特許第6359811号(P6359811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6359811
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】シートシャッター
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/13 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
   E06B9/13 B
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-164838(P2013-164838)
(22)【出願日】2013年8月8日
(65)【公開番号】特開2015-34387(P2015-34387A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116172
【氏名又は名称】ワールド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104488
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 良夫
(72)【発明者】
【氏名】吉竹 直行
【審査官】 兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−239978(JP,A)
【文献】 特開平11−022348(JP,A)
【文献】 特開2001−079105(JP,A)
【文献】 米国特許第05307859(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/13
E06B 9/42
E06B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部フレーム(3)と、該上部フレーム(3)の両端近傍下側に略垂直方向に連結したサイドフレーム(4)とで構成されたフレーム(2)と、
前記上部フレーム(3)内に回動自在に備えられるとともに駆動手段(7)に連結された回転シャフト(6)と、
前記サイドフレーム(4)内に左右の端部がそれぞれ位置する配置で、前記回転シャフト(6)に巻き取り及び巻きほどき自在に吊り下げられたシート(5)と、を備えたシートシャッター(1)において、
前記シート(5)の表面及び裏面に、上下方向に向けて、前記シート(5)を挟んで互いに対向する位置に1又は複数個の接触防止具(11)を備えるとともに、
前記シート(5)の表面に備えた接触防止具(11)は、長手方向に向いて見た場合の中央部分を山型に隆起させて突出部(12a)を形成するとともにその突出部(12a)の左右側は平坦状にしており、前記シート(5)の裏面に備えた接触防止具(11)は、長手方向に向いて見た場合の中央部分に突出部を形成するとともにその突出部の左右側は平坦にし、更に、突出部には前記突出部(12a)が嵌合する凹部(12b)が形成されている、ことを特徴とするシートシャッター。
【請求項2】
前記シート(5)は、下端部分に複数個の重り材(10)を、幅方向に間隔を置いて備えたことを特徴とする請求項1に記載のシートシャッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシートシャッターに係り、より詳しくは、シートシャッターを構成するシートの損傷を防止してシートの見栄えを良くするとともに、シートの寿命を長くすることを可能にしたシートシャッターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工場、倉庫等においては、外部からのゴミ、虫等の侵入を防止するために、また風が工場、倉庫等の内部に入り込むことを防止するために、出入り口にシートシャッターを取り付けることが行われている。そして、このシートシャッターによって出入り口を閉鎖することで、風が工場内等に入り込むことを防止するとともに更、に、ゴミ、虫等が工場内、倉庫内に入り込むことも防止可能である。
【0003】
ここで、従来のシートシャッターについて説明すると、図10及び図11は従来のシートシャッター31を説明するための図であり、図10は、従来のシートシャッター31を一方の面側(以下この面を「正面側」という。)から見た斜視図、図11は、図10におけるC−C線断面構造を示す図である。そして、図10において、従来のシートシャッター31は、工場、倉庫等の出入口に取り付けられる上部フレーム33、及び左右のサイドフレーム34により、ゲート型のフレーム32が構成されている。そして、このフレーム32により囲まれた空間にシート35が、巻き取り及び巻きほどき自在に吊り下げられている。
【0004】
即ち、前記上部フレーム33内には図示しない回転シャフトが回転自在に取り付けられており、この回転シャフトには、これを回転させるための駆動手段であるモーターが連結されている。
【0005】
また、回転シャフトには、シート35が吊り下げられており、このシート35は、図11に示すように、回転シャフトに吊り下げることで、左右の端部が前記サイドフレーム34内に位置する寸法とし、これにより、フレーム32で囲まれた空間を閉鎖可能としている。
【0006】
そして、このような構成において、シート35がフレーム32で囲まれた空間を閉鎖している状態において、モーターを駆動させて回転シャフトを一方方向に回転させると、シート35が回転シャフトに巻き取られながら上昇していき、これにより、シート35で閉鎖されていたフレーム32で囲まれた空間を解放することができる。
【0007】
一方、シート35が上昇しており、従ってフレーム32で囲まれた空間が解放されている状態で、前記モーターを前記と逆方向に回転させて、回転シャフトを前記と逆方向に回転させると、回転シャフトに巻き取られていたシート35が巻きほどかれ、これにより、シート35を下降し、フレーム32で囲まれた空間をシート35で閉鎖することが可能である。
【0008】
ところで、前述のようにシートシャッターでは、シートを巻き取った状態においてはシートの表面と裏面が接触するために、巻き取りを頻繁に行う場合には、シートの表面及び裏面が損傷してしまい、見栄えが悪くなるとともに、シートの寿命も短くなってしまうという問題点が指摘されていた。
【0009】
この点、シートの表面に上下方向に突出した接触防止部材を備えたシートシャッター用シート材が提案されており、このシート材によれば、シート材の表面が裏面と直接的に接触することが無いために、シート材の表面が損傷することを防止することが可能である。
【0010】
即ち、図8及び図9は、前述の接触防止部材を備えたシート材を下側から見た状態を示した図であり、図8は垂らしている状態のシート35を示し、図9は巻き取った状態のシートを示している。そして、図において38が接触防止部材であり、この接触防止部材38は、シート35の一方の面(図においては正面)に、上下方向に向けて備えている。
【0011】
そのために、図9に示すように、シート35を巻き取った場合には、シート35の表面がシート35の裏面に接触することを防止でき、それにより、シートの表面が損傷することを防止することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2011−247080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、前述の従来のシートシャッター用シート材では、シートの表面のみに接触防止部材を備えており、これにより、シート材の表面が裏面に接触することが無く、それにより、シート材の表面が損傷することは防止できるが、シートの裏面は接触防止部材に接触するために、シートの裏面の損傷を防止することはできない。
【0014】
その一方、シートシャッターの取り付けに際しては、取り付ける工場、倉庫等の内部の圧力等によって、正面側を屋内側に向ける場合と、裏面側を屋内側に向ける場合があり、限定されていないために、シートの裏面が外部に向いてしまうことがあり、このような場合には、シートの表面のみの損傷を防止した前述のシートシャッター用シートの発明では、損傷して見栄えが悪くなった面が外部に向いてしまうという問題点が指摘できる。
【0015】
また、前述の従来のシートシャッター用シート材では、シートの裏面の損傷を防止することができないために、シートの寿命を飛躍的に長くすることは困難である。
【0016】
そこで、本発明は、シートの表裏面の双方の損傷を防止可能としたシートシャッターを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のシートシャッターは、
上部フレームと、該上部フレームの両端近傍下側に略垂直方向に連結したサイドフレームとで構成されたフレームと、
前記上部フレーム内に回動自在に備えられるとともに駆動手段に連結された回転シャフトと、
前記サイドフレーム内に左右の端部がそれぞれ位置する配置で、前記回転シャフトに巻き取り及び巻きほどき自在に吊り下げられたシートと、を備えたシートシャッターにおいて、
前記シートの表面及び裏面に、上下方向に向けて、前記シートを挟んで互いに対向する位置に1又は複数個の接触防止具を備えるとともに、
前記シートの表面に備えた接触防止具は、長手方向に向いて見た場合の中央部分を山型に隆起させて突出部を形成するとともにその突出部の左右側は平坦状にしており、前記シートの裏面に備えた接触防止具は、長手方向に向いて見た場合の中央部分に突出部を形成するとともにその突出部の左右側は平坦にし、更に、突出部には前記突出部が嵌合する凹部が形成されている、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明のシートシャッターでは、シートの表面及び裏面に、上下方向に向けて1又は複数個の接触防止具を備えており、これにより、シートの表面及び裏面の双方が、シートを巻き取る際あるいは巻き取った際に互いに接触することを防止している。
【0019】
そのために、本発明のシートシャッターでは、シートの表面及び裏面の損傷を防止することができ、シートシャッターをどのような向きで工場、倉庫等の入り口に設置した場合でも、見栄えが悪くなることが無いとともに、シートの寿命を長くすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明のシートシャッターの実施例の正面図である。
図2図1におけるA−A線断面構造を示した図である。
図3】本発明のシートシャッターの実施例におけるシートを説明するための図である。
図4】本発明のシートシャッターの実施例におけるシートの作用を説明するための図である。
図5】本発明のシートシャッターの実施例の駆動機構を説明するための図である。
図6】本発明のシートシャッターの実施例における重り材を説明するための図である。
図7】本発明のシートシャッターの実施例における接触防止具を説明するための図である。
図8】従来の接触防止部材を説明するための図である。
図9】従来の接触防止部材を説明するための図である。
図10】従来のシートシャッターを説明するための図である。
図11】従来のシートシャッターを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のシートシャッターは、工場、倉庫等の出入口に取り付けられるフレームと、このフレームで囲まれた開口を閉鎖可能な配置でフレーム内に吊り下げられたシートを有している。
【0022】
そして、フレームは、上部フレームと、この上部フレームの両端近傍下側に略垂直方向に連結したサイドフレームとで構成されて全体としてゲート型としており、サイドフレームは、それぞれ、対向する側に開口が形成されており、サイドフレーム内にシートの幅方向の両端部分が挿装されている。
【0023】
また、上部フレーム内には回転シャフトが回動自在に備えられており、この回転シャフトは、モーター等の駆動手段に連結され、駆動手段を駆動することで回転シャフトを回動自在としている。
【0024】
更に、この回転シャフトには、シートが、巻き取り及び巻きほどき自在に吊り下げられており、回転シャフトを回動して回転シャフトにシートを巻き取り、あるいは巻き取っているシートを巻きほどくことで、シートを上昇させてフレームにより囲まれた空間を開放し、シートを下降させてフレームにより囲まれた空間をシートで閉鎖することを可能にしている。
【0025】
そして、シートの表面及び裏面には、上下方向に向けて、1又は複数個の接触防止具が備えられており、これにより、シートの表面及び裏面が互いに直接的に接触することを防止可能としている。
【0026】
ここで、接触防止具は、シートを挟んで互いに対向する位置に備えるとよく、これにより、シートの表面及び裏面を確実に非接触にすることが可能である。
【0027】
また、シートの表面に備えた接触防止具には、山型に形成した突出部を備えるとともに、シートの裏面に備えた接触防止具には、前記突出部が嵌合する凹部を備えるとよく、これにより、シートを挟んで互いに対向する位置に接触防止具を備えた場合には、シートを巻き取る際あるいは巻き取った際に、シートの表面に備えた接触防止具の突出部を、シートの裏面に備えた接触防止具の凹部に嵌合させ、互いの位置を固定することができるとともに、巻き上げたシートが大きくなることを防止することもできる。
【0028】
更に、シートの下端部分に重り材を備えるとともに、複数個の重り材を、シートの幅方向に間隔を置いて備えるとよく、これにより、シートを安定させることができるとともに、シートの下端部分に何らかの重量物が衝突してシートが変形した場合でも、容易にシート5を復元することが可能である。
【実施例1】
【0029】
本発明のシートシャッターの実施例について図面を参照して説明すると、図1は本実施例のシートシャッターの正面図であり、図において1が本実施例のシートシャッターである。また、図2図1におけるA−A線断面構造を示す図である。
【0030】
そして、本実施例のシートシャッター1では、上部フレームとサイドフレームとで構成されるゲート型のフレームを有しており、このフレーム内にシートが吊り下げられている。即ち、図1において3が上部フレームであり、本実施例において、前記上部フレーム3の両端近傍の下側には、略垂直方向にサイドフレーム4が連結されている。
【0031】
また、図2において、前記サイドフレーム4は、横断平面形状を略L字形状としており、正面側の側壁401と、左右側の側壁402とを有しており、側方側の開口が互いに対向する配置で前記上部フレーム3に連結されている。そしてそれにより、正面視野において、上部フレーム3と左右のサイドフレーム4とで、ゲート型のフレーム2が構成されており、このフレーム2を、工場、倉庫等の出入り口に取り付けることとしている。即ち、本実施例においては、前記サイドフレーム4内には取付部403が収容されており、この取付部403を、工場、倉庫等における柱、壁等の取付箇所17に取り付けることで、フレーム4の位置を固定するとともに、シートシャッター1を取り付けることとしている。なお、前述したように、シートシャッター1の取り付けに際しては、取り付ける工場、倉庫等の内部の圧力等によって、正面側を屋内側に向ける場合と、裏面側を屋内側に向ける場合があり、限定されてはいない。
【0032】
次に、前記フレーム2内には回転シャフトが幅方向に向けて備えられ、この回転シャフトに、フレーム2で囲まれた空間を閉鎖可能な配置で、シート5が吊り下げられており、このシート5を上昇あるいは下降することで、工場、倉庫等の出入り口を開閉自在としている。
【0033】
ここで、前記シート5を上昇あるいは下降させるための機構について図5を参照して説明すると、図5は前記上部フレーム3内の構造を示す概略図であり、図5において前記上部フレーム3内には、左右方向に向けて、回転シャフト6が回動自在に配設されており、この回転シャフト6は、駆動手段としてのモーター7の回転軸に連結されており、これにより、モーター7を駆動することで回転シャフト6を回動可能としている。なお、本実施例においては、正面視野に置いて前記上部フレーム3の左側にモーター室301を配置して、このモーター室301内にモーター7を備えている。
【0034】
そして、前記回転シャフト6にはシート5が吊り下げられているとともに、シート5の上端部分は回転シャフト6に固着されている。そのために、前記モーター7を駆動して回転シャフト6を一方方向に回転させると、前記シート5は回転シャフト6に巻き取られていきその下端部分が上昇し、及び、前記シート5が回転シャフト6に巻き取られている状態で前記モーター7を前記と逆方向に回転させると、回転シャフト6に巻き取られていたシート5は巻きほどかれ、これによりシート5を下降させることが可能となる。従って、本実施例のシートシャッター1は、従来のシートシャッターと同様に、モーター7の駆動によってシート5を上昇あるいは下降させて、工場、倉庫等の出入り口を開閉可能としている。
【0035】
次に、図2において13は、シート5の上昇及び下降を正確に行うためのガイドであり、また、図2において15は、前記ガイド13に係合する係合部である。即ち、本実施例においては、前記サイドフレーム4内に、ガイド溝14が内部に形成された長尺のガイド13が、サイドフレーム4の上下方向に向けて備えられており、一方、前記シート5の左右側の両端部分には、前記ガイド溝14に係合する係合部15が備えられており、係合部15を前記ガイド溝14に係合することで、シート5の巻き取り及び巻きほどきの際に、シート5の位置を維持しながら行うことを可能にしている。
【0036】
なお、本実施例において、前記ガイド溝14は、上下方向に連続した溝にしているとともに、シート15側には、シート15が貫通する貫通溝が形成されている。一方、前記シート15の左右側の端部に備えた係合部15は、それぞれが前記ガイド溝14内に嵌合可能な小さいブロック状としており、この係合部15を、シート15の左右側の端部に、上下方向に多数個取り付けている。
【0037】
また、本実施例においては、サイドフレーム4に基端部を固定したスプリング16の先端側を前記ガイド13に取り付けて、これにより、前記ガイド13を介して、常に前記シート5を左右側に付勢してシート5にテンションを与えており、また、例えばシート5に何らかの衝撃が加わってシート5が歪んでしまった場合でも、元の位置に復帰することを可能にしている。
【0038】
次に、図1において11は接触防止具である。即ち、本実施例のシートシャッター1では、前記シート5の表裏面に、上下方向に向けて2本の接触防止具11を、熱溶着により備えており、この接触防止具11の存在により、シート5を巻き上げたときに、シート5の表裏面が互いに接触して損傷してしまうことを防止している。
【0039】
ここで、前記接触防止具11の作用について説明すると、図3図4は前記シート5を下側から見た状態を示しており、図3は前記シート5を巻きほどいた状態を示しており、図4は、シート5を巻き取った状態を示している。そして、図に示されるように、本実施例においては、シート5の表面及び裏面のそれぞれの3か所に接触防止具11を備えるとともに、シート5の表面に備えた接触防止具11aとシート5の裏面に備えた接触防止具11bとを、シート5を挟んで互いに対向する位置に備えている。そのために、シート5を巻き上げたときには、図4に示すように、接触防止具11どうしが接触し、シート5の表面及び裏面が互いに直接的に接触し、あるいは接触防止具11と接触することが無く、従ってシート5の表面のみならず裏面も損傷を防止することができ、シートシャッターをどのような向きで工場、倉庫等の入り口に設置した場合でも、見栄えが悪くなることが無いとともに、シートの寿命を長くすることが可能である。
【0040】
なお、本発明において前記接触防止具11の構造は特に限定されることは無く、シート5の表面及び裏面に上下方向に向けて突出して備えることができればいずれでもよく、また、素材に関しても、樹脂製、ラバー製特に限定されず、更に備える方法も溶着、接着、縫製等いずれでもよいが、例えば、図7に示す形状にすると良い。
【0041】
即ち、図7は接触防止具11の一形態の構造を説明するための断面図であり、接触防止具11の構造を長手方向に見た場合の状態を説明するための断面図であり、図において11が接触防止具、5がシートである。そして、図7に示す接触防止具11では、シート5の表面に備えられる接触防止具11aでは、長手方向に向いて見た場合の中央部分を山型に隆起させて突出部12aを形成するとともにその突出部12aの左右側は平坦状にしている。一方、シート5の裏面に備えた接触防止具11bでは、長手方向に向いて見た場合の中央部分に突出部を形成するとともに、その突出部の左右側は平坦にし、更に、突出部には、前記突出部12aが嵌合する凹部12bが形成されている。
【0042】
そのために、図7に示した接触防止具11では、前述のように、シート5の表面に備えた接触防止具11aとシート5の裏面に備えた接触防止具11bを、シート5を挟んで互いに対向する位置に備えた場合には、シートを巻き取る際あるいは巻き取った際に、シート5の表面に備えた接触防止具11aの突出部12aを、シート5の裏面に備えた接触防止具11bの凹部12bに嵌合させることができるので、接触防止具11a、11bの互いの位置を固定することができるとともに、巻き上げたシート5が大きくなることを防止することもできる。
【0043】
次に、図6は、前記シート5の下方部分を示した一部断面図であり、図において10は重り材である。即ち、本実施例における前記シート5では、下端部分に袋状の重り材収容部9を形成しており、この重り材収容部9内に重り材10を収容している。
【0044】
また、本実施例における前記重り材10は、金属製のパイプ状としているとともに、前記重り材収容部9の左右方向の長さよりも短くし、具体的には、前記重り材収容部9内に、左右方向に並べて複数個を収容可能な長さとしており、本実施例においては図6に示すように、8個の重り材10を、前記重り材収容部9内に、左右方向に、間隔を置きながら収容している。
【0045】
そのために、本実施例のシートシャッター1では、シート5を下降させて工場、倉庫等の出入り口を閉鎖したときに、重り材10の存在によって、シート5の位置を安定させることができる。
【0046】
また、本実施例のシートシャッター1では、複数個の重り材を、重り材収容部9内に、間隔を置きながら、左右方向に並べて収容しているため、1本の重り材を重り材収容部内に収容した場合と異なり、例えばシート5の下端部分に何らかの重量物が衝突して、それによりシート5が変形した場合でも、重り材10が曲がることが無く、従ってシート5を復元することが容易である。
【0047】
次に、本実施例のシートシャッター1の作用について説明すると、本実施例のシートシャッター1では、シート5の表面及び裏面のそれぞれの3か所に接触防止具11を備えているために、この接触防止具11の存在により、シート5を巻き取ったときにシート5の表面及び裏面が、互いに直接的に接触し、あるいは接触防止具11と接触することが無く、従ってシート5の表面及び裏面の損傷を防止することができ、シートシャッターをどのような向きで工場、倉庫等の入り口に設置した場合でも、見栄えが悪くなることが無いとともに、シートの寿命を長くすることが可能である。
【0048】
また、本実施例のシートシャッター1では、シート5の下端部分に、複数個の金属製のパイプ状の重り材10を、左右方向に間隔を置きながら備えているために、シート5を下降させて工場、倉庫等の出入り口を閉鎖したときにシート5の位置を安定させることができるとともに、シート5の下端部分に何らかの重量物が衝突することでシート5が変形した場合でも、容易にシート5を復元することが可能である。
【0049】
なお、前述の説明では、前記シート5を上昇あるいは下降させるための機構として、モーターを駆動することで回動する回転シャフトにシートを吊り下げた形態を説明したが、本発明のシートシャッターでは、必ずしもこの形態の機構に限定されるものではない。
【0050】
即ち、シートシャッターにおいてシートを上昇あるいは下降させる機構としては、回転シャフトにシートを吊り下げ、回転シャフトを回動することでシートを巻き取りあるいは巻き取ったシートを巻きほどく機構の他に、牽引部材としてのベルトでシートの表裏を下部から架け渡し、ベルトを上昇あるいは下降させることで、ベルトで支持しているシートを上昇させ、あるいは下降させる方法が存在するが(特開2000−337056号公報、特開2010−248717号公報参照)、本発明のシートシャッター1では、このような牽引部材としてのベルトによってシートを上昇あるいは下降させる機構のシートシャッターでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明のシートシャッターでは、シートを巻き取り及び巻きほどくことで工場等の入り口を開閉するシートシャッターにおいて、巻き取った際にシートの表面及び裏面の双方を損傷から守ることを可能としているため、シートを巻き取り及び巻きほどくことで開閉する形態のシートシャッターの全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 シートシャッター
2 フレーム
3 上部フレーム
301 モーター室
4 サイドフレーム
5 シート
6 回転シャフト
7 モーター
9 重り材収容部
10 重り材
11 接触防止具
11a シートの表面に備えた接触防止具
11b シートの裏面に備えた接触防止具
12a 突出部
12b 凹部
13 ガイド
14 ガイド溝
15 係合部
16 スプリング
17 工場、倉庫の柱、壁等
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11