(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る回転電機について、電動機を例に、図面に基づいて説明する。
なお、
図1(A)及び同図(B)は本実施の形態1に係る電動機を説明するための概略図であり、固定子や出力軸を支持したり、センサ部などを支持したりする筐体は図示していない。
図1(A)及び同図(B)に示す電動機10は、出力軸O1と同軸に形成された回転子20と、回転子20を回転駆動する磁束を励磁する固定子30とを備えている。
【0026】
回転子20は、複数の永久磁石22がハウジング21に回転円周R1に沿って配置され、永久磁石22のN極又はS極のいずれか一方の磁極が回転軸線L1に沿った方向に向いている。
ハウジング21は、円盤状に形成され、永久磁石22を回転円周R1に沿って等間隔に収納するものである。
永久磁石22は、直方体に形成され、N極またはS極のいずれか一方の磁極を交互に固定子30に向けてハウジング21に配置されている。本実施の形態1では、永久磁石22が90度ごとに4個、ハウジング21に設けられている。
永久磁石22は、磁力が他の磁石より強いネオジム磁石が使用できる。
【0027】
固定子30は、複数の巻線C1(第1巻線31〜第4巻線34)から形成され、永久磁石22の磁極が向く方向における回転円周R1に沿って巻線C1が配置されている。
固定子30は、回転子20が巻線C1の端部(端部31T1,31T2,32T1,32T2,33T1,33T2,34T1,34T2)に向いたときに、巻線C1の端部から巻線内への磁路R(
図4参照)が、回転子20からの主磁束方向F1と交差する方向に形成されている。
本実施の形態1では、固定子30は、回転子20の回転軸線L1を中心として、巻線C1が回転円周R1に沿った円弧状に形成されている。
【0028】
第1巻線31〜第4巻線34は、第1巻線31の端部31T1と第4巻線34の端部34T1とが制御回路40の励磁回路部42に接続され、向き合う端部31T2,32T2同士、端部32T1,33T1同士および端部33T2,34T1同士が配線により接続されていることで、直列接続されているが、並列接続としてもよい。
第1巻線31〜第4巻線34の巻線C1は、通電すると、向き合う一方の端部31T1,34T1同士、端部32T1,33T1同士が同極に、他方の端部31T2,32T2同士、端部33T2,34T2同士が同極を発生するように配線が巻かれている。
【0029】
制御回路40は、センサ部41と、励磁回路部42とを備えている。
センサ部41は、一方の端部31T1,34T1と、端部32T1,33T1とをN極とし、他方の端部31T2,32T2と、端部33T2,34T2とをS極とするタイミングを検出したり、反対に、一方の端部31T1,34T1と、端部32T1,33T1とをS極とし、他方の端部31T2,32T2と、端部33T2,34T2とをN極とするタイミングを検出したりするために、第1センサ部411と、第2センサ部412とを備えている。
【0030】
第1センサ部411及び第2センサ部412は、図示しない支持部材により固定された発光ダイオードとフォトダイオードとによる透過型のフォトインタラプタ41aと、回転子20と共に回転して、透過型のフォトインタラプタ41aの発光ダイオードとフォトダイオードとの間を通過する円盤状の遮蔽板41bとを備えている。
【0031】
図1(A)及び同図(B)に示すフォトインタラプタ41aは、第1センサ部411及び第2センサ部412に対応させて、それぞれ設けられているが、本実施の形態では、遮蔽板41bは、第1センサ部411及び第2センサ部412に共通させて設けられている。なお、遮蔽板41bは、第1センサ部411及び第2センサ部412にて共通して使用しているが、
図2においては、フォトインタラプタ41aに対応させて遮蔽板41bを別々に図示している。
【0032】
遮蔽板41bの周縁の一部には、円周方向に沿って、通電タイミング及び通電時間を規定するための円弧状切欠部41c(
図1(A)参照)が形成されている。この円弧状切欠部41cは、永久磁石22のN極の位置に合わせて90度の範囲に形成され、遮蔽板41bの周縁の2箇所に形成されている。
フォトインタラプタ41aは、第1巻線31と第4巻線34とが向き合う一方の端部31T1,34T1の位置を0度の位置、第2巻線32と第3巻線33が向き合う一方の端部32T1,33T1の位置を180度の位置としたときに、0度と90度の位置に形成されている。
【0033】
図2に示す励磁回路部42は、第1巻線31〜第4巻線34への通電を制御するものである。
励磁回路部42は、第1センサ部411と第2センサ部412とを一組として、第1FET421a,421bから第3FET423a,423bまでのトランジスタにより、第1巻線31〜第4巻線34への通電方向を制御する。
【0034】
第1FET421aと第3FET423aとはn型FETである。第2FET422a,422bは、p型FETである。
第1FET421a,421bは、ゲート端子Gが抵抗R11,R12を介してフォトインタラプタ41aに接続されている。また、第1FET421a,421bは、ソース端子Sが接地されている。
【0035】
第2FET422a,422bは、ソース端子SがダイオードD11,D12を介して電源に接続されていると共に、コンデンサC11,C12を介して接地されている。また、第2FET422a,422bのゲート端子Gは、抵抗R21,R22を介して第1FET421a,421bのドレイン端子Dに接続されていると共に、抵抗R31,R32を介して第2FET422a,422bのソース端子Sに接続されている。第2FET422a,422bのドレイン端子Dは、ダイオードD21,D22のアノード端子Aに接続されていると共に、第3FET423a,423bのドレイン端子Dに接続されている。
【0036】
第3FET423a,423bは、ゲート端子Gが抵抗R41,R42を介してフォトインタラプタ41aに接続されている。第3FET423a,423bのソース端子Sは接地されている。
第4巻線34の一方の端部34T1からの配線は、第2FET422aのドレイン端子Dに接続されていると共に、第3FET423aのドレイン端子Dに接続されている。
第1巻線31の一方の端部31T1からの配線は、第2FET422bのドレイン端子Dに接続されていると共に、第3FET423bのドレイン端子Dに接続されている。
【0037】
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る電動機10の動作を図面に基づいて説明する。
図1(A)および同図(B)に示す制御回路40に電源が供給される。
例えば、永久磁石22のN極が、第1センサ部411のフォトインタラプタ41aの方向へ向くと、第1センサ部411のフォトインタラプタ41aに遮蔽板41bの円弧状切欠部41cが位置する。
遮蔽板41bの円弧状切欠部41cにより、第1センサ部411のフォトインタラプタ41aの光が透過することで、第1センサ部411のフォトインタラプタ41aのフォトトランジスタが通電する。
【0038】
図2に示すように、第1センサ部411のフォトトランジスタが通電することで、フォトインタラプタ41aに、抵抗R11,R41を介して接続された第1FET421aのゲート端子Gと、第3FET423aのゲート端子Gとは、第1FET421aと第3FET423aとがオン状態となる、第1電圧となる。
【0039】
また、
図3(A)に示すように、第1センサ部411のフォトインタラプタ41aに円弧状切欠部41cが位置するときには、第2センサ部412のフォトインタラプタ41aには円弧状切欠部41cが位置しないので、第2センサ部412のフォトインタラプタ41aは非通電状態にある。
従って、
図2に示すように、第2センサ部412のフォトインタラプタ41aに、抵抗R12,R42を介して接続された第1FET421bのゲート端子Gと、第3FET423bのゲート端子Gとは、第1FET421bと第3FET423bがオフ状態となる、第1電圧より低電圧の第2電圧(0V)となる。
【0040】
第1FET421bがオフ状態であるときには、第1FET421bのドレイン端子Dに抵抗R21を介して接続された第2FET422aのゲート端子Gは、電源Vssに接続された抵抗R31により第2FET422aがオフ状態となる第1電圧となる。
【0041】
第1FET421aがオン状態であるときには、抵抗R22が第1FET421aのドレイン端子Dに接続されているため、第2FET422bのゲート端子Gは、第2FET422bがオン状態となる、第2電圧になる。
【0042】
このようにして、第1FET421a,421b〜第3FET423a,423bのオン状態とオフ状態とが決定されると、電源Vssからの電流が、第2FET422bのソース端子SにダイオードD12を介して流れ込み、第2FET422bのドレイン端子Dから第1巻線31の一方の端部31T1へ流れる。
そして、電流が、第1巻線31から第2巻線32、第3巻線33および第4巻線34へ順次流れ、第4巻線34の一方の端部34T1から第3FET423aのドレイン端子Dへ流れ、第3FET423aのドレイン端子Dからソース端子Sへ流れる。
そうすることで、
図3(A)に示すように、第1巻線31の端部31T1,第4巻線34の端部34T1と、第2巻線32の端部32T1,第3巻線33の端部33T1とに、永久磁石22のN極と反発する同極(N極)の磁界が発生し、他方の端部31T2,端部32T2と、端部33T2,端部34T2とに、永久磁石22のS極と反発する同極(S極)の磁界が発生する。
第1巻線31〜第4巻線34が発生した磁界により、永久磁石22の両極が反発して、回転子20が回転する。
【0043】
一方、
図3(B)に示すように、センサ部41のうち、第2センサ部412のフォトインタラプタ41aに遮蔽板41bの円弧状切欠部41cが位置する。
遮蔽板41bの円弧状切欠部41cにより、第2センサ部412のフォトインタラプタ41aの光が透過することで、第2センサ部412のフォトインタラプタ41aのフォトトランジスタが通電する。
【0044】
図2に示すように、第2センサ部412のフォトトランジスタが通電することで、フォトインタラプタ41aに、抵抗R12,R42を介して接続された第1FET421bのゲート端子Gと、第3FET423bのゲート端子Gとは、第1FET421bと第3FET423bとがオン状態となる、第1電圧となる。
【0045】
また、第2センサ部412のフォトインタラプタ41aに円弧状切欠部41cが位置するときには、第1センサ部411のフォトインタラプタ41aには円弧状切欠部41cが位置しないので、第1センサ部411のフォトインタラプタ41aは非通電状態にある。従って、第1センサ部411のフォトインタラプタ41aに、抵抗R11,R41を介して接続された第1FET421aのゲート端子Gと、第3FET423aのゲート端子Gとは、第1FET421aと第3FET423aがオフ状態となる、第2電圧となる。
【0046】
第1FET421aがオフ状態であるときには、第1FET421aのドレイン端子Dに抵抗R22を介して接続された第2FET422bのゲート端子Gは、電源Vssに接続された抵抗R32により第2FET422bがオフ状態となる第1電圧となる。
【0047】
第1FET421bがオン状態であるときには、抵抗R21が第1FET421bのドレイン端子Dに接続されているため、第2FET422aのゲート端子Gは、第2FET422aがオン状態となる第2電圧になる。
【0048】
このようにして、第1FET421a,421b〜第3FET423a,423bのオン状態とオフ状態とが決定されると、電源Vssからの電流が、第2FET422aのソース端子SにダイオードD11を介して流れ込み、第2FET422aのドレイン端子Dから第4巻線34の一方の端部34T1へ流れる。
そして、電流が、第4巻線34から第3巻線33、第2巻線32および第1巻線31へと順次流れ、第1巻線31の一方の端部31T1から第3FET423bのドレイン端子Dへ流れ、第3FET423bのドレイン端子Dからソース端子Sへ流れる。
そうすることで、
図3(B)に示すように、第1巻線31の端部31T1,第4巻線34の端部34T1と、第2巻線32の端部32T1,第3巻線33の端部33T1とに、永久磁石22のS極と反発する同極(S極)の磁界が発生し、他方の端部31T2,端部32T2と、端部33T2,端部34T2とに、永久磁石22のN極と反発する同極(N極)の磁界が発生する。
第1巻線31〜第4巻線34が発生した磁界により、永久磁石22の両極が反発して、回転子20が回転する。
【0049】
更に、回転子20が回転すると、遮蔽板41bに形成された他の円弧状切欠部41cが、第1センサ部411のフォトインタラプタ41aに位置することで、固定子30にて
図3(A)に示す磁極の磁界が発生する。
このように、固定子30において、
図3(A)に示す磁極と
図3(B)に示す磁極とが交互に発生することで、回転子20は回転し続けることができる。
【0050】
電動機10では、固定子30が、回転子20の回転軸線L1を中心して、第1巻線31〜第4巻線34が円周方向に沿った円弧状に形成されている。
そのため、
図4に示すように固定子30内の磁路は、巻線(第1巻線31〜第4巻線34)の円弧状に沿ったものとなる。回転子20の永久磁石22の各磁極が第1巻線31〜第4巻線34の端部(
図4では第1巻線31の端部31T1,第4巻線34の34T2)を向いて通過するときには、固定子30の端部から固定子30内への磁路が、回転子20からの主磁束方向F1と交差する方向となる。
従って、回転子20からの主磁束は、巻線C1の筒内に真っ直ぐ入るように横切らない。よって、電動機10は、巻線の向きを半径方向に向けた従来の電動機より磁束の変化が小さいので、従来の電動機より逆起電力を小さいものとすることができる。
【0051】
また、
図1に示すように、回転子20の永久磁石22は、回転軸線L1に沿った方向に向いており、固定子30は、永久磁石22の磁極が向く方向における回転円周R1に沿って巻線C1が配置されている。
そのため、ハウジング21に収納された永久磁石22は、遠心力が作用する方向(回転円周R1の半径方向)と、磁極が巻線C1に向く方向とが異なる方向となるので、永久磁石22を巻線C1へ接近させてハウジング21に配置して、回転子20を高速に回転させても、ハウジング21から永久磁石22を飛び出し難くすることができる。
従って、回転子20の高速回転を維持した状態で長時間の運転を可能とすることができる。
【0052】
よって、本実施の形態1に係る電動機10は、逆起電力の発生を抑えることにより、高電圧を印加しなくても高回転とすることができ、高回転を長時間続けても回転子20の信頼性を維持することができる。
【0053】
本実施の形態1では、
図1(B)に示すように、第1巻線31〜第4巻線34が、回転円周R1に沿った円弧状に形成され、固定子30として円形状に配置されているが、固定子の端部から固定子内への磁路が、回転子からの主磁束方向と交差する方向となれば、回転円周より曲率が大きく形成されていたり、小さく形成されていたりしてもよい。また、永久磁石の磁極が向いた方向に対して、巻線の長さ方向の中心が直交せず、傾斜していてもよい。
【0054】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る回転電機について、電動機を例に、図面に基づいて説明する。なお、
図1(A)及び同図(B)と同様に、
図5(A)及び同図(B)においても、固定子や出力軸、センサ部などを支持する筐体は図示していない。また、
図5(A)及び同図(B)においては、
図1(A)及び同図(B)と同じ構成のものは、同符号を付して説明を省略する。
【0055】
本実施の形態2に係る電動機11は、固定子30aの巻線C2が、永久磁石22の磁極が向く方向における回転円周R1に沿って配置されている。また、巻線C2は、回転子20の回転円周R1の接線に沿った軸線L2が直線状に形成されている。
このように固定子30aの巻線C2の軸線L2が直線状に形成されていても、永久磁石22が巻線C2の端部に向いたときに、巻線C2の端部から巻線C2内への磁路が、永久磁石22からの主磁束方向と交差する方向に、固定子30aの巻線C2が形成されており、そして、永久磁石22の磁極が向く方向における回転円周R1に沿って巻線C2が配置されている。そのため、実施の形態1と同じ作用・効果を得ることができる。
【0056】
また、巻線C2の軸線L2が直線状に形成されているため、コアに線材を巻くときに、円弧状の巻線C1(
図1参照)と比較して、均等に巻きやすい。従って、軸線L2が直線状の巻線C2は、作業性を向上させることができる。
【0057】
例えば、軸線L2が直線状の巻線C2とした固定子30aである場合、回転子の永久磁石の磁極を、回転半径方向の外方に向けて、固定子30aの巻線C2に囲まれた中央部に配置すると、永久磁石の磁極と、巻線C2との距離が、巻線C1の胴部で接近し、端部で離れてしまい、一定とならない。
しかし、電動機11では、回転円周R1に沿って配置された巻線C2の上方を、回転子20の永久磁石22が回転するため、永久磁石22の磁極と巻線C2との距離を一定とすることができる。
【0058】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る回転電機について、電動機を例に、図面に基づいて説明する。
図6に示す本実施の形態3に係る電動機12は、
図1(A)及び同図(B)に示す実施の形態1に係る電動機10に、補助用の巻線33a〜33dを備えたものである。
なお、
図6においては、
図1(A)及び同図(B)と同じ構成のものは、同符号を付して説明を省略する。
【0059】
図6に示すように、補助用の巻線33a〜33dは、直管状に形成された磁力増強用巻線である。巻線33a〜33dは、第1巻線31〜第4巻線34のそれぞれの向き合う端部同士(端部31T1と端部34T1、端部31T2と端部32T2、端部32T1と端部33T1、端部33T2と端部34T2)の外方に、巻線33a〜33dの軸線を回転円周の半径方向に向けて配置されている。
巻線33aは、端部31T1及び端部34T1と同極となるように、巻線33bは、端部31T2及び端部32T2と同極となるように、また、巻線33cは、端部32T1及び端部32T1と同極となるように、更に、巻線33dは、端部33T2及び端部34T21と同極となるように、制御回路40により制御される。
【0060】
複数の巻線(第1巻線31〜第4巻線34)同士の間に、補助用の巻線33a〜33dが、軸線を向けて、巻線の端部が発生する磁極と同極を発生するように設けられていることにより、第1巻線31〜第4巻線34のそれぞれの端部による磁力を巻線33a〜33dにより補完させることができる。
従って、巻線33a〜33dにより、回転子20の回転駆動力を増強することができる。
【0061】
(実施の形態3の変形例)
本実施の形態3に係る電動機の変形例を、図面に基づいて説明する。
図7に示す本実施の形態3に係る電動機12aは、
図6に示す実施の形態3に係る電動機12に対して、補助用の巻線33a〜33dの軸線L3を回転軸線L1に沿って回転子20側に向けたものであり、固定子30aの巻線C2が、直線状の軸線L2に形成されたものである。
なお、
図7においては、
図5(A)及び同図(B)および
図6と同じ構成のものは、同符号を付して説明を省略する。
【0062】
このように、補助用の巻線33a〜33dについて、その軸線L3を回転軸線L1に沿って回転子20側に向けると、巻線33a〜33dからの磁束が回転子20の方向へ向く。そのため、巻線33a〜33dにより、第1巻線31〜第4巻線34のそれぞれの端部による磁力を、より強力に補強することができる。
【0063】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る回転電機について、電動機を例に、図面に基づいて説明する。
図8に示す本実施の形態4に係る電動機13は、
図6に示す実施の形態3に係る電動機12に、発電用巻線35a〜35dを備えたものである。
なお、
図8においては、
図6と同じ構成のものは、同符号を付して説明を省略する。
【0064】
図8に示すように、電動機13は、補助用の巻線33a〜33dと同軸に、発電用巻線35a〜35dが設けられている。
発電用巻線35a〜35dには、
図9に示すように、回転速度調整部50が接続されている。
回転速度調整部50は、整流部51と、消費部52とを備えている。整流部51は、ダイオードブリッジにより構成することができる。
消費部52は、可変抵抗器とすることができるが、可変抵抗器の代わりに電気エネルギーを有効利用する負荷を接続してもよい。例えば、バッテリの充電回路としたり、照明器具としたり、電動機としたりすることができる。消費部52は、短絡状態から開放状態までに抵抗値を設定できるものとすることができる。
回転速度調整部50は、発電用巻線35a〜35dのそれぞれに設けることができ、また、発電用巻線35a〜35dに共通させて設けることもできる。
【0065】
次に、発電用巻線35a〜35dからの電流を調整する回転速度調整部50の動作について詳細に説明する。
図8に示す電動機13を動作させ、巻線33a〜33dに通電することで発電用巻線35a〜35dに起電力を発生させることができる。
図9に示す発電用巻線35a〜35dからの電流は整流部51により全波整流され、消費部52に流れる。消費部52では、発電用巻線35a〜35dからの電力を、設定された抵抗値によって消費する。
【0066】
消費部52の消費電流が大きくなると、巻線33a〜33dと同軸に配置された発電用巻線35a〜35dは、巻線33a〜33dによる電磁誘導よりも回転子20の永久磁石22による電磁誘導の方が大きくなり、発生した電流は巻線33a〜33dを助勢する磁界を発生する。
【0067】
このとき、巻線33a〜33dへの入力電圧を一定にして、消費部52が発電用巻線35a〜35dから取り出す出力電流を大きくすると、消費部52への出力電圧は低下するが、回転子20の回転数は消費電流(出力電流)0Aからある電流までは低下するものの、その後、徐々に早くなる。
【0068】
このように、電動機13の回転速度調整部50により消費電流を調整することで、回転数を調整することができるので、電動機13は回転数を制御できる新規の電動機とすることができる。
【0069】
なお、消費部52は、整流部51を介して接続されていたが、消費部52を短絡状態とするときには整流部51は省略することができる。
【0070】
(実施の形態4の変形例)
本実施の形態4に係る電動機の変形例を、図面に基づいて説明する。
図10に示す本実施の形態4に係る電動機13aは、
図8に示す実施の形態4に係る電動機12に対して、補助用の巻線33a〜33dおよび発電用巻線35a〜35dの軸線L3を回転軸線L1に沿って回転子20側に向けたものであり、固定子30aの巻線C2が、直線状の軸線L2に形成されたものである。
なお、
図10においては、
図5(A)及び同図(B)および
図8と同じ構成のものは、同符号を付して説明を省略する。
【0071】
このように、補助用の巻線33a〜33dおよび補助用の巻線33a〜33dと同軸に配置された発電用巻線35a〜35dについて、その軸線L3を回転軸線L1に沿って回転子20側に向けると、巻線33a〜33dからの磁束が回転子20の方向へ向く。そのため、巻線33a〜33dにより、第1巻線31〜第4巻線34のそれぞれの端部による磁力を、より強力に補強することができ、補助用の巻線33a〜33dからの磁力により発電用巻線35a〜35dにて発電させることができる。
【0072】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る回転電機について、電動機を例に、図面に基づいて説明する。
なお、
図11から
図16においては、本実施の形態5に係る電動機を説明するための概略図であり、固定子や出力軸を支持したり、センサ部などを支持したりする筐体は図示していない。また、回転子の永久磁石を保持して回転軸線を中心に回転させるハウジングは図示していない。更に、励磁回路部42(
図2参照)は、同様のものが使用できるため、説明は省略する。
【0073】
図11に示すように、本実施の形態5に係る電動機14は、回転子200の円柱状の永久磁石202のN極又はS極のいずれか一方の磁極が、回転子200の回転軸線L1に沿った方向を向いており、固定子300は、回転子200の磁極が向く方向における回転円周R1に沿って配置されている。
回転子200は、固定子300を挟んで、上下方向の両側に配置され、出力軸O1に接続されている。本実施の形態5に係る電動機14では、回転子200が上下方向に沿って、上段(第1回転子200a)、中段(第2回転子200b)、下段(第3回転子200c)の3つを備えている。そのため、それぞれの回転子200の間に固定子300が上段(第1固定子300a)及び下段(第2固定子300b)の2つ配置されている。
従って、上段の固定子300(第1固定子300a)は、上段および中段の回転子200(第1回転子200a,第2回転子200b)によって挟まれており、下段の固定子300(第2固定子300b)は、中段及び下段の回転子200(第2回転子200b,第3回転子200c)によって挟まれている。
【0074】
回転子200のそれぞれの永久磁石202は、回転軸線L1に沿った方向から見て、同位置に配置されている。
上段の回転子200(第1回転子200a)は、永久磁石202のN極とS極が交互に下方の固定子300に向くように配置されている。
中段の回転子200(第2回転子200b)における上方を向く磁極(上段の回転子200の永久磁石202と向き合う磁極)は、上段の回転子200と同極になるように配置されている。また、中段の回転子200の下方の向く磁極は、中段の回転子200の上方を向く磁極と反対の磁極である。
下段の回転子200(第3回転子200c)における上方を向く磁極(中段の回転子200の永久磁石202と向き合う磁極)は、中段の回転子200における下方を向く磁極と同極になるように配置されている。
【0075】
固定子300の巻線301〜304は、回転軸線L1に沿って複数備えており、上段の固定子300(第1固定子300a)と下段の固定子300(第2固定子300b)のそれぞれは、巻線301〜304同士の隙間が、回転円周方向に、45度、ずれた位置に配置されている。
固定子300は、回転子200の回転軸線L1を中心に円周方向に沿って円周を4分割した円弧状の巻線301〜304が、
図12に示すコア310に巻き回されて形成されている。
【0076】
図12に示すコア310は、両方の端部に位置する円盤状の鍔部311と、鍔部311の間を繋ぎ、周囲に巻線301〜304が巻き回される芯材312とにより形成されている。
コア310は、金属製とすることもできるが樹脂製とすることもできる。コア310を樹脂製とすれば磁気飽和が生じないので、巻線301〜304に大電流を流すときには好ましい。
【0077】
この固定子300は、
図14に示すように、それぞれの巻線301〜304が接続線305により接続されていることで直列接続されている。そして、直列接続された固定子300(巻線301〜304)の両端からの配線は、制御回路40の励磁回路部42に接続されている。
固定子300の巻線301〜304は、励磁回路部42により、向き合う端部同士が同極を発生するように配線が巻かれている。
【0078】
図示しないセンサ部は、実施の形態1のセンサ部41(
図1参照)と同様に、透過型のフォトインタラプタと、フォトインタラプタを通過する切欠き部を有する遮蔽板とを備えたものとすることができる。このようなセンサ部とすることにより、回転子200の永久磁石202の位置を検出することができる。本実施の形態5では、固定子300が4つの巻線301〜304を備え、第1固定子300aと第2固定子300bとが回転円周に沿って45度ずれたものであるため、巻線301〜304の端部同士が向き合う4ヵ所を検出するように形成されている。
【0079】
以上のように構成された本発明の実施の形態5に係る電動機14の動作を図面に基づいて説明する。
図13及び
図14に示すように、まず、初期状態として、上段の回転子200(第1回転子200a)は、永久磁石202が上段の固定子300(第1固定子300a)の巻線301〜304の中央部付近に位置しているが、中段の回転子(第2回転子200b)及び下段の(第3回転子200c)は、永久磁石202が下段の固定子300(第2固定子300b)の巻線301〜304の端部付近に位置している。
【0080】
センサ部が、下段の固定子300の巻線301〜304の端部付近に中段の回転子(第2回転子200b)及び下段の(第3回転子200c)が位置していることを検出すると、励磁回路部42は、上段の固定子300(第1固定子300a)について、巻線301と巻線302とが向き合う端部同士がN極、巻線302と巻線303とが向き合う端部同士がS極、巻線303と巻線304とが向き合う端部同士がN極、巻線304と巻線301とが向き合う端部同士がS極となるように通電する。
また、励磁回路部42は、
図13に示すように、下段の固定子300(第2固定子300b)について、巻線301と巻線302とが向き合う端部同士がS極、巻線302と巻線303とが向き合う端部同士がN極、巻線303と巻線304とが向き合う端部同士がS極、巻線304と巻線301とが向き合う端部同士がN極となるように通電する。
【0081】
図13及び
図14からも判るように、中段及び下段の回転子200と、下段の固定子300とは、同極同士が向き合うように位置するため、反発して回転する。
回転子200が固定子300に反発して45°回転して、上段及び中段の永久磁石202が巻線301〜304の端部への接近したことをセンサ部が検知すると、励磁回路部42は、上段の固定子300と下段の固定子300の電流の向きを反転させることで、巻線301〜304のそれぞれの磁極が反転する。
【0082】
巻線301〜304のそれぞれの磁極が反転することにより、上段及び中段の回転子200の永久磁石202が、上段の固定子300と同極同士が向き合うので、
図15及び
図16に示すように反発して回転する。
【0083】
このように、中段及び下段の回転子200が下段の固定子300に反発すると、固定子300が磁極を反転し、上段及び中段の回転子200が上段の固定子300に反発すると、固定子300が磁極を反転する。これを繰り返すことで、回転子200は回転し続けることができる。
【0084】
電動機14は、
図11に示すように、永久磁石202のN極又はS極のいずれか一方の磁極が、回転子200の回転軸線L1に沿った方向を向いており、固定子300が、回転子200の磁極が向く方向における回転円周R1に沿って配置されている。
そのため、巻線301〜304の端部同士が向き合い、回転子200の永久磁石202の方向を向いていないので、永久磁石202からの主磁束が、巻線301〜304の筒内に真っ直ぐ入るように横切らない。
従って、電動機14は、従来の発電機として動作する電動機より、起電力が小さいので、従来のものより逆起電力を小さくすることができる。よって、電動機14は、同じ回転数であれば、低い電圧で回転駆動させることができ、同じ電圧であれば、高速に回転させることができる。
【0085】
また、実施の形態1に係る電動機10(
図1参照)と同様に、
図11に示す回転子200の永久磁石202は、回転軸線L1に沿った方向に向いており、固定子300は、永久磁石202の磁極が向く方向における回転円周R1に沿って巻線C1が配置されている。
そのため、ハウジング(図示せず)に収納された永久磁石202は、遠心力が作用する方向と、巻線301〜304に接近させる方向とが異なる方向となるため、永久磁石202を巻線301〜304へ接近させてハウジングに配置して、回転子200を高速に回転させても、ハウジングから永久磁石202が飛び出してしまうことは無い。
従って、回転子200の高速回転を維持した状態で長時間の運転を可能とすることができる。
【0086】
更に、電動機14では、巻線301〜巻線304の隙間が、第1固定子300aと第2固定子300bとで円周方向に沿って45度ずれた位置に配置されている。そのため、回転子200が固定子300の端部同士の隙間にて減速又は停止しようとしても、他の固定子300にて回転駆動することができる。従って、回転子200が減速することなく回転を継続させることができる。
【0087】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6に係る回転電機について、電動機を例に、図面に基づいて説明する。なお、
図17においては、
図5(B)と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図17に示す本実施の形態6に係る電動機15は、回転子20の回転中心となる出力軸O1を中心に取り囲む固定子30bの巻線C2が、実施の形態2の電動機11と同様に、永久磁石22の磁極が向く方向における回転円周R1に沿って配置されており、回転子20の回転円周R1の接線に沿った軸線L2が直線状に形成されている。そして、巻線C2は、平行した2本が回転円周R1の半径方向に並べられた状態で、電気的に並列接続されている。
【0088】
このように軸線L2が直線状に形成された固定子30bの巻線C2を複数並列接続することで、固定子30bの抵抗値を低く抑えることができる。
従って、巻線C2を1本としたときと複数本としたときの方が電流を多く流すことができるため、回転子20の駆動力を増強することができる。
【0089】
本実施の形態6では、2本が一組の巻線C2により固定子30bが形成されていたが、3本以上を一組としてもよい。また、複数本の巻線C2を出力軸O1の回転軸線L1に沿って配置してもよい。
【0090】
なお、本実施の形態1〜6では、固定子として、
図1、
図5、
図6、
図7、
図8、
図11及び
図17に示す第1巻線31〜第4巻線34,巻線301〜304により形成されていたが、半周分とした一対の巻線としたり、120度ごとの3本の巻線としたり、5本以上の巻線としたりして、環状に形成されていてもよい。
いずれの場合でも、隣接する巻線の端部が同極を発生するように巻方向及び通電方向を制御する。
【0091】
固定子を奇数本の巻線により形成した場合には、隣接する巻線の端部が同極となるようにしても、異極同士となる箇所が1箇所できる。しかし、異極同士となる箇所は、磁気回路としては擬似的に繋がった巻線と見なせる。そのため、問題は無いが、巻線同士の間に無駄な隙間ができるため、巻線は偶数本とすることが望ましい。
【0092】
実施の形態1〜6では、電動機10〜15として説明したが、発電機として使用することも可能である。
また、実施の形態4では、
図9に示す回転速度調整部50が整流部51を備えているが、発電用巻線35a〜35dからの電力をそのまま消費できるのであれば、消費部52を、発電用巻線35a〜35dに、直接接続してもよい。
また、実施の形態3に係る電動機12の直管状の巻線33a〜33d(
図6参照)、実施の形態に4に係る電動機13の直管状の巻線33a〜33d及び発電用巻線35a〜35d(
図8参照)は、
図2(A)に示す実施の形態2に係る電動機12と、
図11に示す実施の形態5に係る電動機14と、
図17に示す実施の形態5に係る電動機15と、
図18に示す電動機16とに設けることもできる。
【0093】
図11に示す実施の形態5に係る電動機14では、固定子300が上段及び下段の2段設けられ、回転子200が固定子300を挟むように3段設けられていたが、固定子300と回転子200が1つずつでも、回転子200と固定子300との数を合わせてもよい。
更に、本実施の形態5では、永久磁石202が円柱状に形成されているが球状に形成されていてもよい。
【0094】
更に、
図5に示す電動機11の巻線C2は、軸線L2が直線状に形成され、軸線L2に直交する断面が円形状であったが、例えば、
図18に示すように、電動機16の巻線C3を、軸線L3が直線状で、軸線L3に直交する断面が楕円形状となるように形成することもできる。
また、回転子20は、固定子320を挟んで一対設けられている。
【0095】
このように、巻線C3は、回転軸線L1の方向が潰れた楕円形状に形成されているため、固定子320を挟んで両側に回転子20を配置したときに、断面が円形状のものより、永久磁石22同士を接近させて配置することができる。
従って、磁力が強くなる巻線C3の軸線L3に接近させて、永久磁石22の磁極を配置することができるため、回転子20の回転力を増加させることができる。
【0096】
なお、本実施の形態では、固定子320を挟んで両側に回転子20が設けられていたが、固定子320はいずれか一方でもよい。
また、巻線は、永久磁石22の磁極を、巻線の軸線に接近させることができればよいので、巻線の断面は、回転軸線L1に沿った方向の長さ(厚み)が、回転円周R1の半径方向の長さ(幅)より、短く形成されていればよい。従って、巻線の断面の厚みが幅より薄い、長方形や菱形、その他の多角形状とすることもできる。
また、
図18では、巻線C3の軸線L3が直線状に形成されているが、
図1に示す巻線C1が円弧状であっても、この巻線C1を回転軸線L1の方向が潰れた形状とすることもできる。また、
図17に示す電動機15のように巻線C1を平行に複数本設けてもよい。
【課題】逆起電力の発生を抑えることにより、高電圧を印加しなくても高回転とすることができ、高回転を長時間続けても回転子の信頼性を維持することができる回転電機を提供する。
【解決手段】電動機10は、複数の永久磁石22がハウジング21に回転円周R1に沿って配置され、永久磁石の磁極が回転軸線L1に沿った方向に向いた回転子20と、回転子20を回転駆動する磁束を励磁する複数の巻線Cから形成され、永久磁石22の磁極が向く方向における回転円周R1に沿って巻線Cが配置された固定子30とを備えている。固定子30は、回転子20が第1巻線31〜第4巻線34による固定子30の端部(一方の端部31T1,32T1,33T1,34T1、他方の端部31T2,32T2,33T2,34T2)に向いたときに、固定子30の端部から固定子30内への磁路Rが、回転子からの主磁束方向F1と交差する方向に形成されている。