特許第6359695号(P6359695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デーナ、オータモウティヴ、システィムズ、グループ、エルエルシーの特許一覧

特許6359695アクチュエータをラッチングするための方法およびシステム
<>
  • 特許6359695-アクチュエータをラッチングするための方法およびシステム 図000002
  • 特許6359695-アクチュエータをラッチングするための方法およびシステム 図000003
  • 特許6359695-アクチュエータをラッチングするための方法およびシステム 図000004
  • 特許6359695-アクチュエータをラッチングするための方法およびシステム 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6359695
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】アクチュエータをラッチングするための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   F16D 27/118 20060101AFI20180709BHJP
   H01F 7/16 20060101ALN20180709BHJP
【FI】
   F16D27/118
   !H01F7/16 Z
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-573063(P2016-573063)
(86)(22)【出願日】2015年7月13日
(65)【公表番号】特表2017-527746(P2017-527746A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(86)【国際出願番号】US2015040195
(87)【国際公開番号】WO2016010918
(87)【国際公開日】20160121
【審査請求日】2017年2月13日
(31)【優先権主張番号】62/023,944
(32)【優先日】2014年7月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508151105
【氏名又は名称】デーナ、オータモウティヴ、システィムズ、グループ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クリーク、マイケル、ゼット.
(72)【発明者】
【氏名】ターナー、ダグラス、ディー.
【審査官】 中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−168191(JP,A)
【文献】 特開2009−058107(JP,A)
【文献】 特開2003−278800(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102007058552(DE,A1)
【文献】 米国特許第03224540(US,A)
【文献】 特開2005−240861(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0127059(US,A1)
【文献】 特開昭57−025524(JP,A)
【文献】 特開2007−014105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 25/00−39/00
F16D 48/00−48/12
H01F 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の銅巻線を含む励磁可能コイルと、
少なくとも部分的に前記励磁可能コイルを囲む筐体と、
前記筐体と摺動係合するアーマチャとを有する
アクチュエータと、
(i)前記筐体もしくは前記アーマチャのうちの少なくとも1つと(ii)摺動継ぎ輪との間に配置され、半径方向の外面、半径方向の内面、第1の端部、および第2の端部を含む回転可能で、軸方向に摺動可能な摺動リングと、
第1の部分および第2の部分を有し、前記第1の部分は、前記摺動リングから直ぐの半径方向内側に配置され、前記第1の部分は、軸方向に延在する複数の歯の第1のセットを画定し、前記第2の部分は、前記第1の部分の半径方向内側に配置され、前記摺動継ぎ輪の前記第2の部分は、複数のスプラインの第1のセットを有する前記摺動継ぎ輪と、
前記摺動継ぎ輪の前記第1の部分の半径方向内側に配置され、戻しばねを中に収納する戻しばね溝と、
軸方向に延在する複数の歯の第2のセットを有する出力ギアとを備え、
磁気回路を通る磁束は、途切れず、
軸方向に延在する複数の歯の前記第2のセットは、出力ギアの第2の端部の外面にあり、前記出力ギアの軸方向に延在する複数の歯の前記第2のセットは、前記摺動継ぎ輪の複数の歯の第1のセットと選択的に係合可能である、車軸連結解除システム。
【請求項2】
前記磁気回路は、前記筐体、前記アーマチャ、およびカバーのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の車軸連結解除システム。
【請求項3】
前記アクチュエータは、永久磁石を有さない、請求項1または2に記載の車軸連結解除システム。
【請求項4】
前記摺動継ぎ輪の前記第1の部分は、内径を有し、
前記摺動継ぎ輪の前記第2の部分は、内径を有し、
前記摺動継ぎ輪における前記第2の部分の前記内径は、前記摺動継ぎ輪における前記第1の部分の前記内径より小さい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車軸連結解除システム。
【請求項5】
前記摺動リングは、前記摺動リングの前記半径方向の内面から半径方向内側に延在するアームを有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の車軸連結解除システム。
【請求項6】
前記筐体、前記カバー、前記摺動リング、または前記アーマチャのうちの少なくとも1つは、残留磁気を有する鉄材料で構成される、請求項2に記載の車軸連結解除システム。
【請求項7】
前記鉄材料は、0.5%またはそれより多い炭素含有量を有する鋼、1095型炭素鋼、および1065型炭素鋼からなる群から選択される、請求項に記載の車軸連結解除システム。
【請求項8】
前記励磁可能コイルの前記複数の銅巻線は、オーバモールド材料またはポッティング材料内に収納される、請求項1〜のいずれか1項に記載の車軸連結解除システム。
【請求項9】
車軸連結解除システムの係合を保持するための方法であって、
(i)オーバモールド内に配置された複数の銅巻線を含む電磁コイルと、
少なくとも部分的に前記電磁コイルを囲む筐体と、
前記筐体と摺動係合するアーマチャとを含むアクチュエータを有し、
前記筐体もしくは前記アーマチャのうちの少なくとも1つと摺動継ぎ輪との間に配置され、回転可能で、軸方向に摺動可能な摺動リングを更に有し、
前記摺動継ぎ輪は、第1の部分および第2の部分を有し、前記第1の部分は、前記摺動リングから直ぐの半径方向内側に配置され、前記第1の部分は、軸方向に延在する複数の歯の第1のセットを画定し、前記第2の部分は、前記第1の部分の半径方向内側に配置され、前記摺動継ぎ輪の前記第2の部分は、複数のスプラインの第1のセットを有する
車軸連結解除システムを提供する段階と、
(ii)前記電磁コイルを励磁し、それにより磁気回路を通る磁束を生じさせると共に、第1の軸位置から前記磁気回路を通る前記磁束が途切れない第2の軸位置へと前記アーマチャを移動させる段階と、
(iii)前記電磁コイルを消磁する段階と、
(iv)前記磁気回路を通る前記磁束が途切れない前記第2の軸位置に前記アーマチャを保持するべく、前記筐体および前記アーマチャのうちの少なくとも1つの残留磁気を用いる段階と、
(v)前記磁気回路を通る前記磁束が途切れない前記第2の軸位置に前記アーマチャを保持する段階とを備える、方法。
【請求項10】
前記方法は、係合の保持を確実にするべく、再励磁電流パルスを前記電磁コイルに送信する段階を更に備える、請求項に記載の車軸連結解除システムの係合を保持するための方法。
【請求項11】
前記方法は、係合を終了させるべく、逆電流パルスを前記電磁コイルに送信する段階を更に備える、請求項9または10に記載の車軸連結解除システムの係合を保持するための方法。
【請求項12】
電力取出しユニットの係合を保持するための方法であって、
(i)オーバモールド内に配置された複数の銅巻線を含む電磁コイルと、
少なくとも部分的に前記電磁コイルを囲む筐体と、
前記筐体と摺動係合するアーマチャとを含アクチュエータを有し、
前記筐体もしくは前記アーマチャのうちの少なくとも1つと摺動継ぎ輪との間に配置され、回転可能で、軸方向に摺動可能な摺動リングを更に有し、
前記摺動継ぎ輪は、第1の部分および第2の部分を有し、前記第1の部分は、前記摺動リングから直ぐの半径方向内側に配置され、前記第1の部分は、軸方向に延在する複数の歯の第1のセットを画定し、前記第2の部分は、前記第1の部分の半径方向内側に配置され、前記摺動継ぎ輪の前記第2の部分は、複数のスプラインの第1のセットを有する
電力取出しユニットを提供する段階と、
(ii)前記電磁コイルを励磁し、それにより磁気回路を通る磁束を生じさせると共に、第1の軸位置から前記磁気回路を通る前記磁束が途切れない第2の軸位置へと前記アーマチャを移動させる段階と、
(iii)前記電磁コイルを消磁する段階と、
(iv)前記磁気回路を通る前記磁束が途切れない前記第2の軸位置に前記アーマチャを保持するべく、前記筐体および前記アーマチャのうちの少なくとも1つの残留磁気を用いる段階と、
(v)前記磁気回路を通る前記磁束が途切れない前記第2の軸位置に前記アーマチャを保持する段階とを備える、方法。
【請求項13】
励磁可能電磁コイルを有するアクチュエータと、
半径方向の外面、半径方向の内面、第1の端部、および第2の端部を有し、コイル筐体と摺動係合する摺動リングと、
前記摺動リングの前記半径方向の内面から半径方向内側に延在する第1の側面および第2の側面を有するアームと、
内面、外面、第1の端部、および第2の端部を有する摺動継ぎ輪と、
前記摺動継ぎ輪の前記第1の端部の半径方向内側に配置された戻しばねを有する戻しばね溝と、
出力ギアにおける第2の端部の外面上に軸方向に延在する複数の歯のセットを有する前記出力ギアとを備え、
前記励磁可能電磁コイルは、複数の銅巻線を含み、
オーバモールド内の前記励磁可能電磁コイルは、前記コイル筐体内に少なくとも部分的に配置され、
磁気回路を通る磁束は、途切れず、
前記摺動リングは、前記コイル筐体と前記摺動継ぎ輪との間に配置され、
前記摺動リングにおける前記半径方向の外面の少なくとも一部は、前記コイル筐体の少なくとも一部と直に接触し、
前記摺動継ぎ輪は、前記摺動リングから直ぐの半径方向内側に配置され、
前記摺動継ぎ輪の前記第1の端部は、軸方向に延在する複数の歯のセットを有し、
前記摺動継ぎ輪の前記第1の端部は、前記摺動リングの前記内面から半径方向内側に延在する前記アームの前記第1の側面の少なくとも一部と選択的に係合可能であり、
前記摺動継ぎ輪における前記第2の端部の前記内面は、複数のスプラインの第1のセットを有し、
前記出力ギアの前記外面上に軸方向に延在する複数の歯の前記セットは、前記摺動継ぎ輪の前記第1の端部上に軸方向に延在する複数の歯の前記セットと選択的に係合可能である、シャフト連結・連結解除システム。
【請求項14】
前記磁気回路は、前記コイル筐体、アーマチャ、およびカバーのうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載のシャフト連結・連結解除システム。
【請求項15】
前記シャフト連結・連結解除システムは、車軸連結解除システム、電力取出しユニット、差動装置アセンブリ、または電力伝達ユニットにおけるシャフトと選択的に係合する、請求項13または14に記載のシャフト連結・連結解除システム。
【請求項16】
前記アクチュエータは、永久磁石を有さない、請求項13〜15のいずれか1項に記載のシャフト連結・連結解除システム。
【請求項17】
前記コイル筐体、前記カバー、または前記摺動リングのうちの少なくとも1つは、残留磁気を有する材料で構成される、請求項14に記載のシャフト連結・連結解除システム。
【請求項18】
前記摺動継ぎ輪の前記第1の端部は、内径を有し、
前記摺動継ぎ輪の前記第2の端部は、内径を有し、
前記摺動継ぎ輪における前記第2の端部の前記内径は、前記摺動継ぎ輪における前記第1の端部の前記内径より小さい、請求項13〜17のいずれか1項に記載のシャフト連結・連結解除システム。
【請求項19】
ブッシュを更に備え、
前記ブッシュは、非磁性材料で作製される連続したリング形状の構造体であり、
前記ブッシュは、前記摺動リングの前記半径方向の内面から半径方向内側に延在する前記アームの前記第1の側面に軸方向に隣接する、請求項13〜18のいずれか1項に記載のシャフト連結・連結解除システム。
【請求項20】
前記励磁可能電磁コイルの前記複数の銅巻線は、オーバモールド材料またはポッティング材料内に収納される、請求項13〜19のいずれか1項に記載のシャフト連結・連結解除システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2014年7月13日に出願された米国仮特許出願第62/023,944号の利益を主張し、その全体は法律により認められる限度で参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、磁気ギャップを有しないか、または最小の磁気ギャップを有するアクチュエータをラッチングするための方法およびシステムに関する。特定の実施形態において、本発明は、差動装置、車軸連結解除システム、もしくは電力伝達ユニット等の電力取出しユニットもしくは車両駆動列システムにおいて用いるための複数のアクチュエータに関する。特定の実施形態において、本発明は、車軸連結解除システムにおいて用いるためのアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0003】
自動車産業において、アクチュエータは、差動装置、車軸連結解除システム、または電力伝達ユニット等の駆動列システムにおけるものを含めて、多くの目的に用いられる。単なる一例として、車両の典型的な全輪駆動システムは、トルク連結部を介してトルクを二次車軸へと押し付け、性能、操作、および機動性の向上を提供する。これらのシステムは、二次車軸および残りの駆動系が車速で絶えず回転することを要求するが、これにより車両の全体としての効率性を低下させ、燃費を低下させる。
【0004】
複数の二次車軸連結解除が利用可能であり、二次車軸およびプロペラシャフトが回転を停止することを可能にする。これらの連結解除システムは、車両効率性を向上させるが、現在のシステムは、出力部の係合および係合解除の両方を行い、および/または、係合または係合解除したままにするための電力も必要とする。後者の状況は、システムに対する一定の電力を必要とする場合があり、これによりシステム全体の効率性が低下し、あるいは永久磁石の使用を必要とする場合がある。
【0005】
当技術分野において既知であるように、アクチュエータは、電流を機械力に変換する。電流がアクチュエータに流れることにより、金属アーマチャを動かす磁場を生成し、金属アーマチャは、追加の複数の機械要素により、上記に簡単に説明された車軸連結解除システム等、特定の駆動列システムの係合/係合解除状態における変化をもたらす。
【0006】
従来、アクチュエータが励磁されると、アーマチャは、生成された磁場の結果としてソレノイドに向かって引っ張られ、車軸連結解除システムを係合する。システムを係合された状態に保持することが望ましい場合、電流が絶えず印加されなければならないか、またはアーマチャが係合位置にとどまるように、複数の永久磁石がアクチュエータの設計に含まれなければならないかのいずれかである。明らかな理由により、システムを係合された(または係合解除された)状態に保持するときに、ソレノイドに著しい電力を引き込ませることは望ましくない。
【0007】
複数のラッチングソレノイドは、システムにおいて永久磁石との係合の保持も実現し得る。永久磁石を用いると、温度消磁および衝撃消磁等の望ましくない結果が生じる。更に、材料に応じて、永久磁石は、コストが掛り、固定するのが困難なものとなり得、壊れやすくなる可能性がある。
【0008】
係合された状態にとどまるべく連続的電力または永久磁石を必要としないアクチュエータを用いることにより車両効率性を保持することが、システムにとり望ましいであろう。
【0009】
開示は、特定の設計特徴、特定の低コストの磁性鋼、およびアクチュエータへの電流を制御する連結/連結解除戦略を使用する。これは、別個の永久磁石構成部品を全く用いず、従って、設計を犠牲せず、または追加のコストなしで同一の所望の結果を実現する。
【発明の概要】
【0010】
開示は、オーバモールド内に配置された複数の銅巻線の未励磁コイル、少なくとも部分的にコイルを囲む筐体、筐体と摺動係合するアーマチャから構成され、磁束がアーマチャとコイルもしくは筐体のうちの少なくとも1つとの間で途切れない、係合位置にあるアクチュエータの使用を含む
【0011】
本明細書における本開示は、係合されると、オーバモールド内に配置された複数の銅巻線の未励磁コイルを有するアクチュエータと、少なくとも部分的にコイルを囲む筐体と、筐体と摺動係合するアーマチャとを備え、磁束がアーマチャとコイルもしくは筐体のうちの少なくとも1つとの間で途切れない、車軸連結解除システムも説明する。車軸連結解除システムは、(i)コイル筐体またはアーマチャのうちの少なくとも1つと(ii)摺動継ぎ輪との間に配置された回転可能で軸方向に摺動可能な摺動リングも備え得、摺動リングは、半径方向の外面、半径方向の内面、ならびに第1の端部および第2の端部を有する。摺動継ぎ輪は、第1の部分および第2の部分を有する。第1の部分は、摺動リングから直ぐの半径方向内側に配置され、軸方向に延在する複数の歯の第1のセットを画定する第1の部分を画定する。第2の部分は、第1の部分の半径方向内側に配置され、戻しばね溝は、摺動継ぎ輪の第1の部分の半径方向内側に配置されて、戻しばねをその中に収納し、出力ギアは、摺動継ぎ輪の複数の歯の第1のセットを係合するための軸方向に延在する複数の歯の第2のセットを有する。
【0012】
本明細書において、車軸連結解除システムの係合を保持する複数の方法も記載される。これらの方法は、アクチュエータを有する車軸連結解除システムを提供する段階を備える。アクチュエータは、オーバモールドにおける複数の銅巻線、少なくとも部分的にコイルを囲む筐体、および筐体と摺動係合するアーマチャを含む電磁コイルを有する。これらの方法は、電磁コイルを励磁し、それにより電磁コイル、コイル筐体、またはアーマチャのうちの少なくとも1つにおいて磁束を生じさせる段階も備え、これによりアーマチャを第1の軸位置から第2の軸位置に移動させ、磁束は、電磁コイル筐体とアーマチャとの間で途切れない。本方法は、アーマチャが第2の軸位置に移動すると、電磁コイルを消磁する段階を備える。アーマチャを第2の軸位置に保持する段階もこれらの方法に含まれ、磁束は、電磁コイル筐体とアーマチャとの間で途切れない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の上記および他の利点は、添付の図面に鑑みて考慮されれば、以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかとなるであろう。
図1非係合位置にある、開示によるアクチュエータの実施形態を用いる典型的な車軸連結解除システムの部分的破断斜視図である。アクチュエータは、非係合位置にある。
図2非係合位置にある、開示によるアクチュエータの第2の実施形態の概略断面図を示す。アクチュエータは、非係合状態で示される。
図3】従来技術において既知の係合アクチュエータの概略断面図を示す。
図4】本開示の複数の実施形態による係合アクチュエータの概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、そうでないと明示的に特定されない限り、様々な代替的方向性および段階シーケンスを想定し得ることを理解されたい。添付の図面に示され、以下の明細書において説明される具体的な複数のアセンブリ、物品、および特徴は、本発明のコンセプトの例示的な実施形態に過ぎないことも理解されたい。従って、開示されるこれらの実施形態に関連する具体的な複数の寸法、方向、または他の物理的特性は、別途明示的に記載されない限り、限定的とはみなされない。また、そうでない場合もあるが、様々な実施形態における同一の複数の要素は、本願のこの節において同一の符号で一般的に参照され得る。
【0015】
本明細書における使用のみのために、アクチュエータおよびソレノイドという用語は、相互に交換可能に用いられ得る。
【0016】
ここで図1を参照すると、本発明の複数の実施形態と共に用いるための車軸連結解除システム10の一例が示されている。システム10は、コイル14およびコイル筐体16を含む電磁石12を備える。
【0017】
コイル筐体16は中空であり、コイル14を囲む。コイル14は、コイル筐体16内のポッティング材料18に収納された複数の銅巻線を備える。非限定的な例において、材料18は、銅巻線の全体としての寿命および耐久性を高めるべく、コイル14の複数の銅巻線をショック、振動、湿度、埃、極端な温度、腐食剤、および/または電気的短絡から保護するポッティング材料、オーバモールド、および/またはその他の材料である。コイル14の複数の巻線は、電源(図示せず)に接続される。コイル筐体16は、1つの部品、または互いに接続されたいくつかの部品であってもよい。
【0018】
半径方向の外面21、半径方向の内面23、第1の端部25、および第2の端部27を有する摺動リング20は、コイル筐体16と摺動継ぎ輪22との間に配置される。より具体的には、摺動リング20は、コイル筐体16の半径方向内側に配置され、それと直に接触する。摺動リング20は、鋼等の磁気力を受けやすい金属材料で構成される。
【0019】
摺動リング20は、コイル筐体16に相補的な形状を有し得る。
【0020】
アーム24は、摺動リング20の半径方向内側に延在する。内側に延在するアーム24の第1の側面26は、第1のブッシュ28に隣接して軸方向に配置される。内側に延在するアーム24の第2の側面30は、摺動継ぎ輪22に隣接する。摺動リング20は、軸方向に選択的に移動するように適合される。
【0021】
第1のブッシュ28は、摺動リング20と摺動継ぎ輪22との間に配置される。第1のブッシュ28は、連続的なリング形状の構造体である。第1のブッシュ28は、プラスチック等であるが、これに限定されない非磁性材料で構成される。
【0022】
摺動継ぎ輪22は、摺動リング20から直ぐの半径方向内側に、かつ出力シャフト(図示せず)から直ぐの半径方向外側に配置され、第1の部分34および第2の部分36を有する。第1の部分34および第2の部分36は、互いに一元的な1個の部品である。より具体的には、第1の部分34は、摺動リング20から直ぐの半径方向内側に配置され、摺動リング20の半径方向内側に延在するアーム24と平行に半径方向外側に延在する。摺動継ぎ輪22の第1の部分34は、軸方向に延在する複数の歯38の第1のセットを有する。
【0023】
第2の部分36は、第1の部分34の半径方向内側に配置され、出力シャフト(図示せず)と平行な外側方向に延在する。第2の部分36は、軸方向に延在する複数のスプライン40の第1のセットを画定する。複数のスプライン40は、摺動継ぎ輪20と一体的に形成されて一元的であり、出力シャフト(図示せず)に沿った軸方向の移動を可能にする。
【0024】
やはり図1に図示される戻しばね溝42は、摺動継ぎ輪22の第1の部分34の半径方向内側に配置される。戻しばね溝42は、その中に戻しばね44を受ける。戻しばね44の第1の端部46は、戻しばね溝42の端部に隣接する。戻しばね44の第2の端部48は、スナップリング50に隣接する。
【0025】
第1の端部53および第2の端部55を有する出力ギア52は、摺動リング20の半径方向内側に、かつ出力シャフト(図示せず)の半径方向外側に配置される。出力ギア52の第2の端部55の外面54は、摺動継ぎ輪22上の軸方向に延在する複数の歯38の第1のセットを係合するための、軸方向に延在する複数の歯56の第2のセットを画定する。複数の歯のセット38、56を係合することにより、摺動継ぎ輪22を出力ギア52と回転的にロックする。
【0026】
システムは、2つのモードの動作を有する。図1に図示される動作の第1のモードにおいて、摺動継ぎ輪22および出力ギア52は、互いに連結または回転されないが、一緒に回転するように連結されることが所望である場合がある。このモードが用いられる場合、電気がコイル14に送られ、複数のコイル状線材は、磁束を生成する。換言すれば、コイル14における電流により、コイル筐体16は磁化される。コイルの磁束および筐体磁気の和は、戻しばね44のばね力および摺動リング20の摩擦力の和より大きく、これにより摺動リング20を移動させる。コイル14が励磁される数ミリ秒以内に、磁束は、磁気摺動リング20の軸方向の移動に寄与する。摺動リング20は、第1のブッシュ28を軸方向に移動させ、これにより摺動継ぎ輪22を軸方向に同様に移動させ、摺動継ぎ輪22を押して出力ギア52と係合させる。
【0027】
第1のモードが使用される場合、摺動継ぎ輪22上の複数の歯38の第1のセットは、出力ギア52上の複数の歯56の第2のセットと係合されない。ギャップが複数の歯38、56の2つのセットを分離する。しかし、摺動継ぎ輪22が動かされると、複数の歯38、56の2つのセットを分離するギャップは閉じる。ミリ秒程度の短い時間で、ギャップが閉じられ、摺動継ぎ輪22上の複数の歯38の第1のセットは、出力ギア52上の複数の歯56の第2のセットと係合する。複数の歯38、56の2つのセットが係合すると、摺動継ぎ輪22は、出力ギア52に回転的に固定される。摺動継ぎ輪22からの回転は、出力ギア52により出力シャフト(図示せず)に伝達される。
【0028】
従来技術の複数のシステムにおいて、複数の構成部品がもはや係合されないことが所望である場合、コイル14への電気は、途切れる。戻しばね44は、摺動継ぎ輪22を押し、これにより摺動継ぎ輪22を出力ギア52から軸方向に離す。戻しばね44の付勢により、複数の歯38のセットと、複数の歯56のセットとを分離する。戻しばね44は、システム10がデフォルトで複数の構成部品が係合されない位置になることを可能にする。摺動継ぎ輪22が出力ギア52と係合されない場合、システム10は、図1に図示されるモードにある。
【0029】
しかし、本開示は、連続的な磁気回路(空隙がない/最小の空隙)で設計されたアクチュエータを使用し、従って励磁されると、両面は一致して、複数の構成部品における任意の残留磁気が連続した経路を有することを可能にするのに十分な接触を提供する。
【0030】
コイル筐体16からの恒久的磁束は、摺動継ぎ輪の複数の歯38を出力ギアの複数の歯56と係合した状態に保持するのに十分な程に強い。従って、コイル14に対する電力がオフにされると、システム10は、係合位置にとどまる。従って、システムは、係合位置にとどまるべく電力を必要としない。これは、電力を引き込み続けることなく、システムが係合位置で動作し得るので有利であり、これによりシステムをより効率的なものにする。
【0031】
システム10がもはや係合されないことが所望である場合、反対方向の磁束を生成するべく、電流がコイル14に提供される。磁束は、コイル筐体16を消磁させる。ばね44は、摺動継ぎ輪22を押し、これにより摺動継ぎ輪22を出力ギア52から離して軸方向に促す。ばね44の付勢により、複数の歯38のセットと、複数の歯56のセットとを分離する。摺動継ぎ輪22が出力ギア52と係合されない場合、システムは、第2のモードにある。
【0032】
図2は、本開示の一実施形態による非係合アクチュエータ100の断面図を示す。アクチュエータ100は、電磁コイル110を含む。電磁コイル110は、コイル筐体120、カバー130、アーマチャ140、および材料160に収納された複数の銅巻線150から構成される。非限定的な例において、材料160は、銅巻線の全体としての寿命および耐久性を高めるべく、電磁コイル110の複数の銅巻線150をショック、振動、湿度、埃、極端な温度、腐食剤、および/または電気的短絡から保護するポッティング材料、オーバモールド、および/またはその他の材料である。カバー130は、小隆起180を有し得るが、これは必要ではない。小隆起180は、カバー130の内側半径方向の端部190から軸方向に延在する。アーマチャ140は、非係合位置で小隆起180から分離されている第1の端部200を有する。アーマチャは、筐体120の形状に相補的な形状の第2の端部210を有し、非係合状態にあるときに筐体120に隣接し得る。
【0033】
本開示の図2に示されるように、摺動リング170は、アーマチャ140に隣接し、これに相補的である
【0034】
カバー130、コイル筐体120、およびアーマチャ140は全て、残留磁気を有する鉄金属で作製される。そのような複数の金属は、1095型炭素鋼もしくは1065型炭素、または炭素含有量がおよそ0.5%もしくはそれを超えるその他の炭素鋼等の高炭素鋼であり得るが、これらに限定されない。
【0035】
作動すると、電力が銅巻線150に供給され、これにより数ミリ秒以内に、コイル筐体120、カバー130、およびアーマチャ140のうちの少なくとも1つにおいて磁束を生成する。コイル筐体120、カバー130(存在する場合)、およびアーマチャ140は、磁気回路を作り出し、磁束は磁気回路を通って進み得る。磁束は、アーマチャ140の鉄材料上で作用し、これによりアーマチャ140を移動させる。作動後、アーマチャ140の第1の端部200がカバー130の小隆起180と接触する。アーマチャ140の第2の端部210は、コイル筐体120とあまり接触しない。アーマチャ140が移動すると、摺動リング170を移動させ、それによりシステムの残りのものを係合する。
【0036】
このアクチュエータ100が示されるが、異なる形状のカバー、アーマチャ、および筐体を用いる複数のアクチュエータを含む、本発明の範囲内にある様々な実施形態が企図される。アーマチャおよび筐体が相互作用する態様は、アーマチャおよびカバーが係合時にどのように相互作用するかが変わり得るのと同様に変わり得る。示されるアクチュエータ100は、多くの可能性の中の1つに過ぎない。本発明の1つの重要な態様は、たとえ連続的な電力がコイルに供給されない場合でも、アクチュエータが係合された状態にとどまることができ、またはラッチすることができる。永久磁石を用いることなく、これを実現するには、アーマチャと残りの電磁コイルとの間には磁気ギャップが全くないか、または最小のものでなければならない。図3および4は、例示的なものである。
【0037】
図3は、従来技術において見られるような非常に一般的な電磁コイル300の係合を示す。電磁コイル300は、ポッティングモールドまたはオーバモールド320における複数の銅巻線310からなる。銅巻線310およびオーバモールド320は、カバー340を有する筐体330内に格納される。アーマチャ350は、軸方向(矢印で示される)に選択的に移動し得る。この図面においては、電磁コイル300が係合される。典型的な従来技術のシステムにおいて、磁気ギャップ360は、コイル300が作動するときであっても、アーマチャ350とカバー340との間にとどまる。
【0038】
これとは逆に、本発明のアクチュエータは、図4に一般的に示されるように、磁気ギャップを有さず、概して、アーマチャ350は、(アクチュエータの精密な設計に応じて)接点370を介して筐体330またはカバー340に接触する。接点370を介した正確で完全な接触は、必要ではない。最小のギャップまたは部分的ギャップは、コイル筐体330、カバー340、および/またはアーマチャ350の磁気回路を通って進む磁束が途切れず、電磁コイル300をラッチングされた状態に保持するのに十分に強い限り、許容され得る。電磁コイル300が用いられるシステムが(第1の実施形態により詳細に図示される)戻しばねの引っ張り等であるがこれに限定されない、アーマチャに作用する他の複数の力を有する場合に、電磁コイル300の磁気回路内の残留磁気は、それらの反力を克服するのに十分に強くなければならないことに留意することが重要である。
【0039】
アーマチャ350と電磁コイル300の残りとの間における境界面の細部は、保持力に影響を与えるように処理され得る(例えば、平行な突合せ面または面取りされた境界面は、異なる保持力を提供する)。
【0040】
残留磁気は、利用可能な一般的な複数の鋼で異なる。殆どの場合に、この厄介な特性を低減/除去する複数の材料が選択される。鋼のグレードを適切に選択することにより、保持力は、所与のソレノイド設計について規定され得る。1つの非限定的な例は、1095型炭素鋼もしくは1065型炭素鋼、または炭素含有量がおよそ0.5%もしくはそれを超えるその他の炭素鋼等の高炭素鋼であり得るが、これに限定されるものではない。アーマチャ350用の鉄材料等、用いられる他の複数の材料は、当技術分野において既知のものである。
【0041】
残留磁束は、経時的に減衰し得るので、制御の解決法は、連結強度を増強する周期的エネルギーパルスを含み得る。
【0042】
連結の解放に関しては、電力供給され閉じられた磁気回路が定位置に来ると、コイルを逆方向に通る電流のパルスが、アーマチャおよびソレノイドを互いに保持する磁束を打ち消す。このパルスは、保持される磁気からの磁束を打ち消すのに十分な磁束を生成するには十分な長さのものであり、再係合を生じさせないように十分に短いものであるべきである。
【0043】
振動が高いか、または経時的に保持力の損失を生じさせる設計上の制約が存在する特定の用途においては、装置が保持力を維持することを確実にするべく、時々励磁パルスを送信する必要があり得る。
【0044】
そのような残留磁気連結システムのための制御システムは、車両アーキテクチャ全体で利用可能な他の情報に基づいて更に改良され得る。例えば、車両の動的制御システムが加速度における変化(例えば、ヨー、ピッチ、ロール)を検出した場合、連結解決法のための制御システムは、このデータをアルゴリズムにおいて活用してもよく、アルゴリズムは、車両の動的イベント中に連結が維持されることを確実にするべく、コントローラがいつ補強パルスを生成するかを決定する。
【0045】
既に注記されたように、上記の車軸連結解除システムは、本発明が用いられ得る多くのシステムの一例に過ぎない。車軸連結解除システムの複数の変形形態は、コイル筐体16の異なる複数の形状、またはシステムにおける他の複数の要素の追加または削減を含み得る。
【0046】
また、本明細書において説明され、図示されるシステムの一実施形態は、車軸連結/連結解除システム用であることが理解され得る。しかし、本明細書に説明される装置は、車軸のみに限定されない。それどころか、装置は、電力取出しユニット、差動装置、および電力伝達ユニットを含むがこれらに限定されない、自動車分野で既知の他の複数の装置、機器、および方法に適用され得る。本発明のアクチュエータと共に用いられ得る複数のシステムのいくつかの例は、いくつかの車軸連結解除・電力取出しユニットシステムを説明する米国特許出願第14/606,066号に見ることができ、これら全ては、本明細書に説明される残留磁気を利用する複数のアクチュエータと共に用いられ得る。
【0047】
特許制定法の規定に従い、本発明は、その好ましい実施形態を示すと考えられるものにおいて説明されてきた。しかし、本発明は、その趣旨または範囲を逸脱することなく、具体的に示され、説明されたもの以外で別途実施され得ることに留意されたい。
(項目1)
係合状態にあるアクチュエータであって、
オーバモールド内に配置された複数の銅巻線を有する未励磁コイルと、
少なくとも部分的に上記コイルを囲む筐体と、
上記筐体と摺動係合するアーマチャとを備え、
磁気回路を通る磁束は、途切れない、アクチュエータ。
(項目2)
上記磁気回路は、上記筐体、上記アーマチャ、およびカバーのうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載のアクチュエータ。
(項目3)
上記アクチュエータは、永久磁石を有さない、項目1に記載のアクチュエータ。
(項目4)
上記筐体または上記アーマチャのうちの少なくとも1つは、残留磁気を有することができる鉄材料で構成される、項目1に記載のアクチュエータ。
(項目5)
上記鉄材料は、高炭素鋼、1014型鋼、および1065型鋼からなる群から選択される、項目4に記載のアクチュエータ。
(項目6)
オーバモールド内に配置された複数の銅巻線を有する未励磁コイルと、
少なくとも部分的に上記コイルを囲む筐体と、
上記筐体と摺動係合するアーマチャとを備え、
上記アーマチャは、係合位置にあり、
磁気回路を通る磁束は、途切れない、アクチュエータ。
(項目7)
オーバモールド内に配置された複数の銅巻線を含む未励磁コイルと、
少なくとも部分的に上記コイルを囲む筐体と、
上記筐体と摺動係合するアーマチャとを有する
アクチュエータと、
(i)上記コイル筐体もしくは上記アーマチャのうちの少なくとも1つと(ii)摺動継ぎ輪との間に配置され、半径方向の外面、半径方向の内面、第1の端部、および第2の端部を含む回転可能で、軸方向に摺動可能な摺動リングと、
第1の部分および第2の部分を有し、上記第1の部分は、上記摺動リングから直ぐの半径方向内側に配置され、上記第1の部分は、軸方向に延在する複数の歯の第1のセットを画定し、上記第2の部分は、上記第1の部分の半径方向内側に配置される上記摺動継ぎ輪と、
上記摺動継ぎ輪の上記第1の部分の半径方向内側に配置され、戻しばねを中に収納する戻しばね溝と、
上記摺動継ぎ輪の複数の歯の第1のセットと係合する軸方向に延在する複数の歯の第2のセットを含む出力ギアとを備え、
磁気回路を通る磁束は、途切れない、車軸連結解除システム。
(項目8)
上記磁気回路は、上記筐体、上記アーマチャ、およびカバーのうちの少なくとも1つを含む、項目7に記載の車軸連結解除システム。
(項目9)
上記アクチュエータは、永久磁石を有さない、項目7に記載の車軸連結解除システム。
(項目10)
上記筐体または上記アーマチャのうちの少なくとも1つは、残留磁気を有する鉄材料で構成される、項目7に記載の車軸連結解除システム。
(項目11)
上記鉄材料は、高炭素鋼、1014型鋼、および1065型鋼からなる群から選択される、項目10に記載の車軸連結解除システム。
(項目12)
車軸連結解除システムの係合を保持するための方法であって、
(i)オーバモールド内に配置された複数の銅巻線を含む電磁コイルと、
少なくとも部分的に上記コイルを囲む筐体と、
上記筐体と摺動係合するアーマチャとを含むアクチュエータ
を有する車軸連結解除システムを提供する段階と、
(ii)上記電磁コイルを励磁し、それにより磁気回路を通る磁束を生じさせると共に、第1の軸位置から上記磁気回路を通る上記磁束が途切れない第2の軸位置へと上記アーマチャを移動させる段階と、
(iii)上記電磁コイルを消磁する段階と、
(iv)上記磁気回路を通る上記磁束が途切れない上記第2の軸位置に上記アーマチャを保持する段階とを備える、方法。
(項目13)
上記方法は、係合の保持を確実にするべく、再励磁電流パルスを上記コイルに送信する段階を更に備える、項目12に記載の車軸連結解除システムの係合を保持するための方法。
(項目14)
上記方法は、係合を終了させるべく、逆電流パルスを上記コイルに送信する段階を更に備える、項目12に記載の車軸連結解除システムの係合を保持するための方法。
(項目15)
電力取出しユニットの係合を保持するための方法であって、
(i)オーバモールド内に配置された複数の銅巻線を含む電磁コイルと、
少なくとも部分的に上記コイルを囲む筐体と、
上記筐体と摺動係合するアーマチャとを含み、
永久磁石を含まない、アクチュエータ
を有する、電力取出しユニットを提供する段階と、
(ii)上記電磁コイルを励磁し、それにより磁気回路を通る磁束を生じさせると共に、第1の軸位置から上記磁気回路を通る上記磁束が途切れない第2の軸位置へと上記アーマチャを移動させる段階と、
(iii)上記電磁コイルを消磁する段階と、
(iv)上記磁気回路を通る上記磁束が途切れない上記第2の軸位置に上記アーマチャを保持する段階とを備える、方法。
図1
図2
図3
図4