特許第6359899号(P6359899)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 技研商事インターナショナル株式会社の特許一覧

特許6359899行動ログ分析システム及びそのプログラム
<>
  • 特許6359899-行動ログ分析システム及びそのプログラム 図000002
  • 特許6359899-行動ログ分析システム及びそのプログラム 図000003
  • 特許6359899-行動ログ分析システム及びそのプログラム 図000004
  • 特許6359899-行動ログ分析システム及びそのプログラム 図000005
  • 特許6359899-行動ログ分析システム及びそのプログラム 図000006
  • 特許6359899-行動ログ分析システム及びそのプログラム 図000007
  • 特許6359899-行動ログ分析システム及びそのプログラム 図000008
  • 特許6359899-行動ログ分析システム及びそのプログラム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6359899
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】行動ログ分析システム及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20180709BHJP
【FI】
   G06Q30/02 300
【請求項の数】18
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-137404(P2014-137404)
(22)【出願日】2014年7月3日
(65)【公開番号】特開2015-46152(P2015-46152A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2017年6月14日
(31)【優先権主張番号】特願2013-159991(P2013-159991)
(32)【優先日】2013年7月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】597062650
【氏名又は名称】技研商事インターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】松本 芳典
【審査官】 山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5158827(JP,B1)
【文献】 特開2013−131170(JP,A)
【文献】 特開2012−060235(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0159400(US,A1)
【文献】 特開2011−221805(JP,A)
【文献】 特開2009−043057(JP,A)
【文献】 特開2007−011723(JP,A)
【文献】 特開2007−179199(JP,A)
【文献】 特開2003−196369(JP,A)
【文献】 特開2009−146247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の利用者の行動ログを分析する行動ログ分析システムであって、
前記利用者の行動ログデータを記憶する行動ログデータベースと、前記利用者の行動ログ分析ロジックのプログラムを記憶する行動ログ分析モデルデータベースとを備える行動ログ収集・分析サーバと、
店舗の顧客情報を記憶する顧客データベースと、前記店舗の販売実績データを記憶する販売実績データベースと、前記利用者の行動パターンの情報を記憶する行動パターンデータベースとを備える店舗サーバとを有し、
前記行動ログ収集・分析サーバは、前記携帯端末から送信された利用者のユーザIDと位置情報を受信してユーザID毎に位置情報を日時情報と共に前記行動ログデータベースに記憶し、前記行動ログ分析モデルデータベースから行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで、ユーザID毎の位置情報と日時情報とからユーザIDの利用者の居住地、通勤通学地の行動パターンを分析し、行動パターンの情報を生成して、前記店舗サーバに前記行動パターンの情報を送信し、
前記店舗サーバは、前記行動ログ収集・分析サーバから前記利用者の行動パターンの情報を受信し、前記行動パターンデータベースに記憶し、前記顧客データベースの顧客の住所情報に相当する居住地の情報が前記行動パターンデータベースに存在するか否かを判定し、存在する場合に当該顧客と行動パターンの情報におけるユーザIDとを結び付ける処理を行うことを特徴とする行動ログ分析システム。
【請求項2】
行動ログ収集・分析サーバには、行動パターンを分析するための条件情報を記憶する行動パターン条件データベースを接続し、
前記条件情報には、店舗の敷地エリアの情報が含まれており、
前記行動ログ収集・分析サーバは、行動ログ分析モデルデータベースから行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで、行動ログデータベースから行動ログデータを読み込み、前記行動パターン条件データベースの条件情報を参照して、利用者が前記店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、前記店舗への来店状況の行動パターンを分析することを特徴とする請求項1記載の行動ログ分析システム。
【請求項3】
店舗サーバは、顧客データベースの顧客の住所情報に相当する居住地の情報が行動パターンデータベースに存在するか否かを判定し、存在する場合に当該顧客と行動パターンの情報におけるユーザIDとを一時的に結び付ける処理を行い、販売実績データベースを参照して当該顧客が商品を購入した日時を特定し、当該特定した日時に前記ユーザIDの利用者が店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、前記店舗の敷地エリアにいた場合には、前記顧客と前記ユーザIDの利用者が一致すると判定することを特徴とする請求項2記載の行動ログ分析システム。
【請求項4】
店舗サーバは、前記行動ログ収集・分析サーバに利用者の行動パターンの情報を要求し、
前記行動ログ収集・分析サーバは、前記要求に対して行動パターンを分析し、行動パターンの情報を生成して前記店舗サーバに送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の行動ログ分析システム。
【請求項5】
行動パターン条件データベースには、行動パターンの送信を開始するための開始情報が記憶されており、
行動ログ収集・分析サーバは、前記行動パターン条件データベースの前記開始情報に基づいて行動パターンを分析し、行動パターンの情報を生成して店舗サーバに送信することを特徴とする請求項2乃至3のいずれか記載の行動ログ分析システム。
【請求項6】
行動ログ収集・分析サーバは、携帯端末から送信される利用者のユーザIDと簡易プロフィールの情報を受信し、行動パターンの分析を行う場合に、前記簡易プロフィールの情報も用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の行動ログ分析システム。
【請求項7】
店舗サーバは、顧客データベースの顧客とユーザIDを結び付ける処理を行った場合に、行動パターンデータベースにおけるユーザIDの来店状況から来店回数を求め、販売実績データベースにおける販売実績データから前記顧客の購入回数を求め、前記来店回数に対する前記購入回数の割合を演算することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか記載の行動ログ分析システム。
【請求項8】
行動パターン条件データベースの条件情報には、自店舗の敷地エリアと他店舗の敷地エリアの情報が含まれており、
行動ログ収集・分析サーバは、行動ログ分析モデルデータベースから行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで、行動ログデータベースから行動ログデータを読み込み、前記行動パターン条件データベースの条件情報を参照して、利用者が前記自店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、利用者が前記他店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、前記自店舗の来店状況から自店舗来店回数を求め、前記他店舗の来店状況から他店舗来店回数を求め、前記自店舗来店回数と前記他店舗来店回数の割合を演算することを特徴とする請求項2乃至7のいずれか記載の行動ログ分析システム。
【請求項9】
行動パターン条件データベースの条件情報には、店舗の敷地エリアと周辺エリアの情報が含まれており、
行動ログ収集・分析サーバは、行動ログ分析モデルデータベースから行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで、行動ログデータベースから行動ログデータを読み込み、前記行動パターン条件データベースの条件情報を参照して、利用者が前記店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、前記利用者が前記店舗の周辺エリアにいたか否かを判定し、周辺エリアにいた回数に対する敷地エリアにいた回数の割合を演算することを特徴とする請求項2乃至8のいずれか記載の行動ログ分析システム。
【請求項10】
行動ログ収集・分析サーバは、利用者の行動パターンの情報を記憶し、前記利用者の居住地に基づいて特定地域内における利用者の行動パターンの情報を取得し、当該取得した行動パターンの情報を集計して前記特定地域の地域特性の情報を生成することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか記載の行動ログ分析システム。
【請求項11】
携帯端末の利用者の行動ログを分析する行動ログ分析システムで使用されるコンピュータプログラムであって、
前記利用者の行動ログデータを記憶する行動ログデータベースと、前記利用者の行動ログ分析ロジックのプログラムを記憶する行動ログ分析モデルデータベースとを備える行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムと、
店舗の顧客情報を記憶する顧客データベースと、前記店舗の販売実績データを記憶する販売実績データベースと、前記利用者の行動パターンの情報を記憶する行動パターンデータベースとを備える店舗サーバで動作するプログラムとを有し、
前記行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムの処理によって、前記携帯端末から送信された利用者のユーザIDと位置情報を受信してユーザID毎に位置情報を日時情報と共に前記行動ログデータベースに記憶し、前記行動ログ分析モデルデータベースから行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで、ユーザID毎の位置情報と日時情報とからユーザIDの利用者の居住地、通勤通学地の行動パターンを分析し、行動パターンの情報を生成して、前記店舗サーバに前記行動パターンの情報を送信し、
前記店舗サーバで動作するプログラムの処理によって、前記行動ログ収集・分析サーバから前記利用者の行動パターンの情報を受信し、前記行動パターンデータベースに記憶し、前記顧客データベースの顧客の住所情報に相当する居住地の情報が前記行動パターンデータベースに存在するか否かを判定し、存在する場合に当該顧客と行動パターンの情報におけるユーザIDとを結び付ける処理を行うことを特徴とする行動ログ分析システムのプログラム。
【請求項12】
行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムの処理によって、行動ログデータベースから行動ログデータを読み込み、行動パターンを分析するための条件情報を記憶する行動パターン条件データベースにおける、店舗の敷地エリアの情報が含まれる条件情報を参照して、利用者が前記店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、前記店舗への来店状況の行動パターンを分析することを特徴とする請求項11記載の行動ログ分析システムのプログラム。
【請求項13】
店舗サーバで動作するプログラムの処理によって、顧客データベースの顧客の住所情報に相当する居住地の情報が行動パターンデータベースに存在するか否かを判定し、存在する場合に当該顧客と行動パターンの情報におけるユーザIDとを一時的に結び付ける処理を行い、販売実績データベースを参照して当該顧客が商品を購入した日時を特定し、当該特定した日時に前記ユーザIDの利用者が店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、前記店舗の敷地エリアにいた場合には、前記顧客と前記ユーザIDの利用者が一致すると判定することを特徴とする請求項12記載の行動ログ分析システムのプログラム。
【請求項14】
行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムの処理によって、携帯端末から送信される利用者のユーザIDと簡易プロフィールの情報を受信し、行動パターンの分析を行う場合に、前記簡易プロフィールの情報も用いることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか記載の行動ログ分析システムのプログラム。
【請求項15】
店舗サーバで動作するプログラムの処理によって、顧客データベースの顧客とユーザIDを結び付ける処理を行った場合に、行動パターンデータベースにおけるユーザIDの来店状況から来店回数を求め、販売実績データベースにおける販売実績データから前記顧客の購入回数を求め、前記来店回数に対する前記購入回数の割合を演算することを特徴とする請求項12乃至14のいずれか記載の行動ログ分析システムのプログラム。
【請求項16】
行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムの処理によって、行動ログデータベースから行動ログデータを読み込み、行動パターン条件データベースにおける、自店舗の敷地エリアと他店舗の敷地エリアの情報が含まれる条件情報を参照して、利用者が前記自店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、利用者が前記他店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、前記自店舗の来店状況から自店舗来店回数を求め、前記他店舗の来店状況から他店舗来店回数を求め、前記自店舗来店回数と前記他店舗来店回数の割合を演算することを特徴とする請求項12乃至15のいずれか記載の行動ログ分析システムのプログラム。
【請求項17】
行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムの処理によって、行動ログデータベースから行動ログデータを読み込み、行動パターン条件データベースにおける、店舗の敷地エリアと周辺エリアの情報が含まれる条件情報を参照して、利用者が前記店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、前記利用者が前記店舗の周辺エリアにいたか否かを判定し、周辺エリアにいた回数に対する敷地エリアにいた回数の割合を演算することを特徴とする請求項項12乃至16のいずれか記載の行動ログ分析システムのプログラム。
【請求項18】
行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムの処理によって、利用者の行動パターンの情報を記憶し、前記利用者の居住地に基づいて特定地域内における利用者の行動パターンの情報を取得し、当該取得した行動パターンの情報を集計して前記特定地域の地域特性の情報を生成することを特徴とする請求項11乃至17のいずれか記載の行動ログ分析のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが利用するスマートフォン、タブレット等の位置情報を利用してユーザの行動ログを分析するシステムに係り、特に、ユーザの行動ログから行動パターンを分析し、店舗における顧客の購買等の実績データと結び付ける行動ログ分析システム及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来の行動ログ分析システムには、ユーザの位置情報からユーザの移動履歴を蓄積し、分析するものがあった。
【0003】
[関連技術]
尚、関連する先行技術文献として、特開2002−324079号公報「モバイルマーケティング方法、そのシステム、サーバ、ユーザ端末、解析端末及びプログラム」(日本電気株式会社)[特許文献1]、特開2009−230286号公報「組織活動分析装置およびプログラム」(富士ゼロックス株式会社)[特許文献2]、特開2012−181659号公報「行動メッセージを生成して投稿する投稿装置及びその方法」(ヤフー株式会社)[特許文献3]がある。
【0004】
特許文献1には、モバイルマーケティングシステムにおいて、モバイルマーケティングサーバが、ユーザ端末の位置と時間を含む行動ログと、ユーザ属性とに基づいてコンテンツを生成して配信することが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、組織活動分析装置において、メンバーの行動ログを取得し、その行動ログとメンバーの属性情報を用いて活動を分析し、同時移動事象を抽出することが記載されている。
また、特許文献3には、投稿装置において、行動ログが行動種別とともにユーザIDと関連付けて記憶され、行動ログが変化したことを検出すると、その行動ログと行動種別に対応する行動ログメッセージを生成して投稿サーバに投稿することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−324079号公報
【特許文献2】特開2009−230286号公報
【特許文献3】特開2012−181659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の行動ログ分析システムでは、身元が判明したユーザの行動を分析するもので、氏名、住所、勤務先等が不明なユーザ(利用者)に対する行動ログを分析するものではなく、更に店舗におけるメンバー登録した顧客と結び付けて分析するものではなく、分析をより有益なものとすることができないという問題点があった。
【0008】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、特定アプリの利用に氏名及び住所は登録されず、ユーザIDが登録された利用者に対して行動ログのパターンを分析し、更に店舗におけるメンバー登録が為されている場合に、メンバー登録された顧客と特定アプリの利用者とを結び付けて行動ログを分析できる行動ログ分析システム及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、携帯端末の利用者の行動ログを分析する行動ログ分析システムであって、利用者の行動ログデータを記憶する行動ログデータベースと、利用者の行動ログ分析ロジックのプログラムを記憶する行動ログ分析モデルデータベースとを備える行動ログ収集・分析サーバと、店舗の顧客情報を記憶する顧客データベースと、店舗の販売実績データを記憶する販売実績データベースと、利用者の行動パターンの情報を記憶する行動パターンデータベースとを備える店舗サーバとを有し、行動ログ収集・分析サーバは、携帯端末から送信された利用者のユーザIDと位置情報を受信してユーザID毎に位置情報を日時情報と共に行動ログデータベースに記憶し、行動ログ分析モデルデータベースから行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで、ユーザID毎の位置情報と日時情報とからユーザIDの利用者の居住地、通勤通学地の行動パターンを分析し、行動パターンの情報を生成して、店舗サーバに行動パターンの情報を送信し、店舗サーバは、行動ログ収集・分析サーバから利用者の行動パターンの情報を受信し、行動パターンデータベースに記憶し、顧客データベースの顧客の住所情報に相当する居住地の情報が行動パターンデータベースに存在するか否かを判定し、存在する場合に当該顧客と行動パターンの情報におけるユーザIDとを結び付ける処理を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記行動ログ分析システムにおいて、行動ログ収集・分析サーバには、行動パターンを分析するための条件情報を記憶する行動パターン条件データベースを接続し、条件情報には、店舗の敷地エリアの情報が含まれており、行動ログ収集・分析サーバは、行動ログ分析モデルデータベースから行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで、行動ログデータベースから行動ログデータを読み込み、行動パターン条件データベースの条件情報を参照して、利用者が前記店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、店舗への来店状況の行動パターンを分析することを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記行動ログ分析システムにおいて、店舗サーバが、顧客データベースの顧客の住所情報に相当する居住地の情報が行動パターンデータベースに存在するか否かを判定し、存在する場合に当該顧客と行動パターンの情報におけるユーザIDとを一時的に結び付ける処理を行い、販売実績データベースを参照して当該顧客が商品を購入した日時を特定し、当該特定した日時にユーザIDの利用者が店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、店舗の敷地エリアにいた場合には、顧客とユーザIDの利用者が一致すると判定することを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記行動ログ分析システムにおいて、店舗サーバが、行動ログ収集・分析サーバに利用者の行動パターンの情報を要求し、行動ログ収集・分析サーバが、要求に対して行動パターンを分析し、行動パターンの情報を生成して行動ログ分析モデルデータベースから行動パターンの情報を読み出して店舗サーバに送信することを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記行動ログ分析システムにおいて、行動パターン条件データベースには、行動パターンの送信を開始するための開始情報が記憶されており、行動ログ収集・分析サーバが、行動パターン条件データベースの開始情報に基づいて行動パターンを分析し、行動パターンの情報を生成して店舗サーバに送信することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記行動ログ分析システムにおいて、行動ログ収集・分析サーバが、携帯端末から送信される利用者のユーザIDと簡易プロフィールの情報を受信し、行動パターンの分析を行う場合に、簡易プロフィールの情報も用いることを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記行動ログ分析システムにおいて、店舗サーバが、顧客データベースの顧客とユーザIDを結び付ける処理を行った場合に、行動パターンデータベースにおけるユーザIDの来店状況から来店回数を求め、販売実績データベースにおける販売実績データから顧客の購入回数を求め、来店回数に対する購入回数の割合を演算することを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記行動ログ分析システムにおいて、行動パターン条件データベースの条件情報には、自店舗の敷地エリアと他店舗の敷地エリアの情報が含まれており、行動ログ収集・分析サーバが、行動ログ分析モデルデータベースから行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで、行動ログデータベースから行動ログデータを読み込み、行動パターン条件データベースの条件情報を参照して、利用者が自店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、利用者が他店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、自店舗の来店状況から自店舗来店回数を求め、他店舗の来店状況から他店舗来店回数を求め、自店舗来店回数と他店舗来店回数の割合を演算することを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記行動ログ分析システムにおいて、行動パターン条件データベースの条件情報には、店舗の敷地エリアと周辺エリアの情報が含まれており、行動ログ収集・分析サーバが、行動ログ分析モデルデータベースから行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで、行動ログデータベースから行動ログデータを読み込み、行動パターン条件データベースの条件情報を参照して、利用者が店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、利用者が店舗の周辺エリアにいたか否かを判定し、周辺エリアにいた回数に対する敷地エリアにいた回数の割合を演算することを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記行動ログ分析システムにおいて、行動ログ収集・分析サーバは、利用者の行動パターンの情報を記憶し、利用者の居住地に基づいて特定地域内における利用者の行動パターンの情報を取得し、当該取得した行動パターンの情報を集計して特定地域の地域特性の情報を生成することを特徴とする。
【0019】
本発明は、携帯端末の利用者の行動ログを分析する行動ログ分析システムで使用されるコンピュータプログラムであって、利用者の行動ログデータを記憶する行動ログデータベースと、利用者の行動ログ分析ロジックのプログラムを記憶する行動ログ分析モデルデータベースとを備える行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムと、店舗の顧客情報を記憶する顧客データベースと、店舗の販売実績データを記憶する販売実績データベースと、利用者の行動パターンの情報を記憶する行動パターンデータベースとを備える店舗サーバで動作するプログラムとを有し、行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムの処理によって、携帯端末から送信された利用者のユーザIDと位置情報を受信してユーザID毎に位置情報を日時情報と共に行動ログデータベースに記憶し、行動ログ分析モデルデータベースから行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで、ユーザID毎の位置情報と日時情報とからユーザIDの利用者の居住地、通勤通学地の行動パターンを分析し、行動パターンの情報を生成して、店舗サーバに行動パターンの情報を送信し、店舗サーバで動作するプログラムの処理によって、行動ログ収集・分析サーバから利用者の行動パターンの情報を受信し、行動パターンデータベースに記憶し、顧客データベースの顧客の住所情報に相当する居住地の情報が行動パターンデータベースに存在するか否かを判定し、存在する場合に当該顧客と行動パターンの情報におけるユーザIDとを結び付ける処理を行うことを特徴とする。
【0020】
本発明は、上記行動ログ分析システムのプログラムにおいて、行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムの処理によって、行動ログデータベースから行動ログデータを読み込み、行動パターンを分析するための条件情報を記憶する行動パターン条件データベースにおける、店舗の敷地エリアの情報が含まれる条件情報を参照して、利用者が前記店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、店舗への来店状況の行動パターンを分析することを特徴とする。
【0021】
本発明は、上記行動ログ分析システムのプログラムにおいて、店舗サーバで動作するプログラムの処理によって、顧客データベースの顧客の住所情報に相当する居住地の情報が行動パターンデータベースに存在するか否かを判定し、存在する場合に当該顧客と行動パターンの情報におけるユーザIDとを一時的に結び付ける処理を行い、販売実績データベースを参照して当該顧客が商品を購入した日時を特定し、当該特定した日時にユーザIDの利用者が店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、店舗の敷地エリアにいた場合には、顧客とユーザIDの利用者が一致すると判定することを特徴とする。
【0022】
本発明は、上記行動ログ分析システムのプログラムにおいて、行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムの処理によって、携帯端末から送信される利用者のユーザIDと簡易プロフィールの情報を受信し、行動パターンの分析を行う場合に、簡易プロフィールの情報も用いることを特徴とする。
【0023】
本発明は、上記行動ログ分析システムのプログラムにおいて、店舗サーバで動作するプログラムの処理によって、顧客データベースの顧客とユーザIDを結び付ける処理を行った場合に、行動パターンデータベースにおけるユーザIDの来店状況から来店回数を求め、販売実績データベースにおける販売実績データから顧客の購入回数を求め、来店回数に対する購入回数の割合を演算することを特徴とする。
【0024】
本発明は、上記行動ログ分析システムのプログラムにおいて、行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムの処理によって、行動ログデータベースから行動ログデータを読み込み、行動パターン条件データベースにおける、自店舗の敷地エリアと他店舗の敷地エリアの情報が含まれる条件情報を参照して、利用者が自店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、利用者が他店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、自店舗の来店状況から自店舗来店回数を求め、他店舗の来店状況から他店舗来店回数を求め、自店舗来店回数と他店舗来店回数の割合を演算することを特徴とする。
【0025】
本発明は、上記行動ログ分析システムのプログラムにおいて、行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムの処理によって、行動ログデータベースから行動ログデータを読み込み、行動パターン条件データベースにおける、店舗の敷地エリアと周辺エリアの情報が含まれる条件情報を参照して、利用者が店舗の敷地エリアにいたか否かを判定し、利用者が店舗の周辺エリアにいたか否かを判定し、周辺エリアにいた回数に対する敷地エリアにいた回数の割合を演算することを特徴とする。
【0026】
本発明は、上記行動ログ分析システムのプログラムにおいて、行動ログ収集・分析サーバで動作するプログラムの処理によって、利用者の行動パターンの情報を記憶し、利用者の居住地に基づいて特定地域内における利用者の行動パターンの情報を取得し、当該取得した行動パターンの情報を集計して特定地域の地域特性の情報を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、行動ログ収集・分析サーバが、携帯端末から送信された利用者のユーザIDと位置情報を受信してユーザID毎に位置情報を日時情報と共に行動ログデータベースに記憶し、行動ログ分析モデルデータベースから行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで、ユーザID毎の位置情報と日時情報とからユーザIDの利用者の居住地、通勤通学地の行動パターンを分析し、行動パターンの情報を生成して、店舗サーバに行動パターンの情報を送信し、店舗サーバが、行動ログ収集・分析サーバから利用者の行動パターンの情報を受信し、行動パターンデータベースに記憶し、顧客データベースの顧客の住所情報に相当する居住地の情報が行動パターンデータベースに存在するか否かを判定し、存在する場合に当該顧客と行動パターンの情報におけるユーザIDとを結び付ける処理を行う行動ログ分析システムとしているので、ユーザIDの利用者における行動ログのパターンを分析し、顧客情報とユーザIDとを結び付けてマーケティング分析を行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施の形態に係る行動ログシステムの概略構成図である。
図2】行動ログDBの内容を示す概略図である。
図3】行動ログ分析モデル記憶部の内容を示す概略図である。
図4】移動分析処理のフローチャートである。
図5】来店状況分析処理のフローチャートである。
図6】顧客DBのユーザと行動パターンDBのユーザのマッチング処理を示すフローチャートである。
図7】地域特性の情報生成処理のフローチャートである。
図8】地域特性情報記憶部の内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(1)[実施形態の概要]
本発明の実施の形態に係る行動ログ分析システムは、特定アプリの利用にユーザIDが登録された利用者が当該アプリの利用によって利用者の位置情報を行動ログとして取得し、その行動ログのパターンから利用者の住所、勤務先の住所、店舗に対する来店状況、その他行動ログのパターンを分析して推定し、更に店舗におけるメンバー登録が為されていれば、当該メンバー(顧客)と対応付けし、メンバーの購入実績と連動した行動ログのパターンを分析できるものである。
【0030】
(2)[本システム:図1
本発明の実施の形態に係る行動ログ分析システム(本システム)について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る行動ログシステムの概略構成図である。
本システムは、図1に示すように、行動ログ収集・分析サーバ1と、行動ログデータベース(DB)2aと、行動パターン条件データベース(DB)2bと、行動ログ分析モデルデータベース(DB)2cと、インターネット3と、基地局4と、携帯端末5と、店舗サーバ6と、販売実績データベース(DB)7と、顧客データベース(DB)8と、行動パターンデータベース(DB)9とを基本的に有している。
【0031】
本システムでは、携帯端末5が基地局4を介してインターネット3に接続し、携帯端末5からのユーザIDと位置情報を行動ログ収集・分析サーバ1に送信され、行動ログDB2aに蓄積される。
【0032】
行動ログ収集・分析サーバ1は、行動パターン条件DB2bを参照して行動パターンの条件を読み込み、当該条件に従って行動ログDB2aに記憶されたユーザID毎の位置情報を分析して行動パターンの情報を生成し、店舗サーバ6に関連するユーザIDの行動パターンの情報を送信する。
【0033】
店舗サーバ6は、店舗における売上等のPOS(Point Of Sales)等の販売実績データを販売実績DB7に記憶すると共に顧客DB8に顧客データを記憶する。
また、店舗サーバ6は、行動ログ収集・分析サーバ1から送信されたユーザIDの行動パターンを受信して行動パターンDB9に記憶し、顧客DB8の顧客データとマッチングを行う。
そして、店舗サーバ6は、販売実績DB7、顧客DB8、行動パターンDB9からデータを取得して統計解析等を行ってマーケティング分析処理を行う。
【0034】
(3)[本システムの各部]
[行動ログ収集・分析サーバ1]
行動ログ収集・分析サーバ1は、図1に示すように、制御部11と、記憶部12と、インタフェース部13とを備えたコンピュータ装置であり、記憶部12に記憶されたコンピュータプログラムを制御部11が読み込んで、行動ログの収集・分析等の処理を実行する。
インタフェース部13は、インターネット3や外部の行動ログDB2a、行動パターン条件DB2b、行動ログ分析モデルDB2cに接続するためのインタフェースである。
【0035】
行動ログ収集・分析サーバ1の制御部11は、インターネット3を介して携帯端末5から送信されるユーザID(識別子)と位置情報(座標データ)を受信し、行動ログDB2aにユーザID、座標データ、日時のデータを記憶する(行動ログの収集)。
そして、行動ログ収集・分析サーバ1の制御部11は、行動ログDB2のユーザの行動ログについて行動パターン条件DB2bを参照して行動パターンの条件に従い、行動ログ分析モデルDB2cの行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで、特定期間内で分析を行い、行動パターンの情報を生成して記憶部12に記憶し、店舗サーバ6に送信する。
【0036】
行動ログ収集・分析サーバ1における行動ログ分析処理は、店舗サーバ6からの要求に基づいて開始するが、行動パターン条件DB2b内に行動ログ分析処理の開始条件が設定されていれば、その開始条件に従って開始してもよい。
店舗サーバ6からの分析要求には、様々な条件が付加されることがある。例えば、店舗の座標データを指定して、ユーザIDと店舗との関係を分析するような要求がある。
【0037】
生成した行動パターンの情報を記憶部12内に行動パターン情報記憶部を設けて記憶してもよい。
また、制御部11は、後述するように行動ログ分析モデルDB2cに記憶された既存の行動ログ分析ロジックのプログラムをアップグレードしたり、新規の行動ログ分析ロジックのプログラムを追加するようにしてもよい。
尚、行動ログ収集・分析サーバ1は、インターネット3に接続するクラウドサービスについて説明したが、専用のネットワークに接続し、企業内に設置されるオンプレミス形式であってもよい。
【0038】
[行動ログDB2a:図2
図2は、行動ログDBの内容を示す概略図である。
行動ログDB2aは、図2に示すように、ユーザID、座標データ、日時のデータを時系列に記憶するデータベースである。
【0039】
[行動パターン条件DB2b]
行動パターン条件DB2bは、行動ログを分析するための条件のデータを記憶するデータベースである。条件は、店舗サーバ6から設定できるものであり、店舗サーバ6がマーケティング分析処理を行うための条件となる。
例えば、行動パターンにおける「店舗との位置関係」の場合の店舗(自社店舗又は競合店舗)の位置情報を条件として記憶しておく。
【0040】
また、店舗の位置情報は、チェーン店等を想定して複数登録可能であり、更に、店舗の位置情報として敷地エリアと周辺エリアを座標データで保持させることも可能である。
具体的には、複数の店舗を対象とする場合には、店舗データとして、店舗のグループ毎に店舗グループ番号、グループ内の個々の店舗番号や名称、座標データ、住所データ、敷地の形状のデータを行動パターン条件DB2bに記憶することになる。
そして、店舗サーバ6は、自社や競合の店舗グループ番号や店舗自体の店舗番号を指定することでリクエストしたユーザIDが指定の店舗とどのように関わるかを分析する。
尚、ユーザIDと指定した店舗との関係では、店舗の座標からの半径や店舗の敷地の形状に入るか否かなどが判断される。
【0041】
[行動ログ分析モデルDB2cの内容]
行動ログ分析モデルDB2cは、行動ログ分析ロジックのプログラムを複数記憶しており、行動ログ収集・分析サーバ1の制御部11が必要な行動ログ分析ロジックのプログラムを読み込んで使用するようになっている。
行動ログ分析ロジックとしては、「居住地を分析するロジック」や「アクティブ性を分析するロジック」等があり、これらロジックのプログラムは必要に応じて外部からアップグレードされ、また、新規にロジックのプログラムが追加されるものである。
【0042】
[行動パターン情報記憶部の内容:図3
図3は、行動パターン情報記憶部の内容を示す概略図である。
行動パターン情報記憶部は、図3に示すように、行動ログ分析の結果である行動パターンの情報が記憶される。
具体的には、ユーザについて、ユーザID、居住地、平日/休日パターン、アクティブ性、通勤通学地、移動手段、沿線、店舗との位置関係、来店状況、職種等が記憶される。
行動ログ分析の具体的処理内容は、後述する。
【0043】
[インターネット3]
各装置を接続するネットワークとしてインターネット3を用いている。
尚、本システムを特定のエリア内で用いる場合には、ネットワークを専用のネットワークとすることも考えられる。
【0044】
[基地局4]
基地局4は、インターネット3に接続する無線LAN(Local Area Network)の基地局、更に公衆回線網の基地局も含む。公衆回線網の基地局は、公衆回線網に接続し、当該公衆回線網のキャリアのサーバを介してインターネット3に接続することになる。
【0045】
[携帯端末5]
携帯端末5は、GPS(Global Positioning System)機能を備え、位置情報として座標データを送信するスマートフォン、タブレット端末等である。
携帯端末5は、店舗が提供するアプリケーション(アプリ)をダウンロードしてインストールし、ユーザID等を設定して利用可能とし、当該アプリが起動すると、携帯端末5の位置情報を定期的にユーザIDと共に行動ログ収集・分析サーバ1に送信する。
アプリは、販促用のアプリで、店舗におけるクーポン、割引券、サービス券等をオンラインで提供するものである。
【0046】
また、アプリをダウンロードして利用する以外に、ブラウザーでWebサービスを利用する場合に、携帯端末5のユーザIDと位置情報を行動ログ収集・分析サーバ1に送信する。
携帯端末5から位置情報(座標)のログを取得するタイミングは、定期的な自動取得、チェックイン(ログイン)時の取得、特定のWebページ閲覧時の取得が想定される。
アプリやWebサービスの開発(組み込み)に対して、インタフェースの仕様であるAPI(Application Programming Interface)、ライブラリから得られる開発ツールのセットであるSDK(Software Development Kit)、HTML(HyperText Markup Language)タグを利用する。
【0047】
[店舗サーバ6]
店舗サーバ6は、図1に示すように、制御部61と、記憶部62と、インタフェース部63とを備えたコンピュータ装置であり、記憶部62に記憶されたコンピュータプログラムを制御部61が読み込んで、販売実績データ、顧客データ、行動パターンの情報を販売実績DB7、顧客DB8、行動パターンDB9に記憶する。
インタフェース部63は、インターネット3や外部の販売実績DB7、顧客DB8、行動パターンDB9に接続するためのインタフェースである。
【0048】
店舗サーバ6は、POSシステムと連動して販売実績のデータを取得し、販売実績DB7に記憶する。販売実績DB7では、商品の販売データの他、顧客がポイントカードを利用して商品の購入を行った場合に、購入商品と顧客IDとを関連付けて記憶する。
店舗サーバ6は、顧客がポイントカードの登録をした場合に、顧客IDを付与し、顧客の氏名、住所、メールアドレス等の情報を顧客DB8に記憶する。
【0049】
店舗サーバ6は、行動ログ収集・分析サーバ1に行動パターンの情報の送信を要求し、行動ログ収集・分析サーバ1からの行動パターンの情報を受信し、行動パターンDB9に記憶する。
上記では行動パターンの送信要求を行ったが、店舗サーバ6から行動ログ収集・分析サーバ1に行動パターンの情報を送信開始するトリガー情報(送信開始の情報)を送信し、行動ログ収集・分析サーバ1が送信開始の情報を行動パターン条件DB2bに記憶し、その送信開始の情報に従って行動パターンの情報を行動ログ収集・分析サーバ1から店舗サーバ6に送信してもよい。送信開始の情報とは、毎月の特定日時、毎週の特定日時等がある。
【0050】
また、行動パターンにおける特定の行動ログ分析モデル毎に条件を指定して、情報を取得するようにしてもよい。例えば、ユーザIDと「居住地」のみの項目を指定して、それらの情報を取得してもよい。
更に、店舗サーバ6から特定の店舗の座標データを指定して、行動ログ収集・分析サーバ1にユーザIDと特定の店舗との関係を分析させてもよい。若しくは、店舗サーバ6から特定の店舗の座標データと特定のユーザIDを指定して、行動ログ収集・分析サーバ1に当該ユーザIDと特定の店舗との関係を分析させてもよい。
【0051】
そして、店舗サーバ6は、行動パターンDB9のユーザIDと顧客DB8の顧客IDとのマッチング処理を行う。当該処理の詳細は後述する。
店舗サーバ6は、販売実績DB7、顧客DB8、行動パターンDB9からデータを取得して、マッチング処理されたユーザに対する統計解析等を行ってマーケティング分析処理を行う。
【0052】
(4)[処理内容]
行動ログ収集・分析サーバ1は、行動ログDB2aに記憶したユーザIDの座標データを行動パターン条件DB2bの条件に従って分析して行動パターンの情報を生成し、記憶部12の行動パターン情報記憶部に記憶する。
行動パターンの情報を構成する、居住地、平日/休日パターン、アクティブ性、通勤通学地、移動手段、沿線、店舗との位置関係、来店状況、職種について具体的に説明する。
尚、以下に示す行動パターンの情報を特定する方法は、一例であって下記以外の方法によって特定することも可能である。
【0053】
[居住地]
ユーザIDに対する居住地を特定する処理は、行動ログDB2aから当該ユーザIDの行動ログ(座標データ、日時のデータ)を収集し、夜間の時間帯の座標データ、土日の座標データ等から居住地の座標データを特定し、当該座標データから住所データに変換して居住地の情報を求める。
【0054】
[平日/休日パターン]
ユーザIDの行動ログから1週間の内で通常の日とは異なる行動をとる日(特別日)があるので、その特別日を休日と認定し、休日の行動パターンを座標データから求める。例えば、休日に長い時間滞在した座標データを住所に変換し、当該住所地の施設(ショッピングセンター)を特定して、「ショッピング」の行動パターンを導き出す。尚、休日に長い時間滞在した住所地の施設が映画館であれば、休日パターンは、「映画」となる。
また、平日に長い時間滞在した座標データを住所に変換して、その所在地から「会社」勤務の行動パターンを導き出す。
【0055】
[アクティブ性]
上記で認定された休日に、行動ログを解析し、行動エリアが基準値に対して広い場合には、アクティブ性「有」を行動エリアが基準値に対して狭い場合には、アクティブ性「無」を設定する。
【0056】
[通勤通学地]
通勤通学地は、平日の滞在時間が長い座標データを住所に変換して、通勤通学地を特定する。
尚、変換した住所が学校の住所であれば、生徒又は学校関係者であると認定することができる。
【0057】
[移動手段]
行動ログから時間経過に従って座標データが変化している場合には、移動状態にあるとして、移動中の座標データから電車の線路上を移動しているのか、道路を移動しているのかを判別する。
電車の線路上を移動しているのであれば、移動手段は「電車」と認定する。道路を移動しているのであれば、移動手段は「道路」と認定する。
また、移動の速度を演算し、「徒歩」「自転車」「自動車」を特定する。
【0058】
[沿線]
居住地の最寄り駅と通勤通学地の最寄り駅を行動ログの座標データから求め、更に利用している線路の沿線情報を特定する。
【0059】
[店舗との位置関係]
店舗との位置関係は、店舗の座標データが行動パターン条件DB2bに予め登録してあり、ユーザIDの居住地又は通勤通学地と店舗との距離を求めるもので、居住地から「直線で5km」などの情報が特定される。
【0060】
[来店状況]
店舗の敷地エリアの位置情報と、更に外側のエリアの位置情報を予め行動パターン条件DB2bに登録しておき、敷地エリアにユーザが入れば来店とし、外側(周辺)のエリアに入っていれば、近所に来ていると認識して来店情報のレポートを生成する。
例えば、敷地エリアの位置情報は、店舗の座標データを中心として半径5m以内を敷地エリア内とし、外側(周辺)のエリアの情報は、店舗の座標データを中心として半径30m以内で半径5m以内を除くエリアを外側エリアとする。例えば、店舗の座標データを中心に半径5m以内のエリア内の座標データにユーザの座標データが該当するようになると、敷地エリアへの来店となる。また、敷地エリアのデータとして、敷地の形状についての座標データを行動パターン条件DB2bに保持し、その敷地の形状の座標データに該当するか否かで、敷地エリアへの来店と判断してもよい。
ここでは、自社店舗の情報を設定したが、競合店舗の敷地エリア、外側エリアを設定すれば、競合店への来店情報を取得することができる。
【0061】
[職種]
勤務地における行動ログを分析し、外出が多い場合には「外勤」、多くない場合は「内勤」、または「出張が多い」と特定する。
【0062】
(5)[本システムの処理]
[移動手段分析処理:図4
次に、本システムの行動ログ収集・分析サーバ1における移動手段分析処理について図4を参照しながら説明する。図4は、移動分析処理のフローチャートである。
行動ログ収集・分析サーバ1の制御部11は、記憶部12に記憶された処理プログラムを読み込んで行動ログ分析モデルDB2cから該当する行動ログ分析ロジックのプログラムを更に読み込んで、移動手段分析処理を実行する。
【0063】
具体的には、図4に示すように、行動ログDB2aから特定ユーザIDの特定期間の行動ログを収集し(S11)、移動に相当する座標データ(変化した座標データ)を抽出する(S12)。
そして、移動に相当する座標データから電車又は道路の利用を判別する(S13)。座標データが特定の路線上であれば「電車」と判定し(S20)、座標データが特定の道路上であれば「道路」と判定する。
【0064】
更に、「道路」の場合は、移動に相当する座標データから移動距離と移動時間を演算し(S14)、移動距離と移動時間から移動速度(=移動距離/移動時間)を算出する(S15)。
そして、移動速度を基準値(a<b<c)と比較して(S16)、速度≦aの場合、徒歩と判別し(S17)、a<速度≦bの場合、自転車と判別し(S18)、b<速度の場合、自動車と判別する(S19)。
以上のようにして、移動手段が分析されて、「徒歩」「自転車」「自動車」「電車」が特定されることになる。
【0065】
[来店状況分析処理:図5
次に、本システムの行動ログ収集・分析サーバ1における来店状況分析処理について図5を参照しながら説明する。図5は、来店状況分析処理のフローチャートである。
行動ログ収集・分析サーバ1の制御部11は、記憶部12に記憶された処理プログラムを読み込んで行動ログ分析モデルDB2cから該当する行動ログ分析ロジックのプログラムを更に読み込んで、来店状況分析処理を実行する。
【0066】
具体的には、図5に示すように、予め設定されている店舗の座標データを取得する(S21)。ここで、店舗の座標データとは、店舗の敷地エリア内の座標データとその外側(周辺)エリアの座標データをいう。
【0067】
次に、行動ログDB2aから特定ユーザIDの特定期間の行動ログを収集し(S22)、行動パターン条件DB2bに示す店舗の座標データに相当する店舗の敷地エリア及び周辺エリアに特定のユーザIDの座標データがあるか否かを判定し(S23)、つまり、店舗の敷地エリア又は周辺エリア(両エリアを合わせて「店舗のエリア」という)に特定ユーザIDの座標データが存在したか否かを判定する。
【0068】
店舗のエリアに特定ユーザIDの座標データがある場合(Yesの場合)、相当する特定ユーザIDの行動ログを収集し(S24)、来店状況を判定し、来店の日時、滞在時間、近くを通った回数に対する入店回数等のレポートを出力する(S25)。来店の日時は店舗の敷地エリアに入った日時であり、滞在時間は店舗の敷地エリアに滞在した時間であり、近くを通ったとは周辺エリアを通過して敷地エリアに入っていないケースをいう。
【0069】
判定処理S23で店舗のエリアに特定ユーザIDの座標データがない場合(Noの場合)、特定ユーザIDについて来店がないことをレポート出力する(S26)。
以上のようにして、来店状況のレポートが生成される。
上記処理は、自社の店舗だけでなく、競合店舗(他店舗)における来店状況としてレポートを生成することも可能である。
また、店舗の座標データとして、自店舗と他店舗の両方を条件として行動パターン条件DB2bに記憶しておけば、自店舗及び他店舗の来店状況を得ることができ、その来店状況から自店舗の来店回数と他店舗の来店回数を求め、自店舗の来店回数と他店舗の来店回数の割合を演算できる。
【0070】
[顧客DBのユーザと行動パターンDBのユーザのマッチング処理:図6
次に、本システムの店舗サーバ6における顧客DB8のユーザと行動パターンDB9のユーザのマッチング処理について図6を参照しながら説明する。図6は、顧客DBのユーザと行動パターンDBのユーザのマッチング処理を示すフローチャートである。
店舗サーバ6の制御部61は、記憶部62に記憶された処理プログラムを読み込んで顧客DB8のユーザと行動パターンDB9のユーザのマッチング処理を実行する。
【0071】
具体的には、図6に示すように、顧客DB8のユーザ(顧客ID)の住所情報を座標データに変換する(S31)。そして、変換した座標データで行動パターンDB9の居住地の座標データを検索する(S32)。
変換した座標データに対して該当する居住地の座標データがあるか否かを判定し(S33)、該当する居住地の座標データがあれば(Yesの場合)、顧客DB8のユーザ(顧客IDのユーザ)の購入実績を販売実績DB7から検索する(S34)。
【0072】
そして、顧客IDの購入の日時を特定し(S35)、次に行動パターンDB9を検索し、該当する居住地の座標データを有するユーザIDが当該購入の日時に店舗エリアにいたか否かを判定し(S36)、店舗の敷地エリアにいた場合(Yesの場合)、顧客DB8のユーザ(顧客IDのユーザ)と上記ユーザIDのユーザが一致すると判定する(S37)。
【0073】
また、判定処理S33で、該当する居住地の座標データがない場合(Noの場合)、判定処理S36で、ユーザIDのユーザが購入の日時に店舗の敷地エリアにいなかった場合(Noの場合)、顧客DB8のユーザ(顧客IDのユーザ)にマッチングするユーザIDはないと判定して(S38)、処理を終了する。
【0074】
上記マッチング処理により、顧客DB8の顧客(ユーザ)と行動パターンDB9のユーザを結び付けることができるので、店舗サーバ6は、顧客DB8の顧客について販売実績DB7の商品の購入データに加えて行動パターンDB9におけるユーザの詳細な行動パターンの情報も利用して更なるマーケティング分析等を実行できる。
【0075】
例えば、行動パターンDB9におけるユーザIDの来店状況から来店回数を求め、販売実績DB7における販売実績データから顧客の購入回数又は購入金額を求め、来店回数に対する購入回数又は購入金額を求め、来店回数に対する購入回数の割合を演算し、また1回の来店に対する平均的な購入金額(総購入金額/来店回数)を演算できる。
【0076】
(6)[実施の形態の効果]
本システムによれば、行動ログ収集・分析サーバ1で、任意のユーザIDと座標データ、日時情報の行動ログから特定ユーザIDの行動ログを分析し、行動パターンの情報を生成して店舗サーバ6に送信し、店舗サーバ6では、顧客DB8の顧客と行動パターンの情報を記憶した行動パターンDB9のユーザIDとを結び付けるマッチング処理を行い、店舗サーバ6は、顧客のマスタ情報、顧客の購入実績の情報、更に行動パターンの情報に基づいてマーケティング分析等を行うことができるので、精度の高いエリアマーケティングを実現できる効果がある。
【0077】
例えば、来店した回数に対して商品を購入する割合を知ることができ、また、競合店舗に行く回数と自社店舗に来店する回数も知ることができ、更に、競合店舗と自社店舗のどちらを先に訪問するのかも知ることができる。
【0078】
また、マーケティングの分析者は、行動ログの収集や分析部分を行動ログ収集・分析サーバ1の運用者にアウトソーシングできるので、座標情報の収集や高度な分析モデルを独自に手当てする必要がない。
また、マーケティングの分析者は、顧客の個人情報(プロフィール)を外部に提供しなくても、行動分析を踏まえた分析が自由に実施できる。
また、行動ログ収集・分析サーバ1の運用者は、SDK(ライブラリ)、API、HTMLタグを組み込むことで、簡単に行動ログ分析の仕組みを構築できる。
【0079】
(7)[応用例1]
上記システムでは、一つの店舗若しくは一つの店舗のグループでの利用を想定したが、異なる業種の会社が乗り入れで利用できるアプリをユーザに提供し、ユーザの行動ログの分析結果を複数の会社で利用できるようにしてもよい。
【0080】
(8)[その他]
ユーザIDは、ソーシャルメディア(SNS)のソーシャルIDでもよい。ソーシャルIDであれば、そのソーシャルメディアに行動ログ収集・分析サーバ1がアクセスして、SNSの情報を入手して分析し、ユーザ毎の行動パターンの情報を生成するのに利用する。
店舗サーバ6は、行動ログ収集・分析サーバ1から入力された行動パターンの情報(SNS分析情報を含む)を活用してマーケティング分析に利用できる。また、店舗サーバ6は、SNSに直接アクセスしてSNSの情報を入手して分析してもよい。
SNSの情報を利用する場合は、SNSのプロファイルやコメントの解析(テキストマイニング)によりプロファイル属性が付加できる。
尚、ソーシャルIDを利用してもらうには、ソーシャルメディアからアプリを提供するのが望ましい。
【0081】
また、店舗側からアプリを提供する場合、例えば、顧客DB8の顧客のメールアドレスにアプリダウンロードのお知らせメール送信し、そのメールからアプリをダウンロードしてもらう際に、店舗側が指定したユーザIDを利用させるようにすることもできる。
この場合、店舗サーバ6としては、行動ログのユーザIDと顧客IDとの関連付けを把握できることになり、マッチング処理は不要となるものである。
【0082】
ユーザIDと顧客IDの関連付けがなく、アプリを提供する場合には、マッチング処理における精度を高めるために、アプリの利用登録の際に、簡単なユーザのプロフィールを入力してもらう。例えば、男女の別、年齢層、居住地域、学生又は社会人の別等を登録してもらうことで、それらの簡易プロフィールを利用して上記行動パターンの情報生成の処理を補助的にサポートする。つまり、居住地を特定するのに、簡易プロフィールの「居住地域」の情報も利用する。具体的には、簡易プロフィールの「居住地域」に行動パターンの情報で得られた「居住地」が含まれている場合を、「居住地」とする。
簡易プロフィールの情報は、例えば、行動ログ収集・分析サーバ1の記憶部12において、ユーザID毎に記憶される。
【0083】
道路や鉄道、広い施設の構内でも、GPSに代わる類似の座標データ等の位置情報を提供するサービスを利用して本発明の実施の形態に係る行動ログ分析システムを実現してもよい。
また、携帯端末5からのGPSの座標データと上記GPSに代わる類似の座標データの両方を利用して本発明の実施の形態に係る行動ログ分析システムを実現してもよい。
【0084】
(9)[応用例2]
ユーザに対するアプリが複数提供され、それら複数のアプリに関する行動ログの収集・分析を行動ログ収集・分析サーバ1で行う場合に、同一のユーザが異なるユーザIDでログインしてアプリを利用することがある。しかしながら、上記システムでは、ユーザIDが異なるため、同一人であっても、異なるユーザの行動ログとして処理される。
このような場合に、行動ログ収集・分析サーバ1で異なるユーザIDが同一人か否かの判定処理を行い、同一人であれば、行動ログを統合するようにしてもよい。
【0085】
具体的には、複数のアプリの利用によって取得された行動ログについて、例えば、ユーザID「xx01」とユーザID「xx12」がある場合に、図3に示した行動パターン情報の中で、「居住地」が同一であれば、同一人物の可能性があるが、家族の可能性も考えられるため、その他の行動パターン情報の類似度を判定して、同一人か否かを決定する。類似度は、行動パターン情報の項目毎に異なる基準値を設定して判定してもよい。
【0086】
尚、この同一人か否かの判定処理は、行動ログ収集・分析サーバ1で行ってもよいし、店舗サーバ6で行うようにしてもよい。
特に、店舗サーバ6では、顧客DB8のユーザと行動パターンDB9のユーザのマッチング処理を行うものであるから、居住地の座標データが一致すれば、上記2つのユーザIDは、顧客DB8のユーザと紐付くことになる。その際に、居住地の座標データが一致するユーザIDについて行動パターン情報の類似度を判定して、同一人か否かを判定する。同一人であれば、行動ログの統合を行う。
【0087】
このように、複数のアプリから提供される行動ログを利用可能となれば、幅広いユーザの行動ログを収集して分析でき、更に、異なるユーザIDについて同一人であるか否かの判定処理を行うことで、精度の高い行動ログを収集・分析できる効果がある。
【0088】
[行動ログの地域特性]
本システムでは、行動ログについてユーザID毎に分析しているが、ユーザが居住する地域毎に行動パターンの特性(地域特性)を求めるようにしてもよい。地域の行動パターンの地域特性が判明すれば、当該地域を分析対象エリアとして地域の特性を理解してマーケティングに応用できる。例えば、店舗側として、その地域特性に応じたきめ細かいダイレクトメール(DM)を配布すること可能となる。地域特性の詳細については後述する。
【0089】
[地域特性の情報生成処理:図7
地域特性の情報生成処理について図7を参照しながら説明する。図7は、地域特性の情報生成処理のフローチャートである。
行動ログ収集・分析サーバ1は、図3に示したユーザID毎の行動パターン情報を生成して行動パターン情報記憶部に記憶している。
その状態で、行動ログ収集・分析サーバ1の制御部11は、処理プログラムを読み込んで、記憶部12の行動パターン情報記憶部にアクセスする(S41)。尚、記憶部12には、後述するように、生成した地域特性の情報を記憶する地域特性情報記憶部が設けられている。
【0090】
そして、最初のユーザIDについて居住地の情報を参照し(S42)、居住地の情報が特定エリア内のものか否かを判定する(S43)。ここで、特定エリアは地域特性を分析するための分析対象エリアである。
そのユーザIDの居住地が特定エリア内であれば(Yes)、特定エリアに対応付けてユーザIDの情報を記憶し(S44)、処理S45に移行する。
また、ユーザIDの居住地の情報が特定エリア内の居住地でなければ(Noの場合)、全てのユーザについて処理が終了したか判定する(S45)。
【0091】
判定処理S45で、全てのユーザについて処理が終了していなければ(Noの場合)、次のユーザIDについて居住地の情報を参照し(S46)、処理S43に移行する。
判定処理S45で、全てのユーザについて処理が終了したならば(Yesの場合)、特定エリア内のユーザIDについて、行動パターンの情報を収集し、地域特性の情報を生成し、記憶部12の地域特性情報記憶部に記憶して(S47)、処理を終了する。
【0092】
[地域特性の情報生成の具体例:図8
次に、地域特性の情報生成の具体例について図8を参照しながら説明する。図8は、地域特性情報記憶部の内容を示す図である。
図8では、図3に示したユーザID毎の行動パターン情報を特定エリアに居住するユーザのものについて集計し、統計的に利用するためのものである。特定エリアは分析対象エリアであり、例えば、DM配布対象のエリアを示している。具体的には、特定エリアを「Aエリア(東京都23区南西エリア)」とした場合には、居住地として世田谷区、目黒区、大田区の一部が含まれる。つまり、これらの居住地に該当するユーザIDの情報を抽出し、行動パターン情報の項目毎に集計処理を行ったものである。例えば、特定エリア内のユーザの「居住地」は「世田谷区60%、目黒区30%、・・・」の割合となる。
尚、図8においては、分析対象エリアを「東京都23区南西エリア」としたが、郵便番号又は町丁目の単位、若しくは任意のメッシュ単位を分析対象エリアとしてもよく、その単位で集計処理を行う。
【0093】
その他の行動パターン情報の項目では、集計した結果が記憶されるようになっている。例えば、「平日/休日パターン」では「会社/ショッピング50%,会社/映画20%,・・・」、「店舗との位置関係」では「直線で平均7.2km」、「来店状況」では「月平均1.4回」のようになる。
【0094】
地域特性の情報を行動ログ収集・分析サーバ1から受信した店舗サーバ6は、行動パターンDB9に記憶する。
店舗サーバ6のインタフェース部63に表示装置、入力装置、印刷装置を接続し、特定エリアを入力装置で指定して、地域特性の情報を表示装置に表示させ、印刷装置に印刷させるようにしてもよい。
表示装置に表示させる場合、または印刷装置に印刷させる場合に、店舗サーバ6の制御部61は、図8の地域毎の行動パターンをグラフ化して表示又は印刷してもよい。
また、店舗サーバ6は、行動パターンDB9に記憶した地域特性の情報を、更に別の条件で加工して表示、印刷するようにしてもよい。
【0095】
(10)[応用例3]
本システムでは、店舗サーバ6が行動ログ収集・分析サーバ1から行動パターン情報又は地域特性の情報を受信して利用するようになっているが、インターネット3に接続する端末装置(店舗サーバ6のように各DBを備えない、コンピュータ装置)から行動ログ収集・分析サーバ1にログインして、条件を付して行動パターン情報等の提供を要求し、行動ログ収集・分析サーバ1が条件に対応した行動パターン情報等を提供するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、特定アプリの利用に氏名及び住所は登録されず、ユーザIDが登録された利用者に対して行動ログのパターンを分析し、更に店舗におけるメンバー登録が為されている場合に、メンバー登録された顧客と特定アプリの利用者とを結び付けて行動ログを分析できる行動ログ分析システム及びそのプログラムに好適である。
ある。
【符号の説明】
【0097】
1...行動ログ収集・分析サーバ、 2a...行動ログデータベース(DB)、 2b...行動パターン条件データベース(DB)、 2c...行動ログ分析モデルデータベース(DB)、 3...インターネット、 4...基地局、 5...携帯端末、 6...店舗サーバ、 7...販売実績データベース(DB)、 8...顧客データベース(DB)、 9...行動パターンデータベース(DB)、 11...制御部、 12...記憶部、 13...インタフェース部、 61...制御部、 62...記憶部、 63...インタフェース部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8