特許第6359822号(P6359822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6359822グルコース管理ならびに透析の方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6359822
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】グルコース管理ならびに透析の方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20180709BHJP
   A61M 1/36 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   A61M1/16 110
   A61M1/36 100
   A61M1/36 165
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-242342(P2013-242342)
(22)【出願日】2013年11月22日
(65)【公開番号】特開2014-104359(P2014-104359A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2016年11月17日
(31)【優先権主張番号】13/685,320
(32)【優先日】2012年11月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ アール.ペティス
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ミターズ
【審査官】 松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第1999/055828(WO,A1)
【文献】 特表2011−503561(JP,A)
【文献】 特開昭54−082885(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01872812(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14 − 1/28
A61M 1/34
A61M 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者から血液を取り出すための第1の供給ラインであって、その途中に、前記血液から老廃物を取り除くことによって前記血液を処理するための透析器ユニットが配置されている、第1の供給ラインと、
前記透析器ユニットの下流に位置するグルコース監視および調節アセンブリーであって、
前記血液中のグルコースレベルを測定するため、第1の閾値レベルを超える前記血液中の血液グルコースレベルを検出するため、および、第2の閾値レベル未満の前記血液中の血液グルコースレベルを検出するために、前記血液を受容するグルコース監視ユニットと、
前記血液中の血液グルコースレベルが前記第1の閾値レベルを超えていることを前記グルコース監視ユニットが検出した場合に、グルコースを取り除くように適合されているグルコース除去体を有するグルコース除去ユニットに前記グルコース監視ユニットからの前記血液を向けて、前記血液から所定量のグルコースを取り除くように制御する制御ユニットと
を含むグルコース監視および調節アセンブリーと、
処理された血液を前記グルコース除去ユニットから前記患者に返すための第2の供給ラインと
を含むことを特徴とする血液処理装置。
【請求項2】
前記グルコース除去体は、グルコース結合タンパク質、ボロン酸、ボロン酸エステルおよびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記グルコース除去ユニットはカートリッジを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の供給ラインまたは第2の供給ラインは、前記血液から所定量のグルコースを除去するための、前記グルコース除去体が共有結合された内表面を有するチューブを含むことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記血液中の血液グルコースレベルを増加させるための、前記透析器ユニットの下流に位置するグルコース増加ユニットをさらに含み、前記血液中の血液グルコースレベルが前記第2の閾値未満であることを前記グルコース監視ユニットが検出した場合に、前記制御ユニットは、前記グルコース監視ユニットからの前記血液を前記グルコース増加ユニットに導くことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記グルコース増加ユニットは前記血液中にグルコースまたはD50を導入して前記血液グルコースレベルを所定のレベルに増加させることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記グルコース増加ユニットは前記血液中にグルカゴンを導入して前記患者におけるグルコース産生を促進することを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記グルコース増加ユニットは、グルコース結合タンパク質、グルコースに対して可逆的な結合親和性を有するボロン酸またはボロン酸エステルを、前記血液にグルコースを放出するために含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透析の間に患者の血液グルコース濃度を監視するためのグルコース管理ならびに透析の方法および装置を対象としている。特に、本発明は血液透析の間に血液グルコース濃度を監視し、濾過された血液を患者に返す前に必要に応じて血液グルコース濃度を増加または減少させるための、グルコース管理の方法および装置を対象としている。
【背景技術】
【0002】
今日、糖尿病は数多くの疾患をもたらす可能性がある大きな問題になりつつある。腎疾患および腎不全は、適切に制御されていない糖尿病のより重大な結果の一部である。
【0003】
腎不全を経験した患者には、毎週数回実施されるなんらかの形態の透析が必要である。血液透析は、患者から血液を取り出し、1または複数の透析フィルターに血液を通過させた後、患者に血液を返す、透析の一般的形態である。数時間を要することがある透析の間、患者は血液グルコースレベルの低下を経験することがある。患者は透析後にしばしば食欲の減退を経験し、そのため患者は透析処置の終了後直ちには食事をしない。そのため患者の血液グルコースレベルが低下することがある。処置後に食欲の減退を経験することがあるので、患者は時には透析処置の開始前に食事をする。そのため透析処置の開始時に血液グルコースレベルが急増することがある。
【0004】
グルコースレベルは典型的にはインスリン注射がいつ必要になり得るかを決定するため、または使用者が以前の注射にどのように応答しているかを決定するために、患者によって定期的に監視される。患者は血液試料を採取するためにランセットで体の一部を穿刺することによって血液グルコースレベルを監視する。血液試料は血液グルコースレベルを測定するための適当な酵素試薬を含むテストストリップに載せられ、これが引き続いて血液グルコースモニターによって分析される。適切な処置を受けている糖尿病患者を補助するために血液グルコースレベルを監視することができる種々のデバイスが公知である。そのようなデバイスの例は、Gordonの特許文献1、Andersonらの特許文献2およびGravelらの特許文献3に開示されている。
【0005】
血液グルコースレベルを測定し監視するために、バイオセンサーも開発されてきた。これらのデバイスは典型的には患者の血液グルコースレベルを測定するため、グルコースを捕捉し、検出可能な信号を生成することができるグルコース結合タンパク質を用いている。バイオセンサーに用いられるグルコース結合タンパク質の例は、Alarconらの特許文献4およびPitnerらの特許文献5に開示されており、これらは全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8224663号明細書
【特許文献2】米国特許第5279294号明細書
【特許文献3】米国特許第6192891号明細書
【特許文献4】米国特許第7629172号明細書
【特許文献5】米国特許第7064103号明細書
【特許文献6】米国特許第6855556号明細書
【特許文献7】米国特許第5503770号明細書
【特許文献8】米国特許第5763238号明細書
【特許文献9】米国特許第7829341号明細書
【特許文献10】米国特許第8178676号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】TurcattiらJ.Bio.Chem.1996 271,33,19991−19998
【発明の概要】
【0008】
従来のデバイスはそれらの意図された目的には適していたが、患者が今日一般的に用いられている指穿刺法によって試料を採取することができない場合に患者の血液グルコースレベルを監視し調節することができるシステムへのニーズは、業界において引き続いて存在している。
【0009】
本発明は透析の間に患者を処置し、血液グルコース濃度を監視するための透析方法を対象としている。本発明はまた、透析方法の間、濾過され処理された血液を患者に返す前に血液の血液グルコース濃度を調節するための血液透析方法および装置を対象としている。
【0010】
本発明は特に、透析の間に、または血液が患者から取り出され、処理されて患者に返される、手術中の酸素化等の他の手順の間に用いるための、グルコース管理方法および装置を対象としている。したがって、本発明の1つの目的は、所定の時間間隔でまたは連続的に患者の血液グルコースレベルを監視し、患者の血液グルコースレベルを所定の範囲に調節しながら患者の透析を実施することができる方法および装置を提供することである。
【0011】
本発明の別の特徴は、血液透析の間、処理された血液を患者に返す前に、患者の血液グルコース濃度を増加または減少させることができる方法および装置を提供することである。本発明のさらなる特徴は、グルコース結合タンパク質を用いて、患者の血液からグルコースを除去して血液グルコース濃度を所定の範囲内にまで低下させるための方法および装置を提供することである。
【0012】
本発明の1つの態様は、血液グルコース濃度を連続的に、または所定の間隔もしくはサイクルで監視することができるグルコース監視ユニットを有する透析装置を提供することである。グルコース監視ユニットは、透析および濾過処置の後に、測定された血液グルコースレベルに基づいて、血液を患者に返す前に血液グルコース濃度を増加させるデバイスに患者の血液を導くか、血液を患者に返す前に血液グルコースレベルを低減させるデバイスに導くか、またはさらなる処理をせずに血液を患者に返すようにプログラムすることができる。
【0013】
本発明の別の特徴は、血液グルコースレベルが所定の範囲から外れた場合に技術者に対して視覚的なまたは可聴の信号を生成するグルコース監視デバイスを有する透析装置を提供することである。それにより技術者は血液を患者に返す前にグルコース濃度を増加または減少させるデバイスに血液の流れを導くことができる。
【0014】
本発明の別の特徴は、血液中の血液グルコース濃度を低減させるデバイスであって、支持体に固定された、グルコース結合タンパク質、ボロン酸、ボロン酸エステルまたはそれらの混合物を含むデバイスを提供することである。このデバイスは透析装置の流路に接続することができるカートリッジであってよい。このカートリッジは透析器の入口側または出口側に接続することができる。
【0015】
本発明のさらなる特徴は、透析の後で血液を患者に返す前に、血液の血液グルコース濃度を増加させるデバイスを提供することである。このデバイスには、デキストロースもしくはグルコースを血液中に導入するため、患者におけるグルコース産生を誘導する薬剤を導入するための供給源、またはグルコースを血液中に導入するための濃度を有するグルコース溶液中の支持体上のグルコース結合タンパク質が含まれ得る。
【0016】
本発明の特徴は患者を処置するための方法によって得られ、この方法には患者から血液を取り出し、血液をデバイスに通過させて血液を処理し、次いで血液のグルコースレベルを測定するステップが含まれる。測定されたグルコースレベルが閾値レベルを超えた場合には、血液は次にグルコース除去ユニットに導かれ、血液からグルコースが取り除かれて、低減されたグルコース血液レベルが生成される。測定されたグルコースが閾値未満の場合には、血液はまたグルコース増加ユニットに導かれて血液グルコースレベルが増加され得る。処理された血液は次に患者に返される。本発明の方法は、血液が透析器を通過し、血液から老廃物が取り除かれることによって血液が処理される透析方法において用いることができる。
【0017】
本発明の種々の態様は、基礎的には透析患者等の患者を処置するための血液透析方法を提供することによって得られる。この方法は、患者から血液を取り出すステップ、血液を透析器等の処理デバイスに通過させて血液を処理し濾過するステップ、および患者から取り出した血液のグルコースレベルを測定するステップを含む。グルコースレベルが閾値レベルを超えた場合、血液はグルコース結合タンパク質、ボロン酸、ボロン酸エステルまたはそれらの混合物を含むグルコース除去ユニットに導かれ、血液からグルコースが取り除かれる。グルコースレベルが低減された血液が生成され、グルコースレベルが低減された血液が患者に返される。
【0018】
本発明の特徴はさらに、透析流体を患者に導入するステップおよび患者から透析器へと血液を取り出して血液から老廃物を取り除くステップを含む透析方法を提供することによって得られる。血液中のグルコースレベルが監視され、所定の閾値を超えるグルコースレベルが検出される。血液の血液グルコースレベルが閾値レベルを超えた場合には血液はグルコース除去体に導かれる。血液グルコースレベルが所定の閾値レベル未満の場合には、グルコースは血液から取り除かれ、または血液グルコースレベルを増加させるためのユニットに送られ、その後血液は患者に返される。
【0019】
本発明の特徴はまた、患者から血液を取り出すための第1の供給ラインを含む装置を提供することによって得られる。1つの実施形態においては、透析器ユニットは、患者から血液を受容するための第1の供給ラインに連結されており、血液から老廃物を取り除くことによって血液を処理するためのものである。グルコース監視ユニットは、血液中のグルコースレベルを測定し、閾値レベルを超える血液中の血液グルコースレベルを検出し、閾値レベル未満の血液中の血液グルコースレベルを検出するために血液を受容する。グルコース結合タンパク質、ボロン酸、ボロン酸エステルまたはそれらの混合物を有するグルコース除去体ユニットは、血液を受容し、グルコースレベルが閾値レベルを超えた場合には血液から所定量のグルコースを取り除くように適合されている。第2の供給ラインは処理された血液を患者に返す。
【0020】
本発明の特徴はさらに、患者の血液からグルコースを除去するための装置であって、血液から所定量のグルコースを除去するための、グルコース除去体がそれに共有結合された内表面を有するチューブを含むことを特徴とする装置を提供することによって得られる。
【0021】
本発明のこれらの、また他の目的、利点および特徴は、図面とともに本発明の種々の実施形態を開示する、以下の本発明の詳細な説明から明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下は図面の簡単な説明である。
図1】グルコース管理デバイスを有する透析システムの概略図である。
図2】グルコース管理デバイスの流路を示す透析システムの概略図である。
図3】本発明の実施形態におけるグルコース除去ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照して、本発明の1つの実施形態によるシステム10を示す。1つの実施形態においては、示されるようにシステムは透析器を含む血液透析システムである。システム10はポンプ16を用いてチューブ14により患者12から血液を取り出す。示された実施形態においては、圧力モニター18がチューブ14に沿って設けられている。ポンプ16は患者12から血液を輸送し、それにより血液を透析器20に送達することができ、ここで血液は処理および濾過されて血液から老廃物が取り除かれる。濾過された血液は、圧力モニター24およびエアトラップ26と接続できるチューブ22を通って透析器20の外に出て行く。処理された血液は次にグルコース監視および調節アセンブリー28を通過し、血液が患者12に返される前に必要に応じて血液グルコースレベルが増加または減少される。
【0024】
本発明の1つの実施形態における透析器20は当技術分野で公知の標準的な透析器ユニットである。典型的には、透析器20は患者の血液を部分的に透過性の膜に通過させる。透析器20は、半透膜として作用する複数の細い合成の中空繊維を含み得る。血液は中空繊維を通って流れ、透析溶液は供給ライン30から繊維の周囲を流れ、ここで水と老廃物は透析溶液と血液との間の中空繊維の壁によって画定される半透膜を通って移動する。使用された透析液は排出ライン32を通って透析器20から取り除かれる。透析器20の半透膜に加わる静水圧を増大させることによって限外濾過が起こる。これは典型的には透析器20の透析液区画に陰圧をかけることによって実施される。圧力勾配によって水および溶解した老廃物の溶質が血液から透析溶液に移動する。
【0025】
図2は、透析システム等のシステム10の詳細を示し、システムの部品を通るグルコース監視および調節アセンブリー28の流れ図を描いた概略図である。図示した実施形態においては、グルコース監視アセンブリー33は透析器20の下流の出力ライン22に位置する。グルコース監視アセンブリー33には、透析の後で患者12に返される前の血液中のグルコースレベルを測定するためのグルコース監視モジュール34および選択された処理モジュールに血液を導くための制御ユニット36が含まれる。グルコース監視モジュール34は、選択された時間間隔または選択された頻度でグルコースレベルを測定することができる。グルコース監視モジュール34は、血液グルコースレベルを決定し、技術者によって可視または可聴であるディスプレイを提供することができる、当技術分野で公知の従来の指穿刺測定技術に基づくものであってよい。
【0026】
他の実施形態においては、グルコース監視モジュール34は、血液中の高グルコースレベルまたは低グルコースレベルを示す信号を生成することができる連続グルコースモニターであってよい。高および低グルコースレベルの閾値は、所定の値であってもよく、各々の個別の患者ごとに技術者によって選択されてもよい。高グルコース信号および低グルコース信号は、視覚的なまたは可聴の警報を作動させ、血液の全部または一部を好適な処理サイトに向けるように技術者に促すことができる。代替的実施形態においては、アセンブリー28を透析システム10の出力ライン22におけるサイドループに接続し、血液の全部または一部を必要に応じてアセンブリー中に向けるようにバルブによって制御してもよい。
【0027】
図2に示すように、血液グルコースレベルはアセンブリー28のグルコース監視モジュール34によって監視され、ブロック36によって示される制御ユニットによって所定の既知の値と比較されて、血液グルコースレベルが高いか、低いか、または許容できる範囲内にあるかが決定される。測定された血液グルコースレベルが許容できる範囲内にあれば、血液はライン37を通ってそのまま患者12に返される。ライン37にはバルブ38が設けられており、血液グルコースレベルが許容できる範囲内にあれば、血液はライン37を通過して患者12に送られる。バルブ38は測定された血液グルコースレベルに基づいてグルコース監視モジュール34および制御ユニット36によって自動的に制御されることができ、それにより血液はさらなる処理をせずに自動的に患者に返される。
【0028】
グルコース監視モジュール34によって決定された血液グルコースレベルが所定の閾値レベルを超えるまたは許容できる範囲を超えた場合は、血液中の血液グルコースレベルを低減させるために、血液は制御ユニット36によってライン40を通り、バルブ42によって、ユニット44に向けられる。1つの好ましい実施形態においては、ユニット44はグルコース結合タンパク質を含んでおり、ライン46を通って血液が患者に返される前にグルコースを除去または捕捉して血液グルコースレベルを許容できる範囲に低減させる。
【0029】
グルコース監視ユニット34によって測定された血液グルコースレベルが所定のレベル未満または許容できる範囲未満の場合には、血液グルコースレベルを許容できるレベルに増加させるために、血液は制御ユニット36によってライン48およびバルブ50を通り、グルコース増加モジュールまたはユニット52に向けられる。次いで血液はライン54中に導かれ、ここでそれは患者12に返される。グルコース増加ユニット52は、物質を血液中に導入して血液グルコースレベルを所定の範囲に増加させるように適合された取り外し可能または交換可能なカートリッジであってよい。1つの実施形態においては、ユニット52はグルコースまたはデキストロース源を血液に導入する。グルコース源は、患者の肝臓が血液流へグルコースを放出するよう誘導するデキストロースの50%水溶液(D50)またはグルカゴン等の薬剤であってよい。グルコース源は、制御された条件下でグルコースを血液流に放出することができるグルコース結合タンパク質、ボロン酸、ボロン酸エステルおよびそれらの誘導体または他の可逆的グルコース結合剤を有する支持体を有する容器またはカートリッジであってもよい。
【0030】
本発明の1つの実施形態においては、グルコース監視モジュール34は血液グルコースレベルの測定に基づいてバルブ38、42および50のそれぞれを自動的に開き、および/または閉じて、血液の流れを適当な処理ユニットに向ける。それぞれのバルブは、透析後の血液グルコースレベルに基づいてバルブを開閉することができるマイクロプロセッサーを含む制御ユニット36等の好適な制御機構によって制御することができる。代替的実施形態においては、グルコース監視モジュール34または制御ユニット36には、測定された血液グルコースレベルを技術者に表示することができるディスプレイが含まれる。それにより技術者は適当なバルブを手動で操作し、処理のための選択された経路に血液を導くことができる。グルコース監視モジュールは、異常なグルコースレベルに対して技術者に警告するための可視または可聴の警報を生成することができる。
【0031】
1つの好ましい実施形態においては、透析器20の下流にグルコース調節アセンブリー28が設けられており、それにより患者12に返される直前で透析器20で濾過された後、必要に応じて血液グルコースレベルを低減または増加させることができ、その理由は、透析器によって血液からグルコースまたは他の成分が取り除かれ、それにより血液のさらなる処理の必要性が避けられ得るからである。濾過ステップの間に透析ステップがグルコースを取り除くことを避けるために、透析後に必要に応じて血液グルコースレベルを調節することが一般には好ましい。患者に返される血液グルコースレベルを記録するために、別の実施形態における第2のグルコース監視ユニットが処理サイトの下流に含まれてもよい。
【0032】
1つの好ましい実施形態においては、グルコース低減ユニット44は、測定された血液グルコースレベルが所定の閾値レベルを超えた場合に血液を受容するためにライン40に接続された入口および出口を有する交換可能なカートリッジである。このカートリッジには、血液からグルコースを除去し、血液グルコースレベルを許容できるレベルに低減させるために支持体に付着させたグルコース結合タンパク質(GBP)、ボロン酸、ボロン酸エステル、それらの誘導体および混合物等の除去剤が含まれている。GBP、ボロン酸またはボロン酸エステルによって血液から除去されるグルコースの量はGBP、ボロン酸またはボロン酸エステルのグルコース結合定数(Kd)を調節することによって選択的に調整することができ、それにより、選択され、制御された量のグルコースのみが血液から取り除かれる。
【0033】
GBP等のグルコース除去体のための支持体は、好ましくはグルコース除去体を支持体に固定し、GBPが患者の血液流に入ることを防止するためにグルコース除去体と共有結合を形成することができる好適な材料である。支持体は繊維、膜、フィルムおよび固体粒子の形態であってよい。1−エチル−3−(3−ジメチル−アミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等のカップリング剤が、GBPを支持体表面に結合させるために用いられる。当技術分野で公知のように、GBPを固体支持体に固定するための、他の方法を用いることができる。たとえば、GBPは血液グルコースレベルを監視するためのバイオセンサーに用いられることが公知であり、ここではGBPは支持体表面に固定される。支持体表面はEDCと反応することができる反応性結合サイトを有する好適なポリマーまたは基材上のコーティングから作られている。EDCは一級アミンのカップリングのためにカルボキシル活性化剤を用いてアミド結合を得る水溶性カルボジイミドである。
【0034】
固体支持体はTYGONという商標でSaint−Gobain Corporationによって製造されているポリマーから作ることができる。TYGONは繊維、膜、フィルムおよび粒子の形態で製造することができ、これらはEDC等のカップリング剤を用いてその表面にGBPを固定することができる。図3に示す別の実施形態においては、グルコース低減ユニットは、それにGBP48が共有結合された内表面を有する、長い可撓性チューブ46である。チューブ46はTYGONから作ることができるが、他の材料も用いられる。好適なプラスチック材料は、好ましくは透明で容易に滅菌され、溶出性の成分を全く含まず、ポンプで送りながら加圧下で使用する間に充分な強度および可撓性を有し、GBPをチューブに付着させるためにカップリング剤と結合することができる。チューブに固定するGBPの量およびチューブの長さは、血液を患者に返す前に制御された量のグルコースを血液から取り除くために選択される。好ましくは、チューブは透析器およびグルコース監視モジュールの下流、かつ血液を患者に返す直前に位置する供給ラインである。血液から取り除かれるグルコースの量は、チューブの長さまたはGBPもしくは他のグルコース除去体の表面積によって制御することができる。他の実施形態においては、長いチューブは血液を患者から透析器に導くための供給ラインであってよい。
【0035】
GBPは、グルコースに結合し、患者の透析の間に充分な速度および量で血液からグルコースを除去することができる任意の好適なタンパク質であってよい。グルコース結合タンパク質の例は、共同所有の特許文献6、特許文献5、特許文献4に開示されており、これらは全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
ガラクトース/グルコース結合タンパク質は本明細書において用いられる場合「GBP」または「GGBP」と称し、細菌のペリプラズム区画に天然に見出されるタンパク質を意味する。これらのタンパク質は天然には小分子(たとえば糖、アミノ酸、および小ペプチド)の細胞質への走化性および輸送に関与している。GGBPは3個のストランドによって接続されてヒンジを形成する2つの球形α/βドメインからなる単鎖タンパク質である。結合サイトは2つのドメインの間の割れ目に所在している。グルコースが結合サイトに入ると、GGBPはヒンジを中心とするコンフォメーション変化を起こし、それにより2つのドメインが一緒になってグルコースを結合サイトに閉じ込める。大腸菌(E.coli)由来のGGBPの閉鎖形についてのX線結晶構造が決定されている。
【0037】
変異した結合タンパク質(たとえば「変異したGGBP」)は、天然に存在するタンパク質に存在するアミノ酸(単数または複数)を置換し、これから削除し、またはこれに追加されたアミノ酸(単数または複数)を含む、細菌由来の結合タンパク質を意味する。
【0038】
例示的な結合タンパク質の変異としては、非天然に発生するアミノ酸であるシステイン基の追加または置換(参照により本明細書に組み込まれる非特許文献1)および電気化学的または光応答性レポーター基を共有結合させるための反応性アミノ酸による実質的に非反応性のアミノ酸の交換が挙げられる。
【0039】
例示的なGGBPタンパク質の変異としては、11位のリシンのシステインによる置換(K11C)、14位のアスパラギン酸のシステインによる置換(D14C)、19位のバリンのシステインによる置換(V19C)、43位のアスパラギンのシステインによる置換(N43C)、74位のグリシンのシステインによる置換(G74C)、107位のチロシンのシステインによる置換(Y107C)、110位のスレオニンのシステインによる置換(T110C)、112位のセリンのシステインによる置換(S112C)、112位のセリンのシステインによる置換および238位のロイシンのセリンによる置換を含む二重変異(S112C/L238S)、113位のリシンのシステインによる置換(K113C)、137位のリシンのシステインによる置換(K137C)、149位のグルタミン酸のシステインによる置換(E149C)、149位のグルタミン酸のシステインによる置換および238位のロイシンのセリンによる置換を含む二重変異(E149C/L238S)、152位のヒスチジンのシステインによる置換および182位のメチオニンのシステインによる置換を含む二重変異(H152C/M182C)、213位のアラニンのセリンによる置換および152位のヒスチジンのシステインによる置換を含む二重変異(H152C/A213S)、182位のメチオニンのシステインによる置換(M182C)、213位のアラニンのシステインによる置換(A213C)、213位のアラニンのシステインによる置換および238位のロイシンのシステインによる置換を含む二重変異(A213C/L238C)、216位のメチオニンのシステインによる置換(M216C)、236位のアスパラギン酸のシステインによる置換(D236C)、238位のロイシンのシステインによる置換(L238C)、287位のアスパラギン酸のシステインによる置換(D287C)、292位のアルギニンのシステインによる置換(R292C)、296位のバリンのシステインによる置換(V296C)、149位のグルタミン酸のシステインによる置換および213位のセリンのアラニンによる置換および238位のロイシンのセリンによる置換を含む三重変異(E149C/A213S/L238S)、149位のグルタミン酸のシステインによる置換および213位のアルギニンのアラニンによる置換および238位のロイシンのセリンによる置換を含む三重変異(E149C/A213R/L238S)が挙げられる。
【0040】
グルコース監視モジュール34が低い血液グルコースレベルまたは低血糖状態を検知した場合には、バルブ48が開かれ、血液がグルコース増加モジュール52に導かれる。典型的にはバルブ38および42は閉じられており、全ての血液はモジュール52中に導かれる。グルコース増加モジュール52は、血液を患者12に返す前に血液中の血液グルコースレベルを増加させるために設けられている。低い血液グルコースレベルは、グルカゴン、D50等のデキストロース、または患者がグルコースを産生するもしくはグルコースレベルを増加させるよう誘導することができる薬剤等の成分を血液に添加することによって処置することができる。代替的実施形態においては、グルコースの少なくとも一部を血液に放出するための所定量のグルコースを負荷された支持体上のGBPを含むカートリッジに血液を通過させることができる。支持体表面に固定されたグルコース結合タンパク質は、典型的には正常な条件下では血液と平衡にあるグルコース溶液中にある。溶液中のグルコースの量または濃度を増加させることによって、グルコースの一部が血液中に拡散し、必要に応じて血液グルコースレベルを増加させることができる。
【0041】
別の実施形態においては、グルコース除去体またはグルコース結合剤は、血液中のグルコースに可逆的に結合して血液からグルコースを除去することができるボロン酸またはボロン酸エステル誘導体である。以前に議論した実施形態におけるように、血液グルコースレベルが所定のレベルを超えた場合には、血液グルコースレベルを低減させるために、血液をグルコース除去ユニット中に導くことができる。血液グルコースレベルが所定のレベル未満の場合には、ボロン酸および/またはボロン酸エステルも、グルコースを溶出させるのに適している。ボロン酸およびボロン酸エステル誘導体は式
【0042】
【化1】
【0043】
を有してよく、式中、Rは有機基、RおよびRは独立にH、有機基である、またはRおよびRは一緒になって−R−であってもよい。R、R、RおよびR基はグルコースまたは他の目標分子との結合を可能とするように選択される。好適なボロン酸としては、フェニルボロン酸、ナフチルボロン酸およびアンスラセンボロン酸が挙げられる。
【0044】
Rは置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルキレン、ヘテロ環、またはアリール基であってよい。1つの実施形態においては、Rはメチル、エチルもしくはプロピル基等の低級アルキルまたはプロピレニル基等の低級アルキレン基である。他の実施形態においては、Rはフェニル、置換フェニル、アンスラセン、置換アンスラセン、ナフタレンおよび置換ナフタレンからなる群から選択されるアリール基であってよい。ヘテロ環基の例はチオフェン基である。Rは好適なマーカーを含む他の好適な有機基であってよい。
【0045】
さらなる実施形態においては、RはN置換またはアミン系ボロン酸であってよい。アミン系ボロン酸は、ボロン酸がフルオロフォアを含む蛍光性ボロン酸センサーに特に適している。蛍光基は、ホウ素に近接したアミン基を有することによって有利となる。ボロン酸と三級アミンとの間のルイス酸−ルイス塩基相互作用によって中性pHで分子認識が可能になり、蛍光の強度を変調させることによって結合を示すことが可能である。好適なボロン酸誘導体の例は、Jamesらの特許文献7、Jamesらの特許文献8、Gameyらの特許文献9、およびGameyらの特許文献10に開示されており、これらは全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
およびRは典型的にはHまたはメチル、エチルもしくはプロピルからなる群から選択される低級アルキルである。Rはエチレン、プロピレンまたは3−メトキシプロピレンであってよい。
【0047】
ボロン酸およびボロン酸エステルは、1,2および1,3ジオールとの可逆的な結合親和性を有することが公知である。ジオールの水酸基は水性媒体中でボロン酸基と反応して5または6員の環状エステルを形成する。反応は可逆的で、水性媒体の条件を調節することによってジオールが放出される。ボロン酸およびそのエステルは糖に対して可逆的な結合親和性を有することが知られている。
【0048】
ボロン酸およびボロン酸エステルは、膜、フィルム、ストランドまたは他の形状の形態の支持体に付着または結合させることができる。典型的には、R基は支持体上の反応性サイトと結合することができる好適な反応性基を含む。支持体は、透析の前または後の血液の流路に位置することができる交換可能なカートリッジに形成することができる。支持体は、その上にボロン酸を結合させて固定した薄いポリマー層であってよい。好適なポリマーは親水性であり、架橋ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)ポリアルコールおよび選択された多糖等のポリマーを挙げることができる。
【0049】
ボロン酸およびボロン酸エステルは、ボロン酸またはボロン酸エステルを含む膜に血液を通過させることによって血液から選択的にグルコースを除去することができる。グルコース除去体は、血液から所定量のグルコースのみを取り除くことを可能とするように改質することができる。他の実施形態においては、ボロン酸およびボロン酸エステルは、血液の血液グルコースレベルが所定のレベル未満の場合にグルコースを血液中に溶出させるように、グルコースを負荷させることができる。
【0050】
本発明の1つの実施形態においては、グルコース監視モジュール34は患者の透析の間中、血液の血液グルコースレベルを連続的にまたは選択された時間間隔で監視する。グルコース監視ユニットは、測定された血液中のグルコースレベルに基づいて連続的に血液を適当な経路中に導く。たとえば、測定された血液グルコースレベルが正常血糖性で許容できる所定の範囲に入る場合には、バルブ38が開かれて血液を直接患者に返す一方、バルブ42および48は閉じられる。高血糖の場合にはバルブ42が開かれ、血液はグルコース結合タンパク質カートリッジ中に導かれ、グルコースの少なくとも一部が血液から除去される。
【0051】
1つの実施形態においては、グルコース監視ユニット34は血液の全てまたは一部のみをグルコース除去ユニット中に導き、所定のレベルを達成するために血液からある量のグルコースを取り除くことができる。患者の血液グルコース濃度が正常血糖性になれば、バルブ42が閉じられ、バルブ38が開かれる。同様にして、グルコース監視ユニット34が低血糖状態を測定すれば、バルブ48が開かれ、バルブ38が閉じられて、血液をユニット52中に導き、正常血糖状態が検出されるまで血液グルコースレベルを増加させる。その時には、バルブ48は閉じられ、バルブ38は開かれて、血液を患者に返すことができる。
【0052】
グルコース増加ユニットには、グルコース結合タンパク質、ボロン酸またはボロン酸エステル等の、可逆的にグルコースを結合することができるグルコースホスト材料が含まれている。グルコースホスト材料の結合能力はその解離定数(Kd)と称される。Kdが増加すれば、ホスト材料のグルコースとの結合は弱くなり、その結果、非結合グルコースの結合グルコースに対する比が大きくなる。ホスト材料またはホスト材料システムにグルコースを負荷され、所望されるよりも低いグルコース濃度を有する血流試料へのグルコース源として作用する本発明においては、グルコースを負荷されたホスト材料の血流試料におけるグルコース濃度を増加させる能力は、ホスト材料/グルコース複合体のKdを適当に調節することによって最適化される。
【0053】
約80mg/dL未満の血液グルコースレベルはヒトにおいて低血糖応答を惹起し得ることから、ホスト材料/グルコース複合体のKdを調節して、たとえばこの量未満のグルコース濃度を有する血液試料中にグルコースを放出させることができる。
【0054】
ホスト材料を、たとえば血液透析等を含む種々の目的のために人から血液をポンプで送るデバイスの血流内に含まれる可撓性チューブの内壁等の支持体上に堆積させることができる。あるいは、ホスト材料を、膜を含むカートリッジの膜の中に堆積させることができる。最適には、ホスト材料は、それが可撓性チューブの内表面であろうと、カートリッジ内の膜であろうと、支持体表面に共有結合させられる。実際の使用に先立って、ホスト材料は、グルコース含有溶液を支持体表面上に流すことによって、グルコースを負荷される。
【0055】
支持体表面は、最小限ただ1種のグルコースホストを含み得る。あるいは、支持体表面は2種以上のグルコースホストを含み得る。グルコースホストはグルコース結合タンパク質(GBP)、ボロン酸(BA)もしくはボロン酸エステル(BE)、またはそれらの混合物であってよい。支持体表面の負荷は、目標量のグルコースを支持体上またはその中を流れる血液流中に送達するために最適化される。
【0056】
1つの実施形態においては、グルコースを負荷されたグルコースホストが共有結合された2種以上の膜を含むカートリッジが自動バルブに接続され、それは直列の連続グルコースモニターによって低い閾値のグルコース濃度が検出された時にシステムによって活性化される。連続グルコースモニターが所定の時間周期の後に許容できない程に低いグルコース値を読み取り続けた場合には、血流は自動バルブシステムを通って第2のそのようなカートリッジシステムに向けられる。
【0057】
別の実施形態においては、以前の実施形態と類似のシステムが存在し、そこではカートリッジまたは一連のカートリッジが、使用前にグルコースを負荷された共有結合されたグルコースホストを支持する内表面を有する一連の可撓性チューブループによって交換される。
【0058】
いずれかの実施形態においては、連続グルコースモニターが指定された低い閾値レベルを超えるグルコース濃度を検出した時には、自動バルブシステムが作動して、血液はもはやグルコース増加カートリッジまたはチューブの中には流されない。
【0059】
本明細書に開示した本発明の実施形態は、透析患者における血液グルコースレベルの監視および調節に関する。他の実施形態においては、血液が患者から取り出され、好適な様式で処理されて患者に返される他の手順において、グルコース血液レベルを監視し調節するグルコース管理システムに関する。たとえば、グルコース管理システムは、主として手術中に血液を酸素化するために用いられる心肺機器と組み合わせて用いることができ、それにより血液グルコースレベルを監視し、必要に応じて調節することができる。
【0060】
本明細書に種々の実施形態を記載したが、添付した特許請求の範囲において定義した本発明の範囲およびその均等物から逸脱することなく種々の変化および改変が可能なことは、当業者には理解されよう。
【符号の説明】
【0061】
10 システム
12 患者
14 チューブ
16 ポンプ
18 圧力モニター
20 透析器
24 圧力モニター
26 エアトラップ
28 調節アセンブリー
30 供給ライン
32 排出ライン
33 グルコース監視アセンブリー
34 グルコース監視モジュール
36 制御ユニット
38 バルブ
42 バルブ
44 グルコース低減ユニット
50 バルブ
52 グルコース増加ユニット
図1
図2
図3