【実施例1】
【0029】
本発明のシートシャッターの実施例について図面を参照して説明すると、
図1は本実施例のシートシャッターの正面図であり、図において1が本実施例のシートシャッターである。また、
図2は
図1におけるA−A線断面構造を示す図である。
【0030】
そして、本実施例のシートシャッター1では、上部フレームとサイドフレームとで構成されるゲート型のフレームを有しており、このフレーム内にシートが吊り下げられている。即ち、
図1において3が上部フレームであり、本実施例において、前記上部フレーム3の両端近傍の下側には、略垂直方向にサイドフレーム4が連結されている。
【0031】
また、
図2において、前記サイドフレーム4は、横断平面形状を略L字形状としており、正面側の側壁401と、左右側の側壁402とを有しており、側方側の開口が互いに対向する配置で前記上部フレーム3に連結されている。そしてそれにより、正面視野において、上部フレーム3と左右のサイドフレーム4とで、ゲート型のフレーム2が構成されており、このフレーム2を、工場、倉庫等の出入り口に取り付けることとしている。即ち、本実施例においては、前記サイドフレーム4内には取付部403が収容されており、この取付部403を、工場、倉庫等における柱、壁等の取付箇所17に取り付けることで、フレーム4の位置を固定するとともに、シートシャッター1を取り付けることとしている。なお、前述したように、シートシャッター1の取り付けに際しては、取り付ける工場、倉庫等の内部の圧力等によって、正面側を屋内側に向ける場合と、裏面側を屋内側に向ける場合があり、限定されてはいない。
【0032】
次に、前記フレーム2内には回転シャフトが幅方向に向けて備えられ、この回転シャフトに、フレーム2で囲まれた空間を閉鎖可能な配置で、シート5が吊り下げられており、このシート5を上昇あるいは下降することで、工場、倉庫等の出入り口を開閉自在としている。
【0033】
ここで、前記シート5を上昇あるいは下降させるための機構について
図5を参照して説明すると、
図5は前記上部フレーム3内の構造を示す概略図であり、
図5において前記上部フレーム3内には、左右方向に向けて、回転シャフト6が回動自在に配設されており、この回転シャフト6は、駆動手段としてのモーター7の回転軸に連結されており、これにより、モーター7を駆動することで回転シャフト6を回動可能としている。なお、本実施例においては、正面視野に置いて前記上部フレーム3の左側にモーター室301を配置して、このモーター室301内にモーター7を備えている。
【0034】
そして、前記回転シャフト6にはシート5が吊り下げられているとともに、シート5の上端部分は回転シャフト6に固着されている。そのために、前記モーター7を駆動して回転シャフト6を一方方向に回転させると、前記シート5は回転シャフト6に巻き取られていきその下端部分が上昇し、及び、前記シート5が回転シャフト6に巻き取られている状態で前記モーター7を前記と逆方向に回転させると、回転シャフト6に巻き取られていたシート5は巻きほどかれ、これによりシート5を下降させることが可能となる。従って、本実施例のシートシャッター1は、従来のシートシャッターと同様に、モーター7の駆動によってシート5を上昇あるいは下降させて、工場、倉庫等の出入り口を開閉可能としている。
【0035】
次に、
図2において13は、シート5の上昇及び下降を正確に行うためのガイドであり、また、
図2において15は、前記ガイド13に係合する係合部である。即ち、本実施例においては、前記サイドフレーム4内に、ガイド溝14が内部に形成された長尺のガイド13が、サイドフレーム4の上下方向に向けて備えられており、一方、前記シート5の左右側の両端部分には、前記ガイド溝14に係合する係合部15が備えられており、係合部15を前記ガイド溝14に係合することで、シート5の巻き取り及び巻きほどきの際に、シート5の位置を維持しながら行うことを可能にしている。
【0036】
なお、本実施例において、前記ガイド溝14は、上下方向に連続した溝にしているとともに、シート15側には、シート15が貫通する貫通溝が形成されている。一方、前記シート15の左右側の端部に備えた係合部15は、それぞれが前記ガイド溝14内に嵌合可能な小さいブロック状としており、この係合部15を、シート15の左右側の端部に、上下方向に多数個取り付けている。
【0037】
また、本実施例においては、サイドフレーム4に基端部を固定したスプリング16の先端側を前記ガイド13に取り付けて、これにより、前記ガイド13を介して、常に前記シート5を左右側に付勢してシート5にテンションを与えており、また、例えばシート5に何らかの衝撃が加わってシート5が歪んでしまった場合でも、元の位置に復帰することを可能にしている。
【0038】
次に、
図1において11は接触防止具である。即ち、本実施例のシートシャッター1では、前記シート5の表裏面に、上下方向に向けて2本の接触防止具11を、熱溶着により備えており、この接触防止具11の存在により、シート5を巻き上げたときに、シート5の表裏面が互いに接触して損傷してしまうことを防止している。
【0039】
ここで、前記接触防止具11の作用について説明すると、
図3、
図4は前記シート5を下側から見た状態を示しており、
図3は前記シート5を巻きほどいた状態を示しており、
図4は、シート5を巻き取った状態を示している。そして、図に示されるように、本実施例においては、シート5の表面及び裏面のそれぞれの3か所に接触防止具11を備えるとともに、シート5の表面に備えた接触防止具11aとシート5の裏面に備えた接触防止具11bとを、シート5を挟んで互いに対向する位置に備えている。そのために、シート5を巻き上げたときには、
図4に示すように、接触防止具11どうしが接触し、シート5の表面及び裏面が互いに直接的に接触し、あるいは接触防止具11と接触することが無く、従ってシート5の表面のみならず裏面も損傷を防止することができ、シートシャッターをどのような向きで工場、倉庫等の入り口に設置した場合でも、見栄えが悪くなることが無いとともに、シートの寿命を長くすることが可能である。
【0040】
なお、本発明において前記接触防止具11の構造は特に限定されることは無く、シート5の表面及び裏面に上下方向に向けて突出して備えることができればいずれでもよく、また、素材に関しても、樹脂製、ラバー製特に限定されず、更に備える方法も溶着、接着、縫製等いずれでもよいが、例えば、
図7に示す形状にすると良い。
【0041】
即ち、
図7は接触防止具11の一形態の構造を説明するための断面図であり、接触防止具11の構造を長手方向に見た場合の状態を説明するための断面図であり、図において11が接触防止具、5がシートである。そして、
図7に示す接触防止具11では、シート5の表面に備えられる接触防止具11aでは、長手方向に向いて見た場合の中央部分を山型に隆起させて突出部12aを形成するとともにその突出部12aの左右側は平坦状にしている。一方、シート5の裏面に備えた接触防止具11bでは、長手方向に向いて見た場合の中央部分に突出部を形成するとともに、その突出部の左右側は平坦にし、更に、突出部には、前記突出部12aが嵌合する凹部12bが形成されている。
【0042】
そのために、
図7に示した接触防止具11では、前述のように、シート5の表面に備えた接触防止具11aとシート5の裏面に備えた接触防止具11bを、シート5を挟んで互いに対向する位置に備えた場合には、シートを巻き取る際あるいは巻き取った際に、シート5の表面に備えた接触防止具11aの突出部12aを、シート5の裏面に備えた接触防止具11bの凹部12bに嵌合させることができるので、接触防止具11a、11bの互いの位置を固定することができるとともに、巻き上げたシート5が大きくなることを防止することもできる。
【0043】
次に、
図6は、前記シート5の下方部分を示した一部断面図であり、図において10は重り材である。即ち、本実施例における前記シート5では、下端部分に袋状の重り材収容部9を形成しており、この重り材収容部9内に重り材10を収容している。
【0044】
また、本実施例における前記重り材10は、金属製のパイプ状としているとともに、前記重り材収容部9の左右方向の長さよりも短くし、具体的には、前記重り材収容部9内に、左右方向に並べて複数個を収容可能な長さとしており、本実施例においては
図6に示すように、8個の重り材10を、前記重り材収容部9内に、左右方向に、間隔を置きながら収容している。
【0045】
そのために、本実施例のシートシャッター1では、シート5を下降させて工場、倉庫等の出入り口を閉鎖したときに、重り材10の存在によって、シート5の位置を安定させることができる。
【0046】
また、本実施例のシートシャッター1では、複数個の重り材を、重り材収容部9内に、間隔を置きながら、左右方向に並べて収容しているため、1本の重り材を重り材収容部内に収容した場合と異なり、例えばシート5の下端部分に何らかの重量物が衝突して、それによりシート5が変形した場合でも、重り材10が曲がることが無く、従ってシート5を復元することが容易である。
【0047】
次に、本実施例のシートシャッター1の作用について説明すると、本実施例のシートシャッター1では、シート5の表面及び裏面のそれぞれの3か所に接触防止具11を備えているために、この接触防止具11の存在により、シート5を巻き取ったときにシート5の表面及び裏面が、互いに直接的に接触し、あるいは接触防止具11と接触することが無く、従ってシート5の表面及び裏面の損傷を防止することができ、シートシャッターをどのような向きで工場、倉庫等の入り口に設置した場合でも、見栄えが悪くなることが無いとともに、シートの寿命を長くすることが可能である。
【0048】
また、本実施例のシートシャッター1では、シート5の下端部分に、複数個の金属製のパイプ状の重り材10を、左右方向に間隔を置きながら備えているために、シート5を下降させて工場、倉庫等の出入り口を閉鎖したときにシート5の位置を安定させることができるとともに、シート5の下端部分に何らかの重量物が衝突することでシート5が変形した場合でも、容易にシート5を復元することが可能である。
【0049】
なお、前述の説明では、前記シート5を上昇あるいは下降させるための機構として、モーターを駆動することで回動する回転シャフトにシートを吊り下げた形態を説明したが、本発明のシートシャッターでは、必ずしもこの形態の機構に限定されるものではない。
【0050】
即ち、シートシャッターにおいてシートを上昇あるいは下降させる機構としては、回転シャフトにシートを吊り下げ、回転シャフトを回動することでシートを巻き取りあるいは巻き取ったシートを巻きほどく機構の他に、牽引部材としてのベルトでシートの表裏を下部から架け渡し、ベルトを上昇あるいは下降させることで、ベルトで支持しているシートを上昇させ、あるいは下降させる方法が存在するが(特開2000−337056号公報、特開2010−248717号公報参照)、本発明のシートシャッター1では、このような牽引部材としてのベルトによってシートを上昇あるいは下降させる機構のシートシャッターでも良い。