特許第6360006号(P6360006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6360006
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】ぱちんこ遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
   A63F7/02 315Z
【請求項の数】1
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2015-116854(P2015-116854)
(22)【出願日】2015年6月9日
(62)【分割の表示】特願2014-29693(P2014-29693)の分割
【原出願日】2014年2月19日
(65)【公開番号】特開2015-178016(P2015-178016A)
(43)【公開日】2015年10月8日
【審査請求日】2016年12月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】390031783
【氏名又は名称】サミー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】河守 俊輝
(72)【発明者】
【氏名】石川 理絵
(72)【発明者】
【氏名】高橋 周平
(72)【発明者】
【氏名】今福 竜太
【審査官】 大隈 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5765792(JP,B1)
【文献】 特開2017−99908(JP,A)
【文献】 特開2017−104569(JP,A)
【文献】 特開2013−212365(JP,A)
【文献】 特開2011−104216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入球可能な第一始動口と、
遊技球が入球可能な第二始動口と、
第一識別情報を変動表示及び停止表示可能な第一識別情報表示部と、
第二識別情報を変動表示及び停止表示可能な第二識別情報表示部と、
情報を出力可能な情報出力部と、
遊技の進行を制御する主遊技部と、
情報出力部への情報出力を制御する副遊技部と
を備え、
主遊技部は、
第一始動口への入球に基づき第一乱数を取得する第一乱数取得手段と、
第一乱数取得手段により第一乱数が取得された場合、第一識別情報の変動表示開始条件を充足するまで当該取得された第一乱数を一時記憶して第一保留が生起するよう制御する第一乱数一時記憶手段と、
ある第一保留に関する第一識別情報の変動表示開始条件を充足した場合において、当該ある第一保留を消化して、当該ある第一保留に係る第一乱数に基づく当否判定結果に従い、第一識別情報表示部にて第一識別情報を変動表示させた後に第一識別情報の停止識別情報を停止表示するよう制御する第一識別情報表示制御手段と、
第二始動口への入球に基づき第二乱数を取得する第二乱数取得手段と、
第二乱数取得手段により第二乱数が取得された場合、第二識別情報の変動表示開始条件を充足するまで当該取得された第二乱数を一時記憶して第二保留が生起するよう制御する第二乱数一時記憶手段と、
ある第二保留に関する第二識別情報の変動表示開始条件を充足した場合において、当該ある第二保留を消化して、当該ある第二保留に係る第二乱数に基づく当否判定結果に従い、第二識別情報表示部にて第二識別情報を変動表示させた後に第二識別情報の停止識別情報を停止表示するよう制御する第二識別情報表示制御手段と、
第一識別情報表示部に停止表示された第一識別情報の停止識別情報が所定態様であった場合又は第二識別情報表示部に停止表示された第二識別情報の停止識別情報が所定態様であった場合、遊技者にとって有利な特別遊技を実行し得る特別遊技制御手段と
を備え、
副遊技部側で実行される情報出力に際して必要な遊技情報を副遊技部側へ送信可能であって、ある第一保留が新たに生起した場合には、当該ある第一保留に関する第一識別情報の変動表示開始条件を充足するよりも前に、当該ある第一保留に係る第一乱数に関する保留情報を副遊技部へ送信可能に構成されており、ある第二保留が新たに生起した場合には、当該ある第二保留に関する第二識別情報の変動表示開始条件を充足するよりも前に、当該ある第二保留に係る第二乱数に関する保留情報を副遊技部へ送信可能に構成されており、
副遊技部は、
主遊技部から送信された遊技情報に基づき、情報出力部にて出力される内容を制御可能に構成されており、
第一識別情報又は第二識別情報が変動表示された後から停止表示されるまでを変動単位とし、ある変動単位が行われている期間中において演出用情報を出力し得るよう構成されており、
ある変動単位が行われている期間中において出力される演出用情報は、当該ある変動単位の終了後における特別遊技の実行期待度を予告する内容となり、且つ、遊技者によって操作可能な操作部材の操作を促す内容である特定演出用情報が併せて出力され得るよう構成されており、
所定条件を充足した後から所定回数の変動単位が行われるまで、特別遊技の実行期待度が高い状況である旨を示す特定演出状態が継続する場合において、当該所定回数の変動単位における最終回より前となる変動単位において演出用情報が出力される際には、次回以降の変動単位における特別遊技の実行期待度が事前に予告されるよう構成されており、当該所定回数の変動単位における最終回となる変動単位において演出用情報が出力される際には、当該所定回数の変動単位における最終回より前となる変動単位において演出用情報が出力される際よりも、特定演出用情報が出力され易いよう構成されており、
前記特定演出状態として、第1特定演出状態と第2特定演出状態とを有し、前記特定演出状態が第1特定演出状態となる場合には、第一保留を対象として特別遊技の実行期待度が予告され、前記特定演出状態が第2特定演出状態となる場合には、第二保留を対象として特別遊技の実行期待度が予告されるよう構成されており、
前記特定演出状態における特別遊技の実行期待度を予告するための演出を決定する際に参照されるテーブルとして、演出決定用テーブルAと演出決定用テーブルAとは演出の選択傾向が異なる演出決定用テーブルBとを有し、前記特定演出状態が第1特定演出状態となる場合には演出決定用テーブルAが参照され、前記特定演出状態が第2特定演出状態となる場合には演出決定用テーブルBが参照されるよう構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ぱちんこ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
現在最も普及しているぱちんこ遊技機は、始動口(スタートチャッカー)に遊技球が入球したことを契機として、7セグ等の表示部上で「特別図柄」(或いは主遊技図柄)と称される図柄が変動表示され、当該特別図柄が特定態様(例えば「7」)となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態{通常時は閉状態にある大入賞口(いわゆるアタッカー)が所定条件で開放する内容の遊技}に移行するタイプの機種(いわゆる「第一種ぱちんこ遊技機」)である。ここで、遊技者の利益に直結する特別図柄の表示制御の負担を軽減するために、前記の「特別図柄」とは別に、遊技の興趣性を高めるための演出用の「装飾図柄」と称される図柄が、前記特別図柄の変動とシンクロした形で、前記表示部よりもサイズが大きい液晶等のディスプレー上で変動表示される。そして、特別図柄の変動が開始されると装飾図柄もこれに合わせて変動を開始し、特別図柄が特定態様(例えば「7」)で停止した場合、装飾図柄もこれに合わせて所定態様(例えば「777」)で停止することとなる。そして、遊技者は、装飾図柄が所定態様で停止したことにより、特別遊技へ移行が確定したことを認識する。
【0003】
ここで、当該仕組みはこの種のぱちんこ遊技機で共通するので、他種との差別化を図るためには、前記図柄の変動態様を含めた演出全般に対し、いかに工夫を凝らし高い興趣性を付与するかということに注力されている。例えば、「特別図柄」の変動表示が開始できない状況にある場合、始動口に遊技球が入球したことを契機として、当該変動表示を保留する機能を備え、当該保留消化時における遊技内容を事前に報知又は示唆するよう構成することで遊技の興趣性を向上させる手法(いわゆる保留先読み演出)がその一つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−236974号公報
【特許文献2】特開2010−035648号公報
【特許文献3】特開2011−172661号公報
【特許文献4】特開2013−198659号公報
【特許文献5】特開2013−009950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、保留先読み演出は従来から多用されているため、マンネリ化を防ぐための更なる改善が必要となっているという課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本態様に係るぱちんこ遊技機は、
遊技球が入球可能な第一始動口と、
遊技球が入球可能な第二始動口と、
第一識別情報を変動表示及び停止表示可能な第一識別情報表示部と、
第二識別情報を変動表示及び停止表示可能な第二識別情報表示部と、
情報を出力可能な情報出力部と、
遊技の進行を制御する主遊技部と、
情報出力部への情報出力を制御する副遊技部と
を備え、
主遊技部は、
第一始動口への入球に基づき第一乱数を取得する第一乱数取得手段と、
第一乱数取得手段により第一乱数が取得された場合、第一識別情報の変動表示開始条件を充足するまで当該取得された第一乱数を一時記憶して第一保留が生起するよう制御する第一乱数一時記憶手段と、
ある第一保留に関する第一識別情報の変動表示開始条件を充足した場合において、当該ある第一保留を消化して、当該ある第一保留に係る第一乱数に基づく当否判定結果に従い、第一識別情報表示部にて第一識別情報を変動表示させた後に第一識別情報の停止識別情報を停止表示するよう制御する第一識別情報表示制御手段と、
第二始動口への入球に基づき第二乱数を取得する第二乱数取得手段と、
第二乱数取得手段により第二乱数が取得された場合、第二識別情報の変動表示開始条件を充足するまで当該取得された第二乱数を一時記憶して第二保留が生起するよう制御する第二乱数一時記憶手段と、
ある第二保留に関する第二識別情報の変動表示開始条件を充足した場合において、当該ある第二保留を消化して、当該ある第二保留に係る第二乱数に基づく当否判定結果に従い、第二識別情報表示部にて第二識別情報を変動表示させた後に第二識別情報の停止識別情報を停止表示するよう制御する第二識別情報表示制御手段と、
第一識別情報表示部に停止表示された第一識別情報の停止識別情報が所定態様であった場合又は第二識別情報表示部に停止表示された第二識別情報の停止識別情報が所定態様であった場合、遊技者にとって有利な特別遊技を実行し得る特別遊技制御手段と
を備え、
副遊技部側で実行される情報出力に際して必要な遊技情報を副遊技部側へ送信可能であって、ある第一保留が新たに生起した場合には、当該ある第一保留に関する第一識別情報の変動表示開始条件を充足するよりも前に、当該ある第一保留に係る第一乱数に関する保留情報を副遊技部へ送信可能に構成されており、ある第二保留が新たに生起した場合には、当該ある第二保留に関する第二識別情報の変動表示開始条件を充足するよりも前に、当該ある第二保留に係る第二乱数に関する保留情報を副遊技部へ送信可能に構成されており、
副遊技部は、
主遊技部から送信された遊技情報に基づき、情報出力部にて出力される内容を制御可能に構成されており、
第一識別情報又は第二識別情報が変動表示された後から停止表示されるまでを変動単位とし、ある変動単位が行われている期間中において演出用情報を出力し得るよう構成されており、
ある変動単位が行われている期間中において出力される演出用情報は、当該ある変動単位の終了後における特別遊技の実行期待度を予告する内容となり、且つ、遊技者によって操作可能な操作部材の操作を促す内容である特定演出用情報が併せて出力され得るよう構成されており、
所定条件を充足した後から所定回数の変動単位が行われるまで、特別遊技の実行期待度が高い状況である旨を示す特定演出状態が継続する場合において、当該所定回数の変動単位における最終回より前となる変動単位において演出用情報が出力される際には、次回以降の変動単位における特別遊技の実行期待度が事前に予告されるよう構成されており、当該所定回数の変動単位における最終回となる変動単位において演出用情報が出力される際には、当該所定回数の変動単位における最終回より前となる変動単位において演出用情報が出力される際よりも、特定演出用情報が出力され易いよう構成されており、
前記特定演出状態として、第1特定演出状態と第2特定演出状態とを有し、前記特定演出状態が第1特定演出状態となる場合には、第一保留を対象として特別遊技の実行期待度が予告され、前記特定演出状態が第2特定演出状態となる場合には、第二保留を対象として特別遊技の実行期待度が予告されるよう構成されており、
前記特定演出状態における特別遊技の実行期待度を予告するための演出を決定する際に参照されるテーブルとして、演出決定用テーブルAと演出決定用テーブルAとは演出の選択傾向が異なる演出決定用テーブルBとを有し、前記特定演出状態が第1特定演出状態となる場合には演出決定用テーブルAが参照され、前記特定演出状態が第2特定演出状態となる場合には演出決定用テーブルBが参照されるよう構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本態様に係るぱちんこ遊技機によれば、保留先読み演出に関する遊技の興趣性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の正面図である。
図2図2は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の背面図である。
図3図3は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の電気的全体構成図である。
図4図4は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。
図5図5は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側でのメインフローチャートである。
図6図6は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での補助遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。
図7図7は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での電動役物駆動判定処理のフローチャートである。
図8図8は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。
図9図9は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での主遊技図柄表示処理のフローチャートである。
図10図10は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での第1(第2)主遊技図柄表示処理のフローチャートである。
図11図11は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での第1(第2)主遊技図柄表示処理にて用いられるテーブル構成図である。
図12図12は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での第1(第2)主遊技図柄表示処理にて用いられるテーブル構成図である。
図13図13は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特定遊技終了判定処理のフローチャートである。
図14図14は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特別遊技作動条件判定処理のフローチャートである。
図15図15は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特別遊技制御処理のフローチャートである。
図16図16は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。
図17図17は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側でのメインフローチャートである。
図18図18は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での保留情報管理処理のフローチャートである。
図19図19は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。
図20図20は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での演出内容決定処理のフローチャートである。
図21図21は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での先読み演出再抽選実行可否判定処理のフローチャートである。
図22図22は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、バトルST中の予告演出決定イメージである。
図23図23は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。
図24図24は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での特別遊技関連表示制御処理のフローチャートである。
図25図25は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側でのST演出種別選択処理のフローチャートである。
図26図26は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側でのST中先読み演出決定処理のフローチャートである。
図27図27は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、ST中先読み演出決定イメージである。
図28図28は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側でのST演出種別決定処理のフローチャートである。
図29図29は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、バトルST演出イメージである。
図30図30は、本実施形態の変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。
図31図31は、本実施形態の変更例1に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での演出内容決定処理のフローチャートである。
図32図32は、本実施形態の変更例1に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側でのST演出種別決定処理のフローチャートである。
【実施するための形態】
【0009】
はじめに、本明細書における各用語の意義について説明する。「入球」とは、賞球が払い出される入賞のみならず、賞球払い出しの無い「スルーチャッカー」への通過も含む。「開状態、開放状態」及び「閉状態、閉鎖状態」とは、例えば、一般的な大入賞口(いわゆる、アタッカー)の構成においては、開状態=入賞容易状態であり、閉状態=入賞非容易状態となる。また、例えば、遊技盤(遊技者側)から突き出した状態(以下、進出状態と呼ぶことがある)と遊技盤内(遊技者側と反対側)に引っ込んだ状態(以下、退避状態と呼ぶことがある)とを採り得る構成(いわゆる、ベロ型アタッカー)においては、進出状態=入賞容易状態であり、退避状態=入賞非容易状態となる。「乱数」とは、ぱちんこ遊技機において何らかの遊技内容を決定するための抽選(電子計算機によるくじ)に使用される乱数であり、狭義の乱数の他に擬似乱数も含む(例えば、乱数としてはハード乱数、擬似乱数としてはソフト乱数)。例えば、遊技の結果に影響を与えるいわゆる「基本乱数」、具体的には、特別遊技の移行と関連した「当選乱数(当否抽選用乱数)」、識別図柄の変動態様(又は変動時間)を決定するための「変動態様決定乱数」、停止図柄を決定する「図柄決定乱数」、特別遊技後に特定遊技(例えば確率変動遊技)に移行するか否かを決定する「当り図柄決定乱数」等を挙げることができる。尚、変動態様の内容や確定識別情報の内容等を決定する際、これらすべての乱数を使用する必要はなく、互いに同一又は相違する、少なくとも一つの乱数を使用すればよい。また、本明細書では、乱数の数とか複数個の乱数、といった形で乱数を個数表示していることがあるが、乱数取得の契機となる入球口(例えば始動入球口)の一回の入球により取得された乱数を一個と称している(即ち、前記の例だと、当選乱数+変動態様決定乱数+図柄決定乱数・・・という乱数の束を一個の乱数と称している)。また、例えば、一種の乱数(例えば当選乱数)が、別種の乱数(例えば図柄決定乱数)を兼ねていてもよい。「識別情報」とは、五感(視覚、聴覚、触覚等)を通じて情報の種類を識別可能であればどのような形態でもよいが、好適には、視覚的なもの、例えば、数字、文字、図柄等の形状のあるものを挙げることができる。また、本明細書においては「識別情報」を、主遊技図柄・特別図柄(特図)や装飾図柄(装図)と呼ぶことがあるが、「特別図柄(特図)」は、主遊技部(いわゆるメイン基板)側にて表示制御される識別情報であり、「装飾図柄(装図)」は、副遊技部(いわゆるサブ基板)側にて表示される演出としての識別情報である。「識別情報を表示可能」とは、表示方法には何ら限定されず、例えば、発光手段(例えば液晶、LED、7セグ)の発光(発光の有無だけでなく、色の違いや点灯・点滅態様も含む)、物理的な表示(例えば、リール帯に描かれた図柄を所定位置に停止表示する)等、を挙げることができる。「演出(情報)」とは、副遊技部(いわゆるサブ基板)側にて出力制御される遊技の興趣性を高める出力内容全般を指し、例えば、装飾図柄の変動・停止や特別遊技の実行期待度を示唆・報知する予告、等を挙げることができ、その出力態様としては、アニメーションや実写等の動画像や絵、写真、文字等の静止画像、音や演出用の可動体役物の動作態様、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。「遊技状態」とは、例えば、大入賞口が開放状態となり得る特別遊技状態、特別遊技状態への移行抽選確率が予め定められた値である非確率変動遊技状態よりも特別遊技状態への移行抽選確率が高い確率変動遊技状態、特別遊技への移行抽選契機となる始動口への入賞に対する補助が有る補助遊技状態(いわゆる、普通図柄時短状態、例えば、始動口に可変部材が取り付けられている場合では、可変部材の開放期間が長い、可変部材の開放当選確率が高い、可変部材の開放抽選の結果報知の時間が短い)、等の任意の一又は複数の組合せである。「単位時間あたりにおける易入球遊技の期待平均実行時間」とは、補助遊技図柄の図柄変動が絶え間なく行われる状況(例えば、補助遊技図柄に係る保留が常に存在している状況)を仮定した場合において、始動口に取り付けられた可変部材の単位時間(例えば、5分間)あたりにおける開放期間が占める割合を意味しているが、内部処理的には、前述した遊技状態に基づき換言すると、例えば、始動口に可変部材が取り付けられている場合では、可変部材の開放期間の長短(いわゆる開放延長機能作動状態・非作動状態)、可変部材の開放契機となる普通図柄(補助遊技図柄)の当選確率の高低(いわゆる普図高確率状態・低確率状態)、可変部材の開放契機となる普通図柄(補助遊技図柄)の変動時間の長短(いわゆる普図変動短縮機能非作動状態・作動状態)、等の任意の一又は複数の組合せによって実現されるものである。
【0010】
以下の実施形態は、従来の第1種ぱちんこ遊技機を二つ混在させたような機種(第1種第1種複合機)である。但し、これには何ら限定されず、他の遊技機(例えば、従来の第1種、第2種、第3種、一般電役等のぱちんこ遊技機)に応用された場合も範囲内である。尚、本実施形態は、あくまで一例であり、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序、フラグのオン・オフのタイミング、各ステップの処理を担う手段名等に関し、以下の態様に限定されるものではない。また、上記した実施形態や変更例は、特定のものに対して適用されると限定的に解すべきでなく、どのような組み合わせであってもよい。例えば、ある実施形態についての変更例は、別の実施形態の変更例であると理解すべきであり、また、ある変更例と別の変更例が独立して記載されていたとしても、当該ある変更例と当該別の変更例を組み合わせたものも記載されていると理解すべきである。また、本実施形態では、各種テーブルに関し、抽選テーブルと参照テーブルとが存在するが、これらも限定的ではなく、抽選テーブルを参照テーブルとしたり或いはこの逆としてもよい。更に、以下の実施形態や変更例において示す具体的一例としての数値{例えば、抽選実行時における当選確率、特別遊技時における最大ラウンド数、図柄変動時間、各遊技状態における継続回数、等}は、あくまで一例であり、特に、異なる条件下(例えば、第1主遊技側と第2主遊技側との条件別、確率変動遊技時と非確率変動遊技時との条件別、時間短縮遊技時と非時間短縮遊技時との条件別、等)において示した数値の大小関係や組み合わせは、以下の実施形態や変更例の趣旨を大きく逸脱しない限りにおいては、適宜変更してもよいものであると理解すべきである。例えば、第1主遊技側と第2主遊技側とで、抽選実行時における当選確率や特別遊技時における最大ラウンド数の期待値における大小関係が、第1主遊技側=第2主遊技側となるよう例示されていたとしても、当該大小関係を第1主遊技側<第2主遊技側とする、或いは、第1主遊技側>第2主遊技側とするといったように適宜変更してもよい(その他の数値、条件下についても同様)。また、例えば、確率変動遊技状態の継続回数として、次回大当りが発生するまで継続するとの趣旨に基づき構成するに際し、継続回数として「65535」をセットするのか(実質的に継続するよう構成する)、或いは、継続回数をセットせずに次回大当りが発生するまで確率変動遊技状態を維持する、といった同一趣旨に基づく実現方法の選択肢においても、以下の実施形態や変更例の趣旨を大きく逸脱しない限りにおいては、適宜変更してもよいものであると理解すべきである。
【0011】
ここで、各構成要素について説明する前に、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の特徴(概略)を説明する。以下、図面を参照しながら、各要素について詳述する。
【0012】
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の前面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。以下、これらを順に説明する。
【0013】
はじめに、ぱちんこ遊技機の遊技機枠は、外枠D12、前枠D14、透明板D16、扉D18、上球皿D20、下球皿D22及び発射ハンドルD44を含む。まず、外枠D12は、ぱちんこ遊技機を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠D14は、外枠D12の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構を介して外枠D12に開閉可能に取り付けられる。前枠D14は、遊技球を発射する機構、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導又は回収するための機構等を含む。透明板D16は、ガラス等により形成され、扉D18により支持される。扉D18は、図示しないヒンジ機構を介して前枠D14に開閉可能に取り付けられる。上球皿D20は、遊技球の貯留、発射レ−ルへの遊技球の送り出し、下球皿D22への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿D22は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。また、上球皿D20と下球皿D22の間にはスピ−カD24が設けられており、遊技状態等に応じた効果音が出力される。
【0014】
次に、遊技盤は、外レールD32と内レールD34とにより区画された遊技領域D30が形成されている。そして、当該遊技領域D30には、図示しない複数の遊技釘及び風車等の機構や各種一般入賞口の他、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、補助遊技始動口H10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20、演出表示装置SG、補助遊技図柄表示装置H20、センター飾りD38及びアウト口D36が設置されている。以下、各要素を順番に詳述する。
【0015】
次に、第1主遊技始動口A10は、第1主遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第1主遊技始動口A10は、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを備える。ここで、第1主遊技始動口入球検出装置A11sは、第1主遊技始動口A10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1主遊技始動口入球情報を生成する。
【0016】
次に、第2主遊技始動口B10は、第2主遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第2主遊技始動口B10は、第2主遊技始動口入球検出装置B11sと、第2主遊技始動口電動役物B11dと、を備える。ここで、第2主遊技始動口入球検出装置B11sは、第2主遊技始動口B10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2主遊技始動口入球情報を生成する。次に、第2主遊技始動口電動役物B11dは、第2主遊技始動口B10に遊技球が入賞し難い閉鎖状態と当該通常状態よりも遊技球が入賞し易い開放状態に可変する。
【0017】
ここで、本実施形態においては、第1主遊技始動口A10と第2主遊技始動口B10とが離隔して設けられており、遊技領域D30の左側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球が、第1主遊技始動口A10に誘導され易い一方、第2主遊技始動口B10に誘導され難いよう構成されている。他方、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球は、第1主遊技始動口A10に誘導され難い一方、第2主遊技始動口B10に誘導され易いよう構成されている。尚、「誘導され易い」及び「誘導され難い」は、例えば、遊技球を右側及び左側に夫々10000球発射した際の、入球数の大小で決定するものとする。
【0018】
尚、本実施形態では、第2主遊技始動口B10側に電動役物を設けるよう構成したが、これには限定されず、第1主遊技始動口A10側に電動役物を設けるよう構成してもよい。更には、本実施形態では、第1主遊技始動口A10と第2主遊技始動口B10とが離隔して配置されているが、これにも限定されず、第1主遊技始動口A10と第2主遊技始動口B10とを重ねるように配置してもよく、その場合には、第1主遊技始動口A10の存在により、第2主遊技始動口B10の上部が塞がれているよう構成してもよい。
【0019】
次に、補助遊技始動口H10は、補助遊技始動口入球検出装置H11sを備える。ここで、補助遊技始動口入球検出装置H11sは、補助遊技始動口H10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す補助遊技始動口入球情報を生成する。尚、補助遊技始動口H10への遊技球の入球は、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口電動役物B11dを拡開させるための抽選の契機となる。
【0020】
ここで、本実施形態においては、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球(換言すれば、少なくとも最大の発射強度にて発射された遊技球)が、補助遊技始動口H10に誘導され易く、遊技領域D30の左側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球(換言すれば、少なくとも最小の発射強度にて発射された遊技球)が、補助遊技始動口H10に誘導され難いよう構成されている{但し、これには限定されず、遊技領域D30の左側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球も、補助遊技始動口H10に誘導され易いよう構成してもよい}。
【0021】
次に、アウト口D36の右上方には、第1大入賞口C10と第2大入賞口C20とが設けられており、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球は、アウト口D36に到達する前に、第1大入賞口C10及び第2大入賞口C20が配置されている領域を通過し易いよう構成されている。
【0022】
次に、第1大入賞口C10は、第1主遊技図柄(特別図柄)又は第2主遊技図柄(特別図柄)が大当り図柄停止した場合に開状態となる、横長方形状を成しアウト口D36の右上方に位置した、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、第1大入賞口C10は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞口入賞検出装置C11sと、第1大入賞口電動役物C11d(及び第1大入賞口電動役物ソレノイドC13)と、を備える。ここで、第1大入賞口入賞検出装置C11sは、第1大入賞口C10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入球情報を生成する。第1大入賞口電動役物C11dは、第1大入賞口C10に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態に第1大入賞口C10を可変させる(第1大入賞口電動役物ソレノイドC13を励磁して可変させる)。尚、本実施形態では、大入賞口の態様を、横長方形状を成し遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに可変させる態様としているが、これには限定されない。その場合には、例えば、大入賞口内に設けられた棒状部材が遊技者側に突き出した状態である進出状態と遊技者側に対して引っ込んだ状態である退避状態とを採り得る態様(いわゆる、ベロ型アタッカ−)としてもよく、大入賞口への入球数を所定数(例えば、10個)とすることを担保したい場合において好適である。
【0023】
次に、第2大入賞口C20は、第1主遊技図柄(特別図柄)又は第2主遊技図柄(特別図柄)が大当り図柄で停止した場合に開状態となる、横長方形状を成しアウト口D36の右上方に位置した、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、第2大入賞口C20は、遊技球の入球を検出するための第2大入賞口入賞検出装置C21sと、第2大入賞口電動役物C21d(及び第2大入賞口電動役物ソレノイドC23)と、を備える。ここで、第2大入賞口入賞検出装置C21sは、第2大入賞口C20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入球情報を生成する。そして、第2大入賞口C20内に入球した遊技球は、第2大入賞口入賞検出装置C21sによって検出されるよう構成されている。次に、第2大入賞口電動役物C21dは、第2大入賞口C20に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに第2大入賞口C20を可変させる。尚、本実施形態では、大入賞口の態様を、横長方形状を成し遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに可変させる態様としているが、これには限定されない。その場合には、例えば、大入賞口内に設けられた棒状部材が遊技者側に突き出した状態である進出状態と遊技者側に対して引っ込んだ状態である退避状態とを採り得る態様(いわゆる、ベロ型アタッカー)としてもよく、大入賞口への入球数を所定数(例えば、10個)とすることを担保したい場合において好適である。
【0024】
次に、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)は、第1主遊技(第2主遊技)に対応する第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)に関連した表示等を実行する装置である。具体的構成としては、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)は、第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)と、第1主遊技図柄保留表示部A21h(第2主遊技図柄保留表示部B21h)とを備える。ここで、第1主遊技図柄保留表示部A21h(第2主遊技図柄保留表示部B21h)は、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が、第1主遊技(第2主遊技)に係る乱数の保留数(実行されていない主遊技図柄の変動数)に相当する。尚、第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)は、例えば7セグメントLEDで構成され、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)は、「0」〜「9」の10種類の数字及びハズレの「−」で表示される{但し、これには限定されず、いずれの主遊技図柄が表示されたのかを遊技者が認識困難となるよう、7セグメントLEDを用いて記号等によって表示することが好適である。また、保留数表示においても、4個のランプから構成されていることには限定されず、最大4個分の保留数を表示可能に構成(例えば、1個のランプから構成されており、保留数1:点灯、保留数2:低速点滅、保留数3:中速点滅、保留数4:高速点滅、するよう構成)されていればよい}。
【0025】
尚、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)は必ずしも演出的な役割を持つ必要が無いため、本実施形態では、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)の大きさは、目立たない程度に設定されている。しかしながら、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)自体に演出的な役割を持たせて第1装飾図柄(第2装飾図柄)を表示させないような手法を採用する場合には、後述する演出表示装置SGのような液晶ディスプレーに、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)を表示させるように構成してもよい。
【0026】
次に、演出表示装置SGは、第1主遊技図柄・第2主遊技図柄と連動して変動・停止する装飾図柄を含む演出画像の表示等を実行する装置である。ここで、具体的構成としては、演出表示装置SGは、装飾図柄の変動表示等を含めて演出が実行される表示領域SG10を備える。ここで、表示領域SG10は、主遊技保留情報を表示する第1保留表示部SG12(及び第2保留表示部SG13)と、例えば、スロットマシンのゲームを模した複数列の装飾図柄変動の動画像を表示する装飾図柄表示領域SG11と、を有している。尚、演出表示装置SGは、本実施形態では液晶ディスプレーで構成されているが、機械式のドラムやLED等の他の表示手段で構成されていてもよい。次に、第1保留表示部SG12(及び第2保留表示部SG13)は、4個のランプから構成され、当該ランプは、主遊技図柄の保留ランプと連動している。
【0027】
次に、補助遊技図柄表示装置H20は、補助遊技図柄に関する表示等を実行する装置である。具体的構成としては、補助遊技図柄表示装置H20は、補助遊技図柄表示部H21gと、補助遊技図柄保留表示部H21hとを備える。ここで、補助遊技図柄保留表示部H21hは、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が、補助遊技図柄変動の保留数(実行されていない補助遊技図柄変動の数)に相当する。
【0028】
次に、センター飾りD38は、演出表示装置SGの周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置SGの保護、装飾等の機能を有する。また、遊技効果ランプD26は、遊技領域D30又は遊技領域D30以外の領域に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
【0029】
次に、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機の背面側における基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機は、ぱちんこ遊技機の全体動作を制御し、特に第1主遊技始動口A10(第2主遊技始動口B10)へ入球したときの抽選等、遊技動作全般の制御(即ち、遊技者の利益と直接関係する制御)を行う主制御基板Mと、遊技内容に興趣性を付与する演出表示装置SG上での各種演出に係る表示制御等を行う演出制御手段(サブメイン制御部)SMと、主に演出表示を実行するサブサブ制御部SSと、賞球タンクKT、賞球レールKR及び各入賞口への入賞に応じて賞球タンクKTから供給される遊技球を上球皿D20へ払い出す払出ユニットKE10等を備える賞球払出装置(セット基盤)KEと、払出ユニットKE10による払出動作を制御する賞球払出制御基板KHと、上球皿D20の遊技球(貯留球)を遊技領域D30へ1球ずつ発射する発射装置D42と、発射装置D42の発射動作を制御する発射制御基板D40と、ぱちんこ遊技機の各部へ電力を供給する電源供給ユニットEと、ぱちんこ遊技機の電源をオン・オフするスイッチである電源スイッチEa等が、前枠D14裏面(遊技側と反対側)に設けられている。
【0030】
次に、図3のブロック図を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の電気的な概略構成を説明する。はじめに、本実施形態に係るぱちんこ遊技機は、前述したように、遊技の進行を制御する主制御基板Mと、主制御基板Mからの情報(信号、コマンド等)に基づいて遊技球の払出を制御する賞球払出制御基板KHと、主制御基板Mからの情報(信号、コマンド等)に基づいて装飾図柄の変動・停止等の演出表示装置SG上での各種演出、スピーカD24からの音響、遊技効果ランプD26の点灯、エラー報知等の実行を制御する副制御基板S(本例では、サブメイン制御部SMとサブサブ制御部SSとが一つの基板上に配置されている)と、これらの制御基板を含む遊技機全体に電源を供給する電源供給ユニットEと、を主体として構成されている。ここで、副制御基板Sは、装飾図柄の変動・停止等の演出表示装置SG上での各種演出、スピーカD24からの音響、遊技効果ランプD26の点灯、エラー報知を制御するサブメイン制御部SMと、演出表示装置SG上での装飾図柄の変動表示・停止表示及び保留表示や予告表示等の表示処理を実行するサブサブ制御部SSの2つの制御部とを備えている。尚、主制御基板M、賞球払出制御基板KH、サブメイン制御部SM及びサブサブ制御部SSには、様々な演算処理を行うCPU、CPUの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM、CPUが取り扱うデータ(遊技中に発生する各種データやROMから読み出されたコンピュータプログラム等)を一時的に記憶するRAMが搭載されている。以下、各基板の概略構成及び各基板・装置間の電気的な接続態様について概説する。
【0031】
まず、主制御基板Mは、入賞口センサNs{前述した第1主遊技始動口入球検出装置A11s、第2主遊技始動口入球検出装置B11s、補助遊技始動口入球検出装置H11s、第1大入賞口入賞検出装置C11s、第2大入賞口入賞検出装置C21s、一般入賞検出装置(不図示であるが、一般入球口とは、特別遊技の実行有無に拘わらず常時開口しており且つ賞球はあるが図柄抽選等を行わない入球口である)}、図示略する駆動ソレノイド(前述した、第1大入賞口電動役物ソレノイドC13、第2大入賞口電動役物ソレノイドC23等)、情報表示LED(不図示)等、遊技の進行に必須となる入出力装置である遊技周辺機器(図中の、第1主遊技周辺機器A、第2主遊技周辺機器B、第1・第2主遊技共用周辺機器C、補助遊技周辺機器H)と電気的に接続され、各入力装置からの入力信号に基づいて遊技の進行を制御している。更に、主制御基板Mは、賞球払出制御基板KHと、副制御基板S(サブメイン制御部SM・サブサブ制御部SS)とも電気的に接続されており、遊技進行に基づいて、賞球払出等に関する情報(コマンド)を賞球払出制御基板KHに、演出・遊技の進行状態等に関する情報(コマンド)を副制御基板Sに夫々送信可能に構成されている。尚、主制御基板Mは、外部接続端子(不図示)を介してホールコンピュータHC等と接続可能となっており、外部接続端子を介してホールコンピュータHCと配線接続することで、主制御基板Mから外部の装置に対して遊技関連情報を出力できるよう構成されている。
【0032】
また、本実施形態では、図3の矢印表記の通り、主制御基板Mと賞球払出制御基板KHとは、双方向通信が可能となるよう構成されている一方、主制御基板Mとサブメイン制御部SMとは、主制御基板Mからサブメイン制御部SMへの一方向通信が可能となるよう構成されている(通信方法は、シリアル通信、パラレル通信のいずれを用いてもよい)。尚、制御基板間(制御装置間)の通信については一方向通信でも双方向通信でもよい。
【0033】
次に、賞球払出制御基板KHは、遊技球の払出を実行する賞球払出装置KEと、遊技者によって操作可能な装置であって遊技球の貸出要求を受付けて賞球払出制御基板KHに伝達する遊技球貸出装置Rとに接続されている。また、図示略するが、本実施形態では、賞球払出制御基板KH内に、発射装置の制御回路部(発射制御基板D40)が併設されており、賞球払出制御基板KHと発射装置D42(発射ハンドル・発射モータ・球送り装置等)とも接続されている。尚、本実施形態では、遊技球貸出装置Rを別体として遊技機に隣接する形態を採用しているが、遊技機と一体としてもよく、その場合には、賞球払出制御基板KHにより貸出制御及び電子マネー等貸出用の記録媒体の管理制御等を統括して行ってもよい。
【0034】
次に、副制御基板Sは、前述したように装飾図柄等を表示する演出表示装置SGと、スピ−カD24と、遊技効果ランプD26と、その他演出用の駆動装置(不図示であるが、いわゆる演出用の可動体役物)と接続されている。本実施形態では、前述の通り、副制御基板S内にサブメイン制御部SMとサブサブ制御部SSとを有しており、サブメイン制御部SMによりスピーカD24から出力させる音声の制御、遊技効果(電飾)ランプD26の点灯制御並びに、演出表示装置SG上で表示する表示内容の決定制御が行われ、サブサブ制御部SSにより、演出表示装置SG上の表示制御(実体的な表示制御)が行われるように構成されている。尚、本実施形態では、サブメイン制御部SMとサブサブ制御部SSとを、副制御基板Sにて一体化されるよう構成されているが、これに限定されるわけではない(別基板として構成してもよいが、一体化するよう構成することでスペースメリットや配線等にノイズが混入してしまう事態を低減できるといったメリットが生ずる)。また、両制御部での作業分担についても、例えばサブサブ制御部SSにより音声制御を実行させる(VDPに音声制御回路が一体化されたものを採用する場合に好適)等、適宜変更できる。また、賞球として物理的な賞球を付与せずに電子的な価値を付与してもよい。
【0035】
次に、図4のブロック図を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の各種機能について説明する。はじめに、主制御基板Mは、遊技に係る遊技周辺機器(第1主遊技周辺機器A、第2主遊技周辺機器B、第1・第2主遊技共用周辺機器C、補助遊技周辺機器H)、演出に係るサブメイン制御部SM(副遊技制御手段SM)、主制御基板Mからの払出指示に基づき所定数の賞球の払出制御を行う賞球払出制御基板KHと、情報伝達可能に接続されている。また、サブメイン制御部SM(副遊技制御手段SM)は、画像演出を実行するサブサブ制御部SS(演出表示手段SS)、各種遊技効果ランプD26(例えばサイドランプ)やスピーカD24等とも電気的に接続されている。更に、賞球払出制御基板KHは、ステッピングモータやスプロケット等を備えた賞球払出装置KEと電気的に接続されている。尚、主制御基板M、サブメイン制御部SM(副遊技制御手段SM)、サブサブ制御部SS(演出表示手段SS)、賞球払出制御基板KH等は、ハードウエア的にはデ−タやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子等から構成される。尚、以下で主制御基板Mに含まれるとする各手段を周辺機器(例えば、遊技周辺機器)に搭載される形で構成してもよい。例えば、周辺機器(例えば、遊技周辺機器)に含まれるとする各手段を主制御基板Mに搭載される形で構成してもよい。以下、上記各手段(装置)の詳細を説明する。
【0036】
まず、主制御基板Mは、遊技用の情報の取得を制御する遊技用情報制御手段MJと、遊技の内容を決定するための遊技内容決定手段MNと、特別遊技や特定遊技等の遊技の進行を司る遊技進行手段MPと、遊技状態等に係る情報を一時記憶するための遊技状態一時記憶手段MBと、遊技周辺機器側に各種遊技情報{例えば、停止図柄情報、停止図柄の属性情報{例えば、16R大当り、8R大当り、4R大当り、ハズレ}、変動態様に関する情報(例えば、変動時間)、特別遊技の開始信号・状態情報・終了信号、保留情報等}を送信するための情報送信制御手段MT(及び未送信コマンドを蓄積するコマンド送信用バッファMT10)と、各種入賞口への遊技球の入賞に基づき所定の賞球の払出を行うように賞球払出制御基板KHを制御する賞球払出決定手段MHと、を有している。
【0037】
ここで、遊技用情報制御手段MJは、各入球口(始動口等)への遊技球の流入を判定するための入球判定手段MJ10と、各乱数の取得可否を判定し、当該判定結果に基づき当該各乱数を取得するための乱数取得判定実行手段MJ20と、変動表示中における各始動口への入球を保留球として上限個数以内で一時記憶するための保留制御手段MJ30と、を有している。以下、各手段について詳述する。
【0038】
まず、入球判定手段MJ10は、第1主遊技始動口A10に遊技球が入球したか否かを判定する第1主遊技始動口入球判定手段MJ11−Aと、第2主遊技始動口B10に遊技球が入球したか否かを判定する第2主遊技始動口入球判定手段MJ11−Bと、補助遊技始動口H10に遊技球が流入したか否かを判定する補助遊技始動口入球判定手段MJ11−Hと、第1大入賞口C10に遊技球が入球したか否かを判定する、第1大入賞口入球判定手段MJ11−C10と、第2大入賞口C20に遊技球が入球したか否かを判定する、第2大入賞口入球判定手段MJ11−C20と、を有している。
【0039】
次に、乱数取得判定実行手段MJ20は、第1主遊技始動口A10への遊技球の入球に基づき第1主遊技側乱数を取得するか否かを判定すると共に、判定結果に応じて当該乱数(例えば、第1当選乱数、第1変動態様決定乱数、第1主遊技図柄決定乱数等)を取得する第1主遊技乱数取得判定実行手段MJ21−Aと、第2主遊技始動口B10への遊技球の入球に基づき第2主遊技側乱数を取得するか否かを判定すると共に、判定結果に応じて当該乱数(例えば、第2当選乱数、第2変動態様決定乱数、第2主遊技図柄決定乱数等)を取得する第2主遊技乱数取得判定実行手段MJ21−Bと、補助遊技側乱数の取得の可否を判定し、当該判定結果に基づき当該乱数を取得するための補助遊技乱数取得判定実行手段MJ21−Hと、を有している。
【0040】
ここで、上記を含め本特許請求の範囲及び本明細書における「乱数」は、例えば、乱数の種類(例えば、当選乱数や変動態様決定乱数)により割り振られた「0」〜「65535」や「0」〜「255」といった所定範囲からランダムに選択された値である。また、乱数としては、数学的に発生させる乱数でなくともよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数等により発生させる擬似乱数でもよい。例えば、乱数にある夫々の値の発現方式が、乱数の数列に沿って順々に値を発現させる方式(プラスワン方式)、乱数の数列の最終値が発現したときの次の値(初期値)を偶然性のある値によって定める方式(初期値更新方式)、これらの組み合わせ等を挙げることができる。
【0041】
次に、保留制御手段MJ30は、保留消化及び変動開始に係る処理を制御する保留消化制御手段MJ31と、第1主遊技図柄の変動許可が下りていない状況で取得した当該第1主遊技側乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき前記乱数を第1主遊技図柄の変動許可が下りるまで第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Aに保留するための第1主遊技図柄保留手段MJ32−Aと、第2主遊技図柄の変動許可が下りていない状況で取得した当該第2主遊技側乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき前記乱数を第2主遊技図柄の変動許可が下りるまで第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Bに保留するための第2主遊技図柄保留手段MJ32−Bと、補助遊技図柄の変動許可が下りていない状況で取得した補助遊技側乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき当該乱数を補助遊技図柄の変動許可が下りるまで補助遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Hに保留するための補助遊技図柄保留手段MJ32−Hと、を有している。
【0042】
ここで、保留消化制御手段MJ31は、変動を開始する条件を充足したか否かを判定する変動開始条件充足判定手段MJ31jを有している。
【0043】
次に、第1主遊技図柄保留手段MJ32−A、第2主遊技図柄保留手段MJ32−B及び補助遊技図柄保留手段MJ32−Hは、最大4個まで記憶可能な、前記乱数を保留順序と結合した形で一時記憶するための、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−A、第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−B及び補助遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Hを夫々有している。
【0044】
次に、遊技内容決定手段MNは、特別遊技への移行可否及び第2主遊技始動口電動役物B11dの開放可否を抽選する当否抽選手段MN10と、当否抽選の結果、当りである場合に特別遊技への移行決定をする(いわゆる条件装置を作動させる)特別遊技移行決定手段MN20と、各乱数に基づき、各図柄の停止図柄を決定するための図柄内容決定手段MN40と、各乱数に基づき、各図柄の変動態様(変動時間等)を決定するための変動態様決定手段MN50とを、有している。ここで、当否抽選手段MN10は、第1主遊技図柄に関しての当否抽選を行う第1主遊技当否抽選手段MN11−Aと、第2主遊技図柄に関しての当否抽選を行う第2主遊技当否抽選手段MN11−Bと、補助遊技図柄に関しての当否抽選を行う補助遊技当否抽選手段MN11−Hとを、有している。ここで、第1主遊技当否抽選手段MN11−A、第2主遊技当否抽選手段MN11−B及び補助遊技当否抽選手段MN11−Hは、第1主遊技図柄に関しての当否抽選を行う際に参照される第1主遊技用当否抽選テーブルMN11ta−Aと、第2主遊技図柄に関しての当否抽選を行う際に参照される第2主遊技用当否抽選テーブルMN11ta−Bと、補助遊技図柄に関しての当否抽選を行う際に参照される補助遊技用当否抽選テーブルMN11ta−Hを夫々有している。尚、詳細なテーブル構成の一例については後述する。
【0045】
次に、図柄内容決定手段MN40は、取得した遊技内容決定乱数(第1主遊技乱数)に基づき、第1主遊技図柄の停止図柄を決定する第1主遊技図柄決定手段MN41−Aと、取得した遊技内容決定乱数(第2主遊技乱数)に基づき、第2主遊技図柄の停止図柄を決定する第2主遊技図柄決定手段MN41−Bと、取得した補助遊技図柄当選乱数に基づき補助遊技図柄の停止図柄を決定する補助遊技図柄決定手段MN41−Hと、を有している。
【0046】
ここで、第1主遊技図柄決定手段MN41−Aは、第1主遊技図柄に係る停止図柄を決定する際に参照される第1主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta−Aを有しており、当該第1主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta−Aは、当否結果に応じて異なる各種抽選テーブルを備えている。また、第2主遊技図柄決定手段MN41−Bは、第2主遊技図柄に係る停止図柄を決定する際に参照される第2主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta−Bを有しており、当該第2主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta−Bは、当否結果に応じて異なる各種抽選テーブルを備えている。更に、補助遊技図柄決定手段MN41−Hは、補助遊技図柄に係る停止図柄を決定する際に参照される補助遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta−Hを有しており、当該補助遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta−Hは、遊技状態に応じて異なる各種当選テーブルを備えている。尚、詳細なテーブル構成の一例については後述する。
【0047】
次に、変動態様決定手段MN50は、取得した遊技内容決定乱数(第1主遊技乱数)に基づき、第1主遊技図柄の変動態様(変動時間等)を決定する第1主遊技変動態様決定手段MN51−Aと、取得した遊技内容決定乱数(第2主遊技乱数)に基づき、第2主遊技図柄の変動態様(変動時間等)を決定する第2主遊技変動態様決定手段MN51−Bと、取得した補助遊技図柄当選乱数に基づき補助遊技図柄の変動態様(変動時間等)を決定する補助遊技変動態様決定手段MN51−Hと、第1主遊技図柄又は第2主遊技図柄が予め定められた種類の図柄で停止表示された場合において、以降、所定回数分の図柄変動が終了するまでは、特定の変動態様(変動時間等)のみが選択され得ることとなる遊技状態(以下、限定頻度と呼ぶことがある)時における主遊技図柄の変動態様(変動時間等)を決定する限定頻度変動態様決定手段MN52と、を有している。
【0048】
ここで、第1主遊技変動態様決定手段MN51−Aは、第1主遊技図柄に係る変動態様を決定する際に参照される第1主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta−Aを有しており、当該第1主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta−Aは、当否結果・遊技状態に応じて異なる各種抽選テーブルを備えている。また、第2主遊技変動態様決定手段MN51−Bは、第2主遊技図柄に係る変動態様を決定する際に参照される第2主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta−Bを有しており、当該第2主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta−Bは、当否結果・遊技状態に応じて異なる各種抽選テーブルを備えている。尚、詳細なテーブル構成の一例については後述する。更に、補助遊技変動態様決定手段MN51−Hは、補助遊技図柄に係る変動態様を決定する際に参照される補助遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta−Hを有しており、当該補助遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta−Hは、遊技状態に応じて異なる各種当選テーブルを備えている(例えば、通常遊技→補助遊技通常用抽選テーブル、確率変動遊技及び時間短縮遊技→補助遊技時間短縮用抽選テーブル)。また、限定頻度変動態様決定手段MN52は、限定頻度時における主遊技図柄に係る変動態様を決定する際に参照される限定頻度中変動態様決定テーブルMN52taと、限定頻度時における主遊技図柄の変動回数を計測し得る限定頻度カウンタMN52cと、を有している。
【0049】
次に、表示制御手段MP10は、第1主遊技図柄表示装置A20の第1主遊技図柄表示部A21g上及び第2主遊技図柄表示装置B20の第2主遊技図柄表示部B21g上で、所定時間第1主遊技図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う第1・第2主遊技図柄制御手段MP11−Cと、補助遊技図柄表示装置H20の補助遊技図柄表示部H21g上で、所定時間補助遊技図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う補助遊技図柄制御手段MP11−Hと、を有している。
【0050】
ここで、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11−Cは、ゼロクリア可能な第1・第2主遊技図柄変動管理用タイマMP11t−C(例えば、所定間隔毎に減算されるデクリメントカウンタであり、以下、タイマに類するものは同様のカウンタにて実装可能)を有している。更に、補助遊技図柄制御手段MP11−Hは、時間を計測可能な補助遊技図柄変動管理用タイマMP11t−Hを更に備えている。
【0051】
次に、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20−Bは、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口電動役物B11dを開閉する処理を行うための条件を充足しているか否かを判定するための第2主遊技始動口電動役物開閉条件判定手段MP21−Bと、第2主遊技始動口電動役物B11dの駆動(開放)時間を計測する第2主遊技始動口電動役物開放タイマMP22t−Bとを有している。
【0052】
次に、特別遊技制御手段MP30は、特別遊技に移行するための条件を充足しているか否かを判定する条件判定手段MP31と、特別遊技移行条件を充足している場合、当該特別遊技の内容(具体的には、開状態となる大入賞口、ラウンド数、ラウンド間時間等)を決定し、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20b内にセットする特別遊技内容決定手段MP32と、第1大入賞口C10又は第2大入賞口C20を所定条件で開状態にする特別遊技(大当り)を実行するための特別遊技実行手段MP33と、特別遊技に関する各種処理の時間管理(例えば、第1大入賞口C10及び第2大入賞口C20の開閉時間)を行うための特別遊技時間管理手段MP34と、を有している。ここで、特別遊技実行手段MP33は、第1大入賞口電動役物C11dと第2大入賞口電動役物C21dを開閉させる第1・第2大入賞口電動役物開閉制御手段MP33−Cと、第1大入賞口C10と第2大入賞口C20への入賞球を計測する入賞球カウンタMP33cを有している。特別遊技時間管理手段MP34は、ラウンド時間を管理する特別遊技用タイマMP34tと、特別遊技開始デモ時間(特別遊技が開始されてから初回のラウンドが実行されるまでの待機時間)を計測し得る特別遊技開始デモタイマMP34t2と、特別遊技終了デモ時間(最終回のラウンドが終了してから特別遊技を終了するまでの待機時間)を計測し得る特別遊技終了デモタイマMP34t3と、を更に有している。また、特別遊技内容決定手段MP32は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bにセットされるべき前記特別遊技の内容を特定する際に参照される特別遊技内容参照テーブルMP32taを更に有している(テーブルの詳細については不図示であるが、開状態となる大入賞口、最大ラウンド数、1ラウンドの実行内容等が定められたテーブルである)。
【0053】
次に、特定遊技制御手段MP50は、確率変動遊技状態の終了条件を充足しているか否かを判定する確変遊技終了条件判定手段MP51と、時間短縮遊技状態の終了条件を充足しているか否かを判定する時短遊技終了条件判定手段MP52を有している。ここで、確変遊技終了条件判定手段MP51及び時短遊技終了条件判定手段MP52は、確変回数をカウント可能な確変回数カウンタMP51c、時短回数をカウント可能な時短回数カウンタMP52c、を夫々有している。ここで、確率変動遊技状態とは、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄の当否抽選時における当選確率が非確率変動遊技状態よりも高確率となる遊技状態を意味し、時間短縮遊技状態とは、第1主遊技図柄や第2主遊技図柄の変動時間の平均値が非時間短縮遊技状態よりも短時間となる、及び/又は、単位時間あたりにおける第2主遊技始動口電動役物B11dの開放容易性が向上する遊技状態を意味する。
【0054】
ここで、本実施形態においては、時間短縮遊技中には、非時間短縮遊技中と比較して、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄の変動時間が相対的に短縮される(時間短縮機能)。更に、補助遊技図柄が高確率で当り図柄となり且つ補助遊技図柄の変動時間も相対的に短縮されると共に、第2主遊技始動口電動役物B11dの開放延長時間が相対的に延長される(開放時間延長機能)。また、本実施形態における時間短縮遊技は、第1主遊技図柄の変動回数と第2主遊技図柄の変動回数の合計値が所定回数を超えた場合に終了する(時短回数制限無しの確率変動遊技を除く)。即ち、時短回数は、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄の変動(停止)毎に減算されるよう構成されている。尚、上記の確変遊技終了条件判定手段MP51及び時短遊技終了条件判定手段MP52は、例えば、図柄変動の度に所定確率で特定遊技(例えば確率変動遊技や時間短縮遊技)から通常遊技への移行抽選を行う機能を有していてもよい(いわゆる、転落抽選機能を有するぱちんこ遊技機の場合)。
【0055】
次に、遊技状態一時記憶手段MBは、第1主遊技(第1主遊技図柄の変動から停止に至るまでの遊技)及び第2主遊技(第2主遊技図柄の変動から停止に至るまでの遊技)における現在の遊技状態を一時記憶するための第1・第2主遊技状態一時記憶手段MB10−Cと、補助遊技における現在の遊技状態を一時記憶するための補助遊技状態一時記憶手段MB10−Hと、特別遊技における現在の遊技状態(例えば、ラウンド数、任意のラウンドにおける遊技球の入賞個数、特別遊技に関する各種フラグのオン・オフ等)を一時記憶するための特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bと、特定遊技における現在の遊技状態(例えば、時短の残り回数、特定遊技に関する各種フラグのオン・オフ等)を一時記憶するための特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bと、を有している。
【0056】
ここで、第1・第2主遊技状態一時記憶手段MB10−Cは、現在変動中の第1又は第2主遊技図柄(変動開始条件が成立した第1又は第2主遊技図柄)に係る停止図柄及び変動態様情報を一時記憶するための第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b−Cを有している。
【0057】
また、補助遊技状態一時記憶手段MB10−Hは、現在変動中の補助遊技図柄(変動開始条件が成立した補助遊技図柄)に係る停止図柄等の情報を一時記憶するための補助遊技図柄情報一時記憶手段MB11b−Hを有している。
【0058】
次に、遊技周辺機器について説明する。尚、一部の周辺機器については既に詳細構成を述べたので、残る構成について簡潔に説明する。まず、遊技周辺機器は、第1主遊技側の周辺機器である第1主遊技周辺機器Aと、第2主遊技側の周辺機器である第2主遊技周辺機器Bと、第1主遊技側と第2主遊技側の共用周辺機器である第1・第2主遊技共用周辺機器Cと、補助遊技に関する補助遊技周辺機器Hと、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SM、サブサブ制御部SS(及び演出表示装置SG)等、を有している。ここで、サブメイン制御部SMにより制御される演出は、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄の変動と時間的に同期の取れた形での装飾図柄の変動を含め、遊技の結果に影響を与えない情報のみの表示に係るものである。以下、これらの周辺機器を順番に説明する。
【0059】
まず、第1主遊技周辺機器Aは、特別遊技移行の契機となる第1主遊技始動口A10と、第1主遊技図柄の停止表示及び変動表示が可能な第1主遊技図柄表示装置A20と、を有している。
【0060】
次に、第2主遊技周辺機器Bは、特別遊技移行の契機となる第2主遊技始動口B10と、第2主遊技図柄の停止表示及び変動表示が可能な第2主遊技図柄表示装置B20と、を有している。
【0061】
次に、第1・第2主遊技共用周辺機器Cは、通常遊技の際には閉状態にあり、特別遊技(大当り)の際には所定条件下で開状態となる第1大入賞口C10及び第2大入賞口C20を有している。
【0062】
次に、補助遊技周辺機器Hは、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口電動役物B11dの開放の契機となる補助遊技始動口H10と、補助遊技図柄の停止表示及び変動表示が可能な補助遊技図柄表示装置H20とを有している。
【0063】
次に、演出表示制御手段(サブメイン制御部)SMは、主制御基板M側からの各種情報を受信するための表示情報受信手段SM10と、演出表示に係る演出内容の決定処理及び表示制御処理を司る演出表示制御手段SM20と、サブサブ制御部SS側との情報送受信を制御する情報送受信制御手段SM40と、を有している。以下、上記各手段を詳述する。
【0064】
まず、表示情報受信手段SM10は、主制御基板M側からの第1主遊技及び第2主遊技に関する図柄情報や表示指示情報を一時記憶するためのメイン側情報一時記憶手段SM11bを有している。
【0065】
次に、演出表示制御手段SM20は、装飾図柄の変動態様や停止図柄の決定処理及び表示制御処理を司る装飾図柄表示制御手段SM21と、装飾図柄の保留個数管理や保留表示処理を司る装図保留情報表示制御手段SM22と、背景画像の決定処理及び表示制御処理を司る背景演出表示制御手段SM23と、予告演出内容の決定処理及び表示制御処理を司る予告演出表示制御手段SM24と、リーチ演出内容の決定処理及び表示制御処理を司るリーチ演出表示制御手段SM25と、を有している。
【0066】
ここで、装飾図柄表示制御手段SM21は、主制御基板M側からの情報に基づいて、装飾図柄の停止図柄及び変動態様を決定する装図表示内容決定手段SM21nと、装飾図柄の図柄変動に係る各種情報(変動態様情報、停止図柄情報、各種フラグ等)を一時記憶するための装図表示関連情報一時記憶手段SM21bと、装飾図柄の変動時間を計時するための演出用タイマSM21tと、を有している。ここで、装図表示内容決定手段SM21nは、装飾図柄の停止図柄及び変動態様を決定する際に参照される装図変動内容決定用抽選(参照)テーブルSM21taを更に有している(テーブルの詳細については不図示)。
【0067】
次に、装図保留情報表示制御手段SM22は、装飾図柄に係る保留に関する情報(主制御基板M側から送信された情報と同一であるが、当該情報の詳細については後述する)を一時記憶するための装図保留情報一時記憶手段SM22b、を有している。
【0068】
次に、背景演出表示制御手段SM23は、主制御基板M側からの情報に基づいて、背景演出(本例では、装飾図柄の背面にて表示され、保留に関する情報に基づき特別遊技の実行可能性を示唆・報知する演出)の表示内容を決定する背景演出表示内容決定手段SM23nと、背景演出表示に係る情報を一時記憶するための背景演出関連情報一時記憶手段SM23bと、を有している。
【0069】
次に、予告演出表示制御手段SM24は、主制御基板M側からの情報に基づいて、予告演出(本例では、装飾図柄の変動表示中において表示され、当該変動における特別遊技への移行期待度や、保留に関する情報に基づき特別遊技の実行可能性を示唆・報知する演出)の表示内容や表示タイミング等を決定する予告演出表示内容決定手段SM24nと、予告演出表示に係る情報を一時記憶するための予告演出関連情報一時記憶手段SM24bと、ST(特別遊技後に移行する回数制限付き確率変動遊技状態の略称であり、以下の説明においては、この略称を用いることがある)中の主遊技図柄の変動回数を計測し得るSTカウンタSM24c2と、を有している。
【0070】
次に、リーチ演出表示制御手段SM25は、主制御基板M側からの情報に基づいて、リーチ演出(主に、装飾図柄の変動表示中において表示され、停止表示された装飾図柄の組み合わせによってリーチ状態となったことが報知された後に実行される演出であるが、リーチ状態とならなくとも装飾図柄の変動表示と連動して実行される演出をも含んでいる)の表示内容や表示タイミング等を決定するリーチ演出表示内容決定手段SM25nと、リーチ演出表示に係る情報を一時記憶するためのリーチ演出関連情報一時記憶手段SM25bと、を有している。
【0071】
また、演出表示手段(サブサブ制御部)SSは、サブメイン制御部SM側との情報送受信を制御する副情報送受信制御手段SS10と、演出表示装置SG上の表示領域SG10へ画像を表示する画像表示制御手段SS20と、を有している。ここで、画像表示制御手段SS20は、サブメイン制御部SM側から受信したコマンドや各種画像表示に係る情報を一時記憶するための画像表示関連情報一時記憶手段SS21bを更に有している。
【0072】
また、演出表示手段(サブサブ制御部)SSは、演出表示手段(サブサブ制御部)SSからの情報に基づいて演出に係る画像を表示する演出表示装置SGと電気的に接続されている。ここで、演出表示装置SGは、画像を表示する表示領域SG10を有している。
【0073】
ここで、表示領域SG10は、装飾図柄を変動表示するための装飾図柄表示領域SG11と、主遊技保留情報を表示する第1保留表示部SG12(及び第2保留表示部SG13)と、を有している。
【0074】
尚、第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20及び補助遊技図柄表示装置H20が、主制御基板Mと情報伝達可能に接続されており、残る演出表示手段(サブサブ制御部)SSが、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMと情報伝達可能に接続されている。即ち、第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20及び補助遊技図柄表示装置H20は、主制御基板Mにより制御され、演出表示手段(サブサブ制御部)SSは、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMにより制御されることを意味する。尚、主制御基板Mと片方向通信(一方向通信)により制御される他の周辺機器を介して、別の周辺機器を制御するように構成してもよい。
【0075】
次に、図5は、主制御基板Mが行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。遊技機の電源投入後、同図(a)の処理が実行される。即ち、遊技機の電源投入後、初期設定を行った後(不図示であるが、レジスタの初期化や入出力ポートの設定等を行う)、ステップ1002で、主制御基板Mは、RAMクリアボタンの入力ポートを確認し、電源供給ユニットEのリセットボタン(RAMクリアボタン)が操作されたか否か、即ち、遊技場の管理者等によって意図的にRAMの内容をクリアさせる操作が行われたか否かを判定する。ステップ1002でYesの場合、ステップ1004で、主制御基板Mは、主制御基板M側のRAM内容(例えば、遊技状態一時記憶手段MB内の情報等)を全てクリアする。次に、ステップ1006で、情報送信制御手段MTは、主制御基板MのRAMをクリアしたことを示すラムクリア情報(コマンド)をサブメイン制御部SM側に送信し(当該タイミングにて送信してもよいし、当該タイミングではコマンドをセットしておき後述する制御コマンド送信処理にて送信するよう構成してもよい)、ステップ1016の処理に移行する。他方、ステップ1002でNoの場合は、ステップ1008で、主制御基板Mは、主制御基板MにおけるRAM領域の内容をチェックする(例えば、電断時に記録されたチェックサムとRAM領域に保存されている情報量との比較を行う)。次に、ステップ1010で、主制御基板Mは、当該チェック結果に基づきRAMの内容が正常でないか否か(正確に電断時の情報がRAMにバックアップされていないか否か)を判定する。ステップ1010でYes、即ちRAMにバックアップされていたデータが異常な場合には、ステップ1004の処理(前述したRAMクリア処理)に移行する。他方、ステップ1010でNo、即ちRAMにバックアップされていたデータが正常な場合、ステップ1012で、主制御基板Mは、主制御基板MにおけるRAM内に記憶(バックアップ)されている電断時の各種情報コマンドを取得し、ステップ1014で、取得した各種情報コマンドをサブメイン制御部SM側に送信し(当該タイミングにて送信してもよいし、当該タイミングではコマンドをセットしておき後述する制御コマンド送信処理にて送信するよう構成してもよい)、ステップ1016の処理に移行する。次に、ステップ1016で、主制御基板Mは、同図(b)によって示される主制御基板M側のメイン処理に係る実行定時割り込み(例えば、約1.5ms毎のハードウエア割り込みを契機とするが、本例では、当該割り込み周期をTとする)を許可し{その結果、当該実行定時割り込みタイミング到達時には、同図(b)が実行されることとなる}、ステップ1018の処理に移行する。尚、ステップ1018後は、次の定時割り込みタイミングに到達するまで、主制御基板Mは、各種乱数更新処理(例えば、乱数カウンタのインクリメント処理)を繰り返し実行することとなる。
【0076】
次に、タイマ割り込み処理について説明する。主制御基板Mは、定時割り込みタイミングに到達した場合に発生する割り込み要求に基づいて、同図(b)の処理を実行する。即ち、定時割り込み周期Tの到達時(例えば、約1.5ms毎のハードウエア割り込み)を契機として、ステップ1100で、主制御基板Mは、後述の補助遊技内容決定乱数取得処理を実行する。次に、ステップ1200で、主制御基板Mは、後述の電動役物駆動判定処理を実行する。次に、ステップ1300で、主制御基板Mは、後述の主遊技内容決定乱数取得処理を実行する。次に、ステップ1400で、主制御基板Mは、後述の主遊技図柄表示処理を実行する。次に、ステップ1500で、主制御基板Mは、後述の特別遊技作動条件判定処理を実行する。次に、ステップ1600で、主制御基板Mは、後述の特別遊技制御処理を実行する。次に、ステップ1910で、主制御基板M(特に賞球払出決定手段MH)は、遊技球が入賞した入賞口に基づき、賞球払出制御処理(賞球払出装置KEの駆動制御等を賞球払出制御基板KHに実行させ、その結果を管理するための処理等)を実行する。次に、ステップ1920で、主制御基板Mは、外部信号の出力処理(外部端子板、ホールコンピュータHC等への情報出力)を実行する。次に、ステップ1930で、主制御基板Mは、制御コマンド送信処理(前述の各処理でセットされたコマンドをサブメイン制御部側に送信する)を実行し、本割り込み処理の実行直前に実行されていた処理に復帰する。
【0077】
次に、NMI割り込み処理について説明する。前述の通り、主制御基板Mは、リセットICからの電断信号がCPUのNMI端子に入力されるように構成されており、遊技機における電源断時において、同図(c)の処理が実行される。即ち、遊技機の電源断時(本例では、NMI割り込み時)において、ステップ1020で、主制御基板Mは、RAM領域の情報に基づき電断時情報(例えば、チェックサム)をセットする。次に、ステップ1022で、主制御基板Mは、RAM領域への書き込みを禁止すると共に、タイマ割り込み処理を禁止し、電源断待ちループ処理に移行する。
【0078】
次に、図6は、図5におけるステップ1100のサブルーチンに係る、補助遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1102で、補助遊技始動口入球判定手段MJ11−Hは、補助遊技始動口H10に遊技球が入球(流入、ゲートの場合は通過)したか否かを判定する。ステップ1102でYesの場合、ステップ1104で、補助遊技乱数取得判定実行手段MJ21−Hは、補助遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Hを参照し、保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1104でYesの場合、ステップ1106で、補助遊技乱数取得判定実行手段MJ21−Hは、補助遊技内容決定乱数(例えば、補助遊技図柄当選乱数)を取得する。次に、ステップ1108で、補助遊技図柄保留手段MJ32−Hは、何個目の保留であるかという情報と共に、当該乱数を補助遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Hにセットする形で保留球を1加算し、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。尚、ステップ1102又はステップ1104でNoの場合も、次の処理(ステップ1200の処理)に移行する。
【0079】
次に、図7は、図5におけるステップ1200のサブルーチンに係る、電動役物駆動判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1202で、第2主遊技始動口電動役物開閉条件判定手段MP21−Bは、補助遊技状態一時記憶手段MB10−Hのフラグエリアを参照して、電動役物開放中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1202でYesの場合、ステップ1204で、第2主遊技始動口電動役物開閉条件判定手段MP21−Bは、補助遊技状態一時記憶手段MB10−Hを参照して、補助遊技図柄変動中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1204でYesの場合、ステップ1206で、第2主遊技始動口電動役物開閉条件判定手段MP21−Bは、補助遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Hにアクセスし、補助遊技図柄に関する保留球があるか否かを判定する。ステップ1206でYesの場合、ステップ1216で、補助遊技図柄決定手段MN41−Hは、補助遊技状態一時記憶手段MB10−Hを参照して補助遊技側の遊技状態(補助遊技時短フラグのフラグ状態)を取得すると共に、補助遊技図柄決定用抽選テ−ブルMN41ta−Hを参照し、当該取得した補助遊技側の遊技状態及び当該保留球に基づく補助遊技図柄乱数に基づき停止図柄を決定(例えば、補助遊技時短フラグがオンである場合には、オフである場合と比して高確率で当選図柄を選択)して補助遊技図柄情報一時記憶手段MB11b−Hに一時記憶する。
【0080】
ここで、同図右は、補助遊技停止図柄決定用抽選テーブルの一例である。同テーブルに示されるように、本例においては、停止図柄は「D0、D1、D2」が存在し、当り図柄となる停止図柄は「D1、D2」であり、夫々が停止したことに起因して開放することとなる電動役物の開放態様は、非時間短縮遊技時においては、停止した図柄が「D1」である場合、開放態様は(0.2秒間開放→閉鎖)であり、停止した図柄が「D2」である場合、開放態様は(0.2秒間開放→0.8秒間閉鎖→5.0秒間開放、閉鎖)である(最長開放)。また、時間短縮遊技時においては、停止した図柄が「D1」である場合、開放態様は(1秒間開放→1秒間閉鎖→1秒間開放→1秒間閉鎖→1秒間開放→閉鎖)であり、停止した図柄が「D2」である場合、開放態様は(0.2秒間開放→0.8秒間閉鎖→4.0秒間開放→閉鎖)であるよう構成されている。尚、非時間短縮遊技時には停止図柄はハズレ図柄「D0」となり易く、時間短縮遊技時には停止図柄は当り図柄「D1」となり易いよう構成されている。
【0081】
次に、ステップ1218で、補助遊技変動態様決定手段MN51−Hは、補助遊技側の遊技状態(補助遊技時短フラグのフラグ状態)に基づき、補助遊技図柄変動管理用タイマMP11t−Hに補助遊技図柄の変動時間に係る所定時間(例えば、補助遊技時短フラグがオンの場合には1秒、補助遊技時短フラグがオフの場合には10秒)をセットする。そして、ステップ1220で、補助遊技図柄制御手段MP11−Hは、補助遊技状態一時記憶手段MB10−Hのフラグエリア内にある、補助遊技図柄変動中フラグをオンにする。次に、ステップ1222で、補助遊技図柄保留手段MJ32−Hは、補助遊技図柄に関する当該保留球を1減算した上で補助遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Hに記録されている保留情報を更新すると共に、補助遊技図柄制御手段MP11−Hは、補助遊技図柄変動管理用タイマMP11t−Hをスタートした後、補助遊技図柄表示部H21g上で補助遊技図柄の変動表示を開始する。
【0082】
次に、ステップ1224で、補助遊技図柄制御手段MP11−Hは、補助遊技図柄変動管理用タイマMP11t−Hを参照して、補助遊技図柄の変動時間に係る所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1224でYesの場合、ステップ1226で、補助遊技図柄制御手段MP11−Hは、補助遊技図柄情報一時記憶手段MB11b−Hを参照して補助遊技図柄の停止図柄を取得すると共に、当該取得した補助遊技図柄の停止図柄を補助遊技図柄表示部H21g上で確定表示する。そして、ステップ1228で、補助遊技図柄制御手段MP11−Hは、補助遊技状態一時記憶手段MB10−Hのフラグエリア内にある、補助遊技図柄変動中フラグをオフにする。
【0083】
次に、ステップ1230で、第2主遊技始動口電動役物開閉条件判定手段MP21−Bは、当該補助遊技図柄の停止図柄が「当り」(本例では、D1・D2)であるか否かを判定する。ステップ1230でYesの場合、ステップ1232で、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20−Bは、補助遊技側の当り図柄及び遊技状態に基づき、開放態様(例えば、当り図柄「D1」の場合には、1秒間開放→1秒間閉鎖→1秒間開放→1秒間閉鎖→1秒間開放→閉鎖となる開放態様、当り図柄「D2」の場合には、0.2秒開放、0.8秒閉鎖、5秒開放となる開放態様)を決定し、第2主遊技始動口電動役物開放タイマMP22t−Bに電動役物の開放時間(開閉時間)に係る所定時間をセットする。次に、ステップ1234で、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20−Bは、補助遊技状態一時記憶手段MB10−Hのフラグエリア内にある、電動役物開放中フラグをオンにする。そして、ステップ1236で、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20−Bは、第2主遊技始動口電動役物開放タイマMP22t−Bをスタートした後、第2主遊技始動口電動役物B11dを開放する。尚、本実施形態においては、主遊技時短フラグオフ且つ補助遊技停止図柄が所定の当り図柄(D2)である場合に第2主遊技始動口電動役物B11dを開放し続ける時間が最長となるよう構成されている。
【0084】
次に、ステップ1242で、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20−Bは、第2主遊技始動口電動役物開放タイマMP22t−Bを参照して、電動役物の開放時間に係る所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1242でYesの場合、ステップ1244及びステップ1246で、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20−Bは、第2主遊技始動口電動役物B11dを閉鎖すると共に、補助遊技状態一時記憶手段MB10−Hのフラグエリア内にある、電動役物開放中フラグをオフにし、次の処理(ステップ1300の処理)に移行する。
【0085】
尚、ステップ1202でNoの場合にはステップ1242に移行し、ステップ1204でNoの場合にはステップ1224に移行し、ステップ1206、ステップ1224、ステップ1230及びステップ1242でNoの場合には次の処理(ステップ1300の処理)に移行する。
【0086】
また、本フローチャートでは、便宜上、ステップ1226での停止図柄表示後、すぐに次のステップに移行しているが、これには限定されない。その場合には、500ms程度の停止表示固定時間を経てから次の処理に移行するよう構成してもよい(例えば、停止表示固定中フラグ及びタイマを利用して分岐処理を行うことによりこの処理を達成可能である)。
【0087】
尚、本実施形態においては、特別遊技中には右打ち(遊技領域D30の右側を遊技球が流下するよう、遊技球の発射強度を調節して遊技球を打ち出すことであり、遊技球の発射強度を最大とするよう指示することと同義となるもの)で遊技するよう構成されており、特別遊技中において当該右打ちを実行することにより、補助遊技始動口H10と第1大入賞口C10と第2大入賞口C20とに遊技球が入球し得る。また、同図に示されるように、本実施形態においては、非時間短縮遊技状態においても第2主遊技始動口電動役物B11dが長開放となる開放態様(0.2秒開放→0.8秒閉鎖→5秒開放→閉鎖)を取り得るよう構成されているため、特別遊技中に右打ちを実行することにより、第1大入賞口C10と第2大入賞口C20とに入球容易となりつつ、第2主遊技始動口電動役物B11dが長開放となり第2主遊技側の保留が生起し易いよう構成されている。
【0088】
次に、図8は、図5におけるステップ1300のサブルーチンに係る、主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1302で、第1主遊技始動口入球判定手段MJ11−Aは、第1主遊技始動口A10の第1主遊技始動口入球検出装置A11sから第1主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1302でYesの場合、ステップ1304で、第1主遊技乱数取得判定実行手段MJ21−Aは、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Aを参照し、主遊技(特に第1主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1304でYesの場合、ステップ1306で、第1主遊技乱数取得判定実行手段MJ21−Aは、第1主遊技内容決定乱数を取得する。尚、本実施形態では、第1主遊技内容決定乱数として、当否を決定するための当否抽選乱数、当り時の図柄を決定するための図柄抽選乱数、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するための変動態様抽選乱数の3つの乱数を取得している。ちなみに、これら3つの乱数は夫々更新周期・乱数範囲の異なる乱数生成手段から生成され、本タイミングで一連的に取得するようになっている。次に、ステップ1308で、第1主遊技図柄保留手段MJ32−Aは、当該取得した第1主遊技内容決定乱数を第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Aに一時記憶(保留)する。次に、ステップ1312で、保留制御手段MJ30は、保留情報(当否抽選用乱数)に基づき、当該記憶した保留の当否乱数区切り情報を判定する(当否乱数区切り情報については図11の主遊技テーブル1を参照)。
【0089】
次に、ステップ1316で、保留制御手段MJ30は、新たな保留発生に係るコマンド(第1主遊技内容決定乱数情報、当否乱数区切り情報等に係るコマンド)を、サブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1930の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)する。尚、サブ側へ送信する情報(又は、コマンド)は、これには限定されず、例えば、停止予定である主遊技停止図柄に係る情報を送信し得るよう構成してもよい。そのように構成した場合、サブ側で実行する演出として大当りを示唆する演出を実行するときに、当該大当りとなる主遊技図柄の停止図柄を遊技者に報知し得るよう構成することが望ましい。
【0090】
次に、ステップ1326で、第2主遊技始動口入球判定手段MJ11−Bは、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口入球検出装置B11sから第2主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1326でYesの場合、ステップ1328で、第2主遊技乱数取得判定実行手段MJ21−Bは、第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Bを参照し、主遊技(特に第2主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1328でYesの場合、ステップ1330で、第2主遊技乱数取得判定実行手段MJ21−Bは、第2主遊技内容決定乱数を取得する。尚、本実施形態では、第2主遊技内容決定乱数として、第1主遊技内容決定手段と同様に当否抽選乱数、図柄抽選乱数、変動態様抽選乱数の3つの乱数を取得している。ちなみに、第1主遊技内容決定乱数の各乱数の取得範囲と第2主遊技内容決定乱数の各乱数の取得範囲(例えば第1主遊技用の当否抽選乱数と第2主遊技用の当否抽選乱数の取得範囲)を同じに設定している。次に、ステップ1332で、第2主遊技図柄保留手段MJ32−Bは、当該取得した第2主遊技内容決定乱数を第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Bに一時記憶(保留)する。
【0091】
次に、ステップ1334で、保留制御手段MJ30は、保留情報(当否抽選用乱数)に基づき、当該記憶した保留の当否乱数区切り情報を判定する(当否乱数区切り情報については図11の主遊技テーブル1を参照)。
【0092】
次に、ステップ1338で、保留制御手段MJ30は、新たな保留発生に係るコマンド(第2主遊技内容決定乱数情報、当否乱数区切り情報等に係るコマンド)を、サブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1930の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)し、次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。尚、ステップ1302又はステップ1304でNoの場合にはステップ1326に移行し、ステップ1326又はステップ1328でNoの場合には、次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。
【0093】
次に、図9は、図5におけるステップ1400のサブルーチンに係る、主遊技図柄表示処理のフローチャートである。まず、ステップ1401で、保留消化制御手段MJ31は、第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−Bを参照し、第2主遊技図柄の保留が存在していないか否かを確認する。ステップ1401でYesの場合、ステップ1400(1)で、遊技内容決定手段MNは、後述の第1主遊技図柄表示処理を実行し、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。他方、ステップ1401でNoの場合、ステップ1400(2)で、遊技内容決定手段MNは、後述の第2主遊技図柄表示処理を実行し、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。
【0094】
このように、本実施形態においては、第2主遊技図柄の保留球が存在する場合には、第1主遊技図柄の保留球の存在に係らず(たとえ入賞順序が第1主遊技図柄の保留の方が先でも)、第2主遊技図柄の保留消化を優先して実行するよう構成されているが、これには限定されない(入賞順序に基づく保留消化や、双方の主遊技図柄を同時並行的に抽選する並列抽選を実行するよう構成してもよい)。
【0095】
次に、図10は、図9におけるステップ1400(1){ステップ1400(2)}のサブルーチンに係る、第1主遊技図柄表示処理(第2主遊技図柄表示処理)のフローチャートである。尚、本処理は、第1主遊技図柄側と第2主遊技図柄とで略同一の処理となるため、第1主遊技図柄側について主に説明し、第2主遊技図柄側の処理については括弧書きとする。まず、ステップ1403で、保留消化制御手段MJ31は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する。ここで、当該変動開始条件は、特別遊技中(又は条件装置作動中)でない、且つ、主遊技図柄変動中でない、且つ、主遊技図柄の保留が存在することが条件となる。尚、本例では図示していないが、変動固定時間(主遊技図柄の確定表示後、当該確定表示図柄を停止表示する時間)を設ける場合、変動固定時間中には、次変動の変動開始条件を満たさないよう構成してもよい。
【0096】
ステップ1403でYesの場合、ステップ1405及びステップ1406で、保留消化制御手段MJ31は、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−A(第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−B)に一時記憶されている、今回の図柄変動に係る第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)を読み出すと共に、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−A(第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b−B)から削除し、当該一時記憶されている残りの情報をシフトする(保留消化処理)。次に、ステップ1408で、当否抽選手段MN10は、各遊技状態に対応する第1主遊技用当否抽選テーブルMN11ta−A(第2主遊技用当否抽選テーブルMN11ta−B)を参照し、第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、当選抽選乱数)に基づき、主遊技図柄当否抽選を実行する。
【0097】
ここで、図11(主遊技テーブル1)は、第1主遊技用当否抽選テーブルMN11ta−A(第2主遊技用当否抽選テーブルMN11ta−B)の一例である。本例に示されるように、本実施形態においては、確率変動遊技状態時における大当り当選確率は、非確率変動遊技状態時における大当り当選確率よりも高確率となるよう構成されている。尚、当選確率はあくまでも一例であり、これには何ら限定されない。また、本実施形態においては、遊技状態を移行させ得ない当り(いわゆる小当り)については例示していないが、小当りが発生(小当りに当選)するよう構成してもよい。
【0098】
また、本例に示されるように、本実施形態においては、当否抽選用乱数によって当否乱数区切り情報が決定されるよう構成されている。当該当否乱数区切り情報は第1主遊技側、第2主遊技側共に、当否区切り1と当否区切り2と当否区切り3との3つを有しており、当否区切り1は非確率変動遊技状態時に大当りとなり、且つ、確率変動遊技状態時にも大当りとなる当否乱数区切り情報であり、当否区切り2は非確率変動遊技状態時にハズレとなり、且つ、確率変動遊技状態時には大当りとなる当否乱数区切り情報であり、当否区切り3は非確率変動遊技状態時にハズレとなり、且つ、確率変動遊技状態時にもハズレとなる当否乱数区切り情報である。
【0099】
次に、ステップ1409で、第1主遊技図柄決定手段MN41−A(第2主遊技図柄決定手段MN41−B)は、第1主遊技図柄決定用抽選テ−ブルMN41ta−A(第2主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta−B)を参照し、主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、図柄抽選乱数)に基づいて主遊技図柄に関する停止図柄を決定し、これらを第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b−Cに一時記憶する。
【0100】
ここで、図11(主遊技テーブル2)は、第1主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta−A(第2主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta−B)の一例である。本例に示されるように、本実施形態においては、大当りに当選した場合、複数の主遊技図柄候補(本例では、「2A・3A・5A・7A」及び「3B・5B・7B」)の内から一つの主遊技図柄が大当り図柄として決定されるよう構成されている。尚、当該主遊技図柄を参照して決定される特別遊技のラウンド数及び開放時間は、2Aが5R短開放、3A・3Bが5R長開放、5A・5Bが10R長開放、7A・7Bが16R長開放となっている。ここで、短開放・長開放とは、1ラウンドあたりの大入賞口(第1大入賞口C10及び/又は第2大入賞口C20)の開放時間を異ならせることで実現可能であり、例えば、短開放の場合には、ごく短時間(例えば、52ms)のみ開放する一方、長開放の場合には、長時間(例えば、30s)開放することを例示することができる(但し、1ラウンドあたりの大入賞口への入球上限数を異ならせることでも実現可能であり、例えば、短開放の場合には、入球上限数=1とする一方、長開放の場合には、入球上限数=10とする等)。尚、乱数値や停止図柄の種類についても、あくまで一例であり、これには限定されない{例えば、ハズレ図柄は一種類の図柄であることには限定されず、複数種類の図柄を設けるよう構成してもよく、特定の図柄が停止表示された場合には当該特定の図柄が停止表示される前とは、主遊技図柄の変動態様の種類及び/又は選択率が異なる状態(限定頻度状態)へ移行するよう構成してもよい}。
【0101】
また、大入賞口(第1大入賞口C10及び/又は第2大入賞口C20)を、長時間開放する特別遊技の実行ラウンドと、ごく短時間(例えば、52ms)のみ開放する特別遊技の実行ラウンドと、を1回の特別遊技において実行し得るよう構成してもよい。また、そのように構成した場合、当該ごく短時間の開放では、遊技者が出玉を獲得することが困難であるため、演出表示装置SG上にて、「実際の特別遊技のラウンド数から、当該ごく短時間の開放となるラウンドの数を減算した回数」の、出玉を獲得容易なラウンド(長時間開放となるラウンド)が実行される旨を報知し得る{例えば、当該特別遊技中に実行予定の、出玉を獲得容易なラウンド数分の玉の画像を表示し、出玉を獲得容易なラウンドが開始(又は終了)するたびに、当該玉の画像の表示態様が変化する(又は、表示が消える)ような演出を実行する}よう構成してもよい。また、これには限定されず、特別遊技中に既に実行された、出玉を獲得容易なラウンド数を演出表示装置SG上にて表示するよう構成してもよい。このように構成することにより、遊技者は実質的に出玉を獲得できるラウンドが何ラウンド実行されたかを視認することができることとなる。尚、特別遊技中における、実行予定の出玉を獲得容易なラウンドの報知や実行された出玉を獲得容易なラウンドの報知は、全ての特別遊技にて実行する必要はなく、例えば、初当り(非確率変動遊技状態且つ時間短縮遊技状態にて当選した大当り)時の特別遊技中のみ実行するよう構成してもよいし、第1主遊技側に係る特別遊技と第2主遊技側に係る特別遊技とで実行の有無を異ならせてもよい。
【0102】
次に、ステップ1410で、遊技内容決定手段MNは、限定頻度カウンタMN52cを参照し、当該カウンタ値が0であるか否かを判定する。ステップ1410でYesの場合、ステップ1411で、第1主遊技変動態様決定手段MN51−A(第2主遊技変動態様決定手段MN51−B)は、各遊技状態に対応する第1主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta−A(第2主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta−B)を参照し、主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、変動態様抽選乱数)に基づいて主遊技図柄の変動態様を決定し、これらを第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b−Cに一時記憶して、ステップ1415に移行する。他方、ステップ1410でNoの場合、ステップ1412で、限定頻度変動態様決定手段MN52は、限定頻度中変動態様決定テーブルMN52taを参照し、主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、変動態様抽選乱数)に基づいて主遊技図柄の変動態様を決定し、これらを第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b−Cに一時記憶して、ステップ1415に移行する。
【0103】
ここで、図12(主遊技テーブル3)は、第1主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta−A(第2主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta−B)及び限定頻度中変動態様決定テーブルMN52taの一例である。本例に示されるように、本実施形態においては、第1主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta−A(第2主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta−B)参照時は、主遊技図柄の当否抽選結果及び主遊技時短フラグ状態に基づき、主遊技図柄の変動態様(変動時間)が決定されるよう構成されている。即ち、主遊技図柄の当否抽選結果が当りの場合には相対的に変動時間が長時間となる変動態様が決定され易く、主遊技時短フラグがオンである場合(時間短縮遊技状態)には相対的に変動時間が短時間となる変動態様が決定され易いよう構成されている。尚、本例はあくまでも一例であり、停止図柄の種類や選択率等には何ら限定されない。また、本実施形態では、説明の便宜上、保留球数に応じて異なるテーブルを有するよう構成しなかったが、保留球数に応じて異なるテーブルを有するように構成してもよいことはいうまでもない。更には、時間短縮遊技状態(主遊技時短フラグがオンの場合)における第1主遊技側の図柄変動時間が相対的に長時間となるよう構成してもよい{第2主遊技側での図柄変動が実行されることが遊技者にとって有利となるよう構成されていた際、第1主遊技側の図柄変動効率を低下させることで第2主遊技側の保留が生起し易い(遊技者にとって有利となる)状況を構築することを趣旨とするため、第1主遊技側の始動口と第2主遊技側の始動口とを打ち分けできない場合において特に効果を発揮する}。
【0104】
また、本実施形態においては、限定頻度中変動態様決定テーブルMN52taはST中(本例では、特別遊技終了後の5変動)に参照されるテーブルであり、当該テーブル参照時は、主遊技図柄の当否抽選結果や第1主遊技側・第2主遊技側に拘らず同一の変動時間(本例では、20秒)となるよう構成されている。このように構成することによって、後述するように、ST中の演出種別としてどのST演出種別(ST演出種別の詳細は後述する)がセットされていても共通の時間値において演出を実行することができることとなる。尚、本実施形態においては、ST中の主遊技図柄の変動は常に同一の変動時間となるよう構成されているが、これには限定されず、ST中の変動数によって変動時間が相違し得る(例えば、ST1変動目とST2変動目とで変動時間が相違し得る)よう構成してもよい。また、共通の時間値において演出を実行することを趣旨としているため、略同一の変動時間(例えば、19.5秒、20秒、20.5秒)となる変動態様を複数種類有していても何ら問題ない{例えば、19秒の演出を共通の演出として実行したとしても、演出の終了タイミングが多少異なる程度であるため、遊技者にとっては何ら違和感が生じないし、例えば、大当り時においてのみ長時間(例えば、25秒)となるよう構成しておけば、演出の終了タイミングが遅延する分だけ、いわゆる逆転演出を行う実行尺を確保することもできる}。
【0105】
次に、ステップ1415で、遊技内容決定手段MNは、第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b−Cに一時記憶された主遊技図柄に係るコマンド(停止図柄情報、停止図柄の属性情報、変動態様情報等)及び現在の遊技状態に係るコマンド(図柄変動表示開始指示コマンド)を、サブメイン制御部SM側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1930の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1416で、第1・第2主遊技図柄変動時間管理手段1202が、主遊技図柄の変動時間に係る所定時間を第1・第2主遊技図柄変動管理用タイマMP11t−Cにセットする。次に、ステップ1417で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11−Cは、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)の第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)上で、第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b−Cに記憶された変動態様に従い、主遊技図柄の変動表示を開始する。次に、ステップ1418で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11−Cは、第1・第2主遊技状態一時記憶手段MB10−Cのフラグエリア内にある、変動中フラグをオンにし、ステップ1420に移行する。
【0106】
他方、ステップ1403でNoの場合、ステップ1419で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11−Cは、第1・第2主遊技状態一時記憶手段MB10−Cのフラグエリアを参照し、変動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1419でYesの場合にはステップ1420に移行し、ステップ1419でNoの場合には、次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。
【0107】
次に、ステップ1420で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11−Cは、主遊技図柄の変動時間に係る所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1420でYesの場合、ステップ1422で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11−Cは、図柄変動が終了する旨の情報(図柄確定表示指示コマンド)を、サブメイン制御部SM側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1930の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1423で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11−Cは、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)の第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)上での主遊技図柄の変動表示を停止し、第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b−Cに記憶されている停止図柄を確定停止図柄として表示制御する。次に、ステップ1424で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11−Cは、第1・第2主遊技状態一時記憶手段MB10−Cのフラグエリア内にある、変動中フラグをオフにする。
【0108】
次に、ステップ1430で、遊技内容決定手段MNは、第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b−Cを参照し、当該主遊技図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定する。ステップ1430でYesの場合、ステップ1431で、遊技内容決定手段MNは、現在の遊技状態に係る情報(確率変動遊技状態であるか否かや時間短縮遊技状態であるか否か等に関する大当り時遊技状態情報)を一時記憶する(当該大当り時遊技状態情報は特別遊技終了後に参照することとなる)。次に、ステップ1432で、遊技内容決定手段MNは、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、条件装置作動フラグをオンにする。他方、ステップ1430でNoの場合には、ステップ1432をスキップする。
【0109】
次に、ステップ1450で、特定遊技制御手段MP50は、後述の特定遊技終了判定処理を実行し、次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。尚、ステップ1420でNoの場合にも、次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。
【0110】
次に、図13は、図10におけるステップ1450のサブルーチンに係る、特定遊技終了判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1452で、特定遊技制御手段MP50は、確変回数カウンタMP51cを参照し、当該カウンタ値が0より大きいか否かを判定する。ステップ1452でYesの場合、ステップ1454で、特定遊技制御手段MP50は、確変回数カウンタMP51cのカウンタ値を1減算(デクリメント)する。次に、ステップ1456で、特定遊技制御手段MP50は、確変回数カウンタMP51cを参照し、当該カウンタ値が0であるか否かを判定する。ステップ1456でYesの場合、ステップ1458で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、主遊技確変フラグをオフにし、ステップ1460に移行する。尚、ステップ1452又はステップ1456でNoの場合にも、ステップ1460に移行する。
【0111】
次に、ステップ1460で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cを参照し、当該カウンタ値が0より大きいか否かを判定する。ステップ1460でYesの場合、ステップ1462で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cのカウンタ値を1減算(デクリメント)する。次に、ステップ1464で特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cを参照し、当該カウンタ値が0であるか否かを判定する。ステップ1464でYesの場合、ステップ1466で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、主遊技時短フラグをオフにする。次に、ステップ1468で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、補助遊技時短フラグをオフにし、次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。
【0112】
次に、図14は、図5におけるステップ1500のサブルーチンに係る、特別遊技作動条件判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1502で、条件判定手段MP31は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリアを参照し、条件装置作動フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1502でYesの場合、ステップ1504で、特定遊技制御手段MP50は、ステップ1431にて一時記憶した、大当り時遊技状態情報を読出する。次に、ステップ1506で、特定遊技制御手段MP50は、当該読出した大当り時遊技状態情報を参照し、大当り時の遊技状態は確率変動遊技状態又は時間短縮遊技状態であるか否かを判定する。ステップ1506でYesの場合、ステップ1508で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、時短移行予約フラグをオンにする。他方、ステップ1506でNoの場合にも、ステップ1510に移行する。
【0113】
次に、ステップ1510で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、特定遊技フラグ(主遊技確変フラグ・主遊技時短フラグ・補助遊技時短フラグ)をオフにする。次に、ステップ1512で、特定遊技制御手段MP50は、確変回数カウンタMP51cの値をクリアする。次に、ステップ1514で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cの値をクリアする。次に、ステップ1516で、特定遊技制御手段MP50は、限定頻度カウンタMN52cの値をクリアする。次に、ステップ1518で、特別遊技制御手段MP30は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、特別遊技移行許可フラグをオンにする。次に、ステップ1520で、特別遊技制御手段MP30は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、条件装置作動フラグをオフにし、次の処理(ステップ1600の処理)に移行する。尚、ステップ1502でNoの場合も、次の処理(ステップ1600の処理)に移行する。
【0114】
次に、図15は、図5におけるステップ1600のサブルーチンに係る、特別遊技制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1602で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリアを参照し、特別遊技移行許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1602でYesの場合、ステップ1603及びステップ1604で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、特別遊技移行許可フラグをオフにすると共に特別遊技実行フラグをオンにする。次に、ステップ1605で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20b内のラウンド数カウンタ(不図示)に初期値(本例では、1)をセットする。次に、ステップ1606で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技開始デモタイマMP34t2に開始デモ時間(例えば、長開放大当りの場合には5秒、短開放大当りの場合には3秒)をセットしてスタートする。次に、ステップ1607で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技開始デモ時間が開始する旨の情報(開始デモ時間開始コマンド)を、サブメイン制御部側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1930の制御コマンド送信処理にて、サブメイン制御部SM側に送信される)し、ステップ1609に移行する。
【0115】
他方、ステップ1602でNoの場合、ステップ1608で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bを参照し、特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ステップ1608でYesの場合には、ステップ1609に移行する。尚、ステップ1608でNoの場合には、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技の許可が下りていないと判定し、次の処理(ステップ1910の処理)に移行する。
【0116】
次に、ステップ1609で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリアを参照し、特別遊技終了デモ表示中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1609でYesの場合、ステップ1610で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技開始デモタイマMP34t2を参照し、当該タイマ値が0であるか否かを判定する。他方、ステップ1609でNoの場合にはステップ1638に移行する。ステップ1610でYesの場合、ステップ1611で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技開始デモ時間が終了する旨の情報(開始デモ時間終了コマンド)を、サブメイン制御部側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1930の制御コマンド送信処理にて、サブメイン制御部SM側に送信される)する。尚、本処理は実行中の特別遊技において最初に実行された時のみコマンドをセットするよう構成することを趣旨としていることを補足しておく。次に、ステップ1612で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリアを参照し、ラウンド継続フラグがオフであるか否か、換言すれば、各ラウンドの開始直前であるか否かを判定する。ステップ1612でYesの場合、即ち、各ラウンドの開始直前である場合、まず、ステップ1614で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bにセットした開放パターン(例えば、開放し続ける開放パターン、開閉を行うパターン)をセットする。次に、ステップ1616で、特別遊技実行手段MP33は、入賞球カウンタMP33cのカウンタ値をゼロクリアする。次に、ステップ1618で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、ラウンド継続フラグをオンにする。次に、ステップ1620で、特別遊技実行手段MP33は、第1大入賞口C10の第1大入賞口電動役物C11d(又は第2大入賞口C20の第2大入賞口電動役物C21d)を駆動して第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)を開放し、特別遊技用タイマMP34t(特に開放時間タイマ)に所定時間(例えば、長開放大当りの場合には30秒、短開放大当りの場合には52ms)をセットしてスタートし、ステップ1622に移行する。他方、ステップ1612でNoの場合、即ち、大入賞口が開放中である場合、ステップ1614〜1620の処理を行うことなく、ステップ1622に移行する。
【0117】
次に、ステップ1622で、特別遊技実行手段MP33は、現在の特別遊技中に係る遊技状態コマンド(例えば、現在のラウンド数や遊技球の入賞個数等)を、サブメイン制御部SM側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1930の制御コマンド送信処理にて、サブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1624で、特別遊技実行手段MP33は、入賞球カウンタMP33cのカウンタ値を参照し、当該ラウンドで第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)に所定個数(例えば10球)の入賞球があったか否かを判定する。ステップ1624でYesの場合には、ステップ1628に移行する。他方、ステップ1624でNoの場合、ステップ1626で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技用タイマMP34t(特に開放時間タイマ)を参照して大入賞口開放に係る所定時間が経過したか否かを判定する。ステップ1626でYesの場合にも、ステップ1628に移行する。尚、ステップ1626でNoの場合には、次の処理(ステップ1910の処理)に移行する。
【0118】
次に、ステップ1628で、特別遊技実行手段MP33は、第1大入賞口C10の第1大入賞口電動役物C11d(又は第2大入賞口C20の第2大入賞口電動役物C21d)の駆動を停止して第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)を閉鎖する。次に、ステップ1630で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技用タイマMP34t(特に開放時間タイマ)をリセットする。次に、ステップ1632で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、ラウンド継続フラグをオフにする。次に、ステップ1633で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20b内のラウンド数カウンタ(不図示)のカウンタ値に1を加算する。次に、ステップ1634で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bを参照し、最終ラウンドが終了したか否か(例えば、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20b内のラウンド数カウンタ(不図示)のカウンタ値が最大ラウンド数を超過したか否か)を判定する。ステップ1634でYesの場合、ステップ1635で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技終了デモタイマMP34t3に終了デモ時間(例えば、長開放大当りの場合には9秒、短開放大当りの場合には3秒)をセットしてスタートする。次に、ステップ1636で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技終了デモ時間が開始する旨の情報(終了デモ時間開始コマンド)を、サブメイン制御部側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1930の制御コマンド送信処理にて、サブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1637で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、特別遊技終了デモ表示中フラグをオンにし、ステップ1638に移行する。
【0119】
次に、ステップ1638で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技終了デモタイマMP34t3を参照し、当該タイマ値が0であるか否かを判定する。ステップ1638でYesの場合、ステップ1640で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技終了デモ時間が終了する旨の情報(終了デモ時間終了コマンド)を、サブメイン制御部側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1930の制御コマンド送信処理にて、サブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1642で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、特別遊技終了デモ表示中フラグをオフにする。次に、ステップ1644で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、特別遊技実行フラグをオフにする。次に、ステップ1650で、特定遊技制御手段MP50は、後述の特別遊技終了後の遊技状態決定処理を実行し、次の処理(ステップ1910の処理)に移行する。尚、ステップ1634又はステップ1638でNoの場合にも、次の処理(ステップ1910の処理)に移行する。
【0120】
ここで、本実施形態においては、長開放大当りの場合における終了デモ時間(例えば、9秒)は、短開放大当りの場合における開始デモ時間(例えば、3秒)+全ラウンドの総実行時間(例えば、ラウンド間の待機期間を含め5ラウンド分を3秒で実行)+終了デモ時間(例えば、3秒)と、略同一となるよう構成しておくことが好適となるのであるが、その理由については後述する。
【0121】
次に、図16は、図15におけるステップ1650のサブルーチンに係る、特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。まず、ステップ1652で、特定遊技制御手段MP50は、確変回数カウンタMP51cに所定回数(5回)をセットする。次に、ステップ1654で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、主遊技確変フラグをオンにする。次に、ステップ1656で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリアを参照し、時短移行予約フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1656でYesの場合、ステップ1658で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、時短移行予約フラグをオフにし、ステップ1662に移行する。他方、ステップ1656でNoの場合、ステップ1660で、特定遊技制御手段MP50は、第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b−Cを参照し、停止図柄が長開放大当り図柄(本例では、3A・3B・5A・5B・7A・7B)であるか否かを判定する。ステップ1660でYesの場合、ステップ1662に移行する。
【0122】
次に、ステップ1662で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cに所定回数(40回)をセットする。次に、ステップ1664で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、主遊技時短フラグをオンにする。次に、ステップ1666で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、補助遊技時短フラグをオンにし、ステップ1668に移行する。尚、ステップ1660でNoの場合にもステップ1668に移行する。次に、ステップ1668で、特定遊技制御手段MP50は、限定頻度カウンタMN52cに所定回数(5回であり、STの変動回数と同一の値となっている)をセットし、次の処理(ステップ1910の処理)に移行する。
【0123】
次に、図17図28を参照して、サブメイン制御部SM側で実行される制御処理を説明する。まず、図17は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、副制御基板S側(特に、サブメイン制御部SM側)のメインフローチャートである。ここで、同図(d)の処理は、遊技機への電源投入時等のリセット後に実行されるサブメイン制御部SM側での処理である。即ち、遊技機への電源投入時において、ステップ2002で、サブメイン制御部SMは、メイン側(主制御基板M側)から受信した情報に基づき、初期処理を実行する(例えば、RAMクリア情報を受信した場合→サブ側のRAMを初期化、各種情報コマンドを受信した場合→電断時の演出関連情報をサブ側のRAMに再セット)。その後、サブメイン制御部SMの繰り返し処理ルーチンである(f)を繰り返し実行するループ処理に移行する。ここで、(f)が実行された場合、同図(f)の処理に示されるように、まず、ステップ2100で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、後述する保留情報管理処理を実行する。次に、ステップ2200で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、後述する装飾図柄表示内容決定処理を実行する。次に、ステップ2400で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、後述する装飾図柄表示制御処理を実行する。次に、ステップ2500で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、後述する特別遊技関連表示制御処理を実行する。次に、ステップ2900で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、表示コマンド送信制御処理(これら一連のサブルーチンでセットされたコマンドをサブサブ制御部SS側に送信する)を実行し、本繰り返し処理ルーチンを終了する。
【0124】
以上のように、サブメイン制御部SMは、リセット後、サブメイン側ルーチン(S2100〜S2900)をループ処理する形態を採用している。また、同図(e)の処理は、サブメイン制御部SMの割り込み処理であり、前述した主制御基板MにおけるSTB信号線からの信号がサブメイン制御部SMのCPUの一端子(本例では、NMI端子)に接続されていた場合における処理フロー(e)である。即ち、サブメイン制御部SMのCPUにおいてNMI割り込みが発生した場合(STB信号線がオンとなった場合)、ステップ2004で、サブメイン制御部SMは、主制御基板M側からのコマンド入力ポート(前述したデータ信号線の入力ポート)を確認する。そして、ステップ2006で、サブメイン制御部SMは、当該確認結果に基づき、サブメイン制御部SM側のRAM(例えば、メイン側情報一時記憶手段SM11b)に、主制御基板M側から送信されたコマンドを一時記憶し、本割り込み処理直前に実行されていた処理へ復帰する。
【0125】
次に、図18は、図17におけるステップ2100のサブルーチンに係る、保留情報管理処理のフローチャートである。まず、ステップ2102で、装図保留情報表示制御手段SM22は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、主制御基板M側から新たな保留発生コマンド(第1主遊技図柄又は第2主遊技図柄に係る保留情報)を受信したか否かを判定する。ステップ2102でYesの場合、ステップ2106で、装図保留情報表示制御手段SM22は、装図保留情報一時記憶手段SM22b内の装図保留カウンタ(本例では、第1主遊技用が最大4個、第2主遊技用が最大4個)に「1」を加算する。次に、ステップ2108で、装図保留情報表示制御手段SM22は、主制御基板M側から送信された保留発生コマンドに基づき、保留情報(特に、主遊技図柄抽選に係る乱数値、当否乱数区切り情報)を、装図保留情報一時記憶手段SM22bに一時記憶し、ステップ2118に移行する。
【0126】
他方、ステップ2102でNoの場合、ステップ2112で、装図保留情報表示制御手段SM22は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、主制御基板M側から図柄変動表示開始指示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2112でYesの場合、ステップ2116で、装図保留情報表示制御手段SM22は、装図保留情報一時記憶手段SM22b内の装図保留カウンタから「1」を減算する。次に、ステップ2118で、装図保留情報表示制御手段SM22は、当該図柄変動に係る保留情報(乱数値、当否乱数区切り情報)を、装図保留情報一時記憶手段SM22bから削除すると共に、残りの保留情報をシフトする。次に、ステップ2124で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグ領域にアクセスし、図柄内容決定許可フラグをオンにし、ステップ2126に移行する。次に、ステップ2126で、装図保留情報表示制御手段SM22は、演出表示手段SSを駆使して演出表示装置SG上(特に、第1保留表示部SG12、第2保留表示部SG13)に、装図保留情報一時記憶手段SM22b内の装図保留カウンタ値と同数の保留表示ランプを点灯表示し、次の処理(ステップ2200の処理)に移行する。尚、ステップ2112でNoの場合には、ステップ2126に移行する。
【0127】
次に、図19は、図17におけるステップ2200のサブルーチンに係る、装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。まず、ステップ2202で、装図表示内容決定手段SM21nは、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリアを参照し、図柄内容決定許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2202でYesの場合、ステップ2204で、装図表示内容決定手段SM21nは、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、図柄内容決定許可フラグをオフにする。次に、ステップ2206で、装図表示内容決定手段SM21n(及び予告演出表示内容決定手段SM24n、リーチ演出表示内容決定手段SM25n)は、メイン側情報一時記憶手段SM11b内に一時記憶された図柄情報(主遊技図柄に係る停止図柄・変動態様)と、装図変動内容決定用抽選テーブルSM21taとを参照して、装飾図柄の停止図柄{例えば、主遊技図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、「7・7・7」等のゾロ目、ハズレ図柄である場合には、「1・3・5」等のバラケ目}及び変動態様{例えば、主遊技図柄に係る変動態様が短時間変動である場合には、非リーチ、長時間変動である場合には、ノーマルリーチやスーパーリーチ等}を決定し装図表示関連情報一時記憶手段SM21b(及び予告演出関連情報一時記憶手段SM24b、リーチ演出関連情報一時記憶手段SM25b)に一時記憶する。
【0128】
次に、ステップ2250で、装図表示内容決定手段SM21nは、後述する演出内容決定処理を実行する。次に、ステップ2208で、装図表示内容決定手段SM21nは、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、図柄内容決定フラグをオンにする。次に、ステップ2210で、装図表示内容決定手段SM21nは、決定された演出の実行に係る情報に基づき、演出実行スケジュールを生成し、次の処理(ステップ2400の処理)に移行する。尚、ステップ2202でNoの場合にも、次の処理(ステップ2400の処理)に移行する。
【0129】
次に、図20は、図19におけるステップ2250のサブルーチンに係る、演出内容決定処理のフローチャートである。まず、ステップ2252で、装図表示内容決定手段SM21nは、STカウンタSM24c2を参照し、当該カウンタ値が4以下であるか否かを判定する(後述するように、当該カウンタ値は、特別遊技の終了後にゼロクリアされるため、当該カウンタ値が表すものは、特別遊技の終了後からの図柄変動回数である)。ステップ2252でYesの場合、ステップ2254で、装図表示内容決定手段SM21nは、STカウンタSM24c2値に1を加算(インクリメント)する。次に、ステップ2256で、装図表示内容決定手段SM21nは、予告演出関連情報一時記憶手段SM24bを参照し、セットされているST演出種別は通常バトルST又は時短バトルSTであるか否かを判定する{尚、ST演出種別は、後述するように、特別遊技の実行中においてセットされ得るものであるが、特に、通常バトルSTとは、特別遊技の実行終了後において、第1主遊技側の保留数の方が第2主遊技側の保留数よりも多いと推測される状況下においてセットされ得るものであり、時短バトルSTとは、特別遊技の実行終了後において、第2主遊技側の保留数の方が第1主遊技側の保留数よりも多いと推測される状況下においてセットされ得るものである。そして、後述するように、本実施形態においては、通常バトルSTがセットされている状況下では、第1主遊技側の保留に基づく特別遊技への移行可能性を事前判定する一方、時短バトルSTがセットされている状況下では、第2主遊技側の保留に基づく特別遊技への移行可能性を事前判定するよう構成されている}。ステップ2256でYesの場合、ステップ2257で、装図表示内容決定手段SM21nは、当該変動は大当りに係る変動であるか否かを判定する。ステップ2257でYesの場合、ステップ2258で、装図表示内容決定手段SM21nは、装飾図柄の変動態様及びSTカウンタ値に基づき、バトルST且つ大当り時専用のリーチ演出内容を決定し(より具体的には、図中欄外の「リーチ演出の一例」にて示すように、特別遊技の終了後からの図柄変動回数に応じて、選択され得るリーチ演出が異なるよう構成されており、恰も4コマ漫画の各コマが各図柄変動にあわせて展開されていくイメージとなっている)、ステップ2260に移行する。尚、以降、通常バトルSTと時短バトルSTとを総称してバトルSTと呼ぶことがあるが、これは、通常バトルSTであっても時短バトルSTであっても、共通の演出内容が実行されるためであり、このように演出内容の共有化を図ることで、遊技者にとっては分かり易く、遊技機の開発においては演出映像の制作コストを低減させることが可能となるのである。他方、ステップ2257でNoの場合、ステップ2259で、装図表示内容決定手段SM21nは、装飾図柄の変動態様及びSTカウンタ値に基づき、バトルST且つハズレ時専用のリーチ演出内容を決定し、ステップ2260に移行する。
【0130】
次に、ステップ2260で、装図表示内容決定手段SM21nは、STカウンタSM24c2を参照し、当該カウンタ値は先読み再抽選値(本例では、4であるが、特に、特別遊技の終了後において残存し得る最大保留数と同値であることを意味しており、即ち、特別遊技の終了直後においては事前判定ができない5変動目に相当する保留に基づく特別遊技への移行可能性を、当該4変動目において再び事前判定するための条件として設定されているもの)であるか否かを判定する。ステップ2260でYesの場合、ステップ2300で、装図表示内容決定手段SM21nは、後述する、先読み演出再抽選実行可否判定処理を実行し、ステップ2262に移行する。尚、ステップ2260でNoの場合にもステップ2262に移行する。次に、ステップ2262で、装図表示内容決定手段SM21nは、予告演出の実行回数を決定する(本例では、2回として固定的に例示しているが、これに限定されるわけではない)。次に、ステップ2264で、装図表示内容決定手段SM21nは、当該変動は大当りに係る変動であるか否かを判定する。ステップ2264でYesの場合、ステップ2266で、装図表示内容決定手段SM21nは、ステップ2258で決定したリーチ演出内容及びSTカウンタSM24c2のカウンタ値に基づき、抽選によって大当り変動時における1回目の予告演出(いわゆる当該変動チャンスアップ予告であり、当該変動が大当りとなる可能性を報知する演出)の実行内容を決定する。次に、ステップ2270で、装図表示内容決定手段SM21nは、ステップ2258で決定したリーチ演出内容及びSTカウンタSM24c2のカウンタ値に基づき、大当り変動時における2回目の予告演出{いわゆる大当り確定後演出であり、当該変動が大当りとなったことを報知する演出であるが、この予告演出によって当該大当りによって付与される利益状態(最大ラウンド数や、大当り後の遊技状態)や残存している保留消化時における更なる大当り発生有無等を示唆又は報知してもよい}の実行内容を決定し、次の処理(ステップ2208の処理)に移行する。
【0131】
他方、ステップ2264でNoの場合、ステップ2272で、装図表示内容決定手段SM21nは、ステップ2259で決定したリーチ演出内容及びSTカウンタSM24c2のカウンタ値に基づき、抽選によってハズレ変動時における1回目の予告演出(いわゆる当該変動チャンスアップ予告であり、当該変動が大当りとなる可能性を報知する演出)の実行内容を決定する。次に、ステップ2276で、装図表示内容決定手段SM21nは、後述するステップ2600の処理にて決定され一時記憶された予告演出(いわゆる先読み演出であるが、ここでは、当該変動が大当りとなる可能性を報知するのではなく、当該変動以降の変動において大当りとなる可能性を報知するものである点において、他の演出内容とは異なるものとなる)の実行内容を決定(セット)し、次の処理(ステップ2208の処理)に移行する。
【0132】
また、ステップ2256でNoの場合、ステップ2282で、装図表示内容決定手段SM21nは、装飾図柄の変動態様に基づき、ST演出A〜C時専用のリーチ演出内容を決定する{詳細は割愛するが、バトルST時専用のリーチ演出内容と同様に、特別遊技の終了後からの図柄変動回数に応じて、選択され得るリーチ演出が異なる(但し、いずれのST演出種別であるかに応じて、表示内容は異ならせておくことが望ましい)よう構成しておくことを例示することができる}。次に、ステップ2284で、装図表示内容決定手段SM21nは、リーチ演出内容に基づき、予告演出の実行タイミング及び実行回数を決定する。次に、ステップ2286で、装図表示内容決定手段SM21nは、当該変動の当否乱数区切り情報及びST演出種別に基づき、すべての予告演出の実行内容をST演出専用の予告演出内容に決定し(この点においても、バトルST時と同様の処理としてもよい)、次の処理(ステップ2208の処理)に移行する。
【0133】
また、ステップ2252でNoの場合、ステップ2288で、装図表示内容決定手段SM21nは、装飾図柄の変動態様に基づき、リーチ演出実行有無及び実行内容を決定する。次に、ステップ2290で、装図表示内容決定手段SM21nは、装飾図柄の変動態様及びリーチ演出内容に基づき、予告演出の実行タイミング及び実行回数を決定する。次に、ステップ2292で、装図表示内容決定手段SM21nは、装飾図柄の変動態様及び当否乱数区切り情報に基づき、抽選によってすべての予告演出の実行内容を決定し(即ち、一般的な演出手法と同様である)、次の処理(ステップ2208の処理)に移行する。
【0134】
尚、ステップ2252〜ステップ2259、ステップ2282、ステップ2288の処理が、演出実行スケジュールにおけるリーチ演出の実行内容の決定に係る処理であり、ステップ2260〜ステップ2276、ステップ2284、ステップ2286、ステップ2290、ステップ2292の処理が、演出実行スケジュールにおける予告演出の実行内容の決定に係る処理である。
【0135】
ここで、図中欄外の「演出実行スケジュールの一例」が、予告演出の実行内容を決定した後の演出実行スケジュールに相当するイメージ図である。本例では、装飾図柄の変動時間が20秒、且つ、セットされているST演出種別が通常バトルSTである場合のST開始1変動目と5変動目についてのみ例示している。本例に示されるように、装図変動に係る演出実行内容は、予告演出(ステップ2260〜ステップ2276、ステップ2284、ステップ2286、ステップ2290、ステップ2292の処理にて決定される演出)と、装図変動(ステップ2206で決定される演出)と、リーチ演出(ステップ2252〜ステップ2259、ステップ2282、ステップ2288の処理にて決定される演出)との3つで構成されており、演出スケジュールには、装飾図柄の変動開始からの経過時間によってどの演出が実行されるかが記憶されている。そして、演出種別が通常バトルST又は時短バトルSTである場合、装飾図柄の変動中において、STの何変動目であるかに応じてリーチ演出の内容が変化し、且つ、当該変動時の大当りとなる可能性が1回目の予告演出で報知され、リーチ演出によって当該変動時の大当り有無を示唆又は報知した後、当該変動以降の変動において大当りとなる可能性が最後の1回の予告演出で報知される、という演出内容が随時実行されることとなる。尚、バトルSTの5変動目においては、1回目の予告演出及びリーチ演出としてサブ入力ボタンSBの押下を遊技者に促す演出が実行されるよう構成されている。当該演出の実行中に遊技者がサブ入力ボタンSBを押下することによって(又は、演出開始から所定時間が経過することによって)、当該変動の当否結果が遊技者に報知されるよう構成されている。尚、当該サブ入力ボタンSBの押下を遊技者に促す演出はバトルST中には限定されず、その他のST演出種別がセットされている場合にも実行し得るよう構成してもよい(即ち、いずれのST演出種別であっても、回数制限付き確率変動遊技状態の終了間際における演出を共通化しておくことで、遊技者にとってはいずれのST演出種別が選択されたとしても、この終了間際における遊技の盛り上がりを漏れなく体感することができることとなる)。また、本実施形態においては、サブ入力ボタンSBを1回押下することによって当該変動の当否結果を遊技者に報知するよう構成したが、当該演出態様はこれには限定されず、例えば、所定時間内にサブ入力ボタンSBを複数回押下(いわゆる、連打)することによって、当該変動の当否結果を遊技者に報知するよう構成してもよい。
【0136】
次に、図21は、図20におけるステップ2300のサブルーチンに係る、先読み演出再抽選実行可否判定処理のフローチャートである。まず、ステップ2302で、装図表示内容決定手段SM21nは、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、次変動(ST5変動目)の当否乱数区切り情報を読出する。次に、ステップ2304で、装図表示内容決定手段SM21nは、予告演出関連情報一時記憶手段SM24bを参照し、セットされているST演出種別は通常バトルSTであるか否かを判定する。ステップ2304でYesの場合、ステップ2306で、装図表示内容決定手段SM21nは、当該読出した次変動に係る保留は、当否乱数区切り情報が当否区切り1又は当否区切り2である第1主遊技側の保留であるか否か(換言すれば、少なくとも確率変動遊技状態時において当否抽選にて当選となる第1主遊技側の保留であるか)を判定する。ステップ2306でYesの場合、ステップ2308で、装図表示内容決定手段SM21nは、当該変動(ST4変動目)の先読み演出(2回目の予告演出)を、特殊保留あり時先読み演出決定用テーブルA(同図下段に示されているテーブル)を参照して決定したものに書き換えて一時記憶し、次の処理(ステップ2262の処理)に移行する。
【0137】
他方、ステップ2304でNoの場合、換言すると、セットされているST演出種別が時短バトルSTである場合、ステップ2310で、装図表示内容決定手段SM21nは、当該読出した次変動に係る保留は、当否乱数区切り情報が当否区切り1又は当否区切り2である第2主遊技側の保留であるか否か(換言すれば、少なくとも確率変動遊技状態時において当否抽選にて当選となる第2主遊技側の保留であるか)を判定する。ステップ2310でYesの場合、ステップ2312で、装図表示内容決定手段SM21nは、当該変動(ST4変動目)の先読み演出(2回目の予告演出)を、特殊保留あり時先読み演出決定用テーブルB(同図下段に示されているテーブル)を参照して決定したものに書き換えて一時記憶し、次の処理(ステップ2262の処理)に移行する。尚、ステップ2306又はステップ2310でNoの場合にも、次の処理(ステップ2262の処理)に移行する。
【0138】
以上の処理によって、ST演出種別が通常バトルST又は時短バトルSTである場合、基本的には、特別遊技の実行終了後において残存する保留に基づき特別遊技への移行可能性を事前判定し、当該特別遊技の実行終了後から所定回数分の図柄変動時における予告演出にて当該事前判定した結果を報知するよう構成されているのであるが、特別遊技の終了直後においては事前判定ができない5変動目に相当する保留に基づく特別遊技への移行可能性については、4変動目の開始時において(即ち、5変動目に相当する保留が存在し得る状況下において)再び事前判定し、先に事前判定した結果を書き換えることで、特別遊技の実行終了後における新たな保留の生起状況に基づき変化した特別遊技への移行可能性を予告演出に反映するよう構成されているのである。そして、特別遊技の実行終了後における1〜5変動目にて実行される予告演出(及びリーチ演出)は、一つのストーリー性をもった連続した演出として構築されているため、遊技者にとっては、恰も、この一つのストーリー性が保留の生起状況に応じて変化したようにみえるため、興趣性の高い演出として認識されることとなる(このストーリー性を補足説明するため、バトルST中に実行される演出については、図22にて具体例を挙げておくこととする)。
【0139】
次に、図22は、バトルST中の予告演出決定イメージである。本実施形態においては、バトルST中は予告演出が2回実行されるよう構成されており、実行される予告演出は変動数、当否結果、ST演出種別によって相違し得るよう構成されている。また、予告演出の1回目はハズレ変動時よりも大当り変動時の方が、特別遊技への移行期待度=低期待度、となるものが選択され難くなっている(特別遊技への移行期待度=高期待度、となるものが選択され易くなっている)。また、予告演出の2回目は、ハズレ変動時には次変動以降の大当り期待度を示唆しているため、次変動以降に大当りとなる保留が存在している場合に、大当りとなる保留が存在していない場合よりも、特別遊技への移行期待度=高期待度、となるものが選択され易くなっており(特別遊技への移行期待度=低期待度、となるものが選択され難くなっており)、大当り変動時には大当りとなった旨を報知する演出が実行される。尚、ハズレ変動時においては、時短バトルSTのみ2回目の予告演出で大当り予告(バトルSTにおける次変動以降に大当りとなる保留が存在していることを報知する演出)が選択され得るよう構成されているが、通常バトルSTにおいては選択されないよう構成している。このように構成した趣旨は、例えば、通常バトルST(特別遊技の実行終了後において、第1主遊技側の保留数の方が第2主遊技側の保留数よりも多いと推測される状況下においてセットされ得るものであって、第1主遊技側の保留に基づく特別遊技への移行可能性を事前判定するもの)において2回目の予告演出で大当り予告を実行してしまった場合、第2主遊技側に保留が新たに生起したことにより(第2主遊技側が優先消化のため)、当該大当りとなる予定の保留が非確率変動遊技状態中に消化されることとなり、その結果当該大当りとなる予定の保留がハズレとなってしまうことで、大当り予告が偽りの予告となってしまう事態を回避することにあることを補足しておく。即ち、通常バトルSTであっても時短バトルSTであっても、共通の演出内容が実行されるよう構成しておくことが可能ではあるが、特定の予告演出(特に、大当り予告)に関しては、通常バトルSTと時短バトルSTとで、その選択率を異ならせるよう構成しておく(特に、通常バトルSTにおいては大当り予告が選択されず、時短バトルSTにおいては大当り予告が選択され得るよう構成しておく)ことが、より好適なものとなるのである。
【0140】
次に、図23は、図17におけるステップ2400のサブルーチンに係る、装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ2402で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリアを参照し、図柄内容決定フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2402でYesの場合、ステップ2404で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、図柄内容決定フラグをオフにする。次に、ステップ2406で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、図柄変動中フラグをオンにする。次に、ステップ2409で、装飾図柄表示制御手段SM21は、演出用タイマSM21tをスタートし、ステップ2410に移行する。尚、ステップ2402でNoの場合にも、ステップ2410に移行する。
【0141】
次に、ステップ2410で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリアを参照し、図柄変動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2410でYesの場合、ステップ2411で、装飾図柄表示制御手段SM21は、演出用タイマSM21tのタイマ値及び演出実行スケジュールを確認する。次に、ステップ2412で、装飾図柄表示制御手段SM21は、演出用タイマSM21tと装図表示関連情報一時記憶手段SM21bに一時記憶された変動態様とに基づき、装飾図柄の変動開始タイミングに到達したか否かを判定する。ステップ2412でYesの場合、ステップ2414で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装飾図柄の変動表示コマンドをセット(ステップ2900の表示コマンド送信制御処理にて、サブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2420に移行する。
【0142】
他方、ステップ2412でNoの場合、ステップ2416で、装飾図柄表示制御手段SM21は、演出用タイマSM21tと装図表示関連情報一時記憶手段SM21bに一時記憶された変動態様とに基づき、装飾図柄の停止表示タイミング(仮停止表示タイミング)に到達したか否かを判定する。ステップ2416でYesの場合、ステップ2418で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装飾図柄の停止表示コマンド(仮停止表示コマンド)をセット(ステップ2900の表示コマンド送信制御処理にて、サブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2420に移行する。尚、ステップ2416でNoの場合にもステップ2420に移行する。
【0143】
次に、ステップ2420で、予告演出表示制御手段SM24(及びリーチ演出表示制御手段SM25)は、演出用タイマSM21tと予告演出関連情報一時記憶手段SM24b(及びリーチ演出関連情報一時記憶手段SM25b)に一時記憶された変動態様とに基づき、予告画像やリーチ画像の表示タイミングに到達したか否かを判定する。ステップ2420でYesの場合、ステップ2422で、予告演出表示制御手段SM24(及びリーチ演出表示制御手段SM25)は、当該予告画像やリーチ画像に係る画像表示コマンドをセット(ステップ2900の表示コマンド送信制御処理にて、サブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2436に移行する。尚、ステップ2420でNoの場合にも、ステップ2436に移行する。
【0144】
次に、ステップ2436で、装飾図柄表示制御手段SM21は、主遊技図柄が停止表示されたか否かを判定する(例えば、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、主制御基板M側から主遊技図柄が停止表示される旨の情報を受信したか否かを判定する)。ステップ2436でYesの場合、ステップ2438で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装飾図柄の停止表示コマンド(確定表示コマンド)をセット(ステップ2900の表示コマンド送信制御処理にてサブサブ制御部SS側に送信される)する。次に、ステップ2440で、装飾図柄表示制御手段SM21は、演出用タイマSM21tを停止すると共にリセット(ゼロクリア)する。次に、ステップ2442で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、図柄変動中フラグをオフにし、次の処理(ステップ2500の処理)に移行する。尚、ステップ2410又はステップ2436でNoの場合にも、次の処理(ステップ2500の処理)に移行する。
【0145】
次に、図24は、図17におけるステップ2500のサブルーチンに係る、特別遊技関連表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ2502で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、停止中の主遊技図柄が長開放大当り図柄(本例では、「3A、5A、7A、3B、5B、7B」)であるか否かを判定する。ステップ2502でYesの場合、ステップ2504で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、メイン側から開始デモ時間開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2504でYesの場合、ステップ2508で、背景演出表示制御手段SM23は、特別遊技開始デモに係る動画像を所定時間(例えば、5秒間再生される動画像であって、「大当り開始!」等のメッセージ性を有する画像)表示するコマンドをセットし、ステップ2510に移行する。他方、ステップ2504でNoの場合にも、ステップ2510に移行する。
【0146】
次に、ステップ2510で、背景演出表示制御手段SM23は、背景演出関連情報一時記憶手段SM23bのフラグエリアを参照し、特別遊技中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ2510でYesの場合、ステップ2512で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、メイン側から開始デモ時間終了コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2512でYesの場合、ステップ2516及びステップ2518で、背景演出表示制御手段SM23は、背景演出関連情報一時記憶手段SM23bのフラグエリア内にある、特別遊技中フラグをオンにすると共に、演出表示装置SG上で大当り開始表示を行い(大当りの種類に基づき適宜表示を行う)、ステップ2520に移行する。尚、ステップ2510でNoの場合にも、ステップ2520に移行する。
【0147】
次に、ステップ2520で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側から逐次送信されている遊技情報に基づき、演出表示装置SG上にてラウンド数と入賞個数を逐次表示する(遊技性や大当りの種類等に基づき、必要に応じて適宜実行すればよい)。次に、ステップ2550で、背景演出表示制御手段SM23は、後述する、ST演出種別選択処理を実行する。次に、ステップ2526で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、メイン側から終了デモ時間開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2526でYesの場合、ステップ2530に移行する。
【0148】
他方、ステップ2502でNoの場合、ステップ2542で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、停止中の主遊技図柄が短開放大当り図柄(本例では、「2A」)であるか否かを判定する。ステップ2542でYesの場合、ステップ2544で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、メイン側から開始デモ時間開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2544でYesの場合、、ステップ2650で、背景演出表示制御手段SM23は、後述する、ST演出種別決定処理を実行し、ステップ2530に移行する。尚、ステップ2542でNoの場合には、次の処理(ステップ2900の処理)に移行し、ステップ2544でNoの場合には、ステップ2534に移行する。
【0149】
次に、ステップ2530で、背景演出表示制御手段SM23は、予告演出関連情報一時記憶手段SM24bを参照し、セットされた(後述するステップ2550又はステップ2650に係るサブルーチンにてセットされた)ST演出種別は通常バトルST又は時短バトルSTであるか否かを判定する。ステップ2530でYesの場合、ステップ2600で、背景演出表示制御手段SM23は、後述する、ST中先読み演出決定処理を実行しステップ2532に移行する。他方、ステップ2530でNoの場合にもステップ2532に移行する。次に、ステップ2532で、背景演出表示制御手段SM23は、セットされたST演出種別の開始に係る動画像を所定時間(例えば、9秒間再生される動画像であるが、ここで表示すべき画像については次段落にて補足説明する)表示するコマンドをセットし、ステップ2534に移行する。尚、ステップ2526でNoの場合にも、ステップ2534に移行する。
【0150】
ここで、ステップ2532では、停止中の主遊技図柄が長開放大当り図柄であった場合における特別遊技の実行時であって、終了デモ時間となる期間中に亘って表示される動画像となる一方、停止中の主遊技図柄が短開放大当り図柄であった場合における特別遊技の実行時であって、開始デモ時間+全ラウンドの総実行時間+終了デモ時間となる期間中に亘って表示される動画像となる。よって、双方の期間において表示されるべき動画像を共通としておくことで、動画像の制作コストを低減化することができる。また、特に、ST演出種別が、通常バトルST又は時短バトルSTである場合、ステップ2532に先駆けて、特別遊技の実行中において残存する保留に基づき特別遊技への移行可能性を事前判定する(後述するステップ2550又はステップ2650に係るサブルーチンにて事前判定する)よう構成されているため、当該動画像によって、当該事前判定結果を示唆・報知するよう構成しておけば、通常バトルST又は時短バトルSTへ突入するための入り口が共通化でき且つ通常バトルST又は時短バトルSTへの導入演出として、事前に特別遊技への移行可能性を示唆・報知できるわけであるから、遊技者にとって分かり易く、興趣性の高い演出の流れを構築することができるのである。そして、このような構成とするために望ましいのは、前述したように、長開放大当りの場合における終了デモ時間(例えば、9秒)は、短開放大当りの場合における開始デモ時間(例えば、3秒)+全ラウンドの総実行時間(例えば、ラウンド間の待機期間を含め5ラウンド分を3秒で実行)+終了デモ時間(例えば、3秒)と、略同一となるよう構成しておくこととなる。但し、短開放大当り図柄であった場合において、当該動画像によって特別遊技の実行中において残存する保留に基づく特別遊技への移行可能性を示唆・報知するよう構成するためには、(当該動画像が開始デモ時間+全ラウンドの総実行時間+終了デモ時間となる期間中に亘って表示される動画像であるが故)当該示唆・報知すべき内容は、開始デモ時間の開始時において既に決定しておくことが望ましい(他方、長開放大当り図柄であった場合には、前記動画像が終了デモの期間中に表示される動画像であるため、当該示唆・報知すべき内容は、終了デモ時間の開始時までに決定しておけばよく、また、特別遊技の総ラウンド時間が長時間であることにより、特別遊技の実行中において新たに保留が生起する可能性が高まるため、終了デモ時間の開始時にて決定することが望ましいこととなる)。尚、本実施形態においては、ST演出種別としてST演出A〜Cがセットされた場合には、特別遊技の実行中において残存する保留に基づき特別遊技への移行可能性を事前判定しないよう構成されているため、遊技者が事前に特別遊技への移行可能性を知りたくない場合には、当該ST演出A〜Cを選択することにより毎変動実行されるST中の演出に注目するという遊技性が実現できる(但し、これには限定されず、いずれのST演出種別であっても、特別遊技の実行中において残存する保留に基づき特別遊技への移行可能性を事前判定するよう構成してもよい)。
【0151】
次に、ステップ2534で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、メイン側から終了デモ時間終了コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2534でYesの場合、ステップ2538で、背景演出表示制御手段SM23は、背景演出関連情報一時記憶手段SM23bのフラグエリア内にある、特別遊技中フラグをオフにする。次に、ステップ2540で、背景演出表示制御手段SM23は、STカウンタSM24c2をリセット(ゼロクリア)し、次の処理(ステップ2900の処理)に移行する。尚、ステップ2512又はステップ2534でNoの場合にも次の処理(ステップ2900の処理)に移行する。
【0152】
次に、図25は、図24におけるステップ2550のサブルーチンに係る、ST演出種別選択処理のフローチャートである。まず、ステップ2552で、背景演出表示制御手段SM23は、背景演出関連情報一時記憶手段SM23bを参照し、実行中のラウンドがST演出種別選択ラウンド(本例では、第3Rであるが、開始デモ時間中や他のラウンドであってもよい)であるか否かを判定する。ステップ2552でYesの場合、ステップ2554で、背景演出表示制御手段SM23は、ST演出種別選択を促す画像表示(例えば、「サブ入力ボタンを押下すると選択しているST演出選択画面が変更されます」等)に係るコマンドをセットする。次に、ステップ2556で、背景演出表示制御手段SM23は、新たにサブ入力ボタンSBが押下されたか否かを判定する。ステップ2556でYesの場合、ステップ2558で、背景演出表示制御手段SM23は、ST演出選択画面を切り替え(例えば、バトルST→ST演出A→ST演出B→ST演出C→バトルST・・・の順に切り替える)、ステップ2560に移行する。尚、ステップ2552又はステップ2556でNoの場合にもステップ2560に移行する。
【0153】
次に、ステップ2560で、背景演出表示制御手段SM23は、背景演出関連情報一時記憶手段SM23bを参照し、実行中のラウンドがST演出種別決定ラウンド(本例では、第4Rであるが、ST演出種別を選択可能とした後であればよい)であるか否かを判定する。ステップ2560でYesの場合、ステップ2562で、背景演出表示制御手段SM23は、選択されているST演出選択画面はバトルSTであるか否かを判定する。ステップ2562でYesの場合、ステップ2564で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、現在実行中の特別遊技は時間短縮遊技状態にて当選した特別遊技であるか否か(換言すれば、第2主遊技側の保留数の方が第1主遊技側の保留数よりも多いと推測される状況下であるか否か、であるため、現時点での保留状況を勘案してもよい)を判定する。ステップ2564でYesの場合、ステップ2566で、背景演出表示制御手段SM23は、ST演出種別として時短バトルSTをセットした上で、時短バトルSTがセットされた旨を報知する表示を実行するコマンドをセットし、次の処理(ステップ2526の処理)に移行する。他方、ステップ2564でNoの場合、即ち、現在実行中の特別遊技は非時間短縮遊技状態にて当選した特別遊技である場合(但し、第1主遊技側の保留数の方が第2主遊技側の保留数よりも多いと推測される状況下である場合であるため、現時点での保留状況を勘案してもよい)、ステップ2568で、背景演出表示制御手段SM23は、ST演出種別として通常バトルSTをセットした上で、通常バトルSTがセットされた旨を報知する表示を実行するコマンドをセットし、次の処理(ステップ2526の処理)に移行する。尚、ステップ2562でNoの場合、ステップ2570で、背景演出表示制御手段SM23は、ST演出A〜CのうちST演出選択画面にて表示されているものをST演出種別としてセットし、当該ST演出種別がセットされた旨を報知する表示を実行するコマンドをセットし、次の処理(ステップ2526の処理)に移行する。また、ステップ2560でNoの場合にも、次の処理(ステップ2526の処理)に移行する。
【0154】
次に、図26は、図24におけるステップ2600のサブルーチンに係る、ST中先読み演出決定処理のフローチャートである。まず、ステップ2602で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、主遊技側保留内の当否乱数区切り情報を読出する。次に、ステップ2604で、背景演出表示制御手段SM23は、セットされているST演出種別は通常バトルST(第1主遊技側の保留に基づく特別遊技への移行可能性を事前判定するもの)であるか否かを判定する。ステップ2604でYesの場合、ステップ2606で、背景演出表示制御手段SM23は、最先から4つ目までの消化順の保留に当否乱数区切り情報が当否区切り1又は当否区切り2である第1主遊技保留があるか否かを判定する。ステップ2606でYesの場合、ステップ2608で、背景演出表示制御手段SM23は、当該当否区切り1又は当否区切り2である第1主遊技側の最先の保留に特殊保留である旨の情報(特別遊技の実行終了後における保留消化時に大当りとなり得ることを表す情報)を付与する。次に、ステップ2610で、背景演出表示制御手段SM23は、ST中における特殊保留以前の変動までの先読み演出(前述したように、当該変動の2回目の予告演出であって、当該変動以降の変動において大当りとなる可能性を報知するもの)を、特殊保留あり時先読み演出決定用テーブルAを参照して決定し一時記憶し、次の処理(ステップの2532の処理)に移行する。尚、ステップ2606でNoの場合、ステップ2612で、背景演出表示制御手段SM23は、ST1〜4変動目までの先読み演出を、特殊保留なし時先読み演出決定用テーブルを参照して決定して一時記憶し、次の処理(ステップの2532の処理)に移行する。
【0155】
また、ステップ2604でNoの場合、換言すると、セットされているST演出種別が時短バトルST(第2主遊技側の保留に基づく特別遊技への移行可能性を事前判定するもの)である場合、ステップ2614で、背景演出表示制御手段SM23は、最先から4つ目までの消化順の保留に当否乱数区切り情報が当否区切り1又は当否区切り2である第2主遊技保留があるか否かを判定する。ステップ2614でYesの場合、ステップ2616で、背景演出表示制御手段SM23は、当該当否区切り1又は当否区切り2である第2主遊技側の最先の保留に特殊保留である旨の情報を付与する。次に、ステップ2618で、背景演出表示制御手段SM23は、ST中における特殊保留以前の変動までの先読み演出を、特殊保留あり時先読み演出決定用テーブルBを参照して決定し一時記憶し、次の処理(ステップの2532の処理)に移行する。尚、ステップ2614でNoの場合、ステップ2620で、背景演出表示制御手段SM23は、ST1〜4変動目までの先読み演出を、特殊保留なし時先読み演出決定用テーブルを参照して決定して一時記憶し、次の処理(ステップの2532の処理)に移行する。
【0156】
ここで、同図下段は、特殊保留なし時先読み演出決定用テーブル、特殊保留あり時先読み演出決定用テーブルA及び特殊保留あり時先読み演出決定用テーブルBである。当否乱数区切り情報が当否区切り1又は当否区切り2である保留(特殊保留)が主遊技保留内に存在する場合に、特殊保留以前の変動における先読み演出を、特殊保留あり時先読み演出決定用テーブルA又は特殊保留あり時先読み演出決定用テーブルBを参照して決定する一方、特殊保留が主遊技保留内に存在しない場合にはST1〜4変動目までの先読み演出を、特殊保留なし時先読み演出決定用テーブルを参照して決定するよう構成している。尚、特殊保留あり時先読み演出決定用テーブルA又は特殊保留あり時先読み演出決定用テーブルBの参照時には、特殊保留なし時先読み演出決定用テーブルの参照時と比較して低期待度の先読み演出が選択される割合が低くなっている。また、図22にて前述したように、特殊保留あり時先読み演出決定用テーブルBには大当り予告(主遊技保留内に大当りとなる保留が存在することが確定する演出)の先読み演出が設けられているが、特殊保留あり時先読み演出決定用テーブルAには設けられていない。これは、通常バトルSTにおいて3回目の予告演出で大当り予告を実行してしまった場合、第2主遊技側に保留が新たに生起したことにより(第2主遊技側が優先消化のため)、当該大当りとなる予定の保留が非確率変動遊技状態中に消化されることとなり、その結果当該大当りとなる予定の保留がハズレとなってしまうことで、大当り予告が偽りの予告となってしまう事態が発生し得るため、通常バトルSTにおいては、その予告演出を決定するに際して、大当り予告(即ち、特別遊技の実行終了後における保留消化時に大当りが発生することが確定的となる予告演出)が選択されないよう構成されていることを補足しておく。
【0157】
次に、図27は、ST中先読み演出決定イメージである。まず、時間短縮遊技状態中に当選した特別遊技実行中の場合においては、第2主遊技側の保留が特殊保留(大当りとなる保留)となり得ることとなる。また、第1主遊技側の保留が0個、第2主遊技側の保留が2個の場合においては、本実施形態では最先から4つ目までの消化順となる保留の内、存在しないものについてはハズレとみなすよう構成されているため、3つ目及び4つ目の消化順の保留はハズレであるとみなす(存在していないため)。また、第1主遊技側の保留が2個、第2主遊技側の保留が2個の場合においては、本実施形態では最先から4つ目までの消化順となる保留の内、第1主遊技側の保留はハズレとみなすよう構成されているため、3つ目及び4つ目の消化順の保留はハズレであるとみなす(第1主遊技側の保留であるため)。
【0158】
次に、非時間短縮遊技状態中に当選した特別遊技実行中の場合においては、第1主遊技側の保留が特殊保留(大当りとなる保留)となり得ることとなる。また、第1主遊技側の保留が2個、第2主遊技側の保留が0個の場合においては、本実施形態では最先から4つ目までの消化順となる保留の内、存在しないものについてはハズレとみなすよう構成されているため、3つ目及び4つ目の消化順の保留はハズレであるとみなす(存在していないため)。また、第1主遊技側の保留が2個、第2主遊技側の保留が2個の場合においては、本実施形態では最先から4つ目までの消化順となる保留の内、第2主遊技側の保留はハズレとみなすよう構成されているため、1つ目及び2つ目の消化順の保留はハズレであるとみなす(第2主遊技側の保留であるため)。
【0159】
このように、本実施形態においては、ST中の1〜4変動目までの各変動の3回目の予告演出を特別遊技中に一括で実行し、且つ、不確定な変動についてはハズレとみなすことで、演出の整合性を担保し得るよう構成されている。
【0160】
次に、図28は、図24におけるステップ2650のサブルーチンに係る、ST演出種別決定処理のフローチャートである。まず、ステップ2652で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、主遊技側保留内の当否乱数区切り情報を読出する。次に、ステップ2654で、背景演出表示制御手段SM23は、当該読出した主遊技保留内にバトルST抽選条件(例えば、時間短縮遊技状態中に当選した特別遊技中である場合には、当否乱数区切り情報が当否区切り1又は当否区切り2であり、且つ、長開放大当りとなる保留が第2主遊技保留内に存在することであり、非時間短縮遊技状態中に当選した特別遊技中である場合には、当否乱数区切り情報が当否区切り1又は当否区切り2であり、且つ、長開放大当りとなる保留が第1主遊技保留内に存在すること)を充足している第1主遊技保留が存在するか否かを判定する。ステップ2654でYesの場合、ステップ2658で、背景演出表示制御手段SM23は、所定確率(例えば、1/3)で当選となるバトルSTセット抽選を実行する。次に、ステップ2660で、背景演出表示制御手段SM23は、実行されたバトルST抽選に当選したか否かを判定する。ステップ2660でYesの場合、ステップ2662で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、現在実行中の特別遊技は時間短縮遊技状態にて当選した特別遊技であるか否かを判定する。ステップ2662でYesの場合、ステップ2664で、背景演出表示制御手段SM23は、ST演出種別として時短バトルSTをセットし、次の処理(ステップ2530の処理)に移行する。他方、ステップ2662でNoの場合、換言すると、現在実行中の特別遊技が非時間短縮遊技状態にて当選した特別遊技である場合、ステップ2666で、背景演出表示制御手段SM23は、ST演出種別として通常バトルSTをセットし、次の処理(ステップ2530の処理)に移行する。また、ステップ2654又はステップ2660でNoの場合、ステップ2668で、背景演出表示制御手段SM23は、ST演出種別としてST演出A(通常バトルST又は時短バトルST以外のST演出種別ならばどのST演出種別であっても構わない)をセットし、次の処理(ステップ2530の処理)に移行する。
【0161】
次に、図29は、バトルST演出イメージである。本例は通常バトルST3変動目に大当りとなる場合を例示している。まず、1変動目及び2変動目においては、ハズレ変動時のテーブルを参照し予告演出を決定することとなり、3回目の予告演出は次変動以降の大当り期待度を示唆する演出となっている。次に、3変動目においては、大当り変動時のテーブルを参照し予告演出を決定することとなり、3回目の予告演出は大当り確定後演出となっている。バトルST演出では、このような演出の流れを構築できるため、仮に、ある変動時における1回目の予告演出が低期待度であっても、2回目の予告演出が高期待度であれば、当該ある変動時にて大当りとならなかった場合であっても、以降の変動時にて大当りとなる期待感を持続して抱き続けることが可能となる。そして、各変動時に展開される演出は、恰も4コマ漫画の各コマが各図柄変動にあわせて展開されていくイメージとなっており、一つのストーリー性をもった連続した演出として構築されているため、この各コマのどこで大当りとなるのか、大当りとならなくても各コマのストーリー性が盛り上がっているのかに応じて大当りとなる期待感が変化するため、多様性に富んだ興趣性の高い演出を展開することが可能となるのである。
【0162】
以上のように構成することで、本実施形態に係る遊技機によれば、特別遊技終了後のST演出種別として、主遊技保留内に当否乱数区切り情報が当否区切り1又は当否区切り2である保留が存在する場合にバトルSTに移行し得るよう構成することで、遊技者はバトルSTに移行したことを認識した場合に、第1主遊技保留内に長開放大当りとなる保留が存在していることも認識することができ、遊技の興趣性が高まることとなる。特に、短開放大当り時においては略出玉を獲得できないよう構成されることが多いため、その特別遊技実行後においては特に、興趣性を高めておくよう構成しておく(本実施形態における通常バトルSTが主として相当する)ことで、略出玉が獲得できないことに対する不満感を遊技者に与えることがなくなるのである。
【0163】
尚、本実施形態に係る遊技機においては、ST中の1〜4変動目までの各変動における3回目の予告演出(換言すれば、特別遊技中にて残存している保留に基づき事前判定された大当りとなる可能性)を特別遊技中に決定し、ST中の4変動目の開始時に、当該変動の3回目の予告演出を書き換えるか否かをST中の5変動目の当否結果(換言すれば、特別遊技中には事前判定できない大当りとなる可能性)を先読みして決定するよう構成することで、より適切な大当り期待度を報知し得る予告演出を実行することができることとなる。また、3回目の予告演出の決定タイミングはこれには限定されず、ST中における各変動開始時に当該変動の3回目の予告演出を決定するよう構成してもよい(即ち、当該変動開始時において残存している保留に基づき随時大当りとなる可能性を事前判定する構成としてもよい)。
【0164】
尚、本実施形態に係る遊技機においては、バトルST中の演出では、1回目と2回目の予告演出は当該変動の大当り期待度を示唆する演出を実行し、3回目の予告演出はバトルSTにおける次変動以降の大当り期待度を示唆する演出を実行しており、3回目の予告演出の実行前に当該変動の当否結果を報知するよう構成することで、遊技者が3回目の予告演出を当該変動の大当り期待度を示唆する演出であると誤認する事態を防ぐことができ、よりユーザーフレンドリーな遊技機とすることができる。
【0165】
尚、本実施形態に係る遊技機においては、セットされた演出種別の開始に係る動画像の表示を、長開放大当りの場合には「特別遊技終了デモ時間」にて実行し、短開放大当りの場合には「特別遊技開始デモ時間+特別遊技実行中+特別遊技終了デモ時間」にて実行するよう構成している。また、長開放大当りにおける「特別遊技終了デモ時間」と短開放大当りにおける「特別遊技開始デモ時間+特別遊技実行中+特別遊技終了デモ時間」の時間値が同一(本例では9秒)となっているため、同一の演出を実行することができることとなる。
【0166】
尚、本実施形態に係る遊技機においては、短開放大当りの場合には、特別遊技の実行中に保留が生起する可能性がほぼないため特別遊技開始デモ時間開始時に先読み抽選を実行しているが、長開放大当りの場合には、特別遊技の実行中に保留が生起する可能性があるため特別遊技終了デモ時間に先読み抽選を実行している。また、このように構成した場合、セットされた演出種別の開始に係る動画像に先読み抽選の結果に基づく主遊技保留内の大当り期待度を示唆する演出を設けるよう構成しておくことが望ましい。
【0167】
(変更例1)
尚、本実施形態においては、第1主遊技保留内に大当りとなる予定の保留が存在する場合にバトルSTに移行し得るよう構成したが、第2主遊技側の保留が優先消化となるよう構成しているため、第2主遊技側の保留が生起すると、大当りとなる予定の第1主遊技側の保留がバトルST中に消化されないことが起こり得る。そこで、そのような問題を解消するような構成を、本実施形態からの変更例1とし、以下、本実施形態からの変更点についてのみ詳述する。
【0168】
はじめに、図30は、本実施形態からの変更例1における、図15におけるステップ1650のサブルーチンに係る、特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。本実施形態からの変更点は、ステップ1669(変1)であり、その目的は、ST終了後においても限定頻度中変動態様決定テーブルを参照し得るよう構成することである。即ち、ステップ1669で、特定遊技制御手段MP50は、限定頻度カウンタMN52cに所定回数{例えば、7回であり、即ち、確率変動遊技状態が終了した後においても、限定頻度時に選択され得る変動態様(変動時間)が継続して選択され得るよう構成するための継続回数}をセットして次の処理(ステップ1910の処理)に移行する。
【0169】
次に、図31は、本実施形態からの変更例1における、図19におけるステップ2250のサブルーチンに係る、演出内容決定処理のフローチャートである。本実施形態からの変更点は、ステップ2294(変1)及びステップ2296(変1)であり、その目的は、大当りとなる予定の第1主遊技側の保留がバトルST中に消化されない事態が発生した場合、バトルSTを延長し得るよう構成することである。即ち、ステップ2252でNoの場合、換言すると、STカウンタ値が4より大きい場合、ステップ2294(変1)で、装図表示内容決定手段SM21nは、第1主遊技保留内に特定保留(当否乱数区切り情報が当否区切り1である保留であって、即ち、確率変動遊技状態であっても非確率変動遊技状態であっても大当りとなる保留)が存在していないか否かを判定する。ステップ2294(変1)でYesの場合、ステップ2296(変1)で、装図表示内容決定手段SM21nは、当該変動は特定保留に係る変動ではないか否かを判定する。ステップ2296(変1)でYesの場合、ステップ2288に移行し、Noの場合にはステップ2256に移行する。尚、ステップ2294でNoの場合にもステップ2256に移行する。このように構成することで、STカウンタ値が4より大きい場合(ST終了後)においても、第1主遊技側に特定保留が存在する場合には、バトルSTにおいて実行される演出を実行し得るよう構成することができる。
【0170】
次に、図32は、本実施形態からの変更例1における、図24におけるステップ2650のサブルーチンに係る、演出内容決定処理のフローチャートである。本実施形態からの変更点は、ステップ2665−1(変1)及びステップ2665−2(変1)であり、その目的は、第1主遊技側の保留に特定保留である旨の情報を付与し得るよう構成することである。即ち、ステップ2662でNoの場合、換言すると、非時間短縮遊技状態中にて当選した特別遊技の実行中である場合、ステップ2665−1(変1)で、背景演出表示制御手段SM23は、当該バトルST抽選条件を充足している主遊技保留は当否乱数区切り情報が当否区切り1であり、且つ、第1主遊技側の保留であるか否かを判定する。ステップ2665−1(変1)でYesの場合、ステップ2665−2(変1)で、背景演出表示制御手段SM23は、当該当否乱数区切り情報が当否区切り1である保留に特定保留である情報を付加し、ステップ2666に移行する。尚、ステップ2665−1(変1)でNoの場合にも、ステップ2666に移行する。
【0171】
以上のように変更することで、本実施形態からの変更例1に係る遊技機によれば、主遊技保留内にバトルST抽選条件を充足した第1主遊技側の保留(確率変動遊技状態にて消化されると大当りとなる保留)が存在した場合に、当該第1主遊技側の保留が消化される前に、第2主遊技側の保留が生起したことによってバトルSTの終了後(確率変動遊技状態の終了後)に消化されることとなってしまった場合においても、当該第1主遊技側の保留が非確率変動遊技状態においても大当りとなる保留(当否乱数区切り情報が当否区切り1である保留)である場合には、バトルST終了後にバトルSTと同じ(もしくは類似)演出を実行し得るよう構成することで、遊技者に大当りとなる保留が存在することを報知することができ、遊技の興趣性が高まることとなる。
【0172】
(まとめ)
尚、以上の実施例において示した構成に基づき、以下のような概念を抽出(列記)することができる。但し、以下に列記する概念はあくまで一例であり、これら列記した概念の結合や分離(上位概念化)は勿論のこと、以上の実施例において示した更なる構成に基づく概念を、これら概念に付加してもよい。
【0173】
本概念(1)に係るぱちんこ遊技機は、
遊技球が入球可能な始動口(例えば、第1主遊技始動口A10)と、
識別情報を変動表示及び停止表示可能な識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)と、
情報を出力可能な情報出力部(例えば、演出表示装置SG)と、
遊技の進行を制御する主遊技部(例えば、主制御基板M)と、
情報出力部(例えば、演出表示装置SG)への情報出力を制御する副遊技部(例えば、副制御基板S)と
を備え、
主遊技部(例えば、主制御基板M)は、
始動口(例えば、第1主遊技始動口A10)への入球に基づき乱数を取得する乱数取得手段(例えば、乱数取得判定実行手段MJ20)と、
乱数取得手段(例えば、乱数取得判定実行手段MJ20)により乱数が取得された場合、識別情報の変動表示開始条件を充足するまで当該取得された乱数を一時記憶して保留が生起するよう制御する手段であって、生起する保留の上限数が予め定められた上限値となる乱数一時記憶手段(例えば、保留制御手段MJ30)と、
ある保留に関する識別情報の変動表示開始条件を充足した場合において、当該ある保留を消化して、当該ある保留に係る前記乱数に基づく当否判定結果に従い、識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)にて識別情報を変動表示させた後に停止識別情報を停止表示するよう制御する識別情報表示制御手段(例えば、遊技内容決定手段MN)と、
識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)に停止表示された停止識別情報が所定態様であった場合、遊技者にとって有利な特別遊技を実行し得る特別遊技制御手段(例えば、特別遊技制御手段MP30)と
を備え、
ある保留が新たに生起した場合には、当該ある保留に関する識別情報の変動表示開始条件を充足するよりも前に、当該ある保留に係る前記乱数に関する保留情報を副遊技部(例えば、副制御基板S)へ送信可能に構成されており、
副遊技部(例えば、副制御基板S)は、
特別遊技の実行中において未消化となる保留が存在している場合、当該未消化となる保留のいずれかが消化されるよりも前に、当該未消化となる保留に関する前記保留情報に基づき、新たな特別遊技の実行可能性を事前判定し得るよう構成されており、
識別情報が変動表示された後から停止表示されるまでを変動単位とし、特別遊技の実行終了後から変動単位の繰り返し回数が前記上限値に到達するまでは、各変動単位が行われている期間中において、前記事前判定した新たな特別遊技の実行可能性に基づく保留先読み情報を情報出力部(例えば、演出表示装置SG)にて出力可能に構成されており、
前記事前判定の際に、前記未消化となる保留の数が前記上限値に満たない場合、不足分となる保留に関しては、当否判定結果が非当選となるものと仮定し、且つ、前記未消化となる保留であっても、所定の事前判定禁止条件を充足する場合には、当否判定結果が非当選となるものと仮定した上で、新たな特別遊技の実行可能性を事前判定するよう構成されており、
副遊技部(例えば、副制御基板S)は、更に、
特別遊技の実行終了後から変動単位の繰り返し回数が前記上限値に到達することとなる最終変動単位が開始された時点で、更なる未消化となる保留が存在している場合、当該更なる未消化となる保留に関する前記保留情報に基づき、新たな特別遊技の実行可能性を再び事前判定し得るよう構成されており、且つ、最終変動単位が行われている期間中において出力すべき保留先読み情報の出力内容を、当該再び事前判定した新たな特別遊技の実行可能性に基づき変更し得るよう構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
【0174】
本概念(2)に係るぱちんこ遊技機は、
遊技球が入球可能な始動口(例えば、第1主遊技始動口A10)と、
識別情報を変動表示及び停止表示可能な識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)と、
情報を出力可能な情報出力部(例えば、演出表示装置SG)と、
遊技の進行を制御する主遊技部(例えば、主制御基板M)と、
情報出力部(例えば、演出表示装置SG)への情報出力を制御する副遊技部(例えば、副制御基板S)と
を備え、
主遊技部(例えば、主制御基板M)は、
始動口(例えば、第1主遊技始動口A10)への入球に基づき乱数を取得する乱数取得手段(例えば、乱数取得判定実行手段MJ20)と、
乱数取得手段(例えば、乱数取得判定実行手段MJ20)により乱数が取得された場合、識別情報の変動表示開始条件を充足するまで当該取得された乱数を一時記憶して保留が生起するよう制御する乱数一時記憶手段(例えば、保留制御手段MJ30)と、
ある保留に関する識別情報の変動表示開始条件を充足した場合において、当該ある保留を消化して、当該ある保留に係る前記乱数に基づく当否判定結果に従い、識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)にて識別情報を変動表示させた後に停止識別情報を停止表示するよう制御する識別情報表示制御手段(例えば、遊技内容決定手段MN)と、
識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)に停止表示された停止識別情報が所定態様であった場合、遊技者にとって有利な特別遊技を実行し得る特別遊技制御手段(例えば、特別遊技制御手段MP30)と
を備え、
ある保留が新たに生起した場合には、当該ある保留に関する識別情報の変動表示開始条件を充足するよりも前に、当該ある保留に係る前記乱数に関する保留情報を副遊技部(例えば、副制御基板S)へ送信可能に構成されており、
副遊技部(例えば、副制御基板S)は、
識別情報が変動表示された後から停止表示されるまでを変動単位とし、特別遊技の実行終了後から変動単位の繰り返し回数が所定の上限値に到達するまでは、各変動単位が行われている期間中において、所定の情報を情報出力部(例えば、演出表示装置SG)にて出力可能に構成されており、
ある変動単位が行われている期間中における前記所定の情報として、当該ある変動単位における特別遊技の実行期待度を報知する第一情報を出力し、第一情報の出力後であって当該ある変動単位における特別遊技の実行可否が示唆又は報知された後においては、当該ある変動単位が開始された時点で存在している未消化となる保留に関する前記保留情報に基づく特別遊技の実行可能性を報知する第二情報を出力するよう構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
【0175】
本概念(3)に係るぱちんこ遊技機は、
遊技球が入球可能な始動口(例えば、第1主遊技始動口A10)と、
識別情報を変動表示及び停止表示可能な識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)と、
閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)と、
情報を出力可能な情報出力部(例えば、演出表示装置SG)と、
遊技の進行を制御する主遊技部(例えば、主制御基板M)と、
情報出力部(例えば、演出表示装置SG)への情報出力を制御する副遊技部(例えば、副制御基板S)と
を備え、
主遊技部(例えば、主制御基板M)は、
始動口(例えば、第1主遊技始動口A10)への入球に基づき乱数を取得する乱数取得手段(例えば、乱数取得判定実行手段MJ20)と、
前記乱数に基づく当否判定結果に従い、識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)にて識別情報を変動表示させた後に停止識別情報を停止表示するよう制御する識別情報表示制御手段(例えば、遊技内容決定手段MN)と、
識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)に停止表示された停止識別情報が所定態様であった場合、可変入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)への所定個数の入球があるか又は所定期間が経過するまで、可変入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)を遊技者にとって有利な状態とし得る単位遊技を一回又は複数回実行する特別遊技を実行可能な特別遊技制御手段(例えば、特別遊技制御手段MP30)と
を備え、
特別遊技の実行内容として、特別遊技が開始されてから初回の単位遊技が開始されるまでの開始待機期間と、最終回の単位遊技が終了してから特別遊技が終了するまでの終了待機期間とを有し、且つ、第一特別遊技内容と第一特別遊技内容よりも前記所定期間が短期間となる第二特別遊技内容とを有しており、第一特別遊技内容における終了待機期間は、第二特別遊技内容における開始待機期間と第二特別遊技内容におけるすべての単位遊技の実行に要する期間と第二特別遊技内容における終了待機期間との総和と、略同一となるよう構成されており、
副遊技部(例えば、副制御基板S)は、
第一特別遊技内容に基づく特別遊技の実行時であって終了待機期間中において出力する情報と、第二特別遊技内容に基づく特別遊技の実行中において出力する情報と、で同一となる情報を情報出力部(例えば、演出表示装置SG)にて出力可能に構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
【0176】
本概念(4)に係るぱちんこ遊技機は、
遊技球が入球可能な始動口(例えば、第1主遊技始動口A10)と、
識別情報を変動表示及び停止表示可能な識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)と、
閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)と、
情報を出力可能な情報出力部(例えば、演出表示装置SG)と、
遊技の進行を制御する主遊技部(例えば、主制御基板M)と、
情報出力部(例えば、演出表示装置SG)への情報出力を制御する副遊技部(例えば、副制御基板S)と
を備え、
主遊技部(例えば、主制御基板M)は、
始動口(例えば、第1主遊技始動口A10)への入球に基づき乱数を取得する乱数取得手段(例えば、乱数取得判定実行手段MJ20)と、
乱数取得手段(例えば、乱数取得判定実行手段MJ20)により乱数が取得された場合、識別情報の変動表示開始条件を充足するまで当該取得された乱数を一時記憶して保留が生起するよう制御する乱数一時記憶手段(例えば、保留制御手段MJ30)と、
ある保留に関する識別情報の変動表示開始条件を充足した場合において、当該ある保留を消化して、当該ある保留に係る前記乱数に基づく当否判定結果に従い、識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)にて識別情報を変動表示させた後に停止識別情報を停止表示するよう制御する識別情報表示制御手段(例えば、遊技内容決定手段MN)と、
識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)に停止表示された停止識別情報が所定態様であった場合、可変入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)への所定個数の入球があるか又は所定期間が経過するまで、可変入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)を遊技者にとって有利な状態とし得る単位遊技を一回又は複数回実行する特別遊技を実行可能な特別遊技制御手段(例えば、特別遊技制御手段MP30)と
を備え、
特別遊技の実行内容として、特別遊技が開始されてから初回の単位遊技が開始されるまでの開始待機期間と、最終回の単位遊技が終了してから特別遊技が終了するまでの終了待機期間とを有し、且つ、第一特別遊技内容と第一特別遊技内容よりも前記所定期間が短期間となる第二特別遊技内容とを有しており、第一特別遊技内容における終了待機期間は、第二特別遊技内容における開始待機期間と第二特別遊技内容におけるすべての単位遊技の実行に要する期間と第二特別遊技内容における終了待機期間との総和と、略同一となるよう構成されており、
ある保留が新たに生起した場合には、当該ある保留に関する識別情報の変動表示開始条件を充足するよりも前に、当該ある保留に係る前記乱数に関する保留情報を副遊技部(例えば、副制御基板S)へ送信可能に構成されており、
副遊技部(例えば、副制御基板S)は、
第一特別遊技内容に基づく特別遊技の実行時であって、終了待機期間の開始時において未消化となる保留が存在している場合、当該終了待機期間の開始時において、当該未消化となる保留に関する前記保留情報に基づき、新たな特別遊技の実行可能性を事前判定し得るよう構成されており、
第二特別遊技内容に基づく特別遊技の実行時であって、開始待機期間の開始時において未消化となる保留が存在している場合、当該開始待機期間の開始時において、当該未消化となる保留に関する前記保留情報に基づき、新たな特別遊技の実行可能性を事前判定し得るよう構成されており、
第一特別遊技内容に基づく特別遊技の実行時であって終了待機期間中において出力する情報と、第二特別遊技内容に基づく特別遊技の実行中において出力する情報と、で同一となる情報であって、前記事前判定した新たな特別遊技の実行可能性に基づき出力内容が決定される情報を情報出力部(例えば、演出表示装置SG)にて出力可能に構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
【0177】
本概念(5)に係るぱちんこ遊技機は、
遊技球が入球可能な第一始動口(例えば、第1主遊技始動口A10)と、
遊技球が入球可能な第二始動口(例えば、第2主遊技始動口B10)と、
第一識別情報を変動表示及び停止表示可能な第一識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)と、
第二識別情報を変動表示及び停止表示可能な第二識別情報表示部(例えば、第2主遊技図柄表示部B21g)と、
情報を出力可能な情報出力部(例えば、演出表示装置SG)と、
遊技の進行を制御する主遊技部(例えば、主制御基板M)と、
情報出力部(例えば、演出表示装置SG)への情報出力を制御する副遊技部(例えば、副制御基板S)と
を備え、
主遊技部(例えば、主制御基板M)は、
第一始動口(例えば、第1主遊技始動口A10)への入球に基づき第一乱数を取得する第一乱数取得手段(例えば、第1主遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐A)と、
第一乱数取得手段(例えば、第1主遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐A)により第一乱数が取得された場合、第一識別情報の変動表示開始条件を充足するまで当該取得された第一乱数を一時記憶して第一保留が生起するよう制御する第一乱数一時記憶手段(例えば、第1主遊技図柄保留手段MJ32‐A)と、
ある第一保留に関する第一識別情報の変動表示開始条件を充足した場合において、当該ある第一保留を消化して、当該ある第一保留に係る前記第一乱数に基づく当否判定結果に従い、第一識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)にて第一識別情報を変動表示させた後に停止識別情報を停止表示するよう制御する第一識別情報表示制御手段(例えば、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11‐C)と、
第二始動口(例えば、第2主遊技始動口B10)への入球に基づき第二乱数を取得する第二乱数取得手段(例えば、第2主遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐B)と、
第二乱数取得手段(例えば、第2主遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐B)により第二乱数が取得された場合、第二識別情報の変動表示開始条件を充足するまで当該取得された第二乱数を一時記憶して第二保留が生起するよう制御する第二乱数一時記憶手段(例えば、第2主遊技図柄保留手段MJ32‐B)と、
ある第二保留に関する第二識別情報の変動表示開始条件を充足した場合において、当該ある第二保留を消化して、当該ある第二保留に係る前記第二乱数に基づく当否判定結果に従い、第二識別情報表示部(例えば、第2主遊技図柄表示部B21g)にて第二識別情報を変動表示させた後に停止識別情報を停止表示するよう制御する第二識別情報表示制御手段(例えば、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11‐C)と、
第一識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)に停止表示された停止識別情報又は第二識別情報表示部(例えば、第2主遊技図柄表示部B21g)に停止表示された停止識別情報が所定態様であった場合、遊技者にとって有利な特別遊技を実行し得る特別遊技制御手段(例えば、特別遊技制御手段MP30)と
を備え、特別遊技が実行されておらず、第一識別情報及び第二識別情報が変動表示されていない場合において、第二保留が存在している場合には第一識別情報の変動表示開始条件が常に充足されない一方、第一保留が存在しているか否かに拘わらず第二識別情報の変動表示開始条件が充足され得るよう構成されており、
ある第一保留が新たに生起した場合には、当該ある第一保留に関する第一識別情報の変動表示開始条件を充足するよりも前に、当該ある第一保留に係る前記第一乱数に関する保留情報を副遊技部(例えば、副制御基板S)へ送信可能であり、ある第二保留が新たに生起した場合には、当該ある第二保留に関する第二識別情報の変動表示開始条件を充足するよりも前に、当該ある第二保留に係る前記第二乱数に関する保留情報を副遊技部(例えば、副制御基板S)へ送信可能に構成されており、
副遊技部(例えば副制御基板S、)は、
未消化となる第一保留が所定数存在していることを少なくとも含む所定条件を充足した場合には、当該所定条件を充足した時点で、当該未消化となる第一保留のみに関する前記保留情報に基づき、新たな特別遊技の実行可能性を事前判定し得るよう構成されており、
第一識別情報又は第二識別情報が変動表示された後から停止表示されるまでを変動単位とし、前記所定条件を充足した時点から変動単位の繰り返し回数が前記所定数に到達するまでは、各変動単位が行われている期間中において、前記事前判定した新たな特別遊技の実行可能性に基づく保留先読み情報を情報出力部(例えば、演出表示装置SG)にて出力可能に構成されており、
前記所定条件を充足した時点から変動単位の繰り返し回数が前記所定数に到達することとなる最終変動単位が開始されるまでの期間中において、新たに第二保留が生起した場合には、最終変動単位以降となる変動単位が行われている期間中においても、前記事前判定した新たな特別遊技の実行可能性に基づく保留先読み情報を出力し得るよう構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
【0178】
本概念(6)に係るぱちんこ遊技機は、
遊技球が入球可能な始動口(例えば、第1主遊技始動口A10)と、
識別情報を変動表示及び停止表示可能な識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)と、
閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)と、
情報を出力可能な情報出力部(例えば、演出表示装置SG)と、
遊技の進行を制御する主遊技部(例えば、主制御基板M)と、
情報出力部(例えば、演出表示装置SG)への情報出力を制御する副遊技部(例えば、副制御基板S)と
を備え、
主遊技部(例えば、主制御基板M)は、
始動口(例えば、第1主遊技始動口A10)への入球に基づき乱数を取得する乱数取得手段(例えば、乱数取得判定実行手段MJ20)と、
前記乱数に基づく当否判定結果に従い、識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)にて識別情報を変動表示させた後に停止識別情報を停止表示するよう制御する識別情報表示制御手段(例えば、遊技内容決定手段MN)と、
識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g)に停止表示された停止識別情報が所定態様であった場合、可変入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)への所定個数の入球があるか又は所定期間が経過するまで、可変入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)を遊技者にとって有利な状態とし得る単位遊技を一回又は複数回実行する特別遊技を実行可能な特別遊技制御手段(例えば、特別遊技制御手段MP30)と
を備え、
特別遊技の実行内容として、第一特別遊技内容と第一特別遊技内容よりも前記所定期間が短期間となる第二特別遊技内容とを有しており、第一特別遊技内容及び第二特別遊技内容のいずれかに基づき、特別遊技を実行可能に構成されており、
副遊技部(例えば、副制御基板S)は、
情報出力部(例えば、演出表示装置SG)へ出力する際の情報形式として複数種類の情報形式を有し、夫々の種類の情報形式は、識別情報の変動表示態様の種類に対応した情報出力内容の種類を複数種類有しており、且つ、ある種類の情報形式と当該ある種類とは異なる種類の情報形式とでは、識別情報の変動表示態様が同一種類であっても情報出力内容が異なるよう構成されており、
第一特別遊技内容に基づく特別遊技の実行終了後における情報形式の種類と、第二特別遊技内容に基づく特別遊技の実行終了後における情報形式の種類とが、同一種類のものとなり得るよう構成されている一方、当該同一種類のものとなった場合であっても、第一特別遊技内容に基づく特別遊技の実行終了後と第二特別遊技内容に基づく特別遊技の実行終了後とでは、ある同一種類の情報出力内容の選択率が異なるよう構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機。
【符号の説明】
【0179】
M 主制御基板、MJ 遊技用情報制御手段
MJ10 入球判定手段、MJ11−A 第1主遊技始動口入球判定手段
MJ11−B 第2主遊技始動口入球判定手段、MJ11−H 補助遊技始動口入球判定手段
MJ11−C10 第1大入賞口入球判定手段、MJ11−C20 第2大入賞口入球判定手段
MJ11−C22 特定領域入球判定手段、MJ20 乱数取得判定実行手段
MJ21−A 第1主遊技乱数取得判定実行手段、MJ21−B 第2主遊技乱数取得判定実行手段
MJ21−H 補助遊技乱数取得判定実行手段、MJ30 保留制御手段
MJ31 保留消化制御手段、MJ31j 変動開始条件充足判定手段
MJ32 図柄保留手段、MJ32−A 第1主遊技図柄保留手段
MJ32b−A 第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段、MJ32−B 第2主遊技図柄保留手段
MJ32b−B 第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段、MJ32−H 補助遊技図柄保留手段
MJ32b−H 補助遊技図柄保留情報一時記憶手段、MN 遊技内容決定手段
MN10 当否抽選手段、MN11−A 第1主遊技当否抽選手段
MN11ta−A 第1主遊技用当否抽選テーブル、MN11−B 第2主遊技当否抽選手段
MN11ta−B 第2主遊技用当否抽選テーブル、MN11−H 補助遊技当否抽選手段
MN11ta−H 補助遊技用当否抽選テーブル、MN20 特別遊技移行決定手段
MN40 図柄内容決定手段、MN41−A 第1主遊技図柄決定手段
MN41ta−A 第1主遊技図柄決定用抽選テーブル、MN41−B 第2主遊技図柄決定手段
MN41ta−B 第2主遊技図柄決定用抽選テーブル、MN41−H 補助遊技図柄決定手段
MN41ta−H 補助遊技図柄決定用抽選テーブル、MN50 変動態様決定手段
MN51−A 第1主遊技変動態様決定手段、MN51ta−A 第1主遊技変動態様決定用抽選テーブル
MN51−B 第2主遊技変動態様決定手段、MN51ta−B 第2主遊技変動態様決定用抽選テーブル
MN51−H 補助遊技変動態様決定手段、MN51ta−H 補助遊技変動態様決定用抽選テーブル
MN52 限定頻度変動態様決定手段、MN52ta 限定頻度中変動態様決定テ−ブル
MN52c 限定頻度カウンタ、MP 遊技進行手段
MP10 表示制御手段、MP11−C 第1・第2主遊技図柄制御手段
MP11t−C 第1・第2主遊技図柄変動管理用タイマ
MP11−H 補助遊技図柄制御手段、MP11t−H 補助遊技図柄変動管理用タイマMP20−B 第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段
MP21−B 第2主遊技始動口電動役物開閉条件判定手段、MP22t−B 第2主遊技始動口電動役物開放タイマ
MP30 特別遊技制御手段、MP31 条件判定手段
MP32 特別遊技内容決定手段、MP32ta 特別遊技内容参照テーブル
MP33 特別遊技実行手段、MP33−C 第1・第2大入賞口電動役物開閉制御手段
MP33c 入賞球カウンタ
MP34 特別遊技時間管理手段、MP34t 特別遊技用タイマ
MP34t2 特別得遊技開始デモタイマ、MP34t3 特別遊技終了デモタイマ
MP50 特定遊技制御手段、MP51 確変終了条件判定手段
MP51c 確変回数カウンタ、MP52 時短終了条件判定手段
MP52c 時短回数カウンタ、MB 遊技状態一時記憶手段
MB10−C 第1・第2主遊技状態一時記憶手段、MB11b−C 第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段
MB10−H 補助遊技状態一時記憶手段、MB11b−H 補助遊技図柄情報一時記憶手段
MB20b 特別遊技関連情報一時記憶手段、MB30b 特定遊技関連情報一時記憶手段
MT 情報送信制御手段、MT10 コマンド送信用バッファ
MH 賞球払出決定手段
A 第1主遊技周辺機器、A10 第1主遊技始動口
A11s 第1主遊技始動口入球検出装置、A20 第1主遊技図柄表示装置
A21g 第1主遊技図柄表示部、A21h 第1主遊技図柄保留表示部
B 第2主遊技周辺機器、B10 第2主遊技始動口
B11s 第2主遊技始動口入球検出装置、B11d 第2主遊技始動口電動役物
B20 第2主遊技図柄表示装置、B21g 第2主遊技図柄表示部
B21h 第2主遊技図柄保留表示部、C 第1・第2主遊技共用周辺機器
C10 第1大入賞口、C11s 第1大入賞口入賞検出装置
C11d 第1大入賞口電動役物、C20 第2大入賞口
C21s 第2大入賞口入賞検出装置、C21d 第2大入賞口電動役物
H 補助遊技周辺機器、H10 補助遊技始動口
H11s 補助遊技始動口入球検出装置、H20 補助遊技図柄表示装置
H21g 補助遊技図柄表示部、H21h 補助遊技図柄保留表示部
S 副制御基板、SM 演出表示制御手段(サブメイン制御基板)
SM10 表示情報受信手段、SM11b メイン側情報一時記憶手段
SM20 演出表示制御手段、SM21 装飾図柄表示制御手段
SM21n 装図表示内容決定手段、SM21ta 装図変動内容決定用抽選テーブル
SM21b 装図関連情報一時記憶手段、SM21t 演出用タイマ
SM22 装図保留情報表示制御手段、SM22b 装図保留情報一時記憶手段
SM23 背景演出表示制御手段、SM23n 背景演出表示内容決定手段
SM23b 背景演出関連情報一時記憶手段、SM24 予告演出表示制御手段
SM24n 予告演出表示内容決定手段、SM24b 予告演出関連情報一時記憶手段
SM24c2 STカウンタ、SM25 リーチ演出表示制御手段
SM25n リーチ演出表示内容決定手段、SM25b リーチ演出関連情報一時記憶手段
SM40 情報送受信制御手段
SS 演出表示手段(サブサブ制御部)、SS10 副情報送受信制御手段
SS20 画像表示制御手段、SS21b 画像表示関連情報一時記憶手段
SG 演出表示装置、SG10 表示領域
SG11 装飾図柄表示領域、SG12 第1保留表示部
SG13 第2保留表示部
SB サブ入力ボタン、SBs サブ入力ボタン入力検出装置
KH 賞球払出制御基板
KE 賞球払出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
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