(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行機体の後部に装着される作業機本体と、該作業機本体の左右両側に回動自在に設けられた左右一対の可動部左及び可動部右と、前記可動部左及び前記可動部右の回動を遠隔操作する遠隔操作手段とを備える農作業機であって、
前記遠隔操作手段には、前記可動部左、前記可動部右、並びに前記可動部左及び前記可動部右の両方のいずれを操作するのかを選択するための可動部左右選択スイッチが設けられると共に、前記可動部左右選択スイッチにより選択された前記可動部左及び/又は前記可動部右の開閉動作を制御するための可動部開閉スイッチが設けられ、
前記作業機本体の左側及び前記可動部左の少なくともいずれかに発光体左が設けられ、
前記作業機本体の右側及び前記可動部右の少なくともいずれかに発光体右が設けられ、
前記可動部左右選択スイッチにより、前記可動部左が選択された時点で前記発光体左を発光させ、前記可動部右が選択された時点で前記発光体右を発光させ、前記可動部左及び前記可動部右の両方が選択された時点で前記発光体左及び前記発光体右の両方を発光させる制御手段が設けられている
ことを特徴とする農作業機。
前記可動部左及び前記可動部右は、前記作業機本体の左右両端部に回動可能に設けられた延長作業部左及び延長作業部右、又は前記延長作業部左を回動させる回動駆動部左及び前記延長作業部右を回動させる回動駆動部右である
ことを特徴とする請求項1に記載の農作業機。
前記可動部左は、前記作業機本体の左端部に回動可能に設けられた延長作業部左の左端部に回動自在に設けられた延長整地板左、又は前記延長整地板左を回動させる延長整地板回動駆動部左であり、
前記可動部右は、前記作業機本体の右端部に回動可能に設けられた延長作業部右の右端部に回動自在に設けられた延長整地板右、又は前記延長整地板右を回動させる延長整地板
回動駆動部右である
ことを特徴とする請求項1に記載の農作業機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態を
図1〜
図6に基づいて説明する。本実施形態は、代掻き作業機のうち作業機本体の両側に左右の作業体が折り畳み且つ展開可能な代掻き作業機を例にして説明する。なお、説明の都合上、
図1に示す矢印の方向を、前後方向及び左右方向として以下説明する。
【0016】
代掻き作業機1は、
図1(平面図)に示すように、走行機体90の後部に装着されて走行機体90の前進走行とともに進行して代かき作業を行うものである。代掻き作業機1は、前進方向に対して左右方向の中央部に配置された作業機本体2と、この左右両端部に上下方向に回動可能に取り付けられた延長作業部左20L及び延長作業部右20Rとを備え、作業機本体2、延長作業部左20L、延長作業部右20Rによって3分割構造になっている。
【0017】
作業機本体2は、左右方向に延びる主フレーム3を有した機体5の前部に、走行機体90の後部に設けられた図示しない3点リンク連結機構が連結されて、走行機体90の後部に対して昇降可能に装着される。主フレーム3の左右方向の中央部には前方へ突出する入力軸6aを備えたギアボックス6が設けられ、走行機体90のPTO軸からユニバーサルジョイント等の動力伝達手段を介して動力が入力軸6aに伝達されるようになっている。
【0018】
主フレーム3の左右両端部には伝動フレーム(チェーンケース)8と側部フレーム9が垂設され、伝動フレーム(チェーンケース)8と側部フレーム9の下部間には多数の耕耘爪を取り付けた耕耘ロータ10(
図3参照)が回転自在に支持されている。主フレーム3内には伝動機構が設けられ、この伝動機構が伝動フレーム(チェーンケース)8内の伝動機構と連結されて、入力軸6aに伝達された動力がこれらの伝動機構を介して作業機本体2の耕耘ロータ10と延長作業部左20L、延長作業部右20Rに設けられた耕耘ロータ21(
図3参照)に伝達されて、作業機本体2の耕耘ロータ10と延長作業部左20L、延長作業部右20Rに設けられた耕耘ロータ21を所定方向に回転させるように構成されている。
【0019】
伝動フレーム(チェーンケース)8と側部フレーム9の上部間には耕耘ロータ10の上部を覆うシールドカバー11が設けられている。このシールドカバー11の後端部には、前端部が上下方向に回動自在に取り付けられて後側が斜め下方へ延びる第1整地板12が取り付けられ、第1整地板12の後端部によって耕土表面が平らに整地される。第1整地板12の後端部には、第2整地板13が上下方向に回動自在に取り付けられ、この第2整地板13によって圃場の耕土表面がさらに平らに整地される。
【0020】
作業機本体2の左右両端部には、シールドカバー11の上方位置に前後方向に延びる軸部14が設けられ、この軸部14を中心として延長作業部左20L及び延長作業部右20Rが上下方向に回動自在に設けられている。これら延長作業部左20L及び延長作業部右20Rは、作業機本体2の左右両側に設けられた回動シリンダ左22L、回動シリンダ右22Rを介して作業機本体2の上方に折り畳まれる格納位置Pk(
図4参照)と、作業機本体2の側方に展開される作業位置Psとの間を回動可能である。回動シリンダ左22L、回動シリンダ右22Rは電動油圧式であり、後述するリモコン装置60及び制御手段75によってその作動が制御される。
【0021】
延長作業部左20L及び延長作業部右20Rは、左右対称の構造であり、延長作業部左20Lについて説明する。延長作業部左20Lは、
図2(前側部分斜視図)及び
図3(部分正面図)に示すように、左右両側に側部フレーム23L、24Lが配設され、これらの側部フレーム23L、24Lの下部間には耕耘ロータ21が回転自在に支持され、側部フレーム23L、24Lの上部間には耕耘ロータ21の上部を覆うシールドカバー左25Lが設けられている。シールドカバー左25Lの後端部には、第1整地板左26Lが上下方向に回動自在に取り付けられ、第1整地板左26Lの後端部に第2整地板左28Lが上下方向に回動自在に取り付けられている。
【0022】
第2整地板左28Lの外側端部には、延長整地板左33L(
図1参照)が上下方向に回動自在に設けられている。延長整地板左33Lは、
図1に示すように、第2整地板左28Lの左右方向外側端部に前後方向に延設された軸部32を中心として回動自在に設けられている。延長整地板左33Lは、展開された作業位置では第2整地板左28Lの外側に延びて第2整地板左28Lの整地作業を補助し、第2整地板左28Lの表面側に折り畳まれる位置(格納位置)に回動すると第2整地板左28L上に格納される。
【0023】
延長整地板左33Lは、延長作業部左20Lのシールドカバー左25L上に設けられた回動装置40によって格納位置と作業位置との間を回動可能である。回動装置40は、カバー41によって覆われた駆動モータ42と、駆動モータ42と延長整地板左33Lとの間に接続され、駆動モータ42からの駆動力によって延長整地板左33Lを回動させるリンク機構部45とを有してなる。駆動モータ42は、後述する制御手段75によって作動が制御される。
【0024】
なお、延長作業部右20Rについては、延長作業部左20Lに対応する符号を附して説明を省略する。
【0025】
このように構成された代掻き作業機1には、
図4(前側部分斜視図)及び
図5(部分正面図)に示すように、延長作業部左20L及び延長作業部右20Rが非作業状態時(格納位置)にあるときに、走行機体90に搭乗した作業者Mが運転席91から後に振り返った状態で作業機本体2の左右方向の外側端部位置を視認するための2つの発光体左51L及び発光体右51Rが設けられている。
【0026】
発光体左51L及び発光体右51Rは、主フレーム3の左右両端部の前側上部にそれぞれ設けられている。発光体左51L及び発光体右51Rは、例えば赤色の光を発光する発光ダイオード(LED)で構成される。尚、発光体左51L及び発光体右51Rの位置は、主フレーム3の左右両端部の前側上部に限るものではなく、作業者Mが運転席91から後に振り返った状態で視認可能であればシールドカバー11の左右両端部付近又は近傍でもよい。
【0027】
また、代掻き作業機1には、延長作業部左20L及び延長作業部右20Rが非作業状態時(格納位置)にあるときに、走行機体90に搭乗した作業者Mが運転席91から後に振り返った状態で、折り畳まれた延長作業部左20L及び延長作業部右20Rの左右方向の外側端部位置を視認可能な2つの補助発光体左52L及び補助発光体右52R(図示せず)が設けられている。
【0028】
補助発光体左52L及び補助発光体右52Rは、シールドカバー左25L及びシールドカバー右25Rの作業機本体2側の端部付近又は近傍にそれぞれ設けられている。補助発光体左52L及び補助発光体右52Rは、例えば赤色の光を発光する発光ダイオード(LED)で構成される。尚、補助発光体左52Lは及び補助発光体右52Rの位置は、シールドカバー左25L及びシールドカバー右25Rの作業機本体2側の端部付近又は近傍に限るものではなく、作業者Mが運転席91から後に振り返った状態で視認可能であれば、延長作業部左20L及び延長作業部右20Rの各々略中央部付近でもよい。
【0029】
さらに、代掻き作業機1には、
図1に示すように、延長作業部左20L及び延長作業部右20Rの少なくともいずれかが作業位置Psにあるときに、走行機体90に搭乗した作業者Mが運転席91から後に振り返った状態で、延長整地板左33L及び延長整地板右33Rの少なくともいずれかを選択する際に視認するための2つの延長発光体左53L及び延長発光体右53Rが設けられている。
【0030】
延長発光体左53L及び延長発光体右53Rは、延長作業部左20L及び延長作業部右20R上にそれぞれ設けられた回動装置40のカバー41上に設けられている。延長発光体左53L及び延長発光体右53Rは、例えば赤色の光を発光する発光ダイオード(LED)で構成される。これらの発光体は、後述する制御手段75によってその作動が制御される。
【0031】
尚、延長発光体左53L及び延長発光体右53Rの位置は、回動装置40のカバー41上に限るものではなく、作業者Mが運転席91から後に振り返った状態で視認可能であれば、各々延長作業部左20Lの左端部付近又は近傍、延長作業部右20Rの右端部付近又は近傍でもよい。また、発光体左51L及び発光体右51R、補助発光体左52L及び補助発光体右52R、延長発光体左53L及び延長発光体右53Rをまとめて、以下、単に「発光体」と記す。
【0032】
次に、リモコン装置60について説明する。リモコン装置60は、
図1及び
図6(平面図)に示すように、走行機体90の運転席91に搭乗した作業者Mが操作できるように、複数の操作スイッチ61の押圧操作に応じた操作指令の無線信号を出力するように構成されている。リモコン装置60は、作業者Mが手で把持可能な大きさを有した縦長の操作ボックス62を有し、この操作ボックス62の表面には複数の操作スイッチ61等が配設されている。
【0033】
操作ボックス62の表面には、電源スイッチ64(61)、電源ランプ(LED)65、左右切替スイッチ66(61)、左右モードランプ67,68、作業機開閉スイッチ69(61),70(61)、延長レベラ開閉スイッチ71(61),72(61)等が備えられている。
【0034】
電源スイッチ64は、操作ボックス62の長手方向一方側の端部に配設され、リモコン装置60の電源の入り切りを行うスイッチである。電源スイッチ64はこれを押すと、電源が投入され、再度押すと電源が切れるように構成されている。電源ランプ(LED)65は、電源スイッチ64に隣接して設けられ、電源が投入されると、電波圏内で通信が確立された場合に点灯し、電波圏外で通信が確立されなかった場合には、通信エラーとなり点滅する。
【0035】
左右切替スイッチ66は、電源スイッチ64の操作ボックス長手方向他方側に隣接して配設され、延長作業部左20L及び延長作業部右20Rの開閉、延長整地板左33L及び延長整地板右33Rの開閉を行う際、各々左右どちらを動かすか或いは左右両方を動かすのかを選択するためのスイッチである。このスイッチを押すと左右同時、右、左、左右同時と順次操作モードの切替ができる。電源投入時は、左右同時モードで立ち上がるように構成されている。
【0036】
左右モードランプ67,68は、左右切替スイッチ66の幅方向両側に配設され、左右同時モードの時は、左右モードランプ67,68が点灯し、右モードの時は、右側の左右モードランプ68が点灯し、左モードの時は、左側の左右モードランプ67が点灯する。なお、詳細は後述するが、右側のランプ及び左側のランプの少なくともいずれかが点灯すると、それに対応した前述した作業機本体2等に設けられた発光体のいずれかが点滅する。
【0037】
作業機開閉スイッチ69,70は、左右切替スイッチ66の操作ボックス長手方向他方側に隣接して配設され、押しているときだけ作動し、例えば、延長作業部左20L又は延長作業部右20Rが折り畳まれた状態(格納状態)で作業機開閉スイッチ69(図面では「開」)を押すと、延長作業部左20L又は延長作業部右20Rが開いて作業状態となる。延長作業部左20L又は延長作業部右20Rが展開された状態(作業状態)で作業機開閉スイッチ70(図面では「閉」)を押すと、延長作業部左20L又は延長作業部右20Rが折り畳まれた状態(格納状態)になる。
【0038】
延長レベラ開閉スイッチ71,72は、作業機開閉スイッチ69,70の操作ボックス長手方向他方側に隣接して配設され、押しているときだけ作動し、例えば、延長整地板左33L又は延長整地板右33Rが折り畳まれた状態(格納状態)で延長レベラ開閉スイッチ71(図面では「開」)を押すと折り畳まれた延長整地板左33L又は延長整地板右33Rが開いて作業状態になる。また、延長整地板左33L又は延長整地板右33Rが開いている状態(作業状態)で延長レベラ開閉スイッチ72(図面では「閉」)を押すと、開いている延長整地板左33L又は延長整地板右33Rが折り畳まれた状態になる。
【0039】
次に、制御手段75について説明する。制御手段75は、
図1に示すように、代掻き作業機1の作業機本体2の主フレーム3上に取り付けられ、リモコン装置60からの指令信号を受信し、受信した指令信号に応じて代掻き作業機1の作動及び発光体の発光を制御するものである。つまり、制御手段75は、リモコン装置60からの指令信号を受信する受信装置であるとともに、受信した指令信号に応じて代掻き作業機1の作動を制御する制御装置でもある。
【0040】
制御手段75の制御内容について(a)延長作業部左20L及び延長作業部右20Rを同時に格納状態から作業状態にする場合、(b)延長作業部左20L又は延長作業部右20Rを格納状態から作業状態にする場合、(c)延長整地板左33L及び延長整地板右33Rを同時に格納状態から作業状態にする場合、(d)延長整地板左33L又は延長整地板右33Rを格納状態から作業状態にする場合について説明する。
【0041】
(a)延長作業部左20L及び延長作業部右20Rを同時に格納状態から作業状態にする場合について、
図1、
図4、
図5、
図6を参照しながら説明する。先ず、走行機体90に搭乗している作業者Mは、リモコン装置60を把持した状態で後方側へ振り向き、リモコン装置60の電源スイッチ64を押して、電源ランプ65が点灯していることを確認する。そして、作業者は、左右切替スイッチ66を1回押し、2つの左右モードランプ67,68が点灯していることを確認する。左右切替スイッチ66が1回押されると、リモコン装置60は、左右切替スイッチ66の押圧操作に応じた操作指令の無線信号を出力する。
【0042】
制御手段75は、リモコン装置60からの無線信号を受信すると、発光体左51L及び発光体右51Rを点滅させる。なお、発光体の発光方法は、点灯でもよい。このように、左右切替スイッチ66を1回押すと、発光体左51L及び発光体右51Rが点滅するので、走行機体90に搭乗した作業者Mは、延長作業部左20L及び延長作業部右20Rが選択されたことを容易に認識することができる。そして、作業者は作業機開閉スイッチ69を押すと、リモコン装置60から無線信号が制御手段75に送信される。そして、制御手段75はこの無線信号に応じて延長作業部左20L及び延長作業部右20Rを同時に回動させて格納状態から作業状態にする。
【0043】
なお、制御手段75は、発光体左51L及び発光体右51Rの点滅時に、補助発光体左52L及び補助発光体右52Rを同時に点滅させてもよい。また、発光体左51L及び発光体右51Rの点滅の代わりに、補助発光体左52L及び補助発光体右52Rを同時に点滅させてもよい。
【0044】
(b)延長作業部左20L又は延長作業部右20Rを格納状態から作業状態にする場合について、
図1、
図4、
図5、
図6を参照しながら説明する。延長作業部左20Lのみを格納状態から作業状態にする場合には、走行機体90に搭乗している作業者Mは、リモコン装置60を把持した状態で後へ振り向き、リモコン装置60の電源スイッチ64を押して電源ランプ65の点灯を確認した後に、左右切替スイッチ66を2回押し、左右モードランプ67が点灯していることを確認する。左右切替スイッチ66が2回押されると、リモコン装置60は、左右切替スイッチ66の押圧操作に応じた操作指令の無線信号を出力する。
【0045】
制御手段75は、リモコン装置60からの無線信号を受信すると、発光体左51Lを点滅させる。なお、発光体左51Lの発光方法は、点灯でもよい。
【0046】
ここで、作業者Mがリモコン装置60を把持した状態で走行機体90の後方へ振り向くと、リモコン装置60の左右方向と代掻き作業機1の左右関係が反対になる。このため、延長作業部左20Lを回動させたい場合に、作業者Mは、リモコン装置60の幅方向右側の左右モードランプ68が点灯するように左右切替スイッチ66を誤操作する虞がある。しかしながら、作業者Mによる左右切替スイッチ66の誤操作によって左右モードランプ68が点灯すると、制御手段75は代掻き作業機1の右側に配設された発光体右51Rを点滅させるので、作業者Mは左右切替スイッチ66を誤操作したことを容易に認識することができる。従って、作業者Mはリモコン装置60の幅方向左側の左右モードランプ67が点灯するよう左右切替スイッチ66を再操作し、制御手段75は発光体左51Lを点滅させる。
【0047】
そして、作業者Mは作業機開閉スイッチ69(図面では「開」)を押すと、リモコン装置60から無線信号が制御手段75に送信される。そして、制御手段75はこの無線信号に応じて延長作業部左20Lを回動させて格納状態から作業状態にする。
【0048】
なお、延長作業部右20Rを格納状態から作業状態にする場合については、延長作業部左20Lを格納状態から作業状態にする場合に準じるので、その説明は省略する。
【0049】
(c)延長整地板左33L及び延長整地板右33Rを同時に格納状態から作業状態にする場合について、
図1、
図6を参照しながら説明する。先ず、延長整地板左33L及び延長整地板右33Rを同時に格納状態から作業状態にする場合には、延長作業部左20L及び延長作業部右20Rがともに作業位置Psに移動している場合を前提条件とする。このような前提条件を満たしているときに、走行機体90に搭乗している作業者Mは、リモコン装置60を把持した状態で後方側へ振り向き、リモコン装置60の電源スイッチ64を押して電源ランプ65の点灯を確認した後に、左右切替スイッチ66を1回押して、2つの左右モードランプ67,68が点灯していることを確認する。左右切替スイッチ66が1回押されると、リモコン装置60は、左右切替スイッチ66の押圧操作に応じた操作指令の無線信号を出力する。
【0050】
制御手段75は、リモコン装置60からの無線信号を受信すると、延長発光体左53L及び延長発光体右53Rを点滅させる。なお、これらの発光体の発光方法は、点灯でもよい。このように、左右切替スイッチ66を1回押すと、延長発光体左53L及び延長発光体右53Rが点滅するので、走行機体90に搭乗した作業者Mは、延長整地板左33L及び延長整地板右33Rが選択されたことを容易に認識することができる。そして、作業者は延長レベラ開閉スイッチ71(図面では「開」スイッチ)を押すと、リモコン装置60から無線信号が制御手段75に送信される。そして、制御手段75はこの無線信号に応じて延長整地板左33L及び延長整地板右33Rを同時に回動させて格納状態から作業状態にする。
【0051】
(d)延長整地板左33L又は延長整地板右33Rを格納状態から作業状態にする場合について、
図1、
図6を参照しながら説明する。先ず、延長整地板左33Lのみを格納状態から作業状態にする場合について説明する。延長整地板左33Lのみを作業状態にする場合には、延長整地板左33Lが設けられた延長作業部左20Lが作業位置Psに移動していることが前提条件となる。このような前提条件を満たしているときには、先ず、走行機体90に搭乗している作業者Mは、リモコン装置60を把持した状態で後方側へ振り向き、リモコン装置60の電源スイッチ64を押して電源ランプ65の点灯を確認した後に、左右切替スイッチ66を2回押し、左右モードランプ67が点灯していることを確認する。左右切替スイッチ66が2回押されると、リモコン装置60は、左右切替スイッチ66の押圧操作に応じた操作指令の無線信号を出力する。
【0052】
制御手段75は、リモコン装置60からの無線信号を受信すると、延長発光体左53Lを点滅させる。なお、発光体の発光方法は、点灯でもよい。
【0053】
ここで、作業者Mがリモコン装置60を把持したままで走行機体90の後方側へ振り向くと、リモコン装置60の左右方向と代掻き作業機1の左右関係が反対になる。このため、延長整地板左33Lを回動させたい場合に、作業者Mは、リモコン装置60の幅方向右側の左右モードランプ68が点灯するように左右切替スイッチ66を誤操作する虞がある。しかしながら、作業者Mによる左右切替スイッチ66の誤操作によってリモコン装置60の幅方向の右側の左右モードランプ68が点灯すると、制御手段75は代掻き作業機1の右側に配設された延長発光体右53Rを点滅させるので、作業者Mは左右切替スイッチ66を誤操作したことを容易に認識することができる。
【0054】
従って、作業者Mはリモコン装置60の幅方向の左側の左右モードランプ67が点灯するように左右切替スイッチ66を再操作する。その結果、制御手段75は、延長発光体左53Lを点滅させ、作業者Mは延長発光体左53Lが点滅するのを確認した後に、延長レベラ開閉スイッチ71を押す。延長レベラ開閉スイッチ71が押されると、リモコン装置60は、延長レベラ開閉スイッチ71の押圧操作に応じた操作指令の無線信号を出力し、制御手段75は、リモコン装置60からの無線信号を受信すると、この無線信号に応じて延長整地板左33Lを回動させて格納状態から作業状態にする。
【0055】
なお、延長整地板右33Rを格納状態から作業状態にする場合については、延長整地板左33Lを格納状態から作業状態にする場合に準じるので、その説明は省略する。
【0056】
このように、本発明の代掻き作業機1には、作業機本体2の主フレーム3の左右両側に発光体左51L及び発光体右51Rが設けられ、延長作業部左20L及び延長作業部右20Rのシールドカバー左25L及びシールドカバー右25Rの軸部14側に補助発光体左52L及び補助発光体右52Rが設けられ、延長作業部左20L及び延長作業部右20Rのそれぞれの回動装置40のカバー41上に延長発光体左53L及び延長発光体右53Rが設けられている。また、これらの発光体は、左右切替スイッチ66の操作に応じて制御手段75が発光を制御する。
【0057】
このため、走行機体90に搭乗した作業者Mが後方を振り向いた状態で、例えば代掻き作業機1の左側に設けられた延長作業部左20L又は延長整地板左33Lを回動させたい場合に、代掻き作業機1の左右を誤認してリモコン装置60の左右切替スイッチ66を誤操作すると、作業者が回動させたい延長作業部左20L又は延長整地板左33Lと反対側の延長作業部右20R又は延長整地板右33Rに対応する発光体が点滅する。このため、作業者Mはリモコン装置60の誤操作を容易に認識することができ、後方を振り向く作業者の左右の誤認を起こりにくくすることができる。
【0058】
なお、前記した実施例では、制御手段75は、延長作業部左20L及び延長作業部20Rの少なくともいずれかの選択前に、発光体左51L及び発光体右51Rを共に消灯させた状態にし、左右切替スイッチ66による延長作業部左20Lの選択時に発光体左51Lを点滅させ、延長作業部右20Rの選択時に発光体右51Rを点滅させ、延長作業部左20L及び延長作業部右20Rの選択時に発光体左51L及び発光体右51Rを点滅させたが、これらの発光体の発光態様はこれに限るものではない。
【0059】
例えば、制御手段75は、延長作業部左20Lの選択前に、発光体左51L及び発光体右51Rを共に点灯させた状態にし、延長作業部左20Lの選択時に、発光体右51Rを点灯させたままで又は消灯させて発光体左51Lを点滅させたり、また、延長作業部右20Rの選択前に、発光体左51L及び発光体右51Rを共に点灯させた状態にし、延長作業部左20Rの選択時に、発光体左51Lを点灯させたままで又は消灯させて発光体右51Rを点滅させてもよい。さらに、制御手段75は、延長作業部左20L及び延長作業部右20Rの選択前に、発光体左51L及び発光体右51Rを共に点灯させた状態にし、延長作業部左20L及び延長作業部右20Rの選択時に、発光体右51L及び発光体右51Rを点滅させたり又は消灯させたりしてもよい。
【0060】
また、前記した実施例では、制御手段75は、延長整地板左33L及び延長整地板右33Rの少なくともいずれかの選択前に、延長発光体左53L及び延長発光体右53Rを共に消灯させた状態にし、
左右切替スイッチ66による延長整地板左33Lの選択時に延長発光体左53Lを点滅させ、延長整地板右33Rの選択時に延長発光体右53Rを点滅させ、延長整地板左33L及び延長整地板右33Rの選択時に延長発光体左53L及び延長発光体右53Rを点滅させたが、これらの発光体の発光態様はこれに限るものではない。
【0061】
例えば、制御手段75は、延長整地板左33Lの選択前に、延長発光体左53L及び延長発光体右53Rを共に点灯させた状態にし、延長整地板左33Lの選択時に、延長発光体右53Rを点灯させたままで又は消灯させて延長発光体左53Lを点滅させたり、また、延長整地板右33Rの選択前に、延長発光体左53L及び延長発光体右53Rを共に点灯させた状態にし、延長整地板右33Rの選択時に、延長発光体左53Lを点灯させたままで又は消灯させて延長発光体右53Rを点滅させたりしてもよい。さらに、制御手段75は、延長整地板左33L及び延長整地板左33Rの選択前に、延長発光体左53L及び延長発光体右53Rを共に点灯させた状態にし、延長整地板右33R及び延長整地板左33Rの選択時に、延長発光体左53L及び延長発光体右53Rを消灯させてもよい。
【0062】
また、前述した実施例では、発光体左51L及び発光体右51Rを作業機本体2の主フレーム3の左右両側に設けた場合を示したが、発光体左51L及び発光体右51Rを、回動シリンダ左22L、回動シリンダ右22Rのそれぞれのシリンダチューブ部分に設けてもよい。
【0063】
また、前述した実施例では、延長発光体左53L及び延長発光体右53Rを回動装置40のカバー41上に設けた場合を示したが、延長発光体左53L及び延長発光体右53Rを、対応する延長整地板左33L及び延長整地板右33Rに設けてもよい。