特許第6359733号(P6359733)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6359733
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】擁壁用積ブロック
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/02 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
   E02D29/02 309
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-138674(P2017-138674)
(22)【出願日】2017年7月18日
【審査請求日】2018年3月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】317010462
【氏名又は名称】四万十コンクリート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181571
【弁理士】
【氏名又は名称】栗本 博樹
(72)【発明者】
【氏名】矢野 武志
【審査官】 佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−141806(JP,U)
【文献】 特開平09−067878(JP,A)
【文献】 特開昭52−059935(JP,A)
【文献】 特開平06−193068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/02
E02B 3/04− 3/14
E02B 5/00− 7/18
E02D 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向若しくは鉛直方向に連設し、内包する空間に充填材を充填することによって、構造物を構築するプレキャストコンクリートのブロック体であって、対峙し、異なる外壁面の勾配を有する第一壁材及び第二壁材並びに該両壁材を連結する連結部材を備え、該連結部材は、上弦材及び下弦材並びに該上弦材の一方側の端部と結合し、前記下弦材の他方側の端部と結合する斜材からなる安定した骨組み平面を複数面形成するブロック体。
【請求項2】
請求項1のブロック体を含む複数のブロック体であって、第一壁材若しくは第二壁材の外壁面が同一勾配で、少なくとも一方の外壁面が連続面を形成する、一体の構造物築造を目的に連設するための複数の請求項1のブロック体。
【請求項3】
請求項1のブロック体を含む複数のブロック体であって、鉛直方向に互いに接するブロック体間において、下側のブロック体の第一壁材と第二壁材の外壁面上辺間の幅を上側のブロック体の第一壁材と第二壁材の外壁面下辺間の幅と等しく若しくはより大きくし、少なくとも一方の外壁面が連続面を形成する、一体の構造物築造を目的に連設するための請求項1の複数のブロック体。
【請求項4】
水平方向若しくは鉛直方向に連設して互いに接する請求項1のブロック体を含むブロック体間において、ブロック体間を連結するブロック体間連結部材を備える、一体の構造物築造を目的に連設するための複数のブロック体。
【請求項5】
第一壁材及び第二壁材にコンクリートを用い、連結部材に鋼材を用いて製作する請求項1、請求項2、請求項3若しくは請求項4のブロック体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック積みを利用した擁壁等の土木構造物の築造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
土木構造物築造に関して、労働力不足を補いつつ、一定の工期に、一定の品質を確保するため、プレキャスト製品の活用は不可欠な要素となっている。従来の現場打ちのコンクリート擁壁やコンクリート護岸に替わって、大型ブロック積みを活用した構築物築造が頻繁に行われている。
【0003】
従来の大型擁壁ブロックは、現場条件によって、異なる勾配や控え幅といった規格が採用されるため、製作するためにはそれらに応じた専用の型枠が必要となる。そのため、コストや製作日数に影響が生じている。
【0004】
また、ブロックの大型化は、重量が大きく、充填空間を含めたブロック体積を大きくし、ブロックの現場への搬入や設置に関しても大きな課題となっている。
【0005】
実用新案登録3156212号の拡幅自在大型ブロックの考案は、金具による前壁と後壁の連結によって、控え幅を自在に選択できることに加え、ブロックの軽量化をもたらす提案となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録3156212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
代表的な大型コンクリ−トブロック積みを利用した擁壁は、道路改良、河川改修、造成工事等に用いられるが、課題はいくつかある。築造する構造物の形状が、等厚のもたれ擁壁等に限定されており、その他の構造物への活用ができていない状況である。そのため、等厚のもたれ擁壁では、ブロック単体では自立性は有しうるが、ブロックが積み上げられて築造された成果物としては自立性を有しない構造物になっているため、現場条件によっては採用できない場合が生じている。また、ブロックを連設して築造する性格上、ブロック間の結合力が小さく、構造物全体の課題として指摘される場合がある。いずれも構造物の信頼性にかかわる課題である。一体的に築造する構造物に関して、断面が変更できない点も課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
水平方向若しくは鉛直方向に連設し、内包する空間に充填材を充填することによって、構造物を構築するブロック体であって、対峙し、異なる外壁面の勾配を有する第一壁材及び第ニ壁材並びに該両壁材を連結する連結部材を備え、前記両壁材は、該連結部材と結合する、内壁面に突設した結合部を有し、前記連結部材は、前記両壁材間に少なくとも上弦材、下弦材及び斜材を有する安定した骨組み平面を複数面形成するブロック体。
【0009】
前記のブロック体を含む複数のブロック体であって、第一壁材若しくは第二壁材の外壁面が同一勾配で、少なくとも一方の外壁面が連続面を形成する、一体の構造物築造を目的に連設するための複数のブロック体。
【0010】
前記のブロック体を含む複数のブロック体であって、鉛直方向に互いに接するブロック体間において、下側のブロック体の第一壁材と第二壁材の外壁面上辺間の幅を上側のブロック体の第一壁材と第二壁材の外壁面下辺間の幅と等しく若しくはより大きくし、少なくとも一方の外壁面が連続面を形成する、一体の構造物築造を目的に連設するための複数のブロック体。
【0011】
水平方向若しくは鉛直方向に連設して互いに接する前記のブロック体を含むブロック体間において、ブロック体間を連結するブロック体間連結部材を備える、一体の構造物築造を目的に連設するための複数のブロック体。
【発明の効果】
【0012】
第一壁材と第二壁材の間に両壁材を連結する連結部材を設置する。該連結部材は、両壁材とは異なる製造工程で製作され、その長さの自由度によって、容易に両壁材間の幅及び角度を調整することができる。即ち、上弦材、下弦材及び斜材の長さによって、両壁材間の間隔や傾きが決定される。このような平面的に安定な一組の連結部材による骨組み平面を複数面形成することによって、安定したブロック体を形成し、等厚のブロック体の形状に限定されることなく、構造物の前面勾配や後面勾配を自由に設定することができる。また、たとえば、壁材をコンクリートで製造し、連結材に鋼材を使用し、充填材として中詰めコンクリートを用いることによって、従来に比較して第一壁材と第二壁材の間の中詰めコンクリートを充填する空間を大きくすることができるため、連設するブロック体を全体として一体の結合力ある構造物として構築しうる。加えて、連結部材は、同一ブロック体の第一壁材と第ニ壁材間だけではなく、隣接する他のブロック体との間の連結も行い得るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、ブロック体連設状況の説明図である。(実施例1)
図2図2は、ブロック体の説明図である。(実施例1)
図3図3は、壁材の基本的形状に関する説明図である。(実施例1)
図4図4は、連結材及び連結材と壁材の結合状況図である。(実施例1)
図5図5は、本発明ブロック体による山留擁壁の説明図である。(実施例1)
図6図6は、外壁面の連続に関する説明図である。(実施例1)
図7図7は、ブロック体を用いた重力式擁壁に関する説明図である。(実施例2)
図8図8は、ブロック体を用いた堤構築に関する説明図である。(実施例3)
図9図9は、外壁面が異なる勾配で連続したブロック体の連設の説明図である。(実施例4)
図10図10は、結合部に結合板を用いた説明図である。(実施例5)
図11図11は、ブロック体間の結合力補強に関する説明図である。(実施例6)
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般に擁壁の築造に関し、擁壁面の空間側を擁壁4の前といい、地盤側を後と呼ぶ。従って、擁壁の部位に関しては、それぞれ擁壁前面41、擁壁後面42という。本発明のブロック体においては、基本的には第一壁材21側を前面側とし、第二壁材22側を後面側とするが、後述するように、堤のような構造に関しては、両壁材が前面扱いになる。また、プロック体の部位としては、第一壁材、第二壁材ともに、ブロック体の外に面する側を外壁面といい、内包する空間側を内壁面と呼び、外壁面と内壁面には上辺、下辺、左右の側辺若しくは斜辺を有し、外壁面と内壁面のそれらの辺間には、上辺面、下辺面、左右の側辺面若しくは斜辺面を有する。矩形のブロック体の連設には、隣接するブロック体間において、水平方向には、左側辺面と右側辺面又は右側辺面と左側辺面とを接し、鉛直方向には、上辺面と下辺面とを接するように設置する。但し、ブロック間にスペーサーを設けることはある。勾配に関しては、水平からの立ち上リが、横1.0に対して縦1.0を1割勾配と呼び、横0.1乃至0.9に対して縦1.0を1分乃至9分勾配という。
【0015】
ブロック体1の連設による外壁面11の連続とは、第一壁材21若しくは第一壁材及び第二壁材22の互いに接するブロック体の外壁面の各辺の重複一致をいう。ブロック体の連設による擁壁4等コンクリート構造物の築造に関しては、階段状にブロック体を設置するなど壁面の連続性を有しない場合もあるが、本実施例においては、擁壁前面41又は擁壁前面及び後面42が連続する面とした一体的な構造物の築造を基本として示す。
【実施例1】
【0016】
図5(1)に示す前面41が5分勾配で、後面42が2分勾配のもたれ擁壁4の構築に本発明のブロック体1を用いた実施例を示す。図1の側面図は、鉛直方向にブロック体を3段積んだものである。ブロック体の第一壁材21の外壁面11が5分勾配であり、第ニ壁材22の外壁面が2分勾配である。最下段のブロック体から最上段のブロック体まで、第一壁材及び第二壁材共に、それぞれは同じ形状である。連結部材3の長さの調整によって、連続する壁面を形成している。即ち、最下段のブロック体の第一壁材と第ニ壁材の外壁面上辺間の間隔を中段のブロック体の第一壁材と第ニ壁材の外壁面下辺間の間隔と等しくすることによって、中段のブロック体と連続する外壁面を形成しており、同じく、中段のブロック体の第一壁材と第ニ壁材の外壁面上辺間の間隔を最上段のブロック体の第一壁材と第ニ壁材の外壁面下辺間の間隔と等しくすることによって、全体として両外壁面を単一の勾配で連続するブロック体とし、それらを連設することよって、前記の一体の構造物を構築しうる。
【0017】
図2に、図1に示すブロック体1の連設状況における中段のブロック体の平面図、正面図、側面図を示す。外壁面11が5分勾配の第一壁材21と外壁面が2分勾配の第ニ壁材22は、内壁面12が向かい合う状態で対峙しており、連結部材3によって、連結されている。図2(3)の側面図に示すように、連結部材の配置は、1組の略水平の上弦材31及び下弦材32並びに該両弦材の間に配置する斜材33からなる。第一壁材上部には、上弦材と重ねて斜材を結合する結合部23があり、下部には、下弦材を結合する結合部がある。第ニ壁材には、上弦材の結合部と下弦材及び斜材の結合部がある。図2(1)に示すように、これらの連結材の結合による一組の上弦材、下弦材及び斜材は、第一壁材及び第二壁材間の鉛直方向に骨組み平面39を一面形成し、それぞれの壁材には、結合部を4箇所設けることによって、前記鉛直方向の骨組み平面が2面を形成されている。本例では、図に示すように独立した2つの平面が形成されているが、上弦材若しくは下弦材が重複するような2つの骨組み平面によっても安定したブロック体は形成され得る。この場合は、結合部は3箇所で良い。
【0018】
図3は、第一壁材及び第二壁材として用いられる壁材の基本的形状を示す。図3(1)は、正面図で壁材の内壁面12を示している。図3(2)は、上辺面12を示す平面図で、図3(3)は、側辺面15を示す側面図である。内壁面の4箇所に設けられた凸部が結合部23であり、図3(2)に示す側面側の鉛直面が接合面24となっており、中央部にインサート穴25が配されている。この壁材は高さ1〜1.5m、横幅1.5〜2.0m、厚さ10〜15cm程度の矩形状の板に結合部を設けたものであり、所定の型枠に生コンクリートを投入して製造される。矩形状板の壁材の内壁面と外壁面の間には、用心鉄筋として、メッシュ筋が背筋されているが、図上は省略している。上辺面13には、必要に応じて2箇所のずれ止め凸部17を設けることができ、下辺面14にはずれ止め穴18があり、ブロック体連設時の位置固定のためのものである。図に示す設置個所は、上辺、下辺の長さの1/4の位置であり、千鳥配置にブロックを積み上げることをも想定したものである。その他、上辺面には、施工金具として2箇所の吊り金具19設置位置を例示している。
【0019】
図4に連結部材3及び連結の状況を示す。第一壁材21と第ニ壁材22を連結する連結部材3は、所定の圧縮強度、引張強度及び曲げ強度を有する鋼材を使用する。上記の基本的形状の壁材に関して、L6×50×50〜L6×75×75mm程度のL型鋼37を両弦材に用い、6×50〜6×75mm程度の平鋼38を斜材に用い、各部材とも両端部にはボルト貫入孔34が設けられている。結合金具には、径16mmで長さ50mm程度のボルト35を用い、接合面24に設けられたインサート穴25のインサート36と対になっており、螺入できる。図4に示すように、連結部材の上弦材31は、水平面を上方に、下弦材32は水平面を下方になるようにL形鋼を配して第一壁材及び第二壁材を連結し、結合部では接合面に単独又は斜材と重ねて、ボルト締結されている。上弦材、下弦材及び斜材の関係については、その配置を限定するものではないが、本例の様に斜材に対して強度を有する弦材を用いる場合は、できるだけ上弦材は上方に、下弦材は下方に配し、弦材に対して傾きを有する斜材は補強材として両部材の間に配置するのが効果的である。
【0020】
図6に本例におけるブロック体1の外壁面11の連続について示す。壁材の外壁面が単一の勾配で連続した状態で設置するためには、ブロック体の下辺間の間隔Lとし、上辺間Lとし、高さをHとすると、このブロック体の場合、L=L−H×(0.5−0.2)の関係が成り立ち、連続して上段に設置する上側ブロック体の外壁面下辺間長さをLにするような連結部材(図上は省略している。)の長さとすればよい。壁材に関しては、「0016」記載のように、第一壁材21若しくは第二壁材22は、それぞれは同じ形状である。しかし、第一壁材と第二壁材とは外壁面の勾配の違いによって形状は異なる。基本的形状が同じ壁材を用いて、勾配の異なる外壁面を有するブロック体の製作若しくは設置について、2つの方法を実施例として示す。コスト面、品質管理面から、できるだけ同一形状の型枠を利用して、製作することが望ましいからである。高さHのブロック体の製作若しくは設置するため、図6の第一壁材に関しては、縦Hの基本的形状を有する壁材に対して、勾配に応じた壁材の上端調整部27及び下端調整部28を用いて処理をし、一方、第二壁材に関しては勾配に応じたスペーサー29を設置している。高さ1m程度では、3分勾配以上では、斜辺の長さが4cmを超えるため、シート状のスペーサーの設置は困難を伴う。また、化粧ブロックを製作する場合は、第一壁材の外壁面に模様を施すため、第二壁材とは異なる工程となる。
【0021】
ブロック体1の連設による擁壁構築状況を図5に示す。図5(1)は、擁壁築造前の地山46の状態を点線で表示する。地山の必要な掘削後、基礎砕石45、均しコンクリート44を施工し、本発明ブロック体を設置し、図5(2)に示すブロック体水平方向の両端にコンクリート留め型枠43を設け、連設するブロック体の第一壁材と第ニ壁材及び前記留め型枠による内包空間にコンクリートを打設したものである。ブロック体を全て積上げた後、内包空間の中詰めコンクリートを打設する必要はない。ブロック体の積み上げ状況に応じて何回かに分けて打ち込みを行えばよい。図には示していないが、必要に応じてコンクリート打ち継ぎ目には継鉄筋を配する。本ケースでは12個のブロック体によって、山留の擁壁が構築されている。本擁壁は、従来のコンクリートブロックによる擁壁と異なり、擁壁後面42の土圧に対する安定を考慮した上で、自立性を有するもたれ擁壁が構築できる。
【実施例2】
【0022】
図7においては、種々の重力式擁壁4の実施例をブロック体1の連設状況のみで示す。図7(1)は、擁壁前面41が5分勾配で、後面42が逆1分勾配の重力式擁壁を示す。基本的な考え方は実施例1と同じであるが、底部のブロック体の壁材間の幅が大きくなるために、連結部材3の強度を精査する必要がある。連結部材には、充填材として生コンクリートを投入する際、その形状維持のために必要な強度の他、ブロック体として現場に設置等の際に、クレーンによる吊り上げ、吊り降ろしの作業を伴う。そのため、図2に示すように、壁材には1乃至2箇所の図に示すように吊り金具19を設けており、3点乃至4点吊りとするが、その際に連結部材に係る引張強度、圧縮強度、座屈荷重などを考慮した断面にする必要がある。図7(2)は、擁壁前面が5分勾配で、後面が直壁の不連続面を形成する重力式擁壁を示す。この擁壁の重量は図7(1)に示す重力式擁壁とほぼ同じであるが、安定計算上、周辺の土質、構造物重心位置、擁壁後面の摩擦等を勘案して採用が検討される。図7(3)は、前面が直壁で、後面が5分勾配の重力式擁壁で、斜材33の長さを勘案し、他の2例と傾きを異にしている。
【実施例3】
【0023】
図8においては、第一壁材21及び第二壁材22の外壁面11が1割の堤の実施例を示す。この場合充填材は、土砂及びコンクリート(図では省略)を用いる。ブロック下段部には底部コンクリートを用い、上段部には上部コンクリート用いる。下段部では構造物基礎として、吸出し防止や必要な強度を確保するためであり、上段部では、外部環境から構造物を保護するためのものである。この構造物では、実施例2より更にブロック体の壁材間の幅が大きくなるため、連結部材3には、上弦材31、下弦材32及び斜材33に垂直材331を加えている。その他の留意事項として、充填材として土砂を使用するブロック体においては、連結部材や連結金具には、メッキ等の腐食防止措置を検討し、加えて、締固めに適した連結部材を検討する必要がある。施工に関しては、ブロック体の運搬、設置が困難な場合、壁材と連結部材等を現場へ搬入し、ブロック体の製作を現場で行うことを検討する必要がある。即ち、充填材の締め固め作業と並行して連結部材の壁材への結合を検討することが生じうる。
【実施例4】
【0024】
図9に外壁面11の勾配が異なる、連続したブロック体1の設置例を示す。海岸堤などを前面勾配が変化するような構造物に本ブロック体を適用する場合である。本例では、ブロック体の第一壁材21の外壁面勾配は、最下段は、1割勾配、2段目は、5分勾配、3段目は、2分勾配、最上段は鉛直となっている。また、ブロック体の連続には、スペーサーを設けて連続を確保した場合も含まれ、本例では第一壁材の外壁面勾配2分勾配と鉛直のブロック体には、スペーサー29が配されている。
【実施例5】
【0025】
図10に壁材の結合部に関して、実施例1と異なる実施例を示す。壁材(図10においては第一壁材21)内壁面12に突設する結合部23である結合板26を設けたものである。この結合板は、鋼材で製作されたものであり、壁材中に埋め込まれた破線で示すアンカー部と内壁面から突出するブラケット部からなる。図に示すように、ブラケット部では上弦材31のL形鋼37と斜材33の平鋼38は挟むように設置され、それぞれのボルト貫入孔に結合ボルト35を貫入させてナットで締結されている。
【実施例6】
【0026】
ブロック体1間の結合力に関しては、従来のコンクリートブロックと比較して、充填材として中詰めコンクリートを充填する内包空間が大きく、結合力は改善されている。加えて、内包空間が大きいため、鉄筋を配筋して補強することも可能である。図11には、壁材間の連結によるブロック体間の結合力を向上させるための対策を示す。図11(1)ブロック体の積上げ形態によって、図5に示す直列配置の他、図2の壁材の上辺面のずれ止め凸部と下辺面のずれ止め穴の位置を左右にずらすことによって、千鳥配置も容易に行うことができる。図11(2)及び図11(3)では、第一壁材21の外壁面11の形状を矩形以外の6角形状や十字形状とする実施例を示す。図示を省略するが、これらの例においても連結部材の配置及び結合部の位置に関しては、実施例1と大きく異なるものではない。図11(4−1)及び図11(4−2)については、鉛直方向と水平方向に接するブロック体の間にブロック間連結部材40を配して、直接的に結合力を高めている。充填材として、結合力を有しない土砂を用いる場合には検討する必要がある。
【符号の説明】
【0027】
1 ブロック体、11 外壁面、12 内壁面、13 上辺面、14 下辺面、15 側辺面、16 斜辺面、17 ずれ止め凸部、18 ずれ止め穴、19 吊り金具
2 壁材、21 第一壁材、22 第二壁材、23 結合部、24 接合面、25 インサート穴、26 結合板、27 上端調整部、 28 下端調整部、29 スペーサー、
3 連結部材、31 上弦材、32 下弦材、33 斜材、331 34 ボルト貫入孔、35 結合ボルト、36 インサート、37 L型鋼、38 平鋼、39 骨組み平面、40 ブロック間連結部材
4 擁壁、41 擁壁前面、42 擁壁後面、43 留め型枠、44 均しコンクリート、45 基礎砕石、46 地山
【要約】      (修正有)
【課題】大型コンクリ−トブロック積みを利用した擁壁で、他の構造物への活用ができる擁壁用積ブロックを提供する。
【解決手段】内包する空間に充填剤を充填し、構造物を構築するためのブロック体であって、対峙する第一壁材21及び第二壁材22並びに該両壁材を連結する連結部材3を備え、前記両壁材は、連結部材3と結合する、内壁面に突設した結合部23を有し、連結部材3は、前記両壁材間に少なくとも上弦材31、下弦材32及び斜材33を有する安定した骨組み平面を複数面形成するブロック体。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11