【文献】
河村憲一,平栗健史,小笠原守,無線LANのEDCAパラメータ動的更新技術,NTT技術ジャーナル,2007年 8月,Vol.19,No.8,p.45−48
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無線通信要素及び処理要素は、第1の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である前記検出されたWLANパケットの数が第1のスレッシュホールド数より大きい場合に、
第2の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である前記検出されたWLANパケットの数が第2のスレッシュホールド数より小さいかどうか判定し;
第2の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である前記検出されたWLANパケットの数が第2のスレッシュホールド数より小さい場合には、第3の期間中に第1の動作モードに従ってWLANを経てWLAN通信を遂行し、前記第3の期間は、前記第2の期間に続くものであり;及び
第2の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である前記検出されたWLANパケットの数が第2のスレッシュホールド数より大きい場合には、第3の期間中に第2の動作モードに従ってWLANを経てWLAN通信を遂行し続ける;
ように更に構成された、請求項1に記載のワイヤレス装置。
第1の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である前記検出されたWLANパケットの数が第1のスレッシュホールド数より大きいかどうか判定するために、前記無線通信要素及び処理要素は、パケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である前記検出されたWLANパケットの数の判定において、確認、送信要求及び送信クリアパケットを除外するように更に構成される、請求項1に記載のワイヤレス装置。
第1の期間中にワイヤレス媒体に、スレッシュホールドより短い長さを有するパケットのパケット混雑状態が存在していたかどうかの表示をアクセスポイントから受け取ることを更に含み、
第1の期間中にワイヤレス媒体に、スレッシュホールドより短い長さを有するパケットのパケット混雑状態が存在していたかどうかの前記判定は、前記表示に基づく、請求項5に記載の方法。
第1の期間にわたってワイヤレス媒体を監視して、第1の期間にわたりワイヤレス媒体を経て通信される、長さスレッシュホールドより短い長さのパケットの数を判定することを更に含み、第1の期間中にワイヤレス媒体に、スレッシュホールドより短い長さを有するパケットのパケット混雑状態が存在していたかどうかの前記判定は、第1の期間にわたりワイヤレス媒体を経て通信される、長さスレッシュホールドより短い長さのパケットの前記判定された数に少なくとも一部分基づく、請求項5に記載の方法。
第1の期間中にワイヤレス媒体に、スレッシュホールドより短い長さを有するパケットのパケット混雑状態が存在していたかどうかの前記判定は、ワイヤレス媒体に、スレッシュホールドより短い長さを有するパケットのパケット混雑状態が存在していたかどうかのその前の判定に少なくとも一部分基づく、請求項7に記載の方法。
第1の期間にわたりワイヤレス媒体を経て通信される、長さスレッシュホールドより短い長さのパケットの数を判定するときには、確認、送信要求、及び送信クリアパケットが除外される、請求項7に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここに述べる特徴は、種々の変更や代替的形態を受け易いが、その特定の実施形態を添付図面に一例として示して、以下に詳細に説明する。しかしながら、添付図面及びそれに対する詳細な説明は、本発明をここに開示する特定の形態に限定するものではなく、逆に、特許請求の範囲により規定された本発明の精神及び範囲に包含される全ての変更、等効物及び代替物を網羅することを意図していることを理解されたい。
【0019】
用語
本明細書で使用される用語集は、次の通りである。
メモリ媒体:種々のタイプの非一時的コンピュータアクセス可能なメモリ装置又はストレージ装置のいずれか。「メモリ媒体」という用語は、インストール媒体、例えば、CD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、又はテープ装置;コンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ、例えば、DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、Rambus RAM、等;不揮発性メモリ、例えば、フラッシュ、磁気媒体、例えば、ハードドライブ又は光学的ストレージ;レジスタ又は他の同様のタイプのメモリ要素、等を含むことが意図される。メモリ媒体は、他のタイプの非一時的メモリ、及びその組み合わせを含む。加えて、メモリ媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータシステムに配置されるか、又はインターネットのようなネットワークを経て第1のコンピュータシステムに接続される第2の異なるコンピュータシステムに配置される。後者の場合には、第2のコンピュータシステムは、プログラムインストラクションを、実行のために第1のコンピュータに与える。「メモリ媒体」という用語は、異なる位置、例えば、ネットワークを経て接続された異なるコンピュータシステム、に存在する2つ以上のメモリ媒体を含む。メモリ媒体は、1つ以上のプロセッサにより実行されるプログラムインストラクション(例えば、コンピュータプログラムとして実施される)を記憶する。
【0020】
キャリア媒体:上述したメモリ媒体、並びに物理的な送信媒体、例えば、電気、磁気又はデジタル信号のような信号を搬送するバス、ネットワーク、及び/又は他の物理的送信媒体。
【0021】
プログラマブルハードウェア要素:プログラム可能な相互接続部を経て接続された複数のプログラム可能な機能ブロックを含む種々のハードウェア装置を備えている。例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLD(プログラマブルロジック装置)、FPOA(フィールドプログラマブルオブジェクトアレイ)、及びCPLD(コンプレックスPLD)を含む。プログラマブル機能ブロックは、微細粒度(コンビナトリアルロジック又はルックアップテーブル)から粗い粒度(演算論理ユニット又はプロセッサコア)までの範囲である。プログラム可能なハードウェア要素は、「再構成可能なロジック」とも称される。
【0022】
コンピュータシステム:パーソナルコンピュータシステム(PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、パーソナル通信装置、スマートホン、テレビジョンシステム、グリッドコンピューティングシステム、或いは他の装置又は装置の組み合わせを含む種々のタイプのコンピューティング又は処理システムのいずれか。一般的に、「コンピュータシステム」という用語は、メモリ媒体からのインストラクションを実行する少なくとも1つのプロセッサを有する装置(又は装置の組み合わせ)を包含するように広く定義される。
【0023】
ステーション(STA):移動又はポータブルであり且つワイヤレス通信を実行する種々のタイプのコンピュータシステム装置のいずれか。STAは、例えば、移動電話又はスマートホン(例えば、iPhone
TM、Android
TM−ベースの電話)、ポータブルゲーム機(例えば、NintendoDS
TM、PlayStation Portable
TM、Gameboy Advance
TM、iPhone
TM)、ラップトップ、ウェアラブル装置(例えば、スマートウオッチ、スマートメガネ)、PDA、ポータブルインターネット装置、音楽プレーヤ、データストレージ装置、他のハンドヘルド装置、等を含む。一般的に、「STA」という用語は、ユーザにより容易に持ち運びされそしてワイヤレス通信することのできる電子、コンピューティング及び/又はテレコミュニケーション装置(又は装置の組み合わせ)を包含するように広く定義される。
【0024】
ベースステーション又はアクセスポイント(AP):「ベースステーション」という用語は、全範囲の通常の意味を有するもので、少なくとも、固定位置にインストールされて、ワイヤレス電話システム又は無線システムの一部分として通信するのに使用されるワイヤレス通信ステーションを包含する。
【0025】
処理要素:種々の要素又は要素の組み合わせを指す。処理要素は、例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)のような回路、個々のプロセッサコアの部分又は回路、全プロセッサコア、個々のプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のようなプログラム可能なハードウェア装置、及び/又は複数のプロセッサを含むシステムの大きな部分を含む。
【0026】
自動的:アクション又は動作を直接明示し又は遂行するユーザ入力なしに、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムにより実行されるソフトウェア)或いは装置(例えば、回路、プログラム可能なハードウェア要素、ASIC、等)により遂行されるアクション又は動作を指す。従って、「自動的」という用語は、ユーザが動作を直接遂行するための入力を与えるように、ユーザにより動作が手動で遂行され又は明示されるのとは対照的である。自動的な手順は、ユーザにより与えられた入力によって開始されるが、「自動的に」遂行されるその後のアクションは、ユーザによって明示されず、即ちユーザが遂行すべき各アクションを明示して「手動」で遂行されるのではない。例えば、各フィールドを選択しそして入力明示情報を与える(例えば、情報をタイプし、チェックボックスを選択し、無線を選択し、等により)ことにより電子的フォームを埋めるユーザは、コンピュータシステムがユーザのアクションに応答してフォームを更新しなくてはならなくても、フォームを手動で埋める。フォームは、コンピュータシステムにより自動的に埋められてもよく、この場合、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムで実行されるソフトウェア)は、フォームのフィールドを分析し、そしてフィールドへの返答を明示するユーザ入力なしにフォームを埋める。上述したように、ユーザは、フォームを自動的に埋めることを求めるが、フォームを実際に埋めることには関与しない(例えば、ユーザは、フィールドへの返答を手動で明示せず、それは、自動的に完成される)。本明細書は、ユーザがとったアクションに応答して自動的に遂行される動作の種々の例について述べる。
【0027】
PHYレート又はPHYデータレート:装置が媒体を経て互いに通信するレート。多くのワイヤレス通信技術(IEEE802.11を含む)は、変調タイプ、コードレート、空間的ストリームの数、チャンネル巾、及び/又は他の物理的レイヤ特性を異なる組み合わせで使用する。そのような各組み合わせは、「PHYレート」を生じる(あるケースでは、そのように称される。又、所与のPHYレートを生じる物理的レイヤ特性の組み合わせは、「変調及びコード化スキーム」、「MCS」又は「MCSインデックス」とも称される。「より低い」又は「より頑健な」PHYレート/MCSインデックスは、しばしば潜在的なスループットを犠牲にして、「より高い」又は「あまり頑健でない」PHYレートよりも、理想に達しない媒体条件のもとで通信される情報を首尾良く受け取る高い能力を受信者に与える(例えば、低い密度の変調スキームを使用し、及び/又はエラー修正コード化情報を高い割合で含ませることにより)。対照的に、より高い又はあまり健全でないPHYレートは、より低いPHYレートよりも更に効率的な媒体使用を与え且つより高いスループットを与える(例えば、高い密度の変調スキームを使用し、及び/又はエラー修正コード化情報を低い割合で含ませることにより)が、理想に達しない媒体条件のもとで受信することがより困難となる。
【0028】
IEEE802.11:IEEE802.11ワイヤレス規格、例えば、802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11−2012、802.11ac、及び/又は他のIEEE802.11規格に基づく技術を指す。又、IEEE802.11技術は、「Wi−Fi」又は「ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)」技術とも称される。
【0029】
図1−2:通信システム
図1は、ある実施形態による例示的な(及び簡単化された)ワイヤレス通信システム100を示す。
図1のシステム100は、考えられるシステムの単なる一例に過ぎず、実施形態は、必要に応じて、種々のシステムのいずれでも具現化されることに注意されたい。例えば、
図1に示す例示的なワイヤレス通信システム100は、4つのワイヤレス装置を含むものとして示されているが、本開示の態様は、より多くの又はより少ない数(即ち、任意の数)のワイヤレス装置を有するワイヤレス通信システムで具現化されてもよいことに注意されたい。
【0030】
図示されたように、例示的なワイヤレス通信システム100は、送信媒体を経て通信する複数のワイヤレス装置102−108を備えている。ワイヤレス装置の幾つか又は全部が実質的に移動装置(「ステーション」又は「STA」)であってもよい。それとは別に又はそれに加えて、ワイヤレス装置の幾つか又は全部が実質的に固定であってもよい。
【0031】
ワイヤレス装置102−108は、ワイヤレスネットワークを形成するようにワイヤレス送信媒体を経て通信する。ワイヤレスネットワークは、専用アクセスポイント(例えば、ワイヤレス装置102)によって形成されるIEEE802.11「インフラストラクチャーモード」ネットワークであり、或いは又、ワイヤレスネットワークは、「アドホック」又はピアツーピアベースネットワークである。ワイヤレスネットワークが1つ以上の「隠れたノード」を含むことが考えられ、例えば、図示されたように、ワイヤレス装置108は、ワイヤレス装置102の通信範囲内にあるが、ワイヤレス装置104及び106を検出できなくてもよい(及び/又はそれらによって検出されなくてもよい)ことに注意されたい。ワイヤレス装置102−108は、本開示の態様に基づいてIEEE802.11ワイヤレス通信を遂行するように構成される。
【0032】
1つ以上のワイヤレス装置は、1つ以上の外部ネットワークと通信するように装備される。例えば、図示されたように、ワイヤレス装置102は、ネットワーク100に通信結合される。外部ネットワークは、種々のタイプのネットワーク、例えば、種々の可能性の中で、セルラーサービスプロバイダーのコアネットワーク、インターネット、又は組織のイントラネットのいずれかである。
【0033】
ワイヤレス装置102−108の1つ以上は、複数のワイヤレス通信規格を使用して通信できることに注意されたい。例えば、ワイヤレス装置102−108の1つ以上は、少なくとも1つのワイヤレスネットワークプロトコル(例えば、Wi−Fi)及び/又はピアツーピアワイヤレス通信プロトコル(例えば、BT、Wi−Fiピアツーピア、等)、並びに少なくとも1つのセルラー通信プロトコル(例えば、GSM(登録商標)、UMTS(WCDMA(登録商標)、TD−SCDMA)、LTE、LTE−アドバンスト(LTE−A)、HSPA、3GPP2 CDMA2000(例えば、1xRTT、1xEV−DO、HRPD、eHRPD)、等)を使用して通信するように構成される。それに加えて又はそれとは別に、ワイヤレス装置102−108のいずれか又は全部は、1つ以上のグローバルなナビゲーション衛星システム(GNSS、例えば、GPS又はGLONASS)、1つ以上の移動テレビジョン放送規格(例えば、ATSC−M/H又はDVB−H)、及び/又は必要に応じて他のワイヤレス通信プロトコルを使用して、通信するように構成される。ワイヤレス通信規格の他の組み合わせ(3つ以上のワイヤレス通信規格)も考えられる。
【0034】
ワイヤレス装置102−108のいずれか又は全部は、ここに述べる方法実施形態のいずれか、或いはここに述べるいずれかの方法実施形態のいずれかの部分を遂行して、例えば、ワイヤレス通信システムのトラフィック状態に基づき動作モード及び/又は動作特性を選択するように構成される。
【0035】
図2は、1つの考えられる実施形態による
図1のシステム100の態様が表わされた例示的なワイヤレス通信システム200を示す。図示されたように、ここに示すシステムでは、ワイヤレス装置106は、移動ステーション(STA)であり、ワイヤレス装置102は、アクセスポイント102(「AP」とも称され、或いは又「ベースステーション」又は「BS」とも称される)である。STA106は、移動電話、ハンドヘルド装置、コンピュータ又はタブレット、或いは実質的に任意の形式のワイヤレス装置のようなWi−Fi通信能力を伴うユーザ装置である。AP102は、ワイヤレスルータ又は他のワイヤレスアクセスポイントのようなWi−Fi通信能力を伴うアクセスポイント装置である。
【0036】
AP102及びSTA106のいずれか又は両方は、メモリに記憶されたプログラムインストラクションを実行するように構成されたプロセッサを含む。AP102及びSTA106のいずれか又は両方は、そのような記憶されたインストラクションを実行することにより、ここに述べる方法実施形態のいずれかを遂行する。それとは別に又はそれに加えて、ここに述べるいずれかの方法実施形態、或いはここに述べるいずれかの方法実施形態のいずれかの部分を遂行するように構成されたFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)のようなプログラム可能なハードウェア要素がAP102及び/又はSTA106の一部分として含まれる。
【0037】
図3:ワイヤレス装置の例示的なブロック図
図3は、ある実施形態により、本開示の種々の観点に関連して使用するように構成されたワイヤレス装置300の例示的ブロック図である。装置300は、種々の形式の装置のいずれでもよく、そして種々の形式の機能のいずれかを遂行するように構成される。例えば、装置300は、実質的なポータブル装置(移動装置)、例えば、移動電話、個人生産装置、コンピュータ又はタブレット、ウェアラブル装置、ハンドヘルドゲームコンソール、ポータブルメディアプレーヤ、等である。或いは又、装置300は、実質的な固定装置、例えば、必要に応じて、テレビジョン、サブウーハ、スピーカ、或いは他のオーディオ再現装置、ワイヤレスアクセスポイント、セットトップボックス、等でもよい。
【0038】
図示されたように、装置300は、処理要素304を備えている。処理要素304は、1つ以上のローカル及び/又はシステムメモリ要素、例えば、メモリ302を備え、又はそれに結合される。メモリ302は、種々の形式のメモリのいずれを含んでもよく、そして種々の機能のいずれを働かせてもよい。例えば、メモリ302は、処理要素304のシステムメモリとして働くRAMである。他の形式及び機能も考えられる。
【0039】
又、装置300は、ワイヤレス通信回路306も備えている。このワイヤレス通信回路306は、アナログ及び/又はデジタル回路コンポーネントも含み、「無線(radio)」とも称される。一般的に、無線は、基本帯域プロセッサ、アナログRF信号処理回路(例えば、フィルタ、ミクサ、発振器、増幅器、等を含む)、又はデジタル処理回路(例えば、デジタル変調及び他のデジタル処理のための)を任意の組み合わせで含む。同様に、無線は、前記ハードウェアを使用して1つ以上の受信及び送信チェーンを実施する。例えば、ワイヤレス装置300は、上述したような複数のワイヤレス通信技術の間に受信及び/又は送信チェーンの1つ以上の部分を共有する。ワイヤレス通信回路は、1つ以上のアンテナ308を含むか、又はそれに結合される。
【0040】
必要に応じて、ワイヤレス通信回路306は、処理要素304に加えて個別の処理要素を含み、例えば、処理要素304は、「アプリケーションプロセッサ」であり、一方、ワイヤレス通信回路306は、それ自身の「基本帯域プロセッサ」を含み、それとは別に(又はそれに加えて)、処理要素304は、ワイヤレス通信回路306のための処理能力を与えてもよいことに注意されたい。装置300は、ワイヤレス通信回路306及びアンテナ308により種々のワイヤレス通信技術のいずれかを使用して通信することができる。
【0041】
装置300は、更に、装置300の意図された機能に基づき装置機能を実施するための種々の他のコンポーネントのいずれかを備え(図示せず)、これは、更に別の処理及び/又はメモリ要素、1つ以上の電源要素(バッテリ電源及び/又は外部電源に依存する)、ユーザインターフェイス要素(例えば、ディスプレイ、スピーカ、マイクロホン、カメラ、キーボード、マウス、タッチスクリーン、等)、付加的な通信要素(例えば、ワイヤレス通信用のアンテナ、ワイヤード通信用のI/Oポート、通信回路/コントローラ、等)、及び/又は種々の他のコンポーネントのいずれかを含む。
【0042】
装置300のコンポーネント、例えば、処理要素304、メモリ302、ワイヤレス通信回路306、及びアンテナ308は、おそらく複数の形式のインターフェイスの組み合わせを含めて種々の形式のインターフェイスのいずれかを含む1つ以上のイントラチップ又はインターチップ相互接続インターフェイスを経て作動的に結合される。一例として、処理要素304とワイヤレス通信回路306との間のインターチップ通信のためにUSB高速インターチップ(HSIC)インターフェイスが設けられる。それとは別に(又はそれに加えて)、処理要素304、メモリ302、ワイヤレス通信回路306、及び/又は種々の他の装置コンポーネントのいずれかの間で通信するために、ユニバーサル非同期受信器送信器(UART)インターフェイス、シリアル周辺インターフェイス(SPI)、インター集積回路(I2C)、システムマネージメントバス(SMBus)、及び/又は種々の他の通信インターフェイスのいずれかが使用される。又、他の形式のインターフェイス(例えば、装置300内の又はその外部の周辺コンポーネントと通信するための周辺インターフェイス)が装置300の一部分として設けられてもよい。
【0043】
ここに述べるように、装置300は、高密度IEEE802.11ワイヤレス通信システムで動作するための特徴、例えば、特に、
図4から12を参照してここに述べる特徴を具現化するためのハードウェア及びソフトウェアコンポーネントを備えている。
【0044】
図4:フローチャート図
図4は、ある実施形態により、IEEE802.11ワイヤレス通信システムのようなワイヤレス通信システムでワイヤレス通信を遂行するのに使用される方法を示すフローチャート図である。この方法は、特に、短いパケットの高密度状態が存在するかどうかワイヤレス装置が
判定し(determine)そしてそれに応じて動作パラメータ及び/又は動作モードを変更する手段を提供することにより、短いパケットの高密度状態のもとでワイヤレス通信システムの性能を改善するのに使用されるものである。
【0045】
そのような方法は、1つの可能性として、混雑状態のボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)トラフィックシナリオにおいて有用である。例えば、そのようなシナリオでは、レガシー分散型チャンネルアクセス(レガシーDCA)及びエンハンスト分散型チャンネルアクセス(EDCA)の両方の媒体共有技術が、それらの性能を限定する問題を示す。従って、混雑状態のVoIPトラフィックシナリオのもとで新規な技術及び/又は既存の技術の変更を具現化できることが有用である。
【0046】
VoIPトラフィックは、一般的に、比較的短いパケットを含み、更に、上述した媒体共有技術の制約は、より一般的には、特に、VoIPトラフィックの混雑状態からではなくて短いパケットの混雑状態から生じるので、例えば、
図4の方法により、高密度の短いパケットのトラフィックが存在するときを検出することにより、そのような新規な及び/又は変更型の既存技術をいつ具現化すべきか決定することができる。
【0047】
図4に示す方法は、他の装置の中でも、図面に示したコンピュータシステム又は装置のいずれかに関連して使用される。図示された方法要素の幾つかは、同時に遂行されてもよいし、図示されたものとは異なる順序で遂行されてもよいし、或いは省略されてもよい。又、必要に応じて、付加的な方法要素が遂行されてもよい。図示されたように、この方法は、次のように作用する。
【0048】
402において、ワイヤレス装置は、ワイヤレス通信媒体を監視する。これは、第1のワイヤレス通信技術によりワイヤレス通信媒体を経て通信されるパケットを検出することを含む。例えば、ワイヤレス装置は、キャリア感知能力を使用してWi−Fi送信についてWi−Fi媒体を監視する。
【0049】
404において、ワイヤレス装置は、検出された各パケット、又は検出されたパケットの少なくともサブセットのパケット長さを
判定する(determine)。パケット長さは、種々の方法のいずれかで検出される。1つの可能性として、各ワイヤレス送信の開始付近に位置するコントロール又はシグナリング情報の一部分として与えられるパケット長さ情報は、各パケットの長さを
判定するためにワイヤレス装置によりデコードされる。例えば、Wi−Fi通信システムでは、パケット長さは、各パケットの物理的(PHY)レイヤプリアンブル(及び/又はおそらく、他の位置、例えば、メディアアクセスコントロール(MAC)レイヤヘッダ)に含まれる。そのようなケースでは、ワイヤレス装置は、各ワイヤレス送信の全長に対してワイヤレス通信媒体を監視する必要なく、パケット長さ情報を得て、ワイヤレス通信媒体上の各送信のパケット長さを
判定することができ;例えば、電力節約(PS)モードでは、パケット長さと、ワイヤレス通信媒体上で検出される各パケットの意図された行先とを
判定した後に、ワイヤレス装置は、全パケットを能動的にデコードするのではなく、ワイヤレス装置に意図されていない各パケットの残りの長さに対して低電力状態に入る。別の可能性として、ワイヤレス装置は、必要に応じて、各ワイヤレス送信の全長についてワイヤレス通信媒体監視することにより、各検出されたパケットのパケット長さを
判定することができる。
【0050】
406において、ワイヤレス装置は、短いパケットの高密度状態が存在するかどうか
判定する。これは、ワイヤレス通信媒体を監視しそして各検出されたパケットのパケット長さを
判定することに(少なくとも一部分)基づく。例えば、ワイヤレス装置は、ある(第1の)期間(例えば、所定の又は静的に決定された期間)にわたり、検出されたパケットでそのパケット長さが「パケット長さスレッシュホールド」より短いものがどれほどあるかを
判定する。その第1の期間中にパケット長さがパケット長さスレッシュホールドより短い検出パケットの数が、ある(第1の)スレッシュホールドより多い場合には、これは、短いパケットの混雑又は高密度状態が存在するとの指示であると考えられる。
【0051】
パケット長さスレッシュホールド及び第1のスレッシュホールド数は、必要に応じて構成できることに注意されたい。ある例では、「短い」パケットは、ボイスパケット(例えば、VoIPパケット)のようなパケット、及び同様の長さ又はより短い長さの他のパケット、例えば、100バイト未満、150バイト未満、200バイト未満の長さのパケット、或いは他の望ましいパケット長さスレッシュホールド値より小さいパケットである。パケット長さがパケット長さスレッシュホールド未満であるパケットのスレッシュホールド数も、必要に応じて同様に構成され、一般的に、
判定を行う期間に依存する。例えば、1つの可能性として、20(又は15、又は25、又は他の望ましい数)より多くの装置が存在して、主として、ワイヤレス通信システムにおいて短いパケットのトラフィック(例えば、VoIPコールに関与する)を送信及び/又は受信するシナリオは、短いパケットの高密度シナリオであると考える。従って、この例では、第1のスレッシュホールド数は、例えば、典型的なVoIP送信周波数特性、及び
判定を行う期間の長さに基づくシナリオに(少なくともほぼ)対応するように構成される。当業者に明らかなように、混雑又は高密度の短いパケットのシナリオと、非混雑又は低密度の短いパケットのシナリオとの間を区画化する適当なスレッシュホールド値を
判定する多数の他の手段も考えられる。
【0052】
又、少なくともある例では、短いパケット混雑状態が存在するかどうか
判定するとき、あるパケット(例えば、ある形式のパケット/送信)は、考慮から除外できることにも注意されたい。例えば、ある実施形態では、全ての短いパケットではなく、短いコンテンツ保持(又は他の選択された)パケットの高密度状態の指示を得るために、幾つか又は全部の非コンテンツ保持パケットが考慮から除外される。
【0053】
408において、ワイヤレス装置は、短いパケットの高密度状態が存在するかどうかの
判定に基づいて動作パラメータ及び/又は動作モードを選択又は変更する。例えば、短いパケットの混雑状態が存在すると
判定された場合には、「短いパケット混雑状態」フラグがセットされ、これは、ある構成変更をトリガーする。短いパケットの混雑状態が存在すると
判定されない場合は、「短いパケット混雑状態」フラグがクリアされ、これは、装置がその構成のもとで動作を継続できるようにするか、或いは非混雑状態に対応する構成を装置が実施するようにさせる。
【0054】
必要に応じて、短いパケットの混雑状態と短いパケットの非混雑状態との間での過剰な移行数を回避するためにヒステリシスが導入される。例えば、上述した「第1のスレッシュホールド数」は、短いパケットの混雑状態が存在しないと最近
判定された場合に短いパケットの高密度状態が存在するかどうか
判定するときに使用されるが、短いパケット混雑状態が存在すると最近
判定されない場合には異なる比較及びスレッシュホールドが使用される。そのような比較は、パケット長さがパケット長さスレッシュホールドより短い検出パルスの数が「第2」スレッシュホールド数より少ないかどうか
判定することを含み、但し、第2スレッシュホールド数は、第1スレッシュホールド数より小さい。もしそうであれば、短いパケットの混雑状態がもはや存在せず、「短いパケット混雑状態」フラグがクリアされるケースと考えられる。
【0055】
ステップ408からステップ402への破線復帰路で示されたように、
図4の方法は、ワイヤレス装置の動作継続のために必要に応じて繰り返される(おそらく連続的に)ことに注意されたい。例えば、ワイヤレス装置は、第1の期間中にワイヤレス通信媒体を監視して、短いパケットの混雑状態が存在するかどうか
判定し、そしてその
判定に基づいて、第2の期間中に動作モードを選択する。その第2の期間中も、ワイヤレス装置は、ワイヤレス通信媒体を監視して、短いパケットの混雑状態が存在するかどうか
判定する。その
判定を使用して、第3の期間中の動作モードが選択される。動作モード及び/又はパラメータのそのような連続的な再評価及び選択は、現在状態の変化が生じたときに(又はその直後に)ワイヤレス装置がその変化に適応できるようにする。
【0056】
上述したように、短いパケットの混雑及び非混雑シナリオに対する適当な動作モードが必要に応じて決定される。Wi−Fi通信システムにおける1つの例示的可能性として、「第1」の動作モード(例えば、短いパケットの非混雑シナリオに対する)は、アップリンク及びダウンリンクの両VoIP通信に対してエンハンスト分散型チャンネルアクセス(EDCA)をイネーブルすることを含み、一方、「第2」の動作モード(例えば、短いパケットの混雑シナリオに対する)は、ダウンリンクVoIP通信についてはEDCAをイネーブルし、且つアップリンクVoIP通信については(レガシーDCAを使用して)EDCAをディスエイブルすることを含む。例えば、EDCAは、短いパケットの低密度状態のもとではVoIP通信に対して良好な通信特性を与えるが、短いパケットの高密度状態では、発生するアップリンク衝突の数が増加し、比較的高いパケットエラー率を生じて、コールのクオリティを低下させる。一方、レガシーDCAは、短いパケットの高密度状態ではダウンリンク通信に対して比較的高いレイテンシ及びパケットロス比を示すが、短いパケットの比較的高密度状態のもとでも受け容れられるレイテンシ及びパケットロス比特性を与える。従って、1つの可能性として、VoIP通信に対するダウンリンクEDCA及びアップリンクレガシーDCAの組み合わせがそのような例示的なWi−Fi通信システムにおける考えられる第2の動作モードとして選択される。
【0057】
図4の方法に基づき図示して説明された短いパケットの混雑状態の検出は、必要に応じて、Wi−Fi通信システムにおけるアクセスポイント装置(AP)及び1つ以上の移動ステーション(STA)のいずれか又は両方において遂行されることに注意されたい。例えば、1つの可能性として、AP及びSTAの各々は、
図4の方法を自律的に遂行し、これは、短いパケットの混雑状態が存在するかどうかの
判定と、動作パラメータ/モードの変更の両方を含む。別の可能性として、APは、短いパケットの混雑状態が存在するかどうかの
判定を遂行し、そしてそれに応じてどの動作パラメータ/モードを使用すべきかをSTAに通知する(例えば、ビーコンで放送して)。そのようなシナリオでは、短いパケットの混雑状態が存在するかどうか
判定するのではなく、STAは、短いパケットの混雑状態が存在するかどうかの指示を受け取り、そしてそれに応じて動作パラメータを変更するか、或いは動作パラメータを変更するための指示をAPから直接受け取る。
【0058】
図5−7:状態図及び例示的なシミュレーション結果
図5−7及びそれに関連して以下に述べる情報は、
図4の方法が具現化される考えられるIEEE802.11ワイヤレス通信システムに関連した種々の事柄及び細部の一例として与えられるもので、全体としてその開示に限定されるものではない。ここに述べる細部に対して多数の変更及び代替が可能であり、この開示の範囲内に包含されるとみなされねばならない。
【0059】
図5は、短いパケットの混雑状態を検出するための1つの考えられる技術を示す例示的な状態図である。図示されたように、モデムがオンであるワイヤレス装置に対して、502において、タイマー「T」がスタートされ、そしてカウンタ「C」がリセットされる。504において、タイマーTが時間切れとなるまでの期間中に、カウンタCは、受け取られる(検出される)パケットの長さがパケット長さスレッシュホールド「L
TH」未満であるときに増加される。ある実施形態では、ACK、RTS及びCTS(又は他のそのようなメッセージ)のいずれか又は全部がそのようなカウント動作から除外されてもよい。タイマーTの時間切れ(又はその近く)までに、カウンタCが第1のスレッシュホールド数「Θ
TH1」より大きい場合には(判断506)、508において、状態又はフラグ「Crowded_Short_Packet_Situation」がセットされる。タイマーTが時間切れしたとき、カウンタCがΘ
TH1以下であるだけでなく、第2のスレッシュホールド数「Θ
TH2」未満でもある場合には(判断510)、512において、状態又はフラグ「Crowded_Short_Packet_Situation」がリセット(クリア)される。タイマーTが時間切れしたとき、カウンタCがΘ
TH1以下であるが、Θ
TH2より大きい場合には、現在状態に変化がない。次いで、ワイヤレス装置は、ブロック502「タイマーTをスタート、カウンタCをリセット」へ移行して戻り、そして再び状態図を通して繰り返し進んで、ワイヤレス装置が経験する現在シナリオに基づいて状態又はフラグ「Crowded_Short_Packet_Situation」を更新状態に保持する。繰り返し頻度は、必要に応じて選択され、例えば、動的に変更される。
【0060】
図6−7は、種々のWi−Fi通信システムのアップリンク及びダウンリンク統計値に対する例示的なシミュレーション結果をシステム内のステーション数に基づいて示すグラフである。
【0061】
図6は、アップリンク及びダウンリンクの両方に対するレガシーDCA(「レガシー」640)、アップリンク及びダウンリンクの両方に対するEDCA(「EDCA」650)、及びダウンリンクに対してEDCA及びアップリンクについてレガシーDCA(「DLのみEDCA」660)を使用するシステムのためのアップリンク統計値(平均VoIP遅延(単位ミリ秒)610及びパケットロスパーセンテージ620)をワイヤレス通信システムにおけるSTAの数630に対して各々示すもので、システムの1つのSTAがベストエフォート(「AC_BE」)通信を遂行し、そしてシステムの残りのSTAがVoIP通信を遂行する。図示されたように、EDCA650は、最低の平均VoIP遅延を与えるが、パケットロス比は、多数のVoIPステーションが存在するとき著しく増加する。レガシー640及びDLのみのEDCA660は、両方とも、VoIPステーションの数が増加するとき、パケットロス比を著しく高めることなく、高いが、依然、合理的な平均VoIP遅延を示す。
【0062】
図7は、同様のシステムに対する同等のダウンリンク統計値(平均VoIP遅延(単位ms)710及びパケットロスパーセンテージ720・対・STAの数730)を示す。図示されたように、EDCA750及びDLのみのEDCA760は、非常に低い平均VoIP遅延及びパケットロス比を示すが、レガシー740は、VoIPステーションの数が増加するにつれて、急速に増加する平均VoIP遅延及びパケットロスパーセンテージを示し始まる。
【0063】
従って、DLのみのEDCA媒体共有技術は、比較的高いVoIPトラフィック密度において全体的な性能を改善する。これは、少なくとも一部分は、高密度のVoIPトラフィックでは、APがシステムのいずれのSTAよりも通信すべきトラフィックを著しく多く有するという非対称的なトラフィックパターンが生じるからであり、その結果、DLのみのEDCA媒体共有技術は、STAよりもAPに媒体へのアクセスをより多く与えて、高いVoIPトラフィック密度シナリオにより適した仕方でアクセス必要性と媒体アクセスとのバランスをとることができる。
【0064】
図8:フローチャート図
図8は、IEEE802.11ワイヤレス通信システムのようなワイヤレス通信システムにおいてワイヤレス通信を遂行するのに使用できる例示的な方法を示すフローチャートである。この方法は、非ボイストラフィックも存在するVoIPトラフィック混雑シナリオ(
図4について述べたものと同様に、短いパケットの混雑状態を引き起こす)に使用される。そのようなシナリオは、非ボイスパケットとボイスパケットとの間の衝突の可能性を高める。非ボイスパケット(FTPパケットのような)は、比較的長いので、そのような衝突は、ワイヤレス通信媒体を比較的長時間利用できなくし、ボイスパケット又は非ボイスパケットのいずれかを首尾良く送信しない。従って、
図8の方法は、そのようなシナリオにおいて、短いパケットの密度がそのように高い状態のもとで、例えば、非ボイスパケットとボイスパケットとの間に生じる衝突の確率を下げることにより、ワイヤレス通信システムの性能を改善するのに使用される。
【0065】
図8に示す方法は、他の装置の中でも、図面に示したコンピュータシステム又は装置のいずれかに関連して使用され、そして必要に応じて、
図4(及びおそらくは
図5−7)の方法の幾つかの又は全ての観点に関連して或いはそれとは独立して使用されてもよい。図示された方法要素の幾つかは、同時に遂行されてもよいし、図示されたものとは異なる順序で遂行されてもよいし、或いは省略されてもよい。又、必要に応じて、付加的な方法要素が遂行されてもよい。図示されたように、この方法は、次のように作用する。
【0066】
802において、ワイヤレス装置は、短いパケットの高密度トラフィックが存在することを
判定する。そのような
判定は、ワイヤレス装置により(例えば、
図4の方法に関連して述べたように、ワイヤレス媒体を監視し、送信される各パケットのパケット長さを
判定し、そして比較的短いパケット長さのパケットの数をカウントすることにより)、或いは別の装置から受け取られる指示に基づいて、自律的に行われる。例えば、Wi−Fi通信システムのアクセスポイント(AP)は、短いパケットの高密度トラフィックが存在することを自律的に
判定し、そしてそれを示す指示をWi−Fi通信システムの移動ステーションSTA)に与え、該STAは、次いで、その指示に依存するのであって、それ自身がそのような
判定を自律的に行うのではない。或いは又、Wi−Fi通信システムのAP及びSTAの両方が、必要に応じて、短いパケットの高密度トラフィックが存在するかどうか自律的に
判定するように構成されてもよい。
【0067】
804において、短いパケットの高密度トラフィックに基づいて1つ以上の動作特徴がイネーブルされる。1つ以上の動作特徴をイネーブルすることは、方法を実施するワイヤレス装置において特徴をイネーブルすることを含み、及び/又は特徴をイネーブルするための指示を1つ以上の他のワイヤレス装置に与えることを含む。例えば、Wi−Fi通信システムのSTAがAPに依存して、短いパケットの高密度トラフィックが存在するかどうか
判定する前記例示的シナリオでは、APは、特に、イネーブルすべき1つ以上の動作特徴の指示を与える(短いパケットの高密度トラフィックが存在するとのより一般的な指示に加えて又はそれに代わって)。例えば、APは、あるパラメータ値及び/又はコントロール情報が送られるビーコン送信においてそのような情報を送ることができる。
【0068】
動作特徴は、必要に応じて、種々の動作特徴のいずれでもよい。1つの可能性として、送信要求(RTS)及び送信クリア(CTS)指示の使用が非ボイストラフィックに対してイネーブルされる。非ボイストラフィックは、典型的に、比較的長く、一方、RTS/CTSパケットは、比較的短いので、RTSパケットとVoIPパケットが衝突しても、非ボイスパケットそれ自体とVoIPパケットとの間の衝突である限りワイヤレス媒体を利用不能にすることはなく、そして首尾良く行けば、非ボイスパケットを含む衝突が生じる可能性を著しく低減する(例えば、ほぼ排除する)。
【0069】
別の考えられる動作特徴として、各分散型整合機能(DCF)インターフレームスペース(DIFS)後のあるスロット数がボイストラフィックに対して予約される。又、この特徴は、非ボイスパケットとボイスパケットとの間で衝突が生じる見込みも低減する。というのは、非ボイスパケット及びボイスパケットが送信されるスロット間の重畳を減少するからである。
【0070】
種々の他の考えられる動作特徴の中で、上述した動作特徴は、短いパケットの高密度トラフィックが存在するという
判定に基づいて、個々に又は任意の組み合わせで実施できることに注意されたい。
【0071】
806において、ワイヤレス通信は、1つ以上のイネーブルされた動作特徴を使用して遂行される。例えば、非ボイスパケットに対してRTS及びCTSパケットの使用がイネーブルされた場合には、非ボイスパケットをその送信バッファにおいて次にもつSTAがRTSパケットを送信し、そして非ボイスパケットを送信するまでCTS応答パケットを待機する。同様に、ボイストラフィックに対して各DIFS後にある数のスロットの予約がイネーブルされた場合には、非ボイスパケットをその送信バッファにおいて次にもつSTAが必要に応じてバックオフカウンタに追加され、少なくとも特定数のスロットが通過するまで非ボイスパケットが送信されないように保証する。ボイストラフィックに対して予約されるスロットの数は、必要に応じて、動的に指示されるか(例えば、ビーコン送信のコントロール情報において)又は静的に決定される(例えば、特定の文書において固定される)。
【0072】
最終的に、短いパケットの高密度トラフィックがもはや存在しないことが
判定されることに注意されたい。これは、必要に応じて、自律的に
判定されてもよいし、又は別の装置からの指示に基づいて
判定されてもよい。そのような
判定の場合に、既にイネーブルされた動作特徴のいずれか又は全部がディスエイブルされてもよい。その後のワイヤレス通信は、そのとき検出されたネットワーク条件に対応する構成で遂行される。
【0073】
図9−12:状態図、例示的なシミュレーション結果、及び例示的なコントロール情報フォーマット
図9−12及びそれらを参照して以下に述べる情報は、
図8の方法が具現化される考えられるIEEE802.11ワイヤレス通信システムに関連した種々の事柄及び細部の一例として与えられるもので、全体としてその開示に限定されるものではない。ここに述べる細部に対して多数の変更及び代替が可能であり、この開示の範囲内に包含されるとみなされねばならない。
【0074】
図9は、考えられる短いパケット混雑状態を考慮するSTAのための1つの考えられる送信技術を示す例示的な状態図である。
【0075】
図示されたように、最初に、ステップ902において、STAは、パケットを送信する機会を有する。904において、STAは、パケットがVoIP(又はおそらくより一般的にはボイスパケット)であるかどうか
判定する。いずれの場合も(判断904の結果に基づいてステップ906又は912)、STAは、おそらく
図4及び/又は
図5の方法により、VoIP混雑状態が検出されたかどうかも(例えば、自動的に、或いはAP又は他のワイヤレス装置からの指示に基づいて)
判定する。
【0076】
VoIP混雑状態のVoIPパケットについては、判断906からステップ908への移行において、EDCAがディスエイブルされ、一方、VoIP非混雑状態のVoIPパケットについては、判断906からステップ910への移行において、EDCAがイネーブルされる(又は、維持される)。次いで、STAは、ステップ920へ移行し、そのバックオフカウンタの減少をスタートすると共に、バックオフカウンタがゼロに達したときに送信をスタートする。
【0077】
VoIP非混雑状態の非VoIPパケットについては、判断912からステップ920への直接的な移行において、ワイヤレス装置は、そのバックオフカウンタをゼロになるまで単に減少し、次いで、特殊な特徴をイネーブルせずに、送信をスタートする。VoIP混雑状態の非VoIPパケットについては、判断912からステップ914及び916の1つ以上への移行において、RTS/CTSがイネーブルされ(ステップ914)、及び/又はバックオフカウンタの値がN未満である(即ち、ステップ916が「イエス」の判断である)場合にスロットの特定数(N)がバックオフカウンタに追加され(ステップ918)、その後、ワイヤレス装置は、ステップ920へ移行し、そのバックオフカウンタを減少し始めると共に、バックオフカウンタがゼロに達したときに送信をスタートする。
【0078】
図10は、考えられる短いパケット混雑状態を考慮する1つの考えられる送信技術を示す例示的な状態図である。
【0079】
図示されたように、最初に、ステップ1002において、APは、パケットを送信する機会をもつ。1004において、APは、パケットがVoIP(又はおそらくより一般的にはボイスパケット)であるかどうか
判定する。
【0080】
VoIPパケットについては、ステップ1004からステップ1006への移行において、EDCAがイネーブルされる(例えば、短いパケットの混雑状態が存在するか否かに関わらず)。APは、ステップ1016へ移行し、そしてそのバックオフカウンタの減少をスタートすると共に、バックオフカウンタがゼロに達したときに送信をスタートする。
【0081】
非VoIPパケットについては、APは、判断1004から判断1008へ移行して、VoIP混雑状態が検出されたかどうか
判定する。VoIP非混雑状態では、ワイヤレス装置は、判断1008からステップ1016へ直接移行すると共に、そのバックオフカウンタをゼロになるまで単に減少し、次いで、特殊な特徴をイネーブルせずに送信をスタートする。VoIP混雑状態の非VoIPパケットについては、判断1008からステップ1010及び1012への移行において、RTS/CTSがイネーブルされ(ステップ1010)、及び/又はバックオフカウンタの値がN未満である(即ち、ステップ1012が「イエス」の判断である)場合にスロットの特定数(N)がバックオフカウンタに追加され(ステップ1014)、その後、ワイヤレス装置は、ステップ1016へ移行し、そのバックオフカウンタを減少し始めると共に、バックオフカウンタがゼロに達したときに送信をスタートする。
【0082】
図11は、種々の動作特徴が使用されるWi−Fi通信システムの平均アップリンクFTPスループット(単位Mbps)に対する例示的なシミュレーション結果を、そのシステムにおけるステーションの数に基づいて示すグラフである。
【0083】
図11は、各々、アップリンク及びダウンリンクの両方に対してレガシーDCA(「レガシー」)を使用し、アップリンク及びダウンリンクの両方に対してEDCA(「EDCA」)を使用し、ダウンリンクに対してEDCA及びアップリンクに対してレガシーDCA(「DLのみEDCA」)を、ボイスパケットの各DIFSの後の特定数のスロットの予約(「プライオリティ解除FTP」)と組み合わせて使用し、DLのみEDCAを、FTPパケットに対するRTS及びCTS(「FTPに対するRTS&CTS」)の使用と組み合わせて使用し、そしてDLのみEDCAをプライオリティ解除FTP及びFTPに対するRTS&CTSと組み合わせて使用して、システムの平均アップリンクFTPスループットを示す。図示されたように、プライオリティ解除FTP、及びFTPに対するRTS&CTSの使用は、個々に又は組み合わせで、高い密度のVoIPトラフィックにおいてFTPに対する非常に高い(例えば、1000%より高い)スループットを発揮することができる。
【0084】
図12は、必要に応じて、ボイスパケットに対して各DIFS後に特定数のスロットを予約し及び/又は非ボイスパケットに対してRTS及びCTSを使用する、等の幾つかの動作特徴の使用を指示する(可能にする)のに使用される例示的なコントロールフィールドを示す。特に、図示されたコントロールフィールドは、Wi−Fiに使用される各アクセスカテゴリ(例えば、AC_BK、AC_BE、AC_VI、及びAC_VO)に対してAPにより送信される各ビーコンに含まれるACI/AIFSNフィールドである。図示されたように、ここに示すフィールドは、1つの予約ビット(B7)を含む。このビットは、VoIP混雑トラフィック(又はより一般的には短いパケットの高密度トラフィック)状態の間にどの動作特徴をイネーブルするかSTAに指示するためにAPにより使用される。例えば、非ボイスアクセスカテゴリ(AC_BK、AC_BE、AC_VI)の幾つか又は全部に対して、B7ビットを「1」に等しくセットすることは、それらのアクセスカテゴリに対してRTS/CTSがイネーブルされることを指示する。同様に、ボイスアクセスカテゴリに対して、B7ビットを「1」に等しくセットすることは、各DIFS後の最初のN個のスロットがボイストラフィックに対して予約されることを指示する。
【0085】
本開示の更に別の例示的な実施形態を以下に述べる。
【0086】
実施例1.ワイヤレス装置により実施される方法において、第1の期間中に第1の動作モードに従ってワイヤレス通信を遂行し;ワイヤレス通信媒体を監視し、この監視は、第1のワイヤレス通信技術に従ってワイヤレス通信媒体を経て通信されるパケットを検出することを含み;各検出されたパケットのパケット長さを
判定し;第1の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である検出パケットの数が第1のスレッシュホールド数より大きいかどうか
判定し;第1の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である検出パケットの数が第1のスレッシュホールド数より大きい場合には、第2の期間中に第2の動作モードに従ってワイヤレス通信を遂行し、第2の期間は、第1の期間に続くものであり;及び第1の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である検出パケットの数が第1のスレッシュホールド数より小さい場合には、第2の期間中に第1の動作モードに従ってワイヤレス通信を実行し続ける;ことを含む方法。
【0087】
実施例2.第1の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である検出パケットの数が第1のスレッシュホールド数より大きい場合には、第2の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である検出パケットの数が第2のスレッシュホールド数より小さいかどうか
判定し;第2の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である検出パケットの数が第2のスレッシュホールド数より小さい場合には、第3の期間中に第1の動作モードに従ってワイヤレス通信を遂行し、第3の期間は、第2の期間に続くものであり;及び第2の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である検出パケットの数が第2のスレッシュホールド数より大きい場合には、第3の期間中に第2の動作モードに従ってワイヤレス通信を実行し続ける;ことを更に含む実施例1に記載の方法。
【0088】
実施例3.第2のスレッシュホールド数は、第1のスレッシュホールド数より小さい、実施例2に記載の方法。
【0089】
実施例4.第1のワイヤレス通信技術は、Wi−Fiであり、第1の期間中にパケット長さが第1のパケット長さスレッシュホールド未満である検出パケットの数が第1のスレッシュホールド数より大きいかどうか
判定するときには、確認、送信要求、及び送信クリアパケットが除外される、実施例1−3のいずれかに記載の方法。
【0090】
実施例5.第1の動作モードは、アップリンク及びダウンリンクの両ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)通信に対してエンハンスト分散型チャンネルアクセス(EDCA)をイネーブルすることを含み、第2の動作モードは、ダウンリンクVoIP通信に対してはEDCAをイネーブルし、そしてアップリンクVoIP通信に対してはEDCAをディスエイブルすることを含む、実施例1−4のいずれかに記載の方法。
【0091】
実施例6.ワイヤレス装置により実施される方法において、短いパケットの高密度トラフィックがWi−Fiネットワークに存在することを
判定し;該
判定に基づいて1つ以上の動作特徴をイネーブルし、該1つ以上の動作特徴は、非ボイストラフィックに対して送信要求(RTS)及び送信クリア(CTS)の指示を使用するか又はボイストラフィックに対して各分散型整合機能(DCF)インターフレームスペース(DIFS)後に第1数のスロットを予約する、の1つ以上を含み;その1つ以上のイネーブルされた動作特徴を使用してWi−Fiネットワークの一部分としてワイヤレス通信を遂行する;ことを含む方法。
【0092】
実施例7.その後に、短いパケットの高密度トラフィックがWi−Fiネットワークにもはや存在しないことを
判定し;該
判定に基づき1つ以上の動作特徴をディスエイブルし;及び1つ以上の動作特徴がディスエイブルされた状態でWi−Fiネットワークの一部分としてワイヤレス通信を遂行する;ことを更に含む、実施例6に記載の方法。
【0093】
実施例8.ワイヤレス装置は、アクセスポイント装置(AP)であり、1つ以上の動作特徴をイネーブルすることは、1つ以上の動作特徴をイネーブルするための指示をWi−Fiネットワークの1つ以上の移動ステーション(STA)へ送信することを含む、実施例6−7のいずれかに記載の方法。
【0094】
実施例9.ワイヤレス装置により実施される方法において、第1の期間にわたってワイヤレス媒体を経て通信されるパケットのパケット長さを検出し;第1の期間にわたりワイヤレス媒体を経て通信される、パケット長さスレッシュホールドより短いパケット長さのパケットの数に少なくとも一部分基づいて、ワイヤレス媒体が短いパケットの混雑状態にあるか又は短いパケットの非混雑状態にあるか
判定し;ワイヤレス媒体が短いパケットの混雑状態にあるか又は短いパケットの非混雑状態にあるかの
判定に少なくとも一部分基づいて、少なくとも第1の動作モード及び第2の動作モードから動作モードを選択し;及びその選択された動作モードに従ってワイヤレス媒体を経てWi−Fi通信を遂行する;ことを含む方法。
【0095】
実施例10.第1の期間にわたりワイヤレス媒体を経て通信される、パケット長さスレッシュホールドより短いパケット長さのパケットの数が第1のスレッシュホールドパケット数より多い場合には、ワイヤレス媒体が短いパケットの混雑状態にあると
判定し;更に、第1の期間にわたりワイヤレス媒体を経て通信される、パケット長さスレッシュホールドより短いパケット長さのパケットの数が第1のスレッシュホールドパケット数より少ない場合には、ワイヤレス媒体が短いパケットの非混雑状態にあると
判定する;ことを更に含む実施例9に記載の方法。
【0096】
実施例11.第1の期間にわたりワイヤレス媒体を経て通信される、パケット長さスレッシュホールドより短いパケット長さのパケットの数が第1のスレッシュホールドパケット数より多い場合には、ワイヤレス媒体が短いパケットの混雑状態にあると
判定し;第1の期間にわたりワイヤレス媒体を経て通信される、パケット長さスレッシュホールドより短いパケット長さのパケットの数が第2のスレッシュホールドパケット数より少ない場合には、ワイヤレス媒体が短いパケットの非混雑状態にあると
判定し、第2のスレッシュホールドパケット数は、第1のスレッシュホールドパケット数より小さく;及び第1の期間にわたりワイヤレス媒体を経て通信される、パケット長さスレッシュホールドより短いパケット長さのパケットの数が第1のスレッシュホールドパケット数より小さく且つ第2のスレッシュホールドパケット数より大きいかどうかの以前の
判定に基づいて、ワイヤレス媒体が短いパケットの混雑状態にあるか又は短いパケットの非混雑状態にあるか
判定する;ことを更に含む、実施例9−10のいずれかに記載の方法。
【0097】
実施例12.ワイヤレス媒体を経て通信されるパケットのパケット長さを、それらパケットのPHYプリアンブルパケット長さ情報をデコードすることによって検出することを更に含む、実施例9−11のいずれかに記載の方法。
【0098】
実施例13.ワイヤレス媒体が短いパケットの混雑状態にあるか又は短いパケットの非混雑状態にあるか
判定するために使用される、第1の期間にわたりワイヤレス媒体を経て通信されるパケットの数は、非コンテンツ保持パケットを除外する、実施例9−12のいずれかに記載の方法。
【0099】
実施例14.第1の動作モードは、アップリンク及びダウンリンクの両Wi−Fi通信に対してエンハンスト分散型チャンネルアクセス(EDCA)をイネーブルすることを含み、第2の動作モードは、ダウンリンクWi−Fi通信に対してはEDCAをイネーブルし、そしてアップリンクWi−Fi通信に対してはEDCAをディスエイブルすることを含む、実施例9−13のいずれかに記載の方法。
【0100】
実施例15.選択された動作モードの指示を、ワイヤレス媒体を経て通信する1つ以上の他のワイヤレス装置へ送信することを更に含む、実施例9−14のいずれかに記載の方法。
【0101】
実施例16.第2の期間にわたってワイヤレス媒体を経て通信されるパケットのパケット長さを検出し;第2の期間にわたりワイヤレス媒体を経て通信される、パケット長さスレッシュホールドより短いパケット長さのパケットの数に少なくとも一部分基づいて、短いパケットの状態変化がワイヤレス媒体に生じたかどうか
判定し;短いパケットの状態が変化した場合には、異なる動作モードを選択し;及びその選択された動作モードに従ってワイヤレス媒体を経てWi−Fi通信を遂行する;ことを更に含む、実施例9−15のいずれかに記載の方法。
【0102】
実施例17.ワイヤレス装置により実施される方法において、短いパケットの高密度トラフィックがWi−Fiネットワークに存在することを
判定し;その
判定に基づいてWi−Fiネットワークにおけるボイストラフィックと非ボイストラフィックとの間の衝突を減少するよう構成された1つ以上の動作特徴をイネーブルし;及び1つ以上のイネーブルされた動作特徴を使用してWi−Fiネットワークの一部分としてワイヤレス通信を遂行する;ことを含む方法。
【0103】
実施例18.1つ以上の動作特徴は、非ボイストラフィックに対して送信要求(RTS)及び送信クリア(CTS)の指示を使用することを含み、RTS及びCTS指示は、ボイストラフィックには使用されない、実施例17に記載の方法。
【0104】
実施例19.1つ以上の動作特徴は、ボイストラフィックに対して各分散型整合機能(DCF)インターフレームスペース(DIFS)後に構成された数のスロットを予約することを含む、実施例17−18のいずれかに記載の方法。
【0105】
実施例20.その後に、短いパケットの高密度トラフィックがWi−Fiネットワークにもはや存在しないことを
判定し;該
判定に基づいて1つ以上の動作特徴をディスエイブルし;及び1つ以上の動作特徴がディスエイブルされた状態でWi−Fiネットワークの一部分としてワイヤレス通信を遂行する;ことを更に含む、実施例17−19のいずれかに記載の方法。
【0106】
実施例21.ワイヤレス装置は、アクセスポイント装置(AP)であり、1つ以上の動作特徴をイネーブルすることは、1つ以上の動作特徴をイネーブルするための指示をWi−Fiネットワークの1つ以上の移動ステーション(STA)へ送信することを含む、実施例17−20のいずれかに記載の方法。
【0107】
実施例22.Wi−Fiネットワークを形成するアクセスポイント装置から短いパケットの高密度トラフィックがWi−Fiネットワークに存在するとの指示を受け取り、短いパケットの高密度トラフィックがWi−Fiネットワークに存在するとの
判定は、アクセスポイント装置から受け取られた指示に基づく、実施例17−20のいずれかに記載の方法。
【0108】
実施例23.ワイヤレス装置により実施される方法において、短いパケットの高密度トラフィックがWi−Fiネットワークに存在するかどうか
判定し;該
判定に基づいてWi−Fiネットワークにおけるボイストラフィックと非ボイストラフィックとの間の衝突を減少するように構成された1つ以上の動作特徴をイネーブルし;及びその1つ以上のイネーブルされた動作特徴を使用してWi−Fiネットワークの一部分としてワイヤレス通信を遂行する;ことを含み、その1つ以上のイネーブルされた動作特徴により、送信されるべきパケットがボイスパケットであるか非ボイスパケットであるかに基づいて異なる媒体アクセスアルゴリズムが使用される、方法。
【0109】
実施例24.1つ以上の動作特徴は、非ボイストラフィックに対して送信要求(RTS)及び送信クリア(CTS)の指示を使用することを含み、1つ以上のイネーブルされた動作特徴を使用してWi−Fiネットワークの一部分としてワイヤレス通信を遂行するために、前記方法は、更に、非ボイスパケットを送信する前にRTS指示を送信し、RTS指示を送信せずにボイスパケットを送信することを含む、実施例23に記載の方法。
【0110】
実施例25.1つ以上の動作特徴は、ボイストラフィックに対して各分散型整合機能(DCF)インターフレームスペース(DIFS)後に構成された数のスロットを予約することを含み、1つ以上のイネーブルされた動作特徴を使用してWi−Fiネットワークの一部分としてワイヤレス通信を遂行するために、前記方法は、更に、バックオフカウンタの値がその構成された数より小さい場合に非ボイスパケットに対してDIFS後にバックオフカウンタにその構成された数を追加することを含む、実施例23−24のいずれかに記載の方法。
【0111】
実施例26.1つ以上の動作特徴は、ボイスパケットに対してEDCAをディスエイブルすることを含み、1つ以上のイネーブルされた動作特徴を使用してWi−Fiネットワークの一部分としてワイヤレス通信を遂行するために、前記方法は、更に、ボイスパケットのための媒体アクセスアルゴリズムとしてレガシーDCAを使用することを含む、実施例23−25のいずれかに記載の方法。
【0112】
実施例27.Wi−Fiビーコン送信において1つ以上の動作特徴をイネーブルするための指示を放送することを更に含む、実施例23−26のいずれかに記載の方法。
【0113】
実施例28.Wi−Fiネットワークを形成するアクセスポイント装置からWi−Fiビーコン送信において1つ以上の動作特徴をイネーブルするための指示を受け取ることを更に含む、実施例23−26のいずれかに記載の方法。
【0114】
実施例29.ワイヤレス通信のために構成された1つ以上のアンテナに結合された1つ以上の無線と;その1つ以上の無線に作動的に結合された処理要素と;を備え、前記実施例1−28に記載のいずれかの方法のいずれか又は全ての部分を具現化するように構成されたワイヤレスユーザ装置(UE)。
【0115】
実施例30.装置において実行されたときに装置が前記実施例1−28に記載のいずれかの方法のいずれか又は全ての部分を具現化するようにさせるプログラムインストラクションを備えた非一時的コンピュータアクセス可能なメモリ媒体。
【0116】
実施例31.前記実施例1−28に記載のいずれかの方法のいずれか又は全ての部分を遂行するためのインストラクションを含むコンピュータプログラム。
【0117】
実施例32.前記実施例1−28のいずれかに記載の方法要素のいずれか又は全てを遂行するための手段を備えた装置。
【0118】
本開示の実施形態は、種々の形態のいずれかで実現することができる。例えば、ある実施形態は、コンピュータ実施方法、コンピュータ読み取り可能なメモリ媒体又はコンピュータシステムとして実現される。他の実施形態は、ASICのような1つ以上のカスタム設計のハードウェア装置を使用して実現される。又、他の実施形態は、FPGAのような1つ以上のプログラム可能なハードウェア要素を使用して実現される。
【0119】
ある実施形態では、非一時的なコンピュータ読み取り可能なメモリ媒体は、プログラムインストラクション及び/又はデータを記憶するように構成され、プログラムインストラクションは、コンピュータシステムにより実行された場合に、コンピュータシステムが、方法、例えば、ここに述べる方法実施形態のいずれか、又はここに述べる方法実施形態の任意の組み合わせ、或いはここに述べる方法実施形態のいずれかのサブセット、又はそのようなサブセットの任意の組み合わせ遂行するようにさせる。
【0120】
ある実施形態では、装置(例えば、STA)は、プロセッサ(又はプロセッサのセット)及びメモリ媒体を含むように構成され、メモリ媒体は、プログラムインストラクションを記憶し、プロセッサは、メモリ媒体からプログラムインストラクションを読み取って実行するように構成され、プログラムインストラクションは、ここに述べる種々の方法実施形態のいずれか(又はここに述べる方法実施形態の任意の組み合わせ、或いはここに述べる方法実施形態のいずれかのサブセット、又はそのようなサブセットの組み合わせ)を実施するように実行される。装置は、種々の形態のいずれかで実施される。
【0121】
以上、本発明の実施形態を非常に詳細に説明したが、当業者であれば、前記開示が充分に理解されれば、多数の変更や修正が明らかとなろう。特許請求の範囲は、そのような全ての変更や修正を包含すると解釈される。