特許第6359739号(P6359739)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6359739歯科治療ユニットおよび歯科用レーザー機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6359739
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】歯科治療ユニットおよび歯科用レーザー機器
(51)【国際特許分類】
   A61G 15/14 20060101AFI20180709BHJP
   A61C 19/06 20060101ALI20180709BHJP
   A61C 3/02 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   A61G15/14
   A61C19/06 A
   A61C3/02 R
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-173096(P2017-173096)
(22)【出願日】2017年9月8日
【審査請求日】2018年4月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502080704
【氏名又は名称】長田電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和なぎさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 明裕
【審査官】 立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−504965(JP,A)
【文献】 米国特許第5334016(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0183727(US,A1)
【文献】 特開平09−010229(JP,A)
【文献】 特開2005−143945(JP,A)
【文献】 特表2005−535366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 15/14
A61C 3/02
A61C 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気により作動する歯科用治療機器に前記圧縮空気を供給するエアホースと、前記歯科用治療機器への前記圧縮空気の供給量を制御するフットコントローラーと、患部に向けてレーザービームを照射するレーザー照射機構を有する歯科用レーザー機器とを備えた歯科治療ユニットであって、
前記歯科用レーザー機器が、前記エアホースに対して脱着自在であり、
前記歯科用レーザー機器へ供給される前記圧縮空気の有無に応じて前記歯科用レーザー機器によるレーザービームの照射および非照射が切り換えられることを特徴とする歯科治療ユニット。
【請求項2】
前記歯科用レーザー機器が、前記圧縮空気の供給を感知する空気供給検知手段を備え、
前記歯科用レーザー機器のレーザー照射機構から照射されるレーザービームの出力は、前記空気供給検知手段が検知した瞬間流量に応じて調整されることを特徴とする請求項1に記載の歯科治療ユニット。
【請求項3】
前記空気供給検知手段が、感圧素子であることを特徴とする請求項2に記載の歯科治療ユニット。
【請求項4】
前記歯科用レーザー機器のレーザー照射機構が、レーザーダイオードを有し、
該レーザーダイオードが、前記圧縮空気によって冷却されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項5】
前記歯科用治療機器が、切削バーおよびエアタービン本体を有するエアタービンであり、
前記エアホースが、前記エアタービンにエアタービン駆動用空気を供給するタービンホースであり、
前記フットコントローラーが、前記エアタービン駆動用空気の供給量を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項6】
前記タービンホースが、前記エアタービン駆動用空気を排出するエアタービン駆動用空気給気路と、前記エアタービン駆動用空気を回収するエアタービン駆動用空気排気路とを有し、
前記タービンホースのエアタービン駆動用空気給気路から前記歯科用レーザー機器に供給される前記エアタービン駆動用空気が、前記歯科用レーザー機器内を通過した後、前記タービンホースのエアタービン駆動用空気排気路に流入することを特徴とする請求項5に記載の歯科治療ユニット。
【請求項7】
前記歯科用レーザー機器が、液体噴出口および空気噴出口を有していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項8】
患部に向けてレーザービームを照射するレーザー照射機構を有した歯科用レーザー機器において、
前記歯科用レーザー機器が、圧縮空気により作動する歯科用治療機器に前記圧縮空気を供給するエアホースと前記歯科用治療機器への前記圧縮空気の供給量を制御するフットコントローラーとを備えた歯科治療ユニットの前記エアホースに対して着脱自在であり、
前記歯科用レーザー機器へ供給される前記圧縮空気の有無に応じて前記歯科用レーザー機器によるレーザービームの照射および非照射が切り換えられることを特徴とする歯科用レーザー機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科治療ユニットおよび歯科用レーザー機器に関し、詳しくは、圧縮空気により作動する歯科用治療機器に圧縮空気を供給するエアホースに接続可能な歯科用レーザー機器を備えた歯科治療ユニットおよびエアホースに接続可能な歯科用レーザー機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、う蝕歯質の除去や根管治療、知覚過敏症の疼痛軽減などの歯牙硬組織に対する処置を目的として、歯科用レーザー機器が用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
この歯科用レーザー機器は、所定の波長を有するレーザービームを発振させるためのレーザー媒質と、このレーザー媒質に励起光を供給するための励起光源と、この励起光源への電力供給を制御するフットコントローラーと、レーザービームを患部に照射するためのハンドピースとを備えている。歯科医師は、この歯科用レーザー機器のフットコントローラーを操作することで患部へレーザービームを照射し、患者に対して処置を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−204609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような歯科用レーザー機器を用いる場合、歯科医師の足元には、歯科診療ユニットのエアタービン等を駆動するためのフットコントローラーが設置されるだけでなく、歯科用レーザー機器を作動させるためのフットコントローラーも設置されることとなり、歯科医師の足元が煩雑になってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、歯科医師の足元が煩雑にならない歯科用レーザー機器を備えた歯科治療ユニットおよび歯科用レーザー機器を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、圧縮空気により作動する歯科用治療機器に前記圧縮空気を供給するエアホースと、前記歯科用治療機器への前記圧縮空気の供給量を制御するフットコントローラーと、患部に向けてレーザービームを照射するレーザー照射機構を有する歯科用レーザー機器とを備えた歯科治療ユニットであって、前記歯科用レーザー機器が、前記エアホースに対して脱着自在であり、前記歯科用レーザー機器へ供給される前記圧縮空気の有無に応じて前記歯科用レーザー機器によるレーザービームの照射および非照射が切り換えられることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記歯科用レーザー機器が、前記圧縮空気の供給を感知する空気供給検知手段を備え、前記歯科用レーザー機器のレーザー照射機構から照射されるレーザービームの出力は、前記空気供給検知手段が検知した瞬間流量に応じて調整されることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記空気供給検知手段が、感圧素子であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかの発明において、前記歯科用レーザー機器のレーザー照射機構が、レーザーダイオードを有し、該レーザーダイオードが、前記エアタービン駆動用空気によって冷却されることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかの発明において、前記歯科用治療機器が、切削バーおよびエアタービン本体を有するエアタービンであり、前記エアホースが、前記エアタービンにエアタービン駆動用空気を供給するタービンホースであり、前記フットコントローラーが、前記エアタービン駆動用空気の供給量を制御することを特徴とするものである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記タービンホースが、前記エアタービン駆動用空気を排出するエアタービン駆動用空気給気路と、前記エアタービン駆動用空気を回収するエアタービン駆動用空気排気路とを有し、前記タービンホースのエアタービン駆動用空気給気路から前記歯科用レーザー機器に供給される前記エアタービン駆動用空気が、前記歯科用レーザー機器内を通過した後、前記タービンホースのエアタービン駆動用空気排気路に流入することを特徴とするものである。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかの発明において、前記歯科用レーザー機器が、液体噴出口および空気噴出口を有していることを特徴とするものである。
【0014】
請求項8の発明は、患部に向けてレーザービームを照射するレーザー照射機構を有した歯科用レーザー機器において、前記歯科用レーザー機器が、圧縮空気により作動する歯科用治療機器に前記圧縮空気を供給するエアホースと前記歯科用治療機器への前記圧縮空気の供給量を制御するフットコントローラーとを備えた歯科治療ユニットの前記エアホースに対して着脱自在であり、前記歯科用レーザー機器へ供給される前記圧縮空気の有無に応じて前記歯科用レーザー機器によるレーザービームの照射および非照射が切り換えられることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、歯科用レーザー機器へ供給される圧縮空気の有無に応じて歯科用レーザー機器によるレーザービームの照射および非照射が切り換えられることにより、歯科用レーザー機器を操作するための専用のフットコントローラーを設ける必要がなくなるため、歯科医師の足元がすっきりし、作業環境を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る歯科治療ユニットの一例を示す全体斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る歯科治療ユニットにおいて、装置構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る歯科治療ユニットにおいて、歯科用レーザー機器の内部構造を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の歯科用レーザー機器および歯科治療ユニットに係る好適な実施形態について説明する。以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る歯科治療ユニットの一例を示す全体斜視図である。
図1に示した歯科治療ユニット100は、治療椅子110、ワークテーブル120、インスツルメント130、フットコントローラー140等から成り、周知のように、歯科治療に当り、患者は治療椅子110に座り、頭を安頭台111に固定して治療を受ける。
ワークテーブル120は、インスツルメントホルダ121、タービンホース(エアホース)122等から成る。インスツルメントホルダ121には、歯科治療において術者が使用する種々のインスツルメント130が収納されている。本実施形態において、インスツルメント130は、エアタービン(歯科用治療機器)131、マイクロエンジン132、超音波スケーラー133である。
また、インスツルメントホルダ121には、抜き差し検出手段(図示せず)が設けられており、どのインスツルメント130がインスツルメントホルダ121から抜かれたのかが判別できるようになっている。
また、ワークテーブル120には、インスツルメントスタンド123が載置されている。インスツルメントスタンド123には、インスツルメントホルダ121に収まらなかったインスツルメント130が収納されている。本実施形態においては、後に詳述する歯科用レーザー機器150が収納されている。
【0019】
図2は本発明の一実施形態に係る歯科治療ユニットにおいて装置構成を示すブロック図であり、図3は本発明の一実施形態に係る歯科治療ユニットにおいて、歯科用レーザー機器の内部構造を示した概略図である。
エアタービン131は、タービンホース122に対して脱着自在であり、患部の状態に応じて適宜最適なハンドピースが選択できるようになっている。そして、エアタービン131は、タービンホース122から供給されるエアタービン駆動用空気(圧縮空気)DAにより回転するエアタービン本体131aと、このエアタービン本体131aに取り付けられエアタービン本体131aの回転動力Vにより回転する切削バー131bとを有している。エアタービン駆動用空気DAがエアタービン本体131aに供給されることにより、エアタービン本体131aと共に切削バー131bが回転し、患部を切削する。なお、エアタービン本体131aに供給されるエアタービン駆動用空気DAは、エアタービン本体131aを通過した後、再度タービンホース122に戻ってくる。
さらにエアタービン131は、患部を切削している際に患部を冷却するための水Wおよび空気Aを噴射するための液体噴出口131cおよび空気噴出口131dを有している。
【0020】
ワークテーブル120から延びるタービンホース122は、エアタービン131に各種流体を供給するものである。すなわち、タービンホース122は、エアタービン駆動用空気DAと水Wと空気Aをエアタービン131に供給すると共にエアタービン本体131aを通過したエアタービン駆動用空気DAを回収する。換言すれば、タービンホース122は、エアタービン駆動用空気給気路122aと、水供給路122bと、空気供給路122cと、エアタービン駆動用空気排気路122dとを有している。
さらに、タービンホース122の先端には光源(LED)122eが取り付けられており、長軸方向に光線Lを照射している。
【0021】
フットコントローラー140は、ワークテーブル120と電気的に接続されており、フットコントローラー140への操作に応じた制御信号Sを歯科治療ユニット100の制御部(図示せず)に送信する。制御信号Sを受信した歯科治療ユニット100の制御部は、エアタービン131がインスツルメントホルダ121から抜かれている場合において、タービンホース122が供給するエアタービン駆動用空気DAの瞬間流量を調整する。
なお、マイクロエンジン132や超音波スケーラー133がインスツルメントホルダ121から抜かれている場合、制御信号Sを受信したワークテーブル120内の制御部はそれぞれへの通電量を調整する。
【0022】
歯科用レーザー機器150は、エアタービン131と同様にタービンホース122に対して脱着自在である。そして、歯科用レーザー機器150は、レーザービームを生成し患者へ照射するレーザー照射機構151と、タービンホース122から歯科用レーザー機器150に供給されるエアタービン駆動用空気を感知する空気供給検知手段152とを有している。
なお、本実施形態では、空気供給検知手段152として、感圧素子を用い、この感圧素子により流路内の圧力を感知しているが、流路中に瞬間流量や流速を検知する素子を配置してもよい。
また、歯科用レーザー機器150は、さらに、患部を切削している際に患部を冷却するための水Wおよび空気Aを噴射する液体噴出口153および空気噴出口154を有している。
【0023】
歯科用レーザー機器150は、略円筒形状であり、一端側には略円筒状の凹部150aが形成されており、この凹部150aにタービンホース122の先端が挿入される。これにより、歯科用レーザー機器150が、タービンホース122と接続および連通される。
【0024】
歯科用レーザー機器150は、前述のように、レーザービームを生成し患者へ照射するレーザー照射機構151を備えている。このレーザー照射機構151は、レーザービームを生成するレーザーダイオード151aと、このレーザーダイオード151aに当接してレーザーダイオード151aの発熱を逃がすヒートシンク151bと、レーザーダイオード151aから生成されるレーザービームが通過するレーザー導光路151cと、このレーザー導光路151cの出口側に接続され患部にレーザービームを照射するチップ151dとを有している。
さらに、レーザー照射機構151は、レーザーダイオード151aに電力を供給する電源151eと、レーザーダイオード151aへの電力供給量を制御するコントローラー151fとを有している。なお、本実施形態において、電源151eはリチウムイオンバッテリーである。
【0025】
歯科用レーザー機器150は、タービンホース122の光源122eが発する光線Lが通る導光路155を有している。導光路155の一端には凹部150a内に形成され、他端にはガイド光照射口156が形成されている。これにより、タービンホース122の光源122eが発する光線Lがガイド光照射口156から患部に照射され、患部周辺を明るく照らすことができる。
【0026】
また、歯科用レーザー機器150は、タービンホース122から供給されるエアタービン駆動用空気DA、空気A、水Wの流路およびタービンホース122へエアタービン駆動用空気DAを排出するための流路を有している。すなわち、歯科用レーザー機器150は、エアタービン駆動用空気導入路157aと、エアタービン駆動用空気排出路157bと、水流路157cと、空気流路157dとを有している。
【0027】
これらの流路の一端はすべて凹部150a内に形成されている。エアタービン駆動用空気導入路157aの他端およびエアタービン駆動用空気排出路157bの他端は空気室158と連通している。すなわち、エアタービン駆動用空気導入路157aとエアタービン駆動用空気排出路157bとは空気室158とを介して連通している。
この空気室158には前述のヒートシンク151bが当接している。これにより、レーザーダイオード151aの発熱はヒートシンク151bを介して空気室158に放熱される。
また、水流路157cの終端側には液体噴出口153が形成されている。同様に空気流路157dの終端側には空気噴出口154が形成されている。
【0028】
エアタービン駆動用空気導入路157aは、途中で二股に分岐しており、一方の先端には空気供給検知手段152が取り付けられている。
【0029】
チップ151dと液体噴出口153と空気噴出口154とガイド光照射口156とは、歯科用レーザー機器150の先端側(凹部150aが形成されている側と反対側)に形成されている。そして、液体噴出口153と空気噴出口154とガイド光照射口156とは、チップ151dの近傍に配置されている。
【0030】
また、凹部150a内に形成された、導光路155と、エアタービン駆動用空気導入路157aと、エアタービン駆動用空気排出路157bと、水流路157cと、空気流路157dとの開口位置は、それぞれ、歯科用レーザー機器150とタービンホース122とを接続した際に光源122eと、エアタービン駆動用空気給気路122aと、水供給路122bと、空気供給路122cと、エアタービン駆動用空気排気路122dと対向する位置になっている。すなわち、導光路155の開口は光源122eと対向し、エアタービン駆動用空気導入路157aの開口はエアタービン駆動用空気給気路122aの開口と対向し、エアタービン駆動用空気排出路157bの開口はエアタービン駆動用空気排気路122dの開口と対向し、水流路157cの開口は水供給路122bの開口と対向し、空気流路157dの開口は空気供給路122cの開口と対向している。
なお、図示されていないが、タービンホース122にはシール機構が複数設けられている。これにより、タービンホース122と歯科用レーザー機器150とを接続した場合において、エアタービン駆動用空気給気路122aと、水供給路122bと、空気供給路122cと、エアタービン駆動用空気排気路122dとがそれぞれ独立している。そのため、例えば、水供給路122b内の水がエアタービン駆動用空気給気路122aなどに漏れることが抑制されている。
【0031】
次に、図2および図3を用いて、歯科用レーザー機器150の使用方法および動作について説明する。
前述のように歯科用レーザー機器150は、通常エアタービン131が接続されるタービンホース122に対して脱着可能である。歯科用レーザー機器150を使用する際には、エアタービン131からタービンホース122を外して、歯科用レーザー機器150に接続する。この際、タービンホース122の先端を歯科用レーザー機器150の凹部150aに挿入する。
【0032】
そして、患部にレーザービームを照射したい場合、歯科医師はフットコントローラー140を踏む。これにより、タービンホース122からエアタービン駆動用空気DAが、エアタービン駆動用空気給気路122aを介して歯科用レーザー機器150に供給される。歯科用レーザー機器150に供給されたエアタービン駆動用空気DAは、エアタービン駆動用空気導入路157a内に流入する。そして、エアタービン駆動用空気導入路157a内に設けられた分岐により、エアタービン駆動用空気DAの一部は空気供給検知手段152に供給され、残りは空気室158に供給される。空気供給検知手段152にエアタービン駆動用空気DAが供給されることにより、空気供給検知手段152に空気圧が印加されるため、空気供給検知手段152はこの空気圧の印加により、歯科用レーザー機器150にエアタービン駆動用空気DAが供給されたことを検知する。
空気供給検知手段152が、エアタービン駆動用空気DAを検知すると、検知信号がコントローラー151fに伝達され、コントローラー151fはレーザーダイオード151aに通電を行う。これにより、レーザーダイオード151aからレーザービームが照射され、レーザー導光路151cを通り、チップ151dから患部に向けてレーザービームが照射される。
また、このとき、タービンホース122から歯科用レーザー機器150に水Wが供給され、この水Wは歯科用レーザー機器150内の水流路157cを通り、液体噴出口153から噴出される。さらに、タービンホース122から歯科用レーザー機器150に空気Aも供給され、この空気Aは歯科用レーザー機器150内の空気流路157dを通り、空気噴出口154から噴出される。
【0033】
一方、空気室158に供給されたエアタービン駆動用空気DAは、エアタービン駆動用空気排出路157bを通り、タービンホース122内のエアタービン駆動用空気排気路122dに排出される。ここで、ヒートシンク151bが空気室158に当接しているため、レーザーダイオード151aの発熱が空気室158に伝導されているため、エアタービン駆動用空気DAが空気室158内を通ることで、レーザーダイオード151aの発熱をエアタービン駆動用空気DAに伝導させることができる。すなわち、エアタービン駆動用空気DAは、レーザーダイオード151aを冷却させることができる。
【0034】
また、フットコントローラー140は、歯科医師の踏み込み量に応じた制御信号Sを出力できる。すなわち、フットコントローラー140は、単なるON/OFFの2値を出力するものではなく、複数の値を出力できるものである。このようなフットコントローラー140を用いる場合、タービンホース122が供給するエアタービン駆動用空気DAの瞬間流量も一定値ではなく、複数の瞬間流量を供給することができる。本実施形態においては、フットコントローラー140を踏み込むほど、タービンホース122が供給するエアタービン駆動用空気DAの瞬間流量を大きくすることができる。
そして、歯科用レーザー機器150も、空気供給検知手段152により単なるON/OFFの2値を検知するだけでなく、様々な瞬間流量(本実施形態においては、空気圧)を検出することができる。したがって、コントローラー151fには、空気供給検知手段152からON/OFFに対応する2値のみでなく、空気供給検知手段152から様々な値が入力される。コントローラー151fは、この空気供給検知手段152からの入力値に応じて、レーザーダイオード151aへの印加電圧を変えることができる。本実施形態においては、空気供給検知手段152から入力される値が大きくなるほど(すなわち、フットコントローラー140を踏み込むほど)、レーザーダイオード151aへの印加電圧が大きくなり、レーザービームの出力が大きくなる。
【0035】
このように構成され動作する歯科治療ユニット100および歯科用レーザー機器150は、歯科用レーザー機器150へ供給される圧縮空気であるエアタービン駆動用空気DAの有無に応じて歯科用レーザー機器150によるレーザービームの照射および非照射が切り換えられることにより、歯科用レーザー機器150を操作するための専用のフットコントローラーを設ける必要がなくなるため、歯科医師の足元がすっきりし、作業環境を向上させることができる。
【0036】
さらに、歯科用レーザー機器150のレーザー照射機構151から照射されるレーザービームの出力が、空気供給検知手段152が検知した瞬間流量に応じて調整されることにより、フットコントローラー140への操作だけでレーザービームの出力変更が可能となるため、歯科用レーザー機器150の使用性を向上させることができる。
【0037】
さらに、空気供給検知手段152が、感圧素子であることにより、瞬間流量や流速によってエアタービン駆動用空気DAを検出場合に比べて簡便な構造となるため、歯科用レーザー機器150の耐久性を向上させることができる。
【0038】
さらに、歯科用レーザー機器150のレーザーダイオード151aが、エアタービン駆動用空気DAによって冷却されることにより、歯科用レーザー機器150自体の温度上昇が抑制されるため、歯科用レーザー機器150の使用性を向上させることができる。
また、レーザーダイオード151aの冷却にエアタービン駆動用空気DAを用いることにより、ペルチェ素子等を使用して冷却する場合に比べて、レーザーダイオード151aの冷却機構を簡便なものとすることができるだけでなく、電源151eのサイズを小型化できる。
【0039】
さらに、タービンホース122のエアタービン駆動用空気給気路122aから歯科用レーザー機器150に供給されるエアタービン駆動用空気DAが、歯科用レーザー機器150内を通過した後、タービンホース122のエアタービン駆動用空気排気路122dに流入することにより、歯科用レーザー機器150内にエアタービン駆動用空気DAが充満することがないため、空気供給検知手段152等に過大な空気圧が印加されることを抑制でき、より歯科用レーザー機器150の耐久性を向上させることができる。
さらに、常に歯科用レーザー機器150には新しいエアタービン駆動用空気DAが供給されることになるため、歯科用レーザー機器150内にエアタービン駆動用空気DAが滞留する場合に比べて、レーザーダイオード151aの冷却効率が低下を抑制できる。
【0040】
さらに、歯科用レーザー機器150が、液体噴出口153および空気噴出口154を有していることにより、患部を冷却したり、患部付近の汚れ等を除去したりすることができる。
【0041】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。
例えば、本実施形態において、歯科用レーザー機器150は、歯科医師が使用するものとしていたが、歯科衛生士や歯科助手等が用いるものであってもよい。
また、本実施形態において、歯科用レーザー機器150は、う蝕歯質の除去や根管治療、知覚過敏症の疼痛軽減などの歯牙硬組織に対する処置を目的するものであったが、コンポジットレジンの硬化を目的としてもよい。
また、本実施形態において、インスツルメント130は、エアタービン131、マイクロエンジン132、超音波スケーラー133であったが、インスツルメント130の個数および種類はこれらに限定されるものではない。
また、本実施形態において、歯科用治療機器はエアタービン131であったが、本発明の歯科用治療機器はエアタービンに限定されるものでなく、圧縮空気によって作動するものであれば如何なる治療機器であってもよい。
また、本実施形態において、エアホースはエアタービン131に対して着脱自在なタービンホース122であったが、本発明のエアホースはタービンホースに限定されるものでなく、圧縮空気を歯科用レーザー機器に供給できるものであれば如何なるものであってもよく、例えば、歯科用レーザー機器に圧縮空気を供給する専用ホースであってもよい。
また、本実施形態において、電源151eは、リチウムイオンバッテリーであったが、小型の発電機でもよい。
また、本実施形態において、液体噴出口153および空気噴出口154から噴出される水Wおよび空気Aは、患部の冷却を目的としていたが、他の目的も果たしてもよい。
また、本実施形態において、液体噴出口153から水Wを噴射していたが、薬液等を噴射するものであってもよい。
【符号の説明】
【0042】
100…歯科治療ユニット、110…治療椅子、111…安頭台、120…ワークテーブル、121…インスツルメントホルダ、122…タービンホース(エアホース)、122a…エアタービン駆動用空気給気路、122b…水供給路、122c…空気供給路、122d…エアタービン駆動用空気排気路、122e…光源(LED)、123…インスツルメントスタンド、130…インスツルメント、131…エアタービン(歯科用治療機器)、131a…エアタービン本体、131b…切削バー、131c…液体噴出口、131d…空気噴出口、132…マイクロエンジン、133…超音波スケーラー、140…フットコントローラー、150…歯科用レーザー機器、150a…凹部、151…レーザー照射機構、151a…レーザーダイオード、151b…ヒートシンク、151c…レーザー導光路、151d…チップ、151e…電源、151f…コントローラー、152…空気供給検知手段(感圧素子)、153…液体噴出口、154…空気噴出口、155…導光路、156…ガイド光照射口、157a…エアタービン駆動用空気導入路、157b…エアタービン駆動用空気排出路、157c…水流路、157d…空気流路、158…空気室。
【要約】
【課題】歯科医師の足元が煩雑にならない歯科用レーザー機器を備えた歯科治療ユニットおよび歯科用レーザー機器を提供する。
【解決手段】圧縮空気により作動するエアタービン131にエアタービン駆動用空気DAを供給するタービンホース122と、エアタービン131へのエアタービン駆動用空気DAの供給量を制御するフットコントローラー140と、患部に向けてレーザービームを照射するレーザー照射機構151を有する歯科用レーザー機器150とを備えた歯科治療ユニット100であって、歯科用レーザー機器150が、タービンホース122に対して脱着自在であり、歯科用レーザー機器150へ供給されるエアタービン駆動用空気DAの有無に応じて歯科用レーザー機器150によるレーザービームの照射および非照射が切り換えられることを特徴とする歯科治療ユニット100。
【選択図】図3
図1
図2
図3