特許第6360042号(P6360042)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6360042隣接する組織層を横断するアクセスのための方法およびデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6360042
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】隣接する組織層を横断するアクセスのための方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
   A61B18/14
【請求項の数】17
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2015-512662(P2015-512662)
(86)(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公表番号】特表2015-518741(P2015-518741A)
(43)【公表日】2015年7月6日
(86)【国際出願番号】US2013038502
(87)【国際公開番号】WO2013173045
(87)【国際公開日】20131121
【審査請求日】2016年4月26日
(31)【優先権主張番号】61/648,544
(32)【優先日】2012年5月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/727,629
(32)【優先日】2012年11月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/767,577
(32)【優先日】2013年2月21日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】コーン, シス
(72)【発明者】
【氏名】レプル, ケケ
(72)【発明者】
【氏名】ドノバン, ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ビンモーラー, ケネス エフ.
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0111704(US,A1)
【文献】 特開平06−142111(JP,A)
【文献】 特表昭57−500592(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/138277(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0004506(US,A1)
【文献】 米国特許第5257990(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12−18/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリであって、前記カテーテルアセンブリは、
カテーテル本体であって、前記カテーテル本体は、近位端、遠位端、および前記近位端と前記遠位端との間を延びる中心通路を有する、カテーテル本体と、
前記カテーテル本体の遠位端近傍に位置付けられた先端であって、前記先端は患者内の組織を切除する伝導性部分を有し、前記伝導性部分は、同心リングを含む第1の切除特徴と、前記第1の切除特徴から、前記第1の切除特徴の外径よりも大きな外径を有する前記先端の領域に向かって近位側に前記カテーテル本体の長手方向において延在する1つ以上の突起とを含、前記伝導性部分は、電気外科手術用発電機に電気的に連結されるように構成され、それぞれの前記突起の組織から暴露された部分が遠位先端の最大外径に達しないことによって、前記患者の組織内に作製される切目を、先端の外径の最大値より若干短くする、先端と
を備える、カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の切除特徴および1つ以上の突起は、弧状構成を備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記先端は、ガイドワイヤ管腔を有していない、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記カテーテルは、ガイドワイヤ管腔をさらに備え、前記同心リングは、前記ガイドワイヤ管腔を中心として配置され、前記ガイドワイヤ管腔から絶縁されるように構成される、請求項に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記1つ以上の外向きに延在する突起は、前記第1の切除特徴から最大半径方向位置まで延在し、前記最大半径方向位置は、半径方向位置と前記遠位先端の中心点との間の長さを画定し、前記長さは、前記先端の外径の50%未満である、請求項4に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記伝導性部分は、ステンレス鋼から作製された外部部分と、前記外部部分に電気的に連結され、電気外科手術用発電機に電気的に連結されるように構成される、銅を含む、内部部分とを含む、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の切除特徴から前記先端の外径に向かって外向きに延在する前記1つ以上の突起は、前記先端の最大直径に隣接する被覆された部分を含む、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項8】
電気外科手術用発電機は、約50ワット〜約100ワットの電力を前記先端の伝導性部分に供給するように構成される、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記伝導性部分は、2つの突起を含む、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記伝導性部分は、4つの突起を含む、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項11】
ステントを保持するように構成された前記カテーテル本体内のコンパートメントをさらに備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記カテーテル本体内のコンパートメント内にステントをさらに備え、前記ステントは、自己拡張式ステントであり、前記自己拡張式ステントは、可動シースによって半径方向に制約される、請求項11に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項13】
前記ステントは、遠位および近位二重壁フランジを形成するために拡張するように構成される、請求項12に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項14】
前記ステントは、約400グラムを上回る引き抜き強度を有する、請求項13に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項15】
前記カテーテルは、内視鏡に取り付けられるように構成される、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項16】
前記電気外科手術用発電機によって前記第1の切除特徴および前記1つ以上の突起に提供されるエネルギーを制御するように構成される、制御ハンドルをさらに備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記カテーテルアセンブリは、前記遠位先端と係合され、前記カテーテル本体の中心通路内を移動するように構成される、内側カテーテルシャフトをさらに備え、前記内側カテーテルシャフトおよび遠位先端は、前記カテーテル本体から可撤性であるように構成される、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2012年5月17日に出願された米国仮出願第61/648,544号、2012年11月16日に出願された米国仮出願第61/727,629号、および2013年2月21日に出願された米国仮出願第61/767,577号に対して優先権を主張する。上記文献の各々の開示内容は、その全体として本明細書において参照することによって援用される。
【0002】
本出願は、2011年10月25日に出願された米国出願第13/281,410号、2012年1月31日に出願された米国出願第13/363,297号、2010年5月3日に出願された米国出願第12/772,762号、2010年5月28日に出願された米国出願第12/790,553号、2009年4月21日に出願された米国出願第12/427,254号、および2009年4月21日に出願された米国出願第12/427,215号に関連する。上記文献の開示内容は、本明細書において参照することによって援用される。
【0003】
(参照による引用)
本明細書に記載の全ての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が、具体的かつ個々に、参照することによって組み込まれることが示される場合と同様に参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0004】
(分野)
本開示は、概して、医療方法および装置に関する。より具体的には、本開示は、隣接する組織層に穿刺し、結果として生じる穿孔を拡大するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0005】
(背景)
いくつかの腔間および腔内内視鏡下手技は、アンカまたはステントの精密な留置を要求する。例えば、いくつかの手技は、第1の器官または構造、例えば、食道、胃、十二指腸、小腸、または大腸を通して、胃腸(GI)管に進入し、アンカまたはステントを隣接する器官および管腔または組織構造、例えば、GI管、胆管、膵管、胆嚢、膵臓、嚢胞、偽性嚢胞、膿瘍、および同等物の隣接する部分に送達することによって行われてもよい。主に、GI管内での使用が意図されるが、そのような方法および装置はまた、尿路、例えば、膀胱および尿管、肺気道、例えば、気管および気管支、ならびに胆道、例えば、胆管および胆嚢の一部へおよびそこからのアクセスのためにも同様に使用されることができる。
【0006】
管内ステントは、一般に、アクセス、ドレナージ、または他の目的のために、閉鎖された脈管の開放を促進するために使用される。組織アンカは、隣接する組織または器官を固着させるために使用される。中心管腔を含む、管腔間組織アンカは、隣接する導管、器官、または管腔間の流体連通を促進するために使用される。多くの場合、特に、組織アンカまたはステントが、近位および/または遠位端に境界明瞭な係留要素を有し、デバイスが、隣接する管腔を固着するために使用されるとき、組織アンカまたはステントの精密な留置が、必要である。
【0007】
ステントまたは他の組織アンカを隣接する身体管腔、器官、または他の構造間で展開するとき、典型的には、それを通してアクセスが確立される、第1の身体管腔の壁と、手技のための標的である、第2の身体管腔の壁の両方を穿刺する必要がある。最初に、そのようなアクセス穿孔を形成するとき、アクセス身体管腔および標的身体管腔の一方または両方から、限定されないが、腹膜腔を含む、周囲空間内への漏出の有意なリスクが存在する。いくつかの手技、例えば、経胃または経十二指腸胆管アクセスを伴うものでは、周囲組織および体腔内への体液の損失は、実質的リスクを患者に呈し得る。リスクは、通常、針を用いて、管腔壁を穿刺し、初期アクセスを得るためだけではなく、続いて、例えば、初期アクセスを確立するために使用される針にわたって先細拡張器を通過させることによって、初期穿孔を拡大または膨張させるためにも必要であるとき、増大し得る。初期組織穿孔の拡張は、付加的損傷を組織穿孔に生じさせ得、漏出の付加的機会となる。
【0008】
したがって、初期管腔壁穿孔を確立し、続いて、体液漏出のリスクを最小限にしながら、ステント、アンカを展開するために、または他の目的のために、該穿孔を膨張させることが望ましいであろう。また、初期管腔壁穿孔を囲繞する組織への外傷および損傷を最小限にしながら、身体管腔へのアクセスを改良することが望ましい。さらに、漏出のリスクを最小限にしながら、隣接する身体管腔または空洞にアクセスするために、第1の身体管腔内に存在する内視鏡から展開可能な改良されたプロトコルおよびアクセスツールを提供することが望ましいであろう。そのようなアクセスツールおよびプロトコルは、種々の手技、例えば、隣接する管腔壁間へのステントまたは他の組織アンカの留置と互換性があるべきであって、好ましくは、アクセス手技の間、ツールを交換する必要性を低減または排除するであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(本開示の要約)
第1および第2の身体管腔の対向する第1および第2の管腔壁を通して、カテーテルを遠位に前進させるための方法が、本明細書に開示される。本方法は、第1の管腔壁に近位の遠位先端を伴う、カテーテルを位置付けることであって、カテーテルは、ステントを含む、ことと、電流を遠位先端の伝導性部分に提供することと、カテーテルの遠位先端を第1および第2の管腔壁を通して遠位に前進させ、それを通して通路を作成することであって、遠位先端の伝導性部分は、第1の切除特徴と、第1の切除特徴から遠位先端の外径に向かって延在する1つ以上の突起とを含む、ことと、ステントの遠位フランジを第2の身体管腔内で展開することと、遠位フランジを近位に抜去し、第1および第2の管腔壁を相互に向かって引張することとを含む。
【0010】
本方法は、ステントの近位フランジを第1の身体管腔内に解放することを含むことができる。本方法は、カテーテルを位置付けるのに先立って、カテーテルを内視鏡に取り付けることを含むことができる。
【0011】
本方法はまた、カテーテルの位置付けに先立って、針を使用して、第1および第2の身体管腔内に孔を形成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテルは、ガイドワイヤを使用して、位置付けられることができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、カテーテルを位置付けるために使用されず、遠位先端は、ガイドワイヤ管腔を有していない。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の切除特徴および1つ以上の突起は、弧状構成を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の切除特徴は、カテーテルの遠位先端内の管腔と同心である、同心リングを備える。いくつかの実施形態では、カテーテルは、ガイドワイヤを中心として配置され、位置付けは、ガイドワイヤに沿って、カテーテルを前進させることを含み、同心リングは、ガイドワイヤを中心として配置されるように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、カテーテルは、ステントを半径方向に拘束するシースを含み、ステントは、自己拡張式ステントである。近位および遠位フランジの展開は、シースを後退させ、ステントの近位および遠位フランジが拡張することを可能にすることを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、近位に抜去するのに先立って、遠位フランジの展開を検証することを含む。遠位フランジの展開の検証は、超音波を使用して行われることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、遠位先端を第1および第2の管腔壁を通して前進させ、それを通した通路を作成することは、第1の管腔壁内に第1のパターン化された孔および第2の管腔壁内に第2のパターン化された孔を形成する。第1および第2のパターン化された孔は、遠位先端の最大直径未満の直径を有することができる。第1および第2のパターン化された孔はそれぞれ、中心孔から放射状に広がる1つ以上の突起を伴う、中心孔を含むことができる。
【0015】
第1の身体管腔は、消化管内にあることができる。いくつかの実施形態では、第1の身体管腔は、食道、胃、十二指腸、空腸、小腸、大腸、結腸、および直腸から成る群から選択される。第2の身体管腔は、消化管または胆樹の一部であることができる。いくつかの実施形態では、第2の身体管腔は、食道、胃、十二指腸、空腸、小腸、大腸、結腸、胆管、膵管、胆嚢、および膵臓から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、第1および第2の身体管腔は、結腸の区画である。いくつかの実施形態では、第1の身体管腔は、胃または十二指腸であって、第2の身体管腔は、胆嚢である。いくつかの実施形態では、第1および第2の身体管腔は、胃穹窿部および十二指腸または空腸の区画である。
【0016】
本方法は、第1および第2の身体管腔間に吻合を形成することを含むことができる。本方法は、吻合を形成後、ステントを除去することを含むことができる。
【0017】
カテーテルアセンブリが、本明細書に開示される。カテーテルアセンブリは、近位端、遠位端、およびそれを通した中心通路を有する、カテーテル本体と、カテーテル本体の遠位端近傍に位置付けられる先端であって、第1の切除特徴と、第1の切除特徴から先端の外径に向かって外向きに延在する、1つ以上の突起とを含む、伝導性部分を有し、伝導性部分は、電気外科手術用発電機に電気的に連結されるように構成される、先端とを含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1の切除特徴および1つ以上の突起は、弧状構成を有する。いくつかの実施形態では、第1の切除特徴は、同心リングを備える。いくつかの実施形態では、カテーテルは、ガイドワイヤ管腔を有し、同心リングは、ガイドワイヤ管腔を中心として配置され、そこから絶縁されるように構成される。いくつかの実施形態では、先端は、ガイドワイヤ管腔を有していない。
【0019】
いくつかの実施形態では、伝導性部分は、2つの突起を含む。いくつかの実施形態では、伝導性部分は、4つの突起を含む。いくつかの実施形態では、伝導性部分は、ステンレス鋼から作製された外部部分と、外部部分に電気的に連結され、電気外科手術用発電機に電気的に連結されるように構成される、銅を含む、内部部分とを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、1つ以上の外向きに延在する突起は、第1の切除特徴から最大半径方向位置まで延在し、最大半径方向位置は、半径方向位置と遠位先端の中心点との間の長さを画定し、長さは、先端の外径の50%未満である。いくつかの実施形態では、第1の切除特徴から先端の外径に向かって外向きに延在する1つ以上の突起は、先端の最大直径に隣接する被覆された部分を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、カテーテルは、ステントを保持するように構成される、カテーテル本体内のコンパートメントを含む。ステントは、カテーテル本体内のコンパートメント内に含まれることができる。ステントは、自己拡張式であることができる。自己拡張式ステントは、可動シースによって半径方向に制約されることができる。ステントは、遠位および近位二重壁フランジを形成するために拡張されるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、ステントは、約400グラムを上回る引き抜き強度を有することができる。
【0022】
カテーテルは、内視鏡に取り付けられるように構成されることができる。カテーテルはまた、電気外科手術用発電機によって第1の切除特徴および1つ以上の突起に提供されるエネルギーを制御するように構成される、制御ハンドルを含むことができる。電気外科手術用発電機は、約50ワット〜約100ワットの電力を先端の伝導性部分に供給するように構成されることができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、遠位先端と係合され、カテーテル本体の中心通路内のカテーテル本体に対して移動するように構成される、内側カテーテルシャフトを含む。内側カテーテルシャフトおよび遠位先端は、カテーテル本体から可撤性であるように構成されることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、カテーテルを第1の身体管腔の管腔壁を通して遠位に前進させるための方法が、提供される。本方法は、第1の身体管腔の管腔壁に近位の遠位先端を伴う、外側管状本体および内側本体を備える、カテーテルを位置付けることと、電流を遠位先端の伝導性部分に提供することと、外側管状本体の一部とともに、カテーテルの遠位先端を第1の管腔壁を通して遠位に前進させ、それを通した通路を作成することであって、遠位先端の伝導性部分は、第1の切除特徴と、第1の切除特徴から遠位先端の外径に向かって延在する1つ以上の突起とを含む、ことと、内側本体および遠位先端を外側管状本体を通して抜去し、外側管状本体の一部を第1の身体管腔の管腔壁内の通路内に残すこととを含む。第1の管腔壁は、経胃壁または経十二指腸壁であることができる。本方法は、遠位に前進させる間に、偽性嚢胞内に孔を形成することを含むことができる。本方法はまた、カテーテル、ステント、またはドレナージデバイスを外側管状本体を通して、偽性嚢胞内の孔内に通過させることを含むことができる。
【0025】
位置付けは、ガイドワイヤを第1の身体管腔の管腔壁の標的場所に追従させることを含むことができる。第1の切除特徴は、カテーテルの遠位先端内の管腔と同心である、同心リングであることができる。第1の切除特徴および1つ以上の突起は、弧状構成であることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、本方法は、ステントの遠位フランジを偽性嚢胞内で展開し、ステントの近位フランジを経胃壁または経十二指腸壁と接触して展開することを含む。
【0027】
本発明の新規特徴は、以下の請求項に詳細に記載される。本発明の特徴および利点のさらなる理解が、本発明の原理が利用される例証的実施形態を記載する、以下の発明を実施するための形態と、付随の図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本開示の原理に従って構築されたカテーテルの斜視図である。
図2図2Aは、図1のカテーテルの遠位先端の一実施形態を図示する。図2Bは、図1のカテーテルのハンドルの一実施形態を図示する。
図3A図3A−3Cは、ある実施形態による、カテーテルの遠位先端の種々の図を図示する。
図3B図3A−3Cは、ある実施形態による、カテーテルの遠位先端の種々の図を図示する。
図3C図3A−3Cは、ある実施形態による、カテーテルの遠位先端の種々の図を図示する。
図4図4Aは、ある実施形態による、カテーテルの遠位先端の画像である。図4Bは、先行技術カテーテル先端の画像である。
図5-1】図5A−5Eは、ある実施形態による、対向する管腔壁を穿刺するための図1のカテーテルの使用を図示する。
図5-2】図5A−5Eは、ある実施形態による、対向する管腔壁を穿刺するための図1のカテーテルの使用を図示する。
図6-1】図6A−6Eは、ある実施形態による、遠位先端の種々の図を図示する。
図6-2】図6A−6Eは、ある実施形態による、遠位先端の種々の図を図示する。
図7図7A−7Dは、ある実施形態による、遠位先端の種々の図を図示する。
図8図8A−8Bは、ある実施形態による、遠位先端の種々の図を図示する。
図9図9A−9Bは、ある実施形態による、遠位先端の種々の図を図示する。
図10図10A−10Bは、ある実施形態による、遠位先端の種々の図を図示する。
図11図11A−11Bは、ある実施形態による、遠位先端の種々の図を図示する。
図12図12A−12Bは、ある実施形態による、遠位先端の種々の図を図示する。
図13図13A−13Cは、実施形態による、付加的遠位先端設計を図示する。
図14A図14A−14Dは、実施形態による、付加的遠位先端設計を図示する。
図14B図14A−14Dは、実施形態による、付加的遠位先端設計を図示する。
図14C図14A−14Dは、実施形態による、付加的遠位先端設計を図示する。
図14D図14A−14Dは、実施形態による、付加的遠位先端設計を図示する。
図15-1】図15A−15Fは、実施形態による、付加的遠位先端設計を図示する。
図15-2】図15A−15Fは、実施形態による、付加的遠位先端設計を図示する。
図16図16A−16Hは、本明細書に開示されるデバイスによって作製される種々の組織アクセスパターンを図示する。
図17図17は、図3A−3Cに図示される先端を使用して作製される組織アクセスパターンの画像である。
図18図18A−18Fは、実施形態による、本明細書に開示されるデバイスを使用して送達され得る、ステントの種々の構成を図示する。
図19図19A−19Iは、実施形態による、本明細書に開示されるデバイスを使用して送達され得る、ステントの種々の構成を図示する。
図20図20A−20Bは、ある実施形態による、ステント構成を図示する。
図21図21A−21Dは、実施形態による、本明細書に開示されるデバイスを使用して送達され得る、ステントの種々の構成を図示する。
図22図22A−22Bは、ある実施形態による、ステントの寸法を伴う、図面である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(詳細な説明)
改良されたカテーテル先端設計が、本明細書に開示される。本明細書に開示される設計は、先行技術設計に優るいくつかの利点をもたらす。本明細書に開示されるデバイスは、以前の設計より迅速かつ効率的に、周囲組織への漏出、外傷、および熱損傷が少なく、組織を通して切除することができる。従来の鈍的先端設計は、過剰加熱を生じさせ得る、より高い電力を要求し、また、標的面積に隣接する組織を損傷し得る。先行技術先端設計はまた、組織を切除するために、より長い時間量を要求し得る。暴露時間が長いほど、組織への熱損傷をさらに悪化させ得る。先行技術先端設計に関する問題の多くを克服する、改良されたカテーテル先端設計が望ましい。
【0030】
図1のデバイス10は、ノブ16およびロック20を伴う、第1のスライドアクチュエータ15と、ロック22を伴う、第2のスライドアクチュエータ18とを伴う、本体14を有する、制御ハンドル12と、スコープ係止機構24と、電気プラグ23と、カテーテル本体26と、シース27と、シャフト28と、ステントロック30と、遠位先細先端32と、ステントまたは他の組織アンカ34(図2A)とを含む。図2Aは、遠位先細先端32を含む、デバイス10の端部の拡大部分である。図2Bは、電気プラグ23を含む、デバイス10のハンドルの拡大部分である。電源は、電気を提供するための電気プラグ23に差し込まれることができる。
【0031】
遠位先細先端32は、遠位先端基部33を含む。シース27は、遠位先細先端に接触し、遠位先端基部33の外径と係合することができる。ステントロック30および/またはシース27は、ステント34を半径方向に拘束し、ステント34が延在しないように防止することができる。遠位先細先端32は、切除要素35を伴う、伝導性部分を含む。図示される切除要素35は、ガイドワイヤ管腔39を中心として、同心設計を有する。伝導性突起36は、切除要素35から遠位先端32の外径に向かって延在する。図示される突起36は、遠位先端32の陥凹部分41(図3B)内に進入する。
【0032】
先端の伝導性面積、例えば、切除要素35および突起36は、患者内の組織を切除、加熱、および/または焼灼するように構成されることができる。電気エネルギーが、先端の伝導性面積を励起するために供給される。例えば、無線周波数(RF)および高周波数(HF)エネルギー等の電気エネルギーが、先端の伝導性部分に供給されることができる。電気エネルギーは、電気プラグ23を通して供給されることができる。ハンドルは、先端に供給される電気エネルギーを制御するための電気制御を含む。
【0033】
切除要素35および図示される突起36は、生体適合性である、伝導性医療グレード材料、例えば、ステンレス鋼から作製されることができる。異なる伝導性材料、例えば、銅が、電気エネルギーを切除要素35および突起36に供給するために使用されることができる。突起36は、接続37において、配線38に接続することができる。配線38は、電気プラグ23と電気接触する。電気プラグ23は、配線38を通して、切除要素35および突起36に電気エネルギーを供給する。遠位先端32は、絶縁材料から作製され、切除要素35および突起36を周囲デバイス構造から絶縁する。
【0034】
図3A−3Cは、遠位先端32の拡大図を図示する。図3Aは、遠位先端32の外径より僅かに短い、遠位先端32に進入する突起36を示す、側面図である。図3Bは、遠位先端32の陥凹部分41に進入する突起36を示す、遠位先端32の上面図である。図3Cは、遠位先端32の等角図である。図4Aは、図3A−3Cに図示される遠位先端の画像である。
【0035】
図3A−3Cに示される遠位先端は、図16Bおよび図17に示されるように、中心領域またはリングから半径方向に突出する2つの線形切目を伴う、中心切除領域を含有する、組織切除パターンを生成することができる。図3A−3Cにおける突起36は、遠位先端32がその最大直径に達する前に、遠位先端32の陥凹部分41内に引き込まれる。いくつかの実施形態では、突起は、突起の暴露された部分が、遠位先端32の最大外径に達しないように、外径に隣接して被覆されることができる。突起36によって組織内に作製される細隙は、若干、先端の直径より短い。励起された先端によって作製される組織細隙を通して、遠位先端を押動させるために、ある程度の力が、印加されることができる。組織の弾性は、若干、遠位先端およびカテーテルより大きい直径を収容することができる。緊密な嵌合は、身体管腔からの生物物質の漏出を防止することができる。
【0036】
外向きに延在する突起は、第1の切除特徴から最大半径方向位置まで延在することができる。突起の最大半径方向位置は、最大半径方向位置と遠位先端の中心点との間の長さを画定する。最大半径方向位置と先端の中心との間の長さは、先端の外径の50%未満である(例えば、最大半径方向位置と先端の中心との間の長さの2倍は、先端の外径の100%未満である)。いくつかの実施形態では、最大半径方向位置と先端の中心との間の長さは、先端の外径の約47.5%未満である。いくつかの実施形態では、最大半径方向位置と先端の中心との間の長さは、先端の外径の約45%未満である(例えば、先端の外側半径の約90%未満である)。いくつかの実施形態では、最大半径方向位置と先端の中心との間の長さは、先端の外径の約40%未満である(例えば、先端の外径の約80%未満)である。いくつかの実施形態では、最大半径方向位置と先端の中心との間の長さは、先端の外径の約37.5%未満(例えば、先端の外径の約75%未満)である。
【0037】
図1、2A、2B、および3A−3Bは、カテーテル本体14内に配置されるワイヤ38から電流を受信する、単極先端を図示する。ワイヤ38は、図1のハンドル12内で終端する、カテーテル本体14の長さに沿って延在することができる。配線38および先端の伝導性面積は、電気プラグ23において、ハンドル12に電気的に連結された発電機ユニット(図示せず)から、電気エネルギー、例えば、RFエネルギーを受信することができる。電気プラグ23は、図2Bでは、単極プラグとして図示される。先端が単極設計を備えるとき、接地パッドが、患者上で使用されることができる。代替実施形態では、RF先端は、双極設計を備えることができる。いくつかの実施形態では、先端の伝導性面積への電気エネルギーの提供は、ハンドル上の起動スイッチ、ダイヤル、または他の構造(図示せず)によって制御されることができる。いくつかの実施形態では、先端の伝導性面積への電気エネルギーの提供は、電気外科手術用発電機と関連付けられた外部スイッチ付属品またはフットペダルを使用して、制御されることができる。
【0038】
本明細書に開示される先端設計は、組織を通したより迅速な切除を促進することができる、電流密度の増加と、周囲組織面積への外傷の低減を可能にする。先端設計は、漏出の可能性および外科手術手技の複雑性を低減させる。図4Bは、Cook Medical Inc.によって生産された溶接電気接続を伴う、従来の鈍的前端円錐形先端を示す。Cook Medicalによって生産された先端は、電力を鈍的先端全体に提供する。先端は、比較的に大量の電力を要求し、より低い電流密度を担持する。より低い電流密度は、組織を通して切除するためにより長い時間を要求し、過剰加熱をもたらし、周囲組織面積および周囲カテーテル部品に損傷を生じさせ得る。鈍的前端はまた、組織の断裂を生じさせ、生物物質の漏出の機会を増加させ得る。
【0039】
図5A−5Eは、隣接する身体管腔、例えば、管腔L1および管腔L2にアクセスするためのステップを図示する。カテーテルデバイス10は、内視鏡40に取り付けられる。内視鏡またはエコー内視鏡40の遠位端(図5A−5E)が、通常、GI管内の標的場所に隣接する経口的入口を介して、位置付けられる。
【0040】
管腔L1と管腔L2との間の初期アクセスは、19ゲージ針を使用して行われることができる。例えば、穿刺が、19ゲージ針、例えば、電気外科手術針を使用して、所望の場所で行われた後、針管腔を通して、ガイドワイヤ102の留置が続き得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、使用されない。いくつかの実施形態では、カテーテルデバイス10は、管腔L1と管腔L2との間で穿刺を行うための初期アクセスのために使用されることができる。電気エネルギーが、切除要素35および突起36に提供され、管腔L1および管腔L2内に初期穿刺を行うことができる。
【0041】
図5Aに図示されるように、初期アクセス後、カテーテル本体26は、内視鏡40の作業チャネルを通して、ガイドワイヤ102にわたって前進され、スコープ係止機構24を使用して、作業チャネルの近位端に固着され、先端32を伴う、カテーテル本体26を作業チャネルの遠位端の外側約1cmに位置決めする。
【0042】
針を使用する初期アクセスは、典型的には、カテーテルデバイス10の直径より小さい孔を形成する。組織T1および組織T2内の組織孔は、組織T1および組織T2内の穿孔を通したカテーテルの遠位先端32の前進前またはその間、膨張されることができる。電気エネルギーが、組織内の初期穿孔を拡大し、組織T1および組織T2内の穿孔を通したカテーテルシャフトの移動を促進するために、切除要素35に供給されることができる。図5Bに図示されるように、第1のスライドアクチュエータ15は、ハンドル12上のロック20を解放後、ノブ16を使用して、遠位に前進され、したがって、遠位方向に、組織T1および組織T2を通して形成された道を通して、カテーテル本体26、シャフト28、およびステント34のアセンブリを移動させ、遠位先細先端32を管腔L1から管腔L2に移動させる。電気プラグ23は、電気エネルギーを切除要素35および突起36に供給し、組織を切除し、孔を拡大する。ロック20は、次いで、再係合され、第1のスライドアクチュエータ15を制御ハンドル本体14に固着させる。
【0043】
遠位先端32、切除要素35、および突起36は、組織を切除し、孔を拡大させることができる。図3A−3Cに図示される先端設計は、遠位先端32の全直径まで半径方向に拡張するのに先立って、遠位先端32の内側体積内に引き込まれる、突起36を図示する。突起36は、遠位先端32の全直径に少しだけ満たない程度に、組織T1および組織T2を切除する。カテーテルシャフト28は、組織T1および組織T2内の拡大された孔にぴったりと嵌合し、組織T1および組織T2内の開口部を伸長させ、シャフト28の直径に適合させる。これは、カテーテルシャフト28と組織T1および組織T2内の孔との間に緊密なシールを形成し、それによって、管腔L1および管腔L2内に封入される物質の漏出を制限する。
【0044】
組織ステントまたはアンカ34の遠位フランジセグメント42は、ここで、第2のスライドアクチュエータ18を近位方向に移動させ、シース27を後退させることによって拡張される。第2のスライドアクチュエータは、図5Cにおけるように、第2のロック22を解放後、第1のスライドアクチュエータ15の近位延在部17に沿って、所定の位置まで、部分的に引き戻される。第2のスライドアクチュエータ18のロック22(図1)の一部は、該ロック22が、所定の位置において停止部に係合し、それによって、アクチュエータ18の近位移動を停止する、トラック(図示せず)内を移動する。所定の位置は、組織アンカ34の遠位フランジ42のみ、シース27による拘束から解放され、拡張することを可能にするように較正されることができる。第2のスライドアクチュエータ18の該近位運動は、シース27を後退させる一方、シャフト28は、定位置に保持され、これは、組織アンカ34の遠位部分を拘束から解放する。カテーテルオペレータは、遠位フランジを展開後、遠位フランジの拡張を検証するために、一時停止することができる。いくつかの実施形態では、超音波が、遠位フランジセグメント42の拡張を可視化するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、遠位フランジセグメント42の拡張の直接可視化が、可能である。いくつかの実施形態では、シースは、シースの部分的後退後、可視化され得る、可視マーカーを有することができる。シース上のマーカーは、後退に先立って、組織壁によって見えにくい可能性がある。遠位フランジからの制約を除去するために十分な距離だけ、シールを後退させた後、シース上のマーカーは、したがって、可視となることができる。マーカーは、超音波撮像、直接可視化、または蛍光透視法下、可視となることができる。ある場合には、複数のマーカーが、視覚的に区別され、種々の距離にわたるシースの後退に対応し得る、異なる色またはパターンを伴って、シース上で使用されることができる。
【0045】
第1のスライドアクチュエータ15は、ここで、ハンドル12上において、ロック20を解放後、ノブ16を使用して、近位方向にゆっくりと移動され、したがって、拡張された遠位アンカフランジ42を管腔L2の組織T2の内側表面に対して移動させ、組織T1を組織T2により近接して位置付け、図5Dにおけるように、管腔L1およびL2を近接並列状態に保持する。遠位フランジ42は、管腔L2に係合し、それを制御するために使用されることができる。遠位フランジ42は、管腔L1およびL2に接近および接着するために使用されることができる。
【0046】
ステントロック30(図2A)は、組織/ステントアンカ34の近位端をしっかりと保持し、組織T2に対する近位牽引を可能にする。ロック20は、次いで、再係合され、第1のスライドアクチュエータ15を制御ハンドル本体14に固着させる。遠位フランジ42と管腔L2および組織T2の係合は、ステント34の近位端を解放するのに先立って、検証されることができる。遠位フランジ42と管腔L2の係合は、超音波を使用して、またはシース上のマーカーの可視化を通して、検証されることができる。シース上のマーカーは、シースが後退され、遠位フランジが組織T2と係合されると、可視となることができる。例えば、マーカーは、若干、組織壁T1およびT2の厚さを上回る、シースの端部からの距離にあり得る。したがって、マーカーは、シースを後退させ、遠位フランジ42を拡張し、遠位フランジ42と組織T2を係合した後のみ可視となり、それによって、シース上のマーカーを管腔L1内の内視鏡に可視にするであろう。
【0047】
組織アンカステント34の近位セグメント44は、ここで、図5Eにおけるように、ロック22を解放し、シース27をさらに後退させた後、第2のスライドアクチュエータ18を第1のスライドアクチュエータ15の近位端またはその近傍の位置まで近位方向に移動させることによって、拡張される。組織アンカステント34の近位端は、第2のスライドアクチュエータ18がその進行の近位端に到達するにつれて、ステントロック30(図2A)から解放される。これは、本実施例では、管腔L1とL2との間の流体連通を可能にする中心管腔46を有する、組織アンカ全体を解放させる。デバイス10は、ここで、除去され、流体連通が確立されている状態で、管腔L1と管腔L2との間に埋入された中心管腔46を伴う、組織アンカ34を残す。ステント34は、組織壁への損傷を最小限にしながら、組織T1およびT2をともにしっかりと保持することによって、管腔L1と管腔L2との間に健常吻合の形成を助長することができる。ステント34は、後日、除去されることができる。
【0048】
ステント34は、二重壁フランジ構造とともに図示される。フランジの構成ならびに中心管腔46の直径および長さは、身体管腔L1およびL2ならびに組織壁T1およびT2の厚さに基づいて選択されることができる。図18A−18Eに図示され、以下により詳細に説明される、ステント構造等、種々のステント形状および材料が、使用されることができる。
【0049】
種々の異なる先端設計が、伝導性部分および切除要素のために使用されることができる。付加的先端設計は、図3−15に図示され、以下により詳細に論じられる。
【0050】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、先行技術の円錐形デバイスより小さい切除表面積を有する。図3A−3Cに図示される外部伝導性部分の表面積は、類似寸法を有する円錐形の表面積の6分の1未満である。
【0051】
鈍的円錐形形状先端は、約20.2mmの表面積を有するように計算された。図3A−3Cに図示される実施形態における先端設計は、約3.17mmの切除表面積を有するように計算された。いくつかの実施形態では、遠位先端の伝導性切除部分は、約10mm未満の表面積を有する。いくつかの実施形態では、遠位先端の伝導性切除部分は、約5mm未満の表面積を有する。いくつかの実施形態では、遠位先端の伝導性切除部分は、約4mm未満の表面積を有する。
【0052】
より小さい切除表面積は、所与の電力に対して、より大きい表面積(例えば、円錐形形状を伴う、)より高い電流密度を有するであろう。切除表面積上のより高い電流密度は、組織のより迅速な切除を促進することができる。より高速な切除は、隣接する組織とともに切除される組織への熱傷害を最小限にすることができる。組織への熱損傷の実施例として、凝固、組織の弾性の損失、タンパク質の変性、および壊死が挙げられる。本明細書に開示されるデバイスは、組織損傷を最小限にし、それによって、組織を切除後、組織弾性を維持することができる。
【0053】
本明細書に開示されるデバイスは、広範囲の電力、例えば、約30ワット〜約200ワット以上で動作することができる。いくつかの実施形態では、約50ワット〜約100ワットが、電力を伝導性切除表面に提供するために使用されることができる。切除表面の表面積の縮小は、切除表面積を通って流れる電流が、依然として、組織を通して切除するために十分に高くあり得るため、より低い電力でのデバイスの動作を促進することができる。
【0054】
本明細書に開示されるデバイスは、所与の電力対従来の円錐形形状の励起された先端設計に対して、伝導性切除表面積の表面積によって除算される電力によって表される、より高いエネルギー密度で動作することができる。図3A−3Cに図示される実施形態における先端設計は、電力30ワットでエネルギー密度9.4ワット/mm、電力100ワットで31.5ワット/mm、および電力200ワットで63.0ワット/mmを有するように計算された。従来の鈍的円錐形形状先端設計は、電力30ワットでエネルギー密度1.5ワット/mm、電力100ワットで5.0ワット/mm、および電力200ワットで9.9ワット/mmを有するように計算された。図3A−3Cに図示される先端設計に対して計算された電力密度は、類似寸法を伴う、鈍的円錐形形状先端に供給される同一の電力に対する電力密度の6倍を上回った。
【0055】
いくつかの実施形態では、遠位先端の伝導性切除表面積のエネルギー密度は、約5ワット/mm〜100ワット/mmである。いくつかの実施形態では、遠位先端の伝導性切除表面積のエネルギー密度は、約10ワット/mmを上回る。いくつかの実施形態では、遠位先端の伝導性切除表面積のエネルギー密度は、約30ワット/mmを上回る。いくつかの実施形態では、遠位先端の伝導性切除表面積のエネルギー密度は、約60ワット/mmを上回る。
【0056】
本明細書に開示されるデバイスはまた、より少ない金属が切除表面に対して使用され、先端の他の部分は、より軽量の絶縁材料、例えば、セラミック、プラスチック、および他の軽量材料から作製されることができるため、より低い質量を使用することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、HF電流を使用して、複数の組織層を通した外科用メス状切除が、行われることができる。いくつかの実施形態は、ガイドワイヤに隣接して位置する、中心HF動力特徴を使用して、初期切除を組織内に形成し、中心特徴から半径方向に延在する、HF動力突起を使用して、組織平面内に細隙を切除する。
【0058】
いくつかの実施形態では、異なる周波数または電力が、先端上の異なる伝導性面積に供給されることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の電源によって電力が供給され得る、2つ以上の伝導性面積が、使用されることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、リングから半径方向に外向きに延在する突起または複数の突起を伴う、金属リング(性質上、同心または非同心)またはセグメント化された金属リング(性質上、同心または非同心)を使用することができる。リングおよび突起は、エネルギー源、例えば、RFまたはHF発電機あるいはエネルギー源に接続される。突起および中心切除特徴は、エネルギー源の単一チャネルに接続されてもよい。代替として、突起および中心切除特徴は、異なるエネルギープロファイルが、種々の特徴に適用され得るように、エネルギー源または複数源の2つ以上のチャネルに接続されてもよい。切除特徴の一部は、部分的に、絶縁材料内に埋設されることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、遠位先端の外側表面に暴露される、伝導性面積の部分は、セグメント化または断続されることができる。いくつかの実施形態では、突起も、断続またはセグメント化されることができる。セグメントまたは断続部分はそれぞれ、相互および/または1つ以上の電源と電気連通することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、中心特徴および突起は、リングを含まない。例えば、中心特徴および突起は、弧構成において、遠位先端の片側から遠位先端の反対側まで延在する弧であることができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、先端設計は、1つ以上の外向き突起を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上(1−N)の特徴または突起が、半径方向方式で突出する。突起は、線形設計、湾曲または弧状形状、および他の幾何学的形状を有することができる。付加的実施例として、中心点またはHF動力特徴からの螺旋捻転および相互接続リングが挙げられる。各特徴は、中心点から外向きに放射状に広がる組織内に線形切除をもたらすであろう。(1…N)の特徴は、(1…N)の切除、続いて、N個の組織尖または弁尖をもたらすであろう。単一特徴の場合、1つの線形特徴が、2つの組織尖を作成する。これらの尖部は、ひいては、過剰物質移動(流体、組織、物質)が、標的解剖学的構造からアクセス構造またはアクセス構造から標的解剖学的構造に通過しないように防止する弁として作用する。
【0063】
いくつかの実施形態では、デバイスは、先端内のガイドワイヤ管腔または孔と併用されることができる。ガイドワイヤは、先端に供給される電流から遮蔽される。本明細書に開示されるデバイスは、標的解剖学的構造内に留置されたガイドワイヤに追従することができる。ガイドワイヤは、針、例えば、19ゲージ針を使用して、標的解剖学的構造内に留置されることができる。デバイスは、先端が標的解剖学的構造に来るまで、ガイドワイヤに追従することができる。無線周波数(RF)、高周波数(HF)、または他のタイプのエネルギー等のエネルギーが、デバイスの先端に供給されることができる。電気外科手術用発電機が、いくつかの実施形態では、先端に給電するために使用されることができる。デバイスの励起された先端は、次いで、組織を通して切除し、標的解剖学的構造内への管腔アクセスを作成することができる。高電流密度先端は、組織平面を通して切除し、組織平面における最小限の熱傷害および標的解剖学的構造へのタイムリーなアクセスをもたらすように設計される。
【0064】
いくつかの実施形態では、カテーテルデバイスおよび先端設計は、身体管腔への初期アクセスのために使用される励起された先端を伴う、ガイドワイヤに追従しない。いくつかの実施形態では、カテーテルデバイスは、ガイドワイヤ管腔を含まず、ガイドワイヤを伴わずに使用されることができる。いくつかの実施形態では、カテーテルデバイスは、ガイドワイヤを伴わずに位置付けられることができるが、身体管腔への初期アクセス後、ガイドワイヤを留置するためのガイドワイヤ管腔を含んでもよい。
【0065】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、任意の角度カテーテル配向において切除するために使用されることができる。例えば、先端および切除要素は、ガイドワイヤに追従し、ガイドワイヤに対して任意の角度で配向される組織を切除することができる。切除要素は、ガイドワイヤが組織平面と鋭角を形成するとき、組織を切除することができる。先行技術の鈍的円錐形デバイスは、鋭角に組織と交差するとき、組織を良好に切除せず、多くの場合、組織表面に沿って摺動しながら、組織断裂および外傷を生じさせる。先行技術の鈍的円錐形はまた、組織表面と鋭角にガイドワイヤ経路に追従することが困難であって、望ましくなく、結果として生じる組織穿孔の形状および配向を変化させ得る。
【0066】
標的解剖学的構造の組織平面の最小限の隆起および変位もまた、所望される。組織平面の変位および隆起を最小限にすることは、過剰な生体物質漏出を防止し、ガイドワイヤに追従する経路を前提として、一定レベルの安全性を提供するのに役立ち得る。加えて、最小限の変位は、特に、可視化が超音波撮像によって行われるとき、組織/標的が有意に移動される場合、医師が、視野の可視性を喪失し得るため、重要である。
【0067】
種々の遠位先端32設計が、本明細書に開示されるデバイスで使用されることができる。本明細書に開示される先端設計は、解剖学的構造に進入する大径のカテーテルを前提として、標的の解剖学的構造の通路内に切除された開口部からの漏出を最小限または防止するように設計されることができる。先端は、管腔壁内で所望の切除組織パターンを達成するように設計されることができる。図3A−3Cは、同心設計を伴う、切除要素35と、相互から約180度にある2つの突起36とを図示する。図3A−3Cに図示される先端によって送達される切除パターンは、組織平面を通してデバイスの通過を可能にするが、それらの組織平面を横断する生物物質の漏出を制限する、二葉弁開口部を模倣することができる。図17A−17Hおよび18は、組織切除パターンの実施例を示す。いくつかの実施形態では、組織切除パターンは、二葉、三葉、四葉…n葉弁開口部タイプであることができる。
【0068】
図6A−6Eは、ある実施形態による、遠位先端32の種々の図を図示する。遠位先端32は、シャフト28に接続される。遠位先端32は、区画61aと61bとの間に供給された切除要素63を伴う、2つの絶縁区画61aおよび61bを含む。切除要素63は、半円形構成を伴う、中心切除特徴64と、2つの外向き突起65とを含む。電気エネルギーが、切除要素63に供給され、組織を切除することができる。切除要素63は、所望の構成に型抜きまたは機械加工されることができる。半円形構成64は、シャフト28の外径に嵌合するように定寸されることができる。いくつかの実施形態では、第2の切除要素は、切除要素63を鏡映する形状を伴って、円形切除特徴を形成するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、ワイヤが、切除要素63の遠位部分において、シャフト28を中心とする円形伝導性特徴を形成するために使用されることができる。図6A−6Eに図示される設計は、型抜きされた金属、例えば、ステンレス鋼から製造され、絶縁材料と共成形され、遠位先端32の残部を形成することができる。
【0069】
図7A−7Dは、遠位先端32の種々の図を図示する。遠位先端32は、ある実施形態によると、絶縁部分71と、2つの切除要素72とを含む。各切除要素72は、弧状構成を伴う、中心切除特徴73と、外向き突起74とを含む。ワイヤを切除要素に接続することによって、電気エネルギーが、切除要素72に供給され、組織を切除することができる。切除要素72は、所望の構成を形成するように型抜きまたは機械加工されることができる。弧状構成73は、シャフトの外径と係合するように定寸されることができる。いくつかの実施形態では、3つ以上の切除要素72が、先端内に埋設されることができる。いくつかの実施形態では、3つまたは4つの切除要素が、遠位先端内に埋設されることができる。
【0070】
図8Aおよび8Bは、ある実施形態による、遠位先端32の種々の図を図示する。遠位先端32は、絶縁部分81と、切除要素82とを含む。切除要素82は、円形形状を伴う、中心切除特徴83と、外向き突起84とを含む。外向き突起は、螺旋構成において、先端32の外径に向かって外向きに延在する。突起84は、絶縁部分81の外径未満の外径まで、半径方向に延在する。図8Aおよび8Bは、突起84に対して時計回り渦巻を図示する。反時計回り渦巻構成もまた、使用されることができる。いくつかの実施形態では、突起は、直線であることができる。いくつかの実施形態では、突起は、正弦波構成を有することができる。ワイヤを切除要素に接続することによって、電気エネルギーが、切除要素82に供給され、組織を切除することができる。
【0071】
図9Aおよび9Bは、ある実施形態による、複数のリング91、92を伴う、カテーテルデバイス90の遠位端を図示する。内側リング91および外側リング92は、電気エネルギーによって励起されることができる。内側リング91および外側リング92は、別個の配線および電源を有することができる。内側リング91および外側リング92に提供される電力および電気エネルギーのタイプは、異なり、各リングに対して別個に制御されることができる。内側リング91は、身体管腔内に初期アクセス孔を作製し、または針によって形成された初期穿孔を拡大するために使用されることができる。外側リング92は、内側リング91によって形成された通路を拡大するために使用されることができる。
【0072】
図10Aおよび10Bは、ある実施形態による、カテーテルデバイス100の遠位先端を図示する。遠位先端は、伝導性材料から作製される切除特徴101と、絶縁部分103とを有する。デバイス100は、ガイドワイヤを伴わずに使用されるように構成される。電気エネルギーが、切除特徴101に供給され、組織を切除する。図11Aおよび11Bは、ある実施形態によるカテーテルデバイス100に類似するが、ガイドワイヤ管腔39がカテーテルデバイス110の中心からオフセットされた、カテーテルデバイス110の遠位先端を図示する。カテーテルデバイス110は、絶縁部分111と、切除特徴112とを含む。
【0073】
図12Aおよび12Bは、ある実施形態による、カテーテルデバイス120の遠位先端を図示する。遠位先端は、伝導性材料から作製される切除特徴122と、絶縁部分121とを有する。カテーテルデバイスは、ガイドワイヤ管腔39を含む。切除特徴122は、遠位先端の中心からオフセットされ、弧状構成を有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、カテーテルデバイスは、ガイドワイヤ管腔を有していない。カテーテルデバイスは、ガイドワイヤに追従せずに、標的組織を特定することができる。励起された先端は、次いで、標的組織内の初期穿孔のために使用されることができる。図13A−13Cは、ガイドワイヤを伴わずに利用され得る、カテーテルデバイスの先端の部分を図示する。図13Aは、ドームから延在する金属切除要素を伴う、ドーム形状の先端を伴う、遠位先端を図示する。図13Bは、遠位先端にわたって屈曲された伝導性ワイヤ切除要素を伴う、円錐形形状の遠位先端を図示する。図13Cは、ドーム形状の遠位先端にわたって屈曲された伝導性ワイヤ切除要素を伴う、ドーム形状の遠位先端を図示する。
【0075】
図14A−Dは、外向き突起を伴う、リング形状の切除要素の画像である。図14A−14Bは、直径0.006インチを有するステンレス鋼ワイヤを使用して形成された切除要素と、セラミック円錐形形状の先端とを図示する。外向き突起は、円錐形の外径近傍のセラミック円錐形内に陥凹される。試験では、切除要素は、切除面積外に殆どまたは全く損傷または凝固を伴わずに、組織を通して効率的に切除する。図14Cは、ガイドワイヤ管腔シャフトの遠位部分の周囲に巻着されたステンレス鋼ワイヤを伴う、図14A−Bに類似する先端設計を図示する。ステンレス鋼ワイヤは、ワイヤの外部部分のために使用され、銅配線は、内部配線のために使用される。図14Dは、ガイドワイヤ管腔シャフトを中心として配置される円形ステンレス鋼電極にわたって巻着された銅ワイヤを伴う、遠位先端を図示する。前端円錐形形状の実施例として、円錐形形状および弾丸形状が挙げられる。
【0076】
図15A−Fは、付加的遠位先端設計の画像である。図15A−15Fは、ガイドワイヤ管腔シャフトと、異なる構成を有する切除要素とを図示する。図15Aは、ガイドワイヤ管腔シャフトからオフセットされた切除要素を伴う、銅ワイヤに接続された切除要素を伴う、ドーム形状の先端の画像である。図15Bは、弾丸形状のセラミック先端の外径に向かって延在する羽根を伴う、ガイドワイヤ管腔シャフトを中心として配置された切除要素を伴う、ドーム形状の先端の画像である。図15Cは、遠位先端の中心部分からオフセットされたガイドワイヤ管腔シャフトを伴う、銅ワイヤに接続された切除要素を伴う、円錐形形状の先端の画像である。図15Dは、ガイドワイヤ管腔シャフトからオフセットされた切除要素を伴う、銅ワイヤに接続された切除要素を伴う、円錐形形状の先端の画像である。図15Eは、ガイドワイヤ管腔シャフトに隣接するステンレス鋼切除要素を伴う、ドーム形状の先端の画像である。図15Fは、ガイドワイヤ管腔シャフトと同心の切除要素を伴う、前端形状の先端の画像である。
【0077】
図16A−16Hは、本明細書に開示される異なる励起された先端構成によって作製される、種々の組織アクセスパターンを図示する。図16A−16Hにおける点線は、カテーテルシャフトの外径に対応する。図16Aは、オフセットリングおよび1つの外側突起によって生成された組織切除またはアクセスパターンを図示する。図16Bは、2つの外向き突起を伴う、中心切除特徴によって生成された組織切除パターンを図示する。図16Cは、3つの外向き突起を伴う、中心切除特徴によって生成された組織切除パターンを図示する。図16Dは、4つの外向き突起を伴う、中心切除特徴によって生成された組織切除パターンを図示する。図16Eおよび16Fは、それぞれ、反時計回りおよび時計回りに延在する、中心切除特徴螺旋突起によって生成される組織切除パターンを図示する。図16Gは、2つの外向き突起を伴う、オフセット切除特徴によって生成された組織切除パターンを図示する。図16Hは、オフセット弧要素を伴う、オフセット切除特徴によって生成された組織切除パターンを図示する。図17は、図3A−3Cに図示される遠位先端および切除特徴を使用して生成された組織アクセスパターンの画像である。
【0078】
いくつかの実施形態では、示されるように、遠位先端32は、円錐形形状であることができ、カテーテル本体12の外径と同一の外径を有することができる。他の実施形態では、遠位先端は、円錐台、円柱、先丸円柱、半球形、三角形、斜角、楔形状、または組織を穿刺するための任意の他の好適な形状であることができる。いくつかの実施形態では、セラミック絶縁リングが、遠位先端とカテーテル本体および/または先端とステントまたは任意の搭載針との間に留置され、先端が、カテーテル、ステント、および任意の搭載針を加熱および/または溶融しないように防止することができる。いくつかの実施形態では、遠位先端は、ガイドワイヤと遠位先端との間の段差を最小限にするように、可能な限り微細に先細にされることができる(例えば、円錐形またはブジー形状)。本明細書に開示される遠位先端および切除要素設計のいずれかが、使用されることができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、共同所有出願である米国特許公報第2010−0268029号(参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなアンカ構造を有する、ガイドワイヤと併用されることができる。アンカ構造は、例えば、針から遠位に前進されると、所定の形状に自動的に拡張するように構成され得るように、形状記憶合金であることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、カテーテルは、内視鏡内に配置され、および他の実施形態では、カテーテルは、内視鏡である、または内視鏡の留置を生じさせる。
【0081】
本明細書に開示されるデバイスおよび方法は、種々の用途において、種々の異なる身体管腔間のアクセスを得るために使用されることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、管腔交差ドレナージのために使用されることができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、吻合または瘻孔が、本明細書に開示されるデバイスおよび方法を使用して形成されることができる。例えば、ステントが、2つの身体管腔間に留置され、2つの身体管腔間に流体連通を提供することができる。2つの隣接する身体管腔は、ステントの周囲で治癒するにつれて、吻合を形成することができる。
【0083】
デバイスおよび方法は、胃腸(GI)管およびGI管の一部に隣接する面積において使用されることができる。GI管内の生体構造の実施例として、食道、胃、十二指腸、空腸、小腸、および大腸が挙げられる。GI管に隣接する部分の非限定的実施例として、腹膜腔、胆管、膵管、胆嚢、膵臓、嚢胞、偽性嚢胞、膿瘍、および同等物が挙げられる。
【0084】
いくつかの実施形態では、デバイスおよび方法は、尿路(例えば、膀胱および尿管)、肺気道(例えば、気管および気管支)、胆道(例えば、胆管および胆嚢)、および血管用途において使用されることができる。
【0085】
身体管腔は、内視鏡でアクセスされ得る、任意の器官であることができ、中空または中実器官、導管、脈管、または軟組織構造であることができる。第1および第2の身体管腔の実施例として、食道、胃、十二指腸、空腸、小腸、大腸、結腸、胆管、膵管、胆嚢、下腿筋肉、胃底部、嚢胞、偽性嚢胞、膿瘍、膵臓、肝臓、膀胱、直腸、鼻腔、心臓、肺等が挙げられる。
【0086】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、種々の医療手技に有用であることができる。実施形態は、ガイドワイヤアクセスから複数の組織平面を通して標的解剖学的構造にアクセスする必要がある、ERCP用途に適用されることができる。実施形態は、胃空腸吻合、胃十二指腸吻合、胃結腸吻合、経十二指腸、経胃、胆道、膵仮性嚢胞、経肝、経胆嚢管、経膵管、経腸管、経胆管、胃腹壁固定、子宮固定、経食道、経気管支、経胃、結腸切除、胃バイパス、空腸造瘻等の用途および手技に有用である。
【0087】
本明細書に開示される方法およびデバイスはまた、管腔交差療法または身体管腔へのアクセスのために使用され、さらなる治療、例えば、化学療法、センサの留置、治療送達デバイスの留置、薬剤デバイスの提供、放射性同位体治療、およびその他を提供することができる。身体管腔へのアクセスは、標的治療のために、着目身体管腔内またはそれに隣接して留置されるステントまたは他のデバイスを通してであることもできる。ステントはまた、付加的治療薬、例えば、医薬品、放射性医薬品、および他の治療薬を含むことができる。治療薬は、ステント内に含浸される、またはコーティングとして含まれることができる。一実施例では、ステントは、腫瘍に並んで、または隣接して留置されることができる。腫瘍は、標的化学療法で治療されることができる。化学療法は、ステントを使用して、またはステント通路を使用して導入され、治療を促進することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、方法およびデバイスは、腹膜アクセスおよびTIPS(経頸静脈的肝内門脈大循環短絡術)のために使用されることができる。いくつかの実施形態では、方法およびデバイスは、血管アクセス、動脈から血管、心膜アクセス、および経弁アクセスを介してでは不十分である静脈等の用途および手技において使用されることができる
【0089】
高度内視鏡治療において特に着目される用途の1つは、胆嚢から十二指腸または胃への胆汁のドレナージである。これは、十二指腸または胃のGI管腔内から内視鏡的に達成され、胆嚢が、経腔撮像、例えば、内視鏡下超音波(EUS)を使用して特定され、GI管腔および胆嚢壁を通した穿孔と、これらの構造間へのドレナージステントの精密な留置が続くことを要求する。ドレナージステントの留置の間、胆嚢およびGI管腔の近接並置が維持され、腹膜腔内への胆汁漏出を防止することが必要であって、腹膜炎を生じさせ得る状況は、命に関わり得る。本事例では、組織アンカまたは管腔接近ステントの送達は、近接並置が、手技全体を通して、かつ療法の過程全体を通して維持されることを可能にする、精密な制御を要求する。本明細書に開示されるデバイスを使用することによって、組織ステントおよびアンカは、精密に送達されることができる。
【0090】
本明細書に開示されるデバイスは、胃バイパスのための肥満症手術および結腸切除術のために使用されることができる。例えば、ステントは、胃バイパス術において形成された胃穹窿部と十二指腸または空腸の区画との間に送達され、吻合を形成することができる。結腸切除術の場合、ステントは、2つの結腸の区画間に留置され、吻合を形成することができる。ステントおよび結果として生じる吻合は、漏出を制限し、狭窄の形成を制限し、標準的サイズの瘻孔または吻合を作成することができる。肥満症手術および結腸切除術の場合、閉塞吻合または縮小吻合サイズは、流体流および固体食品流によって合併症をもたらし得る。標準的サイズの吻合を形成することは、流動性および連通を助長し、閉塞または小さ過ぎる吻合からの合併症を減少させることができる。吻合サイズは、ステントサイズに対応し、したがって、吻合サイズの変動性は、手動で組織をともにステープルで留め、吻合を形成することを伴う、現在の外科手術実践よりも大幅に低減されるであろう。
【0091】
本明細書に開示されるデバイスは、代謝条件、例えば、糖尿病を治療するために使用されることができる。食品は、最初に、小腸に通過する前に、胃内で撹拌される。小腸の管腔が栄養素と接触すると、いくつかのホルモンが、放出され、さらなる食品摂取を阻止し、したがって、「満腹因子」に変換され得る。胃バイパス後の循環ホルモンレベルの変化は、肥満患者において、食品摂取および体重の減少をもたらすと仮定されている。デバイスは、患者の健康を改善し得る、ホルモンバランス、例えば、「満腹因子」を変化させ得る、物理的変化を患者に生じさせるために使用されることができる。例えば、糖尿病は、本明細書に説明されるようなRoux En Y胃バイパスまたは胃空腸吻合等の手技を通して治療されることができる。本明細書に開示されるデバイスは、腹腔鏡下支援手技において使用されることができる。本明細書に開示されるデバイスは、耳、鼻、および喉(ENT)送達と併用されることができる。本明細書に開示されるデバイスは、自然開口経胃的内視鏡術(NOTES)において使用されることができる。本明細書に開示されるデバイスは、組織をクランプまたはリベット留めする手技と併用されることができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、哺乳類組織内の開口部を閉鎖するために使用されることができる。例えば、閉鎖管腔を伴う、組織アンカまたはステントが、開口部を封止するために留置され得る。
【0093】
本明細書に開示されるデバイスは、ステントを送達および留置せずに、アクセスのために使用されることができる。例えば、デバイスは、壊死性膵炎の場合におけるように、壊死組織を除去する壊死巣切除術のために使用されることができる。
【0094】
本明細書に開示されるデバイスはまた、膀胱切開術を行うために使用されることができる。デバイスは、標的組織、例えば、経胃または経十二指腸壁に隣接して位置付けられることができる。電気エネルギーが、デバイスの遠位先端の伝導性表面に供給され、経胃または経十二指腸壁内に孔を電気外科手術的に穿刺するとともに、膵仮性嚢胞に穿刺することができる。膵仮性嚢胞は、GI管内に明らかに膨隆し得る。遠位先端は、カテーテルの外側管状本体内の内側カテーテルシャフトによって支持されることができる。遠位先端および内側カテーテルシャフトは、カテーテルの外側管状本体に対して移動することができる。標的面積、例えば、経胃または経十二指腸壁および膵仮性嚢胞を穿刺後、遠位先端および内側カテーテルは、除去され、それによって、カテーテルの外側管状本体を経胃または経十二指腸壁および膵仮性嚢胞を穿刺したときに形成された通路内に残すことができる。外側管状本体は、付加的医療ツールのためのアクセス用の作業チャネルとして使用されることができる。膀胱切開術の場合、ドレナージキットまたはステントが、外側管状本体を通して、偽性嚢胞に送達されることができる。本明細書に開示されるデバイスは、針が所望の可撓性および特性を維持するために、針サイズがより小さい厚さに制限され得るため、偽性嚢胞場所への初期アクセスのための針の使用に優る利点を有する。対照的に、カテーテル本明細書に開示されるデバイスは、従来の針手技より大きい作業チャネルを伴う、初期通路を形成するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、外側管状本体は、10フレンチを上回る直径を有することができる。例えば、外側管状本体は、11フレンチ直径を有し、大きな作業チャネルを身体管腔内に残すことができる。膀胱切開術のためのカテーテルの位置付けは、ガイドワイヤを伴わずに行われることができる。ある場合には、ガイドワイヤは、位置付けのために使用されることができる。
【0095】
種々のステント形状および設計は、本明細書に開示されるデバイスおよび方法を使用して送達されることができる。図18A−F、19A−19I、20A−20B、21A−21D、および22A−22Bは、本明細書に開示されるデバイスと併用され得る、種々のステント設計を図示する。付加的ステント設計は、共同所有の米国特許公開第2009−0281557号(前述で参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。組織アンカおよびステントは、織フィラメント編組から形成された本体を含む。フィラメントは、典型的には、金属ワイヤであって、より典型的には、ニッケル−チタンまたは他の超弾性または形状記憶金属ワイヤであろう。本体は、伸長管状構成(図2A)および縮小構成の両方を有することができ、本体の近位および遠位端は、図5Eに図示されるように、フランジ構造内に半径方向に拡張する。ステントは、半径方向に拡張し、フランジ構造を画定する、一対の隣接する環状リングを形成することができる。フランジ構造のそのような縮小および展開後、本体はさらに、フランジ構造間に円筒形サドル領域を有するであろう。アンカが組織内で展開されると、フランジ構造は、隣接する組織層(例えば、図5A−5Eに図示される組織T1および組織T2)の外側表面に係合し、サドル領域は、典型的には、組織層を通して穿孔内に常駐する。フランジ構造は、付加的構造支持をステントフランジに提供するための1つ以上の変曲点を含む、種々の構成を有することができる。
【0096】
図18A−Fは、二重壁構成におけるフランジ191の種々の構成を図示する。図18Aでは、フランジ191は、半径方向に拡張する。中心サドル領域192は、長さLおよび直径dを有する。フランジ191は、直径Dを有する。ステント34は、辺縁またはカフ193を両側に有する。カフ193は、直径d’を有する。図18Aは、ステント34の外部全体にわたる被覆または膜194を図示する。被覆または膜は、組織内部成長を阻止し、ステントが埋入されると、流体漏出を最小限にする。カフ193は、図18Aでは、若干、中心サドル領域192の直径dより大きい直径d’を有する。図18Bでは、ステント34は、中心サドル領域192の直径dとほぼ同一のカフ193直径d’を有する。図18Cでは、ステント34は、図18Aおよび18Bに図示されるステントより小さい直径dを有する。図18Cは、中心サドル領域192の直径dとほぼ同一のカフ193直径d’を図示する。
【0097】
図18Dでは、拡張された直径dおよびより小さいカフ193直径d’を伴う、中心サドル領域192を有する、ステント34が、図示される。図18Eでは、拡張された直径dおよびカフ193を伴う、中心サドル領域192を有する、ステント34が、図示される。図18Eは、図18Dに図示されるステント34を上回るカフ193直径d’を有する。図18Fは、カフを伴わないステント34を図示する。
【0098】
図19A−19Iは、フランジ191および中心サドル領域192を伴う、ステントの4分の1部分の断面を図示する。4分の1部分はそれぞれ、フランジ191全体を形成する類似形状と対合される。フランジ構造191はそれぞれ、本明細書に開示される他のフランジ構造のいずれかと対合され、2つのフランジを伴う、ステントを形成することができる。図19Aは、複数の変曲を伴う、フランジを図示する。図19Bは、複数のフランジを含む、複数の変曲を伴う、フランジ191を図示する。図19Cは、中心サドル領域に向かって逆湾曲したステントを伴う、フランジ191を図示する。図19Dは、中心サドル領域192から離れるように湾曲したステントを伴う、フランジ191を図示する。図19Eは、複数の変曲を伴う、フランジ191を図示する。図19Fは、円形構成を伴う、フランジ191を図示する。図19Gは、対向フランジに向かって湾曲し、その上に逆湾曲するフランジを図示する。図19Hは、ステント断面の一部に切り欠きまたはリブを伴う、フランジ191を図示する。図19Iは、付加的強度を提供するために、正弦波区画を伴う、フランジ191を図示する。
【0099】
図20Aは、20Bに図示されるステントの断面である。フランジ191は、中心サドル領域に向かって逆湾曲する、円形構成を伴って変曲される。図21Aは、フランジの断面を横断して正弦波構成を有するフランジ191を伴う、ステントを図示する。図21Bは、対向フランジに向かって湾曲するフランジ191および中心サドル領域192を伴う、ステントを図示する。図21Cは、図21Dに図示されるステントの断面である。ステントは、リブの断面に組み込まれた切り欠き/リブ210を伴う、フランジ191を有する。
【0100】
フランジ191の直径Dおよび中心サドル領域192の直径dは、所望の強度および身体管腔間の流体連通を可能にするように選択されることができる。例えば、直径dは、身体管腔間の流体連通を可能にするために十分に大きくあるべきである。ある場合には、液体が、中心サドル領域192を通して流動する。他の場合には、粒子状物質または固体が、中心サドル領域192を通して流動することができる。直径dは、予期される流体および/または固体が、サドル領域192を通して流動することを可能にするように定寸されるべきである。直径dはまた、身体管腔内の孔のサイズに近い直径を伴うように定寸され、漏出の機会を低減させ、身体管腔内の孔とのステント係合を改善することができる。カフ長、直径(d’)、および形状は、ステント内で所望の物理的特性を達成するように構成されることができる。例えば、カフは、付加的強度をステント構造に提供することができる。カフはまた、増加直径を有し、付加的医療器具またはステントを除去するためのデバイスとともに、ステントの内部体積への後続アクセスをより容易にすることができる。先行技術の組織アンカ、例えば、金属クランプおよびリベットは、多くの場合、あまりに硬質であって、良好な付着を提供するが、組織壊死または接着の実質的リスクを呈するか、またはあまりに軟質であって、組織損傷のリスクをほとんど呈することはないが、組織穿孔点における漏出および移動を可能にするかのいずれかである。本明細書に開示されるステントおよび組織アンカは、壊死および組織への他の損傷のリスクを最小限にしながら、組織のしっかりとした付着を提供することができる。本明細書に開示されるステントは、拡張されたフランジ構造を用いて、組織壁をともに保持するために十分であるが、組織壁に外傷を生じさせ得るほどの力ではない、圧力を提供する。
【0101】
本明細書に開示されるステントは、身体管腔間に吻合を形成するために使用されることができる。ステントの埋込の間の組織への損傷を低減し、組織の壊死を最小限にすることは、組織治癒を助長し、健全な吻合の形成を促すことができる。
【0102】
血管用途における埋込のための先行技術ステント設計は、標的場所に送達され、定位置に恒久的に保持されるように設計される。血管ステントは、埋込後、除去または移動されるように設計されない。先行技術血管ステントとは対照的に、本明細書に開示されるステントは、除去されることができる。本明細書に開示される組織アンカはまた、初期埋込手技の間、ならびに初期埋込から数週間、数ヶ月、またはさらに数年後の後続手技においても、可撤性である。
【0103】
ステントは、コーティングを含み、組織内部成長を防止することができる。ステント内の組織内部成長を防止することは、ステントの除去をより容易にする。コーティングはまた、ステントの平滑外側表面を提供し、ステントを展開および除去するとき、組織に対する摩擦を低減させるために使用されることができる。コーティングは、ステント構造内の空隙を低減または排除し、組織内部成長を防止することができる。ステントの圧潰性もまた、除去を促進する。二重壁フランジ構造はまた、フランジ構造が医療ツールを使用してより容易に把持されるため、ステントの除去をより容易にすることができる。いくつかの実施形態では、スネアが、ステントの二重壁フランジのうちの一方を把持するために使用されることができる。フランジの引張は、ステント構造を圧潰させ、ステントを圧縮し、吻合の形成後、ステントの容易な可撤性を可能にすることができる。
【0104】
サドル領域の長さは、フランジが、組織平面にしっかりと係合し、ともに保持するように、組織壁のそれぞれの厚さに基づいて最適化されることができる。フランジはそれぞれ、フランジ端が遷移または移動しないように、組織壁に係合することができる。二重壁フランジは、対向組織平面を定位置に保持することができる。フランジは、組織壁に係合し、組織壁の位置付けを制御し、ステントの他端によって係合される組織に対して所望の配向において、組織を保持することができる。
【0105】
本明細書に開示されるステントは、先行技術ステント設計に優る付加的強度を有する。ステント上の二重壁フランジ構造およびカフは、ステントに対して、対向組織平面に係合するための付加的強度を提供する。拡張された二重壁フランジは、サドル領域と約90度の角度を形成することができる。ステントの各端におけるカフは、フランジに対して、組織壁に係合するための付加的強度を提供する。
【0106】
ステントは、織形状のメモリ金属ワイヤ、例えば、ニチノールまたはEligiloyから形成されることができる。ワイヤは、典型的には、0.001インチ〜0.02インチ、通常、0.002インチ〜0.01インチの範囲内の比較的に小径を有することができ、編組は、10本程度の少ない本数のワイヤから200本程度の多い本数のワイヤ、より一般には、20本〜100本のワイヤを含むであろう。例示的場合では、ワイヤは、丸みを帯び、0.003インチ〜0.007インチの範囲内の直径を有し、合計24〜60本のワイヤを伴うであろう。ワイヤは、従来の技法によって、管状幾何学形状に編組され、管状幾何学形状は、所望の形状記憶を付与するように熱処理されるであろう。通常、編組チューブは、各端にフランジを伴う、所望の最終(展開)構成に形成されるであろう。そのようなフランジ付き構成は、次いで、半径方向拘束力または軸方向伸長力の不在下、アンカが、各端にフランジを伴う、縮小構成をとるような編組に、熱硬化または形成されるであろう。そのような縮小記憶構成は、アンカが、拘束構成(半径方向または軸方向のいずれかに伸長される)で送達され、その後、本体が、標的部位において、フランジ付き構成をとるように、拘束から解放されることを可能にするであろう。織ステント設計は、その可撓性、圧潰性、および弾性を用いて、送達を助長することができる。
【0107】
拡張されたステント形状およびサイズは、制御された寸法、例えば、中心サドル領域の内径および長さならびに二重壁フランジの直径を用いて製造されることができる。10mmサドル長(図19においてLとして図示される)を伴う15mm内径(図19にdとして図示される)のサドル領域と、24mmフランジ直径(図19においてDとして図示される)とを伴う、ステント(図22Aおよび22Bに詳細に図示される)が、使用されることができる。ステント構造は、図22A(断面)および22B(側面図)に詳細に図示される。図22Bは、カフまたは辺縁直径18mmを図示する。
【0108】
10mmサドル長さを伴う10mm内径のサドル領域と、21mmフランジ直径とを伴う、ステントも、使用されることができる。8mmサドル長さを伴う6mm内径のサドル領域と、15mmフランジ直径とを伴う、ステントも、使用されることができる。8mmサドル長さを伴う8mm内径のサドル領域と、17mmフランジ直径とを伴う、ステントも、使用されることができる。6mmサドル長さを伴う10mm内径のサドル領域と、21mmフランジ直径とを伴う、ステントも、使用されることができる。
【0109】
ステントまたは組織アンカは、カテーテルベースの送達デバイス、例えば、本明細書に開示される送達デバイス、典型的には、内視鏡下送達カテーテルによって送達されるように適合されることができる。カテーテルは、1mm〜8mm、通常、2mm〜5mmの範囲内の小径を有することができる。したがって、アンカ本体の伸長管状構成は、通常、カテーテル直径未満の直径、通常、0.8mm〜7.5mm、より一般的には、0.8mm〜4.5mmを有し、二重壁フランジ付き構造は、通常、3mm〜70mmの範囲、より一般的には、5mm〜40mmの範囲内で有意に拡張可能であろう。アンカの円筒形サドル領域は、多くの場合、展開の間、直径が増加しないが、随意に、2mm〜50mm、より一般的には、5mm〜20mmの直径に増加してもよい。存在するとき、展開された組織アンカを通した管腔または通路は、典型的には、0.2mm程度の小さいものから40mm程度の大きいものまで、より一般的には、1mm〜20mmの範囲内の種々の直径を有することができ、典型的には、若干、円筒形サドル領域の拡張された直径より小さい直径を有する。本体の長さはまた、有意に変動してもよい。典型的には、伸長管状構成にあるとき、本体は、7mm〜100mm、通常、12mm〜70mmの範囲内の長さを有するであろう。展開されると、本体は、典型的には、少なくとも20%、より典型的には、少なくとも40%、多くの場合、70%以上、縮小されるであろう。したがって、縮小された長さは、典型的には、2mm〜80mmの範囲内、通常、2.5mm〜60mmの範囲内、より一般的には、3mm〜40mmの範囲内であろう。
【0110】
いくつかの実施形態では、組織アンカの本体は、他の被覆または層を伴わない、織フィラメント編組から成ってもよい。いくつかの実施形態では、組織アンカはさらに、本体の少なくとも一部にわたって形成される膜または他の被覆を備えてもよい。膜は、組織内部成長を防止または阻止し、デバイスが、数週間、数ヶ月、またはそれ以上の間、埋入された後、除去されることを可能にするために使用されることができる。好適な膜材料として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸PTFE(ePTFE)、シリコーン、ポリプロピレン、ウレタン、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、C−FlexTM、熱可塑性エラストマー、KratorTM、SEBSおよびSBSポリマー、および同等物が挙げられる。
【0111】
いくつかの実施形態では、膜は、アンカまたはステントの全体にわたって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、膜または被覆は、アンカまたはステントの一部のみにわたって形成される。被覆または膜は、本体の外部または内部を覆って形成されてもよく、典型的には、膜が、伸長および縮小構成の両方において、本体に適合するように、エラストマーであろう。
【0112】
ステントは、活性化合物、例えば、治療化合物でコーティングされ、療法をステントに隣接する組織面積に提供することができる。いくつかの実施形態では、治療化合物は、ステントの展開後、組織治癒の間、組織付着およびステントとの係合を低減させるために使用されることができる。組織内部成長を助長しない、コーティングおよび表面が、いくつかの実施形態では、使用されることができる。例えば、Sirolimusおよびその類似物が、細胞増殖を停止するために使用されることができる。Taxolsもまた、癌治療において使用されることに加え、細胞増殖を停止するために使用されることができる。シリコーンおよび他の表面も、細胞増殖および内部成長を停止またはその速度を減速させるために使用されることができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、治療化合物は、組織の治癒および健全吻合の形成を助長することができる。治療化合物は、一定期間にわたって、ステントから放出される薬剤であることができる。いくつかの実施形態では、治療化合物は、ステント場所に隣接する組織または生体構造を治療するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、治療薬は、完全に被覆されず、組織内部成長を助長するステントと併用されることができる。例えば、酸化チタン層またはコーティングが、細胞増殖および組織内部成長を助長するために使用されることができる。生物学的化合物、例えば、サイトカインおよびホルモンは、組織成長も同様に助長することができる。
【0114】
ワイヤの数、サイズ、形状、および構成とともに、ステントの拡張された形状(例えば、フランジ、カフ、およびサドルのサイズ)が、所望の特性を伴う、拡張されたステントを達成するために選択されることができる。二重壁フランジ付き構造の強度は、管状アンカ身体を形成するために使用される個々のワイヤの数、サイズ、剛性、および織パターンに依存するであろう。例えば、多数のニチノールワイヤ、例えば、48本であるが、比較的に小ワイヤ直径、例えば、0.006インチを伴う、設計は、可撓性のままであるサドル領域および比較的に堅固である二重壁フランジを伴う、編組構造を形成するであろう。より少ないワイヤ、例えば、16本、およびより大きいワイヤ直径、例えば、0.016インチの使用は、比較的に硬質サドル領域および比較的に剛性の非可撓性フランジを伴う、編組構造を形成するであろう。通常、より可撓性の設計が、望ましい。
【0115】
いくつかの実施形態では、二重壁フランジ構造は、1g/mm〜100g/mmの範囲内、好ましくは、4g/mm〜40g/mmの範囲内の事前に選択された曲げ剛性を有することが好ましい。同様に、中心サドル領域は、1g/mm〜100g/mmの範囲内、好ましくは、10g/mm〜100g/mmの事前に選択された曲げ剛性を有することが好ましい。
【0116】
フランジの曲げ剛性は、以下の試験によって判定されることができる。遠位フランジが、固定具に固着される。フランジの外径が、Chatillon力計に取り付けられたフックを使用して、組織アンカの軸と平行な方向に引張される。アンカのサドルは、固定具内の孔内に保持され、力(グラム)および偏向(mm)が、測定および記録される。フランジの曲げ剛性は、以下の試験によって判定されることができる。遠位フランジは、固定具内に固着される。フランジの外径が、Chatillon力計に取り付けられたフックを使用して、組織アンカの軸と垂直な方向に引張される。アンカのサドルは、固定具内の孔内に保持され、力(グラム)および偏向(mm)が、測定および記録される。
【0117】
ステントの引き抜き強度も、測定されることができる。上側および下側試験固定具が、設定オリフィスサイズを有するシリコンシートから組み立てられる。オリフィスサイズは、ステントサドル直径に対応する。力計が、試験固定具の一方に搭載され、他方の固定具は、Chatillon試験台に取り付けられ得る。上側および下側試験固定具は、相互に並んで整合され、チューブが、上側および下側試験固定具上のシリコーンシートの両側でステントの近位および遠位フランジを展開するために使用されることができる。Chatillon試験台速度が設定され、力計はゼロにされる。次に、ステントは、いずれかのフランジが個別のオリフィスを通して滑動するまで引張される。ステントフランジをオリフィスを通して引張するために要求される力が、試験されたステントに対して記録される。
【0118】
ステント引き抜き強度試験は、市販のステント設計および本明細書に開示される設計を使用して行われた。Cook Medical製SolusTM10フレンチ二重ピグテールステントは、98グラム(力)〜183グラムの範囲の引き抜き強度で試験された。Boston Scientific製AdvanixTM10フレンチ二重ピグテールステントは、162グラム〜380グラムの範囲の引き抜き強度で試験された。Cook ZimmonTM7フレンチ二重ピグテールステントは、200グラム〜217グラムの範囲の引き抜き強度で試験された。二重壁フランジ構造およびサドル直径10mmを伴う、Xlumenaステントは、338グラム〜600グラムの範囲の引き抜き強度で試験された。Xlumenaステントは、試験された先行技術の二重ピグテールステントに優る改良された引き抜き強度とともに、身体管腔間に改良された流体連通を示した。
【0119】
いくつかの実施形態では、ステントは、約400グラムを上回る引き抜き強度で展開された。いくつかの実施形態では、ステントは、約500グラムを上回る引き抜き強度で展開された。いくつかの実施形態では、ステントは、約600グラムを上回る引き抜き強度で展開された。
【0120】
円筒形サドル領域は、展開されたフランジ間のアンカ本体上に留まり、フランジは、組織層に圧接し、接近力を提供することが可能である。典型的には、本体は、有意な組織傷害または壊死を生じさせずに、それらをともに保持するために十分な圧力を組織に印加するように選択された程度まで縮小されるであろう。通常、印加される圧力は、0.005g/mm〜5g/mm、通常、0.2g/mm〜1g/mmの範囲内であろう。
【0121】
本明細書で使用されるように、「約」、「実質的に」、「概して」、および他の相対的用語は、近似的または合理的に近いことを指す。ある場合には、相対的用語は、±10%を指し得る。ある場合には、相対的用語は、±5%を指し得る。ある場合には、相対的用語は、±2%を指し得る。ある場合には、相対的用語は、±1%を指し得る。
【0122】
前述の発明は、理解の明確性の目的のために、例証および実施例として、ある程度詳細に説明されたが、種々の代替、修正および均等物が使用されてもよく、前述の説明は、添付の請求項によって部分的に定義される、本発明の範囲の限定として捉えられるべきではないことは明白となるであろう。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図19F
図19G
図19H
図19I
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図21D
図22A
図22B