができる。
【0027】
実施形態では、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、デバイス118へのデータ又は情報の配信のためにそれぞれ1以上の割り当てられた周波数帯域によってサポートされる順方向リンク108の一つを選択することができ、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、異なる割り当て周波数帯域でサポートされる逆方向リンク110を介して輸送車両102xからフィードバックデータ又は情報を受信することができる。例えば、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、リンク108から、デバイス118への順方向データ配信のための特定の周波数帯域でサポートされる1つの特定の順方向リンク、例えば衛星通信順方向リンク108bを選択することができる。ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、順方向データが配信された特定の周波数帯以外の周波数帯でサポートされるリンク110、例えばATG逆方向リンク110aから特定の逆方向リンクを介して輸送機関102xからのフィードバック情報を受信することができる。いくつかの実施形態では、特定の逆方向リンクは、逆方向リンク110のセットから選択できる。したがって、この実施の形態では、異なる周波数帯域の順方向リンク及び逆方向リンクは、データ配信のためにペアになっており又は関連付けられている。
【0028】
少なくとも順方向リンク及び逆方向リンクは異なる周波数帯域でサポートされているため、異なるメッセージングプロトコル及び/又は配信スキーム(例えば、ブロードキャスト、マルチキャスト、ユニキャスト)を、輸送機関102からフィードバック情報を受信するために使用するよりも輸送機関102に情報を送信するために使用できる。例えば、広帯域プロトコルを利用して、選択された順方向リンク108bを介してデータを配信することができ、ポイントツーポイントプロトコルを利用して逆方向リンク108aでデータを配信することができる。さらに又はあるいは、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、送信を、順方向リンク108bを介してマルチキャストにすることができ、かつ、逆方向リンク108aを介してユニキャスト形式でフィードバック情報を受信できる。順方向リンク108及び逆方向リンク108にわたるこのような異なる周波数帯域、プロトコルメッセージング及び/又は配信スキーム並びに及びその選択は、ハイブリッド通信システム100が利用可能なスペクトルを効率的に利用するのを可能にすることができると同時に、既存のモデムの制約及び/又は規制要件に一致する。
【0029】
実施形態では、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、輸送機関102x内にあるデバイス118で全体として受信されるデータ又は情報の分散又はハイブリッド配信のためにリンク108(それらのそれぞれは異なる周波数帯域によってサポートできる)から複数の順方向リンクを選択することができる。例えば、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、衛星通信順方向リンク108b及びATG順方向リンク108aの両方を選択して、デバイス118に順方向データを全体として配信することができ、該データの第1部分は、衛星順方向リンク108bを使用して配信できる一方、データの第2部分は、ATG順方向リンク108aを使用して配信できる。場合によっては、2つよりも多い順方向リンク108を、輸送機関102xへの分散データ配信のために選択することができる。この例では、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、選択された順方向リンクの一つ、例えば衛星通信逆方向リンク110b又はATG逆方向リンク110aと同一の周波数帯域に含まれる逆方向リンクを介して輸送機関102xからフィードバック情報を受信することができる。あるいは、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、選択された順方向リンクの一つと同じ周波数帯域には含まれない逆方向リンク、例えば逆方向リンク110cを介して車両102xからフィードバック情報を受信することができる。
【0030】
したがって、上記のことから、一般に、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、選択された任意の順方向リンク108、逆方向リンク110、メッセージングプロトコル及び/又はデータを分散又はハイブリッド形式で輸送機関にデータを送信しかつ該輸送機関からフィードバック情報を受信するための配信スキームの任意の好適な組み合わせを利用することができる。ハイブリッド通信ディストリビュータ104及びその選択並びに1以上の順方向リンク108及び逆方向リンク110、メッセージングプロトコル及び/又はハイブリッド通信ディストリビュータ104とオンボードデバイス118との間のデータ配信のための配信スキームは、本開示の後の節でより詳細に説明する。
【0031】
ここで輸送機関102を参照すると、輸送機関102(例えば、輸送機関102x)の一部又は全部は、それぞれ、輸送機関102xに受信され、かつ、特定のオンボードデバイス118への配信を目的とするデータを管理するためのそれぞれのオンボードノード120を備えることができる。オンボードノード120は、実行中にオンボードデバイス118によって生成されかつ輸送機関102xから送信されるデータを管理することができる。さらに、輸送機関102x自体の内部において、オンボードノード120は、オンボードデバイス118への及び該デバイスからのデータの通信を、例えば輸送機関102x内に収容される1以上の通信ネットワークを使用することによって管理することができる。実施形態では、オンボードノード120は、輸送機関102xに固定接続された1以上のトランシーバ又はモデムに通信接続され、また輸送機関102x内に収容される1以上の有線及び/又は無線通信ネットワークに通信接続される1以上のコンピューティングデバイスを備えることができる。実施形態では、オンボードノード120は、オンボードデータ配布システム又は「VEHICLE DATA DISTRIBUTION SYSTEM AND METHOD」という名称の上記同時係属米国特許出願第13/675200号に記載されたデータ配信デバイスなどのデバイスに含まれる。
【0032】
場合によっては、オンボードノード120は、ハイブリッド通信コレクタ122を備えることができる。実施形態では、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、非一時的有形コンピュータ読み取り可能記憶媒体(例えば、メモリ)に記憶され、かつ、オンボードノード120の1以上のプロセッサによって実行できるコンピュータ実行可能命令のセットを含むことができる。ハイブリッド通信コレクタ122は、順方向リンク108及びそれぞれのモデムの一つ以上を介して、コンテンツが特定のオンボードデバイス118への配信を目的とするハイブリッド通信ディストリビュータ104によって提供される通信を受信することができる。ハイブリッド通信コレクタ122は、受信デバイス118を決定することができ、かつ、受信した通信のコンテンツを1以上のオンボードネットワークを介して受信デバイス118に配信させることができる。さらに、ハイブリッド通信コレクタ122は、フィードバックデータ又は情報を1以上の逆方向リンク110及びハイブリッド通信ディストリビュータ104への配信用のそれぞれのモデムを介して伝送させることができる。フィードバックデータ又は情報としては、例えば、順方向リンク108の一つ以上を介して予め受信された任意の1以上の通信に関連付けられたデータ若しくは情報、順方向リンク108の任意の一つ以上の状態若しくは条件を表すデータ若しくは情報、及び/又は逆方向リンク110の任意の一つ以上の状態若しくは条件を表すデータ若しくは情報が挙げられる。
【0033】
ここで、輸送機関データ配信ネットワーク106を参照すると、実施形態では、輸送機関データ配信ネットワーク106の少なくとも一部を地上位置に配置できる、例えば、パケットネットワークルータ、光スイッチなどを地上の環境制御構造内に配置できる。実施形態では、輸送機関データ配信ネットワーク106の少なくとも一部を非地上位置に配置できる、例えば、ルーティングノードを衛星又は航空機に配置することができる。輸送機関データ配信ネットワーク106は、パブリックネットワーク、プライベートネットワーク又は1以上のパブリックネットワークと1以上のプライベートネットワークの組合せを含むことができる。輸送機関データ配信ネットワーク106は、通信ネットワーク、データネットワーク、パケットネットワーク又はそれらの組合せを含むことができる。輸送機関データ配信ネットワーク106は、ホストネットワークを含むことや、ピア・ツー・ピア又は他のタイプのアドホックネットワークとすることができる。実際に、輸送機関データ配信ネットワーク106は、データを配信するために任意の公知のネットワーク技術又はその組み合わせを使用することができる。例えば、輸送機関データ配信ネットワーク106は、1以上の構造体112とデータセンタ105又はデータセンタ105にあるハイブリッド通信ディストリビュータ104との間でデータを配信するための任意の既知のネットワーク技術又はその組み合わせを使用することができる。一般に、輸送機関データ配信ネットワーク106は、通信可能に接続される複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。輸送機関データ配信ネットワーク106の1以上の部分は、実施形態では「GROUND SYSTEM FOR VEHICLE DATA DISTRIBUTION」という名称の上記同時係属米国特許出願第13/675190号に記載された地上ベースのシステムに含まれていてもよい。
【0034】
データセンタ105は、輸送機関データ配信ネットワーク106に通信接続でき、かつ、通信接続状態の1以上のコンピューティングデバイスを含むことができるため、これらのものは、他のネットワーク及び/又はコンピューティングデバイスに対して包括的に単一の論理エンティティとして見える。実施形態では、データセンタ105は、ハイブリッド通信ディストリビュータ104を備える。データセンタ105は、少なくとも部分的に地上環境、例えば1以上の固定建物や構造物に配置できる。例えば、データセンタ105の1以上の部分は、上記同時係属米国特許出願第13/675190に記載された地上配信ネットワークなどの地上配信ネットワークに含まれていてもよい。実施形態では、データセンタ105の少なくとも一部は非陸上環境、例えば、航空機、人工衛星又は宇宙ステーションに配置できる。しかしながら、データセンタ105は、静止、移動、輸送機関中、地上、又は非地上かどうかを問わず、任意の好適な環境に設置できることは明らかである。実施形態では、複数のデータセンタ105は、異なるタイプのデータ、異なる顧客、異なる地理的領域又は任意の他の所望の若しくは好適なディファレンシエーションを処理するためのハイブリッド通信システム100に含まれていてもよい。
【0035】
データセンタ105、特にデータセンタ105に含まれるハイブリッド通信ディストリビュータ104は、1以上のゲートウェイ130を介して1以上の他のネットワーク132に通信接続できる。一般に、ゲートウェイ130は、通信接続状態の1以上のコンピューティングデバイスを含むことができ、かつ、ハイブリッド通信システム100と1以上の他のネットワーク132との間の境界として機能することができる。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ130に含まれるコンピューティングデバイスの少なくともいくつかは、データセンタ105にも含まれていてもよい。ゲートウェイ130と通信接続する1以上の他のネットワーク132としては、例えば、インターネット、PSTN(公衆交換電話網)及び/又はいくつかの他のパブリックネットワークが挙げられる。さらに又はあるいは、1以上の他のネットワーク132としては、1以上のプライベートネットワークが挙げられる。1以上のネットワーク132は、任意の数の有線及び/又は無線ネットワークを含むことができる。
図1は、ゲートウェイ130を介して他のネットワーク132に接続されるデータセンタ105を示しているが、ここに記載される技術及び原理は、任意の所望の数の他のネットワーク132を有する及び/又は任意の数のゲートウェイ130を介して任意の所望の数の他のネットワーク132と通信接続しているハイブリッド通信システム100にも同様に当てはまる。システム100のいくつかの実施形態では、ゲートウェイ130を省略してもよい。
【0036】
実施形態では、他のネットワーク132は、データを提供すること、例えば、ゲートウェイ130を介して又は直接接続を介して輸送機関102x内にある特定のデバイス118に配信されるべきデータを提供することができる。一例では、他のネットワーク132は、デバイス118がホームとなる地上セルラネットワークに通信接続されたPSTNであり、デバイス118に配信されるデータは、ホームシステムによって転送されるテキストメッセージ又は音声メールである。別の例では、他のネットワーク132は、デバイス118のユーザがアクセスを要求するウェブサイトをホームとする1以上のコンピューティングデバイスにゲートウェイ130を介して通信接続され、ウェブサイトに関連する情報(例えば、ウェブページ、オブジェクト及びその上のリンク)は、ユーザの要求に応じてデバイス118のユーザインターフェース上に提示するためにデバイス118に配信されるべきである。さらに別の例では、他のネットワーク132は、ストリーミングメディアプロバイダに通信可能に接続され、ストリーミングビデオファイルは、ユーザインターフェースでのデバイスユーザによる消費のためにオンボードデバイス118に配信されるべきデータである。もちろん、任意のタイプのデータ、例えば、テキストメッセージ、ウェブページ、メディアコンテンツ、ストリーミングデータ、デバイス118のユーザインターフェースで受信した以前の要求に対する応答、デバイス118のユーザインターフェースに提示されるべきデータ、アプリケーション、設定又はデバイス118のユーザが他のネットワーク132からダウンロードするように要求した他のソフトウェアを、輸送機関102x内にある指定されたデバイス118に配信するために任意の他のネットワーク132によって(必要に応じて、ゲートウェイ130を介して)データセンタ105に提供することができる。さらに、ハイブリッド通信ディストリビュータ104で受信されるオンボードデバイスからの戻りデータ又は情報(例えばユーザコントロール、リターンテキストメッセージ、要求又はコマンドなどのアクティブ化)は、他のネットワーク132に配信できる(必要に応じてゲートウェイ130を介して)。
【0037】
図2は、輸送機関によって輸送されるデバイスに及び該デバイスから通信を提供するための例示方法200を示す。実施形態では、方法200は、
図1のハイブリッド通信システム100によって少なくとも部分的に実行されるが、方法200のいくつか又は全ては、システム100以外の通信システムによって実行してもよい。実施形態では、方法200の少なくとも一部は、データセンタ105によって又はデータセンタ105のハイブリッド通信ディストリビュータ104によって実行できる。議論を容易にするために、以下、方法200を
図1のシステム100を同時に参照して説明するが、これは、多くの実施形態の一つにすぎず、非限定的あると理解されたい。
【0038】
先に説明したように、通信に含まれるデータ又は情報の受信デバイスは、輸送機関に固定接続されるコンピューティングデバイス(例えば、航空機のLRUに含まれるデバイス)であることができ、又は該デバイスは、輸送機関によって一時的に輸送されているスマートフォン、タブレット、ラップトップコンピューティングデバイスなどのモバイルコンピューティングデバイスであることができる。実際には、デバイスは、データが輸送機関に受信される及び/又は輸送機関から配信されるオンボードノードに通信接続される任意のオンボード通信ネットワークに接続された任意のデバイスとすることができる。議論を簡単にするために、限定目的ではなく、方法200を、デバイス118が特定の輸送機関102xによって輸送されている例示的なシナリオにおいて以下で説明する。
【0039】
ブロック202では、特定の輸送機関102xによって輸送される特定のデバイス118に配信されるべきコンテンツは、例えば、ネットワーク132、輸送機関データ配信ネットワーク106、データセンタ105又は他の任意の好適なソースから受信できる。例えば、データセンタ105又はデータセンタ105のハイブリッド通信ディストリビュータ104は、デバイス118に配信されるべきコンテンツを受信できる。受信されたコンテンツは、デバイス118のユーザによって消費できる任意のタイプのデータ、例えばテキストメッセージ、ウェブページ、メディアコンテンツ、ストリーミングデータ、デバイス118のユーザインターフェースで受信された以前の要求に対する応答及び/又はデバイス118のユーザインターフェースに提示されるべきデータを含むことができる。場合によっては、受信されたコンテンツは、アプリケーション、設定、デバイス118のユーザがデバイス118にダウンロードするように要求した他のソフトウェア又は他のデータとすることができる。
【0040】
実施形態では、コンテンツは、受信されたコンテンツが特にデバイス118のみに配信されるべきであるという指示に関連して受信される。例えば、受信されたコンテンツは、1以上のパケット、メッセージ又は特定のデバイス118を特定的かつ単独に示し又は識別する行先アドレスを含む他の通信形式で受信できる。場合によっては、特定のデバイス118は、コンテンツを受信すべき輸送機関102のセットによって輸送される唯一のデバイスである。コンテンツ及びデバイス118の指示を受信すると、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、デバイス118が現在輸送機関102x(例えば機内にある)によって輸送されていることを決定できる。
【0041】
ブロック205では、送信(例えば、メッセージ、パケット又は他の好適な通信フォーマット)を、輸送機関データ配信ネットワーク106及び順方向リンク108を介して、デバイス118が輸送されている輸送機関102xに送信させることができる。例えば、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、順方向送信を輸送機関102xに送ることができる。順方向送信は、受信されたコンテンツの少なくとも一部及び順方向送信に含まれるコンテンツが配信されるデバイス118の指示を含むことができる。順方向リンク108、例えば、ATGの通信帯域の順方向リンク108a又は衛星通信帯域の順方向リンク108bは、最初に割り当てられた周波数帯域によってサポートできる。実施形態では、順方向リンク108は、広帯域通信のために割り当てられた周波数帯域に含まれていてもよい。
【0042】
実施形態では、順方向送信は、マルチキャスト送信、例えば、複数の行先(輸送機関102xを含む)に本質的に並列に送信される送信として送信できる。順方向送信は、そこに含まれるコンテンツがデバイス118にしか配信されず、輸送機関102x内又は他の輸送機関内にある他のデバイスには配信されなくても、複数の輸送機関102に対してマルチキャストとすることができる。実施形態では、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、デバイス118に配信されるコンテンツ及び順方向送信におけるデバイス118の指示又は識別子を含むことができ、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、順方向送信を順方向リンク、例えば、衛星通信帯域の順方向リンク108bにわたってマルチキャストにすることができる。このように、マルチキャスト送信は、特定の輸送機関102x及び順方向送信がマルチキャストである周波数帯域に同調されたモデムを有する1以上他の輸送機関102によって受信できる。マルチキャスト送信を受信するそれぞれの輸送機関102は、例えばマルチキャスト送信に含まれるデバイス118の指示に基づいて、マルチキャスト送信で運ばれるコンテンツが配信されるべきデバイス118が現在機内にあるのかどうかを個別に決定することができる。実施形態では、複数の輸送機関内にある複数の受信デバイスにそれぞれ配信される複数のコンテンツは、単一の順方向送信に多重化できる。
【0043】
ブロック208では、順方向リンクを介して輸送機関102xに送信された逆方向送信に対応するフィードバック情報又はデータを受信することができる。実施形態では、フィードバック情報は、順方向送信が送られた順方向リンクをサポートする周波数帯域とは異なる割り当て周波数帯域でサポートされる逆方向リンクを介してハイブリッド通信ディストリビュータ104で受信される。例えば、ブロック205において、順方向送信が送られる順方向リンクは、衛星通信リンクの順方向リンク108bであり、フィードバック情報が受信されるブロック208での逆方向リンクは、ATG逆方向リンク110a又はWi−Fi逆方向リンク110cであることができる。実施形態では、フィードバック情報は、逆方向リンクを介して送信されるユニキャスト送信に含まれる。例えば、ユニキャスト送信は、選択されたリターンリンク110を介して輸送機関102xから送信できる。その後、フィードバック情報は、例えば輸送機関データ配信ネットワーク106を介して、ユニキャスト送信フォーマット又は別のフォーマットを使用してハイブリッド通信ディストリビュータ104に配信できる。
【0044】
フィードバック情報は、実施形態では、順方向送信に対応する情報又はデータを含むことができる(ブロック202)。例えば、フィードバック情報は、順方向リンクについて輸送機関102xで受信された順方向送信に対応するシグナリング情報を含むことができ、例えば、フィードバック情報は、順方向送信の受信確認や期待されたコンテンツが順方向送信で受信されなかった指示などの逆方向シグナリングを含むことができる。したがって、一方の周波数帯域の順方向リンクは、順方向データ又はペイロード配信リンクとして機能することができ、また、他方の周波数帯域の逆方向リンクは、順方向データ又はペイロード配信リンクに対応するシグナリングリンクとして機能することができる。このように順方向及び逆方向リンクを異なる周波数帯域で使用すると、場合によっては、利用可能な通信スペクトラムの効率的な使用を可能にすると共に、特定のハードウェア/ソフトウェアの制約又は規制要件に適合することを可能にする。
【0045】
例えば、輸送機関102x又は輸送機関102内にある様々なデバイスにそれぞれ配信される複数の順方向データは、ブロードバンド順方向リンク(例えば、順方向衛星通信リンク108b)にわたって単一順方向送信に多重化できる。実施形態では、多重化順方向送信は、複数の輸送機関102に対してマルチキャストにすることができる。順方向送信に対応する逆方向シグナリングは、対応する高帯域幅逆方向リンクではなく低帯域幅方向リンクを介して(例えば逆方向ATGリンク110A又は逆方向Wi−Fiリンク110cを経由して)輸送機関102x(又は輸送機関102)から送信できる(例えば、逆方向シグナリングは、この例では逆方向衛星通信リンク110bを介して送信されない)。場合によっては、ペイロードに対応する順方向シグナリングは、低帯域幅リンクを介してハイブリッド通信ディストリビュータ104から送信できる(例えば、順方向ATGリンク108a又は順方向Wi−Fiリンク108c)。
【0046】
いくつかの実施形態では、フィードバック情報としては、順方向送信を受信した順方向リンクの送信の可用性、帯域幅及び/又は品質が挙げられる。例えば、オンボードデータ配信ノード120は、順方向送信が受信された順方向リンクの品質を、誤り訂正、遅延及び/又はコンテンツが期待されていたか又は期待されていなかったかどうかなどの、受信された順方向送信特性に基づいて決定することができる。場合によっては、オンボードデータ配信ノード120は、他のデータを介して、順方向リンクの品質(及び/又はその事項について順方向リンクの可用性若しくは帯域幅)、例えば、順方向リンクを介して受信された信号強度、リンクモニタによって検出された情報などを決定することができる。同様に、オンボードデータ配信ノード120は、他の順方向リンク108及び/又は逆方向リンク110のいずれか若しくは全ての送信の可用性、帯域幅及び/又は品質を決定することができる。
【0047】
ブロック210では、後の送信が輸送機関102xに配信されるべき順方向リンク(例えば、「後の順方向リンク」)は、受信したフィードバック情報に基づいて選択できる。実施形態では、ハイブリッド通信ディストリビュータ104がフィードバック情報を受信した後に(ブロック208)、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、受信したフィードバック情報に基づいて、輸送機関102xへの後の送信を提供するために使用する後の順方向リンクを選択することができる。例えば、フィードバック情報が、順方向リンクの一つの送信又は帯域幅の品質が閾値を下回ったことを示す場合には、その特定の順方向リンクを、少なくとも特定の順方向リンクの品質や帯域幅が許容レベルに戻ったという指示をハイブリッド通信ディストリビュータ104が受信するまで順方向リンクの選択プールから削除することができる。
【0048】
実施形態では、後の順方向リンクは、後の順方向送信に含まれるコンテンツのタイプに基づいて追加的に又は代替的に選択できる。例えば、第1順方向送信は、デバイス118に配信されるべきテキストメッセージを含むことができるのに対し、後の順方向送信は、輸送機関102x内にある別のデバイスに配信されるべきストリーミングメディアコンテンツを含むことができる。この例では、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、テキストメッセージを配信するためにATG順方向リンク108aを選択することができ(例えば、ATG順方向リンク108aが今のところ比較的小さなテキストメッセージをサポートするのに十分な予備の帯域幅を有する場合)、また、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、ストリーミングメディアコンテンツを配信するために衛星順方向リンク108bを選択することができる。というのは、衛星順方向リンク108bは、ATG順方向リンク108aよりも大きな帯域幅や速度を持つブロードバンド接続リンクとすることができ、これは比較的大きなメディアコンテンツを良好にサポートすることができるからである。例えば、衛星順方向リンク108bの帯域幅又は速度は、ATG順方向リンク108aの2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍よりも大きい又は7よりも大きい因数で大きくてもよい。場合によっては、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、後の順方向送信の特定のコンテンツのために許容できる待ち時間に基づいて順方向リンクを選択することができる。例えば、ビデオなどの非リアルタイムメディアストリームは、受信デバイスへの後の又は遅延配信のためにバッファリングできる。
【0049】
ブロック212では、後の順方向送信を、選択された順方向リンクを使用して輸送機関102xに送る。例えば、後の順方向送信は、ブロック205に関して先に論じたような方法で輸送機関102xに送信できる。
【0050】
輸送機関102xが輸送機関102xの動的動きを示す又は輸送機関102xが途中又は出発元と行先との間であることを示す任意の状態である間に、方法200のいずれか又は全てを実行することができる。例えば、輸送機関102xは航空機であることができ、そして輸送機関102xが複数の飛行状態のいずれか一つ、例えば、飛行中、上昇、下降、ウエイト・オン・ホイール又は複数の可能なポート状態のいずれか一つの間に方法200の少なくとも一部を実行することができる。
【0051】
一般的に「ポート状態」に関して、ここで使用するときに、「ポート」とは、輸送機関が出発しかつ輸送機関が到着できる指定場所であることができる。ポートの例としては、空港、積出港、鉄道の駅、病院、輸送ターミナル、バスターミナル、給油所、車両メンテナンス又はサービスエリア、軍事基地、空母などが挙げられる。ここで使用するときに、輸送機関の「ポート状態」は、一般に、輸送機関が輸送機関ポートの近傍(又はその近く)にあることを示す輸送機関状態、例えば、輸送機関が離陸し、着陸し、地上走行し、駐車し、ドッキングされ、港内にあり、貨物ヤード内にあるなどをいう。ポート状態は、輸送機関が静止している又は静止していないことを示すことができる。ポート状態は、例えば、輸送機関がポートの所定距離内にあることを決定することによって、例えば、輸送機関の地理空間位置(例えば、全地球測位システム又はGPSによって決定されるような)を使用して及び/又はポートのトランシーバによって送信されるビーコン信号の存在及び/又は信号強度を検出することによって決定できる。もちろん、航空機ではない輸送機関は、それにもかかわらず、例えばボートが港の範囲内にある又はポートにドッキングされているとき、トラックがガソリンスタンド又は秤量所にあるとき、又は輸送機関がポート間を走行していないときにポート状態にあることができる。
【0052】
実施形態では、輸送機関102xがポート状態にある間に方法200の全体を実行する。実施形態では、輸送機関102xが動的運動状態にある間(例えば、飛行中、セーリング中、又は高速道路に沿った移動中)に方法200の全体を実行する。実施形態では、車両102xが静止状態にある間(例えば、ゲートで停車、休憩所で駐車又は誘導路で停止)に方法200の全体を実行する。
【0053】
図3は、輸送機関によって輸送されているデバイスに及び該デバイスから通信を提供するための例示方法220を示す。実施形態では、方法220は、
図1のハイブリッド通信システム100によって少なくとも部分的に実行されるが、方法220のいくつか又は全ては、システム100以外の通信システムによって実行されてもよい。実施形態では、方法220の少なくとも一部は、オンボードノード120に含まれるハイブリッド通信コレクタ122によって実行される。実施形態では、方法220は、
図2の方法200の少なくとも一部に関連して操作できる。議論を容易にするために、以下において方法220を
図1のシステム100及び
図2の方法200を同時に参照して説明するが、この説明は、多くの実施形態の一つにすぎず、非限定的であると理解されたい。
【0054】
前述のように、輸送機関で受信された通信に含まれる情報又はデータの受信デバイスは、任意のオンボード通信ネットワークに通信接続され、次にオンボードノードに通信接続され、これを介して通信が輸送機関に受信される任意のデバイスとすることができる。もっぱら説明を容易にするために、ただし限定の目的ではなく、方法220は、デバイス118が特定の輸送機関102xによって輸送されているモバイルコンピューティングデバイスである例示シナリオとの関連で以下に説明する。
【0055】
ブロック222では、輸送機関102x内にあるモバイルデバイス118に配信されるべきコンテンツを含む順方向送信は、輸送機関102xで受信される。例えば、オンボードノード120のハイブリッド通信コレクタ122は、デバイス118に配信されるべきコンテンツを含む順方向送信を受信することができる。実施形態では、コンテンツは、デバイス118にのみ配信されるべきであり、輸送機関102x内にある他のいずれのデバイスにも配信されるべきではない。コンテンツは、上記のように、デバイス118のユーザインターフェースに提示されるべきデータ、デバイス118によって保存される若しくは実行されるデータ、又はデバイス118によって若しくはデバイス118のユーザによって利用される他の任意のデータを含むことができる。
【0056】
順方向送信は、輸送機関102xへの複数の順方向リンクのうちの一つ及び輸送機関102xに固定接続されているそのそれぞれのモデムを介して受信できる(ブロック222)。順方向送信が受信される順方向リンクは、第1割り当て周波数帯域によってサポートできる(例えば、衛星通信帯域の順方向リンク108b)。
【0057】
実施形態では、順方向送信は、マルチキャスト送信として輸送機関102xで受信できる(ブロック222)。マルチキャスト送信は、デバイス118に配信されるべきコンテンツ及びターゲット又は受信デバイス118の指示又は識別子を含むことができる。実施形態では、ターゲットデバイス118のコンテンツ及び指示は、マルチキャスト送信において、ターゲットデバイス118又は輸送機関102のいずれかの機内にある他のターゲットデバイスに配信されることを目的とする他のコンテンツと共に多重化できる。特定の輸送機関102xにおいて、ハイブリッド通信コレクタ122は、コンテンツのターゲットデバイス118のコンテンツ及び指示を、マルチキャスト送信を逆多重化した後、又はいくつかの他の適切な技術を使用して順方向送信から所望の情報を抽出した後にリカバリできる。
【0058】
順方向送信に含まれるデバイス118の指示に基づいて、ハイブリッド通信コレクタ122は、コンテンツが配信されるデバイス118が現在輸送機関102x内にあるかどうかを決定することができる。コンテンツが配信されるデバイスが輸送機関102x内にはないと決定される場合には、受信した順方向送信におけるさらなる処理を実行しなくてもよい。コンテンツが配信されるデバイス、例えばデバイス118が輸送機関102x内にあると決定される場合には、方法220は、受信した送信のコンテンツを輸送機関102x内に収容される1以上の通信ネットワークを介して受信又はターゲットデバイス118に送信させることを含むことができる(ブロック225)。例えば、デバイス118が輸送機関102x内にあるWi−Fiネットワークに接続されたモバイルコンピューティングデバイスである場合には、ハイブリッド通信コレクタ122は、IEEE802.11対応送信のコンテンツを含むことができ、かつ、送信をデバイス118に機内Wi−Fiネットワーク経由で提供することができる。さらに又はあるいは、Wi−Fi以外の機内データ配信の他の例も可能である。実際に、方法220は、輸送機関102x内において、オンボードデバイスに受信コンテンツを配信する任意の手段及び/又は技術、例えば上記同時係属米国特許出願第13/675200号に記載された手段及び/又は技術のいずれかを使用することができる。
【0059】
ブロック228では、フィードバック情報を、輸送機関102xから送信させることができる。実施形態では、フィードバック情報は、順方向送信が受信された順方向リンクをサポートする周波数帯域とは異なる割り当て周波数帯域によってサポートされる逆方向リンクを使用して輸送機関102xから送信できる(ブロック222)。例えば、順方向リンク(ブロック222)が衛星通信リンクの順方向リンク108bである場合には、フィードバック情報が送信される逆方向リンク(ブロック228)は、ATG逆方向リンク110a又はWi−Fi逆方向リンク110cとすることができる。実施形態では、フィードバック情報は、逆方向リンクを介して送信されるユニキャスト送信に含まれる。例えば、ハイブリッド通信コレクタ122は、ユニキャスト送信を、選択されたリターンリンク110を介して輸送機関102xから送信させることができる。
【0060】
先に
図2に関して説明したように、フィードバック情報は、受信された順方向送信(ブロック222)又は受信された他の順方向送信に対応する情報又はデータ、順方向送信(ブロック222)が輸送機関102xに配信された順方向リンクに対応する情報又はデータ、他の順方向リンクに対応する情報又はデータ、1以上の逆方向リンクに対応するデータ及び/又は情報を含むことができる。例えば、フィードバック情報は、順方向リンク(ブロック222)を介して輸送機関102xで受信された順方向送信に対応する逆方向シグナリング情報を含むことができ、例えば、フィードバック情報は、順方向送信の受信通知を含むことができ、又は予想されるコンテンツが順方向送信で受信されなかったという通知を含むことができる。このように、この例では、輸送機関102xは、順方向データ又はペイロード配信リンクとして一方の周波数帯域の順方向リンクを利用することができ、かつ、順方向データ又はペイロード配信リンクに対応するシグナリングリンクとして他方の周波数帯域の逆方向リンクを利用することができる。
【0061】
実施形態では、輸送機関102xは、一方向通信リンクとして順方向リンク(例えば、ブロック222の順方向リンク)を利用することができる。例えば、輸送機関102xは、順方向リンクを含む通信リンクに接続されているトランシーバ又はモデムを受信専用モードで動作させることができる。輸送機関102xは、一方向の順方向リンクに対応する逆方向リンク(例えば、ブロック228の逆方向リンク)として第2通信リンクを利用することができる。輸送機関102xは、一方向リンクとして第2通信リンクを利用することができ(例えば、第2通信リンクに送信専用モードで接続されたトランシーバ又はモデムを配置することによって)、又は輸送機関102xは、双方向リンクとして第2通信リンクを利用することができる(例えば、第2通信リンクに接続されたトランシーバ又はモデムを受信モード及び送信モードの両方で使用することによって)。
【0062】
輸送機関102xは、第1及び第2通信リンクの多数の異なる構成及び数を利用して、ここで説明するハイブリッド通信技術、例えば、通信が異なる通信周波数帯域の順方向及び逆方向リンクを使用して輸送機関内にあるデバイスに及び該デバイスから配信される技術を実現することができる。例えば、ここに記載された技術の少なくともいくつかは、論理順方向リンクとして1以上の全二重(例えば、双方向)通信リンクを使用することによって及び対応する論理逆方向リンクとして論理順方向リンクの周波数帯域とは異なる1以上の周波数帯域によってサポートされる1以上の他の全二重通信リンクを使用することによって実現できる。別の例では、ここに記載される技術の少なくともいくつかは、論理順方向リンクとして1以上の一方向通信リンクを使用し、かつ、対応する論理逆方向リンクとしての論理順方向リンクの周波数帯域とは異なる1以上の周波数帯域によってサポートされる1以上の他の一方向通信リンクを使用して実現できる。さらに別の例では、1以上の全二重通信リンクを論理順方向リンクとして使用でき、また、論理順方向リンクの周波数帯域とは異なる1以上の周波数帯域によってサポートされる1以上の単方向通信リンクを対応する論理逆方向リンクとして使用する。さらに別の例では、1以上の一方向通信リンクは、論理順方向リンクとして使用でき、また、論理順方向リンクの周波数帯域とは異なる1以上の周波数帯域によってサポートされる1以上の全二重通信リンクは、対応する論理逆方向リンクとして使用される。
【0063】
ブロック230では、後の順方向送信は、輸送機関102xで受信できる。後の順方向送信は、デバイス118に配信されるべき追加コンテンツを含むことができ、又は、後の順方向送信は、輸送機関102x内にある又は他の輸送機関102内にある他のデバイスに配信されるべきコンテンツを含むことができる。後の順方向送信は、複数の順方向リンクのうちの一つを介して輸送機関102xに受信でき、また、後の順方向送信を受信する順方向リンクは、輸送機関102xから以前に送信されたフィードバック情報に基づいて選択されていてもよく(ブロック228)及び/又は追加のコンテンツのタイプに基づいて選択されていてもよい。このように、ブロック230の順方向リンクは、ブロック222の同じ順方向リンクであってもよいし、異なる順方向リンクであってもよい。
【0064】
ハイブリッド通信コレクタ122は、後の順方向送信のコンテンツが配信されるべきデバイスが現在輸送機関102x内にあるかどうかを、例えばブロック225に関して上述したのと同様の方法で決定できる。コンテンツが配信されるべきデバイスが輸送機関102x内にないと決定される場合には、後の送信について追加の処理を実行しなくてもよい。コンテンツが配信されるべきデバイス、例えばデバイス118が輸送機関102x内にある場合には、方法220は、受信した後の送信のコンテンツを、例えばブロック225に関して上述したのと同様の方法で、輸送機関102x内に収容される1以上の通信ネットワークを介して受信又はターゲットデバイス118に送信させることを含むことができる(ブロック232)。
【0065】
実施形態では、ブロック232の後に、方法220は、後のフィードバック情報を、輸送機関102xから送信させることを含むことができる(図示せず)。後のフィードバック情報は、後の順方向送信、後の順方向送信が輸送機関102xに配信された順方向リンク、他の順方向リンク及び/又は1以上の逆方向リンクに対応するデータ又は情報を含むことができる。例えば、ハイブリッド通信コレクタ122は、後のフィードバック情報を、ブロック228に関して説明したのと同様の方法で、ハイブリッド通信ディストリビュータ104への配信のために選択された逆方向リンクを使用して輸送機関102xから送信させることができる。一実施形態では、その後、ハイブリッド通信ディストリビュータ104は、後のフィードバック情報を利用して次の順方向リンクを選択することができる。
【0066】
方法200と同様に、方法220のいずれか又は全ての部分を、輸送機関102xが輸送機関102xの動的な動きを示す任意の状態、例えば飛行状態又は輸送機関102xがポート間で移動していることを示す状態である間に実行することができる。輸送機関102xが任意のポート状態にある間に方法220のいずれか又は全てを実行することができる。輸送機関102xは静止状態にある間(例えば、ゲートで停車、ポートにドッキング又は誘導路に停止)に方法220のいずれか又は全てを実行することができる。
【0067】
実施形態では、輸送機関によって輸送されているデバイスに通信を提供するための上記技術の1つ以上は、輸送機関でモデム又はトランシーバを効率的に使用するように、例えば輸送機関の1以上のモデム/トランシーバの使用を最小限に抑えるように構成できる。
図4は、輸送機関での効果的なモデム又はトランシーバの使用のための例示方法240を示す。実施形態では、方法240は、
図1のハイブリッド通信システム100によって少なくとも部分的に実行されるが、方法240のいくつか又は全ては、システム100以外の通信システムによって実行してもよい。実施形態では、方法240の少なくとも一部は、例えば輸送機関102xのオンボードノード120又はオンボードノード120に含まれるハイブリッド通信コレクタ122により輸送機関で実行される。実施形態では、方法240は、
図2〜3に記載された一方又は両方の少なくとも一部に関連して操作できる。議論を容易にするために、方法240は、
図1〜3を同時に参照して以下に説明するが、この説明は、多くの実施形態の一つに過ぎず、非限定的であると理解されたい。さらに、もっぱら議論を容易にするために、ただし限定の目的ではなく、方法240は、例えば、モデム又はトランシーバの使用が特定の輸送機関102xに最適化される例示シナリオの状況で説明する。
【0068】
米国及び他の管轄区域において、輸送機関102xがポート状態のときに(例えば、ポート又はその付近に近接して位置するとき)、輸送機関102xは、輸送機関102x内にあるどのトランシーバ又はモデムが送信を許可されるのかについての政府、ポート及び他の規制当局によって発布される規制を遵守することが要求される。例えば、航空機のトランシーバ又はモデムは、航空機がゲートに停車している間又は空港で地上走行している間には衛星周波数帯域にわたって送信できない。したがって、規制を遵守するために、輸送機関102xは、航空機がゲートで停車し又は空港近くで停車している間には、衛星周波数帯域に同調されたモデム又はトランシーバの送信機能を無効化することができる。
【0069】
しかし、典型的には、輸送機関102xがポートに又はポート付近にある間に輸送機関102xのモデム又はトランシーバが受信することが可能かどうかについて制限は認められていない。したがって、輸送機関102xがゲートに停車し、地上走行し又はいくつかの他のポート状態にある間に、輸送機関102xは、高帯域幅の周波数帯域(広帯域通信のために割り当てられた衛星通信周波数帯域又は他の周波数帯域など)の順方向帯域を利用して輸送機関102xにデータを受信することができる。このように、輸送機関102xは、一方の周波数帯域における高速一方向の順方向リンクを使用してデータを受信することができ、かつ、対応する逆方向リンクとして異なる周波数帯域内の他方の通信リンクを使用することができる。例えば、輸送機関102xがポート状態にある間に、高速衛星通信リンクの順方向リンク108bは、輸送機関102xに対する高速データ配信のために利用でき、また、低速ATG逆方向リンク110a又はWi−Fi逆方向リンク110cは、順方向リンク108bに対応する逆方向リンクとして利用できる。低速逆方向リンクは、一方向の逆方向リンクとして輸送機関102xによって利用でき(例えば、輸送機関102xは、低速逆方向リンクに接続されたモデム又はトランシーバを送信専用モードで動作させることができる)、又は低速逆方向リンクは、双方向リンクとして輸送機関によって利用できる(例えば、輸送機関102xは、低速逆方向リンクに接続されたモデム又はトランシーバを送受信モードで動作させることができる)。実施形態では、高速順方向リンクの帯域幅又は速度は、逆方向リンクよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍大きくてよく又は7よりも大きい因数で大きくてもよい。
【0070】
これにより、輸送機関102xがポート状態にある間に、輸送機関102xにデータをロードする高速、一方向の順方向リンクの使用及び低速逆方向リンクの対応する使用には、異なる通信リンクが輸送機関ポートで輸送機関102xに電子データを配信するのに必要な時間を短縮できるという様々な能力の利点があると同時に、送信規制を完全に遵守することができる利点がある。このように、輸送機関102xで異なるモデム又はトランシーバを使用することが最適化されるため、データ配信時間が短縮され、しかも輸送機関102xがその後の走行脚のためにさらに迅速に準備できる。
【0071】
上記を考慮して、方法240は、輸送機関102xがポート状態であると決定することができる(ブロック242)。実施形態では、輸送機関102xのオンボードノード120又はオンボードノード120に含まれるハイブリッド通信コレクタ122は、例えば輸送機関102xの輸送状態を監視し決定するように構成される輸送機関102x内にあるGPS受信機、センサ又は他のコンピューティングデバイスから情報を受信することによって、輸送機関102xが複数のポート状態の一つの状態にあることを決定できる。
【0072】
ブロック245では、輸送機関102xにデータを配信するための第1通信リンクを、例えば輸送機関102xに固定接続されかつ第1周波数帯域に同調される第1モデムで確立することができる。実施形態では、第1通信リンクは、第1無線通信リンクである。例えば、輸送機関102xがポート状態であると決定された後に(ブロック242)、オンボードノード120又はハイブリッド通信コレクタ122は、第1モデムが受信専用の状態であることを確保することができ、かつ、第1モデムを使用して、第1周波数帯域にわたって、ポートに設けられかつ輸送機関102xの外部にあるポートトランシーバ又はモデムと共に一方向の順方向通信リンク108を確立することができる。実施形態では、一方向の順方向リンク108は、衛星通信プロトコル又は他の広帯域プロトコルなどの広帯域プロトコルをサポートする。さらに、ポートトランシーバ又はモデムは、一方向の順方向リンク108のポート端部で、例えば輸送機関データ配信ネットワーク106を介してデータセンタ105又はデータセンタ105でのハイブリッド通信ディストリビュータ104と通信接続された状態にあることができる。このように、無線一方向順方向通信リンク108は、デバイス118が輸送機関102xによって輸送されている間に、データセンタ105(又はデータセンタ105でのハイブリッド通信ディストリビュータ104)から輸送機関102x、オンボードノード120、ハイブリッド通信コレクタ122、輸送機関内にある受信デバイス、例えばデバイス118、又はデバイス118にインストールされかつ特にサービスをサポートするように構成されるビヒクルトラベルアプリケーション(VTA)への論理順方向リンクの少なくとも一部をサポートできる。実施形態では、論理順方向データリンクは、データトンネルの順方向リンクであることができる(データトンネルは、
図6に関連してさらに完全に説明されている)。
【0073】
ブロック248では、第2通信リンクを、輸送機関102xに固定接続されかつ第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域に同調される第2モデムで確立することができる。実施形態では、第2通信リンクは、第2無線通信リンクであることができる。第2通信リンクは、一方向(送信専用)逆方向リンクであることができ、又は第2通信リンクは、逆方向リンクを含む双方向リンクであることができる。例えば、輸送機関102xがポート状態であると決定された後(ブロック242)に、オンボードノード120又はハイブリッド通信コレクタ122は、第2モデムを使用して、第2周波数帯域にわたって、ポートに設けられかつ輸送機関102xの外部にある別のポートトランシーバ又はモデムとの第2通信リンクを確立することができる。実施形態では、第2ポートトランシーバ又はモデムは、例えば輸送機関データ配信ネットワーク106を介して、データセンタ105又はデータセンタ105でのハイブリッド通信ディストリビュータ104と通信接続状態にある。このように、逆方向通信リンク110は、輸送機関102x、オンボードノード120、ハイブリッド通信コレクタ122、デバイス118、又はデバイス118でのVTAからデータセンタ105又はハイブリッド通信データセンタ105でのディストリビュータ104までの論理逆方向リンクの少なくとも一部をサポートすることができる。実施形態では、論理逆方向データリンクは、論理順方向データトンネルリンクが含まれるデータトンネルの逆方向リンクであることができる。
【0074】
ブロック250では、方法240は、輸送機関102xがポート状態にある間にデータが輸送機関102xに受信できる順方向リンクとして第1通信リンクを使用することを含むことができる。データは、輸送機関内にあるデバイスに配信されるべきコンテンツを含むことができる。実施形態では、コンテンツの配信先となるデバイスは、輸送機関102xに固定接続されるオンボードデータ記憶装置であることができる。一つのシナリオでは、受信されたデータは、オンボードエンターテイメント記憶データベース又はデータデバイスでの保存のために配信されるべきエンターテイメントメディアコンテンツを含むことができ、別のシナリオでは、受信したデータは、輸送機関102x内にあるナビゲーションシステムに配信されるべき更新されたマップ又はチャートを含むことができる。実施形態では、一方向順方向リンクを介して輸送機関102xに受信されたデータは、輸送機関102x内にある複数のデバイスにそれぞれ配信されるべき多重化コンテンツデータを含むことができる。この実施形態では、オンボードノード120又はオンボードノード120のハイブリッド通信コレクタ122は、受信した多重化送信を逆多重化できる。実施形態では、受信されたデータは、特定のモバイルコンピューティングデバイスのみに配信されるべきコンテンツを含むことができる。実施形態では、受信されたコンテンツは、輸送機関102xが仕向ポートに向かう途中に輸送機関102xの仕向ポートに、輸送機関データ配信システム106又は他のネットワークによって、例えば「GROUND SYSTEM FOR VEHICLE DATA DISTRIBUTION」という名称の上記同時係属米国特許出願第13/675190号に記載された技術の一つ以上を使用することによって配信されていることができる。
【0075】
場合によっては、データは、マルチキャスト送信で一方向通信リンクにわたって輸送機関102xに受信できる。例えば、サービスプロバイダは、輸送機関が特定のポートに到着したときに輸送機関団の全てでオンボードエンターテインメントの提供を更新することを望む場合がある。サービスプロバイダは、高帯域幅順方向リンクでマルチキャスト送信を使用して、ポートに停車している輸送機関団の全てに更新されたオンボードエンターテイメントコンテンツを配信することができる。別の例では、重要なソフトウェアの更新は、輸送機関内の特定のLRUに配信される必要がある場合がある。ソフトウェアの更新は、高速順方向リンクを使用して、ポートで停車しかつ特定のLRUを含む全ての輸送機関にマルチキャストすることができる。実施形態では、一方向通信リンクを介して輸送機関102xで受信されたマルチキャスト送信は、受信デバイスの指示を含むことができ、また、オンボードノード120又はハイブリッド通信コレクタ122は、受信デバイスが輸送機関102x内にあるか否かを決定することができる。受信デバイスが輸送機関102x内にはない場合には、マルチキャスト送信を停止し又はそうでなければ無視することができる。
【0076】
受信デバイスが輸送機関102x内にあると決定されたときに、方法240は、実施形態では、受信されたデータを、第1一方向通信リンクを介して、例えば輸送機関102x内に収容される1以上の通信ネットワークを介して受信デバイスに配信させることを含むことができる。例えば、方法240は、上記同時係属米国特許出願第13/675200号に記載されたオンボードデータ配信技術のいずれかを利用することができる。
【0077】
ブロック252では、方法250は、輸送機関102xが複数のポート状態の一つにある間にフィードバック又は第2データを輸送機関102xから送信することができる順方向リンクに対応する逆方向リンクとして第2通信リンクを使用することを含むことができる。例えば、受信したデータの受信確認を、逆方向リンクを介してシグナリングすることができ、又は受信したデータに相当する任意の他の好適な逆方向シグナリング(ブロック250)を、逆方向リンク(ブロック252)を介して送信することができる。実施形態では、第1通信リンクの帯域幅又は速度は、第2通信リンクの2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍よりも大きく又は7よりも大きい因数で大きくてもよい。
【0078】
図5は、輸送車両でのモデム又はトランシーバの使用を最適化するための例示方法260を示す。実施形態では、方法260は、
図1のハイブリッド通信システム100によって少なくとも部分的に実行されるが、方法260のいくつか又は全ては、システム100以外の通信システムによって実行されてもよい。実施形態では、方法240の少なくとも一部は、データセンタ105によって又はデータセンタ105に含まれるハイブリッド通信ディストリビュータ104によって実行される。実施形態では、方法260は、
図2〜4に記載された方法の1以上の少なくとも一部に関連して操作できる。議論を容易にするために、方法260は、
図1〜4を同時に参照して以下に説明するが、この説明は、多くの実施形態の一つに過ぎず、非限定的であると理解されたい。また、議論を容易にするためのみに、限定の目的ではなく、方法260は、モデム又はトランシーバの使用が複数の輸送機関102の特定の輸送機関102xで最適化される例示シナリオとの関連で以下に説明する。
【0079】
ブロック262では、輸送機関102xが複数のポート状態のうちの一つにあるという決定を行うことができる。例えば、データセンタ105又はデータセンタ105でのハイブリッド通信ディストリビュータ104は、輸送機関がポート状態であることを別のコンピューティングデバイス、センサ又はデータソースから輸送機関の状態の指示を受信することによって決定できる。
【0080】
ブロック265では、データ通信トンネルがデータセンタ105と輸送機関102xとの間で確立できる。例えば、データ通信トンネルは、データセンタ105又はデータセンタでのハイブリッド通信ディストリビュータ104であることができる、輸送機関102x内にはない第1末端部を備えることができる。データ通信トンネルは、輸送機関102x内にある第2末端部を備えることができる。輸送機関102x内にあるデータ通信トンネルの末端部は、例えば、輸送機関102xのオンボードノード120、ハイブリッド通信コレクタ122、デバイス118又はデバイス118で実行されるVTAであることができる。
【0081】
方法260によって確立できる又はそうでなければハイブリッド通信システム100若しくは別のハイブリッド通信システムで確立できる例示データ通信トンネル600のブロック図を
図6に提供する。ここで使用するときに、用語「データ通信トンネル」、「データトンネル」及び「トンネル」は、例えば輸送機関102xの外部にあるノード又はデータセンタ602と輸送機関102x内にあるノード604との間のカプセル化伝送路又は論理接続をいうために区別なく使用される。場合によっては、データ通信トンネル600は、輸送機関102xの外部にある第1エンドポイントを有するカプセル化伝送路又は論理接続であることができる。例えば、データトンネルの第1エンドポイントは、データセンタ602であってもよいし、データセンタ602でのハイブリッド通信ディストリビュータ606であってもよい。実施形態では、ハイブリッド通信ディストリビュータ606は、
図1のハイブリッド通信ディストリビュータ104であることができる。
【0082】
データ通信トンネル600は、輸送機関102x内に配置される第2エンドポイントを有することができる。例えば、データトンネル600の第2エンドポイントは、オンボードノード604であってもよいし、オンボードノード604上で実行されるアプリケーション608、例えばオンボードノード120で実行されるハイブリッド通信コレクタ122であってもよい。場合によっては、データトンネル600の第2エンドポイントは、受信デバイス118であってもよいし、受信デバイス118で実行するVTA又は他のアプリケーションであってもよい。
【0083】
データトンネル600は、一実施形態では、2つのエンドポイント間でトンネリングプロトコルを利用することにより実現できる。トンネリングプロトコルのパケット又は送信は、トンネル600をサポートする通信リンクによって使用されるパケット又は他のプロトコルの送信内でカプセル化できる。一例として、
図1及び
図6を同時に参照すると、ハイブリッド通信ディストリビュータ104と輸送機関102x内にあるデバイス118との間の例示データトンネルは、データトンネルプロトコルを使用するデータトンネル順方向リンク610を含むことができる。データトンネルプロトコルの順方向パケットは、データトンネル順方向リンク610をサポートする様々な順方向リンクによって使用されるそれぞれのプロトコル、例えば、車両データ配信ネットワーク106、選択された順方向リンク108及び輸送機関102xのキャビン内あるWi−Fiリンクにより使用されるそれぞれのプロトコルによってカプセル化できる。同様に、ハイブリッド通信ディストリビュータ104とデバイス118との間のデータトンネル逆方向リンク612は、輸送機関102xのキャビン内のWi−Fi逆方向リンク、選択された逆方向リンク110及び輸送機関データ配信ネットワーク106によってサポートでき、例えば、これらの様々なサポート逆方向リンクで利用されるプロトコルのそれぞれは、逆方向のデータトンネルプロトコルパケットをカプセル化する。
【0084】
データトンネル600がハイブリッド通信システム100に含まれる実施形態では、データトンネル順方向リンク610は、データトンネル逆方向リンク612をサポートする1以上の通信リンクとはプロトコル及び/又は周波数帯域の点で異なる1以上の通信リンクによってサポートできる。さらに、データトンネル順方向リンク610及びデータトンネル逆方向リンク612は、それぞれのサポートメッセージ配信方式(例えば、マルチキャスト又はユニキャスト)の点で異なっていてもよく、及び/又は使用されるサポート通信リンクの数(例えば、データトンネル順方向リンク610における複数のサポート通信リンク及びデータトンネル逆方向リンク612における1のサポート通信リンク)の点で相違することができる。それにもかかわらず、一実施形態では、データセンタ602とオンボードノード604との間のデータトンネル600は、場合によっては、1の論理データトンネル順方向リンク610又はデータの順方向ストリーム及び1の論理データトンネルリンク612又はデータの逆方向ストリームを有するものであると論理的に提示できる(例えば、ソフトウェアアプリケーションで)。
【0085】
順方向データ614、又はデータトンネル順方向リンク610でオンボードノード604に送信されるデータとしては、例えば次のものが挙げられる:(i)オンボードノード604に通信接続されている1以上のオンボード受信デバイスに配信するためのコンテンツ618、ここで、コンテンツ618は、任意のタイプのデータ、例えばテキストメッセージ、ウェブページ、メディアコンテンツ、ストリーミングデータ、オンボードデバイスのユーザインターフェースで受信された前の要求に対する応答、オンボードデバイスのユーザインターフェースに提示されるべきデータ、アプリケーション、設定、オンボードデバイスのユーザがダウンロードすることを要求した他のソフトウェア等を含むことができる;(ii)コンテンツ618及びデータトンネル600を介したコンテンツ618の配信に対応するシグナリング情報616;(iii)コンテンツ618が配信される1以上のオンボード受信デバイスを識別するデバイス情報620a;及び/又は(iv)データトンネル600自体の利用に対応する他の順方向シグナリング情報616(例えば、可用性、送信の品質、帯域幅管理等)。
【0086】
逆方向データ622又はデータトンネル逆方向リンク612でデータセンタ602に送信されるデータとしては、例えば次のものが挙げられる:(i)配信されたコンテンツ618に対応する及び/又はデータトンネル600の使用に対応するフィードバック情報624(例えば、可用性、送信の品質、帯域幅管理等);(ii)オンボードデバイスからのコンテンツ要求626、ここで、該コンテンツ要求626は、オンボードデバイスのユーザ又はオンボードデバイス自体によって生成される;及び/又は(iii)コンテンツ要求626を生成するオンボードデバイスを識別するデバイス情報620b。
【0087】
順方向データ614及び逆方向データ622のいくつかの具体的例を上記したが、データトンネル順方向リンク610及びデータトンネル逆方向リンク612は、トンネル600のエンドポイント間で任意の所望のタイプのデータを運ぶことができること解される。さらに、順方向データ614は、例えば効率性及び適時性のために、分割され、集約され、多重化され又は任意の数のデータ構造、パケット若しくはメッセージに組み合わせてよい。同様に、逆方向データ622は、追加的又は代替的に、分割し、集約され、多重化され、又は任意の数のデータ構造、パケット若しくはメッセージに組み合わせてもよい。さらに、実施形態では、複数のデータトンネルは、2つのエンドポイント間で確立できる。例えば、データセンタ602又はその中に含まれるハイブリッド通信ディストリビュータ606は、特定の輸送機関102xでノード604との複数のデータ通信トンネルを確立することができ、及び/又は複数の輸送機関102で複数のノードとの複数のデータ通信トンネルを確立することができる。
【0088】
ここで、方法260のブロック265を参照すると、確立されたデータ通信トンネルは、データトンネル順方向リンク及びデータトンネル逆方向リンク、例えば、順方向リンク610及び
図6に関連して説明した逆方向リンク612を含むことができる。データトンネル順方向リンク610は、輸送機関102xに固定接続されかつ受信専用モードで作動される第1モデムに接続された順方向通信リンク108によってサポートできる。このように、データトンネル順方向リンク610は、一方向順方向通信リンク108によってサポートできる。データトンネル逆方向リンク612は、輸送機関102xに固定接続される第2モデムに接続された逆方向通信リンク110によってサポートできる。第2モデムは、送信専用モードで動作でき、又は送信及び受信モードの両方で動作できる。第1及び第2モデムは、異なる周波数帯域に同調できるため、順方向リンク108(データトンネル順方向リンク610をサポートする)及び逆方向リンク110(データトンネル逆方向リンク612をサポートする)は、それら自体が異なる周波数帯域及びプロトコルによってサポートされる。
【0089】
輸送機関がポート状態であると決定されたときに(ブロック262)、順方向データは、輸送機関102xの外部にあるデータトンネルのエンドポイントから、輸送機関102x内にある(ブロック268)データトンネルのエンドポイントに配信できる。例えば、順方向データは、データセンタ105又はハイブリッド通信ディストリビュータ104からオンボードノード120、ハイブリッド通信コレクタ122、ターゲットオンボードデバイス又はターゲットオンボードデバイスで実行するアプリケーションの一つに配信できる。配信された順方向データは、例えば、任意のタイプ又は全てのタイプの順方向データ614を含むことができる。
【0090】
輸送機関がポート状態であると決定されたときに(ブロック262)、逆方向フィードバック情報又はデータは、輸送機関102x内にあるデータトンネルのエンドポイントから、輸送機関102xの外部(ブロック268)にあるデータトンネルのエンドポイントに配信できる。例えば、逆方向データは、オンボードノード120、ハイブリッド通信コレクタ122、ターゲットオンボードデバイス118又はターゲットオンボードデバイスで実行するアプリケーション(例えばVTA)の一つからデータセンタ105又はハイブリッド通信ディストリビュータ104に配信できる。配信された逆方向データは、例えば、任意のタイプ又は全タイプの逆方向データ622を含むことができる。
【0091】
図7は、コンテンツを輸送機関内にあるデバイスに分散又はハイブリッド方法で配信するための例示方法280を示す。実施形態では、方法280は、
図1のハイブリッド通信システム100によって少なくとも部分的に実行されるが、方法280のいくつか又は全ては、システム100以外の通信システムによって実行されてもよい。実施形態では、方法280の少なくとも一部は、データセンタ105又はデータセンタ105に含まれるハイブリッド通信ディストリビュータ104によって実行される。実施形態では、方法280は、
図2〜5に記載された方法の1以上の少なくとも一部及び/又は
図6のデータトンネル600と連動して動作できる。議論を容易にするために、方法280は、
図1〜6を同時に参照して以下に説明するが、この説明は、多くの実施形態の一つにすぎず、非限定的であると理解されたい。さらに、議論を容易にするためのみに、限定の目的ではなく、方法280は、データが複数の輸送機関102の特定の輸送機関102x内にあるデバイス118に配信されるべき例示シナリオとの関連で以下に説明する。
【0092】
ブロック282では、輸送機関102xによって輸送されるデバイス118に配信されるべきコンテンツを得ることができる。例えば、デバイス118に配信されるべきコンテンツは、データセンタ105又はデータセンタ105のハイブリッド通信ディストリビュータ104よって、例えば外部ネットワーク132、輸送機関データ配信ネットワーク106若しくは他の好適なソースからコンテンツを受信することによって、又はデータセンタ105自体から若しくはいくつかの他のデータ記憶エンティティからコンテンツを得ることにより得ることができる。コンテンツが配信されるべきデバイス118は、
図1〜6に関連して先に議論した任意のデバイス、例えば輸送機関102xによって一時的に輸送されているモバイルコンピューティングデバイス又は輸送機関102xに固定接続されるコンピューティングデバイスであることができる。同様に、デバイス118に配信されるべきコンテンツは、
図1〜6に関して以前に説明した任意のタイプのコンテンツ、例えば、ウェブページ、ストリーミングデータ、テキストメッセージ、前の要求に対する応答等であることができる。しかし、方法280に関しては、デバイス118に全体として配信されるべきコンテンツ、例えばWebページ全体、ストリーミングビデオ又は映画などは、全体としてデバイス118に配信される。実施形態では、取得されたコンテンツは、デバイス118のユーザインターフェースに全体として提示されるデバイス118に全体的に配信される。
【0093】
ブロック285では、得られたデータの第1部分は、第1送信に含まれていてよく、第1送信は、第1順方向リンクを介して輸送機関102xに送信できる。ブロック288では、取得データの第2部分は、第2送信に含まれていてもよく、また、第2送信は、第2順方向リンクを介して輸送機関102xに送信できる。第1順方向リンク及び第2順方向リンクは、それぞれ異なる周波数帯に異なる通信リンクによってサポートできるため、第1送信及び第2送信は、それぞれ異なるプロトコルを使用してフォーマットできる。例えば、取得されたデータの第1部分は、衛星順方向リンク108bを介して輸送機関102xに送信でき、また、取得データの第2部分はATG順方向リンク108aを介して輸送機関102xに送信できる。実施形態では、第1順方向リンクの帯域幅又は速度は、第2順方向リンクの2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍よりも大きく又は7よりも大きい因数で大きくてもよい。
【0094】
方法280のいくつかの実施形態では、取得データの第1部分のコンテンツ又は取得データの第2部分のコンテンツの少なくとも1つを選択することができる。実施形態では、第1又は第2部分のコンテンツは、コンテンツのタイプに基づいて選択できる。例えば、取得コンテンツが最適なユーザーエクスペリエンスのためにターゲットデバイス118の画面に表示されるウェブページである場合には、ユーザは、ウェブページの読み込みの進捗を見ることを希望する。したがって、ウェブページの重要な要素(例えば、CSS、HTML、ジャバスクリプト及び他の構成要素)は、高速順方向リンク(例えば、ATG順方向リンク108a)によって輸送機関102xに配信されるように選択できるため、これらの重要な要素をデバイス118で可能な限り早く受信してWebページのフレームワークを構築し始め、そして進捗が生じていることをユーザに示すことができる。一方、ウェブページの大きなサイズの要素(例えば、画像、動画、フラッシュなど)は、重要な要素の後にユーザのデバイスに到達することができ、かつ、既に確立されたウェブページフレームワークに挿入できる。これらのより大きな要素は、ユーザーエクスペリエンスに対してタイムクリティカルではないが、それにもかかわらずそれらのサイズ及び密度のため高帯域幅を必要とし、そのため、高帯域順方向リンク(例えば、衛星順方向リンク108b)により輸送機関102xに配信されるように選択できる。
【0095】
一般に、取得コンテンツの時間依存の高い部分(例えば、低い往復遅延時間を必要とする部分)は、より速い順方向リンク(他の利用可能な順方向リンク108と比較して)を介して配信されるように選択でき、取得コンテンツのより高い密度又は大きなサイズの部分は、より高い容量の順方向リンク(他の利用可能な順方向リンク108と比較して)を介して配信されるように選択でき、高い正確度を必要とする取得コンテンツの部分は、より堅牢な順方向リンク(他の利用可能な順方向リンク108と比較して)を介して配信されるように選択できる。いくつかの状況では、特定のコンテンツタイプは、もっぱら配信のために特定の一タイプの順方向リンクに割り当てられてもよく、かつ、任意に、主順方向リンクが使用できない場合にはバックアップタイプの順方向リンクに割り当ててもよい。いくつかの状況では、特定のコンテンツタイプは、複数のタイプの順方向リンクに任意に選択の優先順位で割り当てることができ、例えば、最も高い優先順位の利用可能な順方向リンクを特定のコンテンツタイプの配信のために選択する。
【0096】
さらに別の例では、所定の順方向リンク内において、所定のタイプのデータを他のタイプのデータよりも優先することができる。例えば、衛星の順方向リンクでは、ATG順方向リンクからのオーバーフローデータに、衛星順方向リンクに元々マッピングされていたデータよりも高い優先度を与えてもよい。オーバーフローATGトラフィックは、一般に、衛星のトラフィックよりも時間依存性の場合があるからである。
【0097】
方法280のいくつかの実施形態では、特定の順方向リンクは、1以上の順方向リンクの動的特性や状況といった他の基準又は全体として取得コンテンツの特性にさらに基づいて特定のタイプのコンテンツデータのために選択できる。例えば、取得コンテンツがストリーミングビデオである場合には、ストリーミングメディア符号化ピクチャフレーム(例えば、Iフレーム)を割り当て又は選択して、ATG順方向リンク108aを介して配信することができると共に、対応するストリーミングメディア予測フレーム(例えば、Pフレーム、Bフレーム)を割り当て又は選択してK
a衛星周波数帯域を介して配信することができる。しかし、K
a帯域内の任意の特定のストリームに割り当てられる帯域幅は、所定のレベルで制限できる。ストリーミングメディアコンテンツがK
a帯域内の上限に達した場合には、ストリームの後予測フレームを、他の順方向リンク、例えば、L衛星周波数帯域を介して配信できる。別の例では、特定のタイプのコンテンツデータを割り当て又は選択してATG順方向リンク108aを介して配信することができ、また、ATG順方向リンクが予め定義された容量である場合には、特定のタイプのコンテンツデータのオーバーフローを割り当て又は選択して衛星順方向リンク108bを介して配信することができる。別の例では、所定のサイズよりも大きい任意のデータストリームを自動的にマッピングして、全ての利用可能な衛星順方向リンクを介して分散配信することができる。
【0098】
実施形態では、特定の順方向リンクの選択は、少なくとも部分的に、輸送機関102xから受信したフィードバックデータ又は情報に基づくことができる。フィードバック情報又はデータは、例えば
図2〜5に関して先に説明したように、1以上の順方向リンクの現在の品質、容量又は可用性を示すことができる。データセンタ105又はハイブリッド通信ディストリビュータ104は、逆方向リンクを介してフィードバックデータ又は情報を受信でき、かつ、実施形態では、受信されたフィードバック情報又はデータに少なくとも部分的に基づいて取得コンテンツの特定の部分を送信するために後の順方向リンクを選択することができる。
【0099】
したがって、これらの例で示されるように、コンテンツデータの部分を、多くのレベルの粒度及びディファレンシエーション基準に基づいて様々な順方向リンクにマッピングできる。例えば、先に示したように、異なる順方向リンクに対するコンテンツデータの異なる部分のマッピングは、コンテンツタイプに基づくことができる。さらに又はあるいは、マッピングは、取得コンテンツの配信先となるアプリケーションの種類及び/又は取得コンテンツが含まれるストリームのサイズに基づくことができる。さらに追加的又は代替的に、様々な順方向リンクに対する取得コンテンツの部分のマッピングは、例えば、ソケットのタイプ又はソケットの可用性、受信デバイスのユーザが支払った又はそうでなければ該ユーザに割り当てられたサービスのレベル、様々な順方向リンクの品質及び/又は可用性、動的リソース割り当てアルゴリズム等に基づくことができる。さらに、様々な順方向リンクに対する取得コンテンツの部分のマッピングは、追加的に又は代替的に異なるレベル、例えば、アプリケーションレベル、パケットレベル、ストリームレベル、地理的位置に基づくレベル、ユーザのアカウントの特性に基づくレベル又はユーザが取得したサービスのレベルで実行できる。
【0100】
実施形態では、所定の順方向リンクに対する所定のコンテンツタイプのマッピングは先験的に決定され、また、これらのマッピングは、データセンタ105又はハイブリッド通信ディストリビュータ104にアクセス可能なファイルその他のデータ記憶エンティティに保存される。いくつかの実施形態では、特定の順方向リンクは、先験的マッピングに基づいて特定のタイプのデータコンテンツのために選択できる。一実施形態では、コンテンツ部分及び順方向リンクのマッピングは設定可能である。
【0101】
さらに方法280に関して、方法200、220、240及び260のそれぞれと同様に、順方向リンク108のいずれかを介した順方向送信のいずれかは、デバイス118及び/又は輸送機関102で輸送される他のデバイスに配信される多重化コンテンツやコンテンツの部分を含むことができる。同様に、方法200、220、240、260及び280のそれぞれは、適宜、任意の順方向リンク108を介して任意の順方向送信をマルチキャストすることができる。
【0102】
図8は、輸送機関によって輸送されるデバイスにコンテンツを分散配信するための例示方法300を示す。一実施形態では、方法300は
図1のハイブリッド通信システム100によって少なくとも部分的に実行されるが、方法300のいくつか又は全ては、システム100以外の通信システムによって実行してもよい。実施形態では、方法300の少なくとも一部は、輸送機関102xでオンボードノード120、オンボードノード120に含まれるハイブリッド通信コレクタ122、受信デバイス118又はVTAなどの受信デバイス118で実行されるアプリケーションによって実行される。実施形態では、方法300は、
図2〜5及び7に記載された方法の1以上の少なくとも一部及び/又は
図6のデータトンネル600と関連して操作できる。議論を容易にするために、方法300は
図1〜7を同時に参照して以下に説明するが、この説明は、多くの実施形態の一つにすぎず、非限定的であると理解されたい。さらに、議論を容易にするためのみで、限定の目的ではなく、方法300は、データが複数の輸送機関102の特定の輸送機関102x内にあるデバイス118に配信されるべき例示シナリオとの関連で以下に説明する。
【0103】
ブロック302では、オンボードデバイス118によって全体として受信されるべきコンテンツの第1部分を含む第1送信は、輸送機関102xで受信される。例えば、オンボードノード120、ハイブリッド通信コレクタ122、デバイス118又はデバイス118上のアプリケーション(例えば、VTA)は、コンテンツの第1部分を受信する。実施形態では、デバイス118によって全体として受信されるコンテンツは、デバイス118のユーザインターフェースに全体として提示されるものである。例えば、デバイス118のユーザインターフェースに全体として提示されるコンテンツは、
図1〜7に関して説明したようなウェブページ、ストリーミングビデオ、デバイス118のユーザからの要求に対する応答又はデバイス118に配信される他のタイプのコンテンツであることができる。コンテンツの第1部分は、第1無線周波数帯域によりサポートされる第1順方向リンク(例えば、順方向リンク108)に接続された第1モデムを介して輸送機関102xで受信でき、また、コンテンツの第1部分は、コンテンツの第1部分が配信されるデバイス118の指示に関連して受信できる。
【0104】
ブロック305では、オンボードデバイス118によって全体として受信されるべきコンテンツの第2部分を含む第2送信は、デバイス102xで受信される。例えば、オンボードノード120、ハイブリッド通信コレクタ122、デバイス118又はデバイス118上のアプリケーション(例えば、VTA)は、コンテンツの第2部分を受信する。コンテンツの第2部分は、第1無線周波数帯とは異なる第2無線周波数帯域によりサポートされる第2順方向リンク(例えば、順方向リンク108のセットとは別の順方向リンク)に接続された第2モデムを介して車両102xに受信できる。コンテンツの第2部分は、コンテンツの第2部分が配信されるデバイス118の指示に関連して受信できる。
【0105】
実施形態では、第1順方向リンク、第2順方向リンク、コンテンツの第1部分及び/又はコンテンツの第2部分は、選択されていてもよい。例えば、第1順方向リンク、第2順方向リンク、コンテンツの第1部分及び/又はコンテンツの第2部分は、データセンタ105によってあるいは
図7に関連して説明したように順方向リンク及び/又はコンテンツ部分の選択基準に基づいて又は他の基準に基づいてハイブリッド通信ディストリビュータ104によって選択されていてもよい。
【0106】
実施形態では、第1順方向送信に含まれるデバイス118の指示に基づいて、ハイブリッド通信コレクタ122は、コンテンツの第1部分が配信されるデバイス118が現在輸送機関102x内にあるか否かを決定できる。コンテンツの第1部分が配信されるデバイスが輸送機関102x内にないと決定された場合には、第1順方向送信についてさらなる処理を輸送機関102xで実行しなくてもよい。コンテンツの第1部分が配信されるべきデバイス、例えばデバイス118が輸送機関102x内にあると決定された場合には、方法300は、最初に受信した送信のコンテンツを、輸送機関102x内に収容される1以上の通信ネットワークを介して受信又はターゲットデバイス118に送信させることを含むことができる(ブロック308)。例えば、デバイス118が輸送機関102x内にあるWi−Fiネットワークに接続されたモバイルコンピューティングデバイスである場合には、ハイブリッド通信コレクタ122は、IEEE802.11対応送信においてコンテンツの第1部分を含むことができ、かつ、この送信をオンボードWi−Fiネットワーク経由でデバイス118に配信させることができる。しかし、Wi−Fi以外のオンボードデータ配信の他の例が追加的に又は代替的に可能である。実際には、方法300は、上記同時係属米国特許出願第13/675200号に記載された手段及び/又は技術のいずれかといった、受信コンテンツをオンボードデバイスに配信する任意の手段及び/又は技術を使用することができる。
【0107】
第2順方向送信に関して、一実施形態では、第2順方向送信に含まれるデバイス118の指示に基づいて、ハイブリッド通信コレクタ122は、コンテンツの第2部分が配信されるべきデバイス118が現在輸送機関102x内にあるのか否かを決定できる。コンテンツの第2部分が配信されるべきデバイスが輸送機関102x内にないと決定された場合には、第2順方向送信についてさらなる処理を輸送機関102xで行わなくてもよい。コンテンツの第2部分が配信されるべきデバイス、例えばデバイス118が輸送機関102x内にあると決定された場合には、方法300は、第2受信送信のコンテンツを、輸送機関102x内に収容される1以上の通信ネットワークを介して受信又はターゲットデバイス118に送信させることを含むことができる(ブロック310)。例えば、デバイス118が輸送機関102x内にあるWi−Fiネットワークに接続されたモバイルコンピューティングデバイスである場合には、ハイブリッド通信コレクタ122は、IEEE802.11対応送信においてコンテンツの第2部分を含むことができ、この送信をオンボードWi−Fiネットワーク経由でデバイス118に配信することができる。しかし、Wi−Fi以外のオンボードデータ配信の他の例も追加的に又は代替的に可能である。実際には、方法300は、上記同時係属米国特許出願第13/675200に記載された手段及び/又は技術のいずれかといった、受信したコンテンツをオンボードデバイスに配信する任意の手段及び/又は技術を使用することができる。
【0108】
実施形態では、デバイス118が接続される第1外部順方向リンク108及びオンボード通信ネットワークの順方向リンク(例えば、オンボードWi−Fiネットワーク又は他の適切なネットワーク)は、データセンタ105によって(又はデータセンタ105に含まれるハイブリッド通信ディストリビュータ104によって)確立された第1データ通信トンネルをサポートする。例えば、デバイス118に対する第1順方向リンク及びオンボードWi−Fiネットワークの順方向リンクは、
図6のデータトンネル順方向リンク610と同様の第1データトンネル順方向リンクをサポートし、また、コンテンツの第1部分は、第1データトンネル順方向リンクを使用してデバイス118に配信される。
【0109】
実施形態では、第2外部順方向リンク108及びデバイス118が接続されるオンボード順方向リンク(例えば、オンボードWi−Fiネットワーク又は他の適切なネットワーク)は、第1データ通信トンネルとは区別されかつ分離したデータセンタ105(又はデータセンタ105に含まれるハイブリッド通信ディストリビュータ104)によって確立された第2データ通信トンネルをサポートする。例えば、デバイス118に対する第2外部順方向リンク108及び第2オンボード順方向リンクは、第2データトンネル順方向リンク610をサポートし、コンテンツの第2部分は、第2データトンネル順方向リンクを使用してデバイス118に配信される。この実施形態では、デバイス118又はデバイス118におけるアプリケーション(例えば、VTA)は、第1部分及び第2部分をアセンブルして、場合によっては経時的にデバイス118で全体としてコンテンツを形成する。例えば、デバイス118又はデバイス118におけるアプリケーションは、コンテンツの第1部分を受信し、デバイスのユーザインターフェースにコンテンツの第1部分を提示し始めることができる。コンテンツの第2部分が受信されると、デバイス118又はデバイス118におけるアプリケーションは、提示された第1部分にコンテンツの第2部分を追加し、それによってコンテンツを全体としてデバイスのユーザインターフェースに提示する。
【0110】
実施形態では、デバイス118(又はそれについてのアプリケーション)がデータセンタ105に対して確立された2つのデータトンネルのオンボードエンドポイントとして機能するのではなく、オンボードデバイス120又はオンボードデバイス120のハイブリッド通信コレクタ122がデータセンタ105に対して確立された2つのデータトンネルのオンボードエンドポイントとして機能する(これら2つの確立されたデータトンネルの一方がデバイス118に配信されるコンテンツの第1部分を配信する場合には、2つの確立されたデータトンネルの他方は、コンテンツの第2部分を配信する)。この実施形態では、デバイス118(又はそれについてのアプリケーション)がコンテンツを全体として収集しかつアセンブルするのではなく、オンボードデバイス120又はハイブリッド通信コレクタ122がコンテンツを全体として収集しかつアセンブルし、アセンブルコンテンツを例えばオンボード通信ネットワーク経由でデバイス118に配信する。
【0111】
実施形態では、オンボードノード120、ハイブリッド通信コレクタ122、デバイス118又はデバイス118についてのアプリケーションは、フィードバック情報又はデータを、輸送機関102xからデータセンタ105に逆方向リンク110経由で送信することができる。フィードバック情報又はデータは、例えば、コンテンツの受信された第1部分及び/又はコンテンツの受信された第2部分に対応できる。実施形態では、フィードバック情報又はデータは、例えば、
図2〜7に関して説明したように、1以上の順方向リンク及び/又は1以上の逆方向リンクの現在の品質、容量又は可用性を示すことができる。
【0112】
したがって、上記のように、例示ハイブリッド通信システム100などのハイブリッド通信システムは、それぞれ異なる周波数帯によりサポートできかつそれぞれ異なる通信プロトコルを利用することができる順方向リンク及び逆方向リンクを使用して輸送機関内にあるデバイスにデータ及び情報を送信するのを可能にすることができる。順方向リンクは、逆方向に対応する逆方向リンクと比較して、周波数帯域、ハードウェア構成、プロトコル、スペクトルなどの点で異なっていてもよい。実施形態では、順方向リンクの帯域幅及び/又は速度は、スペクトル及びモデムリソースの効率的な使用を可能にするために及びデータ配信時間の短縮のために、逆方向リンクの帯域幅及び/又は速度よりも大きくてもよい(場合によってはそれよりも有意に大きくてもよい)。実施形態では、順方向送信は、多重化でき及び/又はマルチキャストであることができる。後の送信のための順方向リンクの選択は、逆方向リンク経由で受信されたフィードバック情報に基づいてもよく、場合によっては、配信されるコンテンツのタイプに基づいてもよい。例えば、一実施形態では、例示ハイブリッド通信システム100などのハイブリッド通信システムは、複数の異なる順方向リンクを利用して、輸送機関内にあるデバイスとデータセンタと間においてコンテンツを全体として配信することができる。コンテンツの部分及び/又は複数の順方向リンクの選択は、コンテンツのタイプ及び任意に他の基準に基づくことができる。
【0113】
図9は、輸送機関502における例示オンボードシステム500を示し、該システムは、輸送機関502に情報又はデータ(例えば、データセンタ、ハイブリッド通信ディストリビュータ104又は他の適切な情報ディストリビュータによって提供される情報又はデータ)を受信することができ、かつ、フィードバック情報を輸送機関502から例えばデータセンタ105又はハイブリッド通信ディストリビュータ104に配信することができる。さらに、オンボードシステム500は、データを輸送機関502によって輸送される1以上のデバイス504に配信し及び/又はそこから受信することができる。一実施形態では、輸送機関502は輸送機関102xであり、1以上のデバイス504はデバイス118の一つである。
【0114】
例示オンボードシステム500は補助コンピュータ電源ユニット(ACPU)などのオンボードノード506を備え、これは、1以上のアンテナ508及び1以上のモデム又はトランシーバ510を介して1以上の外部通信リンクに通信接続されたコンピューティングデバイスであることができる。一実施形態では、オンボードノード506はオンボードノード120とすることができ、ハイブリッド通信コレクタ122のインスタンスを含むことができるが、これは、
図9においてブロック507で示されている。
【0115】
1以上のアンテナ508のそれぞれは、無線通信のために割り当てられたそれぞれ異なる周波数帯域、例えば、K
a帯域、L帯域、K
u帯域、WiMAX帯域、Wi−Fi帯域、地上セルラ帯域又は他の任意の適切な無線通信周波数帯域を介して信号を受信及び送信することができる。アンテナ508のそれぞれは、輸送機関502に固定接続され、かつ、実施時にそれぞれのアンテナ508で信号に対応する情報及びデータを符号化及び復号するように構成される関連のモデム又はトランシーバ510に通信接続できる。1以上のモデム又はトランシーバ510は、TDMA(時分割多元接続)、GSM(移動通信用グローバルシステム)、CDMA(符号分割多重アクセス)、LTE(ロングタームエボリューション)通信、WiMAX及び/又は任意の他の地上移動体通信技術と互換性のあるそれぞれのモデム又はトランシーバを含むことができる。いくつかの実施形態では、1以上のモデム510は、EVDO(エボリューションデータオプティマイズド)又はWi−Fi通信技術と互換性のあるそれぞれのモデム又はトランシーバを含むことができる。しかし、オンボードシステム500は、任意の所望数の異なる無線通信技術をサポートするように任意の数のアンテナ508及び任意の異なる数の関連するモデム又はトランシーバ510を含むことができることは明らかである。
【0116】
さらに、輸送機関502が航空機である場合には、コックピットエレクトロニクスノード512は、1以上のモデム510に通信接続できる。コックピットエレクトロニクスノード510は、航空機のコックピット内の様々な機器から、例えば飛行中に電子情報を収集するように構成されたLRUとすることができる。場合によっては、コックピットエレクトロニクスノード510は、高度、対気速度、航空機の位置、又は他の飛行状態情報といった収集された飛行情報をハイブリッド通信取得部507、オンボードノード506に又は輸送機関データ配信ネットワーク106に直接、例えば指定されたリターンリンクを介して提供できる。
【0117】
デバイス504の少なくとも一部は、1以上の無線アクセスポイント514を経由して、例えば無線ネットワークインターフェースを経由してハイブリッド通信取得部507との無線通信接続を確立することのできる、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、電子書籍リーダーなどといったモバイルコンピューティングデバイスであることができる。デバイス504の一部は、有線ネットワーク516を介してオンボードノード506に通信接続される有線コンピューティングデバイスであることができる。
【0118】
いくつかの実施では、デバイス504の1つ以上は、他のデバイス504に配信し及び/又はそれから受信できる様々なタイプのデータ、例えば、エンターテイメントコンテンツ、ウェブページ、アカウント情報、使用状況データ、インストール可能なアプリケーション、デバイス504を識別する情報、支払情報(例えば、暗号化された金融口座情報)、デジタル著作権管理(DRM)キー及び/又は輸送機関502内において少なくとも一時的に保存することが望まれる他の任意のデータを記憶することができるオンボードデータ記憶エンティティ518であることができる。
【0119】
実施形態では、デバイス504のそれぞれは、デバイス504が輸送機関504により輸送されている間、例えば、輸送機関504がポート間の途中を移動しているときに、そこにインストールされ、特にサービスをサポートするように構成されるビヒクルトラベルアプリケーション(VTA)のインスタンスを含むことができる。例えば、ビヒクルトラベルアプリケーションは、データセンタ105又はデータセンタにおけるハイブリッド通信ディストリビュータ104と共に確立されるデータトンネルのオンボード末端部として機能するように構成することができる。一実施形態では、ビヒクルトラベルアプリケーションは、特定のデバイス504にインストールされる他のアプリケーションと通信することができ(例えば、自国地上アプリケーション)、それによって、他のアプリケーションは、デバイス504が輸送機関502により輸送されているときに望み通りに動作することができる(例えば、自国方式で)。
【0120】
図10は、ハイブリッド通信システム100内で利用できる例示コンピューティングデバイス550のブロック図を示す。例えば、1以上のコンピューティングデバイス550は、特に、データセンタ105、輸送機関データ配信ネットワーク106、オンボードノード120、又はデバイス118の少なくとも一部として利用されるように構成できる。さらに、コックピットエレクトロニクスノード512などの
図1及び5に示された他のデバイスは、コンピューティングデバイス550の実施形態を含むことができる。
【0121】
コンピューティングデバイス550は、例えば、1以上の中央処理装置(CPU)又はプロセッサ552及びプロセッサ552をコンピューティングデバイス550の他の要素に接続する1以上のバス又はハブ553、例えば、揮発性メモリ554、不揮発性メモリ555、ディスプレイコントローラ556及びI/Oコントローラ557などを備えることができる。揮発性メモリ554及び不揮発性メモリ555は、それぞれ、1以上の非一時的有形コンピュータ可読記憶媒体、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、生体メモリ、ハードディスクドライブ、デジタル多用途ディスク等(DVD)ディスクドライブなどを含むことができる。
【0122】
実施形態では、メモリ554及び/又はメモリ555は、プロセッサ552によって実行可能な命令558を記憶することができる。例えば、特にデータセンタ105に含まれるように構成されるコンピューティングデバイスでは、命令558は、ハイブリッド通信ディストリビュータ104を含む命令とすることができる。別の例において、特にオンボードノード120であるように構成されるコンピューティングデバイス550では、命令558は、ハイブリッド通信コレクタ122を含む命令とすることができる。さらに別の例において、特にデバイス118となるように構成されるコンピューティングデバイス550では、命令558は、ビヒクルトラベルアプリケーション(VTA)とすることができる。実際には、ここに記載されたモジュール、アプリケーション及びエンジンのそれぞれは、上記1つ以上の機能を実行するための機械可読命令の異なるセットに対応することができる。これらのモジュールは、個別のソフトウェアプログラム、手順又はモジュールとして実現される必要はなく、そのため、様々な実施形態では、これらのモジュールの様々なサブセットを組み合わせ又はそうでなければ再配置することができる。いくつかの実施形態では、メモリ554、555の少なくとも一つは、ここで特定されたモジュール及びデータ構造のサブセットを記憶する。他の実施形態では、メモリ554、555の少なくとも一つは、ここには記載されていない追加のモジュール及びデータ構造を記憶する。
【0123】
実施形態では、ディスプレイコントローラ556をプロセッサ552と通信させて、情報を接続されたディスプレイデバイス559上に提示させることができる。一実施形態では、I/Oコントローラ557は、プロセッサ552と通信して、情報及びコマンドをユーザインターフェース560に/から転送することができ、このものとしては、マウス、キーボード又はキーパッド、タッチパッド、クリックホイール、ライト、スピーカー、マイクなどが挙げられる。一実施形態では、ディスプレイデバイス559及びユーザインターフェース560の少なくとも一部は、単一の一体型デバイス、例えば、タッチスクリーンに組み合わされる。さらに、データ又は情報は、ネットワークインターフェース570を介してコンピューティングデバイス550に及びそれから転送できる。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス550は、無線インターフェース及び有線インターフェースなどの複数のネットワークインターフェース570を含むことができる。
【0124】
例示コンピューティングデバイス550は、特にハイブリッド通信システム100で使用するために構成されるのに適したコンピューティングデバイスの一例に過ぎない。また、コンピューティングデバイス550の他の実施形態が
図10に示されているよりも多くい又は少ない構成要素を有し、1以上の組合せ構成要素を有し又は構成要素の異なる構成や配置を有していたとしても、該他の実施形態は、ハイブリッド通信システム100内で使用するためのものであることができる。また、
図10に示される様々な構成要素は、1以上の信号処理及び/又は特定用途向け集積回路を含めて、ハードウェア、プロセッサ実行ソフトウェア命令又はハードウェアとプロセッサ実行ソフトウェア命令の両方の組み合わせで実現できる。
【0125】
もちろん、ここで説明したシステム、方法及び技術の用途及び利点は、上記の例のみに限定されない。多くの他の用途及び利点は、ここで説明したシステム、方法及び技術を使用することによって可能である。
【0126】
さらに、実施時に、ここで記載された方法及び技術のいずれか又はそれらの部分は、磁気ディスク、レーザディスク、光ディスク、半導体メモリ、生体メモリ、他のメモリデバイス又は他の記憶媒体、コンピュータ又はプロセッサのRAM又はROMなどといった1以上の非一時的有形コンピュータ読み取り可能記憶媒体又はメモリに記憶されたソフトウェアを実行することによって実行できる。
【0127】
さらに、本明細書は、多数の異なる実施形態の詳細な説明を示すが、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって定義されると理解すべきである。詳細な説明は、単なる例示として解釈されるべきであり、あらゆる可能な実施形態を記載するものではない。というのは、可能な実施形態を全て説明することは不可能でないにしても非現実的だからである。多数の別の実施形態は、現在の技術又は本願出願日以降に開発された技術のいずれかを使用して実施できるが、これは、依然として特許請求の範囲内にある。例えば、限定ではなく、本明細書の開示は、少なくとも以下の態様を意図する。
【0128】
1.輸送機関によって輸送されているデバイスにコンテンツを分散配信する方法であって、地上場所に配置されたハイブリッド通信ディストリビュータで、デバイスに配信されるコンテンツを取得し、ここで、該デバイスは飛行中の輸送機関によって一時的に輸送されているモバイルコンピューティングデバイスであり;該ハイブリッド通信ディストリビュータのプロセッサで、第1周波数帯域によってサポートされる第1無線通信リンクに含まれる第1順方向リンク又は第2周波数帯域によってサポートされる第2無線通信リンクに含まれる第2順方向リンクの少なくとも一つを選択し;該ハイブリッド通信ディストリビュータによって、該コンテンツの第1部分を含む第1送信を、該第1順方向順方向リンクを使用して該飛行中の輸送機関に送り;及び該ハイブリッド通信ディストリビュータによって、該コンテンツの第2部分を含む第2送信を、該第2順方向リンクを使用して該飛行中の輸送機関に送ることを含む方法。
【0129】
2.前記第1順方向リンク又は前記第2順方向リンクの少なくとも一つを選択することが、前記コンテンツの第1部分又は該コンテンツの第2部分の一方に含まれ、かつ、該コンテンツの第1部分又は該コンテンツの第2部分の他方から除外される所定のタイプのデータに基づいて該第1順方向リンク又は該第2順方向リンクの少なくとも一つを選択することを含む、上記態様の方法。
【0130】
3.前記第1順方向リンク又は前記第2順方向リンクの少なくとも一つを選択することが、前記コンテンツが含まれるデータストリームのサイズに基づいて該第1順方向リンク又は該第2順方向リンクの一つを選択することを含む、前記態様のいずれか一つの方法。
【0131】
4.前記第1順方向リンク又は前記第2順方向リンクの少なくとも一つを選択することが、前記第1無線通信リンクの現在の容量;前記第2無線通信リンクの現在の容量;該第1無線通信リンクの現在の可用性;該第2無線通信リンクの現在の可用性;該第1無線通信リンクの送信品質又は該第2無線通信リンクの送信品質の少なくとも一つに基づいて該第1順方向リンク又は該第2順方向リンクの少なくとも一つを選択することを含む、前記態様のいずれか一つの方法。
【0132】
5.前記第1順方向リンク又は前記第2順方向リンクの少なくとも一つを選択することが、前記第1部分の配信のための時間要件又は前記第2部分の配信のための時間要件の少なくとも一つに基づいて該第1順方向リンク又は該第2順方向リンクの少なくとも一つを選択することを含む、前記態様のいずれか一つの方法。
【0133】
6.前記コンテンツの第1部分又は該コンテンツの第2部分の一方に含まれ、かつ、該コンテンツの第1部分又は該コンテンツの第2部分の他方から除外される所定の種類のデータ;該所定の種類のデータの配信のための時間要件;該コンテンツに対応するアプリケーション;前記デバイスのユーザ;又は前記第1通信リンク又は前記第2通信リンクによって使用されるソケットの少なくとも一つに基づいて該コンテンツの第1部分又は該コンテンツの第2部分の少なくとも一つを選択することをさらに含む、前記態様のいずれか一つの方法。
【0134】
7.前記デバイスに配信されるコンテンツが第1コンテンツであり、前記方法が、該第1コンテンツの第1部分を、前記デバイス又は前記飛行中の輸送機関によって一時的に輸送されている別のデバイスに配信される他のコンテンツと共に多重化し;及び該飛行中の輸送機関に送られる第1送信に、該多重化されたコンテンツを含めることをさらに含む、前記態様のいずれか一つの方法。
【0135】
8.前記コンテンツの第1部分を前記他のコンテンツと共に多重化することが、アプリケーションレベル、パケットレベル、ストリームレベル、地理的位置に基づくレベル又は前記デバイスのユーザに対応するレベルの一つで該コンテンツの第1部分及び他のコンテンツを多重化することを含む、前記態様のいずれか一つの方法。
【0136】
9.次の少なくとも一つ:(i)前記第1送信を、前記第1周波数帯域によってサポートされる前記第1通信リンクに含まれる前記第1順方向リンクを使用して前記飛行中の輸送機関に送ることが、該第1送信を、L帯域通信リンク、K
u帯域通信リンク、K
a通信リンク、Wi−Fi通信リンク、WiMAX通信リンク、1以上の衛星によってサポートされる通信リンク若しくは広帯域プロトコルをサポートする通信リンクの少なくとも一つである順方向リンクを使用して該飛行中の輸送機関に送ることを含み;又は(ii)前記第2送信を、前記第2周波数帯域によってサポートされる前記第2通信リンクに含まれる前記第2順方向リンクを使用して該飛行中の輸送機関に送ることが、該飛行中の輸送機関が飛行中である間に、該第2送信を、該飛行中の輸送機関と陸上にある地上局との間で直接データを配信するように構成される空対地(ATG)通信リンクの順方向リンクを使用して該飛行中の輸送機関に送ることを含む、態様1の方法。
【0137】
10.前記デバイスに配信されるコンテンツを取得することが、該デバイスのユーザインターフェース上で全体として提示される情報;Webページ;該デバイスで生成された要求に対する応答;又はストリーミングデータの少なくとも一つを含むコンテンツを取得することを含む、前記態様のいずれかの方法。
【0138】
11.前記輸送機関によって輸送されているデバイスにコンテンツを分散配信するためのシステムであって、該システムは、上記態様のいずれも実行しないように又は上記態様のいずれか一つを実行するように構成され、該システムは、該輸送機関が飛行中である間に、複数の順方向リンクを介して輸送機関に通信接続されるハイブリッド通信ディストリビュータを備え、ここで、該複数の順方向リンクのそれぞれはそれぞれ異なる無線通信プロトコルを使用するシステム。該ハイブリッド通信ディストリビュータは、1以上のプロセッサと、コンピュータ実行可能命令を記憶する1以上の非一時的有形コンピュータ可読記憶媒体とを備えることができる。該コンピュータ実行可能命令は、1以上のプロセッサによって実行されるときに、ハイブリッド通信ディストリビュータに、該飛行中の輸送機関によって輸送されているデバイスのユーザインターフェースに全体として提示されるコンテンツを取得させることができる。さらに、該コンピュータ実行可能命令は、該1以上のプロセッサによって実行されるときに、該ハイブリッド通信ディストリビュータに、第1送信を、該複数の順方向リンクの第1順方向リンクを使用して該飛行中の輸送機関に送らせることができ、該第1順方向リンクは、第1通信リンクに含まれ、該第1送信は、該デバイスのユーザインターフェースに全体として提示されるコンテンツの第1部分を含む。さらに、該コンピュータ実行可能命令は、該1以上のプロセッサによって実行されるときに、該ハイブリッド通信ディストリビュータに、第2送信を、該複数の順方向リンクの第2順方向リンクを使用して該飛行中の輸送機関に送らせることができ、該第2順方向リンクは第2通信リンクに含まれ、該第2送信は、該デバイスのユーザインターフェースに全体として提示されるコンテンツの第2部分を含む。
【0139】
12.前記コンピュータ実行可能命令は、前記1以上のプロセッサによって実行されるときに、前記ハイブリッド通信ディストリビュータに、前記コンテンツの第1部分又は該コンテンツの第2の部分の一方に含まれ、かつ、該コンテンツの第1部分又は該コンテンツの第2部分の他方から除外される所定のタイプのデータに基づいて前記第1順方向リンク又は前記第2順方向リンクの一つをさらに選択する、前記態様のいずれか一つのシステム。
【0140】
13.特定のタイプのデータと特定の順方向リンクとの間の1以上の関連付けを予め決定し、前記第1順方向リンク又は前記第2順方向リンクの少なくとも一つの選択が該1以上の関連付けに基づく、前記態様のいずれか一つのシステム。
【0141】
14.前記第1順方向リンク又は前記第2順方向リンクの少なくとも一つの選択が、前記コンテンツが含まれるデータストリームのサイズ;前記第1通信リンクの現在の容量、現在の可用性又は現在の送信品質の少なくとも一つ;前記第2通信リンクの現在の容量、現在の可用性又は現在の送信品質の少なくとも一つ;又は前記ハイブリッド通信ディストリビュータによって受信されたフィードバック情報であって、前の順方向送信に対応するものにさらに基づく、前記態様のいずれか一つのシステム。
【0142】
15.前記コンピュータ実行可能命令は、前記1以上のプロセッサによって実行されるときに、ハイブリッド通信ディストリビュータに、アプリケーションレベル、パケットレベル、ストリームレベル又はユーザレベルの少なくとも一つで、前記デバイスに配信されるコンテンツの第1部分を、前記デバイス又は飛行中の輸送機関により輸送されている別のデバイスに配信される他のコンテンツと共にさらに多重化させ;該コンピュータ実行可能命令は、該第1順方向リンクを使用して該飛行中の輸送機関に送られる第1送信に該多重化コンテンツを含める、前記態様のいずれか一つのシステム。
【0143】
16.前記複数の順方向リンクに含まれる各順方向リンクが、L周波数帯域、K
u周波数帯域、K
a周波数帯域;衛星通信をサポートするように割り当てられる第1の他の周波数帯域、別の無線ブロードバンド通信プロトコルをサポートするように割り当てられる第2の他の周波数帯域;又は飛行中の輸送機関と地上局との間での直接の無線通信のために割り当てられる周波数帯域から選択される異なる周波数帯域によってサポートされる、前記態様のいずれか一つのシステム。
【0144】
17.前記コンピュータ実行可能命令は、前記1以上のプロセッサによって実行されるときに、前記ハイブリッド通信ディストリビュータに、第3送信を、前記複数の順方向リンクの第3順方向リンクを使用して前記飛行中の輸送機関にさらに送らせ、該第3順方向リンクは第3通信リンクに含まれ、該第3送信は、該デバイスのユーザインターフェースに提示されるコンテンツの第3部分を含む、前記態様のいずれか一つのシステム。
【0145】
18.輸送機関によって輸送されているデバイスで分散型コンテンツを受信する方法であって、該方法は上記態様のいずれも含まず又は上記態様のいずれか一つを含み、該方法は、輸送機関において、前記輸送機関にデータを無線配信するように構成された複数の順方向リンクの第1順方向リンクを介して、デバイスのユーザインターフェースに全体として表示される情報の第1部分を含む第1送信を受信し、ここで、該デバイスは、輸送機関によって一時的に輸送されているモバイルコンピューティングデバイスであり、該第1順方向リンクは、第1周波数帯域によってサポートされる第1無線通信リンクに含まれ;該輸送機関に固定接続されるハイブリッド通信コレクタのプロセッサによって、該デバイスのユーザインターフェースに全体として表示される情報の第1部分を、該輸送機関内に収容される無線ネットワークを使用して該デバイスに送り;該輸送機関において、該複数の順方向リンクの第2順方向リンクを介して、該デバイスのユーザインターフェースに表示される情報の第2部分を含む後の送信を受信し;及び該ハイブリッド通信コレクタのプロセッサによって、該デバイスのユーザインターフェースに全体として表示される情報の第2部分を、該輸送機関内に収容される無線ネットワークを使用して該デバイスに送ることを含む方法。デバイスのユーザインターフェースに表示される情報の第1部分は第1選択部分であることができ、デバイスのユーザインターフェースに表示される情報の第2部分は第2選択部分であることができ、第1順方向リンクは第1選択順方向リンクであることができ、及び/又は第2順方向リンクは第2選択順方向リンクであることができる。
【0146】
19.前記デバイスのユーザインターフェースに全体として表示される情報の第1部分を受信することが、ウェブページ、該デバイスのユーザインターフェースで受信された要求に対する応答又はストリーミングデータの少なくとも一つの第1部分を受信することを含む、前記態様のいずれか一つの方法。
【0147】
20.前記ハイブリッド通信コレクタによって、前記第1送信又は前記第2送信の少なくとも一つに対応するフィードバック情報を、逆方向リンクを使用して前記輸送機関から送信することをさらに含む、前記態様のいずれか一つの方法。
【0148】
したがって、多くの修正及び変更を、本特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、ここに記載しかつ例示した方法、技術及び構成において行うことができる。よって、ここに記載される方法及び装置は単なる例示であり、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。