(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の磁界検出器と前記第1のサンプルホールド回路との間の信号経路内に配置されたバッファをさらに備え、前記バッファが、前記第1のサンプルホールド回路および前記第2のサンプルホールド回路のために前記第1のハーフブリッジ出力信号をバッファするように構成されている、請求項2に記載の装置。
前記第1の磁界検出器は、各々が1つ以上の磁気抵抗要素の複数の群を有し、前記複数の群は、第1のハーフブリッジ出力信号および第2のハーフブリッジ出力信号を生成するようにブリッジ構成で配置され、前記複数の群は、少なくとも第1の群、第2の群、第3の群、および第4の群を含み、
前記第1の群の前記1つ以上の磁気抵抗要素は、基準軸の方向に対して第1の角度にある第1の軸の方向に実質的に平行な第1の電流方向に電流を流すように構成され、
前記第2の群の前記1つ以上の磁気抵抗要素は、前記基準軸の方向に対して第2の角度にある第2の軸の方向に実質的に平行な第2の電流方向に電流を流すように構成され、前記第2の角度は前記第1の角度とは異なり、
前記第3の群の前記1つ以上の磁気抵抗要素は、前記基準軸の方向に対して第3の角度にある第3の軸の方向に実質的に平行な第3の電流方向に電流を流すように構成され、前記第3の角度は前記第1の角度および前記第2の角度とは異なり、
前記第4の群の前記1つ以上の磁気抵抗要素は、前記基準軸の方向に対して第4の角度にある第4の軸の方向に実質的に平行な第4の電流方向に電流を流すように構成され、前記第4の角度は前記第1の角度、前記第2の角度、および前記第3の角度とは異なる、請求項1に記載の装置。
バッファにより、前記第1のサンプルホールド回路および前記第2のサンプルホールド回路のために前記第1のハーフブリッジ出力信号をバッファするステップをさらに含む、
請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
新規なシステム、装置、および方法の様々な態様を、以下において添付図面を参照しながらより十全に説明する。しかしながら、本開示の態様は、多数の異なる形態で具現化され得、本開示を通じて提示するいずれかの特定の構造または機能に限定されるとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が網羅的かつ完全になるように、かつ本開示の範囲を当業者に十全に伝えるように、提供されるものである。本明細書中の教示に基づき、当業者は、本開示の範囲は、独立して実装されるかまたは任意の他の態様と組み合わせられるかにかかわらず、本明細書に開示する新規なシステム、装置、および方法の任意の態様をカバーすることを意図すると理解すべきである。例えば、本明細書に記載の任意の数の態様を使用して、装置を実装することができ、方法を実施することができる。加えて、範囲は、本明細書に記載の様々な態様に加えて、もしくはそれら以外の、他の構造、機能、または構造および機能を使用して実施される装置または方法を包含することを意図する。本明細書に開示するいずれの態様も、請求項の1つ以上の要素により具現化され得ることが理解されるべきである。
【0013】
本明細書では特定の態様について説明するものの、これらの態様の多数の変形例および並び替えは本開示の範囲に属する。好ましい態様のいくつかの恩恵および利点が言及されるものの、本開示の範囲は、特定の恩恵、使用、または目的に限定されることを意図しない。むしろ、本開示の態様は、様々なシステムおよび技術に広く適用可能であることを意図するものであり、そのうちのいくつかは、図において、および好ましい態様に関する以下の説明において、例により示される。詳細な説明および図面は、限定的であるよりもむしろ本開示の単なる例示であり、本開示の範囲は、添付の請求項およびそれらの等価物により定義される。
【0014】
本明細書では、図面が参照され、図面では、類似の参照番号は、同一または機能的に同様の要素を指すことがある。図に示す要素は必ずしも縮尺一定に描かれていないことが理解されるであろう。その上、特定の実施形態は、図面に示すよりも多くの要素および/または図面に示す要素の下位集合を含み得ることが理解されるであろう。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の好適な組み合わせを組み込み得る。
【0015】
図1は、磁界方向検出器の第1の実施形態の平面図である。磁界方位検出器10は、第1の磁気抵抗器〜第4の磁気抵抗器12、14、16および18を含む。第1の磁気抵抗器〜第4の磁気抵抗器12、14、16および18は、抵抗R1〜R4をそれぞれ有する。第1の磁気抵抗器12および第2の磁気抵抗器14は、第1の基準ノード20と第2の基準ノード22との間に直列接続される。便宜上、第1の基準ノード20は、使用時において第1の基準電圧Vref+を受信するように接続され得、第2の基準ノードは第2の基準Vref−を受信し得る。これらの電圧は、有利なことに、安定した電圧基準によって得ることが可能である。基準電圧Vref+およびVref−が良好に制御された状況下においては、方向検出器は、第1の磁気抵抗器12および第2の磁気抵抗器14のうち1つだけを持てばよい。しかし、電圧変動および検出器温度ドリフトに対する電磁波耐性を高くするためおよび感度向上のためには、第3の抵抗16および第4の抵抗18を提供して、
図2に示すようにブリッジ構成を形成すると有利である。
【0016】
図2を参照して、第1の磁気抵抗器12の第1の端部を第1の基準ノード20へ接続し、第2の端部を第1の出力ノード30および第2の磁気抵抗器14の第1の端部へ接続することにより、ブリッジが形成される。第2の磁気抵抗器14の第2の端部を、第2の電圧基準ノード22へと接続する。
【0017】
同様に、第4の抵抗18の第1の端部を第1の基準ノード20へ接続する。第4の抵抗の第2の端部を、第2の出力ノード32と、第3の磁気抵抗器16の第1の端部とへ接続する。第3の磁気抵抗器16の第2の端部を、第2の基準ノード22へ接続する。
【0018】
使用時において、第1の出力ノードおよび第2の出力ノードにおける出力電圧を相互に比較することで、第1の方向(矢印40(
図1)で示す)または第1の方向40と反対方向の第2の方向42にある成分を磁界が有するかを決定することができる。よって、センサーは、検出軸44に対する磁界方向に応答し、検出軸の第1の側部または第2の側部からの界の成分を磁界が有するかを決定する機能を行う。この比較は、比較器または差動増幅器34によって行われ得る。
【0019】
第1の磁気抵抗器12〜第4の磁気抵抗器18は、第2の面からオフセットされた第1の面内に配置される。第2の面は、磁気抵抗器における磁界を摂動させる摂動生成器を担持する。摂動生成器は、永久磁場を生成するために磁化材料であり得る。しかし、集積回路の文脈においては、導体中に流れている電流を摂動生成に用いるとより便利である場合が多い。この場合、摂動の大きさおよび方向を駆動回路によって変更できるため、有利である。このようにすると、磁界方向検出器の感度を決定する場合または信号処理を向上させるステップを行う場合(例えば、出力端子30および32へ接続された増幅器または比較器中において発生しているオフセットを測定および/または補償するオートゼロイング機能を行う場合)において有用である。
【0020】
図3は、
図1の線A−A’に沿った断面図であり、記第1の磁気抵抗器12および第2の磁気抵抗器14と、導体素子によって形成された摂動生成器50とを含む。導体素子は、基板(例えば、シリコン基板52)または絶縁体層(例えば、シリコン基板上のポリアミド)上に形成される。導体素子そのものは、絶縁体54(例えば、ポリアミド)によって包囲される、かまたは絶縁体54(例えば、ポリアミド)中に埋設される。磁界方向検出器の製造時において、絶縁体54は、平面56を形成するように平坦化される。平面56上に、磁気抵抗器12および14が被覆される。その後、これらの抵抗を保護層58中に封入することで、環境的ダメージから抵抗を保護する。
【0021】
これらのステップは、デバイス製造分野の当業者にとって公知であるため、ここでは詳述を控える。
図3に示すように配置された磁気抵抗器は、摂動生成器50の導体中に流れる電流に起因して発生する磁束を受けることが理解される。
【0022】
図1に戻って、摂動生成器50は折り畳み経路を有し、これにより、第1の磁気抵抗器12の下側に流れている電流が第1の方向(例えば、
図1に示すように上方に延びて、
図3のページの面内へと延びるもの)を有する場合、第2の磁気抵抗器14の下側に流れている電流は、反対方向(
図1のページを下方に延び、
図3の面から出て行くもの)に流れることが理解される。よって、摂動生成器50が電流を流している場合、磁界への異なる摂動付与が第1の磁気抵抗器12および第2の磁気抵抗器14において発生する。
【0023】
全く同一の効果が、第3の抵抗16および第4の抵抗18においても発生する。
【0024】
図4は、ベクトル「H」によって示す強度および方向を有する外的磁界への摂動ベクトル付加の模式図である。各磁気抵抗器における摂動を、ベクトルHpによって示す。各場合において、図示のHpの大きさは、各磁気抵抗器におけるものと同じであるが、第1の磁気抵抗器および第3の磁気抵抗器の方向は、第2の磁気抵抗器および第4の磁気抵抗器の方向と反対方向である。
【0025】
各抵抗12、14、16および18について、得られたベクトル合計を「M」で示し、第1の抵抗12の得られた界M1の方向が、第1の角度θ1だけ変化したことが理解される。第1の角度θ1は、第2の磁気抵抗器14の第2の角度θ2だけ変化した得られた界M2と異なる。また、明確に図示していないものの、ベクトル合計M1およびM2の大きさも異なり得る。
【0026】
磁界方向および強度の変化は、第1の〜第4の磁気抵抗器(12、14、16および18)の抵抗R1〜R4に影響を与え、各ベクトル合計は、Hに対して各角度θ1〜θ4だけ回転される。
【0027】
図5に示す基準フレームは、細長かつ直線状の磁気抵抗器60中の電流流れ方向と、周囲磁界Hから発生した磁気抵抗器磁化ベクトルMとの間の角度φを規定する。
図6に示すグラフは、磁気抵抗器のバルク抵抗ρがφと共に変化する様子を示す。磁界Hが充分に大きい場合、磁化ベクトルMはHと整列することが当業者に公知である。これは、角度界センサーにおいて用いられる動作モードである。
【0028】
特筆すべき特徴として、ρ(rho)は±90oにおいて最小となり、その応答は±90o周囲において対称となる点がある。この効果を用いれば、後述するように反対方向の電流流れ方向を有する磁気抵抗要素から磁気抵抗センサーを形成することにより、磁気抵抗器の有効長さを増加させ、よって感度を増加させることが可能になる。
【0029】
図4および
図6の比較から、第1の磁気抵抗器12の抵抗R1は、第2の磁気抵抗器14の抵抗R2と異なる範囲で変化することが明らかである。
図4に示す例において、磁界が全く無い場合はR1=R2が仮定されると、M2はM1よりも高い角度ρ(rho)にあるため、R2<R1となる。同様に、R4<R3である。よって、これらの抵抗が
図2に示すようなブリッジ構成にある場合において、磁界が第1の方向40にある成分を有する場合はVout2>Vout1である一方、磁界が第2の方向42にある成分を有する場合、Vout2<Vout1である。
【0030】
「幅」に比べて「長さ」が大きい抵抗を用いることにより、磁気抵抗応答の強度を増加することができる。これは、磁気抵抗器を形成する材料中に曲折または蛇行パターンを形成するかまたは磁気抵抗材料のいくつかの直列接続ストライプまたは要素からなる各磁気抵抗器を形成することにより、達成することができる。これらの磁気抵抗材料製ストライプまたは要素は、相互に平行に堆積され得る。
【0031】
図7は、磁界方向検出器を簡潔に示す。この磁界方向検出器において、各磁気抵抗器は、複数の相互接続された磁気抵抗要素を含む。
図7を
図1と比較すると、第1の磁気抵抗器12は、2つの磁気抵抗要素12−1および12−2を含む。これら2つの磁気抵抗要素12−1および12−2は、金属連結部71によって接続される。金属連結部71は、磁気抵抗材料上に形成してもよいし、あるいは、摂動生成器50の導体および磁気抵抗要素の間の層中に形成してもよいし、あるいは、磁気抵抗材料の一部としてもよい。
【0032】
その他の磁気抵抗器は、磁気抵抗要素14−1、14−2、16−1、16−2、18−1および18−2によって同様に形成される。
【0033】
要素12−1中の電流流れと比較した場合、磁気抵抗要素12−2内の電流流れは反対方向に流れているが、90°方向周囲における抵抗特性が対称になっているため、これら2つの要素の応答は同一である。各磁気抵抗器12、14、16および18は、複数の磁気抵抗要素から構成され得る(例えば、2、3、4、5個等の磁気抵抗要素)。抵抗およびよって抵抗変化は、抵抗要素の数と共に変化する。
【0034】
抵抗要素を直線状要素として図示しているが、これは直線状構成が最も簡単な構成でありまた最も一般的な構成であると考えられるからであり、本発明はこれに限定されない。方向検出器の空間的存在に対して外的磁界が実質的に直線状であることが考えられる場合でも、両者を形成する磁気抵抗器および磁気抵抗要素は、他のジオメトリ(例えば、弓形またはジグザグ)をとり得る。これにより、他の成分を含むダイ上への磁界方向検出器のパッキングが向上し得る。
【0035】
以下に説明するように、2つの磁界方向検出器を用いて、象限検出器を形成することができる。
【0036】
図8は、共有摂動生成器の経路を示す。共有摂動生成器は、単一の導体摂動生成器50を含む。単一の導体摂動生成器50は、磁石摂動を第1の方向検出器100および第2の方向検出器104内に発生させる。第1の方向検出器100は、検出軸を矢印102の方向に沿って有し、第2の方向検出器104は、検出軸を矢印106の方向に沿って有する。よって、界摂動の大きさおよび方向を、双方の磁界方向検出器内において同時に制御することができる。
図9は
図8と類似の図であるが、各方向検出器100および104中の第1〜第4の磁気抵抗器の位置を模式的に示す(磁気抵抗器は、
図7について述べたような複数の磁気抵抗要素から構成され得る)。
【0037】
比較器(図示せず)は、第1の方向検出器100の第1の出力および第2の出力へ接続されて、V11をV12と比較し得る。同様に、第2のブリッジ104の出力へ接続された比較器は、V21をV22と比較し得る。
【0038】
図10は、摂動生成器50の導体が図示のように励起され、
図9の磁気抵抗器の下側に埋設された場合における、磁界を摂動する方向を示す。
【0039】
磁界が
図11に示すx−y面において左から右へとまたは右から左へと移動するため、V11およびV12ならびにV21およびV22の相対的大きさをマッピングすることが可能となる。検出軸102および106は、
図10に示す方向に対応するように図示されている。
【0040】
よって、磁界が右から左へと移動する場合、摂動による影響はV11>V12となる。
【0041】
第2の方向検出器は、
図11に示す座標系内において磁界が上方または下方に移動しているかを確認する。磁界が上方に移動している場合、V21>V22である。
【0042】
V11>V12=1、V11<V12=0、V21>V22=1およびV21<V22=0となるように比較器が配置構成されている場合、
図11にも示すように、磁界方向を2ビットワードとして表すことができる。
【0043】
よって、本例において、0°から90°の方向の発生元から発生する磁界は、1、1によって表される。例えば、90°〜180°の方向において、磁界は1、0によって表される。V11およびV12への入力接続ならびにV21およびV22への入力接続を変更することおよび/または摂動生成器50中に流れている電流の極性(
図8、9および10)を逆転することにより、比較器出力の符号を変更することができる。
【0044】
45°だけオフセットしている2つの象限検出器を用いて、円のうち1/8を構成しているセクター内の磁界の方向を決定することができることが明らかである。改変例として、磁気抵抗器が形成される面に対して垂直な磁界方向に対して検出器が感度を持つようにしてもよい。このような配置構成を
図12に模式的に示す。
【0045】
図12に示すように、導体150は、基板152上に形成され、絶縁体154内に埋設される。(
図1の磁気抵抗器12および14に対応する)第1の磁気抵抗器160および第2の磁気抵抗器162は、層154上に形成され、導体150のいずれかの側部から横方向にずれて配置される。
【0046】
導体150中の電流流れからの磁束156の線(
図12の面内への従来の電流流れ方向)が図示される。摂動界は、磁気抵抗器160において上方成分を有し、磁気抵抗器162において下方成分を有する。これにより、磁気抵抗器を有する集積回路の面に対して垂直な方向における感知が可能となる。このような配置構成は、材料がZ方向において肉薄である場合に発生する磁気抵抗器中の形状異方性と競合する必要があり得る。このような異方性に起因して、本実施形態の感度は、強い磁界の存在を必要としかつ/または磁気抵抗器をZ方向においてさらに肉厚に形成するように限定され得る。
【0047】
象限検出器を用いて、異方性磁気抵抗を用いた磁石角度方向検出器からの出力を増加させることができる。このようなセンサーは、磁気抵抗器を形成する磁気抵抗材料ストライプから構成してもよいが、摂動生成器は持たない。回転検出器としてのAMR要素の限界(例えば、シャフトの角度回転を測定するために棒磁石をシャフト上に配置した場合)を理解するために、
図13を考える。
図13は、
図6のデータを示すが、同一の抵抗率およびよって同一の抵抗を提供する磁気抵抗器の長手方向軸に対して4つの磁界方向Mがあることを例示する。
【0048】
図14中に模式的に示す種類のブリッジアレイ内に磁気抵抗器を配置した場合、このような角度曖昧性は変化しないままである。磁気抵抗要素は、4つのブロック内において相互に平行に配置されて、抵抗ブリッジを形成する。よって、領域180内に含まれる7つの磁気抵抗要素により、単一の磁気抵抗器が形成される。領域182、184および186により、他の磁気抵抗器が形成され、これら他の磁気抵抗器は、ブリッジ構成内に配置され、これにより、磁気抵抗器180および186が協働してブリッジのリムを形成し、磁気抵抗器182および184が協働して、ブリッジのその他のリムを形成する。
【0049】
公知の角度位置センサーにおいて、
図15に示すように2つの磁気抵抗ブリッジ構成190および192を形成することが公知であり、1つのブリッジを他方のブリッジに対して45°だけ回転させる。各ブリッジについて、出力信号Vout=Vout−a−Vout−bを形成することができる。
図16中、第1のブリッジ190および第2のブリッジ192における応答をVout_bridge1およびVout_bridge2としてそれぞれ示す。
【0050】
これらのブリッジからの出力を組み合わせて、以下の式1のようにすることができる。
出力角度=0.5arctan2(Vout_bridge1, Vout_bridge2) 式1
【0051】
出力を
図17に示す。この出力は、−90°<X<90°の範囲において単調である。Xは、第1のブリッジ190の感知軸に対する磁界方向を示す。よって、例えば−45°〜+135°においても曖昧性が存在する。しかし、本明細書中に記載のような象限検出器を設けることにより、角度不確実性を分解することができ、明確な出力が得られる。
【0052】
上述したように、象限検出器の要素または象限検出器を形成する個々の方向検出器は、直線状または線要素にしなくてもよい。同様に、検出器の個々の抵抗を隣接して配置する必要もないが、配置密度を高めるために基板上に分配してもよい。同様に、磁気摂動の形成に用いられる導体は、上記した経路を追随する必要は無く、例えば螺旋状経路として形成してもよい。
【0053】
図18に示す改変例の磁界検出器において、磁気抵抗器はそれぞれ、摂動生成器の各部分上に形成された複数の磁気抵抗要素から形成される。
図18を
図1と比較すると、
図1の第1の抵抗12は、4つの磁気抵抗要素200.1〜200.4から構成される。磁気抵抗要素200.1〜200.4を相互に傾斜させることにより、ジグザグパターンをジグザグ摂動生成器上に形成する。その他の磁気抵抗器も、同様に形成される。
【0054】
摂動導体は、永久に励起する必要は無い。角度位置センサーは、角度位置の推定値を保持することが可能である必要があり、これにより、象限検出器を充電するのに充分であるか、または、初期化および/または反復的確認目的のために方向検出器のみで充分となる。
【0055】
図19に示すさらなる実施形態の例において、磁気抵抗器数は単一の抵抗210まで低減されている。単一の抵抗210は、摂動生成器50に隣接して配置される。摂動生成器50は、制御可能な電流シンク214(または電流源)によって選択的に通電され得る。磁気抵抗器中の電流を図示のような電流シンク220によってまたは電流源によって制御することも可能である。抵抗210の感知または検出方向を横断する成分を有する磁界が存在する場合、摂動生成器を通電すると、抵抗210の抵抗は、磁界方向に応じて低減または増加する。その結果、ノード222における電圧が変化する。この変化が監視可能である場合、磁界方向を推定することができる。
図19は、ノード222における電圧の変化を監視することが可能な回路を示す。コンデンサ224は、第1の端子を有する。第1の端子は、オペアンプ226の非反転入力へ接続される。コンデンサの第2の端子は、ローカル接地または電源レール228へ接続される。電気的に制御されたスイッチ230(例えば、FETによって形成されたもの)は、コンデンサ224の第1の端子をノード222へと接続するように設けられる。増幅器226の反転入力は、抵抗によってノード222へ接続され、抵抗234によって増幅器226の出力へも接続される。これらの抵抗は、増幅器226の利得を規定する機能を果たす。
【0056】
スイッチ230が閉鎖されると、コンデンサは、ノード222の電圧へ給電し得る。このとき、摂動生成器50中に電流が流れないように、電流シンク214を通電解除することができる。磁界方向を確認することが望まれる場合、ノード222にある電圧をコンデンサ224上で保持するように、スイッチ230を開く。その後、摂動生成器を通電すると、抵抗210の抵抗が変化し、よってノード222にある電圧も変化する。この新規電圧は反転入力へと提供されて、増幅器226によって直前の値と比較され、増幅器出力の符号は、磁界方向を示す。増幅器226の代わりに比較器および抵抗232および234を用いてもよく、増幅器226の代わりに、ノード222へ直接接続された比較器の反転入力を用いてもよい。
【0057】
方向検出器は、角度位置センサーを含む集積回路内への集積に適しており、状況によっては、同一のAMRブリッジを用いて、角度方向検出器および方向検出器(すなわち、本発明の半球または象限検出器)の一部を形成することができる。
【0058】
外的磁界の方向不確実性を解決することを可能にする磁気抵抗センサーおよび導体または摂動生成器を含む磁界検出のための装置および方法が、「MAGNETIC FIELD DIRECTION DETECTOR」と題された米国出願第13/655,059号(「’059出願」)に開示されており、同出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。’059出願に開示されるように、磁気抵抗センサーは、磁気抵抗センサーを含む層の下方または上方の分離層に付随的な摂動生成器を有し得、摂動生成器は、磁気抵抗センサーの異なるストライプの付近で異なる方向に電流を導通するように構成され得る。’059出願で開示されたように実装された摂動生成器は、導体により摂動付与される異なるストライプの出力値の比較に基づき、外的磁界の方向または角度のある象限の決定を可能にする。また’059出願において述べられているように、摂動生成器を有する方向検出器は、ブリッジ構成で形成された磁気抵抗センサーにより実装され得る。このような例では、第1の検出軸を有する第1集合の磁気抵抗ストライプが一方向に設けられ、第2の検出軸を有する第2集合の磁気抵抗ストライプが別の方向に設けられ、第1の方向と第2の方向は、相互に略垂直であってもよい。第1集合の磁気抵抗ストライプと第2集合の磁気抵抗ストライプを、それぞれサインブリッジ抵抗器およびコサインブリッジ抵抗器と呼んでもよい。
【0059】
異方性磁気抵抗(AMR)センサー、巨大磁気抵抗(GMR)、トンネル磁気抵抗センサー(TMR)、または任意の他の磁気抵抗(XMR)センサー等の磁気センサーは、各々、磁界検出器を実装する際に異なる利点を提供する。異なる種類の磁気センサーを使用して実装された応用は、外的界の異なる角度範囲を感知し得ることがある。例えば、AMRセンサーブリッジからの出力は180度毎に繰り返され得るため、ブリッジ状に形成されたAMRセンサーのいくつかの応用は、0〜180度の範囲の外的磁界の角度のみを決定し得る。本明細書に開示するように実装された特定の磁界検出器は、比較的広い磁気ウィンドウおよび比較的高い精度により、全360度の範囲の外的界角度の検出を可能にする。これは、センサーが、AMRセンサー等の特定の磁気抵抗センサーの利点の恩恵を受ける一方、それらのセンサーに伴う特定の欠点を克服することを可能にし得る。
【0060】
AMR象限検出器は、AMR角位置センサーを補い、その範囲を180度から全360度回転に拡大し得る。いくつかのAMR角度センサーは、外的界の角度に対応する位相が2倍に増大した出力信号を提供し、これにより、360度の磁界回転の場合、2周期(720度)の出力信号が提供される。よって、実際に測定された角度はα度か、またはα+180度かを区別することが難題になり得る。
【0061】
幾つかの応用は、この曖昧性を解決する能力の恩恵を受けることができる。’059出願に開示されている解決策は、2つの特別に設計されたAMRブリッジ(AMR象限検出器)を追加することを伴う。これらのAMRブリッジは、通常動作ではゼロの出力を有し得るが、摂動生成器またはバイアス導体とも呼ばれ得る重ね合わせた「コイル」によりバイアスすると、象限内の測定された磁界の方向を提供する。「コイル」は巻線以外の形状を有してもよく、一般に磁気抵抗要素に隣接することが理解されるであろう。このさらなる情報は、AMR角度センサーと組み合わされると、全360度の動作範囲を提供する。象限検出器は、角度AMRブリッジと実質的に同じプロセスに基づいてもよく、特定の実施形態では、ただ1つのさらなる金属層と共に実装されてもよい。それゆえ、単一ダイ内への集積が可能である。
【0062】
本明細書に開示するように、’059出願の象限検出器内の抵抗ストライプの角度を傾斜させることにより(本明細書の
図9を参照されたい)、象限検出器と角度検出器との両方を使用する必要性に訴えることなしに、特異点の曖昧性を回避することが可能である。抵抗ストライプの一実施形態では、360度の周期を有するサイン波出力が得られ得ることも示される。さらに、バイアス電流の極性を変更することにより、ブリッジのオフセット(およびそのドリフト)が、信号処理を通じて検出、低減、および/または除去され得る。さらに、印加される磁界の比較的広い界の大きさは、印加される磁界の角度方向に加えて、この配置により測定され得る。これは、顕著な機能的安全性の特徴の用途を有し得る。
【0063】
異なる技術のセンサーを共通パッケージに含める様々な組み合わせと比較して、このソリューション案の1つの利点は、本明細書に開示する実施形態が1種類の磁気センサー(例えば、AMRセンサー)と同じプロセスを使用し得ることである。それゆえ、さらなる金属層により、同じダイへの集積が可能である。なお、磁気センサー(例えば、AMR)がASIC上にモノリシックに集積される場合、パッケージ内のダイ数は、いくつかの他の手法における少なくとも3つと比較して、1にまで低下する。いくつかの実装では、バイアス電流は、象限の情報が所望されないほとんどの時間、電力を節約するためにオフにされ、所与の間隔で、またはオンデマンドでのみオンにされてもよい。
【0064】
図20は、一実施形態による象限検出器またはスイッチのための磁気抵抗要素または磁気抵抗器(「抵抗器」)の例示的な配置を示し、
図24は、該例示的な配置のセンサー出力シミュレーション結果を示す。
図20に示すように、サインブリッジ抵抗器ストライプは、サインブリッジの検出軸に対して平行または垂直ではない様々な角度で配置される。同様に、コサインブリッジ抵抗器ストライプは、コサインブリッジの検出軸に対して平行または垂直ではない様々な角度で配置される。各ブリッジの2つの抵抗器は、相互に対向する角度(例えば、X°及び−X°)に配向され得、各ブリッジの2つの他の抵抗器は、該2つの抵抗器とは異なる相互に対向する角度(例えば、Y°および−Y°、ただしXはYに等しくない)に配向され得る。図示されている例では、サインブリッジストライプおよびコサインブリッジストライプは各々、それぞれの検出軸に垂直なそれぞれの対称軸に対して−36°、−12°、12°、および36°で配置される。
【0065】
図示の象限検出器400は、第1の磁界検出器402および第2の磁界検出器404を含む。本開示において、図中の類似の参照番号は、特に指示のない限り、類似の特徴を指すものとする。第1の磁界検出器402は、サインブリッジに対応し得、第2の磁界検出器404は、コサインブリッジに対応し得る。一実施形態では、第2の磁界検出器404の磁気抵抗要素は、第1の磁界検出器402の磁気抵抗要素と同じ一般的な配置を有し得るが、第1の磁界検出器402の配置から90度回転されている。
【0066】
図示の第1の磁界検出器402は、第1の群の磁気抵抗要素412、第2の群の磁気抵抗要素414、第3の群の磁気抵抗要素416、および第4の群の磁気抵抗要素418を含む。角度を説明するための基準点として、4つの垂直軸が
図20に示されている。これらの軸を基準軸と呼ぶ。この場合、基準軸は、
図20の第1の磁界検出器402に対して水平な検出軸に対して直交する。
【0067】
第1の群の1つ以上の磁気抵抗要素412は、基準軸に対して第1の角度α1にある第1の軸に実質的に平行な第1の電流方向に電流を流すように構成される。電流は、磁気抵抗要素を長手方向が第1の電流方向の方向にある比較的長い幅狭なストライプへと形成すること等の様々な方途により、第1の電流方向に沿って進むように強制することができる。しかしながら、電流の大部分は最小抵抗経路に沿って進み、磁気抵抗要素は比較的長く薄肉以外の形状に形作られ得、接点の位置が電流流れの方向を支配するため、他の方途も可能である。
【0068】
第2の群の1つ以上の磁気抵抗要素414は、基準軸に対して第2の角度α2にある第2の軸に実質的に平行な第2の電流方向に電流を流すように構成される。第3の群の1つ以上の磁気抵抗要素416は、基準軸に対して第3の角度α3にある第3の軸に実質的に平行な第3の電流方向に電流を流すように構成される。第4の群の1つ以上の磁気抵抗要素418は、基準軸に対して第4の角度α4にある第4の軸に実質的に平行な第4の電流方向に電流を流すように構成される。
【0069】
特定の実施形態では、象限検出器400の第1の磁界検出器402の角度α1、α2、α3、およびα4は、第1の磁界検出器402および第2の磁界検出器404の出力信号中の少なくとも2つの偶数高調波の存在を低減し、好ましくはキャンセルするように選択される。他の実施形態では、3つ以上の偶数高調波が、さらなる群の磁気抵抗要素を追加することにより、キャンセルまたは低減され得る。
【0070】
象限検出器400の第1の磁界検出器402の角度α1、α2、α3、およびα4の量の例は、広い範囲で変動し得る。いくつかの実施形態では、角度α1、α2、α3、およびα4は、それぞれ−39〜−33度、−15〜−9度、9〜15度、および33〜39度の範囲内にある。他の実施形態では、角度α1、α2、α3、およびα4は、それぞれ−38〜−34度、−14〜−10度、10〜14度、および34〜38度の範囲内にある。他の実施形態では、角度α1、α2、α3、およびα4は、それぞれ約−36、−12、12、および36度である。
【0071】
図21は、象限検出器400の磁気抵抗要素の比較的コンパクトな配置を示す。
図21の第1の磁界検出器402および第2の磁界検出器404の磁気抵抗要素は、
図20のものと同じ角度にあるが、より実用的な省スペース型レイアウトに再配置されている。特定の実施形態では、象限検出器400は、シングルエンド型構成を有してもよく、第1の磁界検出器402および第2の磁界検出器404を含む。他の実施形態では、象限検出器400は、差動型構成を有し、第1の磁界検出器402、第2の磁界検出器404、第3の磁界検出器406、および第4の磁界検出器408を含む。差動動作のため、第3の磁界検出器406および第4の磁界検出器408は、磁気抵抗要素がそれぞれ第1の磁界検出器402、第2の磁界検出器404の磁気抵抗要素から約180度回転されるように、配置されるべきである。
【0072】
図22は、
図21の象限検出器の磁気抵抗要素の電気的接続を示す。COS1、SIN1、COS2、SIN2とラベル付けされた端子またはボンドパッドは、第1のセンサー出力信号、第2のセンサー出力信号、第3のセンサー出力信号、および第4のセンサー出力信号にそれぞれ対応し得る。これらの信号(COS1、SIN1、COS2、SIN2)の各々は、ハーフブリッジの出力である。これらの信号は、デジタルに変換され、デジタルドメインで分析されてもよく、または初期にアナログドメインで例えば差動増幅器により組み合わせられてもよい。例えば、差動動作では、差動増幅器を使用して、第1のセンサー出力信号COS1を第3のセンサー出力信号COS2から減算し得、別の差動増幅器を使用して、第2のセンサー出力信号SIN1を第4のセンサー出力信号SIN2から減算し得る。減算演算の結果は、デジタルに変換され得、象限は、符号(正もしくは負)の分析を介して、またはルックアップテーブルを参照して決定され得る。
【0073】
図23は、磁界へ摂動付与するための磁気バイアスを生成するために使用され得るバイアス用導体440を示す。バイアス用導体は、様々な方途により実装され得る。例えば、バイアス用導体は、単一の層により、または複数の層により実装され得る。層が少ないことはより低いコストという利点を有するが、相互に直列している複数の層は、同じ電流に複数の層を通過させて所与の電流量に対してより高い磁界を生成することができるため、省電力を提供し得る。例えば、これらの層は、磁気抵抗要素の層の上方および/または下方にあってもよい。一例では、バイアス用導体は、磁気抵抗要素の上方の層および下方の層に実装される。別の例では、バイアス用導体は、磁気抵抗要素の上方の2層および下方の2層に実装される。他の変形例も適用される。摂動磁界を提供する他の方途も利用可能であることも留意されるべきである。例えば、電流を介して磁界を生成する代わりに、永久磁石が代替的に使用されてもよい。
【0074】
図24は、
図20〜23の象限検出器のセンサー出力のシミュレーション結果を示す。以下の条件がシミュレーションに適用される。上述のように、
図20に示す例示的な配置は、それぞれの対称軸に対して−36°、−12°、12°、および36°で配置された磁気抵抗ストライプを含む。本例の磁気抵抗ストライプは、幅約2マイクロメートル(μm)、厚さ10ナノメートル(nm)の寸法を有するAMRセンサーストライプにより実装される。本例のバイアス用導体440または摂動生成器は、幅約3μm、厚さ1μmの寸法を有し、AMRセンサーストライプを含む層から約1μm離隔している。他の寸法が利用可能であり、当業者により容易に決定される。10ミリアンペア(mA)の電流にバイアス用導体440を通過させることにより得られる磁気抵抗要素における磁界は、約800アンペア毎メートル(A/M)である。10mAにおける出力信号レベルは、0.174mV/Vである。3キロオームを得るためのAMRストリップの長さは、107マイクロメートルである。
【0075】
図24に示すように、サインブリッジ抵抗器およびコサインブリッジ抵抗器からの出力の組み合わせは少なくとも各象限において異なり、0〜360度の全角度範囲にわたって、ある象限から別の象限への遷移またはその付近(すなわち、0°、90°、180°、および270°の付近)に曖昧な点がないことを、シミュレーション結果は示している。例えば、Vout1とラベル付けされた信号は、COS1信号に、またはCOS1信号とCOS2信号との間の差分に対応し得る。Vout2とラベル付けされた信号は、SIN1信号に、またはSIN1信号とSIN2信号との間の差分に対応し得る。Vout1信号およびVout2信号の符号を検討することにより、特定の象限が象限検出器により一意的に特定され得る。ある象限ではVout1信号およびVout2信号の両方が正であってもよく、別の象限ではVout1信号およびVout2信号の両方が負であってもよく、別の象限ではVout1信号は正であってもよく、Vout2信号は負であってもよく、別の象限ではVout1信号は負であってもよく、Vout2信号は正であってもよい。象限検出は、モータ、回転子、ハブ、車輪、シャフト等のような回転する対象物において有用であり得る。
【0076】
図25は、一実施形態による検出器の磁気抵抗要素または磁気抵抗器(「抵抗器」)の別の例示的な配置、および図示の例示的な配置のセンサー出力のシミュレーション結果を示す。
図25に示す例示的な配置は、サインブリッジ抵抗器ストライプおよびコサインブリッジ抵抗器ストライプが、それぞれの検出軸に対して、またはサインブリッジ抵抗器ストライプおよびコサインブリッジ抵抗器ストライプのそれぞれの検出軸に垂直な軸に対して、様々な角度で配置されることを示す。2組のこれらのストライプは、ブリッジ内の各抵抗器に対応する。それゆえ、各ブリッジには、8組のブリッジ抵抗器ストライプが存在し得る。
図25の図示の例では、サインブリッジストライプおよびコサインブリッジストライプは各々、それぞれの検出軸に垂直なそれぞれの対称軸に対して−60.5°、−35.5°、−24.5°、−0.5°、0.5°、24.5°、35.5°、および60.5°で配置される。
【0077】
図示の磁界方向検出器または磁界角度検出器500は、第1の磁界検出器502および第2の磁界検出器504を含む。第1の磁界検出器502は、サインブリッジに対応し得、第2の磁界検出器504は、コサインブリッジに対応し得る。一実施形態では、第2の磁界検出器504の磁気抵抗要素は、第1の磁界検出器502の磁気抵抗要素と同じ一般的な配置を有し得るが、第1の磁界検出器502の配置から90度回転されている。
【0078】
図示の第1の磁界検出器502は、第1の群の磁気抵抗要素512、第2の群の磁気抵抗要素514、第3の群の磁気抵抗要素516、第4の群の磁気抵抗要素518、第5の群の磁気抵抗要素520、第6の群の磁気抵抗要素522、第7の群の磁気抵抗要素524、および第8の群の磁気抵抗要素526を含む。角度を説明するための基準点として、基準軸501が
図25に示されている。基準軸は、
図25の第1の磁界検出器502に対して水平であり、第2の磁界検出器504に対して垂直である検出軸に直交する。
【0079】
第1の群の1つ以上の磁気抵抗要素512は、基準軸501に対して第1の角度α1にある第1の軸に実質的に平行な第1の電流方向に電流を流すように構成される。電流は、磁気抵抗要素を長手方向が第1の電流方向の方向にある比較的長い幅狭なストライプへと形成すること等の様々な方途により、第1の電流方向に沿って進むように強制することができる。しかしながら、電流の大部分は最小抵抗経路に沿って進み、磁気抵抗要素は比較的長く薄肉以外の形状に形作られ得、接点の位置が電流流れの方向を支配するため、他の方途も可能である。
【0080】
第2の群の1つ以上の磁気抵抗要素514は、基準軸501に対して第2の角度α2にある第2の軸に実質的に平行な第2の電流方向に電流を流すように構成される。第3の群の1つ以上の磁気抵抗要素516は、基準軸501に対して第3の角度α3にある第3の軸に実質的に平行な第3の電流方向に電流を流すように構成される。第4の群の1つ以上の磁気抵抗要素518は、基準軸501に対して第4の角度α4にある第4の軸に実質的に平行な第4の電流方向に電流を流すように構成される。
【0081】
第5の群の1つ以上の磁気抵抗要素520は、基準軸501に対して第5の角度α5にある第5の軸に実質的に平行な第5の電流方向に電流を流すように構成される。第6の群の1つ以上の磁気抵抗要素522は、基準軸501に対して第6の角度α6にある第6の軸に実質的に平行な第6の電流方向に電流を流すように構成される。第7の群の1つ以上の磁気抵抗要素524は、基準軸501に対して第7の角度α7にある第7の軸に実質的に平行な第7の電流方向に電流を流すように構成される。第8の群の1つ以上の磁気抵抗要素526は、基準軸501に対して第8の角度α8にある第8の軸に実質的に平行な第8の電流方向に電流を流すように構成される。
【0082】
特定の実施形態では、磁界方位検出器500の第1の磁界検出器502の角度α1、α2、α3、α4、α5、α6、α7、およびα8は、第1の磁界検出器502および第2の磁界検出器504の出力信号中の第3の高調波および少なくとも1つの他の高調波の存在を低減し、好ましくはキャンセルするように選択される。いくつかの実施形態では、該少なくとも1つの他の高調波は、第5の高調波であってもよい。他の実施形態では、該少なくとも1つの他の高調波は、第5の高調波および第8の高調波であってもよい。さらなる高調波または代替的な高調波が、示されているもの以外の配置によりキャンセルまたは低減されてもよい。
【0083】
磁界方位検出器500の第1の磁界検出器502の角度α1、α2、α3、α4、α5、α6、α7、およびα8の量の例は、広い範囲で変動し得る。第3高調波、第5高調波、および第8高調波のキャンセルならびに8つの群を有するいくつかの実施形態では、角度α1、α2、α3、α4、α5、α6、α7、およびα8は、それぞれ57.2〜63.2度、32.5〜38.5度、21.29〜27.29度、−21.29〜−27.29度、−32.5〜−38.5度、−57.2〜−63.2度、−2.5〜3.5度、および−3.5〜2.5度の範囲内にある。他の実施形態では、角度α1、α2、α3、α4、α5、α6、α7、およびα8は、それぞれ58.2〜62.2度、33.5〜37.5度、22.29〜26.29度、−22.29〜−26.29度、−33.5〜−37.5度、−28.2〜−62.2度、−1.5〜2.5度、および−2.5〜1.5度の範囲内にある。他の実施形態では、角度α1、α2、α3、α4、α5、α6、α7、およびα8は、それぞれ約60.2度、35.5度、24.29度、−24.29度、−35.5度、−60.2度、0.5度、および−0.5度である。
【0084】
上記のように、第7の群と第8の群とは、ほぼ同じ角度を有する。いくつかの実施形態では、別々の第7の群および第8の群を有する代わりに、2つの群は、他の群の2倍の長さを有する単一の第7の群に併合されてもよい。第3高調波、第5高調波、および第8高調波のキャンセルならびに7つの群を有するいくつかの実施形態(図示せず)では、角度α1、α2、α3、α4、α5、α6、およびα7は、それぞれ57.2〜63.2度、32.5〜38.5度、21.29〜27.29度、−21.29〜−27.29度、−32.5〜−38.5度、−57.2〜−63.2度、および−3.5〜3.5度の範囲内にある。他の実施形態では、角度α1、α2、α3、α4、α5、α6、およびα7は、それぞれ58.2〜62.2度、33.5〜37.5度、22.29〜26.29度、−22.29〜−26.29度、−33.5〜−37.5度、−28.2〜−62.2度、および−2.5〜2.5度の範囲内にある。
【0085】
第3高調波および第5高調波のキャンセルならびに4つの群を有する他の例(図示せず)では、角度α1、α2、α3、およびα4は、それぞれ45〜51度、9〜15度、−9〜−15度、−45〜−51度の範囲内にある。他の実施形態では、角度α1、α2、α3、およびα4は、それぞれ46〜50度、10〜14度、−10〜−14度、および−46〜−50度の範囲内にある。他の実施形態では、角度α1、α2、α3、およびα4は、それぞれ47〜49度、11〜13度、−11〜−13度、および−47〜−49度の範囲内にある。
【0086】
図26は、磁界方位検出器500の磁気抵抗要素の比較的コンパクトな配置を示す。
図26の第1の磁界検出器502および第2の磁界検出器504の磁気抵抗要素は、
図25のものと同じ角度にあるが、より実用的な省スペース型レイアウトに再配置されている。特定の実施形態では、磁界方位検出器500は、シングルエンド型構成を有してもよく、第1の磁界検出器502および第2の磁界検出器504を含む。他の実施形態では、磁界方位検出器500は、差動型構成を有し、第1の磁界検出器502、第2の磁界検出器504、第3の磁界検出器506、および第4の磁界検出器508を含む。差動動作のため、第3の磁界検出器506および第4の磁界検出器508は、磁気抵抗要素がそれぞれ第1の磁界検出器502、第2の磁界検出器504の磁気抵抗要素から約180度回転されるように、配置されるべきである。
【0087】
図27は、
図26の磁界方位検出器500の磁気抵抗要素の電気的接続を示す。COS1、SIN1、COS2、SIN2とラベル付けされた端子またはボンドパッドは、第1のセンサー出力信号、第2のセンサー出力信号、第3のセンサー出力信号、および第4のセンサー出力信号にそれぞれ対応し得る。これらの信号(COS1、SIN1、COS2、SIN2)の各々は、ハーフブリッジの出力である。これらの信号は、デジタルに変換され、デジタルドメインで分析されてもよく、または初期にアナログドメインで例えば差動増幅器により組み合わせられてもよい。例えば、差動動作では、差動増幅器を使用して、第1のセンサー出力信号COS1を第3のセンサー出力信号COS2から減算し得、別の差動増幅器を使用して、第2のセンサー出力信号SIN1を第4のセンサー出力信号SIN2から減算し得る。減算演算の結果は、デジタルに変換され得、角度は、校正データを含み得るルックアップテーブルを参照して分析を介して決定され得る。
【0088】
図28は、磁界方位検出器500の磁気抵抗要素の磁界に摂動付与する磁気バイアスを生成するために使用され得るバイアス用導体540を示す。バイアス用導体は、様々な方途により実装され得る。例えば、バイアス用導体は、単一の層により、または複数の層により実装され得る。層が少ないことはより低いコストという利点を有するが、相互に直列している複数の層は、同じ電流に複数の層を通過させて所与の電流量に対してより高い磁界を生成することができるため、省電力を提供し得る。例えば、これらの層は、磁気抵抗要素の層の上方および/または下方にあってもよい。一例では、バイアス用導体は、磁気抵抗要素の上方の層および下方の層に実装される。別の例では、バイアス用導体は、磁気抵抗要素の上方の2層および下方の2層に実装される。他の変形例も適用される。摂動磁界を提供する他の方途も利用可能であることも留意されるべきである。例えば、電流を介して磁界を生成する代わりに、永久磁石が代替的に使用されてもよい。
【0089】
図29は、
図25〜28の磁界方位検出器500のシミュレーション結果を示す。以下の条件がシミュレーションに適用される。
図25〜28に示す例示的な配置、またはSIN/COSもしくは角度の設計は、それぞれの対称軸に対して−60.5°、−35.5°、−24.5°、−0.5°、0.5°、24.5°、35.5°、および60.5°で配置された磁気抵抗ストライプを含む。本例の磁気抵抗ストライプは、幅約3μm、厚さ10nmの寸法を有するAMRセンサーストライプにより実装される。本例のバイアス用導体540または摂動生成器は、幅約4μm、厚さ1μmの寸法を有し得、AMRセンサーストライプを含む層から約1μm離隔している。他の寸法が利用可能であり、当業者により容易に決定される。
図20〜21に示すものと同様のシミュレートされたセンサー出力に加えて、
図22はまた、約10mAの電流がバイアス導体または摂動生成器に印加されるときのシミュレートされた磁界も含む。
【0090】
10ミリアンペア(mA)の電流にバイアス用導体540を通過させることにより得られる磁気抵抗要素における磁界は、約720アンペア毎メートル(A/M)である。10mAのバイアス電流の場合の出力信号レベルは、約0.162mV/Vである。3キロオームを得るためのAMRストリップの長さは、161μmである。シミュレーション結果は、約±15度の期待誤差を示している。
【0091】
図29のサインブリッジセンサーおよびコサインブリッジセンサーのセンサー出力のシミュレーションは、各出力波が約180°ではなく約360°の周期を有することを示し、これにより、サインブリッジ抵抗器出力とコサインブリッジ抵抗器出力との組み合わせは、0〜360度の全角度範囲にわたって一意的になる。サインブリッジ抵抗器出力とコサインブリッジ抵抗器出力との組み合わせは、ブリッジ構成で配置された磁気抵抗センサーにより検出される外的磁界の角度または方向を確定的に決定することを可能にする。例えば、Vout1とラベル付けされた信号は、SIN1信号に、またはSIN1信号とSIN2信号との間の差分に対応し得る。Vout2とラベル付けされた信号は、COS1信号に、またはCOS1信号とCOS2信号との間の差分に対応し得る。Vout1信号およびVout2信号の符号および大きさを検討することにより、特定の角度を磁界方位検出器500により一意的に特定することができる。例えば、符号および大きさは、ルックアップテーブルに記憶されたデータと比較されてもよい。角度検出は、モータ、回転子、ハブ、車輪、シャフト等のような回転する対象物において有用であり得る。
【0092】
図30は、比較的長く幅狭なストライプを有する磁気抵抗要素の例を示す。
図31は、比較的短く幅広なストライプを有する磁気抵抗要素の例を示す。比較的短く幅広なストライプは、比較的長く幅狭なストライプよりも少ない形状異方性を有し得る。有利なことに、これは、磁区の急激な変化を低減し、結果として
図32および
図33に示すようなより平滑な出力をもたらす。
【0093】
図32は、幅2μmの磁気抵抗要素ストライプを有する磁界方位検出器の測定結果を示す。
図33は、幅4μmの磁気抵抗要素ストライプを有する磁界方位検出器の測定結果を示す。
図32および
図33に示すように、比較的幅広なストライプの場合、出力電圧がより平滑であり、より少ない誤差を有する。
【0094】
本明細書に開示する高調波キャンセル技法を使用しない場合、磁界方位検出器は、比較的多量の第3高調波、第5高調波、および第8高調波を有し得る。他の高調波も存在するが、その大きさはより小さい。高調波キャンセルのために使用する予備角度を決定するための技法をこれより説明する。これらの予備角度は、次いで実験によりさらに最適化することができ、実験は、シミュレーションを介して行うことができる。予備角度は、磁気抵抗要素を2つに分割することにより順次に決定することができ、2つの180度の間の角度は、高調波により分割される。
【0095】
第3高調波の低減またはキャンセルのため、初期に基準軸に対して位置合わせされた磁気抵抗要素は、180度を3で割ったもの、すなわち60度の分離を有する2つの素子に分割され得る。60度はまた、±30度に対応する。
【0096】
第5高調波のさらなる低減またはキャンセルのため、2つの素子は、180度を5で割ったもの、すなわち36度に再分割される。36度はまた、±18度に対応する。±30度と±18度を組み合わせることにより、48度、12度、−12度、および−48度の予備角度が得られる。
【0097】
第8高調波のさらなる低減またはキャンセルのため、4つの素子は、180度を8で割ったもの、すなわち22.5度に分割される。22.5度は、±11.25度に対応する。±30度、±18度、および±11.25を組み合わせることにより、59.25度、36.75度、23.25度、0.75度、−0.75度、−23.25度、−36.75度、および−59.25度の予備角度が得られる。これらの予備角度は、次いで実験を介して調節することができる。いくつかの実施形態では、±60.2度、度、±35.5度、±24.29度、および±0.5度の角度が、より最適な量として使用される。
【0098】
図34は、±60.5度、±35.5度、±24.5度、および±0.5度に配置された磁気抵抗要素ストライプを有する磁界方位検出器のシミュレーション結果を示す。
図35は、±60.2度、±35.5度、±24.2935度、および±0.5度に配置された磁気抵抗要素ストライプを有する磁界方位検出器のシミュレーション結果を示す。シミュレーション結果に示されるように、
図35の構成は、幾分かよりよい最適化を有する。
【0099】
図36は、バイアス用導体540が電流を正方向および負方向に流し、
図25〜28の磁界検出器のハーフブリッジのシミュレーション結果を示す。同じ大きさのバイアス電流を2つの異なる方向に使用する文脈で示されているものの、これらの原理および利点は、バイアス電流の違いに拡大され得る。例えば、2つの異なる量の電流を使用する場合、それらのDCオフセットに対する影響の観察に基づいて、DCオフセットを推定し、キャンセルすることができる。例えば、5mAの第1のバイアス電流および同じ方向の15mAの第2のバイアス電流が使用されてもよい。本明細書に提示する平易な方法は、同じ大きさを有するが反対方向を有することである。しかしながら、第1のバイアス電流と第2のバイアス電流との間で大きさまたは方向の少なくとも1つが異なる限り、バイアス電流のDCオフセットに対する効果を観察し、低減または除去することができる。
【0100】
図36に戻って、バイアス用導体540または摂動生成器に正の電流および負の電流をそれぞれ印加すると、対向する磁気抵抗センサーブリッジ出力が同じDCオフセットを有する結果となり、これは、両方の場合に存在し、共通するセンサー、導体、および/または他の要素もしくは環境要因(例えば、温度)の様々な非理想的な特性(すなわち、正の印加電流および負の印加電流)に帰することができる。本例において、センサー出力のオフセットは、約0.0124Vであり、2つの出力を正の印加電流および負の印加電流により処理することにより、このDCオフセットを低減または除去することができる。このようなDCオフセットの低減は、有利なことに、本発明の実施形態が信号とオフセットをよりよく区別することを可能にする。
図25〜28の磁界方位検出器500に関連して示されているものの、DCオフセットキャンセルの原理および利点は、一般に他の配置にも利用可能である。加えて、本明細書に開示するDCオフセットキャンセル技法は、シングルエンド型構成と差動型構成の両方に利用可能である。さらに、本明細書に開示するDCオフセットキャンセル技法は、線形検出器にも利用可能である。
【0101】
図37および
図38は、DCオフセット訂正回路を組み込んだ例示的な磁界検出器600、630の図を示す。
図36に関連して前述した事項を詳述すると、センサーオフセットキャンセルは、ハーフブリッジ構成で配置された磁気抵抗センサーにより実装することができる。
図37および
図38に示すように、サイン抵抗器およびコサイン抵抗器の各ハーフブリッジ602、604は、サンプルアンドホールド(S&H)回路612、614に連結することができ、サンプルアンドホールド回路612、614は、正の印加電流および負の印加電流がバイアス用導体640に発生した際にハーフブリッジ602、604の出力をサンプリングし、保持するように構成される。例えば、第1の相では、サインハーフブリッジ602からの出力が、バイアス用導体640における正電流により、第1のサンプルアンドホールド回路612内でサンプリングされ、保持される。次いで、第2の相では、サインハーフブリッジ602からの出力が、バイアス用導体640における負電流により、第2のサンプルアンドホールド回路614内でサンプリングされ、保持される。サンプルアンドホールド回路612、614からの出力は、共通のDCオフセットが取り除かれたサインハーフブリッジ出力を生成するように、差分回路622により減算処理され得る。
【0102】
同様に、コサインハーフブリッジ604からの出力は、サンプリングされ、記憶され、共通のDCオフセットが取り除かれたコサインハーフブリッジ出力を生成するように処理され得る。さらに、サインハーフブリッジおよびコサインハーフブリッジ602、604からの出力信号は、サンプルアンドホールド回路612、614、616、618の前および/または後に増幅され得る。例えば、バッファ626、628が、ハーフブリッジ602、604とサンプルアンドホールド回路612、614、616、618との間の信号経路内に置かれ得る。本明細書に開示するDCオフセット訂正は、’059出願に開示されている実施形態および本明細書に開示する磁気抵抗センサーを含む実施形態により実装され得る。図示するハーフブリッジ構成に加えて、差動出力を有するフルブリッジ構成も利用可能であり、特定の用途では有利であり得る。差動回路622、624は、アナログ回路またはデジタル回路により実装され得る。例えば、アナログ回路の場合、差動増幅器が使用され得る。デジタル回路の場合、DCオフセット訂正は、2つのアナログ信号をデジタル値に変換し、デジタルドメインで減算を行うことにより、デジタル的に実装され得る。
【0103】
開示したDCオフセット訂正技法の恩恵は、比較的大きいことがある。例えば、実世界の環境では、さもなければ校正により排除される必要があるであろう漂遊静磁界がしばしば存在する。開示するDCオフセット訂正技法の場合、これらの静磁界は、自動的に補償されるであろう。加えて、磁気センサーが直面する最大の問題の1つが、経時的なオフセットドリフトである。DCオフセット訂正/キャンセルの場合、これらのドリフトは、自動的に補償され得る。
【0104】
図39は、長さ検出器700および磁気スケール702の斜視図を示す。本開示において、長さ、線形、および距離の検出またはセンシングは、同じものを指している。このような長さ検出器700の実際的応用としては、長さの感知、長さの符号化、ホイール符号化、比較的高精度の直線状位置感知等が挙げられるがそれらには限定されない。例えば、直線状感知は、焦点合わせおよび/または画像安定化のためにカメラレンズを移動させるために使用され得る。別の例では、直線状感知は、エンジン弁の位置を決定するために使用され得る。他の例としては、コンピュータ数値制御機械、コンベヤベルト等のための距離/動きの感知が挙げられる。磁気スケール702は、永久磁石を含み、コンベヤベルト等の測定対象物に一体化または取り付けられ得る。長さ検出器700による感知は、長さまたは距離が決定されることを可能にする。
【0105】
図40は、長さ検出器700および磁気スケール702のより詳細な斜視図を示す。
図40は、長さ検出器700の磁気抵抗要素の局所的な磁界の例も示す。長さ検出器700の磁気抵抗要素同士の間の距離は、感知対象の磁気スケール702の磁区同士の間のピッチに調和すべきである。
【0106】
図41〜43は、本明細書の開示に従って実装された長さ検出器または直線状検出器700の例示的な応用を示す。本例において、サイン磁気抵抗センサーブリッジおよびコサイン磁気抵抗センサーブリッジは、サインブリッジおよびコサインブリッジのハーフブリッジが長さ検出軸に実質的に平行する線に沿って交互に置かれ得るように、配置されてもよい。着目する対象物の長さとしては、交互に配置されたサインブリッジおよびコサインブリッジにより検出される磁界を生成する1つ以上の磁気素子(例えば、永久磁石)が挙げられる。長さ検出器は、’059出願において論じられている原理および利点のいずれかに従って実装されたバイアス導体または摂動生成器により実装され得る。
【0107】
図41は、磁気抵抗要素Rs1−Rs4、Rc1−Rc4の配置、および長さ検出器700の例示的な界方向を示す。一般に、1つ以上のブリッジ抵抗器の脚部の抵抗(
図2を参照されたい)は、グループの2つ以上の磁気抵抗要素に分割され、望ましからざる高調波を低減するために離間される。図示する実施形態では、ブリッジまたはハーフブリッジの各脚部の抵抗は、2つ以上の磁気抵抗素子のグループに分割され、望ましからざる高調波を低減するために離間される。これは、磁界方向検出器または磁界角度検出器500に関連して前述した磁気抵抗要素の角度により分割することに類似している。例えば、磁気抵抗要素Rs1は、
図42に示すように、長さ検出器700のために2つの部分に分割される。
【0108】
図42は、磁気抵抗要素Rs1〜Rs4、Rc1〜Rc4の配置および関連付けられた長さ検出器700の接続を示す。差動型構成が示されているが、これらの原理および利点は、シングルエンド型構成にも利用可能であろう。
【0109】
図43は、長さ検出器700の磁気抵抗要素Rs1〜Rs4、Rc1〜Rc4の磁界に摂動付与する磁気バイアスを生成するために使用され得るバイアス用導体またはバイアス用コイル740を示す。ハーフブリッジの対向側部の磁気抵抗要素は異なる電流方向を有することが留意されるべきである。例えば、磁気抵抗要素Rs2の電流の方向は、磁気抵抗要素Rs1のそれとは反対である。
【0110】
図44は、図示する長さ検出器700の4つのハーフブリッジまたは2つのフルブリッジの模式図を示す。これは、差動型の感知を提供する。例えば、差動型の感知のために、差分回路は、出力Vs+からVs−を減算し得る。しかしながら、シングルエンド型構成が所望される場合、出力Vs−およびVc−を有するハーフブリッジは除去され得る。差分回路は、差動増幅器により実装され得るか、または最初に出力Vs−およびVs+をデジタルドメインに変換することにより実装され得る。差分結果が得られ、デジタルに変換された後、長さまたは距離は、比較的粗い距離については磁気スケールのドメイン数の勘定を参照して、ドメイン間の比較的微細な距離についてはルックアップテーブルを参照して計算され得る。
【0111】
図45は、長さ検出器800の代替的な実施形態の斜視図を示す。磁気抵抗要素Rs1〜Rs4、Rc1〜Rc4の配向は異なるため、磁気抵抗要素Rs1〜Rs4、Rc1〜Rc4は、長さ検出器700とは異なるように応答する。しかしながら、
図45の図示の構成は機能しない。
図46は、磁気抵抗要素Rs1〜Rs4、Rc1〜Rc4の配置および長さ検出器800の代替的な実施形態の例示的な界方向を示す。図面を直接通過するように示され、同心円により表される磁界は、面外にある。磁気抵抗要素Rs1〜Rs4、Rc1〜Rc4は、面外の磁界には比較的非感受性である。
【0112】
図47および
図48は、本明細書の開示に従って実装された例示的な検出器の断面図を示す。これらの断面図は、本明細書に記載の磁気検出器のうちの任意のものにより実装され得る例示的な構造を示す。これらの断面の原理および利点のいずれも、本明細書に記載の回路のうちの任意のものにより実装され得る。その上、これらの断面は、本明細書に記載の検出器がモノリシックに集積され得ることを示す。上述のように、バイアス導体または摂動生成器は、絶縁層により磁気抵抗要素から分離されており、磁気抵抗要素の上方または下方に置かれ得る。図示する第1の例は、導体(金属またはバイアス用コイル)が最初に、またはより基板の近くに設けられ、磁気抵抗要素(AMR)が後に該導体の上方に設けられることを示す。図示する第2の例は、磁気抵抗要素が最初に、またはより基板の近くに設けられ、導体が後に該磁気抵抗要素の上方に設けられることを示す。GMRまたはTMRを含むがそれらには限定されない他の磁気抵抗材料が、代替的に使用されてもよい。一実施形態は、磁気長さ検出器または磁気位置検出器のうちの少なくとも1つを含む装置を含み、該装置は、各々が1つ以上の磁気抵抗要素の複数の群を有する第1の差動磁界検出器であって、複数の群は、第1のハーフブリッジ出力信号および第2のハーフブリッジ出力信号を生成するようにブリッジ構成で配置され、複数の群は、少なくとも第1の群および第2の群を含み、第1の群の1つ以上の磁気抵抗要素は、磁界角度を感知するように第1の位置に置かれ;第2の群の1つ以上の磁気抵抗要素は、磁界角度を感知するように第1の位置とは異なる第2の位置に置かれる、第1の差動磁界検出器と;第1の差動磁界検出器のための磁界バイアスを生成するように構成された摂動生成器と、を含む。一実施形態は、磁界距離検出器または長さ検出器のうちの少なくとも1つを含む装置を含み、該装置は、ブリッジ構成またはハーフブリッジ構成で配置された磁気抵抗器を有する第1の磁界検出器であって、少なくとも1つの磁気抵抗器の抵抗は、各々2つ以上の磁気抵抗要素に分割され、該2つ以上の磁気抵抗要素は、出力信号内の1つ以上の高調波の存在を低減するように相互から離間された状態で電流を流すように構成された、第1の磁界検出器と;第1の磁界検出器のための磁界バイアスを生成するように構成された摂動生成器と、を含む。特定の実施形態では、第1の磁界検出器のブリッジまたはハーフブリッジの各磁気抵抗器は、出力信号内の1つ以上の高調波の存在を低減するように相互から離間された状態で電流を流すように構成された2つ以上の磁気抵抗要素に分割され得る。磁気抵抗要素は、相互から離間された比較的細長形状に配置されることにより電流を流すように構成され得るが、接点を位置決めする等の他の技法も電流流れを抑制するために使用され得る
【0113】
本明細書に開示するようにAMR素子等の磁気抵抗要素と共に実装されるセンサーまたは検出器は、様々な利点を提供する。例えば、上述した
図47および
図48の構成は、出力信号の振幅がバイアス電流および印加される界の関数であるという恩恵を提供する。この関数関係を利用して、2つの軸において高い界の大きさを測定するスタンドアロン型センサーを実装することができ、これは、比較的大きな界の感知を可能にする。さらに、この関数関係を利用して、界の強度の減衰を検出することにより磁石の欠陥を検出することができ、これは、さらなる機能的安全性の特徴になり得る。この安全性の特徴は、着目する磁石の消磁、破壊、除去、老化、および/または偏心から生じる減衰を検出および訂正することを可能にし得る。本明細書に記載の実施形態の別の利点としては、導体へ電流を印加することまたは導体をバイアスさせることのオンデマンド制御が挙げられる。例えば、電流により導体をバイアスさせることは、電力節約のために選択的に行われ得る(例えば、実際の測定が行われているときのみ)。このような例では、導体に電流が流れていない磁気抵抗センサーは、回転数の勘定等の特定の動作では180度感知の機能を行い得るが、時として、機能のチェックまたは検証および安全性チェックの遂行等の他の動作を可能にするように導体に電流を印加することにより、360度の感知または検出が有効化され得る。
【0114】
本明細書に開示する実施形態は、比較的高精度の感知、広い磁気窓、オフセットおよびオフセットドリフトのキャンセル、ならびに磁石の存在の検出を提供し、モノリシックな集積またはそれらの任意の組み合わせを可能にし得る。ここでは様々な例示的な応用に関してAMRセンサーの例が論じられているものの、TMRまたはGMRセンサー等の他の磁気抵抗センサーも、これらの様々な例示的な応用を実施する際に同様の様式で使用され得る。本明細書に開示するものは、サーボモータ通信センサー、サーボ位置センサー、絶対値型および増分型ロータリエンコーダ、ギア歯センサー、アクチュエータ位置制御コントローラ、奇数極ペアのモータコントローラ、絶対値型および増分型リニアエンコーダ、ブラシレスDCモータコントローラ、自動車ハンドル位置センサー、カムシャフト角度センサー、クランクシャフト角度センサー、車輪センサー、ならびにオフシャフト型角度センサー等の、様々なセンサーまたは検出器をしばしば使用する自動車、産業、および計装セクター等の様々なセクターで使用され得る。絶対値型および増分型ロータリエンコーダの場合、本明細書の開示は、絶対値型ロータリエンコーダが360度のOFFシャフト角度の感知を得られるようにバーニアの原理を実装することを可能にする。
【0115】
本開示の態様は、様々な電子デバイスで実装され得る。例えば、本開示の態様は、磁気抵抗センサーの恩恵を受け得る任意の電子デバイスまたは電子コンポーネントで実装され得る。一例として、本開示の態様は、磁気抵抗センサーの恩恵を受け得る任意の電子デバイスまたは電子コンポーネントで実装され得る。電子デバイスの例としては、消費者向け電子製品、消費者向け電子製品の部品、電子試験装置、車両エレクトロニクスシステム等が挙げられるがそれらには限定されない。電子デバイスの例としては、コンピューティングデバイス、通信デバイス、電子家電、自動車エレクトロニクスシステムが挙げられるがそれらには限定されない。さらに、電子デバイスは未製品を含み得る。
【0116】
文脈により明らかに別段の必要がある場合を除き、明細書および請求項を通じて、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」等の語句は、排他的または網羅的な意味とは反対の非排他的な意味で、つまり、「含むがそれらには限定されない」の意味で解釈されるべきである。なお、「本明細書で(herein)」、「上記(above)」、「以下(below)」、および同様の趣旨の語句は、本出願において使用されるとき、本出願の任意の特定の部分ではなく、全体としての本出願を指すものとする。文脈により許容される場合、単数または複数を使用している上記の「特定の実施形態の説明」内の語句は、それぞれ複数または単数も含み得る。文脈により許容される場合、2つ以上の項目のリストへの言及における「または(or)」という語は、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目の全て、およびリスト内の項目の任意の組み合わせ、という当該語に関する全ての解釈をカバーすることを意図する。
【0117】
その上、本明細書で使用される条件付きの文言、とりわけ「し得る(can)」、「し得る(could)」、「し得る(might)」、「し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、「例えば(for example)」、「等(such as)」等は、具体的な別様の記載がない限り、または使用されている文脈において別様に理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、および/または状態を含む一方、他の実施形態は該特定の特徴、要素、および/または状態を含まないことを伝えることを意図する。よって、このような条件付きの文言は、一般に、その特徴、要素、および/もしくは状態がなんらかの方途において1つ以上の実施形態に必要とされること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力もしくは促しの有無にかかわらず、これらの特徴、要素、および/もしくは状態が任意の特定の実施形態に含まれるかどうか、もしくは行われるかどうかを決定するためのロジックを必然的に含むことを含意することを意図しない。
【0118】
上記の説明および請求項は、相互に「接続された(connected)」または「連結された(coupled)」ものとして要素または特徴に言及していることがある。本明細書で使用するとき、明示的な別様の記載がない限り、「接続された(connected)」は、ある要素/特徴が直接または間接に別の要素/特徴に接続されており、必ずしも機械的にではないことを意味する。同様に、明示的な別様の記載がない限り、「連結された(coupled)」は、ある要素/特徴が直接または間接に別の要素/特徴に連結されており、必ずしも機械的にではないことを意味する。よって、図に示す様々な模式図は要素およびコンポーネントの例示的な配置を描いているものの、実際の実施形態ではさらなる介在する要素、デバイス、特徴、またはコンポーネントが存在し得る(描かれる回路の機能が悪影響を被らないと仮定して)。
【0119】
本明細書で使用するとき、「実質的に(substantially)」という用語は、該修飾された特徴が絶対的である必要はないが、該特徴の利点を達成するために十分に近似していることを意図する。
【0120】
上記の方法の様々な動作は、様々なハードウェアおよび/もしくはソフトウェアコンポーネント(複数可)、回路、ならびに/またはモジュール(複数可)等の、該動作を行うことができる任意の好適な手段により行われ得る。一般に、図に示す任意の動作は、該動作を行い得る対応する機能的手段により行われ得る。
【0121】
本明細書に開示する方法は、記載されている方法を達成するための1つ以上の動作または行動を含む。方法のステップおよび/または行為は、請求項の範囲から逸脱することなく相互に交換可能である。言い換えれば、動作または行為の特定の順序が指定されていない限り、特定の動作および/または行為の順序および/または使用は、請求項の範囲から逸脱することなく改変され得る。
【0122】
実装は上記に示した厳密な構成およびコンポーネントに限定されないことが理解されるべきである。上記の方法および装置の配置、動作、および詳細に対して、実装の範囲から逸脱することなく、様々な改変、変更、および変形を行うことができる。
【0123】
新機軸を特定の実施形態の観点から説明してきたものの、本明細書に記載の特徴および利点の全てを提供するわけではない実施形態も含めて、当業者に自明な他の実施形態も本発明の範囲内に属する。その上、上記の様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することもできる。加えて、ある実施形態の文脈において示された特定の特徴は、他の実施形態にも組み込まれてもよい。
【0124】
様々な実施形態が上記に記載されている。これらの具体的な実施形態に関連して記載されているものの、記載事項は、例示的であることを意図しており、限定的であることを意図しない。様々な改変および応用が当業者に想到され得る。
【0125】
本願の特許請求の範囲は、USPTOへの提出に適した単一依存性形式で記載されている。しかし、請求項の追加料金無しに多項従属請求項を記載することが可能な他の法域においては、各請求項は、同一または類似のタイプの請求項の任意の先行請求項(ただし、技術的に明確に実行不可能なものを除く)に依存し得ることが理解される。