(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の前記導光部は、前記自発光素子からの光を受光し、当該光の色成分を補正して前記画像表示面に向けて照射するものである、請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の各実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る光源部(照明装置)20を備えた表示装置1の模式的な分解斜視図である。
図1に示すように、表示装置1は、反射型の表示部(表示パネル)10と、この表示部10の上の前面(観察面)側に配置された光源部20とを備える。
【0012】
表示部10は、反射型の表示パネルであり、光源部20から出射される光源光(光L
1)及び外光(環境光)の少なくとも一方を用いて映像表示を行う。表示部10は、2次元マトリクス状に配置された複数の画素11と、各画素11内に設けられた反射型表示素子12とを備える。反射型表示素子12は、例えば、電気泳動素子、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)などの液晶素子、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子、エレクトロウェッティング素子またはエレクトロクロミック素子などにより構成される。
【0013】
表示部10の構成は、特に限定するものではなく、反射型の液晶表示パネルや電子ペーパー(例えば電気泳動式)などといった周知のデバイスを用いることができる。表示部10はモノクロ表示であってもよく、カラー表示であってもよい。表示部10は、例えば、透明共通電極を備えたフロントパネル、画素電極を備えたリアパネル、及び、フロントパネルとリアパネルとの間に配置された液晶材料などを備える。表示部10は、画素電極が光を反射する構成であってもよいし、透明画素電極と反射膜の組み合わせによって、反射膜が光を反射するといった構成であってもよい。液晶表示パネルの液晶駆動のための構成は特に限定するものではなく、TNモード及びVAモード、ECBモードといった所謂縦電界モードで駆動される構成であってもよく、あるいはFFSモードやIPSモードといった所謂横電界モードで駆動される構成であってもよい。また、表示部10の構成としては、例えば、画素内に反射型の表示領域と透過型の表示領域の両方を有する液晶表示パネルであってもよい。
【0014】
表示部10の形状は特に限定されず、例えば、横長の矩形状であってもよく、縦長の矩形状であってもよい。表示部10の画素(ピクセル)の数M×Nを(M,N)で表記したとき、例えば、表示部10が横長の矩形状の場合には(M,N)の値として、(640,480)、(800,600)、(1024,768)などの画像表示用解像度の幾つかを例示することができ、縦長の矩形状の場合には相互に値を入れ替えた解像度を例示できる。
【0015】
表示部10は、少なくとも一部分が可撓性を有するようにしてもよい。その場合、表示部10は、例えば、プラスチック基板、電気泳動素子などからなる反射型表示素子12及び有機TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)などからなる駆動素子などを用いて構成される。
【0016】
光源部20は、表示部10の表示面S側に配置される。光源部20は、表示部10の表示面Sに対して光L
1を照射するフロントライトである。この光源部20は、透光性基板21(
図1において不図示、
図3参照)上に設けられた複数の自発光素子によって構成される発光部22と、透光性基板21上の複数の発光部22間に配置された複数の導光部23とを備える。透光性基板21としては、例えば、ガラス、各種プラスチック材料(例えば、PMMA、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、非晶性のポリプロピレン系樹脂、AS樹脂を含むスチレン系樹脂)などの透明基板を用いることができる。発光部22は、例えば、有機電界発光素子(有機EL(Electro Luminescence))素子や無機電界発光素子(無機EL素子)、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)及びマイクロ発光ダイオード(MicroLED: Light Emitting Diode)などにより構成される。発光部22は、表示部10の表示面Sに向けて光L
1を照射する。導光部23は、発光部22から出光した光L
1の一部を表示部10の表示面Sに向けて光L
2として照射する。
【0017】
光源部20は、表示部10の画素11の領域(画素領域)に対応して形成された開口24と、表示部10における画素11同士の間の領域(画素間領域)に設けられた格子状の遮光部25とを備える。遮光部25は、ブラックマトリクス(BM)として機能するものであり、例えば、所定の黒色樹脂材料からなる。
【0018】
図2は、光源部20の模式的な平面図である。なお、
図2においては、説明の便宜上、発光部22及び導光部23の位置をそれぞれ丸で模式的に示し、遮光部25を線で模式的に示している。また、
図2においては、丸で示した発光部22が線で示した遮光部25を跨ぐようにして配置されているが、実際の光源部20では、発光部22は、光源部20の画素間領域である遮光部25によって背面が覆われるように遮光部25上に配置され、発光部22からの光L
1が遮光部25によって遮蔽されて観察者側に漏れずに表示部10側に向けて選択的に出光される。同様に、導光部23も、複数の自発素子22間の遮光部25によって背面が覆われるように遮光部25上に配置され、導光部23からの光L
2が遮光部25によって遮蔽されて観察者側に漏れずに表示部10側に向けて選択的に出光される。なお、導光部23は必ずしも画素11の配線の交点に設ける必要はない。
【0019】
図2に示すように、導光部23は、光源部20内で配置密度が高い領域と配置密度が低い領域とが適度に分散するようにランダムに配置される。また、導光部23は、光源部20内において、例えば、一対の発光部22間に複数の導光部23が配置される領域と、一対の発光部22間に一つの導光部23が配置される領域と、一対の発光部22間に導光部23が配置されない領域とが生じるようにランダムに配置してもよい。このように導光部23を配置することにより、光源部20内の所望の領域から導光部23によって表示部10に向けて光源部20からの光L
1を導光部23からの光L
1として導くことができる。光源部20を駆動する発光部駆動回路及び光源を駆動する光源駆動回路は、種々の回路から構成することができる。これらは周知の回路素子などを用いて構成することができる。
【0020】
図3は、表示装置1の断面模式図である。
図3に示すように、発光部22は、透光性基材21の表面上に設けられる遮光層221と、この遮光層221上に設けられる反射層222と、この反射層222上に発光部22毎に設けられた電極層223と、この電極層223上に設けられた発光層224とを備える。なお、ここでの「上」とは、遮光層221、反射層222及び電極層223の積層方向における上方を意味する。すなわち、
図3で見た場合には、透光性基板21から見て下方に向かうほど(Z軸マイナス方向に向かうほど)上層、ということとなる。遮光層221は、例えば、透光性基板21上に設けられた酸化クロム膜によって構成される。また、反射層222は、例えば、遮光層221上に設けられたクロム膜によって構成される。なお、遮光層221及び反射層222は、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、及びニッケル(Ni)などの遮光性導電材料、並びに、これらの元素を主体とした酸化物などの合金材料を用いて構成してもよい。発光層224は、電流駆動型の発光素子によって構成される。発光層224は、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)といった発光素子を用いることができる。発光ダイオードとしては、青色又は青色よりも波長の短い光を発光する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせた蛍光体方式の発光ダイオード及び赤色・緑色・青色の3チップを用いて1つの発光源とする発光ダイオードを用いることができる。また、発光層224としては、複数の発光素子の光を加法混色することによって白色を発光する構成としてもよい。この場合、例えば、発光素子として、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび青色発光ダイオードの3種を用い、これら3種の発光ダイオードが交互に並んで分散して配置されるといった構成とすることができる。この構成によれば、より形状の小さい発光ダイオードを用いることができるので、発光部22や遮光部25によって表示部10の画像の一部が遮光される程度をより小さくすることができる。
【0021】
導光部23は、透光性基材21の表面上に設けられた遮光層231と、この遮光層231上に設けられる反射層232と、この反射層232上に設けられる導光層233とを備える。なお、ここでの「上」とは、遮光層231、反射層232及び導光層233の積層方向における上方を意味する。すなわち、
図3で見た場合には、透光性基板21から見て下方に向かうほど(Z軸マイナス方向に向かうほど)上層、ということとなる。遮光層231は、例えば、透光性基板21上に設けられた酸化クロム膜によって構成される。また、反射層232は、例えば、遮光層231上に設けられたクロム膜によって構成される。なお、遮光層231及び反射層232は、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、及びニッケル(Ni)などの遮光性導電材料、並びに、これらの元素を主体とした酸化物などの合金材料を用いて構成することもできる。このように、遮光層231及び反射層232上に導光層233を設けることにより、導光層233によって表示部10に向けて導かれる光L
2の利用効率を向上することができる。
【0022】
また、光源部20は、発光部22及び導光部23を覆うように設けられたOLED層26と、このOLED層26を覆うように設けられた透明電極層27と、この透明電極層27を覆うように設けられた接着層28とを備える。光源部20は、この接着層28を介して表示部10上に配置される。光源部20は、発光部22毎に設けられた電極層223と各発光部22に対して共通に設けられた透明電極層27とが発光層224の駆動電極として機能する。透明電極層27は、例えば、酸化インジウム錫膜(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化インジウム亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化錫(SnO
2)、酸化亜鉛(ZnO
2)などの透明導電材料によって構成される。
【0023】
導光層233は、着色材料、蛍光材料、蓄光材料、及び光拡散材料からなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。着色材料としては、例えば、青色帯域を選択的に透過するカラーフィルター、緑色帯域を選択的に透過するカラーフィルター、及び赤色帯域を選択的に透過するカラーフィルターが挙げられる。
【0024】
蛍光材料としては、母材の一部を賦活剤で置換することにより形成された蛍光体が挙げられる。蛍光体としては、例えば、酸化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、窒化物蛍光体及び硫化物蛍光体などが挙げられる。これらの蛍光体を用いることにより、例えば、青色(450nm付近)の波長帯の光を吸収し、吸収した光の波長よりも長い波長の光を発光することが可能となる。また、蛍光体としては、Eu賦活硫化物系の赤色蛍光体、Eu賦活硫化物系の緑色蛍光体、Eu賦活窒化物系の赤色蛍光体、Eu賦活窒化物系の緑色蛍光体、Eu賦活酸化物系の赤色蛍光体、Eu賦活酸化物系の緑色蛍光体などが挙げられる。酸化物蛍光体としては、例えば、黄色蛍光体((Y,Gd)
3(A1,Ga)
5O
12:Ce,Tb
3Al
5O
12:Ce)、緑色蛍光体(Ca
3Sc
2Si
3O
12:Ce)、黄色蛍光体((Sr,Ca,Ba)
2SiO
4:Eu)が挙げられる。また、酸窒化物・窒化物蛍光体としては、例えば、赤色蛍光体(CaAlSiN
3:Eu
2+)、(Ca−α−SiAlON:Eu
2+)及び(Ca−β−SiAlON:Eu
2+)が挙げられる。赤色蛍光体(CaAlSiN
3:Eu
2+)は、励起波長が広く、450nm以上550nm以下を励起波長として650nmの赤色帯の発光波長を有する。また、赤色蛍光体(Ca−α−SiAlON:Eu
2+)は、450nm付近を励起波長として用いることにより、600nmの赤色帯の発光波長を有する。また、黄色蛍光体((Y,Gd)
3(A1,Ga)
5O
12:Ce,Tb
3Al
5O
12:Ce)は、波長450nm付近を励起波長として用いることにより、波長550nm〜600nm付近の黄色帯の発光波長を有する。また、有機蛍光体としては、ローダミンB、6G、6GP、3GO、123などのローダミン類が挙げられる。また、硫化物蛍光体としては、例えば、赤色蛍光体((Ca,Sr)S:Eu)及び緑色蛍光体((Ca,Sr,Ba)Ga
2S
4:Eu)が挙げられる。また、導光部23としては、CdSeからなるコアがZnS(被覆層)によって被覆された量子ドットを用いることもできる。量子ドットは、コア及び被覆層の金属化合物及び金属化合物の直径を変えることにより、励起波長帯及び蛍光発光する波長帯を変えることが可能となる。
【0025】
蓄光材料としては、SrAl
2O
4:Eu
2+,Dy
3+などが挙げられる。
【0026】
光拡散材料としては、例えば、粉末の酸化チタンなどが挙げられる。光散乱材料は、着色したカラーフィルターと混合して着色散乱層として用いてもよい。
【0027】
導光部23は、発光部22から発光される光L
1の青色発光(400nm以上500nm以下)の波長帯の光を吸収して、赤色帯及び緑色帯又は緑色帯から赤色帯を含む波長の光を発光するようにすることができる。これにより、発光部22の発光波長とカラーフィルターとを組み合わせることにより、所望の色を選択的に取り出すことが可能となる。
【0028】
次に、
図4を参照して本実施の形態に係る表示装置1における光源部20の動作について詳細に説明する。
図4は、本実施の形態に係る表示装置1における光源部20の動作説明図である。なお、
図4においては、説明の便宜上、OLED層26、透明電極層27及び接着層28は省略して示している。
【0029】
図4に示すように、本実施の形態においては、光源部20から照射された光L
1は、等方発光により発光層224から放射状に照射されて表示部10に向けて出光する。ここで、発光層224から出光した光L
1には、透光性基板21の主面に対する入射角が小さい成分が存在する。このような光L
1は、発光層224から出光した光L
1を当該層内に導光する導光層としてのOLED層26内に閉じ込められることとなる。そこで、本実施の形態においては、このようなOLED層26内に閉じ込められる成分を導光部23に導いた後、導光部23に入光した光L
1から所望の色成分を表示部10に向けて導くことにより、導光層233内に閉じ込められる光L
1を削減しつつ、表示部10に照射される光L
1の発光色を光L
2によって補正することが可能となる。これにより、発光部22の構成を変えずに表示部10に照射される光の色相を容易に調整することが可能となると共に、発光部22の大型化を防ぎつつ色度均一性を向上させることが可能となる。
図4に示した例では、光L
1に含まれる赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBのうち、導光部23によって青色光LBを選択的に表示部10に向けて導光する例について示している。
【0030】
次に、
図5A及び
図5Bを参照して導光部23による光L
1の色補正について詳細に説明する。
図5Aは、着色材料を用いた導光層233による光L
1の色補正の概念図であり、
図5Bは、蛍光材料及び蓄光材料を用いた導光層233による光L
1の色補正の概念図である。
【0031】
図5Aに示すように、導光層233が着色材料を含む場合には、例えば、導光層233によって発光部22からの光L
1の発光スペクトルS1の一部(例えば、青色成分S2)が光L
2として反射して表示部10に導かれる。この結果、光源部20から表示部10に照射される照射光のスペクトルS3は、光源部20の発光層224から出射された光L
1の発光スペクトルS1に加えて導光部23の導光層233によって導かれた光L
2の青色のスペクトルS2成分が加えられたものとなる。これにより、発光層224から出光した光L
1を当該層内に導光する導光層としてのOLED層26内に閉じ込められる光L
1を取り出して照射光として活用できるだけでなく、光源部20から表示部10に照射される照射光の色成分を青色側に補正することができる。
【0032】
図5Bに示すように、導光層233が蛍光材料又は蓄光材料を含む場合には、例えば、導光層233によって発光部22からの光L
1の発光スペクトルS1を励起スペクトルS4によって吸収し、例えば、赤色の発光スペクトルS5を有する励起光として色変換して光L
2として表示部10に導かれる。これにより、発光層224から出光した光L
1を当該層内に導光する導光層としてのOLED層26内に閉じ込められる光L
1を取り出して照射光として活用できるだけでなく、光源部20から表示部10に照射される照射光の色成分を赤色側に補正することができる。
【0033】
次に、表示部10の発光部22と導光部23の配置について説明する。発光部22は、表示部10の所定の表示面積内に対して発光部22の密度が一定であれば、表示部10に対して均一に光L
1を照射することができる。なお、発光部22は、必ずしも画素のピッチに対応させて配置する必要はなく、画素のピッチと無関係に配置することができる。一方で、表示部10の所定の表示面積に対して発光部22の面積を上げると発光部22による遮光及び発光部22に接続する配線などにより表示装置1の透過率が低下する場合がある。本実施の形態では、例えば、
図6の領域A1に示すように、発光部22による発光輝度の均一性が高い場合には、
図2に示したように、導光部23も所定面積内で密度が一定となるように配置する。また、
図6の領域A2に示すように、電圧降下などが生じて表示領域の一部が暗くなるなど、発光輝度の均一性が悪い場合には、
図7に示すように、密度分布を持たせて導光部23を配置する。なお、発光部22は、必ずしもすべての画素間領域の交点になくてもよい。
【0034】
図8Aは、光源部20に発光部22のみを設けた表示装置1の断面模式図であり、
図8Bは、光源部20に発光部22及び導光部23を設けた表示装置1の断面模式図であり、
図9は、
図8A及び
図8Bに示した光源部20から表示部10に向けて照射される照射光の強度を示す図である。なお、
図9においては、
図8Aにおける各発光部22からの光L
1の照射量の合計照射量を実線L1に示し、
図8Bにおける発光部22からの光L
1及び導光部23からの光L
2の合計照射量を一点鎖線L2に示し、
図8A及び
図8Bで共通である各発光部22からの光L
1の照射量を点線L3に示している。
【0035】
図8A及び
図9に示すように、発光部22のみを設けた表示装置1では、発光部22の近傍の位置P1、3、5では、照射光の強度が高くなるのに対し、発光部22間の位置P2、4、6では、照射光の強度が大幅に低下する。これに対して、
図8B及び
図9に示すように、発光部22及び導光部23を設けた表示装置1では、発光部22間の位置P2、4、6では、照射光の強度の低下を補うことができる。これにより、導光部23を設けることにより、発光部22の配置の密度を高めることなく、照射光の輝度分布の面内均一性を高めることができることが分かる。
【0036】
なお、上述した実施の形態では、発光部22としてOLEDを用いる例について説明したが、発光部22としては、小型LEDなどを用いてもよい。
図10は、小型LEDを用いた発光部31を備えた表示装置1の断面模式図である。
図10に示すように、この表示装置11は、透光性基板21上に設けられた電極層311と、この電極層311上に設けられた遮光層312と、この遮光層312上に設けられた発光層313とを有する発光部31を備える。なお、ここでの「上」とは、電極層311、遮光層312及び発光層313の積層方向における上方を意味する。発光部31及び導光部23は、接着層32によって被覆されている。このように構成した場合であっても、導光層となる接着層32内に閉じ込められる発光部31からの光を導光部23によって取り出すことができるので、光の利用効率が向上すると共に、表示部10に対する照射光の色補正が可能となる。
【0037】
(適用例)
次に、
図11及び
図12を参照して、上述した画像表示装置の適用例について説明する。
図11及び
図12は、上述した実施の形態に係る画像表示装置を適用した電子機器の一例を示す図である。なお、上述した実施の形態に係る画像表示装置は、
図11及び
図12に挙げる以外にも、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどの携帯端末装置、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、或いは、車両に設けられるメータ又はカーナビゲーションシステムなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、本実施の形態に係る画像表示装置は、外部から入力された映像信号或いは内部で生成した映像信号を、画像或いは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。電子機器は、画像表示装置に映像信号を供給し、画像表示装置の動作を制御する制御装置を備える。
【0038】
(適用例1)
図11に示す電子機器は、携帯型コンピュータ、多機能な携帯電話、音声通話可能な携帯コンピュータ又は通信可能な携帯コンピュータとして動作し、いわゆるスマートフォン、タブレット端末と呼ばれることもある、情報携帯端末である。この情報携帯端末は、例えば筐体561の表面に表示部562を有しており、さらに、表示部562を制御する制御装置563を有している。この表示部562は、本実施の形態に係る画像表示装置である。特に、タブレット端末などは、外部で使用されるため、温度上昇が起こりやすい。従って、本発明は、タブレット端末に特に有効である。
【0039】
(適用例2)
図12は、本実施の形態に係る車両に搭載されるメータユニット及びカーナビゲーションシステムの概略構成図である。
図12に示す電子機器は、車両に搭載されるメータユニット及びカーナビゲーションシステムである。
図12に示すメータユニット(電子機器)570は、燃料計、水温計、スピードメータ、タコメータなど、複数の上述した本実施の形態に係る画像表示装置を表示装置571として備えている。また、メータユニット570は、表示装置571を制御する制御装置579を備えている。そして、複数の表示装置571は、ともに、一枚の外装パネル572に覆われている。
【0040】
図12に示す表示装置571それぞれは、表示手段としてのパネル573及びアナログ表示手段としてのムーブメント機構を互いに組み合わせた構成となっている。当該ムーブメント機構は、駆動手段としてのモータと、モータにより回転される指針574とを有している。そして、
図12に示すように、表示装置571では、パネル573の表示面に目盛表示、警告表示などを表示することができるとともに、ムーブメント機構の指針574がパネル573の表示面側において回転することが可能となっている。
【0041】
なお、
図12では、一枚の外装パネル572に複数の表示装置571を設けた構成としたが、これに限定されない。外装パネル572によって囲まれた領域に1つの表示装置571を設け、当該表示装置に燃料計、水温計、スピードメータ、タコメータなどを表示させてもよい。
【0042】
図12に示すように、例えば車両のダッシュボード577に、カーナビゲーション表示装置576が設置される。カーナビゲーション表示装置576は、本実施の形態に係る画像表示装置を表示部575として備えており、表示部575を制御する制御装置578を備えている。表示部575は、カーナビゲーションシステムにおけるナビゲーション表示、音楽操作画面の表示、又は、映画再生表示などに利用される。特に、カーナビゲーション装置又は車載パネルなどは、外部で使用されるため、温度上昇が起こりやすい。従って、本発明は、カーナビゲーション装置又は車載パネルなどに特に有効である。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態に係る光源部20によれば、自発光素子を備えた発光部22から発光した光L
1を導光部23に入光して光L
2として表示部10に導くので、導光層内に閉じ込められる光L
1を光L
2として光L
1と共に表示部10に照射光として照射できる。これにより、光L
1の利用効率が向上するだけでなく、光L
2によって光L
1の色相を色補正した照射光を表示部10に照射することが可能となる。したがって、光の色相を調整でき、しかも、光の利用効率が高い照明装置を実現できる。また、本実施形態にかかる光源部を備えた表示装置を、電子看板として用いることも可能である。
【0044】
また、本実施の形態に係る光源部20によれば、表示部10の画像表示面の全面に発光部22からの光L
1及び導光部23からの光L
2を照射する場合だけでなく、画像表示面の一部の領域に光L
1及び光L
2を照射する場合においても、発光部22及び導光部23の密度を調整することにより輝度の均一性を向上させることが可能となる。例えば、画像表示面の一部の領域の輝度が低い場合には、当該輝度が低い領域に他の領域に対して相対的に多くの導光部23を設けることにより、当該輝度が低い領域の輝度を向上させることができ、画像表示面全体の輝度の均一性を向上することができる。また、本実施の形態に係る光源部20は、光源部20から照射する光L
1の点灯量を画像表示領域内の複数の領域毎に制御するローカルディミングに適用することが可能である。この場合、例えば、画像表示領域内の複数の領域のうち、他の領域に対して相対的に輝度が低い領域に、他の領域に対して多数の導光部23を設けることにより、当該輝度が低い領域の輝度を向上させることが可能となり、画像表示領域全体の輝度の均一性を向上させることができる。
【0045】
本開示は、次のような構成を採用することができる。
【0046】
(1)外光を反射させることで画像を表示させる反射型の表示装置の画像表示面に対向して配置される照明装置であって、透光性基板と、前記透明性基板上に設けられ、前記画像表示面に向けて光を照射する複数の自発光素子と、前記透明性基板上における前記複数の自発光素子の間に設けられ、前記自発光素子からの光を受光し、当該受光した光を前記画像表示面に向けて導く1又は複数の導光部と、を具備することを特徴とする、照明装置。
【0047】
(2)前記導光部が、着色材料、蛍光材料、蓄光材料、及び光拡散材料からなる群から選択された少なくとも1種を含んで構成された、(1)に記載の照明装置。
【0048】
(3)複数の前記導光部は、前記自発光素子からの光を受光し、当該光の色成分を補正して前記画像表示面に向けて照射するものである、(1)又は(2)に記載の照明装置。
【0049】
(4)複数の前記導光部が、前記透光性基板上にランダムに配置されてなる、(1)から(3)のいずれか1つに記載の照明装置。
【0050】
(5)複数の前記導光部は、前記透光性基板上における配置密度が当該透光性基板上の領域に応じて異なる、(1)から(4)のいずれか1つに記載の照明装置。
【0051】
(6)前記自発光素子及び前記導光部は、遮光層を介して前記透光性基板上に設けられた、(1)から(5)のいずれか1つに記載の照明装置。
【0052】
(7)前記自発光素子が、LEDである、(1)から(6)のいずれか1つに記載の照明装置。
【0053】
(8)(1)から(7)のいずれか1つに記載の照明装置と、前記照明装置から照射された光により画像を表示する画像表示部とを備えたことを特徴とする、表示装置。
【0054】
(9)透明性基板上に設けた自発光素子から発光された光を導光部に入光し、当該入光した光を反射型の画像表示部に向けて導いて当該画像表示部を照明することを特徴とする、照明方法。