(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
流体ロータ付き回転装置であって、ロータは、ロータの主軸(1)を中心に回転するアーム(2)に取り付けられた少なくとも一つの羽根(4)を備え、ロータは、前記軸(1)が流体の流れの方向にほぼ垂直であるような方向に支持構造(5)によって保持され、羽根(4)は、主軸(1)に平行な回転軸(3)を中心に回転するように取り付けられる装置において、回転軸(3)の位置でアーム(2)に対する羽根(4)の相対的な回転運動を生成して、それによって、羽根の傾斜を変化させるための手段を備え、前記アームに対する羽根の相対的な回転運動を生成するための手段は、
偏心要素と、羽根に接続された反転要素とを備え、羽根の前記回転軸上で回転する偏心器付き機構と、
主軸を中心にしたロータの回転に前記偏心要素の回転運動を同期化するための手段であって、ロータの角度位置に関係なく偏心要素を同一の方向に維持するのに適しており、したがって、Lipp(リップ)型運動を実現する機械的伝動手段と
を備えることを特徴とする装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、羽根が取り付けられたロータの回転に応じて羽根の角度の自動制御を確実にすることができる新規な機械的解決方法を提案することを目的とする。羽根の回転軸は、その羽根が周縁部に配置されているロータのシャフトに平行である。この新規な機構は、単純であり、良好な効率を提供し、特に羽根の最大傾斜を管理するために複数の自由な要素を残し、直径の大きいロータに適している。特に水平または鉛直バージョンで利用できる風車の実現に適している。
【0005】
本発明の別の目的は、また、ある動作モードから別のモードに、例えば、Lippロータ型モードからVoith装置型モードに移行することのできる新規な機械的解決方法である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために、流体ロータ付き回転装置であって、ロータは、ロータの主軸を中心に回転するアームに取り付けられた少なくとも一つの羽根を備え、ロータは、前記軸が流体の流れの方向にほぼ垂直であるような方向に支持構造によって保持され、羽根は、主軸に平行な回転軸を中心に回転するように取り付けられる装置において、回転軸の位置でアームに対する羽根の相対的な回転運動を生成して、それによって、羽根の傾斜を変化させるための手段を備え、前記手段は、羽根の前記回転軸上で回転する偏心器付き機構を備えることを特徴とする装置を提案する。
【0007】
この装置の好ましいが、限定的ではないいくつかの側面は、単独で、または、当業者には技術的に両立可能なあらゆる組み合わせでも取り上げられる下記の補足的な特徴を含むことができる:
‐偏心器付き機構は、回転軸とは一致しない回転軸を中心にして回転する反転要素を備え、前記反転要素の端部の一つは羽根に接続され、もう一つの端部はクランク軸に接続される。
‐クランク軸は、回転軸を定義するシャフトに取り付けられ、および、アームに取り付けられている。
‐機構は、回転軸上に取り付けられ、回転軸を支持する偏心要素、および、主軸を中心にしたロータの回転に前記要素の回転運動を同期化するための手段を備える。
‐同期化手段は、ロータの角度位置に関係なく偏心要素を同一の方向に維持するのに適しており、クランク軸は、アームに対して一定なので、したがって、Lipp型運動を実現する。
‐同期化手段は、偏心要素をアームと共に回転させるためのものであり、クランク軸は、ロータの角度位置に関係なく同一の方向を維持し、したがって、Voith‐Schneider(フォイト‐シュナイダー)型運動を実現する。
‐装置は、流体の流れの速度に応じて一つまたは複数の羽根の最大入射角度を変化させる手段を備える。
‐前記手段は、偏心器付き機構と羽根の間の制御の幾何学の自動修正要素を備える。
‐前記手段は、偏心器付き機構と羽根の間の制御の幾何学の調節要素を備える。
‐クランク軸の各々の偏心要素の方向の維持は、各々が、クランク軸を有するアームを有する回転要素および偏心要素を有する回転要素間の単一の係数での角度伝達によって確実にされる。
‐装置は、偏心要素に、あるいはクランク軸に、要素を選択的に結合させるため、および、各々クランク軸または偏心要素を切り離すためのモード切り換え手段を備える。
【0008】
本発明は、多数の利点を示す。
【0009】
本発明は、羽根の入射角限度を常に制御することができるので、激しい流体の流れ内で機能することができる。発電機バージョンでは流体の流れが増大するとき、または、プロペラバージョンではロータの回転速度が増大するとき、自動的に羽根の入射角を減少させることができ、したがって、発電機としての使用の場合にはエネルギーを生成し続けながら、ロータ機構を保護することができる。羽根の入射角限度を制御することによって、また、発電機モードでもプロペラモードのように、より大きな範囲の流れの強さで効率を増大させることもできる。これらのストローク値は、クランク軸上での連接棒の固定点の位置に作用して、実施態様に応じて制御することができる。クランク軸の中央軸の連接棒の引っ掛け点を接近させることによって、連接棒の行程、したがって遊動棒の運動振幅、および、したがって最終的に羽根の限界角度を減少させる。
【0010】
本発明は、作動中にほとんど騒音をたてない。
【0011】
風車での利用では、従来の風力タービンの場合のように、羽根の端で高速の問題が生じない。さらに、風力タービンより鳥類にとって見やすいという生態学上の利点がある。
【0012】
本発明は、大きな風車を作製するための極めて大きなサイズのロータと同様に、例えばマイクロポンプを作製するための小さなサイズのロータを作製することができる。
【0013】
一実施態様によると、各羽根がそれらの両端で構造体に固定されているので、ロータは特に堅牢である。
【0014】
ロータの直径および羽根の幅と外形の様々な実験を、流れの性質、その平均力および先端での力、および、本発明の使用の型、すなわち、発電機かプロペラかに応じて、最良の妥協点を決定するために行うことができる。流体力学的および空気力学的シミュレーションは、また、これらの選択の妥当性を検証することができる。
【0015】
本発明は、水平軸または鉛直軸を有する発電機バージョンまたはプロペラバージョンを実現することができる。
【0016】
一実施態様によると、流れの強さに応じて装置の適合性を増大させるために、ロータの直径を調節可能にすることができる。
【0017】
別の一実施態様によると、外形およびサイズが同じまたは異なる複数の羽根を同一アームに取り付けることができる。羽根の間の空間は、それらの羽根が固有の回転軸を中心に回転できるように十分でなければならない。
【0018】
本発明の他の特徴、目的および利点は下記の図面を参照して行う下記の説明から明らかになるであろうが、その説明は単に例であって、本発明を何ら限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
水平方向の流体の流れ内に配置されたロータの回転に同期化された機構を備える流体駆動装置について以下に記載する。その機構は、このロータの周縁部に取り付けられた少なくとも一つの羽根の入射角を制御することができる。
【0021】
図1は、一つの羽根付きのLipp型運動ロータの全体的な側面図であり、それによってロータの角度位置に応じた羽根の運動を図示することができる。ロータは、支持構造5によって保持された軸1を中心にして回転する。アーム2の端部に配置された羽根4は、以下に説明する同期機構により、一定のサイクルによって、流れの方向に対して−90°〜+90°の角度範囲で軸1に平行な軸3を中心にして回転することができる。
【0022】
同期機構の第一の部分を
図2に詳細に示す。この機構は、ここではナセルと呼ばれる偏心要素6を備えており、その上には軸8が固定され、この軸8を中心にして反転要素7すなわち遊動棒が回転する。ナセル6は、滑車3に連結されており、その滑車3自体がベルト(またはチェーン)10によって固定滑車9に接続され、したがって、ロータがその回転軸1を中心にして回転するとき、ナセル6は常に同じ方向に方向付けされ続ける。一実施態様によると、二つの滑車の減速比は、1に等しい。ナセル要素は様々な形状によって設計することができる。ナセル6上の軸8の位置の選択は、主に装置のサイズおよび
図3を参照して以下に説明する機構の第二の部分の概念に応じて決定される。
【0023】
図3は、ロータの角度位置に応じて羽根4の入射角を制御することのできる機構のこの第二の部分の詳細図を示したものである。羽根4は、軸3を中心にして回転する。この第一の実施態様によると、円盤12は、クランク軸を形成し、その中央軸は、第一のアーム2に対向する第二のアーム上に固定されている。クランク軸は、単純な円盤に限定されることなく、様々な形状であることもできる。このクランク軸上に、ナセル6に連結された軸8を中心にして回転する遊動棒7に接続された連接棒13が固定される。この遊動棒のもう一つの端部は、それ自体羽根に固定された突出部15に接続されたロッド14に接続される。ロータが回転するとき、回転するのはクランク軸ではなく、ナセルがクランク軸を中心にして相対的に回転し、クランク軸は、反対側のアーム2’に直接接続されるので、固定されている。
【0024】
図4Aから4Dは、ロータの角度位置に応じて羽根の傾斜を制御することができる
図2および
図3に図示した機構の動作サイクルを図示している。
図1に示した実施態様とは反対に、ロータは、今回は時計回りに回転し、これは風車用途の一種の場合である。
図1と同様に、空気の流れは左から来る。認められた専門用語で最も「風上」もしくは「最も風に近い」位置の羽根が上昇相にあり、前縁は上方を向き、最も「風下」の位置の羽根は下降相であり、前縁は下方を向いている。
図4Aは高い位置の羽根を示している。Lipp型装置の原理によると、この位置を通過するとすぐに、羽根は徐々に下方に傾斜して、ロータの回転維持に作用する力を生成しなければならない。
図4Bは、ロータが
図4Aのその初期位置に対して90°回転したもので、サイクルのこの相の羽根を図示している。ロータがその初期位置から180°にあるとき、
図4Cに図示したように、羽根は再度風上に向かって保持されなければならない。この180°の回転位置を通過すると、羽根は上昇相にあり、前縁は上方を向く。
図4Dは、初期位置から270°の、この上昇相の羽根を図示している。これらの四つの図面を続けて観察して、円盤12から構成されたクランク軸はアーム2に対して同一位置にとどまり続けることが確かめられる。動作サイクルのとき、遊動棒7がその上を回転する軸8は軸3を中心にした円を描き、その円は
図4Aから4Dに点線で図示されている。ナセル6に固定されたこの軸は、アーム2に対して確かに移動している。
【0025】
図5は、ロータの回転に応じて羽根の傾斜を制御することができる機構の全体の断面図である。この実施態様では、羽根はその両端の各々で固定されている。羽根4が回転する中心とする軸3の延長部に取り付けられた軸16は、アーム2の反対側のアーム2’に固定される。軸16の端部には、連接棒13を駆動するクランク軸を形成する円盤12が固定されており、その連接棒自体ナセル6に固定された軸8を中心にして回転する反転要素7に接続される。ロッド14なしでも、羽根4は軸16を中心にして自由に回転する。
【0026】
一実施態様によると、連接棒は、遊動棒に直接接続されておらず、連接棒の頭部は並進可動部、例えば、リニアレールに取り付けられたキャリッジに付けることができ、そのとき、この可動部は新規な反転要素によって遊動棒に接続される。必要ならば、この解決法によって、反転要素7に直接取り付けられた連接棒の機械的原理に固有の非対称である、ロータのフル回転サイクルに観察される羽根の非対称な運動を補正することができる。この非対称な運動は、また、様々な要素、すなわち、反転要素7、ロッド14および突出部15の幾何学的形状に作用して、補正される。
【0027】
図6Aから6Cは、高速流のための羽根の最大傾斜を減少させるための変形実施態様を図示している。突出部15上のロッド14の引っ掛け点は、一つまたは複数の緩衝器の使用に基づくシステムによって可変にされる。羽根にかかる一定の力を超えると、遊動棒7の位置がどうであれ、流れに対するこの羽根の入射角は無視できるものになり、さらに零になるような、ばねの目盛調整ならびに一つまたは複数の緩衝器の行程を考慮することができる。油圧は、装置の完全性の保護機能を有する上に、ロータの位置に応じて羽根の角度位置を微細に修正し、振動現象を制限または防止することができるので、無視できない。
【0028】
別の実施態様によると、流れの強さに応じた羽根の傾斜の最大値の制御は、
図7に図示したように、羽根に固定された軸17を中心にして突出部が回転することを可能にすることによって実現される。緩衝器は、羽根にかかる力に応じて羽根に対する突出部の傾斜の自己調整が可能であるように、突出部および羽根の間に取り付けられている。緩衝器が圧縮されると、羽根の入射角は減少する。
【0029】
また別の実施態様によると、連接棒13の行程を変更することができるアクチュエータにより、連接棒の脚部およびクランク軸12の中心の間の間隔を変化させることによって、羽根の入射角の限界値を管理することができる。回転軸がクランク軸の回転軸内にあるカムは、連接棒の脚部に寄りかかることができ、連接棒は、クランク軸の半径内で滑動する。機械的自動制御システムからこのカムに作用して、連接棒の脚部をクランク軸の回転軸から遠ざけたり、近づけたりして、したがって、連接棒の行程を変更することが可能である。クランク軸内で滑動する機構の部分は、クランク軸の周縁部に配置されたばねによって保持される。
【0030】
さらに別の実施態様によると、連接棒の脚部の位置の自動制御は、電気機械、気圧、油圧および電子的解決法を組み合わせたシステムによって確実にすることができる。
【0031】
別の実施態様によると、滑車/ベルト組み合わせ装置を歯車の連続式噛合い(
図8A)、角度90°の反転(
図8B)またはさらにチェーンおよび二つの歯車(
図8C)に取り換えることができる。図示していないが、さらに別の実施態様によると、油圧式、電気式または気圧式駆動装置を使用することができる。
【0032】
図9は、ウォームを使用したアクチュエータによって歯車9の角度位置を修正するための解決法を図示している。これによって、ロータの角度位置に対する羽根のサイクルを角度的にずらすことができる。特に本発明が鉛直軸の発電機の設計に使用されるとき、またはさらに流れの方向決定を制御しようとするプロペラを作製するために使用されるとき、この可能性は重要であることがある。
【0033】
本発明の主な利点の一つは、発電機モードにあるかまたはプロペラモードにあるかによって、回収されるまたは生成される流れの速度に応じるその適合性である。広範囲の流れの速度に渡って高い効率を維持するために、流れの速度に応じて羽根の最大入射角度を変更することができる。流速が大きくなるほど、羽根の入射角の限界値は小さくなるべきであり、極端な条件ではほとんど零になる。
【0034】
チェーンシステム、角度反転システムまたは歯車の連続式噛合いシステムの場合、油で充填されたハウジングを備えて、これらの機械的伝動器具の摩耗を極限まで制限し、効率を可能な限り向上させることが考えられる。また、低コストのバージョンでは、自動潤滑チェーンを使用することもできる。
【0035】
チェーンによる、または、ベルトによる作動の場合、好ましくは、それ自体公知の自動引っぱりシステムを使用して、保守作業を限定する。
【0036】
従来の歯車装置による、または、角度反転による駆動は、チェーンまたはベルトの引っぱりの問題を回避する利点があるが、しかしながら、効率を犠牲にする。しかし、角度反転を利用するシステムは、大きなサイズのロータを作製するために、また、保守作業を最小にするために、利点がある。
【0037】
本発明は、水平バージョンでも鉛直バージョンでも利用できる。
【0038】
a)水平バージョンの発電機
水平バージョンでは、発電機を常に流体の流れに対向させるように、構造全体が鉛直軸を中心にして回転することができなければならない。方向舵は風向き計として使用できるが、より大きなスケールのバージョンでは、流れの方向に対する発電機の位置の電子機械的自動制御が好ましい。
【0039】
一実施態様によると、羽根が流体の流れに最も近いときと羽根が流体の流れに最も遠いときとの間で、異なる入射角を生成することができる。特に流れから最も離れた羽根では入射角がより際立っており、したがって、流れに最も近い他の羽根によって部分的に覆い隠されるように資することができる。
【0040】
一実施態様によると、水平軸発電機モードで、流体の流れに最も近い羽根は上昇相にあり、流体の流れに最も遠い羽根は下降相にあるようにすることができる。
【0041】
別の実施態様によると、常に水平軸の発電機モードでは、流体の流れに最も近い羽根は下降相にあり、流体の流れに最も遠い羽根は上昇相にあるようにすることができる。
【0042】
発電機の水平バージョンの主な利点はその単純さである。
【0043】
b)鉛直バージョンの発電機
鉛直軸を有する発電機モードでは、流体の流れに対してシステムを良好な方向に維持するための二つの解決法を取り上げることができる。
【0044】
第一の解決法は、水平な場合と同様に、流体の流れに対して構造全体を良好な方向に維持することができる風向き形型のシステムを使用することである。
【0045】
より進化した第二の解決法は、
図9に図示したように、アクチュエータ18を介して滑車9を回転制御するものである。実際、この滑車(またはこの歯車、またはこの歯車装置、またはこの角度反転)を操作することによって、流体の流れの方向に対して一つまたは複数の羽根の迎え角の方向を変更することができ、したがって、風向き計を用いた構造全体を取り付けることから解放されることができる。アクチュエータの自動制御は、流体の流れの方向に応じて実施されなければならない。
【0046】
中央歯車の位置の制御原理を保持して、プロペラを作製する場合、このように流れを360°に方向付けできる。水平軸を有するプロペラの場合、この解決法によって船舶用スクリュー付きプロペラのものに類似した「トリム」機能を実現することができる。
【0047】
様々な実施態様によると、ロータは時計回りまたは反時計回りに回転するように設計される。
【0048】
一実施態様によると、システムが本来的に不安定であり、したがって、発電機を利用する場合には補助なしで回転を容易にするために、羽根の数が奇数であることが好ましい。
【0049】
様々な実施態様によると、ロータは、ロータの周縁部全体に均等に配分された数十の羽根まで備えることができる。
【0050】
様々な実施態様によると、複数の羽根をロータの同一アームに取り付けることができる。これらの様々な羽根の間の間隔は、各羽根がその固有の回転軸で回転するのに十分でなければならない。同一アームに取り付けられる羽根は、同一のものでも、または、サイズおよび形が異なるものでもよい。一実施態様によると、ロータの中心に最も近く配置された羽根は、アームの端部に取り付けられた羽根より小さい弦を有することがある。各羽根は、その固有の自動制御機構を備えることができるか、または、アームによる単一の自動制御機構を使用して、この同一アームの様々な羽根だけを制御することができる。
【0051】
様々な実施態様によると、羽根は、対称的な外形または非対称的な外形を有することができる。
【0052】
一実施態様によると、羽根にフラップを搭載することができ、フラップは、羽根の前縁および/または後縁を変更することができる。また、二重のフラップを搭載して、羽根の外形を変形可能にすることができる。電子制御されたスポイラを羽根上で使用することもまたロータの回転速度の緩和の目的で考えられる。ナノ材料のサメ皮の使用のように、境界層の失速を遅らせるために航空機において考えられた様々な解決法を使用することができる。
【0053】
一実施態様によると、羽根はその端部の一つだけで維持されることができる。クランク軸の軸はベルト装置の場合には、ナセルおよび滑車間を結合させる軸の内部を通過しなければならないので、したがって、機構の構造は変更されるであろう。
【0054】
様々な実施態様によると、羽根の外形は、羽根の長さの方向で変化できる。特に、弦が、端部で他の端部のものより大きい羽根を作製することができる。本発明が単一の端部によって保持された羽根を有する鉛直モードの風車を作製するために考えられる場合、アーム側により広い羽根を作製して、構造全体により良好に応力を分割することができる。
【0055】
一実施態様によると、羽根4の回転軸は、前縁から羽根の三分の一の地点に配置されることができる。
【0056】
別の実施態様によると、羽根の角度制御は、羽根上のどの場所にも配置できる突出部を介して実施される。
【0057】
発電機バージョンの本発明が流速の制限条件に直面するとき、一実施態様によると、
図3に見られるロッド14を、一定の機械的圧力を越えると折れてヒューズとして働くことができるように設計することができる。
【0058】
さらに別の実施態様によると、クランク軸を一つまたは複数のカムに取り換えることができ、一つまたは複数のカムは、一つまたは複数の押し棒に作用し、これらの押し棒は、ナセル上に固定された油圧式または気圧式ポンプを作動させる。これらのポンプによって、場合に応じて油圧式または気圧式ジャッキを作動させることができるが、これらのジャッキは、それらの端部の一つが羽根に、もう一つの端部がナセルに接続されている。したがって、これらのジャッキを作動させると、ナセルの固定軸を中心にして羽根を回転させることが可能である。
【0059】
発電機モードでは、ブレーキシステムは、緊急の場合ロータを停止させるために、および、保守作業を容易にするために作製される。
【0060】
一実施態様によると、構成部分の各々は、振動を減少させながら、構造を容易に回転させるためにバランスがとれている。例えば、ナセル、それらの回転軸に対する翼、およびより一般的にはすべての可動装備は、装置の信頼性を向上させながら、この回転の実施を容易にするために、バランスをとることの対象となることができる。
【0061】
発電機モードでは、交流発電機のような電気装置は、ロータによって直接または倍速または減速変速機を介して運動させることができる。
【0062】
一変形態様によると、交流発電機は、永久磁石付きモータのような、あらゆる型の発電機に取り換えることができる。ロータは、また、油圧式または気圧式などあらゆる種類のポンプを駆動することができる。
【0063】
別の実施態様によると、交流発電機を直接羽根の端部に配置することができる。
【0064】
理想的には、運転中すべての部分は、ボールベアリングまたは軸受に取り付けられており、それによって、装置の摩耗を減少させながら、機械的な摩擦による損失をできる限り制限する。オイルポンプを使用する潤滑システムを使用して、必要に応じて機械的な部分を潤滑にすることができる。
【0065】
特にVoith‐Schneider型運動による作動用の、および、またロータが選択的に作動モードまたは別のモード、例えば、Lipp型作動モードまたはVoith‐Schneider型作動モードに置かれるバイモード装置の作製のための装置の別の実施形態を以下に記載する。
【0066】
この点に関して、以前からVoith‐Schneider型ロータの原理が公知であり、このロータはある用途(河川用船舶、タグボート、フェリーなど)の船用プロペラモードに使用されている。一般的に、Voith‐Schneider型ロータの運動は、ロータの中心に配置された偏心器を使用して得られ、その偏心器は大きなサイズの連接棒を介して羽根の入射角を制御する。機械的要素は、十分に大きいサイズであり、それは高い回転速度を困難にする。
【0067】
さらに、プロペラモードでは、Voith‐Schneider型運動ロータによって極めて強いトルクを可能にするが、高速は可能ではなく、一方、Lipp型運動ロータでは高速が可能である。したがって、一つの運動からもう一つの運動へ移行することのできるプロペラは大きな使用利点を示す。
【0068】
まず、
図10はVoith‐Schneider型運動およびLipp型運動の相違を図表に示している(≪Etude des Performances d’un Propulseur Cycloidal Nouveau(Procede Lipp)≫、J.F.Devillers、T.Pichon、R.Roucous、5emes journees de l’hydrodynamique、22、23、24 mars 1995、Rouenから抜粋)。
【0069】
ここでは、
図11を参照して、上記の図面の一般的な構造と同一のそれに基づく、Voith‐Schneider型運動によって作動する装置を記載する。上記の図面と同じまたは類似の要素または部分には同一の参照番号を付し、再度記載しない。
【0070】
Voith‐Schneider型運動を実現するために、反転要素7がそれを中心にして回転する軸8は、ここではアーム2に固定されている。さらに、連接棒13を作動させるクランク軸12は、ここではベルト10(またはチェーンなど)を介して滑車9に接続された滑車11によって駆動される。Lipp型作動モードと同様に、滑車9は固定されている。
【0071】
図12は、この装置の動作をロータの4つの角度について図示している。軸8が固定されており、クランク軸が滑車11によって駆動されることから、内燃機関のリンク機構と同じ機構によって、異なる運動が得られ、それがここではVoith‐Schneider型であることが分かる。
【0072】
図13Aおよび13Bは、自由端が固定されておらず、機械的支持、駆動および制御の機能全体は、自由端と反対側の羽根の端部からもたらされる、片持ち梁の羽根を備える本発明の別の実施形態を図示している。
【0073】
図13AはLipp型運動によって作動する装置の場合である。羽根4は、軸受またはベアリングを通過する軸40によって作動し、その軸上には突出部15が固定されている。別の軸42は、偏心要素を形成する部品41の内部を通過し、その部品41は上記の実施形態のナセル6と機能的に同等である。軸42は、軸受またはベアリングに取り付けられ、部品41に対して回転する。滑車11は、中心からずれた位置で軸8を支持する部品41を選択的に駆動し、その軸8を中心にして反転要素7が回転する。軸42は、クランク軸12を支持し、アーム2の部分2’に対して選択的に回転が阻止される。部品41は、軸受またはベアリングを介してアームの部分2’に取り付けられ、前記部分に対して回転する。
【0074】
図13Aに示した実施態様では、アーム2に対する軸42の選択的回転阻止は、明晰さおよび単純さを重んじることから、止めねじ43によって実現されるように図示されている。同じ精神で、
図13Bにはアーム2に対する部品41の選択的回転阻止が、明晰さおよび単純さを重んじて別の止めねじ4によって実現されるように図示されている。
【0075】
図13A(Lipp型運動)の場合、滑車11は部品41を駆動し、一方、軸42はねじ43によって固定されている。
【0076】
LippモードからVoith‐Schneiderモードに移行するために、ねじ44(
図13B)を締め、滑車11が軸42を駆動し、一方、部品41は回転が阻止される。
【0077】
したがって、単純な機械的制御手段(ここでは明晰さおよび理解しやすさを重んじて、止めねじによる概略化を実施している)によってLipp型運動からVoith‐Schneider型運動に移行できることが分かる。この可能性は、特にプロペラモードでは非常に重要であり、実際、Voith‐Schneiderモードは低い前進速度には極めて良好な効率を提供し(回転中の羽根の速度に対する、ロータによって推進されたエンジン速度として定義される)、反対に、Lippモードは高い前進速度で極めて良好な効率を提供する。したがって、同一のロータを使用して、低速に極めて強いトルクを組み合わせ、また、極めて高い速度を可能にすることができる。
【0078】
要約すると、一つの運動から他の運動へ移行する解決法は、滑車11を介して、第一の軸を駆動し、一方、第二の軸はある位置で固定されるものであり、そして、その反対のこともある。工業的な実施態様では、この型の機構は、例えばギアボックスの場合におけるように、かみ合いクラッチおよび溝付きの軸、機械的または電気機械的なクラッチ機構、電子磁気カプラなどに基づくことができる。
【0079】
以下に、
図14Aおよび14Bを参照して、そのようなモード変更機構の一例を記載する。この機構は、二つの位置のうち一つに固定されて、軸46を中心にして回転する円筒45を備える。この動作を可能にするアクチュエータは図示されていないが、それはオートバイで使用されるシーケンシャルギアボックスの慣例原理を採用する。位置セレクタは、中央制御から機械的に制御される(または、されない)ことができる。円筒45は、軸47に沿って二つのフォーク48および49を移動させることができる二つの通路を備える。フォーク48および49は、部品50および51を各々操縦する。中心に溝を備えるこれらの部品50および51は、溝のある二つの軸52および53に沿って、それらの溝にはめ込まれて各々移動することができるように考えられている。部品50および51は、また各側にかみ合いクラッチ54を備える。部品50および51の位置によると、これらのかみ合いクラッチは、ベルト10に駆動される滑車11によって、または、これらの図面に示した機構を支持するアーム2に対して固定されて保持される部品である部品56および57によって構成される他のかみ合いクラッチによって支持される同等のかみ合いクラッチ55に選択的にはめ込まれるようになる。クランク軸12は、溝のある軸52に連結されており、一方、偏心要素41は、溝のある軸53に連結されている。
図14Aに示した位置では、円筒45、および、したがってフォーク48および49は、部品50および51と同様に、クランク軸12が部品57によって回転阻止されているので、所定の位置に固定されて保持されており、一方、偏心要素41は歯車11に連結されているような状態にある。このように、Lipp型運動での動作が見られる。
【0080】
図14Bの場合には、円筒45は第二の位置の方へ移動し、したがって、円筒45、フォーク48および49、および、部品50および51は、偏心器装置41が部品56によって回転阻止されているので、所定の位置に固定されて保持されており、一方、クランク軸12は歯車11に連結されているような状態にある。このように、Voith‐Schneider型運動での作動が見られる。
【0081】
もちろん、本発明は、記述および図示した実施形態に限定されるものでは全くなく、当業者は多数の変更および修正を行うことが可能である。