(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特定情報取得装置は、前記被介助者に装着されて該被介助者と関連付けられた識別符号を有する端末装置であって請求項1に記載の介助ロボットに対する操作指示および前記被介助者の識別符号を送信データとして送信する端末装置と、前記端末装置からの前記送信データを受信する受信機と、を有し、
前記認識部は、前記受信機によって受信された前記送信データのうち前記被介助者の識別符号から前記被介助者を特定する請求項1に記載の介助ロボット。
前記特定情報取得装置は、前記被介助者を介助する介助者に装着されて該介助者と関連付けられた識別符号を有する端末装置であって請求項1に記載の介助ロボットに対する操作指示、前記介助者の識別符号および前記被介助者の識別符号を送信データとして送信する端末装置と、前記端末装置からの前記送信データを受信する受信機と、を有し、
前記認識部は、前記受信機によって受信された前記送信データのうち前記被介助者の識別符号から前記被介助者を特定する請求項1に記載の介助ロボット。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による介助ロボットの一実施形態について説明する。
図1はこの介助ロボット20が配置されている介護センタ10の概要を示す概要図である。この介護センタ10は、ステーション11、トレーニング室12、各個室13a〜13dが設けられている。介護センタ10は、人が居住する居住区域である。介護センタ10内に存在する人は、介助を必要とする被介助者M1や被介助者M1を介助する介助者M2である。
【0010】
図1に示すように、ステーション11は、介助者M2の詰め所であり、介助ロボット20が待機したり、充電されたりする基地である。トレーニング室12は、被介助者M1がトレーニングやリハビリテーションを行う部屋である。各個室13a〜13dは、被介助者M1が居住する部屋である。ステーション11、トレーニング室12、および各個室13a〜13dは、入出口11a,12a,13a1〜13d1がそれぞれ設けられており、入出口11a,12a,13a1〜13d1は通路14を介して接続されている。
【0011】
ステーション11内には、介助ロボット20と互いに無線で通信可能なホストコンピュータ51が備えられている。ホストコンピュータ51は、被介助者M1に対する治療・診断情報(例えばカルテ情報)、介護情報(例えばリハビリ情報)、被介助者M1および介助者M2の識別番号(識別符号)を一括して管理している。
【0012】
介助ロボット20は、人が居住する居住区域内の移動が許可されかつ居住区域内を駆動源である左右駆動輪用モータ21g,21hによる駆動によって移動するものである。なお、
図1において、介助ロボット20の近傍の矢印は、介助ロボット20の進行方向を示している。
【0013】
介助ロボット20は、
図2に示すように、操作者である被介助者M1(または介助者M2)に装着されている端末装置41と互いに通信可能であるとともに、ホストコンピュータ51と互いに通信可能である。なお、介助ロボット20は、ホストコンピュータ51経由で端末装置41と互いに通信可能となるようにしてもよい。
【0014】
介助ロボット20は、被介助者M1の体の一部(例えば、上半身特に胸部)を支えて起立および着座を補助するための介助ロボットである。この介助ロボット20は、
図3および
図4に示すように、基台21、ロボットアーム部22、保持部23、ハンドル24、操作装置25、および制御装置26を含んで構成されている。
【0015】
基台21は、左右基部21a,21bと左右脚部21c,21dを備えている。左右基部21a,21bは、左右方向に所定距離を置いて配設されており、左右基部21a,21bには、
図4に示すように、左右駆動輪21e、21fがそれぞれ設けられるとともに、左右駆動輪21e、21fをそれぞれ駆動する左右駆動輪用モータ21g,21hが内蔵されている。介助ロボット20は、左右駆動輪用モータ21g,21hによりそれぞれ駆動する左右駆動輪21e、21fによって走行する。
なお、左右駆動輪21e,21fおよび左右駆動輪用モータ21g,21hから走行用駆動部ACが構成されている。また、基台21に設けた前記駆動源を省略して構成して、被介助者M1により押されて移動するようにしてもよい。
【0016】
左右脚部21c,21dは、左右基部21a,21bから前方方向(
図3,4において左方向)に水平に延設されている。左右脚部21c,21dの先端部には、左右従動輪21i,21jがそれぞれ設けられている。また、左右脚部21c,21dの先端には、一対の衝突防止センサ21k、21lがそれぞれ設けられている。衝突防止センサ21k、21lは、障害物を検知するセンサであり、その検出信号は制御装置26に送信されるようになっている。
【0017】
ロボットアーム部22は、基台21にその基部が取り付けられており、主として
図5a、
図6aに示すように、第1および第2回転用モータ22a1c,22b3およびスライド用モータ22a2bを含んで構成される駆動部によって互いに相対移動が可能である複数のアーム22a,22b,22cを備えている。なお、ロボットアーム部22は、複数の軸から構成するようにしてもよい。この場合の軸は回転軸およびスライド軸の少なくともいずれかを含めばよい。
【0018】
図5a,5bおよび
図6a〜6cに示すように、第1アーム22aは、その基部が基台21に取りつけられている。第1アーム22aは、スライド基部22a1、第1スライド部22a2および第2スライド部22a3を備えている。
【0019】
スライド基部22a1は、
図3,4に示すように、ほぼ直方体状に形成されている。スライド基部22a1は、主として
図5aに示すように、その基端部が基台21に第1回転軸22a1a回りに回転可能に取り付けられているフレーム22a1bを備えている。このフレーム22a1bは、ほぼ断面U字状に形成されており、主として
図6bに示すように、曲げて形成された左右板状部材22a1b1、22a1b2と左右板状部材22a1b1、22a1b2の上部後端に左右両端が接続された後板状部材22a1b3とから構成されている。
【0020】
第1回転用モータ22a1cは、
図5aに示すように、基台21に設けられている。第1駆動ベルト22a1dは、この第1回転用モータ22a1cのプーリと第1回転軸22a1aのプーリとの間に装架されている。第1回転用モータ22a1cが駆動すると、フレーム22a1bすなわちスライド基部22a1が第1回転軸22a1a回りに前方向または後方向に回転する。
【0021】
図6bに示すように、フレーム22a1bの内側(左右板状部材22a1b1、22a1b2の内側)には、後述する第1スライド部22a2のフレーム22a2aの後板状部材22a2a2の左右端に摺動可能に係合する左右ガイド溝22a1eが形成されている。フレーム22a1bの左板状部材22a1b1の上部には、後述するスライド用ベルト22a2eに取り付けられて固定される固定部22a1fが設けられている(
図5b、
図6c参照)。
【0022】
第1スライド部22a2は、
図3,4に示すように、ほぼ直方体状に形成されており、スライド基部22a1より小さく構成されている。第1スライド部22a2は、スライド基部22a1に対して長手方向(軸動方向)にスライドするものであり、収縮した際にはスライド基部22a1内にほぼ収容されるように構成されている。
【0023】
具体的には、第1スライド部22a2は、フレーム22a2aを備えている(
図5a参照)。このフレーム22a2aは、
図6bに示すように、断面H字状かつ側面視H字状に形成されており、前後板状部材22a2a1、22a2a2と前後板状部材22a2a1、22a2a2の上下方向中央部に前後両端が接続された接続板状部材22a2a3とから構成されている。後板状部材22a2a2の左右両端は、フレーム22a1bの左右ガイド溝22a1eに摺動可能に係合されている。主として
図5aに示すように、後板状部材22a2a2の上部には、スライド用モータ22a2bが設けられている。後板状部材22a2a2の下部には、プーリ22a2cが回転可能に設けられている。このスライド用モータ22a2bのプーリ22a2dとプーリ22a2cとの間には、スライド用ベルト22a2eが装架されている。
【0024】
フレーム22a2aの前板状部材22a2a1の左右両端部には、
図6bに示すように、ガイドレール22a2fが設けられている。ガイドレール22a2fは、後述する第2スライド部22a3のフレーム22a3aの左右板状部材の内側の左右ガイド受け部22a3bに摺動可能に係合する。
【0025】
第2スライド部22a3は、
図3,4に示すように、ほぼ直方体状に形成されており、第1スライド部22a2より小さく構成されている。第2スライド部22a3は、第1スライド部22a2に対して長手方向(軸動方向)にスライドするものであり、収縮した際には第1スライド部22a2内にほぼ収容されるように構成されている。
【0026】
具体的には、第2スライド部22a3は、フレーム22a3aを備えている(
図5a参照)。このフレーム22a3aは、
図6bに示すように、ほぼ断面U字状に形成されており、左右板状部材22a3a1、22a3a2と左右板状部材22a3a1、22a3a2の前端部に左右両端が接続された前板状部材22a3a3とから構成されている。フレーム22a3aの内側(左右板状部材22a3a1、22a3a2の内壁面)には、フレーム22a2aのガイドレール22a2fに摺動可能に係合する左右ガイド受け部22a3bが設けられている。フレーム22a3aの右板状部材22a3a2の下部には、スライド用ベルト22a2eに取り付けられて固定される固定部22a3cが設けられている(
図5b、
図6c参照)。
【0027】
スライド用モータ22a2bが駆動すると、第1スライド部22a2のフレーム22a2aは、スライド基部22a1のフレーム22a1bに対して軸動方向に沿って伸張する(
図5aおよび5bに示す伸張状態)。これと同時に、第2スライド部22a3のフレーム22a3aは第1スライド部22a2のフレーム22a2aに対して伸張する(
図5aおよび5bに示す伸張状態)。
【0028】
一方、スライド用モータ22a2bが逆方向に駆動すると、第1スライド部22a2のフレーム22a2aは、スライド基部22a1のフレーム22a1bに対して軸動方向に沿って収縮する(
図6aおよび
図6cに示す収縮状態)。これと同時に、第2スライド部22a3のフレーム22a3aは第1スライド部22a2のフレーム22a2aに対して収縮する(
図6aおよび
図6cに示す収縮状態)。
【0029】
第2アーム22bは、
図3,4に示すように、ほぼ直方体状に形成されており、第2スライド部22a3の先端部に、長手方向に対して直交する方向(前方向)に延ばして形成されている。具体的には、主として
図5aに示すように、第2アーム22bは、左右板状部材22b1a、22b1bから構成されているフレーム22b1を備えている。フレーム22b1の左右板状部材22b1a、22b1bの後端部が、フレーム22a3aの左右板状部材22a3a1、22a3a2の上端部にそれぞれ接続固定されている。
【0030】
フレーム22b1の左右板状部材22b1a、22b1bの先端部には、第2回転軸22b2が回動可能に介装されている。左右板状部材22b1a、22b1bの中央部には、第2回転用モータ22b3が設けられている。第2回動ベルト22b4は、第2回転用モータ22b3のプーリと第2回転軸22b2のプーリとの間に装架されている。
【0031】
第3アーム22cは、ほぼ直方体状に形成されており、その基端部が第2アーム22bの先端部に第2回転軸22b2回りに回転可能に取り付けられている。具体的には、第3アーム22cは、フレーム22c2を備えている。フレーム22c2の後端部は、第2回転軸22b2と一体回転するように固定されている。フレーム22c2の前端部は、保持部23の後端に固定されている。
第2回転用モータ22b3が駆動すると、フレーム22c2すなわち第3アーム22cが第2回転軸22b2回りに上方向または下方向に回転する。
【0032】
保持部23は、第3アーム22cの先端に固定されている。この保持部23は、被介助者M1の体の一部(例えば、上半身特に胸部)を支えて起立および着座を補助するものである。保持部23は、例えば、被介助者M1の起立動作及び着座動作において被介助者M1に対して対向したときに、その両腕(両脇)を下側から支える部材であり、前方向に向けて開放する平面視略U字形状に形成されている。保持部23は、例えば、被介助者M1に接することを前提とした比較的柔らかい材質で形成されている。
【0033】
ハンドル24は、
図3,4に示すように、第3アーム22cの上面に固定されている。このハンドル24は、左右一対の棒状取っ手で構成されており、被介助者M1の左右の手でそれぞれ握られるようになっている。ハンドル24には、握っていることを検知する接触センサ24a,24bが設けられている。ハンドル24には、介助ロボット20を左旋回させるための左旋回スイッチ24cと介助ロボット20を右旋回させるための右旋回スイッチ24dが設けられている。さらにハンドル24には、介助ロボット20を停止させるための停止スイッチ24eが設けられている。
【0034】
また、第3アーム22cには、被介助者M1が保持部23により支持されている状態で歩行する場合や被介助者M1がハンドル24を握った状態で歩行する場合に、被介助者M1から受ける力を検知する荷重センサ22c1が設けられている。荷重センサ22c1は、荷重の変化によって変化する起歪体の歪み量を電圧変化として検出するものや、シリコンチップに圧力が加わると、そのたわみに応じ、ゲージ抵抗が変化し電気信号に変換される半導体式圧力センサなどである。
【0035】
操作装置25は、画像を表示する表示部25aと、操作者(介助者M2および被介助者M1である)からの入力操作を受け付ける操作部25bとを備えている。
表示部25aは、液晶ディスプレイで構成されており、介助ロボット20の作動モードの選択画面などを表示する。作動モードとしては、被介助者M1の起立動作を補助する起立動作補助モードや、被介助者M1の着座動作を補助する着座動作補助モードなどが設定されている。また、起立動作補助モードには、被介助者M1がトレーニングしたい身体部位に対応した各モードが設定されている。例えば、これらモードとしては、上半身特に背筋をトレーニングしたい上半身モードや、下半身特に下肢をトレーニングしたい下半身モードがある。
【0036】
操作部25bは、カーソルを上下左右に移動させるカーソルキー、入力をキャンセルするキャンセルキー,選択内容を決定する決定キーなどを備えており、操作者の指示をキー入力できるように構成されている。なお、操作装置25は、表示部25aの表示機能と操作部25bの入力機能とを備えており、画面上の表示を押すことで機器を操作するタッチパネルで構成するようにしてもよい。
【0037】
記憶装置27(記憶部)は、保持部23に支えられて着座している被介助者M1(
図9参照)を起立させる場合において、被介助者M1の移動制御部位である例えば肩位置が通過する起立軌跡を示す起立軌跡用基準データと、保持部23に支えられて起立している被介助者M1(
図10参照)を着座させる場合において、起立軌跡と異なる軌跡であって被介助者M1の肩位置が通過する着座軌跡を示す着座軌跡用基準データと、を記憶している。
【0038】
また、記憶装置27は、被介助者M1の異なる複数の身体部位をそれぞれトレーニングするための各起立軌跡用データを記憶するようにしてもよい。なお、上述した各軌跡用データは、二次元座標や、ロボット座標で表わされている。
【0039】
さらに、記憶装置27は、被介助者M1が着座する椅子やベッドなどの着座部の高さに応じた補正量(第1の補正量)や、被介助者M1の身長に応じた補正量(第2の補正量)を記憶するようにしてもよい。これらの第1および第2の補正量は、上述した各データを補正するための値である。
【0040】
特定情報取得装置52は、被介助者M1を特定するための特定情報を取得するものであり、本実施形態では、端末装置41と、端末装置41からの送信データを受信する受信機31と、を有して構成されている。特定情報は、被介助者M1および介助者M2の識別番号(操作者ID、被介助者ID)である。
【0041】
制御装置26は、介助ロボット20の走行や姿勢変形に関する制御を行う。制御装置26は、
図7に示すように、上述した衝突防止センサ21k,21l、膝センサ22a1d、荷重センサ22c1、接触センサ24a,24b、左旋回スイッチ24c、右旋回スイッチ24d、停止スイッチ24e、左右駆動輪用モータ21g,21h、第1回転用モータ22a1c、スライド用モータ22a2b、第2回転用モータ22b3、操作装置25、記憶装置27、撮像装置28、案内装置29および送受信機31が接続されている。また、制御装置26はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。
【0042】
制御装置26は、
図8に示すように、特定情報取得部26a、操作許否部26b、認識部26c、被介助者情報取得部26dおよび制御部26eを備えている。特定情報取得部26aは、特定情報取得装置52が取得した特定情報を特定情報取得装置52から取得する。操作許否部26bは、操作者が介助ロボット20の操作に対する操作権限を有する場合には、その操作を許可し、操作権限を有さない場合には、その操作を禁止する。認識部26cは、特定情報取得装置52によって取得した特定情報から被介助者M1を認識する。被介助者情報取得部26dは、認識部26cによって認識した被介助者M1に関する情報を、ホストコンピュータ51から取得する。制御部26eは、被介助者情報取得部26dによって取得した被介助者M1に関する情報に基づいてロボットアーム部22を駆動させて保持部23の駆動制御を行う。
【0043】
撮像装置28は、スライド基部22a1の前面および第1スライド部22a2の背面にそれぞれ設けられている。スライド基部22a1の前面に設けられた撮像装置28は、移動体20の前方にある対象を撮影する。第1スライド部22a2の背面に設けられた撮像装置28は、移動体20の後方または上方にある対象を撮影する。
【0044】
案内装置29は、被介助者M1、介助者M2を含む周囲にいる人に対して介助ロボット20の状態を音声や表示により案内するものである。案内装置29は、音声を出力するスピーカでもよく、文字、図形等を表示するLCDやLEDなどの表示装置でもよい。
【0045】
送受信機31は、端末装置41およびホストコンピュータ51の送受信機と互いに通信可能なものである。送受信機31は、端末装置41およびホストコンピュータ51からの送信データを受信するとともに、端末装置41およびホストコンピュータ51への送信データを送信する。
【0046】
端末装置41は、介助ロボット20を遠隔操作するためのものである。端末装置41は、被介助者M1に装着されて該被介助者M1と関連付けられた識別符号を有する端末装置であって介助ロボット20に対する操作指示および被介助者M1の識別符号を送信データとして送信する。
【0047】
端末装置41は、
図11に示すように、操作者の腕に装着される腕時計型であり、円盤状に形成された本体41a、および両側に接続されたバンド41bを備えている。本体41aは、表示部41c、スタートスイッチ41d、メニュースイッチ41e、選択スイッチ41f、送受信機41g、GPS受信機41h、および制御装置41iを備えている。
【0048】
表示部41cは、介助ロボット20の作動状態(例えば認識中、接近中、起立中、着座中など)、操作許否の結果(例えば、「操作権限がありません」)などを表示する。スタートスイッチ41dは、介助ロボット20の介助操作を開始するためのスイッチである。スタートスイッチ41dは、決定スイッチとしても機能する。
【0049】
メニュースイッチ41eは、作動モードを表示する画面であるメニュー画面を表示部41cに表示するためのスイッチである。作動モードとしては、使用者の起立動作を補助する起立動作補助モードや、使用者の着座動作を補助する着座動作補助モードや、使用者の移動を補助する移動補助モードなどが設定されている。移動補助モードとしては、起立歩行補助モード、肘つき歩行補助モード、手つき歩行補助モード、起立搭乗移動モードおよび着座搭乗移動モードが設定されている。選択スイッチ41fは、メニュー画面のなかから所望のメニュー(作動モード)を選択するためのスイッチである。
【0050】
送受信機41gは、介助ロボット20の送受信機31と互いに通信可能なものである。送受信機41gは、ホストコンピュータ51と互いに通信可能としてもよい。GPS受信機41hは、現在位置を導出するためGPSからの信号を受信する。制御装置41iは、表示部41c、スタートスイッチ41d、メニュースイッチ41e、選択スイッチ41f、送受信機41g、およびGPS受信機41hと接続されており、これらを制御している。
【0051】
制御装置41iの記憶部は、操作者と関連付けられた識別番号(識別符号)である操作者IDを記憶している。なお、端末装置41を新しい操作者に装着する際に、その操作者IDが制御装置41iの記憶部に書き込まれることが好ましい。
【0052】
ホストコンピュータ51は、被介助者M1に対する治療・診断情報(例えばカルテ情報)、介護情報(例えばリハビリ情報)、被介助者M1および介助者M2の識別番号(識別符号)を一括して管理している。ホストコンピュータ51は、
図12に示すようなデータベース51aを記憶している。データベース51aは、例えば、操作者データベース、投薬データベース、バイタルサインデータベース、介護データベースなどを有している。
【0053】
操作者データベースは、操作者ID、操作者の氏名、操作者種別(被介助者または介助者)、操作権限の有無、操作事項などの操作者情報から構成されている。投薬データベースは、操作者ID(被介助者ID)、投薬情報の識別番号である投薬情報ID、投薬時間、薬種別などの投薬情報から構成されている。バイタルサインデータベースは、操作者ID(被介助者ID)、被介助者の体温、血圧、脈拍(心拍数)、呼吸数などのバイタルサイン情報から構成されている。なお、バイタルサイン情報は、これらバイタルサインのトレンド(変化量)を含めるようにしてもよい。介護データベースは、操作者ID(被介助者ID)、被介助者の要介護度、視覚障害の有無(程度)、聴覚障害の有無(程度)などの介護情報から構成されている。
【0054】
このデータベース51aは、最新のデータに更新されている。すなわち、診療、治療、リハビリ後には、それらに係る被介助者M1に関する情報がホストコンピュータ51に送信され、ホストコンピュータ51は、それらの情報に基づいて被介助者M1に関する情報を更新する。
【0055】
次に、上述したように構成された介助ロボット20の作動の一例について、
図13に示すフローチャートに沿って説明する。
制御装置26は、ステップS102において、端末装置41から送信データ(操作開始信号を含む)を受信したか否かを判定する。例えば、操作者が端末装置41のスタートスイッチ41dを押した場合、端末装置41は、操作開始信号、操作者IDおよび現在位置を有する送信データを介助ロボット20に送信する。
【0056】
このとき、制御装置26は、端末装置41からの送信データを受信するので、ステップS102にて「YES」と判定しプログラムをステップS104に進める。なお、端末装置41からの送信がない場合には、制御装置26は、ステップS102にて「NO」と判定を繰り返す。
【0057】
制御装置26は、ステップS104において、送受信機31から操作者IDを取得する。そして、制御装置26は、ステップS106において、先に取得した操作者IDに該当する操作者情報をホストコンピュータ51に要求する。ホストコンピュータ51は、該当する操作者情報、すなわち、操作者の氏名、操作者種別(被介助者)、操作権限の有無、操作事項を要求のあった介助ロボット20に送信する。そして、制御装置26は、先に取得した操作者IDに該当する操作者情報を受信(取得)する。
【0058】
制御装置26は、ステップS108において、ステップS106にて取得した操作者情報に基づいて操作者が操作権限を有するか否かを判定する。「操作権限の有無」が有りであれば、制御装置26は、ステップS108にて「YES」と判定しプログラムをステップS112に進める。一方、「操作権限の有無」が無しであれば、制御装置26は、ステップS108にて「NO」と判定しプログラムをステップS110に進める。
【0059】
ステップS110において、制御装置26は、「操作できない旨」を通知する。具体的には、制御装置26は、「操作できない旨」を表示部25aに表示したり、案内装置29から音声で案内したりする。これとともに制御装置26は、「操作できない旨」を端末装置41に送信する。端末装置41は、「操作できない旨」を表示部41cに表示する。さらに、制御装置26は、介助ロボット20の操作を禁止(規制)する。
【0060】
制御装置26は、ステップS112において、ステップS106にて取得した操作者情報に基づいて操作者が介助者であるか被介助者であるかを判定する。「操作者種別」が「介助者」であれば、制御装置26は、ステップS112にて「YES」と判定しプログラムをステップS114に進める。一方、「操作者種別」が「被介助者」であれば、制御装置26は、ステップS112にて「NO」と判定しプログラムをステップS116に進める。
【0061】
操作者が介助者M2である場合には、取得した操作者IDからでは介助ロボット20の介助対象すなわち被介助者が具体的に把握できないため、制御装置26は、被介助者M1の識別番号である被介助者ID(操作者ID)または氏名が入力されるのを待つ(ステップS114にて「NO」の判定を繰り返す)。介助者M2が操作装置25の操作部25bにて被介助者ID(または氏名)を入力するか、または、介助者M2が端末装置41のメニュースイッチ41eおよび選択スイッチ41fを操作して被介助者IDを入力すると、制御装置26は、ステップS114にて「YES」と判定する。
【0062】
制御装置26は、ステップS116において、被介助者IDから被介助者M1を認識する。これにより、介助ロボット20の介助対象である被介助者M1が特定される。よって、制御装置26は、ステップS118において、先に特定された被介助者IDに該当する被介助者に関する情報をホストコンピュータ51に要求する。ホストコンピュータ51は、該当する被介助者に関する情報、例えば、投薬情報の識別番号である投薬情報ID、投薬時間、薬種別などの投薬情報や、体温、血圧、脈拍、呼吸数などのバイタルサイン情報や、要介護度、視覚障害の有無(程度)、聴覚障害の有無(程度)などの介護情報を要求のあった介助ロボット20に送信する。
【0063】
制御装置26は、ステップS120において、被介助者に関する情報を取得した否かを判定する。制御装置26は、被介助者に関する情報を取得するまでは、ステップS120にて「NO」の判定を繰り返し、取得した場合には、ステップS120にて「YES」と判定し、プログラムをステップS122に進める。
【0064】
制御装置26は、ステップS122において、先にステップS118にて取得した被介助者に関する情報に基づいて介助ロボット20を制御する。例えば、
図1に示すように、第1個室13aに居る被介助者M1が介助ロボット20を呼ぶ場合について説明する。上述したように、被介助者M1は端末装置41のスタートスイッチ41dを押すことで、介助ロボット20を現在位置である第1個室13aに呼ぶことができる。
【0065】
最初に、介助ロボット20の移動について説明する。介助ロボット20が、ステーション11から各個室13a〜13dまで(または各個室13a〜13dからステーション11まで)単独で移動する場合について説明する。ステーション11から各個室13a〜13dまでの通路14を移動する場合には、介助ロボット20は、ステーション11の入出口11aから各個室13a〜13dの各入出口13a1〜13d1までの経路であって予め記憶装置27に記憶されている経路に沿って移動する。
【0066】
また、介助ロボット20は、通路14に設けられている案内用マーク14aを撮像装置28を介して読み取り、その情報から残りの道程を算出しその結果に基づいて移動する。案内用マーク14aは、例えば二次元バーコードである。二次元バーコードには、現在地点(例えば、通路14の交差点)、現在地点から目的地までの距離と方向(例えば、介助ロボット20がステーション11から第1個室13aに移動する場合には、通路14の交差点に差し掛かった際に交差点から第1個室13aまでの距離と方向(左折))などの情報が記載されている。案内用マーク14aは、ステーション11の入出口11a、各個室13a〜13dの各入出口13a1〜13d1の角や、通路14の所定箇所(例えば、交差点の角や天井面)に設けられている。
【0067】
次に、介助ロボット20が着座している被介助者M1に接近している場合について説明する。このとき、介助ロボット20は、第1個室13aの入出口13a1から第1個室13aに入室し、その後、ベッド脇に着座している被介助者M1に向けて接近する。介助ロボット20は、介助ロボット20の前面を進行方向に向けて前進する。介助ロボット20は、被介助者M1の近傍に設けられている案内用マーク14bを前面の撮像装置28を介して読み取り(または端末装置41からの現在位置情報から受信し)、その情報に基づいて被介助者M1に接近する。
【0068】
さらに、介助ロボット20の起立動作と着座動作について
図9,
図10を参照して説明する。介助ロボット20は、膝センサ22a1dの検出結果(介助ロボット20と被介助者M1の膝との距離)を使用して、着座している被介助者M1との距離が所定距離となる所定の位置まで移動する。この所定の位置は、被介助者M1を起立させるために最適な位置(起立最適位置)である。
【0069】
そして、介助ロボット20は、被介助者M1に対して「ハンドルを握ってください」という案内を案内装置29により行う。被介助者M1が両手でハンドル24を握ると、接触センサ24a,24bによってハンドル24を握ったことを検知するため、介助ロボット20は、被介助者M1を起立させるための起立動作を行う。
【0070】
起立動作中においては、先にステップS118にて取得した被介助者に関する情報に基づいて介助ロボット20を制御する。例えば、投薬後30分以内である場合、起立動作速度を通常時より遅くするなど、投薬後から介助までの経過時間に応じた起立動作速度でロボットアーム22ひいては保持部23を制御する。また、事前に測定した被介助者M1の体温、血圧、脈拍、呼吸数などのバイタルサイン、または、これらのトレンド(変化量)に応じた起立動作速度でロボットアーム22を制御するようにしてもよい。なお、投薬後から介助までの経過時間、バイタルサインに応じて、ロボットアーム22ひいては保持部23のアシスト量を調整するようにしてもよい。両方を調整するようにしてもよい。また、後述する着座動作中においても、同様である。
【0071】
起立動作が開始されると、介助ロボット20は、着座している被介助者M1の上半身を保持部23によって保持する(
図9参照)。そして、介助ロボット20は、上半身を保持した状態で、被介助者M1を起立状態にする(
図10参照)。
【0072】
介助ロボット20は、被介助者M1を起立状態で補助している。被介助者M1は、その脇の下を保持部23により保持された状態で歩行して移動する。このように被介助者M1の歩行を補助している介助ロボット20が、第1個室13aからトレーニング室12まで移動する場合には、上述した介助ロボット20が単独で移動する場合と同様に、予め記憶されている経路に沿って移動し、または案内用マーク14aを撮像装置28により読み取って移動する。
【0073】
この移動中において、被介助者M1の進入が禁止されている区域が設定されている場合には、被介助者M1がその禁止区域に進入しようとしても、介助ロボット20はその進入を阻止して、当初の目的地であるトレーニング室12に案内する。進入禁止区域は、被介助者に関する情報の一つである。
【0074】
介助ロボット20は、第1個室13aの入出口13a1で右折して通路14に出て、通路14の交差点で右折し、トレーニング室12の入出口12aで左折してトレーニング室12に入室する。介助ロボット20は、介助ロボット20の背面を進行方向に向けて前進する。
【0075】
また、介助ロボット20は、被介助者M1を着座させるための着座動作が開始されると、起立状態にある被介助者M1(
図10参照)を、被介助者M1の上半身を保持部23によって保持した状態で着座状態にする(
図9参照)。
【0076】
そして、介助ロボット20は、着座動作が終了すると、被介助者M1に対して「ハンドルから手を放してください」という案内を案内装置29により行う。被介助者M1がハンドル24から手を放すと、接触センサ24a,24bによってハンドル24から手を放したことを検知するため、介助ロボット20は、被介助者M1から離れる。
【0077】
上述したように、本実施形態に係る介助ロボット20は、基台21に設けられて、被介助者M1の体の一部を支えて起立および着座を補助する保持部23と、被介助者M1を特定するための特定情報(被介助者ID)を取得する特定情報取得装置52と、特定情報取得装置52によって取得した特定情報から被介助者M1を認識する認識部(制御装置26:ステップS116)と、認識部によって認識した被介助者M1に関する情報を取得する取得部(制御装置26:ステップS118,120)と、取得部によって取得した被介助者M1に関する情報に基づいて保持部23の駆動制御を行う制御部(制御装置26:ステップS122)と、を備えたことを特徴とする。
【0078】
これにより、被介助者M1を特定するための特定情報(被介助者ID)を取得する特定情報取得装置52によって取得した特定情報(被介助者ID)から被介助者M1を認識することにより、介助ロボット20の介助対象を間違えることなく正確かつ確実に特定することができる。さらに、介助ロボット20による被介助者M1の介助の実施に先だって、先に特定された被介助者M1に関する情報(投薬情報、バイタルサイン情報)を事前かつ確実に取得することができる。そして、介助ロボット20による介助の実施に当たって、事前に取得した被介助者M1に関する情報(投薬情報、バイタルサイン情報)に応じて保持部23の駆動制御を適切に行うことが可能となる。このように、被介助者M1に関する介助前の事前情報(投薬情報、バイタルサイン情報)に基づいて被介助者M1の介助を行うことができるため、被介助者M1の体調をより良好に確保しながら被介助者M1の介助を行うことができる。
【0079】
また、特定情報取得装置52は、被介助者M1に装着されて該被介助者M1と関連付けられた識別符号(被介助者ID)を有する端末装置であって介助ロボット20に対する操作指示および被介助者M1の識別符号(被介助者ID)を送信データとして送信する端末装置41と、端末装置41からの送信データを受信する受信機31と、を有し、認識部(制御装置26:ステップS116)は、受信機31によって受信された送信データのうち被介助者M1の識別符号(被介助者ID)から被介助者M1を認識する。
【0080】
これにより、被介助者M1に端末装置41を装着しその端末装置41から被介助者M1の識別符号(被介助者ID)を受信することにより、介助ロボット20は介助対象である被介助者M1を特定することができる。すなわち、簡単な構成により、介助ロボット20が介助する被介助者M1を確実に特定することができる。
【0081】
また、特定情報取得装置52は、被介助者M1を介助する介助者M2に装着されて該介助者M2と関連付けられた識別符号を有する端末装置であって介助ロボット20に対する操作指示、介助者M2の識別符号(操作者ID:介助者ID)および被介助者の識別符号(被介助者ID)を送信データとして送信する端末装置41と、端末装置41からの送信データを受信する受信機31と、を有し、認識部(制御装置26:ステップS116)は、受信機31によって受信された送信データのうち被介助者M1の識別符号(被介助者ID)から被介助者M1を認識する。
【0082】
これにより、操作者が介助者M2である場合、介助者M2に装着されている端末装置41から介助者M2の識別符号(操作者ID:介助者ID)を受信して操作者が介助者M2であることを認識し、その介助者M2により被介助者M1の識別符号(被介助者ID)が入力されることにより、介助ロボット20は介助対象である被介助者M1を特定することができる。すなわち、操作者が介助者M2である場合であっても、簡単な構成により、介助ロボット20が介助する被介助者M1を確実に特定することができる。
【0083】
また、被介助者M1および介助者M2が介助ロボット20を操作する操作者であり、操作者が介助ロボット20の操作に対する操作権限を有する場合には、操作を許可し、操作権限を有さない場合には、操作を禁止する操作許否部(制御装置26:ステップS108、110、122)をさらに備えている。
【0084】
これにより、介助ロボット20は、操作者を特定した後、その特定された操作者の権限の有無(権限の内容)に基づいて操作者が要求している操作を許否(操作内容を制限)することができる。よって、例えば被介助者M1が認知症を患っている場合には操作権限を「無し」に設定することにより、認知症を患っている被介助者M2による誤操作を抑制しひいてはその被介助者M2に対する適正な介助を行うことができる。
【0085】
なお、上述した実施形態においては、操作者が被介助者M1である場合、操作権限はあるが、操作内容が制限される場合がある。例えば、認知症の程度によっては、離れた所から介助ロボット20を呼ぶことを禁止する。
【0086】
また、制御部(制御装置26:ステップS122)は、取得部(制御装置26:ステップS118)によって取得した被介助者M1に関する情報に基づいて、被介助者M1の起立および着座を補助する際における保持部23の速度およびアシスト量の少なくともいずれかの調整を行う。
【0087】
これにより、介助ロボット20は、被介助者M1を特定した後、その被介助者M1に関する情報(例えば、介助ロボットによる介助前における、被介助者の体調情報(バイタルサイン情報)、投薬情報)に応じて適切な介助を行うことができる。
【0088】
また介助ロボット20は、基台21を走行させる走行用駆動部ACをさらに備えている。これにより、介助ロボット20は、被介助者M1の歩行を介助する際に、その歩行を適切に補助することができる。
【0089】
また介助ロボット20は、制御部(制御装置26:ステップS122)は、取得部(制御装置26:ステップS118)によって取得した被介助者M1に関する情報に基づいて、被介助者M1の移動を補助する際に走行用駆動部ACを制御して基台21の走行速度の調整を行う。
【0090】
これにより、介助ロボット20は、被介助者M1を特定した後、その被介助者M1に関する情報(例えば、介助ロボットによる介助前における、被介助者の体調情報(バイタルサイン情報)、投薬情報)に応じて適切な歩行介助を行うことができる。
【0091】
なお、上述した実施形態においては、被介助者M1が視覚障害者である場合には、表示より音声による案内をしたり、被介助者M1が聴覚障害者である場合には、音声による案内より表示による案内をしたりするのが好ましい。視覚障害者であるか聴覚障害者であるかは、介護データベースに係る介護情報から取得するようにすればよい。
【0092】
また、上述した実施形態においては、端末装置41から受信データは介助ロボット20に一旦受信されるようになっているが、端末装置41から受信データをホストコンピュータ51に直接に受信して、その後、被介助者IDと被介助者に関する情報を合わせて介助ロボット20に送信するようにしてもよい。
【0093】
さらに、上述したように構成された介助ロボット20の他の実施形態について
図14に示すブロック図および
図15に示すフローチャートを参照して説明する。本実施形態においては、特定情報取得装置53は、被介助者M1の身体的特徴を取得する身体的特徴取得装置である点が上述した実施形態と異なる。身体的特徴取得装置は、身体的特徴である指紋、声紋、網膜や手のひらの静脈のパターンなどを読み取る装置である。この身体的特徴が被介助者の特定情報である。特定情報取得装置53は、介助ロボット20の操作装置25に設けてもよく、端末装置41に設けてもよい。
【0094】
本実施形態においては、基本的には
図13に示すフローチャートと同じであるが、異なる点について
図15を参照して説明し、同一内容について同一符号を付してその説明を省略する。
【0095】
制御装置26は、ステップS202において、特定情報取得装置53から身体的特徴を取得したか否かを判定する。例えば、操作者が操作装置25を操作する際に、特定情報取得装置53に身体的特徴例えば指紋を読み取らせた場合、特定情報取得装置53は身体的特徴データを取得する。
【0096】
このとき、制御装置26は、身体的特徴データを取得した場合、ステップS102にて「YES」と判定しプログラムをステップS204に進める。なお、取得しない場合には、制御装置26は、ステップS202にて「NO」と判定を繰り返す。
【0097】
制御装置26は、ステップS204において、取得した身体的特徴データから操作者IDを取得する。このとき、制御装置26は、取得した身体的特徴データをホストコンピュータ51に送信し、ホストコンピュータ51にて身体的特徴データベースと照合して得た操作者IDを受信するようにしてもよい。そして、制御装置26は、ステップS106において、先に取得した操作者IDに該当する操作者情報をホストコンピュータ51に要求する。
【0098】
本実施形態によれば、特定情報取得装置53は、被介助者M1の身体的特徴を取得する身体的特徴取得装置であり、認識部(制御装置26:ステップS116)は、身体的特徴取得装置によって取得された身体的特徴から被介助者を認識する。
【0099】
これにより、介助ロボット20は、身体的特徴取得装置53によって取得した被介助者M1の身体的特徴から介助対象である被介助者M1を特定することができる。すなわち、簡単な構成により、介助ロボット20が介助する被介助者M1を確実に特定することができる。
【0100】
なお、上述した各実施形態においては、ステップS102(ステップS202)からステップS118までの処理をホストコンピュータ51で実施するようにしてもよい。