(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
耐油性エチレン酢酸ビニルコポリマーは、エチレンと、少なくとも40重量%の酢酸ビニルとを共重合することによって形成される周知の合成材料である。エチレン酢酸ビニルコポリマーは、共重合されたエチレン単位および酢酸ビニル単位のみを含有していても、またはコポリマーは、追加的な共重合されたモノマー、例えば、不飽和カルボン酸のエステル、例えば、メチルアクリレートまたはブチルアクリレートを含んでなってもよい。ゴムとしても知られる未加工のポリマーは、ペルオキシド、アジドなどのフリーラジカル発生剤によって、または高エネルギー放射線の使用によって硬化されてもよい。商業的に入手可能なエチレン酢酸ビニルコポリマーの例には、本件特許出願人からのElvax(登録商標)樹脂製品およびLanxess Corp.からのLevapren(登録商標)が挙げられる。
【0003】
他の耐油性エラストマーと比較して、それらが低コストであることを考慮して、エチレン酢酸ビニルコポリマーは、ワイヤーおよびケーブル外被の製造、ならびにホースおよびシールなどの自動車部品の製造において広く使われている。
【0004】
熱老化に対する耐性は、フード自動車用途、例えば、ホース、ガスケットおよびシールで使用されるゴム部品で特に望ましい特性である。そのような部品は、定期的に数時間までを含む時間で160℃を超える温度に暴露され得るため、酸化脆化による物理的特性の悪化が生じる可能性がある。エチレン酢酸ビニルコポリマーゴムにおいては、それによって、伸張性の低下、ならびにそのようなゴム物品の硬度およびモジュラスの増加がもたらされることが多い。そのような影響は、例えば、欧州特許第1081188号明細書に開示されている。エチレン酢酸ビニルゴムの温風または熱老化耐性を向上させる方法には、より有効な酸化防止剤系を特定することの試みが含まれる。しかしながら、これらのコポリマーの高温耐性を改善することがなお必要とされている。
【0005】
今や、エチレン酢酸ビニルコポリマーとペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマーのブレンドにポリアミドの粒子を分散することによって、優れた熱老化耐性を示す、高硬度、強度および弾性の硬化されたエチレン酢酸ビニルコポリマー組成物を製造することが可能であることが見出された。ペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマーは、アルキルアクリレートと、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物および不飽和エポキシドからなる群から選択されるアミンまたは酸反応性モノマーとの共重合単位を含む。アミンまたは酸反応性モノマーは、ポリアクリレートエラストマーが、ポリアミドおよびエチレン酢酸ビニルコポリマーを相溶化することを可能にして、それによって、強度および破断伸びなどの物理的特性が改善する。一般にアクリレートモノマーの重合単位のみを含むポリアクリレートエラストマーは、ペルオキシドに対する低い硬化応答を示す。これは、アクリレートモノマーの隣接する重合単位が、フリーラジカルの存在下で有意な分子鎖切断を導き、それによって、架橋密度の正味の増加が低いためである。本明細書に定義されるように、ペルオキシド硬化性アクリレートエラストマーは、ペルオキシド硬化部位モノマーとして作用する、少なくとも0.5モル%の不飽和ペンダント基、または少なくとも50モル%のエチレンの共重合単位含まなければならない。共重合されたエチレンモノマー単位は、β切断を制限するための、重合したアクリレートモノマー単位の間のスペーサーとして作用する。
【0006】
多くのエチレン酢酸ビニルコポリマー−ポリアミドブレンド組成物は、従来技術において開示されている。例えば、強靭化された熱可塑性組成物を形成するために、ポリアミドに未硬化のエチレン酢酸ビニルコポリマー(すなわち、ゴム)を添加することが知られている。米国特許第4,174,358号明細書は、ポリアミドのための強靭化添加剤としての、20重量%までの濃度で未硬化のエチレン酢酸ビニルコポリマーの使用を例証する。J.Polymer Science:Part B:Polymer Physics,Vol.47,877−887(2009)に開示されるように、無水マレイン酸グラフト化エチレン酢酸ビニルコポリマーなどの相溶化剤もエチレン酢酸ビニルコポリマー−ポリアミドブレンドに含まれてもよい。これらの組成物のポリアミド成分は、連続的なポリマーマトリックスを含んでなり、未硬化エチレン酢酸ビニルコポリマーは少数の添加剤である。ポリアミドがブレンドで連続相を含む場合、組成物を、ポリアミドの溶融温度未満の温度で一般に加工することができないか、または、より高度な課題が伴って、そのような温度で加工することができる。
【0007】
エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアミドを含む熱可塑性エラストマー組成物を形成することも既知である。例えば、米国特許第5,948,503号明細書は、未硬化の弾性ポリマー、微細繊維の形態のポリアミド、および80℃〜250℃の溶融温度を有するポリオレフィンを含む組成物を開示する。加えて、上記文献中には、ある種の加硫組成物が開示される。
【0008】
エチレン酢酸ビニルコポリマーが動的に架橋される(すなわち、もう1つのポリマーの連続相においてエラストマー粒子の分散体を製造するために、剪断混合下で架橋される)、エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアミドを含む熱可塑性加硫物も既知である。そのような組成物は、欧州特許第2098566号明細書に開示され、また米国特許第7691943号明細書に開示されるように、無水マレイン酸グラフト化エチレン酢酸ビニルコポリマーなどのカップリング剤を用いて改善され得る。
【0009】
米国特許第7,608,216号明細書および米国特許出願公開第2006/0100368号明細書は、未硬化エラストマー、例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマーと、熱可塑性ポリマーまたはもう1種の未硬化(ゴム)エラストマーとを混合することによって調製される組成物を開示する。未硬化または部分的に硬化されたコンパウンドのグリーン強度を増加させるため、部分的硬化、部分的動的加硫または高性能強化充填剤の使用などの技術が開示されている。混合された組成物は、エラストマー成分のための硬化剤によってその後、架橋されてもよい。
【0010】
多くのアクリレートゴムポリアミドブレンド組成物が従来技術において開示されている。例えば、ポリアミドに未硬化のアクリレートエラストマー(すなわちゴム)を添加して、強靭化された熱可塑性組成物を形成することが知られている。米国特許第4,174,358号明細書は、ポリアミドのための強靭化添加剤として、95モルパーセントまでのエチレン、例えば、エチレン/メチルアクリレート/モノエチルマレエート/エチレンジメタクリレートテトラポリマーまたはエチレン/メチルアクリレート/モノエチルマレレートターポリマーのイオノマーを含む様々な未硬化アクリレートエラストマーまたはエチレンをベースとする熱可塑性樹脂の使用を開示する。そのような組成物のポリアミド成分は連続的なポリマーマトリックスを含んでなり、未硬化のアクリレートエラストマーは少数の添加剤である。
【0011】
米国特許第5,070,145号明細書は、ジカルボン酸無水物と任意にアルキル(メタ)アクリレートの共重合単位を含む、ポリアミドとエチレンコポリマーとの熱可塑性ブレンドを開示する。米国特許第7,544,757号明細書は、エチレン−アルキルアクリレートポリマーのブレンドは、強靭化ポリアミド組成物を製造するために、ポリアミド中30重量%までの濃度で混合されてもよいことを開示する。
【0012】
未硬化のエチレンアクリルエラストマー、ポリアミドおよび粉末金属のブレンドは、特開2001−1191387号公報に開示されている。
【0013】
米国特許第3,965,055号明細書は、ゴムと2重量%〜10重量%の結晶性繊維形成性熱可塑性樹脂とのブレンドから製造される加硫物であって、この熱可塑性樹脂が、2よりも大きい長さ対直径比で断面0.5ミクロン以下の粒子でのゴム成分中に分散されている加硫物を開示している。熱可塑性樹脂粒子の高いアスペクト比は、空隙を形成することのない無加圧硬化を可能にする。
【0014】
特開平10−251452号公報は、水素化ニトリルゴム(HNBR)マトリックス中のポリアミド粒子の分散系であって、エチレンコポリマーまたはアクリレートエラストマーであってもよい相溶化ポリマーも存在する分散系を開示している。相溶化ポリマーは、このアクリレートエラストマーが連続相を形成するのを防止するHNBRおよびポリアミドとの混合中に金属酸化物によってイオン架橋される。HNBR成分は次に、過酸化物または硫黄で硬化される。
【0015】
米国特許第6,133,375号明細書は、熱可塑性物質がゴム相に分散している官能化ゴムと熱可塑性樹脂とのブレンドを開示している。ゴム用の硬化剤の添加後、組成物は架橋され、加硫物品を製造する。開示されている官能化ゴムの例としては、ニトリル−ブタジエンなどのアクリルゴム、および水素化ニトリル−ブタジエンゴム、エピクロロヒドリンゴム、およびカルボキシル化ニトリル−ブタジエンゴムなどの反応基がグラフトされているゴムが挙げられる。開示されている熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエーテルまたはエステルブロックコポリマー、およびポリアミドとポリオレフィンとの混合物が挙げられる。後者の場合には、ポリアミド−ポリオレフィンブレンドを相溶化するために、グラフトされたまたは共重合した無水マレイン酸、グリシジルメタシレート、または(メタ)アクリル酸単位を含むエチレン−アルキルアクリレートコポリマーが使用されてもよい。
【0016】
米国特許第4,694,042号明細書は、ポリアミドと架橋エラストマーポリアクリレートコアシェルポリマーとの凝集性相を含有するエラストマー熱可塑性成形材料を開示している。
【0017】
米国特許第4,275,180号明細書は、熱可塑性ポリマーとアクリレートゴムとのブレンドであって、放射線または過酸化物によって架橋させられるかまたは架橋可能であるブレンドを開示している。充填材は、組成物の40重量%までの量で使用されてもよい。
【0018】
米国特許出願公開第2006/0004147号明細書は、エラストマー、例えば、アクリレートエラストマーと、ポリアミドなどの熱可塑性ポリマーとのブレンドであって、両ポリマーがフリーラジカルによって、例えば、電子ビーム放射線によって結合させられ、架橋されるブレンドを開示している。この組成物は、分散架橋エラストマー粒子とともに熱可塑性樹脂の連続相、または最初は熱可塑性であったものの分散架橋粒子とともに連続架橋エラストマー相を含んでもよい。
【0019】
米国特許第8,142,316号明細書は、動力伝達ベルトでの使用のためのエラストマーと熱可塑性樹脂との硬化ブレンドを開示している。このエラストマーは、エチレンアクリルエラストマーであってもよく、この熱可塑性樹脂はポリアミドであってもよい。フリーラジカル硬化剤が硬化剤として開示されている。
【0020】
ポリアミドマトリックス連続相および離散粒子の形態で存在する硬化アクリレートゴム相を有する動的硬化熱可塑性組成物を形成することもまた公知である。ポリアミドとイオン架橋エチレンアクリルゴムとのブレンドを含む熱可塑性エラストマー組成物は、米国特許第4,310,638号明細書に開示されている。米国特許第5,591,798号明細書および同第5,777,033号明細書は、ポリアミド樹脂と共有結合架橋アクリレートゴムとのブレンドを含む熱可塑性エラストマー組成物を開示している。
【0021】
Zeon Chemicals L.P.,HyTemp(登録商標)Technical Manual,Rev.2009−1,p.46(2009)に開示されているポリアクリレートゴム−ポリアミドブレンド組成物は、プラスチックの衝撃強度を向上させると言われている。それらはまた、熱可塑性エラストマーを製造するために使用されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドのブレンドを含む組成物であって、ペルオキシド硬化系などのフリーラジカル供給源を用いて硬化させた場合に、熱老化の間に向上した物理的特性損失に対する耐性を示す組成物に関する。また本発明は、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドのブレンドから本質的になる組成物、ならびにエチレン酢酸ビニルコポリマー、ペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマー、ポリアミドと、ペルオキシド硬化剤とを含む硬化性組成物にも関する。また本発明は、ペルオキシド硬化剤を追加的に含む硬化性ブレンド組成物、ならびに耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物からの硬化物品の調製方法にも関する。
【0028】
本明細書には、ポリアミド粒子が、エチレン酢酸ビニルコポリマー(別名EVMゴム)およびペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマーのブレンドに分散される組成物が開示される。得られる組成物は、硬化された時に物理的特性の驚くべき改善を示す。すなわち、一般に架橋または加硫とも呼ばれる硬化プロセスは、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドのブレンドを、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドの両方を含まないエチレン酢酸ビニルエラストマー組成物と比較して、向上した熱老化耐性を示すエラストマー組成物へと変換する。
【0029】
他に本明細書には、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドのブレンド組成物であって、(A)少なくとも40重量%の共重合酢酸ビニルモノマー単位の、1種または複数種のエチレン酢酸ビニルコポリマーを含む、10重量%〜98重量%のエチレン酢酸ビニルコポリマー成分、(B)アルキルアクリレートと、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物および不飽和エポキシドからなる群から選択される、少なくとも0.03モル%のアミンまたは酸反応性モノマーとの共重合単位を含む、1重量%〜50重量%の1種または複数種のペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマー成分、ならびに(C)少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する1種または複数種のポリアミドを含む、1重量%〜60重量%のポリアミド成分から本質的になり、5〜200のASTM D1646によって決定されるMooney粘度(ML 1+4、100℃)を有し、かつエチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミド成分の各重量%が、ブレンド組成物中のエチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドの総合重量に基づく、ブレンド組成物が開示される。
【0030】
本発明の一実施形態は、硬化剤、好ましくはペルオキシド硬化剤を含む硬化性エチレン酢酸ビニルコポリマーブレンド組成物である。このブレンド組成物は、ASTM D1646によって決定される、5〜200のMooney粘度(ML 1+4、100℃)を有することを特徴とする。
【0031】
ブレンド組成物は、3種のポリマー成分:エチレン酢酸ビニルコポリマー成分、ポリアクリレートエラストマー成分およびポリアミド成分を含むか、またはいくつかの実施形態において、この3種のポリマー成分から本質的になり、かつ硬化性組成物を形成するためにペルオキシド硬化剤と組み合わせた時、耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物として本明細書に記載される。ブレンドのエチレン酢酸ビニルコポリマー成分は、それぞれ、少なくとも40重量%の酢酸ビニル共重合単位を含む、1種または複数種であるエチレン酢酸ビニルコポリマーを含む。
【0032】
本明細書で使用される場合、「から本質的になる」という用語は、ブレンド組成物に関して、80℃より高い溶融ピーク温度を有するポリオレフィンが、エチレン酢酸ビニルコポリマー成分およびポリアクリレートエラストマー成分の合計の重量に基づき、100重量部あたり、30部以下で存在することを意味する。そのような高融点ポリオレフィンがブレンド組成物に30重量部より多く存在する場合、ブレンド組成物は硬化性組成物へと加工することが困難となる可能性があり、加工されたとしても、低い弾性を有し得る。
【0033】
本明細書に記載される本発明の実施において有用なエチレン酢酸ビニルコポリマーは、エチレンと酢酸ビニルコモノマーとの共重合単位を含む。プロペン酸のアルキルエステルまたはアルコキシアルキルエステル、一酸化炭素、プロペン、1−ブテン、1−ヘキセンなどのアルファ−オレフィン、あるいはエチレン酢酸ビニルポリマーでエポキシドまたは酸官能性を提供するコモノマー、例えば、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸およびその半エステルまたは(メタ)アクリル酸を含む他のコモノマーが任意に存在してもよい。
【0034】
これらのエチレン酢酸ビニルコポリマーに存在する酢酸ビニルコモノマーの濃度は、コポリマー中のエチレンおよび酢酸ビニルコモノマー単位の重量に基づき、少なくとも40重量パーセントである。好ましくは、濃度は少なくとも45重量パーセント、より好ましくは少なくとも50重量パーセントである。酢酸ビニルの濃度が40重量%未満である場合、エチレン酢酸ビニルコポリマーには弾性特性がない。
【0035】
エチレン酢酸ビニルコポリマーの例には、本件特許出願人から入手可能なElvax(登録商標)40L03樹脂、およびLanxess Corp.,Germanyから入手可能なLevapren(登録商標)グレード400〜900が挙げられる。
【0036】
本発明の耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物を調製するために使用されるエチレン酢酸ビニルコポリマーは、硬化性ゴムであり、すなわち、それらは実質的に未硬化ゴムである。実質的に未硬化とは、ブレンドされていないエチレン酢酸ビニルコポリマーが、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドをブレンドするために十分低い粘度を有することを意味する。好ましくは、エチレン酢酸ビニルコポリマーのMooney粘度(ASTM D1646、100℃でML 1+4)は、120未満、より好ましくは80未満、そして最も好ましくは40未満である。
【0037】
本明細書に記載される本発明の実施において有用なポリアクリレートエラストマーは、非晶質である。すなわち、ポリアクリレートエラストマーの融解熱は、一般に、ASTM D3418−08で測定すると、4J/g未満、好ましくは2J/g未満、そして最も好ましくは約0J/gである。ポリアクリレートエラストマーは、プロペン酸のアルキルエステルおよび/またはアルコキシアルキルエステルの重合単位を含む。そのようなエステルの例には、アルキルアクリレートおよびアルコキシアルキルアクリレート、ならびにプロペン酸がC1〜C10アルキル基で置換される種が含まれる。そのような種の例には、アルキルメタクリレート、アルキルエタクリレート、アルキルプロパクリレートおよびアルキルヘキサクリレート、アルコキシアルキルメタクリレート、アルコキシアルキルエタクリレート、アルコキシアルキルプロパクリレートおよびアルコキシアルキルヘキサクリレートが含まれる。加えて、プロペン酸エステルのアルキルエステル基は、シアノ基または1個またはそれ以上のフッ素原子で置換されてもよい。すなわち、エステル基は、C1〜C12シアノアルキル基またはC1〜C12フルオロアルキル基である。アクリレートポリマーは、アルキルエステルおよび/またはアルコキシアルキルエステル、例えば2種のアルキルアクリレートの2種以上の種の共重合単位を含んでなってもよい。
【0038】
プロペン酸および置換されたプロペン酸のアルキルおよびアルコキシアルキルエステルは、好ましくは、アクリルまたはメタクリル酸のC1〜C12アルキルエステル、あるいはアクリルまたはメタクリル酸のC1〜C20アルコキシアルキルエステルである。そのようなエステルの例には、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エチルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアシレート、3−メトキシプロピルアクリレートおよび3−エトキシプロピルアクリレートが含まれる。C1〜C12シアノアルキルおよびフルオロアルキル基を含有するエステルの例には、シアノメチルアクリレート、1−シアノエチルアクリレート、2−シアノプロピルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、4−シアノブチルアクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロエチルメタクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロエチルアクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロプロピルメタクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロプロピルアクリレート、ならびに1,1,5−トリヒドロペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレートおよび1,1,5−トリヒドロペルフルオロヘキシルメタクリレートが含まれる。好ましくは、エステル基は、C1〜C8アルキル基を含む。より好ましくは、エステル基は、C1〜C4アルキル基を含む。特に有用なアルキルアクリレートエステルは、メチルアクリレート、エチルアクリレートおよびブチルアクリレートである。特に有用なアルキルメタクリレートエステルは、メチルメタクリレートである。少量のエテニルアセテートまたは3−ブテニルアセテートなどの不飽和アセテートは、本発明の範囲から逸脱することなく、ポリアクリレートエラストマーに組み込まれてもよい。少量とは、ポリアクリレートエラストマーの重量に基づき、1重量%未満を意味する。
【0039】
ポリアクリレートエラストマーにおけるコモノマー単位を含むエステルは、一般に、次式
【0041】
(式中、R1はHまたはC1〜C10アルキルであり、かつR2はC1〜C12アルキル、C1〜C20アルコキシアルキル、C1〜C12シアノアルキルまたはC1〜C12フルオロアルキルである)によって表わされ得る。
【0042】
ある種の実施形態において、ポリアクリレートエラストマーは、2種以上のアクリレートコモノマーの共重合から誘導されるポリマーでもよい。そのようなアクリレートポリマーの例には、メチルアクリレートとブチルアクリレートとのコポリマー、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、および1,4−ブテンジオン酸のモノエチルエステルのコポリマーが含まれる。
【0043】
ポリアクリレートエラストマーに存在するプロペン酸エステルコモノマーの濃度は、ポリマーの重量に基づき、少なくとも50の重量パーセントである。好ましくは、濃度は、少なくとも55重量パーセント、より好ましくは少なくとも60の重量パーセントである。プロペン酸エステルの濃度が50重量%未満である場合、例えば、エチレンアクリレートエステルコポリマーであるアクリレートポリマーで、いくらかの結晶化度が存在する可能性は高い。加えて、エチレンなどの非極性モノマーの高含有量は、ポリアクリレートポリマーとポリアミドとの相溶性を減少させ、したがって、ブレンドの物理的特性は減少する。
【0044】
本発明の実施において有用なポリアクリレートエラストマーは、硬化性ペルオキシドであって、それらは、少なくとも0.5モル%の濃度でジエン硬化部位、または少なくとも50モル%のエチレンのいずれかを含むことを意味する。例えば、ポリアクリレートは、1,4−ブタジエン、1,6−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンなどなどの、フリーラジカルの存在下で架橋を形成することができるペンダント不飽和を形成するためのジエン硬化部位モノマーを含んでなってもよい。共重合されたジエン硬化部位モノマーが少なくとも0.5モル%の濃度で存在しない場合、アクリレートポリマーは、ポリアクリレートエラストマーにペルオキシド硬化性を与えるために、少なくとも50モル%のエチレンを含んでならなければならない。
【0045】
本発明の実施において有用なポリアクリレートエラストマーは、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和エポキシドおよびそれらの2種以上の混合物からなる群から選択される共重合されたモノマー単位をさらに含む。これらのモノマー単位は、ポリアミドで共通の末端基、例えば、アミンおよびカルボン酸と反応し、ブレンドの物理的特性を改善する化学基(例えば、カルボキシルおよびエポキシ基)を含有する。
【0046】
不飽和カルボン酸には、例えば、アクリル酸およびメタクリル酸、1,4−ブテンジオン酸、シトラコン酸、および1,4−ブテンジオン酸のモノアルキルエステルが含まれる。1,4−ブテンジオン酸は、cisまたはtrans型、あるいは両方、すなわち、マレイン酸またはフマル酸(重合前)で存在してもよい。有用な共重合性硬化部位モノマーには、不飽和カルボン酸の無水物、例えば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸および無水イタコン酸も含まれる。好ましい硬化部位モノマーには、マレイン酸およびその半酸エステル(モノエステル)またはジエステルのいずれか、特に、メチルまたはエチル半酸エステル(例えば、モノエチルマレエート);フマル酸およびその半酸エステルまたはジエステルのいずれか、特に、メチル、エチルまたはブチル半酸エステル;ならびにイタコン酸のモノアルキルおよびモノアリールアルキルエステルが含まれる。これらの共重合されたモノマーの存在は、ポリアミドとの良好なブレンド相溶性を示すポリアクリレートエラストマー組成物を製造する。
【0047】
有用な不飽和エポキシドの例には、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジルビニルエーテルおよび脂環式エポキシ含有(メタ)アクリレートが含まれる。
【0048】
好ましくは、アクリレートコポリマーゴムは、コポリマー中のモノマーの全モル数に基づき、少なくとも0.03モル%の、より好ましくは少なくとも0.1モル%の、そして最も好ましくは0.2モル%より多いアミンまたは酸反応性基を有する硬化部位モノマー単位を含む。
【0049】
いくつかの実施形態において、本発明の実施において有用なポリアクリレートエラストマーは、追加的なコモノマーの共重合単位、例えば、エチレンおよび他のオレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなども含む。オレフィンは、ポリアクリレートポリマーの重量に基づき、50重量%未満、より好ましくは45重量%未満、そして最も好ましくは約40重量%以下の濃度で存在する。
【0050】
本明細書に記載される耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物は、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミド成分の組み合わせられた重量に基づき、約1重量%〜約60重量%の1種または複数種のポリアミドを含んでなり、ポリアミド成分は、ASTM D3418−08によって決定される、少なくとも約160℃、より好ましくは少なくとも180℃、そして最も好ましくは少なくとも200℃、そして好ましくは270℃未満の溶融ピーク温度を有する。好ましくは、ポリアミドは、耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物の硬化温度において固体であり、硬化温度は、ポリアミドの溶融ピーク温度より低いことを意味する。理論によって拘束されることを望まないが、ポリアミドが硬化温度で固体でない場合、硬化剤はポリアミドに容易に拡散し、ブレンドを硬化させることが困難となる。ポリアミド樹脂は当該技術において周知であり、そして少なくとも5,000の重量平均分子量を有するそれらの半結晶質樹脂を包含し、そして一般にナイロンと呼ばれるそれらの組成物を含む。したがって、本発明の実施において有用なポリアミド成分は、ポリアミドおよびポリアミド樹脂、例えば、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン6/6、ナイロン6/10、ナイロン6/12、ナイロン11、ナイロン12、芳香族モノマーを含むポリアミド、ならびにポリアミドブロックエラストマー、例えば、コポリ(アミドエーテル)またはコポリ(アミドエステル)を含む。樹脂は、ナノ粒子を含むいずれかの形態または径のペレットおよび粒子などのいずれの物理的形態ででもあってもよい。
【0051】
ポリアミド樹脂の粘度は、本発明の目的を満たす限り、広範囲に異なることができる。ポリアミドがエチレン酢酸ビニルコポリマーの連続相内で分散されることを確実にするため、ASTM D2857−95によって、25℃の試験温度で溶媒として96重量%の硫酸を使用して測定される場合、ポリアミドが、0.9dL/gより高い、より好ましくは1.1dL/gより高い、そして最も好ましくは1.3dL/gより高い固有粘度を有することが望ましい。
【0052】
一般には、耐熱性エチレン酢酸ビニルエラストマー組成物のポリアミドの濃度が増加すると、より高い固有粘度のポリアミドの使用がより望ましくなる。
【0053】
ポリアミド樹脂は、等モルの量の4〜12個の炭素原子を含有する飽和ジカルボン酸と、4〜14個の炭素原子を含有するジアミンとの縮合重合によって製造することができる。ポリアミドは、ナイロン6など、開環重合反応によって、あるいはナイロン7または11など、アミノカルボン酸の縮合によって調製されてもよい。
【0054】
ポリアミドの例には、ポリヘキサメチレンアジパミド(66ナイロン)、ポリヘキサメチレンアゼラアミド(69ナイロン)、ポリヘキサメチレンセバカミド(610ナイロン)およびポリヘキサメチレンドデカノアミド(612ナイロン)、ラクタムの開環によって製造されるポリアミド、すなわち、ポリカプロラクタム、ポリラウリンラクタム、ポリ−11−アミノウンデカン酸およびビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンドデカノアミドが含まれる。上記のポリマーの2種の重合、または上記のポリマーまたはそれらの成分の三元共重合によって調製されるポリアミドを使用することも可能であり、例えば、アジピン酸、イソフタル酸ヘキサメチレンジアミンエラストマーである。
【0055】
典型的に、ポリアミドは、1種または複数種のジカルボン酸および1種または複数種のジアミン、ならびに/あるいは1種または複数種のアミノカルボン酸の縮合生成物、ならびに/あるいは1種または複数種の環式ラクタムの開環重合生成物である。ポリアミドは、完全脂肪族であっても、半芳香族であってもよい。
【0056】
本発明の実施において有用な完全脂肪族ポリアミドは、脂肪族および脂環式モノマー、例えば、ジアミン、ジカルボン酸、ラクタム、アミノカルボン酸およびそれらの反応性相当物から形成される。適切なアミノカルボン酸は、11−アミノドデカン酸である。適切なラクタムは、カプロラクタムおよびラウロラクタムである。本発明の文脈において、用語「完全脂肪族ポリアミド」は、2種以上のそのようなモノマーから誘導されるエラストマーおよび2種以上の完全脂肪族ポリアミドのブレンドも指す。直鎖、分枝鎖および環式モノマーが使用されてもよい。
【0057】
完全脂肪族ポリアミドに含まれるカルボン酸モノマーには、限定されないが、脂肪族カルボン酸、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、デカンジオン酸、ドデカンジオン酸、トリデカンジオン酸、テトラデカンジオン酸およびペンタデカンジオン酸が含まれる。ジアミンは、限定されないが、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−エチルテトラメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンおよび/またはそれらの混合物を含む4個以上の炭素原子を有するジアミンから選択することができる。
【0058】
半芳香族ポリアミドも本発明のために適切である。そのようなポリアミドは、芳香族基を含有するモノマーから形成されるホモポリマー、ジポリマー、ターポリマーまたはより高次のポリマーである。1種または複数種の芳香族カルボン酸は、テレフタル酸、あるいはイソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸およびナフタル酸などの1種または複数種の他のカルボン酸とのテレフタル酸の混合物であってもよい。加えて、1種または複数種の芳香族カルボン酸は、1種または複数種の脂肪族ジカルボン酸と混合されてもよい。あるいは、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを含むホモポリマーが一例である半芳香族ポリアミドを提供するために、メタキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンを使用することができる。
【0059】
ブロックコポリ(アミド)エラストマーも、ポリアミドブロックの溶融ピーク温度が少なくとも160℃であることを条件として、ポリアミド成分としての使用に適切である。低軟化点材料、例えば、ポリエーテルオリゴマーまたはポリアルキレンエーテル、例えば、ポリ(エチレンオキシド)がブロックコポリ(アミド)エラストマーを構成する場合、ブロックポリマーはコポリ(アミド−エーテル)である。ブロックコポリ(アミド)エラストマーの低軟化点材料がエステル、例えば、ポリラクトン、例えば、ポリカプロラクトンを含む場合、ブロックエラストマーは、コポリ(アミド−エステル)である。ブロックコポリ(アミドエラストマー)を形成するために、いずれのそのような低軟化点材料が使用されてもよい。任意に、ブロックコポリ(アミド)エラストマーのより低軟化点材料が、混合物、例えば、上記のより低軟化点材料のいずれかの混合物を含んでなってもよい。さらに、より低軟化点材料の上記混合物は、ランダムまたはブロックな配列で、あるいはそれらの混合物として存在してもよい。好ましくは、ブロックコポリ(アミド)エラストマーは、ブロックコポリ(アミド−エステル)、ブロックコポリ(アミド−エーテル)またはそれらの混合物である。より好ましくは、ブロックコポリ(アミド)エラストマーは、少なくとも1種のブロックコポリ(アミド−エーテル)またはそれらの混合物である。適切な商業的に入手可能な熱可塑性コポリ(アミド−エーテル)には、PEBAX(登録商標)4033および6333を含むElf−AtochemからのPEBAX(登録商標)ポリエーテルブロックアミドが含まれる。最も好ましくは、ポリアミドは、ブロックコポリ(アミド−エーテル)またはコポリ(アミド−エステル)以外である。他のポリアミドは、ポリアミドブロックコポリ(アミド−エーテル)またはコポリ(アミド−エステル)と比較して、一般により高い溶融ピーク温度を有し、かつより良好な温風老化を示す。
【0060】
好ましいポリアミドは、ホモポリマーまたはコポリマーである。ここでコポリマーという用語は、2種以上のアミドおよび/またはジアミド分子の繰り返し単位を有するポリアミドを指す。
【0061】
ポリアミド成分は、少なくとも約160℃であるが、約210℃未満の溶融ピーク温度を有し、かつ脂肪族または半芳香族ポリアミド、例えば、ポリ(ペンタメチレンデカンジアミド)、ポリ(ペンタメチレンドデカンジアミド)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンデカンジアミド)、ポリ(12−アミノドデカンアミド)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)およびポリ(ドデカメチレンドデカンジアミン)を含むグループIポリアミド;少なくとも約210℃の溶融ピーク温度を有し、かつポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド)、ポリ(ε−カプロラクタム)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)およびポリ(ヘキサメチレンテトラデカンジアミド)からなる群から選択される脂肪族ポリアミドを含むグループ(II)ポリアミド;少なくとも約210℃の溶融ピーク温度を有し、かつ(i)8〜20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される、約20〜約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位、ならびに6〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される、約65〜約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位、ならびにラクタムおよび/または4〜20個の炭素原子を有するアミノカルボン酸を含むグループ(III)ポリアミド;8〜20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される、約50〜約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位、ならびに6〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される、約5〜約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位、ならびにラクタムおよび/または4〜20個の炭素原子を有するアミノカルボン酸を含むグループ(IV)ポリアミド;少なくとも約260℃の溶融ピーク温度を有し、かつ(i)8〜20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される、約95モルパーセントより多い半芳香族繰り返し単位、ならびに6〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される、約5モルパーセント未満の脂肪族繰り返し単位、ラクタムおよび/または4〜20個の炭素原子を有するアミノカルボン酸を含むグループ(V)ポリアミドから選択される1種または複数種のポリアミドを含んでなってもよい。ポリアミドは、2種以上のポリアミドのブレンドでもよい。
【0062】
好ましいポリアミドには、ナイロン6、10/10、11、6/12、12、6/6および約270℃未満の溶融ピーク温度を有するグループIVポリアミドが含まれる。これらのポリアミドは、耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物のための用途の範囲を限定しないように十分に高い溶融ピーク温度を有するが、ブレンドの製造によって、エチレン酢酸ビニルコポリマーまたはポリアクリレートエラストマーの有意な悪化が生じるほど高くない。また、アミノカルボン酸の開環または縮合によって形成されるポリアミドも好ましい。
【0063】
本発明での使用のために適切なポリアミドは、広範囲に商業的に入手可能であり、例えば、本件特許出願人から入手可能なZytel(登録商標)樹脂、Lanxess,Corp.,Germanyから入手可能なDurethan(登録商標)樹脂、およびBASF Corp.,USAから入手可能なUltramid(登録商標)樹脂である。
【0064】
好ましくは、耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物のポリアミド成分は、ほぼ球状粒子の形態で、ブレンド組成物に存在し、すなわち、粒子のアスペクト比は10対1未満ある。アスペクト比が約10対1より高い場合、ブレンド組成物の粘度は増加し、そしてポリアミド成分の溶融ピーク温度より低い温度でのブレンド組成物の成形または押出成形は困難となる。一般に、ポリアミド粒子の径は相対的に重要ではないが、大部分の粒子が直径約2マイクロメートル以下である場合、硬化された組成物の引張強さは最適になる。そのようなブレンド組成物は、広範囲の種々のエラストマー物品を形成するための従来の硬化剤系で架橋され得る硬化性組成物を製造するための従来の技術を使用することによって、混合、成形および/または押出成形することができる。
【0065】
本発明のブレンド組成物は、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミド成分の全重量に基づき、約10〜約98重量パーセントの本明細書に記載されるエチレン酢酸ビニルコポリマー成分、約1〜約50重量パーセントの本明細書に記載されるポリアクリレートエラストマー成分、約1〜約60重量パーセントの本明細書に記載されるポリアミド成分を含むか、またはいくつかの場合、それらから本質的になる。エチレン酢酸ビニルコポリマー成分は、本発明の実施のために適切である本明細書に記載される種類の1種または2種以上のエチレン酢酸ビニルコポリマーから構成されてもよい。同様に、ポリアクリレートエラストマーまたはポリアミド成分は、本発明の実施のために適切である本明細書に記載される種類の1種または2種以上のポリアクリレートエラストマーまたはポリアミドから構成されてもよい。好ましくは、硬化性組成物は、エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアミド成分の全重量に基づき、約30〜約90重量パーセントのエチレン酢酸ビニルコポリマー成分、約5〜約30重量パーセントのポリアクリレートエラストマー、約5〜約40重量パーセントのポリアミド成分を含む。より好ましくは、硬化性組成物は、エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアミド成分の全重量に基づき、約50〜約90重量パーセントのエチレン酢酸ビニルコポリマー成分、約5〜約20重量パーセントのポリアクリレートエラストマー成分、約5〜約30重量パーセントのポリアミド成分を含む。これらのパーセントによって、それから製造される硬化された物品が、190℃で1週間、または175℃で2週間の熱老化を受けることができ、かつ少なくとも100%の破断伸びを維持することができる耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物が提供される。加えて、ポリマーブレンドは、ASTM D1646によって決定される、5〜200、好ましくは10〜150、そして最も好ましくは10〜100のMooney粘度(ML 1+4、100℃)を示す。
【0066】
(i)ポリアクリレートエラストマーおよびエチレン酢酸ビニルコポリマーと溶融ポリアミドとの混合、または(ii)ポリアクリレートエラストマーと溶融ポリアミドとの混合であって、ポリアミドを凝固させるためにその後冷却され、次いで、エチレン酢酸ビニルコポリマーと混合されるものを含む、様々なブレンドの任意選択を使用することができる。これらのブレンドの任意選択によって、(i)離散した不連続なポリアミド粒子が、ポリアクリレートエラストマーおよびエチレン酢酸ビニルコポリマーの連続的なマトリックス内に存在するものから、(ii)高アスペクト比ポリアミド「繊維」が存在する組成物まで、(iii)共連続構造を含む組成物まで、(iv)ポリアミドの連続相内でポリアクリレートエラストマーおよびエチレン酢酸ビニルコポリマーの離散ドメインを含む組成物まで及ぶ広範囲にわたるブレンド形態学が得られ得る。これらの組成物の大部分は、ブレンドが非常に高いMooney粘度、すなわち、約200より高いMooney粘度(ML 1+4、100℃)を有するか、またはMooney粘度を測定することができないような、ポリアミドの溶融ピーク温度より低い温度で低い加工可能性を示すため、本発明のために不適切な形態学を有する。200より高いMooney粘度、またはMooney粘度を測定することができないことは、ポリアミドが、ブレンド中に連続的または高アスペクト比の繊維相を含むことを示す。そのようなブレンドは、硬化された物品が首尾よく形成されることができる場合、硬化後に、押出成形または成形に関する低い加工性および弾性特性を示す。200未満、好ましくは150未満、最も好ましくは100未満のMooney粘度は、ポリアミドが高アスペクト比を有さない不連続相を含むブレンド形態学で確証される。
【0067】
本発明のポリアミドに関して、「不連続」とは、ポリアミドが、エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアクリレートエラストマーによって取り囲まれる離散粒子またはドメインとして本発明のブレンド組成物に存在する。「高アスペクト比」とは、ブレンドの典型的なポリアミドドメインの最大対最小寸法比が約10より高いことを意味する。一般には、本発明の耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物のポリアミドドメインは、好ましくは、連続エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアクリレートエラストマーマトリックス中で完全に互いに単離して、そしてほぼ球状である。しかしながら、ある種の例において、数パーセント、約5%未満の局所化部位がブレンド組成物に存在してもよく、ポリアミドドメインは互いに凝集するか、または連結するか、あるいは約10より高いアスペクト比を有する。冷却後、ポリアミドドメインはもはや流動せず、そしてポリアミド成分の形態は、ポリアミドの溶融ピーク温度未満の温度で、さらなる混合プロセスの間、不変である。
【0068】
ブレンド組成物を製造する好ましい方法には、連続ブレンドプロセスが関与する。アルキルアクリレートと、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物および不飽和エポキシドからなる群から選択される、少なくとも0.03モル%のアミンまたは酸反応性モノマーとの共重合単位を含む、ペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマー成分と、ポリアミド成分とを最初にポリアミドの溶融ピーク温度より高い温度で混合して、ポリアクリレートエラストマーの連続相にポリアミドを分散する。次いで、ポリアクリレートエラストマー−ポリアミドブレンドを冷却し、そしてポリアミドの溶融ピーク温度未満の温度でエチレン酢酸ビニルコポリマーと混合し、10〜98重量%のエチレン酢酸ビニル、1〜50重量%のポリアクリレートおよび1〜60重量%のポリアミドを含むブレンド組成物を形成する。ポリアミド形態学が初期のポリアクリレートエラストマーとの溶融混合ステップによって決定されるため、ポリアミドがポリアクリレートエラストマー−ポリアミドブレンドの連続相を含んでないことを確実にするため、このブレンドのMooney粘度(ML 1+4、100℃)は測定可能であって、200未満、好ましくは150未満、最も好ましくは100未満でなければならない。記載される連続ブレンドによって、ポリアミドとの溶融混合のために必要とされる高温に相対的に熱的に不安定なエチレン酢酸ビニルコポリマーを曝露させる必要性を排除する。加えて、ポリアクリレートエラストマーでのポリアミドと、酸またはのアミン反応部位との間の相溶化反応は、エチレン酢酸ビニルコポリマーが溶融混合プロセスの間に実質的に不在である時に好ましい。
【0069】
あるいは、以下のプロセスによって本明細書に開示されるブレンド組成物を調製することが可能である。このプロセスは、少なくとも40重量%の酢酸ビニルモノマーを含む1種または複数種のエチレン酢酸ビニルコポリマーと、アルキルアクリレートと、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物および不飽和エポキシドからなる群から選択される、少なくとも0.03モル%のアミンまたは酸反応性モノマーとの共重合単位を含む、の1種または複数種のペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマーと、少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する1種または複数種のポリアミドとを提供することから開始される。このプロセスは、次いで、存在するエチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドの全重量に基づき、1種または複数種のエチレン酢酸ビニルコポリマーが、ブレンドの約10重量%〜約98重量%を構成し、1種または複数種のペルオキシド硬化性ポリアシレートエラストマーが、約1重量%〜約50重量%を構成し、そして1種または複数種のポリアミドが約1重量%〜約60重量%を構成するように、1種または複数種のエチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアクリレートエラストマー内で1種または複数種のポリアミドを分散するため、1種または複数種のポリアミドの溶融ピーク温度より高い温度で成分を混合することを必要とする。これらを混合した後、混合物を、1種または複数種のポリアミドの結晶化ピーク温度未満の温度まで冷却し、それによって、ASTM D1646によって決定される、5〜200のMooney粘度(ML 1+4、100℃)を有するブレンド組成物を形成する。
【0070】
耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物は、ASTM D1646によって決定される、5〜200のMooney粘度(ML 1+4、100℃)を有する、約10重量%〜約98重量%のエチレン酢酸ビニルコポリマー、約1重量%〜約50重量%のポリアクリレートエラストマー、約1重量%〜約60重量%のポリアミドを含むブレンド組成物にペルオキシド硬化剤を混合することを含むプロセスによって形成されてもよい。
【0071】
耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物は、ポリアクリレートエラストマーまたはエチレン酢酸ビニルコポリマーの動的硬化をもたらさない条件で、ポリアミドの溶融ピーク温度より高い温度で、ポリアクリレートエラストマー成分および任意にエチレン酢酸ビニル成分にポリアミド成分を混合し、続いて、そのようにして製造されたポリマーブレンドを冷却することによって形成されてもよい。すなわち、硬化剤、一般にペルオキシド硬化剤は、ポリアミド成分、ポリアクリレートエラストマー成分および任意にエチレン酢酸ビニルコポリマー成分が混合される場合は存在しない。これは、(1種または複数種のポリアミドの溶融ピーク温度より高い)明示される混合温度が、ポリアクリレートエラストマーまたはエチレン酢酸ビニルコポリマーの架橋および/またはゲル化がペルオキシドの存在下で生じる温度よりも高い理由である。溶融ポリアミドとの混合の間のポリアクリレートエラストマーまたはエチレン酢酸ビニルコポリマーのゲル化または架橋によって、ポリアミドがブレンド中で連続相となり、ブレンド組成物が冷却し、そしてポリアミドが凝固した後、ブレンド組成物は、ポリアミド成分の溶融ピーク温度未満の温度で、さらなる加工が困難であるか、または不可能となる。特に、連続ポリアミド相を有するブレンド組成物は、200より高いMooney粘度(ML 1+4、100℃)を示し得るか、またはMooney粘度が測定できないような流動特性を示し得る。ブレンド組成物のMooney粘度を測定することができないことは、ブレンドを、ポリアミドの溶融ピーク温度未満の温度で、従来のゴム処理技術によってMooney試験片に形成することができないか、または試験片がMooney試験の間に破砕するためである。
【0072】
ポリアクリレートエラストマー成分、ポリアミド成分および任意にエチレン酢酸ビニル成分を混合することによって形成されるブレンド組成物の冷却することは、ポリアミドが固体になって、したがって、その後の混合の時、例えば、硬化性組成物を形成するためのペルオキシド硬化剤と混合する時に連続相を形成するよう合体することができないように、ポリアミドドメインを結晶化させるために役に立つ。得られた混合物は、例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマーがポリアクリレートエラストマーとポリアミドとの混合の間に存在しない場合に、あるいは追加的なエチレン酢酸ビニルコポリマーがポリアクリレートエラストマー、エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアミドのブレンドに添加される場合に、1種または複数種のエチレン酢酸ビニルコポリマーが添加される場合、中間体ブレンド組成物であることができる。好ましくは、エチレン酢酸ビニルコポリマーは、ポリアミドの溶融ピーク温度未満の温度で中間体ブレンドと混合される。ブレンドが冷却されなければならない温度は、ASTM D3418−08による結晶化ピーク温度の測定によって決定することができる。エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドのブレンドは、複数の結晶化ピーク温度を示し得る。そのような場合、最低結晶化ピーク温度は、ポリアミド成分を完全に凝固させるためにブレンドが冷却されなければならない温度より低い温度として見なされる。一般に、ブレンドは、本発明の実施において有用なポリアミドを凝固させるのに十分である40℃以下まで冷却されない。
【0073】
本明細書に記載される耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物である硬化性組成物は、ペルオキシド硬化剤も含む。「硬化性」とは、0.5°アークおよび177℃の試験条件で24分間動作されるAlpha TechnologiesからのMDR 2000を使用して、ASTM D5289−07aに従って測定されるトルクの増加が少なくとも2.5dN−mであるということを意味する。より好ましくは、トルク増加は、少なくとも4dN−m、最も好ましくは少なくとも5.5dN−mである。トルクの増加は、MH−MLの差であり、MLは、測定される最小トルク値を指し、MHは、ML測定の後に達成される最大トルク値を指す。ペルオキシド硬化系としても既知である適切なペルオキシド硬化剤は、ペルオキシドおよび任意に助剤を含む。ペルオキシドおよび助剤の例には、加硫の間、利用される温度で有効な本明細書に記載のものを含む当該技術において一般に既知である硬化系が含まれる。例えば、有用な有機ペルオキシドは、150℃〜250℃の温度範囲で迅速に分解するものである。これらには、例えば、ジクミルペルオキシド、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサンおよびα’,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)−ジイソプロピルベンゼン(Arkema Inc.からVul−Cup(登録商標)ペルオキシドとして入手可能)が含まれる。典型的な硬化性組成物において、ペルオキシドは約0.5〜5部phr(パートパーハンドレッドラバー(parts per hundred rubber)、すなわち、存在するエチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアクリレートエラストマーの合計の100部あたりの部)の量で存在する。ペルオキシドは、炭酸カルシウム、カーボンブラックまたはキーザルガーなどの不活性キャリア上で吸着されてもよいが、キャリアの重量は上記の範囲に含まれない。一般に、任意選択の助剤は、仕上げ部分の硬化状態を増加させるために存在する。助剤は、例えば、N,N’−(m−フェニレン)ジマレイミド、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、テトラメチレンジアクリレート、またはポリエチレンオキシドグリコールジメタクリレートであることが可能である。好ましい助剤は、本件特許出願人からHVA−2として入手可能なN,N’−(m−フェニレン)ジマレイミドである。使用される助剤の量は、一般に、エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアクリレートエラストマーの合計の100部(phr)につき約0〜5重量部、好ましくは約1〜5phrである。助剤は、通常、複数のアリルまたはアクリル酸エステル基などの不飽和基を含有する。
【0074】
ブレンド組成物への硬化剤の添加は、望ましくは、ペルオキシドの分解温度より低く、かつ架橋反応が生じる温度よりも低い温度で行われる。一般に、添加は160℃未満、好ましくは140℃未満の温度、最も好ましくは120℃以下の温度で行われる。硬化剤の添加は、任意の加工成分、例えば、着色剤、従来のカーボンブラックまたは鉱物強化剤、酸化防止剤、加工助剤、充填剤および可塑剤の添加と同時に行われてもよく、またはそれは他の成分の添加とは別の作業でもよい。添加は、2本ロールラバーミルで、あるいはBanbury(登録商標)密閉式混合機、Haake Rheocord(登録商標)混合機、Brabender Plastographs(登録商標)混合機、Farrel Continuous混合機、または一軸および二軸押出機を含むゴム組成物の混合に適切な密閉式混合機を使用することによって実施されてもよい。
【0075】
硬化剤、ならびに充填剤、可塑剤、顔料、酸化防止剤、加工助剤などの他の任意の成分をブレンド組成物に添加した後、得られた耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物は、望ましくは、0.5°アークおよび24分にわたる177℃の試験条件で動作されるAlpha Technologies,Ohio,USAからのMDR 2000を使用して、ASTM D5289−07aに従って測定される、強い(好ましいということを意味する)硬化応答を示す。
【0076】
もう1つの実施形態において、本発明は、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレート、ポリアミドおよびペルオキシド硬化剤を含む耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物である硬化性組成物に関する。上記硬化性組成物は、0.5°アークおよび24分にわたる177℃の試験条件で動作されるAlpha TechnologiesからのMDR 2000を使用して、ASTM D5289−07aに従って測定される、少なくとも2.5dN−m、好ましくは少なくとも4.0dN−m、そして最も好ましくは少なくとも5.5dN−mのトルクの増加を示す。
【0077】
最適な熱老化耐性を達成するために、酸化防止剤を硬化前に硬化性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物に添加してもよい。有用な酸化防止剤には、限定されないが、アリールアミン、フェノール樹脂、イミダゾールおよびホスファイトが含まれる。したがって、いくつかの実施形態において、酸化防止剤は、リンエステル酸化防止剤、ヒンダードフェノール酸化防止剤、アミン酸化防止剤、またはこれらの化合物のうちの2種以上の混合物である。組成物中の酸化防止剤化合物の割合は、典型的に0.1〜5phr、好ましくは約0.5〜2.5phrである。混合物中のリン化合物に対するフェノールまたはアミン酸化防止剤の重量比は約0.5〜3であり、そして好ましくは比率は約1である。
【0078】
有用な酸化防止剤であり得るアリールアミンの例には、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、ジフェニルアミンおよびアルキル化ジフェニルアミン、4−アミノジフェニルアミン、ならびにN−フェニル−N’−(p−トルエンスルホニル)−p−フェニレンジアミンが含まれる。フェノール酸化防止剤の例には、4,4’−ブチレンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンおよび4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)が含まれる。ホスファイト酸化防止剤の例には、トリフェニルホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトおよびトリス(2,4−ジtert−ブチルフェニル)ホスファイトが含まれる。イミダゾール酸化防止剤の例には、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ならびに亜鉛4−および5−メチル−2−メルカプト−ベンゾイミダゾールが含まれる。酸化防止剤の組み合わせは、一般にコンパウンド中のエチレン酢酸ビニルコポリマー100部に基づき、0.1〜5phrの間の濃度で使用されてもよい。
【0079】
適切なヒンダードフェノール酸化防止剤は、例えば、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−t−ブチル−a−ジメチルアミノ−p−クレゾールおよび4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)であることが可能である。
【0080】
欧州特許第1081188号明細書に開示される、任意にカルボジイミドと組み合わせられる、強塩基と弱酸との塩を含む酸化防止剤も、耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物で使用されてもよい。
【0081】
好ましい酸化防止剤組成物は、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)または4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンと混合されたトリ(混合モノ−およびジノニルフェニル)ホスフェートを含有する。好ましい酸化防止剤組成物は、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(Chemtura Corp.からNaugard(登録商標)445として市販品として入手可能)または4−アミノジフェニルアミンを含有する。エチレン酢酸ビニルコポリマーがポリアミドと溶融混合されている間、またはブレンドが冷却された後、酸化剤防止剤が添加されてもよい。
【0082】
他の実施形態において、本発明の耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物は、本発明の組成物のポリアミド含有量を希釈するために、いずれかの混合プロセスによって、ポリアミドの溶融ピーク温度ピークより高い温度またはそれより低い温度で、もう1種のポリマー、例えば、エラストマーとブレンドされてもよいが、ただし、追加のポリマーの存在が、得られた組成物のMooney粘度(ML 1+4、100℃)を200より高い粘度まで増加させないことを条件とする。ブレンドプロセスのために使用されるポリマーは、エチレン酢酸ビニルコポリマーまたはポリアクリレートエラストマーでもよく、そして充填剤、硬化剤または他の成分をさらに含んでもよい。好ましくは、そのような希釈は、ポリアミドの溶融ピーク温度未満の温度で生じ、そして硬化剤が存在する場合、硬化を開始するために必要な温度未満である。
【0083】
加えて、耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物は、充填剤、限定されないが、カーボンブラック、鉱物充填剤、黒付き防止剤、耐点火性充填剤および添加剤、可塑剤、加工助剤、ワックス、顔料および着色剤を含む追加的な成分を任意に含んでなってもよい。そのような任意の成分は、エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアクリレートエラストマーの合計の重量に基づき、約0.1ph〜約200phrの量で一般に存在する。そのような任意の成分の添加は、ポリマーブレンドの調製の間、または組成物への硬化剤混合の時に行われてもよい。
【0084】
本発明の硬化性組成物の硬化または架橋(加硫)は、典型的に、エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアクリレートエラストマーを架橋させるために十分な時間、耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物を高温および高圧に暴露する工程を含む。そのような作業は、一般に、プレスで加熱されるモールドに、硬化性耐熱性エチレン酢酸ビニル組成物を配置することによって実行される(しばしばプレス硬化と呼ばれる)。あるいは、硬化性組成物は様々な形状に押出成形されてもよい。そのように押出成形された形状または部分は、加圧オートクレーブでしばしば硬化される。プレス硬化またはオートクレーブサイクルが完了した後、この初期の硬化に続いて、耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物をさらに硬化させるために、周囲圧力で任意の後硬化加熱サイクルが行われてもよい。例えば、従来のプレス硬化手順を使用して、約1〜60分間、約160℃〜約220℃で、加硫物が形成または硬化されてもよい。後硬化加熱は、1時間〜数時間、約160℃〜約200℃で実行されてもよい。一旦架橋されたら、本明細書に記載される組成物は熱可塑性ではなく、熱硬化性となる。適切な硬化条件は、特定の硬化性コンパウンド調製物次第であり、また当業者に既知である。
【0085】
本明細書に記載される耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物から調製される加硫物は、190℃で1週間または175℃で2週間の熱老化後の破断伸びの保持および熱老化の結果としてのShore A硬度の増加の低下によって明示されるように、熱老化の間の脆化に対する非常に良好な耐性を示す。例えば、硬化性コンパウンドのエチレン酢酸ビニルコポリマーの4分の1を、ポリアシレートエラストマーおよびポリアミドのブレンドによって置き換えることにより、190℃で1週間の熱老化後、5倍以上の破断点伸びをもたらすことができ、そしてShore A硬度での変化が5倍以上少ない。この改善の程度は、並外れている。さらに、熱老化のこれらの利点は、圧縮永久ひずみ耐性の悪化を伴わずに得られる。
【0086】
本明細書に記載されるプロセスによって調製される耐熱性エチレン酢酸ビニルコポリマー組成物は、ワイヤーおよびケーブル外被、点火プラグブーツ、ホース、ベルト、種々の成形ブーツ、成形または押出成形チューブまたはホース、成形ブーツ、ベルト、グロメット、シールおよびガスケット、防振部材、目詰め、シールおよびガスケットを含む物品の製造のために、広範囲の種々の工業用途で使用することができる。ホース用途は、ターボチャージャーホース、透過オイルクーラーホース、パワーステアリングホース、空気調節ホース、エアダクト、燃料ラインカバーおよびベントホースを含む。
【0087】
シールの例には、エンジンヘッドカバーガスケット、オイルパンガスケット、オイルシール、リップシールパッキング、Oリング、透過シールガスケット、クランクシャフトまたはカムシャフトのためのシールガスケット、バルブステムシール、パワーステアリングシールおよびベルトカバーシールが含まれる。
【0088】
自動車チューブ用途には、車軸ベントチューブ、PCVチューブおよび他のエミッションコントロール部品が含まれる。加硫物は、広い温度範囲での高いダンピングが高い圧縮およびせん断歪みの下で必要であるクランクシャフトトーショナルダンパーの製造にも有用である。加硫物は、グロメットなどのノイズ管理部品を調製するために使用することもできる。
以下に、本発明の好ましい態様を示す。
[1] エチレン酢酸ビニルコポリマー、ペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドのブレンド組成物であって、前記ブレンド組成物は、
(A)1種または複数種の、少なくとも40重量%の共重合された酢酸ビニルモノマー単位を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーを含む、約10重量%〜約98重量%のエチレン酢酸ビニルコポリマー成分、
(B)約1重量%〜約50重量%の1種または複数種のペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマー成分であって、前記ペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマー成分は、アルキルアクリレートと、少なくとも0.03モル%のアミン反応性または酸反応性モノマーとの共重合単位を含み、前記アミン反応性または酸反応性モノマーは、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物および不飽和エポキシドからなる群から選択される、1種または複数種のペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマー成分、ならびに
(C)少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する1種または複数種のポリアミドを含む、約1重量%〜約60重量%のポリアミド成分
から本質的になり、
前記ブレンド組成物は、5〜200のASTM D1646によって決定されるMooney粘度(ML 1+4、100℃)を有し、および
前記エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミド成分の各重量%が、前記ブレンド組成物中の前記エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドの総合重量に基づく
ことを特徴とするブレンド組成物。
[2] (A)エチレン酢酸ビニルコポリマー、ペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドのブレンド組成物であって、前記ブレンド組成物は、
(i)1種または複数種のエチレン酢酸ビニルコポリマーを含む、約10重量%〜約98重量%のエチレン酢酸ビニルコポリマー成分であって、エチレン酢酸ビニルコポリマーのそれぞれは、少なくとも40重量%の共重合酢酸ビニルモノマー単位を含む、エチレン酢酸ビニルコポリマー成分、
(ii)約1重量%〜約50重量%の1種または複数種のペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマー成分であって、ペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマー成分は、アルキルアクリレートと、少なくとも0.03モル%のアミン反応性または酸反応性モノマーとの共重合単位を含む、前記アミン反応性または酸反応性モノマーは、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物および不飽和エポキシドからなる群から選択される、ペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマー成分、ならびに
(iii)少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する1種または複数種のポリアミドを含む、約1重量%〜約60重量%のポリアミド成分
を含み、
前記ブレンド組成物(A)は、5〜200のASTM D1646によって決定されるMooney粘度(ML 1+4、100℃)を有し、および、
前記エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミド成分の各重量%が、前記ブレンド組成物中の成分の総合重量に基づく、
ブレンド組成物と、
(B)硬化剤と
を含む硬化性組成物。
[3] 前記ポリアミドがナイロン6またはナイロン6/6である、[1]に記載の組成物。
[4] 前記ポリアミドが0.9dL/gより高い固有粘度を有する、[1]に記載の組成物。
[5] 前記ポリアミドが10対1未満のアスペクト比を有する粒子の形態で存在する、[1]に記載の組成物。
[6] 前記硬化剤がペルオキシド硬化剤である、[2]に記載の組成物。
[7] 前記ポリアクリレートエラストマーが少なくとも50モル%のエチレンを含む、[1]に記載の組成物。
[8] 約50重量%〜約90重量%の前記エチル酢酸ビニルコポリマー成分、5重量%〜20重量%の前記ポリアクリレートエラストマー成分、および5重量%〜30重量%の前記ポリアミド成分を含む、[2]に記載の硬化性組成物。
[9] 0.5°アークおよび24分にわたる177℃の試験条件で動作するASTM D5289−07aに従って測定される際に、少なくとも2.5dN−mのトルクMH−MLの増加を示す、[2]に記載の硬化性組成物。
[10] [2]に記載の組成物の製造方法であって、
(A)(i)、(ii)および(iii)を提供する工程と、
(B)前記1種または複数種のポリアミドの溶融ピーク温度より高い温度で、(i)、(ii)および(iii)を混合して、前記1種または複数種のポリアミドを、1種または複数種のエチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリアクリレートエラストマーの前記ブレンド中に分散して、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドの全重量に基づき、1種またはそれ以上のエチレン酢酸ビニルコポリマーが前記ブレンドの10重量%〜98重量%を構成し、前記1種またはそれ以上のペルオキシド硬化性ポリアシレートエラストマーが前記ブレンドの1重量%〜50重量%を構成し、かつ前記1種またはそれ以上のポリアミドが前記ブレンドの1重量%〜60重量%を構成する混合物を製造する工程と、
(C)前記1種または複数種のポリアミドの結晶化ピーク温度未満の温度まで前記混合物を冷却して、それによって、ASTM D1646によって決定される、5〜200のMooney粘度(ML 1+4、100℃)を有するブレンド組成物を形成する工程と、
(D)前記1種または複数種のポリアミドの溶融ピーク温度未満の温度で前記ブレンド組成物中にペルオキシド硬化剤を混合して、前記硬化性組成物を製造する工程と
を含む製造方法。
[11] [6]に記載の組成物の調製方法であって、
(A)(i)アルキルアクリレートと、少なくとも0.03モル%のアミン反応性または酸反応性モノマーとの共重合単位を含む、1種または複数種のペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマーであって、前記アミン反応性または酸反応性モノマーは不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物および不飽和エポキシドからなる群から選択される、1種または複数種のペルオキシド硬化性ポリアクリレートエラストマー、ならびに(ii)少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する1種または複数種のポリアミドを提供する工程と、
(B)前記1種または複数種のポリアミドの溶融ピーク温度より高い温度で、前記1種または複数種の硬化性ポリアクリレートエラストマー、および1種または複数種のポリアミドを混合して、前記1種または複数種のポリアミドを、前記1種または複数種のポリアクリレートエラストマー中に分散して、混合物を提供するス工程と、
(C)前記1種または複数種のポリアミドのピーク結晶化温度未満の温度まで、(B)の前記混合物を冷却して、ASTM D1646によって決定される、200未満のMooney粘度(ML 1+4、100℃)を有する中間体ブレンド組成物を製造する工程と、
(D)少なくとも40重量%の酢酸ビニルモノマーを含む1種または複数種のエチレン酢酸ビニルコポリマーを提供する工程と、
(E)工程(C)の前記中間体ブレンド組成物と、工程(D)の前記1種または複数種のエチレン酢酸ビニルコポリマーとを混合して、それぞれ、前記ブレンド組成物中の前記エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドの総合重量に基づき、10重量%〜98重量%のエチレン酢酸ビニルコポリマー、1重量%〜50重量%の硬化性ポリアシレートエラストマー、および1重量%〜60重量%のポリアミドを含むブレンド組成物を提供する工程と、
(F)前記1種または複数種のポリアミドの溶融ピーク温度未満の温度で前記ブレンド組成物中にペルオキシド硬化剤を混合する工程と
を含む調製方法。
[12] 前記ブレンド組成物が、50重量%〜90重量%の前記エチル酢酸ビニルコポリマー成分、5重量%〜20重量%の前記ポリアクリレートエラストマー成分、および5重量%〜30重量%の前記ポリアミド成分を含む、[10]に記載の方法。
[13] 前記ポリアミドがナイロン6またはナイロン6/6である、[10]に記載の方法。
[14] 前記ポリアミドが、200℃より高く、かつ270℃未満の溶融ピーク温度を有する、[10]に記載の方法。
[15] 0.5〜5phrの量で1種または複数種の酸化防止剤を添加するステップをさらに含む、[10]に記載の方法。
[16] 前記硬化性組成物が、0.5°アークおよび24分にわたる177℃の試験条件で動作するASTM D5289−07aに従って測定される場合、少なくとも2.5dN−mの硬化応答MH−MLを有する、[10]に記載の方法。
[17] 前記ペルオキシド硬化剤が160℃未満の温度で添加される、請求項に記載の方法。
[18] [10]に記載の工程を含み、かつ前記組成物を硬化して、物品を製造するステップをさらに含む、耐熱性物品の製造方法。
[19] 前記形成された物品が、ワイヤー外被、ケーブル外被、成形または押出成形チューブまたはホース、または成形ブーツ、ベルト、グロメット、シールおよびガスケットからなる群から選択される、[18]に記載の方法。
[20] [18]に記載の方法によって形成される物品。
【0089】
本発明は以下の実施例によってさらに例示される。全ての部は、特に明記されない限り重量による。
【実施例】
【0090】
材料
エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)
EVA1 エチレンと50重量%の酢酸ビニルとのコポリマー、25のMooney粘度(100℃でML 1+4)、Levapren(登録商標)500樹脂としてLanxess Corp.から入手可能。
【0091】
EVA2 エチレンと45重量%の酢酸ビニルとのコポリマー、19のMooney粘度(100℃でML 1+4)、Levapren(登録商標)450樹脂としてLanxess Corp.から入手可能。
【0092】
ポリアクリレートエラストマー
AE1 55重量%(約29モル%)の共重合されたメチルアクリレート単位、43重量%の共重合されたエチレン単位(約70モル%)および約2重量%(約0.6モル%)のモノエチルマレエートの共重合単位を含む、メチルアクリレート、エチレンおよびモノエチルマレレートの非晶質コポリマー;33の100℃でのMooney粘度(ML 1+4)。
【0093】
ポリアミド
P1 ポリアミド6、1.450dL/gの固有粘度、220℃の溶融ピーク温度、BASFからUltramid(登録商標)B40として入手可能。
【0094】
P2 ポリアミド6/6、262℃の溶融ピーク温度、本件特許出願人からZytel(登録商標)42Aとして入手可能。
【0095】
他の成分
ペルオキシド:α’,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−ジイソプロピルベンゼンのパラおよびメタ異性体の混合物、カオリン粘土キャリア上40%ペルオキシド活性成分、Vul−cup(登録商標)40KE、Arkema Inc.から入手可能。
【0096】
助剤:本件特許出願人から入手可能なN,N’−(m−フェニレン)ジマレイミド、HVA−2。
カーボンブラック:N550グレード、Sterling(登録商標)SO カーボンブラック、Cabot Corp.から入手可能。
【0097】
酸化防止剤(AO):Chemtura Corp.から入手可能なNaugard(登録商標)445酸化防止剤。
【0098】
試験方法
Mooney粘度:ASTM D1646、ML 1+4、100℃
【0099】
硬化応答:ASTM D5289−07aに従って、0.5°アークで操作される、Alpha TechnologiesからのMDR 2000を使用して測定する。24分にわたる177℃の試験条件。MLは、試験の間に測定される最小トルク値を指し、MHは、MLの後に達成される最大トルク値を指す。
【0100】
圧縮永久ひずみ:ISO 815−1:2008、25%圧縮、10分間175℃のプレス硬化条件を使用して調製されたタイプB成形ボタンを使用する。試験条件の時間および温度は明示される通りである。報告されるデータは、3つの試験片の中央値である。
【0101】
引張特性:ASTM D412−06、ダイC。記載の通り、175℃で10分間プレス硬化され、そして任意に175℃で30分の後硬化され、続いて、23℃および50%相対湿度の周囲条件で24時間老化された、厚さ1.5〜2.5mmの成形プラークから切断された試料。報告されるデータは、3つの試験片の中央値である。引張強さおよび伸びの破断特性は、TbおよびEbとして示される(それぞれ、破断点引張および破断点伸び)。試験温度は、23℃+2℃である。
【0102】
Shore A硬度:引張特性に関して記載された通りに硬化され、23℃および50%相対湿度の周囲条件で24時間老化された、厚さ2mmのプライから構成される厚さ6mmの試料を使用して、ASTM D2240−05試験方法によって、タイプ2作業スタンドを使用して測定される5回の読み取りの中央値が報告される。
【0103】
熱老化:上記の通り調製された引張試験片を、明示された時間および温度で、温風オーブン中に掛ける。引張特性を測定する前に、試験片を少なくとも24時間、23℃および50%RHの周囲条件でさらに調整する。
【0104】
ポリアミドの固有粘度:ASTM D2857−95に従って、25℃の試験温度で溶媒として96重量%の硫酸を使用して測定する。試験前に試料を80℃の真空オーブン中で12時間乾燥した。
【0105】
溶融ピーク温度:ASTM D3418−08に従って測定する。
【0106】
実施例1
ポリアクリレートエラストマーおよびポリアミドを含むブレンドB1を以下の通りに製造した。ポリアミドP1を、ウェイトロスフィーダーによって、250rpmのスクリュー速度で動作される、12のバレルセクションを有する43mm Berstorff(登録商標)共回転二軸押出機の第1のバレルセクションに測り入れた。同時に、正確な供給レートのために特別に構成された押出機および溶融ポンプによって、ポリアクリレートエラストマーAE1を、押出機の第4のセクションに測り入れた。ブレンドの溶融温度は約280℃に達した。第12のバレルセクションを出た後、さらなる加工の前に、得られたブレンドをペレット状にし、25℃まで冷却された。ブレンドB1の組成および特性を表1に示す。ブレンドB1の透過電子顕微鏡写真は、ポリアクリレートエラストマーは、ブレンドの連続相であり、そしてポリアミドは直径約0.5〜2umのほぼ球状のドメインに分散されることを示す。
【0107】
【表1】
【0108】
次いで、B1をロールミル上、約40℃でEVA1とさらにブレンドし、表2に示されるように、ブレンドB2〜B4を製造する。
【0109】
【表2】
【0110】
硬化性耐熱性エチレン酢酸ビニル組成物E1〜E6および比較のための硬化性エチレン酢酸ビニル組成物CE1〜CE5の調製および特性を表3に示す。硬化性組成物は、示される成分を、50rpmで動作する、カムローターを取り付けられたBrabender(登録商標)ミキシングボウルに添加することによって調製された。ボウル設定温度は50℃であり、混合時間は3分であった。バッチ温度は100℃を越えなかった。ミキシングボウルからコンパウンドを除去した後、それらを冷たいロールミル上に被覆し、そして成形プラーク、圧縮永久ひずみボタン用に、また硬化応答の測定のため、プレフォームを打ち抜いた。
【0111】
表3の結果は、全ての硬化性コンパウンドが良好な硬化応答を示すことを示す。コンパウンドE1、E2およびE3は、カーボンブラックを含有せず、プレス硬化後、カーボンブラックを含有しない比較組成物CE1よりも非常に高い引張強さおよびShore A硬度を示す。190℃で1週間の熱老化後、全ての本発明の組成物は、100%より高い破断引張伸びおよびShore A硬度の非常にわずかな変化(5ポイント未満)を有するが、比較組成物は、20%未満の破断伸びおよび少なくとも18ポイントのShore A硬度の増加を示す。
【0112】
【表3】
【0113】
実施例2
ブレンドB5は、表4に示すようにポリアクリレートAE1およびポリアミドP2を含んでなり、実施例1のブレンドB1の方法に従って製造される。ブレンドB5の透過電子顕微鏡写真は、ポリアクリレートエラストマーがブレンドの連続相であり、そしてポリアミドは直径約2〜5umのほぼ球状のドメインに分散されることを示す。
【0114】
【表4】
【0115】
B5をロールミル上、約40℃でEVA2とさらにブレンドし、表5に示されるように、ポリアミド含有量が10重量%〜0.2重量%の範囲であるブレンドB6〜B10を製造する。
【0116】
【表5】
【0117】
実施例1に記載の通り、Brabender(登録商標)ミキシングボウルを使用して、ブレンドB6〜B10をさらに混合して、表6で示すように硬化性コンパウンドE7〜E9、CE6およびCE7を製造した。
【0118】
唯一のポリマー成分としてEVA2を使用する対照コンパウンド(CE8)もまた、実施例1に記載の通り、Brabender(登録商標)ミキシングボウルの手順によって製造した。表6の結果は、全てのコンパウンドが、プレス硬化後、強い硬化応答、ならびにShore A硬度および引張特性を示すことを示す。しかしながら、175℃で2週間の温風老化後、少なくとも1%のポリアミドおよび1%のポリアクリレートエラストマーを含む本発明のコンパウンドは、比較実施例に関する10ポイント以上と比較して、Shore A硬度の3ポイントの増加のみを示す。加えて、熱老化後、本発明の組成物は、比較実施例よりも3倍以上高い破断引張伸びを有する。
【0119】
【表6】
【0120】
実施例3
ブレンドB11およびB12は、表7に示される割合で、EVA2、AE1およびP1をBrabender(登録商標)ミキシングボウルに添加することによって製造した。ボウルにローラーブレードを取り付けて、240℃まで予熱した。3種のポリマーを、100rpmのローター速度で混合した。バッチの温度が220℃(P1の溶融ピーク温度)に達したら、タイマーを始動し、そして空例を開始して、約240℃のバッチ温度を維持した。3分の混合後、ブレンドをボウルから出して、そしてさらなる加工の前に室温まで冷却した。
【0121】
【表7】
【0122】
硬化性組成物E10およびE11は、約40℃の温度でのロールミル混合によって、表8の調製に従って製造した。これらの組成物は、プレス硬化と、それに続く175℃での30分の後硬化後、ならびに190℃での1週間の温風老化後、強い硬化応答および優れた物理的特性を示す。
【0123】
【表8】