【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の溶湯保持炉の溶湯処理システムは、昇温された溶湯(10)から不純物を除去する溶湯処理室(23)と、前記溶湯処理室(23)と左右2つの流路(33,34)を介して接続され前記溶湯処理室(23)で処理された溶湯(10)を出湯する汲出し室(24)を少なくとも備える溶湯保持炉(20)の溶湯処理システムであって、
昇降自在かつ回転自在の回転軸(41)と、その回転軸(41)の先端に取付けられ、前記溶湯処理室(23)内で前記2つの流路(33,34)間に配置される旋回体(42)からなる撹拌装置(40)と、
前記撹拌装置(40)の回転軸(41)を、前記旋回体(42)の高さが少なくとも前記溶湯処理室(23)低部
で前記2つの流路(33,34)の上面位置よりも低い第一基準位置(101)の高さから、その第一基準位置(101)よりも高くかつ前記2つの流路(33,34)の
上面位置よりも高い第二基準位置(102)の高さになるまで昇降させることができる昇降駆動装置(50)と、
前記撹拌装置(40)の回転軸(41)を回転させる回転駆動装置(60)と
前記撹拌装置(40)の旋回体(42)の中心部に形成された開口穴(42a)から不活性ガスを噴出させるガス噴射装置(70)と、
操業時には、前記昇降駆動装置(50)を介して前記旋回体(42)の高さを前記第二基準位置(102)にした状態で前記回転駆動装置(60)及び前記ガス噴射装置(70)を介して不活性ガスを噴出させつつ前記旋回体(42)を回転させ、
非操業時又はユーザからの指示があると、前記昇降駆動装置(50)を介して前記旋回体(42)の高さを前記第一基準位置(101)にした状態で前記回転駆動装置(60)及び前記ガス噴射装置(70)を介して不活性ガスを噴出させつつ前記旋回体(42)を回転させる制御装置(80)を、
備え、
その上、前記撹拌装置(40)の旋回体(42)の中心部に形成された開口穴(42a)から前記不活性ガスとともに溶湯処理用フラックスを投入するフラックス供給装置(90)をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、昇温された溶湯(10)から不純物を除去する溶湯処理室(23)と、前記溶湯処理室(23)と左右2つ
で一方(33)よりも他方(34)の方が高い位置にある流路(33,34)を介して接続され前記溶湯処理室(23)で処理された溶湯(10)を出湯する汲出し室(24)を少なくとも備える溶湯保持炉(20)の溶湯処理システムであって、
昇降自在かつ回転自在の回転軸(41)と、その回転軸(41)の先端に取付けられ、前記溶湯処理室(23)内で前記2つの流路(33,34)間に配置される旋回体(42)からなる撹拌装置(40)と、
前記撹拌装置(40)の回転軸(41)を、前記旋回体(42)の高さが少なくとも前記溶湯処理室(23)低部
で前記2つの流路(33,34)の上面位置よりも低い第一基準位置(101)の高さから、その第一基準位置(101)よりも高くかつ前記2つの流路(33,34)のうち一方の流路(33)の
上面位置よりも高い第二基準位置(102)の高さになるまで昇降させることができる昇降駆動装置(50)と、
前記2つの流路(33,34)のうち他方の流路(34)と前記旋回体(42)の間でかつ前記他方の流路(34)より高い位置まで立設された仕切り壁(100)と、
前記撹拌装置(40)の回転軸(41)を回転させる回転駆動装置(60)と
前記撹拌装置(40)の旋回体(42)の中心部に形成された開口穴(42a)から不活性ガスを噴出させるガス噴射装置(70)と、
操業時には、前記昇降駆動装置(50)を介して前記旋回体(42)の高さを前記第二基準位置(102)にした状態で前記回転駆動装置(60)及び前記ガス噴射装置(70)を介して不活性ガスを噴出させつつ前記旋回体(42)を回転させ、
非操業時又はユーザからの指示があると、前記昇降駆動装置(50)を介して前記旋回体(42)の高さを前記第一基準位置(101)にした状態で前記回転駆動装置(60)及び前記ガス噴射装置(70)を介して不活性ガスを噴出させつつ前記旋回体(42)を回転させる制御装置(80)を、
備え、
その上、前記撹拌装置(40)の旋回体(42)の中心部に形成された開口穴(42a)から前記不活性ガスとともに溶湯処理用フラックスを投入するフラックス供給装置(90)をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の溶湯保持炉の溶湯処理方法は、昇温された溶湯(10)から不純物を除去する溶湯処理室(23)と、前記溶湯処理室(23)と左右2つの流路(33,34)を介して接続され前記溶湯処理室(23)で処理された溶湯(10)を出湯する汲出し室(24)を少なくとも備える溶湯保持炉(20)の溶湯処理方法であって、
前記溶湯処理室(23)内で前記2つの流路(33,34)間に、回転軸(41)の先端に旋回体(42)が取付けられてなる撹拌装置(40)の前記旋回体(42)を配置するとともに前記旋回体(42)の中心部に形成された開口穴(42a)から不活性ガスを噴出させるようにして、
操業時には、前記旋回体(42)の高さを前記2つの流路(33,34)の
両方の上面位置よりも高い位置にした状態で不活性ガスを噴出させつつ前記旋回体(42)を回転させ、
非操業時又はユーザからの指示があると、前記旋回体(42)の高さを前記2つの流路(33,34)の
上面位置と同等の位置あるいはそれら2つの流路(33,34)の
上面位置よりも低い位置にした状態で不活性ガスを噴出させつつ前記旋回体(42)を回転させるようにし、
その上、前記撹拌装置(40)の旋回体(42)の中心部に形成された開口穴(42a)から前記不活性ガスとともに溶湯処理用フラックスを投入するようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、
本発明の溶湯保持炉の溶湯処理方法は、昇温された溶湯(10)から不純物を除去する溶湯処理室(23)と、前記溶湯処理室(23)と左右2つで一方(33)よりも他方(34)の方が高い位置にある流路(33,34)を介して接続され前記溶湯処理室(23)で処理された溶湯(10)を出湯する汲出し室(24)を少なくとも備える溶湯保持炉(20)の溶湯処理方法であって、
前記溶湯処理室(23)内で前記2つの流路(33,34)間に、回転軸(41)の先端に旋回体(42)が取付けられてなる撹拌装置(40)の前記旋回体(42)を配置するとともに前記旋回体(42)の中心部に形成された開口穴(42a)から不活性ガスを噴出させるようにして、
操業時には、前記旋回体(42)の高さを前記2つの流路(33,34)の一方(33)の上面位置よりも高い位置にした状態で不活性ガスを噴出させつつ前記旋回体(42)を回転させ、
非操業時又はユーザからの指示があると、前記旋回体(42)の高さを前記2つの流路(33,34)の上面位置よりも低い位置にした状態で不活性ガスを噴出させつつ前記旋回体(42)を回転させるようにし、
その上、前記撹拌装置(40)の旋回体(42)の中心部に形成された開口穴(42a)から前記不活性ガスとともに溶湯処理用フラックスを投入するようにしたことを特徴とする。
【0013】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、回転軸の先端に取付けられ、中心部から不活性ガスが噴出される旋回体の高さを、溶湯処理室内において、通常の操業時には、溶湯処理室と汲出し室を連通する2つの流路よりも高い第二基準位置に設定し、非操業時又はユーザからの指示があると旋回体の高さを、溶湯処理室低部の第一基準位置の高さに設定するようにしたので、週末(休日)などの非操業時(ユーザからの指示があった場合も強制的)には、旋回体を溶湯処理室低部に設定した後、不活性ガスを噴出させつつ旋回体を回転(正転だけでなく逆転も含む)させるようにすることで溶湯の脱ガス処理を溶湯の底から広い範囲にわたって実施することができる。
しかも、溶湯処理室と汲出し室は2つの流路で連通され溶湯が循環されるようにしているので、2つの部屋内における溶湯の清浄化が自動的に実施され、経時的に溶湯に不純物が溜まり製品が劣化するといった恐れを防止することができる。
そして、操業時においても同じ溶湯処理室で不活性ガスを噴出させつつ旋回体を回転させることによって溶湯の脱ガス処理を実施するので不純物を効率的に除去することができる。
【0015】
また、これに加えて、旋回体の中心部に形成された開口穴から不活性ガスとともに溶湯処理用フラックスを投入することによりフラックスによる脱滓処理についても溶湯の広範囲にわたって実施することができる。なお、フラックスの残渣は溶湯処理室及び汲出し室の溶湯表面でそれぞれ回収される。
そして、操業時においても同じ溶湯処理室でフラックスによる脱滓処理が実施されるので溶湯が清浄化される。しかも、操業時には旋回体の高さは、溶湯処理室と汲出し室を連通する2つの流路よりも高い第二基準位置に設定してあるので、フラックスの残渣が汲出し室の方に浸入することは抑制され、フラックスが製品に混入することも防止される。
【0016】
また、本発明によれば、溶湯処理室と汲出し室を連通する2つの流路の高さが異なる場合、旋回体の高さを溶湯処理室低部の第一基準位置の高さから、その第一基準位置よりも高くかつ一方の流路の位置よりも高い第二基準位置の高さになるまで昇降させるようにし、他方の流路より高い位置まで仕切り壁を立設したので、操業時に旋回体を他方の流路の位置より低い位置にしたとしても処理後のフラックスが溶湯処理室側から汲出し室側に流れることは防止され、製品に混入する危険性も回避されます。
【0017】
なお、本発明のように、溶湯処理室内に撹拌装置の旋回体を配置して、操業時と非操業時には旋回体の高さを変えることによって効率的に溶湯を清浄化するものは、上述した特許文献には全く記載されていない。