(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記流入口が、流入通路を有し、該流入通路が、前記軸線に対して略垂直な方向においてクランク室ガスを前記分離室へと供給するように、前記軸線に対して略垂直である、請求項2に記載のオイル分離装置。
軸線方向突出部が、前記内壁の数と等しい数の、少なくとも2つの軸線方向突出部であり、少なくとも2つの前記軸線方向突出部のそれぞれが、前記第1の端部の径に対して中心に配置された、請求項5に記載のオイル分離装置。
前記分離室が、第2の端部から離間された第1の端部を備える内壁を有し、前記第1の端部及び前記第2の端部の両方が、通路を形成するように開かれ、前記第1の端部が、前記第2の端部よりも大きな径を有し、前記第2の端部が、前記第2のオイル分離部と流体連通すると共に前記底壁から離間され、前記クランク室ガスが、前記流入口を通して前記分離室に流れる、請求項7に記載のオイル分離装置。
前記流入口が、流入通路を有し、該流入通路が、クランク室ガスを前記通路の前記軸線に対して略垂直な方向で前記分離室へと供給するように前記軸線に対して略垂直である、請求項7に記載のオイル分離装置。
前記分離室が、第1の波状面に類似した第2の波状面に対向する前記第1の波状面によって形成された少なくとも1つの狭い波状通路を有し、前記第1の波状面が、前記第2の波状面から所定の距離で離間された、請求項7に記載のオイル分離装置。
前記隔壁に配置されたドレインチューブを更に具備し、前記ドレインチューブが、前記第2のオイル分離部の第1の室と第2の室との間を流体連通させる、請求項7に記載のオイル分離装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、先の構造と比較して、ガスから分離されるオイルの量を増加させることが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
内燃機関において発生するクランク室ガスからオイルを分離するオイル分離装置が提供される。オイル分離装置は、流入口及び排出口を有する。流入口は上流にあり、分離室と流体連通している。流入口は、クランク室ガスを受け入れるように構成されている。排出口は、クランク室ガスをエンジンの吸気マニホールドに送ることができるように構成されている。オイル分離装置は、第1の端部を有した分離室を有する。第1の端部は、軸線に沿って延びる通路を形成するように、第2の端部に対して高くなっている(elevated)。第1の端部の径は、第2の端部の径よりも大きい。第1の端部及び第2の端部は、第1の面及び第2の面にそれぞれ配置されている。第1の面及び第2の面は、概して互いに平行であり、軸線に対して垂直である(orthogonal)。排出口は、第2の面の下流側にあり、軸線及び第2の面から離れている(displaced)。
【0006】
作動時に、クランク室ガスは、流入口を通って分離室に流入し、オイルのミクロンサイズ粒子は、分離室内のクランク室ガスから分離され、分離室の内壁に張り付き、第2の端部の方に落下する。したがって、分離室の壁内部では、分離されたオイル及びクランク室ガスは、同じ方向に流れる。さらに、クランク室ガスは、分離されたオイル及びクランク室ガスの両方が同じ方向に移動しているので、第2の端部からオイルを排出させるのに有用である。分離されたオイルは、重力によって落下し、オイル溜めに流れ、また、クランク室ガスは、落下しているオイルの方向から離れて排出口に吸引される。
【0007】
オイル分離装置はハウジングを有する。ハウジングは、室を画定するように、一対の側壁と、上壁と、底壁とを有する。底壁はオイルドレインを有する。
【0008】
オイル分離装置には、室内に配置された第1のオイル分離部及び第2のオイル分離部が含まれる。第1のオイル分離部は、流入口の下流にあり、分離室を含む。分離室は、クランク室ガスからオイルのミクロンサイズ粒子を除去するように構成されている。分離室は、流入口と第2の分離部との間に配置されている。分離室は、第2のオイル分離部と流入口の両方と流体連通している。ガス排出口は、第2のオイル分離部から下流側に配置されている。
【0009】
オイル分離装置には、第2の分離部内に配置された隔壁が更に含まれる。隔壁は、分離室と、ハウジングの側壁の対のうちの1つとの間に延び、ハウジングの上壁と底壁との間に配置され、第1の室及び第2の室を画定するように第2の分離部を仕切る。隔壁には、1以上の貫通孔が含まれる。遮断壁は、隔壁とハウジングの上壁との間に配置されている。
【0010】
作動時に、クランク室ガスは、流入口を通ってオイル分離装置に流入し、分離室に運ばれ、オイルのミクロンサイズ粒子は、クランク室ガスから分離される。分離されたオイルは、底壁上に落下し、また、クランク室ガスは、第2のオイル分離室内に落下しているオイルから概して横方向に吸引される。分離されたオイルは、オイルドレインに更に運ばれる。そして、クランク室ガスは、隔壁の貫通孔を通して吸引され、遮断壁に運ばれ、オイルは、クランク室ガスから更に分離される。クランク室ガスは、ガス排出口から流出し、また、分離されたオイルは、オイルドレインに戻される。
【0011】
本発明の他の利点は容易に認識されるが、添付図面と関連させて考慮される場合、次の詳細な説明を参照して、同様のことが十分に理解されるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、
図1、3及び4を参照すると、オイル分離装置10が示されている。オイル分離装置10は、内燃機関(図示せず。)のクランク室と流体連通している。オイル分離装置10は、内燃機関の作動時に発生するクランク室ガスからオイルを分離するように構成されている。説明のために、クランク室ガスは、長い破線と短い破線の交互の流動線によって図中に示す。
【0014】
オイル分離装置10には、流入口12、排出口14及び分離室200a、200bが含まれている。流入口12は、PCVシステム(図示せず。)と流体連結することができ、クランク室ガスを受け入れるように構成されている。排出口14は、分離室200a、200bの下流にあり、内燃機関の吸気マニホールドにクランク室ガスを戻すように構成されている。オイル分離装置10には、クランク室ガスから分離されたオイルを集める、少なくとも1つのオイルドレイン16が更に含まれている。
【0015】
分離室200a、200bは、クランク室ガスからオイルのミクロンサイズ粒子を分離するように構成されている。説明のために、図示されている分離室は、径が約1ミクロンよりも大きいオイル粒子を分離するように構成されている。図に示されている分離室200a、200bは、最大約60 l/分の容積流量で当該分離室から吸引されるクランク室ガスを収容するように更に構成されている。
【0016】
分離室200a、200bは、流入口12の下流、及び排出口14とオイルドレイン16の双方の上流に配置されている。流入口12には、流入ポート12aと、クランク室ガスを遮断し方向転換するように構成されたラビリンス構造体(labyrinth structure)12cを有した流入通路12bとが含まれている。クランク室ガスは、径が約3ミクロンよりも大きいオイルの粒子を分離するように、ラビリンス構造体12cに衝突する。
【0017】
分離室200aは、第1の端部204a及び第2の端部206aを画定するように開放端を備えた内壁202を有する。第1の端部204aは、自動車の内燃機関に搭載される場合、第2の端部206aに対して高くなる。第1の端部204aの径D1は、第2の端部206aの径D2よりも大きい。第1の端部204aは、クランク室ガスが流れる通路208aを形成するように、第2の端部206aと流体連通している。分離室200aの内壁202と接触するクランク室ガスから生じたオイルを、内壁202上に集め、ミクロンサイズ粒子よりも大きな容積のオイルを集めるようにプールすることができる。また、重力によって、内壁202上のオイルが、内壁202に沿って下方に落下することも認識される必要がある。
【0018】
第1の端部204a及び第2の端部206aは、互いに比較的平行で、通路208aの軸線方向に対して概して垂直な面に配置されている。具体的には、第1の端部204aは、第1の面「P1」に配置され、第2の端部206aは、第2の面「P2」に配置されているとともに、第1の面「P1」及び第2の面「P2」は、「X」、「Y」及び「Z」と命名される座標によって画定された面X及びYに配置されている。図示されているように、第1の面と第2の面はともに、オイル分離装置10の底壁205に概して平行である。
【0019】
分離室200aの第2の端部206aは、底壁205に対して高くなっている。したがって、オイルのミクロンサイズ粒子がクランク室ガスから分離されると、オイルのミクロンサイズ粒子は、分離室200aの内壁202面に集まり、重力によって底壁28上に落下する。さらに、クランク室ガスは、重力と同じ方向に沿って流れ、このため、オイルが内壁202上に集まると、通路208a内のクランク室ガスの指向的な流れ(directional flow)によって、第2の端部206aにおけるオイルの集合が促進され、オイルは、最終的に底壁28上に落下し、クランク室ガスは、落下しているオイルから吸引され、排出ポート14a及び排出口14の排出通路14bに吸引される。
【0020】
分離室200aの第2の端部206aは、オイルドレイン16からオフセットされていてもよい。具体的には、オイルドレイン16は、通路208aの軸線の長さ(axial length)から横方向に離れて示されている。したがって、分離室200aの第2の端部206aからクランク室ガスが流出すると、底壁28の一部は、通路208aの軸線に対してクランク室ガスの移動を横方向に促進する。
【0021】
説明のために、図は、分離室の第2の端部206a、206bよりも上に位置する排出ポート14aを示している。排出ポート14aは、分離室200a、200bの第1の端部204a、204bと第2の端部206a、206bとの間に画定された通路208a、208bの軸線の長さから横方向に離れている。したがって、クランク室ガスが排出ポート14aから吸引されると、クランク室ガスは横方向に流れ、第2の端部206a、206bから排出される。一般に重力によって、オイルの分離されたミクロンサイズ粒子が、通路208a、208bの軸線と同じ方向に下方に導かれると、クランク室ガスは、落下しているオイルの経路から離れた経路に沿って吸引される。分離室200a、200bの第2の端部206a、206bに対する排出ポート14aの位置が例示であることが認識される必要があり、添付の特許請求の範囲を限定すると解釈する必要がなく、また、オイルのミクロンサイズ粒子の落下経路から離れたクランク室ガスの流れを促進する、排出ポート14aの位置は、添付の特許請求の範囲の範囲内であることが認識される必要がある。
【0022】
ここで、
図3を参照すると、分離室200a、200bの実施形態が示されている。説明のために、分離室の実施形態の共通の特徴は、「a」という文字が続く同一の参照符号を用いて記載する。分離室200aには、概して円錐台形を形成する内壁202がある。具体的には、分離室200aには、3つの円錐台形の内壁202が含まれ、これらはそれぞれ、互いに概して等距離に離れ、座標「X」及び「Y」によって画定された面と概して平行な軸線に沿って互いに軸線方向に配置されている。
【0023】
円錐台形の内壁202のそれぞれには、第1の端部204a及び第2の端部206aがあり、内壁202aの第1の端部204aのそれぞれの径は、対応する第2の端部206aの径よりも大きい。円錐台形の内壁202はそれぞれ互いに概して同じ寸法であるが、円錐台形の内壁202の寸法が、特定のエンジン性能を達成するようになっており、また、円錐台形の内壁202のうちの1つのサイズ及び寸法が、所望のエンジン性能を達成するように、他のものと異なっていてもよいことが認識される必要がある。
【0024】
オイル分離の性能を向上させるために、分離室200aには、軸線方向突出部18が含まれ得る。軸線方向突出部18は、通路208aの軸線に沿ってオイル分離装置10の上部20から延びている。
図3に示されているように、内壁202aにはそれぞれ、軸線方向突出部18がある。軸線方向突出部はそれぞれ、内壁202の第1の端部204aの径に対して中心に配置されている。
【0025】
軸線方向突出部18は、分離室200aの内壁202に沿って流入クランク室ガスの流れを誘導する。内壁202に沿ったクランク室ガス流れの誘導は、分離室200a内のサイクロン効果を増加させる。内壁202に沿って流れるクランク室ガスは、分離室200aの第1の端部204aから第2の端部206aまで旋回するので、高速で移動する。この高速によって、懸濁したオイルに高レベルの遠心力が加えられ、より多くのオイル粒子が内壁202上に集まる。装置の性能を更に向上させるために、軸線方向突出部18は、第1の面P1を越えて延びていてもよく、これによって、内壁202に沿って流入クランク室ガスがすべて誘導される。
【0026】
ここで、
図7を参照すると、分離室200aに対して流入通路12bの典型例が示されている。軸線方向突出部18に加えて、分離室200a内のサイクロン効果は、内壁202と接触する場合に運動量を維持するように、クランク室ガスの経路を誘導することによって高めることができる。例えば、クランク室ガスが通路208aの軸線に対して概して垂直な第1の端部204a付近の分離室200aに流入するように、流入通路12bを設けてもよい。
【0027】
流入通路12bの一部は、通路208aの軸線に対して概して垂直であり、軸線に対して概して垂直な方向で、分離室の第1の端部にクランク室ガスを供給し、サイクロン効果の旋回方向と概して同一平面上にある流入クランク室ガスの運動量の付加によって、サイクロン効果を増加させる。この配置によって、流入クランク室ガスの運動が旋回運動になり、これにより、サイクロン効果の回転速度が増加し、上述したクランク室ガスからより多くのオイルが分離される。
【0028】
さらに、流入通路12bから分離室200aに流入するクランク室ガスを誘導することができ、クランク室ガスは、サイクロン効果の発生を導く分離室200aの内壁202に沿った流れを発生させるような角度で内壁202aと接触する。内壁202に沿ったガス流れの提供によって、上述した軸線方向突出部18の使用と同様に、分離室200aの効率が増加する。垂直クランク室ガス流れ及び/又は角度のあるクランク室ガス流れを提供する流入構造体、並びに軸線方向突出部18が、サイクロン効果を発生させるように、オイル分離装置10に所望される特定の性能特性に応じて、単独で又は種々の組合せで使用できることが理解及び認識される。
【0029】
図3及び4を再び参照すると、オイル分離装置10には、ハウジング22が含まれ得る。ハウジング22には、室30を画定するように、1組の側壁24、上壁26及び底壁28が含まれている。オイルドレイン16は、底壁28上に配置されている。室30には、第1のオイル分離部32及び第2のオイル分離部34が含まれている。第1のオイル分離部32は、第2のオイル分離部34と流体連通している。第1のオイル分離部32は、第2のオイル分離部34と並んで配置されている。第1のオイル分離部32及び第2のオイル分離部34の利用によって、複数の段階によりガスからオイルを分離することができる。一度にオイルを分離する場合と比較すると、分離を複数の段階に分けることによって、個々の段階において圧力低下の減少がもたらされる。圧力低下の減少によって、オイル分離装置10内におけるガスに再導入されるオイルの量を低減することが支援される。
【0030】
流入口12は、第1のオイル分離部32の上流に配置されている。排出口14は、第2の分離部34の下流に配置されている。分離室200a、200bは、第1の分離部32内に配置されている。分離室200a、200bは、ハウジングの底壁28よりも高く、当該底壁から間隔を置いて配置され、分離室200の第2の端部206a、206bは、オイルドレイン16から軸線方向に離れている。
【0031】
底部には、互いに開いている第1のオイル分離部32及び第2のオイル分離部34の低い部分が含まれているが、当該底部は、ハウジングの底壁28及び側壁24によって概して画定されている。第1のオイル分離部32の底部の上部は、分離室200a、200bの第2の端部206a、206bによって画定され、第2のオイル分離部34の底部の上部は、隔壁36によって画定されている。
【0032】
隔壁36は、分離室200a、200bの側壁25と、ハウジング22の1組の側壁24のうちの1つとの間に延びている。隔壁36は、第1の室38及び第2の室40を画定するように、ハウジング22の上壁26と底壁28との間に配置されている。第1の室38は、第2の室40の下に配置され、第1のオイル分離部32の底部を備え、その一方が開いている。隔壁36は、底壁28と概して平行である。
【0033】
隔壁36には、1以上の貫通孔42が含まれている。貫通孔によって、第1の室38内のクランク室ガスが第2の室40に流入することができる。貫通孔42の量及びサイズが、オイル分離装置10の意図した性能基準によって異なることが認識される。貫通孔42のサイズ又は数の減少によって、クランク室ガスが当該貫通孔に流れるのに利用可能な領域が減少する。クランク室ガスの流れる領域の減少によって、貫通孔42を流れるガスの速度が増加する。
【0034】
隔壁36には、ドレインチューブ46が更に含まれ得る。ドレインチューブ46は、概して円筒状の部材である。ドレインチューブ46の上部は、隔壁36の上面に滴っているオイルの排出を促進するように、一般に面取りされている。ドレインチューブ46は、それぞれの貫通孔42の間に配置されていてもよい。
図3は、1つのみのドレインチューブ46を有するオイル分離装置10を示しているが、本発明の範囲を限定することなく、追加のドレインチューブ46を使用できることが認識される必要がある。ドレインチューブ46は、第1の室38と流体連通している。
【0035】
オイル分離装置10には、遮断壁44が更に含まれ得る。遮断壁44は、隔壁36よりも上に、そして上壁よりも下に配置されている。遮断壁44は、隔壁の貫通孔42の真上に(directly above)配置されていることが好ましい。遮断壁44には、一般に下面44bがあり、また、遮断壁44の側端は、分離室200a、200bの側壁24及び側壁25から間隔を置いて配置されている。遮断壁44は、排出ポート14aの下に配置されている。
【0036】
貫通孔42と遮断壁44との間の距離によって、クランク室ガスが遮断壁44に衝突する速度が決定されることが認識される必要がある。好適な実施形態は、最大60 l/分の容積流量を扱うようにされており、径が約3 mmの貫通孔42を含んでいる。遮断壁44は、貫通孔42よりも上に、約5 mmの間隔で配置されている。
【0037】
クランク室ガスと遮断壁44との衝突によって、ガス中に残存するオイルを更に分離することが支援される。このオイルは、遮断壁44上に集まり、重力によって、オイルがドレイン16に流され、オイル分離装置10から除去される。重力によって、オイルがドレインチューブ46又は貫通孔42を通り流れ得ることが認識される必要がある。オイルは、底壁28上に落下し、オイルドレイン16への通路を見出す。
【0038】
分離室200a、200bは、クランク室ガスからオイルのミクロンサイズ粒子を分離するように構成されている。上述したように、分離室200a、200bは、ハウジング22の第1のオイル分離部32に配置されている。分離室200a、200bは、ハウジング22の底壁28から間隔を置いて、そして、当該底壁よりも上に配置されている。分離室200a、200bの側壁25は、第2のオイル分離部34の側壁を形成している。
【0039】
図3を再び参照すると、分離室200aの例示的実施形態が示され、同一の構成要素は、「a」という文字が続く同一の参照符号によって言及される。分離室200aには、3つの円錐台形の内壁202が含まれ、これらはそれぞれ、互いに概して等距離に離れ、座標「X」及び「Y」によって画定された面と概して平行な軸線に沿って互いに軸線方向に配置されている。
【0040】
円錐台形の内壁202のそれぞれには、第1の端部204a及び第2の端部206aがあり、内壁202aの第1の端部204aのそれぞれの径は、対応する第2の端部206aの径よりも大きい。円錐台形の内壁202はそれぞれ互いに概して同じ寸法であるが、円錐台形の内壁202の寸法が、特定のエンジン性能を達成するようになっており、また、円錐台形の内壁202のうちの1つのサイズ及び寸法が、所望のエンジン性能を達成するように、他のものと異なっていてもよいことが認識される必要がある。
【0041】
分離室200aには、軸線方向突出部18が含まれ得る。軸線方向突出部18は、通路208aの軸線に沿ってオイル分離装置10の上部20から延びている。軸線方向突出部18は、分離室200aの内壁202に沿って流入クランク室ガスの流れを誘導する。内壁202に沿ったクランク室ガス流れの誘導は、分離室200a内のサイクロン効果を増加させる。内壁202に沿って流れるクランク室ガスは、分離室200aの第1の端部204aから第2の端部206aまで旋回するので、高速で移動する。この高速によって、懸濁したオイルに高レベルの遠心力が加えられ、より多くのオイル粒子が内壁202上に集まる。装置の性能を更に向上させるために、軸線方向突出部18は、第1の面P1を越えて延びていてもよく、これによって、内壁202に沿って流入クランク室ガスがすべて誘導される。
【0042】
ここで、
図4、11及び12を参照すると、分離室200bの第2の実施形態が示され、同一の構成要素は、「b」という文字が続く同一の参照符号によって言及される。分離室200bには、第1の端部204b及び第2の端部206bが含まれている。分離室200bには、少なくとも1つの狭い波状通路208bであって、第1の波状面に類似した(mirroring)第2の波状面50に対向している第1の波状面48によって画定された波状通路が含まれている。第1の波状面48は、第2の波状面50から所定の距離を置いて配置されている。狭い波状通路208bは、分離室200bの第1の端部204bと第2の端部206bとの間に延びている。オイル分離装置10の設計基準に応じて、通路208bの数、並びに、それぞれの通路208bの長さ、幅及び頻度が変更できることが認識される必要がある。
【0043】
クランク室ガス及び分離されたオイルは、第2の端部206bにおいて狭い波状通路208bから排出される。狭い波状通路208bから排出されると、重力によって、分離されたオイルは、ハウジングの底壁28に落下し、ドレイン16から流出する。狭い波状通路208bから排出されたクランク室ガスは、第2のオイル分離部34の第1の室38に横方向に吸引されることによって、落下しているオイルから分離され、クランク室ガスは、最終的に、上述した排出口から流出する。
【0044】
ここで、
図5〜12を参照すると、オイル分離装置10の動作が示されている。
図5及び6をまず参照すると、クランク室ガスは、流入口12を通って流入することが示されている。クランク室ガスが流入ポート12aに流入すると、構造体12cは、オイルの粒子に分離させるクランク室ガスの経路を遮断する。ここで、
図7及び11を参照すると、クランク室ガスは、流入通路12bに吸引され、対応する分離室200a、200bの第1の端部204a、204bに流入するように誘導される。
【0045】
ここで、
図3及び12を参照すると、分離室200aを有するオイル分離装置10の動作が示されている。クランク室ガスは、通路208aに吸引される。クランク室ガスは、軸線方向突出部18に衝突し、分離室200aの内壁202に対して旋回を始める。クランク室ガスが内壁202に衝突すると、オイルのミクロンサイズ粒子は、クランク室ガスから分離され、内壁202a上に集まる。オイルの分離された粒子は、内壁202a上に蓄積され、重力とともにクランク室ガスの経路によって、第2の端部206aまでオイルが導かれ、オイルは、最終的に底壁28上に落下する。クランク室ガスが第2の端部206aから排出されると、クランク室ガスは、落下しているオイルから第2のオイル分離部34に吸引される。
【0046】
ここで、
図4及び8を参照すると、分離室200bを有するオイル分離装置10の動作が示されている。クランク室ガスは、通路208bに吸引される。クランク室ガスが第1の波状面48又は第2の波状面50のいずれかに衝突すると、オイルのミクロンサイズ粒子は、クランク室ガスから分離され、第1の波状面48及び第2の波状面50上に集まる。オイルの分離された粒子は、第1の波状面48及び第2の波状面50上に蓄積され、重力とともにクランク室ガスの経路によって、第2の端部206bまでオイルが導かれ、オイルは、最終的に底壁28上に落下する。クランク室ガスが第2の端部206bから排出されると、クランク室ガスは、落下しているオイルから第2のオイル分離部34に吸引される。
【0047】
分離室200a、200bの第2の端部206a、206bは、オイルドレイン16からオフセットされていてもよい。オイルドレイン16は、通路208a、208bの軸線の長さから横方向に離れて示されている。したがって、分離室200a、200bの第2の端部206a、206bからクランク室ガスが流出すると、底壁28の一部は、通路208a、208bの軸線に対してクランク室ガスの移動を横方向に促進する。
【0048】
分離室200a、200bの第2の端部206a、206bから排出されたクランク室ガスは、第1のオイル分離部32から第2のオイル分離部34の第1の室38に横方向に流れる。分離室200a、200bからハウジング22の底壁28にオイルが落下すると、クランク室ガスの横方向の流れによって、分離室200a、200bにより分離されたオイルからクランク室ガスが吸引される。分離されたオイルは、底壁28に沿って流れ、オイルドレイン16から流出する。
【0049】
ここで、
図3、4、6及び10を参照すると、クランク室ガスは、第2のオイル分離部34に更に吸引され、クランク室ガスは、隔壁36に上方へ吸引される。クランク室ガスが隔壁36の下面に衝突すると、オイルは、クランク室ガスから更に分離される。分離されたオイルは、底壁28上に落下し、最終的に、オイルドレイン16を介してハウジング22から排出される。
【0050】
クランク室ガスは、貫通孔42を通して更に吸引され、遮断壁44の下面に運ばれ、オイルは、クランク室ガスから更に分離される。オイルは、隔壁36上に落下し、貫通孔42及びドレインチューブ46を介して底壁上に落下する。クランク室ガスは、第2の室40に吸引され、排出ポート14aから吸引される。
【0051】
図1を再び、そして
図2も参照すると、オイル分離装置10には、分離室200a、200bによってクランク室ガスを誘導する前に、クランク室ガスからオイルを分離するように誘導する、一連の種々の室、チャネル、壁、通路及び障壁が含まれている。種々の室、チャネル、壁などを形成するために、
図2に示されているように、オイル分離装置10は、一連の被覆シェルから製造することができる。例えば、好適な実施形態のオイル分離装置10は、第1のシェル1、第2のシェル2、第3のシェル3及び第4のシェル4から製造される。第1のシェル1は、第2のシェル2上に配置され、第2のシェル2は、第3のシェル3上に配置され、そして、第3のシェル3は、第4のシェル4上に配置される。互いのシェル上へのシェル1、2、3及び4の載置によって、本発明の種々の構造が形成される。
図1及び2が例示であるが、本明細書に説明した本発明を実施する1つの手段にすぎず、本発明を限定することを意味するものではないことが認識される必要がある。
【0052】
上述したように、種々の室、チャネル、及びオイル分離装置10を形成するその他の構造は、被覆シェル1、2、3及び4によって形成される。例えば、
図8を参照すると、第2のシェル2の一部は、上部20及び軸線方向突出部18を形成している。第3のシェル3は、第4のシェル4に隣接し、第4のシェルは、オイル分離装置10の底壁28を形成している。
【0053】
上述した教示に照らして、本発明の多くの改良及び変形が可能であり、特に明記されていない限り、添付の特許請求の範囲内で実施できることが明らかである。