【実施例】
【0062】
以下の実施例は例示の目的で提示され、本発明の範囲に制限を課すことを意図しない。
【0063】
いくつかの下記実施例では、炭素収率(C収率)を報告する。炭素収率はモノマーによって試料中に導入され、材料の乾燥後も依然として存在していた炭素の%として定義される。
【0064】
以下の表3、5、8、および9では、触媒活性を速度定数k
wt,HDSおよびk
wt,HDNで報告する。イオウについて、速度定数k
wt,HDNは、次式を用いて算出した:
k
wt,HDS=WHSV
*1/(n−1)
*(1/S
n-1−1/S
0n-1)
式中、WHSVは単位時間当たりの重量空間速度(g
oil/g
cat/h)であり;Sは生成物中のイオウのパーセンテージ(ppm wt S)であり;S
0はフィード中のイオウのパーセンテージ(ppm wt S)であり;そしてnは水素化脱硫反応の反応次数である。20バール(2.0×10
6Pa)および45バール(4.5×10
6Pa)での試験について、1.4のn値を使用した。90バール(9.0×10
6Pa)での試験については、l.2のn値を使用した。
【0065】
窒素について、速度定数k
wt,HDNは次式を用いて算出した:
k
wt,HDN=WHSV*ln(N
0/N)
式中、WHSVは単位時間当たりの重量空間速度(g
oil/g
cat/h)であり;Nは生成物中の窒素のパーセンテージ(ppm wt N)であり;N
0はフィード中の窒素のパーセンテージ(ppm wt N)である。WHSVは、空気中600℃にて焼成した後の触媒重量に基づいて算出した。
【0066】
実施例1−比較例
水素化金属の非存在下でのモノマーの重合
アクリル酸(AA;1.8g)を水(40g)中に溶解させることによって溶液を作製した。水(2g)中に溶解させた過硫酸アンモニウム(またはペルオキシ二硫酸塩、APS;0.6g)を溶液に添加した。重合反応を開始するために、溶液を激しく撹拌しながら70℃まで加熱した。70℃に達したら、粘度が著しく増加し、透明なゲルが形成した。結果として得られたゲルを120℃で一晩乾燥し、黄白色ポリマーフィルムを得た。
【0067】
実施例2および3について、炭酸コバルト(Co(OH)
X(CO
3)
Y)、MoO
3、H
3PO
4(水溶液、85%)、および水を適切な量で合わせて混合することによって、90g/LのコバルトをCoOとして、491g/LのモリブデンをMoO
3として、そして37g/LのリンをP
2O
5として含有するストック含浸溶液を調製した。透明な溶液が得られるまで混合物を70℃よりも高い温度で加熱した。このストック溶液中にはモノマーは存在していなかった。
【0068】
実施例2−比較例
水素化金属の存在下でのモノマーの重合
AA(1.58g)を15グラムの上記ストック溶液中に激しく撹拌しながら溶解させた。水(0.53g)中に溶解させたAPS(0.35g)を次いで溶液に添加した。重合反応を開始するために、溶液を激しく撹拌しながら70℃まで加熱した。70℃に達したら、粘度が著しく増加した。冷却すると、ゴム状塊が形成された。ゴム状塊を120℃で一晩乾燥して、多孔質脆性残留物を得た。
【0069】
実施例3
ポリマーで修飾された、CoおよびMoを含有する触媒の調製
上述のストック溶液の一部でアクリル酸(AA)の量を変えて一連の試料を作製した。過硫酸アンモニウム(APS)の量をこれらの試料では一定に保った。試薬の量を表1に記載する;実験C1は、反応開始手段を含むがモノマーを含まない比較例である。ある量の上記ストック溶液を丸底フラスコ中に量り入れた。アクリル酸を添加し、フラスコを旋回させることによって内容物を混合した。過硫酸アンモニウム(APS)を次に添加し、フラスコを旋回させることによって内容物を混合した。
【0070】
253m
2/gの表面積を有するガンマ−アルミナの押出物をインシピエント・ウェットネス含浸のために溶液に添加し、フラスコを旋回させることによって内容物を混合した。丸底フラスコを室温で穏やかに回転させながら90分間ロータリーエバポレーター上に置いた。水浴の温度を次いで80℃まで上昇させて重合反応を開始し(10分でこの温度に到達した)、次いで混合物を80℃で60分間保持した;このステップの間、系を閉鎖して、蒸発を防止した。次いで、得られたポリマー修飾含浸押出物をパンに移し、冷気で乾燥し、次いで熱風で乾燥して、生成物温度を約90℃にした。
【0071】
結果として得られた触媒の炭素含有量を、総炭素分析を使用して測定し、炭素収量をグラムおよびモノマー炭素含有量のパーセンテージとして表1に示す。
【表1】
【0072】
実施例4
CoおよびMoを含有する触媒の活性試験
実施例3で形成された触媒を粉砕した;125〜350μmの粉末画分を篩別によって単離した。125〜350μm画分を水素化脱硫および水素化脱窒素におけるそれらの性能について評価した。試験を実施する直前に温度を250℃で8時間、320℃および20バール(2.0×10
6Pa)で5時間保持する2段階法で、ジメチルジスルフィド(2.5重量%S)でスパイクされた直留軽油(SRGO)と触媒とを接触させることによって触媒を硫化した。
【0073】
2つの直留軽油フィード(フィードAおよびフィードB)の沸点分布を表2に示す。フィードAは、1.1678重量%のイオウ、94.4ppmの窒素を含み、0.8366g/mLの密度を有していた。
【表2】
【0074】
試料を次いでフィードAの直留軽油(SRGO)での水素化脱硫および水素化脱窒素におけるそれらの性能について試験した。試料を20バールで試験した;温度は345℃であり、H
2対油の比は300NL/Lであり、単位時間当たりの重量空間速度(WHSV)は1.31〜1.42/時(g
oil/g
cat/h)の範囲内であった。様々な反応器中の触媒の実際の重量、適用されたWHSV、ならびに液体生成物試料中のイオウおよび窒素値を表3中で様々な触媒について提示する。イオウおよび窒素値は、フィードAの導入後1〜9日で得られた液体生成物試料の平均をとることによって得られた。使用したHDS次数は1.4であった。
【0075】
結果を表3にまとめ、この表は比較触媒C1に対して実施例3にしたがって作製された触媒を使用するこれらの実験の活性結果を示す。比較触媒はコバルト、モリブデン、およびリンを試験した本発明の触媒と類似した量で含み、比較触媒は過硫酸アンモニウム(反応開始手段)の存在下であるが、モノマーの非存在下で調製した。表3からわかるように、ポリアクリル酸の量が0%から約8重量%まで増加する際に水素化脱硫(HDS)および水素化脱窒素(HDN)活性は約14%まで増加した。
【表3】
【0076】
実施例5
ポリマーで修飾された、NiおよびMoを含有する触媒の調製
100g/LのニッケルをNiOとして、599g/LのモリブデンをMoO
3として、そして42g/LのリンをP
2O
5として含有するストック含浸溶液を、炭酸ニッケル(Ni(OH)
X(CO
3)
Y)、MoO
3、H
3PO
4(85%水溶液)、および水を適切な量で合わせて混合することによって調製した。混合物を透明溶液が得られるまで70℃より高い温度で加熱した。このストック溶液中にはモノマーは存在していなかった。
【0077】
実施例3の手順をおこなって、Ni、Mo、およびPとアクリル酸を含有する触媒試料を、上述のストック溶液、および205m
2/gまたは271m
2/gのいずれかの表面積を有する押出アルミナ担体を使用して調製した。過硫酸アンモニウム(APS)を反応開始手段として使用した場合、黄色い堆積物が形成された。APSと同じモル量を添加することによってAPSを過硫酸カリウム(KPS)で置換した。試薬の量を表4に記載する;実験C2およびC3は比較例であり、反応開始手段を含んでいたが、モノマーを含んでいなかった。結果として得られる触媒の炭素含有量を、総炭素分析を使用して測定し、炭素収率をグラムおよびモノマー炭素含有量のパーセンテージとして表4で示す。
【表4】
【0078】
実施例3および5で調製した触媒のラマンスペクトルは、重合が起こった明らかな証拠を示す。ラマン測定を532nm励起で実施した;レーザー出力を制御して試料損傷を回避した。スペクトルを10×30秒の収集時間で記録した。
図1は実施例5の触媒B(表4)から得られた典型的なラマンスペクトルを示す。スペクトルは2933cm
-1付近にポリアクリル酸に特徴的な強力なバンドを示す。3040cm
-1および3110cm
-1付近には低強度のバンドは、それぞれアクリル酸モノマーのν(CH)およびν(CH
2)
asy振動に起因する。3040cm
-1および3110cm
-1ピークに対して2933cm
-1ピークの高強度は、アクリル酸の重合がこの触媒で起こったことを明らかに示す。様々なピークの帰属の検証については、例えば、C. Murli and Y. Song, Journal of Physical Chemistry B, 2010, 114, 9744-9750を参照のこと。
【0079】
実施例6
NiおよびMoを含む触媒の活性試験
モノマー(ポリマー)なしの試料に対して、アクリル酸を用いて調製した触媒には明らかな活性の利点がある。この実施例では、実施例5で調製した触媒の活性試験を、異なる試験フィードを使用し、反応器を20バールではなく90バール(9.0×10
6Pa)で作動させたこと以外は実施例4で記載したとおりに実施した。試験フィードはフィードBであり、これは50%のライトサイクルオイル(LCO)および50%直留軽油(SRGO)からなり、1.1317重量%のイオウ、277ppmの窒素を含み、0.8750g/mLの密度を有していた;フィードBの沸点分布は表2にある。温度はHDNについては308℃、HDN試験については315℃であった;H
2対油の比は400NL/Lであり、単位時間当たりの重量空間速度(WHSV)はHDN試験については1.66〜2.04/時の範囲内であり、HDS試験については1.14〜1.22/の範囲内であった。様々な反応器中の触媒の実際の重量、適用されたWHSV、ならびに液体生成物試料中のイオウおよび窒素値を表5で様々な触媒について提示する。イオウおよび窒素値は、HDN試験についてはフィードBの導入後1〜11日で、HDS試験についてはフィードBの導入後14〜22日で得られた液体生成物試料の平均値をとることによって得ら
れた。時期尚早の反応器運転停止のために比較触媒C3のHDSデータは得られなかった。HDS次数は1.3であった。
【0080】
結果を表5にまとめ、この表は、適切な比較触媒と比較した、この実施例で作製した触媒の活性結果を示す。水素化脱硫(HDS)活性および水素化脱窒素(HDN)活性は、触媒中のポリアクリル酸の量が0%から約19重量%まで増加する際に約20%まで増加した。
【表5】
【0081】
実施例7−比較例
水素化金属の非存在下での様々なモノマーの重合
各々異なるモノマーおよび過硫酸カリウム(KPS)を含むいくつかの溶液を水中で調製した。モノマー、ならびにモノマー、KPS、および水の量を表6に記載する。全ての成分を室温で混合することによって透明な溶液が得られた。その後、各溶液を密閉容器中で80℃にて加熱した。高温での各溶液の外観における変化を使用して、重合が起こったかどうかを判定した。これらの観察に基づくと、エチレングリコールビニルエーテルを除く試験したすべてのモノマーについて重合が起こった。
【表6】
【0082】
実施例8
Al
2O
3担体の存在下での様々なモノマーの重合
それぞれ異なるモノマー、過硫酸カリウムおよびAl
2O
3の押出物(表面積、BET:266g/m
2)を含むいくつかの水溶液を0.24gのモノマー/g Al
2O
3および0.012gのK
2S
2O
8/g Al
2O
3の濃度で調製した。モノマーを表7中に記載する。モノマー水溶液で飽和させた結果として得られる押出物を密閉容器中80℃にて16時間加熱した。次に、試料を開放容器中で120℃にて1時間保持して、過剰の水を除去した。このようにして得られた材料の炭素含有量を表7で報告する。
【0083】
水中で重合しない(実施例7を参照のこと)エチレングリコールビニルエーテルをロードした支持体を比較のために同じ調製法を用いて調製した。比較実験C4の炭素重量%およびC収率から、かなりの量のエチレングリコールビニルエーテルが120℃での加熱処理により放出されたことは明らかである。このことは、エチレングリコールビニルエーテルについて重合は起こらなかったかまたは非常に不完全な重合が起こったこと、そしてこのモノマーは120℃での乾燥中にほとんど蒸発してしまったことを示す。
【表7】
【0084】
実施例9
Al
2O
3支持体上の様々なモノマーのラマン測定
担体試料を比較目的で調製した。実施例8でのように押し出されたAl
2O
3担体をKPSの非存在下で0.24g モノマー/g Al
2O
3の濃度のアクリル酸水溶液で飽和させた。モノマー水溶液で飽和させた押出物を密閉容器中80℃にて16時間加熱した。次に、押出物を開放容器中で1時間120℃にて保持して、過剰の水を除去した。これは比較試料C5であった。
【0085】
ラマンスペクトルを比較試料C5について、ならびに実施例8からの担体Dおよび担体F(表7)について記録した;ラマンスペクトルを
図2に示す。ラマン測定を514nm励起で実施した;レーザー出力を制御して試料損傷を回避した。スペクトルを10×10秒の収集時間で記録した。
【0086】
比較試料C5のスペクトルは未反応アクリル酸に特徴的なピークを示す。C=C伸縮振動に関連する1640cm
-1でのピークは未反応アクリル酸が比較試料C5中に存在したことの明らかな証拠である。担体Dのスペクトルは重合が起こったことを明らかに示す;2929cm
-1でのピークはポリアクリル酸に特徴的である。1640cm
-1にピークがないことは、担体DにおいてC=C結合が存在しないことを示した。アクリル酸およびポリアクリル酸に特徴的なピークの帰属の検証については、例えば、C. Murli and Y. Song, Journal of Physical Chemistry B, 2010, 114, 9744-9750を参照のこと。担体Fのスペクトルは、未反応マレイン酸およびポリマレイン酸に帰属できるバンドを示す。2931cm
-1でのピークは相当量のポリマレイン酸が存在していたことを示し、一方、1657cm
-1および3052cm
-1でのピークは、担体Fにおいて未反応C=C結合が存在し
ていたことを示す。マレイン酸およびポリマレイン酸に特徴的なピークの帰属の検証については、例えば、C. Q. Yang and X. Gu, Journal of Applied Polymer Science, 2001, 81, 223-228を参照のこと。このように、そのそれぞれが反応開始手段を含む担体DおよびFは相当量のポリマーを含み、一方、反応開始手段を含まない試料C5は検出可能な量のポリマーを含んでいなかった。
【0087】
これらの実験は、適切な反応開始手段および/または条件が担体の存在下でモノマーを重合するために必要であるようであることを示す。言い換えれば、担体自体はモノマー(複数可)の重合を誘発しない。
【0088】
実施例10
ポリマーで修飾された、CoおよびMoを含有する触媒の調製
実施例8で調製した材料に細孔容積含浸によって金属をロードした。MoO
3、Co(OH)
X(CO
3)
Y、およびH
3PO
4(85%水溶液)、および水を適切な量で混合し、透明溶液が得られるまでこの混合物を70℃以上で撹拌することによって、Moを583g MoO
3/Lの濃度で、Coを104g CoO/Lの濃度で、そしてH
3PO
4を42g P
2O
5/Lの濃度で含有するストック溶液を調製した。さらなる比較試料として、同じストック溶液および調製方法を使用して、実施例8で使用したものと同様であるがモノマーを含まないAl
2O
3押出物から出発して触媒を調製した。各調製のために、最終触媒試料がそれぞれ600℃で焼成後に測定して28重量%のMoO
3を含有するように、ストック溶液を充分な水で希釈した。
【0089】
実施例11
CoおよびMoを含む触媒の活性試験
実施例10で記載されるようにして調製した触媒を粉砕した;125〜350μmの粉末画分を篩別によって単離した。125〜350μm画分を水素化脱硫および水素化脱窒素におけるそれらの性能について評価した。試験を実施する直前に8時間250℃にて、そして5時間320℃にて温度を保持する2段階法で触媒をジメチルジスルフィド(2.5重量%S)でスパイクされたSR−LGOと接触させることによって触媒を硫化した。試料を45バール(4.5×10
6Pa)にてフィードBの直留軽油(SRGO)での水素化脱硫および水素化脱窒素におけるそれらの性能について試験した。フィードBは7914ppmのイオウ、169ppmの窒素を含み、0.8574g/mLの密度を有していた;フィードBの沸点分布を表2に示す。触媒活性を350℃の温度で評価し、その間、H
2対油の比は300NL/Lであり、単位時間当たりの重量空間速度(WHSV)は2.5〜3.5/時の範囲内であった。様々な反応器中の触媒の実際の重量、適用されたWHSV、ならびに液体生成物試料中のイオウおよび窒素値を表8で様々な触媒について提示する。フィードBの導入後6〜8日で得られた4つの液体生成物試料の平均値をとることによってSおよびN値を得た。使用したHDS次数は1.4であった。
【表8】
【0090】
モノマーが添加されていない触媒C7、および重合が支持体上で起こらなかった触媒C6と比べて触媒H〜KのHDSおよびHDN活性において明らかな利点がある。上記表の結果から、活性金属の導入前にモノマーを担体に導入することは実施可能であり、モノマーの重合が触媒活性の利点を提供することがわかる。
【0091】
実施例12−比較例
24重量%のMoをMoO
3として、4重量%のCoをCoOとして、そして2重量%のPをP
2O
5として有する商業的に適用されたCoMo/Al
2O
3水素化処理触媒を焼成して、コークスを除去し、硫化物を酸化物に変換した。焼成温度はすべてのコークスを除去するために充分高かったが、バルク相およびCoAl
2O
4の実質的な形成を防止するために充分低かった。この再生されたCoMo/Al
2O
3触媒が試料C8であった。試料C9を形成するために、試料C8の一部をマレイン酸の水溶液と接触させた。マレイン酸水溶液を触媒1gあたり0.10gのマレイン酸の濃度での細孔容積含浸によって適用した。含浸後、材料を3時間50℃にて密閉容器中で放置し、その後、空気中で120℃に加熱して、水を除去した。このマレイン酸と接触させた触媒が試料C9であった。試料C9のラマンスペクトルはポリマレイン酸に特徴的なピークを示さなかった。
【0092】
実施例13−比較例
ポリマーの非存在下でCoおよびMoを含む触媒の活性試験
実施例12で記載する触媒(試料C8およびC9)を粉砕した;125〜350μmの粉末画分を篩別によって単離した。125〜350μm画分を水素化脱硫におけるそれらの性能について評価した。触媒をジメチルジスルフィド(2.5重量%S)でスパイクされたSR−LGOと、試験を実施する直前に温度8時間250℃にて、5時間320℃にて保持する2段階法で接触させることによって、触媒を硫化した。試料を45バール(4.5×10
6Pa)にてフィードCの直留軽油(SRGO)での水素化脱硫におけるそれ
らの性能について試験した。フィードCは7914ppmのイオウ、169ppmの窒素を含み、0.8574g/mLの密度を有していた;フィードCの沸点分布を表2に示す。触媒活性を350℃の温度で評価し、一方、H
2と油の比は300NL/Lであり、単位時間当たりの重量空間速度(WHSV)は2.5〜3.5/時の範囲内であった。様々な反応器中の触媒の実際の重量、適用されたWHSV、および液体生成物試料中のイオウ値を表9で様々な触媒について提示する。SRGOの導入後6〜8日で得られた4つの液体生成物試料の平均値をとることによってS値を得た。使用したHDS反応次数は1.4であった。
【表9】
【0093】
表9中の結果と表8中の実験Jの結果との比較は2点を示す。示された第1点は、水素化処理触媒自体(重合反応開始手段なし)は触媒の存在下でモノマー種の重合を誘発しないことである。示された第2点は、非重合モノマーの存在は触媒の活性をあまり増加させないということである。したがって、モノマーの重合が起こり得ることを確実にするためには適切な反応開始手段および/または条件が必要である。
【0094】
本明細書またはその特許請求の範囲のどこでも化学名または式によって参照される成分は、単数形または複数形で言及されているかどうかにかかわらず、化学名または化学型によって言及される別の物質(例えば、他の成分、溶媒など)と接触する前に存在するとして特定される。どのような化学変化、変換および/または反応が、あったとしても結果として得られる混合物または溶液中で起こるかは重要ではなく、なぜならそのような変化、変換、および/または反応は、本願にしたがって必要とされる条件下で特定の成分を一緒にすることの自然な結果だからである。したがって、成分は、所望の操作の実施に関連して、または所望の組成物の形成で一緒にされる構成要素として特定される。また、本明細書中以下の特許請求の範囲が現在時制で物質、成分および/または構成要素について言及し得るが(「含む(comprises)」、「ある(is)」など)、本願にしたがって1以上の他の物質、成分および/または構成要素と最初に接触、ブレンドまたは混合される直前に存在していたとしてその物質、成分または構成要素について言及する。物質、成分または構成要素が、本願および化学者の通常の技術にしたがって実施する場合、接触、ブレンドまたは混合操作の過程で化学反応または変換によりその元の独自性を失った可能性があるという事実は、したがって実施上何の問題もない。
【0095】
本発明は、本明細書中に記載する材料および/または手順を含み得るか、それらからなるか、またはそれらから本質的になる。
【0096】
本明細書中で用いられる場合、本発明の組成物中または本発明の方法で用いられる成分の量を修飾する「約」という用語は、現実に濃縮液または使用溶液(use solution)を作製するために使用される典型的な測定および液体取扱い手順;これらの手順における偶発的な誤差;組成物を作製するためまたは方法を実施するために用いる成分の製造、供給源
、または純度における差異;およびその他によって起こり得る数量のばらつきを指す。約という用語は、特定の初期混合物から得られる組成物の異なる平衡状態に起因する異なる量も包含する。「約」という用語で修飾されているか否かによらず、特許請求の範囲は量の等価物を包含する。
【0097】
明らかに別段の記載がない限り、冠詞「a」または「an」は、本明細書中で用いられる場合、限定を意図せず、説明または特許請求の範囲をこの冠詞が指す1つの要素に限定すると解釈するべきではない。むしろ、冠詞「a」または「an」は、本明細書中で用いられる場合、特に別段の指示がない限り、1以上のかかる要素を対象とすることが意図される。
【0098】
本明細書の任意の部分で引用されるありとあらゆる特許または他の刊行物または公開された文書は、本明細書中で全文が記載されているかのように、参照により本開示に全体として組み込まれる。
【0099】
本発明はその実施においてかなりの変更を許す。したがって、前述の記載事項は限定を意図せず、本発明を前述の特定の実例に限定すると解釈されるべきではない。