(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動車には、多種多様な電子機器が搭載されている。これらの電子機器は、互いの間で電力や制御信号などを伝えるためにワイヤハーネスによって接続されている。ワイヤハーネスは、複数の電線が束ねられた電線束と、この電線束の端末に取り付けられるコネクタとを備えている(例えば、特許文献1参照。)。そして、コネクタの多くは、一端に相手方端子が嵌合し他端に電線が接続される端子と、その端子を複数収容するハウジングと、を備えた構造を有している。
【0003】
図9に、一例としての従来のコネクタの構造を示す。
図9に示されているコネクタ500では、ハウジング510に設けられた筒状の端子収容室511に端子520が抜け止めされた状態で1つずつ収容されている。端子520の抜け止めは、ハウジング510に設けられた可撓ランス512によって行われる。可撓ランス512は、端子収容室511に隣接して端子収容室511の長手方向に延在し図中左側の一端が自由端となった可撓性の部材である。可撓ランス512の自由端側の一部は、端子収容室511内の端子520に係止して抜け止めとなるように端子収容室511の内部に突出する係止部512aとなっている。端子収容室511に端子520を挿入する時や、一旦挿入された端子520を端子収容室511から抜き出す時には、可撓ランス512が端子収容室511の外側へと撓んで係止部512aが端子520に係止又は係止解除するようになっている。また、端子収容室511内の端子520の先端は、ハウジング510に取り付けられるフロントホルダ530によって支持される。
【0004】
ここで、
図9に示されているコネクタ500では、図中縦方向に配列された2つの端子収容室511のそれぞれに隣接して設けられた2つの可撓ランス512が、図中右側の端部側で一体に形成されている。そして、これら2つの可撓ランス512は、端子520の挿抜時には互いに近づく方向に撓む背合わせの位置関係となっている。このように2つの可撓ランス512を背合わせに形成することにより、2つの端子収容室511の間隔を縮めることができ、これによりコネクタ500の小型化が図られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年では、ワイヤハーネスに使用されるコネクタについて一層の小型化が求められており、
図9を参照して説明したような構造ではこのような求めに応じることが困難になりつつある。
【0007】
従って、本発明は、上記のような問題点に着目し、一層の小型化を図ることができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、円柱状又は円筒状に形成された大径部分と小径部分とが軸方向に連なる端子と、前記端子を複数収容するハウジングと、を備えるコネクタにおいて、前記ハウジングには、当該ハウジングの一端から他端へと延在し、当該他端側の開口から前記大径部分を先にして前記端子が挿入される端子収容室を
各々が4つ有
し、互いに交差する二つの方向のうちの少なくとも一つの方向に配列された複数群の収容室群と、4つの前記端子収容室に囲まれるように配置されたランス体と、が設けられ、前記収容室群の4つの前記端子収容室のそれぞれが、互いに軸が平行でかつ軸方向から見たときに各軸が正方形又は長方形の4つの頂点に位置するように並べて配列され、前記ランス体が、4つの前記端子収容室のそれぞれに対応して設けられ、前記端子収容室の長手方向に延在し前記ハウジングの一端側が自由端となるように形成された4つの可撓ランスを一体に有し、4つの前記可撓ランスのそれぞれに、対応する前記端子収容室に収容された前記端子の前記大径部分と前記小径部分との段差に係止するように前記端子収容室の内部に突出する係止部が設けられるとともに、4つの前記可撓ランスのそれぞれが、前記端子収容室への前記端子の挿抜時に前記自由端が前記正方形又は前記長方形の対角線方向に撓んで前記係止部が前記段差に係止又は係止解除するように当該対角線上に配置されていることを特徴とするコネクタである。
また、請求項2に記載の発明は、円柱状又は円筒状に形成された大径部分と小径部分とが軸方向に連なる端子と、前記端子を複数収容するハウジングと、を備えるコネクタにおいて、前記ハウジングには、当該ハウジングの一端から他端へと延在し、当該他端側の開口から前記大径部分を先にして前記端子が挿入される端子収容室を4つ有する収容室群と、4つの前記端子収容室に囲まれるように配置されたランス体と、が設けられ、前記収容室群の4つの前記端子収容室のそれぞれが、互いに軸が平行でかつ軸方向から見たときに各軸が正方形又は長方形の4つの頂点に位置するように並べて配列され、前記ランス体が、4つの前記端子収容室のそれぞれに対応して設けられ、前記端子収容室の長手方向に延在し前記ハウジングの一端側が自由端となるように形成された4つの可撓ランスを一体に有し、4つの前記可撓ランスのそれぞれに、対応する前記端子収容室に収容された前記端子の前記大径部分と前記小径部分との段差に係止するように前記端子収容室の内部に突出する係止部が設けられるとともに、4つの前記可撓ランスのそれぞれが、前記端子収容室への前記端子の挿抜時に前記自由端が前記正方形又は前記長方形の対角線方向に撓んで前記係止部が前記段差に係止又は係止解除するように当該対角線上に配置され、前記収容室群が、複数群設けられており、複数群の前記収容室群のうちの一の収容室群と他の収容室群とが一方向に間隔を開けて対向して配置され、前記一の収容室群の端子収容室の軸と、前記他の収容室群の端子収容室の軸とが、前記一方向と直交する方向にズレていることを特徴とするコネクタである。
【0009】
請求項
3に記載の発明は、請求項1
又は2に記載の発明において、前記可撓ランスの自由端が、前記段差よりも前記ハウジングの一端側へと延びて前記大径部分を前記対角線方向に支持することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記収容室群が、複数群設けられており、複数群の前記収容室群のうちの一の収容室群と他の収容室群とが一方向に間隔を開けて対向して配置され、前記一の収容室群の端子収容室の軸と、前記他の収容室群の端子収容室の軸とが、前記一方向と直交する方向にズレていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項
1及び請求項2に記載の発明によれば、上記ランス体において、正方形又は長方形の対角線方向に撓む4つの可撓ランスが一体に設けられている。これにより、上記収容室群においてランス体を囲む4つの端子収容室についてその対角線方向の間隔を縮めて縦横の2方向について間隔を縮めることができるのでハウジングを小型化することができ、その結果、コネクタの一層の小型化を図ることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、可撓ランスの自由端が上記段差よりも上記ハウジングの一端側へと延びている。このため、対角線方向に背合わせの位置関係にある2つの可撓ランスが撓むときには、それら2つの可撓ランスの間で、上記のように延びた自由端どうしが当接する。この当接により、可撓ランスの過大な撓みが抑えられることとなる。更に、このように延びた自由端が端子の大径部分を支持するので、例えば
図9に示されているフロントホルダ530のように端子を支持するための別部材が不要となり、部品点数の削減も図られている。
【0013】
請求項
2に記載の発明によれば、一の収容室群の端子収容室の軸と、他の収容室群の端子収容室の軸とが、前記一方向(対向する方向)と直交する方向にズレているので、その一方向について両者間の間隔を縮めてコネクタの更なる小型化を図ることができる。
【0014】
ここで、嵌合相手のコネクタとして、基板の縁に搭載され嵌合方向が基板面内方向となるタイプのコネクタを想定する。このようなタイプのコネクタの多くは、端子における嵌合側とは反対側が基板との接続ピンとなっている。接続ピンは、基板と平行に延び90°曲がって基板へと至って基板に接続される。このとき、端子が格子点状に配列されていると仮定する。この場合、端子から延びる接続ピンが互いに平行に上記経路を辿って延びて基板に接続されるので、基板上での接続点も格子点状に配列され、その配列の分だけ基板上の面積が占有されることとなる。
【0015】
これに対し、請求項
2に記載の発明によれば、端子収容室の軸をずらす方向として、上記の基板に平行な横方向を採用することで、嵌合相手のコネクタにおいて端子を次のように配置することができる。即ち、上記一の収容室群の端子収容室と上記他の収容室群の端子収容室とのそれぞれに対応し、縦方向に間隔を開けて対向配置される端子を横方向にずらして配置することができる。このため、これらの端子から延びる接続ピンの基板上での接続点を、上記の縦方向の間隔をなくして横一列に並べて配置することができる。その結果、基板上の占有面積を狭めることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第一実施形態にかかるコネクタを
図1〜
図4を参照して説明する。第一実施形態のコネクタ100は、四角柱形状のハウジング110と、丸端子120(端子)と、を有している。
図1には、本実施形態のコネクタ100が、ハウジング110と丸端子120とに分かれた斜視図で示されている。
図2には、
図1中の領域A1を、矢印D1方向に見たときの拡大正面図が示されている。そして、
図3には、ハウジング110における
図2中のV1−V1断面が、ハウジング110に収容された丸端子120とともに示されている。
【0018】
図1及び
図3に示されているように、丸端子120は、円筒状を有し一端120aに不図示の相手方オス端子が嵌合し他端120bに電線130が接続されるメス端子である。また、丸端子120は、上記の一端120a側が大径部分121となり、他端120b側が小径部分122となっている。
【0019】
ハウジング110は、この丸端子120を16個収容する。このハウジング110には、
図3に示されているように、丸端子120を1個収容する端子収容室111が16個設けられている。各端子収容室111は、ハウジング110の一端から他端へと延在し、相手方オス端子を嵌合するための嵌合口111aが一端側に開口し、丸端子120を挿抜するための挿抜口111bが他端側に開口した筒状の収容室となっている。
【0020】
ここで、このハウジング110では、端子収容室111が4つ、互いに軸111cが平行で、かつ軸111c方向から見たときに各軸111cが正方形Sq1の4つの頂点に位置するように並べて配列されて収容室群112をなしている。ハウジング110には、このような収容室群112が4群設けられている。
【0021】
また、
図2及び
図3に示されているように、各収容室群112において4つの端子収容室111で囲まれた領域に、各端子収容室111内の丸端子120の抜け止め用に4つの可撓ランス113を一体に有するランス体114が設けられている。各可撓ランス113は、正方形Sq1の中心側で端子収容室111に隣接して端子収容室111の長手方向に延在している。そして、端子収容室111の挿抜口111b側が固定端113aで嵌合口111a側が自由端113bとなっている。また、一部が端子収容室111の内部に突出する係止部113cとなっている。この係止部113cが、端子収容室111内の丸端子120における大径部分121と小径部分122との段差123に係止して抜け止めの役割を果たす。
【0022】
4つの可撓ランス113それぞれは、端子収容室111に対する丸端子120の挿抜時には自由端113bが正方形Sq1の対角線方向に撓んで係止部113cが段差123に係止又は係止解除するようにその対角線上に配置されている。即ち、丸端子120の挿入時には、係止部113cが端子収容室111内から退避して大径部分121を通過させ、通過後に復位して段差123に係止する。丸端子120の抜き出し時には、係止部113cが端子収容室111内から退避して段差123への係止が解除される。
【0023】
そして、本実施形態では、収容室群112をなす4つの端子収容室111に一対一に設けられた4つの可撓ランス113が、固定端113aで一体に形成されている。これにより、4つの可撓ランス113からなるランス体114は、正方形Sq1の各頂点に向かって放射状に枝分かれし、各枝の先端が自由端113bとなった構造に形成されている。また、4つの可撓ランス113では、正方形Sq1の対角線上に自由端113bが並ぶ2つの可撓ランス113が、丸端子120の挿抜時に互いに近づく方向に撓む背合わせの位置関係となって対をなしている。
【0024】
本実施形態によれば、ランス体114における4つの可撓ランス113の上記のような構造によりハウジング110の小型化が図られ、その結果、コネクタ100が小型化されている。
図4は、ランス体114における4つの可撓ランス113の構造によりハウジング110の小型化が図られる様子を示す図である。この
図4では、本実施形態のハウジング110に対する比較例のハウジング610が
図4(a)に示され、本実施形態のハウジング110が
図4(b)に示されている。
【0025】
図4(a)に示されている比較例のハウジング610は、
図9を参照して説明したように、図中縦方向に配列された2つの端子収容室611のそれぞれに隣接して設けられた2つの可撓ランス612が背合わせの位置関係で形成されたものである。この比較例のハウジング610では、図中縦方向については2つの可撓ランス612の背合わせでの形成により端子収容室611の相互の間隔が縮められている。一方、図中横方向については、可撓ランス612の設置のためのスペースAr1が必要となり、端子収容室611の相互の間隔W1はこのスペースAr1を間に挟んだ間隔となる。
【0026】
これに対し、
図4(a)に示されている本実施形態のハウジング110では、ランス体114が、収容室群112をなす4つの端子収容室111に囲まれるように設けられている。そして、ランス体114における4つの可撓ランス113が、正方形Sq1の対角線上の一対の可撓ランス113が背合わせに撓むように一体に形成されている。このため、本実施形態のハウジング110では、図中横方向について、
図4(a)に示されているようなスペースAr1が不要となる。また、4つの端子収容室111について正方形Sq1の対角線方向の間隔を縮めて縦横の2方向について間隔を縮めることができる。その結果、端子収容室111の相互の間隔W2は、
図4(a)に示されている間隔W1よりも短縮される。このように、本実施形態によれば、収容室群112をなす4つの端子収容室111について縦横の2方向について相互の間隔を縮めることができるのでハウジング110を小型化することができ、コネクタ100の一層の小型化を図ることができる。
【0027】
また、本実施形態では、
図3に示されているように、丸端子120の段差123に係止して抜け止めの役割を果たす係止部113cは、各可撓ランス113の延出方向について中央付近に設けられている。各可撓ランス113の自由端113bは、段差123よりも嵌合口111a側へと延びて丸端子120の大径部分121を正方形Sq1の対角線方向に支持する。
【0028】
このため、対角線方向に背合わせの位置関係にある2つの可撓ランス113が撓むときには、それら2つの可撓ランス113の間で、上記のように延びた自由端113bどうしが当接する。この当接により、可撓ランス113の過大な撓みが抑えられることとなる。更に、このように延びた自由端113が、
図3に示されているように丸端子120の大径部分121を支持するので、例えば
図9に示されているフロントホルダ530のような別部材が不要となり、部品点数の削減も図られている。
【0029】
次に、本発明の第二実施形態にかかるコネクタを
図5〜
図8を参照して説明する。第二実施形態のコネクタは、ハウジングにおける端子収容室111の配列を除いて第一実施形態のコネクタ100と同等である。以下では、この第二実施形態のコネクタについて、この第一実施形態のコネクタ100との相違点に注目して説明を行う。
【0030】
図5は、第二実施形態のコネクタのハウジングを、
図4(a)にも示されている比較例のハウジング610とともに示す図である。
図5(a)には、比較例のハウジング610が示されており、
図5(b)には、第二実施形態のハウジング210が示されている。尚、
図5では、
図4に示されている構成要素と同等な構成要素については
図4と同じ符号が付されており、以下では、これら同等な構成要素については重複説明を割愛する。
【0031】
図5(b)に示されているように、第二実施形態のハウジング210では、一の収容室群112と他の収容室群112とが図中縦方向に間隔を開けて対向して配置されている。そして、一の収容室群112の端子収容室111の軸111c(
図2参照)と他の収容室群112の端子収容室111の軸111cとが、対向方向と直交する図中横方向にズレている。これにより、中二段の端子収容室111が、群間を挟んで横方向に千鳥配列(一点鎖線L1)に並ぶように、収容室群112が設けられている。その結果、千鳥配列の幅方向(即ち、図中縦方向)について収容室群112の群間の間隔W5を次のように縮めることができる。
【0032】
図5(a)に示されているように、比較例のハウジング610では、図中上方二段の端子収容室612と下方二段の端子収容室612との間隔W3が、縦方向に端子収容室612を分離しておくためのスペースAr2を間に挟んだ間隔となっている。これに対し、第二実施形態のハウジング210では、中二段の端子収容室111が上記のように千鳥配列となっているので、図中上方二段の端子収容室111と下方二段の端子収容室111とが図中横方向にずれている。このため、第二実施形態のハウジング210では、上記のスペースAr2を狭めることができ、千鳥配列の幅方向(図中縦方向)について収容室群112における群間の間隔W5が、
図5(a)に示されている間隔W3よりも短縮される。第二実施形態のハウジング210でも、図中横方向について端子収容室111の相互の間隔W2が、
図4(a)に示されている間隔W1よりも短縮されることは上述した第一実施形態と同様である。第二実施形態のハウジング210は、縦横双方について端子収容室111の間隔W2,W5が短縮されることで一層小型化することができ、その結果、コネクタの一層の小型化を図ることができる。
【0033】
ここで、本実施形態では、嵌合相手のコネクタとして、次のような基板搭載タイプのコネクタを想定している。
図6は、第二実施形態のコネクタに嵌合する基板搭載タイプのコネクタを示す図である。また、
図7は、
図6に示されている基板搭載タイプのコネクタを基板側から見た図である。
図6及び
図7に示されている基板搭載タイプのコネクタ700には、
図6に矢印D2で示されているように基板750の面内方向となる嵌合方向に第二実施形態のコネクタ200が嵌合する。
【0034】
この基板搭載タイプのコネクタ700では、第二実施形態のコネクタ200における丸端子120と嵌合するオス端子710の、嵌合側とは反対側が基板750との接続ピン711となっている。接続ピン711は、基板750と平行に延び90°曲がって基板750へと至って基板750に接続される。その結果、基板750上は、この基板搭載タイプのコネクタ700により、接続ピン711の接続に要するスペース分占有されることとなる。このとき、
図5(b)に示されているように、対向配置されている中二段の端子収容室111の軸111cが図中横方向にズレて千鳥配列となっている第二実施形態のコネクタ200によれば、基板搭載タイプのコネクタ700による基板750上の占有スペースを次のように狭めることができる。
【0035】
図8は、
図6及び
図7に示されている基板搭載タイプのコネクタによる基板上の占有スペースが、このコネクタに嵌合するコネクタにおける端子収容室の配列によって狭められる様子を示す図である。
図8(a)には、
図5にも示されている比較例のハウジング610と、この比較例において必要となる基板760上の占有スペースAr3が示されている。また、
図8(b)には、
図5にも示されている第二実施形態のハウジング210と、基板750上の占有スペースAr4が示されている。
【0036】
図8(a)に示されているように端子収容室611が軸方向から見て格子点状に配列されていると、相手方となる基板搭載タイプのコネクタにおけるオス端子も格子点状に配列されることとなる。そして、それらのオス端子から延びる接続ピンが互いに平行に上記経路を辿って延びて基板760に接続されるので、基板760上での接続点751も格子点状に配列される。そして、基板760上では、その配列に応じた幅W6の占有スペースAr3が占有されることとなる。
【0037】
これに対し、第二実施形態のコネクタ200では、
図8(b)に示されているように、端子収容室111をずらす方向として、嵌合相手のコネクタと嵌合したときの基板750に平行な横方向を採用している。その結果、この基板搭載タイプのコネクタ700における横方向の端子配列を、
図7に示されているように、第二実施形態における端子収容室111と同様に、対向配置されている中二段の端子を図中横方向にずらして千鳥配列とすることができる。この中二段の千鳥配列は、互いに対向する二列の直線配列であるが、上記の基板750上での接続点751の横方向の配列について、縦方向の間隔をなくして横一列に並べて配置することができる。その結果、基板750上の占有スペースAr4の幅W7を、上記の比較例における占有スペースAr3の幅W6の1/2に短縮することができる。その結果、第二実施形態によれば、基板750上の占有スペースAr4を、比較例における占有スペースAr3の1/2に狭めることが可能となっている。
【0038】
尚、以上に説明した2つの実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のコネクタの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0039】
例えば、上記の2つの実施形態では、本発明にいうハウジングの一例として、いずれも、四角柱形状のハウジング110,210が例示されている。しかしながら、本発明にいうハウジングは、これに限るものではなく、四角柱形状以外の任意の形状を有するものであってもよい。
【0040】
また、例えば、上記の2つの実施形態では、本発明にいうハウジングの一例として、いずれも、収容室群112が縦横に二列ずつ合計で4群設けられたハウジング110,210が例示されている。しかしながら、本発明にいうハウジングはこれに限るものではなく、収容室群が1群のみ設けられたものであってもよく、縦横に二列以外の列数で配列されて4群以外の複数群設けられたものであってもよい。
【0041】
また、例えば、上記の2つの実施形態では、本発明にいう収容室群の一例として、いずれも、軸111cが正方形Sq1の頂点に位置するように4つの端子収容室111が並べて配列された収容室群112が例示されている。しかしながら、本発明にいう収容室群はこれに限るものではなく、軸が長方形の頂点に位置するように4つの端子収容室が並べて配列されたものであってもよい。