特許第6360058号(P6360058)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6360058回転シャフトにアクセスするための筺体壁の開口部を封止する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6360058
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】回転シャフトにアクセスするための筺体壁の開口部を封止する装置
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/28 20060101AFI20180709BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20180709BHJP
   F02C 7/32 20060101ALI20180709BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20180709BHJP
   F16J 15/04 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   F02C7/28 B
   F01D25/00 M
   F02C7/32
   F02C7/00 F
   F02C7/00 D
   F01D25/00 X
   F16J15/04 Z
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-530479(P2015-530479)
(86)(22)【出願日】2013年9月5日
(65)【公表番号】特表2015-529771(P2015-529771A)
(43)【公表日】2015年10月8日
(86)【国際出願番号】FR2013052050
(87)【国際公開番号】WO2014037672
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2016年9月2日
(31)【優先権主張番号】1258366
(32)【優先日】2012年9月7日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516227272
【氏名又は名称】サフラン・エアクラフト・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガリベル,ジヤン−ピエール・エリ
【審査官】 高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03362160(US,A)
【文献】 特開2007−162693(JP,A)
【文献】 米国特許第05813829(US,A)
【文献】 米国特許第03263728(US,A)
【文献】 特開平01−125524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/00
F02C 7/00
F02C 7/28
F02C 7/32
F16J 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体の壁に設けられた開口部(19)封止し、前記開口部(19)が回転シャフト(18)へのアクセスを可能にしている、装置にして、前記開口部(19)に封止するように挿入されること、および固定用要素によって壁に固定されることが可能である装置(21)であって、前記装置(21)は、前記開口部(19)に関して同軸に互いに対して滑動可能に組み立てられる2つの円筒の部品(23、24)、即ち前記開口部に静的に挿入されることが可能である第1の部品(23)と、固定用要素(22)によって壁に固定されることが可能である第2の部品(24)であって、前記の第1のおよび第2の部品(23、24)の間に設けられて第2の部品(24)を壁から軸方向に分離するのに資する弾性手段(25)の作用を受ける第2の部品とを備えることを特徴とする、装置(21)。
【請求項2】
弾性手段(25)が、第1の部品(23)と第2の部品(24)との対応する横断面上に載る圧縮バネである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1の部品(23)が前記開口部に軸方向に当接するように取り付けられる、請求項1または請求項2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
第1の部品(23)が、前記開口部で軸方向のストッパを形成する内側肩部(33)に当たることが可能である外側肩部(32)を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
第1のおよび第2の部品(23、24)がそれらのまわりに、前記開口部(19)と係合することが可能である封止接合部(31、45)を担持し、前記弾性手段(25)は、前記部品の封止接合部同士間に設けられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
第2の部品(24)が、第1の部品(23)と前記開口部(19)の内側表面との間を部分的に封止して取り付けられ、固定用要素によって筺体の壁に対して取り付けられることが可能であるカバーを形成する半径方向のカラーまたは基部で終端する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
第2の部品(24)が、第1の部品上の外側肩部(43)と第1の部品に堅固に接続されたストッパ(38)との間で軸方向に移動可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
ストッパ(38)が第1の部品内のネジ通路(39)の中にねじ込まれ、第2の部品(24)に対する軸方向のストッパを形成する横断押縁部(40)を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ターボシャフトエンジンの付属機械を支持する筺体を形成するギアボックスにして、ターボシャフトエンジンまたは付属機械のロータを手動で駆動する回転シャフト(18)にアクセスするための前記開口部(19)が設けられてある外側壁(20)と、前記アクセスのための前記開口部を封止する装置(21)とを備えるギアボックスであって、前記装置(21)は請求項1から8のいずれか一項に従って規定されることを特徴とする、ギアボックス。
【請求項10】
固定用要素(22)を受け取るネジ穴(51)が、前記アクセスのための前記開口部のまわりで外側壁に設けられ、特定の工具によって締め付ける前に、第2の部品(24)に接続された封止接合部(45)が壁の前記開口部(19)から距離を置いた状態のままネジが当たるネジロックデバイス(55)を含む、請求項9に記載のギアボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筺体の壁に設けられた、筺体の中に収容された回転シャフトに点検目的でアクセスすることを可能にする開口部を封止する装置に関する。本発明は、排他的ではないが特定の用途で、ターボジェットエンジンなどのターボシャフトエンジンの付属機器を駆動することを目的としたタイプのギアボックスであって、エンジンのメンテナンス作業中にロータの回転を可能にする歯車を手動で駆動するためのシャフトを備えるギアボックスの筺体に関する。このシャフトはギアボックスの外部からアクセス可能であり、作動中、メンテナンスが行われていないとき、取り外し可能な封止装置が通路を閉鎖する。
【背景技術】
【0002】
航空ターボシャフトエンジン、ターボジェットエンジン、またはターボプロップエンジンは、付属機器または補助機器、即ち一般に機械的に駆動シャフトによって、とりわけ高圧ロータのシャフトによって駆動されるポンプ、交流発電機等を備えることが知られている。従来の用途によると、付属機器は機器支持体に取り付けられる。「アクセサリギアボックス」を表す英略語AGBで通常呼ばれる支持体は、平行軸を備えた小歯車から形成される機構を組み込むギアボックスを備え、前記小歯車は互いに噛み合う。小歯車は、運動学的連鎖機構によってターボシャフトエンジンに自体が接続される入力シャフトによって駆動される。このように付属品は支持体上に平行に取り付けられると同時に、それらが駆動される小歯車に機械的に結合される。小歯車の潤滑は、ギアボックス内部の油の循環によってもたらされる。
【0003】
小歯車のうちの1つは付属機器を駆動するためには使用されず、主にターボシャフトエンジンの点検および修理中にロータを手動で回転するのに役立つ。このようにAGBは、この小歯車を担持するシャフトに駆動部材によって外部からアクセスできるようにする開口部または通路を備える。この開口部は、エンジンが修理されていないとき、封止装置によって封止するように閉鎖される。
【0004】
この装置は一般に、壁の開口部を区切る内側表面または周囲部と係合するOリングシールが周囲部に設けられた単一部片の円筒体を備える。円筒体は、開口部の外側出口で、カバーを形成する横断カラーを通って半径方向に延びる。それは壁に当たって、ネジなどの固定用要素によってそこに固定される。
【0005】
この装置は、エンジンの点検によってこの小歯車への、したがってシャフトへのアクセスが必要になるとき取り外される。この際ネジが取り外され、封止装置が軸方向に引き抜かれる。シャフトの点検後(クランクタイプなどの駆動部材によってそれを回転して)、封止装置は、封止接合部を備えた円筒体を開口部の中に導入し、次いでギアボックスの壁にカバーをボルト締めすることによって交換され、その後エンジンが始動される。
【0006】
しかし、航空機械の安全を保障するために、カバーが適正に再組み立てされないこと、または単に忘れられることの結末を考慮することが必須である。作動中にこれが起こった場合には、ギアボックスの機械部材を潤滑する油が開口部を通って流出し、必然的な結果としてエンジンが停止することになる。
【0007】
さらに、懸念される事例では、内側の油管が、Oリングシールによって区切られた円筒体の外側凹所の開口部の周囲部の中へ通じてしまう。
【0008】
このように、不注意によって封止装置が設置されない場合、エンジンが始動されるが否や、油回路内の低圧警報器が起動され、次いで大量の油が管を通って外部に、次いで外気に流出する。これによって早急に問題を認識し、このことが航空機にとって悲惨な結果をもたらす前にエンジンを停止することが可能になる。
【0009】
しかし、封止装置のカバーはネジなしで開口部に設置すること、つまり、円筒体および封止接合部が開口部に係合され、カバーが壁に押し付けられた状態で設置することができる。このように、装置は、Oリングと開口部の内側周囲部との間の摩擦力によって開口部に所定位置で保持されることができる。
【0010】
この場合には、エンジンが地上で低速で作動しているとき、封止装置が押し出されて低圧警報器が何も検出しないということは起こりそうもない。しかし、ネジのない状態で不適正な組み立てを検出しないリスクは明らかであり、とりわけエンジンが全負荷を受けた状態、したがって油回路が最大限に加圧され、間違いなく封止装置の押し出しを引き起こす状態となる、離陸または巡航段階の前には明らかである。このような状況は、エンジンを不適当な瞬間に停止させることになり、したがって絶対に回避されねばならない。
【0011】
ネジは確かに取り付けられてはいるが、不充分にしか締め付けられておらず、装置の円筒体のカバーと筺体の壁との間に隙間が出現して、エンジンが作動すると油が即座に失われる状態となる事例も想定されることが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、とりわけ封止装置の再組み立て後の固定用要素の不在に関連した問題を解消することによって、これらの欠点を救済することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のために、筺体の壁に設けられ、回転シャフトへのアクセスを可能にする開口部を封止する装置であって、前記開口部に封止するように挿入されること、および固定用要素によって壁に固定されることが可能である装置は、開口部に関して同軸に互いに対して滑動可能に組み立てられる2つの円筒部品、即ち開口部に静的に挿入されることが可能である第1の部品と、固定用要素によって壁に固定されることが可能である第2の部品であって、組み立てられた部品同士間に設けられて第2の部品を壁から軸方向に分離するのに資する弾性手段の作用を受ける第2の部品とを備えることを特徴とする。
【0014】
このように、単一部片の円筒体を備えた封止装置とは異なって、固定用要素が不在である、または不完全にねじ込められた場合でも、第2の可動部品は、エンジンが始動されると、油圧によってさらに助勢される弾性手段によって壁の開口部の外部に向かって押しやられる。このようにして開口部と第2の部品との間に空間が創出されて、著しい油の漏出を生じ、それが通常の低圧警報器によって必然的に検出される。
【0015】
結果として、このような封止装置は上述の欠点を排除し、封止装置が係合され、かつ不充分にしか固定されていない(ネジがない、または締め付けられていない)状態でエンジンを作動させるリスクを回避する。
【0016】
好ましい実施形態では、弾性手段は、第1の固定部品と第2の可動部品との対応する横断面上に載る圧縮バネである。
【0017】
第1の円筒部品の軸方向に固定された位置をマークするために、前記部品は開口部に軸方向に当接するように取り付けられる。
【0018】
例えば、第1の部品は、前記開口部で軸方向のストッパを形成する内側肩部に当たることが可能である外側肩部を有する。
【0019】
とりわけ、前記第1のおよび第2の円筒部品はそれらのまわりに、開口部と係合することが可能である封止接合部を担持し(第1の固定部品の封止接合部は開口部の内側表面と係合し、第2の可動部品の封止接合部はこの内側表面、または開口部への入り口を区切る壁の横断方向面と係合する)、前記弾性手段は、前記部品の封止接合部同士間に設けられた周囲部空間またはチャンバ内に設けられる。装置が取り付けられると、ギアボックスまたは筺体から出る給油チャネルは、2つの封止接合部同士間のこの空間へと通じて油を流れさせ、固定用要素の不在または不充分なねじ込みの結果として、第2の可動部品が弾性手段によって開口部から押しやれると、開口部からの油の漏出を引き起こす。
【0020】
好ましい実施形態では、第2の可動円筒部品は、第1の固定部品と開口部の内側表面との間を部分的に封止して取り付けられ、固定用要素によって筺体の壁に対して取り付けられることが可能であるカバーを形成する半径方向のカラーで終端する。
【0021】
有利には、第2の部品は第1の部品のまわりに取り付けられ、第1の部品の外側肩部と第1の部品に堅固に接続されたストッパとの間で軸方向に移動されることが可能である。このように、第2の部品は前記第1の部品に接続されたままとなり、その軸方向の移動は、弾性手段の作用下でさらに制限され、著しい漏出を引き起こすのに充分である。
【0022】
例えば、ストッパは第1の固定部品のネジ通路の中へねじ込まれ、第2の可動部品用の軸方向ストッパを形成する外側横断押縁部を有する。
【0023】
本発明は、ターボシャフトエンジンの付属機械を支持する筺体を形成するギアボックスであって、ターボシャフトエンジンまたは付属機械のロータを手動で駆動するシャフトにアクセスするための開口部が設けられてある外側壁と、前記アクセス用開口部を封止する装置とを備えるギアボックスにも関する。
【0024】
有利には、前記封止装置は上述の通りである。
【0025】
図面を参照して本発明の非制限的な実施形態についての詳しい記述を読めば、他の特徴および利点が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の解決法が適用されるターボジェットエンジンの概略図である。
図2】回転シャフトへのアクセスを可能にする筺体の開口部に取り付ける前の本発明による封止装置の長手方向断面図である。
図3】開口部に取り付けられ、筺体の壁に適正に固定された封止装置の片側長手方向断面図である。
図4】固定ネジなしで取り付けられた封止装置の片側長手方向断面図である。
図5】ネジの交換不良を伴って取り付けられた封止装置の片側長手方向断面図である。
図6】ネジを工具で締め付けることが忘れられた状態の封止装置の片側長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照すると、ターボジェットエンジン1、この場合には二重スプールのバイパスターボジェットエンジンが見られることが可能である。これは通常、上流から下流に連続して、高圧コンプレッサ4、燃焼室5、およびタービン6を備えた高圧ロータ2を備える。前記タービンはそれが駆動するコンプレッサに、シャフト3によって接続される。低圧ロータ7は、高圧ロータの上流でファン9および低圧コンプレッサ10を備える。この2つは低圧シャフト8によって高圧タービン6の下流のタービン11に接続される。
【0028】
ギアボックスまたは筺体を形成する機器支持体14が、ファンケーシングまたは中間ケーシングの外側カラーに取り付けられる。この支持体は、燃料ポンプおよび油ポンプ、発電機などのエンジンの付属機器を含む。この機器は、ギアボックス14に収容された、適切な接続具によってそこに結合された小歯車16によって駆動される。これらの小歯車16は互いに噛み合い、それら自体が、ギアボックス14と高圧ロータのシャフト3の角度ギアボックスの円錐小歯車15との間の複数の伝動シャフト17から成る運動学的連鎖機構によって移動される。
【0029】
図2を参照すると、これは、ギアボックス14の外部から開口部19を通してアクセス可能なシャフト18の端部を示す。開口部19は、例えば円形であることができ、シャフトと同軸にギアボックスの壁20に設けられることができる。
【0030】
シャフト18の端部は、エンジンの高圧ロータの点検中にシャフト17と運動学的連鎖機構との小歯車16(前記小歯車の1つは、ここに示されていないが、シャフト18に堅固に接続される)を手動で駆動するための工具を係合させるように形状化される。
【0031】
前記エンジンがメンテナンスされていないとき、開口部19は、固定用要素22によってギアボックスの壁に取り外し可能に固定された塞栓材または封止装置21によって閉鎖される。
【0032】
ギアボックス14の壁20に設けられた、回転シャフト18にアクセスするための開口部を封止する装置21は、図2に示されるように、2つの主円筒部品23と24を備え、部品23と24は、それらの間の、それらを互いに離れるように軸方向に分離または移動させるのに資する弾性手段25によって互いに対して滑動するように組み立てられる。
【0033】
本発明の適用では、第1の部品23は、後程分かるように、開口部19の第1の孔26に軸方向に当接して係合して、そこで静的に保持されることを目的とする。第2の部品24は、第1の部品のまわりに部分的に取り付けられ、これも開口部に係合するが、第1の孔よりも大きな直径を備えた、ギアボックスの外部に通じる孔27内に係合して、ネジ22などの固定用要素によって壁20に固定されることを目的とする。
【0034】
とりわけ、封止部を形成する第1の円筒部品23は、開口部19を閉鎖する横断底部28を備え、その周囲部29にはOリングシール31を受け取るための溝30が設けられる。この周囲部に外側環状肩部32も設けられ、これは、開口部の2つの孔26、27の断面の変化部に設けられた内側環状肩部33に対して軸方向に当接することが可能である。
【0035】
横断底部28は、シャフトの反対側で、Oリングシール36を受け取る溝35を周囲部に備える環状側壁34によって延ばされる。
【0036】
第1の部品23の側壁34のまわりに、第2の部品24の環状側壁37が取り付けられる。前記第2の部品が第1の部品から外れるのを防止するために、ストッパ38が設けられる。前記ストッパは、それが、部品38の外側横断押縁部40によって、第1の部品の側壁34の対応する横断面41に当たるまでねじ込むことによって、第1の部品の側壁34によって区切られる中央ネジ穴39に取り付けられる。
【0037】
横断押縁部40は前記第1の部品から半径方向に突き出して、先に第1の部品の側壁上に取り付けられた第2の環状部品24が、圧縮バネ25などの弾性手段の作用下で、第2の部品24の外側横断面42が当たる部品39の横断押縁部40に対して軸方向に当接するように押し付けられるようになる。このように、以下で分かるように、ネジのねじ込みに続いて、第2の部品はこの停止位置と他の位置との間で、バネが圧縮された状態で側壁34の外側横断肩部43の方向に滑動することが可能である。
【0038】
さらに、第2の部品の側壁37の外側周囲部に、Oリングシール45が受け取られる溝44がある。前記Oリングシールは第2の孔27の表面と係合することが可能である。
【0039】
圧縮バネ25に関して述べると、これは部品23、24を取り囲み、底部の周囲部29に設けられた、開口部に対して当接するための第1の部品の肩部32が出てくる、横断面46に最初に当たり、次に第2の部品の環状壁37の横断面47に当たる。
【0040】
封止装置21の2つの部分が組み立てられると、バネは接合部31、45の間に位置付けられ、その際、バネ25によって自然に分離し合うのに資する部品は、第2の部品24をストッパ38上の横断押縁部40に対して押し付け、第2の部品の壁37は第1の部品の封止接合部36と係合した状態となる。
【0041】
さらに、第2の部品の環状壁37は、横断方向にカラーまたは基部49を通って延びることが分かる。カラーまたは基部49には、固定用ネジ22のネジ棒部22Aを通すための穴50が、規則的に分配されるように設けられる。
【0042】
このようにして組み立てられた封止装置21の、ギアボックス14の開口部19に関するアプローチが図2に示される。
【0043】
ギアボックスの壁20は、開口部19のまわりに、ネジ22の棒部を受け取るネジ穴51と、従来通り、図2から図6に示されるように、シャフト18が位置付けられたギアボックス14の内部と最初に連通し、次に孔27の中に通じる給油管またはチャネル52とを備える。
【0044】
装置21の開口部19への取り付けは、それ自体はなんら困難をもたらさない。
【0045】
図3で示されるように、装置の第1の円筒部品23は、Oリングシール31が底部の外側周囲部29で第1の孔26を区切る表面と接触した状態で、開口部に係合する。この係合は、第1の部品の外側肩部32が開口部の内側肩部33に対して接触するまで継続する。
【0046】
次いで、第2の円筒部品24のカラー49を壁の外側横断面54に対して固定するために、締め付けネジ22が取り付けられ、棒部22Aは、ネジの頭部22Bが、壁に自体が当たっているカラーに対して接触するまで壁のネジ穴51の中にねじ込まれてゆく。
【0047】
同時に、第1の部品23がギアボックスに対して軸方向に当接するにつれて、ねじ込みが、ネジ25の圧縮を伴いながら第2の部品24を第1の部品の方に滑動させ、壁37を第1の軸方向固定部品の肩部43に接近させている。滑動中、可動第2の部品24の外側封止接合部45は、第2の孔27を区切る表面と接触しており、第2の環状部品の壁37は、第1の部品23の側壁34の封止接合部36と未だ接触している。このように第2の部品24は、部品38用のストッパを形成する横断押縁部40から離れている。ここに示されない変形実施形態では、カラー49と壁の横断面54との間に封止接合部45を配置することが構想されることが可能である。この場合、図3のOリングシールは平坦なシールと交換されることになり、ネジ22の完全な締め付けによって封止が実現される。
【0048】
バネ25が位置付けられ、部品の横断面46および47と孔27の表面とによって区切られる内側チャンバまたは空間53は、油管52と連通し、様々な封止接合部によって外部に相対して不透過性にされる。
【0049】
図3に示される図面では、開口部19は、封止装置21によってOリングシール31、36、45によって適切に閉鎖されて、エンジンが完全に安全に作動することが可能となる。低圧警報器は、それがギアボックスの圧力降下を検出しないことから、非作動のままである。
【0050】
このようにシャフトは外部から封止するように隔離される。
【0051】
ここで、封止装置21を取り外し、シャフト18と関連する機構とを点検した後、装置が図4に示されるポジションで開口部19に戻されたと想定する。装置は、第1の部品の封止接合部31が孔26の内側表面と接触した状態で、開口部に確実に係合されるが、第2の部品は、圧縮バネの作用の結果として開口部の外部に留まる。
【0052】
このようなポジションは、操作者による見過ごしのために締め付けネジ22が所定位置に置き直されないときに発生する。
【0053】
有利には、弾性手段によって軸方向に移動可能な2つの部品から成る装置21の設計は、第2の部品を外部に、開口部19から距離を置いて保持することを可能にして、第2の部品24の壁と開口部19への入り口(孔27)との間に充分な空間を創出する。これは、バネ25の作用によって、第2の部品24が部品38の押縁部40に対して自然に押し付けられることによる。
【0054】
このようにして、エンジンが始動されるが否や、油がチャネル32から出現する結果として大量の油の漏出が発生して、チャンバ53の中に入り、矢印Fによって示されるように、創出された環状の空間を通って開口部を経由してギアボックス14の外に流出する。
【0055】
封止のこの全面的な損失は、ギアボックス内の圧力降下をもたらし、これが低圧警報器によって即座に検出される。
【0056】
第2の部品24はバネと、チャネルを通って流出する油の内側圧力との影響で外方に保持される。このように装置21は、即座に検出可能な顕著な油の漏出を確立することによって、その安全性の役割を完璧に果たす。
【0057】
図5の図では、ネジ22のネジ穴51への取り付けは有効であるが、前記ネジの完全なロックまたはねじ込みは達成されていない。移動可能な部品24のカラー49とギアボックスの壁20の横断面54との間に極めて小さな空間が出現する。
【0058】
ネジの頭部22Bによる第2の部品24の軸方向の移動は、部品24の壁37が固定部品23の肩部43の方に移動してゆく状態でバネ25の圧縮を引き起こし、封止接合部45が第2の孔27に配置されるようにして、外部に相対する封止を保証する。チャネル52から出てゆく油(矢印F)は、封止接合部36および45の存在によって、装置21を通って開口部の外部に向かって漏出することが不可能である。
【0059】
このタイプのネジの不完全な再組み立てを回避するために、ネジのネジ穴51の底部へと導入されるネジロックデバイス55を使用することが必要である。これによって、一度ネジが手で締め付けられると、即ちネジ棒部22Aがロックデバイス55と係合する前、装置の第2の可動部品24の封止接合部45は、第2の孔27への入り口から未だ距離を置いているようになる。これらのネジロックデバイスの目的は、ロックデバイスのネジの締め付けを保証する特定の締め付け工具を使用すること、および不浸透性を備えた封止装置を適正に取り付けること以外で、第2の部品が接近することを防止し、したがって開口部に結合した封止接合部の不透過性を防止することである。
【0060】
このように、手動で締め付けられるネジの長さに対するネジロックデバイスの軸方向の位置を、前記ネジが、特定の工具によってねじ込まれた後で初めて装置の封止に対して適正な締め付けを実現するように、決定または算定することが可能である。したがって、ネジの締め付けの保証をもたらす特定の工具を使用する以外には、第2の部品24(カラー49)は壁20(横断面54)付近に移動されることが可能でない。
【0061】
図6で示されるように、ネジロックデバイス55は、ネジ穴の底部に収容されるリングであり、締め付け工具によるネジのネジ棒部の係合に適した材料から製造される。
【0062】
この図面では、ネジ22は、壁のネジ穴51にリング55のレベルまで手で取り付けられており(前記リングに当接しつつある)、工具の使用によってしか、封止接合部45の装着で必要なトルクまでネジの締め付けを継続してゆくことが可能でない。操作者が工具によってネジを締め付けることを忘れ、封止装置1をここに示された位置でそのままにしておく場合、可動部品24の封止接合部45は孔27への入り口から未だ軸方向に離れたままとなり、部品は、それを外方に、この場合にはネジの頭部22Bにぶつかるように離してゆくのに資するバネ25の作用を受けた状態となる。
【0063】
このように、エンジンが始動された場合、チャネル52から出、チャンバ53(したがって開口部)を通過する油の顕著な漏出が、ギアボックスの外部に向かって図6の矢印Fの方向に即座に起こる。この漏出は、同時にギアボックス内の圧力降下を引き起こし、これが低圧警報器によって検出される。ここでも、本発明の封止装置によって創出された漏出は、ネジの不正な締め付けが見過ごされている場合でも、前記不正な締め付けが検出されることが不可避となることを意味する。図3に示されるように、適切な工具でネジをリングで最終的に締め付けることのみが、開口部内の装置が適切に封止されることを保証する。
【0064】
従来型の静的な単一部片の装置とは異なって、本発明による装置は2つの部品を有し、そのうちの一方はピストン効果で(油圧によって助勢されるバネによって)移動可能にされるが、操作者がネジの交換を忘れ、またはネジを不完全に交換すると、即座に検出可能な顕著な漏出を創出する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6